説明

循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するためのシステムおよび方法

【課題】循環器疾患に関する脂質および代謝の危険性の評価および管理を支援する方法を提供すること。
【解決手段】上記の方法は、個体の空腹時トリグリセリド(TG)レベルをこの個体由来の第1のサンプルから決定する工程;この個体のTGレベルが70mg/dlよりも大きく、かつ200mg/dl未満である場合に小粒子低密度リポタンパク質(LDL)についてこの個体由来の第2のサンプルを試験する工程;この個体の低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)レベルをこの個体由来の第3のサンプルから決定する工程;を包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本願は、米国仮特許出願第60/888,415号(2007年2月6日)(これは、その全体が本明細書に援用される)に基づく優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するためのシステムおよび方法に関する。本方法は、循環器疾患に関連する脂質および代謝的な危険性を評価し、次いで患者の試験結果に基づいて種々の処置選択肢を推奨することによって患者の疾患の危険性を管理することを支援するために多くの進歩した試験を行うことを包含する。本発明のシステムおよび方法は、最新の臨床研究を患者の試験結果に基づく使用可能な処置選択肢に翻訳する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
500万人近くの者が、米国においてうっ血性心不全に罹患し、そして約550,000の新規症例が毎年示される。多くの者は、左室機能不全によるような症状を発症せず、そして結果として、それらの疾患は、診断されないままである。
【0004】
米国における罹患率および死亡率の主因は、冠動脈疾患である。異なる集団群における総コレステロールレベルなどの単一の判断基準を使用して心臓発作および卒中の危険性を決定することは、ある程度の成果しか挙げていない。実際に、冠動脈疾患の多くの症例はコレステロールの正常レベルを有する者において生じることが、見出されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在、循環器疾患の危険性がある患者を判定および管理するために最新の臨床調査および科学的に参照された臨床経路による包括的試験を適用するシステムも方法もツールはも存在しない。したがって、循環器疾患の危険性を評価し、そしてその危険性の管理を支援する進歩した脂質および代謝の試験を組み合わせるシステムおよび方法に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の概要)
本発明は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するためのシステムおよび方法に関する。上記システムおよび方法は、循環器疾患に関連する脂質および代謝的な危険性を評価し、次いで患者の試験結果に基づいて種々の処置選択肢を推奨することによって患者の疾患の危険性を管理することを支援するために多くの進歩した試験を行うことを包含する。
【0007】
進歩した試験としては、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、C反応性タンパク質、総コレステロール、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL−C)、HDL−Cに対するコレステロールの比、トリグリセリド、算出された低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)、フィブリノゲン、ホモシステイン、低密度リポタンパク質(LDL)サブフラクション(LDL 1、LDL 2、LDL 3、LDL 4、LDL 5、LDL 6、LDL 7を含む)、算出されたLDL、算出された平均LDL粒径、リポタンパク質(a)、Apo E遺伝子型、プラスミノーゲン活性化因子インヒビター1(PAI−1)、インスリン、およびプロ−BNPが挙げられるが、これらに限定されない。種々の処置選択肢としては、食事の推奨、運動の推奨、薬物適用、およびさらなる試験が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0008】
試験結果および推奨は、情報および推奨の.提示および概略を容易にする報告の形態で提供され得る。本発明のシステムおよび方法は、コンピューターソフトウェアおよびハードウェアによって行われることが意図される。
【0009】
したがって、本発明は、以下の項目を提供する。
【0010】
(項目1) 循環器疾患に関する脂質および代謝の危険性の評価および管理を支援する方法であって、
個体の空腹時トリグリセリド(TG)レベルを上記個体由来の第1のサンプルから決定する工程;
上記個体のTGレベルが70mg/dlよりも大きく、かつ200mg/dl未満である場合に小粒子低密度リポタンパク質(LDL)について上記個体由来の第2のサンプルを試験する工程であって、
小粒子LDLの存在は、上記個体のTGレベルが200mg/dl以上である場合に上記個体に存在すると推定され、
小粒子LDLが上記個体に存在する場合、以下の疾患管理の推奨:運動およびカロリー制限による過剰な体脂肪の喪失、食事における単純糖質の回避、選択的β遮断薬および非選択的β遮断薬の可能な場合の回避、正常な甲状腺機能の確認、ナイアシン、フィブラート、および魚油のうちの1つ以上の導入、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL−C)が正常である場合の高密度リポタンパク質(HDL)サブクラス試験、ならびに一親等の血族関係にある者を循環器疾患について試験することのうちの1つ以上が、報告においてもたらされ得る、工程;
上記個体の低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)レベルを上記個体由来の第3のサンプルから決定する工程であって、
上記LDL−Cレベルが70mg/dl〜130mg/dlの範囲内であり、かつ小粒子LDLが存在する場合に、以下の疾患管理の推奨:食事における単純糖質の回避、運動およびカロリー制限による体脂肪の減少、ニコチン酸、フィブラート、スタチンおよび魚油のうちの1つ以上の導入、ならびにLDL粒子数の測定としてのアポリポタンパク質B(Apo B)レベルの試験が、報告においてもたらされ得、
上記LDL−Cレベルが130mg/dl以上であり、かつ小粒子LDLが存在しない場合に、以下の疾患管理の推奨:食事における単純糖質の回避、運動およびカロリー制限による体脂肪の減少、診断としての家族性複合型高脂血症(FCH)の検討、ニコチン酸、フィブラート、スタチンおよび魚油のうちの1つ以上の導入、LDL粒子数の測定としてのアポリポタンパク質B(Apo B)レベルの試験、ならびに一親等の血族関係にある者の循環器疾患についてのスクリーニングのうちの1つ以上が、報告においてもたらされ得、
上記LDL−Cレベルが70mg/dl〜130mg/dlの範囲内であり、かつ小粒子LDLが存在しない場合に、以下の疾患管理の推奨:American Heart Association Phase X食、中程度の用量のスタチンに加えたある用量のエゼチミブおよびある用量の胆汁酸結合樹脂のうちの少なくとも1つ、ならびにLDL粒子数の測定としてのアポリポタンパク質B(Apo B)レベルの試験のうちの1つ以上が、報告においてもたらされ得、そして
上記LDL−Cレベルが130mg/dlよりも大きく、かつ小粒子LDLが存在しない場合に、以下の疾患管理の推奨:低脂肪食、スタチン、エゼチミブ、樹脂、およびニコチン酸のうちの1つ以上の導入、ならびにLDL粒子数の測定としてのアポリポタンパク質B(Apo B)レベルの試験のうちの1つ以上が、報告においてもたらされ得る、工程;
を包含する、方法。
【0011】
(項目2) 上記個体が最初に、LDL−Cが70mg/dl〜130mg/dlの範囲内であり、かつ小粒子LDLが存在することを示す結果を有する場合、上記個体由来の第4のサンプルから標準的な脂質プロフィール試験を行う工程をさらに包含する、項目1に記載の方法。
【0012】
(項目3) 上記個体が最初に、LDL−Cが70mg/dl〜130mg/dlの範囲内であり、かつ小粒子LDLが存在することを示す結果を有する場合、上記個体の循環器疾患についての危険性の管理は、上記個体のLDL−Cレベルが70mg/dl未満であり、かつ上記個体のTGレベルが70mg/dl未満である場合に達成される、項目1に記載の方法。
【0013】
(項目4) 上記個体のLDL−Cレベルが70mg/dl未満であり、かつ上記個体のTGレベルが70mg/dl以上である場合にLDLサブクラス試験を上記個体由来の第5のサンプルに対して行う工程をさらに包含する、項目2に記載の方法。
【0014】
(項目5) 上記個体の循環器疾患についての危険性の管理は、上記LDLサブクラス試験の結果が上記個体における小粒子LDLの非存在を示す場合に達成される、項目4に記載の方法。
【0015】
(項目6) 上記LDLサブクラス試験の結果が上記個体における小粒子LDLの存在を示す場合、以下の疾患管理の推奨:上記個体に対するニコチン酸を増大させる工程、フィブラートを上記個体に補充する工程、および魚油を補充する工程のうちの少なくとも1つが、報告の形態においてもたらされる、項目4に記載の方法。
【0016】
(項目7) 上記個体のLDL−Cレベルが70mg/dl以上であり、かつ上記個体のTGレベルが70mg/dlより大きい場合、以下の疾患管理の推奨:上記個体に対するスタチン用量を増大させる工程およびある用量の樹脂またはエゼチミブを上記個体に添加する工程のうちの少なくとも1つが、報告の形態においてもたらされる、項目2に記載の方法。
【0017】
(項目8) 上記第4のサンプルからの結果が、上記個体のLDL−Cレベルが70mg/dlより大きく、かつ上記個体のTGレベルが70mg/dl以上であることを示す場合、上記個体由来の第5のサンプルに対してLDLサブクラス試験を行う工程をさらに包含する、項目2に記載の方法。
【0018】
(項目9) 上記LDLサブクラス試験の結果が上記個体における小粒子LDLの存在を示す場合、以下の疾患管理の推奨:上記個体に対するニコチン酸を増大させる工程、上記個体に対するスタチン用量を増大させる工程、ある用量の樹脂またはエゼチミブを上記個体に添加する工程、およびフィブラートを上記個体に補充する工程のうちの少なくとも1つが、報告の形態においてもたらされる、項目8に記載の方法。
【0019】
(項目10) 上記LDLサブクラス試験の結果が上記個体における小粒子LDLの非存在を示す場合、以下の疾患管理の推奨:上記個体に対するスタチン用量を増大させる工程およびある用量の樹脂またはエゼチミブを上記個体に添加する工程のうちの少なくとも1つが、報告の形態においてもたらされる、項目8に記載の方法。
【0020】
(項目11) 上記個体が最初に、LDL−Cが130mg/dl以上であり、かつ小粒子LDLが存在しないことを示す結果を有する場合、上記個体由来の第4のサンプルから標準的な脂質プロフィール試験を行う工程をさらに包含する、項目1に記載の方法。
【0021】
(項目12) 上記個体が最初に、LDL−Cが130mg/dl以上であり、かつ小粒子LDLが存在しないことを示す結果を有する場合、上記個体の循環器疾患についての危険性の管理は、上記個体のLDL−Cレベルが70mg/dl未満であり、かつ上記個体のTGレベルが100mg/dl未満である場合に達成される、項目1に記載の方法。
【0022】
(項目13) 上記個体のLDL−Cレベルが70mg/dl未満であり、かつ上記個体のTGレベルが100mg/dl以上である場合、上記個体由来の第5のサンプルに対してLDLサブクラス試験を行う工程をさらに包含する、項目11に記載の方法。
【0023】
(項目14) 上記個体の循環器疾患についての危険性の管理は、上記LDLサブクラス試験の結果が上記個体における小粒子LDLの非存在を示す場合に達成される、項目13に記載の方法。
【0024】
(項目15) 上記LDLサブクラス試験の結果が上記個体における小粒子LDLの存在を示す場合、以下の疾患管理の推奨:上記個体に対するニコチン酸を増大させる工程、フィブラートを上記個体に補充する工程、および魚油を補充する工程のうちの少なくとも1つが、報告の形態においてもたらされる、項目13に記載の方法。
【0025】
(項目16) 上記個体のLDL−Cレベルが70mg/dl以上であり、かつ上記個体のTGレベルが100mg/dlより大きい場合、以下の疾患管理の推奨:上記個体に対するスタチン用量を増大させる工程およびある用量の樹脂またはエゼチミブを上記個体に添加する工程のうちの少なくとも1つが、報告の形態においてもたらされる、項目11に記載の方法。
【0026】
(項目17) 上記第4のサンプルからの結果が、上記個体のLDL−Cレベルが70mg/dl以上であり、かつ上記個体のTGレベルが100mg/dl以上であることを示す場合、上記個体由来の第5のサンプルに対してLDLサブクラス試験を行う工程をさらに包含する、項目11に記載の方法。
【0027】
(項目18) 上記LDLサブクラス試験の結果が上記個体における小粒子LDLの存在を示す場合、以下の疾患管理の推奨:上記個体に対するニコチン酸を増大させる工程、上記個体に対するスタチン用量を増大させる工程、ある用量の樹脂またはエゼチミブを上記個体に添加する工程、およびフィブラートを上記個体に補充する工程のうちの少なくとも1つが、報告の形態においてもたらされる、項目17に記載の方法。
【0028】
(項目19) 上記LDLサブクラス試験の結果が上記個体における小粒子LDLの非存在を示す場合、以下の疾患管理の推奨:上記個体に対するスタチン用量を増大させる工程およびある用量の樹脂またはエゼチミブを上記個体に添加する工程のうちの少なくとも1つが、報告の形態においてもたらされる、項目18に記載の方法。
【0029】
(項目20) 上記個体が最初に、LDL−Cが70mg/dl〜130mg/dlの範囲内であり、かつ小粒子LDLが存在しないことを示す結果を有する場合、上記個体由来の第4のサンプルから標準的な脂質プロフィール試験を行う工程をさらに包含する、項目1に記載の方法。
【0030】
(項目21) 上記個体が最初に、LDL−Cが70mg/dl〜130mg/dlの範囲内であり、かつ小粒子LDLが存在しないことを示す結果を有する場合、上記個体の循環器疾患についての危険性の管理は、上記個体のLDL−Cレベルが70mg/dl未満であり、かつ上記個体のTGレベルが増加していない場合に達成される、項目1に記載の方法。
【0031】
(項目22) 上記個体のLDL−Cレベルが70mg/dl未満であり、かつ上記個体のTGレベルが増加している場合、上記個体由来の第5のサンプルに対してLDLサブクラス試験を行う工程をさらに包含する、項目20に記載の方法。
【0032】
(項目23) 上記個体の循環器疾患についての危険性の管理は、上記LDLサブクラス試験の結果が上記個体における小粒子LDLの非存在を示す場合に達成される、項目22に記載の方法。
【0033】
(項目24) 上記LDLサブクラス試験の結果が上記個体における小粒子LDLの存在を示す場合、以下の疾患管理の推奨:上記個体に対するニコチン酸を増大させる工程、フィブラートを上記個体に補充する工程、魚油を上記個体に補充する工程、および上記個体の生活習慣を変える工程のうちの少なくとも1つが、報告の形態においてもたらされる、項目22に記載の方法。
【0034】
(項目25) 上記個体のLDL−Cレベルが70mg/dl以上であり、かつ上記個体のTGレベルが増加していない場合、以下の疾患管理の推奨:上記個体に対するスタチン用量を増大させる工程およびある用量の樹脂またはエゼチミブを上記個体に添加する工程のうちの少なくとも1つが、報告の形態においてもたらされる、項目20に記載の方法。
【0035】
(項目26) 上記第4のサンプルからの結果が、上記個体のLDL−Cレベルが70mg/dl以上であり、かつ上記個体のTGレベルが増加していることを示す場合、上記個体由来の第5のサンプルに対してLDLサブクラス試験を行う工程をさらに包含する、項目20に記載の方法。
【0036】
(項目27) 上記LDLサブクラス試験の結果が上記個体における小粒子LDLの存在を示す場合、以下の疾患管理の推奨:上記個体に対するニコチン酸を増大させる工程、フィブラートを上記個体に補充する工程、魚油を上記個体に補充する工程、および上記個体の生活習慣を変える工程のうちの少なくとも1つが、報告の形態においてもたらされる、項目26に記載の方法。
【0037】
(項目28) 上記LDLサブクラス試験の結果が上記個体における小粒子LDLの非存在を示す場合、以下の疾患管理の推奨:上記個体に対するスタチン用量を増大させる工程およびある用量の樹脂またはエゼチミブを上記個体に添加する工程のうちの少なくとも1つが、報告の形態においてもたらされる、項目26に記載の方法。
【0038】
(項目29) 上記個体が最初に、LDL−Cが130mg/dlよりも大きく、かつ小粒子LDLが存在しないことを示す結果を有する場合、上記個体の循環器疾患についての危険性の管理は、上記個体のLDL−Cレベルが70mg/dl未満であり、かつ上記個体のTGレベルが変化していない場合に達成される、項目1に記載の方法。
【0039】
(項目30) 上記個体のLDL−Cレベルが70mg/dl未満であり、かつ上記個体のTGレベルが増加している場合、上記個体由来の第5のサンプルに対してLDLサブクラス試験を行う工程をさらに包含する、項目29に記載の方法。
【0040】
(項目31) 上記個体の循環器疾患についての危険性の管理は、上記LDLサブクラス試験の結果が上記個体における小粒子LDLの非存在を示す場合に達成される、項目30に記載の方法。
【0041】
(項目32) 上記LDLサブクラス試験の結果が上記個体における小粒子LDLの存在を示す場合、以下の疾患管理の推奨:上記個体に対するニコチン酸を増大させる工程、フィブラートを上記個体に補充する工程、および魚油を上記個体に補充する工程のうちの少なくとも1つが、報告の形態においてもたらされる、項目30に記載の方法。
【0042】
(項目33) 上記個体が最初に、LDL−Cが130mg/dlよりも大きく、かつ小粒子LDLが存在しないことを示す結果を有する場合、上記個体のLDL−Cレベルが70mg/dl以上であり、かつ上記個体のTGレベルが変化していない場合に以下の疾患管理の推奨:上記個体に対するスタチン用量を増大させる工程およびある用量の樹脂またはエゼチミブを上記個体に添加する工程のうちの少なくとも1つが、報告の形態においてもたらされる、項目1に記載の方法。
【0043】
(項目34) 上記第4のサンプルからの結果が、上記個体のLDL−Cレベルが70mg/dlより大きく、かつ上記個体のTGレベルが増加していることを示す場合、上記個体由来の第5のサンプルに対してLDLサブクラス試験を行う工程をさらに包含する、項目29に記載の方法。
【0044】
(項目35) 上記LDLサブクラス試験の結果が上記個体における小粒子LDLの存在を示す場合、以下の疾患管理の推奨:ニコチン酸を上記個体に添加する工程、上記個体に対するスタチンの用量を増大させる工程、上記個体に少なくとも1つの樹脂およびエゼチミブを補充する工程、ならびに上記個体にフィブラートを補充する工程のうちの少なくとも1つが、報告の形態においてもたらされる、項目34に記載の方法。
【0045】
(項目36) 上記LDLサブクラス試験の結果が上記個体における小粒子LDLの非存在を示す場合、以下の疾患管理の推奨:上記個体に対するスタチン用量を増大させる工程およびある用量の樹脂またはエゼチミブを上記個体に添加する工程のうちの少なくとも1つが、報告の形態においてもたらされる、項目34に記載の方法。
【0046】
本発明は、さらに以下の項目も提供する。
【0047】
(項目1a) 循環器疾患の危険性がある個体を診断および管理するための方法であって、
個体の空腹時トリグリセリド(TG)レベルを決定する工程;
上記個体のTGレベルに依存して小粒子低密度リポタンパク質(LDL)について上記個体を試験する工程;
小粒子LDLの存在または非存在に基づく疾患管理選択肢を提供する工程;
上記個体の低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)レベルを決定する工程;ならびに
上記個体のLDL−Cレベルおよび上記個体における小粒子LDLの存在または非存在に基づく疾患管理選択肢を提供する工程;
を包含する、方法。
【0048】
(項目2a) 上記個体は、上記個体のTGレベルが70mg/dlよりも大きく、かつ200mg/dl未満である場合に小粒子LDLについて試験され、そして上記小粒子LDLの存在は、上記個体のTGレベルが200mg/dl以上である場合に上記個体において存在すると推定される、項目1aに記載の方法。
【0049】
(項目3a) 以下:
運動およびカロリー制限による過剰な体脂肪の喪失、食事における単純糖質の回避、選択的β遮断薬および非選択的β遮断薬の可能な場合の回避、正常な甲状腺機能の確認、ナイアシン、フィブラート、および魚油のうちの1つ以上の導入、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL−C)が正常である場合の高密度リポタンパク質(HDL)サブクラス試験、ならびに一親等の血族関係にある者を循環器疾患について試験すること;
の疾患管理選択肢のうちの1つ以上は、小粒子LDLが上記個体に存在する場合に行われる、項目2aに記載の方法。
【0050】
(項目4a) 以下:
食事における単純糖質の回避、運動およびカロリー制限による体脂肪の減少、ニコチン酸、フィブラート、スタチンおよび魚油のうちの1つ以上の導入、ならびにLDL粒子数の測定としてのアポリポタンパク質B(Apo B)レベルの試験;
の疾患管理選択肢のうちの1つ以上は、LDL−Cが70mg/dl〜130mg/dlの範囲内であり、かつ小粒子LDLが存在する場合に行われる、項目2aに記載の方法。
【0051】
(項目5a) 標準的な脂質プロフィール試験を行う工程をさらに包含する、項目4aに記載の方法。
【0052】
(項目6a) 上記個体の循環器疾患についての危険性の管理は、上記個体のLDL−Cが70mg/dl未満であり、かつ上記個体のTGが70mg/dl未満である場合に達成される、項目4aに記載の方法。
【0053】
(項目7a) 上記個体のLDL−Cが70mg/dl未満であり、かつ上記個体のTGが70mg/dl以上である場合にLDLサブクラス試験を行う工程をさらに包含する、項目5aに記載の方法。
【0054】
(項目8a) 上記個体の循環器疾患についての危険性の管理は、上記LDLサブクラス試験の結果が上記個体における小粒子LDLの非存在を示す場合に達成される、項目7aに記載の方法。
【0055】
(項目9a) 上記個体に対するニコチン酸を増大させる工程、フィブラートを上記個体に補充する工程、および魚油を補充する工程のうちの少なくとも1つを、上記LDLサブクラス試験の結果が上記個体における小粒子LDLの存在を示す場合にさらに包含する、項目7aに記載の方法。
【0056】
(項目10a) 上記個体に対するスタチン用量を増大させる工程およびある用量の樹脂またはエゼチミブを上記個体に添加する工程のうちの少なくとも1つを、上記個体のLDL−Cが70mg/dl以上であり、かつ上記個体のTGが70mg/dlより大きい場合にさらに包含する、項目5aに記載の方法。
【0057】
(項目11a) LDLサブクラス試験を行う工程を、上記個体のLDL−Cが70mg/dlより大きく、かつ上記個体のTGが70mg/dl以上である場合にさらに包含する、項目5aに記載の方法。
【0058】
(項目12a) 上記個体に対するニコチン酸を増大させる工程、上記個体に対するスタチン用量を増大させる工程、ある用量の樹脂またはエゼチミブを上記個体に添加する工程、およびフィブラートを上記個体に補充する工程のうちの少なくとも1つを、上記LDLサブクラス試験の結果が上記個体における小粒子LDLの存在を示す場合にさらに包含する、項目11aに記載の方法。
【0059】
(項目13a) 上記個体に対するスタチン用量を増大させる工程およびある用量の樹脂またはエゼチミブを上記個体に添加する工程のうちの少なくとも1つを、上記LDLサブクラス試験の結果が上記個体における小粒子LDLの非存在を示す場合にさらに包含する、項目11aに記載の方法。
【0060】
(項目14a) 以下:
食事における単純糖質の回避、運動およびカロリー制限による体脂肪の減少、診断としての家族性複合型高脂血症(FCH)の検討、ニコチン酸、フィブラート、スタチンおよび魚油のうちの1つ以上の導入、LDL粒子数の測定としてのアポリポタンパク質B(Apo B)レベルの試験、ならびに一親等の血族関係にある者の循環器疾患についてのスクリーニング;
の疾患管理選択肢のうちの1つ以上は、LDL−Cが130mg/dl以上であり、かつ小粒子LDLが存在しない場合に行われる、項目2aに記載の方法。
【0061】
(項目15a) 標準的な脂質プロフィール試験を行う工程をさらに包含する、項目14aに記載の方法。
【0062】
(項目16a) 上記個体の循環器疾患についての危険性の管理は、上記個体のLDL−Cが70mg/dl未満であり、かつ上記個体のTGが100mg/dl未満である場合に達成される、項目14aに記載の方法。
【0063】
(項目17a) 上記個体のLDL−Cが70mg/dl未満であり、かつ上記個体のTGが100mg/dl以上である場合にLDLサブクラス試験を行う工程をさらに包含する、項目15aに記載の方法。
【0064】
(項目18a) 上記個体の循環器疾患についての危険性の管理は、上記LDLサブクラス試験の結果が上記個体における小粒子LDLの非存在を示す場合に達成される、項目17aに記載の方法。
【0065】
(項目19a) 上記個体に対するニコチン酸を増大させる工程、フィブラートを上記個体に補充する工程、および魚油を補充する工程のうちの少なくとも1つを、上記LDLサブクラス試験の結果が上記個体における小粒子LDLの存在を示す場合にさらに包含する、項目17aに記載の方法。
【0066】
(項目20a) 上記個体に対するスタチン用量を増大させる工程およびある用量の樹脂またはエゼチミブを上記個体に添加する工程のうちの少なくとも1つを、上記個体のLDL−Cが70mg/dl以上であり、かつ上記個体のTGが100mg/dlより大きい場合にさらに包含する、項目15aに記載の方法。
【0067】
(項目21a) 上記個体のLDL−Cが70mg/dl以上であり、かつ上記個体のTGが100mg/dl以上である場合にLDLサブクラス試験を行う工程をさらに包含する、項目15aに記載の方法。
【0068】
(項目22a) 上記個体に対するニコチン酸を増大させる工程、上記個体に対するスタチン用量を増大させる工程、ある用量の樹脂またはエゼチミブを上記個体に添加する工程、およびフィブラートを上記個体に補充する工程のうちの少なくとも1つを、上記LDLサブクラス試験の結果が上記個体における小粒子LDLの存在を示す場合にさらに包含する、項目21aに記載の方法。
【0069】
(項目23a) 上記個体に対するスタチン用量を増大させる工程およびある用量の樹脂またはエゼチミブを上記個体に添加する工程のうちの少なくとも1つを、上記LDLサブクラス試験の結果が上記個体における小粒子LDLの非存在を示す場合にさらに包含する、項目21aに記載の方法。
【0070】
(項目24a) 以下:
American Heart Association Phase X食、中程度の用量のスタチンおよび少なくとも1つのある用量のエゼチミブおよびある用量の胆汁酸結合樹脂、ならびにLDL粒子数の測定としてのアポリポタンパク質B(Apo B)レベルの試験;
の疾患管理選択肢のうちの1つ以上は、LDL−Cが70mg/dl〜130mg/dlの範囲内であり、かつ小粒子LDLが存在しない場合に行われる、項目2aに記載の方法。
【0071】
(項目25a) 標準的な脂質プロフィール試験を行う工程をさらに包含する、項目24aに記載の方法。
【0072】
(項目26a) 上記個体の循環器疾患についての危険性の管理は、上記個体のLDL−Cが70mg/dl未満であり、かつ上記個体のTGが増加していない場合に達成される、項目24aに記載の方法。
【0073】
(項目27a) 上記個体のLDL−Cが70mg/dl未満であり、かつ上記個体のTGが増加している場合にLDLサブクラス試験を行う工程をさらに包含する、項目25aに記載の方法。
【0074】
(項目28a) 上記個体の循環器疾患についての危険性の管理は、上記LDLサブクラス試験の結果が上記個体における小粒子LDLの非存在を示す場合に達成される、項目27aに記載の方法。
【0075】
(項目29a) 上記個体に対するニコチン酸を増大させる工程、フィブラートを上記個体に補充する工程、魚油を上記個体に補充する工程、および上記個体の生活習慣を変える工程のうちの少なくとも1つを、上記LDLサブクラス試験の結果が上記個体における小粒子LDLの存在を示す場合にさらに包含する、項目27aに記載の方法。
【0076】
(項目30a) 上記個体に対するスタチン用量を増大させる工程およびある用量の樹脂またはエゼチミブを上記個体に添加する工程のうちの少なくとも1つを、上記個体のLDL−Cが70mg/dl以上であり、かつ上記個体のTGが増加していない場合にさらに包含する、項目25aに記載の方法。
【0077】
(項目31a) 上記個体のLDL−Cが70mg/dl以上であり、かつ上記個体のTGが増加している場合にLDLサブクラス試験を行う工程をさらに包含する、項目25aに記載の方法。
【0078】
(項目32a) 上記個体に対するニコチン酸を増大させる工程、フィブラートを上記個体に補充する工程、魚油を上記個体に補充する工程、および上記個体の生活習慣を変える工程のうちの少なくとも1つを、上記LDLサブクラス試験の結果が上記個体における小粒子LDLの存在を示す場合にさらに包含する、項目31aに記載の方法。
【0079】
(項目33a) 上記個体に対するスタチン用量を増大させる工程およびある用量の樹脂またはエゼチミブを上記個体に添加する工程のうちの少なくとも1つを、上記LDLサブクラス試験の結果が上記個体における小粒子LDLの非存在を示す場合にさらに包含する、項目31aに記載の方法。
【0080】
(項目34a) 以下:
低脂肪食、スタチン、エゼチミブ、樹脂、およびニコチン酸のうちの1つ以上の導入、およびLDL粒子数の測定としてのアポリポタンパク質B(Apo B)レベルの試験;
の疾患管理選択肢のうちの1つ以上は、LDL−Cが130mg/dlより大きく、かつ小粒子LDLが存在しない場合に行われる、項目2aに記載の方法。
【0081】
(項目35a) 上記個体の循環器疾患についての危険性の管理は、上記個体のLDL−Cが70mg/dl未満であり、かつ上記個体のTGが変化していない場合に達成される、項目34aに記載の方法。
【0082】
(項目36a) 上記個体のLDL−Cが70mg/dl未満であり、かつ上記個体のTGが増加している場合にLDLサブクラス試験を行う工程をさらに包含する、項目35aに記載の方法。
【0083】
(項目37a) 上記個体の循環器疾患についての危険性の管理は、上記LDLサブクラス試験の結果が上記個体における小粒子LDLの非存在を示す場合に達成される、項目36aに記載の方法。
【0084】
(項目38a) 上記個体に対するニコチン酸を増大させる工程、フィブラートを上記個体に補充する工程、および魚油を上記個体に補充する工程のうちの少なくとも1つを、上記LDLサブクラス試験の結果が上記個体における小粒子LDLの存在を示す場合にさらに包含する、項目36aに記載の方法。
【0085】
(項目39a) 上記個体に対するスタチン用量を増大させる工程およびある用量の樹脂またはエゼチミブを上記個体に添加する工程のうちの少なくとも1つを、上記個体のLDL−Cが70mg/dl以上であり、かつ上記個体のTGが変化していない場合にさらに包含する、項目34aに記載の方法。
【0086】
(項目40a) 上記個体のLDL−Cが70mg/dlより大きく、かつ上記個体のTGが増加している場合にLDLサブクラス試験を行う工程をさらに包含する、項目35aに記載の方法。
【0087】
(項目41a) ニコチン酸を上記個体に添加する工程、上記個体に対するスタチンの用量を増大させる工程、上記個体に少なくとも1つの樹脂およびエゼチミブを補充する工程、ならびに上記個体にフィブラートを補充する工程のうちの少なくとも1つを、上記LDLサブクラス試験の結果が上記個体における小粒子LDLの存在を示す場合にさらに包含する、項目40aに記載の方法。
【0088】
(項目42a) 上記個体に対するスタチン用量を増大させる工程およびある用量の樹脂またはエゼチミブを上記個体に添加する工程のうちの少なくとも1つを、上記LDLサブクラス試験の結果が上記個体における小粒子LDLの非存在を示す場合にさらに包含する、項目40aに記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】図1は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するための本発明のシステムおよび方法の例示的な実施形態のフローチャートを例示する。
【図2】図2は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するための本発明のシステムおよび方法の例示的な実施形態のフローチャートを例示する。
【図3】図3は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するための本発明のシステムおよび方法の例示的な実施形態のフローチャートを例示する。
【図4】図4は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するための本発明のシステムおよび方法の例示的な実施形態のフローチャートを例示する。
【図5】図5は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するための本発明のシステムおよび方法の例示的な実施形態のフローチャートを例示する。
【図6】図6は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するための本発明のシステムおよび方法の例示的な実施形態のフローチャートを例示する。
【図7】図7は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するための本発明のシステムおよび方法の例示的な実施形態のフローチャートを例示する。
【図8】図8は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するための本発明のシステムおよび方法の例示的な実施形態のフローチャートを例示する。
【図9】図9は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するための本発明のシステムおよび方法の例示的な実施形態のフローチャートを例示する。
【図10】図10は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するための本発明のシステムおよび方法の例示的な実施形態のフローチャートを例示する。
【図11】図11は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するための本発明のシステムおよび方法の例示的な実施形態のフローチャートを例示する。
【図12】図12は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するための本発明のシステムおよび方法の例示的な実施形態のフローチャートを例示する。
【図13】図13は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するための本発明のシステムおよび方法の例示的な実施形態のフローチャートを例示する。
【図14】図14は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するための本発明のシステムおよび方法の例示的な実施形態のフローチャートを例示する。
【図15】図15は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するための本発明のシステムおよび方法に従って作製された例示的な患者の報告を示す。
【図16】図16は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するための本発明のシステムおよび方法に従って作製された例示的な患者の報告を示す。
【図17】図17は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するための本発明のシステムおよび方法に従って作製された別の例示的な患者の報告を示す。
【図18】図18は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するための本発明のシステムおよび方法に従って作製された別の例示的な患者の報告を示す。
【図19】図19は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するための本発明のシステムおよび方法に従って作製された別の例示的な患者の報告を示す。
【図20】図20は、確立されたCHDを有する患者における空腹時TGとLDL PPDとの間の散布図を示す。
【図21】図21は、冠動脈石灰化を有さない男性におけるHDL−CおよびHDL2を示す(n=176、r=0.82.p<0.0001、平均HDLC=45.5+12.9mg/dl、HDL2b=16.0+7.5%)。
【図22】図22は、+CACを有する男性におけるHDL−CおよびHDL2bを示す(n=173、r=0.74、p<0.0001、平均HDLC=44.0+12.0、HDL2b=14.7%+6.4%)。55mg/dlよりも大きいHDLCを有する患者の群の低いHDL2bが依然として低い(<20%)ことに留意する。
【図23】図23は、女性におけるHDL−CおよびHDL2bを示す(n=1523、r=0.73、p<0.0001、平均HDLC=)。
【図24】図24は、男性におけるHDL−CおよびHDL2bを示す(n=3,408、r=0.86、p<0.0001、平均HDLC=)。
【発明を実施するための形態】
【0090】
(詳細な説明)
例示的な実施形態の詳細な説明は、本明細書中で、図示およびその最良の様式によって例示的な実施形態を示す添付の図面および図式について言及する。これらの例示的な実施形態が、本発明の実施を当業者に可能にするために十分に詳細に記載されるが、他の実施形態が認識され得ること、ならびに論理的変更および機械的変更が本発明の精神および範囲から逸脱することなく行われ得ることが、理解されるべきである。したがって、詳細な説明は、本明細書中で、例示を目的としてのみ提供され、そして限定を目的として提供されるものではない。例えば、任意の方法またはプロセスの記載において記載される工程は、任意の順序で行うことができ、そして提供された順序に限定されない。さらに、任意の機能または工程は、1以上の第三者に外部委託されても、1以上の第三者によって行われてもよい。さらに、単数形に対する任意の参照は、複数の実施形態を含み、そして1つより多い成分に対する任意の参照は、単数の実施形態を含み得る。
【0091】
簡潔さを目的として、従来のデータネットワーク構築、アプリケーション開発およびシステムの他の機能的局面(およびシステムのコンポーネントを駆動する個体のコンポーネント)を、本明細書中で詳細に記載することはできない。さらに、本明細書に含まれる種々の図面に示される関連線は、種々の要素間の例示的な機能的関係および/または物理的連結を示すことが意図される。多くの代替的な機能的関係またはさらなる機能的関係あるいは物理的接続が実用系において存在し得ることが、記載されるべきである。
【0092】
本明細書で開示される種々のシステムコンポーネントは、以下のうちの1つ以上を含み得る:デジタルデータを処理するためのプロセッサを備えるホストサーバーまたは他のコンピュータシステム;デジタルデータを保存するためのプロセッサに連結されたメモリー;デジタルデータを入力するためのプロセッサに連結された入力デジタイザー;プロセッサによるデジタルデータの処理を命令するための、メモリーに保存されかつプロセッサによってアクセス可能なアプリケーションプログラム;プロセッサによって処理されたデジタルデータから得られた情報を表示するための、プロセッサおよびメモリーに連結されたディスプレイ;ならびに複数のデータベース。本明細書で使用される種々のデータベースは、以下を含み得る:家族歴、人口統計学および環境データなどの患者データ、生物学的サンプルのデータ、前処置およびプロトコルデータ、患者の臨床データ、試験データ(脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、C反応性タンパク質、総コレステロール、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL−C)、HDL−Cに対するコレステロールの比、トリグリセリド、算出された低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)、フィブリノゲン、ホモシステイン、低密度リポタンパク質(LDL)サブフラクション(LDL 1、LDL 2、LDL 3、LDL 4、LDL 5、LDL 6、LDL 7を含む)、算出されたLDL、算出された平均LDL粒径、リポタンパク質(a)、Apo E遺伝子型、プラスミノーゲン活性化因子インヒビター1(PAI−1)、インスリン、およびプロ−BNPにおける患者または個体のデータが挙げられるが、これらに限定されない)、疾患管理選択肢、患者追跡データ、ファイル管理データ、財務管理データ、課金データおよび/またはシステムの作動に有用なデータ。当業者は、ユーザーコンピューターがオペレーティングシステム(例えば、Windows(登録商標) NT、95/98/2000、OS2、UNIX(登録商標)、Linux、Solaris、MacOSなど)ならびに代表的にコンピューターと関連付けられる種々の従来の支援ソフトウェアおよびドライバを備え得ることを、認識する。上記コンピューターは、任意の適切なパーソナルコンピューター、ネットワークコンピューター、ワークステーション、ミニコンピューター、メインフレームなどを含み得る。ユーザーコンピューターは、ネットワークへのアクセスを伴う家庭環境または医療/仕事環境におけるものであり得る。例示的な実施形態において、アクセスは、市販のウェブブラウザーソフトウェアパッケージを介するネットワークまたはインターネットによるものである。
【0093】
本明細書中で使用される場合、用語「ネットワーク」は、そのようなハードウェアコンポーネントおよびソフトウェアコンポーネントの両方を組み込む任意の電気通信手段を含む。パーティー間の通信は、例えば、デバイス、キーボード、マウスおよび/または任意の適切な通信もしくはデータ入力様式にネットワーク接続または連結された電話回線網、エクストラネット、イントラネット、インターネット、インタラクションデバイスのポイント(携帯情報端末(例えば、Palm Pilot(登録商標)、Blackberry(登録商標))、携帯電話、キオスクなど)、オンライン通信、衛星通信、オフライン通信、無線通信、トランスポンダー通信、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)などの任意の適切な通信チャネルによって達成され得る。さらに、上記システムは、TCP/IP通信プロトコルによって実行されると本明細書中に頻繁に記載されるが、そのシステムはまた、IPX、Appletalk、IP−6、NetBIOS、OSIまたは多数の既存もしくは将来のプロトコルを使用して実行され得る。上記ネットワークがインターネットなどの公的なネットワークの性質におけるものである場合、そのネットワークを盗聴者に対して不安であり、そして開かれていると推定することに、有利であり得る。インターネットによる通信において利用されるプロトコル、規格、およびアプリケーションソフトウェアに関する特定の情報は、当業者に一般に公知であり、本明細書で詳述される必要がないようなものである。例えば、DILIP NAIK,INTERNET STANDARDS AND PROTOCOLS(1998);JAVA(登録商標) 2 COMPLETE,種々の著者(Sybex 1999);DEBORAH RAY AND ERIC RAY,MASTERING HTML 4.0(1997);ならびにLOSHIN。TCP/IP CLEARLY EXPLAINED(1997)およびDAVID GOURLEY AND BRIAN TOTTY,HTTP,THE DEFINITIVE GUIDE(2002)(その内容は、本明細書に参考として援用される)を参照のこと。
【0094】
上記種々のシステムコンポーネントは、独立、個別または集合的に、データリンクを介して上記ネットワークに適切に連結され得、それは、例えば、代表的に規格モデム通信、ケーブルモデム、ディッシュネットワーク、ISDN、デジタル加入者回線(DSL)、または種々の無線通信方法(例えば、GILBERT HELD、UNDERSTANDING DATA COMMUNICATIONS(1996)(これは、本明細書に参考として援用される)を参照のこと)との接続において使用されるようなローカルループ上のインターネットサービスプロバイダ(ISP)に対する接続を含む。ネットワークはネットワークの他の型(例えば、双方向テレビ(ITV)ネットワーク)として実行され得ることが、示される。さらに、上記システムは、本明細書に記載される同様の機能性を有する任意のネットワーク上の任意の物品、サービスまたは情報の使用、販売または配布を企図する。
【0095】
本明細書中で使用される場合、「伝達する」は、ネットワーク通信を介して1つのシステムコンポーネントから別のシステムコンポーネントへ電子データを送信することを含み得る。さらに、本明細書中で使用される場合、「データ」は、デジタルまたは任意の他の形態における情報(例えば、命令、クエリー、ファイル、保存のためのデータなど)を包含することを含み得る。
【0096】
上記システムは、ウェブサービス、ユーティリティコンピューティング、広汎性および個別化コンピューティング、セキュリティーソリューションおよびアイデンティティーソリューション、自律型コンピューティング、商品コンピューティング(commodity computing)、移動性ソリューションおよび無線ソリューション、オープンソース、バイオメトリクス、グリッドコンピューティングおよび/またはメッシュコンピューティング(mesh computing)に関連する用途を企図する。
【0097】
本明細書で開示される任意のデータベースは、関係構造、階層構造、グラフィカル構造、もしくはオブジェクト指向構造および/または任意の他のデータベース構成を含み得る。データベースを実行するために使用され得る共通データベース製品は、IBM(White Plains、NY)によるDB2、Oracle Corporation(Redwood Shores、CA)から入手可能な種々のデータベース製品、Microsoft Corporation(Redmond、Washington)によるMicrosoft AccessまたはMicrosoft SQL Server、あるいは任意の他の適切なデータベース製品を含む。さらに、上記データベースは、例えば、データ表またはルックアップテーブルのような適切な様式で編成され得る。各記録は、単一のファイル、一連のファイル、連結した一連のデータフィールドまたは任意の他のデータ構造であり得る。特定のデータの連合は、任意の所望のデータ連合技術(例えば、当該分野において公知であるかまたは実施されるもの)によって達成され得る。例えば、上記連合は、手動または自動のいずれかで達成され得る。自動連合技術は、例えば、データベース検索、データベース結合、GREP、AGREP、SQL、高速検索のためにテーブルにおけるキーフィールドを使用すること、全てのテーブルおよびファイルによる順次検索、検索を単純化するための公知の順序に従うファイルにおけるソートレコード(sorting record)などを含み得る。連合工程は、データベース結合機能(例えば、事前に選択されたデータベースまたはデータセクターにおける「キーフィールド」を使用すること)によって達成され得る。
【0098】
より具体的には、「キーフィールド」は、キーフィールドによって規定されるオブジェクトの高レベルクラスに従ってデータベースを分割する。例えば、データの特定の型は、複数の関連したデータ表中のキーフィールドとして指定され得、そしてそのデータ表は、そのキーフィールド中のデータの型に基づいて連結され得る。連結されたデータ表の各々におけるキーフィールドに対応するデータは、好ましくは、同じであるか、または同じ型のものである。しかし、キーフィールド中に類似するが同一ではないデータを有するデータ表はまた、例えば、AGREPを使用することによって連結され得る。1つの実施形態にしたがって、任意の適切なデータ保存技術は、標準的なフォーマットによらずにデータを保存するために利用され得る。データセットは、任意の適切な技術を使用して保存され得、その技術としては、例えば、ISO/IEC 7816−4ファイル構造を使用して個々のファイルを保存すること;ドメインを実装し、それによって1つ以上データセットを含む1つ以上の基本ファイルをさらす専用ファイルが選択されること;階層ファイリングシステムを使用して個々のファイルに保存されたデータセットを使用すること;単一のファイルで記録として保存されたデータセット(圧縮、SQLアクセス可能、1つ以上のキーによるハッシュ化、数値、第1タプルによるアルファベットなど);Binary Large Object(BLOB);ISO/IEC 7816−6データ要素を使用してエンコードされたグループ化されていないデータ要素として保存される;ISO/IEC 8824および8825におけるようなISO/IEC Abstract Syntax Notation(ASN.1)を使用してエンコードされたグループ化されていないデータ要素として保存される;および/またはフラクタル圧縮方法、イメージ圧縮方法を含み得る他の専有技術などが挙げられる。
【0099】
1つの例示的な実施形態において、広範な種々の情報を異なるフォーマットで保存する能力は、BLOBとして情報を保存することによって促進される。したがって、任意の2進情報は、データセットと関連付けられた保存領域に保存され得る。上記BLOB方法は、固定保存アロケーション、循環キュー(circular queue)技術、またはメモリー管理に関するベストプラクティス(例えば、最長時間未使用のページ化メモリーなど)のいずれかを使用して固定記憶オフセットによって2成分のブロックとしてフォーマットされたグループ化されていないデータ要素としてデータセットを保存し得る。BLOBを使用することによって、異なるフォーマットを有する種々のデータセットを保存する能力は、データセットの複数でありかつ関係のない所有者によるデータの保存を容易にする。例えば、保存され得る第1のデータセットは、第1のパーティーによって提供され得、保存され得る第2のデータセットは、関係のない第2のパーティーによって提供され得、なおかつ保存され得る第3のデータセットは、第1のパーティーおよび第2のパーティーに関係ない第3のパーティーによって提供され得る。これら3つの例示的なデータセットの各々は、異なるデータ保存のフォーマットおよび/または技術を使用して保存される異なる情報を含み得る。さらに、各データセットは、他のサブセットとも異なり得るデータのサブセットを含み得る。
【0100】
上で記載される通り、種々の実施形態において、上記データは、共通フォーマットに関係なく保存され得る。しかし、1つの例示的な実施形態において、上記データセット(例えば、BLOB)は、データを操作するために提供される場合、標準的な様式でアノテートされ得る。アノテーションは、種々のデータセットを管理するのに有用な情報を伝達するために構成される各データセットに関連する短いヘッダー、トレーラー、または他の適切なインジケータを含み得る。例えば、アノテーションは、本明細書中で、「コンディションヘッダー(condition header)」、「ヘッダー」、「トレーラー」、または「ステータス」と称され得、そしてデータセットのステータスの表示を含み得るか、あるいはデータの特定の発行者または所有者に関連付けられた識別子を含み得る。データの次なるバイトは、例えば、データの発行者または所有者の識別、使用者、トランザクション/会員アカウント識別子などを示すために使用され得る。これらのコンディションアノテーションの各々は、さらに、本明細書で開示される。
【0101】
上記データセットアノテーションはまた、他の型のステータス情報および種々の他の目的のために使用され得る。例えば、上記データセットアノテーションは、アクセスレベルを確立するセキリュティー情報を含み得る。上記アクセスレベルは、例えば、特定の個体、従業員のレベル、会社、または他の実体のみにデータセットへのアクセスを許可するか、またはトランザクション、データの発行者または所有者、使用者などに基づいて特定のデータセットへのアクセスを許可するために構成され得る。さらに、上記セキリュティー情報は、データセットへのアクセス、データセットの改変、および/またはデータセットの削除などの特定の動作のみを制限/許可し得る。1つの例において、上記データセットアノテーションは、データセットの所有者または使用者のみがデータセットを削除することを許可されること、種々の確認された使用者が読み込みのためにデータセットにアクセスすることを許可され得ること、および他の者がデータセットへのアクセスから完全に排除されることを示す。しかし、他のアクセス制限パラメータはまた、種々の実体が必要に応じて種々の許可レベルでデータセットにアクセスすることを可能にして使用され得る。ヘッダーまたはトレーラーを含むデータは、ヘッダーまたはトレーラーに従ってデータを追加、削除、改変、または拡大するために構成されたスタンドアローン型のインタラクションデバイスによって受容され得る。
【0102】
当業者はまた、セキュリティーのために、任意のデータベース、システム、デバイス、サーバーまたはシステムの他のコンポーネントが単一の場所または複数の場所におけるその任意の組合せからなり得ることを認識し、各データベースまたはシステムは、任意の種々の適切なセキュリティー機能(例えば、ファイヤーウォール、アクセスコード、暗号化、暗号解読、圧縮、解凍など)を示す。
【0103】
ウェブクライアントの演算器(computing unit)は、さらに、標準的なダイアルアップ、ケーブル、DSLまたは当該分野で公知である任意の他のインターネットプロトコルを使用してインターネットまたはイントラネットに接続されたインターネットブラウザを備え得る。ウェブクライアントから出ているトランザクションは、他のネットワークの使用者からの権限のないアクセスを防止するためにファイヤーウォールを通過し得る。さらに、さらなるファイヤーウォールは、さらにセキュリティーを増強するためにCMSの変化するコンポーネント間で展開され得る。
【0104】
ファイヤーウォールは、他のネットワークの使用者からCMSコンポーネントおよび/または企業コンピューティング資源を保護するために適切に構成された任意のハードウェアおよび/またはソフトウェアを含み得る。さらに、ファイヤーウォールは、ウェブサーバーを通して接続するウェブクライアントのファイヤーウォールの後ろの種々のシステムおよびコンポーネントに対するアクセスを限定または制限するために構成され得る。ファイヤーウォールは、とりわけStateful Inspection、ProxyベースおよびPacket Filteringを含む種々の構成で存在し得る。ファイヤーウォールは、ウェブサーバーまたは任意の他のCMSコンポーネント内に統合され得るか、あるいはさらに別個の実体として存在し得る。
【0105】
本明細書で開示されるコンピューターは、使用者によってアクセス可能である適切なウェブサイトまたは他のインターネットベースのグラフィカルユーザーインターフェイスを提供し得る。1つの実施形態において、Microsoft Internet Information Server(IIS)、Microsoft Transaction Server(MTS)、およびMicrosoft SQL Serverが、Microsoftオペレーティングシステム、Microsoft NTウェブサーバーソフトウェア、Microsoft SQL Serverデータベースシステム、およびMicrosoft Commerce Serverと組み合わせて使用される。さらに、コンポーネント(例えば、AccessまたはMicrosoft SQL Server、Oracle、Sybase、Informix MySQL、Interbaseなど)は、Active Data Object(ADO)対応データベース管理システムを提供するために使用され得る。
【0106】
本明細書で開示される任意の通信、入力、保存、データベースまたはディスプレイは、ウェブページを有するウェブサイトによって促進され得る。用語「ウェブページ」は、それが本明細書中で使用される場合、使用者と相互作用するように使用され得る文書およびアプリケーションの型を限定することを意味しない。例えば、代表的なウェブサイトは、標準的なHTML文書に加えて、種々の形態、Java(登録商標)アプレット、Java(登録商標)Script、アクティブサーバーページ(ASP)、共通ゲートウェイインターフェーススクリプト(CGI)、拡張マークアップ言語(XML)、ダイナミックHTML、カスケーディングスタイルシート(CSS)、ヘルパーアプリケーション、プラグインなどを含み得る。サーバーは、ウェブサーバーからの要求、URLおよびIPアドレスを含む要求を受容するウェブサービスを含み得る。上記ウェブサーバーは、適切なウェブページを検索し、そしてウェブページのデータまたはアプリケーションをIPアドレスに送信する。ウェブサービスは、通信手段(例えば、インターネット)上で他のアプリケーションと相互作用し得る。ウェブサービスは、代表的に、XML、XSLT、SOAP、WSDLおよびUDDIなどの標準またはプロトコルに基づく。ウェブサービスの方法は、当該分野において周知であり、そして多くの標準的な教科書において網羅される。例えば、ALEX NGHIEM、IT WEB SERVICES:A ROADMAP FOR THE ENTERPRISE(2003)(本明細書に参考として援用される)を参照のこと。
【0107】
本発明のシステムおよび方法のための臨床データベース(ウェブベースであり得る)は、好ましくは、ネイティブなフォーマットで臨床データファイルをアップロードおよび保存する能力を有し、そして任意の臨床パラメータに対して検索可能である。上記データベースはまた、検索可能であり、そして他の研究と統合しやすい任意の研究から臨床アノテーションに入るためにEAVデータモデル(メタデータ)を利用し得る。さらに、ウェブベースの臨床データベースは、柔軟であり、そして使用者にカスタマイズされた質問を同的に加えることができるXMLおよびXSLTであり得る。さらに、上記データベースは、CDISC ODMへのエクスポート能力を備える。
【0108】
実施者はまた、ブラウザーベースの文書内でデータを表示するための多くの方法が存在することを認識する。データは、標準テキストとしてか、または固定されたリスト、スクロール可能なリスト、ドロップダウンリスト、編集可能なテキスト領域、固定されたテキスト領域、ポップアップウィンドウなどの中に示され得る。同様に、ウェブページにおいてデータを改変するために利用可能である多くの方法(例えば、キーボードを使用する自由なテキスト入力、メニュー項目の選択、チェックボックス、オプションボックスなど)が、存在する。
【0109】
上記システムおよび方法は、本明細書中で、機能的ブロックコンポーネント、フローチャート、スクリーンショット、オプション選択および種々の処理工程に関して記載され得る。このような機能的ブロックは特定の機能を行うために構成された多数のハードウェアコンポーネントおよび/またはソフトウェアコンポーネントによって実現され得ることが、認識されるべきである。例えば、上記システムは、1つ以上のマイクロプロセッサまたは他の制御デバイスの制御下で種々の機能を実行する種々の統合された回路成分(例えば、メモリーエレメント、処理エレメント、論理エレメント、ルックアップテーブルなど)を使用し得る。同様に、上記システムのソフトウェアエレメントは、任意のプログラミング言語またはスクリプト言語(例えば、C、C++、Macromedia Cold Fusion、Microsoft Active Server Pages、Java(登録商標)、COBOL、アセンブラ、PERL、Visual Basic、SQL Stored Procedures、拡張マークアップ言語(XML))によって実行され得、種々のアルゴリズムは、データ構造、オブジェクト、プロセス、ルーティンまたは他のプログラミングエレメントの任意の組合せによって実行される。さらに、上記システムはデータ伝送、信号伝達、データ処理、ネットワーク制御などのための多数の従来技術を使用し得ることが、記載されるべきである。さらになお、上記システムは、クライアント側スクリプト言語(例えば、Java(登録商標)Script、VBScriptなど)によってセキュリティー問題を検出または防止するために使用され得る。暗号化およびネットワークセキュリティーの基礎入門については、以下の参考文献のいずれかを参照のこと:(1)Bruce Schneierによる「Applied Cryptography:Protocols,Algorithms,And Source Code In C」,John Wiley & Sonsによって出版された(第2版,1995);(2)Jonathan Knudsonによる「Java(登録商標) Cryptography」,O’Reilly & Associatesによって出版された(1998);(3)William Stallingsによる「Cryptography & Network Security:Principles & Practice」,Prentice Hallによって出版された;これらの全ては、本明細書に参考として援用される。
【0110】
本明細書中で使用される場合、用語「エンドユーザー」、「消費者」、「顧客」、「クライアント」、「処置する医師」、「病院」、または「事業」は、互いに交換可能に使用され得、そして各々は、任意の者、実体、機械、ハードウェア、ソフトウェアまたは事業を意味する。各関係者は、上記システムと相互作用し、そしてオンラインのデータアクセスおよびデータ入力を容易にするためにコンピューティングデバイスを装備している。顧客は、パーソナルコンピューターの形態で演算器を有するが、ラップトップ型コンピューター、ノート型コンピューター、携帯型コンピューター、セットトップボックス、携帯電話、プッシュホンなど演算器の他の型が、使用され得る。本発明のシステムおよび方法の所有者/操作者は、コンピューターサーバーの形態で実行される演算器を有するが、他の実行は、本体コンピューターとして示されるコンピューティングセンター、ミニコンピューター、PCサーバー、同じかまたは異なる地理的位置に配置されたコンピューターのネットワークなどを備える上記システムによって企図される。さらに、上記システムは、本明細書に記載される同様の機能性を有する任意のネットワーク上の任意の物品、サービスまたは情報の使用、販売または配布を企図する。
【0111】
1つの例示的な実施形態において、各クライアント顧客は、「アカウント」または「アカウント番号」を発行され得る。本明細書中で使用される場合、上記アカウントまたはアカウント番号は、消費者が上記システムにアクセスするか、そのシステムと相互作用するか、そのシステムと通信することを可能にするために安定に構成された任意のデバイス、コード、数、文字、記号、デジタル証明書、スマートチップ(smart chip)、デジタル信号、アナログ信号、バイオメトリックまたは他の識別子/指示(indicia)(例えば、承認/アクセスコード、暗証番号(PIN)、インターネットコード、他の識別コードなどのうちの1つ以上)を含み得る。上記アカウント番号は、必要に応じて、チャージカード(charge card)、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、エンボスカード(embossed card)、スマートカード、磁気ストライプカード、バーコードカード、トランスポンダー、無線周波数カード(radio frequency card)または関連するアカウントに配置されても、それらと関連付けられてもよい。上記システムは、任意の前述のカードまたはデバイス、あるいはフォブ(fob)とのRF通信におけるトランスポンダーおよびRFIDリーダーを有するフォブを備えても、またはそれらと連動してもよい。上記システムは、フォブの実施形態を含み得るが、本発明は、それに限定されない。実際に、システムは、RF通信によってRFIDリーダーと通信するために構成されるトランスポンダーを有する任意のデバイスを備え得る。代表的なデバイスは、例えば、キーホルダー、タグ、カード、携帯電話、腕時計または問い合わせのために提供され得る任意のそのような形態を含み得る。さらに、本明細書で開示されるシステム、演算器またはデバイスは、演算器に組み込まれる伝統的に非コンピューターされたデバイスを備え得る「パーベイシブコンピューティングデバイス(pervasive computing device)」を含み得る。上記アカウント番号は、プラスチックデバイス、電子デバイス、磁気デバイス、無線周波数デバイス、無線デバイス、音響デバイスおよび/または光学デバイスの任意の形態で分散および保存され得、それらのデバイスは、それ自体から第2のデバイスへとデータを伝送またはダウンロードできる。
【0112】
当業者によって認識されるように、上記システムは、存在するシステムのカスタマイズ、アドオン製品、アップグレードされたソフトウェア、スタンドアローン型のシステム、分散型システム、メソッド、データ処理システム、データ処理のためのデバイス、および/またはコンピュータープログラム製品として具現化され得る。したがって、上記システムは、完全にソフトウェアの実施形態、完全にハードウェアの実施形態、またはソフトウェアおよびハードウェアの両方の局面を組み合わせる実施形態の形態をとり得る。さらに、上記システムは、コンピューター読み込み可能なプログラムコードを有するコンピューター読み込み可能な保存媒体に対するコンピュータープログラム製品の形態をとり得、そのプログラムコード手段は、その保存媒体において具現化される。ハードディスク、CD−ROM、光学記憶デバイス、磁気記憶デバイスなどを含む任意の適切なコンピューター読み込み可能な保存媒体が、利用され得る。
【0113】
上記システムおよび方法は、種々の実施形態に従う方法、装置(例えば、システム)、およびコンピュータープログラム製品のスクリーンショット、ブロック図、フローチャート図を参照して本明細書中で記載される。ブロック図の各機能的ブロックおよびフローチャート図、ならびにブロック図およびフローチャート図における機能的ブロックの組合せは、それぞれ、コンピュータープログラムの指示によって実行され得ることが、理解される。
【0114】
図1〜図14に示される指針1〜指針14は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するための本発明のシステムおよび方法を示す。上記14個の指針は、その指針によって行われた関連する試験、その試験の背景、およびそれらの試験の結果と一緒に、明細書の以下のページに記載される。試験、試験結果の編集、さらなる試験に関する判定および推奨、ならびに疾患管理選択肢についての推奨は、全て、コンピューターハードウェアおよびコンピューターソフトウェア(ウェブベースのアプリケーションを含む)を利用して自動化され得る。試験、試験結果、および推奨を反映する患者報告もまた、提供され得、そしてこれらの報告はまた、自動化され得る。
【0115】
(指針番号1.CHD患者における空腹時トリグリセリド値および小粒子LDL試験)
診断および管理に関する記載は、単なる示唆であり、そして医学的判断は、患者に対して個別化されなければならない。
【0116】
試験
・空腹時トリグリセリド(TG)
背景
統計的に有意な逆相関が、空腹時トリグリセリドとLDLのピーク粒子直径(PPD)との間に存在する(r 約0.55、p<0.001)。一般に、より高いTG値であるほど、LDLの大きさが小さい。しかし、70〜200mg/dlの物理学的範囲内にかなりの重複が存在する。図20は、確立されたCHDを有する患者における空腹時TGとLDL PPDとの間の散布図を示す。
【0117】
血液TGレベルは、毎日の基準で任意の1人の患者においてかなりの量で変動し得る。この理由のために、異なる日において得られた2〜3のTG値は、患者のTG値が医学的判断についての境界範囲にある場合に有望であり得る。TG値が真の12時間空腹時の値を示すことを確認する。
【0118】
図1は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するための本発明のシステムおよび方法における第1の指針を実施するためのフローチャートを示す。
【0119】
結果番号1.TG≦70mg/dl
・LDL粒子が優勢に小さくかつ高密度である可能性が非常に低く、そしてアテローム生成リポタンパク質プロフィール(ALP)がおそらく発現されないことを示す。
・上記小粒子(small)LDLは、おそらく、情報を提供するものではない。
・小粒子LDLは他の臨床的な疑義が存在しない限り処置目的のために優勢に存在しないと仮定する。
・トリグリセリド(TG)レベルをモニタリングする。TG≧150mg/dlである場合に小粒子LDL試験を検討する。医学的状態および生活習慣(例えば、食事、体脂肪、運動)の変化が、空腹時TGレベルに影響を及ぼし得る。いくつかの薬物適用およびOTC薬剤は、TGレベルに影響を及ぼし得る。
・小粒子LDLはこの試験における時間における寄与因子ではないようであるのでCHDの危険性に寄与する他の代謝障害について調査する。
【0120】
結果番号2.TG>70<200mg/dl
・LDL粒子が優勢に小粒子かつ低密度であってもなくてもよいことを示す。
・小粒子LDL形質についての試験はこの群における情報を提供するものであり得る。
・小粒子LDL形質が危険性決定に寄与する場合、小粒子LDL形質について試験する。
・小粒子LDL形質が処置判定に寄与する場合、小粒子LDL形質について試験する。
・生活習慣または薬物適用の効果を評価するためのベースラインとして有用である場合、小粒子LDL形質について試験する。
・小粒子LDL形質が家族カウンセリングに寄与する場合、小粒子LDL形質について試験する。
・TGレベルをモニタリングする。TGの増大は、しばしば増大した小粒子LDLの存在を繁栄し、そしてTGの減少は、しばしば減少した小粒子LDLを反映する。
・男性における40mg/dlよりも大きいHDL−Cおよび閉経前の女性(またはHRT中の閉経後の女性)における50mg/dlよりも大きいHDL−Cの場合、HDL−C値によって反映されないHDLサブクラス分布における異常を検出するためにHDLサブクラスの決定を検討する。
【0121】
結果番号3.TG≧200mg/dl
・LDL粒子が優勢に小さくかつ高密度である可能性が非常に高く、そしてアテローム生成リポタンパク質プロフィール(ALP)がおそらく発現されることを示す。
・小粒子LDL試験は、おそらく情報を提供するものではない。
・小粒子LDLは他の臨床的な疑義が存在しない限り処置判定の目的のために優勢に存在すると仮定する。
・トリグリセリド(TG)レベルをモニタリングする。LDLサブクラス表現型が変化している可能性があるので、TG<200mg/dlの場合、小粒子LDL試験を検討する。
【0122】
(本明細書に参考として援用される関連する読み物)
【0123】
【化1】

(指針番号2.CHD患者におけるLDLサブクラス分布(基本的意味付け))
試験
・LDLサブクラスパターンの試験
背景
LDLは、リポタンパク質の同種の分類ではないが、異なる分子特性を有する別個の亜種のセットからなる.正常な被験体において、大きさおよび密度によって区別される4種〜7種の主要なLDL亜種が、同定され得る。しばしば;ではあるが常にではなく、単一の主要な優性遺伝子(ALP遺伝子座)によって決定される遺伝的な性質である高密度なLDLサブクラスパターン(LDLパターンB)は、血漿トリグリセリドの増大に関連する。その遺伝子は、ATHS(アテローム性動脈硬化感受性に関する)と命名されており、そして第19染色体の短腕上に位置する(LDLレセプターから0.5 CM)。Hardy−Weinberg平衡に基づいて、30〜35%の者は、ALPに関してヘテロ接合性であり、そして別の5%は、ホモ接合性である。高密度なLDL亜種は、CADの危険性を3倍増大させ、そして小粒子LDL形質が他の危険因子(例えば、高いApo Bおよび高いインスリン)と組み合わせて存在する場合、危険性は、実質的に増大する。
【0124】
図2は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するための本発明のシステムおよび方法における第2の指針を実施するためのフローチャートを示す。
【0125】
結果番号1.LDLパターンA
・LDL粒子が優勢に小さくなくかつ高密度ではなく、そしてアテローム生成リポタンパク質プロフィール(ALP)が発現されないことを示す。
・LDL−Cが増大している場合、・食事:AHA Step II低脂肪食によってLDL−Cを約70mg/dlまで減少させ、そして・薬物:スタチン+エゼチミブ(ezetemibe)または+胆汁酸結合樹脂を検討する。ニコチン酸(NA)もまた、LDLCを減少させることに役立ち得る。用量および必要に応じて安全性試験をモニタリングおよび用量設定(titrate)する
・トリグリセリド(TG)レベルをモニタリングする。TGが50mg/dlである場合、小粒子LDL試験を繰り返す。空腹時TGレベルの増大は、小粒子LDL形質の発現を反映し得、そして体脂肪、食事における糖質、運動レベル、いくつかの薬物適用、およびいくつかの医学的状態に影響される。
・小粒子LDLはこの試験の時点で寄与因子ではないので、CHDの危険性に寄与する他の代謝障害について調査する。
【0126】
結果番号2.LDLパターンB
・LDL粒子が優勢に小さくかつ高密度であり、そしてALPの存在を反映する。これは、無症候性集団およびCHD集団においてCHDの3倍増大した危険性、大きいLDL粒子が優勢である患者と比較して動脈造影上の進行の2倍増大した速度を示す。ALPは、インスリン抵抗性に関連し、そして2型糖尿病のさらなる発症の高い危険性を反映する。ALPは、ここで「代謝症候群」と称されるものの特徴の多くを有する。
・小さい、高密度なLDLおよびLDL−Cを・生活習慣:過剰な体脂肪の喪失、運動の最適化、・食事:単純糖質、アルコールの回避、・薬物:医学的に適切である場合の選択的β遮断剤および非選択的β遮断剤の回避によって約70mg/dlまで減少させる。NA、フィブラート、NA+フィブラート、またはNA+スタチンによる処置を検討する。魚油栄養剤は、有益であり得る。必要に応じて治療をモニタリングおよび用量設定する。
・TGレベルをモニタリングする。TGの増大は、しばしば、増大した小粒子LDLの存在を反映し、そしてTGの減少は、しばしば、減少した小粒子LDLを反映する。
・LDL粒子数の決定としてのLDL Apo Bの測定を検討する。
・男性におけるHDL−C>40<65mg/dlおよび閉経前の女性(またはHRT中の閉経後の女性)におけるHDL−C≧50≦75mg/dlの場合、HDL−C値によって反映されないHDLサブクラス分布における異常を検出するためにHDLサブクラスの決定を検討する。
・家族のスクリーニングを検討する。小粒子LDL形質は、遺伝的であり、そして空腹時トリグリセリドおよび小粒子LDL形質について一親等の血族関係にある者をスクリーニングすることは、適切な場合、情報を提供するものであり得る。
【0127】
(本明細書に参考として援用される関連する読み物)
【0128】
【化2】

(指針番号3:70〜130mg/dlのLDL−CおよびLDLパターンA)
診断および管理に関する記載は、単なる示唆であり、そして医学的判断は、患者に対して個別化されなければならない。
【0129】
試験
*LDLサブクラス試験
背景
小粒子LDL形質がCHDを有する患者に存在しない場合、LDL−Cの減少に対する集中および他の代謝障害についての調査は、生産的であり得る。70mg/dlに近いLDL−Cを安全に達成することは、CHDの危険性を減少させるようである。
【0130】
LDL−Cは劇的に増大しないので、Lp(a)、HDLサブクラスの異常、ホモシステイン、および高フィブリノゲン血症についての試験を検討する。
【0131】
トリグリセリド(TG)レベルが増大する場合、LDLサブクラス分布に対する有害効果について確認するために小粒子LDLの再試験を検討する。
・LDL−Cの減少を支援するためにAHA低脂肪食または地中海料理を検討する。
・LDL−Cの減少を支援するために中程度に強力なスタチンを検討する。
・LDL−Cの減少を支援するためにエゼチミブ±スタチンを検討する。
・LDL−Cの減少を支援するために低用量の胆汁酸結合樹脂を検討する。
・LDL粒子数のその後の評価および高アポβリポタンパク質血症(hyperapobetalipoproteinemia)についてのスクリーニングのためにベースラインのapo Bを測定する。
・標準的な脂質プロフィール(TG、TC、LDL−C、HDL−C)を繰り返す。
【0132】
図3は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するための本発明のシステムおよび方法における第3の指針を実施するためのフローチャートを示す。
【0133】
結果番号1.LDL−C<70mg/dl、TGが増大していない。
目的の達成。
標準的な脂質プロフィールおよび安全性試験をモニタリングする。
【0134】
結果番号2.LDL−C<70mg/dl、TGが増大している。
LDLサブクラス試験を繰り返す:
・LDLパターンAの場合、目的は達成されている。
・LDLパターンBの場合:
食事における単純糖質を回避する。
最適な体重を達成する。
身体活動性の増大を検討する。
NA、フィブラート、または魚油の使用を検討する。
【0135】
結果番号3.LDL−C≧70mg/dl、TGが増大していない。
<70mg/dlまでLDL−Cを減少させるためにスタチン用量を増大させること、より強力なスタチンに切り換えること、あるいはエゼチミブまたはBABRを添加することを検討する。
・標準的な脂質プロフィールおよび安全性試験をモニタリングする。
【0136】
結果番号4.LDL−C≧70mg/dl、TGが増大している。
LDLサブクラス試験を繰り返す:
*LDLパターンAの場合、<70mg/dlまでLDL−Cを減少させるためにスタチン用量を増大させること、より強力なスタチンに切り換えること、あるいはエゼチミブまたはBABRを添加することを検討する。
・LDLパターンBの場合:
食事における単純糖質を回避する。
最適な体重を達成する。
身体活動性の増大を検討する。
NA、フィブラート、または魚油の使用を検討する。
【0137】
(本明細書に参考として援用される関連する読み物)
【0138】
【化3−1】

【0139】
【化3−2】

(指針番号4:70〜130mg/dlのLDL−CおよびLDLパターンB)
診断および管理に関する記載は、単なる示唆であり、そして医学的判断は、患者に対して個別化されなければならない。
【0140】
試験
*LDLサブクラス試験
背景
小粒子LDL形質は、中程度に増大したLDL−Cと組み合わせて存在する。CHDを有する患者において、この組合せは、しばしば、生活習慣の改変に加えて、併用薬物療法を必要とする。70mg/dlに近いLDL−Cを安全に達成することは、CHDの危険性(X)を減少させるようである。小粒子LDLの存在は、動脈造影上の進行の増大した速度および増大したCHD事象の危険性(x,x)を意味する。混乱したコレステロール逆輸送は、しばしば、これらの患者においても存在する。小粒子LDLの存在は、他の危険因子(例えば、高いApo Bおよび高いインスリン(x))の危険性を増幅する。
・食事における単純糖質を回避し、そして地中海料理を検討する。
・過剰な体脂肪(x)を減少させる。
・LDL−Cの減少を支援するために中程度に強力なスタチンを検討する。
・小粒子LDLおよびApo Bの減少を支援するためにNAを検討する。
・NAが許容されないか、または禁忌を示す場合、フィブラートを検討する。
・魚油栄養剤を検討する。
・LDL−Cの減少を支援するためにエゼチミブ+スタチンを検討する。
・LDL−Cの減少を支援するために低用量の胆汁酸結合樹脂を検討する。
・LDL粒子数の変化のその後の評価のためにベースラインのapo Bを測定する。
標準的な脂質プロフィール(TG、TC、LDL−C、HDL−C)を繰り返す。
【0141】
図4は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するための本発明のシステムおよび方法における第4の指針を実施するためのフローチャートを示す。
【0142】
結果番号1.LDL−C<70mg/dl、TG<70mg/dl。
目的の達成。
標準的な脂質プロフィールおよび安全性試験をモニタリングする。
【0143】
結果番号2.LDL−C<70mg/dl、TG>70mg/dl。
LDLサブクラス試験を繰り返す。
*LDLパターンAの場合、目的が達成される。
*LDLパターンBの場合:
生活習慣を最適化する。
NA用量をより高いレベルに用量設定することを検討する。
医学的に受容可能な場合、フィブラートを添加することを検討する。
魚油栄養剤を添加することを検討する。
潜在的な薬物相互作用をモニタリングする。
【0144】
結果番号3.LDL−C≧70mg/dlおよびTG<70mg/d1。
・スタチン用量を増加することまたはより強力なスタチンに切り換えることを検討する。
・LDL−Cの減少を支援するためにエゼチミブ±スタチンを検討する。
・LDL−Cの減少を支援するために低用量の胆汁酸結合樹脂を検討する。
【0145】
結果番号4.LDL−C≧70mg/dlおよびTG≧70mg/d1。
LDLサブクラス試験を繰り返す。
*LDLパターンAの場合:
スタチン用量を増加することまたはより強力なスタチンに切り換えることを検討する。
LDL−Cの減少を支援するためにエゼチミブ+スタチンを検討する。
LDL−Cの減少を支援するために低用量の胆汁酸結合樹脂を検討する。
*LDLパターンBの場合:
生活習慣を最適化する。
NA用量をより高いレベルに用量設定することを検討する。
医学的に受容可能な場合、フィブラートを添加することを検討する。
スタチン用量を増加することまたはより強力なスタチンに切り換えることを検討する。
LDL−Cの減少を支援するためにエゼチミブ+スタチンを検討する。
LDL−Cの減少を支援するために低用量の胆汁酸結合樹脂を検討する。
魚油栄養剤を添加することを検討する。
潜在的な薬物相互作用をモニタリングする。
【0146】
(本明細書に参考として援用される関連する読み物)
【0147】
【化4】

(指針番号5:LDL−C≧130mg/dlおよびLDLパターンA)
診断および管理に関する記載は、単なる示唆であり、そして医学的判断は、患者に対して個別化されなければならない。
【0148】
試験
・LDL−C
・LDLサブクラス試験
背景
小粒子LDL形質がCHDを有する患者に存在しない場合、LDL−Cの減少に対する集中および他の代謝障害についての調査は、生産的であり得る。高いLDL−Cレベルは、この型の患者においてアテローム生成の役割を果たすようである。70mg/dlに近いLDL−Cを安全に達成することは、CHDの危険性を減少させるようである。
【0149】
LDL−Cは劇的に増大しないので、Lp(a)、HDLサブクラスの異常、ホモシステイン、および高フィブリノゲン血症についての試験を検討する。なぜならば、これらの障害の危険性は、高いLDL−Cレベルによって増悪するからである。トリグリセリド(TG)レベルが臨床的に有意な量で増大する場合、LDLサブクラス分布に対する有害効果について確認するために小粒子LDLの再試験を検討する。
・LDL−Cの減少を支援するためにAHA低脂肪食または地中海料理を検討する。
・LDL−Cの減少を支援するために中程度に強力なスタチンを検討する。
・LDL−Cの減少を支援するためにエゼチミブ±スタチンを検討する。
・LDL−Cの減少を支援するために低用量の胆汁酸結合樹脂+スタチンを検討する。
・スタチン+ニコチン酸の組合せは、家族性ヘテロ接合性高脂血症患者において首尾よく使用されている。
・LDL粒子数の変化のその後の評価のためにベースラインのapo Bを測定する。
標準的な脂質プロフィール(TG、TC、LDL−C、HDL−C)を繰り返す。
【0150】
図5は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するための本発明のシステムおよび方法における第5の指針を実施するためのフローチャートを示す。
【0151】
結果番号1.LDL−C<70mg/dlであり、かつTGが増大しなかった。
目的の達成。
標準的な脂質プロフィールおよび安全性試験をモニタリングする。
【0152】
結果番号2.LDL−C<70mg/dlであり、かつTGが、臨床的に有意であると考えられる量で増大した。
LDLサブクラス試験を繰り返す:
・LDLパターンAの場合、目的が達成される。
・LDLパターンBの場合:
食事における単純糖質を回避する。
最適な体重を達成する。
身体活動性の増大を検討する。
NA、フィブラート、または魚油の使用を検討する。
TG、小粒子LDL、およびHDL2に対するβ遮断剤(選択的および非選択的)の作用に注意する。
【0153】
結果番号3.LDL−C≧70mg/dlであり、そしてTGが、増大しなかった。
LDL−Cを<70mg/dlに減少させるために、スタチン用量を増加すること、より強力なスタチンに切り換えること、あるいはエゼチミブまたはBABRを添加することを検討する。
・標準的な脂質プロフィールおよび安全性試験をモニタリングする。
【0154】
結果番号4.LDL−C≧70mg/dlであり、そしてTGが増大した。
LDLサブクラス試験を繰り返す:
・LDLパターンAの場合、LDL−Cを<70mg/dlに減少させるために、スタチン用量を増加すること、より強力なスタチンに切り換えること、あるいはエゼチミブ、またはBABR、またはニコチン酸を添加することを検討する。
・LDLパターンBの場合:
食事における単純糖質を回避する。
最適な体重を達成する。
身体活動性の増大を検討する。
NA、フィブラート、または魚油の使用を検討する。
TG、小粒子LDL、およびHDL2に対するβ遮断剤(選択的および非選択的)の作用に注意する。
【0155】
(本明細書に参考として援用される関連する読み物)
【0156】
【化5−1】

【0157】
【化5−2】

(指針番号6:LDL−C>130mg/dlおよびLDLパターンB)
診断および管理に関する記載は、単なる示唆であり、そして医学的判断は、患者に対して個別化されなければならない。
【0158】
試験
・LDL−C
・LDLサブクラス試験
背景
小粒子LDL形質が、有意に高いLDL−Cと組み合わせて存在する。家族性複合型高脂血症(FCH)の診断を検討する。FCHの診断基準は、最近、改変されて、空腹時TG>133mg/dlおよびapo B>120mg/dlを含んでいる。FCHの診断は、遺伝的寄与因子および家族関係に伴う4倍増大したCHDの危険性を意味する。CHDを有する患者において、この組合せは、しばしば、生活習慣の改変に加えた併用薬物療法を必要とする。70mg/dlに近いLDL−Cを安全に達成することは、CHDの危険性を減少させるようである。小粒子LDLの存在は、動脈造影上の進行の増大した速度および増大したCHD事象の危険性を意味する。混乱したコレステロール逆輸送は、しばしば、これらの患者においても存在し、そしてHDL−Cの減少および低いHDL2によって同定される。小粒子LDLの存在は、他の危険因子(例えば、高いApo Bおよび高いインスリン)の危険性を増幅する。この障害を有するCHD患者は、ニコチン酸+スタチン、またはニコチン酸+胆汁酸結合樹脂の組合せによる処置から大きな利益を受け得る。
・高脂血症の主因および副因を排除する。
・食事における単純糖質を回避し、そして地中海料理を検討する。
・過剰な体脂肪を減少させる。
・LDL−Cの減少を支援するために中程度に強力なスタチンを検討する。
・小粒子LDLおよびApo Bの減少を支援するためにニコチン酸を検討する。
・ニコチン酸が許容されないか、または禁忌を示す場合、フィブラートを検討する。
・魚油栄養剤を検討する。
・LDL−Cの減少を支援するためにエゼチミブ±スタチンを検討する。
・LDL−Cの減少を支援するために胆汁酸結合樹脂+スタチンを検討する。
・LDL粒子数における変化のその後の評価のため、そしてFCHの診断を補助するためにベースラインのapo Bを測定する。
・一親等の血族関係にある者をスクリーニングすることを検討する。
標準的な脂質プロフィール(TG、TC、LDL−C、HDL−C)を繰り返す。
【0159】
図6は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するための本発明のシステムおよび方法における第6の指針を実施するためのフローチャートを示す。
【0160】
結果番号1.LDL−C<70mg/dlおよびTG<100mg/dl。
目的の達成。
標準的な脂質プロフィールおよび安全性試験をモニタリングする。
【0161】
結果番号2.LDL−C<70mg/dlおよびTG>100mg/dl。
LDLサブクラス試験を繰り返す。
*LDLパターンAの場合、目的が達成される。
*LDLパターンBの場合:
生活習慣を最適化する。
ニコチン酸用量をより高いレベルに用量設定することを検討する。
医学的に受容可能な場合、フィブラートを添加することを検討する。
魚油栄養剤を添加することを検討する。
潜在的な薬物相互作用をモニタリングする。
【0162】
結果番号3.LDL−C≧70mg/dlおよびTG<100mg/dl。
・スタチン用量を増加することまたはより強力なスタチンに切り換えることを検討する。
・LDL−Cの減少を支援するためにエゼチミブ±スタチンを検討する。
・LDL−Cの減少を支援するために低用量の胆汁酸結合樹脂を検討する。
【0163】
結果番号4.LDL−C≧70mg/dlおよびTG≧100mg/dl。
LDLサブクラス試験を繰り返す。
*LDLパターンAの場合:
スタチン用量を増加することまたはより強力なスタチンに切り換えることを検討する。
LDL−Cの減少を支援するためにエゼチミブ+スタチンを検討する。
LDL−Cの減少を支援するために低用量の胆汁酸結合樹脂を検討する。
*LDLパターンBの場合:
生活習慣を最適化する。
ニコチン酸用量をより高いレベルに用量設定することを検討する。
医学的に受容可能な場合、フィブラートを添加することを検討する。
スタチン用量を増加することまたはより強力なスタチンに切り換えることを検討する。
LDL−Cの減少を支援するためにエゼチミブ+スタチンを検討する。
LDL−Cの減少を支援するために低用量の胆汁酸結合樹脂を検討する。
ニコチン酸+スタチン+胆汁酸結合樹脂の組合せを検討する。
魚油栄養剤を添加することを検討する。
潜在的な薬物相互作用をモニタリングする。
【0164】
(本明細書に参考として援用される関連する読み物)
【0165】
【化6−1】

【0166】
【化6−2】

【0167】
【化6−3】

(指針7:CHDまたはPVDを有する患者におけるHDLサブクラスの決定)
診断および管理に関する記載は、単なる示唆であり、そして医学的判断は、患者に対して個別化されなければならない。
【0168】
試験
・HDLサブクラス分布
背景
HDLサブクラス試験は、HDLサブクラス分布を決定し、HDL2およびHDL3の量(mg/dl)および%(総HDLのうちの%)として報告される。HDL2サブクラスは、高い場合、CHDの危険性の減少に関連し、そして低い場合、CHDの危険性の増大に関連する。低いHDL2レベルは、動脈造影の重症度およびCHDの進行に関連している。HDL2の増加は、動脈造影の結果の改善に関連している。低いHDL2は、より一般的に、CHDを有する患者、早期CHDを有する患者、CHDの家族歴を有する患者、2型糖尿病を有する患者、高いトリグリセリドを有する患者、肥満を有する患者、およびいくつかの人種集団(例えば、インドの亜大陸からの個体)の患者において見出される。これは、2型糖尿病を有する患者において特に重要であり得る。
【0169】
上記量および%の分布は、コレステロール逆輸送(RCT)の効率を反映することが示唆されている。非常に高いHDL−Cレベルまたは非常に低いHDL−Cレベルは、HDL2分布を予測するが、HDL−Cが、男性において約40〜55mg/dlであり(図21,22および24)、そして女性において約50〜65mg/dlである場合(図23)、低い相関が存在する。
【0170】
CHDを有する患者において、近似の平均HDL2分布は、男性でxxmg/dl(xx%)であり、そして女性でxxmg/dl(xx%)である。CADの形跡を有さない男性において、上記近似の平均値は、小粒子LDL形質を有する者の間でxxmg/dl(xx%)であり、大粒子LDL形質を有するものの間でxxmg/dl(xx%)であり、そして定期的に運動する中年齢者の間でxxmg/dl(xx%)である。閉経前であるか、または閉経後のホルモン補充療法(HRT)中であり、かつCADの形跡を有さない女性において、上記近似の平均値は、小粒子LDL形質を有する者の間でxxmg/dl(xx%)であり、大粒子LDL形質を有する者の間でxxmg/dl(xx%)である。
・HDL−Cが、男性において55mg/dlよりも大きいか、あるいは閉経前、またはHRT中である女性において65mg/dlよりも大きい場合、基本的な処置の目的は、達成される。しかし、稀な例において、HDL2は、HDL−Cがこれらのレベルを上回る場合、低い事象であり得る。
・アテローム性動脈硬化の処置を支援するために、HDL2値によって反映されるようなコレステロール逆輸送を増強する。
・疾患の進行の形跡が明らかである場合、HDL2のさらなる増大を検討する。
【0171】
図7は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するための本発明のシステムおよび方法における第7の指針を実施するためのフローチャートを示す。
【0172】
標準的なHDL−C測定。
・HDL−C測定が生理的変動性および実験室方法の変動性に起因してどのような患者においてもかなり変動し得ることに注意する。
【0173】
結果番号1.男性におけるHDL−C<40mg/dlおよび閉経前の女性またはHRT中の女性におけるHDL−C<50mg/dl。
HDL−Cは、低く、そしてHDL2も同様に低いようである。
図21は、冠動脈石灰化を有さない男性におけるHDL−CおよびHDL2を示す(n=176、r=0.82.p<0.0001、平均HDLC=45.5+12.9mg/dl、HDL2b=16.0+7.5%)。
図22は、+CACを有する男性におけるHDL−CおよびHDL2bを示す(n=173、r=0.74、p<0.0001、平均HDLC=44.0+12.0、HDL2b=14.7%+6.4%)。55mg/dlよりも大きいHDLCを有する患者の群の低いHDL2bが依然として低い(<20%)ことに留意する。
図23は、女性におけるHDL−CおよびHDL2bを示す(n=1523、r=0.73、p<0.0001、平均HDLC=)。
図24は、男性におけるHDL−CおよびHDL2bを示す(n=3,408、r=0.86、p<0.0001、平均HDLC=)。
【0174】
結果番号1.HDL−Cが低い(Mにおいて<40mg/dl、Wにおいて<50mg/dl)
・HDL−Cが低い場合、HDL2は低いようである。
・低いHDL2の診断を確認するためにHDLサブクラス試験を検討する。
・将来の値と比較するベースラインとしてのHDLサブクラス試験を検討する。
【0175】
結果1a.低いHDL2レベル(<xxmg/dl、<xx%)。
・これは、低いHDL−Cによって示唆されるような損なわれたコレステロール逆輸送の障害を支持する。
・低いHDL2に寄与し得る生活習慣因子を最適化し、そして単純糖質が高い食事を回避し、非選択的β遮断剤の薬物適用を回避し、過剰な体脂肪を制御し、運動を最適化し、そして血中グルコース制御(インスリン抵抗性)を最適化する。
【0176】
高トリグリセリド血症、甲状腺機能低下症、腎不全、糖尿病、および免疫性障害を含む他の医学的状態の欠如を確認する。
1)ニコチン酸(NA)は、HDL2の分解を遅らせ、そしてABCA1の作用を増大させることによってHDL2を増大させ得る。NAは、所望の効果を達成するために広範囲にわたって用量設定され得る。
2)トリグリセリドが上昇する場合、フィブラートは、TGを減少させかつHDLを増大させ得るが、その効果は、HDL3に対してより大きいものであり得、そして有益であり得る。
3)HDL2における35%の増大を達成することが報告されている(16)フィブリン酸誘導体(フィブラート)と組み合わせたNA(1,000〜2,000mg/d)の組合せを検討する。薬物間相互作用に関して警告する。
4)魚油(EPA)は、HDL2を増大させることが報告されている。
5)低いHDL2を有する高い危険性の患者において、HDL2を増大させる試みに加えて50〜70mg/dlの範囲にLDL−Cを維持することを検討する。
6)チオゾロジンジオン(thiozolodinedione)の異なる効果が、存在し得、トログリタゾンは、HDL3を増大させることが報告されている一方で、ピオグリタゾンは、HDL2を増大させる。
7)男性ホルモンを回避する。
8)可能な場合、シクロスポリンを回避する。
9)医学的に適切な場合、選択的β遮断剤および非選択的β遮断剤を回避する。
10)一親等の血族関係にある者を試験することを検討する。
【0177】
結果lb.「正常」HDL2レベル(>xxmg/dl(xx%)<xxmg/dl(xx%))
・危険性の予測に関する「正常」範囲は、アテローム性動脈硬化を改善することを意図したリポタンパク質操作に対して必ずしも最適レベルではない。
【0178】
アテローム性動脈硬化の処置を支援するためにHDL2を増大させることを検討する。
【0179】
運動、体重管理、および食事における糖質の減少を最適化することを検討する。
【0180】
TGが上昇する場合、TGの減少は、しばしば、HDL2の増大に関連する。
1)ニコチン酸(NA)は、HDL2の分解を遅らせ、そしてABCA1の作用を増大させることによってHDL2を増大させ得る。NAは、所望の効果を達成するために広範囲にわたって用量設定され得る。
2)TGが上昇する場合、フィブリン酸誘導体を検討する。
3)魚油(EPA)は、HDL2を増大させることが報告されている。
4)低いHDL2を有する高い危険性の患者において、HDL2を増大させる試みに加えて50〜70mg/dlの範囲にLDL−Cを維持することを検討する。
5)男性ホルモンを回避する。
6)一親等の血族関係にある者を低いHDL−Cについて試験する。
【0181】
結果1c.高いHDL2レベル>xxmg/dl、xx%。
・HDLサブクラス分布の障害がアテローム性動脈硬化の危険性に寄与している可能性は、低い。
・HDL−Cを増大させるために運動、体重管理、および食事における糖質の減少を最適化することを検討する。
・HDL−C増大させるNAまたはフィブラートと組み合わせたNAを検討する。
・男性ホルモンを回避する。
・アテローム性動脈硬化に寄与する他の代謝障害について試験する。
【0182】
結果番号2.HDL−Cが、「正常」範囲(Mにおいて≧40<65、Wにおいて≧50<75)であると見なされるものである。
・この範囲内において、低いHDL2または高いHDL2の確率を予測することは、非常に困難である。
・このHDL−C範囲内の患者は、HDLサブクラス試験の結果が以下のために利用される場合、HDLサブクラス試験から利益を受け得る:
診断を行う。
【0183】
危険性の予測の決定を補助する。
【0184】
ベースラインとして使用する。
【0185】
脂質治療の選択を補助する。
【0186】
HDLサブクラス分布に対するβ遮断剤の効果を検討する。
【0187】
結果2a.低いHDL2レベル(<xxmg/dl、<xx%)
・これは、損なわれたコレステロール逆輸送の障害を示唆する。
・低いHDL2に寄与し得る生活習慣因子を最適化し、そして単純糖質が高い食事を回避し、非選択的β遮断剤の薬物適用を回避し、過剰な体脂肪を制御し、運動を最適化し、そして血中グルコース制御(インスリン抵抗性)を最適化する。
【0188】
高トリグリセリド血症、甲状腺機能低下症、腎不全、糖尿病、および免疫性障害を含む他の医学的状態の欠如を確認する。
1)ニコチン酸(NA)は、HDL2の分解を遅らせ、そしてABCA1の作用を増大させることによってHDL2を増大させ得る。NAは、所望の効果を達成するために広範囲にわたって用量設定され得る。
2)トリグリセリドが上昇する場合、フィブラートは、TGを減少させかつHDLを増大させ得るが、その効果は、HDL3に対してより大きいものであり得、そして有益であり得る。
3)HDL2(16)におけるxx%の増大を達成することが報告されているフィブリン酸誘導体(フィブラート)と組み合わせたNA(1,000〜2,000mg/d)の組合せを検討する。薬物間相互作用に関して警告する。
4)魚油(EPA)は、HDL2を増大させることが報告されている。
5)低いHDL2を有する高い危険性の患者において、HDL2を増大させる試みに加えて50〜70mg/dlの範囲にLDL−Cを維持することを検討する。
6)チオゾロジンジオンの異なる効果が、存在し得、トログリタゾンは、HDL3を増大させることが報告されている一方で、ピオグリタゾンは、HDL2を増大させる。
7)男性ホルモンを回避する。
8)可能な場合、シクロスポリンを回避する。
9)医学的に適切な場合、選択的β遮断剤および非選択的β遮断剤を回避する。
10)一親等の血族関係にある者を試験することを検討する。
【0189】
結果2b.「正常」HDL2レベル(>xxmg/dl(xx%)<xxmg/dl(xx%))
・危険性の予測に関する「正常」範囲は、アテローム性動脈硬化を改善することを意図したリポタンパク質操作に対して必ずしも最適レベルではない。
【0190】
アテローム性動脈硬化の処置を支援するためにHDL2を増大させることを検討する。
【0191】
運動、体重管理、および食事における糖質の減少を最適化することを検討する。
【0192】
TGが上昇する場合、TGの減少は、しばしば、HDL2の増大に関連する。
【0193】
以下を検討する:
1)ニコチン酸(NA)は、HDL2の分解を遅らせ、そしてABCA1の作用を増大させることによってHDL2を増大させ得る。NAは、所望の効果を達成するために広範囲にわたって用量設定され得る。
【0194】
2)魚油(EPA)は、HDL2を増大させることが報告されている。
【0195】
3)男性ホルモンを回避する。
【0196】
結果2c.高いHDL2レベル>xxmg/dl、xx%。
・損なわれたコレステロール逆輸送がアテローム性動脈硬化の危険性に寄与している可能性は、低い。
【0197】
アテローム性動脈硬化に寄与する他の代謝障害について試験する。
【0198】
結果番号3.高いHDL−C(男性において>65mg/dl、女性において>75mg/dl)
・RCTにおける主要な機能障害を反映しないが、しかし、RCTの最適化は、CHDの進行に対するいくつかの防御を提供し得る。
・HDL2が低い可能性は、低い。
・正常なHDL−Cの存在において低いHDL2を有することが報告される早期CHDまたは民族性などの臨床的な疑義の存在についてHDLサブクラス試験を検討する。
・アテローム性動脈硬化の他の代謝的原因を研究する。
・低用量のNA(1,000mg/d)は、スタチン単独よりもさらにアテローム性動脈硬化の進行を遅らせることにおいて有効であり得る。
【0199】
結果3a.低いHDL2レベル(<xxmg/dl、<xx%)
・高いHDL−Cの設定における低いHDL2の意味は、不明確である。
・CHDに関連する他の障害を調査および処置する。
・他の障害が存在しない場合、HDL2を増大させる試みは、有用であり得るが、臨床試験データは、わずかである。
・低いHDL2に寄与し得る生活習慣因子を最適化し、そして単純糖質が高い食事を回避し、非選択的β遮断剤の薬物適用を回避し、過剰な体脂肪を制御し、運動を最適化し、そして血中グルコース制御(インスリン抵抗性)を最適化する。
1.ニコチン酸(NA)は、HDL2の分解を遅らせ、そしてABCA1の作用を増大させることによってHDL2を増大させ得る。NAは、所望の効果を達成するために広範囲にわたって用量設定され得る。
2.男性ホルモンを回避する。
3.医学的に適切な場合、選択的β遮断剤および非選択的β遮断剤を回避する。
【0200】
結果3b.「正常」HDL2レベル(>xxmg/dl(xx%)<xxmg/dl(xx%))
・高いHDL−Cの設定における「正常」HDL2は、CHDに寄与する他の障害が存在することを示唆する。
・アテローム性動脈硬化の他の代謝的原因を調査する。
1)ニコチン酸(NA)は、HDL2の分解を遅らせ、そしてABCA1の作用を増大させることによってHDL2を増大させ得る。NAは、所望の効果を達成するために広範囲にわたって用量設定され得る。
2)魚油(EPA)は、HDL2を増大させることが報告されている。
3)男性ホルモンを回避する。
【0201】
結果3c.高いHDL2レベル>xxmg/d1、xx%。
・損なわれたコレステロール逆輸送がアテローム性動脈硬化の危険性に寄与している可能性は、低い。
1)アテローム性動脈硬化に寄与する他の代謝障害について試験する。
【0202】
(援用される参考文献)
【0203】
【化7−1】

【0204】
【化7−2】

【0205】
【化7−3】

【0206】
【化7−4】

【0207】
【化7−5】

(指針8:400mg/dl〜1,000mg/dlの空腹時トリグリセリド)
診断および管理に関する記載は、単なる示唆であり、そして医学的判断は、患者に対して個別化されなければならない。
【0208】
試験:
・空腹時トリグリセリド
背景
>400mg/dlかつ<1,000mg/dlの空腹時トリグリセリド値は、しばしば、多遺伝子性の環境相互作用の結果である。CHDの危険性は、高トリグリセリド血症の基礎をなす原因に依存してかなり変動し得る。正常なリポタンパク質リパーゼ(LPL)機能は、正常なトリグリセリド加水分解に必須であり、そしてアポリポタンパク質C−IIは、LPL作用のための補因子である。軽度〜完全なLPL活性の欠乏の範囲を生じ得るLPL遺伝子における26個を上回る変異が、同定されている(3)。アポリポタンパク質C−IIは、LPL作用のための補因子である。キロミクロンおよびVLDLの実質的な上昇が、このアポタンパク質を欠く患者において見られる(4)。ヘテロ接合体状態が、アフリカ人祖先のアメリカ人の約12%に存在する(8)。
【0209】
高いトリグリセリドは、甲状腺機能、腎機能、糖尿病、β遮断剤およびいくつかのステロイドの使用、単純糖質が豊富な食事、過体重状態、ならびにアルコール消費を含む数種の因子によって増悪し得る。
・甲状腺機能不全、腎疾患、糖尿病、過剰なカロリー消費量、過体重状態、および任意のアルコール消費を排除する。
・食事における単純糖質を回避し、そして地中海料理を検討する。
・過剰な体脂肪を減少させる。
・食事性のカロリーを減少させる。
・身体活動性を最適化する。
・魚油栄養剤を検討する。
・ニコチン酸(NA)を検討する。
・NAが許容されないか、または禁忌を示す場合、フィブラートを検討する。
・一親等の血族関係にある者をスクリーニングすることを検討する。
空腹時トリグリセリドを繰り返す。
【0210】
図8は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するための本発明のシステムおよび方法における第8の指針を実施するためのフローチャートを示す。
【0211】
結果番号1.TG<400、LDLC≦100mg/d1.
指針番号xを検討する。
LDLサブクラス試験を繰り返す。
・LDLパターンAの場合:
スタチン用量を増加することまたはより強力なスタチンに切り換えることを検討する。
LDL−Cの減少を支援するためにエゼチミブ±スタチンを検討する。
LDL−Cの減少を支援するために低用量の胆汁酸結合樹脂を検討する。
・LDLパターンBの場合:
生活習慣を最適化する。
NA用量をより高いレベルに用量設定することを検討する。
医学的に受容可能な場合、フィブラートを添加することを検討する。
スタチン用量を増加することまたはより強力なスタチンに切り換えることを検討する。
LDL−Cの減少を支援するためにエゼチミブ±スタチンを検討する。
LDL−Cの減少を支援するために低用量の胆汁酸結合樹脂を検討する。
魚油栄養剤を添加することを検討する。
潜在的な薬物相互作用をモニタリングする。
【0212】
結果番号2.LDL−C<70mg/dl、TG≧100mg/d1.
LDLサブクラス試験を繰り返す。
・LDLパターンAの場合、目的が達成される。
・LDLパターンBの場合:
生活習慣を最適化する。
NA用量をより高いレベルに用量設定することを検討する。
医学的に受容可能な場合、フィブラートを添加することを検討する。
魚油栄養剤を添加することを検討する。
潜在的な薬物相互作用をモニタリングする。
【0213】
結果番号3.LDL−C≧70mg/dlおよびTG<100mg/d1。
・スタチン用量を増加することまたはより強力なスタチンに切り換えることを検討する。
・LDL−Cの減少を支援するためにエゼチミブ±スタチンを検討する。
・LDL−Cの減少を支援するために低用量の胆汁酸結合樹脂を検討する。
【0214】
(援用される参考文献)
【0215】
【化8−1】

【0216】
【化8−2】

(指針番号9:トリグリセリド>1,000mg/dl)
診断および管理に関する記載は、単なる示唆であり、そして医学的判断は、患者に対して個別化されなければならない。
【0217】
試験
・空腹時トリグリセリド
背景
>1,000mg/dlの空腹時トリグリセリド値は、膵炎の危険性を大きく増大させる。このレベルにおいて、実験室の正確性は、問題があり、そして約100mg/dlのトリグリセリドの変化は、おそらく、有意な生理学的変化または実際の変化を反映しない。高いトリグリセリドは、甲状腺機能、腎機能、糖尿病、β遮断剤およびいくつかのステロイドの使用、単純糖質が豊富な食事および脂肪が豊富な食事、過体重状態、ならびにアルコール消費を含む数種の因子によって増悪し得る。
【0218】
血漿トリグリセリドの軽度〜中程度の上昇が、しばしば、多遺伝子性の環境相互作用である一方で、空腹時トリグリセリドの劇的な上昇は、通常、1,000mg/dlよりも大きく、しばしば、トリグリセリド代謝における遺伝的欠損に関連する。正常なリポタンパク質リパーゼ(LPL)機能は、正常なトリグリセリド加水分解に必須であり、そしてアポリポタンパク質C−IIは、LPL作用のための補因子である。LPLの欠乏は、家族性キロミクロン血症の最も一般的な原因であり、そして重度に高い血漿トリグリセリド、膵炎および腹痛、発疹性黄色腫および網膜脂血症を有する幼児期においてしばしば提示する常染色体劣性遺伝形質である。それは、約1:5,000の個体において生じ、そしてヘテロ接合体状態は、伝統的な遺伝性コレステロール障害、家族性ヘテロ接合体性高コレステロール血症よりも一般的であり、そしていくつかの集団において、40個体中の1個体で見出され得る。軽度〜完全なLPL活性の欠乏の範囲を生じ得るLPL遺伝子における26個を上回る変異が、同定されている。アポリポタンパク質C−IIは、LPL作用のための補因子である。キロミクロンおよびVLDLの実質的な上昇が、このアポタンパク質を欠く患者において見られる。アポタンパク質C−IIを欠くホモ接合体患者は、著しく低下したLDL値およびHDL値を有する、このことは、高密度リポタンパク質へのキロミクロンおよびVLDLの変換における補因子としてのアポタンパク質C−IIの役割を支持する。Apo C−II欠乏は、常染色体劣性遺伝様式で遺伝する稀な障害であり、そしてLPL欠乏と同様の様式で臨床的に提示する。しかし、LPL欠乏とは異なり、正常な血漿の注入は、血漿トリグリセリドを一時的に減少させる。ヘテロ接合体状態が、アフリカ人祖先のアメリカ人の約12%に存在する。
・重篤な高トリグリセリド血症の主因の排除を補助するために内分泌科受診を検討する。
・甲状腺機能不全、腎疾患、糖尿病、過剰なカロリー消費、および任意のアルコール消費を排除する。
・膵炎の予防を補助するためにトリグリセリドを<1,000mg/dlまで迅速に減少させる。
・食事における単純糖質を回避し、そして地中海料理を検討する。
・過剰な体脂肪を減少させる。
・食事性のカロリーを減少させる。
・身体活動性を最適化する。
・魚油栄養剤を検討する。
・ニコチン酸(NA)を検討する。
・NAが許容されないか、または禁忌を示す場合、フィブラートを検討する。
・NA+スタチンを検討する。
・一親等の血族関係にある者をスクリーニングすることを検討する。
空腹時トリグリセリドを繰り返す。
【0219】
図9は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するための本発明のシステムおよび方法における第9の指針を実施するためのフローチャートを示す。
【0220】
結果番号1.TG<100、LDLC<70mg/d1.
目的の達成。
標準的な脂質プロフィールおよび安全性試験をモニタリングする。
【0221】
結果番号2.TG≧100mg/dl、LDL−C<70mg/dl.
LDLサブクラス試験を繰り返す。
・LDLパターンAの場合、目的が達成される。
・LDLパターンBの場合:
生活習慣を最適化する。
NA用量をより高いレベルに用量設定することを検討する。
医学的に受容可能な場合、フィブラートを添加することを検討する。
魚油栄養剤を添加することを検討する。
潜在的な薬物相互作用をモニタリングする。
【0222】
結果番号3.TG<100mg/dlおよびLDL−C≧70mg/dl。
・スタチン用量を増加することまたはより強力なスタチンに切り換えることを検討する。
・LDL−Cの減少を支援するためにエゼチミブ±スタチンを検討する。
・LDL−Cの減少を支援するために低用量の胆汁酸結合樹脂を検討する。
【0223】
結果番号4.TG>100mg/d1および>70mg/d1。
・指針Xを検討する
(本明細書に参考として援用される関連する読み物)
【0224】
【化9−1】

【0225】
【化9−2】

(指針番号10.考えられるIII型高脂血症を有するCAD患者:Apo E2/E2+TG≧A60mg/dl)
診断および管理に関する記載は、単なる示唆であり、そして医学的判断は、患者に対して個別化されなければならない。
【0226】
試験
・空腹時トリグリセリド
・Apo E 遺伝子型
背景
障害(III型高リポタンパク質血症)は、apoE2ホモ接合性状態とトリグリセリドが豊富なリポタンパク質レムナントおよびアテローム性動脈硬化の加速の著しい蓄積を生じる別の遺伝的因子および環境的因子との相互作用の例である。約1:5,000の個体は、この障害を発現する。III型高リポタンパク質血症を有する個体の90%より多くは、apoE2ホモ接合体である;しかし、その疾患は、apoE2/E2状態と別の遺伝的因子および環境的因子との相互作用によって引き起こされる。なぜならば、その集団のうちの約1%が、E2/2アイソフォームを発現する一方で、これらのうちの2%のみが、III型高脂血症を発症し、そしてE2/E2を有する大部分の個体が、異常な脂質プロフィールを示さないからである。発現は、≧160mg/dlのトリグリセリド(TG)レベルの存在をapo E2/E2遺伝子型と組み合わせることによって示唆される。
【0227】
III型高脂血症の2つの確立された代替インジケータは、以下である:
・0.3を超える空腹時TGに対するVLDL−Cの比(TG/5として算出されるよりもむしろ超遠心分離によって直接測定される)。
・アガロースゲル電気泳動(古い実験室方法)における「流動的なデータ」の実証。
【0228】
III型HLPを有する個体は、CHD事象の増大した危険性を有する。
【0229】
結節性黄色腫および腱黄色腫は、III型HLPを有する患者において見出され得る。
【0230】
図10は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するための本発明のシステムおよび方法における第10の指針を実施するためのフローチャートを示す。
【0231】
結果番号1.Apo E遺伝子型2/3、3/3、3/4、4/4。
Apo E 2/2遺伝子型が存在しないようであるので、III型HLPが存在し得る可能性は、非常に低い。
【0232】
結果番号2.Apo E遺伝子型2/2。
III型HLPが起こり得る。
・VLDL−C/TGが>0.3であるか、またはTGが>160mg/dlである場合、III型HLPの推定診断が、行われ得る。
・アガロースゲル電気泳動における「流動的なデータ」の存在は、過去の伝統的な診断基準であった。
・この状態は、食事におけるカロリー(アルコールに由来するものを含む)によって非常に増悪し得る。過剰な体脂肪を減少させ、そして毎日の身体活動性を最適化することは、重要である。
・薬物適用としてゲムフィブロジルまたはフェノフィブラートを検討する。クロフィブラートは、III型高脂血症において首尾よく使用されている。フィブリン酸処置はTGが減少するとLDL−Cの上昇を引き起こし得ることに注意する。
・フィブラートとニコチン酸との組合せを検討する。
・適切な場合、空腹時TGおよびapo E遺伝子型で一親等の血族関係にある者をスクリーニングすることを検討する。
実験室試験を繰り返す。
【0233】
結果番号1.TG<160mg/dl、LDL−C<100mg/d1。
III型発現についての目的の達成。
CHDの危険性に寄与する他の障害の存在を検討する。
【0234】
結果番号2.TG<160mg/dl、LDL−C≧100mg/d1。
指針番号6を参照する。
【0235】
結果番号3.TG>160mg/d1、LDL−C<100mg/d1.
・高いTGは、III型高脂血症が発現し続けることを示唆する。
・クロフィブラートでゲムフィブロジルまたはフェノフィブラートを置換すること、循環器事象の減少に対する可能性とクロフィブラートと有害な副作用に関する報告された関連性とのバランスをとることを検討する。
・クロフィブラートが受容可能でない場合、ニコチン酸(NA)をゲムフィブロジルまたはフェノフィブラートに追加することを検討する。
・生活習慣による処置を促し続ける。
・魚油栄養剤を検討する。
・全てのアルコール消費を回避する。
【0236】
結果番号4.TG>160mg/dl、LDL−C≧100mg/d1。
・高いTGは、III型高脂血症が発現し続けることを示唆する。
・クロフィブラートでゲムフィブロジルまたはフェノフィブラートを置換すること、循環器事象の減少に対する可能性とクロフィブラートと有害な副作用に関する報告された関連性とのバランスをとることを検討する。
・クロフィブラートが受容可能でない場合、ニコチン酸(NA)をゲムフィブロジルまたはフェノフィブラートに追加することを検討する。
・潜在的な薬物相互作用に対する適切な注意をともなうスタチンの添加を検討する。
・生活習慣による処置を促し続ける。
・魚油栄養剤を検討する。
・全てのアルコール消費を回避する。
【0237】
(本明細書に参考として援用される関連する読み物)
【0238】
【化10】

(指針番号11.CHD患者におけるリポタンパク質(a)レベル)
診断および管理に関する記載は、単なる示唆であり、そして医学的判断は、患者に対して個別化されなければならない。
【0239】
試験
・Lp(a)
背景
リポタンパク質リトル(little)(a)(Lp(a))は、ジスルフィド架橋によって結合したタンパク質apo(a)を有するLDL粒子である。[a]は、プラスミノーゲンに対して構造的類似性を有するタンパク質である。高いLp(a)は、CHDおよび頸動脈のアテローム性動脈硬化と強い関連性を有し、そしてCHDを有する個体の20〜40%において上昇し得る。動脈造影で定量されるCHDの迅速な進行は、高いLp(a)を有する被験体において有意により一般的であり、高いLp(a)は、若者における心筋梗塞の独立した危険因子であることが報告されており、動脈造影で規定された冠動脈疾患に独立して関連し、そして他の脂質パラメータよりも冠動脈のアテローム性動脈硬化に密接に関連することが報告されている。Lp(a)に関連するCHDの危険性は、高いLDL−Cまたは低いHDL−Cなどの他の危険因子によって増幅される。その危険性は、ドミナント様式で伝達され、そして高いLp(a)を有する患者の一親等の血族関係にある者の約50%がまた、この障害を発現する。
【0240】
Lp(a)がCHDおよびPVDに対する強い関連を有するという証拠が、豊富である一方で、Lp(a)を減少させることが患者に有益であるという臨床的証拠は、わずかである。アフェレーシス後の高いLp(a)の減少は、PTCA後の再狭窄の有意な減少に関連する。HRTを受ける閉経後の女性における高いLp(a)の減少は、CV事象における統計的に有意な減少に関連している。FATS試験からの遡及的な証拠は、Lp(a)レベルが有意に減少していなくても、高いLp(a)を有する患者におけるLDL−Cの有意な減少が動脈造影の進行速度に関連し得る。
【0241】
特定の血液レベルに関連する高いLp(a)の危険性は、異なるLp(a)アイソフォームおよび遺伝子型に関連する。上記(a)タンパク質は、大きさが変化し得、そして一般に、より小さい上記(a)、より大きいCHDの危険性および損なわれた血管の流れは、拡張を媒介した。人種の違いは、アメリカ黒人男性が白人男性に比べてより大きい(a)の大きさを有することが説明されており、そしてこれは、白人男性に比べて、アメリカ黒人男性における所定のLp(a)レベルに関連する相対的に低いCHDの危険性の説明を補助し得る。同様の違いはまた、異なるネイティブのメキシコ人集団において記載されている。
【0242】
一般に、ニコチン酸(NA)、または閉経後の女性におけるエストロゲンが、高いLp(a)を減少させ得る。2000〜5000mg/dのNA用量は、しばしば、有効性のために必要とされ、そしてLp(a)を約50%減少させ得る。エストロゲンは、Lp(a)を約20〜30%減少させ得る。20mg/dlのLp(a)は、健康な集団において約90パーセンタイルであり、そして増大したCHDの危険性についての閾値は、一般に、20〜30mg/dlで観察される。実験室方法は、変化し、そして循環器事象の危険性があると見なされる異なる値をもたらし得る。
【0243】
初期処置
・臨床的に適切な場合、NA 1500mg/dまたは閉経後のエストロゲン処置を開始する。
・他の危険因子を評価し、そして適切に処置する。
【0244】
図11は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するための本発明のシステムおよび方法における第11の指針を実施するためのフローチャートを示す。
【0245】
結果番号1.Lp(a)<20mg/dl。
・Lp(a)は、おそらく、90パーセンタイル未満であり、そして受容可能な範囲内である。しかし、各患者についての最終目的は、医学的履歴および他の危険因子に基づいて個別化されるべきである。
【0246】
結果番号2.Lp(a)≧20mg/dl。
Lp(a)を減少させるために追加であるが許容できるNAの増大を検討する。
・Lp(a)が減少する可能性がない場合、他の危険因子を最適化することを検討する。LDL−Cを50〜70mg/dlまで減少させるためにスタチン、±エゼチミブ、±胆汁酸結合樹脂を使用することは、有益であり得る。
・ネオマイシン療法は、Lp(a)を減少させることが示されているが、この薬物の聴覚喪失との関連性の報告に起因して、警告が発せられている。
・Lp(a)の酸化がLp(a)粒子のマクロファージ取り込みを増大させるので、ビタミンEおよびビタミンCによる抗酸化剤処置は、ある程度の保護を提供する。ヒトにおけるこの処置の利点は、示されておらず、そしてHDL2を増大させ、そしてCHD事象およびその進行を低減させる能力に有害な影響を及ぼし得る。
【0247】
(本明細書に参考として援用される関連する読み物)
【0248】
【化11−1】

【0249】
【化11−2】

【0250】
【化11−3】

(指針番号12:ホモシステイン>14μmol/l)
診断および管理に関する記載は、単なる示唆であり、そして医学的判断は、患者に対して個別化されなければならない。
【0251】
試験
・空腹時ホモシステイン
背景
高い血漿ホモシステイン(Hcy)は、腎不全、甲状腺機能不全、および悪性貧血を含む基礎をなす障害を反映し得る。高いHcyはまた、CADの危険性の増大に関連しており、そして確立されたCADを有する患者において、10μmol/lよりも大きい血漿ホモシステインレベルは、死亡率の有意な増加に関連している。高いホモシステインレベルはまた、損なわれた血管反応性に関連している。高い血液Hcyレベルは、CHDの危険性の増大を反映する。
【0252】
高いホモシステインレベルは、PCI後の再狭窄の増大に関連しており、そして小規模な研究は、PCI後の葉酸塩、B12、およびB6によるホモシステインの減少(ベースライン 11.4μmo1/1〜>7.5μmo1/L)が再狭窄を有意(p<0.03)に33%減少させることに関連することを示している。
【0253】
高いHcyの処置は、葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12、およびベタインの使用を含む。しかし、最近の研究は、Hcyを処置する効力、およびいくつかの害の可能性さえも疑う。血液Hcyレベルを12.2μmol/lから9.0μmol/lまで減少させた金属ステントを受容する患者における葉酸塩、B6およびB12による処置の研究は、利点がないこと、およびビタミン処置群において血管再生を必要とするより高い%(15.8%対10.6%、p=0.05)を報告した。HOPE−2の研究は、5年間にわたる5522人の被験体でのプラセボに対する葉酸塩、B6およびB12の補充の効果を説明した。処置における患者は、プラセボと比較してより少数が卒中に罹患したが、上記処置群における患者は、プラセボと比較して不安定狭心症のために入院した。より高いHcy分布における被験体の利益は報告されなかった。VISP試験は、ベースラインで13.4μmol/lのHcyを有する3,680人の被験体において「低い」かまたは「高い」用量のビタミンB栄養剤を研究し、そして2年間にわたる血管の結果に対して効果がないことを報告した。しかし、ベースラインでHcy>14μmol/lを有するサブセットにおいて、卒中および冠動脈事象の10%の減少が、報告された。最近のNORVIT研究において、3,749人のMI後の患者は、0.8mgの葉酸塩、0.4mgのB12、40mgのB6またはプラセボの組合せへとランダム化された。ベースラインのHcyは、約13μmol/lであり、そして薬物投与(active arm)においては約9.5μmol/l(約−27%)であった。心臓血管に対する利益は、葉酸塩+B12+B6を受容する群において報告されず、危険性を増大させる傾向(RR 1.22)が、報告された。Hcy>13μmo1/1のベースラインを有する被験体は、併用ビタミンB療法によって処置した場合、より低いベースラインのHcyを有する被験体と比較して増大した危険性を有した。
【0254】
空腹時ホモシステイン
図12は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するための本発明のシステムおよび方法における第12の指針を実施するためのフローチャートを示す。
【0255】
結果番号1.Hcy<10μmol/l
・HcyはCHDの危険性の増大に関連しない。
【0256】
結果番号2.Hcy≧10および<14μmol/l
・Hcyは、CHD集団の危険性の増大に関連する。
【0257】
結果番号3.Hcy≧14μmol/l
・高いHcyは、CHDの危険性の増大に関連し、そして他の代謝障害を反映し得る。
・腎機能不全および甲状腺機能不全についてスクリーニングすることを検討する。
・悪性貧血についてスクリーニングすることを検討する。
【0258】
(本明細書に参考として援用される関連する読み物)
【0259】
【化12−1】

【0260】
【化12−2】

(指針番号13.PAI−I)
診断および管理に関する記載は、単なる示唆であり、そして医学的判断は、患者に対して個別化されなければならない。
【0261】
試験
・プラスミノゲン活性化因子インヒビター−1(PAI−I)
背景
PAI−1の増加に続く内因性フィブリン溶解の減少は、アテローム生成を増悪させるようであり、そしてCHDの危険性の増大に関連する。これはまた、高いインスリンレベルに関連する。PAI−1 4G/4G遺伝子型は、PAI−1血液レベルの増大に起因してMIの危険性の増大に関連する。Caerphilly Study(2,398人の男性の13年間にわたる研究)において、従来の危険因子(PAI−1、フィブリノゲン、およびD−ダイマー)による多変量解析は、CVDの危険性の増大に有意に関連した。最近のAHA/ACC指針は、PAI−1を潜在性の臨床的に有用なマーカーとして推奨した。
【0262】
ナイアシンは、PAI−mRNAおよびPAI−1の合成を72%減少させ得る。ナイアシンは、組織培養において、TNF−αの誘導された上昇をICAM−1レベルで66%〜89%減少させる(p<0.0001)ことが示された。ゲムフィブロジルは、組織培養においてPAI−1のインスリン誘導性の増大を61%減衰させる(p<0.01)ことが報告されている。セリバスタチンおよびシンバスタチンは、組織培養においてPAI−1生成を減少させることが報告されている。処置目的で高いPAI−1を直接標的とする効果は、臨床試験において主要な仮説として取り組まれていない。高いPAI−1は、代謝症候群に潜在的に関連する血栓症の増大の成分と見なすことができる。
【0263】
図13は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するための本発明のシステムおよび方法における第13の指針を実施するためのフローチャートを示す。
【0264】
結果番号1.PAI−1≦xx
PAI−1が上昇しない。目的の達成。
【0265】
結果番号2.PAI−1>xx≦xx
・PAI−1は、中程度に上昇し、そしてCHDの危険性における中程度の増大を反映する。
・高いPAI−1に関連するCHDの危険性を増幅する他の因子(フィブリノゲン、第VII因子、組織型プラスミノゲン活性化因子、インスリン、およびフォン・ビルブラント因子を含む)について試験することを検討する。
・他の因子がCHDの危険性の増大を反映する場合、スタチン、ナイアシン、フィブラート、またはTZDよる適切な処置(臨床的に適切な場合)を検討する。
【0266】
結果番号3.PAI−1>xx
・PAI−1が上昇する。CHDの危険性が増大する。
・上昇した値を確認するためにPAI−1血液試験を繰り返すことを検討する。スタチン、ナイアシン、フィブラート、またはTZDによる処置(臨床的に適切な場合)を検討する。
・親族のカウンセリングのためのPAI−1遺伝子型分類(genotyping)を検討する。
【0267】
(援用される参考文献)
【0268】
【化13】

(指針番号14:空腹時インスリン>xxmg/dl)
診断および管理に関する記載は、単なる示唆であり、そして医学的判断は、患者に対して個別化されなければならない。
【0269】
試験
・空腹時インスリン
背景
用語「インスリン抵抗性」は、末梢組織におけるインスリン作用が通常状態よりも効率的でない代謝状態を記載するために使用され、その通常状態は、正常な血中グルコースレベルを維持するために増大したインスリン分泌を生じる。空腹時インスリンの中程度の上昇は、インスリン抵抗性およびインスリン抵抗性の症候群の存在を示唆する。
【0270】
「代謝症候群」の第2の定義は、European Group for the Study of Insulin Resistanceに基づくWorld Health Organization(WHO)によって示されており、そして高インスリン血症または高い空腹時血糖および以下のうちの2つより多くを含む:腹部肥満、脂質異常症、または高血圧(8)。この代替的な定義は、ATP−III定義がCVDおよび全ての原因の死亡率をあまり一貫して予測しないので有用である(9)。個体は、「代謝症候群」に関するATP判定基準を満たすことなくインスリン抵抗性であり得る。
【0271】
このことは、Quebec Cardiovascular Studyの知見によって示され得、ここで代謝的異常性としての小粒子LDLの存在は、CVの危険性を3倍増大させ、一方で、小粒子LDLと高いapo Bとの組合せは、CVの危険性を6倍増大させ、そして小粒子LDLの存在と高いapo Bと高い空腹時インスリンレベルとの存在の組合せは、CVの危険性を20倍増大させた(25)。Malmo Heart Disease Prevention Projectは、空腹時およびグルコース負荷後のインスリン値がその後19年間にわたって追跡された5,484人の健康な男性においてCV事象を高度に予測したことを報告した。この計画において、CV事象に罹患しなかった群の平均空腹時インスリンは、CV事象に罹患した群の12.1pU/Lと比較して10.3pU/Lであった。
【0272】
確立されたCHDを有する患者における、高いグルコース負荷後のインスリン値(グルコース値ではない)は、PTCAおよびステント再狭窄に関連している。「健康」な成人の集団において、空腹時インスリンの中央値は、10pU/mlであり、そして上側1/3は、12pU/mlから始まる。
・内分泌科受診および高インスリン血症の原因を排除することを検討する。
・代謝症候群の診断を検討する。
・食事における単純糖質を回避し、そして地中海料理を検討する。
・過剰な体脂肪を減少させる。
・身体活動性を最適化する。
空腹時トリグリセリドを繰り返す。
【0273】
図14は、循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するための本発明のシステムおよび方法における第14の指針を実施するためのフローチャートを示す。
【0274】
結果番号1.空腹時インスリン<10pU/ml
・空腹時インスリンは上昇しない。
・臨床的な疑義が存在する場合、グルコース負荷後のインスリン試験を検討する。
【0275】
結果番号2、空腹時インスリン≧10<12pU/m1
空腹時インスリンが中程度に上昇する。
以下を検討する:
・ブドウ糖負荷試験
・食事における単純糖質を減少させる
・運動を最適化する
・体重を最適化する
・生活習慣の調節後に空腹時インスリンを繰り返す
結果番号3.空腹時インスリン≧12pU/m1
空腹時インスリンが上昇する。
以下を検討する:
・内分泌科受診
・ブドウ糖負荷試験
・食事における単純糖質を減少させる
・高繊維質食(50g/d)
・運動を最適化する
・体重を最適化する
・生活習慣の調節後に空腹時インスリンを繰り返す
・チアゾロジンジオン
・メトホルミン
・代謝症候群の他の成分についてスクリーニングする
(本明細書に参考として援用される関連する読み物)
【0276】
【化14−1】

【0277】
【化14−2】

概要
循環器疾患の危険性がある患者を診断および管理するためのシステムおよび方法。上記システムおよび方法は、多くの進歩した試験の順序付けを自動化する工程、試験結果を編集および評価する工程、ならびに推奨される疾患管理選択肢を含む自動化された報告を生成する工程を提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
循環器疾患に関する脂質および代謝の危険性の評価および管理を支援する方法であって、
個体の空腹時トリグリセリド(TG)レベルを該個体由来の第1のサンプルから決定する工程;
該個体のTGレベルが70mg/dlよりも大きく、かつ200mg/dl未満である場合に小粒子低密度リポタンパク質(LDL)について該個体由来の第2のサンプルを試験する工程であって、
小粒子LDLの存在は、該個体のTGレベルが200mg/dl以上である場合に該個体に存在すると推定され、
小粒子LDLが該個体に存在する場合、以下の疾患管理の推奨:運動およびカロリー制限による過剰な体脂肪の喪失、食事における単純糖質の回避、選択的β遮断薬および非選択的β遮断薬の可能な場合の回避、正常な甲状腺機能の確認、ナイアシン、フィブラート、および魚油のうちの1つ以上の導入、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL−C)が正常である場合の高密度リポタンパク質(HDL)サブクラス試験、ならびに一親等の血族関係にある者を循環器疾患について試験することのうちの1つ以上が、報告においてもたらされ得る、工程;
該個体の低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)レベルを該個体由来の第3のサンプルから決定する工程であって、
該LDL−Cレベルが70mg/dl〜130mg/dlの範囲内であり、かつ小粒子LDLが存在する場合に、以下の疾患管理の推奨:食事における単純糖質の回避、運動およびカロリー制限による体脂肪の減少、ニコチン酸、フィブラート、スタチンおよび魚油のうちの1つ以上の導入、ならびにLDL粒子数の測定としてのアポリポタンパク質B(Apo B)レベルの試験が、報告においてもたらされ得、
該LDL−Cレベルが130mg/dl以上であり、かつ小粒子LDLが存在しない場合に、以下の疾患管理の推奨:食事における単純糖質の回避、運動およびカロリー制限による体脂肪の減少、診断としての家族性複合型高脂血症(FCH)の検討、ニコチン酸、フィブラート、スタチンおよび魚油のうちの1つ以上の導入、LDL粒子数の測定としてのアポリポタンパク質B(Apo B)レベルの試験、ならびに一親等の血族関係にある者の循環器疾患についてのスクリーニングのうちの1つ以上が、報告においてもたらされ得、
該LDL−Cレベルが70mg/dl〜130mg/dlの範囲内であり、かつ小粒子LDLが存在しない場合に、以下の疾患管理の推奨:American Heart Association Phase X食、中程度の用量のスタチンに加えたある用量のエゼチミブおよびある用量の胆汁酸結合樹脂のうちの少なくとも1つ、ならびにLDL粒子数の測定としてのアポリポタンパク質B(Apo B)レベルの試験のうちの1つ以上が、報告においてもたらされ得、そして
該LDL−Cレベルが130mg/dlよりも大きく、かつ小粒子LDLが存在しない場合に、以下の疾患管理の推奨:低脂肪食、スタチン、エゼチミブ、樹脂、およびニコチン酸のうちの1つ以上の導入、ならびにLDL粒子数の測定としてのアポリポタンパク質B(Apo B)レベルの試験のうちの1つ以上が、報告においてもたらされ得る、工程;
を包含する、方法。
【請求項2】
前記個体が最初に、LDL−Cが70mg/dl〜130mg/dlの範囲内であり、かつ小粒子LDLが存在することを示す結果を有する場合、該個体由来の第4のサンプルから標準的な脂質プロフィール試験を行う工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記個体が最初に、LDL−Cが70mg/dl〜130mg/dlの範囲内であり、かつ小粒子LDLが存在することを示す結果を有する場合、該個体の循環器疾患についての危険性の管理は、該個体のLDL−Cレベルが70mg/dl未満であり、かつ該個体のTGレベルが70mg/dl未満である場合に達成される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記個体のLDL−Cレベルが70mg/dl未満であり、かつ該個体のTGレベルが70mg/dl以上である場合にLDLサブクラス試験を該個体由来の第5のサンプルに対して行う工程をさらに包含する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記個体の循環器疾患についての危険性の管理は、前記LDLサブクラス試験の結果が該個体における小粒子LDLの非存在を示す場合に達成される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記LDLサブクラス試験の結果が前記個体における小粒子LDLの存在を示す場合、以下の疾患管理の推奨:該個体に対するニコチン酸を増大させる工程、フィブラートを該個体に補充する工程、および魚油を補充する工程のうちの少なくとも1つが、報告の形態においてもたらされる、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記個体のLDL−Cレベルが70mg/dl以上であり、かつ該個体のTGレベルが70mg/dlより大きい場合、以下の疾患管理の推奨:該個体に対するスタチン用量を増大させる工程およびある用量の樹脂またはエゼチミブを該個体に添加する工程のうちの少なくとも1つが、報告の形態においてもたらされる、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記第4のサンプルからの結果が、前記個体のLDL−Cレベルが70mg/dlより大きく、かつ該個体のTGレベルが70mg/dl以上であることを示す場合、該個体由来の第5のサンプルに対してLDLサブクラス試験を行う工程をさらに包含する、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記LDLサブクラス試験の結果が前記個体における小粒子LDLの存在を示す場合、以下の疾患管理の推奨:該個体に対するニコチン酸を増大させる工程、該個体に対するスタチン用量を増大させる工程、ある用量の樹脂またはエゼチミブを該個体に添加する工程、およびフィブラートを該個体に補充する工程のうちの少なくとも1つが、報告の形態においてもたらされる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記LDLサブクラス試験の結果が前記個体における小粒子LDLの非存在を示す場合、以下の疾患管理の推奨:該個体に対するスタチン用量を増大させる工程およびある用量の樹脂またはエゼチミブを該個体に添加する工程のうちの少なくとも1つが、報告の形態においてもたらされる、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記個体が最初に、LDL−Cが130mg/dl以上であり、かつ小粒子LDLが存在しないことを示す結果を有する場合、該個体由来の第4のサンプルから標準的な脂質プロフィール試験を行う工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記個体が最初に、LDL−Cが130mg/dl以上であり、かつ小粒子LDLが存在しないことを示す結果を有する場合、該個体の循環器疾患についての危険性の管理は、該個体のLDL−Cレベルが70mg/dl未満であり、かつ該個体のTGレベルが100mg/dl未満である場合に達成される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記個体のLDL−Cレベルが70mg/dl未満であり、かつ該個体のTGレベルが100mg/dl以上である場合、該個体由来の第5のサンプルに対してLDLサブクラス試験を行う工程をさらに包含する、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記個体の循環器疾患についての危険性の管理は、前記LDLサブクラス試験の結果が該個体における小粒子LDLの非存在を示す場合に達成される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記LDLサブクラス試験の結果が前記個体における小粒子LDLの存在を示す場合、以下の疾患管理の推奨:該個体に対するニコチン酸を増大させる工程、フィブラートを該個体に補充する工程、および魚油を補充する工程のうちの少なくとも1つが、報告の形態においてもたらされる、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記個体のLDL−Cレベルが70mg/dl以上であり、かつ該個体のTGレベルが100mg/dlより大きい場合、以下の疾患管理の推奨:該個体に対するスタチン用量を増大させる工程およびある用量の樹脂またはエゼチミブを該個体に添加する工程のうちの少なくとも1つが、報告の形態においてもたらされる、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記第4のサンプルからの結果が、前記個体のLDL−Cレベルが70mg/dl以上であり、かつ該個体のTGレベルが100mg/dl以上であることを示す場合、該個体由来の第5のサンプルに対してLDLサブクラス試験を行う工程をさらに包含する、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記LDLサブクラス試験の結果が前記個体における小粒子LDLの存在を示す場合、以下の疾患管理の推奨:該個体に対するニコチン酸を増大させる工程、該個体に対するスタチン用量を増大させる工程、ある用量の樹脂またはエゼチミブを該個体に添加する工程、およびフィブラートを該個体に補充する工程のうちの少なくとも1つが、報告の形態においてもたらされる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記LDLサブクラス試験の結果が前記個体における小粒子LDLの非存在を示す場合、以下の疾患管理の推奨:該個体に対するスタチン用量を増大させる工程およびある用量の樹脂またはエゼチミブを該個体に添加する工程のうちの少なくとも1つが、報告の形態においてもたらされる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記個体が最初に、LDL−Cが70mg/dl〜130mg/dlの範囲内であり、かつ小粒子LDLが存在しないことを示す結果を有する場合、該個体由来の第4のサンプルから標準的な脂質プロフィール試験を行う工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記個体が最初に、LDL−Cが70mg/dl〜130mg/dlの範囲内であり、かつ小粒子LDLが存在しないことを示す結果を有する場合、該個体の循環器疾患についての危険性の管理は、該個体のLDL−Cレベルが70mg/dl未満であり、かつ該個体のTGレベルが増加していない場合に達成される、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記個体のLDL−Cレベルが70mg/dl未満であり、かつ該個体のTGレベルが増加している場合、該個体由来の第5のサンプルに対してLDLサブクラス試験を行う工程をさらに包含する、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記個体の循環器疾患についての危険性の管理は、前記LDLサブクラス試験の結果が該個体における小粒子LDLの非存在を示す場合に達成される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記LDLサブクラス試験の結果が前記個体における小粒子LDLの存在を示す場合、以下の疾患管理の推奨:該個体に対するニコチン酸を増大させる工程、フィブラートを該個体に補充する工程、魚油を該個体に補充する工程、および該個体の生活習慣を変える工程のうちの少なくとも1つが、報告の形態においてもたらされる、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記個体のLDL−Cレベルが70mg/dl以上であり、かつ該個体のTGレベルが増加していない場合、以下の疾患管理の推奨:該個体に対するスタチン用量を増大させる工程およびある用量の樹脂またはエゼチミブを該個体に添加する工程のうちの少なくとも1つが、報告の形態においてもたらされる、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記第4のサンプルからの結果が、前記個体のLDL−Cレベルが70mg/dl以上であり、かつ該個体のTGレベルが増加していることを示す場合、該個体由来の第5のサンプルに対してLDLサブクラス試験を行う工程をさらに包含する、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記LDLサブクラス試験の結果が前記個体における小粒子LDLの存在を示す場合、以下の疾患管理の推奨:該個体に対するニコチン酸を増大させる工程、フィブラートを該個体に補充する工程、魚油を該個体に補充する工程、および該個体の生活習慣を変える工程のうちの少なくとも1つが、報告の形態においてもたらされる、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記LDLサブクラス試験の結果が前記個体における小粒子LDLの非存在を示す場合、以下の疾患管理の推奨:該個体に対するスタチン用量を増大させる工程およびある用量の樹脂またはエゼチミブを該個体に添加する工程のうちの少なくとも1つが、報告の形態においてもたらされる、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記個体が最初に、LDL−Cが130mg/dlよりも大きく、かつ小粒子LDLが存在しないことを示す結果を有する場合、該個体の循環器疾患についての危険性の管理は、該個体のLDL−Cレベルが70mg/dl未満であり、かつ該個体のTGレベルが変化していない場合に達成される、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記個体のLDL−Cレベルが70mg/dl未満であり、かつ該個体のTGレベルが増加している場合、該個体由来の第5のサンプルに対してLDLサブクラス試験を行う工程をさらに包含する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記個体の循環器疾患についての危険性の管理は、前記LDLサブクラス試験の結果が該個体における小粒子LDLの非存在を示す場合に達成される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記LDLサブクラス試験の結果が前記個体における小粒子LDLの存在を示す場合、以下の疾患管理の推奨:該個体に対するニコチン酸を増大させる工程、フィブラートを該個体に補充する工程、および魚油を該個体に補充する工程のうちの少なくとも1つが、報告の形態においてもたらされる、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記個体が最初に、LDL−Cが130mg/dlよりも大きく、かつ小粒子LDLが存在しないことを示す結果を有する場合、該個体のLDL−Cレベルが70mg/dl以上であり、かつ該個体のTGレベルが変化していない場合に以下の疾患管理の推奨:該個体に対するスタチン用量を増大させる工程およびある用量の樹脂またはエゼチミブを該個体に添加する工程のうちの少なくとも1つが、報告の形態においてもたらされる、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
前記第4のサンプルからの結果が、前記個体のLDL−Cレベルが70mg/dlより大きく、かつ該個体のTGレベルが増加していることを示す場合、該個体由来の第5のサンプルに対してLDLサブクラス試験を行う工程をさらに包含する、請求項29に記載の方法。
【請求項35】
前記LDLサブクラス試験の結果が前記個体における小粒子LDLの存在を示す場合、以下の疾患管理の推奨:ニコチン酸を該個体に添加する工程、該個体に対するスタチンの用量を増大させる工程、該個体に少なくとも1つの樹脂およびエゼチミブを補充する工程、ならびに該個体にフィブラートを補充する工程のうちの少なくとも1つが、報告の形態においてもたらされる、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記LDLサブクラス試験の結果が前記個体における小粒子LDLの非存在を示す場合、以下の疾患管理の推奨:該個体に対するスタチン用量を増大させる工程およびある用量の樹脂またはエゼチミブを該個体に添加する工程のうちの少なくとも1つが、報告の形態においてもたらされる、請求項34に記載の方法。

【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−186474(P2009−186474A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−23158(P2009−23158)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
【出願人】(508334454)モレキュラー プロファイリング インスティテュート, インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】