心不全を治療するための装置及び方法
【課題】心不全を治療するための装置及び方法を提供する。
【解決手段】患者における心不全を治療する装置10に係り、本体12を通る少なくとも1つの通路18、通路における少なくとも1つの逆止め弁20、及び、患者の心房中隔において与えられる孔に本体を取り付けるよう適合される取付け手段14を有する。使用時に、装置は、患者の左心房圧が右心房圧を所定の量分上回る際に逆止め弁が開放し、血液を左心房から右心房に通路を通って流すよう、方向付けられ、それによって左心房圧を低減する。
【解決手段】患者における心不全を治療する装置10に係り、本体12を通る少なくとも1つの通路18、通路における少なくとも1つの逆止め弁20、及び、患者の心房中隔において与えられる孔に本体を取り付けるよう適合される取付け手段14を有する。使用時に、装置は、患者の左心房圧が右心房圧を所定の量分上回る際に逆止め弁が開放し、血液を左心房から右心房に通路を通って流すよう、方向付けられ、それによって左心房圧を低減する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的に心不全の治療に対する装置及び方法に係り、より特には、心疾患の症状を緩和するための心臓血管系における高圧(高血圧)の緩和に対する装置及び方法に係る。
【背景技術】
【0002】
心疾患は、人間に影響を与える代表的且つ潜在的な死に至る状態であり、最大限の治療を行なっても、症状(symptoms)、病的状態(morbidity)、及び/又は死亡をしばしばもたらす次善の臨床転帰を有する。特には、「拡張心不全」は、維持された(preserved)左心室収縮機能(駆出分画(ejection fraction))との関連において、並びに大きな心臓弁膜症が無い場合に発生する、心不全の臨床的な症候群をさす。この状態は、拡張終期圧の増大につながる、低減されたコンプライアンス及び損なわれた弛緩を有する硬直した左心室によって特徴付けられる。心不全患者の約三分の1は、拡張心不全を有し、実証された効果的な治療は殆どない。
【0003】
拡張心不全の症状は、少なくとも大部分は左心房における圧力の上昇によるものである。拡張心不全に加えて、左心室の収縮機能障害及び血管疾病を含む複数の他の病状は、左心房における圧力の上昇につながり得る。左心室圧の上昇はしばしば、他の問題の中でもとりわけ急性又は慢性の息切れを引き起こす。加えて、多種の心臓の以上は、「右心不全」につながり得る。該右心不全は、肝臓の拡大(肝腫大)、腹部における体液貯留(腹水症)、及び/又は下肢のむくみをもたらし得る。
【0004】
過去には、右心房における高圧(高血圧)の緩和に関して、例えば左心房と右心房との間における本来の中隔又は外科的に作られた中隔において穴を作ることである、ストラテジーが説明されてきた。かかるストラテジーは、特定の複合的先天性心疾病に対する大静脈肺静脈接合又は肺高血圧症の稀な状態に対して設計されている。O’Loughlin外は近年、進行した肺高血圧症の苦痛緩和に対する有窓心房中隔欠陥閉鎖装置(fenestrated atrial septal defect closure device)について記述した。しかしながら、この装置は、両方向の流れ及び血栓の通過を可能にし、挿入の6ヶ月以内にわたって閉鎖されるよう示された。故に、血栓の通過の可能性を妨げるかあるいは最小限に抑える、左心房における高圧を緩和する装置は、依然として必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、特には左心室の拡張及び/又は収縮不全である心不全並びにその結果を治療する装置及び方法は、必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、患者における心不全を治療する装置が与えられる。当該装置は:
本体;
該本体を通る少なくとも1つの通路;
該通路における少なくとも1つの逆止め弁;及び、
患者の心房中隔において与えられる孔に本体を取り付けるよう適合される取付け手段(mounting means)、
を有する。当該装置は使用時、患者の左心房圧が患者の右心房圧を所定の量分(by predetermined amount)上回る際に、血液が左心房から右心房まで通路を通って流れるよう逆止め弁が開放し、それによって左心房圧が低減するよう、方向付けられる。
【0007】
本発明の第2の態様によれば、患者における心不全又は肺静脈高血圧症を治療する装置が与えられる。当該装置は:
本体;
該本体を通る少なくとも1つの通路;
該通路における少なくとも1つ逆止め弁;及び、
患者の静脈系において本体を取り付けるよう適合される取付け手段、
を有する。当該装置は使用時、血液が自然な流れ(natural flow)の方向とは反対方向において通路を通って流れることを逆止め弁が防ぐよう、方向付けられる。
【0008】
当該装置は、望ましくは、下大動脈、上大動脈、肝静脈、腸骨静脈、あるいは1つ又はそれより多くの肺静脈等である患者の静脈系における血管へと装着されるよう適合される。
【0009】
本発明の第3の態様によれば、患者における下肢静脈高血圧症を治療する装置が与えられる。当該装置は:
本体;
該本体を通る少なくとも1つの通路;
該通路における少なくとも1つ逆止め弁;及び、
患者の下肢静脈系において本体を取り付けるよう適合される取付け手段、
を有する。当該装置は使用時、血液が自然な流れの方向とは反対方向において通路を通って流れることを逆止め弁が防ぐよう、方向付けられる。
【0010】
上述された装置はまた、静脈瘤を治療するよう適切である。
【0011】
本体は、望ましくはステントの形状にあり、最も望ましくは拡張ステントの形状における。
【0012】
弁は、望ましくはダックビル弁、小葉(リーフレット)弁、フラップ弁、ディスク・イン・ケージ型弁、又はボール・イン・ケージ型弁である。弁は、望ましくは閉位置に対して付勢され、最も望ましくは弁の材料の固有の弾性によって閉位置に対して付勢される。弁は、圧力差の所定の量が少なくとも約2mm Hgである際、望ましくは約5乃至25mm Hgである際、更に望ましくは約5乃至15mm Hgである際に、開放する。
【0013】
一形状において、装置は、本体を通る、最も望ましくは本体に対して中心に位置決めされる、単一の通路を有する。他の形状において、装置は、本体を通る、最も望ましくは本体に対して偏心的に(eccentrically)位置決めされる、単一の通路を有する。更に他の形状において、装置は、本体を通る複数の通路を有する。該複数の通路の各々は、その中に逆止め弁を備え、最も望ましくは各々が本体の中心に対して偏心的に位置決めされる。
【0014】
本発明の第4の態様によれば、患者における心不全を治療する装置が与えられる。当該装置は:
本体;
該本体を通る少なくとも1つの通路;
そこを通る血液の流れを可能にすると同時に血栓を実質的に排除する寸法の開口を有する、通路内におけるメッシュ又はグリル配置(mesh or grill arrangement);及び、
患者の心房中隔において与えられる孔において本体を取り付けるよう適合される取付け手段、
を有する。当該装置は使用時、患者の左心房圧が患者の右心房圧を上回る際に血液が左心房から右心房まで通路を通って流れ得るようにし、それによって患者の左心房圧を低減する。
【0015】
装置は望ましくは、通路の一端又は両端にわたってメッシュ又はグリル配置を有する。
【0016】
開口は、望ましくは4mmより小さい最大寸法、最も望ましくは2mmより小さい最大寸法を有する。メッシュ又はグリルは望ましくは、患者の心房中隔における孔の内皮化又は血栓症を防ぐよう適合される、1つ又はそれより多くの薬物を有してコーティング又は含浸される。該1つ又はそれより多くの薬物には、ヘパリン等である抗凝血剤、シロリムス又はパクリタキセル等である再内皮化の阻害剤が含まれる。
【0017】
一形状において、装置は、最も望ましくは本体に対して中心に位置決めされる、本体を通る単一の通路を有する。他の形状において、装置は、本体を通る複数の通路を有する。該複数の通路の各々は、そこにメッシュ又はグリル配置を備え、また最も望ましくは各々は、本体の中心に対して偏心的に位置決めされる。
【0018】
装置は、望ましくは可撓性であり、最も望ましくは変形可能であり得るが、のちにその本来の形状に戻る材料から形成される。かかる材料の一例は、ニチノールである。
【0019】
装置は、望ましくは折畳み可能であり、カテーテルを介して埋め込まれるよう適合されるが、手術において挿入されてもよい。
【0020】
装置は、患者の心房中隔において作られる孔を通過することができる寸法まで折畳み可能(又は、標準的な方法による、既存の連通の拡大)であり、また、装置の少なくとも複数の部分(at least some of the device)が患者の心房中隔における孔を通過することができない形状に戻るよう適合される。装置は望ましくは、ニチノールのメッシュ、又は変形され得るがのちにその本来の形状まで戻る他の材料から形成される。
【0021】
取付け手段は望ましくは、患者の中隔における孔より大きな寸法を有する少なくとも1つのフランジを有する。より望ましくは、取付け手段は、患者の中隔における孔より大きな寸法を有する一組の離間されたフランジを有する。
【0022】
フランジから離れた(remote the flange(s))本体の外部寸法は、望ましくは患者の心房中隔における孔の内部寸法と実質的に同等である。
【0023】
一実施例において、フランジは、患者の中隔に対する接着、縫合、ステープル留め、又はピン留めに対して適合される。
【0024】
他の実施例において、フランジは、患者の心房中隔の略厚さ分を離間され、望ましくはグリップすることによって、間に患者の心房中隔を位置決めするよう適合される。
【0025】
本発明の第5の態様によれば、患者における心不全を治療する方法が与えられる。当該方法は:
患者の心房中隔において孔を形成する段階;
孔において少なくとも1つの逆止め弁を挿入し、該逆止め弁は、患者の左心房圧が患者の右心房圧を上回る際に、血液を左心房から右心房まで通路を通って流すよう方向付けられる段階と、
患者の心房中隔に対して逆止め弁を固定する段階と、
を有する。患者の左心房圧が患者の右心房圧を所定の量分上回る際に、弁は、血液を左心房から右心房まで通路を通って流すよう開放し、それによって患者の左心房圧を低減する。
【0026】
上述された方法は、左心室収縮又は拡張機能障害等による左心房高血圧症によって顕わされる心疾患を治療するよう特に適切である。
【0027】
圧力差の前記所定の量は、少なくとも約2mm Hg、望ましくは約5乃至25mm Hg、より望ましくは約5乃至15mm Hgである。
【0028】
本発明の第6の態様によれば、患者における心不全を治療する方法が与えられる。当該方法は:
患者の心房中隔において孔を形成する段階;
そこを介する血液の通過を可能にすると同時に血栓の通過を実質的に排除する寸法の開口を有する孔内においてメッシュ又はグリル配置を挿入する段階;及び、
患者の心房中隔に対してメッシュ又はグリル配置を固定する段階、
を有する。
【0029】
メッシュ又はグリル配置は、望ましくは本体の通路内において与えられる。当該方法は望ましくは、患者の心房中隔に対して本体を固定する段階を有する。
【0030】
上述された方法は、左心室収縮又は拡張機能障害等による左心房高血圧症によって顕わされる心疾患を治療するよう特に適切である。
【0031】
本発明の第7の態様によれば、患者における心不全を治療する方法が与えられる。当該方法は:
患者の静脈系において少なくとも1つの逆止め弁を挿入し、該逆止め弁は、血液が自然な流れの方向とは反対方向において静脈系を通って流れることを防ぐよう方向付けられる段階;及び、
患者の静脈系に対して逆止め弁を固定する段階、
を有する。
【0032】
当該方法は望ましくは、下大動脈、上大動脈、肝静脈、腸骨静脈、あるいは1つ又はそれより多くの肺静脈等である患者の血管において逆止め弁を挿入する段階及び固定する段階、を有する。
【0033】
当該方法は、最も望ましくは拡張することによって、逆止め弁を有するステントを挿入及び固定する段階を望ましくは有する。
【0034】
本発明の第8の態様によれば、患者における心不全を治療する装置が与えられる。当該装置は:
心臓の左心房及び右心房と夫々流体連通する第1及び第2の端部を有するチューブ;及び、
流体がチューブを通って流れることを選択的に防ぐかあるいは可能にするよう適合される、第1の端部と第2の端部との間における弁、
を有する。使用時に、患者の左心房圧が患者の右心房圧を所定の量分上回る際、弁は、血液が左心房から右心房までチューブを通って流れ得るよう開放し、それによって左心房圧を低減する。
【0035】
弁は、圧力差の所定の量が少なくとも約2mm Hg、望ましくは約5乃至25mm Hg、より望ましくは約5乃至15mm Hgである際に、開放する。
【0036】
本発明の第9の態様によれば、患者における心不全又は肺静脈高血圧症を治療する装置が与えられる。当該装置は:
心臓の左心房及び右心房に夫々流体連通する第1及び第2の端部を有するチューブ;及び、
該チューブにおける逆止め弁、
を有する。使用時に、逆止め弁は、血液が右心房から左心房までチューブを通って流れることを防ぐ。
【0037】
本発明の第10の態様によれば、患者における心不全を治療する方法が与えられる。当該方法は:
患者の左心房と右心房との間において外側でチューブを接続させる段階;及び、
チューブにおいて少なくとも1つの逆止め弁を挿入し、該逆止め弁は、患者の左心房圧が患者の右心房圧を上回る際に、血液を左心房から右心房まで通路を通って流すよう方向付けられる段階、
を有する。患者の左心房圧が患者の右心房圧を所定の量分上回る際に、弁は、血液が左心房から右心房まで通路を通って流れ得るよう開放し、それによって左心房圧を低減する。
【0038】
圧力差の所定の量は、少なくとも約2mm Hg、望ましくは約5乃至25mm Hg、より望ましくは約5乃至15mm Hgである。
【0039】
本発明の望ましい実施例は、これより例証として添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】心不全を治療する装置の第1の実施例の前面図である。
【図2】図1中の装置の側部断面図である。
【図3】人間の心臓に埋め込まれた図1及び2中の装置の側部断面図である。
【図4】図1中の装置の背面図である。
【図5】心不全を治療する装置の第2の実施例の前面図である。
【図6】心不全を治療する装置の第3の実施例の前面図である。
【図7】図6中の装置の側部断面図である。
【図8】心不全を治療する装置の第4の実施例の前面図である。
【図9】図8中の装置の側部断面図である。
【図10】心不全を治療する装置の第5の実施例の側部断面図である。
【図11】患者の下大動脈において埋め込まれた図10中の装置の側部断面図である。
【図12】図10中の装置に対する運搬機構の第1の実施例の側部断面図である。
【図13】図10中の装置に対する運搬機構の第2の実施例の側部断面図である。
【図14】患者の肝静脈において埋め込まれる心不全を治療する装置の第6の実施例の側部断面図である。
【図15】患者の腸骨静脈において埋め込まれる図14中の装置の一組の側部断面図である。
【図16】心不全を治療する装置の第7の実施例の前面図である。
【図17】心不全を治療する装置の第8の実施例の前面図である。
【図18】図17中の装置の側部断面図である。
【図19a】心不全を治療する装置の第9の実施例の前面図である。
【図19b】図19a中の装置の側部断面図である。
【図20】心不全を治療する装置の第10の実施例の前面図である。
【図21a】カテーテル内部において折り畳まれる、心不全を治療する装置の第11の実施例の側部断面図である。
【図21b】カテーテル内部において折り畳まれる、図21a中の装置の断面斜視図である。
【図22a】カテーテルから部分的に展開される、図21a中の装置の側部断面図である。
【図22b】カテーテルから部分的に展開される、図21a中の装置の断面斜視図である。
【図22c】カテーテルから部分的に展開される、図21a中の装置の拡大された部分的側部断面図である。
【図23a】カテーテルから展開される、図21a中の装置の側面図である。
【図23b】カテーテルから展開される、図21a中の装置の側部断面図である。
【図24】心不全を治療する装置の第12の側部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1乃至4は、心不全を治療する装置10の第1の実施例を示す。装置10は、一組の環状フランジ14の形状における取付け手段を備える一般的に円筒形の本体12を有する。該フランジは、いずれかの端部において間に環状ギャップ16を備える。本体12は、中心に位置決めされる通路又はダクト18を有し、該通路又はダクト内において、3つの可撓性の弁小葉(valve leaflets)20a乃至20cの形状における逆止め弁20が与えられる。
【0042】
本体12、フランジ14,の外径、及び通路18の内径は、夫々約18,38,12mmである。他の実施例(図示せず)において、本体12の直径は8乃至25mmの範囲にあり、フランジ14の直径は20乃至50mmの範囲にあり、通路18の直径は4乃至15mmの範囲にある。
【0043】
図3は、心房中隔28によって分離された左心房24及び右心房26を備えた患者の心臓22を示す。装置10は、中隔28において作られる一般的に円形の孔30内部において取り付けられ、中隔28のエッジは、フランジ14間のギャップ16において位置付けられる孔30に近接する。孔30は、本体12の外径と略同等である内径を有する。装置10は、フランジ14がより大きく、故に孔30を通過することができないため、中隔28における孔30に近接して保定される。代替的又は追加的に、フランジ14の一方又は両方は、患者の中隔28に対して接着、縫合、ステープル留め、又はピン留めされ得、そこに装置10を固定するようにする。
【0044】
装置10は、カテーテルを使用して開胸手術中又は経皮的に埋め込まれ得る。いずれの場合においても、孔30は、最初に患者の心房中隔28において作られる。続いて装置10の一部又は全て(Some or all of the device)は、孔30を通過することができる寸法まで折り畳まれ、その後図3に示される構造まで拡張される。装置10の本体12及びフランジ14をニチノールのワイヤメッシュから形成することは、結果的に、それをAGA Medical Corp.社によって製造されるAMPLATZER(登録商標)中隔閉塞体(occluder)の埋込みと同様に埋め込まれるよう適切なものとする。より特にはフランジ14の外面は、互いから離れるよう引かれ、装置10は長くされ、同時に開口30を通過することができるカテーテル内に装着するよう直径を低減する。分離力(separating force)が解除される際、フランジ14は、図1乃至4における(拡張)構造まで戻る。
【0045】
装置10は、逆止め弁20を有する埋込み(implanting with)中、矢印32で示される通り、血液が左心房24から右心房26まで通路18を介してのみ流れ得るよう、方向付けられる。より特には、左心房圧が右心房圧を約5−15mm Hg上回る際、弁小葉20a乃至cは、分離し、故に左心房24から右心房26まで血液が流れるよう通路18を開放する。
【0046】
小葉20a乃至20cは、生物、機械、又は培養組織から形成され、閉位置に向かって内在的に(inherently)付勢される。更には、患者の右心房圧が左心房圧を上回ることはまた、弁20の閉鎖、及び閉鎖の保持を支援する。
【0047】
右心房圧を大幅に上回る左心房圧の緩和及び/又は回避は、左心室収縮及び/又は拡張機能障害及び/又は心臓弁膜症を含む心疾患を悪化させる左心房高血圧症の悪影響を緩和するよう、有益である。
【0048】
図4において最もよく見られる通り、装置10は、内部にねじ山のついた孔を有する中央固定具又は突起36に対して接続される4つの薄い折畳み可能なストラット34を有する。ケーブル(図示せず)は、固定具36に対してねじ込み式に据付け可能(threadedly attachable)である。固定具36は、左心房からアクセス可能である。
【0049】
装置10を埋め込むよう、装置は最初にカテーテル内部において折り畳まれる。カテーテルが孔30に近接して正確に位置決めされる際、ケーブルは、装置10をカテーテルから押し出すよう使用され、その後図3中に示される形状まで拡張される。ケーブルは続いて、固定具36からねじを外され、カテーテルを有して患者から取り外される。
【0050】
装置10はまた、例えば近接する静脈内投与の部位に対して最も近い装置10の表面上における小さなフック(図示せず)の設置である経皮的手段によって、後に除去されるよう適合され得る。
【0051】
図5は、心不全を治療する装置40の第2の実施例を示す。装置40の構造、機能、及び埋込みは、装置10のものに類似し、同様の参照符号は、2つの実施例間における同様の特徴を示すよう使用される。しかしながら、装置40は、本体12を通る偏心的に位置決めされる4つの通路18を有し、そこを通る血流は、4つの対応する一式の弁小葉20によって制御される。
【0052】
図6及び7は、心不全を治療する装置50の第3の実施例を示す。装置50の構造、動作、及び埋込みは、装置10のものに類似し、同様の参照符号は、2つの実施例間における同様の特徴を示すよう使用される。しかしながら、装置50は、ケーブル52が据え付けられ(attached)得る中央固定具36に対して接続される1つのみの折畳み可能なストラット34を有する。固定具36はまた、左心房からアクセス可能である。この実施例の変形において、固定具は、右心房からアクセス可能である。
【0053】
図8及び9は、心不全を治療する装置60の第4の実施例を示す。装置60の構造、機能、及び埋込みは、装置10のものに類似し、同様の参照符号は、2つの実施例間の同様の特徴を示すよう使用される。しかしながら、装置60は、通路18に近接して、本体12に対して据え付けられる3つの固定具36を有し、3つの夫々のケーブル62(図9参照)が据え付けられ得る。固定具36は、右心房からアクセス可能である。
【0054】
図10及び11は、装置10と同様に心不全を治療する装置70の第5の実施例を示す。しかしながら、前出の実施例とは異なり、装置70は、単一の取付けフランジ14を有するのみであり、図11に示される通り、右心房74との接合部において、あるいはその近くにおいて、下大静脈72において埋め込むよう適切である。装置70は望ましくは、その予め成形された形状を回復し得る変形可能な材料(ニチノール等)から製造され、経皮的アプローチによって埋め込まれ得る。
【0055】
より特には、装置70は、折り畳まれ、シース内における静脈系に取り入れられ、正確に位置付けられる際に拡張するようシースから取り外される。
【0056】
図12及び13は、下大静脈に対して装置70を運搬するよう適切である2つの機構を示す。図12に示される機構は、図6及び7に示されるものに類似し、図13に示される機構は、図8及び9に示されるものに類似する。
【0057】
図14は、患者の肝静脈82に埋め込まれた、心不全を治療する装置80の第6の実施例の側部断面図である。装置80は、取付けフランジを有さず、その代りにその本体は、逆止め弁20を有する拡張可能なステント84である。
【0058】
図15は、患者の腸骨静脈84及び86における装置80の他の埋込みを示す。
【0059】
装置80はまた、下肢高血圧症の徴候又は症状を緩和するよう、腸骨系又は下肢の静脈系において配置されるよう適切である(例えば末梢浮腫及び/又は静脈瘤等)。
【0060】
図16は、心不全を治療する装置90の第7の実施例を示す。装置90の構造、機能、及び埋込みは、装置40のものに類似し、同様の参照符号は、2つの実施例間の同様の特徴を示すよう使用される。しかしながら、装置90は、本体12を通る2つのみの偏心的に位置決めされた通路18を有し、そこを通る血流は、対応する2つの一式の弁小葉20によって制御される。
【0061】
図17は、心不全を治療する装置100の第8の実施例を示す。この実施例は、前述されたものと同様に構成及び埋込みされる。しかしながら、装置100は、通路18を有し、通路18の各端部にわたってメッシュ又はグリル配置を有する。メッシュ102は、左心房から右心房までの通路18を通る血液の流れを可能にすると同時に実質的に血栓を除外する、4mmより小さい最大寸法を有する開口104を有する。メッシュ102は、患者の心房中隔における孔の内皮化又は血栓を防ぐよう適合される1つ又はそれより多くの薬物を有してコーティング又は含浸される。該1つ又はそれより多くの薬物には、ヘパリン等である抗凝血剤、シロリムス又はパクリタキセル等である際内皮化の阻害剤が含まれる。
【0062】
図19a及び19bは、心不全を治療する装置110の第9の実施例を示す。装置110の構造、動作、及び埋込みは、装置10のものに類似し、同様の参照符号は、2つの実施例間の同様の特徴を示すよう使用される。装置110は、図6及び7に示されるものに類似するストラット/固定具を利用する。
【0063】
図20は、心不全を治療する装置130の第10の実施例を示す。装置130の構造、動作、及び埋込みは、装置10のものに類似し、同様の参照符号は、2つの実施例間の同様の特徴を示すよう使用される。装置130は、埋込み中にカテーテルケーブルの端部における対応する接続具に解放可能に係合するようヘリカル132を有する。
【0064】
図21a乃至23bは、心不全を治療する装置140の第11の実施例を示す。装置140の構造、動作、及び埋込みは、装置10のものに類似し、同様の参照符号は、2つの実施例間の同様の特徴を示すよう使用される。装置140の本体12及びフランジ14は、ニチノールワイヤメッシュから形成され、結果的にそれをAGA Medical Corp.社によって製造されるAMPLATZER(登録商標)中隔閉塞体の埋込みと同様に埋め込まれるよう適切なものとする。装置140は、フランジ14の外面を互いから離すよう引くことによって折り畳まれ、装置140は、長くされ、同時に直径が低減する。分離力が取り除かれる際、フランジ14は、(拡張された)構造に戻る。
【0065】
より特には、図21a及び21bに示される通り、装置140は、直径が約5mmであるカテーテル142内において最初に折り畳まれ、中隔における孔を通過することができるようにされる。図22a乃至22cにおいて示される通り、装置140は続いて、ワイヤ144、及びカテーテル142に対するヘッド14の運動によってカテーテル142から部分的に展開される。これは、装置140の一部が第1のフランジ14から拡張する、ことをもたらす。
【0066】
図23a及び23bに示される通り、カテーテル142に対するワイヤ144及びヘッド146の更なる相対運動による装置140の完全展開は、装置140の残りの部分が第2のフランジ14を形成するよう拡張する、ことをもたらす。装置140は、最初に3つのピン148によってヘッドに対して据え付けられ、該ピンは、装置がカテーテル142から展開された後、遠隔的に解放される。
【0067】
他の同様の実施例(図示せず)において、カテーテル142は、4−6mmの直径を有し、装置140は、1つ又は2つの解放可能なピン148によってヘッド146に対して据え付けられる。
【0068】
図24は、心不全を治療する装置150の第12の実施例を示す。この実施例において、約8mmの内径を有するチューブ152は、夫々心臓の左心房154と右心房156との間において外部流体連通路を与える。弁158は、チューブ152を選択的に閉塞するよう適合される。前出の実施例と同様に、左心房圧が右心房圧を約5−15mm Hg上回る際、弁158は、解放され、チューブ152の内部を開放し且つ左心房24から右心房26まで血液が流れ得るようにする。この実施例の変形において、弁158は、血液が右心房156から左心房154まで流れることを防ぐ逆止め弁である。
【0069】
本発明は、具体的な例を参照して説明されてきたが、当業者は、本発明が多くの他の形状において実現され得ることを認識する。
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的に心不全の治療に対する装置及び方法に係り、より特には、心疾患の症状を緩和するための心臓血管系における高圧(高血圧)の緩和に対する装置及び方法に係る。
【背景技術】
【0002】
心疾患は、人間に影響を与える代表的且つ潜在的な死に至る状態であり、最大限の治療を行なっても、症状(symptoms)、病的状態(morbidity)、及び/又は死亡をしばしばもたらす次善の臨床転帰を有する。特には、「拡張心不全」は、維持された(preserved)左心室収縮機能(駆出分画(ejection fraction))との関連において、並びに大きな心臓弁膜症が無い場合に発生する、心不全の臨床的な症候群をさす。この状態は、拡張終期圧の増大につながる、低減されたコンプライアンス及び損なわれた弛緩を有する硬直した左心室によって特徴付けられる。心不全患者の約三分の1は、拡張心不全を有し、実証された効果的な治療は殆どない。
【0003】
拡張心不全の症状は、少なくとも大部分は左心房における圧力の上昇によるものである。拡張心不全に加えて、左心室の収縮機能障害及び血管疾病を含む複数の他の病状は、左心房における圧力の上昇につながり得る。左心室圧の上昇はしばしば、他の問題の中でもとりわけ急性又は慢性の息切れを引き起こす。加えて、多種の心臓の以上は、「右心不全」につながり得る。該右心不全は、肝臓の拡大(肝腫大)、腹部における体液貯留(腹水症)、及び/又は下肢のむくみをもたらし得る。
【0004】
過去には、右心房における高圧(高血圧)の緩和に関して、例えば左心房と右心房との間における本来の中隔又は外科的に作られた中隔において穴を作ることである、ストラテジーが説明されてきた。かかるストラテジーは、特定の複合的先天性心疾病に対する大静脈肺静脈接合又は肺高血圧症の稀な状態に対して設計されている。O’Loughlin外は近年、進行した肺高血圧症の苦痛緩和に対する有窓心房中隔欠陥閉鎖装置(fenestrated atrial septal defect closure device)について記述した。しかしながら、この装置は、両方向の流れ及び血栓の通過を可能にし、挿入の6ヶ月以内にわたって閉鎖されるよう示された。故に、血栓の通過の可能性を妨げるかあるいは最小限に抑える、左心房における高圧を緩和する装置は、依然として必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、特には左心室の拡張及び/又は収縮不全である心不全並びにその結果を治療する装置及び方法は、必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、患者における心不全を治療する装置が与えられる。当該装置は:
本体;
該本体を通る少なくとも1つの通路;
該通路における少なくとも1つの逆止め弁;及び、
患者の心房中隔において与えられる孔に本体を取り付けるよう適合される取付け手段(mounting means)、
を有する。当該装置は使用時、患者の左心房圧が患者の右心房圧を所定の量分(by predetermined amount)上回る際に、血液が左心房から右心房まで通路を通って流れるよう逆止め弁が開放し、それによって左心房圧が低減するよう、方向付けられる。
【0007】
本発明の第2の態様によれば、患者における心不全又は肺静脈高血圧症を治療する装置が与えられる。当該装置は:
本体;
該本体を通る少なくとも1つの通路;
該通路における少なくとも1つ逆止め弁;及び、
患者の静脈系において本体を取り付けるよう適合される取付け手段、
を有する。当該装置は使用時、血液が自然な流れ(natural flow)の方向とは反対方向において通路を通って流れることを逆止め弁が防ぐよう、方向付けられる。
【0008】
当該装置は、望ましくは、下大動脈、上大動脈、肝静脈、腸骨静脈、あるいは1つ又はそれより多くの肺静脈等である患者の静脈系における血管へと装着されるよう適合される。
【0009】
本発明の第3の態様によれば、患者における下肢静脈高血圧症を治療する装置が与えられる。当該装置は:
本体;
該本体を通る少なくとも1つの通路;
該通路における少なくとも1つ逆止め弁;及び、
患者の下肢静脈系において本体を取り付けるよう適合される取付け手段、
を有する。当該装置は使用時、血液が自然な流れの方向とは反対方向において通路を通って流れることを逆止め弁が防ぐよう、方向付けられる。
【0010】
上述された装置はまた、静脈瘤を治療するよう適切である。
【0011】
本体は、望ましくはステントの形状にあり、最も望ましくは拡張ステントの形状における。
【0012】
弁は、望ましくはダックビル弁、小葉(リーフレット)弁、フラップ弁、ディスク・イン・ケージ型弁、又はボール・イン・ケージ型弁である。弁は、望ましくは閉位置に対して付勢され、最も望ましくは弁の材料の固有の弾性によって閉位置に対して付勢される。弁は、圧力差の所定の量が少なくとも約2mm Hgである際、望ましくは約5乃至25mm Hgである際、更に望ましくは約5乃至15mm Hgである際に、開放する。
【0013】
一形状において、装置は、本体を通る、最も望ましくは本体に対して中心に位置決めされる、単一の通路を有する。他の形状において、装置は、本体を通る、最も望ましくは本体に対して偏心的に(eccentrically)位置決めされる、単一の通路を有する。更に他の形状において、装置は、本体を通る複数の通路を有する。該複数の通路の各々は、その中に逆止め弁を備え、最も望ましくは各々が本体の中心に対して偏心的に位置決めされる。
【0014】
本発明の第4の態様によれば、患者における心不全を治療する装置が与えられる。当該装置は:
本体;
該本体を通る少なくとも1つの通路;
そこを通る血液の流れを可能にすると同時に血栓を実質的に排除する寸法の開口を有する、通路内におけるメッシュ又はグリル配置(mesh or grill arrangement);及び、
患者の心房中隔において与えられる孔において本体を取り付けるよう適合される取付け手段、
を有する。当該装置は使用時、患者の左心房圧が患者の右心房圧を上回る際に血液が左心房から右心房まで通路を通って流れ得るようにし、それによって患者の左心房圧を低減する。
【0015】
装置は望ましくは、通路の一端又は両端にわたってメッシュ又はグリル配置を有する。
【0016】
開口は、望ましくは4mmより小さい最大寸法、最も望ましくは2mmより小さい最大寸法を有する。メッシュ又はグリルは望ましくは、患者の心房中隔における孔の内皮化又は血栓症を防ぐよう適合される、1つ又はそれより多くの薬物を有してコーティング又は含浸される。該1つ又はそれより多くの薬物には、ヘパリン等である抗凝血剤、シロリムス又はパクリタキセル等である再内皮化の阻害剤が含まれる。
【0017】
一形状において、装置は、最も望ましくは本体に対して中心に位置決めされる、本体を通る単一の通路を有する。他の形状において、装置は、本体を通る複数の通路を有する。該複数の通路の各々は、そこにメッシュ又はグリル配置を備え、また最も望ましくは各々は、本体の中心に対して偏心的に位置決めされる。
【0018】
装置は、望ましくは可撓性であり、最も望ましくは変形可能であり得るが、のちにその本来の形状に戻る材料から形成される。かかる材料の一例は、ニチノールである。
【0019】
装置は、望ましくは折畳み可能であり、カテーテルを介して埋め込まれるよう適合されるが、手術において挿入されてもよい。
【0020】
装置は、患者の心房中隔において作られる孔を通過することができる寸法まで折畳み可能(又は、標準的な方法による、既存の連通の拡大)であり、また、装置の少なくとも複数の部分(at least some of the device)が患者の心房中隔における孔を通過することができない形状に戻るよう適合される。装置は望ましくは、ニチノールのメッシュ、又は変形され得るがのちにその本来の形状まで戻る他の材料から形成される。
【0021】
取付け手段は望ましくは、患者の中隔における孔より大きな寸法を有する少なくとも1つのフランジを有する。より望ましくは、取付け手段は、患者の中隔における孔より大きな寸法を有する一組の離間されたフランジを有する。
【0022】
フランジから離れた(remote the flange(s))本体の外部寸法は、望ましくは患者の心房中隔における孔の内部寸法と実質的に同等である。
【0023】
一実施例において、フランジは、患者の中隔に対する接着、縫合、ステープル留め、又はピン留めに対して適合される。
【0024】
他の実施例において、フランジは、患者の心房中隔の略厚さ分を離間され、望ましくはグリップすることによって、間に患者の心房中隔を位置決めするよう適合される。
【0025】
本発明の第5の態様によれば、患者における心不全を治療する方法が与えられる。当該方法は:
患者の心房中隔において孔を形成する段階;
孔において少なくとも1つの逆止め弁を挿入し、該逆止め弁は、患者の左心房圧が患者の右心房圧を上回る際に、血液を左心房から右心房まで通路を通って流すよう方向付けられる段階と、
患者の心房中隔に対して逆止め弁を固定する段階と、
を有する。患者の左心房圧が患者の右心房圧を所定の量分上回る際に、弁は、血液を左心房から右心房まで通路を通って流すよう開放し、それによって患者の左心房圧を低減する。
【0026】
上述された方法は、左心室収縮又は拡張機能障害等による左心房高血圧症によって顕わされる心疾患を治療するよう特に適切である。
【0027】
圧力差の前記所定の量は、少なくとも約2mm Hg、望ましくは約5乃至25mm Hg、より望ましくは約5乃至15mm Hgである。
【0028】
本発明の第6の態様によれば、患者における心不全を治療する方法が与えられる。当該方法は:
患者の心房中隔において孔を形成する段階;
そこを介する血液の通過を可能にすると同時に血栓の通過を実質的に排除する寸法の開口を有する孔内においてメッシュ又はグリル配置を挿入する段階;及び、
患者の心房中隔に対してメッシュ又はグリル配置を固定する段階、
を有する。
【0029】
メッシュ又はグリル配置は、望ましくは本体の通路内において与えられる。当該方法は望ましくは、患者の心房中隔に対して本体を固定する段階を有する。
【0030】
上述された方法は、左心室収縮又は拡張機能障害等による左心房高血圧症によって顕わされる心疾患を治療するよう特に適切である。
【0031】
本発明の第7の態様によれば、患者における心不全を治療する方法が与えられる。当該方法は:
患者の静脈系において少なくとも1つの逆止め弁を挿入し、該逆止め弁は、血液が自然な流れの方向とは反対方向において静脈系を通って流れることを防ぐよう方向付けられる段階;及び、
患者の静脈系に対して逆止め弁を固定する段階、
を有する。
【0032】
当該方法は望ましくは、下大動脈、上大動脈、肝静脈、腸骨静脈、あるいは1つ又はそれより多くの肺静脈等である患者の血管において逆止め弁を挿入する段階及び固定する段階、を有する。
【0033】
当該方法は、最も望ましくは拡張することによって、逆止め弁を有するステントを挿入及び固定する段階を望ましくは有する。
【0034】
本発明の第8の態様によれば、患者における心不全を治療する装置が与えられる。当該装置は:
心臓の左心房及び右心房と夫々流体連通する第1及び第2の端部を有するチューブ;及び、
流体がチューブを通って流れることを選択的に防ぐかあるいは可能にするよう適合される、第1の端部と第2の端部との間における弁、
を有する。使用時に、患者の左心房圧が患者の右心房圧を所定の量分上回る際、弁は、血液が左心房から右心房までチューブを通って流れ得るよう開放し、それによって左心房圧を低減する。
【0035】
弁は、圧力差の所定の量が少なくとも約2mm Hg、望ましくは約5乃至25mm Hg、より望ましくは約5乃至15mm Hgである際に、開放する。
【0036】
本発明の第9の態様によれば、患者における心不全又は肺静脈高血圧症を治療する装置が与えられる。当該装置は:
心臓の左心房及び右心房に夫々流体連通する第1及び第2の端部を有するチューブ;及び、
該チューブにおける逆止め弁、
を有する。使用時に、逆止め弁は、血液が右心房から左心房までチューブを通って流れることを防ぐ。
【0037】
本発明の第10の態様によれば、患者における心不全を治療する方法が与えられる。当該方法は:
患者の左心房と右心房との間において外側でチューブを接続させる段階;及び、
チューブにおいて少なくとも1つの逆止め弁を挿入し、該逆止め弁は、患者の左心房圧が患者の右心房圧を上回る際に、血液を左心房から右心房まで通路を通って流すよう方向付けられる段階、
を有する。患者の左心房圧が患者の右心房圧を所定の量分上回る際に、弁は、血液が左心房から右心房まで通路を通って流れ得るよう開放し、それによって左心房圧を低減する。
【0038】
圧力差の所定の量は、少なくとも約2mm Hg、望ましくは約5乃至25mm Hg、より望ましくは約5乃至15mm Hgである。
【0039】
本発明の望ましい実施例は、これより例証として添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】心不全を治療する装置の第1の実施例の前面図である。
【図2】図1中の装置の側部断面図である。
【図3】人間の心臓に埋め込まれた図1及び2中の装置の側部断面図である。
【図4】図1中の装置の背面図である。
【図5】心不全を治療する装置の第2の実施例の前面図である。
【図6】心不全を治療する装置の第3の実施例の前面図である。
【図7】図6中の装置の側部断面図である。
【図8】心不全を治療する装置の第4の実施例の前面図である。
【図9】図8中の装置の側部断面図である。
【図10】心不全を治療する装置の第5の実施例の側部断面図である。
【図11】患者の下大動脈において埋め込まれた図10中の装置の側部断面図である。
【図12】図10中の装置に対する運搬機構の第1の実施例の側部断面図である。
【図13】図10中の装置に対する運搬機構の第2の実施例の側部断面図である。
【図14】患者の肝静脈において埋め込まれる心不全を治療する装置の第6の実施例の側部断面図である。
【図15】患者の腸骨静脈において埋め込まれる図14中の装置の一組の側部断面図である。
【図16】心不全を治療する装置の第7の実施例の前面図である。
【図17】心不全を治療する装置の第8の実施例の前面図である。
【図18】図17中の装置の側部断面図である。
【図19a】心不全を治療する装置の第9の実施例の前面図である。
【図19b】図19a中の装置の側部断面図である。
【図20】心不全を治療する装置の第10の実施例の前面図である。
【図21a】カテーテル内部において折り畳まれる、心不全を治療する装置の第11の実施例の側部断面図である。
【図21b】カテーテル内部において折り畳まれる、図21a中の装置の断面斜視図である。
【図22a】カテーテルから部分的に展開される、図21a中の装置の側部断面図である。
【図22b】カテーテルから部分的に展開される、図21a中の装置の断面斜視図である。
【図22c】カテーテルから部分的に展開される、図21a中の装置の拡大された部分的側部断面図である。
【図23a】カテーテルから展開される、図21a中の装置の側面図である。
【図23b】カテーテルから展開される、図21a中の装置の側部断面図である。
【図24】心不全を治療する装置の第12の側部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1乃至4は、心不全を治療する装置10の第1の実施例を示す。装置10は、一組の環状フランジ14の形状における取付け手段を備える一般的に円筒形の本体12を有する。該フランジは、いずれかの端部において間に環状ギャップ16を備える。本体12は、中心に位置決めされる通路又はダクト18を有し、該通路又はダクト内において、3つの可撓性の弁小葉(valve leaflets)20a乃至20cの形状における逆止め弁20が与えられる。
【0042】
本体12、フランジ14,の外径、及び通路18の内径は、夫々約18,38,12mmである。他の実施例(図示せず)において、本体12の直径は8乃至25mmの範囲にあり、フランジ14の直径は20乃至50mmの範囲にあり、通路18の直径は4乃至15mmの範囲にある。
【0043】
図3は、心房中隔28によって分離された左心房24及び右心房26を備えた患者の心臓22を示す。装置10は、中隔28において作られる一般的に円形の孔30内部において取り付けられ、中隔28のエッジは、フランジ14間のギャップ16において位置付けられる孔30に近接する。孔30は、本体12の外径と略同等である内径を有する。装置10は、フランジ14がより大きく、故に孔30を通過することができないため、中隔28における孔30に近接して保定される。代替的又は追加的に、フランジ14の一方又は両方は、患者の中隔28に対して接着、縫合、ステープル留め、又はピン留めされ得、そこに装置10を固定するようにする。
【0044】
装置10は、カテーテルを使用して開胸手術中又は経皮的に埋め込まれ得る。いずれの場合においても、孔30は、最初に患者の心房中隔28において作られる。続いて装置10の一部又は全て(Some or all of the device)は、孔30を通過することができる寸法まで折り畳まれ、その後図3に示される構造まで拡張される。装置10の本体12及びフランジ14をニチノールのワイヤメッシュから形成することは、結果的に、それをAGA Medical Corp.社によって製造されるAMPLATZER(登録商標)中隔閉塞体(occluder)の埋込みと同様に埋め込まれるよう適切なものとする。より特にはフランジ14の外面は、互いから離れるよう引かれ、装置10は長くされ、同時に開口30を通過することができるカテーテル内に装着するよう直径を低減する。分離力(separating force)が解除される際、フランジ14は、図1乃至4における(拡張)構造まで戻る。
【0045】
装置10は、逆止め弁20を有する埋込み(implanting with)中、矢印32で示される通り、血液が左心房24から右心房26まで通路18を介してのみ流れ得るよう、方向付けられる。より特には、左心房圧が右心房圧を約5−15mm Hg上回る際、弁小葉20a乃至cは、分離し、故に左心房24から右心房26まで血液が流れるよう通路18を開放する。
【0046】
小葉20a乃至20cは、生物、機械、又は培養組織から形成され、閉位置に向かって内在的に(inherently)付勢される。更には、患者の右心房圧が左心房圧を上回ることはまた、弁20の閉鎖、及び閉鎖の保持を支援する。
【0047】
右心房圧を大幅に上回る左心房圧の緩和及び/又は回避は、左心室収縮及び/又は拡張機能障害及び/又は心臓弁膜症を含む心疾患を悪化させる左心房高血圧症の悪影響を緩和するよう、有益である。
【0048】
図4において最もよく見られる通り、装置10は、内部にねじ山のついた孔を有する中央固定具又は突起36に対して接続される4つの薄い折畳み可能なストラット34を有する。ケーブル(図示せず)は、固定具36に対してねじ込み式に据付け可能(threadedly attachable)である。固定具36は、左心房からアクセス可能である。
【0049】
装置10を埋め込むよう、装置は最初にカテーテル内部において折り畳まれる。カテーテルが孔30に近接して正確に位置決めされる際、ケーブルは、装置10をカテーテルから押し出すよう使用され、その後図3中に示される形状まで拡張される。ケーブルは続いて、固定具36からねじを外され、カテーテルを有して患者から取り外される。
【0050】
装置10はまた、例えば近接する静脈内投与の部位に対して最も近い装置10の表面上における小さなフック(図示せず)の設置である経皮的手段によって、後に除去されるよう適合され得る。
【0051】
図5は、心不全を治療する装置40の第2の実施例を示す。装置40の構造、機能、及び埋込みは、装置10のものに類似し、同様の参照符号は、2つの実施例間における同様の特徴を示すよう使用される。しかしながら、装置40は、本体12を通る偏心的に位置決めされる4つの通路18を有し、そこを通る血流は、4つの対応する一式の弁小葉20によって制御される。
【0052】
図6及び7は、心不全を治療する装置50の第3の実施例を示す。装置50の構造、動作、及び埋込みは、装置10のものに類似し、同様の参照符号は、2つの実施例間における同様の特徴を示すよう使用される。しかしながら、装置50は、ケーブル52が据え付けられ(attached)得る中央固定具36に対して接続される1つのみの折畳み可能なストラット34を有する。固定具36はまた、左心房からアクセス可能である。この実施例の変形において、固定具は、右心房からアクセス可能である。
【0053】
図8及び9は、心不全を治療する装置60の第4の実施例を示す。装置60の構造、機能、及び埋込みは、装置10のものに類似し、同様の参照符号は、2つの実施例間の同様の特徴を示すよう使用される。しかしながら、装置60は、通路18に近接して、本体12に対して据え付けられる3つの固定具36を有し、3つの夫々のケーブル62(図9参照)が据え付けられ得る。固定具36は、右心房からアクセス可能である。
【0054】
図10及び11は、装置10と同様に心不全を治療する装置70の第5の実施例を示す。しかしながら、前出の実施例とは異なり、装置70は、単一の取付けフランジ14を有するのみであり、図11に示される通り、右心房74との接合部において、あるいはその近くにおいて、下大静脈72において埋め込むよう適切である。装置70は望ましくは、その予め成形された形状を回復し得る変形可能な材料(ニチノール等)から製造され、経皮的アプローチによって埋め込まれ得る。
【0055】
より特には、装置70は、折り畳まれ、シース内における静脈系に取り入れられ、正確に位置付けられる際に拡張するようシースから取り外される。
【0056】
図12及び13は、下大静脈に対して装置70を運搬するよう適切である2つの機構を示す。図12に示される機構は、図6及び7に示されるものに類似し、図13に示される機構は、図8及び9に示されるものに類似する。
【0057】
図14は、患者の肝静脈82に埋め込まれた、心不全を治療する装置80の第6の実施例の側部断面図である。装置80は、取付けフランジを有さず、その代りにその本体は、逆止め弁20を有する拡張可能なステント84である。
【0058】
図15は、患者の腸骨静脈84及び86における装置80の他の埋込みを示す。
【0059】
装置80はまた、下肢高血圧症の徴候又は症状を緩和するよう、腸骨系又は下肢の静脈系において配置されるよう適切である(例えば末梢浮腫及び/又は静脈瘤等)。
【0060】
図16は、心不全を治療する装置90の第7の実施例を示す。装置90の構造、機能、及び埋込みは、装置40のものに類似し、同様の参照符号は、2つの実施例間の同様の特徴を示すよう使用される。しかしながら、装置90は、本体12を通る2つのみの偏心的に位置決めされた通路18を有し、そこを通る血流は、対応する2つの一式の弁小葉20によって制御される。
【0061】
図17は、心不全を治療する装置100の第8の実施例を示す。この実施例は、前述されたものと同様に構成及び埋込みされる。しかしながら、装置100は、通路18を有し、通路18の各端部にわたってメッシュ又はグリル配置を有する。メッシュ102は、左心房から右心房までの通路18を通る血液の流れを可能にすると同時に実質的に血栓を除外する、4mmより小さい最大寸法を有する開口104を有する。メッシュ102は、患者の心房中隔における孔の内皮化又は血栓を防ぐよう適合される1つ又はそれより多くの薬物を有してコーティング又は含浸される。該1つ又はそれより多くの薬物には、ヘパリン等である抗凝血剤、シロリムス又はパクリタキセル等である際内皮化の阻害剤が含まれる。
【0062】
図19a及び19bは、心不全を治療する装置110の第9の実施例を示す。装置110の構造、動作、及び埋込みは、装置10のものに類似し、同様の参照符号は、2つの実施例間の同様の特徴を示すよう使用される。装置110は、図6及び7に示されるものに類似するストラット/固定具を利用する。
【0063】
図20は、心不全を治療する装置130の第10の実施例を示す。装置130の構造、動作、及び埋込みは、装置10のものに類似し、同様の参照符号は、2つの実施例間の同様の特徴を示すよう使用される。装置130は、埋込み中にカテーテルケーブルの端部における対応する接続具に解放可能に係合するようヘリカル132を有する。
【0064】
図21a乃至23bは、心不全を治療する装置140の第11の実施例を示す。装置140の構造、動作、及び埋込みは、装置10のものに類似し、同様の参照符号は、2つの実施例間の同様の特徴を示すよう使用される。装置140の本体12及びフランジ14は、ニチノールワイヤメッシュから形成され、結果的にそれをAGA Medical Corp.社によって製造されるAMPLATZER(登録商標)中隔閉塞体の埋込みと同様に埋め込まれるよう適切なものとする。装置140は、フランジ14の外面を互いから離すよう引くことによって折り畳まれ、装置140は、長くされ、同時に直径が低減する。分離力が取り除かれる際、フランジ14は、(拡張された)構造に戻る。
【0065】
より特には、図21a及び21bに示される通り、装置140は、直径が約5mmであるカテーテル142内において最初に折り畳まれ、中隔における孔を通過することができるようにされる。図22a乃至22cにおいて示される通り、装置140は続いて、ワイヤ144、及びカテーテル142に対するヘッド14の運動によってカテーテル142から部分的に展開される。これは、装置140の一部が第1のフランジ14から拡張する、ことをもたらす。
【0066】
図23a及び23bに示される通り、カテーテル142に対するワイヤ144及びヘッド146の更なる相対運動による装置140の完全展開は、装置140の残りの部分が第2のフランジ14を形成するよう拡張する、ことをもたらす。装置140は、最初に3つのピン148によってヘッドに対して据え付けられ、該ピンは、装置がカテーテル142から展開された後、遠隔的に解放される。
【0067】
他の同様の実施例(図示せず)において、カテーテル142は、4−6mmの直径を有し、装置140は、1つ又は2つの解放可能なピン148によってヘッド146に対して据え付けられる。
【0068】
図24は、心不全を治療する装置150の第12の実施例を示す。この実施例において、約8mmの内径を有するチューブ152は、夫々心臓の左心房154と右心房156との間において外部流体連通路を与える。弁158は、チューブ152を選択的に閉塞するよう適合される。前出の実施例と同様に、左心房圧が右心房圧を約5−15mm Hg上回る際、弁158は、解放され、チューブ152の内部を開放し且つ左心房24から右心房26まで血液が流れ得るようにする。この実施例の変形において、弁158は、血液が右心房156から左心房154まで流れることを防ぐ逆止め弁である。
【0069】
本発明は、具体的な例を参照して説明されてきたが、当業者は、本発明が多くの他の形状において実現され得ることを認識する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者における心不全を治療する装置であって、
本体であって、前記本体はカテーテルを通過することができる寸法まで折り畳まれる構造及び拡張される構成を持つ、本体と、
前記患者の心房中隔において与えられる孔に前記本体を取り付けるよう適合される取付け手段と、
運搬カテーテルにおけるケーブルとの解放可能な係合に対して適合され、且つ前記ケーブルを前記本体に対して実質的に軸方向中心に位置付けるよう適合される、少なくとも1つの据付け手段と、
少なくとも1つの逆止め弁を中に有する前記本体を通る少なくとも1つの通路と、
を有し、
該通路は、前記据付け手段とは別に(aside from the attachment means)実質的に妨げられず、
当該装置は使用時に、前記患者の左心房圧が前記患者の右心房圧を所定の量分上回る際に、前記左心房から前記右心房まで前記通路を通って血液が流れ得るよう前記逆止め弁が開放し、それによって前記左心房圧を低減するよう、方向付けられ、
前記少なくとも1つの据付け手段は、前記カテーテルの前記ケーブルとのねじ込み式の解放可能な係合に対して適合される、装置。
【請求項2】
患者における心不全を治療する装置であって、
本体であって、前記本体はカテーテルを通過することができる寸法まで折り畳まれる構造及び拡張される構成を持つ、本体と、
前記患者の心房中隔において与えられる孔に前記本体を取り付けるよう適合される取付け手段と、
運搬カテーテルにおけるケーブルとの解放可能な係合に対して適合され、且つ前記ケーブルを前記本体に対して実質的に軸方向中心に位置付けるよう適合される、少なくとも1つの据付け手段と、
少なくとも1つの逆止め弁を中に有する前記本体を通る少なくとも1つの通路と、
を有し、
該通路は、前記据付け手段とは別に(aside from the attachment means)実質的に妨げられず、
当該装置は使用時に、前記患者の左心房圧が前記患者の右心房圧を所定の量分上回る際に、前記左心房から前記右心房まで前記通路を通って血液が流れ得るよう前記逆止め弁が開放し、それによって前記左心房圧を低減するよう、方向付けられ、
前記少なくとも1つの据付け手段は、前記カテーテルにおける前記ケーブルの遠位端部に対して離れた前記本体の側部上に位置付けられ、
前記ケーブルは、前記少なくとも1つの据付け手段に係合するよう前記孔及び前記弁を通過する、装置。
【請求項1】
患者における心不全を治療する装置であって、
本体であって、前記本体はカテーテルを通過することができる寸法まで折り畳まれる構造及び拡張される構成を持つ、本体と、
前記患者の心房中隔において与えられる孔に前記本体を取り付けるよう適合される取付け手段と、
運搬カテーテルにおけるケーブルとの解放可能な係合に対して適合され、且つ前記ケーブルを前記本体に対して実質的に軸方向中心に位置付けるよう適合される、少なくとも1つの据付け手段と、
少なくとも1つの逆止め弁を中に有する前記本体を通る少なくとも1つの通路と、
を有し、
該通路は、前記据付け手段とは別に(aside from the attachment means)実質的に妨げられず、
当該装置は使用時に、前記患者の左心房圧が前記患者の右心房圧を所定の量分上回る際に、前記左心房から前記右心房まで前記通路を通って血液が流れ得るよう前記逆止め弁が開放し、それによって前記左心房圧を低減するよう、方向付けられ、
前記少なくとも1つの据付け手段は、前記カテーテルの前記ケーブルとのねじ込み式の解放可能な係合に対して適合される、装置。
【請求項2】
患者における心不全を治療する装置であって、
本体であって、前記本体はカテーテルを通過することができる寸法まで折り畳まれる構造及び拡張される構成を持つ、本体と、
前記患者の心房中隔において与えられる孔に前記本体を取り付けるよう適合される取付け手段と、
運搬カテーテルにおけるケーブルとの解放可能な係合に対して適合され、且つ前記ケーブルを前記本体に対して実質的に軸方向中心に位置付けるよう適合される、少なくとも1つの据付け手段と、
少なくとも1つの逆止め弁を中に有する前記本体を通る少なくとも1つの通路と、
を有し、
該通路は、前記据付け手段とは別に(aside from the attachment means)実質的に妨げられず、
当該装置は使用時に、前記患者の左心房圧が前記患者の右心房圧を所定の量分上回る際に、前記左心房から前記右心房まで前記通路を通って血液が流れ得るよう前記逆止め弁が開放し、それによって前記左心房圧を低減するよう、方向付けられ、
前記少なくとも1つの据付け手段は、前記カテーテルにおける前記ケーブルの遠位端部に対して離れた前記本体の側部上に位置付けられ、
前記ケーブルは、前記少なくとも1つの据付け手段に係合するよう前記孔及び前記弁を通過する、装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19a】
【図19b】
【図20】
【図21a】
【図21b】
【図22a】
【図22b】
【図22c】
【図23a】
【図23b】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19a】
【図19b】
【図20】
【図21a】
【図21b】
【図22a】
【図22b】
【図22c】
【図23a】
【図23b】
【図24】
【公開番号】特開2013−46784(P2013−46784A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−233149(P2012−233149)
【出願日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【分割の表示】特願2009−534962(P2009−534962)の分割
【原出願日】平成19年11月7日(2007.11.7)
【出願人】(509106496)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【分割の表示】特願2009−534962(P2009−534962)の分割
【原出願日】平成19年11月7日(2007.11.7)
【出願人】(509106496)
【Fターム(参考)】
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