説明

往復封筒用シート

【課題】 一枚のシートの周囲に剥離紙で覆われた粘着部と切取線を形成することにより、開封後に裏返して返信用封筒にすることができる往復封筒用シートを提供すること。
【解決手段】 四角形の宛名部2と、その両横側に折り目を介して宛名部の半分強の幅を以て形成された2つの合わせ部3,4と、宛名部2の上下に折り目を介して宛名部より小さな長さ寸法で突出形成されたフラップ5,6とからなり、各合わせ部3,4の外周3辺およびフラップ5,6の先端の辺には剥離紙で覆われた粘着部を設け、各フラップ本体とフラップ先端の粘着部との間には切り取りテープ15,19を設け、合わせ部4の粘着部11と合わせ部本体との間に切り取りテープ13を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、差出人から受取人に届けられた封筒を切り開き、裏返して返信用封筒とすることができ、その際に刃物や接着剤を必要としない往復封筒用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、往信時のはがきや封筒を切り開いて裏返し、または一部を切り離して貼り合わせることにより返信用はがきや返信用封筒とする発明がなされている。
これらは、確実に相手から返事を貰うためや、返信用封筒を同封する手間を省き、往信時の重量を軽くし、紙や糊、はさみなどを節約、省略する為などの目的をもっていた。
【0003】
たとえば特許文献1には、略T字型に切り抜いた紙の三方に剥離紙で覆われた粘着部を設けた往復封筒が開示されている。
【0004】
しかしながら、この公知技術によると、一枚のシートをT字状に裁断して用いるため、用紙取りの無駄が多いこと、封筒となる用紙の上に中身を置き、周囲をたたんで包み込む構造であるため、袋状にならず、粒状物(例えばビス、ボルト、ナット、ハトメ、ラグ板など)を同封するのに不向きである点、一度接着に使用したフラップは再度接着し得ないという問題があった。
【0005】
【特許文献1】実開平05−95850号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来技術の問題に鑑みなされたもので、袋状の封筒形状となり、裏返して使用することで往復使用できる往復封筒用シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の報復封筒用シートは、四角形の宛名部と、該宛名部の両横側に折り目を介して宛名部の半分強の幅を以て形成された2つの合わせ部と、前記宛名部の上下に折り目を介して宛名部より小さな長さ寸法で突出形成されたフラップとからなる往復封筒用シートに於いて、前記各合わせ部の外周3辺およびフラップの先端の辺には剥離紙で覆われた粘着部を設け、各フラップ本体とフラップの粘着部との間には切り取りテープを設け、前記合わせ部のうち、一方の合わせ部の上側に貼り付けられる他方の合わせ部の粘着部と合わせ部本体との間に切り取りテープを設けたことを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、往信時には各合わせ部を宛名部の前側で接着して封筒を形成して配達し、受取人が切り取りテープで各合わせ部を分離して一枚のシートに戻し、返信時には各合わせ部を宛名部の後ろ側で接着して封筒を形成する。また、各フラップは、往診時にはそれぞれの先端の粘着部により合わせ部に接着して封筒の上下を封止して、第一回めの開封時には切り取りテープにより粘着部が切り離されて開封される。そして、返信時には、各フラップは合わせ部の粘着部により封がなされる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、宛名部の表裏両面に予め往信時および返信時の宛先を記入または印刷しておくこと、郵便代金分の切手を貼付しておくことや支払い済み印や着払い印を押しておくことにより、確実に返事が貰えるようになる。また、返信用封筒を折りたたんで入れる必要がないので、返信時の封筒に折り目がなく、綺麗なまま使うことができる。さらに、返信用封筒を同封するよりも重量が軽くなり、郵便代金や配達料金を控えることができ、紙の節約にもなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0011】
図1ないし図11は本発明の実施形態を示す。
【0012】
図1において、往復封筒用シート1は、宛名部2、合わせ部3,4、フラップ5,6から大略構成されている。
【0013】
7,8,9は一方の合わせ部3の外周3辺に形成された粘着部、10,11,12は他方の合わせ部4の外周3辺に形成された粘着部であり、各粘着部はそれぞれ剥離紙によって覆われている。
【0014】
13は合わせ部4本体と粘着部11との間に形成された切り取りテープである。
【0015】
往復封筒用シート1の使用方法は以下のとおりである。まず、差出人側では、図2に示すように、合わせ部3を矢示(1)の如く、紙面の手前側に折り返し、合わせ部4の粘着部11より剥離紙18を取り除いて矢示(2)の如く紙面の手前側に折り返して合わせ部3上に接着する。
【0016】
図3において、フラップ5の粘着部14より剥離紙19を取り除き、矢示(3)のように折り返し、合わせ部3,4の上に接着する。ここで、通常の袋状の封筒の形状となる。中身(図示せず)を入れてフラップ6の粘着部16から剥離紙20を取り除き、矢示(4)の如く手前に折り返し、封をする。この状態で郵便ポストに投函したり、民間の配達業者に渡される。
【0017】
そして、受け取り人側では、図6に示すように、フラップ5およびフラップ6の切り取りテープ15,17を引っ張り開封する。このとき、一方のみを先に開封して取り出すことも可能である。
【0018】
そして、図7矢示(5)のようにフラップ5,6を広げ、切り取りテープ13を引っ張り、合わせ部3と4とを分離する。
次いで、図8、図9の矢示(6)、(7)のように合わせ部3,4を広げる。かくして、封筒は再び一枚のシート状の姿となる。
【0019】
次に、返信用封筒を作成する手順を説明する。
図10のように、合わせ部3の粘着部8から剥離紙21を、粘着部7と9から剥離紙22と23を取り除き、合わせ部3を紙面の奥側に折り返す(矢示8)。次いで合わせ部4の粘着部10と12から剥離紙24と25を取り除き、合わせ部4を紙面の奥側に折り返し(矢示9)、合わせ部3の粘着部8上に接着する。
【0020】
そして、図11のように、フラップ5および6を紙面の奥側へ折り曲げて粘着部7,10と9,12により接着して、返信用封筒が完成する。中身は片方のフラップを接着後、あるいは前記合わせ部3と4を接着する前に封筒の中に入れておくことができる。
【0021】
本発明は以上の如きもので、一枚のシートとしたことにより、プリンタや複写機を用いて宛名を印刷することができる。そして、宛名部の表裏両面に予め往信時および返信時の宛先を記入または印刷しておくこと、郵便代金分の切手を貼付しておくことや支払い済み印や着払い印を押しておくことにより、確実に返事が貰えるようになる。また、返信用封筒を折りたたんで入れる必要がないので、返信時の封筒に折り目がなく、綺麗なまま使うことができる。さらに、返信用封筒を同封するよりも重量が軽くなり、郵便代金や配達料金を控えることができ、紙の節約になる等、種々の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態に係る往復封筒用シートの平面図である。
【図2】図1の往復封筒用シートを往信封筒とする手順の説明図である。
【図3】図2と同様の説明図である。
【図4】図2と同様の説明図である。
【図5】図2と同様の説明図である。
【図6】図1の往復封筒用シートを返信封筒とする手順の説明図である。
【図7】図6と同様の説明図である。
【図8】図6と同様の説明図である。
【図9】図6と同様の説明図である。
【図10】図6と同様の説明図である。
【図11】図6と同様の説明図である。
【符号の説明】
【0023】
1…往復封筒用シート、2…宛名部、3、4…合わせ部、5,6…フラップ、13,15,17…切り取りテープ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
四角形の宛名部と、該宛名部の両横側に折り目を介して宛名部の半分強の幅を以て形成された2つの合わせ部と、前記宛名部の上下に折り目を介して宛名部より小さな長さ寸法で突出形成されたフラップとからなる往復封筒用シートに於いて、前記各合わせ部の外周3辺およびフラップの先端の辺には剥離紙で覆われた粘着部を設け、各フラップ本体とフラップの粘着部との間には切り取りテープを設け、前記合わせ部のうち、一方の合わせ部の上側に貼り付けられる他方の合わせ部の粘着部と合わせ部本体との間に切り取りテープを設けたことを特徴とする報復封筒用シート。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2006−282217(P2006−282217A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−103470(P2005−103470)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)