説明

患者の体温調節のための1次熱交換器

患者を暖める又は冷やすために、血管内カテーテル(12)又は外部から適用されるパッド(18)内を流れる1次冷却剤を用いて、熱を交換するためのシステム。2次伝熱要素(24)は、1次伝熱要素(22)に係合することができるが、1次伝熱要素(22)が、作動中の2次伝熱要素(24)に完全に係合しているときは、2次伝熱要素(24)はグランド接続されない。対称的に、1次伝熱要素(22)が2次伝熱要素(24)に対して相対的に離れた所定位置にあるときは、2次伝熱要素(24)はグランド接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、患者の体温調節システムに関する。
【背景技術】
【0002】
患者が通常の体温(37度)よりも冷やされるならば、酷い脳損傷に、又は、脳卒中又は心臓発作又は心停止に起因する虚血に、苦しめられている患者に対する医療結果が改善されることが、発見されている。その上、そのような患者にとって、低体温を生じさせないことが決定されたとしても、高熱(熱)を予防することが重要であることも、認められている。更に、冠動脈大動脈バイパス移植術(CABG)後のような特定の利用においては、低体温の患者を再び暖めることが望ましい。
【0003】
本発明に認められるように、温度を管理することにおける上述の利点は、患者の全身を冷やすか又は暖めることによって成立できる。更に、本発明は、多くの患者が、薬剤送出及び血液監視のような少なくとも他の臨床的に承認された目的のために、中心静脈カテーテルを既に挿管されているときから、血液を冷やす又は温めることができる中央静脈カテーテルを提供することが、これらの患者に対して追加的な外科的手術を必要としないことを理解する。次の米国特許は、これらの特許の全ては参照によってここに取り入れられているが、種々の血管内カテーテル/システム/方法を、開示している(特許文献1〜42)。最適ではないが、表面の冷却を用いることができる(特許文献43〜58:集団で、「外部のパッド特許」)、これらの特許の全ては参照によってここに取り入れられているが、このような表面の冷却システムを開示している。血管内カテーテル及び外部パッドのシステムの双方において、ガスや食塩水のような冷却剤は、熱交換要素を通って循環する。
【0004】
患者に係合させる特別な熱交換要素に関係なく、熱が、熱交換要素内を流れる冷却剤から取り除かれ又は加えられねばならないことは明らかである。本発明は、次の重要な観察を行う。一般的に、カテーテル又はパッドからの冷却剤は、2次流体を用いている冷却剤を暖めるか冷却する伝熱装置の中を流れる。伝熱装置は、冷却剤がその中を流れるカートリッジ又はバック又は他の装置を備えることができ、カートリッジ又はバック又は他の装置は2次流体槽の中に浸すことができ、2次流体は冷却剤との間で熱を交換する槽内にある。このようなシステムの例は、上記の一部の特許で説明されている。
【特許文献1】米国特許第6,749,625号明細書
【特許文献2】米国特許第6,419,643号明細書
【特許文献3】米国特許第6,416,533号明細書
【特許文献4】米国特許第6,409,747号明細書
【特許文献5】米国特許第6,405,080号明細書
【特許文献6】米国特許第6,393,320号明細書
【特許文献7】米国特許第6,368,304号明細書
【特許文献8】米国特許第6,338,727号明細書
【特許文献9】米国特許第6,299,599号明細書
【特許文献10】米国特許第6,290,717号明細書
【特許文献11】米国特許第6,287,326号明細書
【特許文献12】米国特許第6,165,207号明細書
【特許文献13】米国特許第6,149,670号明細書
【特許文献14】米国特許第6,146,411号明細書
【特許文献15】米国特許第6,126,684号明細書
【特許文献16】米国特許第6,306,161号明細書
【特許文献17】米国特許第6,264,679号明細書
【特許文献18】米国特許第6,231,594号明細書
【特許文献19】米国特許第6,149,676号明細書
【特許文献20】米国特許第6,149,673号明細書
【特許文献21】米国特許第6,110,168号明細書
【特許文献22】米国特許第5,989,238号明細書
【特許文献23】米国特許第5,879,329号明細書
【特許文献24】米国特許第5,837,003号明細書
【特許文献25】米国特許第6,383,210号明細書
【特許文献26】米国特許第6,379,378号明細書
【特許文献27】米国特許第6,364,899号明細書
【特許文献28】米国特許第6,325,818号明細書
【特許文献29】米国特許第6,312,452号明細書
【特許文献30】米国特許第6,261,312号明細書
【特許文献31】米国特許第6,254,626号明細書
【特許文献32】米国特許第6,251,130号明細書
【特許文献33】米国特許第6,251,129号明細書
【特許文献34】米国特許第6,245,095号明細書
【特許文献35】米国特許第6,238,428号明細書
【特許文献36】米国特許第6,235,048号明細書
【特許文献37】米国特許第6,231,595号明細書
【特許文献38】米国特許第6,224,624号明細書
【特許文献39】米国特許第6,149,677号明細書
【特許文献40】米国特許第6,096,068号明細書
【特許文献41】米国特許第6,042,559号明細書
【特許文献42】米国特許出願公開第10/355,776号明細書
【特許文献43】米国特許第6,827,728号明細書
【特許文献44】米国特許第6,818,012号明細書
【特許文献45】米国特許第6,802,855号明細書
【特許文献46】米国特許第6,799,063号明細書
【特許文献47】米国特許第6,764,391号明細書
【特許文献48】米国特許第6,692,518号明細書
【特許文献49】米国特許第6,669,715号明細書
【特許文献50】米国特許第6,660,027号明細書
【特許文献51】米国特許第6,648,905号明細書
【特許文献52】米国特許第6,645,232号明細書
【特許文献53】米国特許第6,620,187号明細書
【特許文献54】米国特許第6,461,379号明細書
【特許文献55】米国特許第6,375,674号明細書
【特許文献56】米国特許第6,197,045号明細書
【特許文献57】米国特許第6,188,930号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで理解されるように、医療職員が冷却剤バック又はカートリッジを2次流体槽に係合させたとき、2次流体槽が露出するかもしれない。そして、この理由のために、システムにたった1つの電気事故があった場合に、オペレータの安全のために槽がグランド接続されていることが好ましい。本発明は決定的に認めるが、1次冷却剤のバック又はカートリッジが槽に係合されたため、一旦槽がもはや近づき難くなると、パッドやカテーテルから様々な故障関連の原因のため漏れ電流が流れるかもしれない場合に備えて、患者の立場からは槽がグランド接続されていないことが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
熱交換システムは、1次冷却剤伝熱要素を備えており、その中を1次冷却剤が、血管内カテーテルや外部から適用されるパッドのような1次熱交換要素から流れている。2次伝熱要素は、2次熱交換流体の槽を備えている。1次冷却剤伝熱要素が槽に浸されてないならば、スイッチが2次伝熱要素をグランドに接続する。他方、1次冷却剤伝熱要素が槽に浸されているならば、スイッチがグランドから2次伝熱要素を切り離す。
【0007】
非限定的な実施形態において、スイッチは2次伝熱要素に取り付けることができる。また、1次伝熱要素が所定の非係合位置にあるならば、2次伝熱要素をグランド接続するように、スイッチは、閉位置に付勢されている。また、スイッチは、1次伝熱要素によって、2次伝熱要素をグランドに非接続する(電気的に遊離する)ように開位置に移動可能である。特定の非限定的な実施形態において、1次伝熱要素は、スイッチが移動する中空スリーブを備えており、スリーブは、その中を1次冷却剤が流れる中空コイルを囲っており、更に、2次伝熱要素は、ジャケット及び槽容器を備えることができる。1次伝熱要素が2次伝熱要素に完全に係合し、コイルが槽容器の中に浸されているときに、1次伝熱要素は、ジャケットと2次伝熱要素の槽容器との間に配置できる。容器は2次熱交換流体を保持している。ハンドルが、コイルに接続されている供給導管及び戻し導管を支持するために、備えられても良い。閉鎖要素がハンドルに取り付けられても良く、閉鎖要素はスリーブの上端をジャケットできる。
【0008】
別の面では、患者に係合可能な熱交換要素の中を流れる1次冷却剤を用いた熱交換するためのシステムは、2次伝熱要素と、2次伝熱要素と係合しうる1次伝熱要素と、を備えている。1次伝熱要素が完全に、作動中の2次伝熱要素に係合されているならば、2次伝熱要素はグランド接続されない。しかし、1次伝熱要素が2次伝熱要素に対して相対的な非係合位置にあるならば、2次伝熱要素はグランド接続される。
【0009】
更に別の面では、患者との間で熱を交換する方法は、1次熱交換要素の中に1次冷却剤を流すことと、1次伝熱要素を閉ループの中に配置することとを、含んでいる。方法は、また、1次伝熱要素と2次伝熱要素との間で熱を伝えるために、1次伝熱要素が2次伝熱要素に熱的に係合することを、含んでいる。更に以下で説明されるように、方法は、1次伝熱要素と2次伝熱要素との間に第1相対位置が存在するときに、2次伝熱要素をグランド接続することを意図し、1次伝熱要素と2次伝熱要素との間に第2相対位置が存在するときに、2次伝熱要素をグランド接続しないことを意図している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
まず図1を参照すると、大まかに10で指定されたシステムが示されており、システム10は熱交換カテーテル12を備えることができ、熱交換カテーテル12はカテーテル温度調節システム14に流体連通しており、カテーテル温度調節システム14はここで参照される1以上の特許で記述される論理を実行するプロセッサを備えている。
【0011】
本原理によれば、システム10は、カテーテルを用いて、患者16に治療的な低体温を生じさせるために用いられる。カテーテルの中で、例えば食塩水だが、これに限らない冷却剤が、冷却剤が身体に入らないように、閉ループを循環している。特定の好ましいカテーテルが以下に開示されているが、当然のことながら、他のカテーテルが、本原理に従って用いることができる。本原理は、参照によってここに組み込まれている次の全ての米国特許に開示されているカテーテルのいずれをも、限定されることなく、含んでいる。米国特許第5,486,208号、5,837,003、6,110,168、6,149,673、6,149,676、6,231,594、6,264,679、6,306,161、6,235,048、6,238,428、6,245,095、6,251,129、6,251,130、6,254,626、6,261,312、6,312,452、6,325,818、6,409,747、6,368,304、6,338,727、6,299,599、6,287,326、6,126,684。カテーテル12は、静脈系に、例えば上大静脈又は下大静脈に、配置される。
【0012】
カテーテル12の代わりに、又はカテーテル12に加えて、システム10は、1以上のパッド18を備えることができ、パッド18は患者16の外表皮膚に接触して置かれる(明確にするために1つのパッド18のみが示されている)。パッド18は、外部パッドの特許で開示されるどのパッドにも、限定されない。パッド18の温度は、患者16との間で熱を交換するための外部パッドの特許で説明されている原理に従うパッドコントローラ20によって調節できる。この原理は、低体温法によってその影響が改善できる、心停止、心筋梗塞、脳卒中、高い頭蓋内圧、外傷性脳損傷、その他の病気を示している患者に応じて、患者に治療的な軽もしくは中程度の低体温を生じさせることを含んでいる。コントロールシステム14、20は、参照のつけられた特許に従う温度調節アルゴリズムを実行するための1以上のプロセッサを有する単一のシステムとして実施することができる。
【0013】
さて、図2を参照すると、本発明のコントローラは、1次伝熱要素22を備えることができる。1次冷却剤が、1次伝熱要素22と、例えば図1に示されるカテーテル12又はパッド18である1次熱交換要素と、の間で、閉ループ内で、1次伝熱要素22の中を流れている。「冷却剤」の用語は、食塩水のような「1次」流体に用いられており、1次流体はカテーテル又はパッドの中を流れている。一方、当然ながら、冷却剤は、患者を暖めるためには患者より暖かく、患者を冷ますためには患者より冷たい。非限定的な実施形態では、1次伝熱要素は、あらゆる方法で実施できる。例えば、1次伝熱要素22は、バック又はカートリッジであるが、以下で図3の非限定的な実施形態において示されるように、その中を冷却剤が流れるコイルを備えても良い。
【0014】
いずれにせよ、1次伝熱要素22は、医療介護士により、2次伝熱要素24と熱的に接触した状態に配置される。1つの実施形態では、2次伝熱要素24は、2次熱交換流体(例えば、水又はグリコール)槽を備えることができる。1次伝熱要素22は、2次熱交換流体槽に浸されている。2次伝熱要素24内の2次熱交換流体の温度(及び、このために言い換えると、冷却剤の温度)は、2次熱交換流体が閉ループ内を循環するか、さもなければ、ヒートシンク26に熱的に接触した状態で、ヒートシンク26の作動を適切に構築することによって、安定する。非限定的な実施形態では、ヒートシンク26は、熱電気クーラー(TEC)装置、又は、冷凍回路、又は、他の適当な熱交換機関によって、構築できる。
【0015】
さて、図3を参照すると、1次伝熱要素22及び2次伝熱要素24の非限定的な実施形態が示されている。2次伝熱要素24から始めると、外部ジャケット28が内部漕容器30を囲んでおり、内部漕容器30はグリコールのような2次熱交換流体32を保持することができる。2次熱交換流体供給ポート34及び戻りポート36は、2次熱交換流体32を容器30の中で循環させるために、漕容器30の中に形成されている。非限定的な実施形態で示されるように、漕容器32は、外部ジャケットとの間で環状の空の排水環38を構築するように、外部ジャケット28から半径方向で間隔を空けて配置されている(すなわち、外部ジャケット28及び容器30が非限定的で典型的な実施形態におけるように、外部ジャケット28と容器30とが共に円柱状のときに環状である)。1以上の配水管コネクタ40は、示されるように、2次伝熱要素24の下部に形成されており、漕容器30から漏れるであろう2次熱交換流体32を排水する。
【0016】
1次伝熱要素22の非限定的な実施例に取りかかると、対向する2つの開放端を備え円筒状である中空スリーブ42は、示されるように、外部ジャケット28と、2次伝熱要素24の漕容器30との間に進出させるように構成されている。スリーブ42の壁は、外部ジャケット28及び容器30の双方から間隔を空けており、スリーブ42の上に取り付けられる後述のスイッチに係合するように、示されるように、より外部ジャケット28に近いものである。しかし、スイッチは槽容器30に取り付けてもよく、このために、スリーブ42は、外部ジャケット28よりも容器30に近くなるように構成してもよい。
【0017】
いずれにせよ、示される完全係合位置では、スリーブ42の開放下端44は、示されるように、2次伝熱要素24の下部から離れている。スリーブ42の上端46は、他方、スリーブ42の壁の内部でぴったりと合う下方要素48を備えている。示されるように、下方要素48の上に、上方要素50がスリーブ42の上端に置かれている。上方要素50はスリーブ42に、例えば、接着、ロウ付け、ハンダ付け、高周波密閉などの周知技術の手段により、結合できる。要素48、50は、互いに接触でき、ディスク形にでき、そのため、以下の例外はあるが、スリーブ42の上端は完全に閉鎖される。1次冷却剤入口導管52及び出口導管54は、閉鎖された要素48、50を通り抜けて延びており、当然ながら、導管52、54は、静脈管のような管に別々に接続されており、別々の管はカテーテル又はパッドに至る。
【0018】
示される非限定的な実施形態では、導管52、54の各々は、それぞれ、中空金属部品56及び中空樹脂部品58を備えている。中空金属部品56は、閉鎖された上方要素50を通り抜けて延びている。中空樹脂部品58は、導管の上方筒状部分で中空金属部品56に接続されるように、中空金属部品56に嵌められている。導管の上方筒状部分は、樹脂にできる。別々の金属管60が金属部品56に嵌められており、金属管60は下方閉鎖要素48を通り抜けてスリーブ42の中へ下方に垂れ下がっている。
【0019】
2つの対向するつかみ耳を有する樹脂ハンドル64は、導管52、54を受けるように構成された中空脚68、70を有している。導管52、54は、ハンドル64を完全に通り抜けて延びている。脚68、70の各々は、示されるように、閉鎖された下方要素48の上端に置かれており、上方閉鎖要素50及び/又は下方閉鎖要素48に結合している。したがって、コイル62、スリーブ42、閉鎖要素48、50、及びハンドル64を備える1次伝熱要素22は、密封された単一構造として、エンドユーザーに供給される。今や当然のことながら、金属部品56を嵌めるための樹脂部品58の使用と、樹脂ハンドル64及び導管52、54の上方樹脂部分の使用と、のために、少なくとも1次伝熱要素22の中に1次冷却剤が存在しないときには、電気的遮蔽が、カテーテル又はパッドと、2次伝熱要素24と、の間で獲得される。
【0020】
注意が今や1以上のスイッチ72に向けられる。スイッチ72の各々は、グランド線74を通してグランド(例えば、シャーシ又はコントローラのグランド電位)に電気的に接続されている。1以上のスイッチ72が、信頼性のために、用いることができる。いずれにせよ、スイッチ72は、示されるように、ジャケット28の内壁上で、2次伝熱要素24の上端近くに、取り付けることができる。又は、スイッチ72は、槽容器30の外壁上、又は、次のように位置を変更するように機能する限り、2次伝熱要素のどのような位置にでも、取り付けることができる。1次伝熱要素22が、コイル62が2次熱交換流体32をきれいにする(処理する)位置にあると共に、その位置を越えたところにある、2次伝熱要素24から引っ込められたとき、スイッチ72は閉鎖側に付勢される。その結果、ジャケット30がグランド接続される。対照的に、コイル62が2次熱交換流体32に接触する位置であって、図3に示される完全係合位置を含む位置に向けて、1次伝熱要素22が、2次伝熱要素24の中に十分に遠く進出しているとき、スリーブ42は、機械的にスイッチ72を開放位置にそらせる。その結果、ジャケット30はグランド接続されず、すなわち電気的に遊離している。
【0021】
当然ながら、本スイッチは、代わりに、コントロールシステム14、20のプロセッサによって作動するソフトウェアスイッチとすることができる。例えば、光学的又は磁気的又はその他の存在検知手段が、例えば、検知するための2次伝熱要素24に取り付けることができ、そのとき、1次伝熱要素22が存在検知手段と共に取り付けられており、検知手段はプロセッサに向けて2つの要素22、24の相対位置を知らせる信号を送信する。
【0022】
図3に示される非限定的な機械的に作動するスイッチ72に関して、ずっと明確に、本発明を記述することに戻って、図3に示される作動構成において1次伝熱要素22が完全に2次伝熱要素に係合するとき、スイッチ72は開き、示されるようにシステムは電気的に遊離する。他方、1次伝動要素22が2次伝動要素24から離れて、2次熱交換流体32を露出させると、スイッチ72が閉じられ、ジャケット29(より広くは、2次伝熱要素24)が電気的にグランド接続される。
【0023】
この開示を考慮すると、2次熱交換流体32が露出している間に2次熱交換流体32に人が触れて、たった1つの電気事故が発生するならば、電流は、人を通じてではなく、スイッチ72を通じてグランドに短絡される。他方、1次伝熱要素22が、(容器30内の槽に人が接触することを防いでいる)作動中の2次伝熱要素24に係合しているときに、たった1つの電気事故が発生するならば、さもなければ1次冷却剤を通過し、このために、コイル及び2次伝熱要素24を通過して、2次熱交換流体に至るどのような漏れ電流も、2次熱交換流体に到達できない。というのは、2次伝熱要素24がこの状態で遊離しているためである。
【0024】
ここで詳細に示され、記述される、特定の、患者の体温調節のための1次熱交換器が、上述の発明の対象を完全に達成できている間は、当然ながら、その1次熱交換器は、本発明の好ましい本実施形態であり、このために、本発明によって幅広く考えられる対象を代表しており、本発明の範囲は、当業者にとって明らかになりうる他の実施形態を完全に含んでおり、それ故に本発明の範囲は、添付の請求項以外の何によっても制限されることがなく、請求項において単数の要素への言及は、はっきりと述べられない限り、「1又は唯一」を意味するものではなく、「1又は複数」を意味する。1つの装置又は1つの方法が、本発明が解決しようとする各々及び全ての課題に対処する必要はない。というのは、1つの装置又は1つの方法は、本請求項によって包含されているためである。加えて、請求項において、要素、構成要素、又は方法ステップが、はっきりと列挙されるかどうかに関係なく、本開示における、要素、構成要素、又は方法ステップは、公開されることを意図したものではない。ここで明確に定義されない、請求項の用語は、本明細書と、出願書類の履歴との間で両立する、通常かつ慣習的な意味が付与されている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の詳細は、その構造と作動との双方に関して、添付の図面を参照して最も良く理解できる。添付の図面の中で、参照符号等が部分等を参照している。
【図1】2つの熱交換様相を示す概略図である。
【図2】熱交換システムの非限定的な実施のブロック図である。
【図3】本発明に従う1次−2次伝熱構造の非限定的な実例の部分的な断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換システムであって、
1次伝熱要素(22)と、
2次伝熱要素(24)と、
少なくとも1つのスイッチ(72)と、
を備えており、
1次熱交換要素(12/18)からの1次冷却剤が、1次伝熱要素(22)の中を流れており、
2次伝熱要素(24)が、2次熱交換流体の槽を備えており、
スイッチ(72)が、1次冷却剤伝熱要素(22)が前記槽に浸されていないときは、2次伝熱要素(24)を実質的にグランドに接続し、1次冷却剤伝熱要素(22)が前記槽に浸されているときは、2次伝熱要素(24)を実質的にグランドに接続しない、
ことを特徴とする、熱交換システム。
【請求項2】
1次熱交換要素が、血管内カテーテル(12)を備えている、
請求項1記載の熱交換システム。
【請求項3】
1次熱交換要素が、患者の皮膚に外部から適用される、少なくとも1つのパッド(18)を備えている、
請求項1記載の熱交換システム。
【請求項4】
スイッチ(72)が、2次伝熱要素(24)に取り付けられており、且つ、1次伝熱要素(22)が非係合位置にあるときは、2次伝熱要素(24)をグランド接続するように閉位置に付勢されており、
スイッチ(72)が、2次伝熱要素(24)をグランド接続しないように、1次伝熱要素(22)によって開位置に動かされる、
請求項1記載の熱交換システム。
【請求項5】
1次伝熱要素(22)が、スイッチ(72)を移動させる中空スリーブ(42)を備えている、
請求項4記載の熱交換システム。
【請求項6】
スリーブ(42)が中空コイルを囲うものであり、中空コイルの中を1次冷却剤が流れるものである、
請求項5記載の熱交換システム。
【請求項7】
2次伝熱要素(24)がジャケット(29)及び槽容器(30)を備えており、
1次伝熱要素(22)が2次伝熱要素(24)に完全に係合しているとき、スリーブ(42)が、ジャケット(29)と槽容器(30)との間に配置されており、
コイル(62)が、容器(30)の中に配置されており、
容器(30)が、2次熱交換流体を保持している、
請求項6記載の熱交換システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−500066(P2009−500066A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519263(P2008−519263)
【出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【国際出願番号】PCT/US2006/010227
【国際公開番号】WO2007/005073
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(501251714)オルシウス・コーポレイション (4)
【氏名又は名称原語表記】ALSIUS CORPORATION
【Fターム(参考)】