説明

心肺機能蘇生デバイス

【課題】患者の肺の換気を患者の胸骨エリアの胸部圧縮と組み合わせる心肺機能蘇生デバイスを提供する。
【解決手段】心肺機能蘇生デバイスは、自動膨張式バッグを含み、該バッグは、圧縮されるときバッグの内容物が押し出される出口を有し、上記デバイスは、患者の胸骨エリア上のバッグの適正な場所を指示し且つ力をその頂側に加えるためのバッグの適正な位置を指示するためのバッグのターゲットしるしと、患者の口及び鼻の上に配置するためのフェースマスクと、バッグからフェースマスクまで延びるチューブと、を更に含む。デバイスは、自動膨張式バッグに加えられる圧力の量を指示するためのしるしと、患者の肺の反復且つ急速胸部圧縮及び強制換気を提供するためのベルト及び又はモータ構造体を含む背板と、を含んでもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、心肺機能蘇生(CPR)型胸部圧縮を有する圧搾バッグ型蘇生器を使用するデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
患者の正常な呼吸が中断されたときに用いられる二つの一般的な応急処置が、自動膨張圧搾バッグ型蘇生器及び心肺機能蘇生法(CPR)の使用である。
【0003】
自動膨張圧搾バッグ型蘇生器は、普通、患者の正常な呼吸が中断されたが、患者の心臓がまだ鼓動しているときに患者を蘇生させるために患者の肺の人工の緊急換気に用いられる。いくつかの種類の係る自動膨張圧搾バッグ型蘇生器が広く用いられ、時には人工呼吸器と呼ばれている。典型的な自動膨張圧搾バッグ型蘇生器は、一般に、患者の鼻及び口の上に取付けられる気密フェースマスクと、フェースマスクに連結された自動膨張圧搾バッグと、を含む。バッグが圧搾されたとき、空気又は酸素がバックから患者の肺の中へ押し込まれる。バッグは、解放されたときに自動的に再び膨張し、大気、等を、典型的には、バッグとフェースマスクとの間かフェースマスクとは反対側のバッグの端に位置決めされたバッグの充填弁(一方向の、内向き流れ逆止め弁)を介してバッグに吸い込む。肺からの空気は、バックに戻らないで(再呼吸防止弁又はNRB弁としばしば呼ばれる)ある種の逃がし弁によってマスクから出る。
【0004】
心肺機能蘇生法(CPR)は、突然の心拍停止、等により、患者が呼吸を停止し且つ患者の心臓が鼓動を停止したときに施される。心肺機能蘇生法(CPR)は、口対口人工呼吸、及び胸部圧迫を含む。口対口人工呼吸を行うために、患者の鼻をつまんで塞ぎ、救助者は、患者の口の中へ直接吹き込む。口対口人工呼吸の後、次いで、救助者は、乳首間の患者の胸部右側(即ち、胸骨エリア)を押し下げることによって胸部圧縮を行う。
【0005】
既知の従来技術には、単独、組合せのいずれでも、本発明を何ら開示していないし或いは提案していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、救助者が患者の肺の人工緊急換気を心肺機能蘇生法(CPR)型胸部圧縮と組み合わせる方法で圧搾バッグ型蘇生器を用いるデバイスを開示する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、圧搾バッグ型蘇生器と心肺機能蘇生法(CPR)型胸部圧縮とを組み合わせる心肺機能蘇生デバイスを提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、圧縮型蘇生器の最初の圧搾で純粋な酸素を患者の肺に送り込むことを有する心肺機能蘇生デバイスを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、圧縮型蘇生器の最初の圧搾で薬を患者の肺に送り込むことを有する、係る心肺機能蘇生デバイスを提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、患者の胸部に加えられている力の量を監視するための手段を含む、係る心肺機能蘇生デバイスを提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、胸部圧縮及び換気中患者の頭を傾けておき且つ気道を開けておくための背板を含む、係る心肺機能蘇生デバイスを提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、背柱矯正板が、反復且つ急速胸部圧縮と強制換気とを提供する電動式手段を含む、係る心肺機能蘇生デバイスを提供することにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の心肺機能蘇生デバイスの第1の実施形態を、一般的に図1乃至図6に示し、且つ数字11によって表す。心肺機能蘇生デバイス11は、患者の肺の人工緊急換気と、患者の胸骨エリアSAに加えられる心肺機能蘇生法(CPR)型胸部圧縮とを組み合わせることによって使用者及び又は救助者Rが患者Pを助け或いは救助するように変更された圧搾バッグ型心肺機能蘇生器13を用いる。
【0014】
圧搾バッグ型心肺機能蘇生器13は、好ましくは、典型的な自動膨張式圧搾バッグ15を含み、これは、自動膨張式圧搾バッグ15が圧搾され、さもなければ圧縮されるとき、空気又は酸素が自動膨張式バッグ15の内部から、自動膨張式圧搾バック15を圧搾バッグ型心肺機能蘇生器13の他の部分に、例えば、患者の口及び鼻の上に配置されるフェースマスク19に連結させるためのある種の出口又はコネクタ17に押し出されるように構成されている。フェースマスク19(しばしばフェースピースと呼ばれる)は、典型的には、自動膨張式圧搾バッグ15との連結のためのマウント21と、本体23とを含み、本体23は、その縁のまわりに、フェースマスク19と患者の顔との間に実質的に気密シールを形成させるシール部材25を有する。また、フェースマスク19は、フェースマスクの本体23を患者の顔に固定するための弾性ヘッドバンド、等(図示せず)を含んでもよい。蘇生器13は、典型的には、自動膨張式バッグ15の出口又はコネクタ17とフェースマスク19との間に取付けられた(再呼吸防止弁又はNRB弁としばしば呼ばれる)ある種の逃がし弁27を含み、その結果、フェースマスク19を患者の口及び鼻の上に設置した後、患者の肺からの空気は、自動膨張式バッグ15に戻ることなく逃がし弁27を通ってフェースマスク19から出て行く。自動膨張式バッグ15が解放される、等のときに、自動膨張式バッグ15は、自動的に再び膨張し、周囲空気、等を、しばしば、コネクタ17に結合されることのよって、或いはコネクタ17と正反対の自動膨張式バッグ15の端でバッグ15に直接取付けられることによって、自動膨張式バッグ15の内部と連通する自動膨張式バッグ15と組み合わされる自動膨張式バッグ充填弁29(即ち、一方向の、内向き流れ逆止め弁)を介して、自動膨張式バッグ15の中へ吸い込む。自動膨張式バッグ15の形状及び寸法は、当業者に今明らかになったように変えることができるけれども、一般的には、自動膨張式バッグ15は、頂側31として称することができる一方の側と、底側33と称することができる他方の側とを有する。
【0015】
本発明の心肺機能蘇生デバイス11は、患者の胸部エリアSA上の自動膨張バッグ15の適正な位置を指示し且つ患者の肺の人工緊急換気に続いて患者の胸部エリアSAに加えられる心肺機能蘇生法(CPR)型胸部圧縮を行なうために自動膨張バッグ15の頂面31に力を加えるための自動膨張バッグ15の適正な位置を指示するターゲットしるし35を自動膨張式バッグ15に含む。ターゲット標35は、好ましくは、患者の胸部エリアSA上の自動膨張式バッグ15の適正な位置を指示する底部ターゲットしるし37を自動膨張式バッグ15の底側33に含み、且つ好ましくは、患者の肺の人工緊急換気に続いて患者の胸骨エリアSAに加えられる心肺機能蘇生法(CPR)型胸部圧縮を行なうために力を自動膨張式バッグ15の頂側31に加えるための自動膨張式バッグ15上の適正な位置を指示する頂部ターゲットしるし39を自動膨張式バッグ15の頂側31に含む。底部ターゲットしるし37及び頂部ターゲットしるし39の構造、形状及び大きさは、当業者に今明らかになるように変えることができるが、底部ターゲットしるし37及び頂部ターゲットしるし39の各々は、バッグ15の適当な面に取付けられた、可視的及び又は触覚的に識別可能な、円形状のステッカー、テープの一部分、等で単に構成されてもよい。
【0016】
本発明の心肺機能蘇生デバイス11は、自動膨張式バッグ15の出口17からフェースマスク19まで延びるチューブ41を含み、その結果、フェースマスク19が患者の口及び鼻の上に配置されたときに自動膨張式バッグ15の出口17を通って自動膨張式バッグ15から押し出された空気がフェースマスク19を通って患者の肺に流入する。チューブ41は、好ましくは、フェースマスク19が患者の口及び鼻の上に配置されると同時に、自動膨張式バッグ15を患者の胸骨エリアSAに位置決めさせるために細長く且つ可撓性である。チューブ41の正確な大きさ、長さ、及び構造は、今、当業者に明らかになるように、変えてもよいが、チューブ41は、フェースマスク19のマウント21及び逃がし弁27に合うように寸法決めされ、且つ自動膨張式バッグ15を患者の胸部エリアSAに適正に位置決めさせ、同時に、フェースマスク19を患者の鼻及び口の上に適正に位置決めさせながら、患者の胸骨エリアSAとフェースマスク19との間に延びるのに十分に長い、典型的な、医療クレードの、可撓性プラスチックホースで構成されるのがよい。チューブ41は、好ましくは、いかなる標準の気管気管支の樹枝上分岐又は気管支を、適合させうるコネクタを介して改装するように設計される。これにより、使用者及び又は救助者Rは、フェースマスク19なしで心肺機能蘇生法と同じ方法で気管気管支の樹枝状分岐又は気管支が注入された患者Pに手当てを施す。
【0017】
心肺機能蘇生デバイス11は、自動膨張式バッグ15内に、或る量の純粋酸素43或いは高酸素含有空気を含んでもよく、フェースマスク19が患者の鼻及び口の上に配置された後、初めて自動膨張式バッグ15が圧搾されたときにその量の純粋酸素43を患者の肺に押し込む。
【0018】
心肺機能蘇生デバイス11は、自動膨張式バッグ15内に医薬組成物45を含んでもよく、フェースマスク19が患者の鼻及び口の上に配置された後、初めて自動膨張式バッグ15が圧搾されたときに医薬組成物45を患者の肺に押し込む。医薬組成物45は、単一の薬剤或いは化学物質、又は薬剤又は化学物質の組合せからなるのがよい。
【0019】
心肺機能蘇生デバイス11は、使用者及び又は救助者Rによって作動されるまで或る量の純粋酸素43及び又は医薬組成物45が自動膨張式バッグ15から漏れたり出て行ったりしないようにする放出弁或いはシール(図示せず)を含んでもよい。
【0020】
本発明の心肺機能蘇生デバイス11を用いる方法は、自動膨張式バッグ15と、患者の胸骨エリアSA上の自動膨張式バック15の適正な位置を指示し且つ自動膨張式バッグ15の頂側31に力を加えるための、自動膨張式バック15上の適正な位置を指示する、自動膨張式バック15のターゲットしるし35と、患者の口及び鼻の上に配置するためのフェースマスク19と、自動膨張式バッグ15の出口17からフェースマスク19まで延びているチューブ41と、を含む心肺機能蘇生デバイス11をまず準備する段階を含む。患者Pを、通常の心肺機能蘇生位置、好ましくは、蘇生中患者の気道を開いておくための頚部支持体NSを有する仰臥位に置く。心肺機能蘇生デバイス11のフェースマスク19を、患者の口及び鼻の上に置き、自動膨張式バッグ15のターゲットしるし35を患者の胸骨エリアSAに位置決めして、心肺機能蘇生デバイス11の自動膨張式バッグ15を、患者の胸部に置く。すると、使用者及び又は救助者Rは、心肺機能蘇生デバイス11の自動膨張式バッグ15のターゲットしるし35に力を加えて、まず空気を自動膨張式バック15からチューブ41及びフェースマスク19を通して患者の肺に押し込んで、患者の肺を換気し(しばしば人工呼吸と呼ばれる)、それから患者の胸骨エリアSAを圧縮する(しばしば胸部圧縮と呼ばれる)。自動膨張式バック15が或る量の純粋酸素43を含むとき、ターゲットしるし35に力を加えて空気を自動膨張式バック15から患者の肺にまず押し込んで患者の肺を換気する段階により、また、或る量の純粋酸素を患者の肺に押し込ませる。自動膨張式バック15が医薬組成物45を含むとき、ターゲットしるし35に力を加えて空気を自動膨張式バック15から患者の肺にまず押し込んで患者の肺を換気するために段階により、また、医薬組成物45を患者の肺に押し込ませる。かくして心肺機能蘇生デバイス11の自動膨張式バッグ15のターゲットしるし35に力を加えた後、使用者及び又は救助者Rは、自動膨張式バック15を解放し、バック15は、自動膨張式バッグ充填弁29を通して大気空気をバッグ15に吸い込むことによって再び膨張し、患者の肺からの空気は、逃がし弁27を通って大気に通る。これらの心肺機能蘇生段階は、必要に応じて繰り返すことができる。典型的には、使用者及び又は救助者Rは、強制換気に対する胸部圧縮の比が所望の数(例えば、毎分80乃至100圧縮の割合で2強制換気当たり15乃至30の胸部圧縮)に等しいように、自動膨張バッグ15を完全に解放する前に多数の胸部圧縮を加えることによって単一強制換気(人工呼吸)後に多数の胸部圧縮を加える。心肺機能蘇生デバイス11は、胸部圧縮を監視するための圧力センサ(図示せず)と、デバイスを用いる心肺機能蘇生法(CPR)の段階を通して使用者及び又は救助者Rを口述で案内する可聴手段(図示せず)と、を含むのがよい。
【0021】
本発明の心肺機能蘇生デバイスの第2の実施形態或いは変形例を一般的に図7乃至図10に示し且つ数字2.11で表す。心肺機能蘇生デバイス2.11は、心肺機能蘇生デバイス11にほぼ等しく且つ心肺機能蘇生デバイス11の上記開示は、心肺機能蘇生デバイス2.11の構成及び動作の詳細な理解に対して参照されるべきであり且つ心肺機能蘇生デバイス11に対してここに用いられたものと同様な参照番号及び文字が心肺機能蘇生デバイス2.11の同様な構成部分に対して用いられる。しかしながら、図7乃至図10に明確に示したように、心肺機能蘇生デバイス2.11は、心肺機能蘇生(CPR)中、心肺機能蘇生デバイス2.11の自動膨張式バッグ15のターゲートしるし35に力を加えるときに患者Pの胸骨エリアSAに加えられる力の量の指示器を使用者及び又は救助者Rに提供するための指示器手段2.51を含む。指示器手段2.51は、好ましくは、或る量の流体2.55を収容する本体又はリザーバ部材2.53と、本体部材2.53から延びているチューブ部材2.57と、を含み、その結果、力を本体部材2.53に加えたとき(即ち、使用者及び又は救助者Rが自動膨張式バッグを押し下げ、さもなければ、心肺機能蘇生デバイス2.11の自動膨張式バッグ15のターゲットしるし35に力を加えたとき)、流体2.55が、本体部材2.53に加えられた力の量及び患者の胸骨エリアSAが圧縮される距離に比例する距離、本体部材2.53からチューブ手段2.57に、押し上げられる。チューブ部材2.57の遠位端は、全圧縮中余分の流体2.55を受け入れるためのバルブ2.59を含むのがよい。チューブ部材2.57の少なくとも一部分及び又はバルブ2.59が、その部分を通して流体2.55を容易に見せるために透明であるのが好ましい。本体部材2.53は、当業者に今明らかになるように、自動膨張式バッグ15の頂側31のターゲットしるし35の頂部ターゲットしるし39の上に配置されてもよいし或いは頂部ターゲットしるし39を実際に形成してもよい。デバイス2.11は、使用者或いは救助者Rに、本体部材2.53及び自動膨張式バッグ15を容易に保持させて調整させ且つ頂部しるし35上に手の位置を調整させ、且つまた自動膨張式バッグ15が使用者及び又は救助者Rから或いは患者の胸骨エリアSA、等からずれるのを防ぐために、本体部材2.53或いは自動膨張式バッグ15(図示せず)に手持ちバンド或いはストラップを含んでもよい。
【0022】
本発明の心肺機能蘇生デバイスの第3の実施形態或いは変形例を一般的に図11乃至図16に示し且つ数字3.11で表す。心肺機能蘇生デバイス3.11は、心肺機能蘇生デバイス11にほぼ等しく且つ心肺機能蘇生デバイス11の上記開示を、心肺機能蘇生デバイス3.11の構成及び動作の詳細な理解のために参照すべきであり且つここで、心肺機能蘇生デバイス11に用いられたように、心肺機能蘇生デバイス3.11の同様な構成部分に同様の参照番号及び文字が用いられる。しかしながら、図11乃至図16に明確に示したように、心肺機能蘇生デバイス3.11は、患者Pの少なくとも上部胴体Tを支持するための背板3.75を含む。位置決め手段3.77は、胸部圧縮及び換気中、患者の頭部Hを傾けて気道を開いておくために患者の頭部H、頸部N、上部胴体Tを適正に位置決めするために背板3.75の頂面に設置されるのがよい。位置決め手段3.77は、背板3.75の頂面又は上面に取付けられた枕状部材からなるのがよい。背板3.75は、患者の頭部H、頸部N、上部胴体Tだけの下に配置されるように寸法決めされてもよいし、或いは患者の下部身体を受けるために引き出されるための延長部3.79を含んでもよい。背板3.75は、背板3.75を、その上に患者Pを支持して容易に保持し且つ持ち上げるために取っ手を提供する開口部3.80を有するのがよい。背板3.75は、自動膨張式圧搾バッグ15及び患者の胸部或いは胸骨エリアSAに配置されるためのベルト3.81を含み、且つ反復且つ急速胸部圧縮及び強制換気を提供するためにベルト3.81を繰返し締めたり緩めたりする原動手段を含む。ベルト3.81は、好ましくは、軸或いはスプールの回転がベルト3.81を巻き取ったり繰り出したりするように原動手段3.83の軸又はスプールに取付けられた第1の端3.85と、バッグの上に延び、且つベルト3.81が巻き取られるとき、ベルトが自動膨張式バッグ15を圧縮して、強制換気に続いて胸部圧縮を引き起すように、原動手段3.83の反対側で背板3.75に取付けられたアンカー3.89にフック止めされ、さもなければ第2の端3.87と、を含む。原動手段3.83は、電気的に作動されてもよいし、ばね作動されてもよいし、好ましくは、ベルト3.81の巻き取り及び繰り出しを制御するための制御手段3.91を含む。制御手段3.91は、簡単な手動操作式スイッチ又はコンピュータ操作式コントローラ、等であってもよい。デバイス3.11は、患者の胸腔全体に亘って力を均等に加える第2のベルト(図示せず)を含んでもよい。原動手段3.83は、二つのベルトが決して同時に作動しないように設計される。作動は、スイッチを用いて、使用者及び又は救助者Rによって手動で、或いはコンピュータチップ又はコンピュータシステム、等によって制御することができる。原動手段3.83は、ベルト3.81が強制換気を行うために自動膨張式バッグ15をまず収縮し、そして設計通りの圧縮を提供するために自動膨張式バッグ15を患者の胸骨エリアSAに向かって圧縮し、そして換気に対する圧縮の所望の比、等を提供するために自動膨張式バッグ15を部分的に解放し且つ再び圧縮するように設計される。更に、図13及び図15に明確に示すように、心肺機能蘇生デバイス3.11は、フェースマスク19を患者の口及び鼻、等に関して固定するために幅広の弾性ストラップ3.93を含んでもよい。ストラップ3.93は、幅約2.54乃至7.62センチメートル(約1乃至3インチ)(即ち、概ね患者の耳の幅)であるのがよい。
【0023】
本発明を、好ましい実施形態及びその好ましい使用に関して記述し且つ説明したが、本発明の意図した全範囲内にある変更及び変形をなすことができるので、そのような実施形態及び使用に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】フェースマスクを患者の口及び鼻の上に配置し、自動膨張式バッグ上のターゲットしるしを患者の胸骨エリアの上に配置し、自動膨張式バッグを患者の胸部に配置して示す、本発明の心肺機能蘇生デバイスの第1の実施形態の概略線図である。
【図2】患者の肺を換気し且つ患者の胸骨エリアを圧縮するために救助者が自動膨張式バッグを圧縮している、図1に幾分似た概略線図である。
【図3】図1の心肺機能蘇生デバイスの側立面図である。
【図4】図1の心肺機能蘇生デバイスの自動膨張式バッグ及び出口の一部分の平面図である。
【図5】図1の心肺機能蘇生デバイスの自動膨張式バッグ及び出口の一部分の底面図である。
【図6】或る任意の要素を自動膨張式バッグ内に配置したバッグの内部を示すために自動膨張式バックの一部分を切り欠いた、図4に幾分似た、正面図である。
【図7】フェースマスクを患者の口及び鼻の上に配置した自動膨張式バッグを、患者の胸部に配置して示し、自動膨張式バッグ上のターゲットしるしを患者の胸骨エリアの上に配置して示す、本発明の心肺機能蘇生デバイスの第2の実施形態の概略線図である。
【図8】患者の肺を換気し且つ患者の胸骨エリアを圧縮するために救助者が自動膨張式バッグを圧縮している、図7に幾分似た概略線図である。
【図9】内部構造を示すために自動膨張式バックの一部分を切り欠いた、図7の心肺機能蘇生デバイスの自動膨張式バッグの側立面図である。
【図10】図9に類似するが、自動膨張式バッグを圧縮状態で示す側立面図である。
【図11】移動した部分を破線で示した、本発明の心肺機能蘇生デバイス用の背板の側立面図である。
【図12】図11の平面図である。
【図13】図13は、フェースマスクを患者の口及び鼻の上に配置して、自動膨張式バッグを患者の胸部に配置して、患者の頭部及び胸部を図11の背板で支持して、且つ原動圧縮手段を背板と組み合わせて示す、本発明の心肺機能蘇生デバイスの第1の実施形態の側立面図である。
【図14】図13の線分14−14で実質的に切り取った断面図である。
【図15】患者の肺を換気し且つ患者の胸骨エリアを圧縮するために自動膨張式バッグを圧縮する原動圧縮手段を示す、図13に類似する、側立面図である。
【図16】図15の線分15−15で実質的に切り取った断面図である。
【符号の説明】
【0025】
11 心肺機能蘇生デバイス
13 圧搾バッグ型心肺機能蘇生器
15 自動膨張式圧搾バッグ
17 出口又はコネクタ
19 フェースマスク
21 マウント
23 本体
25 シール部材
27 逃がし弁
29 自動膨張式バッグ充填弁29
31 頂側
33 底側
35 ターゲットしるし
37 底部ターゲットしるし
39 頂部ターゲットしるし
41 チューブ
NS 頚部支持体
P 患者
R 使用者及び又は救助者
SA 胸骨エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の肺の人工、緊急換気を患者の胸骨エリアの胸部圧縮と組み合わせる心肺機能蘇生デバイスであって、
(a)頂側と、底側と、出口とを含む自動膨張式バッグ、頂側が底側に向かって押されるときにバッグの中の内容物が出口を通って押し出され;
(b)患者の口及び鼻の上に配置するためのフェースマスク;
(c)自動膨張式バッグの出口からフェースマスクまで延びているチューブ;
(d)患者の胸骨エリア上の自動膨張式バックの適正な位置を指示し、且つ患者の肺を換気し、次いで患者の胸骨エリアを圧縮すべく空気を自動膨張式バッグからチューブ及びフェースマスクを通して患者の肺に押し入れるために力を自動膨張式バッグの頂側に加えるのに適正な自動膨張式バッグの位置を指示する自動膨張式バッグのターゲットしるし;
を含み、
ターゲット標は、患者の胸骨エリア上の自動膨張式バックの適正な位置を指示するために自動膨張式バッグの底側に底部ターゲットしるしを含み、且つ自動膨張式バッグの頂側に力を加えるのに適正な自動膨張式バッグの位置を指示するために自動膨張式バッグの頂側に頂部ターゲットしるしを含む、
ことを特徴とする上記心肺機能蘇生デバイス。
【請求項2】
チューブは、フェースマスクを患者の口及び鼻の上に配置しながら自動膨張式バッグを患者の胸骨エリアに配置させるための細長く且つ可撓性であることを特徴とする、請求項1に記載の心肺機能蘇生デバイス。
【請求項3】
自動膨張式バッグは、或る量の純粋酸素を含むことを特徴とする、請求項1に記載の心肺機能蘇生デバイス。
【請求項4】
自動膨張式バッグは、医薬組成物を含むことを特徴とする、請求項1に記載の心肺機能蘇生デバイス。
【請求項5】
自動膨張式バッグの頂側に加えられる力の量の指示を提供するための指示器手段を含むことを特徴とする、請求項1に記載の心肺機能蘇生デバイス。
【請求項6】
少なくとも患者の上部胴体を支持するための背板を含み、背板は、患者を患者の頭部を傾けて気道を開くように位置決めするための位置決め手段を含むことを特徴とする、請求項1に記載の心肺機能蘇生デバイス。
【請求項7】
少なくとも患者の上部胴体を支持するための背板を含み、背板は、自動膨張式バッグ及び患者の胸部に配置されるベルトを含み、且つ反復且つ急速胸部圧縮及び強制換気を提供するためにベルトを繰返し締めたり緩めたりするための原動手段を含むことを特徴とする、請求項1に記載の心肺機能蘇生デバイス。
【請求項8】
患者の肺の人工、緊急換気を患者の胸骨エリアの胸部圧縮と組み合わせる心肺機能蘇生デバイスであって、
(a)頂側と、底側と、出口とを含む自動膨張式バッグ、頂側が底側に向かって押されるときにバッグの中の内容物が出口を通って押し出され;
(b)患者の口及び鼻の上に配置するためのフェースマスク;
(c)自動膨張式バッグの出口からフェースマスクまで延びているチューブ;
(d)自動膨張式バッグの頂側に加えられる力の量の指示を提供するための指示器手段;
を含むことを特徴とする上記心肺機能蘇生デバイス。
【請求項9】
指示器手段は、或る量の流体を収容する本体部材と、本体部材から延びるチューブ部材と、を含み、力が本体部材に加えられるときに、流体が本体部材から本体部材に加えられた力の量に比例する距離、チューブ部材に、押し上げられることを特徴とする請求項8に記載の心肺機能蘇生デバイス。
【請求項10】
患者の肺の人工、緊急換気を患者の胸骨エリアの胸部圧縮と組み合わせる心肺機能蘇生デバイスであって、
(a)頂側と、底側と、出口とを含む自動膨張式バッグ、頂側が底側に向かって押されるときにバッグの内容物が出口を通って押し出され;
(b)患者の口及び鼻の上に配置するためのフェースマスク;
(c)自動膨張式バッグの出口からフェースマスクまで延びているチューブ;
(d)患者の少なくとも上部胴体を支持するための背板;
を含み、
背板は、自動膨張式バッグ及び患者の胸部に配置されるベルトを含み、且つ反復且つ急速胸部圧縮及び強制換気を提供するためにベルトを繰返し締めたり緩めたりする原動手段を含む、ことを特徴とする上記心肺機能蘇生デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2009−522062(P2009−522062A)
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−549604(P2008−549604)
【出願日】平成19年1月5日(2007.1.5)
【国際出願番号】PCT/US2007/000453
【国際公開番号】WO2007/081912
【国際公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(508203987)
【出願人】(508203998)
【Fターム(参考)】