説明

患者の健康の回復に用いる複数の電子

本発明の実施態様は、複数の電子を用いた身体自体の自己修復系の非侵襲的刺激調節に関する。詳細には、本発明の実施態様は、多くの病状にある患者の健康、好ましくは人の患者の健康の回復に用いる複数の電子に関する。更に、本発明の実施形態は、患者の健康、好ましくは人の患者の健康の回復に用いる複数の電子を用いた治療法に関する。更に、本発明の実施形態は、複数の電子を用いた身体自体の自己修復系の刺激調節法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施態様は、複数の電子を用いた身体自体の自己修復系の非侵襲的刺激調節に関する。特に、本発明の実施態様は、多くの病状にある患者の健康、好ましくは人の患者の健康の回復に用いる複数の電子に関する。
【背景技術】
【0002】
薬物治療のための新薬の開発は高価である。同じことは、世界規模で世界の少数の医療制度しかいまだに提供できない現代の医療装置技術に当てはまる。従って、安価で手頃な価格で多用途かつ安全な病状の治療設備の必要性がある。副作用を伴わず、個々の患者に適合され得て、そして主要な副作用の危険性がなく適用され得る治療設備の必要性もある。
【0003】
電流の使用を包含する多くの治療法、例えば、電気痙攣療法(ECT)、経皮神経刺激(TENS)、迷走神経刺激(VNS)、脳深部電気刺激(DBS)、経頭蓋直流刺激(tDCS)、経頭蓋磁気刺激(TMS)および磁気発作療法(MST)がある。その一部は作用が相当に劇的であり、非常に特定の焦点を有し、そしてそのすべては実験的である。
【0004】
WO20005/118061では電気インパルスを患者の皮膚に加えるためのデバイスについて述べている。特定の医学的適応は開示されていない。
【発明の概要】
【0005】
本発明の実施態様は、患者の健康、好ましくは人の患者の健康の回復に用いる複数の電子の適用を含み、前記複数の電子は、電極を有するデバイスを用いて約5〜100μ秒の時間および約10V〜100Vの振幅の一連の交流(AC)信号として前記患者に適用され、前記AC信号は、前記患者の背部および/または胸部および/または頸部および/または顔面のような複数の部位において、場合により病的状態にあることが疑われる1つ以上の部位において前記患者の身体(例えば、皮膚)に適用され、患者の健康、好ましくは人の患者の健康の前記回復は、呼吸器系疾患、心血管系疾患、消化器系疾患、皮膚疾患、筋骨格疾患、神経疾患、眼科疾患、泌尿生殖器疾患および炎症性疾患から選択される疾患の緩和または治癒である。
【0006】
1つの実施態様では、患者は哺乳動物である。1つの特定の実施態様では、患者は人の患者である。
【0007】
呼吸器系疾患には、限定されないが、喘息、呼吸アレルギー、肺炎、気管支炎、鼻炎、副鼻腔炎、気管炎、咽頭炎、クループおよび耳炎が含まれる。
【0008】
心血管系疾患には、限定されないが、狭心症、虚血性心筋梗塞、不整脈、心筋梗塞後疼痛、心筋炎、心不全および高血圧が含まれる。
【0009】
消化器系疾患には、限定されないが、胃潰瘍、胃炎、肝硬変、食道の病的状態、胆石、膵炎、便秘、下痢、痔疾および直腸の瘻もしくは炎症が含まれる。
【0010】
皮膚疾患には、限定されないが、乾癬、神経皮膚炎、皮膚炎、アトピー性皮膚炎が含まれる。
【0011】
筋骨格疾患には、限定されないが、背部痛、腰痛、骨折、肉離れ、靱帯または腱損傷、椎間板脱出、坐骨神経炎、骨粗鬆症、ペルテス病、変形性関節症、痛風、筋痙攣、関節の統合性に影響を及ぼす疾患、例えば、加齢に伴う関節の崩壊が含まれる。
【0012】
神経疾患には、限定されないが、アルツハイマー、パーキンソン病、多発性硬化症、認知症、神経痛および脳卒中が含まれる。
【0013】
眼科疾患には、限定されないが、緑内障、網膜症、網膜黄斑変性、眼感染症および網膜剥離が含まれる。
【0014】
泌尿生殖器疾患には、限定されないが、前立腺症、性交不能、不妊症、精巣疾患から選択される男性生殖器疾患、月経前/月経後疼痛、子宮筋腫、子宮内膜症、不妊症、筋腫、線維筋腫、炎症性骨盤疾患、卵巣、卵管または頸部の疾患および閉経から選択される女性疾患が含まれる。
【0015】
炎症性疾患には、限定されないが、慢性および急性炎症性疾患が含まれ、前記慢性炎症性疾患は、関節リウマチ、慢性閉塞性肺疾患、喘息、狭心症、変形性関節症、クローン病または潰瘍性大腸炎のような炎症性腸疾患、乾癬、多発性硬化症、全身性エリテマトーデスおよびアテローム性動脈硬化症(artherosclerosis)から選択され、前記急性炎症性疾患は、有害物質に対する損傷組織における免疫応答を包含する病状から選択され、その免疫応答は前記有害物質および損傷組織を破壊、希薄化または分離する機能を果たし、前記急性炎症性疾患は、皮膚の炎症、大腸炎、胃腸炎、肺炎のような内臓の炎症、創傷感染のような感染症、結核、インフルエンザ、副鼻腔炎、気管支炎のような肺感染症、花粉症のようなアレルギー、および痔疾から選択される。
【0016】
炎症性疾患、即ち、炎症要素を有すると共に本発明による複数の電子を用いた治療を受け入れる疾患の更なる例は図13に示されている。
【0017】
1つの実施態様では、前記AC信号は前記デバイスの電極をそれぞれの部位において皮膚に置くことによって前記複数の部位に適用されると共に、それぞれの部位における前記皮膚のインピーダンスおよび前記インピーダンスの変化率が測定され、前記複数の部位から1つの部位または部位のサブセットがAC信号の更なる適用または反復適用のために選択され、前記1つの部位または部位のサブセットは、当初、前記AC信号の第一の適用において皮膚インピーダンスの最大変化率を有する、または他の部位に比べて最大の皮膚インピーダンスを有する、または隣接部位より高い皮膚インピーダンスを有することで選択される。
【0018】
別の実施態様では、前記AC信号はそれぞれの部位において前記デバイスの電極を皮膚上に摺動させることによって前記複数の部位に適用されると共に、前記デバイスに対する皮膚の摩擦の変化、患者の感覚の変化、皮膚の色の変化および/または前述の組合せを監視し、そして前記複数の部位から1つの部位または部位のサブセットがAC信号の更なる適用または反復適用のために選択され、前記1つの部位または部位のサブセットは、当初、前記AC信号の第一の適用において前記デバイスに対する皮膚の摩擦の変化、患者の感覚の変化、皮膚の色の変化および/または前述の組合せを示すことで選択される。
【0019】
1つの実施態様では、前記選択される1つの部位または前記選択される部位のサブセットにおいて、30秒〜5分、場合により皮膚インピーダンスの変化率が0になるまで更なるAC信号が適用される。
【0020】
複数の電子は一連のAC信号として前記患者に適用され、前記複数の電子が薬理的活性物質として作用することに留意すべきである。1つの実施態様では、前記AC信号の適用の間、前記複数の電子以外の化学物質は前記患者に適用されない。更に、1つの実施態様では、一連のAC信号としての前記複数の電子の適用は複数の電子それ自体以外の化学組成物または化学剤を患者に送るために用いられない。複数の電子は、作用物質の患者へのイオン泳動的適用または電気穿孔を通じた作用物質の適用のために用いられない。更に、複数の電子は、電子自体以外の物質または作用物質または組成物の患者への送達のために用いられない。1つの実施態様では、複数の電子は、追加の物質または追加の作用物質または追加の組成物がイオン泳動または電気穿孔を通じて適用されることなく、上記に定義されたように一連のAC信号として適用される。
【0021】
1つの実施態様では、患者の健康、好ましくは人の患者の健康の前記回復は、呼吸器系の疾患の緩和または治癒を提供し得て、呼吸器系の前記疾患は、喘息、呼吸アレルギー、肺炎および気管支炎から選択され、前記AC信号は前記患者の背部および胸部において前記患者の皮膚に適用される。
【0022】
1つの実施態様では、患者の健康、好ましくは人の患者の健康の前記回復は、呼吸器系の疾患の緩和または治癒を提供し得て、呼吸器系の前記疾患は、鼻炎、副鼻腔炎、気管炎、咽頭炎、クループおよび耳炎から選択され、前記AC信号は、患者の頸部、鼻、洞、耳の周囲・後部および/または胸椎において前記患者の皮膚に適用される。
【0023】
1つの実施態様では、患者の健康、好ましくは人の患者の健康の前記回復は、心血管系の疾患の緩和または治癒を提供し得て、心血管系の前記疾患は、狭心症、虚血性心筋梗塞、不整脈、心筋梗塞後疼痛、心筋炎、心不全および高血圧から選択され、前記AC信号はその下に心臓がある皮膚の領域と、その下に胸椎がある皮膚の領域とにおける背部および/または胸部と前記患者の手掌および足底とにおいて前記患者の皮膚に適用される。
【0024】
1つの実施態様では、患者の健康、好ましくは人の患者の健康の前記回復は消化器系の疾患の緩和または治癒を提供し得て、消化器系の前記疾患は、胃潰瘍、胃炎、肝硬変、食道の病状、胆石、膵炎、便秘、下痢、痔疾および直腸の瘻または炎症から選択され、前記AC信号は腹部における前記患者の皮膚、および/またはその下に消化器系の前記疾患に冒された器官または部位がある皮膚の領域に適用される。
【0025】
1つの実施態様では、患者の健康、好ましくは人の患者の健康の前記回復は皮膚疾患の緩和または治癒を提供し得て、前記皮膚疾患は、乾癬、神経皮膚炎、皮膚炎、特にアトピー性皮膚炎から選択され、前記皮膚疾患が10cm以下の患者の体表面の領域に限定される場合、前記AC信号は前記皮膚疾患に冒された皮膚の部位において皮膚に適用され、前記皮膚疾患が10cm超の患者の体表面の領域を冒す場合、前記AC信号は皮膚疾患に冒された皮膚の少なくとも第一の部位と、更に皮膚疾患に冒されていない皮膚の少なくとも第二の部位とにおいて皮膚に適用される。
【0026】
1つの実施態様では、患者の健康、好ましくは人の患者の健康の前記回復は筋骨格系疾患の緩和または治癒を提供し得て、前記AC信号は前記筋骨格疾患に冒された筋骨格系の要素、例えば、関節、骨、腱、結合組織または筋を覆う位置において前記患者の皮膚に適用される。
【0027】
1つの実施態様では、患者の健康、好ましくは人の患者の健康の前記回復は神経疾患の緩和または治癒を提供し得て、前記AC信号は患者の背部および/または胸部および/または顔面および/または頸部および/または頭蓋および/または脊椎において前記患者の皮膚に適用される。
【0028】
1つの実施態様では、前記神経疾患は脳卒中であり、前記AC信号は考えられる部位の中でも患者の頭蓋において前記患者の皮膚に適用される。
【0029】
1つの実施態様では、患者の健康、好ましくは人の患者の健康の前記回復は眼科疾患の緩和または治癒を提供し得て、前記AC信号は眼窩周囲および/または頸部および/または顔面および/または閉眼上において前記患者の皮膚に適用される。
【0030】
1つの実施態様では、患者の健康、好ましくは人の患者の健康の前記回復は、泌尿生殖器疾患の緩和または治癒を提供し得て、前記AC信号は頸部および肩部ならびに腎臓、膀胱、尿管、肝臓、膵臓および/または脊椎を覆う位置において前記患者の皮膚に適用される。
【0031】
1つの実施態様では、前記泌尿生殖器疾患は、前立腺症、性交不能、不妊症および精巣疾患から選択される男性生殖器疾患であり、前記AC信号は、尿管を覆う領域における皮膚、および/または鼠径リンパ節、会陰、陰嚢、陰茎および臀部における皮膚に適用され、あるいは泌尿生殖器疾患は、月経前/月経後疼痛、子宮筋腫、子宮内膜症、不妊症、筋腫、線維筋腫、炎症性骨盤疾患、卵巣、卵管または子宮頸部の疾患および閉経から選択される女性疾患であり、AC信号は腹部および/または頸部および/または腰部において患者の皮膚に適用される。
【0032】
1つの実施態様では、患者の健康、好ましくは人の患者の健康の前記回復は炎症性疾患の緩和または治癒であり、前記炎症性疾患は慢性または急性炎症性疾患であり、前記慢性炎症性疾患は関節リウマチ、慢性閉塞性肺疾患、喘息、狭心症、変形性関節症、クローン病または潰瘍性大腸炎のような炎症性腸疾患、乾癬、多発性硬化症、全身性エリテマトーデスおよびアテローム性動脈硬化症(artherosclerosis)から選択され、前記急性炎症性疾患は、有害物質に対する損傷組織における免疫応答を包含する病状から選択され、その免疫応答は、前記有害物質および損傷組織を破壊、希薄化または分離する機能を果たし、前記急性炎症性疾患は皮膚の炎症、大腸炎、胃腸炎、肺炎のような内臓の炎症、創傷感染のような感染症、結核、インフルエンザ、副鼻腔炎、気管支炎のような肺感染症、花粉症のようなアレルギー、および痔疾から選択され、前記AC信号は、患者の背部、脊椎、胸部、顔面および頸部、ならびに/あるいは皮膚上の炎症部位、および/またはその下に炎症器官または組織がある皮膚の領域において前記患者の皮膚に適用される。
【0033】
1つの実施態様では、前記炎症性疾患は、関節リウマチ、全身性エリテマトーデスのような自己免疫疾患、クローン病または潰瘍性大腸炎のような炎症性腸疾患、創傷感染のような感染症、結核、インフルエンザ、副鼻腔炎から選択され、前記AC信号は、患者の背部、脊椎、胸部、顔面および頸部、ならびに/あるいは皮膚上の炎症部位および/またはその下に炎症器官または組織がある皮膚の領域において前記患者の皮膚に適用される。
【0034】
1つの実施態様では、前記AC信号の適用終了時に、好ましくは1〜20秒、より好ましくは5〜10秒、最も好ましくは8秒間にわたって15〜351Hzの周波数域を有する、周波数変調された一連の最終AC信号が適用される。
【0035】
本発明の実施形態は、患者の健康、好ましくは人の患者の健康の回復に用いる複数の電子を用いた治療法にも関し、前記複数の電子は電極を有するデバイスを用いて約5〜100μ秒の時間および約10V〜100Vの振幅の一連の交流(AC)信号として前記患者に適用され、前記AC信号は、身体表面の任意の部位、特に、前記患者の背部および/または胸部および/または頸部および/または顔面におけるような特に複数の部位において、場合により病的状態にあることが疑われる1つ以上の部位において前記患者の身体、例えば、皮膚に適用され、患者の健康、好ましくは人の患者の健康の前記回復は呼吸器系疾患、心血管系疾患、消化器系疾患、皮膚疾患、筋骨格疾患、神経疾患、眼科疾患、泌尿生殖器疾患および炎症性疾患から選択される疾患の緩和または治癒であり、前記AC信号の適用、前記疾患および前記部位は上記に定義される通りである。
【0036】
本発明の実施態様は、複数の電子を用いた患者、好ましくは人の患者の身体自体の自己修復系の刺激調節の方法にも関し、前記複数の電子は電極を有するデバイスを用いて約5〜100μ秒の時間および約10V〜100Vの振幅の一連の交流(AC)信号として前記患者に適用され、前記AC信号は、身体表面の任意の部位、特に、前記患者の背部および/または胸部および/または頸部および/または顔面におけるような特に複数の部位において、場合により病的状態にあることが疑われる1つ以上の部位において前記患者の身体、例えば、皮膚に適用され、身体自体の自己修復系の前記刺激調節は、呼吸器系疾患、心血管系疾患、消化器系疾患、皮膚疾患、筋骨格疾患、神経疾患、眼科疾患、泌尿生殖器疾患および炎症性疾患から選択される疾患の緩和または治癒を生じさせるために用いられ、前記AC信号の前記適用、前記疾患および前記部位は上記に定義される通りである。
【0037】
本発明の実施形態は病状の治療に対する新規な方法を提供し得る。
【0038】
本明細書で用いられる「皮膚」という用語は、身体の脚、腕および胴における皮膚のような人の身体の大部分を覆うタイプの皮膚のみならず、頭皮のような著しい発毛を特徴とするタイプの皮膚も含むことに留意すべきである。「皮膚」という用語は、治療の適用のポイントとして追加の部位、例えば、眼、耳および口も含み得る。
【0039】
驚くべきことに、本発明人らは、身体上、特に皮膚上の特定の部位を適用ポイントとして用い、多様な病状が治療され得ることを見出した。何らかの理論に束縛されることなく、本発明の実施態様は、おそらく、共に発生学的に神経外胚葉に由来する皮膚細胞と神経細胞との共通の祖先のために神経線維、特に無髄c線維を介した皮膚細胞と中枢神経系との間のある種の「対話」を想定する。本発明の実施形態は、皮膚はそれを通じて中枢神経系との対話が惹起され得る「末梢脳」とみなされ得ることを想定する。病変のような体内変化は、例えば、罹患器官の部位上に生じ得る皮膚インピーダンスの変化をもたらし得て、または皮膚の見かけ上無関係な領域にも現れ得る。従って、複数の電子を「薬理物質」として用いて中枢神経系における特定の中心、例えば、脊椎が皮膚の電気刺激を通じて対処され得る。身体は本質的に自己修復および治癒の過程を受けるように「惹起」され、複数の電子は、正確な部位に適用されると、身体の自己修復系を惹起する。この文脈では、疼痛および炎症は身体の自己修復系に対する身体の「注意探求者」(言わば、身体の「稼動部」)であることに留意すべきである(図14および15も参照されたい)。本発明は、皮膚細胞とCNSとの間の対話を惹起することによってCNSの警告をもたらし、これは次に身体の自己修復系の資源の配分を生じさせる。本発明は、この資源の配分が正しい、即ち、適切な方法で行われ、従って、そのような修復が惹起され良好に完了されるのと共に疼痛および炎症の減弱をもたらすことを確実にする。
【0040】
やはり何らかの理論に束縛されることなく、皮膚に適用されるときに複数の電子によって付与される薬理効果を明確に示す生理的過程は以下の通りであると考えられる。
【0041】
本発明の実施態様は、皮膚インピーダンスへの応答に基づくバイオフィードバックシステムによる交流電気刺激を用いたデバイスに依存する。通常、インパルスは短時間(約5〜100μ秒、好ましくは約10μ秒)であり、比較的高振幅(10V〜100V、好ましくは約80V)である。影響力は、デバイス画面上に表示されるインパルスの特定の測定パラメータを用いて、注意深い観察によって厳密に制御される。インパルスの短い時間により、信号のエネルギーは極めて小さく、有害作用が生じる可能性は極めて小さい。
【0042】
本発明に用いられるのに適したデバイスは、電子生成デバイスである。そのようなデバイスの一例がWO2005/118061に述べられている。
【0043】
装置は、数値の読出しによって示す「可能性の領域」(2つの電極、例えば、同心矩形電極間)において最も低い皮膚インピーダンスの領域を検出することができる。通常、対話は低インピーダンスを有する皮膚のポイントを通じて惹起され、ここで特に熟練した施術者によるこの対話の観察によって導かれる場合、バイオフィードバックは比較的より活動的(従って、より効果的)である。本明細書で用いられる「バイオフィードバック」という用語は、概して、例えば、皮膚インピーダンスの変化率によって測定される、AC信号の適用に対する皮膚の応答性を指すものとする。「バイオフィードバック」は、皮膚インピーダンスの変化率が隣接部位と比べてより高い部位において「活動的」である。「バイオフィードバック」の他の指標は、患者の皮膚の発赤、皮膚の摩擦、皮膚感覚および他の検出可能なパラメータを含む。バイオフィードバックが活動的な領域は、本明細書で「Fenzianが見出される」領域とも称されることがある。
【0044】
神経終末を介してデバイスからの求心性インパルスは、脊髄の前角において中枢神経系(CNS)に進入する。有髄および無髄神経は、インパルスによって刺激される。数値的優位性により、大部分の対話はc線維を介して生じる。通常、インパルスは、背側および腹側脊髄視床路、背側および腹側脊髄小脳路、および背側および腹側脊髄中脳路に沿って伝道される。細網脳線維および橋被蓋を介した寄与もあり得る。電気刺激系の促進効果の一部は、網様体のこの部分によって媒介されると考えられる。Anohinは、皮質反応への関連した影響を伴った、脳幹を超えて皮質に向かう網様体の伝達の連続を示した。通常、遠心性信号は、皮質脊髄路を介して下降する。1つ以上のセグメントレベルが同時に影響を受けることが多い。これは、見かけ上無関係の現状の病気を治療しながら、古い病状からの「予期しない」回復をもたらし得る。
【0045】
多様な神経伝達物質を介し、影響は、自律神経および末梢系における付随する遠位の影響および遠心性インパルスの変化を伴い、両方の反射弓および自律調節に関係する優位の中心(foci of dominance)において信号を変化させる。次に、これらの応答が影響を受ける程度は、下部脊髄系の不安定性に対するより高度な皮質および脳橋の影響によって調節される。おそらく、消散しない、または不完全に消散した病変の結果として多年にわたって存在する脊髄における中心(foci)は、「正常な」経路が「停滞した」消散過程を再開するように、電気刺激によって再刺激され得る。これらの中心(foci)の「優位の階層(hierarchy of dominance)」が脊髄に広がる。この階層は、特定の愁訴の相対的な延命効果または病変の歴史的な獲得に関係し得る。FushpanおよびPotter(1950年代)は、化学的刺激において優位なシナプスと電気的刺激において優位なシナプスとの間のシナプス反応の変動性を示した。多くの障害は、シナプス伝達の撹乱された化学的性質に関係する。これらの作用の一部は、長期の「固定」プロセス(例えば、パーキンソン病)になる。電気刺激活動は、慢性サイクルを遮断して、従前には「正常な」シナプス活動パターンが再樹立されることを可能にするのに役立ち得る。
【0046】
電気刺激の影響は分子の分極の形態の小さな局所作用および局所血管運動作用を有し、局所的に段階的電位に対する何らかの考えられる影響を有する。局所的な影響の媒介は、神経ペプチドの放出による。
【0047】
有益な影響の大部分は、CNSから遠心性神経を介するものである。セグメントレベルでは、特に、著明なA線維の関与がある場合、外側脊髄視床路への進入部位において、伝達物質の飽和によって疼痛伝達経路に対する影響があることもある。
【0048】
電気刺激信号は、内臓、血管および筋肉に対する随伴作用を伴って両方の局所反射弓に作用する(交感神経鎖にも影響を及ぼす)と共に、全身的な神経ペプチド放出(結果として生じる全身的な恒常性に対する作用)、内分泌放出、副交感神経の影響および、皮質脊髄路を下って関連レベルに向かう遠心性信号をもたらすより高位の結合のために、上行路を介してCNSに進入する。この形態の電気刺激による疾患管理および疼痛の過程は、主に、その後の末梢の「局所」神経ペプチド放出のために適切なレベルに向かうCNSにおける下降インパルスによって媒介される。更なる媒介は、局所作用および全身的な生理を介して自律神経系を通じて影響を及ぼされる。
【0049】
局所および全身状態の結果として生じる皮膚インピーダンスの変化は、例えば、デバイスの画面上に数値表示され、デバイスからの次の発信信号に影響を及ぼし得る。また、他の実施態様では、皮膚インピーダンスの変化は、可聴あるいは検出可能な信号、または可聴および視覚信号を通じてデバイスによって示され得る。更に、皮膚とデバイスとの間の信号交換のいくつかの他の態様(振幅、比率、勾配、速度など)が、デバイスの画面上に数値表示され得て、または可聴もしくは他の検出可能な信号によって示され得る。これらの数字の一部では、電気刺激対話を最良に用いることができるように数学アルゴリズムを用いる。数値または他の表示は、多くのプロトコルによって治療過程を導くように、施術者によって用いられる。目的は、固定または撹乱CNS中心(locked or disturbed CNS foci)を回復状態に導き、これにより、中枢および局所において正常な修復過程を惹起または再刺激することである。交換過程の強力なCNS(対局所)要素のため、従前の病状由来の「旧(old)」中心は同時に影響され得て、過去の病状の予期しない最終的な消散をもたらす。
【0050】
いくつかの治療過程の終了時に、「周波数変調」のプロトコルが選択され得る。この過程では、デバイス出力信号は8秒サイクルにて周波数域、例えば、15〜351Hzを繰り返すように求められる。この過程の第一の価値は、皮膚上の特定のポイントにおけるバイオフィードバック治療の「終了」が、反射弓または脊髄・脳経路を介した特定の伝達ループの一部として波動パルスの延長をもたらすという事実に基づくと考えられる。この「優位な」伝達は、治癒刺激のより重要な部分である。しかし、局所過程に付帯し、または過去の病変に関連する他の関連伝達経路があり、それらは優位な過程に影響される。これらの付帯的経路は異なる周波数にて機能し得て、バイオフィードバック過程の間に主要波形によって同時に対処され得ない。やはり、何らかの理論に束縛されることなく、周波数域を繰り返すことにより、これらの他の付帯的ネットワークに至ると考えられる。
【0051】
本発明に用いられるのに適したデバイスは、例えば、WO 2005/118061に述べられている。そのようなデバイスは、例えば、皮膚との接触用の一対の電極;電気インパルスを、電極を通じて皮膚に適用するためにAC波形を反復生成するための波形発生器;皮膚インピーダンスの変化を検出し、皮膚インピーダンスを表す出力信号を生成する検出器;皮膚の応答性を監視する検出器からの出力信号に応答する手段および、所定の応答レベルに達すると第一の表示を、所定の治療が施されると第二の表示を生成するための表示手段を含む。このデバイスでは、局所および全身状態における変化の結果として生じる皮膚インピーダンスの変化は、デバイスの画面上に数値表示され、デバイスからの次の発信信号に影響を及ぼす。更に、皮膚と治療デバイスとの間の信号交換のいくつかの他の態様、例えば、振幅、比率、勾配、速度などが画面上に数値表示され得る。これらの数字の一部では、電気刺激対話を最良に用いることができるように数学アルゴリズムを用いる。次に、数値表示は多くのプロトコルによって治療過程を導くように、施術者によって用いられ得る。目的は、中枢神経系内の固定または撹乱中心(locked or disturbed centres)(本明細書でCNS中心とも称されることがある)を回復状態に導き、これにより、中枢および局所において正常な修復過程を惹起または再刺激することである。対話交換過程の強力なCNS(対局所)要素のため、従前の病状由来の「旧(old)」中心は同時に影響され得て、これも過去の病状の予期しない消散をもたらす。
【0052】
デバイスは、携帯用電池式デバイスの形態にて具現化され得る。従って、複数の電子は電子のリザーバとしての電池から供給され、そしてそのような電子のリザーバは最終的に消耗され、従って、薬理物質が身体によって効果的に摂取される。
【0053】
このデバイスでは、検出手段はその時間が皮膚インピーダンスを表すパルスの形態にて出力信号を生成し、監視手段は、各パルスの時間tを測定し、表示手段はtがtの所定の関数を満たすと各表示を生成するように構成される。好ましい実施形態であって本発明がこれに限定されない一実施態様では、表示手段は、t=4.087t0.7131であるときに第一の表示を生成し、dZ/bT=0(式中、Zは皮膚インピーダンス)であるときに第二の表示を生成するように構成される。携帯用デバイスによって生成される電気インパルスは、高い初期振幅(10V〜100V)および短時間(5μ秒〜100μ秒)である。その結果としての治療は非侵襲的であり、有害な副作用を生じさせない。
【0054】
デバイスの更なる態様が、その全体が本明細書に組み込まれるWO 2005/118061に概説されている。しかし、本発明の実施形態はWO 2005/118061明細書に述べられる特定のデバイスに限定されない。
【0055】
本発明は、一対の電極を皮膚に接触させるステップと、電極を通じて前記患者の皮膚に電気インパルスを供給するためにAC波形を生成するステップと、皮膚インピーダンスの変化を検出し、皮膚インピーダンスを表す出力信号を生成するステップと、皮膚の応答性を監視するステップと、第一に、所定の応答レベルに達し、第二に、所定の治療が施されると表示するステップとを含む、皮膚を通じて生体を治療する方法にも関し、そのような治療から恩恵を受ける疾患および皮膚上の治療部位は上記に概説された通りである。
【0056】
本発明は、複数の電子を用いた、患者、好ましくは人の患者の身体自体の自己修復系の刺激調節方法にも関し、前記方法は、一対の電極を前記患者の皮膚に接触させるステップと、電極を通じて皮膚に電気インパルスを供給するためにAC波形を生成するステップと、皮膚インピーダンスの変化を検出し、皮膚インピーダンスを表す出力信号を生成するステップと、皮膚の応答性を監視するステップと、第一に、所定の応答レベルに達し、第二に、所定の治療が施されると表示するステップとを含み、そのような治療から恩恵を受ける疾患および皮膚上の治療部位は上記に概説された通りである。
【0057】
本発明の実施に有用なそのようなデバイスは、本明細書で“Fenzian”デバイス、そして対応する治療は“Fenzian”治療と称されることもある。
【0058】
本発明人らは、本発明による複数の電子が呼吸器系疾患、心血管系疾患、消化器系疾患、皮膚疾患、筋骨格疾患、神経疾患、眼科疾患、泌尿生殖器疾患および炎症性疾患を治療、即ち、緩和または治癒するために用いられ得ることを見出した。特に背部および/または胸部および/または頸部および/または顔面において、場合により病的状態にあることが疑われる1つ以上の部位において皮膚上の多くの部位に適用されると、複数の電子はシナプス集中(本明細書でCNS中心とも称されることがある)のポイントを活性化することによって身体自体の修復機構を開始し得て、これにより、器官の神経支配のために疾患に冒された器官/部位に影響を及ぼし得る。そのような活性化はそれぞれの神経支配神経終末における神経ペプチドの放出を通じて生じ得、次に、これは自己置換、構造および挙動を制御する。
【0059】
以下に図を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の一実施形態の基礎となる推定機構および疾患を治療するための電子の使用を示す概略図である。本発明の実施形態の基礎となる推定機構の種々の段階は“1”〜“5”で示される。
【図2a】本発明の一実施形態による全身域脊髄治療の一手法の第一段階(2a)および第二段階(2b)を示す概略図である。
【図2b】本発明の一実施形態による全身域脊髄治療の一手法の第一段階(2a)および第二段階(2b)を示す概略図である。
【図3】本発明の一実施形態による、本明細書で「コートハンガー法全身域」とも称されることがある肩部および頸部の治療を示す概略図である。
【図4】本発明の一実施形態による呼吸器系疾患の治療部位の1つの選択肢を示す概略図である。
【図5】本発明の一実施形態による心血管系疾患の治療部位に対する一例の手法を示す概略図である。
【図6】本発明の一実施形態による消化器系疾患の治療部位に対する一例の手法を示す概略図である。
【図7】本発明の一実施形態による泌尿生殖器疾患、特に骨盤部における病状の治療部位に対する一例の手法を示す概略図である。
【図8】本発明の一実施形態による腎臓および/または尿路に作用する疾患/病状の治療部位に対する一例の手法を示す概略図である。
【図9a】本発明の一実施形態による、皮膚インピーダンスの値が記録/測定される多くの可能な数値的アプローチの1つを用いた全身域脊髄治療の第一段階(図9a)および第二段階を示す概略図である。
【図9b】本発明の一実施形態による、皮膚インピーダンスの値が記録/測定される多くの可能な数値的アプローチの1つを用いた全身域脊髄治療の第一段階(図9a)および第二段階を示す概略図である。
【図10】本発明の一実施形態による、数値的アプローチを用いた頸部および肩部に基づく治療法の1つ(本明細書で「コートハンガー法全身域」とも称されることがある)の別の実施形態を示す概略図である。
【図11】本発明の一実施形態による前頭部および副腎を含む全身治療の一部を示す概略図である。各番号位置はデバイスの電極が引き続いて保持される位置を指す。
【図12】本発明の一実施形態による骨盤/下腹部の数値的治療法の別の実施形態を示す概略図である。
【図13】本発明による、複数の電子を用いてそのすべてが治療可能である多くの典型的な疾患および病状への炎症の関与を示す概略図である。
【図14】病的過程に包含されると考えられる一連の事象および、複数の電子を用いた(例えば、上記に概略した“Fenzian”デバイスを用いた)本発明による治療が中枢神経系(CNS)との伝達によってそのような一連の事象にどのように影響を与え得るかを示す概略図である。より具体的には、図14は疼痛が身体自体の自己修復系の「注意探求者」(言わば、「稼動部」)であることを示す。病的撹乱、例えば、損傷、外傷または感染に続く疼痛および炎症は中枢神経系(CNS)において警告を生じさせ、これは次に身体の自己修復系の資源の配分をもたらす。これは修復活動の開始を生じさせ、これは完了後に疼痛および炎症の低下をもたらす。図14は病的撹乱後に通常起こると考えられる事象の過程を示す。
【図15】本発明がこの過程と相互作用すると考えられる段階、即ち、CNSの警告の主要段階を示す概略図である。この段階において自己修復資源が分配され、本発明はこの資源の分配が正しい、即ち、適切な方法でなされることを確実にする。
【発明を実施するための形態】
【0061】
更に、以下に例として電子が患者の皮膚に適用される多くの治療計画が述べられる。以下は単に例示目的であり、本発明を限定するものではないことに留意すべきである。一般に、単一の明確な十分に局所化した症状がない場合、大部分の治療計画は「全身域治療」から始めるべきであり、そのような全身域治療は、治療計画の一部を成すべきである。図2は「3経路および6ポイント」とも称されることがあり、この場合は脊髄である全身域治療を示す。そのような全身域治療の他の例には、本明細書で「コートハンガー部」とも称されることがある頸部・肩部領域における治療、および「コートハンガー治療」または「コートハンガー法」としての対応する治療が含まれる。以下では、すべての記載治療計画は例としてWO 2005/118061に述べられている携帯用デバイスを用いて行われる。しかし、本明細書で述べられる治療を提供するために、他のデバイスも用いられ得る。一般に、そのようなデバイスを用いる2つの方法があり、即ち、第一に、デバイスの電極を皮膚と接触させ、複数の電子を約5〜100μ秒の時間および約10V〜100Vの初期振幅の一連の交流信号として適用しながら電極を皮膚上に摺動させる。これは「ブラッシング法」とも称されることがある。
【0062】
本発明による治療計画の第二の実施形態では、デバイスの電極は単に指示位置において連続的に皮膚に接触させられ、電極が各位置に固定されながら複数の電子が上記に明示したように一連の交流信号として適用される。皮膚バイオフィードバックは、例えば、皮膚インピーダンスおよびその変化率を測定することによって測定・記録される。これは多くの隣接部位で行われ、皮膚インピーダンスの最大変化率のような最も強いバイオフィードバックを有する部位または皮膚インピーダンスの局所最大差を有する部位または隣接部位より高い皮膚インピーダンス変化率を有する部位は、30秒〜5分の規定時間、場合により皮膚インピーダンスがもはや変化しなくなるまで、同じ初期時間および同じ初期振幅の更なる一連の交流信号において更なる電子を適用することによって更に処置される。これは「数値的手法」とも称されることがあり、そのような用語は必ずしも厳密に定量的なアプローチが取られることを意味しない。例えば、この実施形態におけるユーザ・インタフェースは、文字通りの意味で数値的である必要はない。そのようなユーザ・インタフェースが異なる部位における皮膚インピーダンスまたは皮膚インピーダンス変化率の定性的比較を可能にすれば十分である。
【0063】
本発明による「部位」は、好ましくは円形、正方形または矩形の約10〜20cmの領域であるが、他の形状も可能である。
【0064】
ブラッシング法または数値的手法のいずれかの治療の終了後、いわゆる周波数変調が行われ得て、好ましくは約5〜15秒にわたり、例えば、約15Hz〜約351Hzの範囲の周波数を通じて周波数変調される一連の交流信号が適用される。
【0065】
全身域脊髄治療の第一の部分が図2aに示され、矢印は一連の交流信号を適用しながらデバイスで行われるブラッシング運動の方向を示し、数字は携帯用デバイスによるそのようなブラッシング運動が行われる順序を指す。この全身域治療の第二段階が図2bに示され、この場合もデバイスは矢印1から開始して矢印6で終了する方向にブラッシングされる。
【0066】
図3は肩部および頸部が治療される別の全身域治療法、いわゆる「コートハンガー法」の一般図を示す。デバイスがWO 2005/118061に述べられているように用いられる場合、通常、これは指示領域をブラッシングしながら図3に示される配向に保持されるべきである。
【0067】
図4は呼吸器/胸部問題の治療部位の一例を示し、この場合もブラッシング運動は図に示される領域上にデバイスで行われ、通常、肋骨に沿った運動を含み、12番目の肋骨から開始し、上方に動かし、横腹を交互に行う。
【0068】
図5はブラッシング法を用いた心血管系疾患の治療のための部位の一例を示す。
【0069】
図6はこの場合もブラッシング法を用いた消化器系疾患の治療のための部位の一例を示す。
【0070】
図7は下腹部、特に骨盤部における問題の治療部位の一例を示す。
【0071】
図8は腎臓/尿路の疾患/病状の治療部位の一例を示し、通常、腎臓部が治療され、治療は両側で前部に向かう1つの周回運動にて続けられる。
【0072】
図9aは前述の数値的アプローチを用いた全身域治療、この場合は脊髄治療の第一段階の一例を示し、デバイスは図示したように番号位置に保持され、上述のように皮膚インピーダンスおよび皮膚インピーダンスの変化率が測定される。皮膚バイオフィードバックの有用な変化がもはや記録されなくなるまで、隣接部位に対して極大の皮膚バイオフィードバックを有すると思われる位置または部位は引き続くAC信号の適用によって更に処置され、そして全体的に最大の初期皮膚バイオフィードバックを有する部位はAC信号の更なる適用によって更に処置される。1回目の極大を有する位置に対するAC信号の更なる適用は本明細書で「試験」または「用量」とも称されることがあり、2回目の更なるAC信号の適用は本明細書で「ゼロ」とも称されることがある。通常、試験フェーズは1分未満の時間がかかり、ゼロフェーズは、例えば、皮膚インピーダンスの変化率によって測定される有用な皮膚バイオフィードバックの変化が検出され得なくなるまで行われ、その変化率はゼロに接近し、またはゼロに等しい。通常、そのようなゼロフェーズは1〜4分の時間がかかる。図9bは、顔面および椎骨C7を中心とする背部および頸切痕を中心とする前部におけるこの全身域治療の第二段階を示す。
【0073】
図10は数値的アプローチを用いた、この場合は「コートハンガー」部に集中する全身域治療の別の例を示す。
【0074】
図11は前頭部および副腎における数値的アプローチ治療の位置を示し、番号領域は複数の電子が一連のAC信号として適用される位置または部位を示し、周辺部位と比べて極大の皮膚インピーダンスを示し、または最高変化率の皮膚インピーダンスを有する位置もしくは部位は、例えば、ゼロに接近し、またはゼロに等しい皮膚インピーダンスの変化率によって測定されるように、皮膚バイオフィードバックがもはや有用に変化しなくなるまで更に処置(「試験」)され、または「ゼロ」にされる。
【0075】
図12は前述の数値的アプローチを用いた下腹部/骨盤部の可能な治療の種々の位置を示す。前部において、通常、患者の手は、手掌線が垂直な正中に沿った状態で腹部に置かれると、治療部位を画定する。
【0076】
以下、多くの医学的適応について身体上のいくつかの好ましい治療部位について述べられる。別様に明記されない限り、「治療」という用語は指示身体部におけるAC信号としての複数の電子の1つ以上の「部位」への適用を指す。
【0077】
a)呼吸器系疾患
呼吸器系疾患では、AC信号として適用される複数の電子を用いた治療(以下、「治療」と省略される)は、背部および胸部に適用され得る。より具体的には、喘息、肺炎、呼吸アレルギーおよび気管支炎では、治療は胸部、特に胸椎および頸部、肩部および胸郭に集中し得る。喘息では、治療は頸切痕、胸椎における椎骨傍線および頸部、胸骨、椎骨C7−C8を含み得る。鼻炎、副鼻腔炎、気管炎、咽頭炎では、通常、治療は鼻上、洞上、頸の前部上および胸椎を上がって頸部までを含み得る。耳炎では、治療はおそらく耳の前部・後部、耳管のラインおよび頸部を含み得る。肺炎および気管支炎では、通常、治療は肺領域上の部位を含むべきである。
【0078】
b)心血管疾患
狭心症、虚血性心筋梗塞、不整脈、心筋梗塞後疼痛、心筋炎、心不全および高血圧のような心血管疾患では、治療はその下に心臓がある皮膚の領域およびその下に胸椎がある皮膚の領域において患者の背部および/または胸部に適用され得る。更に、図5に示されるように、治療は患者の手掌および足底を十分に含み得る。
【0079】
c)消化管疾患
消化管疾患では、AC信号の形態の電子は腹部における皮膚および/またはその下に罹患器官もしくは部位がある皮膚の領域に適用され得る。例えば、食道の病状では、治療は食道および肝臓を覆う皮膚の領域を含み得る。胃潰瘍および胃炎では、治療は肝臓、胸骨、脛部ならびに頸部および肩部を覆う皮膚の領域を含み得る。肝硬変では、通常、治療は肝臓、腹部および脾臓部位を覆う領域を含み得る。胆石では、治療は肝臓および胆嚢を覆う領域を含み得る。膵炎では、治療は疼痛部位および膵臓を覆う領域を含むべきである。便秘および下痢では、治療は肝臓および結腸を覆う領域を含み得る。直腸病変では、治療は恥骨から臍までの下腹部および腰部、特に仙骨を覆う皮膚を含み得る。
【0080】
d)皮膚疾患
皮膚疾患では、治療は皮膚疾患に冒された皮膚の領域に集中すべきであるが、そのような罹患部位は全体で約10cm以下であるものとする。そのような罹患部位がより大きい場合、治療はそのより大きい罹患部位の周囲のより小さい健常部位にも集中し得る。
【0081】
e)筋骨格疾患
治療は筋骨格系の罹患要素、例えば、関節、骨、筋肉または腱を覆う領域を含むべきである。筋骨格疾患が四肢を冒す場合、他方の非罹患四肢も同じ位置で治療されるべきである。
【0082】
f)神経疾患
神経疾患では、治療は患者の背部および/または胸部および/または顔面および/または頸部および/または頭蓋および/または脊椎を含み得る。神経疾患が脳卒中である場合、治療は損傷部位に最も近い利用可能な頭蓋上の位置、後頭部、頸部、頸動脈を覆う部位および、図2bに示される顔面の6ポイントを含むべきである。三叉神経痛では、治療は耳前部の三叉神経節上の部位、眼窩下孔域、眼窩下孔域から顔面神経の起始部に戻る部位および閉眼瞼上を含むべきである。てんかんでは、通常、治療は背部、頸部および肩部、脊椎および、図2bに示される顔面の6ポイントを含み得る。片頭痛では、治療は疼痛知覚部位上の領域、脊椎、頸部および肩部ならびに手足、好ましくは、通常手袋および靴下で覆われている部位を含み得る。
【0083】
g)眼科疾患
眼科疾患では、治療は眼窩周囲部、頸部、図2bに示される顔面の6ポイントおよび閉眼瞼上の部位を含むべきである。緑内障では、治療は鼻に隣接する上顎の部位を含み得る。斜視では、治療は眼の周囲および眼の上、特に眼から外側の部位を含み得る。
【0084】
h)泌尿生殖器疾患
泌尿生殖器疾患では、治療は頸部および肩部ならびに腎臓、膀胱、尿管、肝臓、膵臓および/または脊椎を覆う領域を含むべきである。前立腺症、性交不能、不妊症および精巣疾患のような男性生殖器疾患では、治療は尿管、鼠径リンパ節、会陰、陰嚢、陰茎および/または臀部のラインに沿った皮膚の領域を含み得る。女性生殖器疾患では、治療は腹部および/または頸部および/または腰部を含み得る。
【0085】
i)炎症疾患
炎症疾患では、治療は背部、脊椎、顔面および胸部を含む全身的アプローチおよび、炎症の症状が生じる部位に集中するより局所的なアプローチも含むべきである。
【0086】
j)概論
一般に、上述のいずれの治療でも、治療は電子をAC信号として適用するいくつかのセッションにて行われるべきであり、そして、通常、各セッションは約15〜30分続く。急性病状では、治療は病状の症状が緩和されるまでできる限り多くのセッションであるべきである。慢性病状では、治療は最初の2週にわたって1〜10セッションであり得、次に、施術者による修正を受けて継続され得る。
【0087】
更に、これより本発明に従って適用される複数の電子を用いた治療を受けた患者の次の症例に言及するが、これは例示するために示すものであって本発明を限定するものではない。
【0088】
以下の症例研究では、「Fenzian療法」または「Fenzian治療」に言及し、これは本明細書では本発明に従ってWO 2005/118061に述べられているような電子生成デバイスを通じて適用される一連のAC信号としての複数の電子の適用を指すものである。
【0089】
以下の治療計画は内々に行われ、患者は実験的性質のそのような機密性の高い治療を受けたことも強調されるべきである。機密性の高い治療は施術者の診療または病院において行われた。
【0090】
症例1:
当初、患者(女性、1929年生まれ)は1986年に発熱性疾患、抗生物質に反応しない肺臓炎および移動性関節炎を呈した。この時点で彼女は顔面に蝶形紅斑性発疹を有し、全身性エリテマトーデス(SLE)の診断がなされた。その時点で彼女は高用量ステロイドに反応した。
【0091】
過去17年にわたって彼女はSLEの再発エピソードを有し、多発性関節炎、胸膜炎、心膜炎、腎炎、結膜炎を含む疾患のあらゆる徴候を有していた。彼女は重篤な貧血および血小板減少症のエピソードを患った。彼女はSLEの症状の結果として、または薬物療法の合併症の結果として、平均して1年に4回入院した。
【0092】
彼女の投薬計画は、種々の非ステロイド性抗炎症薬、アザチオプリン、プラキニルおよびメトトレキサート、イプラトロピウムおよびフルチカゾン吸入器によって異なる時間に増強される治療の中心として、1986年以降種々の用量でのコルチコステロイドを含んでいた。SLEと闘う薬剤に加え、彼女は消化管症状用のオメプラゾールおよび骨粗鬆症用のフォサマックスを含むステロイドの副作用に対抗する薬物治療を受けていた。加えて、彼女はカルシウム補充(Ideos)およびマルチビタミンおよびミネラルを受けていた。彼女は慢性病と関連する鬱と闘うために、セルトラリンおよびシタロプラムを受けていた。
【0093】
彼女は反復抗生物質治療を余儀なくさせる感染(そして、結果として頻繁に鵞口瘡を患った)、クッシング症候群の症状(満月様顔貌、線条および座瘡)、消化性潰瘍および進行性骨粗鬆症の経緯を含む、治療法と関連する合併症を患っていた。彼女は皮膚移植を余儀なくさせる一連の扁平上皮癌を有し、両側白内障を除去した。彼女は2003年に集中治療における非経口栄養での10日間を余儀なくさせる穿孔性十二指腸潰瘍を有していた。彼女の疾患は保存的に治療されたが、この潰瘍から子宮まで洞を発現した。スキャンでは彼女の腹部において癒着塊を明らかにする。彼女は狼瘡および薬物治療に起因する蛋白尿および血尿の断続的発作を有する。時々、この婦人の疾病の経過の間、薬物副作用とSLEまたは介入疾患の作用とを識別することは困難であった。ステロイド毒性およびクッシング症候群の症状はステロイド用量の減少で寛解するが、SLEが再燃するため、ステロイドを完全に中止することは可能ではなかった。
【0094】
SLEの種々の徴候および投薬に対する有害反応と関連する症状は経時的に生じたが、複数のものが共に発現することも多かった。再発・再燃は感染によって惹起されることが多く、急性期は数カ月間続くことが多かった。寛解は決して完全に症状がないのではなく、従って、この患者は進行的に益々低い生活の質を有していた。
【0095】
2004年2月、この患者の投薬はコルチコステロイド30mg/日、アザチオプリン25mg/日、メトトレキサート7.5mg/週、プラキニル200mg/日を含んだ。彼女は家に引きこもっており、多発関節痛を患っていた。彼女は活力が全くなく、絶え間ない不安状態にあり、これは彼女が就寝することを阻み、疲労の症状を悪化させた。彼女は精神的に衰弱し、シタロプラム20mg/日を受けていた。彼女の医師はこれまでに試みられたあらゆる治療オプションおよび利用可能な治療薬のあらゆる組合せ・用量を使い果たしていた。
【0096】
2004年3月、彼女は、電圧がバイオフィードバックおよび患者の感覚に適合するように調節され、典型的には60Hzにてアプローチの混合を用いたFenzian療法を開始した。治療はブラッシングおよび数値的アプローチを含み、最も反応するバイオフィードバック部位に対する周波数サイクルで終えた。当初、患者は従来にないものと考えてこのアプローチに懐疑的であった。当初、治療は彼女の背部および炎症関節上に直接、隔日に施された。治療エピソードはブラッシングで開始し、次に、より集中した治療を施して約20分続いた。現在、彼女は2週間に1回短時間の治療を受けている。
【0097】
治療が開始すると、彼女は身体の反応を認めたときに疑念が速やかに消失した。彼女は徐々にすべての抗SLE薬を断ち、もはやアザチオプリン、プラキニルまたはメトトレキサートを受けなかった。更なるFenzian治療において、即ち、週5日、3週間のFenzian治療の後、彼女はわずかにコルチコステロイド5mg/日であり、クッシング症候群の満月様顔貌は消失した。1986年以来、彼女はそのような低レベルのステロイドを受けたことはなかった。
【0098】
彼女の徴候および症状の改善は活力レベルの増大および生活の質の劇的向上と整合していた。彼女は車の運転および友人との社交を再開した。彼女はもはやシタロプラムを受けていなかった。
【0099】
Fenzian治療、即ち、全体で6週間の治療(即ち、第一の3週に週5日および第二の3週に週2日)の終了時、患者はすべての薬物治療から離脱した。
【0100】
症例2 神経学
AS 13歳
主訴:右半身麻痺
病歴
この患者は3歳のとき(10年前)に生じた右半身麻痺を呈した。当時、彼はくも膜下出血を有し、右上下肢の使用および発話を失った。発話は回復したが、障害と共に生きることを学んだ。
【0101】
Fenzian治療を求めていたとき、彼は右上下肢に固定具を装着していた。そのときの明らかな問題は右手掌における創傷であり、加齢と共に増大していた「曲げ優位(flexural dominance)」は指を手掌に押し込んでいた。その優位が非常に強かったため、爪を切ることができず、問題を悪化させた。
【0102】
家族歴
彼は注目すべき他の過去の病歴を有していなかった。家族歴では、母親は喘息であり、父親は健康である。弟は軽度の欠神発作を有していた。14歳の姉は健康である。
【0103】
全身的な問診
ASは他の全身的な疾患を有していなかった。
【0104】
検査
彼は早熟で愉快な意志の固い少年であった。大きな歯科用ブレースの存在により、発話はわずかに不明瞭であった。右上下肢は共に虚弱であった。彼は「とても小さくて役に立たないのが恥ずかしい」と言って右腕を背中に回していた。右手は著しく萎縮しており、左手のほぼ半分の大きさであった。指は開いた傷口になった手掌に堅く押し込まれ、腱鞘が明確に視認された。家族は指における曲げ優位(flexural dominance)を軽減するために腱の切断および連続ボトックス注射を推奨されていた。両方が熟慮されていた。
【0105】
治療
Fenzian治療は最初の来診において開始され、次の2カ月間ほぼ毎週続けられた。初期の治療は手の治療および脊椎・顔面に沿った「全身的」アプローチを含んだ。治療は当日の最善のアプローチを見出すように整合され、従って、症状および反応により変化した。
【0106】
転帰
3回の治療後、彼の手は爪が切られるほどに弛緩していた。5回目の治療までに(治療に入って2週間)手掌における穴傷は治癒された。
【0107】
ほぼ毎週の治療の翌月にわたって右手腕はより弛緩しており、両親は彼が就寝している間に手がより開放していることに気づいた。最初の1カ月末までに彼は右上肢副子を処分していた。下肢副子は単に運動のために保持された。次の1カ月末までに下肢副子は完全に放棄され、ASは下肢副子なしに走っていた。予期しない発見は萎縮した右手が著しく成長していたことであった。手掌線から指先まで測定すると、以前より約1.5cm長かった。次の6カ月にわたり、手を開放する能力と同様にこの過程は続いた。彼は手をより用いるように促され、いくつかの単純な運動が設定された。
【0108】
Fenzian治療の3カ月以内に彼は随時、随意に競走で競争し、指を開放することができた。
【0109】
治療を開始して1年後、彼は右手でドアを開け、他の単純の課題に取り組むことができた。右手は他方の手の5%以内に成長し、彼の進展は運動に依存した。Fenzian治療が開始して4年後、萎縮した手に穴傷を有する、以前には半身麻痺だった少年は大学の土地管理課程を開始し、肉体的に十分に参加できると感じた。
【0110】
症例3 整形外科
JMは22歳の「家族支援ソーシャルワーカー」である。
【0111】
彼女は右(利き)腕のモンテジア複雑骨折を有していた。
【0112】
経緯
彼女に向かって運転している運転手が制御を失い、彼女の車に真正面から衝突するまで、JMは完全に健康であった。
【0113】
創傷の初期管理およびデブリドマンの後、右腕は事故の2日後に固定された。
【0114】
次の3カ月にわたり、仮骨または新骨形成の証拠はなく、彼女は内部固定を生涯保持することを予期するようにと言われた。
【0115】
右腕損傷に加え、彼女は胸骨に著しいシートベルト「熱傷」を有しており、これは圧痛のある状態であった。
【0116】
過去の病歴/家族歴
彼女の過去の病歴または家族歴に注目すべきことはなかった。両方の姉(妹)は健康である。彼女はボーイフレンドと暮らしている。
【0117】
薬物治療
彼女は痛みを抑えるために鎮痛剤を受けていた。
【0118】
検査
彼女は十分に治癒していた顕著な手術瘢痕を有した。手の動きは良好であったが、関節伸展に不快感を有した。彼女は回内運動および回外運動に対して不安と脱力を有した。
【0119】
事故の4カ月後、依然として骨成長がなく、彼女はFenzian治療を求めた。
【0120】
治療
彼女は最初の診療で胸骨および前腕上を治療され、治療中に短時間目眩を感じた。その後の治療は肩部および頸部ならびに両前腕の治療を含んだ。Fenzianデバイスの通信インジケータは迅速により「正常な」パターンに落ち着いた。
【0121】
転帰
不快感と不安は3回目の治療(3週間以内)までに速やかに落ち着き、3週時におけるX線は「有意な骨成長」を示した。彼女は全部で6回の治療を受けたのみであった。Fenzian治療を開始して3カ月後にプレートは取り外され、術後回復を支援するために2回の治療を受けた。彼女は腕を十分に用いて健康状態にあり、仕事に復帰した。
【0122】
症例4 心臓病
CEは人生が狭心症によって制約された不動産開発業者である。
【0123】
経緯
CEは過去3年にわたって狭心症を緩徐に発病し、血管造影図は3つの血管の冠動脈疾患(LADの40%遠位狭窄を含む)を確認した。当初、彼は血管形成術を推奨されたが、これは冠動脈バイパス術およびコレステロール値を下げる(8/9から)手段に修正された。このとき彼は平地で約45.72m(50ヤード)進んだ後に胸の締付けを感じ、階段を登って著しく悪化した。
【0124】
過去の病歴
関連した過去の病歴または家族歴はなかった。彼は糖尿病患者ではなく、吸入しないと言う葉巻を時折吸った。彼は高血圧ではなかった。彼は過去に痛風を有していた。既知のアレルギーはない。
【0125】
家族歴
彼の母親は86歳で死亡した。父親は59歳時に胃癌で死亡した。彼は結婚しており、2人の健康な成人の子供がいる。
【0126】
薬物治療
アテノロール50mg;アロプリノール300mg og.リピトール200mg od.
【0127】
検査では彼は健康であるように思われ、正常な心拍および心音を有していた。血圧は130/90であった。遠位脈拍は正常であった。
【0128】
治療
まず、CEは選択肢を明らかにするためにセカンドオピニオンを求めさせられた。これは手術の更なる推奨をもたらした。
【0129】
手術により適合するように手術の前段階としてFenzian治療が提案された。初期のFenzian治療は全身的アプローチとして背部の長さにわたり、手、頸部、肩部および副腎上の治療を含んだ。最初の6回の治療(2週間かかった)後、胸の締付けは182.88m(200ヤード)の歩行後まで生じず、彼は「より気分がよかった」。彼はバイバス術を延期し、Fenzian治療を継続することにした。これは1年の間に50回の治療で続き、この間、彼はアテノロールを断った。
【0130】
転帰
10年後、彼は完全に健康な状態であり、狭心症を有していない。
【0131】
症例5 喘息
SEは23歳の喘息にかかった労働者である。
【0132】
経緯:3年前に彼はウマに対する激しい反応と関連付ける喘息発作を有した。
【0133】
このエピソード後、彼はウマ、粉塵およびアルコールに対して感受性が高くなった。彼は白色痰を生じさせる習慣的な咳嗽を有した。
【0134】
薬物治療
3年間、彼は2クールの経口プレドニゾロンを処方されたが、becotideおよびサルブタモール吸入器に維持された。
【0135】
吸入器を装着していても、呼吸を回復するために停止することなく4または5つの階段をなんとか登ることができるだけであった。
【0136】
過去の病歴
智歯が抜かれ、小児として扁桃摘出術を受け、左第五趾が矯正された。
【0137】
家族歴
父親は狭心症であり、母親は喘息であり、姉(妹)は健康である。
【0138】
アレルギー
草類に由来する花粉症。ウマ、粉塵およびアルコールに敏感。
【0139】
全身的な問診は注意を引くものではなかった。
【0140】
検査
呼吸音は喘鳴していた。
【0141】
治療
週3回のFenzian治療が開始され、プロトコルが導くように背部、顔面および胸部を治療した。第一週にわたり、彼は顔面にいくつかの高バイオフィードバック活動の領域を有し、これは吸入器を断って落ち着いた。第三週までに薬物治療を断ち、無症状であった。治療は6週間週1回で継続した。彼は過去5年間喘息がない状態であり、粉塵またはアルコールに対してアレルギーがない。ウマに対する感受性は試していない。
以来、彼が受けた唯一のFenzian治療はスノーボードをして受け、または重労働に由来する損傷に関連している。彼はすべての薬物治療から離脱している。
【0142】
症例6 消化管/整形外科
最初にFenzian治療に参加したとき、GBは33歳の高度に熟練した建具師であった。
【0143】
病歴
彼は出血および乱れた排便習慣を伴うひどい(colicy)腹痛の5年の病歴を有した。大腸鏡検査および専門家の意見の組合せはクローン病の診断をもたらした。これは症状を抑える経口ステロイドで5年間積極的に治療された。
【0144】
当初クローン病に起因すると考えられた、関連する右肩、両側臀部および背部の疼痛を有した。治療を求めたのは頸部および肩部の疼痛であった。
【0145】
彼は他の著明な過去の病歴を有さなかった。
【0146】
家族歴
不明
【0147】
全身的問診で彼は有痛性の著しい咳嗽−「背部を捕えている」−を明らかにした。いくらかの尿意逼迫について述べた。アレルギーを認識せず、概して食物に注意深く、飲酒しなかった。
【0148】
薬物治療
彼はプレドニゾロン30mg od.を受けていた。
【0149】
検査すると、彼は正常な脈拍および血圧を有して健康に思われた。胸部は明瞭に聞こえた。最も著明であるのは頸運動、肩運動および股関節運動における全般的な堅さであった(右側より左側のほうが悪い)。腹部は正常音を有して柔軟であった。左側の頸部屈曲は右側より悪かった。彼は著明な胸部中部圧痛について述べ、左股関節は内部および外部において外転、屈曲および回転が制限された。
【0150】
治療
当初、彼は頸部から尾骨まで脊椎に沿って治療され、Fenzianによる顕著な活動が頸部および胸郭中央部に見出された。最初のFenzian治療の直後に彼は有意な緩和を感じた。翌日、堅さが再発した。次の4週間にわたって彼は週4日治療され、ステロイド処方を断った。この時点で「左大腿骨頭の重度の無腐性壊死」を有していることを述べる以前の股関節X線報告が浮上した。股関節の痛みははるかに弱くなり、「左大腿骨頭の軽度の無腐性壊死」を示すものとして新たなX線が報告された。Fenzian治療はより不規則に週1回で継続し、バイオフィードバックが指示するように股関節および腹部により集中した。Fenzian治療を開始して3カ月後の別のX線は「無腐性壊死の証拠を示さなかった」。しかし、ルーチンの経過観察のために彼を診る整形外科医は、「寛骨臼嚢胞」があると考えることにした。患者は十分な股関節運動を有して無症状であったが、嚢胞を吸引することにした。残念なことに、その際に寛骨臼を破壊した。これは置換されたが、大腿骨頭は正常であるように見えた。
【0151】
転帰
治療が5カ月またはほぼ毎週の診療後に停止された後、患者は健常状態にあった。
【0152】
しかし、2年後、彼は電話をかけてきて、再び痛みのある呼吸を伴って堅くて息苦しく、血液検査を受け、「体調が悪い」と言った。彼は金曜日および翌月曜日にFenzian治療を受けた(このときまでに十分な運動および痛みのない呼吸を有して気分が良かった)。血液検査結果が添付書簡と共に彼に送付され、ESR62を有し、HLA B27陽性であることが見出され、強直性脊椎炎の診断を意味したため、ステロイド治療の再開のために彼を緊急に呼び戻すものであった。彼はステロイドに戻らないことを選択し、過去4年間不快感または息切れがなく、健康状態にある。クローン病の症状も再燃しなかった。
【0153】
症例7 喘息/骨粗鬆症
この患者は重度の消耗性頸部痛を訴えた。
【0154】
経緯
3年にわたり頸部痛が徐々に発現し、「ベッドで寝返りを打つために16回以上の小さな漸増運動を取る」レベルに至った。運動は極めて制限され、特に回転および前方屈曲において制限された。
【0155】
過去の病歴
27年間喘息を有しており、その大部分は吸入または経口ステロイドで治療された。25年前に胆嚢摘出/虫垂切除;15年前に甲状腺嚢胞;28年前に膀胱修復。10年前に左膝関節鏡手術/洗浄
【0156】
家族歴
彼女の母方はアレルギーおよび湿疹との強い関連性を有する。母親は73歳時に原因不明で死亡した。父親は87歳にて健在である。共に「喘鳴する」息子および娘がいる。夫は健康である。
【0157】
薬物治療
彼女はFlixotide 500μg bd;セレベント50mg bd;デュオベント2パフ qds;ベントリン2パフ prnを受けていた。
【0158】
彼女は既知のアレルギーを有していなかった。
【0159】
検査
彼女は健康に見えたが、厳しい状況に憂鬱になると述べた。胸部は軽度の逆流を伴う僧帽弁尖逸脱の軽度収縮中期雑音は別として清澄であった。頸部運動は能動および受動において極めて制限された。受動運動に関する著明な不安を有した。残りの脊椎運動は正常であった。彼女は神経障害を有していなかった。
【0160】
治療
アプローチは頸部骨粗鬆症が喘息に対する長期ステロイド使用の結果であるという前提に基づいた。治療は薬物治療を断ち、頸部において骨成長を刺激することを目指した。
【0161】
初期の治療は「コートハンガー」全身的アプローチを含み、バイオフィードバックが示すようにその後の診療において頸部および顔面への局所治療を伴った。別の「全身的」手法を用いてほぼ毎週全脊椎長が治療された。3週間以内に彼女はすべての薬物を断ち、もはや胸部の症状を有さなかった。骨成長を向上させる治療は4カ月間ほぼ週2回継続し、次に、不快を感じる場合に治療するように更に低減した。これらの治療は頸部、顔面、腕および手を含んだ。
【0162】
転帰
3カ月後、頸部症状は著明に改善していた。6カ月後、患うことは稀であった。6年後、彼女は頸部痛および喘息がない状態にあり、望むどのような活動も行うことができる。
【0163】
症例8 急性副鼻腔炎(感染)
その他の点では健康な26歳の農業従事者であるJHは急性両側性上顎洞炎を呈した。
【0164】
経緯
副鼻腔炎は彼の3歳の息子が風邪を発病して1週間後に始まった(子供が風邪を引いた後に副鼻腔炎を発病することは彼には普通の流れであった)。感染は抗生物質に反応せず、彼は激痛にあった。
【0165】
過去の病歴
副鼻腔炎は別として、彼は注目すべき過去の病歴または家族歴を有さなかった。結婚して3歳と4歳の2人の幼児がいる。既知のアレルギーを有さなかった。
【0166】
薬物治療
抗生物質の治療を終えており、強力な鎮痛法を受けていた。
【0167】
検査
彼の顔は炎症で腫れ上がり、赤色であった。両頬には圧痛があり、両眼の部分的眼瞼下垂を有していた。左耳後部に触知可能なリンパ節腫大がいくつかあった。
【0168】
治療
Fenzian治療は両上顎上に開始され、右側、次に左側であった。彼は5分以内に疼痛からの大きな緩和を感じ、治療の10分後、疼痛がなかった。苦痛がない状態であったが、肩部のより全身的な治療が同日午後に付加された。翌日、依然として疼痛はなく、顔は正常に見え、はるかに気分良く感じた。背部および顔面の全身的プロトコル治療を受けた。翌日、気分良好であった。以後4年間、子供が何度か風邪を引いたにもかかわらず、副鼻腔炎を再発していない。
【0169】
本発明の具体的な実施形態が示され、説明されたが、本発明がこれらの実施形態のみに限定されないことは明らかであろう。特許請求の範囲において述べられる本発明の精神および範囲から逸脱することなく、多くの改変、変更、変形、代替および等価物が当業者には明らかであろう。一般に、以下の特許請求の範囲において、用いられる用語は本発明を本明細書で開示される具体的な実施形態に限定すると解釈されるべきでなく、以下に示される特許請求の範囲の下で機能するあらゆるシステムおよび方法を含むと解釈されるべきである。従って、本発明は本発明の改変例および変形例を含めるものとする。但し、それらは添付特許請求の範囲およびその等価物の範囲内にあるものとする。
【0170】
本明細書、特許請求の範囲および/または添付図面に開示される本発明の特徴は、別個に且つその任意の組合せにて本発明を種々の形態で実現するための材料であり得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の健康の回復に用いる複数の電子であって、前記複数の電子が、電極を有するデバイスを用いて約5〜100μ秒の時間および約10V〜100Vの振幅の一連の交流(AC)信号として前記患者に適用され、前記AC信号が、前記患者の背部および/または胸部および/または頸部および/または顔面のような特に複数の部位において、場合により病的状態にあることが疑われる1つ以上の部位において前記患者の身体(例えば、皮膚)に適用され、患者の健康の前記回復が、呼吸器系疾患、心血管系疾患、消化器系疾患、皮膚疾患、筋骨格疾患、神経疾患、眼科疾患、泌尿生殖器疾患および炎症性疾患から選択される疾患の緩和または治癒である、複数の電子。
【請求項2】
前記患者が人の患者である、請求項1に記載の複数の電子。
【請求項3】
前記AC信号が、前記デバイスの電極をそれぞれの部位において皮膚に置くことによって前記複数の部位に適用されると共に、それぞれの部位における前記皮膚のインピーダンスおよび前記インピーダンスの変化率が測定され、前記複数の部位から1つの部位または部位のサブセットがAC信号の更なる適用または反復適用のために選択され、前記1つの部位または部位のサブセットが、当初、前記AC信号の第一の適用において皮膚インピーダンスの最大変化率を有する、他の部位に比べて最大の皮膚インピーダンスを有する、または隣接部位より高い皮膚インピーダンスを有することで選択される、請求項1または2に記載の複数の電子。
【請求項4】
前記AC信号が、それぞれの部位において前記デバイスの電極を皮膚上に摺動させることによって前記複数の部位に適用されると共に、前記デバイスに対する皮膚の摩擦の変化、患者の感覚の変化、皮膚の色の変化および/または前述の組合せを監視し、前記複数の部位から1つの部位または部位のサブセットがAC信号の更なる適用または反復適用のために選択され、前記1つの部位または部位のサブセットが、当初、前記AC信号の第一の適用において前記デバイスに対する皮膚の摩擦の変化、患者の感覚の変化、皮膚の色の変化および/または前述の組合せを示すことで選択される、請求項1または2に記載の複数の電子。
【請求項5】
前記選択される1つの部位または前記選択される部位のサブセットにおいて、30秒〜5分、場合により皮膚インピーダンスの変化率が0になるまで更なるAC信号が適用される、請求項3または4に記載の複数の電子。
【請求項6】
患者の健康の前記回復が呼吸器系疾患の緩和または治癒であり、前記呼吸器系疾患が、喘息、呼吸アレルギー、肺炎および気管支炎から選択され、前記AC信号が、前記患者の背部および胸部、特に胸郭部、例えば、胸椎ならびに頸部、肩部および胸郭において前記患者の皮膚に適用される、請求項1から5のいずれか一項に記載の複数の電子。
【請求項7】
患者の健康の前記回復が呼吸器系疾患の緩和または治癒であり、前記呼吸器系疾患が、鼻炎、副鼻腔炎、気管炎、咽頭炎、クループおよび耳炎から選択され、前記AC信号が患者の頸部、鼻、洞、耳の周囲・後部および/または胸椎において前記患者の皮膚に適用される、請求項1から5のいずれか一項に記載の複数の電子。
【請求項8】
患者の健康の前記回復が心血管系疾患の緩和または治癒であり、前記心血管系疾患が、狭心症、虚血性心筋梗塞、不整脈、心筋梗塞後疼痛、心筋炎、心不全および高血圧から選択され、前記AC信号が、その下に心臓がある皮膚の領域と、その下に胸椎がある皮膚の領域とにおける背部および/または胸部と前記患者の手掌および足底とにおいて前記患者の皮膚に適用される、請求項1から5のいずれか一項に記載の複数の電子。
【請求項9】
患者の健康の前記回復が消化器系疾患の緩和または治癒であり、前記消化器系疾患が、胃潰瘍、胃炎、肝硬変、食道の病状、胆石、膵炎、便秘および下痢、痔疾、直腸の瘻または炎症から選択され、前記AC信号が、腹部における前記患者の皮膚および/またはその下に消化器系の前記疾患に冒された器官もしくは部位がある皮膚の領域に適用される、請求項1から5のいずれか一項に記載の複数の電子。
【請求項10】
患者の健康の前記回復が皮膚疾患の緩和または治癒であり、前記皮膚疾患が、乾癬、神経皮膚炎、皮膚炎、特にアトピー性皮膚炎から選択され、前記皮膚疾患が10cm以下の患者の体表面の領域に限定される場合、前記AC信号が前記皮膚疾患に冒された皮膚の部位において皮膚に適用され、前記皮膚疾患が10cm超の患者の体表面の領域を冒す場合、前記AC信号が、皮膚疾患に冒された皮膚の少なくとも第一の部位と、更に皮膚疾患に冒されていない皮膚の少なくとも第二の部位とにおいて皮膚に適用される、請求項1から5のいずれか一項に記載の複数の電子。
【請求項11】
患者の健康の前記回復が筋骨格系疾患の緩和または治癒であり、前記AC信号が、前記筋骨格疾患に冒された筋骨格系の要素、例えば、関節、骨、腱、結合組織または筋を覆う位置において前記患者の皮膚に適用される、請求項1から5のいずれか一項に記載の複数の電子。
【請求項12】
患者の健康の前記回復が神経疾患の緩和または治癒であり、前記AC信号が患者の背部および/または胸部および/または顔面および/または頸部および/または頭蓋および/または脊椎において前記患者の皮膚に適用される、請求項1から5のいずれか一項に記載の複数の電子。
【請求項13】
前記神経疾患が脳卒中であり、前記AC信号が患者の頭蓋において前記患者の皮膚に適用される、請求項12に記載の複数の電子。
【請求項14】
患者の健康の前記回復が眼科疾患の緩和または治癒であり、前記AC信号が眼窩周囲および/または頸部および/または顔面および/または閉眼上において前記患者の皮膚に適用される、請求項1から5のいずれか一項に記載の複数の電子。
【請求項15】
患者の健康の前記回復が泌尿生殖器疾患の緩和または治癒であり、前記AC信号が頸部および肩部ならびに腎臓、膀胱、尿管、肝臓、膵臓および/または脊椎を覆う位置において前記患者の皮膚に適用される、請求項1から5のいずれか一項に記載の複数の電子。
【請求項16】
前記泌尿生殖器疾患が、前立腺症、性交不能、不妊症および精巣疾患から選択される男性生殖器疾患であり、前記AC信号が、尿管を覆う領域における皮膚、および/または鼠径リンパ節、会陰、陰嚢、陰茎および臀部における皮膚に適用され、あるいは泌尿生殖器疾患が、月経前/月経後疼痛、子宮筋腫、子宮内膜症、不妊症、筋腫、線維筋腫、炎症性骨盤疾患、卵巣、卵管または子宮頸部の疾患および閉経から選択される女性疾患であり、AC信号が腹部および/または頸部および/または腰部において患者の皮膚に適用される、請求項15に記載の複数の電子。
【請求項17】
患者の健康の前記回復が炎症性疾患の緩和または治癒であり、前記炎症性疾患が慢性または急性炎症性疾患であり、前記慢性炎症性疾患が、関節リウマチ、慢性閉塞性肺疾患、喘息、狭心症、変形性関節症、クローン病または潰瘍性大腸炎のような炎症性腸疾患、乾癬、多発性硬化症、全身性エリテマトーデスおよびアテローム性動脈硬化症(artherosclerosis)から選択され、前記急性炎症性疾患が有害物質に対する損傷組織における免疫応答を包含する病状から選択され、その免疫応答が前記有害物質および損傷組織を破壊、希薄化または分離する機能を果たし、前記急性炎症性疾患が、皮膚の炎症、大腸炎、胃腸炎および肺炎のような内臓の炎症、創傷感染のような感染症、結核、インフルエンザ、副鼻腔炎、気管支炎のような肺感染症、花粉症のようなアレルギー、および痔疾から選択され、前記AC信号が、患者の背部、脊椎、胸部、顔面および頸部、ならびに/あるいは皮膚上の炎症部位および/またはその下に炎症器官または組織がある皮膚の領域において前記患者の皮膚に適用される、請求項1から5のいずれか一項に記載の複数の電子。
【請求項18】
前記AC信号の適用終了時に、好ましくは1〜20秒、より好ましくは5〜10秒、最も好ましくは8秒間にわたり、5〜500Hz、好ましくは15〜351Hzの周波数域を有する、周波数変調された一連の最終AC信号が適用される、請求項1から17のいずれか一項に記載の複数の電子。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2011−519640(P2011−519640A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−507842(P2011−507842)
【出願日】平成21年5月11日(2009.5.11)
【国際出願番号】PCT/EP2009/003331
【国際公開番号】WO2009/135693
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(510296948)フェンジアン・リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】Fenzian Ltd.
【Fターム(参考)】