説明

微細気泡発生装置、及び風呂用給湯装置

【課題】イニシャルコストやランニングコストが削減でき、取り付け環境の制約を受けにくい微細気泡発生装置及び風呂用給湯装置の提供。
【解決手段】浴槽に微細気泡を含む温水を供給する微細気泡発生装置10を備えた風呂用給湯装置において、微細気泡発生装置10は、気液溶解タンク20と、給水ライン31aと、流体ノズル21と、減圧ノズル22と、第1流体遮断弁13と、を備え、気体が充填され第1流体遮断弁13により閉じられた気液溶解タンク20に、給水ライン31aから流体ノズル21を介して水道水が供給され、所定時間の後、給水ライン31aを開放し、減圧ノズル22を通過することで、浴槽50に微細気泡発生装置10を含む温水を供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細気泡を発生させる微細気泡発生装置及び、それを備えた風呂用給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、浴槽内に微細気泡を発生させることで、乳白色化させて入浴感を高めるなどの効果が知られており、銭湯や温泉などの施設でその様な設備を備えた風呂が利用されている。
近年では、その効果が科学的に確認され、家庭用の浴槽に採用するケースも増えてきている。
この液体内に微細気泡を発生させる原理は、液体中に気体を加圧溶解した気液溶解流体を作り、減圧ノズルで圧力開放されることで、液体内に溶解された気体が開放されて微細泡となって発生するというものである。
【0003】
特許文献1や特許文献2にもこのような微細気泡を発生させる装置に関する発明が開示されている。
図13には、特許文献1の浴槽システムの構成図を示している。
浴槽110には、浴槽水の取り出し口111と戻し口112が設けられており、取り出し口111と戻し口112は微細気泡発生装置120と接続する循環通路121が設けられている。
循環通路121には循環ポンプ122が配設され、この循環ポンプ122の下流に気液混合タンク123が設けられている。
また、気液混合タンク123の天井面には噴射ノズル126と、気液混合タンク123を大気開放するための空気弁127が設けられている。この空気弁127や循環ポンプ122は、これらを制御するためのコントローラ124に電気的に接続されている。
【0004】
また、戻し口112には噴出ノズル125が設けられており、この噴出ノズル125には、噴射ノズル126の径よりも小径とした減圧体を設けられている。
このように構成された微細気泡発生装置120は、循環ポンプ122を稼働させることで、浴槽110に貯められた浴槽水を取り出し口111から循環通路121を介して循環させ、噴射ノズル126から気液混合タンク123の内部に向けて浴槽水を噴出する。
気液混合タンク123内には、気体と液体が満たされているので、気液混合タンク123内にある水面に噴射ノズル126から噴出した浴槽水が勢いよくあたり、空気を巻き込みながら気液混合タンク123に浴槽水が供給される。
このとき、噴出ノズル125には噴射ノズル126よりも小径な減圧体を備えているため、気液混合タンク123内の圧力は高くなっており、気液混合タンク123内で液体内に巻き込んだ気体は、液体内に溶解し、気液溶解流体となる。
そして、噴出ノズル125から浴槽内にこの気液溶解流体が噴出されることで、圧力が開放され、微細気泡が浴槽内に発生することになる。
【0005】
特許文献2にも同様の機能を持った簡易的な構成の微細気泡発生ノズルに関する発明が記載されている。
図14には、特許文献2の微細気泡発生ノズルが示されている。
止水栓203の設けられた水道管201の蛇口202に、エゼクター206を備えた気液溶解タンク204が備えられている。
エゼクター206の先端には、噴霧ノズル205が備えられ、気液溶解タンク204には、空気抜き弁208と、減圧弁209が備えられている。
このように、構成される微細気泡発生ノズル211によって、水道管201から供給される水道水に、エゼクター206によって取り込まれた空気が、噴霧ノズル205から放出されることによって、気液溶解タンク204内で混合し、減圧弁209で微細気泡を含む水道水に変換されて、排出される。
なお、気液溶解タンク204内の余剰空気は、空気抜き弁208によって排出される。
【特許文献1】特開2001−170618号公報
【特許文献2】特開2005−205326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術では以下のような問題点があった。
(1)風呂追焚配管とは別に微細気泡発生装置用の配管等を設置するため、コストがかかる。
特許文献1に記載する発明は、浴槽水を循環する配管内に微細気泡発生装置を取り付けることになる。
したがって、既存設備に特許文献1の微細気泡発生装置を取り付けるには、配管の途中に微細気泡発生装置を取り付け、浴槽110の戻し口112に噴射ノズル126を設けるという、大がかりな配管工事が必要となる。場合によっては、浴槽110の交換を必要とし、給湯側の配管に気液混合タンク123を割り込ませる工事が必要となると考えられる。
【0007】
(2)蛇口の先にノズルを付けることになるため、使用しづらい。
特許文献2に記載する発明は、水道管201の蛇口202に微細気泡発生ノズル211を設置するため、使用者にとって蛇口202を使用しにくくなることが考えられる。
微細気泡発生ノズル211の大きさは、特許文献2には記載されていないが、噴霧ノズル205から噴霧される水道水に空気を巻き込み効率的に微細気泡を生成させるには、気液溶解タンク204に一定の長さが必要となる。
これは、気液溶解タンク204内で対流が起こり、噴霧ノズル205から噴出される水道水の勢いを吸収する程度の長さが、気液溶解タンク204に必要とされるためである。気液溶解タンク204が短くなると、噴霧ノズル205から噴出される水道水に空気が混合しないまま減圧弁209に到達してしまい、効果的に微細気泡を作ることができなくなってしまうと考えられる。
【0008】
したがって、微細気泡発生ノズル211は必然的に長くなり、蛇口202に取り付けた際に、蛇口202の先から下に長く伸びた微細気泡発生ノズル211が邪魔になるので、使い勝手が悪い。
通常、キッチンの蛇口202や、お風呂に設けられる蛇口202の高さは、その先に何も取り付けられないことを前提として作られている。
したがって、キッチンであればシンクに、お風呂であれば浴槽の縁に微細気泡発生ノズル211がぶつかってしまうことも考えられ不便である。
また、ぶつからないにしても、微細気泡発生ノズル211が蛇口202に付いていることで、使いづらいものになることが予想される。
したがって、特許文献2のノズルでは、取り付けることのできる蛇口が限定されてしまい、使用するにあたっても不便であることが想定される。
【0009】
このように、従来の特許文献1及び特許文献3の方法では、(1)設備の設置においてイニシャルコストがかかる、(2)取り付け可能な環境が限定される等の問題があった。
【0010】
そこで、本発明ではこのような問題を解決するためになされたものであり、イニシャルコストやランニングコストが削減でき、取り付け環境の制約を受けにくい微細気泡発生装置、及び風呂用給湯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明による微細気泡発生装置、及び風呂用給湯装置は以下のような特徴を有する。
(1)浴槽に微細気泡を含む温水を供給する微細気泡発生装置を備えた風呂用給湯装置において、
前記微細気泡発生装置は、液体中に気体を溶解させるための気液溶解タンクと、前記気液溶解タンクに水道水を供給する給水口と、前記気液溶解タンクの上部に備えられる複数の小孔を有する流体ノズルと、前記気液溶解タンクの下部の流路に備えられた減圧ノズルと、前記気液溶解タンクの下部に備えられ、前記気液溶解タンクに接続される流路を、遮断、連通する流体遮断手段と、を備え、
気体が充填され前記流体遮断手段により閉じられた前記気液溶解タンクに、前記給水口から前記流体ノズルを介して前記水道水が供給され、所定時間の後、前記流体遮断手段を開放し、前記減圧ノズルを通過することで、前記浴槽に前記微細気泡を含む温水を供給することを特徴とする。
【0012】
(2)(1)に記載する風呂用給湯装置において、
前記微細気泡発生装置は、前記気液溶解タンクに気体を供給するための吸気口と、前記気液溶解タンクの上部に備えられ、前記吸気口から前記気液溶解タンクに接続する流路と、前記給水口から前記気液溶解タンクに接続する流路と、を切り替えるための流路切換手段と、前記流路切換手段及び前記流体遮断手段を制御するためのコントローラと、を備え、
前記コントローラは、
(A)前記流路切換手段を、前記吸気口から前記気液溶解タンクに連通するように制御し、前記流体遮断手段を、前記気液溶解タンクから液体又は気体が排出できるように連通させ、前記吸気口から、前記気液溶解タンク内に気体を充填する気体充填手段と、
(B)前記流路切換手段を、前記給水口から前記気液溶解タンクに連通するように制御し、前記流体遮断手段を遮断し、前記給水口から前記気液溶解タンクに前記水道水を供給すると共に、前記水道水の水圧で前記気液溶解タンクの内圧を上昇させる加圧溶解手段と、
(C)前記流路切換手段を、前記給水口から前記気液溶解タンクに連通したまま、前記流体遮断手段を開放することで、流体が前記減圧ノズルを通過する微細気泡生成手段と、を有し、
前記気体充填手段と、前記加圧溶解手段と、前記微細気泡生成手段とを順次切り替えることを特徴とする。
【0013】
(3)(1)又は(2)に記載する風呂用給湯装置において、
前記減圧ノズルは、入力部と、オリフィス部と、出力部から成り、円筒形の流路に水平方向に形成され、前記入力部には、前記円筒形の流路の流れ方向に対して垂直に細管が接続され、前記入力部から前記オリフィス部にかけて円錐状に口径が絞られ、前記オリフィス部は、前記流体ノズルの有する前記複数の小孔の合計面積よりも、開口面積が狭くなるように口径が絞られ、前記出力部には、前記オリフィス部から前記出力部にかけて円錐状に広がる面と、隙間を介して、複数の吐出孔が設けられた円錐壁面を備え、前記吐出孔の下流に多孔体が設けられており、
前記細管に前記気液溶解タンクから前記水道水が供給されることで、前記水道水が前記入力部の外周部の法線方向に沿って渦状の流れを作り、オリフィス部に導かれ、前記隙間を介して前記吐出孔及び前記多孔体を通過することを特徴とする。
【0014】
(4)浴槽に微細気泡を含む水道水を供給する微細気泡発生装置において、
液体中に気体を溶解させるための気液溶解タンクと、前記気液溶解タンクに気体を供給するための吸気口と、前記気液溶解タンクに前記水道水を供給する給水口と、前記気液溶解タンクの上部に備えられ、前記吸気口から前記気液溶解タンクに接続する流路と、前記給水口から前記気液溶解タンクに接続する流路と、を切り替えるための流路切換手段と、前記気液溶解タンクの上面に形成され、複数の小孔を有する流体ノズルと、前記気液溶解タンクの下面に接続する流路に備えられ、前記流体ノズルよりも口径が絞られた減圧ノズルと、を備え、
前記吸気口から気体が充填された前記気液溶解タンクに、前記流路切換手段で前記吸気口から前記気液溶解タンクに接続する流路から、前記給水口から前記気液溶解タンクに接続する流路に切り換えることで、前記給水口から前記流体ノズルを介して前記水道水が供給され、前記水道水が前記減圧ノズルを通過することで、前記水道水に前記微細気泡を含む微細気泡水を前記浴槽に供給することを特徴とする。
【0015】
(5)(4)に記載する微細気泡発生装置を備えることを特徴とする風呂用給湯装置。
【発明の効果】
【0016】
このような特徴を有する本発明による微細気泡発生装置、及び風呂用給湯装置により、以下のような作用、効果が得られる。
(1)浴槽に微細気泡を含む温水を供給する微細気泡発生装置を備えた風呂用給湯装置において、微細気泡発生装置は、気液溶解タンクと、給水口と、流体ノズルと、減圧ノズルと、流体遮断手段と、を有し、気体が充填され流体遮断手段により閉じられた気液溶解タンクに、給水口から流体ノズルを介して水道水が供給され、所定時間の後、流体遮断手段を開放し、減圧ノズルを通過することで、浴槽に微細気泡を含む温水を供給することを特徴とするので、単純な構造で微細気泡を発生させることができ、イニシャルコストを下げ、装置自体をコンパクトにできるので取り付け可能な環境が限定されにくくなる。
【0017】
すなわち、風呂用給湯装置内にコンパクトに構成された微細気泡発生装置を備えているので、既設の風呂設備に微細気泡発生装置を付加しようとする場合は、風呂用給湯装置を交換することで、微細気泡発生機能を付加することが可能になる。
これによって、蛇口などに邪魔なアダプターを付けることも必要なくなり、風呂用給湯装置を操作することで、微細気泡を含んだ温水を浴槽に供給することが可能となる。
さらに、構造が単純であり、安価な部品から構成されているためコストが安く、水道水の圧力を利用するため、循環ポンプの能力を上げる必要もなく、風呂用給湯装置を交換するだけで取り付け工事が終了するため、新たに微細気泡発生用の配管を設ける工事等が必要なくなり、イニシャルコストを下げることが可能となる。
【0018】
(2)(1)に記載する風呂用給湯装置において、
微細気泡発生装置が、気液溶解タンクに気体を供給するための吸気口と、気液溶解タンクの上部に備えられ、吸気口から気液溶解タンクに接続する流路と、給水口から気液溶解タンクに接続する流路と、を切り替えるための流路切換手段と、流路切換手段及び流体遮断手段を制御するためのコントローラと、を備え、
コントローラは、
(A)流路切換手段を、吸気口から気液溶解タンクに連通するように制御し、流体遮断手段を、気液溶解タンクから液体又は気体が排出できるように連通させ、吸気口から、気液溶解タンク内に気体を充填する気体充填手段と、
(B)流路切換手段を、給水口から気液溶解タンクに連通するように制御し、流体遮断手段を遮断し、給水口から気液溶解タンクに水道水を供給すると共に、水道水の水圧で気液溶解タンクの内圧を上昇させる加圧溶解手段と、
(C)流路切換手段を、給水口から気液溶解タンクに連通したまま、流体遮断手段を開放することで、流体が減圧ノズルを通過する微細気泡生成手段と、を有し、気体充填手段と、加圧溶解手段と、微細気泡生成手段とを順次切り替えることを特徴とするので、複雑な機構を備えずに、(1)と同様の効果を奏する。
【0019】
(3)(1)又は(2)に記載する風呂用給湯装置において、
減圧ノズルは、入力部と、オリフィス部と、出力部から成り、円筒形の流路に水平方向に形成され、入力部には、前記円筒形の流路の流れ方向に対して垂直に細管が接続され、入力部からオリフィス部にかけて円錐状に口径が絞られ、オリフィス部は、流体ノズルの有する複数の小孔の合計面積よりも、開口面積が狭くなるように口径が絞られ、出力部には、オリフィス部から出力部にかけて円錐状に広がる面と、隙間を介して、複数の吐出孔が設けられた円錐壁面を備え、吐出孔の下流に多孔体が設けられており、
細管に気液溶解タンクから水道水が供給されることで、水道水が入力部の外周部の法線方向に沿って渦状の流れを作り、オリフィス部に導かれ、隙間を介して吐出孔及び多孔体を通過することを特徴とするので、(1)又は(2)の風呂用給湯装置の備える微細気泡発生装置の減圧ノズルの特定条件下での効果を高めることが可能になる。
【0020】
前述した(1)又は(2)の風呂用給湯装置の備える微細気泡発生装置の減圧ノズルを風呂用給湯装置の内部のレイアウトの関係で水平設置する必要がある場合、大きな泡が発生しやすかった。
そこで、減圧ノズルを水平方向に設置する際には、上記構成の通り細管を円筒形の流路の流れ方向に対して垂直に設置してやることで、水道水が入力部の外周部において流れに対して垂直方向に渦状の流れを作ることで、減圧ノズルを通過する際に大きな泡の発生を抑制する効果がある。
減圧ノズルで大きな泡が発生しなければ、その後の配管内で泡が生長して浴槽に到達した時点で白濁度を低下させることが無く、入浴感を高めることに貢献する。
また、複雑な機構を必要としないので、不要にイニシャルコストを上げることにならない。
【0021】
(4)浴槽に微細気泡を含む水道水を供給する微細気泡発生装置において、
気液溶解タンクと、吸気口と、給水口と、気液溶解タンクの上部に備えられ、吸気口から気液溶解タンクに接続する流路と、給水口から気液溶解タンクに接続する流路と、を切り替えるための流路切換手段と、気液溶解タンクの上面に形成され、複数の小孔を有する流体ノズルと、気液溶解タンクの下面に接続する流路に備えられ、流体ノズルよりも口径が絞られた減圧ノズルと、を備え、
吸気口から気体が充填された気液溶解タンクに、流路切換手段で吸気口から気液溶解タンクに接続する流路から、給水口から気液溶解タンクに接続する流路に切り換えることで、給水口から流体ノズルを介して水道水が供給され、水道水が減圧ノズルを通過することで、水道水に微細気泡を含む微細気泡水を浴槽に供給することを特徴とするので、(1)乃至(3)の風呂用給湯装置とは別に微細気泡発生装置を設置することが可能となる。
【0022】
上述した(1)の風呂用給湯装置に備える微細気泡発生装置は、流体遮断手段を備えており、この流体遮断手段により遮断、連通して微細気泡を発生しているが、この流体遮断手段を省いても簡易的に微細気泡を発生することが可能である。
上述の(1)においても(4)においても、気体を充填した気液溶解タンクの内部に水道水を供給することで、供給する水道水の中に気体を溶解させる。
しかし、大気圧下では水道水の中に溶解する気体の量は、微細気泡を発生するには不十分である。そこで、(1)では流体遮断手段を用いて、気液溶解タンクより下流の流路を遮断し、水道水を供給することで、水道水の水圧により加圧され、気液溶解タンク内の圧力が上昇して、水道水の中に気体が溶解しやすくなる。これは液体中の気体溶解量が圧力に比例するためである。
【0023】
しかし、この効果は流体ノズルの開口面積に対して減圧ノズルの開口面積を小さくすることでも、実現可能である。これは、気液溶解タンクへ供給される水道水の量よりも気液溶解タンクから排出される水道水の量が少なければ、次第に気液溶解タンクの内圧は上昇するという作用によるものである。
そして(1)及び(4)の方法の何れにおいても、供給口から供給される水道水の水圧と同等になるまで、気液溶解タンクの内部は加圧される。このことにより、前述したように気体が水道水の中に溶解することとなり、減圧ノズルを通過する際に水道水の圧力は低下し、溶解していた気体が水道水中に開放される。
その結果、浴槽には微細気泡を含んだ状態の水道水が供給されることになるのである。
【0024】
上述したような(4)の構成を採ることで、安価に微細気泡発生装置を提供することが可能となる。なお、(4)の構成によれば、水道水を供給して流路切換手段によって吸気口と給水口を切り換えることで微細気泡を発生させることが可能となるため、例えば手動切替弁によって吸気口と給水口を切り換えるようにすれば、複雑な制御も必要とせず、コンパクトな微細気泡発生装置を提供することができる。
その結果、例えば浴室の給湯栓から分岐した配管に接続する簡易な微細気泡発生装置として使用することが可能となり、手軽に微細気泡を発生することができる。
【0025】
(5)(4)に記載する微細気泡発生装置を備えることを特徴とする風呂用給湯装置であるので、(1)乃至(3)の風呂用給湯装置よりも、さらにコストダウンを図ることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
(第1実施例)
まず、第1実施例の構成について説明する。
図1には、第1実施例に係る発明の微細気泡発生装置の構成図を示す。
微細気泡発生装置10は、円筒形状の微細気泡発生器11を備え、微細気泡発生器11の上部には、給湯ライン31bより連通する流路と、吸気口32aより連通する流路を切り替える三方電磁弁12が接続されている。
また、微細気泡発生器11の下部には、第1流体遮断弁13を備えている。
三方電磁弁12及び第1流体遮断弁13は、コントローラ18に電気的に接続され、制御される。
【0027】
微細気泡発生器11の構成については、図2にて説明する。
図2は、第1実施例の微細気泡発生器の断面を模式的に表した図である。
微細気泡発生器11は、気液溶解タンク20と、流体ノズル21、及び減圧ノズル22によって構成される。
以下に、微細気泡発生器11を構成するそれぞれの部品について図を用いて説明を行う。
図3には、第1実施例の気液溶解タンクの断面図を示している。
まず、気液溶解タンク20は図3に示されるような円筒形状のタンクであり、材質は例えはステンレス等、腐食に強く一定の耐熱性を有するものを用いる。また、気液溶解タンク20は使用上、若干ながら内圧がかかるため、気液溶解タンク20は、数mm程度の厚みをもっている。もちろん、材質によっても必要とする厚みは変わるので、適宜選択すればよい。
【0028】
気液溶解タンク20の大きさは、使用条件によってもその大きさが変わってくるが、長さaに対して内径bは1/10程度の直径にすると良い。
そして、気液溶解タンク20の上部には流体ノズル21が設けられており、下部には減圧ノズル22が設けられている。
なお、減圧ノズル22に関しては、気液溶解タンク20の一部として一体的に形成されても良いが、気液溶解タンク20に接続される流路の一部に、別部品として設けられていても構わない。この場合、気液溶解タンク20の下流は追焚往ライン33bとなるので、追焚往ライン33bの配管の途中に減圧ノズル22が設けられていれば、その機能を果たす。
【0029】
図4(a)には、第1実施例の流体ノズルの気液溶解タンクに取り付けた状態での断面図であり、図3の部分Aの拡大図を示している。図4(b)には、第1実施例の流体ノズルの下面から見た図を示している。
流体ノズル21は、気液溶解タンク20にボルト構造などで接合されている。取り付け構造は特に限定するものではないが、管内に詰まりが発生する等の問題も考えられるので、取り外し可能に設けられていることが望ましい。また、気液溶解タンク20には、前述したように内圧がかかることもあって、しっかりと固定される必要がある。図には示していないが、後の清掃や交換を考慮すれば、パッキンを挟んでフランジ取り付け等、配管を動かさずに取り外し可能な固定方法も有効だと考える。
【0030】
流体ノズル21の先端には、複数の小孔21aが空けられている。また、流体ノズル21の外部は、図4(b)に示されるように六角となっている。これは、ねじ込み式を採用しているために、組み付けや取り外しを考慮してこのような六角の形状になっているが、前述したフランジ取り付け等、様々な組み付け方法があるため、特にこのような形状に限定するものではない。
流体ノズル21に設けられた小孔21aは、複数設けられて、気液溶解タンク20の内部に貯められた液体の液面に対してシャワー状に給水できるようにしてある。
【0031】
図5(a)には、第1実施例の減圧ノズルの断面図を示しており、図5(b)には、第1実施例の減圧ノズルの下面を示している。
減圧ノズル22は、気液溶解タンク20の下部に備えられる。第1実施例では、気液溶解タンク20に一体的に設けられているが、気液溶解タンク20に一体的に設けられない場合でも、気液溶解タンク20の下流側に位置するように設けられればよい。
減圧ノズル22は、図5(a)に示されるように、オリフィス部22aと、円錐部22bと、メッシュ22cと、吐出孔22dから構成されている。
【0032】
オリフィス部22aは、減圧ノズル22の口径に対して十分小さく、減圧ノズル22の内径に対し、オリフィス部22aの内径は半分以下に設定することが望ましい。
また、吐出孔22dは、オリフィス部22aより内径を小さくし、円錐部22bに複数設けている。図5(b)で示されるように、吐出孔22dは8カ所設けているが、適度に水流が分散すれば特にこの吐出孔22dの数はこれに限定されるものではない。
多孔体に相当するメッシュ22cについては、材質は耐食性があり、上流からの圧力に耐えうる一定の強度があれば、例えばセラミックスや燒結金属のような多孔質体でも良いが、本実施例ではステンレス製のメッシュを複数枚重ねて用いている。そして、その粗さは250メッシュ程度としている。
【0033】
このような、気液溶解タンク20、流体ノズル21、減圧ノズル22に構成される微細気泡発生器11は、図6に示す風呂用給湯装置30に組み込まれて使用される。
図6は、第1実施例の風呂用給湯装置のシステム構成図を示している。
また、図7には風呂用給湯装置を浴槽に接続する構成図が示されている。
まず、図6の説明を行う。風呂用給湯装置30は、給湯用熱交換部35及び追焚用熱交換部36を備えており、図7に示す浴槽50への給湯に用いる。
給湯用熱交換部35には給水ライン31a及び給湯ライン31bが接続されており、給水ライン31aには水道管が接続されている。また、給湯ライン31bは、浴槽50又は給湯栓55へお湯を供給可能に接続されている。
一方、追焚用熱交換部36には、追焚戻ライン33aと、追焚往ライン33bが接続されており、追焚戻ライン33aには風呂循環ポンプ17が備えられ、追焚往ライン33bと共に図7に示す浴槽50に接続されている。
【0034】
そして、図6の風呂用給湯装置30には、微細気泡発生装置10が備えられ、吸気口32aが三方電磁弁12を介して配設され、水抜口32bは第1流体遮断弁13を介して微細気泡発生装置10に接続されている。
なお、三方電磁弁12、第1流体遮断弁13、及び風呂循環ポンプ17はコントローラ18に接続され、コントローラ18は、リモコン19でも操作可能である。
給湯用熱交換部35に接続された、給水ライン31aは、給湯用熱交換器35aを介して31bに接続されるが、その途中で分岐ライン34に分岐される。そして、分岐ライン34に備えられる逆止弁37を通過して、微細気泡発生装置10と、追焚用熱交換部36に接続される追焚戻ライン33aに合流し、追焚用熱交換器36aを介して追焚往ライン33bに接続され、図7に示す浴槽50へと接続されることになる。
【0035】
その他に、バイパスライン38及び第2流体遮断弁38a、第3流体遮断弁38bが設けられており、微細気泡発生装置10を介さずに追焚往ライン33bより浴槽50に給湯できるように構成されている。
この第2流体遮断弁38a及び第3流体遮断弁38bも、コントローラ18に接続され、任意にコントロール可能であるものとする。
このような構成を持つ風呂用給湯装置30が、図7に説明するように、浴室60に備えられる浴槽50に給湯金具51を介して、また、給湯栓55にも接続されている。
給湯金具51には、追焚戻ライン33a及び追焚往ライン33bが接続され、給湯栓55には、給湯ライン31bが接続されている。
【0036】
上記の構成を備える第1実施例の発明の作用について、以下に説明する。
図8には、微細気泡発生のプロセスを表した模式図を示している。図8(a)には、気体充填運転をするプロセスを、図8(b)には、加圧溶解運転をするプロセスを、図8(c)には微細気泡生成運転をするプロセスを示している。
まず、図8(a)で、微細気泡発生器11の上部に備える三方電磁弁12を、吸気口32aから微細気泡発生器11に接続するように切り替え、微細気泡発生器11の下部に備える第1流体遮断弁13を開放するようにコントローラ18が制御を行う。
このようにすることで、吸気口32aと微細気泡発生器11の備える気液溶解タンク20が連通して、外部より空気を取り入れることが可能となる。
また、微細気泡発生器11の備える気液溶解タンク20が水抜口32bに連通することになるので、気液溶解タンク20内部に液体が溜まっていた場合は、液体が外に排出される結果になる。そして、気液溶解タンク20内は、空気で満たされる。
【0037】
次に、図8(b)で、微細気泡発生器11の上部に備える三方電磁弁12を、分岐ライン34と接続するように切り替え、微細気泡発生器11の下部に備える第1流体遮断弁13を遮断する。
分岐ライン34には、給水ライン31aから供給された水道水が、給湯用熱交換部35を通過して暖められたお湯が、給湯ライン31bに供給される途中で分岐ライン34に分岐している。したがって、微細気泡発生器11の気液溶解タンク20には作られたばかりのお湯が供給されることになる。
ところで、給水ライン31aは水道菅と接続しているため、一般的な水道と同様に約0.2MPaの圧力がかかっている。したがって、気液溶解タンク20に供給されるお湯も0.2MPa程度の圧力がかかっており、気液溶解タンク20が空気で満たされているとしても、この圧力によってお湯は気液溶解タンク20の内部に供給され、圧力とバランスがとれるところまで供給されて、供給が止まる。
実験に用いた気液溶解タンク20のサイズであれば、1/3程度までお湯が溜まる。
【0038】
この気液溶解タンク20に溜められているお湯は、分岐ライン34から供給される際に図4(a)、図4(b)に示す流体ノズル21を通過してくるために、図8(b)に示すようにシャワー状になって、気液溶解タンク20内の気体を巻き込みながら、液面に供給される。さらに、気液溶解タンク20の内部は前述したように加圧された状態となっていくために、お湯内に空気が溶け込みやすくなる。
そして、図8(c)で、微細気泡発生器11の上部に備える三方電磁弁12は、そのまま分岐ライン34と気液溶解タンク20が連通するように維持し、微細気泡発生器11の下部に備える第1流体遮断弁13を開放する。
こうすることで、気液溶解タンク20内の液体は、気液溶解タンク20の下部に備えられる減圧ノズル22を通過して、水抜口32bを介して浴槽50に供給されることになる。
減圧ノズル22を通過する際に、加圧されたお湯は減圧される。そして、お湯中に溶解していた気体は、お湯中に目に見える形となって放出される。
【0039】
このように、風呂用給湯装置30に微細気泡発生装置10を備えることで、給湯時に微細気泡を含むお湯を浴槽50に供給することができる。
なお、第1実施例の微細気泡発生装置10は、約8L/min程度の給湯能力であり、また、後述するように、微細気泡を生成し浴槽50に供給するお湯を白濁させる時間はそれ程長くないため、浴槽50に一定量の湯を供給しておき、最終的に差し湯という形で微細気泡を含んだお湯を浴槽50に供給しながら入浴するといった用途に用いる方が合理的である。
したがって、図6に示す構成で、最初に浴槽50にお湯を溜める場合には、給水ライン31aから供給する水道水を、給湯用熱交換部35の給湯用熱交換器35aを通過させて、熱し、給湯ライン31bから浴槽50に供給するか、三方電磁弁12を吸気口32a側に切り替え、第2流体遮断弁38aを連通させ、第3流体遮断弁38bを遮断し、分岐ライン34を通して、追焚戻ライン33aに流入させ、追焚用熱交換部36を通過して、追焚往ライン33bを通って浴槽50に供給することになる。
【0040】
そして、浴槽50に一定量のお湯が溜まったら、図8(a)乃至図8(c)に示す、上述した気体充填運転、加圧溶解運転、微細気泡生成運転のプロセスを経て、三方電磁弁12を分岐ライン34と微細気泡発生装置10とを連通させる側に切り替え、第2流体遮断弁38aを遮断し、第3流体遮断弁38bを連通させて、微細気泡が生成したお湯を追焚往ライン33bより浴槽50に供給する。
このようにして、浴槽50に微細気泡が供給されるので、白濁したお湯を入浴時に楽しむことができる。
【0041】
ここで、第1実施例について簡易に実験を行ったので、その結果について示す。
まず、気液溶解タンク20のサイズについては前述した通りであり、流体ノズル21及び減圧ノズル22を備える。
気液溶解タンク20は、図3に示されるように長さaは600mmで、その内径bはφ55mmとした。前述した通り長さaに対して内径bは1/10程度としている。これは、長さaを短くすると巻き込んだ空気が、液体に溶解しないうちに減圧ノズル22から直接排出されることとなる等の現象が起き、空気溶解に対して悪影響があったためである。
【0042】
しかし、内径bを更に小さくすると、逆に白濁度が低下してしまう。流体ノズル21から放出された液体が、液面に直接あたりにくくなるなどの原因が考えられるので、全体的なバランスが、微細気泡生成に影響していると考えられる。
流体ノズル21は、図4(a)及び図4(b)に示されるように、流体ノズル21の内径はφ13mm、小孔21aは、φ4mmで4つ空けられている。小孔21aは、孔の数は増やすほど白濁度は増加するため多い方が良いが、6箇所にすると、その効果は減少することを確認している。
これは、小孔21aの径と、流体ノズル21に供給する流体の圧力等との関係があるようである。流体ノズル21に供給する水圧は、水道水を利用しており、0.2MPa程度とそれ程高くないため、流体ノズル21の4カ所に小孔21aを設けた場合が最も白濁度を高くできることを確認している。
【0043】
減圧ノズル22は、図5(a)及び図5(b)に示されるように、オリフィス部22a、円錐部22b、メッシュ22c、及び吐出孔22dが設けられており、減圧ノズル22の設けられる配管部分の内径がφ20mm程度に対し、オリフィス部22aの内径はφ7mm程度とした。
また、オリフィス部22aの下部に位置する円錐部22bは、圧損を考慮してこのような形状となっており、8カ所に内径φ3mmの吐出孔22dを設けている。また、吐出孔22dの下部にはメッシュ22cが設けられている。
このメッシュ22cは、250メッシュ程度の粗さのステンレス製のメッシュ材を3枚重ねて取り付けられている。メッシュの粗さは気泡の成長に関係している。メッシュ22cのメッシュの枚数を増やすと白濁度が向上するが、3枚程度までで効果がほとんど無くなり、逆に大きな気泡が生成されることを確認した。
なお、オリフィス部22aと円錐部22bのギャップについて、ギャップ間隔は1mm程度が適正であることが分かった。このギャップ間隔を変えることで圧損が変化し、流速が変わる。ギャップ間隔を大きくし流速を大きくすると白濁する時間を短縮できるが、多量の液体が流れることになるので、浴槽50が早く一杯になってしまうという問題がある。
【0044】
上記のような構成の微細気泡発生器11を、前述した風呂用給湯装置30に取り付けて、簡易実験を行った。なお、微細気泡発生器11は、風呂用給湯装置30内部には組み込まず、風呂用給湯装置30から接続される追焚往ライン33bに組み付けて簡易的に行っているので、風呂用給湯装置30に組み込んだ場合とは、配管の長さや圧力の差異より、若干結果が異なると考えられるが、同じ傾向を示すものとして期待できる。また、実験に用いた浴槽50の容量は180Lであり、浴槽50に160Lのお湯を溜めておいて、20Lの差し湯をして白濁させ、白濁度を検証している。
図9には、白濁度と運転時間の関係を表すグラフを示している。
実験は、給水ライン31aから供給する水道水の水圧を変えてその差を示し、水圧0.2MPaとして設定した場合と、水圧0.15MPaとして設定を示している。
この結果、水圧0.2MPaで設定する場合は、開始から60秒後に白濁度100に達し、190秒間程度白濁度100を維持した後に、徐々に透明に戻っていく様子が分かる。
一方、水圧0.15MPaで設定した場合は、開始から180秒程度かかり白濁度90を越えた後、徐々に透明に戻っている。
【0045】
この結果より、実際に風呂用給湯装置30に微細気泡発生装置10を組み込んだ場合でも、同様の効果が見込めると考えられる。
なお、どちらの結果とも開始から210秒程度立つと白濁度が下がり始めるのは、差し湯の量を20Lとしているためで、水圧0.2MPaに設定すると160秒程度、水圧0.15MPaに設定すると170秒程度で20Lに達するので、そこで供給を止めてしまったからである。
この結果から、浴槽50の白濁状態を保持できるのは4〜5分程度であることが分かり、実際に風呂用給湯装置30に微細気泡発生装置10を組み込んだ場合も同様の効果であると考えられる。
必要であれば、微細気泡発生装置10を断続的に運転し、浴槽50に微細気泡が混入したお湯を、供給、停止を繰り返すような制御を行うことで、白濁度は若干下がるものの、白濁を持続する時間を長くすることも可能であると考えられる。これによって、10分程度までは白濁状態を維持できることが確認されている。
ただし、第1実施例の風呂用給湯装置30は差し湯を行う場合を前提にしているので、差し湯を行った後、10分程度効果が持続していることで、使用者の満足は得られるものと考える。
もちろん、使用者によっては浴槽50に長く浸かりたいという要望がある場合もあるが、複数回差し湯を繰り返すようにコントローラ18の制御を行うことで、白濁状態を持続することも可能である。
【0046】
第1実施例の発明は、このように構成され作用するため、以下のような効果を奏する。
微細気泡発生装置10は、気液溶解タンク20、流体ノズル21、減圧ノズル22を備える微細気泡発生器11に、三方電磁弁12、第1流体遮断弁13、及びコントローラ18を接続することで、浴槽50に微細気泡を発生させることができる。このように簡単な構成であるために、故障が少なくイニシャルコストが少なくて済む。
また、比較的コンパクトで、風呂用給湯装置30に内蔵されているので、風呂用給湯装置30を取り替えることで、微細気泡発生装置10の機能を既設の設備に追加することができる。
なお、微細気泡発生装置10は風呂用給湯装置30の外付けにすることも可能であるが、配線などの関係から、例えば風呂用給湯装置30の下部であって、配管の立ち下げ部分に設けるなどの取り付けとなるため、風呂用給湯装置30と一体で交換可能というメリットはそのままにできる。
また、第1実施例の微細気泡発生装置10は給水ライン31aから水道水を供給する方式で、浴槽50の水を循環して微細気泡を発生させていないので、微細気泡発生器11の内部に汚物が溜まりにくく、メンテナンスフリーでの使用を期待できる。
【0047】
以上に説明した、第1実施例の微細気泡発生装置及び風呂用給湯装置によれば、以下のような優れた作用、効果が得られる。
(1)浴槽に微細気泡を含む温水を供給する微細気泡発生装置10を備えた風呂用給湯装置において、
微細気泡発生装置10は、液体中に気体を溶解させるための気液溶解タンク20と、気液溶解タンク20に水道水を供給する給水ライン31aと、気液溶解タンク20の上部に備えられる複数の小孔を有する流体ノズル21と、気液溶解タンク20の下部の流路に備えられた減圧ノズル22と、気液溶解タンク20の下部に備えられ、気液溶解タンク20に接続される流路を、遮断、連通する第1流体遮断弁13と、を備え、気体が充填され第1流体遮断弁13により閉じられた気液溶解タンク20に、給水ライン31aから流体ノズル21を介して水道水が供給され、所定時間の後、給水ライン31aを開放し、減圧ノズル22を通過することで、浴槽50に微細気泡発生装置10を含む温水を供給することを特徴とするので、単純な構造で微細気泡を発生させることができ、イニシャルコストを下げ、風呂用給湯装置30をコンパクトにできるので取り付け可能な環境が限定されにくくなる。
【0048】
すなわち、風呂用給湯装置30内にコンパクトに構成された微細気泡発生装置10を備えているので、既設の風呂設備に微細気泡発生装置10を付加しようとする場合は、風呂用給湯装置30を交換することで、微細気泡発生機能を付加することが可能になる。
これによって、蛇口などに邪魔なアダプターを付けることも必要なくなり、風呂用給湯装置30を操作することで、微細気泡を含んだ温水を浴槽50に供給することが可能となる。
さらに、構造が単純であり、安価な部品から構成されているためコストが安く、水道水の圧力を利用するため、風呂循環ポンプ17の能力を上げる必要もなく、風呂用給湯装置30を交換するだけで取り付け工事が終了するため、イニシャルコストを下げることが可能となる。
【0049】
(2)(1)に記載する風呂用給湯装置において、
微細気泡発生装置10が、気液溶解タンク20に気体を供給するための吸気口32aと、気液溶解タンク20の上部に備えられ、吸気口32aから気液溶解タンク20に接続する流路と、給水ライン31aから気液溶解タンク20に接続する流路と、を切り替えるための三方電磁弁12と、三方電磁弁12及び第1流体遮断弁13を制御するためのコントローラ18と、を備え、
コントローラ18は、
(A)三方電磁弁12を、吸気口32aから気液溶解タンク20に連通するように制御し、第1流体遮断弁13を、気液溶解タンク20から液体又は気体が排出できるように連通させ、吸気口32aから、気液溶解タンク20内に気体を充填する気体充填手段と、
(B)三方電磁弁12を、給水ライン31aから気液溶解タンク20に連通するように制御し、第1流体遮断弁13を遮断し、給水ライン31aから気液溶解タンク20に水道水を供給すると共に、水道水の水圧で気液溶解タンク20の内圧を上昇させる加圧溶解手段と、
(C)三方電磁弁12を、給水ライン31aから気液溶解タンク20に連通したまま、第1流体遮断弁13を開放することで、流体が減圧ノズル22を通過する微細気泡生成手段と、を有し、気体充填手段と、加圧溶解手段と、微細気泡生成手段とを順次切り替えることを特徴とするので、(1)と同様の効果を奏する。
【0050】
(第2実施例)
次に、第2実施例の構成について説明する。
第2実施例は、第1実施例と微細気泡発生装置10の構成はほぼ同じであり、風呂用給湯装置30の配管の接続が異なる。したがって、風呂用給湯装置30の構成の説明を行う。
図10は、第2実施例の風呂用給湯装置のシステム構成図を示している。
この図10は、第1実施例の図6に対応するものであり、微細気泡発生装置10の配置される位置が異なる。なお、同じ機能であるものに関しては説明を省略する。
第1実施例と異なる点は、まず、分岐ライン34に備えられる逆止弁37の下流側に、第2流体遮断弁38aが設けられ、その下流に追焚戻ライン33aが合流している点である。
【0051】
また、追焚戻ライン33aには、入口に第5流体遮断弁38dが設けられ、その後に風呂循環ポンプ17が接続され、分岐ライン34に合流している。
また、分岐ライン34は追焚戻ライン33aと合流した後、追焚用熱交換部36の備える追焚用熱交換器36aに接続され、微細気泡発生装置10に接続されるバイパスライン38と、第4遮断弁38cが備えられる追焚往ライン33bに分岐する。
バイパスライン38は、追焚用熱交換器36aの下流の分岐点から三方電磁弁12に接続され、三方電磁弁12には、微細気泡発生装置10へ接続される配管と、吸気口32aから接続される配管が接続されている。
そして、三方電磁弁12の下流には、微細気泡発生装置10が接続され、その後、第1流体遮断弁13に接続される配管と、第3流体遮断弁38bに接続される配管に分岐する。
第1流体遮断弁13は、水抜口32bに接続され、第3流体遮断弁38bは追焚往ライン33bに合流する配管に接続される。
【0052】
上記の構成を備える第2実施例の発明の作用について、以下に説明する。
まず、空の浴槽50に一定量お湯を供給する際には、給水ライン31aから供給される水道水を、給湯用熱交換部35で暖め、給湯ライン31bに接続される給湯栓55を介して浴槽50に供給するか、給湯ライン31bから分岐される分岐ライン34を通り、追焚用熱交換器36aを介して吸気口32aを通過し、浴槽50にお湯を供給する。
浴槽50に一定量のお湯が供給された後、第1流体遮断弁13及び第4遮断弁38cを閉じ、三方電磁弁12を追焚用熱交換器36aから微細気泡発生装置10にお湯が供給できるように切り替え、第3流体遮断弁38bを空けて追焚往ライン33bから浴槽50に微細気泡が混入したお湯を供給する。
この際、微細気泡発生装置10では、前述した気体充填運転、加圧熔解運転、微細気泡生成運転のプロセスを経ていることは言うまでもない。
【0053】
このようにして、浴槽50に微細気泡が供給されるので、白濁したお湯を入浴時に楽しむことができる。
なお、浴槽50への供給が終わってしまうと、次第に浴槽50に溜められたお湯が透明に戻ってしまうが、ここで、追焚戻ライン33aから取り入れた浴槽水を風呂循環ポンプ17によって循環させ、第2流体遮断弁38a、第4遮断弁38c及び第1流体遮断弁13を遮断し、三方電磁弁12を追焚用熱交換器36aから微細気泡発生装置10に連通するように切り替え、第3流体遮断弁38bを開放することで、微細気泡を混入した浴槽水を浴槽50に供給することができる。
すなわち、追焚戻ライン33aから取り込んだ浴槽水を、微細気泡発生装置10を通過させて追焚往ライン33bを介し浴槽50へ供給することで、浴槽50のお湯の白濁状態を持続することが可能である。
この場合、微細気泡発生装置10に供給する水圧を確保するために、風呂循環ポンプ17の能力をアップする必要があるが、風呂循環ポンプ17は風呂用給湯装置30に備えられているので、施工性は損なわれない。
なお、気液溶解タンク20内に空気を定期的に供給する必要があるため、間欠運転をする必要があるが、第1実施例でも示した通り、4〜5分程度は白濁状態を維持できるため、間欠運転であっても常時白濁した状態を保つことが可能となる。
【0054】
第2実施例の発明は、このように構成され作用するため、以下のような効果を奏する。
第2実施例では第1実施例の構成に、配管の変更と、第4遮断弁38c及び第5流体遮断弁38dを追加したような構成となっているため、第1実施例同様、構造が単純で、故障が少なくイニシャルコストが少なくて済む。
また、比較的コンパクトで、風呂用給湯装置30に内蔵することが可能であるので、風呂用給湯装置30を取り替えることで、微細気泡発生装置10の機能を既設の設備に追加することができる。もちろん、微細気泡発生装置10を風呂用給湯装置30の外付けにすることも、第1実施例同様に可能である。
【0055】
以上に説明した、第2実施例の微細気泡発生装置及び風呂用給湯装置によれば、以下のような優れた作用、効果が得られる。
(1)浴槽に微細気泡を含む温水を供給する微細気泡発生装置10を備えた風呂用給湯装置において、
微細気泡発生装置10は、液体中に気体を溶解させるための気液溶解タンク20と、気液溶解タンク20に水道水を供給する給水ライン31aと、気液溶解タンク20の上部に備えられる複数の小孔を有する流体ノズル21と、気液溶解タンク20の下部の流路に備えられた減圧ノズル22と、気液溶解タンク20の下部に備えられ、気液溶解タンク20に接続される流路を、遮断、連通する第1流体遮断弁13と、を備え、気体が充填され第1流体遮断弁13により閉じられた気液溶解タンク20に、給水ライン31aから流体ノズル21を介して水道水が供給され、所定時間の後、給水ライン31aを開放し、減圧ノズル22を通過することで、浴槽50に微細気泡発生装置10を含む温水を供給することを特徴とするので、単純な構造で微細気泡を発生させることができ、イニシャルコストを下げ、風呂用給湯装置30をコンパクトにできるので取り付け可能な環境が限定されにくくなる。
【0056】
すなわち、風呂用給湯装置30内にコンパクトに構成された微細気泡発生装置10を備えているので、既設の風呂設備に微細気泡発生装置10を付加しようとする場合は、風呂用給湯装置30を交換することで、微細気泡発生機能を付加することが可能になる。
これによって、蛇口などに邪魔なアダプターを付けることも必要なくなり、風呂用給湯装置30を操作することで、微細気泡を含んだ温水を浴槽50に供給することが可能となる。
さらに、構造が単純であり、安価な部品から構成されているためコストが安く、水道水の圧力を利用するため、風呂循環ポンプ17の能力を上げる必要もなく、風呂用給湯装置30を交換するだけで取り付け工事が終了するため、イニシャルコストを下げることが可能となる。
【0057】
(2)(1)に記載する風呂用給湯装置において、
微細気泡発生装置10が、気液溶解タンク20に気体を供給するための吸気口32aと、気液溶解タンク20の上部に備えられ、吸気口32aから気液溶解タンク20に接続する流路と、給水ライン31aから気液溶解タンク20に接続する流路と、を切り替えるための三方電磁弁12と、三方電磁弁12及び第1流体遮断弁13を制御するためのコントローラ18と、を備え、
コントローラ18は、
(A)三方電磁弁12を、吸気口32aから気液溶解タンク20に連通するように制御し、第1流体遮断弁13を、気液溶解タンク20から液体又は気体が排出できるように連通させ、吸気口32aから、気液溶解タンク20内に気体を充填する気体充填手段と、
(B)三方電磁弁12を、給水ライン31aから気液溶解タンク20に連通するように制御し、第1流体遮断弁13を遮断し、給水ライン31aから気液溶解タンク20に水道水を供給すると共に、水道水の水圧で気液溶解タンク20の内圧を上昇させる加圧溶解手段と、
(C)三方電磁弁12を、給水ライン31aから気液溶解タンク20に連通したまま、第1流体遮断弁13を開放することで、流体が減圧ノズル22を通過する微細気泡生成手段と、を有し、気体充填手段と、加圧溶解手段と、微細気泡生成手段とを順次切り替えることを特徴とするので、(1)と同様の効果を奏する。
【0058】
(第3実施例)
次に、第3実施例の構成について説明する。
第3実施例は、第1実施例と微細気泡発生装置10の構成について、減圧ノズル22が異なる。
図11には、第3実施例の減圧弁の構造について示しており、図11(a)には、第3実施例の減圧弁の流路下流側から見た図を示している。また、図11(b)には、第3実施例の減圧弁の断面図を示している。
第3実施例の減圧ノズル22は、微細気泡発生装置10から減圧ノズル22が分離されて水平方向に設置されており、オリフィス部22a、円錐部22b、メッシュ22c、吐出孔22dの他に、減圧ノズル入力部22e、及び渦流発生部22fを備えている。
【0059】
減圧ノズル入力部22eは、減圧ノズル22の上流側に設けられ、ここから微細気泡発生装置10より供給される水道水を取り入れる。
減圧ノズル入力部22eの内径は、渦流発生部22fの内径に比べて1/3弱の径となっており、円筒形状の減圧ノズル22に対して法線方向に取り付けられている。
一方、渦流発生部22fは、円筒形状の部分と円錐形状の部分からなり、オリフィス部22aに接続されている。そして、渦流発生部22fの円筒形状の部分の法線方向に減圧ノズル入力部22eが取り付けられている。
その他の部分は、図5(a)及び図5(b)に示した第1実施例の減圧ノズル22と同様の構成である。
この減圧ノズル22は、風呂用給湯装置30に組み込まれ、図6に示した第1実施例の風呂用給湯装置30の構成と、図10に示した第2実施例の風呂用給湯装置30の構成のどちらにでも適用可能である。
取り付け位置に関しては、微細気泡発生装置10の下部であって、水抜口32bと追焚往ライン33bの分岐前、又は、分岐後の追焚往ライン33bに減圧ノズル22が水平になるように取り付けられる。
【0060】
第3実施例はこのように構成されるので、以下のような作用、効果を奏する。
微細気泡発生装置10は、第1実施例でも触れたが、図3に示す長さaが内径bに比べて長い必要があるために、風呂用給湯装置30に内蔵させることが難しい場合がある。
このようなケースでは、気液溶解タンク20から減圧ノズル22を分離させて取り付けることで、微細気泡発生装置10を風呂用給湯装置30に内蔵しやすくすることができる。
前述したように、減圧ノズル22は気液溶解タンク20から分離しても、機能上で大きな差異はないため、気液溶解タンク20から分離して減圧ノズル22を設置することで、風呂用給湯装置30をコンパクトに構成できる点はメリットが大きい。
【0061】
ところで、第1実施例及び第2実施例においても減圧ノズル22を気液溶解タンク20から分離して構成することは可能であるが、減圧ノズル22を分離した際に減圧ノズル22の設置方向によっては、大きな気泡が発生しやすくなることがある。
例えば、図5(a)及び図5(b)の第1実施例に示した減圧ノズル22を水平方向に設置すると、大きな気泡が発生しやすいことを実験で確認している。
このことは、浴槽50に供給する白濁したお湯に混入している微細気泡を大きく成長させやすくするという問題を発生させ、白濁度を低下させてしまう。
このような問題に対処するために、減圧ノズル22を水平に設置する場合には、図11に示したような構成にすることで、大きな泡を発生しにくくすることが可能となる。
【0062】
具体的には、減圧ノズル22を水平方向に設置し、この減圧ノズル22に対して、減圧ノズル入力部22eを減圧ノズル22の法線方向に設けて、気液溶解タンク20から供給される微細気泡の混入した水道水を流すことで、渦流発生部22f中で渦状の流れを発生させることができる。
これは、減圧ノズル22に対して減圧ノズル入力部22eが法線方向に接続されているため、渦流発生部22fの内壁に沿って、気液溶解タンク20からの水圧がかかった水流が流れ込み、渦流発生部22fの円筒部で渦状の流れを形成するのである。
この結果、渦状の流れのまま水道水はオリフィス部22aを通過し、吐出孔22d及びメッシュ22cを通過することで、大きな気泡を発生せずに浴槽50に微細気泡が混入した水道水を供給することが可能である。
【0063】
この原理について、はっきりしたことは分かっていないが、減圧ノズル22を垂直方向に設置する場合には、気液溶解タンク20から供給される際にかかる0.2MPa程度の水圧の他に、水の自重の助けがある為に大きな気泡ができにくくなっているのに対し、減圧ノズル22が水平方向に設置される場合には、水の自重が渦流発生部22f内で不均一に働くために悪影響を及ぼすのではないかと推察される。
このため、減圧ノズル入力部22eを減圧ノズル22の法線方向に設置し、渦流発生部22f内で渦状の流れを作ってやることで、オリフィス部22aを通過する際の水の自重の影響を軽減する作用があるのだと考えられる。
したがって、例えば減圧ノズル22に対して、減圧ノズル入力部22eを垂直でなく、多少角度を付けて減圧ノズル22の法線方向に接続してやれば、より流れがスムーズになると考えられ、このように施工することを妨げない。
【0064】
なお、実験では、渦流発生部22fの内径φ20mmに対して、減圧ノズル入力部22eの内径はφ8mmとしている。減圧ノズル入力部22eの内径は、大きすぎると渦流発生部22fで有効に渦状の流れを形成することができず、逆に小さすぎると減圧ノズル入力部22eでの流量が絞られてしまうため問題となった。
したがって、減圧ノズル入力部22eの内径は、オリフィス部22aよりも若干大きくすることで、必要流量を確保し、かつ渦流発生部22f内で有効に渦状流れが確保できる程度に設定することが必要である。
【0065】
以上に説明した、第3実施例の微細気泡発生装置及び風呂用給湯装置によれば、以下のような優れた作用、効果が得られる。
(1)浴槽に微細気泡を含む温水を供給する微細気泡発生装置10を備えた風呂用給湯装置において、
微細気泡発生装置10は、液体中に気体を溶解させるための気液溶解タンク20と、気液溶解タンク20に水道水を供給する給水ライン31aと、気液溶解タンク20の上部に備えられる複数の小孔を有する流体ノズル21と、気液溶解タンク20の下部の流路に備えられた減圧ノズル22と、気液溶解タンク20の下部に備えられ、気液溶解タンク20に接続される流路を、遮断、連通する第1流体遮断弁13と、を備え、気体が充填され第1流体遮断弁13により閉じられた気液溶解タンク20に、給水ライン31aから流体ノズル21を介して水道水が供給され、所定時間の後、給水ライン31aを開放し、減圧ノズル22を通過することで、浴槽50に微細気泡発生装置10を含む温水を供給することを特徴とするので、単純な構造で微細気泡を発生させることができ、イニシャルコストを下げ、風呂用給湯装置30をコンパクトにできるので取り付け可能な環境が限定されにくくなる。
【0066】
すなわち、風呂用給湯装置30内にコンパクトに構成された微細気泡発生装置10を備えているので、既設の風呂設備に微細気泡発生装置10を付加しようとする場合は、風呂用給湯装置30を交換することで、微細気泡発生機能を付加することが可能になる。
これによって、蛇口などに邪魔なアダプターを付けることも必要なくなり、風呂用給湯装置30を操作することで、微細気泡を含んだ温水を浴槽50に供給することが可能となる。
さらに、構造が単純であり、安価な部品から構成されているためコストが安く、水道水の圧力を利用するため、風呂循環ポンプ17の能力を上げる必要もなく、風呂用給湯装置30を交換するだけで取り付け工事が終了するため、イニシャルコストを下げることが可能となる。
【0067】
(2)(1)に記載する風呂用給湯装置において、
微細気泡発生装置10が、気液溶解タンク20に気体を供給するための吸気口32aと、気液溶解タンク20の上部に備えられ、吸気口32aから気液溶解タンク20に接続する流路と、給水ライン31aから気液溶解タンク20に接続する流路と、を切り替えるための三方電磁弁12と、三方電磁弁12及び第1流体遮断弁13を制御するためのコントローラ18と、を備え、
コントローラ18は、
(A)三方電磁弁12を、吸気口32aから気液溶解タンク20に連通するように制御し、第1流体遮断弁13を、気液溶解タンク20から液体又は気体が排出できるように連通させ、吸気口32aから、気液溶解タンク20内に気体を充填する気体充填手段と、
(B)三方電磁弁12を、給水ライン31aから気液溶解タンク20に連通するように制御し、第1流体遮断弁13を遮断し、給水ライン31aから気液溶解タンク20に水道水を供給すると共に、水道水の水圧で気液溶解タンク20の内圧を上昇させる加圧溶解手段と、
(C)三方電磁弁12を、給水ライン31aから気液溶解タンク20に連通したまま、第1流体遮断弁13を開放することで、流体が減圧ノズル22を通過する微細気泡生成手段と、を有し、気体充填手段と、加圧溶解手段と、微細気泡生成手段とを順次切り替えることを特徴とするので、(1)と同様の効果を奏する。
【0068】
(3)(1)又は(2)に記載する風呂用給湯装置30において、
減圧ノズル22は、入力部と、オリフィス部22aと、出力部から成り、円筒形の流路に水平方向に形成され、渦流発生部22fには、円筒形の流路の流れ方向に対して垂直に減圧ノズル入力部22eが接続され、渦流発生部22fからオリフィス部22aにかけて円錐状に口径が絞られ、オリフィス部22aは、流体ノズル21の有する複数の小孔21aの合計面積よりも、開口面積が狭くなるように口径が絞られ、出力部には、オリフィス部22aから出力部にかけて円錐状に広がる面と、隙間を介して、複数の吐出孔22dが設けられた円錐壁面を備え、吐出孔22dの下流にメッシュ22cが設けられており、
減圧ノズル入力部22eに気液溶解タンク20から水道水が供給されることで、水道水が渦流発生部22fの外周部において流れに対して垂直方向に渦状の流れを作り、オリフィス部22aに導かれ、隙間を介して吐出孔22d及びメッシュ22cを通過することを特徴とするので、(1)又は(2)の風呂用給湯装置30の備える微細気泡発生装置10の減圧ノズル22の特定条件下での効果を高めることが可能になる。
【0069】
前述した(1)又は(2)の風呂用給湯装置30の備える微細気泡発生装置10の減圧ノズル22を風呂用給湯装置30の内部のレイアウトの関係で水平設置する必要がある場合、大きな泡が発生しやすかった。
具体的には特許文献2に示される形状の減圧ノズル22は、気液溶解タンク20の下部であって、垂直方向に配置される場合は大きな気泡は発生しにくいが、水平方向に配置すると気泡が発生しやすくなってしまうのである。
そこで、減圧ノズル22を水平方向に設置する際には、上記構成の通り減圧ノズル入力部22eを円筒形の流路の流れ方向に対して垂直に設置してやることで、水道水が渦流発生部22fの外周部をおいて流れに対して垂直方向に渦状の流れを作ることで、減圧ノズル22を通過する際に大きな泡の発生を抑制する効果がある。
減圧ノズル22で大きな泡が発生しなければ、その後の配管内で泡が生長して浴槽50に到達した時点で白濁度を低下させることが無く、入浴感を高めることに貢献する。
また、複雑な機構を必要としないので、不要にイニシャルコストを上げることにならない。
【0070】
(第4実施例)
次に、第4実施例の構成について説明する。
第4実施例は、基本的には第1実施例と同様の原理に基づく発明であるが、構造を簡易化している点で異なる。
図12に、第4実施例の微細気泡発生装置10を浴室に配置した構成図を示している。
この図12は、第1実施例の図7に対応するものであり、簡易微細気泡発生装置10aを風呂用給湯装置30に内蔵するのではなく、浴室60に設置している点で異なる。
また、簡易微細気泡発生装置10a自体の構成についても、第1実施例の微細気泡発生装置10とは若干異なる。以下に、その違いから説明をしていく。
まず、簡易微細気泡発生装置10aの微細気泡発生器11には、第1流体遮断弁13を備えていない。また、コントローラ18も備えていない。又、三方電磁弁12を備える代わりに三方手動弁12aを備えている。
したがって、簡易微細気泡発生装置10aは、気液溶解タンク20、流体ノズル21、及び減圧ノズル22と、三方手動弁12aを備え、吸気口32aと分岐給湯ライン39aが三方手動弁12aに接続され、微細気泡発生器11からは、浴槽50内部に微細気泡を含んだお湯を供給できるように微細気泡水供給ライン39bが接続されている。
なお、減圧ノズル22は、気液溶解タンク20の下面に設けても良いし、微細気泡水供給ライン39bの途中か先端に設けても良い。
【0071】
上記したものの内、分岐給湯ライン39aは、給水ライン31aより分岐されるものであり、給湯栓55の手前で給水ライン31aより分岐され、簡易微細気泡発生装置10aの備える三方手動弁12aに接続されている。
この分岐給湯ライン39aは、例えば浴室60に備えられるシャワーの接続のような感じで、分岐されるものであるので、容易に接続が可能である。
また、三方手動弁12aについては、第1実施例の三方電磁弁12とその働きは殆ど変わらないが、コントローラ18によって制御されるものではなく、三方手動弁12aに設けられたハンドル14で、吸気口32a及び分岐給湯ライン39aと、微細気泡発生器11への接続を変更するものである。
このような簡易微細気泡発生装置10aは、浴室60内に、三方手動弁12a側を上として設置される必要があり、浴槽50の水面より高い位置の浴室60の壁に掛けられる等の方法で設置される。
なお、簡易微細気泡発生装置10aは第1実施例等の微細気泡発生装置10とほぼ原理は同様であるため、風呂用給湯装置30に内蔵しても良い。
【0072】
第4実施例はこのように構成されるので、以下のような作用、効果を奏する。
簡易微細気泡発生装置10aは、使用を開始するのにあたり、第1実施例で説明したように気液溶解タンク20内に気体を満たす必要がある。
そこで、ハンドル14で三方手動弁12aを吸気口32aに接続するように切り換えておく。
吸気口32aと気液溶解タンク20が連通されると、気液溶解タンク20内部に水が溜まっている場合には、気液溶解タンク20内部の水は、水の自重によって微細気泡水供給ライン39bを通って排出される。この際に、気液溶解タンク20の位置が浴槽50の水面の位置より低く、空気を気液溶解タンク20に導入されることが阻害されてしまうことがないように、設置位置を工夫する等の注意が必要である。
【0073】
気液溶解タンク20内に空気が満たされた段階で、ハンドル14を切り換えて、今度は分岐給湯ライン39aと気液溶解タンク20を連通させる。
すると、気液溶解タンク20には空気が満たされており、分岐給湯ライン39aより供給され、流体ノズル21を通過したお湯が、シャワー状に気液溶解タンク20内部に供給されていく。この結果、気液溶解タンク20内部の空気よりも重いお湯は、微細気泡水供給ライン39bより排出されることになり、気液溶解タンク20内部では、お湯が下側に溜まり、上側に空気が溜まっている状態となる。
【0074】
ここで、簡易微細気泡発生装置10aが有効に働くためには、流体ノズル21より減圧ノズル22の有効断面積が小さい必要がある。具体的には、複数設けられた小孔21aの合計面積が、減圧ノズル22のオリフィス部22aよりも多い必要があり、第1実施例でも示したように、その様な構成となっているため、分岐給湯ライン39aから供給されるお湯の量よりも、微細気泡水供給ライン39bから排出されるお湯の量は少なく、したがって、気液溶解タンク20の内圧は次第に上昇する。
分岐給湯ライン39aからのお湯は、水道水の圧力分、約0.2MPaかかっているとすると、気液溶解タンク20の内圧が0.2MPaまで上昇する。気液溶解タンク20の内圧が0.15MPa以上になれば、気液溶解が必要なだけ行われ、微細気泡水供給ライン39bから供給される微細気泡を含んだお湯によって、浴槽50内を白濁させることができる。
【0075】
なお、第1実施例に比べて、第1流体遮断弁13を備えていないために気液溶解タンク20の内圧を上げるまでに時間がかかり、三方手動弁12aを切り換えた後、5〜6秒は微細気泡を含まないお湯が供給されることになるが、その後は第1実施例等と同様に微細気泡を含んだお湯を供給することが可能となる。
また、気液溶解タンク20内に取り込む空気は気液溶解タンク20の容量分しか無いために、連続的に微細気泡を発生することは出来ず、例えば20L程度のお湯を浴槽50に供給する、いわゆる差し湯の際に利用することが効果的である。
一回の微細気泡発生プロセスを20Lとして、再度ハンドル14によって三方手動弁12aを切り換えて、空気を充填し、再び差し湯を行うバッチ運転的な運用を行えば、微細気泡によって白濁したお湯を楽しむことができる。
また、微細気泡水供給ライン39bをホースのような柔らかい素材で構成するようにすれば、入浴中に肩から微細気泡を含んだお湯を掛ける等の楽しみ方も考えられる。
【0076】
このような作用によって、第1実施例乃至第3実施例に記載したように、微細気泡を含んで白濁したお湯を浴槽50に満たして入浴することが可能となり、入浴を楽しむことができる。
また、第1実施例等に記載される微細気泡発生装置10と比べて、簡易微細気泡発生装置10aは、第1流体遮断弁13やコントローラ18を含まず、三方電磁弁12も三方手動弁12aで済むためにコストが安く済み、設置も給湯栓55前で分岐する程度の工事で済むためにコストが安くなる。
さらに、構造が簡易になるために故障等が少なくなり、メンテナンスも容易になるというメリットがある。
【0077】
以上に説明した、第4実施例の微細気泡発生装置10及び風呂用給湯装置30によれば、以下のような優れた作用、効果が得られる。
(1)浴槽50に微細気泡を含む水道水を供給する簡易微細気泡発生装置10aにおいて、
気液溶解タンク20と、吸気口32aと、分岐給湯ライン39aと、気液溶解タンク20の上部に備えられ、吸気口32aから気液溶解タンク20に接続する流路と、分岐給湯ライン39aから気液溶解タンク20に接続する流路と、を切り替えるための三方手動弁12aと、気液溶解タンク20の上面に形成され、複数の小孔を有する流体ノズル21と、気液溶解タンク20の下面に接続する流路に備えられ、流体ノズル21よりも口径が絞られた減圧ノズル22と、を備え、
吸気口32aから気体が充填された気液溶解タンク20に、三方手動弁12aで吸気口32aから気液溶解タンク20に接続する流路から、分岐給湯ライン39aから気液溶解タンク20に接続する流路に切り換えることで、分岐給湯ライン39aから流体ノズル21を介して水道水が供給され、水道水が減圧ノズル22を通過することで、水道水に微細気泡を含む微細気泡水を浴槽50に供給することを特徴とするので、(1)乃至(3)の風呂用給湯装置30とは別に簡易微細気泡発生装置10aを設置することが可能となる。
【0078】
上述した(1)の風呂用給湯装置30に備える簡易微細気泡発生装置10aは、三方手動弁12aを備えており、この三方手動弁12aにより遮断、連通して微細気泡を発生しているが、この三方手動弁12aを省いても簡易的に微細気泡を発生することが可能である。
上述の(1)においても(4)においても、気体を充填した気液溶解タンク20の内部に水道水を供給することで、供給する水道水の中に気体を溶解させる。
しかし、大気圧下では水道水の中に溶解する気体の量は、微細気泡を発生するには不十分である。そこで、(1)では三方手動弁12aを用いて、気液溶解タンク20より下流の流路を遮断し、水道水を供給することで、水道水の水圧により加圧され、気液溶解タンク20内の圧力が上昇して、水道水の中に気体が溶解しやすくなる。これは液体中の気体溶解量が圧力に比例するためである。
【0079】
しかし、この効果は流体ノズル21の開口面積に対して減圧ノズル22の開口面積を小さくすることでも、実現可能である。これは、気液溶解タンク20へ供給される水道水の量よりも気液溶解タンク20から排出される水道水の量が少なければ、次第に気液溶解タンク20の内圧は上昇するという作用によるものである。
そして、第1実施例乃至第4実施例の方法の何れにおいても、供給口から供給される水道水の水圧と同等になるまで、気液溶解タンク20の内部は加圧される。このことにより、前述したように気体が水道水の中に溶解することとなり、減圧ノズル22を通過する際に水道水の圧力は低下し、溶解していた気体が水道水中に開放される。
その結果、浴槽50には微細気泡を含んだ状態の水道水が供給されることになるのである。
【0080】
上述したような(1)の構成を採ることで、安価に簡易微細気泡発生装置10aを提供することが可能となる。なお、(1)の構成によれば、水道水を供給して三方手動弁12aによって吸気口32aと分岐給湯ライン39aを切り換えることで微細気泡を発生させることが可能となるため、例えば三方手動弁12aによって吸気口32aと分岐給湯ライン39aを切り換えるようにすれば、複雑な制御も必要とせず、コンパクトな簡易微細気泡発生装置10aを提供することができる。
その結果、例えば浴室60の給湯栓55から分岐した配管に接続する簡易な簡易微細気泡発生装置10aとして使用することが可能となり、手軽に微細気泡を発生することができる。
【0081】
(2)(1)に記載する簡易微細気泡発生装置10aを備えることを特徴とする風呂用給湯装置30であるので、第1実施例乃至第3実施例の風呂用給湯装置30よりも、さらにコストダウンを図ることが可能である。
【0082】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、三方電磁弁12を遮断弁2つ用いるような構成にしたり、第1流体遮断弁13及び第3流体遮断弁38bを三方電磁弁にしたりといった、設計上の変更を施すことを妨げない。
また、第1実施例には実験に用いた機器の寸法を記載しているが、特にこの数値に限定するものではなく、設計によって変更可能である。
また、第4実施例において、簡易微細気泡発生装置10aを風呂用給湯装置30に内蔵することを妨げないし、簡易微細気泡発生装置10aにコントローラ18及び第1流体遮断弁13を備えても良い。この場合には、コントローラ18に電源を供給する必要があるので、工事が大がかりになるが、分岐給湯ライン39aからお湯を供給開始してから5〜6秒の間、簡易微細気泡発生装置10aから微細気泡が発生しない点を解消することができる。
さらに、第1実施例乃至第4実施例において、吸気口32aに例えば酸素を供給するカートリッジを用いれば、酸素の微細気泡を発生させることも可能であり、入浴感を高め、湯上がり時に湯冷めしにくいといった効果が得られるなど、様々な運用が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】第1実施例の、微細気泡発生装置の構成図を示しめしている。
【図2】第1実施例の、微細気泡発生器の断面を模式的に示している。
【図3】第1実施例の、気液溶解タンクの断面図を示している。
【図4】(a)第1実施例の、流体ノズルの気液溶解タンクに取り付けた状態での断面図を示している。(b)第1実施例の、流体ノズルの下面から見た図を示している。
【図5】(a)第1実施例の、減圧ノズルの断面図を示している。(b)第1実施例の、減圧ノズルの下面を示している。
【図6】第1実施例の、風呂用給湯装置のシステム構成図を示している。
【図7】第1実施例の、風呂用給湯装置を浴槽に接続する構成図を示している。
【図8】(a)第1実施例の、気体充填運転をするプロセスを示している。(b)第1実施例の、加圧溶解運転をするプロセスを示している。(c)第1実施例の、微細気泡生成運転をするプロセスを示している。
【図9】第1実施例の、白濁度と運転時間の関係を表すグラフを示している。
【図10】第2実施例の、風呂用給湯装置のシステム構成図を示している。
【図11】(a)第3実施例の、減圧ノズルの断面図を示している。(b)第3実施例の、減圧ノズルの側面を示している。
【図12】第4実施例の、簡易微細気泡発生装置を浴槽に設置した構成図を示している。
【図13】特許文献1の、浴槽システムの構成図を示している。
【図14】特許文献2の、微細気泡発生ノズルを示している。
【符号の説明】
【0084】
10 微細気泡発生装置
11 微細気泡発生器
12 三方電磁弁
13 第1流体遮断弁
14 ハンドル
17 風呂循環ポンプ
18 コントローラ
19 リモコン
20 気液溶解タンク
21 流体ノズル
21a 小孔
22 減圧ノズル
22a オリフィス部
22b 円錐部
22c メッシュ
22d 吐出孔
22e 減圧ノズル入力部
22f 渦流発生部
30 風呂用給湯装置
31a 給水ライン
31b 給湯ライン
32a 吸気口
32b 水抜口
33a 追焚戻ライン
33b 追焚往ライン
34 分岐ライン
35 給湯用熱交換部
35a 給湯用熱交換器
36 追焚用熱交換部
36a 追焚用熱交換器
37 逆止弁
38 バイパスライン
38a 第2流体遮断弁
38b 第3流体遮断弁
38c 第4遮断弁
38d 第5流体遮断弁
50 浴槽
51 給湯金具
55 給湯栓
60 浴室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽に微細気泡を含む温水を供給する微細気泡発生装置を備えた風呂用給湯装置において、
前記微細気泡発生装置は、
液体中に気体を溶解させるための気液溶解タンクと、
前記気液溶解タンクに水道水を供給する給水口と、
前記気液溶解タンクの上部に備えられる複数の小孔を有する流体ノズルと、
前記気液溶解タンクの下部の流路に備えられた減圧ノズルと、
前記気液溶解タンクの下部に備えられ、前記気液溶解タンクに接続される流路を、遮断、連通する流体遮断手段と、
を備え、
気体が充填され前記流体遮断手段により閉じられた前記気液溶解タンクに、前記給水口から前記流体ノズルを介して前記水道水が供給され、
所定時間の後、前記流体遮断手段を開放し、前記減圧ノズルを通過することで、前記浴槽に前記微細気泡を含む温水を供給することを特徴とする風呂用給湯装置。
【請求項2】
請求項1に記載する風呂用給湯装置において、
前記微細気泡発生装置は、
前記気液溶解タンクに気体を供給するための吸気口と、
前記気液溶解タンクの上部に備えられ、
前記吸気口から前記気液溶解タンクに接続する流路と、
前記給水口から前記気液溶解タンクに接続する流路と、
を切り替えるための流路切換手段と、
前記流路切換手段及び前記流体遮断手段を制御するためのコントローラと、を備え、
前記コントローラは、
(A)前記流路切換手段を、前記吸気口から前記気液溶解タンクに連通するように制御し、前記流体遮断手段を、前記気液溶解タンクから液体又は気体が排出できるように連通させ、
前記吸気口から、前記気液溶解タンク内に気体を充填する気体充填手段と、
(B)前記流路切換手段を、前記給水口から前記気液溶解タンクに連通するように制御し、前記流体遮断手段を遮断し、
前記給水口から前記気液溶解タンクに前記水道水を供給すると共に、前記水道水の水圧で前記気液溶解タンクの内圧を上昇させる加圧溶解手段と、
(C)前記流路切換手段を、前記給水口から前記気液溶解タンクに連通したまま、前記流体遮断手段を開放することで、流体が前記減圧ノズルを通過する微細気泡生成手段と、を有し、
前記気体充填手段と、前記加圧溶解手段と、前記微細気泡生成手段とを順次切り替えることを特徴とする風呂用給湯装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載する風呂用給湯装置において、
前記減圧ノズルは、
入力部と、オリフィス部と、出力部から成り、円筒形の流路に水平方向に形成され、
前記入力部には、
前記円筒形の流路の流れ方向に対して垂直に細管が接続され、前記入力部から前記オリフィス部にかけて円錐状に口径が絞られ、
前記オリフィス部は、
前記流体ノズルの有する前記複数の小孔の合計面積よりも、開口面積が狭くなるように口径が絞られ、
前記出力部には、
前記オリフィス部から前記出力部にかけて円錐状に広がる面と、隙間を介して、複数の吐出孔が設けられた円錐壁面を備え、前記吐出孔の下流に多孔体が設けられており、
前記細管に前記気液溶解タンクから前記水道水が供給されることで、前記水道水が前記入力部の外周部の法線方向に沿って渦状の流れを作り、オリフィス部に導かれ、前記隙間を介して前記吐出孔及び前記多孔体を通過することを特徴とする風呂用給湯装置。
【請求項4】
浴槽に微細気泡を含む水道水を供給する微細気泡発生装置において、
液体中に気体を溶解させるための気液溶解タンクと、
前記気液溶解タンクに気体を供給するための吸気口と、
前記気液溶解タンクに前記水道水を供給する給水口と、
前記気液溶解タンクの上部に備えられ、
前記吸気口から前記気液溶解タンクに接続する流路と、
前記給水口から前記気液溶解タンクに接続する流路と、
を切り替えるための流路切換手段と、
前記気液溶解タンクの上面に形成され、複数の小孔を有する流体ノズルと、
前記気液溶解タンクの下面に接続する流路に備えられ、前記流体ノズルよりも口径が絞られた減圧ノズルと、
を備え、
前記吸気口から気体が充填された前記気液溶解タンクに、前記流路切換手段で前記吸気口から前記気液溶解タンクに接続する流路から、前記給水口から前記気液溶解タンクに接続する流路に切り換えることで、前記給水口から前記流体ノズルを介して前記水道水が供給され、
前記水道水が前記減圧ノズルを通過することで、前記水道水に前記微細気泡を含む微細気泡水を前記浴槽に供給することを特徴とする微細気泡発生装置。
【請求項5】
請求項4に記載する微細気泡発生装置を備えることを特徴とする風呂用給湯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−301281(P2007−301281A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−134964(P2006−134964)
【出願日】平成18年5月15日(2006.5.15)
【出願人】(000221834)東邦瓦斯株式会社 (440)
【Fターム(参考)】