説明

従動ローラ、記録装置、成形金型用コアピン

【課題】 従動ローラが印刷面にローラ痕を形成することを防止し、或いはその程度を軽減するとともに、従動ローラを安定した姿勢で従動回転させること。
【解決手段】 搬送従動ローラ31は、1本の軸体32に2つ取り付けられ、その中央部には付勢力Fが作用し、これによって用紙Pに圧接して従動回転する。軸体32を挿通させる軸穴31cは、第1の内周面31dと、当該第1の内周面31dに対して付勢力Fの作用点側に位置し、第1の内周面31dより内径の大なる第2の内周面31eと、を備えて構成されている。軸体32は、付勢力Fによって撓むが、第1の内周面31dと第2の内周面31eとが接続する段差部31fに圧接し、軸穴31cの端部31gには圧接しない。これによって軸体32が撓んでも搬送従動ローラ32が用紙Pに対して傾かず、ローラ痕の発生を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファクシミリやプリンタ等に代表される記録装置において、付勢手段によって付勢される軸体を挿通させる軸穴を有し、前記軸体から前記軸穴の内部で押圧力を受けることにより、回動駆動される駆動ローラに圧接するとともに前記軸体を回動軸として従動回動する従動ローラ、およびこれを備えた記録装置に関する。また、本発明は加熱溶融樹脂が充填される、前記従動ローラ成形用金型内部のキャビティに挿入される成形金型用コアピンに関する。
【背景技術】
【0002】
以下、記録装置の一例としてのインクジェットプリンタを一例として説明する。インクジェットプリンタは、インクジェット記録ヘッドの上流側に被記録媒体の一例としての印刷用紙を搬送する搬送手段を備えている。搬送手段は、回動駆動される駆動ローラと、当該駆動ローラに圧接して従動回動する従動ローラとを備えて構成されており、駆動ローラと従動ローラとによって印刷用紙を挟圧しつつ駆動ローラが回転することにより、印刷用紙がインクジェット記録ヘッドと対向する領域に搬送される。
【0003】
従動ローラは、例えば特許文献1に示すように、1本の軸に2つ取り付けられるとともに、その中央部にねじりバネの付勢力を作用させることで、2つのローラが駆動ローラに向けて同時に付勢される構成が採られている。
ここで、従動ローラは印刷用紙の印刷面に強く圧接することから、ローラ外周面にバリ等が存在していると、印刷面にローラ痕を付けてしまう虞がある。特に、従動ローラは外周面において軸方向の端部が鋭利に形成され易く、またバリが生じ易い。従ってこのように鋭利な従動ローラ外周面の軸方向端部によってローラ痕を形成しないよう、特許文献2には、軸方向両端部の外周面の外径を、軸方向中央部の外周面の外径よりも小さくした従動ローラが提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−72274号公報(段落0052、第7図)
【特許文献2】特開2001−97593号公報(第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1に示されるように1本の軸に2つの従動ローラを取り付けるとともにその中央で軸を付勢する場合、つまり、1つの従動ローラに対しては片側にのみ付勢力が作用するような場合には、軸に撓みが発生し易い。この様に軸が撓むと、従動ローラに掛かる荷重が軸方向で不均一となり、即ち軸穴の端部に軸が圧接する為、従動ローラが印刷面に対して傾き、その結果上記特許文献2に示される従動ローラであっても、その外周面の軸方向端部が印刷面に接してしまい、印刷面に線状のローラ痕を形成する虞があった。また、その外周面の軸方向端部が印刷面に接しないまでも、従動ローラが印刷面に対して傾くことで、外周面の一部が印刷面に強く圧接してしまい、その結果従動ローラが通過した痕跡が帯状に残ること、即ち帯状のローラ痕(圧接痕)を形成する虞もある。
【0006】
特に近年、銀塩写真並の超高画質印刷を行う際に、より一層印刷品質を向上させることを目的として、印刷用紙の光沢度の更なる向上が図られており、この様に極めて光沢度の高い印刷用紙では、より一層印刷面に形成されたローラ痕が視認し易くなる。尚、以下では単に「ローラ痕」と言う場合には、上述した様な従動ローラ外周面の軸方向端部によって形成される線状の傷、及び従動ローラが通過することによって形成される帯状の痕跡、の双方を意味することとする。
【0007】
また、従動ローラが印刷面に対して傾いた状態のまま印刷用紙の搬送が行われると、従動ローラは従動回転に際して常に安定した一定の姿勢をとらず、回転ととともにその姿勢を変化させる。するとこれにより、従動ローラ内周面と回動軸との間の摩擦力が、その回転周期によって変動する現象が発生し、その結果従動ローラの回転周期によって用紙搬送精度が変化する虞があり、即ち印刷品質が低下する虞がある。
【0008】
そこで本発明はこの様な状況に鑑みなされたものであり、その目的は、従動ローラが印刷面にローラ痕を形成することを防止し、或いはその程度を軽減するとともに、従動ローラを安定した姿勢で従動回転させることにある。より具体的には、従動ローラの印刷面に対する傾きを軽減或いは防止し、即ち従動ローラ外周面を印刷面に対してより一層平行に(均一に)圧接させ、もってローラ痕の発生を防止し、或いはその程度を軽減させるとともに、従動ローラを安定した姿勢で従動回転させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する為に、本発明の第1の態様は、付勢手段によって付勢される軸体を挿通させる軸穴を有し、前記軸体から前記軸穴の内部で押圧力を受けることにより、回動駆動される駆動ローラに圧接するとともに前記軸体を回動軸として従動回動する従動ローラであって、前記軸体の撓みによって前記軸体が前記軸穴の軸方向端部に圧接しない様、前記軸穴に逃げ部が形成されていることを特徴とする。
【0010】
本態様によれば、従動ローラの軸穴に、軸体の撓みによって軸体が軸穴の軸方向端部に圧接しないよう逃げ部が形成されているので、軸体が撓んでも当該軸体は軸穴の端部に圧接せず、即ち従動ローラ外周面の軸方向端部に荷重が集中しない。従ってこれにより、従動ローラの被記録媒体記録面に対する傾きを軽減或いは防止することができ、従動ローラ外周面の軸方向端部が被記録媒体記録面に接することによって生じる線状のローラ痕、或いは従動ローラ外周面の一部が被記録媒体記録面に強く圧接することによって生じる帯状のローラ痕、を軽減し或いはその発生を防止することができる。また、従動ローラの回転に際してその姿勢が安定するので、被記録媒体の搬送精度を一定に保つことができ、記録品質の低下を防止することができる。
【0011】
本発明の第2の態様は、付勢手段によって付勢される軸体を挿通させる軸穴を有し、前記軸体から前記軸穴の内部で押圧力を受けることにより、回動駆動される駆動ローラに圧接するとともに前記軸体を回動軸として従動回動する従動ローラであって、前記軸体に作用する付勢力の作用点側に位置する軸穴端部の内径が、他方側の軸穴端部の内径より大なることを特徴とする。
【0012】
本態様によれば、軸体に作用する付勢力の作用点側に位置する軸穴端部の内径が、他方側の軸穴端部の内径より大きいので、これによって軸体が撓んでも当該軸体は軸穴の端部に圧接せず、即ち従動ローラ外周面の軸方向端部に荷重が集中しない。従ってこれにより、従動ローラの被記録媒体記録面に対する傾きを軽減或いは防止することができ、従動ローラ外周面の軸方向端部が被記録媒体記録面に接することによって生じる線状のローラ痕、或いは従動ローラ外周面の一部が被記録媒体記録面に強く圧接することによって生じる帯状のローラ痕、を軽減し或いはその発生を防止することができる。また、従動ローラの回転に際してその姿勢が安定するので、被記録媒体の搬送精度を一定に保つことができ、記録品質の低下を防止することができる。
【0013】
本発明の第3の態様は、付勢手段によって付勢される軸体を挿通させる軸穴を有し、前記軸体から前記軸穴の内部で押圧力を受けることにより、回動駆動される駆動ローラに圧接するとともに前記軸体を回動軸として従動回動する従動ローラであって、前記軸穴の内径が、軸方向において前記軸体に作用する付勢力の作用点に向かって拡大するように形成されていることを特徴とする。
【0014】
本態様によれば、軸穴の内径が、軸方向において軸体に作用する付勢力の作用点に向かって拡大するように形成されていることから、これによって軸体が撓んでも当該軸体は軸穴の端部に圧接せず、即ち従動ローラ外周面の軸方向端部に荷重が集中しない。従ってこれにより、従動ローラの被記録媒体記録面に対する傾きを軽減或いは防止することができ、従動ローラ外周面の軸方向端部が被記録媒体記録面に接することによって生じる線状のローラ痕、或いは従動ローラ外周面の一部が被記録媒体記録面に強く圧接することによって生じる帯状のローラ痕、を軽減或いはその発生を防止することができる。また、従動ローラの回転に際してその姿勢が安定するので、被記録媒体の搬送精度を一定に保つことができ、記録品質の低下を防止することができる。
【0015】
本発明の第4の態様は、上記第1から第3の態様のいずれかにおいて、前記従動ローラの外周面が、外径の一様な第1の外周面と、当該第1の外周面の軸方向端部から前記従動ローラの端部に向かって外径が縮小する様に形成される、当該第1の外周面の軸方向両側に位置する第2の外周面と、を備えて構成されていることを特徴とする。
【0016】
本態様によれば、従動ローラの外周面が、外径の一様な第1の外周面と、当該第1の外周面の軸方向端部から前記従動ローラの端部に向かって外径が縮小する様に形成される、当該第1の外周面の軸方向両側に位置する第2の外周面と、を備えて構成されていることから、従動ローラの傾きをより確実に防止でき、線状のローラ痕の発生をより確実に防止することができる。或いは、従動ローラに多少の傾きが生じても、従動ローラ外周面の軸方向端部が被記録媒体記録面に接する程度を軽減することができ、線状のローラ痕の程度を軽減することができる。
【0017】
本発明の第5の態様は、上記第4の態様において、軸体が軸穴に押圧力を付与する際に最も押圧力が大なる位置が、軸方向において第1の外周面の形成領域内に位置していることを特徴とする。
本態様によれば、軸体が軸穴に押圧力を付与する際に最も押圧力が大なる位置が、軸方向において前記第1の外周面の形成領域内に位置しているので、従動ローラの傾きをより確実に防止でき、そして外径の一様な第1の外周面が被記録媒体記録面に均等に圧接するので、ローラ痕の発生をより一層確実に防止することができる。
【0018】
本発明の第6の態様は、付勢手段によって付勢される軸体を挿通させる軸穴を有し、前記軸体から前記軸穴の内部で押圧力を受けることにより、回動駆動される駆動ローラに圧接するとともに前記軸体を回動軸として従動回動する従動ローラであって、前記軸穴が、内径の一様な第1の内周面と、軸方向において当該第1の内周面に対して前記軸体に作用する付勢力の作用点側に位置し、前記第1の内周面より内径が大なるとともに内径の一様な第2の内周面と、を備えて構成されており、前記第1の内周面と前記第2の内周面とが接続する段差部に、前記軸体による押圧力が集中するよう構成されていることを特徴とする。
【0019】
本態様によれば、軸穴が、内径の一様な第1の内周面と、軸方向において当該第1の内周面に対して前記軸体に作用する付勢力の作用点側に位置し、前記第1の内周面より内径が大なるとともに内径の一様な第2の内周面と、を備えて構成されており、前記第1の内周面と前記第2の内周面とが接続する段差部に、前記軸体による押圧力が集中するよう構成されていることから、これによって軸体が撓んでも当該軸体は軸穴の端部に圧接せず、前記段差部に圧接し、従動ローラ外周面の軸方向端部に荷重が集中しない。
【0020】
従ってこれにより、従動ローラの被記録媒体記録面に対する傾きを軽減或いは防止することができ、従動ローラ外周面の軸方向端部が被記録媒体記録面に接することによって生じる線状のローラ痕、或いは従動ローラ外周面の一部が被記録媒体記録面に強く圧接することによって生じる帯状のローラ痕、を軽減し或いはその発生を防止することができる。また、従動ローラの回転に際してその姿勢が安定するので、被記録媒体の搬送精度を一定に保つことができ、記録品質の低下を防止することができる。
【0021】
本発明の第7の態様は、上記第6の態様において、前記従動ローラの外周面が、外径の一様な第1の外周面と、当該第1の外周面の軸方向端部から前記従動ローラの端部に向かって外径が縮小する様に形成される、当該第1の外周面の軸方向両側に位置する第2の外周面と、を備えて構成されていることを特徴とする。
【0022】
本態様によれば、従動ローラの外周面が、外径の一様な第1の外周面と、当該第1の外周面の軸方向端部から前記従動ローラの端部に向かって外径が縮小する様に形成される、当該第1の外周面の軸方向両側に位置する第2の外周面と、を備えて構成されていることから、従動ローラの傾きを確実に防止でき、線状のローラ痕の発生をより確実に防止することができる。或いは、従動ローラに多少の傾きが生じても、従動ローラ外周面の軸方向端部が被記録媒体記録面に接する程度を軽減することができ、線状のローラ痕の程度を軽減することができる。
【0023】
本発明の第8の態様は、前記段差部が、軸方向において前記第1の外周面の形成領域内に位置していることを特徴とする。本態様によれば、前記段差部が、軸方向において前記第1の外周面の形成領域内に位置しているので、従動ローラの傾きをより確実に防止でき、そして外径の一様な第1の外周面が被記録媒体記録面に均等に圧接するので、ローラ痕の発生をより一層確実に防止することができる。
【0024】
本発明の第9の態様は、上記第8の態様において、前記段差部が、軸方向において前記第1の外周面の中央に位置していることを特徴とする。本態様によれば、前記段差部が、軸方向において前記第1の外周面の中央に位置しているので、従動ローラの傾きをほぼ確実に防止でき、そして外径の一様な第1の外周面が被記録媒体記録面にほぼ確実に均等に圧接するので、ローラ痕の発生をより確実に防止することができる。
【0025】
本発明の第10の態様は、上記第1から第9の態様のいずれかにおいて、前記従動ローラの外周面の硬度がデュロメータD値で60以下であることを特徴とする。本態様によれば、前記従動ローラ外周面が適度な弾性を有しており、被記録媒体記録面との接触面積を確保することができ、帯状のローラ痕の発生をより確実に防止することができる。
【0026】
本発明の第11の態様に係る記録装置は、被記録媒体に記録を行う記録ヘッドと、前記記録ヘッドの上流側に設けられ、回動駆動される駆動ローラと、前記駆動ローラに圧接して従動回動する、上記第1から第10の態様のいずれかに記載の前記従動ローラと、を備えていることを特徴とする。本態様によれば、記録装置において、上記第1から第10の態様と同様な作用効果を得ることができる。
【0027】
本発明の第12の態様は、付勢手段によって付勢される軸体を挿通させる軸穴を有し、前記軸体から前記軸穴の内部で押圧力を受けることにより、回動駆動される駆動ローラに圧接するとともに前記軸体を回動軸として従動回動する、そのような従動ローラを成形する為の成形用金型内部のキャビティに挿入されて、前記軸穴を形成する成形金型用コアピンであって、上記第1から第10の態様のいずれかに記載の前記軸穴の形状に対応する外周形状を有することを特徴とする
本態様によれば、上記第1から第10の態様のいずれかに記載の前記従動ローラを得ることができ、もって上記第1から第10の態様の作用効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。以下では先ず、図1を参照しながら、本発明に係る記録装置の一例としてのインクジェットプリンタ(以下「プリンタ」と言う)1の概要について説明する。ここで、図1はプリンタ1の用紙搬送経路の側断面図である。尚、以下では、図1の右方向(プリンタ前方側)を用紙搬送(給送)経路の「下流側」と言い、左方向(プリンタ後方側)を「上流側」と言うこととする。
【0029】
プリンタ1は後部に被記録媒体の一例としての記録用紙(主として単票紙:以下「用紙P」と言う)を傾斜姿勢でセット可能な給送装置2を備え、当該給送装置2から、用紙Pを下流側の被記録媒体搬送手段4へ向けて給送する。給送された用紙Pは被記録媒体搬送手段4によって下流側の記録手段3へ搬送され、記録が実行される。そして記録手段3によって記録の行われた用紙Pは、下流側の被記録媒体排出手段5によって装置前方へ排出される。
【0030】
以下、プリンタ1の用紙搬送経路上の構成要素について更に詳説する。給送装置2は、ホッパ11と、給送ローラ12と、リタードローラ13と、戻しレバー14と、をフレーム22に備えて構成されている。
ホッパ11は板状体から成り、上部の揺動支点(図示せず)を中心に揺動可能に設けられ、揺動することにより、ホッパ11上に傾斜姿勢に支持された用紙Pを給送ローラ12に圧接させる圧接姿勢と、給送ローラ12から離間させる離間姿勢と、を切り換わる。給送ローラ12は側面視略D形の形状を成し、その円弧部分によって圧接した最上位の用紙Pを下流側へ給送する一方で、用紙Pが給送された後の、被記録媒体搬送手段4による用紙Pの搬送中においては、搬送負荷を生じさせない様に図示する様にその平坦部が用紙Pと対向する様に制御される。
【0031】
リタードローラ13は、外周が弾性材によって形成され、給送ローラ12の円弧部分と圧接可能に設けられ、且つ、所定の回転抵抗(トルク)が与えられた状態に設けられている。リタードローラ13は用紙Pの重送が発生せずに、1枚だけ給送されている場合には、リタードローラ13に前記回転抵抗以上のトルクが加わるので、給送ローラ13に対して従動回転(図1の時計回り)する。
【0032】
一方、用紙Pが給送ローラ12とリタードローラ13との間に複数枚存在する場合には、用紙間の摩擦係数が用紙Pとリタードローラ13との間の摩擦係数よりも低いため、リタードローラ13には前記回転抵抗以上のトルクが掛からず、回転せずに停止した状態となる。従ってこれにより、給送されるべき最上位の用紙Pにつられて重送されようとする次位以降の用紙Pが、リタードローラ13から下流側へ進まずに、重送が防止される。
戻しレバー14は、用紙Pの給送経路を側視して揺動可能に設けられていて、揺動することにより、重送されようとした次位以降の用紙Pをホッパ11上に戻す作用を奏する。
【0033】
次に、給送装置2と被記録媒体搬送手段4との間には、用紙Pの通過を検出する検出手段(図示せず)と、用紙Pの給送姿勢を形成するとともに用紙Pの給送ローラ12への接触を防止して搬送負荷を軽減するガイドローラ26が設けられている。ここで、このガイドローラ26は、紙案内上24の上流側端部において自由回転可能に軸支されている。
【0034】
給送装置2の下流側に設けられた被記録媒体搬送手段4は、モータによって回動駆動される搬送駆動ローラ30と、該搬送駆動ローラ30に圧接して従動回動する搬送従動ローラ31とを備えて構成されている。
搬送駆動ローラ30は用紙幅方向に延びる金属軸の外周面に耐摩耗性粒子がほぼ均一に分散されて成る付着層を備えて成され、搬送従動ローラ31は外周面がエラストマ等の低摩擦材料によって成され、搬送駆動ローラ30の軸線方向に複数配設されている。尚、搬送従動ローラ31については後に詳説する。
【0035】
搬送従動ローラ31を軸支する紙案内上24は軸24aがメインフレーム23に軸支されることで、用紙搬送経路を側視して軸24aを中心に揺動可能に設けられるとともに、付勢手段としてのコイルばね25によって、搬送従動ローラ31が搬送駆動ローラ30に圧接する方向に付勢されている。
【0036】
被記録媒体搬送手段4に到達した用紙Pは、搬送駆動ローラ30と搬送従動ローラ31とによってニップされた状態で搬送駆動ローラ30が回転することにより、下流側の記録手段3へと搬送される。
記録手段3は、インクジェット記録ヘッド(以下「記録ヘッド」と言う)36と、当該記録ヘッド36と対向するように設けられる紙案内下37とを備えて構成される。記録ヘッド36はキャリッジ33の底部に設けられ、当該キャリッジ33は主走査方向に延びるキャリッジガイド軸34にガイドされながら、図示しない駆動モータによって主走査方向に往復動する様に駆動される。また、キャリッジ33は、カバー35によって覆われる内部空間に、複数色の各色毎に独立したインクカートリッジ(図示せず)を搭載し、記録ヘッド36へとインクを供給する。
【0037】
用紙Pと記録ヘッド36との距離を規定する紙案内下37には、記録ヘッド36と対向する面にリブ51、52、53が形成されているとともに、インクを打ち捨てる凹部54、55が形成されていて、用紙Pの端部から外れた領域に吐出するインクを凹部54、55に打ち捨てることにより、用紙Pの端部に余白無く印刷を行う所謂フチ無し印刷が実行される。
【0038】
続いて、記録ヘッド36の下流側には、ガイドローラ43と、被記録媒体排出手段5が設けられている。ガイドローラ43は用紙Pの紙案内下37からの浮き上がりを防止して用紙Pと記録ヘッド36との距離を一定に保つ機能を果たす。被記録媒体排出手段5は図示しないモータによって回転駆動される排出駆動ローラ41と、当該排出駆動ローラ41に接して従動回転する排出従動ローラ42とを備えて構成されている。本実施形態において排出駆動ローラ41はゴムローラによって成されるとともに回転駆動される軸体の軸方向に複数設けられる。
【0039】
また、排出従動ローラ42は外周に複数の歯を有する歯付きローラによって成されるとともに、主走査方向に長い形状を成す排紙フレームAssy45に、複数の排出駆動ローラ41に対応するよう複数設けられる。記録手段3によって記録の行われた用紙Pは、排出駆動ローラ41と排出従動ローラ42とによってニップされた状態で排出駆動ローラ41が回転駆動されることにより、装置前方へと排出される。
【0040】
尚、プリンタ1は、単票紙等の他に、CD−R等の光ディスク(薄板状体)のラベル面に直接インクジェット記録可能に構成されている。この光ディスクは、プレート形状を成すトレイ(図示せず)セットされた状態で、プリンタ1における直線状のトレイ搬送経路を搬送される。このトレイは、プリンタ1前方に設けられたトレイガイド7に支持されながら、プリンタ1の後方側(上流側)へ向けて、トレイ搬送経路に手差しで差し込まれ、そして被記録媒体搬送手段4によって副走査送りされる。
【0041】
以上がプリンタ1の構成であり、以下図2乃至図5を参照しながら搬送従動ローラ31について詳説する。ここで、図2は紙案内上24、搬送従動ローラ31、搬送駆動ローラ30の外観斜視図、図3は紙案内上24及び搬送従動ローラ31の断面図、図4は搬送従動ローラ31を軸方向に平行な面で切断した断面図(模式図)、図5は搬送従動ローラ31の他の実施形態を示す断面図である。
【0042】
図2及び図3に示すように、本実施形態において搬送従動ローラ31は、1つの紙案内24に、2つ軸支されている。具体的には、2つの搬送従動ローラ31は、その軸方向に所定の間隔を置いて配置され、1本の軸体32が2つの搬送従動ローラ31を貫通するとともに、当該軸体32が紙案内上24に軸支されている。
軸体32は、その両軸端が軸受部24c、24cによって軸方向および副走査方向に移動しないよう拘束されるとともに、その中央部において、軸受部24bによって上方に移動しないよう拘束される。
【0043】
搬送従動ローラ31を搬送駆動ローラ30に向けて付勢するコイルばね25の一端25bは、メインフレーム23(図1)に掛止し、他端25aは、紙案内上24の軸受部24bまで延びて、軸受部24bを搬送駆動ローラ30に向けて付勢する。これにより軸体32が、その中央部で搬送駆動ローラ30に向けて付勢され、そして軸穴31c(図4)の内部で搬送従動ローラ31を搬送駆動ローラに向けて押圧する。
【0044】
図4は、搬送従動ローラ31を軸方向に平行な面で切断した断面図であるとともに、形状の特徴が判り易いように上下左右の比率を変更し、形状の特徴を誇張して描いた模式図である。
この図4に示すように、搬送従動ローラ31の外周面は、外径の一様な第1の外周面31a(符号Aで示す範囲)と、当該第1の外周面31aの軸方向両側に位置し、当該第1の外周面31aの軸方向端部から搬送従動ローラ31の端部に向かって外径が縮小するように、即ち傾斜面となるように形成された第2の外周面31、31b(符号Bで示す範囲)とを備えて構成されている。
【0045】
従って搬送従動ローラ31の外周面において用紙Pに圧接する部分は、専ら外径の大きい第1の外周面31aとなり、両側の第2の外周面31b、31bは、用紙Pの印刷面に殆ど接しないか、接しても僅かな程度となる。従ってこれにより、搬送従動ローラ31外周面の軸方向両端部が用紙Pに接することを防止でき、或いは接しても強く接しないので、搬送従動ローラ31外周面の軸方向両端部が用紙Pに接することによって生じる線状のローラ痕を防止でき、或いはその程度を軽減することができる。
【0046】
次に、搬送従動ローラ31の軸穴31cは、内径が軸方向に一様ではなく、内径の異なる2つの内周面31d、31eによって構成されている。即ち、軸穴31cは、内径が一様に形成された第1の内周面31dと、第1の内周面31dより内径が大なるとともに内径が一様に形成された第2の内周面31eと、を備えて構成され、第1の内周面31dと第2の内周面31eとが接続する部分に段差部31fが形成されている。
【0047】
ここで、軸体32は、その中央において符号Fで示す付勢力をコイルばね25から受けるとともに、その両側において搬送従動ローラ31から逆向きの反力を受けるので、これによって符号Mで示すような曲げモーメントが発生し、撓みが発生する。ここで、軸体32が撓むことにより、当該軸体32が、軸穴31cにおいて付勢力Fの作用点側に位置する端部(符号31gで示す)に圧接すると、搬送従動ローラ31が用紙Pに対して傾き、その結果外周面の軸方向端部が用紙Pの印刷面に接して線状のローラ痕を形成する虞がある。また、外周面の軸方向端部が印刷面に接しないまでも、外周面の一部が用紙Pの印刷面に強く圧接してしまい、その結果帯状のローラ痕(圧接痕)を形成する虞もある。
【0048】
しかし、上述の通り軸穴31cには、内径の大なる第2の内周面31eによって、付勢力Fが作用する側に軸体32との間のクリアランス、即ち逃げ部が形成された状態になっているので、図4に示すように軸体32が付勢力Fによって撓んでも、当該軸体32は、軸穴31cの軸方向端部31gに圧接しない。
【0049】
従ってこれにより、搬送従動ローラ31の用紙P印刷面に対する傾きを防止或いは軽減することができ、搬送従動ローラ31外周面の軸方向端部が用紙P印刷面に接することによって生じる線状のローラ痕、或いは搬送従動ローラ31外周面の一部が用紙P印刷面に強く圧接することによって生じる帯状のローラ痕、の発生を防止することができ、或いはその程度を軽減することができる。
また、搬送従動ローラ31の回転に際してその姿勢が安定するので、用紙Pの搬送精度を一定に保つことができ、印刷品質の低下を防止することができる。
【0050】
特に、本実施形態では段差部31fが、軸方向において第1の外周面31aの形成領域内(符号Aで示す領域内)に位置しているので、搬送従動ローラ31の傾きをより確実に防止できるとともに、外径の一様な第1の外周面31aが用紙P印刷面に均等に圧接することとなり、ローラ痕の発生をより一層確実に防止することができる。尚、本実施形態では段差部31fが、第1の外周面31aのちょうど中間位置に配置されているので、外周面31aの印刷面に対する傾きをより一層確実に防止できるようになっている。
【0051】
次に、搬送従動ローラ31の実施例について説明する。搬送従動ローラ31の各寸法は、例えば軸方向の全長を20.8(mm)、外周面の軸方向長さ(図4のB+A+Bで示す領域)を18.8(mm)、付勢力Fが作用する側の軸方向端部(符号31gで示す位置)から段差部31fまでの距離を9.0(mm)、第1の外周面31aの直径を5.0(mm)、第2の外周面31bの軸方向端部(直径の小さい側)の直径を4.95(mm)、第1の内周面31dの直径を1.555(mm)、第2の内周面31eの直径を1.85(mm)とすることができる。尚、この実施例において軸体32の外径は1.4935(mm)である。
【0052】
ここで、付勢力Fが作用する側の軸方向端部(符号31gで示す位置)から段差部31fまでの距離を大きくとりすぎると、第1の内周面31dの軸方向寸法が小さくなり、軸体32と第1の内周面31dとの間の摩耗が速く進行するので、第1の内周面31dの軸方向寸法は、ある程度の長さを確保することが望ましい。また、第1の外周面31aの軸方向長さ(領域Aの長さ)を短くし過ぎると、用紙Pとの間の接触面積が小さくなり、帯状のローラ痕(圧接痕)を形成し易くなるので、これについてもある程度の長さを確保することが望ましく、例えば上記実施例では6.0(mm)以上確保することが望ましい。但し、本実施例は一つの実施例であって、その他の装置構成や、付勢力Fの大きさ、用紙Pの光沢の度合い等々、種々の要因によって最適化することが望ましい。
【0053】
この様な搬送従動ローラ31は、例えば射出成形によって形成することができる。その際用いる樹脂としては、例えばPOM(アセタール樹脂)を用いることができ、その一例としてポリプラスチックス(株)製のSX−35(グレード名)を用いることができる。
【0054】
ここで、搬送従動ローラ31の外周面の硬度が高すぎると、搬送従動ローラ31外周面と用紙P印刷面との間の接触面積が小さくなり過ぎ、その結果帯状のローラ痕(圧接痕)を形成し易くなる。従って、搬送従動ローラ31の外周面の硬度は、極力小さいほうが望ましい。しかし一方で、軟質のゴム系材料を用いるとブリードが発生しゴム成分の一部が析出されて、用紙P印刷面に付着する虞もある。上記一例として挙げたPOMによれば、搬送従動ローラ31外周面のデュロメータ硬度(JIS K−7215 タイプD)を60以下とすることができ、しかもブリードの発生もなく、良好な結果を得られた。
【0055】
射出成形に際しては、一般的な射出成形機及び成形用金型を用いることができ、その一例は特開2001−97593号公報に記載されているので、ここではその説明は省略する。尚、軸穴31cを形成する為のコアピン(特開2001−97593号公報におけるセンタ・ピン)の外周形状は、図4に示す軸穴31cの内周形状に対応するように、段差を有するものである。
【0056】
尚、軸穴31cの内周形状は、上記実施形態に限られるものではない。即ち、軸穴31cが、(i)軸体32の撓みによって当該軸体32が軸穴31cの端部31gに圧接しないよう逃げ部を有していること、(ii)付勢力Fの作用点側に位置する軸穴端部31gの内径が、他方側の軸穴端部の内径より大なること、(iii)軸穴31cの内径が、軸方向において付勢力Fの作用点に向かって拡大するように形成されていること、(iv)内径の一様な第1の内周面31dと、軸方向において第1の内周面31dに対して付勢力Fの作用点側に位置し、第1の内周面31dより内径が大なるとともに内径の一様な第2の内周面31eと、を備えて構成されており、段差部31fに、軸体32による押圧力が集中すること、のいずれか一つ或いは複数を満たすものであれば、本発明の作用効果を得ることができる。
【0057】
例えば、図5に示す様な搬送従動ローラ310を形成することもできる。図5は搬送従動ローラ310を軸方向に平行な面で切断した断面図であるとともに、形状の特徴が判り易いように上下左右の比率を変更し、形状の特徴を誇張して描いた模式図である。搬送従動ローラ310の軸穴310cは、付勢力Fの作用点側に位置する内周面310eと、付勢力Fの作用点から遠い側に位置する内周面310dとを備えて構成されている。
【0058】
内周面310eは、付勢力Fの作用点に向かって内径が拡大するように形成されており、内周面310dは、内周面310eと同様に軸穴端部に向かって内径が拡大するように形成されている。
ここで、符号hは、搬送従動ローラ310の軸芯線を示しており、符号γは、付勢力Fによって撓んだ軸体32の、軸穴310c内部における軸芯線hとの成す角度を示している。また、符号αは軸体32と内周面310eとの成す角度を示し、符号βは軸体32と内周面310dとの成す角度を示している。
【0059】
軸体32は、撓むことによって内周面310dと内周面310eとの交差部310fに圧接し、即ち軸体32が撓んでも軸穴310cの端部310gに軸体32が圧接しないので、これによって用紙P印刷面に対する傾きを防止或いは軽減することができ、搬送従動ローラ31外周面の軸方向端部が用紙P印刷面に接することによって生じる線状のローラ痕、或いは搬送従動ローラ31外周面の一部が用紙P印刷面に強く圧接することによって生じる帯状のローラ痕(圧接痕)、の発生を防止することができ、或いはその程度を軽減することができる。
【0060】
ここで、本実施形態においては角度αと角度βとが同じになるように設定されている。従って軸体32が交差部310fに圧接することで、当該交差部310fが摩耗する際には、角度αと角度βとが同じであることから交差部310fを中心にして軸方向両側に均等に摩耗していくこととなる。従って軸体32が軸穴310cを押圧する位置が、交差部310fから極端に左右に移動せず、もって軸穴310c内部に摩耗が生じても常に適切な位置で押圧することができる。
【0061】
以上、本発明を記録装置(インクジェットプリンタ)に適用した例について説明したが、液体噴射装置一般に適用することが可能であることは言うまでも無い。
ここで、液体噴射装置とは、インクジェット式記録ヘッドが用いられ、該記録ヘッドからインクを吐出して被記録媒体に記録を行うプリンタ、複写機およびファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を前記インクジェット式記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから被記録媒体に相当する被噴射媒体に噴射して、前記液体を前記被噴射媒体に付着させる装置を含む意味で用いる。
液体噴射ヘッドとして、前記記録ヘッドの他に、液晶ディスプレー等のカラーフィルター製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーや面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係るインクジェットプリンタの側断面図。
【図2】紙案内上、本発明に係る搬送従動ローラ、搬送駆動ローラ、の斜視図。
【図3】紙案内上および本発明に係る搬送従動ローラの断面図。
【図4】本発明に係る搬送従動ローラを軸方向に平行な面で切断した断面図。
【図5】本発明に係る搬送従動ローラの他の実施形態を示す断面図。
【符号の説明】
【0063】
1 インクジェットプリンタ、2 給送装置、3 記録手段、4 被記録媒体搬送手段、5 被記録媒体排出手段、11 ホッパ、12 給送ローラ、13 リタードローラ、14 紙戻しレバー、23 メインフレーム、24 紙案内上、25 コイルばね、26 ガイドローラ、30 搬送駆動ローラ、31 搬送従動ローラ、31a 第1の外周面、31b 第2の外周面、31c 軸穴、31d 第1の内周面、31e 第2の内周面、31f 段差部、32 軸体、33 キャリッジ、34 キャリッジガイド軸、35 カバー、36 記録ヘッド、37 プラテン、41 排出駆動ローラ、42 排出従動ローラ、43 ガイドローラ、45 排紙フレームAssy、P 記録用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
付勢手段によって付勢される軸体を挿通させる軸穴を有し、前記軸体から前記軸穴の内部で押圧力を受けることにより、回動駆動される駆動ローラに圧接するとともに前記軸体を回動軸として従動回動する従動ローラであって、
前記軸体の撓みによって前記軸体が前記軸穴の軸方向端部に圧接しない様、前記軸穴に逃げ部が形成されている、
ことを特徴とする従動ローラ。
【請求項2】
付勢手段によって付勢される軸体を挿通させる軸穴を有し、前記軸体から前記軸穴の内部で押圧力を受けることにより、回動駆動される駆動ローラに圧接するとともに前記軸体を回動軸として従動回動する従動ローラであって、
前記軸体に作用する付勢力の作用点側に位置する軸穴端部の内径が、他方側の軸穴端部の内径より大なることを特徴とする従動ローラ。
【請求項3】
付勢手段によって付勢される軸体を挿通させる軸穴を有し、前記軸体から前記軸穴の内部で押圧力を受けることにより、回動駆動される駆動ローラに圧接するとともに前記軸体を回動軸として従動回動する従動ローラであって、
前記軸穴の内径が、軸方向において前記軸体に作用する付勢力の作用点に向かって拡大するように形成されている、
ことを特徴とする従動ローラ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項において、前記従動ローラの外周面が、外径の一様な第1の外周面と、
当該第1の外周面の軸方向端部から前記従動ローラの端部に向かって外径が縮小する様に形成される、当該第1の外周面の軸方向両側に位置する第2の外周面と、
を備えて構成されていることを特徴とする従動ローラ。
【請求項5】
請求項4において、前記軸体が前記軸穴に押圧力を付与する際に最も押圧力が大なる位置が、軸方向において前記第1の外周面の形成領域内に位置している、
ことを特徴とする従動ローラ。
【請求項6】
付勢手段によって付勢される軸体を挿通させる軸穴を有し、前記軸体から前記軸穴の内部で押圧力を受けることにより、回動駆動される駆動ローラに圧接するとともに前記軸体を回動軸として従動回動する従動ローラであって、
前記軸穴が、内径の一様な第1の内周面と、
軸方向において当該第1の内周面に対して前記軸体に作用する付勢力の作用点側に位置し、前記第1の内周面より内径が大なるとともに内径の一様な第2の内周面と、を備えて構成されており、
前記第1の内周面と前記第2の内周面とが接続する段差部に、前記軸体による押圧力が集中するよう構成されている、
ことを特徴とする従動ローラ。
【請求項7】
請求項6において、前記従動ローラの外周面が、外径の一様な第1の外周面と、
当該第1の外周面の軸方向端部から前記従動ローラの端部に向かって外径が縮小する様に形成される、当該第1の外周面の軸方向両側に位置する第2の外周面と、
を備えて構成されていることを特徴とする従動ローラ。
【請求項8】
請求項7において、前記段差部が、軸方向において前記第1の外周面の形成領域内に位置している、
ことを特徴とする従動ローラ。
【請求項9】
請求項8において、前記段差部が、軸方向において前記第1の外周面の中央に位置している、
ことを特徴とする従動ローラ。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項において、前記従動ローラの外周面の硬度がデュロメータD値で60以下であることを特徴とする従動ローラ。
【請求項11】
被記録媒体に記録を行う記録ヘッドと、
前記記録ヘッドの上流側に設けられ、回動駆動される駆動ローラと、
前記駆動ローラに圧接して従動回動する、請求項1から10のいずれか1項に記載の前記従動ローラと、
を備えていることを特徴とする記録装置。
【請求項12】
付勢手段によって付勢される軸体を挿通させる軸穴を有し、前記軸体から前記軸穴の内部で押圧力を受けることにより、回動駆動される駆動ローラに圧接するとともに前記軸体を回動軸として従動回動する、そのような従動ローラを成形する為の成形用金型内部のキャビティに挿入されて、前記軸穴を形成する成形金型用コアピンであって、
請求項1から10のいずれか1項に記載の前記軸穴の形状に対応する外周形状を有することを特徴とする成形金型用コアピン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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