患者用インターフェースのための回りエルボ
回りエルボ(130、230)は、使用の際にそれぞれのガスの流れを導通する通気気流経路から分離した導管経路(175、275)を含む。また、回りエルボは、それぞれのガス流れを分離するバッフル構造を有し、使用の際に、エルボが接続されるマスクの(例えば呼吸チャンバのような)内部で、それぞれのガスが互いに干渉しないようにされている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、睡眠時呼吸障害の治療に使用される患者インターフェースに用いる回りエルボに関する。
【0002】
この出願は、2004年7月23日に出願された米国仮出願第60/590338号の利益を伴っており、その全体が参照として組み込まれている。
【背景技術】
【0003】
“鼾症”を治療するための、鼻持続的気道陽圧法(nasal Continuous Positive Airway Pressure:nasal CPAP)の使用についてのColin Sullivanによる発明(特許文献1参照)以来、鼻の治療及び治療の快適性を改善するように指向された多くの発展がなされてきた。鼻持続的気道陽圧法による治療においては、陽圧での空気の供給は、空気供給導管及びマスクのような患者インターフェースのいくつかの形態を介して、患者の気道の入り口に対して行われる。初期のマスクはそれぞれの患者に対して誂えられ、夜毎に糊付けされていた。典型的なマスクは、
(i) 鼻収容マスク空間を形成するフレーム、
(ii) 使用の際にフレームと患者の顔との間に位置する、シール形成顔接触クッション、及び
(iii) とりわけ、外気に通じており、CO2を発散することができ、よってCO2の再呼吸を減少させる外気への通気口、
を備えている。
【0004】
通常、治療システムには、できるだけ静かで睡眠を妨げないようにすることが望まれる。
【0005】
陽圧での空気の供給は、時によってはフロージェネレータとして参照されるブロアによって行うことができる。このような装置は通常、電気モータ及びボリュートに格納されたインペラーを有している。モータの回転(及びそれによるインペラーの回転)は空気の流れを生じさせる。この流れが空気回路に付加されると、回路の抵抗によって圧力が生成される。モータを早く回転するほど高圧で空気は供給されるが、より大きい騒音が発生する。空気のような流体は、圧力を低下させるパイプ又は導管を通じて流れる。パイプの屈曲は圧力低下の量に影響する。1984年にMcGrawHill社から出版されたPerryによる非特許文献1を参照してほしい。(例えば空気供給導管に沿う)空気の回路のそれぞれの部品における圧力低下が大きいほど(例えば、抵抗が高いほど)、ブロアは患者インターフェースに十分な圧力を提供するために激しく作動する必要がある。ブロアが激しく作動するほど、ブロアが出す雑音は大きくなる。よって一般的には、空気経路の部品を低い抵抗を有するように設計することが重要である。
【0006】
空気の経路の部品の抵抗を最小化する別の理由は、圧力が患者の呼吸によってマスク内で変動するときの圧力の変動を最小化することである。マスクにおける抵抗が高ければ高いほど、吸気と呼気との間の圧力差は高くなり、患者の不快感と追加的な周期的雑音とを生じてしまう。
【0007】
マスクから空気を通気する工程は雑音を発生する。患者は寝ている間、夜中ずっとマスクを装着している必要があるので、通気を静かにする必要がある。いくつかの静かな通気部材が特許文献2(Kwokなどによる)、及び特許文献3(Kwokなどによる)に記載されている。これら2つの特許の内容は本明細書に参照によって組み込まれている。
【0008】
ResMedのMIRAGE(登録商標)マスクのような、いくつかのマスクの設計においては、空気供給導管はフレームとの関係における位置に固定されているが、ResMedのULTRA MIRAGE(登録商標)のような別のマスクは回りエルボを有している。回りエルボは、空気供給導管がマスクに対して回転することを可能にしている。このことによって、患者は空気供給導管を、頭の上又は左側若しくは右側のように好ましい位置におくことができる。回りエルボがないと、空気供給導管の偶発的な動きがシールを破壊し、よって治療の効果を損なってしまう場合がある。
【0009】
ポリカーボネート又はそれと同様の材料から構成されたマスクフレーム及びエルボのような、患者インターフェースのためのハードウェア部品の設計においては、どの様に部品が成型されるかを考慮する必要がある。製造の容易性のために、部品が製造されるツールは通常、部品の形状を形成する2つの部分を有している。一端部品が形成されてしまうと、ツールは一定の半径の(直線を含む)“せぎり線”に沿って一方の部分を離脱させることによって開けられる。部品は製造可能であるもの、という制限内で設計される。
【0010】
ResMedのULTRA MIRAGE(登録商標)マスクに使用されているエルボのようないくつかの回転エルボは通気口を組み込んでいる。(Gunaratnam、他による)特許文献4を参照してほしい。通気口を回りエルボに組み込むことによって、患者は空気が通気される方向をいくらかコントロールすることができる。よって通気された空気は、患者又は傍で寝ている人から離間するように方向を変えることができる。エルボの中への通気口の組み込みは、マスクフレームの成型を簡単化することができる。
【0011】
通気流量、及びそれによるCO2の通気流量は、マスク内部と外気圧との間の圧力の差の関数である。差が大きいほど流量は大きくなる。一定の通気では、十分なCO2の排出が生じるかどうかは、マスクの作動の最低圧力、典型的には4cmH2Oにおいて起きることによって規定されている。また、流量は通気口の位置寸法の関数である。
【0012】
エルボに組み込まれたいくつかの先行技術の通気口においては、ブロアからエルボに進入する空気は、マスクを短絡し、素通りして通気口から外へ出る場合がある。
【0013】
通気口を含む別の既知のエルボは、Drew、他による、特許文献5に記載されており、その内容は参照としてこの明細書の中に組み込まれている。このエルボは、特許文献5に記載されているように、エルボの中にバッフルを含んでいる。このエルボの商品化された型式は、ResMedのACTIVAマスクシステムに見ることができる。
【0014】
エルボの中にバッフルを含むことに伴う潜在的な問題は、CO2の排出を補助するが、ブロアからの流れを妨害する場合があるということである。バッフルに起因する増加した抵抗によって、十分な圧力を生じるためにブロアをより激しく作動する必要が生じ、よって騒音が増加する結果となる。下手に設計されたバッフル及びそれに対応する通気口は、不必要にうるさい場合がある。抵抗の増加を避ける可能な方法は、エルボを全体的に大きくすることであるが、このことは、美観のような別の理由から望ましくない。
【特許文献1】米国特許第4944310号明細書
【特許文献2】米国特許第6561190号明細書
【特許文献3】米国特許第6561191号明細書
【特許文献4】米国特許第6691707号明細書
【特許文献5】国際公開第2004/022147号パンフレット
【特許文献6】米国意匠特許第486226号図面
【非特許文献1】Chemical Engineers Handbook 6th Edition, Section 5, Fluid and Particle mechanics
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の第1の特徴によれば、十分なCO2の排出を行うことができる静かな通気口を組み込んだ、小型でかつ低い抵抗を有する回りエルボが提供されている。
【0016】
本発明の別の特徴によれば、エルボの内部を導管経路と通気経路とに分けるバッフルを含む回りエルボが提供され、バッフルは導管経路の内壁に隣接して配置されている。
【0017】
本発明の別の特徴によれば、部分的に環状の通気経路を形成するバッフルを含む回りエルボが提供されている。
【0018】
本発明のまた別の特徴によれば、使用の際にそれぞれの気流の流れを導通するための分離した導管及び通気気流経路を有するとともに、使用の際にエルボが接続されているマスクの内部においてそれぞれの気流流れが互いに干渉しないように、前記それぞれの気流流れを分離するバッフル構造を含む、回りエルボが提供されている。
【0019】
本発明のまた別の特徴は、圧力用開口部を組み込んだ回りエルボである。
【0020】
本発明の別の特徴によれば、互いに近接して流れる2つの気流流れを分離するための騒音軽減構造が提供されている。
【0021】
本発明のさらに別の特徴によれば、フレーム係合部分及び基体部分を有する略L字状の主本体と、基体部分からフレーム係合部分に向かって進入ガス流れを供給する導管経路と、排出ガス流れがフレーム係合部分から主本体に形成された通気口に向かって流れることを可能とする通気経路と、フレーム係合部分から延在する筒状部分と、主本体に設けられ、導管経路と通気経路とを、分離するとともに少なくとも部分的に形成するバッフルとを備える通気エルボが設けられ、バッフルは部分的に環状又は部分的に筒状であり、筒状部分の軸と同心である軸を有している。
【0022】
本発明のこれらの特徴及び他の特徴は、最良の実施形態についての下記の説明に記載されている、及び/又はそれから明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図には2つの実施形態が示されていることに注意してほしい。第1の実施形態は100番台の符号を有し、第2の実施形態は200番台の符号を有している。対応する特徴は対応する符号で示され、故にバッフルは第1の実施形態においては160で示され、第2の実施形態においては260で示されている。以下の記載において、一方の実施形態において参照された特徴については、同じ記載が第2の実施形態に適用されるものとする。
【0024】
本発明の好ましい形態は回りエルボに適用される。好ましくは、回りエルボはマスクフレームに着脱可能に置換可能である。
【0025】
本発明の実施形態による回りエルボ130は、略L字状の主本体を有している。主本体は、フレーム係合部分135と基体部分150とを備えている。基体部分150は、略円筒形状の断面を含んでいる。使用の際には155上に空気供給導管(図示されず)の端部を摩擦係合(または何らかの係合)することができる。フレーム係合部分135は、フレーム(図示されず)に係合するように設けられた一連のスロット137を含んでいる。また、フレーム係合部分は略円筒形状部分180を含んでいる。図5から図9a〜9eを参照のこと。
【0026】
回りエルボ130のなかには、2つの流体経路がバッフル160によって形成されている。導管経路175は、空気供給導管とマスク空間との間の流れを許容している。通気経路170は、マスク空間と外気との間の流れを許容している。一の形態においては、通気経路170は環状の一部分を形成している。好ましい形態においては、バッフル160は部分的に円筒形状であり、軸161(図7を参照)を有している。バッフル160は円筒形状部分180と略同心状であり、つまりバッフル160及び円筒形状部分180のそれぞれの軸は略同一直線上にある。バッフル160の端部はその軸に対して180度までの角度で張っている。バッフルが180度より大きな角度で張られるようにバッフルを拡張すると、導管経路175にバッフルを突き当たらせる場合がある。従って、角度は180度であることが好ましい。好ましい形態においては、バッフル160は、4つのスペーサ165及び通気経路170によって略円筒状部分180から離間されている。別の形態においては、より少ない、又はより多いスペーサを使用することができる。バッフル160が張る角度を大きくすることによって、スペーサ165の高さを低くすることができる。このように、バッフル160は円筒状部分180にほぼ密接して配置され、導管経路175に沿った空気の流れに大幅に突き当たることは無い。この配置は、進入導管経路175の断面をできるだけ円に近づけるようにし、所定のエルボの大きさに対して最小の抵抗を与える。よって、導管経路175の抵抗はバッフル160の存在によって大幅に増加することは無い。
【0027】
図9a〜9e及び10に示す断面図から最もよくわかるように、通気経路270は通常、マスク内部に隣接して配置された幅の広い入り口部272から、外気に隣接して配置された幅の狭い出口部分へと先細になっている。好ましい形態においては、通気経路270は、入り口部分272から全長の約2/3に沿った、ほぼ一定の断面の第1の領域273を有している。より幅の狭いほぼ一定の断面の第2の領域276は、幅の狭い出口部分274に隣接して位置している。第1及び第2のほぼ一定の断面の領域の間には、先細の領域277が位置している。図10を参照のこと。
【0028】
好ましい形態においては、バッフル160、260の縁部分162、262は、マスク空間の中に約1.5mm以上、好ましくは1.8mm延在している。図4と図5とを比較のこと。また、図9aと図10とを参照のこと。バッフルを拡張すると、騒音が削減されるとともにCO2の排出が改善される。1.5mmより小さい拡張は、騒音とCO2の排出を大幅には改善しない場合がある。バッフルを2.5mmを超えて拡張すると、使用の際にバッフルが患者の鼻の頭に当たる危険が増す場合がある。よって、1.8mmの拡張が好ましい。
【0029】
いくつかの従来の装置においては、導管経路275からの空気は、通気経路270の入り口272を横切って真っ直ぐに流れて聞こえる音を生じる。バッフルの拡張部は、入り口272の上を真っ直ぐに通り過ぎる空気を削減し、妨げ、よって音を小さくし、又は無くす。
【0030】
マスク空間の中へのバッフルの拡張部は、(導管経路175を介した)進入気流又はガス流れと、(通気経路170を介した)排出気流とを導き、進入気流と排出気流とは互いに干渉することはない。従来技術のバッフルは、2つの狭く相対的に早い気流が互いに平行ではあるが反対方向に移動する状況を生じさせる。拡張されたバッフルは、入り口の空気が遅くなり、2つの気流が発散するまで、気流が分離したままであることを可能とする。よって、気流間にはほとんど干渉がなく、結果として乱流も生じず、雑音の増加は回避される。
【0031】
進入気流と排出気流とを分離する別の方法もある。図9b〜9eに示すように、バッフルをマスク空間の中に形成することによって、進入気流と排出気流との間の干渉を軽減させることができる。これらの変型は、2つの空気経路を分離させ、気流間の剪断と乱流とを最小化する。図9b及び図9cに示すバッフルは、排出気流から進入空気の通路を離間させるように導き、通気する。このことは、騒音を抑えるのと同時に新鮮な空気が患者に届くことを可能としている。図9dに示すバッフルは、呼気を通気経路にスムーズに案内するように形成された部分を有している。図9eは9c及び9dの利点を組み合わせている。バッフルの前記部分は、上に及び/又は下に曲がるか、又は折れ曲がるようにすることができ、気流を望ましい場所に方向付けることができる。
【0032】
図5〜7、8、9a、及び10に示した回りエルボは、外形が描画どおりであるので、成型が比較的簡単である。図9b〜9eに示した変型は、成型がより複雑となっている。
【0033】
本発明の別の特徴は、回りエルボのポート105、205、及びこれらそれぞれのポートのキャップである。図5〜7、8、9a、及び11を参照のこと。このポートに好適なチューブを接続することによって、(O2のような)医療ガスを空気回路の中に注入すること、ガスをサンプリングすること、又はとりわけ圧力を読み取ることが可能となる。キャップ115は、ポート105が使用されていない場合に、ポート105をシールするために使用される。回りエルボは、着脱可能に交換可能である。本発明の実施形態による回りエルボは、このようなポートを含まないことも一以上含むこともできる。例えば家庭における治療のようないくつかの治療の用途に対しては、アクセスポートは必要とならない場合があり、マスクはポートのないエルボに嵌合することができる。病院におけるような別の治療用途に対しては、ポートが必要とされ、よって好適な数のポートを有するエルボが適用される。ポートを有するいくつかの従来技術のマスクの問題点は、使用の際にキャップが落下してしまうことである。このことは、ポートを時々使用することができる治療状況においては容認することができるけれども、ポートが望ましくない別の治療状況においては迷惑である。この問題を、適切な数のポートを有する患者用マスクを組み立てることによって克服することが可能であり、またポートを含まないこともできる。回りエルボにポートを含むことの別の利点は、いずれの関係するチューブも、空気供給導管が動かされる場合に空気供給導管と絡まりにくいということである。
【0034】
本発明が好ましい実施形態を参照しつつ記載されてきたが、これらの実施形態が本発明の本質の用途の単なる実例にすぎないことは理解できるであろう。多くの変型が可能であり、別の配置を本発明の精神と技術範囲から逸脱することなく考えだすことができる。例えば本発明は回りエルボとともに使用するのが特に有益であるが、本発明の本質は回転しないエルボを有するマスクに適用することができる。さらに、流入及び排出気流の間の干渉を軽減する本発明の本質は、全くエルボを持たず、単に互いに近接して流入及び流出気流を有するマスクに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】従来技術であるACTIVAマスク(特許文献6からの引用)の斜視図である。
【図2】クッション、フレーム、及び回りエルボを含む、患者が装着する従来技術のマスクアセンブリの側面図である。マスクアセンブリは断面で示されている(国際特許出願AU2003/001162からの引用)。
【図3】バッフルを含む従来技術であるACTIVA回りエルボの背面図である。
【図4】従来技術であるACTIVA回りエルボの側面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態による回りエルボの側面図である。
【図6】図5のエルボの背面斜視図である。
【図7】図5のエルボの背面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態によるエルボの正面図である。この図以下において、太線は端辺を示し、一方細線は表面の接線を示している。
【図9a】図8のエルボのAA断面図である。円内の詳細は図10に示されている。
【図9b】図8のエルボのAA断面図である。円内の詳細は図10に示されている。
【図9c】図8のエルボのAA断面図である。円内の詳細は図10に示されている。
【図9d】図8のエルボのAA断面図である。円内の詳細は図10に示されている。
【図9e】図8のエルボのAA断面図である。円内の詳細は図10に示されている。
【図10】図9aの詳細図であり、最良の概略寸法をミリメータで示している。
【図11】図8のエルボの背面図であり、図7と同様の図である。寸法はミリメータで記載されている。
【符号の説明】
【0036】
105、205・・・ポート
115・・・キャップ(ポートキャップ)
130、230・・・回りエルボ
135、235・・・フレーム係合部分
137、237・・・スロット
150、250・・・基体部分
160、260・・・バッフル
162、262・・・縁部
165、265・・・スペーサ
170、270・・・通気経路
175、275・・・導管経路
180、280・・・円筒状部分
272・・・入り口部分
274・・・通気出口
277・・・先細領域(遷移領域)
【技術分野】
【0001】
本発明は、睡眠時呼吸障害の治療に使用される患者インターフェースに用いる回りエルボに関する。
【0002】
この出願は、2004年7月23日に出願された米国仮出願第60/590338号の利益を伴っており、その全体が参照として組み込まれている。
【背景技術】
【0003】
“鼾症”を治療するための、鼻持続的気道陽圧法(nasal Continuous Positive Airway Pressure:nasal CPAP)の使用についてのColin Sullivanによる発明(特許文献1参照)以来、鼻の治療及び治療の快適性を改善するように指向された多くの発展がなされてきた。鼻持続的気道陽圧法による治療においては、陽圧での空気の供給は、空気供給導管及びマスクのような患者インターフェースのいくつかの形態を介して、患者の気道の入り口に対して行われる。初期のマスクはそれぞれの患者に対して誂えられ、夜毎に糊付けされていた。典型的なマスクは、
(i) 鼻収容マスク空間を形成するフレーム、
(ii) 使用の際にフレームと患者の顔との間に位置する、シール形成顔接触クッション、及び
(iii) とりわけ、外気に通じており、CO2を発散することができ、よってCO2の再呼吸を減少させる外気への通気口、
を備えている。
【0004】
通常、治療システムには、できるだけ静かで睡眠を妨げないようにすることが望まれる。
【0005】
陽圧での空気の供給は、時によってはフロージェネレータとして参照されるブロアによって行うことができる。このような装置は通常、電気モータ及びボリュートに格納されたインペラーを有している。モータの回転(及びそれによるインペラーの回転)は空気の流れを生じさせる。この流れが空気回路に付加されると、回路の抵抗によって圧力が生成される。モータを早く回転するほど高圧で空気は供給されるが、より大きい騒音が発生する。空気のような流体は、圧力を低下させるパイプ又は導管を通じて流れる。パイプの屈曲は圧力低下の量に影響する。1984年にMcGrawHill社から出版されたPerryによる非特許文献1を参照してほしい。(例えば空気供給導管に沿う)空気の回路のそれぞれの部品における圧力低下が大きいほど(例えば、抵抗が高いほど)、ブロアは患者インターフェースに十分な圧力を提供するために激しく作動する必要がある。ブロアが激しく作動するほど、ブロアが出す雑音は大きくなる。よって一般的には、空気経路の部品を低い抵抗を有するように設計することが重要である。
【0006】
空気の経路の部品の抵抗を最小化する別の理由は、圧力が患者の呼吸によってマスク内で変動するときの圧力の変動を最小化することである。マスクにおける抵抗が高ければ高いほど、吸気と呼気との間の圧力差は高くなり、患者の不快感と追加的な周期的雑音とを生じてしまう。
【0007】
マスクから空気を通気する工程は雑音を発生する。患者は寝ている間、夜中ずっとマスクを装着している必要があるので、通気を静かにする必要がある。いくつかの静かな通気部材が特許文献2(Kwokなどによる)、及び特許文献3(Kwokなどによる)に記載されている。これら2つの特許の内容は本明細書に参照によって組み込まれている。
【0008】
ResMedのMIRAGE(登録商標)マスクのような、いくつかのマスクの設計においては、空気供給導管はフレームとの関係における位置に固定されているが、ResMedのULTRA MIRAGE(登録商標)のような別のマスクは回りエルボを有している。回りエルボは、空気供給導管がマスクに対して回転することを可能にしている。このことによって、患者は空気供給導管を、頭の上又は左側若しくは右側のように好ましい位置におくことができる。回りエルボがないと、空気供給導管の偶発的な動きがシールを破壊し、よって治療の効果を損なってしまう場合がある。
【0009】
ポリカーボネート又はそれと同様の材料から構成されたマスクフレーム及びエルボのような、患者インターフェースのためのハードウェア部品の設計においては、どの様に部品が成型されるかを考慮する必要がある。製造の容易性のために、部品が製造されるツールは通常、部品の形状を形成する2つの部分を有している。一端部品が形成されてしまうと、ツールは一定の半径の(直線を含む)“せぎり線”に沿って一方の部分を離脱させることによって開けられる。部品は製造可能であるもの、という制限内で設計される。
【0010】
ResMedのULTRA MIRAGE(登録商標)マスクに使用されているエルボのようないくつかの回転エルボは通気口を組み込んでいる。(Gunaratnam、他による)特許文献4を参照してほしい。通気口を回りエルボに組み込むことによって、患者は空気が通気される方向をいくらかコントロールすることができる。よって通気された空気は、患者又は傍で寝ている人から離間するように方向を変えることができる。エルボの中への通気口の組み込みは、マスクフレームの成型を簡単化することができる。
【0011】
通気流量、及びそれによるCO2の通気流量は、マスク内部と外気圧との間の圧力の差の関数である。差が大きいほど流量は大きくなる。一定の通気では、十分なCO2の排出が生じるかどうかは、マスクの作動の最低圧力、典型的には4cmH2Oにおいて起きることによって規定されている。また、流量は通気口の位置寸法の関数である。
【0012】
エルボに組み込まれたいくつかの先行技術の通気口においては、ブロアからエルボに進入する空気は、マスクを短絡し、素通りして通気口から外へ出る場合がある。
【0013】
通気口を含む別の既知のエルボは、Drew、他による、特許文献5に記載されており、その内容は参照としてこの明細書の中に組み込まれている。このエルボは、特許文献5に記載されているように、エルボの中にバッフルを含んでいる。このエルボの商品化された型式は、ResMedのACTIVAマスクシステムに見ることができる。
【0014】
エルボの中にバッフルを含むことに伴う潜在的な問題は、CO2の排出を補助するが、ブロアからの流れを妨害する場合があるということである。バッフルに起因する増加した抵抗によって、十分な圧力を生じるためにブロアをより激しく作動する必要が生じ、よって騒音が増加する結果となる。下手に設計されたバッフル及びそれに対応する通気口は、不必要にうるさい場合がある。抵抗の増加を避ける可能な方法は、エルボを全体的に大きくすることであるが、このことは、美観のような別の理由から望ましくない。
【特許文献1】米国特許第4944310号明細書
【特許文献2】米国特許第6561190号明細書
【特許文献3】米国特許第6561191号明細書
【特許文献4】米国特許第6691707号明細書
【特許文献5】国際公開第2004/022147号パンフレット
【特許文献6】米国意匠特許第486226号図面
【非特許文献1】Chemical Engineers Handbook 6th Edition, Section 5, Fluid and Particle mechanics
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の第1の特徴によれば、十分なCO2の排出を行うことができる静かな通気口を組み込んだ、小型でかつ低い抵抗を有する回りエルボが提供されている。
【0016】
本発明の別の特徴によれば、エルボの内部を導管経路と通気経路とに分けるバッフルを含む回りエルボが提供され、バッフルは導管経路の内壁に隣接して配置されている。
【0017】
本発明の別の特徴によれば、部分的に環状の通気経路を形成するバッフルを含む回りエルボが提供されている。
【0018】
本発明のまた別の特徴によれば、使用の際にそれぞれの気流の流れを導通するための分離した導管及び通気気流経路を有するとともに、使用の際にエルボが接続されているマスクの内部においてそれぞれの気流流れが互いに干渉しないように、前記それぞれの気流流れを分離するバッフル構造を含む、回りエルボが提供されている。
【0019】
本発明のまた別の特徴は、圧力用開口部を組み込んだ回りエルボである。
【0020】
本発明の別の特徴によれば、互いに近接して流れる2つの気流流れを分離するための騒音軽減構造が提供されている。
【0021】
本発明のさらに別の特徴によれば、フレーム係合部分及び基体部分を有する略L字状の主本体と、基体部分からフレーム係合部分に向かって進入ガス流れを供給する導管経路と、排出ガス流れがフレーム係合部分から主本体に形成された通気口に向かって流れることを可能とする通気経路と、フレーム係合部分から延在する筒状部分と、主本体に設けられ、導管経路と通気経路とを、分離するとともに少なくとも部分的に形成するバッフルとを備える通気エルボが設けられ、バッフルは部分的に環状又は部分的に筒状であり、筒状部分の軸と同心である軸を有している。
【0022】
本発明のこれらの特徴及び他の特徴は、最良の実施形態についての下記の説明に記載されている、及び/又はそれから明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図には2つの実施形態が示されていることに注意してほしい。第1の実施形態は100番台の符号を有し、第2の実施形態は200番台の符号を有している。対応する特徴は対応する符号で示され、故にバッフルは第1の実施形態においては160で示され、第2の実施形態においては260で示されている。以下の記載において、一方の実施形態において参照された特徴については、同じ記載が第2の実施形態に適用されるものとする。
【0024】
本発明の好ましい形態は回りエルボに適用される。好ましくは、回りエルボはマスクフレームに着脱可能に置換可能である。
【0025】
本発明の実施形態による回りエルボ130は、略L字状の主本体を有している。主本体は、フレーム係合部分135と基体部分150とを備えている。基体部分150は、略円筒形状の断面を含んでいる。使用の際には155上に空気供給導管(図示されず)の端部を摩擦係合(または何らかの係合)することができる。フレーム係合部分135は、フレーム(図示されず)に係合するように設けられた一連のスロット137を含んでいる。また、フレーム係合部分は略円筒形状部分180を含んでいる。図5から図9a〜9eを参照のこと。
【0026】
回りエルボ130のなかには、2つの流体経路がバッフル160によって形成されている。導管経路175は、空気供給導管とマスク空間との間の流れを許容している。通気経路170は、マスク空間と外気との間の流れを許容している。一の形態においては、通気経路170は環状の一部分を形成している。好ましい形態においては、バッフル160は部分的に円筒形状であり、軸161(図7を参照)を有している。バッフル160は円筒形状部分180と略同心状であり、つまりバッフル160及び円筒形状部分180のそれぞれの軸は略同一直線上にある。バッフル160の端部はその軸に対して180度までの角度で張っている。バッフルが180度より大きな角度で張られるようにバッフルを拡張すると、導管経路175にバッフルを突き当たらせる場合がある。従って、角度は180度であることが好ましい。好ましい形態においては、バッフル160は、4つのスペーサ165及び通気経路170によって略円筒状部分180から離間されている。別の形態においては、より少ない、又はより多いスペーサを使用することができる。バッフル160が張る角度を大きくすることによって、スペーサ165の高さを低くすることができる。このように、バッフル160は円筒状部分180にほぼ密接して配置され、導管経路175に沿った空気の流れに大幅に突き当たることは無い。この配置は、進入導管経路175の断面をできるだけ円に近づけるようにし、所定のエルボの大きさに対して最小の抵抗を与える。よって、導管経路175の抵抗はバッフル160の存在によって大幅に増加することは無い。
【0027】
図9a〜9e及び10に示す断面図から最もよくわかるように、通気経路270は通常、マスク内部に隣接して配置された幅の広い入り口部272から、外気に隣接して配置された幅の狭い出口部分へと先細になっている。好ましい形態においては、通気経路270は、入り口部分272から全長の約2/3に沿った、ほぼ一定の断面の第1の領域273を有している。より幅の狭いほぼ一定の断面の第2の領域276は、幅の狭い出口部分274に隣接して位置している。第1及び第2のほぼ一定の断面の領域の間には、先細の領域277が位置している。図10を参照のこと。
【0028】
好ましい形態においては、バッフル160、260の縁部分162、262は、マスク空間の中に約1.5mm以上、好ましくは1.8mm延在している。図4と図5とを比較のこと。また、図9aと図10とを参照のこと。バッフルを拡張すると、騒音が削減されるとともにCO2の排出が改善される。1.5mmより小さい拡張は、騒音とCO2の排出を大幅には改善しない場合がある。バッフルを2.5mmを超えて拡張すると、使用の際にバッフルが患者の鼻の頭に当たる危険が増す場合がある。よって、1.8mmの拡張が好ましい。
【0029】
いくつかの従来の装置においては、導管経路275からの空気は、通気経路270の入り口272を横切って真っ直ぐに流れて聞こえる音を生じる。バッフルの拡張部は、入り口272の上を真っ直ぐに通り過ぎる空気を削減し、妨げ、よって音を小さくし、又は無くす。
【0030】
マスク空間の中へのバッフルの拡張部は、(導管経路175を介した)進入気流又はガス流れと、(通気経路170を介した)排出気流とを導き、進入気流と排出気流とは互いに干渉することはない。従来技術のバッフルは、2つの狭く相対的に早い気流が互いに平行ではあるが反対方向に移動する状況を生じさせる。拡張されたバッフルは、入り口の空気が遅くなり、2つの気流が発散するまで、気流が分離したままであることを可能とする。よって、気流間にはほとんど干渉がなく、結果として乱流も生じず、雑音の増加は回避される。
【0031】
進入気流と排出気流とを分離する別の方法もある。図9b〜9eに示すように、バッフルをマスク空間の中に形成することによって、進入気流と排出気流との間の干渉を軽減させることができる。これらの変型は、2つの空気経路を分離させ、気流間の剪断と乱流とを最小化する。図9b及び図9cに示すバッフルは、排出気流から進入空気の通路を離間させるように導き、通気する。このことは、騒音を抑えるのと同時に新鮮な空気が患者に届くことを可能としている。図9dに示すバッフルは、呼気を通気経路にスムーズに案内するように形成された部分を有している。図9eは9c及び9dの利点を組み合わせている。バッフルの前記部分は、上に及び/又は下に曲がるか、又は折れ曲がるようにすることができ、気流を望ましい場所に方向付けることができる。
【0032】
図5〜7、8、9a、及び10に示した回りエルボは、外形が描画どおりであるので、成型が比較的簡単である。図9b〜9eに示した変型は、成型がより複雑となっている。
【0033】
本発明の別の特徴は、回りエルボのポート105、205、及びこれらそれぞれのポートのキャップである。図5〜7、8、9a、及び11を参照のこと。このポートに好適なチューブを接続することによって、(O2のような)医療ガスを空気回路の中に注入すること、ガスをサンプリングすること、又はとりわけ圧力を読み取ることが可能となる。キャップ115は、ポート105が使用されていない場合に、ポート105をシールするために使用される。回りエルボは、着脱可能に交換可能である。本発明の実施形態による回りエルボは、このようなポートを含まないことも一以上含むこともできる。例えば家庭における治療のようないくつかの治療の用途に対しては、アクセスポートは必要とならない場合があり、マスクはポートのないエルボに嵌合することができる。病院におけるような別の治療用途に対しては、ポートが必要とされ、よって好適な数のポートを有するエルボが適用される。ポートを有するいくつかの従来技術のマスクの問題点は、使用の際にキャップが落下してしまうことである。このことは、ポートを時々使用することができる治療状況においては容認することができるけれども、ポートが望ましくない別の治療状況においては迷惑である。この問題を、適切な数のポートを有する患者用マスクを組み立てることによって克服することが可能であり、またポートを含まないこともできる。回りエルボにポートを含むことの別の利点は、いずれの関係するチューブも、空気供給導管が動かされる場合に空気供給導管と絡まりにくいということである。
【0034】
本発明が好ましい実施形態を参照しつつ記載されてきたが、これらの実施形態が本発明の本質の用途の単なる実例にすぎないことは理解できるであろう。多くの変型が可能であり、別の配置を本発明の精神と技術範囲から逸脱することなく考えだすことができる。例えば本発明は回りエルボとともに使用するのが特に有益であるが、本発明の本質は回転しないエルボを有するマスクに適用することができる。さらに、流入及び排出気流の間の干渉を軽減する本発明の本質は、全くエルボを持たず、単に互いに近接して流入及び流出気流を有するマスクに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】従来技術であるACTIVAマスク(特許文献6からの引用)の斜視図である。
【図2】クッション、フレーム、及び回りエルボを含む、患者が装着する従来技術のマスクアセンブリの側面図である。マスクアセンブリは断面で示されている(国際特許出願AU2003/001162からの引用)。
【図3】バッフルを含む従来技術であるACTIVA回りエルボの背面図である。
【図4】従来技術であるACTIVA回りエルボの側面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態による回りエルボの側面図である。
【図6】図5のエルボの背面斜視図である。
【図7】図5のエルボの背面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態によるエルボの正面図である。この図以下において、太線は端辺を示し、一方細線は表面の接線を示している。
【図9a】図8のエルボのAA断面図である。円内の詳細は図10に示されている。
【図9b】図8のエルボのAA断面図である。円内の詳細は図10に示されている。
【図9c】図8のエルボのAA断面図である。円内の詳細は図10に示されている。
【図9d】図8のエルボのAA断面図である。円内の詳細は図10に示されている。
【図9e】図8のエルボのAA断面図である。円内の詳細は図10に示されている。
【図10】図9aの詳細図であり、最良の概略寸法をミリメータで示している。
【図11】図8のエルボの背面図であり、図7と同様の図である。寸法はミリメータで記載されている。
【符号の説明】
【0036】
105、205・・・ポート
115・・・キャップ(ポートキャップ)
130、230・・・回りエルボ
135、235・・・フレーム係合部分
137、237・・・スロット
150、250・・・基体部分
160、260・・・バッフル
162、262・・・縁部
165、265・・・スペーサ
170、270・・・通気経路
175、275・・・導管経路
180、280・・・円筒状部分
272・・・入り口部分
274・・・通気出口
277・・・先細領域(遷移領域)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部分的に円筒状の、又は部分的に環状の通気経路を形成するバッフルを含む回りエルボ。
【請求項2】
使用の際に、それぞれのガスの流れを導くための分離した導管と通気気流経路とを有し、さらに前記それぞれのガスの流れを分離するバッフル構造を含み、使用の際に、前記それぞれのガスの流れが、前記エルボが接続されるマスクの内部中で互いと干渉しない回りエルボ。
【請求項3】
ポートをさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の回りエルボ。
【請求項4】
騒音軽減構造をさらに備え、前記気流を分離することを特徴とする請求項2に記載の回りエルボ。
【請求項5】
フレーム係合部分及び基体部分を有する略L字状の主本体と、
前記基体部分から前記フレーム係合部分に向かって流入ガスの流れを供給する導管経路と、
流出ガスの流れが前記フレーム係合部分から前記主本体に形成された通気口に向かって流れることを可能とする通気経路と、
前記フレーム係合部分から延在する円筒状部分と、
前記主本体に設けられ、前記導管経路及び前記通気経路を分離するとともに少なくとも部分的に形成するバッフルと、を備え、
該バッフルは、部分的に環状、又は部分的に円筒状であり、前記円筒状部分の軸と同心である軸を有することを特徴とする通気エルボ。
【請求項6】
前記バッフルは、前記円筒状部分に接続される端部を含むことを特徴とする請求項5に記載の通気エルボ。
【請求項7】
前記バッフルの端部は、前記バッフルの軸に対して180度までの角度で張っていることを特徴とする請求項6に記載の通気エルボ。
【請求項8】
前記バッフルの端部は、前記バッフルの軸に対して180度までの角度で張っていることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の通気エルボ。
【請求項9】
少なくとも一のスペーサは複数のスペーサを含むことを特徴とする請求項8に記載の通気エルボ。
【請求項10】
前記導管経路の一部分と前記バッフルとはともに略円形状の断面を形成していることを特徴とする請求項5〜9のいずれ改築に記載の通気エルボ。
【請求項11】
前記通気経路は、前記フレーム係合部分に隣接して配置された入り口部分と、通気出口とを含み、前記入り口の断面は前記出口の断面より大きいことを特徴とする請求項5〜10のいずれか一項に記載の通気エルボ。
【請求項12】
前記通気経路は、ほぼ一定の断面を有する第1の部分と、ほぼ一定の断面を有する第2の部分と、前記第1の部分から前記第2の部分へ先細となっている遷移領域とを有することを特徴とする請求項5〜11のいずれか一項に記載の通気エルボ。
【請求項13】
前記第1の部分は、前記通気経路の長さの約2/3に亘っていることを特徴とする請求項12に記載の通気エルボ。
【請求項14】
前記バッフルは、前記円筒状部分を越えて延在する縁部を含み、該縁部は、使用の際に前記マスクのフレームの呼吸空間の中に前以て決められた深さまで延在することを特徴とする請求項5〜13のいずれか一項に記載の通気エルボ。
【請求項15】
前記前以て決められた深さは、少なくとも1.5mmであることを特徴とする請求項14に記載の通気エルボ。
【請求項16】
前記前以て決められた深さは、約1.8mmであることを特徴とする請求項14〜15のいずれか一項に記載の通気エルボ。
【請求項17】
前記前以て決められた深さは、約1.5mmと約2.5mmとの間の深さであることを特徴とする請求項14に記載の通気エルボ。
【請求項18】
前記縁部は、前記流入ガス及び前記流出ガスの流れの間の干渉を軽減させる構造を含むことを特徴とする請求項14〜17のいずれか一項に記載の通気エルボ。
【請求項19】
前記構造は、前記流入ガスの流れを前記流出ガスの流れ及び前記通気口から離間して導くように方向付けられた、角度のついた、及び/又は屈曲した部分を含むことを特徴とする請求項18に記載の通気エルボ。
【請求項20】
前記構造は、前記流出ガスの流れを前記通気口のほうへスムーズに案内するように方向付けられた、角度のついた、及び/又は屈曲した部分を含むことを特徴とする請求項18〜19のいずれか一項に記載の通気エルボ。
【請求項21】
前記フレーム係合部分は一連のスロットを含み、使用の際に前記マスクのフレームに係合することを特徴とする請求項5〜20のいずれか一項に記載の通気エルボ。
【請求項22】
前記基体部分は略円筒状の部分構造を含み、空気供給導管に結合されていることを特徴とする請求項5〜21のいずれか一項に記載の通気エルボ。
【請求項23】
前記主本体に設けられたポートと、該ポートを閉じる、若しくは前記ポートにアクセスすることを許容するポートキャップとをさらに含むことを特徴とする請求項5〜22のいずれか一項に記載の通気エルボ。
【請求項24】
マスクフレームと、該マスクフレームに設けられた請求項1〜23のいずれか一項に記載の回りエルボと、を備えるマスクアセンブリ。
【請求項1】
部分的に円筒状の、又は部分的に環状の通気経路を形成するバッフルを含む回りエルボ。
【請求項2】
使用の際に、それぞれのガスの流れを導くための分離した導管と通気気流経路とを有し、さらに前記それぞれのガスの流れを分離するバッフル構造を含み、使用の際に、前記それぞれのガスの流れが、前記エルボが接続されるマスクの内部中で互いと干渉しない回りエルボ。
【請求項3】
ポートをさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の回りエルボ。
【請求項4】
騒音軽減構造をさらに備え、前記気流を分離することを特徴とする請求項2に記載の回りエルボ。
【請求項5】
フレーム係合部分及び基体部分を有する略L字状の主本体と、
前記基体部分から前記フレーム係合部分に向かって流入ガスの流れを供給する導管経路と、
流出ガスの流れが前記フレーム係合部分から前記主本体に形成された通気口に向かって流れることを可能とする通気経路と、
前記フレーム係合部分から延在する円筒状部分と、
前記主本体に設けられ、前記導管経路及び前記通気経路を分離するとともに少なくとも部分的に形成するバッフルと、を備え、
該バッフルは、部分的に環状、又は部分的に円筒状であり、前記円筒状部分の軸と同心である軸を有することを特徴とする通気エルボ。
【請求項6】
前記バッフルは、前記円筒状部分に接続される端部を含むことを特徴とする請求項5に記載の通気エルボ。
【請求項7】
前記バッフルの端部は、前記バッフルの軸に対して180度までの角度で張っていることを特徴とする請求項6に記載の通気エルボ。
【請求項8】
前記バッフルの端部は、前記バッフルの軸に対して180度までの角度で張っていることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の通気エルボ。
【請求項9】
少なくとも一のスペーサは複数のスペーサを含むことを特徴とする請求項8に記載の通気エルボ。
【請求項10】
前記導管経路の一部分と前記バッフルとはともに略円形状の断面を形成していることを特徴とする請求項5〜9のいずれ改築に記載の通気エルボ。
【請求項11】
前記通気経路は、前記フレーム係合部分に隣接して配置された入り口部分と、通気出口とを含み、前記入り口の断面は前記出口の断面より大きいことを特徴とする請求項5〜10のいずれか一項に記載の通気エルボ。
【請求項12】
前記通気経路は、ほぼ一定の断面を有する第1の部分と、ほぼ一定の断面を有する第2の部分と、前記第1の部分から前記第2の部分へ先細となっている遷移領域とを有することを特徴とする請求項5〜11のいずれか一項に記載の通気エルボ。
【請求項13】
前記第1の部分は、前記通気経路の長さの約2/3に亘っていることを特徴とする請求項12に記載の通気エルボ。
【請求項14】
前記バッフルは、前記円筒状部分を越えて延在する縁部を含み、該縁部は、使用の際に前記マスクのフレームの呼吸空間の中に前以て決められた深さまで延在することを特徴とする請求項5〜13のいずれか一項に記載の通気エルボ。
【請求項15】
前記前以て決められた深さは、少なくとも1.5mmであることを特徴とする請求項14に記載の通気エルボ。
【請求項16】
前記前以て決められた深さは、約1.8mmであることを特徴とする請求項14〜15のいずれか一項に記載の通気エルボ。
【請求項17】
前記前以て決められた深さは、約1.5mmと約2.5mmとの間の深さであることを特徴とする請求項14に記載の通気エルボ。
【請求項18】
前記縁部は、前記流入ガス及び前記流出ガスの流れの間の干渉を軽減させる構造を含むことを特徴とする請求項14〜17のいずれか一項に記載の通気エルボ。
【請求項19】
前記構造は、前記流入ガスの流れを前記流出ガスの流れ及び前記通気口から離間して導くように方向付けられた、角度のついた、及び/又は屈曲した部分を含むことを特徴とする請求項18に記載の通気エルボ。
【請求項20】
前記構造は、前記流出ガスの流れを前記通気口のほうへスムーズに案内するように方向付けられた、角度のついた、及び/又は屈曲した部分を含むことを特徴とする請求項18〜19のいずれか一項に記載の通気エルボ。
【請求項21】
前記フレーム係合部分は一連のスロットを含み、使用の際に前記マスクのフレームに係合することを特徴とする請求項5〜20のいずれか一項に記載の通気エルボ。
【請求項22】
前記基体部分は略円筒状の部分構造を含み、空気供給導管に結合されていることを特徴とする請求項5〜21のいずれか一項に記載の通気エルボ。
【請求項23】
前記主本体に設けられたポートと、該ポートを閉じる、若しくは前記ポートにアクセスすることを許容するポートキャップとをさらに含むことを特徴とする請求項5〜22のいずれか一項に記載の通気エルボ。
【請求項24】
マスクフレームと、該マスクフレームに設けられた請求項1〜23のいずれか一項に記載の回りエルボと、を備えるマスクアセンブリ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図9d】
【図9e】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図9d】
【図9e】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2008−507305(P2008−507305A)
【公表日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−521752(P2007−521752)
【出願日】平成17年7月25日(2005.7.25)
【国際出願番号】PCT/AU2005/001091
【国際公開番号】WO2006/007668
【国際公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(500046450)レスメド リミテッド (192)
【公表日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月25日(2005.7.25)
【国際出願番号】PCT/AU2005/001091
【国際公開番号】WO2006/007668
【国際公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(500046450)レスメド リミテッド (192)
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