説明

微量放射線による浴用材

【課題】 本発明は浴湯に浸漬するだけで、ホルミシス効果により医療効果を有する浴用材に関するものであって湯又は水中においても容易に溶解することのないα、β、γ各放射線を発生させホルミシス効果を有する浴用材を受けることを目的とする。
【解決手段】 石英質ウラン鉱石塊1の表面1’にラジウム鉱石粉末2を部分的に塗布又は散布し、1250℃に加熱することにより該粉末2を上記表面1’の石英質に融着させてなる微量放射線による浴用材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は浴湯に浸漬するだけで、ホルミシス効果により医療効果を有する浴用材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
微量の放射線効果がもたらす医療効果(ホルミシス効果)とは微量の放射線が、免疫系の働きをするリンパ球(ヘルパーT細胞)を活性化させる効果、微量の放射線が、ガン抑制遺伝子を活性化する効果、微量の放射線が、体内のDNAのミスコピーを修復するDNAの損傷修復酵素を作り出す等の医療効果である。
【0003】
一般的な微量放射線効果として大量の発汗作用によって得られるデトックス効果(体内浄化)が知られている。この様な効果が得られると言われている温泉に、秋田県の玉川温泉があるが、世界屈指のラジウム泉として有名であり、日本屈指のラジウム含有量を誇る三朝温泉の放射性物質の濃度32.3マッヘに対し、玉川温泉は0.76マッヘしかなく、ラドン温泉のラドン基準値5.5マッヘには達していない。
【0004】
にもかかわらず其の効能の高さは何故かと言う点に注目、一説には、玉川温泉のラドン量の少なさは、源泉から98度と言う高温で噴出していることになる、もっと低温であればラドンは温泉の中に混じって噴出することが考えられる、しかし高温であるためラドンは温泉の中に留まらず空気中に放出されてしまう、しかしこれはラジウムが気化してラドンになることのみを考えたことである、したがって入浴によるラドン効果はかなり限定的であると考える一方、ラジウムの放射線を考えてみると、放射線には電磁波と粒子波とに分けられる。
【0005】
X線やγ線は電磁波であり、α線やβ線は粒子波である。ラジウムからはα線が出ているが、α線はそれぞれ2つの陽子と中性子から成っているが、一般的には、α線は停止するまでに空気中を3cm〜6cmほどしか進むことが出来ず、紙切れ1枚貫通することができない性質を持っている。
【0006】
ウラン鉱石からはβ線と微量のγ線が出ており、X線よりも短い波長であり、γ線の物質への貫通力が強くこの特性が、微量で有益な効果(ホルミシス効果)の源になっていると考えられる。
【0007】
β線は、1つの原子から放出された1つの電子から成るβ粒子でγ線より質量が大きくエネルギーが低いためγ線やX線ほど物質への貫通能力は無い、しかし現時点に置いては、人体にとってはどの放射線が一番有益であるかは解明されていない。
【0008】
放射線は、自然現象であり電離放射線は個々の原子をイオン化し其の構造を変える性質を持っているが、電離放射線としての自然物質は量も一般的なウランとウランの崩壊によって発生した物質である。
【0009】
現在市販されている、浴槽に入れる又は飲料水に入れる微量放射線発生器は、其のほとんどがラジウム鉱石をパウダー化、セラミックスに練り込み高温処理したものがほとんどである。
【0010】
この場合セラミックス内部のα線は発生できず表面部分のみの放射に限られ非常に非効率である、又一部のラジウム鉱石を除いては、鉱石の崩壊度が進み水に浸けると直ぐに溶解すると言う問題があった。
【0011】
即ちコンクリート製の舗装用資材であるブロックの表層材に放射性元素を混ぜ込み歩行者にホルシミス効果を与えるものが開発されている(例えば特許文献1)。
【0012】
又、天然放射性稀有元素鉱物の微粉末を配合焼結させたセラミックス製皮膚貼付突起が開発された(例えば特許文献2)。
【0013】
さらに、天然放射性元素鉱物とセラミックス原料とを配合、成形、焼成して成形したセラミックス製浴場改質材が開発されている(例えば特許文献3)。
【0014】
しかしセメントコンクリートブロック舗装材の表面に放射性元素を混ぜ込んでなるものは歩行することにより、放射性元素は粉状に分離分散し、風雨によって飛散流出するし、セメントコンクリートの表面から分離散乱し易いという問題がある。
【0015】
天然放射性稀有元素鉱物の微粉末を粘土(セラミックス)と配合焼結したものは放射性微粉末が粘土内に練り込まれると内部の放射線(α線)は発生できず、表面部分のみの放射に限られ、非常に非効率である。又一部のラジウム鉱石を除いては、鉱石の崩壊度が進み、水に溶けると直ちに溶解するという問題点がある。
【0016】
【特許文献1】特開2001−11805号
【特許文献2】特開2004−337559号
【特許文献3】特開2006−34736号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は湯又は水中においても容易に溶解することのないα、β、γ各放射線を発生させホルミシス効果を有する浴用材を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記の目的を達成するため本発明は、
第1に石英質ウラン鉱石塊の表面にラジウム鉱石粉末を部分的に塗布又は散布し、高温加熱により該粉末を上記表面の石英質に融着させてなる微量放射線による浴用材、
第2に高温加熱が1250℃である上記第1発明記載の微量放射線による浴用材、
第3に表面にラジウム鉱石粉末を部分的に塗布又は散布した石英質ウラン鉱石塊をセラミックス皿上に載置した状態で高温加熱する上記第1又は第2発明記載の微量放射線による浴用材、
によって構成される。
【0019】
従って石英質ウラン鉱石表面の石英質にラジウム鉱石粉末が融着し、湯又は水中においても容易に溶解することがなく、かつラジウム鉱石粉末をウラン鉱石に融着させることにより1個の鉱石でα、β、γの各放射線を発生させることができる。
【0020】
又上記石英質ウラン鉱石塊をセラミックス皿上に載置し高温加熱して該皿と1体の浴用材となし得るものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明は上述のように構成したので
石英質ウラン鉱石塊の表面にラジウム鉱石粉末が部分的に1体に融着し得てラジウムによるα線が上記ウラン鉱石表面から放出され、かつウラン鉱石表面からはβ線と微量のγ線が放出されホルミシス効果を生ずる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
石英質(花崗岩質)ウラン鉱石塊1(低品位)(約50mm×50mm×30mm)の表面1’にラジウム鉱石粉末2を部分的に塗布又は散布する。
【0023】
この状態の鉱石塊1を炉内で高温(1000℃〜1250℃〜1500℃)で加熱すると表面1’の石英は溶融し、上記ラジウム鉱石粉末2をこれに融着し、炉外において冷却させる。
【0024】
上記ウラン鉱石塊1をセラミックス皿3(粘土皿)上に載置し、その状態のまま炉内でセラミックス皿3と共に1体に高温加熱することができる。
【0025】
部分的に上記鉱石塊1の表面1’の石英に融着したラジウム鉱石粉末2からはα線を放出し、ウラン鉱石からはβ線と微量の短い波長のγ線が出ていてホルミシス効果を発揮する。
【0026】
上記ラジウム鉱石粉末2は上記ウラン鉱石塊1の表面1’の石英に融着しているため表面1’から分離散乱することなく上記鉱石塊1と1体の鉱石塊として空気中又は水中において分離散乱することはなく、かつ上記塊1は上記セラミックス皿3にも1体に融着して石英及びラジウム鉱石粉末2が分離散乱するおそれはなく浴用に用いてホルミシス効果を発揮する。
【実施例1】
【0027】
ラジウム鉱石地帯に居留する自営業(64才の男性)の場合、
毎日ラドン水を飲用していたにも拘わらず、長年尋常性かい癬に悩まされていたが、上記鉱石塊1の10gを浴用に使用し10日間で完治した。
【実施例2】
【0028】
自営業(57才男性)の場合
長年原因不明の湿疹に悩んでいたが、上記鉱石塊1の12gを浴用に使用し1週間で完治した。
【産業上の利用可能性】
【0029】
上記ウラン鉱石塊1の表面1’にラジウム鉱石粉末2を部分的に塗布又は散布し、1250℃で該粉末2を上記塊1の石英表面に融着する。
【0030】
即ちウラン鉱石塊1の表面1’のガラス質が僅かに融解し、これに上記ラジウム鉱石粉末2が融着するため湯又は水中においても分離散乱することが無い。
【0031】
又1個の上記鉱石塊1でα、β、γの各放射線を発生させることができホルミシス効果を充分発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】セラミックス皿に載置し、表面にラジウム鉱石粉末を塗布又は散布して炉内で高温加熱した本願の1個の微量放射線による浴用材を示す斜視図である。
【図2】図1の縦断面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 石英質ウラン鉱石塊
1’ 表面
2 ラジウム鉱石粉末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
石英質ウラン鉱石塊の表面にラジウム鉱石粉末を部分的に塗布又は散布し、高温過熱により該粉末を上記表面の石英質に融着させてなる微量放射線による浴用材。
【請求項2】
高温加熱が1250℃である請求項1記載の微量放射線による浴用材。
【請求項3】
表面にラジウム鉱石粉末を部分的に塗布又は散布した石英質ウラン鉱石塊をセラミックス皿上に載置した状態で高温加熱する請求項1又は2記載の微量放射線による浴用材。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−259735(P2008−259735A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−105862(P2007−105862)
【出願日】平成19年4月13日(2007.4.13)
【出願人】(595015627)
【Fターム(参考)】