説明

患者の神経機能に永続的な変化をもたらすための方法及び装置

【課題】本発明の開示内容は、患者の神経機能の変化を治療するか、又はそれ以外にその変化をもたらす頭蓋内電気刺激のためのいくつかの方法及び装置の提供。
【解決手段】神経機能に関連する神経可塑性が脳に生じる一実施形態では、本発明は、このような神経可塑性が存在する位置を識別する段階を含むことができる。神経可塑性が脳に生じない代替実施形態では、代替の態様は、神経可塑性が生じると予想される刺激部位に神経可塑性を誘導するためのものである。刺激部位での意図した神経活動に対して永続的な効果を生み出すと期待されるこれらの方法のいくつかの実施形態は、刺激部位での神経細胞の静止膜電位を閾値下レベルまで上昇させる電気パルスを使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、本明細書においてその全内容が組み込まれる、2000年7月31日出願の米国特許仮出願番号60/217,981の恩典を主張するものである。
本発明による方法及び装置のいくつかの実施形態は、皮質内の領域又は脳の他の区域を電気的に刺激し、患者の生理的機能及び/又は心理的作用に永続的な変化をもたらすことに関する。
【背景技術】
【0002】
広範な精神的及び身体的作用が、脳の特定領域の神経活動により制御又は影響されることは公知である。感覚皮質又は運動皮質のような脳のいくつかの区域では、脳の機構は、人体の地図に類似し、これは「脳の体部位局在性」と呼ばれる。脳には、ほとんどの個人において脳の特定領域に位置し、明確な機能を有するように見えるいくつかの他の区域がある。例えば、後頭葉の区域は、視覚に関連し、左下前頭葉の領域は、大多数の人々において言語に関連し、大腦皮質の領域は、意識の覚醒状態、記憶、及び知性に常に関与しているように見える。脳の個々の位置が正常な個人の特定の精神的又は身体的機能を制御する可能性が統計的に高い、脳のこの種の位置特異的な機能組織は、本明細書においては「脳の機能組織」と呼ぶ。
【0003】
脳の損傷、疾病、及び/又は障害により、身体機能には、多くの問題又は異常性が引き起こされる可能性がある。例えば、卒中は、脳を損傷する非常によく見られる条件の1つである。卒中は、一般に、皮質の特定領域の血管系の塞栓(例えば血管閉塞)、出血(例えば血管破裂)、又は血栓(例えば凝固)により引き起こされ、これは、次に、一般に神経機能(例えば、顔面筋肉、手足、言語などに関する神経機能)の喪失又は機能障害を引き起こす。卒中の患者は、手足又は他の影響を受けた身体部分の機能の喪失から回復するために、典型的には、物理療法を用いて治療する。ほとんどの患者では、介入せずに自然に起こる回復の域を超えて、影響を受けた手足の機能を改善するためにできることはほとんど無い。卒中の患者を治療するための現行の物理療法手法の1つでは、患者の機能する身体部分の使用を制限又は抑制して、影響を受けた身体部分を強制的に用いるようにする。例えば、手足の1つの使用能力を喪失した場合には、他方の手足を制限することにより治療する。この種の物理療法には、ある程度の実験的有効性が認められるが、これは、費用及び時間がかかり、ほとんど用いられていない。また、卒中の患者は、物理療法に補助的療法を加えて治療することもできる。例えば、アンフェタミンのような一般に神経の活性化を増大させるいくつかの種類の薬物は、神経回路網を強化するように見えるが、しかし、これらの薬物は、その作用機構が非常に非選択的であり、必要とされる部位に直接高濃度で供給することができないため、有効性が限定されている。従って、卒中の患者及び他の種類の脳損傷を有する患者を回復させる効果的な治療法を開発する必要がある。
【0004】
他の脳障害及び疾患もまた、治療するのが困難である。例えば、アルツハイマー病は、皮質の各部分に影響を与えることが知られているが、アルツハイマー病の原因及びそれがどのように神経活動を変化させるかは完全には理解されていない。同様に、脳障害(例えば、うつ病及び強迫神経症)の神経活動も完全には理解されていない。従って、他の脳障害及び脳疾患のためのより効果的な治療法の開発も必要とされている。
脳内の神経活動は、体外の外部供給源から供給される電気エネルギにより影響を受ける可能性がある。種々の神経機能は、このように、皮質又は脳の他の領域に電流を印加することにより促進又は阻害される可能性がある。その結果、脳の損傷、疾患、及び障害の治療の追求は、電気又は磁気を用いて脳の機能を制御することに関する研究を導くことになった。
【0005】
治療の種類の1つは、経頭蓋電気刺激(TES)であり、これは、頭皮の外面に電極を置き、頭皮及び頭蓋を通して脳に電流を供給する段階を含む。「TES」に関する特許としては、ハイモビッチ他に付与された米国特許第5,540,736号(痛覚脱失の提供)、カトルービン他に付与された米国特許第4,140,133号(知覚脱失の提供)、カペルに付与された米国特許第4,646,744号(麻薬中毒、食欲障害、ストレス、不眠症、及び疼痛の治療)、及び、リス他に付与された米国特許第4,844,075号(脳性麻痺に伴う疼痛及び運動機能障害の治療)が挙げられる。しかし、「TES」は、患者が受ける疼痛の量が大きく、電場を正確に誘導又は集中させるのが困難であるため、広くは用いられない。
【0006】
別の種類の治療法は、経頭蓋磁気刺激(TMS)であり、これは、皮質の一区域に亘る頭皮の外面に隣接して高出力磁場を生成する段階を含む。「TMS」は、「TES」のような痛みを伴う副作用は引き起こさない。1985年以来、「TMS」は、主に脳地図作成を試みる研究目的で用いられている。しかし、近年において、主にうつ病の治療に対する治療的応用の可能性が提唱されている。少数の臨床試験により、「TMS」を左前前頭皮質を刺激するのに用いると、うつ病の治療に効果的であることが見出された。
【0007】
パーキンソン病及び遺伝性脊髄小脳変性の患者のような少数の別の患者群の「TMS」治療が試験され、期待できる結果が得られている。「TMS」に関する特許及び公開特許出願としては、公開国際特許出願番号WO98/06342(経頭蓋磁気刺激装置と、脳地図作成研究及びうつ病治療におけるその利用法とを説明)、サンダイクに付与された米国特許第5,885,976号(セロトニン神経伝達の不足及び松果体メラトニン機能障害に関連するとされる種々の障害を治療するための経頭蓋磁気刺激の利用法を説明)、及び、シューリグ他に付与された米国特許第5,092,835号(経頭蓋磁気刺激及び末梢電気刺激の組み合わせによる、神経系障害(例えば自閉症)の治療、学習不全の治療、及び「正常」な人々の精神的及び身体的能力の増強を説明)が挙げられる。
【0008】
独立した各研究においてもまた、「TMS」が、「TMS」治療終了後のある期間に起こる皮質内の神経活動の永続的な変化を生み出すことができることを明らかにしている(神経可塑性)。例えば、ツィーマン他著「前腕虚血神経ブロック後のヒト運動皮質の可塑性の調節」、18、「J Neuroscience」、1115(1998年2月)は、切断を真似た神経ブロックモデルにおいて、閾値下のレベル(例えば、動きが誘導されないレベル)での「TMS」は、通常は切断を伴う神経活動の永続的な変化を調節することができることを開示している。同様に、パスキュール−レオン他(公開のために提出済み)は、手に5日間ギプスをつけて固定した正常被検者の対側性運動皮質に亘って「TMS」を行うと、通常は固定に伴って起こる運動皮質の興奮性の減少を防止することができることを開示している。他の研究者は、皮質に望ましい変化を生み出す「TMS」の能力を、卒中のような脳損傷後の神経リハビリテーションの向上に将来利用することができると提唱しているが、今までのところ公開された研究はない。
【0009】
「TMS」に関する他の出版物には、コーエン他著「経頭蓋磁気刺激による神経可塑性の研究」、15、「J. Clin. Neurophysiol.」、305(1998年)、パスキュール−レオン他著「経頭蓋磁気刺激と神経可塑性」、37、「Neuropsychologia」、207(1999年)、ステファン他著「対連合刺激によるヒト運動皮質における可塑性の誘導」、123、「Brain」、572(2000年)、シーブナー他著「運動皮質の反復「TMS」後の永続的皮質活性化」、54、「Neurology」、956(2000年2月)、パスキュール−レオン他著「経頭蓋磁気刺激によるヒト皮質興奮性の研究及び調節」、15、「J. Clin. Neurophysiol.」、333(1998年)、及び、ボイラン他著「脳生理学及び病態生理学の評価における磁気電気脳刺激」、111、「Clin. Neurophysiology」、504(2000年)が含まれる。
【0010】
「TMS」は、実際の刺激時間を超えてその下の皮質に変化を生み出すことができるように見えるが、現行の供給システムが妥当な時間に亘って刺激するのに実用的でないために、「TMS」は、現在のところ、多くの患者を治療するのに有効ではない。例えば、「TMS」システムは、比較的複雑であり、刺激治療は、病院又は診療所の医療従事者により実施される必要がある。「TMS」システムはまた、(a)再現性のある方法で刺激領域を正確に局所化すること、及び(b)特に患者が動いた時又はリハビリテーション中に、頭蓋上の正確な位置に装置を長期間保持することが困難であるために、長期治療には信頼が置けない場合がある。更に、現行の「TMS」システムは、一般に、多くの用途において皮質の目標とする領域に電磁エネルギを十分に集中させない。従って、現行の機器を用いる「TMS」の治療上の恩典の可能性は、比較的限定されている。
【0011】
また、種々の障害及び状態を治療するのに、中枢神経系に直接及び間接的電気刺激を行うことも提唱されている。例えば、シフに付与された米国特許第5,938,688号は、神経可塑性の現象を利用及び強化して、外傷又は卒中により引き起こされた脳損傷に関する認知障害を治療できることを指摘している。シフの埋込み装置は、意識に関与する脳深部の中心を刺激することにより、昏睡状態の患者の覚醒のレベルを上げるように設計されている。これを行うために、シフの発明は、例えば、埋込み可能な多極電極、及び、埋込み可能なパルス発生装置又は外部無線周波数制御パルス発生装置のいずれかを用いて、患者の髄板内核(すなわち、脳深部)の少なくとも一部分を電気的に刺激する段階を含む。しかし、シフの脳深部埋込み装置は、非常に侵襲性であり、患者に重大な合併症をもたらす可能性がある。
【0012】
同様に、ジョンに付与された米国特許第6,066,163号では、脳が神経可塑性を通じて損傷の結果の一部を克服する能力を認めている。ジョンはまた、脳を直接電気刺激すると、意識レベルに関する外傷性損傷又は卒中の影響を無効にすることができる証拠として一連の論文を引用している。ジョンにより開示されたシステムでは、結果を最適にしようとして、患者の現在の状態を基準状態と比較した結果に基づいて患者を刺激し、患者の刺激パラメータを調節する。しかし、シフと同様に、ジョンにより開示された発明は、侵襲性の高い脳深部刺激システムに関するものである。
【0013】
脳の一領域を刺激するための別の装置は、キングにより米国特許第5,713,922号に開示されている。キングは、パドル上に装着した電極を有し、患者の頭蓋の下に埋め込まれた皮質表面を刺激する装置を開示している。電極は、脳の表面の固定位置に埋め込まれる。従って、キングの特許の電極は、脳の形状の変化に適応して移動することができない。キングはまた、患者の頭蓋から遠隔(例えば、鎖骨下の埋込み)に埋め込まれたパルス発生装置により電気パルスを発生させることも開示されている。パルス発生装置は、電極に直接接続されておらず、遠隔埋込みパルス発生装置から頭蓋内に埋め込まれた電極まで延びるケーブルにより電極に電気的に結合されている。キングにより開示されたケーブルは、パドルから頭蓋を周り、首を下がってパルス発生装置の鎖骨下位置まで延びる。
【0014】
キングは、皮質の表面に接触させて電極を埋込み、異常感覚を生じさせることを開示しており、この異常感覚は、患者における振動又は「耳鳴」の感覚である。より詳細には、キングは、中枢神経系の高次要素(例えば皮質)を電気刺激することにより、広い区域に異常感覚を誘導することを開示している。従って、キングは、脳の特定領域に対して電極を配置し、目標とする異常感覚を誘導することを開示している。身体領域に亘って異常感覚を作り出す目的は、撹乱刺激を作り出して、身体領域の疼痛の知覚を効果的に減少させることである。従って、キングの特許は、活性化レベルを超える刺激を必要とするように見える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許第5,540,736号
【特許文献2】米国特許第4,140,133号
【特許文献3】米国特許第4,646,744号
【特許文献4】米国特許第4,844,075号
【特許文献5】公開国際特許出願番号WO98/06342
【特許文献6】米国特許第5,885,976号
【特許文献7】米国特許第5,092,835号
【特許文献8】米国特許第5,938,688号
【特許文献9】米国特許第6,066,163号
【特許文献10】米国特許第5,713,922号
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】ツィーマン他著「前腕虚血神経ブロック後のヒト運動皮質の可塑性の調節」、18、「J Neuroscience」、1115、1998年2月
【非特許文献2】コーエン他著「経頭蓋磁気刺激による神経可塑性の研究」、15、「J. Clin. Neurophysiol.」、305、1998年
【非特許文献3】パスキュール−レオン他著「経頭蓋磁気刺激と神経可塑性」、37、「Neuropsychologia」、207、1999年
【非特許文献4】ステファン他著「対連合刺激によるヒト運動皮質における可塑性の誘導」、123、「Brain」、572、2000年
【非特許文献5】シーブナー他著「運動皮質の反復「TMS」後の永続的皮質活性化」、54、「Neurology」、956、2000年2月
【非特許文献6】パスキュール−レオン他著「経頭蓋磁気刺激によるヒト皮質興奮性の研究及び調節」、15、「J. Clin. Neurophysiol.」、333、1998年
【非特許文献7】ボイラン他著「脳生理学及び病態生理学の評価における磁気電気脳刺激」、111、「Clin. Neurophysiology」、504、2000年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
キングは、皮質表面の領域を刺激する装置を開示しているが、この装置は、いくつかの欠点を有することが予想される。第1に、パルス発生装置及びケーブルを患者に埋め込むのに費用及び時間がかかる。第2に、頭蓋に対する脳の形状の解剖学的変化を補正しない固定された高さに電極が保持されているように見え、これにより、集束する特定の方法で皮質の望ましい目標部位に電気刺激を正確に加えるのが困難になる。第3に、キングは、神経細胞を直接活性化して異常感覚を引き起こすことを開示しているが、これでは、物理療法又は作業療法のような他の形の療法又は適応行動による刺激された神経細胞集団の活動の同調を引き起こすことが期待されない。すなわち、キングの特許には、いくつかの欠点があると予想される。
【0018】
キング及び他の上述の参照文献はまた、一般に脳の機能組織に従って生理的機能又は心理的作用を担う脳の領域に治療を加えるために、目標とする神経活動を生み出すことにも欠点を有することが予想される。しかし、脳損傷又は脳疾患の場合は、影響を受けた生理的機能又は認知作用に関連する脳の領域は、刺激療法に反応しない場合がある。すなわち、現行の技術は、刺激期間を超えて持続する妥当な成果を生み出さないことがある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、患者の神経機能をもたらすためのいくつかの装置及び方法に関する。本発明の1つの態様は、患者の脳の第1の位置に付随する患者の神経機能をもたらすための装置に関する。本装置は、脳の第1の位置から離れて意図した神経活動を発生させることに応答して意図した神経活動が存在する脳の領域を判断することにより、刺激部位を識別することができる診断システムを含む。本装置はまた、刺激部位に埋め込むように構成された電極と、電極に電位を供給するパルス発生装置とを含む刺激システムを含むことができる。
【0020】
本発明の別の態様は、患者の脳の第1の皮質位置での神経機能喪失を治療するための装置に関する。本発明のこの態様の実施形態のいくつかには、脳の第1の皮質位置での神経機能の損失を補償する神経活動が起こると予想される脳の皮質領域における刺激部位を選択することができる診断システムが含まれる。これらの実施形態はまた、第1の電極及び第2の電極を有する刺激システムを含むことができる。この刺激システムは、第1の電極が刺激部位の第1の区域、及び第2の電極が刺激部位の第2の区域にあるように、一般的に皮質領域の軟膜に近接して患者に埋め込まれるように構成される。
【0021】
本発明の別の態様は、患者の脳の神経機能を治療するための装置に関する。この態様において、一実施形態は、患者の脳の皮質領域における刺激部位の細胞に反応を引き起こすための電気刺激閾値を判断する診断システムを含む。本装置はまた、第1の電極と、第2の電極と、第1及び第2の電極に結合されたコントローラとを有する刺激システムを含むことができる。第1及び第2の電極は、患者の脳の軟膜に近接して埋め込まれるように構成される。コントローラは、刺激閾値よりも低い強度で、第1の電極と第2の電極との間に電気刺激を加えるように構成される。従って、コントローラは、刺激部位の神経細胞集団の活性化閾値よりも低い閾値下強度で刺激を加えることができる。
【0022】
本発明による装置の他の態様は、刺激システムの別の特徴に関する。1つの態様は、患者の脳の一領域に電気刺激を加えるための装置に関する。一実施形態において、本装置は、少なくとも部分的に患者の頭蓋内で患者の中に埋め込まれるように構成された埋込み可能な支持部材を含む。本装置はまた、支持部材に支持されたパルスシステムと、支持部材に支持された第1の電極と、同じく支持部材に支持された第2の電極とを含むことができる。第1及び第2の電極は、パルスシステムに結合される。
【0023】
別の実施形態は、患者の頭蓋に近接して患者に埋め込まれるように構成された埋込み可能な支持部材を含む装置に関する。この支持部材は、支持部材を頭蓋に固定するための取付け要素を含むことができる。本装置はまた、支持部材に支持されたパルスシステムと、支持部材の第1及び第2の領域にそれぞれ位置する第1及び第2の電極とを含むことができる。第1及び第2の電極は、パルスシステムに結合される。
本発明による装置の他の実施形態は、刺激システムが患者の頭蓋の内部に完全に埋め込まれるか又は頭蓋の上に埋め込むことができる一体化ユニットになるように、支持部材内のパルスシステムに直接結合された第1及び第2の電極を有する。他の態様には、支持部材がバイアス要素を有し、電極がバイアス要素に支持された装置が含まれる。
【0024】
本発明による方法のいくつかの態様は、患者の神経機能をもたらすことに関する。脳の第1の位置に付随する患者の神経機能をもたらす方法の一実施形態は、第1の位置から離れて意図する神経活動を発生させることにより刺激部位を識別する段階と、次に、発生した神経活動が存在する脳の領域を判断する段階とを含む。本方法は、少なくとも第1の電極を刺激部位に位置決めし、次に、第1の電極を通じて電流を通すために電位を印加することにより継続することができる。
患者に神経機能をもたらす方法の別の実施形態は、脳の第1の位置での神経機能の変化に応答して神経活動が変化した脳内及び/又は脳上の刺激部位を識別する段階を含む。本方法は、刺激部位に第1及び第2の電極を位置決めし、次に、第1の電極と第2の電極との間に電位を印加する段階を含むことができる。
【0025】
方法の他の態様は、患者の脳の第1の皮質位置での神経機能の喪失を治療する方法に関する。一実施形態は、例えば、脳の第1の皮質位置での神経機能の喪失を補償するために神経活動が起こると予想される脳の皮質領域での刺激部位を選択する段階を含む。これらの実施形態は、第1の電極を皮質領域の軟膜に近接する刺激部位の第1の区域に位置決めする段階と、同じく第2の電極を皮質領域の軟膜に近接する刺激部位の第2の区域に位置決めする段階とを更に含むことができる。本方法は、更に、第1の電極と第2の電極との間に電位を印加する段階を含むことができる。
【0026】
本発明による方法の更に別の態様は、閾値下の刺激を用いて患者の脳の神経機能を治療することに関する。一実施形態では、本方法は、脳の第1の皮質領域の刺激部位を選択する段階と、次に、刺激部位の細胞に反応を引き起こすための電気刺激閾値を判断する段階とを含む。本方法は、更に、脳の第1の皮質領域の軟膜に近接する位置での第1及び第2の電極の間に、刺激閾値よりも低い強度で電気刺激を加える段階を含む。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1A】神経細胞の概略図である。
【図1B】正常な神経活動に付随する「活動電位」を発する段階を示すグラフである。
【図1C】本発明の一実施形態に従って脳内の位置に付随する患者の神経機能をもたらす方法の流れ図である。
【図2】脳の体部位局在性による患者の神経機能に関連した脳の第1の領域での神経活動を示す脳の一部分の上面図である。
【図3】本発明の実施形態による方法の一段階に用いられた患者の神経機能に付随する神経活動の喪失を示す脳の一部分の上面図である。
【図4】本発明の実施形態による方法の別の段階での患者の神経機能に付随する神経活動の位置の変化を示す、図3の脳の上面図である。
【図5A】本発明の実施形態による方法の段階における埋込み手順を示す概略図である。
【図5B】本発明の実施形態による方法の段階における埋込み手順を示す概略図である。
【図5C】本発明の一実施形態に従って刺激された神経活動に伴う「活動電位」を発する段階を示すグラフである。
【図6】本発明の一実施形態による埋込み可能刺激装置の等角投影図である。
【図7】本発明の実施形態による埋込み可能刺激装置の一部を概略的に示す断面図である。
【図8】本発明の一実施形態によるパルスシステムの概略図である。
【図9】本発明の実施形態による埋込み刺激装置及び外部コントローラの概略図である。
【図10】本発明の別の実施形態によるパルスシステム及び外部コントローラを有する埋込み可能刺激装置の概略図である。
【図11】本発明の実施形態による埋込み可能刺激装置の一部を概略的に示す断面図である。
【図12】本発明の別の実施形態によるパルスシステム及び外部コントローラを有する埋込み可能刺激装置の概略図である。
【図13】本発明の別の実施形態によるパルスシステム及び外部コントローラを有する埋込み可能刺激装置の一部を概略的に示す断面図である。
【図14】本発明の実施形態による埋込み可能刺激装置のための電極構成を示す底面図である。
【図15】本発明の実施形態による埋込み可能刺激装置のための電極構成を示す断面図である。
【図16】本発明の別の実施形態による埋込み可能刺激装置のための電極構成を示す底面図である。
【図17】本発明の別の実施形態による埋込み可能刺激装置のための電極構成を示す断面図である。
【図18】本発明の更に別の実施形態による電極構成を示す底面図である。
【図19】本発明の更に別の実施形態による電極構成を示す断面図である。
【図20】本発明の更に別の実施形態による埋込み可能刺激装置のための電極構成を示す底面図である。
【図21】本発明の別の実施形態による埋込み可能刺激装置のための電極構成を示す底面図である。
【図22】本発明による埋込み可能刺激装置と共に用いるための電極構成の更に別の実施形態を示す底面図である。
【図23】本発明の更に別の実施形態による刺激装置と共に用いるための電極構成を示す底面図である。
【図24】本発明の更に別の実施形態による刺激装置と共に用いるための電極構成を示す断面図である。
【図25】本発明の実施形態による機械的バイアス要素を有する埋込み可能刺激装置の一部を概略的に示す等角投影図である。
【図26】本発明の実施形態により患者の頭蓋内に埋め込まれた機械的バイアス要素を有する刺激装置を示す断面図である。
【図27】本発明の実施形態によるバイアス要素を有する刺激装置の一部を概略的に示す断面図である。
【図28】本発明の更に別の実施形態によるバイアス要素を有する刺激装置を示す断面図である。
【図29】本発明の更に別の実施形態によるバイアス要素を有する刺激装置を示す断面図である。
【図30】本発明の更に別の実施形態によるバイアス要素を有する刺激装置を示す断面図である。
【図31】本発明の実施形態による外部電源及びパルス発生装置を有する埋込み可能刺激装置の一部分を概略的に示す断面図である。
【図32】本発明の別の実施形態による外部電源及びパルス発生装置を有する埋込み可能刺激装置の一部分を概略的に示す断面図である。
【図33】図32の埋込み可能刺激装置の一部分を更に詳細に示す断面図である。
【図34】本発明の別の実施形態による埋込み可能刺激装置の一部分及び外部コントローラを概略的に示す断面図である。
【図35】本発明の更に別の実施形態による埋込み可能刺激装置の一部分及び外部コントローラを概略的に示す断面図である。
【図36】本発明の更に別の実施形態による埋込み可能刺激装置の一部分を概略的に示す断面図である。
【図37】本発明の実施形態による埋込み可能刺激装置を示す等角投影図である。
【図38】本発明の実施形態による埋込み可能刺激装置を示す断面図である。
【図39】本発明の更に別の実施形態による埋込み可能刺激装置を示す断面図である。
【図40】本発明の実施形態による埋込み可能刺激装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下の開示内容は、患者の神経機能の変化を治療するか又は他の方法でもたらすための経頭蓋電気刺激に対するいくつかの方法及び装置を説明する。本発明による方法のいくつかの実施形態は、特定の神経機能をもたらすために、神経可塑性を強化するか又はそれ以外にそれを誘導することに関する。神経可塑性とは、時間と共に脳が変化又は適応する能力を意味する。成人の脳は、機能的に重要な神経網が時間と共に又は損傷に応じて著しく変化することができないように、比較的「変化しにくい」状態になると以前は考えられていた。ところが、これらの神経回路網は、時間と共に変化して適応することができ、そのために、重要な機能は、脳損傷に反応して回復可能なことがますます明らかになってきた。本発明による方法のいくつかの実施形態の態様は、適応的神経可塑性に対する適切なトリガを提供するためのものである。これらの適切なトリガは、回路網における神経細胞の機能的に有意な集団の共時性を引き起こすか、又は可能にするように見える。
【0029】
本発明のいくつかの実施形態による電気的に強化又は誘導された神経刺激は、選択された神経細胞の集団が、回路網とより強力に結ばれた状態になることができるように、機能的に有意な仕事に関与する神経回路網の部分を刺激する。このような回路網は、運動再学習のような機能的に重要な仕事を助けることになることから、これらの変化は、それらが自然使用機序により継続的に補強されるので永続する傾向が大きい。本発明のいくつかの実施形態による刺激の性質は、刺激された神経細胞の集団が、機能的回路網の他の神経細胞と結合することを保証する。これが起こるのは、活動電位が実際には刺激によって引き起こされず、回路網の他の神経細胞との相互作用により引き起こされるためであると予想される。本発明の選択された実施形態による電気刺激のいくつかの態様は、単に、回路網がリハビリテーション又は手足の使用のような好ましい活動により活性化された時に、これが増大した確率で起こることを可能にする。
本発明による方法を用いて、脳損傷(例えば、卒中、外傷など)、脳疾患(例えば、アルツハイマー病、ピック病、パーキンソン病など)、及び/又は脳障害(例えば、てんかん、うつ病など)を治療することができる。また、本発明による方法を用いて、正常で健康な脳の機能(例えば、学習、記憶など)を強化したり、又は感覚機能(例えば痛み)を制御したりすることもできる。
【0030】
本発明による方法のいくつかの実施形態では、神経可塑性が生じている脳の刺激部位を電気的に刺激する。刺激部位は、神経活動が脳の機能組織に従って特定の機能を行うために一般的に存在する脳の領域とは異なることもある。神経機能に関連する神経可塑性が脳に生じる一実施形態では、本方法は、このような神経可塑性が存在する位置を識別する段階を含むことができる。従って、この特定の手順では、神経活動の変化を強化し、脳が特定の神経機能を行うのを助けることができる。神経可塑性が脳で生じていない代替実施形態では、態様は、神経可塑性が起こることが予想される刺激部位に神経可塑性を引き起こすためのものである。この特定の手順は、このように、神経機能を実行させるために神経活動に変化を引き起こすことができる。これらの方法の実施形態のいくつかは、刺激部位での意図した神経活動に永続的な効果を生み出すことが期待される。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態の特定の詳細は、当業者にこれらの実施形態の完全な理解をもたらすために、以下の説明及び図1A〜図40に示される。より詳細には、主に図1〜図5Cを参照して本発明による方法の実施形態のいくつかを最初に説明し、その後、図6〜図40を参照して脳の皮質及び/又は脳深部領域を刺激するための装置の実施形態のいくつかを説明する。当業者は、本発明が更に別の実施形態を有してもよく、又は、以下に説明する詳細のいくつかを省いて実施することができることを理解するであろう。
【0032】
A.脳の領域を電気的に刺激する方法
1.神経活動を電気的に強化する実施形態
図1Aは、いくつかの神経細胞N1〜N3の概略図であり、図1Bは、正常な神経細胞での神経活動に関連する「活動電位」を示すグラフである。神経活動は、神経細胞内で発生する電気パルスに支配される。例えば、神経細胞N1は、興奮性入力を神経細胞N2に送ることができ(例えば、図1Bでの時間t1、t3、及びt4)、神経細胞N3は、抑制入力を神経細胞N2に送ることができる(例えば、図1Bでの時間t2)。神経細胞は、他の神経細胞集団に対して興奮性及び抑制入力を受けたり送ったりする。興奮性及び抑制入力は、細胞膜を横切るナトリウム(Na)及びカリウム(K)イオンの流束を変化させることによって神経細胞を通って伝わる電気パルスである「活動電位」を神経細胞に生成することができる。活動電位は、神経細胞の静止膜の電位が閾値レベルを超えると起こる。この閾値レベルに達すると、「オールオアナッシング」の活動電位が発生する。例えば、図1Bに示すように、時間t5での興奮性入力により、その入力が活動電位を発生させるための閾値レベルを超えるために、神経細胞N2が活動電位を「発する」。活動電位は、軸索(神経又は神経細胞路を作り上げる神経細胞の長い突起)の長さに亘って伝搬し、その神経細胞から隣接する神経細胞に更に影響を及ぼすことになる神経伝達物質の放出を引き起こす。
【0033】
図1Cは、本発明の実施形態により患者に神経機能をもたらす方法100を示す流れ図である。神経機能は、例えば、脳の機能組織に従う脳の「正常な」位置での神経活動に通常関連する特定の運動機能又は感覚機能(例えば、手足の運動)のような特定の心理的作用又は生理的機能を制御することができる。方法100の実施形態のいくつかでは、神経機能に関連する少なくとも何らかの神経活動が、脳の部位で生じている可能性がある。神経活動の部位は、脳の機能組織による神経機能を実行するために神経活動が典型的に起こる正常な部位であることもあり、又は、神経活動の部位は、脳が神経活動を行うための補充物質を有する異なる位置であることもある。いずれの状況においても、方法100のいくつかの実施形態の1つの態様は、この神経活動が存在する脳の位置を判断するためのものである。
【0034】
方法100は、神経機能に関連する意図した神経活動が存在する脳の位置において刺激部位を識別する段階を伴う診断手順102を含む。一実施形態では、診断手順102は、正常の位置から離れた「末梢」位置から脳に意図した神経活動を発生させ、その後、脳のどこに意図した神経活動が実際に存在するかを判断する段階を含む。代替の実施形態では、診断手順102は、神経機能の変化に応答して神経活動が変化する刺激部位を識別することにより実行することができる。方法100は、識別された刺激部位に第1及び第2の電極を位置決めする段階を伴う埋込み手順104と、第1及び第2の電極の間に電流を印加する段階を伴う刺激手順106とを用いて続行される。埋込み手順104の多くの実施形態では、刺激部位に2つ又はそれ以上の電極を位置決めするが、埋込み手順の別の実施形態では、1つの電極だけを刺激部位に位置決めし、別の電極を刺激部位から離して位置決めする段階を伴う。従って、方法100の埋込み手順104は、刺激部位に少なくとも1つの電極を埋め込む段階を含むことができる。手順102〜106をより詳細に以下に説明する。
【0035】
図2〜図4は、診断手順102の実施形態を示す。診断手順102を用いて、卒中、外傷、疾患、又は他の状況により引き起こされた神経機能の喪失を回復させるような目標とする機能を刺激がおそらくもたらすことになる脳の領域を判断することができる。より詳細には、図2は、意図する神経活動が起こって脳の機能組織により特定の神経機能をもたらす第1の領域210を有する正常で健康な脳200の図である。例えば、図2に示す第1の領域210の神経活動は、一般に、患者の指の運動に関連する。第1の領域210は、異なるレベルの神経活動が起こる高強度区域212及び低強度区域214を有することができる。診断手順102を行うために図2に示す第1の領域210の神経活動の画像を得ることは必要ではないが、それは、正常な脳機能を有する大多数の人々に対して脳200の機能組織に従って「正常位置」で一般的に起こる神経活動の例を示すために準備される。第1の領域210の実際の位置は、個々の患者により一般に変動することになることが認められるであろう。
【0036】
しかし、第1の領域210の神経活動が損なわれる可能性がある。典型的な用途では、診断手順102は、神経活動を検知して当該の特定の神経機能に関連する意図した神経活動が脳の機能組織によりそれが通常起こる脳200の領域で起こっているかどうかを判断することができる脳200の画像を撮ることから開始される。図3は、第1の領域210が影響を受けた(例えば、卒中、外傷、又は他の原因で)後の脳200の画像である。図3に示すように、指を動かすための神経機能を制御していた神経活動は、もはや第1の領域210では起こらない。従って、第1の領域210は「不活性」であり、これは、対応する指の運動及び/又は感覚の喪失をもたらすことが予想される。いくつかの事例では、脳200への損傷により、損傷領域の神経活動が部分的に喪失されるだけのこともある。いずれにせよ、図3に示す画像は、神経機能の喪失が第1の領域210の神経活動の減少に関連することを証明している。脳200は、それに応じて他の神経細胞を補充し、影響を受けた神経機能の代わりに神経活動を行うことができるが(すなわち、神経可塑性)、そうしなければ,その神経活動は、脳のどの位置にも存在しないであろう。
【0037】
図4は、本来は図2に示す第1の領域210で行われていた神経機能をもたらすための複数の潜在的な刺激部位220及び230を示す脳200の画像である。図3及び図4は、脳が脳の他の領域を補充し、影響を受けた神経機能を遂行するための神経活動を行うことにより、脳の一領域での神経機能の喪失を補償する神経可塑性の例を示す。診断手順102は、脳に起こる神経可塑性を利用して、目標とする神経機能をもたらすための電気、磁気、音波、遺伝的、生物学的、及び/又は薬学的な手順の結果により強く応答すると期待される刺激部位の位置を識別する。
【0038】
診断手順102の一実施形態は、脳の第1の領域210から離れた区域で意図した神経活動を発生させる段階と、次に、意図した神経活動が発生した脳内の位置を検出又は感知する段階とを伴う。意図した神経活動は、脳に送られる信号を引き起こす入力を付加することにより発生させることができる。例えば、手足が使えなくなった患者の場合には、影響を受けた手足を動かす及び/又は刺激する一方で、神経活動を検出することができる公知の画像化技術(例えば、機能「MRI」、ポジトロン放射断層撮影など)を用いて脳を走査する。特定の一実施形態では、影響を受けた手足は、開業医又は患者が動かしたり、知覚試験(例えば穿刺)で刺激したり、又は末梢電気刺激を受けることができる。影響を受けた手足の動きや刺激は、手足から末梢神経信号を生成し、これが、脳に応答神経活動を発生させることが期待される。この応答神経活動が存在する脳の位置は、画像化技術を用いて識別することができる。例えば、図4は、影響を受けた指を動かし、次に、この末梢刺激に応答して神経活動が起こる場所を知ることにより作製することができる。意図した神経活動を末梢的に発生させることにより、この実施形態は、神経機能に関連する意図した神経活動を行うために脳が補充物質を有する場所(すなわち、部位220及び230)を正確に識別することができる。
【0039】
診断手順102の代替実施形態では、患者の神経機能の変化に応答して神経活動が変化した脳の第2の位置で刺激部位を識別する段階を伴う。本方法のこの実施形態は、末梢的に身体部分を作動又は刺激することによって意図した神経活動を発生させることを必ずしも必要としない。例えば、患者が影響を受けた手足を再び使えるようになるか、又はある期間に亘って仕事を学習するにつれて、損なわれた神経機能に関連する神経活動に関して脳を走査することができる。しかし、この実施形態はまた、上述の通り、意図した神経活動を脳から離して末梢的に発生させる段階を含むことができる。
【0040】
更に別の実施形態では、診断手順102は、神経機能を実行するために意図した神経活動が創出されている脳の位置で刺激部位を識別する段階を伴う。この実施形態は、診断手順102の他の実施形態と同様であるが、(a)脳の機能組織に従って意図した神経活動が起こることが予想される脳の正常な領域、及び/又は、(b)神経機能を実行するための付加的な物質を脳が補充しているために神経活動が起こる別の領域において、刺激部位を識別するのに用いることができる。本方法のこの特定の実施形態には、当該の特定の神経機能に応答して神経活動が起こる1つ又はそれ以上の位置で神経活動をモニタする段階を伴う。例えば、特定の仕事(例えば、樂器の演奏、記憶など)を学習する能力を高めるために、個人が仕事を行うか又は仕事を行うことを考える間に神経活動をモニタすることができる。刺激部位は、神経活動が最高強度、最大増加、及び/又は、特定の仕事を行うのに用いられている脳の区域を示す他のパラメータを有する脳の区域によって定義することができる。
【0041】
図5A及び図5Bは、患者500の脳に一部分に対して第1及び第2の電極を位置決めするために図1Cを参照して上述した埋込み手順104の概略図である。図5Aを参照すると、刺激部位502が診断手順102の実施形態に従って識別される。一実施形態では、頭蓋切片504は、刺激部位502の近くで患者500から除去される。頭蓋切片504は、当業技術で公知の方法で頭蓋に穴を開けることにより除去することができ、同じく当業技術で公知の穿孔技術を用いて、遥かに小さい穴を頭蓋に形成することができる。一般に、穴は、直径0.2〜4.0cmとすることができる。図5Bを参照すると、第1及び第2の電極520を有する埋込み可能な刺激装置510を患者500に埋め込むことができる。埋込み手順に関連する適切な技術は、当業技術に精通した開業医には公知である。刺激装置510を患者500に埋め込んだ後、パルスシステムは、第1及び第2の電極502により刺激部位502に伝達される電気パルスを発生する。本発明による方法の上述の実施形態を実施するための刺激装置は、図6〜図40を参照してより詳細に以下に説明する。
【0042】
本発明による神経活動を強化する方法の実施形態のいくつかは、目標とする神経機能を促進する永続的な成果をもたらすと期待される。本発明以前の電気的及び磁気的刺激技術では、一般的に、神経機能に関連する神経活動が脳の機能組織に従って発生する脳の正常な位置を刺激した。しかし、このような従来の技術では、脳の損傷、疾患、障害のため、及び/又は個々の患者に固有の位置のばらつきにより、脳の「正常位置」の神経細胞が神経活動を実行することができないことがあるために効果的でない場合がある。本発明による神経活動を強化する方法の実施形態のいくつかでは、神経機能に関連すると思われる神経活動に基づき刺激部位を識別することによりこの欠点を克服する。最初に神経活動を行うために補充されている脳の位置を識別することにより、この位置に施される療法(例えば、電気的、磁気的、遺伝子的、生物学的、及び/又は薬学的療法)が、従来の技術よりも効果的になると期待される。これは、神経活動のために脳が補充している位置が、脳の機能組織に従って神経活動が通常起こるであろう「正常位置」ではないことがあるためである。従って、本発明による神経活動を強化する方法のいくつかの実施形態は、これらの療法が、神経機能を遂行するための神経活動が特定の患者に実際に起こる脳の部分に施されるために、永続的な成果をもたらすことが期待される。
【0043】
2.目標とする神経活動の電気的誘導
神経機能をもたらす方法100はまた、このような神経活動が存在しない脳の領域において神経活動を誘導するのに用いることができる。存在する神経活動を強化する上述の方法100の実施形態とは対照的に、神経活動を誘導する方法100の実施形態は、神経可塑性が起こることになると推定される刺激部位で神経活動を開始する。この特定の状況においては、神経可塑性が起こっている位置を捜し出す脳の画像は、図3と同様とすることができる。従って、神経活動を誘導する態様は、神経可塑性が起こりそうな場所を判断する手順を開発するためのものである。
【0044】
刺激部位は、脳が神経機能を行うために神経細胞を補充する可能性が高い場所を推定することにより識別することができる。一実施形態では、刺激部位の位置は、脳の機能組織に従って神経機能に関連する神経活動が一般に存在する正常位置に近接する脳の領域を形成することにより推定される。刺激部位の位置を見つけるための代替実施形態は、同様の症状を有する患者に神経可塑性が一般的に起こった場所を判断する段階を含む。例えば、皮質の正常領域での神経活動の喪失を補償するのに脳が一般的に皮質の第2の領域を補充する場合は、脳の神経活動の画像化の有無に関係なく、皮質の第2の領域を刺激部位として選択することができる。
【0045】
また、本発明による神経活動を誘導する方法の実施形態のいくつかは、目標とする神経機能を開始又は促進する永続的な成果をもたらすと期待される。最初に目標とする神経可塑性が起こると予想される刺激部位の位置を推定することにより、この位置に施される療法は、神経活動を強化することに関して上述したのと同様の理由で、従来の療法よりも有効とすることができる。更に、神経活動を誘導する方法は、療法を施す前に、神経活動を発生させる段階、及び/又は、意図した神経活動が起こっている場所を判断するために脳を画像化する段階を必要としないために、実行するのが容易で費用もより少ないとすることができる。
【0046】
3.脳の領域を電気的に刺激する方法の用途
存在する神経活動を強化するか、又は新しい神経活動を誘導する上述の方法は、多くの用途に有用であることが期待される。上述の通り、方法100の実施形態のいくつかは、目標とする神経機能を発生させる意図した神経活動を強化又は誘導するために、脳の効果的な位置を判断する段階を伴う。また、上述の電気刺激法と組み合わせて更に別の療法を実行することもできる。ここで、本発明による電気刺激法の実施形態を単独か又は補助療法と共に用いる特定の用途のいくつかを以下に説明するが、本発明による方法は、多くの更に別の用途に使用できることが認められるであろう。
【0047】
a.一般的な用途
上述の電気的刺激法の実施形態は、脳の損傷により引き起こされた心理機能、運動機能、及び/又は感覚機能の喪失の回復に特に有用であると期待される。典型的な用途では、脳は、卒中又は外傷(例えば自動車事故)により損傷を受けている。特定の脳損傷の程度は、機能「MRI」又は図3に関して上述したような別の適切な画像化技術を用いて評価することができる。その後、(a)脳損傷により影響を受けた身体部分を末梢的に刺激して意図した神経活動を誘導し、応答神経活動が起こる位置を判断する、(b)患者が影響を受けた身体部分をよく使えるようになる時に神経活動が変化した場所を判断する、及び/又は、(c)以前は脳の損傷部分により行われていた神経活動を遂行するために脳が神経細胞を補充することができる位置を推定することにより、刺激部位を識別することができる。次に、刺激部位に対して第1及び第2の電極を配置して、脳のその部分に電流を印加することにより、選択した刺激部位に電気刺激療法を施すことができる。以下で更に詳細に説明するように、影響を受けた身体部分に関連する神経活動を行うように補充された脳の部分に電流を印加すると、影響を受けた身体部分を回復させるための永続的な神経効果を生み出すことになると期待される。
【0048】
いくつかの特定の用途では、皮質に刺激部位があることが予想され、これは、脳のその部分の神経活動が、卒中又は外傷により一般的に影響を受ける運動機能及び/又は感覚機能をもたらすからである。このような用途では、電気刺激は、脳の軟膜表面又は少なくとも軟膜表面に近接して(例えば、硬膜、皮質周囲の流体、又は皮質内の神経細胞)直接加えることができる。電気刺激を皮質に加えるための適切な装置を図6〜図40を参照して詳細に説明する。
【0049】
電気刺激法はまた、補助療法と共に用いて脳の損傷部分を回復させることができる。一実施形態では、電気刺激法は、物理療法及び/又は薬物療法と組み合わせて、影響を受けた神経機能を回復させることができる。例えば、卒中の患者が手足を使うことができなくなった場合は、影響を受けた手足に物理療法も行いながら、意図した神経活動が存在する刺激部位に電気療法を施すことにより治療することができる。代替実施形態は、電気療法を刺激部位に施して、アンフェタミン又は他の適切な薬物を用いて化学的に治療する段階を伴うことができる。
【0050】
上述の電気刺激法の実施形態はまた、アルツハイマー病、パーキンソン病、及び他の脳疾患のような脳疾患の治療にも有用であると期待される。この用途では、一定の期間に亘って機能「MRI」又は他の適切な画像化技術を用いて神経活動をモニタし、脳が疾患により影響を受けた神経活動を行うために物質を補充する位置を判断することにより、刺激部位を識別することができる。また、特定の疾患が影響を与えた作用を実行することを患者に試みさせ、脳をモニタして脳内に応答神経活動が存在するかどうかを判断することにより、刺激部位を識別することも可能であろう。脳が付加的な物質を補充している場所を識別した後に、脳のこの部分に電気刺激を施すことができる。疾患により影響を受けた神経活動を行うために補充された脳の領域を電気的に刺激すると、疾患により引き起こされた損傷を埋め合わせるのを助けることになると期待される。
【0051】
上述の電気刺激法の実施形態はまた、うつ病、受動攻撃性行動、体重調節、及び他の障害のような神経性障害を治療するのに有用であると期待される。このような用途では、特定の障害に関連する神経活動が存在する皮質又は別の適切な脳の部分の刺激部位に電気刺激を加えることができる。特定の療法を行うための電気刺激法の実施形態は、目標とする成果を生み出す方法で特定の神経活動を増大又は減少させるように適応させることができる。例えば、切断患者は、切断肢に付随する幻肢感を感じることがある。この現象は、幻肢感を減少させる電気パルスを印加することにより治療することができる。電気療法は、感覚機能を実行する脳の部分の神経細胞の能力を調節することになるように施すことができる。
【0052】
b.パルス形式及び電位
本発明による電気刺激法では、いくつかの異なるパルス形式を用いて、目標とする神経可塑性をもたらすことができる。パルスは、刺激部位の十分な割合の神経細胞集団に目標とする電位をもたらすために印加される二相又は単相の刺激とすることができる。一実施形態では、パルス形式の周波数は、約2〜1000Hzであるが、周波数は、約40〜200Hzの範囲が特に有用である場合がある。例えば、最初の臨床試験では、約50〜100Hzの周波数を用いることが予想される。パルスはまた、約10μs〜100msのパルス幅を有することができ、又は、より具体的には、パルス幅を約20〜200μsとすることができる。例えば、パルス幅50〜100μsは、有利な結果を生み出すことができる。
本発明の1つの特定の有用な用途には、神経細胞の静止膜電位を上げて、神経細胞を活動電位を発するための閾値レベルに近づけることにより、神経可塑性を強化又は誘導する段階を伴うことが予想される。刺激によって神経細胞の静止膜電位が上昇するために、このような神経細胞は、低レベルの興奮入力に応答して活動電位を「発する」可能性がより高くなると期待される。
【0053】
図5Cは、図1Aの神経細胞N1〜N3に閾値下の電位を印加した場合を示すグラフである。時間t1及びt2では、他の神経細胞からの興奮性/抑制入力は、−XmVでの静止電位から閾値電位までの「隙間を埋める」ことはない。時間t3では、電気刺激が脳に印加され、刺激された集団の神経細胞の静止電位を上げて静止電位が−YmVになる。従って、神経細胞が別の興奮性入力を受け取る時間t4では、たとえ小さな入力であっても、上昇した静止電位−YmVと閾値電位との間の隙間を超え、これらの神経細胞に活動電位を誘導する。例えば、静止電位が約−70mVであり、閾値電位が約−50mVである場合は、電気刺激を印加して、十分な数の神経細胞の静止電位を約−52から−60mVまで上昇させることができる。
【0054】
閾値下の電位刺激をもたらすために脳内に埋め込まれた電極に印加される実際の電位は、個々の患者、療法の種類、電極の種類、及び他の因子により変動することになる。一般に、電気刺激のパルス形式(例えば、周波数、パルス幅、波形、及び電位)が選択されて、刺激部位の十分な数の神経細胞の静止電位を、集団内の神経細胞の統計的部分に対する閾値電位よりも小さいレベルまで上昇させる。例えば、パルス形式は、刺激の印加電圧が刺激されていない静止電位及び閾値電位間の差の約10%〜95%、より具体的には60%〜80%の静止電圧の変化をもたらすように選択することができる。
【0055】
患者の手を治療するための閾値下用途の特定の一実施例では、電気刺激は、最初は刺激部位に印加されない。患者の手に関する物理療法は、「手の機能」に関与することが知られている特定の神経細胞集団の何らかの活性化を引き起こす場合があるが、物理療法は、その神経細胞集団に低レベルの活動電位を発生させるだけであるから、単に低レベルの活性化を生じ得るのみである。しかし、閾値下電気刺激が加えられると、刺激された集団の神経細胞の静止膜電位が上昇する。これらの神経細胞は、その時点で活動電位形成の閾値に非常に近くなっており、そのために、同じ種類の物理療法を行っても、この細胞集団は、それらが活動電位をより発しやすいために高レベルの活性化を有することになる。
【0056】
閾値下刺激では、活動電位形成に対する閾値を超える十分なエネルギレベルで神経細胞を単に刺激するよりも良好な結果を得ることができる。閾値下刺激の1つの態様は、物理療法のような通常の活性化の原因に応答して活動電位が発生することになる確率を増大させるためのものである。これは、この機能回路網の神経細胞が互いに同調された状態になる、すなわち、この種の活動に関連した状態になることを「学習」することを可能にする。神経細胞に、それらが追加の興奮性入力(閾値下刺激)なしで継続的に活動電位を発するほど大きな電気を加える場合、それは、機能の改善を引き起こす可能性が低い「ノイズ」及び機構崩壊を作り出すことになる。実際に、「酷使された」神経細胞は、それらの神経伝達物質がすぐに枯渇し、事実上沈黙状態になる。
【0057】
閾値下刺激を加えることは、閾値上刺激と非常に異なる。例えば、本発明の実施形態のいくつかによる閾値下刺激は、刺激部位のかなりの神経細胞集団において電気刺激により神経細胞に活動電位を直接発するようにさせることを意図していない。代わりに、閾値下刺激は、刺激部位の神経細胞の大部分を活性化するのに必要な「活性化エネルギ」を減少させようとする。従って、本発明の特定の実施形態による閾値下刺激は、手足を動かそうとしたり、物理療法を受けたり、単に手足を動かすことを考えたりするなどのような通常の内因性トリガに応答して、神経細胞が活動電位を発することになる確率を増大させると期待される。更に、物理療法と関連した同時の刺激は、閾値下刺激のために増加した確率で発生する活動電位が、単なる「ノイズ」ではなく、有意なトリガに関連することになる確率を増大させると期待される。
【0058】
約50〜100Hzの周波数の選択、及び、静止電位及び閾値電位間の差の60%から80%の増大をもたらすのに十分な振幅のような上述の刺激パラメータは、それらが神経細胞の静止膜電位を増大させることになるように明確に選択され、それにより、大部分の神経細胞集団に直接活動電位を引き起こすことなく、活動電位を発する可能性を増大させる。それに加えて、図6〜図40に関して以下に更に詳細に説明するように、本発明による刺激装置の実施形態のいくつかは、約1〜2cmの大脳皮質の領域(皮質の「機能単位」の推定の大きさ)を選択的に刺激するか、軟膜表面に電極を直接接触させて静止膜電位に同じ変化を継続的に生成するか、及び/又は軟膜表面に電極を付勢して電極と皮質との間に積極的な結合をもたらすことにより、閾値下刺激を生成するパルス形式を正確に加えるように設計される。
【0059】
B.脳の領域を電気的に刺激するための装置
図6〜図40は、上述の方法の1つ又はそれ以上により脳の領域を電気的に刺激するための本発明のいくつかの実施形態による刺激装置を示す。図6〜図40に図示した装置は、一般に、脳の軟膜表面に近接する皮質の領域(例えば硬膜、軟膜、硬膜と軟膜の間の流体、及び脳の白質の外側の皮質の深部)を刺激するのに用いられる。また、この装置は、他の実施形態では、脳の他の部分を刺激するように適応させることもできる。
【0060】
1.一体化パルスシステムを備えた埋込み可能刺激装置
図6は、軟膜表面に近接する皮質の領域を刺激するための本発明の実施形態による刺激装置600の等角投影図であり、図7は、その断面図である。一実施形態では、刺激装置600は、支持部材610と、支持部材610に支持された一体化パルスシステム630(概略的に示す)と、第1及び第2の電極660(それぞれ参照番号660a及び660bで区別)とを含む。第1及び第2の電極660は、パルスシステム630に電気的に結合されている。支持部材610は、患者の頭蓋又は別の頭蓋内領域に埋め込まれるように構成することができる。例えば、一実施形態では、支持部材610は、ハウジング612及びハウジング612に結合された取付け要素614を含む。ハウジング612は、パルスシステム630を支持するための内部空洞を有する生体適合性材料で形成した成形ケーシングとすることができる。代替的に、ハウジングは、生体適合性金属又は別の適切な材料とすることもできる。ハウジング612の直径は、約1〜4cmとすることができ、多くの用途では、ハウジング612の直径は、1.5〜2.5cmとすることができる。また、ハウジング612は、他の形状(例えば、直線形、卵形、楕円形)とすることもでき、他の表面寸法とすることもできる。刺激装置600は、重さが35g又はそれ以下、及び/又は、占める容積が20cc又はそれ以下とすることができる。取付け要素614は、患者の頭蓋又は他の身体部分に対して支持部材610を保持するための可撓性カバー、硬いプレート、外形に合わせたキャップ、又は他の適切な要素とすることができる。一実施形態では、取付け要素614は、生体適合性ポリマーメッシュ、金属メッシュ、又は他の適切な織材料のようなメッシュである。代替的に、取付け要素614は、「Mylar」、ポリエステル、又は別の適切な材料の可撓性シートとすることができる。
【0061】
図7は、より具体的に、本発明の実施形態に従って患者に埋め込まれた後の刺激装置600の断面図である。この特定の実施形態では、刺激装置600は、頭皮702に開口部を形成して、頭蓋700を通り、硬膜706を通って穴704を切削することにより患者に埋め込まれる。穴704は、支持部材610のハウジング612を受け取る大きさにする必要があり、ほとんどの用途で、穴704は、取付け要素614よりも小さくする必要がある。開業医は、支持部材610を穴704内に挿入し、その後、取付け要素614を頭蓋700に固定する。取付け要素614は、複数の締結装置618(例えば、ねじ、スパイクなど)又は接着剤を用いて頭蓋に固定することができる。代替実施形態では、複数の下向きにぶら下がったスパイクを取付け要素614と一体的に形成して、頭蓋700の中に押し込むことができる固定装置を形成することができる。
【0062】
図7に示す刺激装置600の実施形態は、電極660を刺激部位の脳の目標とする部分に接触させて患者内に埋め込まれるように構成される。ハウジング612及び電極660は、電極660が、皮質709を囲む軟膜708に少なくとも近接して位置決めされるように、取付け要素614から距離「D」だけ突出することができる。電極660は、図7に示すようにハウジング612から突出することもでき、又は、ハウジング612の内部表面と同一表面にすることができる。図7に示す特定の実施形態では、ハウジング612は厚さ「T」を有し、電極660は、ハウジング612から距離「P」だけ突出し、電極660が軟膜708の表面に押し付けられるようにする。ハウジング612の厚さは、約0.5〜4cmとすることができ、より一般的には、約1〜2cmである。刺激装置660の構成は、図6及び図7に示す実施形態に限定されず、ハウジング612、取付け要素614、及び電極660は、電極を脳のいくつかの異なる領域に配置するように構成することができる。例えば、代替実施形態では、ハウジング612及び電極660は、電極を皮質709内の深部及び/又は脳深部領域710に配置するように構成することができる。一般に、電極は、ハウジングと同一平面にすることができ、又は、ハウジングから0.1mmから5cm延ばすこともできる。刺激装置のためのパルスシステム及び電極構成の更に具体的な実施形態を以下に説明する。
【0063】
刺激装置600のいくつかの実施形態は、現行の経頭蓋電極刺激装置及び経頭蓋磁気刺激装置よりも効果的であると期待される。経頭蓋療法に必要な電力のほとんどが、脳に達する前に頭皮及び頭蓋に消散されることが認められるであろう。従来の経頭蓋刺激装置と対照的に、刺激装置600は、電極が脳708の軟膜表面に少なくとも近接するように埋め込まれる。本発明による方法の実施形態のいくつかでは、刺激装置600を用いて、軟膜708、硬膜706、及び/又は皮質709の別の部分に従来の経頭蓋療法よりも大幅に低い電力レベルで電気療法を直接施すことができる。例えば、約1mVから10Vの電位を電極660に印加することができ、多くの事例では、選択された用途に対して電極660に100mVから5Vの電位を印加することができる。また、本発明の他の実施形態による刺激装置600の電極660には、他の電位を印加することができることも認められるであろう。
【0064】
また、刺激装置600の選択された実施形態では、正確な刺激部位に刺激を加えることもできる。ここでもまた、刺激装置600が軟膜表面708に少なくとも近接して電極660を位置決めするために、良好なパルス形状忠実性を有する正確なレベルの刺激が、脳の刺激部位に正確に伝達されることになる。経頭蓋療法では、頭皮及び頭蓋の磁気的及び電気的特性に患者間の差がある場合があり、それによって経頭蓋装置による同一の刺激でも各患者の神経細胞を異なるレベルで刺激することがあるために、正確な刺激部位に刺激を加えることが不可能な場合があることが認められるであろう。更に、刺激を正確な区域に集中させる能力は、刺激を経頭蓋的に供給することにより妨げられるが、これは、頭皮、頭蓋、及び硬膜の全てが、経頭蓋装置からのエネルギを拡散させるためである。刺激装置600の実施形態のいくつかでは、刺激装置600により発生されるパルスが頭皮702及び頭蓋700により拡散されないように電極660が頭蓋700の下に位置決めされているために、この欠点が克服される。
【0065】
2.埋込み可能刺激装置のための一体化パルスシステム
図6及び図7に示すパルスシステム630は、電気パルスを電極660に発生させ、及び/又は伝達して、脳の領域の刺激部位に電場を生成する。図7に示すパルスシステム630の特定の実施形態は、支持部材610により支持された「一体化」ユニットである。例えば、パルスシステム630は、電極660が、刺激装置600の外側にリード線を備えることなく、直接パルスシステム630に結合することができるようにハウジング612内に収容することができる。電極660とパルスシステム630との間の距離は、4cmよりも小さいとすることができ、一般には、0.10から2.0cmである。従って、刺激装置600は、刺激装置600から離れて埋め込まれたパルス発生装置に電極660を結合するための患者を通過するトンネルを外科的に作り出す必要もなく、刺激部位に電気パルスをもたらすことができる。しかし、本発明による刺激装置の代替実施形態は,頭蓋内に刺激装置600と別個に埋め込んだパルスシステム、又は外部パルスシステムを含むことができることが認められるであろう。ここで、刺激装置600と共に用いるのに適切なパルスシステムの特定の実施形態のいくつかを以下に詳細に説明する。
【0066】
図8及び図9は、頭蓋内の刺激装置600内に埋め込むための本発明の一実施形態による一体化パルスシステム800を概略的に図示している。図8を参照すると、パルスシステム800には、電源810、一体化コントローラ820、パルス発生装置830、及びパルス送信器840を含むことができる。電源810は、充電式バッテリ又は電気エネルギを貯蔵するための別の適切な装置のような一次バッテリとすることができる。代替実施形態では、電源810は、外部電源から放射された放送エネルギを受け取り、この放送エネルギをパルスシステム800の電気構成要素のための電力に変換するRF変換器又は磁気変換器とすることができる。一体化コントローラ820は、外部コントローラ850により送られた指令信号に応答する無線装置とすることができる。例えば、一体化コントローラ820は、外部コントローラ850にRF又は磁気リンク860で通信することができる。一体化コントローラ820は、外部コントローラ850により送られる指令信号に応答してパルス発生装置830に制御信号を提供する。パルス発生装置830は、適切な電気パルスを電極660に結合されたパルス送信器840に送る複数のチャンネルを有することができる。電源810、一体化コントローラ820、パルス発生装置830、及びパルス送信器840のための適切な構成要素は、埋込み可能医療装置の当業者には公知である。
【0067】
図9を参照すると、パルスシステム800は、図5及び図7を参照して上述した方法で、刺激装置600の支持部材610により支持することができる。外部コントローラ850は、外部コントローラ850を用いてパルスシステム800を制御することができるように、患者500の外側に位置することができる。一実施形態では、コントローラ850が作動する近くの範囲内に患者を配置することにより、単一の外部コントローラ850を用いて共通の療法が必要な数人の患者を同時に治療することができる。代替実施形態では、外部コントローラ850は、複数の作動コードを含むことができ、特定の患者の一体化コントローラ820は、個々の作動コードを有することができる。このように、単一のコントローラ850を用いて、患者に対する一体化コントローラ820の特定の作動コードに対応する適切な作動コードをコントローラ850に入れることにより、複数の異なる患者を治療することができる。
【0068】
図10は、本発明の別の実施形態による刺激装置600と共に用いるためのパルスシステム1000及び外部コントローラ1010を示す概略図である。この実施形態では、外部コントローラ1010には、電源1020、電源1020に結合されたコントローラ1022、及びコントローラ1022に結合されたユーザインタフェース1024が含まれる。また、外部コントローラ1010は、電源1020に結合されたパルス発生装置1030、パルス発生装置1030に結合されたパルス送信器1040、及びパルス送信器1040に結合されたアンテナ1042を含むこともできる。外部コントローラ1010は、電力及びパルス信号を発生し、アンテナ1042は、パルス信号1044を刺激装置600内のパルスシステム1000に伝達する。パルスシステム1000は、パルス信号1044を受信し、電気パルスを電極に供給する。パルスシステム1000は、従って、一体化電源、コントローラ、及びパルス発生装置が外部コントローラ1010内にあるために、これらの構成要素を必ずしもハウジング610内に含む必要はない。
【0069】
図11は、パルスシステム1000の実施形態をより詳細に示す概略図である。この実施形態では、パルスシステム1000は、刺激装置600の支持部材610に支持される。パルスシステム1000は、アンテナ1060及びアンテナ1060に結合されたパルス供給システム1070を含むことができる。アンテナ1060は、外部コントローラ1010からパルス信号1044を受信して、パルス信号1044を電気パルスに変形するパルス供給システム1070にパルス信号1044を送る。従って、電極660は、パルス供給システム1070と結合させることができる。パルス供給システム1070は、パルス信号1044からノイズを除去するためのフィルタと、パルス信号1044から電気パルスを生成するパルス形成装置とを含むことができる。パルス形成装置は、パルス信号1044のエネルギで駆動させることができ、又は、代替実施形態では、パルスシステム1000はまた、パルス形成装置を駆動するための一体化電源を含むことができる。
【0070】
図12は、刺激装置600の実施形態に用いるパルスシステム1200の実施形態と、RFエネルギを用いて患者から離れてパルスシステム1200を制御するための外部コントローラ1210とを示す概略図である。この実施形態では、外部コントローラ1210は、電源1220、電源1220に結合されたコントローラ1222、及びコントローラ1222に結合されたパルス発生装置1230を含む。また、外部コントローラ1210は、パルス発生装置1230に結合された変調装置1232及び変調装置1232に結合されたRF発生装置1234を含む。作動時には、外部コントローラ1210は、アンテナ1242を通してRFエネルギのパルスを放送する。
【0071】
パルスシステム1200は、刺激装置600(図示せず)内に収容することができる。一実施形態では、パルスシステム1200は、アンテナ1260及びパルス供給システム1270を含む。アンテナ1260は、アンテナ1242からの放送RFエネルギを整流するダイオード(図示せず)を組み込む。パルス供給システム1270は、フィルタ1272と、アンテナ1242から放送されたRFエネルギに相当する電気パルスを形成するパルス形成装置1274とを含むことができる。パルスシステム1200は、従って、パルスシステム1200が刺激装置600により支持された別の電源を必要としないように、外部コントローラ1210からのパルス信号内のRFエネルギによって電力供給される。
【0072】
図13は、磁気エネルギを用いて患者の外部からパルスシステム1300を遠隔的に制御するための外部コントローラ1310と共に、埋込み可能刺激装置600の別の実施形態に用いるためのパルスシステム1300の断面図である。この実施形態では、外部コントローラ1310は、電源1320、電源1320に結合されたコントローラ1322、及びコントローラ1322に結合されたユーザインタフェース1324を含む。また、外部コントローラ1310は、コントローラ1332に結合されたパルス発生装置1330、パルス発生装置1330に結合されたパルス送信器1340、及びパルス送信器1340に結合された磁気カプラ1350も含むことができる。磁気カプラ1350は、フェライト磁心1352及びフェライト磁心1352の一部分の周りに巻きつけたコイル1354を含むことができる。また、コイル1354は、コイル1354に印加された電気パルスが対応する磁場に変化を生み出すように、パルス送信器1340と電気的に接続させることができる。また、磁気カプラ1350は、埋め込んだ刺激装置600を覆って磁気カプラ1350を配置するために、可撓性キャップ1356を含むことができる。
【0073】
パルスシステム1300は、フェライト磁心1360、及びフェライト磁心1360の一部分の周りに巻きつけたコイル1362を含むことができる。また、パルスシステム1310は、整流装置とパルス形成装置とを含むパルス供給システム1370を含むこともできる。作動時には、フェライト磁心1360及びコイル1362は、磁気カプラ1350により発生された磁場の変化を電気パルスに変換し、これがパルス供給システム1370に送られる。電極660は、外部コントローラ1310内のパルス発生装置1330により発生された電気パルスに対応する電気パルスが患者の刺激部位に供給されるように、パルス供給システム1370に結合される。
【0074】
3.電極構成
図14〜図24は、本明細書に開示する刺激装置と共に用いることができる本発明の種々の実施形態による電極を示す。図14〜図22は、皮質の軟膜表面に少なくとも近接する刺激部位に電流を印加するように構成された電極の実施形態を図示し、図23及び図24は、皮質内又は皮質下に電流を印加するように構成された電極の実施形態を示す。また、他の埋込み可能刺激装置と共に電極の他の構成を用いることもできることが認められるであろう。
【0075】
図14は、本発明の実施形態による刺激装置1400の底面図であり、図15は、その断面図である。この実施形態では、刺激装置1400は、第1の電極1410及び同心状に第1の電極を取り囲む第2の電極1420を含む。第1の電極1410は、パルス発生装置1430の正極端子に結合し、第2の電極1420は、パルス発生装置1430の負極端子に結合することができる。図15を参照すると、第1及び第2の電極1410及び1420は、トロイダル電場1440を発生する。
【0076】
図16は、本発明の別の実施形態による刺激装置1600の底面図であり、図17は、その断面図である。この実施形態では、刺激装置1600は、第1の電極1610、第1の電極1610を取り囲む第2の電極1620、及び第2の電極1620を取り囲む第3の電極1630を含む。第1の電極1610は、第1のパルス発生装置1640及び第2のパルス発生装置の負極端子に結合することができ、第2の電極1620は、第1のパルス発生装置1640の正極端子に結合することができ、第3の電極1630は、第2のパルス発生装置1642の正極端子に結合することができる。作動時には、第1の電極1610及び第3の電極1630は、第1のトロイダル電場1650を発生し、第1の電極1610及び第2の電極1620は、第2のトロイダル電場1660を発生する。第2のトロイダル電場1660を操作して、第1のトロイダル電場1650が刺激装置1600の基部から離れて突出する深さを変化させることができる。
【0077】
図18は、本発明の更に別の実施形態による刺激装置1800の底面図であり、図19は、その断面図である。この実施形態では、刺激装置1800は、第1の電極1810及び第1の電極1810から間隔を置いて配置された第2の電極1820を含む。第1及び第2の電極1810及び1820は、パルス発生装置1830の反対の各端子に結合された線形電極である。図19を参照すると、第1及び第2の電極1810及び1820は、ほぼ線形の電場を発生することができる。
【0078】
図20は、本発明の更に別の実施形態による刺激装置2000の底面図である。この実施形態では、刺激装置2000は、第1の電極2010、第2の電極2020、第3の電極2030、及び第4の電極2040を含む。第1及び第2の電極2010及び2020は、第1のパルス発生装置2050に結合され、第3及び第4の電極2030及び2040は、第2のパルス発生装置2060に結合される。より詳細には、第1の電極2010は、第1のパルス発生装置の2050の正極端子に、第2の電極2020は、その負極端子に結合され、第3の電極2030は、第2のパルス発生装置2060の正極端子に、第4の電極2040は、その負極端子に結合される。第1及び第2の電極2010及び2020は、第1の電場2070を発生すると期待され、第3及び第4の電極2030及び2040は、第2の電場2070を発生すると期待される。イオンは、脳を通って比較的自由に動くことになるために、多数のイオンが、矢印2074に示すように第1の電場2070と第2の電場2072との間を横切ることになることが認められるであろう。この実施形態は、刺激部位での電場勾配の制御を提供する。
【0079】
図21は、刺激装置2000の別の実施形態の底面図である。この実施形態では、第1の電極2010は、第1のパルス発生装置2050の正極端子に結合され、第2の電極2020は、その負極端子に結合される。図20に示す実施形態と異なり、第3の電極2030は、第2のパルス発生装置2070の負極端子に結合され、第4の電極2040は、その正極端子に結合される。この電極構成は、電極間に複数の電場をもたらすことになると期待される。これにより、電場の方向又は向きの制御が可能になる。
【0080】
図22は、本発明の更に別の実施形態による刺激装置2200を概略的に示す底面図である。この実施形態では、刺激装置2200は、第1の電極2210、第2の電極2220、第3の電極2230、第4の電極2240を含む。これらの電極は、スイッチ回路2250によりパルス発生装置2242に結合される。スイッチ回路2250は、第1の電極2210に結合された第1のスイッチ2252、第2の電極2220に結合された第2のスイッチ2254、第3の電極2230に結合された第3のスイッチ2256、第4の電極2240に結合された第4のスイッチ2258を含むことができる。作動時には、スイッチ2252〜2258が開閉して、電極2210〜2240間に種々の電場を確立することができる。例えば、第1のスイッチ2252及び第4のスイッチ2258がパルス発生装置2242からのパルスと連携して閉じ、第1の電場2260を発生させることができ、及び/又は、第2のスイッチ2254及び第3のスイッチ2256がパルス発生装置2242からの別のパルスと連携して閉じて、第2の電場2270を発生させることもできる。第1及び第2の電場2260及び2270は、同じパルスで発生されて同時発生電場を生成することができ、又は、交互パルスによって交互又は回転する電場を生成することができる。
【0081】
図23は、本発明の別の実施形態による刺激装置2300の底面図であり、図24は、その側面図である。この実施形態では、刺激装置2300は、第1の電極2310、第2の電極2320、第3の電極2330、及び第4の電極2340を有する。電極2310〜2340は、図14〜図22を参照して上述した構成のいずれかに形成することができる。また、電極2310〜2340は、導電性ピン2350及び/又は2360も含む。ピン2350及び2360は、皮質の軟膜表面の下に延びるように構成することができる。例えば、ピン2350の長さが皮質709の厚さよりも短いので、ピン2350の先端は、それに応じて軟膜表面下の皮質709内の刺激部位に電気パルスを伝導することになる。ピン2360の長さは、皮質709の厚さよりも大きく、脳深部領域710のような皮質709下の脳の部分に電気パルスを伝導する。ピンの長さは、軟膜708下の刺激部位に電気パルスを伝導するように選択される。従って、ピン2350及び2360の長さは、各電極に対して同じであるか、又は個々の電極に対して異なることもできる。更に、電極及びピンの選択された部分のみが、露出伝導区域を有することができる。例えば、唯一の露出電導材料がピンの先端にあるように、電極2310〜2340と、ピン2350及び2360の一部分とを誘電材料で覆うことができる。また、図14〜図22に述べた電極の構成は、図23及び図24に示す電極と同様の方法でピン様の電極を設けることにより、軟膜下の刺激部位に電流を印加するように適応させることができることも認められるであろう。
【0082】
図6〜図24を参照して上述した刺激装置の実施形態のいくつかは、現行の経頭蓋又は頭蓋下刺激装置よりも効果的であると期待される。電極を頭蓋の下に位置決めすることに加え、上述の刺激装置の実施形態の多くはまた、軟膜708、硬膜706、及び/又は皮質709に対して目標とするパターンで電気エネルギを正確に集中させる。経頭蓋装置では、電極又は他の種類のエネルギエミッタが刺激部位から比較的遠くに位置決めされており、頭蓋がエネルギの一部を拡散するために、エネルギを正確に集中させないこともあることが認められるであろう。また、現行の頭蓋下装置は、一般に、電極を特定の神経に単に近接して配置するが、刺激部位に対して設計されたパターンで電場を生じる電極構成を設けない。図6〜図24を参照して上述した刺激装置の実施形態のいくつかでは、目標とする刺激部位の神経細胞に接して電極を配置することができるために、この欠点を克服している。更に、刺激装置の電極構成は、頭蓋700により拡散されない目標とする電場をもたらすように構成することができる。従って、本発明による刺激装置の実施形態のいくつかは、エネルギを正確に刺激部位に集中させることができるために、更に効果的であると期待される。
【0083】
4.バイアス要素を備えた埋込み可能刺激装置
図25〜図30には、本発明の異なる態様によるバイアス要素を有する刺激装置の実施形態のいくつかを図示している。図25〜図30に示す刺激装置は、図6〜図24を参照して上述したものと同様とすることができる。従って、図25〜図30に示す刺激装置の実施形態は、図6〜図24を参照して上述したものと同じパルスシステム、支持部材、及び電極構成を有することができる。
図25は、本発明の実施形態による刺激装置2500の等角投影図であり、図26は、その断面図である。一実施形態では、刺激装置2500は、支持部材2510、支持部材2510に支持されたパルスシステム2530、及びパルスシステム2530に結合された第1及び第2の電極2560を含む。支持部材2510は、図6及び図7を参照して上述した支持部材610と同一又は同様とすることができる。従って、支持部材2510は、頭蓋700内に埋め込むように構成されたハウジング2512と、締結装置2518(図2)、接着剤、及び/又は固定装置により頭蓋700に結合されるように構成された取付け要素2514とを含むことができる。パルスシステム2530は、図6〜図13を参照して上述したパルスシステムのいずれかと同一又は同様とすることができ、第1及び第2の電極2560は、図14〜図24を参照して上述した何らかの電極構成を有することができる。しかし、上述の刺激装置と異なり、刺激装置2500は、電極2560に結合されたバイアス要素2550を含み、電極2560を支持部材2510から離すように機械的に付勢する。代替実施形態では、バイアス要素2550は、ハウジング2512と取付け要素2514との間に位置決めすることができ、電極2560は、ハウジング2512に直接取り付けることができる。以下に更に詳細に説明するように、バイアス要素2550は、圧縮性部材、流体で満たした袋、バネ、又は、弾力的及び/又は弾性的に支持部材2510から離すように電極2560を押しやる他の任意の適切な要素とすることができる。
【0084】
図26は、患者の頭蓋700内に埋め込まれた後の刺激装置2500の実施形態を示す。締結装置2518を頭蓋700に取り付ける時、バイアス要素2550は、電極2560が刺激部位に接触するように、わずかに圧縮する必要がある。図26に示す実施形態では、圧縮バイアス要素2550により、電極2560は、軟膜708の表面に穏やかに押し付けられる。バイアス要素2550は、電極2560と皮質709の軟膜表面との間に均質で確実な接触をもたらすことになると期待される。刺激装置2500は、埋込み可能装置が頭蓋に取り付けられて、刺激部位が軟膜708又は硬膜706上にある場合に特に有用であると期待される。脳が頭蓋に対して動く時に頭蓋700、硬膜706、及び軟膜708間の距離が頭蓋内で変動し、同じく深さが患者間で変わるために、軟膜708に対する接点を位置決めすることが困難である可能性がある。刺激装置2500にバイアス要素2550があれば、頭蓋700と軟膜708との間の異なる距離が補正されるために、単一種類の装置でも、数例の異なる患者に本質的に適合させることができる。更に、バイアス要素2550を有する刺激装置2500は、脳が頭蓋内で動く時の変化に適応する。バイアス要素2550を備えた刺激装置2500とは対照的に、バイアス要素2550がない埋込み可能な装置は、特定の患者に適合しないことがあり、又は、軟膜への電気的接触が確実にもたらされない場合がある。
【0085】
図27及び図28は、バイアス要素が圧縮性部材である刺激装置の断面図である。より詳細には、図27は、本発明の実施形態によるバイアス要素2750を有する刺激装置2700を示す。刺激装置2700は、一体化パルスシステム2530と、刺激装置2500と同様の方法でパルスシステム2530に結合された電極2560とを有することができる。この実施形態のバイアス要素2750は、生体適合性独立気泡発泡体又は開放気泡発泡体のような圧縮性発泡体である。図27に最もよく見られるように、バイアス要素2750は、刺激装置2700が頭蓋に取り付けられる時に圧縮する。図28は、本発明の別の実施形態によるバイアス要素2850を有する刺激装置2800を示す。バイアス要素2850は、シリコンゴム又は他の適切な圧縮性材料のような圧縮性固体とすることもできる。電極2560は、バイアス要素2850に取り付けられる。
【0086】
図29は、本発明の別の実施形態によるバイアス要素2950を有する刺激装置2900の断面図である。刺激装置2900は、内部通路2912とダイヤフラム2914とを含む支持部材2910を有することができる。バイアス要素2950は、支持部材に取り付けられた可撓性の袋2952を含むことができ、電極2560は、可撓性の袋2952に取り付けることができる。作動時には、可撓性の袋2952は、電極が刺激部位に押し付けられるまで流体2954が充填される。一実施形態では、ダイヤフラム2914を通して注射器2956の針を挿入し、内部通路2912及び可撓性の袋内に流体2954を注入することにより、可撓性の袋2952が充填される。
【0087】
図30は、本発明の別の実施形態によるバイアス要素3050を有する刺激装置3000の断面図である。この実施形態では、バイアス要素3050はバネであり、電極2560がバネに取り付けられる。バイアス要素3050は、波形バネ、板バネ、又は刺激部位に対して電極2560を機械的に付勢することができる任意の他の適切なバネとすることができる。
図25〜図30に示す刺激装置の実施形態のいくつかは、バイアス要素と、図6〜図13に関して上述したいずれかのパルスシステムとを有することができるが、パルスシステムを支持部材内に含ませる必要はない。従って、本発明による埋込み可能刺激装置のいくつかの実施形態は、図6〜図30に関して上記で示した実施形態の任意の組み合わせで、パルスシステム及び/又はバイアス部材を有することができる。
【0088】
5.外部パルスシステムを備えた埋込み可能刺激装置
図31〜図35は、外部パルスシステムを有する埋込み可能刺激装置の種々の実施形態の概略断面図である。より詳細には、図31は、図25〜図30を参照して上述した刺激装置と同様の方法で複数の電極3160が取り付けられたバイアス要素3150を有する刺激装置3100の実施形態を示す。刺激装置3100が、バイアス要素3150を含まなくてもよいことが認められるであろう。また、刺激装置3100は、電気ソケット3122と、電極3160をソケット3122内の接点(図示せず)に結合する埋込みリード線3124とを備えた外部レセプタクル3120を含むこともできる。リード線3124は、当業者に公知の方法で皮下トンネル又は他の通路に埋め込むことができる。
【0089】
刺激装置3100は、しかしながら、患者500の頭蓋700に埋め込まれた装置の部分に支持された内部パルスシステムを持たない。刺激装置3100は、外部のパルスシステム3130から電気パルスを受け取る。外部パルスシステム3130は、レセプタクル3120内の接点に係合するように構成された複数の接点3134を備えた電気コネクタ3132を有することができる。外部パルスシステム3130はまた、電気パルスを発生させるために、電源、コントローラ、パルス発生装置、及びパルス送信器を有することができる。作動時には、外部パルスシステム3130は、コネクタ3132、レセプタクル3120、及びリード線3124を通じて刺激装置3100に電気パルスを送る。
【0090】
図32及び図33は、本発明の別の実施形態による外部パルスシステムと共に用いるための刺激装置3200の実施形態を示す。図33を参照すると、刺激装置3200は、ソケット3212と、ソケット3212に配置された複数の接点3214と、ソケット3212を覆うダイヤフラム3216とを有する支持構造体3210を含むことができる。また、刺激装置3200は、バイアス要素3250と、バイアス要素3250に取り付けられた複数の電極3260とを含むことができる。各電極3260は、支持構造体3210内の接点3214の1つに直接結合される。刺激装置3200の代替実施形態は、バイアス要素3250を含まないことが認められるであろう。
【0091】
図32及び図33を共に参照すると、刺激装置3200は、電源と、コントローラと、パルス発生装置と、パルス送信器とを有する外部パルスシステム3230から電気パルスを受け取る。また、外部パルスシステム3230は、針3233(図33)と、ソケット3212内の内部接点3214に接触するために針3233上に配置された複数の接点3234とを有するプラグ3232を含むことができる。作動時には、接点3234が接点3214に係合するように、針3233がソケット3212内に挿入され、次に、パルスシステム3230が作動されて電気パルスを電極3260に伝達する。
【0092】
図34及び図35は、外部パルスシステムと共に用いるための刺激装置の更に別の実施形態を示す。図34は、患者500の頭皮702下に延びるリード線3420に結合された電極3410を有する刺激装置3400の実施形態を示す。リード線3420は、外部パルスシステム3450に結合される。図35は、支持部材3510と、支持部材3510に結合された電極3512と、頭皮702上に装着された外部レセプタクル3520とを有する刺激装置3500の実施形態を示す。また、外部レセプタクル3520は、支持部材3510に結合させることもできる。外部レセプタクル3520は、電極3512と電気的に結合した接点(図示せず)を備えたソケット3522を有することができる。刺激装置3500は、プラグ3132上の接点3134がソケット3522内の接点に係合するまでプラグ3132をソケット3522内に挿入することにより、図31を参照して上述した外部パルスシステム3130と共に用いることができる。
【0093】
6.埋込み可能刺激装置の代替実施形態
図36は、本発明の別の実施形態による埋込み可能刺激装置3600の概略断面図である。一実施形態では、刺激装置3600は、支持構造体3610と、支持構造体3610に結合した複数の電極3620とを有する。支持構造体3610は、頭蓋700の内部表面701と脳の軟膜表面との間の頭蓋700下に埋め込まれるように構成することができる。支持構造体3610は、刺激装置3600が頭蓋700下に埋め込まれる時に電極3620が軟膜708に接触するように、可撓性又は圧縮性本体とすることができる。他の実施形態では、支持構造体3610は、電極3620をそれらが軟膜708に近接するが接触しないように位置決めすることができる。
【0094】
一実施形態では、刺激装置3600は、外部コントローラ3630から電気パルスを受け取ることができる。例えば、外部コントローラ3630は、頭蓋700の穴711を通過するリード線3632により、刺激装置3600と電気的に結合することができる。代替実施形態では、刺激装置3600は、図6〜図13を参照して上述したパルスシステムと同様の一体化パルスシステムを含むことができる。刺激装置3600のこのような実施形態は、それに応じて無線外部制御ユニットを用いることができる。刺激装置3600の電極3620は、図14〜図24を参照して上述した電極構成のいくつかを有することができることが認められるであろう。
【0095】
図37及び図38は、埋込み可能刺激装置3600の一実施形態を示す。図37を参照すると、支持構造体3610は、可撓性の基板とすることができ、電極3620は、可撓性の基板上にプリントされた導電要素とすることができる。例えば、刺激装置3600は、電気構成要素に用いられる可撓性プリント回路アセンブリと同様の方法で製造することができる。刺激装置3600は、挿入ツール3700を用いて頭蓋700の下に埋め込むことができる。一実施形態では、挿入ツール3700は、取っ手3702及び取っ手3702から突出するシャフト3704を有する。シャフト3704は、支持部材3610の平坦部分を受け取るように構成されたスロット3706を有することができる。図38を参照すると、支持部材3610は、シャフト3704の周りに巻かれ、その後、刺激装置3600は、頭皮700及び硬膜706を通る穴711に配置されたチューブ3720まで通される。刺激装置3600は、チューブ3720を通過し終えると広げられ、電極3620を少なくとも軟膜708の近くに配置する。電極3620は、リード線3632により外部コントローラと結合させることができる。
【0096】
図39は、同じく頭蓋700と軟膜708との間に位置決めされるように構成された埋込み可能刺激装置3900の別の実施形態を示す。一実施形態では、刺激装置3900は、支持部材3910及び支持部材3910に結合した複数の電極3920を含むことができる。電極3920は、電極3920を外部パルスシステムと結合させるために個々のリード線3922に結合することができる。代替実施形態では、一体化パルスシステム3930は、電極3920が、外部リード線3922を用いることなく一体化パルスシステム3930と直接結合することができるように、支持部材3910によって支持されることができる。支持部材3910は、弾力的圧縮性部材、膨張可能バルーン状装置、又は、実質的に中実の非圧縮性本体とすることができる。図39に示す特定の実施形態では、支持部材3910は、電極3920を支持する膨張可能バルーン状装置である。作動時には、電極3920が目標とする刺激部位に位置決めされるまで支持部材3910の遠位端を頭蓋700の穴711を通過させることにより、刺激装置3900が埋め込まれる。
【0097】
図40は、本発明の別の実施形態による内部パルスシステム4030と共に刺激装置4000を示す概略図である。刺激装置4000は、支持部材4010、支持部材4010に支持されたバイアス要素4015、及びバイアス要素4015に支持された複数の電極4020を含むことができる。内部パルスシステム4030は、図6〜図13を参照して上述した一体化パルスシステムのいずれかと同様とすることができるが、内部パルスシステム4030は、ハウジング4010に支持されていないので一体化パルスシステムではない。内部パルスシステム4030は、ケーブル4034により電極4020に結合させることができる。典型的な用途では、ケーブル4034は、鎖骨下領域から首の背部に沿って頭蓋を周るトンネル内に皮下的に埋め込まれる。刺激装置4000はまた、図14〜図24を参照して上述した電極構成のいずれをも含むことができる。
本発明の特定の実施形態を本明細書で解説のために説明したが、上述の内容から、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく種々の変更をなし得ることが認められるであろう。従って、本発明は、特許請求の範囲による以外は限定されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の脳の領域に電気刺激を加えるための装置であって、
少なくとも部分的に患者の頭蓋内で患者の中に埋め込まれるように構成された埋込み可能な支持部材と、
該支持部材に支持されたパルスシステムと、
該パルスシステムに結合され、該支持部材により支持された第1の電極と、
該第1の電極から間隔を置いて配置され、該パルスシステムに結合されて、該支持部材により支持された第2の電極と、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記支持部材は、頭蓋に取付け可能な取付け要素と、該取付け要素に支持され、前記第1及び第2の電極を支持するハウジングとを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記取付け要素は、メッシュを含むことを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記取付け要素は、プレートを含むことを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記支持部材は、メッシュである取付け要素と、該取付け要素に取り付けられた近位側、前記第1及び第2の電極が取り付けられた遠位側、及び前記パルスシステムが収容された空洞を有するハウジングとを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記支持部材は、頭蓋に取り付けるための取付け要素と、該取付け要素に取り付けられた近位側、前記第1及び第2の電極が取り付けられた遠位側、及び前記パルスシステムが収容された空洞を有し、頭蓋の穴に埋め込まれるように構成されたハウジングとを含み、
該ハウジングの深さは、約1〜2cmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記支持部材は、頭蓋と脳の硬膜又は軟膜表面との間に位置決めされるように構成された圧縮性部材を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記支持部材は、頭蓋内に少なくとも部分的に埋め込まれるように構成された、空洞を有するハウジングを含み、
前記パルスシステムは、該ハウジングの該空洞内に電源及びパルス発生装置を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記支持部材は、頭蓋内に少なくとも部分的に埋め込まれるように構成された、空洞を有するハウジングを含み、
前記パルスシステムは、該ハウジングの該空洞内にパルス発生装置を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記支持部材は、頭蓋内に少なくとも部分的に埋め込まれるように構成された、空洞を有するハウジングを含み、
前記パルスシステムは、該ハウジングの該空洞内に、外部パルス発生装置が発生した放送エネルギのパルスを受信するための受信装置と、該放送エネルギを前記支持部材内で電気パルスに変換するためのパルス形成装置とを有するパルス供給システムを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記支持部材は、頭蓋内に少なくとも部分的に埋め込まれるように構成された、空洞を有するハウジングを含み、
前記パルスシステムは、該ハウジングの該空洞内に、外部パルス発生装置が発生した磁気エネルギのパルスを受信するための磁気ピックアップコイルを有するパルス供給システムを含み、
前記第1及び第2の電極は、前記ハウジング内で前記パルスシステムと電気的に結合される、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記支持部材は、頭蓋内に少なくとも部分的に埋め込まれるように構成された、空洞を有するハウジングを含み、
前記パルスシステムは、該ハウジングの該空洞内に、RFエネルギを受信することができるアンテナと該アンテナに結合されたパルス形成装置とを有するパルス供給システムを含み、
前記第1及び第2の電極は、前記ハウジング内で前記パルスシステムと電気的に結合される、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記第1及び第2の電極は、脳の軟膜表面に接して又は少なくとも軟膜表面に近接して位置決めされるための、前記支持部材の遠位表面における導電要素であり、
該第1の電極は、ほぼ円形の形状を有し、該第2の電極は、該第1の電極を取り囲むほぼ円形の形状を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記第1及び第2の電極は、脳の軟膜表面に接して又は少なくとも軟膜表面に近接して位置決めされるための、前記支持部材の遠位表面における導電要素であり、
該第1の電極は、該遠位表面の第1の区域の第1の導電パッドにより形成され、該第2の電極は、該遠位表面の第2の区域の第2の導電パッドにより形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記パルスシステムに結合された第3の電極と第4の電極とを更に含み、
前記第1、第2、第3、及び第4の電極は、脳の軟膜表面に接して又は少なくとも軟膜表面に近接して位置決めされるための、前記支持部材の遠位表面における導電要素である、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記第1、第2、第3、及び第4の電極間に選択的に電場を発生させるために、該電極と前記パルスシステムとの間に結合された複数のスイッチを有するスイッチ回路を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記第1及び第2の電極は、脳の皮質領域又は脳深部領域内に貫入するための、前記支持部材の遠位表面から突出した埋込み可能ピンを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記支持部材に支持され、前記第1及び第2電極に結合された機械的バイアス要素を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記バイアス要素は、圧縮性発泡体を含むことを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記バイアス要素は、バネを含むことを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項21】
前記バイアス要素は、膨張可能な袋を含むことを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項22】
前記ハウジングは、内部表面を有し、前記第1及び第2の電極は、該内部表面で露出するように該ハウジングにより支持され、
該内部表面の最大寸法は、4cmを超えない、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項23】
前記ハウジングは、内部表面を有し、前記第1及び第2の電極は、該内部表面で露出するように該ハウジングにより支持され、
該内部表面の最大寸法は、約1〜2cmを超えない、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項24】
前記ハウジングは、頭蓋から離れる方向に向くように構成された外側表面と、脳の方向に向くように構成された内部表面とを有し、
該内部表面の最大寸法は、約1〜2cmを超えず、該外側表面と該内部表面との間の前記ハウジングの深さは、約1〜2cmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項25】
患者の脳の領域に電気刺激を加えるための装置であって、
患者の頭蓋に近接して患者の中に埋め込まれるように構成され、頭蓋に固定するための取付け要素を含む埋込み可能支持部材と、
該支持部材に支持されたパルスシステムと、
該パルスシステムに結合された、該支持部材の第1の領域の第1の電極と、
該パルスシステムに結合され、該第1の電極から間隔を置いて配置された、該支持部材の第2の領域の第2の電極と、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項26】
前記支持部材は、頭蓋内に少なくとも部分的に埋め込まれるように構成された、空洞を有するハウジングを含み、
前記パルスシステムは、該ハウジングの該空洞内に電源及びパルス発生装置を含む、
ことを特徴とする請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記支持部材は、頭蓋内に少なくとも部分的に埋め込まれるように構成された、空洞を有するハウジングを含み、
前記パルスシステムは、該ハウジングの該空洞内にパルス発生装置を含む、
ことを特徴とする請求項25に記載の装置。
【請求項28】
前記支持部材は、頭蓋内に少なくとも部分的に埋め込まれるように構成された、空洞を有するハウジングを含み、
前記パルスシステムは、該ハウジングの該空洞内に、外部パルス発生装置が発生した放送エネルギのパルスを受信するための受信装置と、該放送エネルギを前記支持部材内で電気パルスに変換するためのパルス形成装置とを有するパルス供給システムを含む、
ことを特徴とする請求項25に記載の装置。
【請求項29】
前記支持部材は、頭蓋内に少なくとも部分的に埋め込まれるように構成された、空洞を有するハウジングを含み、
前記パルスシステムは、該ハウジングの該空洞内に、外部パルス発生装置が発生した磁気エネルギのパルスを受信するための磁気ピックアップコイルを有するパルス供給システムを含み、
前記第1及び第2の電極は、前記ハウジング内で前記パルスシステムと電気的に結合される、
ことを特徴とする請求項25に記載の装置。
【請求項30】
前記支持部材は、頭蓋内に少なくとも部分的に埋め込まれるように構成された、空洞を有するハウジングを含み、
前記パルスシステムは、該ハウジングの該空洞内に、RFエネルギを受信することができるアンテナと該アンテナに結合されたパルス形成装置とを有するパルス供給システムを含み、
前記第1及び第2の電極は、前記ハウジング内で前記パルスシステムと電気的に結合される、
ことを特徴とする請求項25に記載の装置。
【請求項31】
前記支持部材に支持され、前記第1及び第2電極に結合された機械的バイアス要素を更に含むことを特徴とする請求項25に記載の装置。
【請求項32】
患者の脳の領域に電気刺激を加えるための装置であって、
患者の頭蓋に近接して患者の中に埋め込まれるように構成された埋込み可能支持部材と、
前記支持部材に支持されたパルスシステムと、
該支持部材内で該パルスシステムと直接に結合された、該支持部材の第1の領域の第1の電極と、
該支持部材内で該パルスシステムと直接に結合され、該第1の電極から間隔を置いて配置された、該支持部材の第2の領域の第2の電極と、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項33】
前記支持部材は、頭蓋内に少なくとも部分的に埋め込まれるように構成された、空洞を有するハウジングを含み、
前記パルスシステムは、該ハウジングの該空洞内に電源及びパルス発生装置を含む、
ことを特徴とする請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記支持部材は、頭蓋内に少なくとも部分的に埋め込まれるように構成された、空洞を有するハウジングを含み、
前記パルスシステムは、該ハウジングの該空洞内にパルス発生装置を含む、
ことを特徴とする請求項32に記載の装置。
【請求項35】
前記支持部材は、頭蓋内に少なくとも部分的に埋め込まれるように構成された、空洞を有するハウジングを含み、
前記パルスシステムは、該ハウジングの該空洞内に、外部パルス発生装置が発生した放送エネルギのパルスを受信するための受信装置と、該放送エネルギを前記支持部材内で電気パルスに変換するためのパルス形成装置とを有するパルス供給システムを含む、
ことを特徴とする請求項32に記載の装置。
【請求項36】
前記支持部材は、頭蓋内に少なくとも部分的に埋め込まれるように構成された、空洞を有するハウジングを含み、
前記パルスシステムは、該ハウジングの該空洞内に、外部パルス発生装置が発生した磁気エネルギのパルスを受信するための磁気ピックアップコイルを有するパルス供給システムを含み、
前記第1及び第2の電極は、前記ハウジング内で前記パルスシステムと電気的に結合される、
ことを特徴とする請求項32に記載の装置。
【請求項37】
前記支持部材は、頭蓋内に少なくとも部分的に埋め込まれるように構成された、空洞を有するハウジングを含み、
前記パルスシステムは、該ハウジングの該空洞内に、RFエネルギを受信することができるアンテナと該アンテナに結合されたパルス形成装置とを有するパルス供給システムを含み、
前記第1及び第2の電極は、前記ハウジング内で前記パルスシステムと電気的に結合される、
ことを特徴とする請求項32に記載の装置。
【請求項38】
前記支持部材に支持され、前記第1及び第2電極に結合された機械的バイアス要素を更に含むことを特徴とする請求項32に記載の装置。
【請求項39】
患者の脳の皮質領域に電気刺激を加えるための装置であって、
患者の頭蓋に近接して患者の中に埋め込まれるように構成された埋込み可能支持部材と、
該支持部材に支持された、弾性的に変形可能な機械的バイアス要素と、
第1の電極及び第2の電極と、
を含み、
該バイアス要素が、該第1及び第2の電極を患者の脳に押し付けるように構成された、
ことを特徴とする装置。
【請求項40】
前記バイアス要素は、圧縮性発泡体を含むことを特徴とする請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記バイアス要素は、バネを含むことを特徴とする請求項39に記載の装置。
【請求項42】
前記バイアス要素は、膨張可能な袋を含むことを特徴とする請求項39に記載の装置。
【請求項43】
前記支持部材により支持されたパルスシステムを更に含むことを特徴とする請求項39に記載の装置。
【請求項44】
前記支持部材は、頭蓋内に少なくとも部分的に埋め込まれるように構成された、空洞を有するハウジングを含み、
前記パルスシステムは、該ハウジングの該空洞内に電源及びパルス発生装置を含む、
ことを特徴とする請求項43に記載の装置。
【請求項45】
前記支持部材は、頭蓋内に少なくとも部分的に埋め込まれるように構成された、空洞を有するハウジングを含み、
前記パルスシステムは、該ハウジングの該空洞内にパルス発生装置を含む、
ことを特徴とする請求項43に記載の装置。
【請求項46】
前記支持部材は、頭蓋内に少なくとも部分的に埋め込まれるように構成された、空洞を有するハウジングを含み、
前記パルスシステムは、該ハウジングの該空洞内に、外部パルス発生装置が発生した放送エネルギのパルスを受信するための受信装置と、該放送エネルギを前記支持部材内で電気パルスに変換するためのパルス形成装置とを有するパルス供給システムを含む、
ことを特徴とする請求項43に記載の装置。
【請求項47】
前記支持部材は、頭蓋内に少なくとも部分的に埋め込まれるように構成された、空洞を有するハウジングを含み、
前記パルスシステムは、該ハウジングの該空洞内に、外部パルス発生装置が発生した磁気エネルギのパルスを受信するための磁心の周りに巻きつけた磁気ピックアップコイルを有するパルス供給システムを含み、
前記第1及び第2の電極は、前記ハウジング内で前記パルスシステムと電気的に結合される、
ことを特徴とする請求項43に記載の装置。
【請求項48】
前記支持部材は、頭蓋内に少なくとも部分的に埋め込まれるように構成された、空洞を有するハウジングを含み、
前記パルスシステムは、該ハウジングの該空洞内に、RFエネルギを受信することができるアンテナと該アンテナに結合されたパルス形成装置とを有するパルス供給システムを含み、
前記第1及び第2の電極は、前記ハウジング内で前記パルスシステムと電気的に結合される、
ことを特徴とする請求項43に記載の装置。
【請求項49】
電源と、パルス発生装置と、パルス送信器とを有する外部コントローラを更に含み、
該外部コントローラは、ケーブルにより前記電極と電気的に結合された、
ことを特徴とする請求項39に記載の装置。
【請求項50】
電源と、パルス発生装置と、パルス送信器とを有し、放送エネルギのパルスを発生する外部コントローラと、
該外部コントローラとは別に前記支持部材により支持され、該外部コントローラからの該放送エネルギを対応する電気パルスに変換することができるパルスシステムと、
を更に含み、
前記電極が、該パルスシステムに結合された、
ことを特徴とする請求項39に記載の装置。
【請求項51】
患者の脳の皮質領域に電気刺激を加えるための装置であって、
患者の頭蓋に近接して患者の中に埋め込まれるように構成された埋込み可能支持部材と、
該支持部材内のパルスシステムと、
該支持部材に支持されたバイアス要素と、
該バイアス要素に取り付けられ、該パルスシステムと電気的に結合された電極と、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項52】
前記支持部材、前記パルスシステム、前記バイアス要素、及び前記電極の合計重量は、35gを超えないことを特徴とする請求項51に記載の装置。
【請求項53】
前記支持部材及び前記パルスシステムが占める容積は、20立方センチメートルを超えないことを特徴とする請求項51に記載の装置。
【請求項54】
患者の脳の第1の位置に関連する患者の神経機能をもたらすための装置であって、
脳の第1の位置から離れて意図した神経活動を発生させることに応答して意図した神経活動が存在する脳の領域を判断することにより、刺激部位を識別することができる診断システムと、
該刺激部位に埋め込まれるように構成された電極と、該電極に電位をもたらすパルス発生装置とを含む刺激システムと、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項55】
前記診断システムは、神経活動を判断することができる画像化装置を含むことを特徴とする請求項54に記載の装置。
【請求項56】
前記診断システムは、機能「MRI」装置を含むことを特徴とする請求項54に記載の装置。
【請求項57】
前記刺激システムは、前記パルス発生装置が前記電極と直接に結合された一体化ユニットを含み、
該一体化ユニットは、患者の頭蓋に隣接して、及び/又は、患者の頭蓋内に埋め込まれるように構成される、
ことを特徴とする請求項54に記載の装置。
【請求項58】
前記刺激システムは、可撓性の基板、該基板の一区域上の第1の電極、及び該基板の別の区域上の第2の電極を有し、
該可撓性の基板は、頭蓋の小さな穴を通して該電極を挿入するための挿入構成と、該第1及び第2の電極を少なくとも患者の皮質に近接して位置決めするための、該挿入構成よりも大きい配置構成との間を移動する、
ことを特徴とする請求項54に記載の装置。
【請求項59】
前記診断システムは、神経機能に関連する電気生理学的信号を発生させるための閾値を感知することができるセンサを含み、
前記パルス発生装置は、該センサにより判断された閾値よりも低い電位を前記電極に印加するように構成される、
ことを特徴とする請求項54に記載の装置。
【請求項60】
患者の脳の第1の皮質位置での神経機能の喪失を治療するための装置であって、
脳の第1の皮質位置での神経機能の喪失を補償するために神経活動が起こると予想される脳の皮質領域で刺激部位を選択することができる診断システムと、
第1の電極及び第2の電極を有し、該第1の電極が該刺激部位の第1の区域にあり、該第2の電極が該刺激部位の第2の区域にあるように、皮質領域の軟膜に近接して患者に埋め込まれるように構成された刺激システムと、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項61】
前記診断システムは、神経活動を判断することができる画像化装置を含むことを特徴とする請求項60に記載の装置。
【請求項62】
前記診断システムは、機能「MRI」装置を含むことを特徴とする請求項60に記載の装置。
【請求項63】
前記刺激システムは、前記パルス発生装置が前記第1及び第2の電極と直接に結合された一体化ユニットを含み、
該一体化ユニットは、患者の頭蓋に隣接して、及び/又は、患者の頭蓋内に埋め込まれるように構成される、
ことを特徴とする請求項60に記載の装置。
【請求項64】
前記刺激システムは、可撓性の基板を有し、前記第1及び第2の電極は、該基板により支持され、
該可撓性の基板は、頭蓋の小さな穴を通して該電極を挿入するための挿入構成と、該第1及び第2の電極を患者の皮質に近接して位置決めするための、該挿入構成よりも大きい配置構成との間を移動する、
ことを特徴とする請求項60に記載の装置。
【請求項65】
前記診断システムは、神経機能に関連する電気生理学的信号を発生させるための閾値を感知することができるセンサを含み、
前記パルス発生装置は、該センサにより判断された閾値よりも低い電位を前記第1及び第2の電極に印加するように構成される、
ことを特徴とする請求項60に記載の装置。
【請求項66】
患者の脳の神経機能を治療するための装置であって、
患者の脳の皮質領域における刺激部位の細胞に反応を引き起こすための電気刺激閾値を判断する診断システムと、
第1の電極と、第2の電極と、該第1及び第2の電極に結合されたコントローラとを有し、該第1及び第2の電極が、患者の脳の軟膜に近接して埋め込まれるように構成され、該コントローラが、該第1及び第2の電極の間に前記刺激閾値よりも低い強度で電気刺激を印加するように構成された刺激システムと、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項67】
前記刺激システムは、前記パルス発生装置が前記第1及び第2の電極と直接に結合された一体化ユニットを含み、
該一体化ユニットは、患者の頭蓋に隣接して、及び/又は、患者の頭蓋内に埋め込まれるように構成される、
ことを特徴とする請求項66に記載の装置。
【請求項68】
前記刺激システムは、可撓性の基板を有し、前記第1及び第2の電極は、該基板により支持され、
該可撓性の基板は、頭蓋の小さな穴を通して該第1及び第2の電極を挿入するための挿入構成と、該第1及び第2の電極を患者の皮質と係合させるための、該挿入構成よりも大きい配置構成との間を移動する、
ことを特徴とする請求項66に記載の装置。
【請求項69】
患者の脳の第1の位置に関連する患者の神経機能をもたらす方法であって、
意図した神経活動を第1の位置から離れて発生させる段階と、この発生させた神経活動が存在する脳の領域を判断する段階とにより刺激部位を識別する段階と、
該刺激部位に少なくとも第1の電極を位置決めする段階と、
電流を該第1の電極を通して流すために電位を印加する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項70】
前記神経機能は、脳の前記第1の領域に対する脳損傷により影響を受けており、
前記意図した神経活動を発生させる段階は、脳に送られる信号を引き起こす該神経機能に対する入力を付加する段階を含み、
該発生させた神経活動が存在する脳の領域を判断する段階は、脳に送られた該信号に応答して発生する該神経活動を検出する段階を含む、
ことを特徴とする請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記神経機能は、身体部分の使用を制御し、該神経機能に対する入力を付加する段階は、該身体部分を動かす段階を含むことを特徴とする請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記神経機能は、身体部分の使用を制御し、該神経機能に対する入力を付加する段階は、該身体部分に末梢電気刺激を加える段階を含むことを特徴とする請求項70に記載の方法。
【請求項73】
神経活動を検出する段階は、脳を画像化する段階を含むことを特徴とする請求項70に記載の方法。
【請求項74】
神経活動を検出する段階は、脳の機能「MRI」画像を撮る段階を含むことを特徴とする請求項70に記載の方法。
【請求項75】
前記神経機能は、身体部分の使用を制御し、
該神経機能に対する入力を付加する段階は、該身体部分を動かす段階を含み、
神経活動に関して脳を画像化する段階は、脳の機能「MRI」画像を撮る段階を含む、
ことを特徴とする請求項70に記載の方法。
【請求項76】
刺激部位を識別する段階は、脳に送られる信号を引き起こす前記神経機能に対する入力を付加する段階を含むことを特徴とする請求項69に記載の方法。
【請求項77】
前記神経機能は、身体部分の使用を制御し、該神経機能に対する入力を付加する段階は、該身体部分を動かす段階を含むことを特徴とする請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記神経機能は、身体部分の使用を制御し、該神経機能に対する入力を付加する段階は、該身体部分に末梢電気刺激を加える段階を含むことを特徴とする請求項76に記載の方法。
【請求項79】
前記神経機能は、脳の前記第1の領域での損傷、疾患、及び/又は障害により影響を受けており、
前記意図した神経活動を発生させる段階は、脳に送られる信号を引き起こす該神経機能をもたらすための末梢入力を患者に付加する段階を含み、
該発生させた神経活動が存在する脳の領域を判断する段階は、脳に送られた該信号に応答した神経活動の変化を検出する段階を含む、
ことを特徴とする請求項69に記載の方法。
【請求項80】
前記発生させた神経活動が存在する脳の領域を判断する段階は、該発生させた神経活動が起こる前記第1の位置とは異なる脳内の位置を判断する段階を含むことを特徴とする請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記発生させた神経活動が存在する脳の領域を判断する段階は、前記神経機能の変化に対応して神経活動の変化が発生する位置を判断する段階を含むことを特徴とする請求項79に記載の方法。
【請求項82】
前記刺激部位に少なくとも第1の電極を位置決めする段階は、該刺激部位に第1及び第2の電極を位置決めする段階と、該第1及び第2の電極の少なくとも一方を脳の表面に対して弾力的に付勢する段階とを含むことを特徴とする請求項69に記載の方法。
【請求項83】
前記刺激部位に少なくとも第1の電極を位置決めする段階は、該刺激部位に第1及び第2の電極を位置決めする段階と、該第1及び第2の電極の少なくとも一方を軟膜に対して弾力的に付勢する段階とを含むことを特徴とする請求項69に記載の方法。
【請求項84】
前記第1の電極と直接に結合された一体化パルスシステムを有する刺激装置を、該刺激装置が患者の頭蓋に隣接して及び/又は患者の頭蓋内にあるように埋め込む段階を更に含み、
前記第1の電極を位置決めする段階は、該第1の電極を少なくとも軟膜に近接して配置する段階を含む、
ことを特徴とする請求項69に記載の方法。
【請求項85】
前記第1の電極と直接に結合された一体化パルスシステムを有する刺激装置を、該刺激装置が患者の頭蓋に隣接して及び/又は患者の頭蓋内にあるように埋め込む段階を更に含み、
前記第1の電極を位置決めする段階は、該第1の電極を脳の皮質の中に挿入する段階を含む、
ことを特徴とする請求項69に記載の方法。
【請求項86】
電位を印加する段階は、前記第1の電極と第2の電極との間に±1mVから±10Vの電圧をかける段階を含むことを特徴とする請求項69に記載の方法。
【請求項87】
電位を印加する段階は、2から1000Hzで電気パルスを発生させる段階を含むことを特徴とする請求項69に記載の方法。
【請求項88】
前記刺激部位の細胞に対する活動電位を発生するための閾値を確定する段階を更に含み、
電位を印加する段階は、活動電位を発生するための該閾値よりも低い閾値下電圧をかける段階を含む、
ことを特徴とする請求項69に記載の方法。
【請求項89】
前記刺激部位の細胞に対する活動電位を発生するための閾値を確定する段階を更に含み、
電位を印加する段階は、活動電位を発生するための該閾値よりも約10〜40%低い閾値下電圧を前記第1の電極と第2の電極との間にかける段階を含む、
ことを特徴とする請求項69に記載の方法。
【請求項90】
前記神経機能に関連する電気生理学的信号を発生するための閾値を確定する段階を更に含み、
電位を印加する段階は、電気生理学的信号を発生するための該閾値よりも低い閾値下電圧を前記第1の電極と第2の電極との間にかける段階を含む、
ことを特徴とする請求項69に記載の方法。
【請求項91】
前記刺激部位の細胞に対する電気生理学的信号を発生するための閾値を確定する段階を更に含み、
電位を印加する段階は、電気生理学的信号を発生するための該閾値よりも20〜50%低い閾値下電圧を前記第1の電極と第2の電極との間にかける段階を含む、
ことを特徴とする請求項69に記載の方法。
【請求項92】
前記神経機能を引き出すための閾値を確定する段階を更に含み、
電位を印加する段階は、該神経機能を引き出す該閾値よりも低い閾値下電圧を前記第1の電極と第2の電極との間にかける段階を含む、
ことを特徴とする請求項69に記載の方法。
【請求項93】
前記神経機能を引き出すための閾値を確定する段階を更に含み、
電位を印加する段階は、該神経機能を引き出すための該閾値よりも30〜60%低い閾値下電圧を前記第1の電極と第2の電極との間にかける段階を含む、
ことを特徴とする請求項69に記載の方法。
【請求項94】
前記神経機能により制御される身体部分の運動機能及び/又は感覚機能は、脳の第1の領域に対する脳損傷により影響を受けており、
前記第1の電極と第2の電極との間に前記電位を印加する段階の間又はその直後に、前記影響を受けた身体部分に物理療法を行う段階、
を更に含むことを特徴とする請求項69に記載の方法。
【請求項95】
前記神経機能により制御される身体部分の運動機能及び/又は感覚機能は、脳の第1の領域に対する脳損傷により影響を受けており、
前記第1の電極と第2の電極との間に前記電位を印加する段階の間に脳を薬学的に刺激する段階、
を更に含むことを特徴とする請求項69に記載の方法。
【請求項96】
脳内の第1の位置に関連する患者の脳の神経機能をもたらす方法であって、
神経活動が脳の第1の位置における神経機能の変化に応答して変化した、脳内及び/又は脳上の刺激部位を識別する段階と、
該刺激部位に第1の電極を位置決めする段階と、
該刺激部位に第2の電極を位置決めする段階と、
該第1及び第2の電極の間に電位を印加する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項97】
刺激部位を識別する段階は、脳の皮質を画像化する段階を含むことを特徴とする請求項96に記載の方法。
【請求項98】
刺激部位を識別する段階は、
機能「MRI」を用いて、前記神経機能に関連する神経活動を示す脳の第1の画像を撮る段階と、
前記脳の第1の画像を撮った後に、機能「MRI」を用いて、前記神経機能に関連する神経活動を示す脳の第2の画像を撮る段階と、
該神経機能に関連する該神経活動の変化を比較する段階と、
を含むことを特徴とする請求項96に記載の方法。
【請求項99】
前記神経機能の実行に関連する脳内の神経活動を発生させると期待される末梢入力を患者に付加する段階を更に含むことを特徴とする請求項96に記載の方法。
【請求項100】
前記神経機能を実行する脳内の神経活動を発生させると期待される末梢入力を患者に付加する段階、
を更に含み、
刺激部位を識別する段階は、該末梢入力を付加する段階の前に、神経活動を示す脳の第1の画像を撮る段階と、該末梢入力を付加する間に、神経活動を示す脳の第2の画像を撮る段階と、該第1及び第2の画像間で脳内の神経活動の変化を比較する段階とを含む、
ことを特徴とする請求項96に記載の方法。
【請求項101】
前記神経機能に対する神経活動は、脳の既知の機能組織に従って脳内の前記第1の位置で発生すると予想され、
前記刺激部位を識別する段階は、該第1の位置と異なる脳内の第2の位置で前記神経機能に対する神経活動を検出する段階を含む、
ことを特徴とする請求項96に記載の方法。
【請求項102】
前記神経活動を検出する段階は、脳の機能「MRI」画像を撮る段階と、前記第2の位置で神経活動をモニタする段階とを含むことを特徴とする請求項101に記載の方法。
【請求項103】
前記神経機能は、仕事を学習することを制御し、該神経機能に関連する神経活動は、脳の既知の機能組織に従って脳の前記第1の位置で発生すると予想され、
前記刺激部位を識別する段階は、患者が仕事を学習する間に、脳の該第1の位置での前記神経活動の変化を検出する段階を含む、
ことを特徴とする請求項96に記載の方法。
【請求項104】
前記神経活動の変化を検出する段階は、患者が仕事を学習する間に、脳の機能「MRI」画像を撮る段階を含むことを特徴とする請求項103に記載の方法。
【請求項105】
前記神経機能は、仕事を学習することを制御し、該神経機能に関連する神経活動は、脳の既知の機能組織に従って脳の前記第1の位置で発生すると予想され、
前記刺激部位を識別する段階は、患者が仕事を学習する間に、脳の該第1の位置と異なる第2の位置での前記神経活動の変化を検出する段階を含む、
ことを特徴とする請求項96に記載の方法。
【請求項106】
前記神経活動の変化を検出する段階は、患者が仕事を学習する間に、脳の機能「MRI」画像を撮る段階を含むことを特徴とする請求項105に記載の方法。
【請求項107】
前記脳の第1の領域は、疾患により影響を受け、前記神経機能に関連する神経活動は、脳の既知の機能組織に従って脳の前記第1の位置に発生すると予想され、
前記刺激部位を識別する段階は、前記第1の領域に隣接する神経活動の変化を検出する段階を含む、
ことを特徴とする請求項96に記載の方法。
【請求項108】
前記脳の第1の領域は、疾患により影響を受け、前記神経機能に関連する神経活動は、脳の既知の機能組織に従って脳の前記第1の位置に発生すると予想され、
前記刺激部位を識別する段階は、該第1の位置と異なる第2の位置での前記神経機能に関連する神経活動の変化を検出する段階を含む、
ことを特徴とする請求項96に記載の方法。
【請求項109】
前記脳の第1の領域は、脳損傷により影響を受け、前記神経機能に関連する神経活動は、脳の既知の機能組織に従って脳の前記第1の位置に発生すると予想され、
前記刺激部位を識別する段階は、前記第1の領域に隣接する神経活動の変化を検出する段階を含む、
ことを特徴とする請求項96に記載の方法。
【請求項110】
前記脳の第1の領域は、脳損傷により影響を受け、前記神経機能に関連する神経活動は、脳の既知の機能組織に従って脳の前記第1の位置に発生すると予想され、
前記刺激部位を識別する段階は、該第1の位置と異なる第2の位置での前記神経機能に関連する神経活動の変化を検出する段階を含む、
ことを特徴とする請求項96に記載の方法。
【請求項111】
患者の脳の第1の皮質位置での神経機能の喪失を治療する方法であって、
神経活動が脳の第1の皮質位置での神経機能の喪失を補償するために発生すると予想される脳の皮質領域で刺激部位を選択する段階と、
該皮質領域の軟膜に近接して該刺激部位の第1の区域に第1の電極を位置決めする段階と、
該皮質領域の軟膜に近接して該刺激部位の第2の区域に第2の電極を位置決めする段階と、
該第1及び第2の電極の間に電位を印加する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項112】
前記神経機能は、一般的に、脳の既知の機能組織に従って脳の前記第1の領域での神経活動により遂行され、
刺激部位を選択する段階は、該神経機能を実行するための神経活動が存在すると予想される、該第1の領域から間隔を置いて配置された脳の第2の領域の位置を推定する段階を含む、
ことを特徴とする請求項111に記載の方法。
【請求項113】
前記刺激部位を選択する段階は、前記神経機能を実行するための神経可塑性が生じると予想される位置を判断する段階を含み、
電位を印加する段階は、該神経機能に関連する神経活動に関して脳を画像化することなく、前記第1及び第2の電極に亘って電気パルスを加える段階を含む、
ことを特徴とする請求項111に記載の方法。
【請求項114】
前記刺激部位を選択する段階は、前記脳の第1の位置に隣接する位置を判断する段階を含むことを特徴とする請求項111に記載の方法。
【請求項115】
支持部材と、該支持部材に支持されたパルスシステムと、該支持部材の内部表面に第1及び第2の電極を含む電極アセンブリとを有する装置を用いて患者の脳の神経機能を治療する方法であって、
該パルスシステムを頭蓋に近接して位置決めすると共に、該第1及び第2の電極を患者の脳上及び/又は脳内の刺激部位に近接して位置決めするために、該支持部材を患者の頭蓋に近接して患者に埋め込む段階と、
該刺激部位の前記第1及び第2の電極の間に電位を印加するように前記パルスシステムを制御する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項116】
支持部材と、該支持部材に支持されたパルスシステムと、該支持部材の内部表面に第1及び第2の電極を含む電極アセンブリとを有する装置を用いて患者の脳の神経機能を治療する方法であって、
第1及び第2の電極を第1の皮質位置で患者の脳の軟膜に少なくとも近接して位置決めするために、支持部材を患者の頭蓋に近接して埋め込む段階と、
該第1の皮質領域で該第1及び第2の電極を患者の脳の硬膜又は軟膜の一方に対して弾力的に押し付けるために、該支持部材及び/又は該第1及び第2の電極を機械的に付勢する段階と、
脳の該第1の皮質領域における該第1及び第2の電極の間に電位を印加するために、該第1及び第2の電極に結合されたパルス発生装置を制御する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項117】
脳の第1の皮質領域において刺激部位を選択する段階と、
該刺激部位の細胞に反応を引き起こすための電気刺激閾値を判断する段階と、
脳の該第1の皮質領域の軟膜に近接した第1及び第2の電極間に、該刺激閾値よりも低い強度で電気刺激を加える段階と、
含むことを特徴とする、患者の脳の神経機能を治療する方法。
【請求項118】
前記神経機能の変化に応答して神経活動が変化した場所を判断することにより前記刺激部位を識別する段階を更に含むことを特徴とする請求項117に記載の方法。
【請求項119】
刺激部位を識別する段階は、
機能「MRI」を用いて前記神経機能に関連する神経活動を示す脳の第1の画像を撮る段階と、
脳の該第1の画像を撮った後に、機能「MRI」を用いて該神経機能に関連する神経活動を示す脳の第2の画像を撮る段階と、
該神経機能に関連する該神経活動の変化を比較する段階と、
を含むことを特徴とする請求項118に記載の方法。
【請求項120】
前記神経機能を実行することに関連する前記神経活動を脳に発生すると予想される末梢入力を患者に付加する段階を更に含むことを特徴とする請求項118に記載の方法。
【請求項121】
前記神経機能を実行する前記神経活動を脳に発生するように設計された末梢入力を患者に付加する段階、
を更に含み、
刺激部位を識別する段階は、該末梢入力を付加する前に神経活動を示す脳の第1の画像を撮る段階、該末梢入力を付加する間に神経活動を示す脳の第2の画像を撮る段階、及び、該第1及び第2の画像間で脳の神経活動の変化を比較する段階を含む、
ことを特徴とする請求項118に記載の方法。
【請求項122】
前記神経機能に対する神経活動は、脳の既知の機能組織により脳の前記第1の位置に発生すると予想され、
前記刺激部位を識別する段階は、該第1の位置とは異なる脳の第2の位置で該神経機能に対する神経活動を検出する段階を含む、
ことを特徴とする請求項118に記載の方法。
【請求項123】
前記神経活動を検出する段階は、脳の機能「MRI」画像を撮る段階、及び、前記第2の位置の神経活動をモニタする段階を含むことを特徴とする請求項122に記載の方法。
【請求項124】
前記神経機能は、仕事を学習することを制御し、該神経機能に関連する神経活動は、脳の既知の機能組織に従って脳の前記第1の位置で発生すると予想され、
前記刺激部位を識別する段階は、患者が仕事を学習する間に、脳の該第1の位置での前記神経活動の変化を検出する段階を含む、
ことを特徴とする請求項118に記載の方法。
【請求項125】
前記神経活動の変化を検出する段階は、患者が仕事を学習する間に、脳の機能「MRI」画像を撮る段階を含むことを特徴とする請求項124に記載の方法。
【請求項126】
前記神経機能は、仕事を学習することを制御し、該神経機能に関連する神経活動は、脳の既知の機能組織に従って脳の前記第1の位置で発生すると予想され、
前記刺激部位を識別する段階は、患者が仕事を学習する間に、脳の該第1の位置と異なる第2の位置での前記神経活動の変化を検出する段階を含む、
ことを特徴とする請求項118に記載の方法。
【請求項127】
前記神経活動の変化を検出する段階は、患者が仕事を学習する間に、脳の機能「MRI」画像を撮る段階を含むことを特徴とする請求項126に記載の方法。
【請求項128】
前記脳の第1の領域は、疾患により影響を受け、前記神経機能に関連する神経活動は、脳の既知の機能組織に従って脳の前記第1の位置に発生すると予想され、
前記刺激部位を識別する段階は、前記第1の領域に隣接する神経活動の変化を検出する段階を含む、
ことを特徴とする請求項118に記載の方法。
【請求項129】
前記脳の第1の領域は、疾患により影響を受け、前記神経機能に関連する神経活動は、脳の既知の機能組織に従って脳の前記第1の位置に発生すると予想され、
前記刺激部位を識別する段階は、該第1の位置と異なる第2の位置での前記神経機能に関連する神経活動の変化を検出する段階を含む、
ことを特徴とする請求項118に記載の方法。
【請求項130】
前記脳の第1の領域は、脳損傷により影響を受け、前記神経機能に関連する神経活動は、脳の既知の機能組織に従って脳の前記第1の位置に発生すると予想され、
前記刺激部位を識別する段階は、前記第1の領域に隣接する神経活動の変化を検出する段階を含む、
ことを特徴とする請求項118に記載の方法。
【請求項131】
前記脳の第1の領域は、脳損傷により影響を受け、前記神経機能に関連する神経活動は、脳の既知の機能組織に従って脳の前記第1の位置に発生すると予想され、
前記刺激部位を識別する段階は、該第1の位置と異なる第2の位置での前記神経機能に関連する神経活動の変化を検出する段階を含む、
ことを特徴とする請求項118に記載の方法。
【請求項132】
前記電位を印加する段階は、該電位を受ける神経細胞の静止膜電位の上昇を引き起こす段階を含むことを特徴とする請求項118に記載の方法。
【請求項133】
電気刺激を加える段階は、前記刺激部位の目標とする神経細胞集団の前記静止膜電位を該目標とする神経細胞集団に対する該静止膜電位と活動電位との間の電圧差の10%〜95%だけ上昇させる電位を前記第1及び第2の電極の間に供給する段階を含むことを特徴とする請求項132に記載の方法。
【請求項134】
電気刺激を加える段階は、前記刺激部位の目標とする神経細胞集団の前記静止膜電位を該目標とする神経細胞集団に対する該静止膜電位と活動電位との間の電圧差の10%〜95%だけ上昇させる電位を前記第1及び第2の電極の間に供給する段階を含み、
該電位は、約40〜200Hzの周波数で供給される、
ことを特徴とする請求項132に記載の方法。
【請求項135】
電気刺激を加える段階は、前記刺激部位の目標とする神経細胞集団の前記静止膜電位を該目標とする神経細胞集団に対する該静止膜電位と活動電位との間の電圧差の10%〜95%だけ上昇させる電位を前記第1及び第2の電極の間に供給する段階を含み、
該電位は、約40〜200Hzの周波数と約20〜100μsのパルス幅とで供給される、
ことを特徴とする請求項132に記載の方法。
【請求項136】
電気刺激を加える段階は、前記刺激部位の目標とする神経細胞集団の前記静止膜電位を該目標とする神経細胞集団に対する該静止膜電位と活動電位との間の電圧差の60%〜80%だけ上昇させる電位を前記第1及び第2の電極の間に供給する段階を含むことを特徴とする請求項132に記載の方法。
【請求項137】
電気刺激を加える段階は、前記刺激部位の目標とする神経細胞集団の前記静止膜電位を該目標とする神経細胞集団に対する該静止膜電位と活動電位との間の電圧差の60%〜80%だけ上昇させる電位を前記第1及び第2の電極の間に供給する段階を含み、
該電位は、約40〜200Hzの周波数で供給される、
ことを特徴とする請求項132に記載の方法。
【請求項138】
電気刺激を加える段階は、前記刺激部位の目標とする神経細胞集団の前記静止膜電位を該目標とする神経細胞集団に対する該静止膜電位と活動電位との間の電圧差の60%〜80%だけ上昇させる電位を前記第1及び第2の電極の間に供給する段階を含み、
該電位は、約40〜200Hzの周波数と約20〜100μsのパルス幅とで供給される、
ことを特徴とする請求項132に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【公開番号】特開2009−202020(P2009−202020A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−144384(P2009−144384)
【出願日】平成21年6月17日(2009.6.17)
【分割の表示】特願2002−571150(P2002−571150)の分割
【原出願日】平成14年3月7日(2002.3.7)
【出願人】(503325974)ノーススター ニューロサイエンス インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】