説明

恒温装置

【課題】底面が球面形状となっている反応容器内の試料をホットプレート付マグネチックスターラによって撹拌しながら精度よく温度制御することができる恒温装置を提供する。
【解決手段】底面が球面形状の反応容器を保持してホットプレート付マグネチックスターラのホットプレートからの熱を前記反応容器に伝達して反応容器内の試料液の温度制御を行う恒温装置10であって、上部に反応容器の底面形状に対応した半球形凹状面からなる容器収納部12を形成した円柱状の恒温装置本体13を、該恒温装置本体の平面中心点を通る鉛直面に沿った分割面Cによって複数の収納ブロック14に分割形成し、該恒温装置本体の外周面に、分割形成した各ブロックを平面中心点の方向に押圧する押圧手段を設けるとともに、該恒温装置本体の下部にホットプレート上に載置される載置面を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、恒温装置に関し、詳しくは、合成反応を行う合成反応用容器等の反応容器をあらかじめ設定された温度に保持するための恒温装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス製反応容器内に投入した試料を撹拌しながら加熱する機器として、ホットプレート付マグネチックスターラが広く用いられている。このホットプレート付マグネチックスターラを用いた場合、平底のビーカーや三角フラスコは、反応容器内の試料を十分に加熱することができるが、減圧下で加熱しながら撹拌する必要がある場合は、ビーカーや三角フラスコを真空槽内に収納した状態で行わなければならず、装置が大掛かりとなる問題がある。また、底部が球状の丸底フラスコやナス形フラスコの場合は、真空槽を必要とせずに減圧下で使用することができるが、ホットプレート付マグネチックスターラでは丸底フラスコやナス形フラスコ内の試料を加熱することができないため、ホットバスなどを用いて加熱する必要がある。
【0003】
一方、反応容器内の試料を加熱(温度制御)する装置として、温度調整機能を有するアルミブロックに反応容器挿入穴を形成し、この反応容器挿入穴内に試験管などのガラス製反応容器を挿入して反応容器内の液体試料を所定温度に制御することが行われている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平2−47542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、前記アルミブロックの反応容器挿入穴の形状を丸底フラスコやナス形フラスコに対応した球状とすることにより、丸底フラスコ等の反応容器の使用した場合の温度制御性を確保することは可能であるが、これらのガラス製の反応容器では、設定された公差寸法によって製品毎に外径が僅かに異なるため、反応容器の底面形状に対応した球面からなる反応容器挿入穴をアルミブロックに形成する場合、公差の範囲内で最大の外径を有する反応容器を反応容器挿入穴に挿入可能にするためには、最大外径の反応容器に対応した内径の球面を形成しなければならない。しかし、球面の内径を反応容器の最大外径に対応した内径にすると、外径が小さ目の反応容器を反応容器挿入穴に収納したときに、反応容器挿入穴の内周面と反応容器の外周面との間に隙間が発生して熱伝導性が低下するため、十分な温度制御性を得ることが困難であった。
【0006】
そこで本発明は、底面が球面形状となっている反応容器内の試料をホットプレート付マグネチックスターラによって撹拌しながら精度よく温度制御することができる恒温装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の恒温装置は、底面が球面形状となっている反応容器を保持してホットプレート付マグネチックスターラのホットプレートからの熱を前記反応容器に伝達し、反応容器内でマグネチックスターラの撹拌子によって撹拌されている試料液の温度制御を行うための恒温装置であって、上部に前記反応容器の底面形状に対応した半球形凹状面からなる容器収納部を形成した円柱状の恒温装置本体を、該恒温装置本体の平面中心点を通る鉛直面に沿った分割面によって複数のブロックに分割形成し、該恒温装置本体の外周面に、分割形成した各ブロックを前記平面中心点の方向に押圧する押圧手段を設けるとともに、該恒温装置本体の下部に前記ホットプレート上に載置される載置面を形成したことを特徴としている。
【0008】
さらに、本発明の恒温装置は、前記恒温装置本体の外周を囲繞する円筒状の外周側部材を設け、該外周側部材を、該外周側部材の平面中心点を通る鉛直面に沿った分割面によって複数の外周ブロックに分割形成するとともに、該外周ブロックの外周面に、分割形成した各外周ブロックを前記恒温装置本体の外周面の方向に押圧する押圧手段を設けたことを特徴としている。
【0009】
また、本発明の恒温装置は、前記恒温装置本体を上下方向に挿通可能な複数の貫通孔を一つの円周上に等間隔で形成した円柱状の恒温装置本体保持部材を有し、該恒温装置本体保持部材は、該恒温装置本体保持部材の平面中心点と前記貫通孔の平面中心点を通る鉛直面に沿った分割面によって複数の保持ブロックに分割形成するとともに、該保持ブロックの外周面に、分割形成した各保持ブロックを前記恒温装置本体保持部材の平面中心点の方向に押圧する押圧手段を設けたことを特徴としている。
【0010】
さらに、本発明の恒温装置における前記押圧手段は、前記半球形凹状面に収納される前記反応容器の最大外径を通る水平面に対応する位置に設けられていること、前記ブロックの一つにセンサ装着部が設けられていること、前記恒温装置本体の外周面、前記外周側部材の外周面又は前記恒温装置本体保持部材が金網で覆われていること、前記恒温装置本体、前記外周側部材又は前記恒温装置本体保持部材に把手部材が設けられていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の恒温装置によれば、反応容器の底面形状に対応した半球形凹状面を複数のブロックに分割形成するとともに、各ブロックを外周から押圧するようにしているので、各ブロックの分割面が互いに当接したときの半球形凹状面の最小直径を、反応容器の公差範囲内の最小寸法に応じて設定することにより、公差の範囲内で最小寸法の反応容器を使用した場合でも、半球形凹状面の内周面と容器外周面との接触面積を十分に確保することができる。また、公差の範囲内で最大寸法の反応容器の場合は、各ブロックが離れて半球形凹状面が拡がることで反応容器を半球形凹状面内に保持することができ、各ブロックが外周から押圧されているので半球形凹状面の内周面と容器外周面との接触面積を十分に確保することができる。したがって、底面が球面形状となっている反応容器の外径が公差の範囲内で異なっていても、半球形凹状面の内周面と容器外周面との間に大きな隙間が発生して熱伝導が損なわれることがなく、丸底フラスコやナス形フラスコ内の試料液をホットプレート付マグネチックスターラによって撹拌しながら精度よく温度制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の恒温装置の第1形態例を示す斜視図である。
【図2】図3のII−II断面図である。
【図3】本発明の恒温装置の第1形態例を示す平面図である。
【図4】図5のIV−IV断面図である。
【図5】本発明の恒温装置の第2形態例を示す底面図である。
【図6】同じく底面側から見た斜視図である。
【図7】本発明の恒温装置の第3形態例を示す斜視図である。
【図8】同じく平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1乃至図3の第1形態例に示す恒温装置10は、上部中央に反応容器11の底面形状に対応した半球形凹状面からなる容器収納部12を形成した円柱状の恒温装置本体13を、該恒温装置本体13の平面中心点を通り、互いに直交する一対の鉛直面に沿った分割面Cによって4個の収納ブロック14,14に分割形成したものであって、各収納ブロック14の平面視は、中心角が90度の同一形状の扇形状に形成されている。恒温装置本体13の下部には、ホットプレート付マグネチックスターラのホットプレート15上に載置される平面状の載置面16が設けられ、該載置面16の外周下面には、前記ホットプレート15の外周を覆う状態に形成されたリング状突出部17が設けられている。
【0014】
また、恒温装置本体13の外周面には、分割形成した各収納ブロック14,14を前記平面中心点の方向に押圧する押圧手段として、リング状のコイルスプリング18a,18bが上下2箇所に設けられている。各コイルスプリング18a,18bは、恒温装置本体13の外周面に形成された周方向の凹溝19a,19b内にそれぞれ装着されている。上方のコイルスプリング18aは、容器収納部12内に保持される反応容器11の最大外径を通る水平面に対応する位置に設けられている。
【0015】
さらに、恒温装置本体13の外周には筒状に形成した金網20が装着されており、恒温装置本体13の上部外周対向位置にそれぞれ設けられた一対の釣手装着孔21aに、把手部材としての釣手21の両端が金網20を貫通して回動可能、着脱可能に挿入されている。また、4個の収納ブロック14の中の一つの収納ブロックには、センサ装着部となるセンサ取付孔22が設けられている。
【0016】
容器収納部12を形成する球面の径は、反応容器11の球状部における外径の公差の中心外径に対応した径に設定することが好ましい。例えば、500mlの丸底フラスコで、球状部の基準外径が109mm、公差が±1.5mmの場合は、容器収納部12の球面の直径は、公差の中心外径となる109mmに設定することが好ましい。
【0017】
一方、反応容器11をセットする前の各収納ブロック14は、前記コイルスプリング18a,18bによって外周から押圧されることで、隣接する収納ブロック14同士の間の分割面Cは閉じた状態になるので、このときの容器収納部12の開口部の径方向の寸法は、反応容器11の球状部の公差の範囲内で最小寸法と同じ寸法乃至僅かに小さな寸法に設定しておくことが好ましい。例えば、前述の500mlの丸底フラスコの場合は、分割面Cを閉じたときの容器収納部12の開口部の径方向の寸法を107.5mm乃至107mmになるように設定することが好ましい。
【0018】
このとき、恒温装置本体13の上部に容器収納部12を形成してから恒温装置本体13を前記分割面Cに沿って切断することにより各収納ブロック14を形成する場合、恒温装置本体13の上部中央に、直径109mmの半球面からなる容器収納部12を形成してから、きりしろを2mmとして切断することにより、容器収納部12の開口部径方向寸法を107mmにすることができる。
【0019】
これにより、公差の範囲内で最小寸法となる外径が107.5mmの500ml丸底フラスコの下半部を容器収納部12に挿入したときには、各収納ブロック14が僅かに外周側に移動した状態で丸底フラスコの下半部が容器収納部12内に収納されて保持された状態になる。このとき、各収納ブロック14は、コイルスプリング18a,18bによって内周方向に押圧されているので、各収納ブロック14の内周面と丸底フラスコの球状部外周面とがそれぞれ一部で確実に当接した状態となり、容器収納部12の内周面と丸底フラスコの球状部外周面との間に大きな隙間が発生することはない。
【0020】
また、公差の範囲内で最大寸法となる外径が110.5mmの500ml丸底フラスコの場合、丸底フラスコの球状部を容器収納部12に挿入していくと、各収納ブロック14がコイルスプリング18a,18bを伸ばしながら恒温装置本体13の外周方向に移動することによって容器収納部12が拡がるので、開口寸法が大きくなった状態の容器収納部12内に外径が大きめの丸底フラスコの下半部を収納することができる。この場合も、各収納ブロック14が、コイルスプリング18a,18bによって内周方向に押圧されているので、丸底フラスコの球状部外周面と、容器収納部12の内周面との間に大きな隙間が発生することはない。
【0021】
したがって、基準寸法に対して公差の範囲内であれば、反応容器球状部の実際の外径が異なっている場合でも、容器収納部12の内周面と反応容器球状部外周面との間の熱伝導性を十分に確保することができるので、ホットプレート付マグネチックスターラのホットプレート15の熱を各収納ブロック14を介して反応容器11に確実に伝達することができる。これにより、反応容器11内でマグネチックスターラの撹拌子で撹拌されている試料液の温度を高精度で制御することができる。
【0022】
また、上方のコイルスプリング18aを容器収納部12内に保持される反応容器11の最大外径を通る水平面に対応する位置に設けることにより、各収納ブロック14を反応容器11に向かって効果的に押圧することができ、容器収納部12から反応容器11が抜け出たりすることを防止するとともに、各収納ブロック14の球状面を、より確実に反応容器11に接触させることができる。
【0023】
さらに、恒温装置本体13の外周面を金網20で覆うことにより、ホットプレート15によって高温に加熱された恒温装置本体13に手などが触れることを防止することができ、火傷などを負うこともなくなる。また、恒温装置本体13に釣手21を設けておくことにより、恒温装置本体13が高温状態の場合でも、釣手21を持って恒温装置を移動させることができる。加えて、反応容器11内の試料液の温度制御は、試料液中に挿入した温度センサで検出した温度に基づいてホットプレート15の温度を制御することで行うこともできるが、収納ブロック14にセンサ取付孔22を設け、このセンサ取付孔22に温度センサを挿入して恒温装置本体13の温度を検出することにより、温度制御の応答性の向上や制御性の向上を図ることができる。また、センサ取付孔22を複数箇所に設けておくことにより、制御用とは別のモニタ用などの他の温度センサを挿入することができ、温度管理などの操作性を向上させることができる。
【0024】
なお、恒温装置本体のブロック分割数は、2個以上であればよいが、熱伝導性を考慮すると3個以上であることが好ましく、各ブロックが同一形状であることが好ましい。さらに、ブロック分割数を多くするほど容器収納部12と反応容器11との接触面積を多くして熱伝導性を高めることができるが、恒温装置本体の切断加工を考慮すると、4個、6個又は8個が最適である。
【0025】
また、恒温装置本体の上部は、対応する反応容器の大きさに応じた形状とすればよく、恒温装置本体の下部は、使用するマグネチックスターラのホットプレートの形状に応じた形状とすればよい。例えば、外径が大きな反応容器の場合は、下部の載置面外周部と上部とが同一外径の寸胴形状になってもよく、下部よりも上部が大径となったすり鉢状になってもよい。さらに、恒温装置本体の底面にリング状突出部を設けておくことにより、恒温装置をホットプレート上に安定した状態で載置しておくことができる。
【0026】
さらに、把手部材は、前記釣手に限るものではなく、恒温装置の大きさや重量、使い勝手を考慮した形状のものを選択することができ、例えば、両手鍋や片手鍋のような把手形状とすることもでき、容易に着脱できる構造とすることも可能である。
【0027】
図4乃至図6の第2形態例に示す恒温装置は、内外二重構造として内側を着脱交換可能とした例を示している。なお、以下の説明において、前記第1形態例に示した恒温装置の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0028】
本形態例に示す恒温装置30は、上部中央に容器収納部12を有するとともに4個の収納ブロック14に分割形成された前記第1形態例と同様の円柱状の恒温装置本体13と、該恒温装置本体13の外周を囲繞する円筒状の外周側部材31とで形成されている。外周側部材31は、前記恒温装置本体13の平面中心点と同じ点である外周側部材31の平面中心点を通る鉛直面に沿った分割面Cによって4個の同一形状の外周ブロック32,32に分割形成されている。
【0029】
外周ブロック32の上部は、外周ブロック32の上部外周面に設けられた周方向の凹溝33に装着された押圧手段であるリング状のコイルスプリング34により、分割形成した各外周ブロック32が恒温装置本体13の外周面の方向に押圧された状態で保持されており、外周ブロック32の下部は、連結リング35によって連結されて保持されている。連結リング35は、各外周ブロック32の底面中央部に対応した4箇所の位置に、径方向に長い長孔35aを、ビス頭を収納可能な長溝底部にそれぞれ形成したものであって、前記長孔35aを通して固定ビス36を外周ブロック32の中央部に形成した雌ねじ孔32aに螺着することにより、各外周ブロック32を、長孔35aに沿って径方向に移動可能な状態で周方向に固定した状態としている。
【0030】
また、連結リング35の下面と、恒温装置本体13の底面の載置面16とは、同一平面上に位置するように形成されており、外周側部材31の底部外周には、載置面16より下方に突出してホットプレートの外周を覆う状態に形成されたリング状突出部37が設けられている。これにより、恒温装置本体13の載置面16をホットプレート15に当接させることができ、ホットプレート15の熱を恒温装置本体13に確実に伝達することができる。
【0031】
さらに、恒温装置本体13の外径と外周側部材31の内径とは同一寸法となっており、容器収納部12内に反応容器を収納して恒温装置本体13の各収納ブロック14が拡がった状態になったときでも、各収納ブロック14の外面と各外周ブロック32の内面とが面接触した状態を保つように形成している。コイルスプリング34によって押圧される外周ブロック32で恒温装置本体13を保持しているので、恒温装置本体13が外周側部材31から抜け落ちることを防止できるとともに、外周ブロック32と恒温装置本体13との熱伝導性も向上させるようにしている。
【0032】
このように恒温装置本体13と外周側部材31とで形成した恒温装置30は、恒温装置本体13と外周側部材31とを着脱交換可能に形成することができるので、一つの外周側部材31に対して、外径が同一で、容器収納部12の大きさが異なる複数の恒温装置本体13を組み合わせることが可能となる。したがって、ホットプレート付マグネチックスターラの保有数に対応した外周側部材31を用意するだけで、使用する試料容器の容量の違い、同時に使用する同容量の試料容器の数などに応じた反応容器に対応することができ、全体としてのコストダウンや収納スペースの縮小が図れる。
【0033】
図7及び図8の第3形態例に示す恒温装置40は、複数の恒温装置本体13を一つの恒温装置本体保持部材41に着脱交換可能に保持した例を示している。
【0034】
本形態例に示す恒温装置40は、上部中央に容器収納部12を有するとともに4個の収納ブロック14に分割形成された前記第1形態例と同様の円柱状の恒温装置本体13と、該恒温装置本体13を同時に3個保持するための円柱状の恒温装置本体保持部材41とで形成されている。恒温装置本体保持部材41には、恒温装置本体13を上下方向に挿通可能な3箇所の貫通孔42が設けられている。この貫通孔42は、恒温装置本体保持部材41の平面中心点を通る一つの円周上に等間隔、本形態例では120度間隔で3箇所に形成されている。
【0035】
また、恒温装置本体保持部材41は、上部の外径を下部の外径と同一の寸胴形状とし、恒温装置本体保持部材41の平面中心点と前記貫通孔42の平面中心点とを通る鉛直面に沿った分割面Cにより、開き角度が120度の3個の扇形の保持ブロック43に分割形成されている。保持ブロック43は、前記第2形態例と同様に、下部が連結リングによって径方向に移動可能な状態で連結保持されており、上部外周に装着したコイルスプリングによって恒温装置本体保持部材41の平面中心点の方向に押圧されている。
【0036】
このように、前記ホットプレートの直径に対して球状部の外径が小さい小容量の反応容器を保持する恒温装置本体13の場合は、ホットプレートの直径に対応した大きさの恒温装置本体保持部材41を使用し、該恒温装置本体保持部材41に形成した複数の貫通孔に、小容量の反応容器を保持する恒温装置本体13をそれぞれ挿通した状態で使用することにより、一つのホットプレート付マグネチックスターラで複数の試料液を同一温度条件で加熱することができ、実験効率を大幅に向上させることができる。
【符号の説明】
【0037】
10…恒温装置、11…反応容器、12…容器収納部、13…恒温装置本体、14…収納ブロック、15…ホットプレート、16…載置面、17…リング状突出部、18a,18b…コイルスプリング、19a,19b…凹溝、20…金網、21…釣手、21a…釣手装着孔、22…センサ取付孔、30…恒温装置、31…外周側部材、32…外周ブロック、32a…雌ねじ孔、33…凹溝、34…コイルスプリング、35…連結リング、35a…長孔、36…固定ビス、37…リング状突出部、40…恒温装置、41…恒温装置本体保持部材、42…貫通孔、43…保持ブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面が球面形状となっている反応容器を保持してホットプレート付マグネチックスターラのホットプレートからの熱を前記反応容器に伝達し、反応容器内でマグネチックスターラの撹拌子によって撹拌されている試料液の温度制御を行うための恒温装置であって、上部に前記反応容器の底面形状に対応した半球形凹状面からなる容器収納部を形成した円柱状の恒温装置本体を、該恒温装置本体の平面中心点を通る鉛直面に沿った分割面によって複数のブロックに分割形成し、該恒温装置本体の外周面に、分割形成した各ブロックを前記平面中心点の方向に押圧する押圧手段を設けるとともに、該恒温装置本体の下部に前記ホットプレート上に載置される載置面を形成したことを特徴とする恒温装置。
【請求項2】
前記押圧手段は、前記半球形凹状面に収納される前記反応容器の最大外径を通る水平面に対応する位置に設けられていることを特徴とする請求項1記載の恒温装置。
【請求項3】
前記ブロックの一つにセンサ装着部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の恒温装置。
【請求項4】
前記恒温装置本体の外周面が金網で覆われていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の恒温装置。
【請求項5】
前記恒温装置本体に把手部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の恒温装置。
【請求項6】
前記恒温装置本体の外周を囲繞する円筒状の外周側部材を設け、該外周側部材を、該外周側部材の平面中心点を通る鉛直面に沿った分割面によって複数の外周ブロックに分割形成するとともに、該外周ブロックの外周面に、分割形成した各外周ブロックを前記恒温装置本体の外周面の方向に押圧する押圧手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の恒温装置。
【請求項7】
前記外周側部材の外周面が金網で覆われていることを特徴とする請求項6記載の恒温装置。
【請求項8】
前記外周側部材に把手部材が設けられていることを特徴とする請求項6又は7記載の恒温装置。
【請求項9】
前記恒温装置本体を上下方向に挿通可能な複数の貫通孔を一つの円周上に等間隔で形成した円柱状の恒温装置本体保持部材を有し、該恒温装置本体保持部材は、該恒温装置本体保持部材の平面中心点と前記貫通孔の平面中心点を通る鉛直面に沿った分割面によって複数の保持ブロックに分割形成するとともに、該保持ブロックの外周面に、分割形成した各保持ブロックを前記恒温装置本体保持部材の平面中心点の方向に押圧する押圧手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の恒温装置。
【請求項10】
前記恒温装置本体保持部材の外周面が金網で覆われていることを特徴とする請求項9記載の恒温装置。
【請求項11】
前記恒温装置本体保持部材に把手部材が設けられていることを特徴とする請求項9又は10記載の恒温装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−45852(P2011−45852A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−197926(P2009−197926)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(591245543)東京理化器械株式会社 (36)
【Fターム(参考)】