説明

復調機能を有する受信機

【課題】無線受信機において、周波数変換を行う方法およびシステムを提供する。
【解決手段】受信機は1つのフロントエンドと、1つの上方変換器と、1つのインタフェースを有する。フロントエンドは、第1の無線周波数(RF)信号を第1の周波数で下方変換し、第2の信号を第1の周波数より低い第2の周波数で生成するように構成される。上方変換器は、第2の信号を上方変換して、第2の周波数より高い第3の周波数で第3の中間周波数(IF)信号を生成するように構成される。インタフェースは、第3の信号をケーブルを経由して遠隔復調のために送信するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に無線通信システムに関し、特に無線受信機において周波数変換を行う方法およびシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ある通信システム、例えば、マイクロ波リンクでは、システム回路を室外ユニット(ODU)と室内ユニット(IDU)に分離する。例えば特許文献1では、それはここに参照され採り入れられるが、1つの中間周波数/モデム 回路と、ミリ波送受信機回路と、IDUとODU間のデジタルインタフェースとを有する1つの室内ユニット(IDU)と小規模の室外ユニット(ODU)を開示している。
【0003】
特許文献2では、それはここに参照され採り入れられるが、1つの任意の周波数で第1の変調を行い、他の任意の周波数で第2の変調を行うシステムが開示されている。このため、システムは第1の変調を、第1の変調で使用したものと同じ基準発振器信号を使用して復調する。実際には、第1の変調は第1の周波数で行われ、その後第1の変調はゼロ周波数に復調され、そして次に第2の変調が第2の周波数で行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公報 2005/0124307
【特許文献2】米国特許 6,844,787
【発明の概要】
【0005】
本発明の1実施形態によれば、1つのフロントエンドと、
フロントエンドは、第2の信号を第1の周波数より低い第2の周波数で生成するため、第1の無線周波数(RF)信号を第1の周波数で下方変換するように構成され、
1つの上方変換器と、
上方変換器は、第2の信号を上方変換して、第3の中間周波数(IF)信号を前記第2の周波数より高い第3の周波数で生成するように構成され、
1つのインタフェースと、
インタフェースは、第3の信号をケーブルを経由して遠隔復調のために送信するように構成され、
を有することを特徴とする受信機、が提供される。
【0006】
ある実施形態では、第3の信号をケーブルから受信し、第3の信号を下方変換し、そして下方変換された第3の信号を復号するように構成される、1つの受信サブシステムを有する。1つの実施形態では、インタフェースは、1つの標準クロック信号を第3の信号と共に前記ケーブルを経由して通信するように動作可能であり、ここにおいて上方変換器は、標準クロック信号を使用して前記第2の信号を上方変換するように構成され、受信サブシステムは、標準クロック信号を使用して第3の信号を下方変換するように構成される。開示された実施形態では、インタフェースは、管理情報をケーブルを経由して受信機と受信サブシステムとの間で通信するように構成される。他の実施形態では、受信機は、1つの室外ユニット(ODU)に含まれ、受信サブシステムは1つの室内ユニット(IDU)に含まれる。
【0007】
さらに他の実施形態では、フロントエンドは、第2の信号をフィルタし、フィルタされた第2の信号を上方変換器に供給するように構成される、少なくとも1つのフィルタを有する。さらに他の実施形態では、フロントエンドは、少なくとも1つのローカルオシレータ(LO)信号を生成するように構成された1つの周波数源を有し、フロントエンドは、LO信号を使用して第1のRF信号を下方変換するように構成される。1つの実施形態では、第2の信号は、1つの基底帯域信号を有する。開示された実施形態では、フロントエンドは、上方変換器から分離され、受信機に搭載される、1つの集積装置に含まれる。
【0008】
本発明の1実施形態によれば、さらに、第2の信号を第1の周波数より低い第2の周波数で生成するため、第1の無線周波数(RF)信号を第1の周波数で下方変換するステップと、
第2の信号を上方変換して、第3の中間周波数(IF)信号を第2の周波数より高い第3の周波数で生成するステップと、
第3の信号を遠隔復調のためにケーブルを経由して送信するステップと、
を有することを特徴とする通信の方法、が提供される。
【0009】
本発明の1実施形態によれば、また、少なくとも第1と第2の同一のフロントエンド・ユニットを獲得するステップと、
ここにおいて複数のフロントエンド・ユニットは、それぞれの第2の信号を第1の周波数帯より低い第2の周波数帯で生成するため、それぞれの第1の無線周波数(RF)信号を第1の周波数帯で下方変換し、
第1のフロントエンド・ユニットを第1の受信機に組み込むステップと、
ここにおいて第1のフロントエンド・ユニットは、
第1のフロントエンド・ユニットで生成された第2の信号を上方変換して、第3の中間周波数(IF)信号を記第2の周波数より高い第3の周波数で生成し、
第3の信号をケーブルを経由して送信し、
第3の信号をケーブルから受信し、
第3の信号を下方変換し、そして、
下方変換された前記第3の信号を復調し、
第2のフロントエンド・ユニットを第2の受信機に組み込むステップと、
ここにおいて第2のフロントエンド・ユニットは、第2のフロントエンド・ユニットで生成された第2の信号を復調し、
を有することを特徴とする生産方法、が提供される。
【0010】
本発明の1実施形態によれば、また、少なくとも第1と第2の同一のフロントエンド・ユニットを製作するステップと、
ここにおいて複数のフロントエンド・ユニットは、それぞれの第2の信号を第1の周波数より低い第2の周波数で生成するため、それぞれの第1の無線周波数(RF)信号を第1の周波数で下方変換し、
第1のフロントエンド・ユニットを第1の受信機での使用のため供給するステップと、
ここにおいて第1のフロントエンド・ユニットは、
第1のフロントエンド・ユニットで生成された第2の信号を上方変換して、第3の中間周波数(IF)信号を第2の周波数より高い第3の周波数で生成し、
第3の信号をケーブルを経由して送信し、
第3の信号をケーブルから受信し、
第3の信号を下方変換し、そして、
下方変換された前記第3の信号を復調し、
第2のフロントエンド・ユニットを第2の受信機での使用のため供給するステップと、
ここにおいて第2のフロントエンド・ユニットは、第2のフロントエンド・ユニットで生成された第2の信号を復調し、
を有することを特徴とする方法、が提供される。
【0011】
本発明の1実施形態によれば、さらに、少なくとも第1と第2の同一のフロントエンド・ユニットを獲得するステップと、
ここにおいて複数のフロントエンド・ユニットは、それぞれの第2の中間周波数(IF)信号を第1の周波数帯より低い第2の周波数帯で生成するため、それぞれの第1の無線周波数(RF)信号を第1の周波数帯で下方変換し、
第1のフロントエンド・ユニットを第1の受信機に組み込むステップと、
ここにおいて第1のフロントエンド・ユニットは、
第1のフロントエンド・ユニットで生成された第2の信号を送信し、
ケーブルを経由して送信された第2の信号を受信し、
受信した第2の信号を下方変換し、そして、
下方変換された第2の信号を復調し、
第2のフロントエンド・ユニットを第2の受信機に組み込むステップと、
ここにおいて第2のフロントエンド・ユニットは、第2のフロントエンド・ユニットで生成された第2の信号を、第2のフロントエンド・ユニットと共に配置される回路を使用して復調し、
を有することを特徴とする生産方法、が提供される。
【0012】
本発明の1実施形態によれば、また、少なくとも第1と第2の同一のフロントエンド・ユニットを製作するステップと、
ここにおいて複数のフロントエンド・ユニットは、それぞれの第2の中間周波数(IF)信号を第1の周波数より低い第2の周波数で生成するため、それぞれの第1の無線周波数(RF)信号を第1の周波数で下方変換し、
第1のフロントエンド・ユニットを第1の受信機での使用のため供給するステップと、
ここにおいて第1のフロントエンド・ユニットは、
第1のフロントエンド・ユニットで生成された第2の信号を送信し、
ケーブルを経由して送信された第2の信号を受信し、
受信した第2の信号を下方変換し、そして、
下方変換された第2の信号を復調し、
第2のフロントエンド・ユニットを第2の受信機での使用のため供給するステップと、
ここにおいて第2のフロントエンド・ユニットは、第2のフロントエンド・ユニットで生成された第2の信号を、第2のフロントエンド・ユニットと共に配置される回路を使用して復調し、
を有することを特徴とする方法、が提供される。
本発明は図面を参照した以下の詳細説明により、より十分に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の1実施形態の受信機の概略ブロック図である。
【図2】本発明の1実施形態の受信機の概略ブロック図である。
【図3】本発明の1実施形態の受信方法のフロー図である。
【図4】本発明の1実施形態の受信機の製作方法のフロー図である。
【図5】本発明の他の1つの実施形態の受信機の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(概論)
ある無線通信システムは分離搭載型構成を使用し、そこでは無線周波数(RF)フロントエンドが1つの室外ユニット(ODU)に搭載され、1つのモデムが1つの室内ユニット(IDU)に搭載され、ODUとIDUはケーブルで接続される。他の通信システムは単一搭載型構成を使用し、そこではRFフロントエンドとモデムが共に1つの囲いの中に搭載される。
【0015】
以下で記載される本発明の実施形態は、改良された受信機設計を提供し、それにより、分離搭載型と単一搭載型の両方の構成において1つの共通のRFフロントエンド・ユニットのタイプを使用できる。ある実施形態では、RFフロントエンド・ユニットはRF信号を受信し、それを1つの低周波数に、典型的には基底帯域に、下方変換する。単一搭載型構成では、受信機は、RFフロントエンド・ユニットにより生成された信号を復調する1つの復調器を有する。
【0016】
一方分離搭載型構成では、フロントエンド・ユニットの低周波数出力は中間周波数(IF)に上方変換され、その後ケーブルで遠隔復調のために送信される。他の実施形態では、RFフロントエンド・ユニットは1つのIF信号を生成する。分離搭載型構成では、フロントエンド・ユニットにより生成されたIF信号は、ケーブル上を送信される。単一搭載型構成では、IF信号はODU内で、例えば追加の下方変換又は直接IFサンプリングを使用して、復調される。
【0017】
ここに記載された受信機設計は、装置メーカーにとって単一搭載型のRFフロントエンド・ユニットのみを取り扱い(例えば、規格を決め、設計し、部材を購入し、生産し、在庫し、検査し、統合し、インストールし、操作し、及び/又はトラブル対応する)、このフロントエンド・ユニットを分離搭載型システム構成と単一搭載型システム構成の両方に使用する、ことを可能にする。結果として、製造コストと在庫コストが低減される。
【0018】
(システム説明)
図1は、本発明の1実施形態の受信機20の概略ブロック図である。この種の受信機は、例えば、ポイントツーポイント・マイクロ波又はミリ波通信リンク、或いは他の適切な通信システムで使用可能である。(典型的な通信システムは通常送信機要素も有するが、図1と図2は受信に関連する要素のみを示す。ここに記載される方法とシステムは主として信号受信に関するので、送信機要素は図から省略した。)
【0019】
受信機20は1つの室外ユニット(ODU)24と1つの室内ユニット(IDU)28を有し、それらはケーブル32、例えば同軸ケーブルまたは他の適切な送信線で接続されている。このシステム構成はここでは分離搭載型構成と呼ばれる。無線周波数(RF)信号は1つの受信アンテナ36により受信され、ODU24に提供される。受信機20はRF信号を適切な周波数帯、例えば欧州通信標準機構(ETSI)により6−40又は60−80GHz帯で特定される種々の免許、非免許周波数帯、で受信するように設計される。特定の周波数帯は例えば、7,11,13,15,18,23,26,28,32または 38GHzの中から選択される。RF信号は受信機20に遠隔送信機(不図示)により送信される。RF信号はデータで変調され、その後受信機により復調されてデータは抽出される。
【0020】
ODU24は1つのRFフロントエンド・ユニット40を有し、それは受信したRF信号を低周波、典型的には基底帯域に下方変換する。以下で示されるように、フロントエンド・ユニット40は分離搭載型と単一搭載型の両方の構成において使用される1つの共通構成要素である。IF信号を生成する1つの共通フロントエンドを使用する他の構成を図5A、5Bに示す。この例では、フロントエンド・ユニット40がRF信号を一回の下方変換操作で下方転換する。しかし他の実施形態では、多重下方変換操作を行う共通フロントエンド・ユニットが使用されうる。
【0021】
フロントエンド・ユニット40は、1つの下方変換ミキサ44と1つの周波数源48(例えば、位相同期回路PLL)を有する。(典型的な実施例では、フロントエンド・ユニット40は、さらに開示される技術の遂行に関係の無い、他の部品や機能を有する。しかしそれらは明確化のため記載されない。)周波数源48は1つの適切なローカルオシレータ(LO)信号を生成し、それをミキサ44に供給する。ミキサはLO信号と混合することにより、RF信号を下方変換する。ある実施形態では、フロントエンド・ユニット40は、1つのローパス・フィルタ52を有し、それは帯域外信号を抑制するためミキサ44の出力をフィルタする。このようにフロントエンド・ユニット40は、復調器による基底帯域処理に向けた1つの基底帯域信号を生成する。
【0022】
図2で示すように、単一搭載型構成ではフロントエンド・ユニット40の出力は直接復調器に供給される。しかし図1の分離搭載型構成では、復調器はIDU28にあり、従って基底帯域信号はケーブル32を経由してIDUに送られる。この目的のため、ODU24は1つの上方変換ミキサ56を有し、それは基底帯域信号を適切な中間周波数(IF)に上方変換する。(IF信号のケーブル経由の送信は、基底帯域信号の送信には通常好適である、それは例えば、エコー消去を実行する必要を無くし、ODUとIDUとの間の制御信号を送信するために基底帯域信号を取っておくことが出来るからである。)
【0023】
原理的にはRF信号をIFに基底帯域を経由せずに下方変換することは可能であるが、基底帯域への下方変換により分離搭載受信機構成と単一搭載受信機構成の両方が1つの共通のRFフロントエンド設計を使用することが可能となる。また、原理的にはRF信号を、2重変換を使用してIFに下方変換し、分離搭載構成ではIF信号を使用し、単一搭載構成では、追加の下方変換又は直接IFサンプリングを使用することも可能である。しかし、この方法は比較的複雑でコスト、寸法、消費電力が大きい。
【0024】
上方変換ミキサ56はこのように1つのIF信号を生成し、その信号の周波数はフロントエンド・ユニット40の生成する信号の周波数より高い。IF信号の周波数はいかなる適切な値にも設定されうる、それは例えば、140MHzである。
上方変換ミキサ56は基底帯域信号を1つの周波数源60、例えばPLL、により供給された好適なLO信号を混合することにより上方変換する。
ODUはミキサ56のIF出力をフィルタするための1つのフィルタ(例えば、バンドパス又はローパス・フィルタ、不図示)と、増幅器、マルチプレクサのような他の種々の構成要素を有する。IF信号は1つのケーブル・インタフェース64に提供され、それは信号をケーブル32経由でIDUに送る。
【0025】
IDU28は1つのケーブル・インタフェース76を有し、それはIF信号をケーブル32から受信する。IDUは1つの下方変換ミキサ80を有し、それはIF信号を低周波数(例えば、基底帯域)に下方変換する。下方変換ミキサ80は、IF信号を1つの周波数源84、例えばPLL、により生成された1つのLO信号と混合させることにより、IF信号を下方変換する。下方変換ミキサ80で生成された信号はローパス・フィルタ88でフィルタされ復調器92に供給される。復調器はデータを抽出するため基底帯域信号を復調する。データは出力としてユーザまたはホストシステム(不図示)に提供される。他の実施形態では、IDU28が、基底帯域信号に下方変換する代わりに、直接IFサンプリングを使用してIF信号を復号してもよい。
【0026】
IDUとODUのそれぞれの周波数源は1つの基準クロック信号に固定された1つのLO信号を生成する。いかなる適切な周波数、例えば10、40、100MHzが使用可能である。
【0027】
ある実施形態では、ODUの周波数源60とIDUの周波数源84は共通の1つの基準クロック信号に固定されたLO信号を生成する。言い換えれば、ODUにおける基底帯域からIFへの上方変換も、IDUにおけるIFから基底帯域への戻し下方変換も、同じ1つの基準クロック信号に固定されたLO信号により実行される。同じ基準クロック信号を使用した上方、下方変換の実行は、受信機の性能を向上させる。例えば、周波数ズレを減少させ、I/Q不均衡を組合せてホストによる補正を容易にする。受信機20は標準クロック発生器68を有し、それは共通標準クロック信号を生成する。図1の例では、周波数源48もまた共通標準クロック信号に固定されている、しかしこの構成は必須ではない。
【0028】
ODUとIDUが同じ標準クロック信号を使用する場合、その信号はケーブル32上を送信される。図1の実施形態では、標準クロック発生機68はODU24にあり、共通標準クロック信号はケーブル32を通ってIDU28に送られる。或いは発生機68は同様にIDUにあってもよい。これらの実施形態では、共通標準クロック信号はケーブルを通ってODUに送られる。どちらの場合でも、ケーブル・インタフェース64,76は、標準クロック信号をケーブル32上でIF信号でマルチプレクスし、そしてデマルチプレクスする。
【0029】
ある実施形態では、ODU24とIDU28は、管理データをケーブル32上で交換する。図1の例では、ODU24はODUコントローラ72を有し、IDU28はIDUコントローラ96を有する。コントローラ72と96は互いに、ケーブル32上で通信することにより管理データを交換する。ケーブル・インタフェース64,76は管理データをIF信号で、場合によって共通標準クロック信号で、ケーブル32上でマルチプレクスし、そしてデマルチプレクスする。ある実施形態では、ケーブル・インタフェース64,76は専用モデムを有し、管理データをケーブルで送信するため、マルチプレクスし、そしてデマルチプレクスする。いかなる適切な変調、例えば振幅偏移変調(ASK)がこの目的のため使用可能である。
【0030】
図2は本発明の1実施形態の受信機100の概略ブロック図である。図1で示した分離搭載受信機構成の受信機20と異なり、受信機100は単一搭載構成を有し、1つの囲み内にRFフロントエンドと復号器が集められている。典型的に、しかし必須ではないが、この単一の囲みはアンテナ36に隣接して配置される。
【0031】
受信機100において、RF信号がアンテナ36に受信され、図1の受信機20の動作と同様に、RFフロントエンド40により基底帯域に下方変換される。しかし受信機100の単一搭載構成では、RFフロントエンド40の基底帯域出力は復調器92に直接供給される。復調されたデータはケーブル・インタフェース104によりケーブルを経由してユーザまたはホストシステムに送られる。図2の構成では、ケーブル・インタフェース104はあるプロトコル(例えば、イーサネット(登録商標))に従ったデジタルデータを出力し、ケーブル108は、10BaseT,100BaseTまたはギガビット・イーサネット(登録商標)などのデジタル通信に適合したケーブルからなる。
【0032】
図に示されるように、受信機100は受信機20で使用されたものと同じ型のRFフロントエンド40を使用する。復調器92がRFフロントエンド40と同じ場所に配置されているため、ケーブル108上を送信される信号もデジタルである。このように基底帯域からIFへの上方変換やIFから基底帯域への下方変換は行われない。
【0033】
受信機20および受信機100の構成は例示であり、純粋に思想の明確化のために選択された。他の実施形態では、他のいかなる適合する構成も使用可能である。例えば、分離型構成において、ODUとIDUは、ケーブル上で共通標準クロック信号を送信するのではなく、異なる標準クロック信号を生成してもよい。さらにまたは、受信機は別々のケーブルを受信(IF)信号、クロック信号、及び/又は管理データの送信に使用してもよい。RFフロントエンド40は他の下方変換回路を有してもよい。例えば、RFフロントエンドは、基底帯域に直接変換するのではなく、受信したRF信号を多重の変換により下方変換する2つ以上のミキサを有してもよい。
【0034】
受信機20及び100の異なる構成要素は、ディスクリート部品、RF半導体(RFICs)、モノリシック半導体(MMICs)及び他の適切なハードウェアからなる。詳細には、フロントエンド40は1つの集積装置またはユニットに製作され、それは分離搭載受信機と単一搭載受信機の両方に搭載可能である。「集積装置」という言葉は、フロントエンド40の要素を製作し組立てる、ある種のパッケージ、ボード、或いは他の手段に関している。例えばフロントエンドは1つの専用IC(例えば、RFIC又はMMIC)に製作されてもよい。
【0035】
(受信方法)
図3は本発明の1実施形態の、図1の受信機20により実行される受信方法のフロー図である。その方法は受信ステップ110において、ODU24のアンテナ36がRF信号を受信するステップから始まる。RFフロントエンド40は、第1の下方変換ステップ114において、RF信号を基底帯域又は低IFに下方変換し、下方変換された信号をフィルタにかける。上方変換ミキサ56は、上方変換ステップ118において、基底帯域信号をIFに上方変換する。
【0036】
ケーブル・インタフェース64は、ケーブル送信ステップ122において、IF信号をケーブル32を経由してIDU28に送信する。IDUのケーブル・インタフェース76は、ケーブルからIF信号を受信する。ある実施形態では、ケーブル・インタフェース64と76は1つの共通標準クロック信号及び/又は管理データをケーブル上で、IF信号と共に、マルチプレクスし、そしてデマルチプレクスする。
【0037】
IDUにおいて、下方変換ミキサ80は、第2の下方変換ステップ126において、ケーブルから受信したIF信号を下方変換する。フィルタ88は下方変換された信号をフィルタ処理する。復調器92は、復調ステップ130において、基底帯域信号を復調する。復調されたデータは出力として供給される。
【0038】
(共通RFフロントエンド型を使用した受信機の製作)
上記のように、開示された受信機構成は、受信機製造業者が同一のフロントエンド・ユニットを使用して分離搭載受信機と単一搭載受信機の両方を製作することを可能にする。ある製造工程では、装置メーカーは多重フロントエンド・ユニット(例えば、RFIC)を製作することが出来る。装置メーカーはそのフロントエンド・ユニットを1つ以上のシステム・インテグレータ(例えば、受信機メーカー)に、分離搭載受信機と単一搭載受信機の両方用に供給してもよい。
【0039】
図4は、本発明の1実施形態の受信機の製作方法のフロー図である。方法はまずフロントエンド提供ステップ140において、製作者が多重フロントエンド・ユニット、例えば図1、2のユニット40、を獲得するところから始まる。製作者はRFフロントエンド・ユニットを受信機製作の入り口として、製作し、集約し、獲得し又は入手する。製作者は分離搭載製作ステップ144において、図1の受信機20のような、1つ以上の分離搭載受信機を、RFフロントエンド・ユニット40を使用して製作する。さらに、製作者は単一搭載製作ステップ148において、図2の受信機100のような、1つ以上の単一搭載受信機を、RFフロントエンド・ユニット40を使用して製作する。両方の型の受信機は、配備ステップ152において、例えばシステム・インテグレータ又はサービス・プロバイダにより配備される。
【0040】
(他の共通RFフロントエンド構成)
ある実施形態では、分離搭載受信機と単一搭載受信機の両方が、受信したRF信号をIFに下方変換する、1つの共通のタイプのRFフロントエンド・ユニットを使用して製作される。分離搭載型構成では、フロントエンドで生成されたIF信号は、ケーブルを経由してIDUに、離れた場所での復調のため送られる。単一搭載型構成では、IF信号はその場所で復調される(即ち、フロントエンドと共にODUに配置される回路を使用して)。ODUにおけるIF信号の復調は、例えば、追加の下方変換又は直接IFサンプリングを使用して行われる。
【0041】
図5A、5Bは本発明の他の1つの実施形態の、それぞれ分離搭載型と単一搭載型の受信機の概略ブロック図である。両方の受信機構成は、IF出力を生成する1つの共通のタイプのRFフロントエンド・ユニットを使用する。図5A、5Bは単純化したブロック図であって、種々の受信機要素(例えば、上記図1,2で示された周波数源、標準クロック源、コントローラ)を、明確化のため省略している。
【0042】
図5Aは、本発明の他の1つの実施形態の、分離搭載型受信機で使用されたODUを示す。ODU160は1つのフロントエンド・ユニット164を有する。同じタイプのフロントエンド・ユニットが図5Bの単一搭載型構成においても使用される。図5Aの分離搭載型構成では、受信されたRF信号はフロントエンド・ユニット164に提供される。フロントエンド・ユニットは1つの下方変換ミキサ168を有し、それは周波数源(不図示)により生成されたLO信号を混合することにより、RF信号をIF(例えば、140MHz)に下方変換する。フロントエンド164は、RF信号を、単一の下方変換操作によりIFに下方変換する。他の実施形態では、多重下方変換操作を行う共通フロントエンド・ユニットも使用されうる。
【0043】
フロントエンドは不望の信号を除外する1つのIFフィルタ172(例えば、ローパス又はバンドパス・フィルタ)を有してもよい。フロントエンドにより生成されるIF信号は、ケーブル・インタフェース64に供給され、それはケーブル32経由でIDUに信号を送る。図1のIDU28のような、いかなる適切な分離搭載型IDUも、ケーブル経由で送信されたIF信号からデータを復調し抽出するために使用可能である。
【0044】
図5Bは、本発明の他の1つの実施形態の、一体搭載型受信機で使用されたODUを示す。ODU176では、図5AのODU160で使用されたものと同じタイプのフロントエンド・ユニット164により、RF信号はIFに下方変換され、フィルタ処理される。IF信号はその後IF処理ユニット180により処理される。ある実施形態では、ユニット80は1つの下方変換器(例えば、下方変換ミキサ、フィルタや増幅器のような他の要素)を有し、それは、IF信号を基底帯域に下方変換する。あるいはユニット180は、IF信号の直接IFサンプリングを実行する回路(例えば、1つ以上のアナログ・デジタル変換器)を有してもよい。ユニット180の出力は復調器92に供給され、復調器は信号を復調し、データを抽出する。抽出されたデータはその後、ケーブル・インタフェース104を使用して、ユーザまたはホストシステムにケーブル108経由で送られる。
【0045】
図5Aと5Bの分離搭載型と単一搭載型の受信機は、図4で示されたような、いかなる適切な製作工程でも製作されうる。ここで記載された実施形態は、主として1つの共通タイプのRFフロントエンドを使用する分離搭載型と単一搭載型の受信機の設計を記載しているが、ここに記載された方法とシステムは、他の種々の応用分野に使用可能である。
【0046】
上記の実施形態は例示として引用され、本発明は、特に上記に示されまた記載されたものに制限されない。むしろ、本発明の範囲は、上記で記載された種々の特徴の組合せ及び準組合せを含み、当業者が上記の記載を読んで想起する、従来技術に開示されていない、その変形及び修正をも含む。
【符号の説明】
【0047】
20,100:受信機 24:室外ユニット(ODU)
28:室外ユニット(ODU) 32,108:ケーブル
36:受信アンテナ
40,164:RFフロントエンド・ユニット
44,80,168:下方変換ミキサ 48,60,84:周波数源
52,88:ローパス・フィルタ 56:上方変換ミキサ
64,76,104:ケーブル・インタフェース
72:ODUコントローラ 92:復調器
96:IDUコントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つのフロントエンドと、
前記フロントエンドは、第1の周波数の第1の無線周波数(RF)信号を下方変換し、前記第1の周波数より低い第2の周波数の第2の信号を生成するように構成され、
1つの上方変換器と、
前記上方変換器は、前記第2の信号を上方変換して、前記第2の周波数より高い第3の周波数の第3の中間周波数(IF)信号を生成するように構成され、
1つのインタフェースと、
前記インタフェースは、離れた場所での復調のため1つのケーブルを経由して前記第3の信号を送信するように構成され、
を有することを特徴とする受信機。
【請求項2】
前記第3の信号を前記ケーブルから受信し、前記第3の信号を下方変換し、そして下方変換された前記第3の信号を復調するように構成される、1つの受信サブシステムを有することを特徴とする請求項1に記載の受信機。
【請求項3】
前記インタフェースは、1つの標準クロック信号を前記第3の信号と共に前記ケーブルを経由して通信するように動作可能であり、
ここにおいて前記上方変換器は、前記標準クロック信号を使用して前記第2の信号を上方変換するように構成され、
前記受信サブシステムは、前記標準クロック信号を使用して前記第3の信号を下方変換するように構成される、
ことを特徴とする請求項2に記載の受信機。
【請求項4】
前記インタフェースは、前記受信機と前記受信サブシステムとの間で、前記ケーブルを経由して管理情報を通信するように構成される、ことを特徴とする請求項2に記載の受信機。
【請求項5】
前記受信機は、1つの室外ユニット(ODU)に含まれ、前記受信サブシステムは1つの室内ユニット(IDU)に含まれる、ことを特徴とする請求項2に記載の受信機。
【請求項6】
前記フロントエンドは、前記第2の信号をフィルタ処理し、フィルタ処理された前記第2の信号を前記上方変換器に供給するように構成される、少なくとも1つのフィルタを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の受信機。
【請求項7】
前記フロントエンドは、少なくとも1つのローカルオシレータ(LO)信号を生成するように構成された1つの周波数源を有し、
前記フロントエンドは、前記LO信号を使用して前記第1のRF信号を下方変換するように構成される、ことを特徴とする請求項1に記載の受信機。
【請求項8】
前記第2の信号は、1つの基底帯域信号からなる、ことを特徴とする請求項1に記載の受信機。
【請求項9】
前記フロントエンドは、前記上方変換器から離れていて、前記受信機に搭載される、1つの集積装置に含まれる、ことを特徴とする請求項1に記載の受信機。
【請求項10】
第1の周波数の第1の無線周波数(RF)信号を下方変換し、前記第1の周波数より低い第2の周波数の第2の信号を生成するステップと、
前記第2の信号を上方変換して、前記第2の周波数より高い第3の周波数の第3の中間周波数(IF)信号を生成するステップと、
前記第3の信号を離れた場所での復調のためにケーブルを経由して送信するステップと、
を有することを特徴とする通信の方法。
【請求項11】
前記第3の信号を前記ケーブルから受信するステップと、
前記第3の信号を下方変換するステップと、
前記下方変換された前記第3の信号を復調するステップと、
を有する、ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
1つの標準クロック信号を前記第3の信号と共に前記ケーブルを経由して通信するステップと、
ここにおいて前記第2の信号を上方変換するステップは、前記標準クロック信号を使用して前記第2の信号を上方変換するステップを有し、
前記第3の信号を下方変換するステップは、前記標準クロック信号を使用して前記第3の信号を下方変換するステップを有する、
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
管理情報を前記第3の信号と共に前記ケーブルを経由して通信するステップを有する、ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の無線周波数(RF)信号の下方変換と、前記第2の信号の上方変換は1つの室外ユニット(ODU)で実行され、
前記第3の信号の下方変換と復調は1つの室内ユニット(IDU)で実行される、ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の信号の上方変換の前に前記第2の信号をフィルタ処理するステップを有する、ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つのローカルオシレータ(LO)信号を生成するステップを有し、ここにおいて前記第1のRF信号を下方変換するステップは、前記LO信号を使用して前記第1のRF信号を下方変換するステップを有する、ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の信号は、1つの基底帯域信号からなる、ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のRF信号を下方変換するステップは、前記第2の信号を上方変換する回路から離れた1つの集積装置により実行される、ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも第1と第2の同一のフロントエンド・ユニットを獲得するステップと、
ここにおいて前記複数のフロントエンド・ユニットは、第1の周波数帯のそれぞれ第1の無線周波数(RF)信号を下方変換し、前記第1の周波数帯より低い第2の周波数帯のそれぞれ第2の信号を生成し、
前記第1のフロントエンド・ユニットを第1の受信機に組み込むステップと、
ここにおいて前記第1のフロントエンド・ユニットは、
前記第1のフロントエンド・ユニットで生成された前記第2の信号を上方変換して、前記第2の周波数帯より高い前記第3の周波数帯の第3の中間周波数(IF)信号を生成し、
前記第3の信号を、ケーブルを経由して送信し、
前記第3の信号をケーブルから受信し、
前記第3の信号を下方変換し、そして、
前記下方変換された前記第3の信号を復調し、
前記第2のフロントエンド・ユニットを第2の受信機に組み込むステップと、
ここにおいて前記第2のフロントエンド・ユニットは、前記第2のフロントエンド・ユニットで生成された前記第2の信号を復調し、
を有することを特徴とする生産方法。
【請求項20】
少なくとも第1と第2の同一のフロントエンド・ユニットを製作するステップと、
ここにおいて前記複数のフロントエンド・ユニットは、第1の周波数帯のそれぞれ第1の無線周波数(RF)信号を下方変換し、前記第1の周波数帯より低い第2の周波数帯のそれぞれ第2の信号を生成し、
前記第1のフロントエンド・ユニットを第1の受信機での使用のため供給するステップと、
ここにおいて前記第1のフロントエンド・ユニットは、
前記第1のフロントエンド・ユニットで生成された前記第2の信号を上方変換して、前記第2の周波数帯より高い前記第3の周波数帯の第3の中間周波数(IF)信号を生成し、
前記第3の信号を、ケーブルを経由して送信し、
前記第3の信号をケーブルから受信し、
前記第3の信号を下方変換し、そして、
前記下方変換された前記第3の信号を復調し、
前記第2のフロントエンド・ユニットを第2の受信機での使用のため供給するステップと、
ここにおいて前記第2のフロントエンド・ユニットは、前記第2のフロントエンド・ユニットで生成された前記第2の信号を復調し、
を有することを特徴とする方法。
【請求項21】
少なくとも第1と第2の同一のフロントエンド・ユニットを獲得するステップと、
ここにおいて前記複数のフロントエンド・ユニットは、第1の周波数帯のそれぞれ第1の無線周波数(RF)信号を下方変換し、前記第1の周波数帯より低い第2の周波数帯のそれぞれ第2の信号を生成し、
前記第1のフロントエンド・ユニットを第1の受信機に組み込むステップと、
ここにおいて前記第1のフロントエンド・ユニットは、
前記第1のフロントエンド・ユニットで生成された前記第2の信号を上方変換して、前記第2の周波数帯より高い前記第3の周波数帯の第3の中間周波数(IF)信号を生成し、
前記第3の信号を、ケーブルを経由して送信し、
前記第3の信号をケーブルから受信し、
前記第3の信号を下方変換し、そして、
前記下方変換された前記第3の信号を復調し、
前記第2のフロントエンド・ユニットを第2の受信機に組み込むステップと、
ここにおいて前記第2のフロントエンド・ユニットは、前記第2のフロントエンド・ユニットで生成された前記第2の信号を、前記第2のフロントエンド・ユニットと同じ場所に配置される回路を使用して復調し、
を有することを特徴とする生産方法。
【請求項22】
少なくとも第1と第2の同一のフロントエンド・ユニットを製作するステップと、
ここにおいて前記複数のフロントエンド・ユニットは、第1の周波数帯のそれぞれ第1の無線周波数(RF)信号を下方変換し、前記第1の周波数帯より低い第2の周波数帯のそれぞれ第2の信号を生成し、
前記第1のフロントエンド・ユニットを第1の受信機での使用のため供給するステップと、
ここにおいて前記第1のフロントエンド・ユニットは、
前記第1のフロントエンド・ユニットで生成された前記第2の信号を上方変換して、前記第2の周波数帯より高い前記第3の周波数帯の第3の中間周波数(IF)信号を生成し、
前記第3の信号を、ケーブルを経由して送信し、
前記第3の信号をケーブルから受信し、
前記第3の信号を下方変換し、そして、
前記下方変換された前記第3の信号を復調し、
前記第2のフロントエンド・ユニットを第2の受信機での使用のため供給するステップと、
ここにおいて前記第2のフロントエンド・ユニットは、前記第2のフロントエンド・ユニットで生成された前記第2の信号を、前記第2のフロントエンド・ユニットと同じ場所に配置される回路を使用して復調し、
を有することを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−55481(P2011−55481A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−164136(P2010−164136)
【出願日】平成22年7月21日(2010.7.21)
【出願人】(509004756)プロヴィジェント リミテッド (7)
【Fターム(参考)】