説明

患者界面装置組立体及び患者界面装置組立体を使用するシステム

患者界面装置(12)と、ヘッドギア(22)と、ヘッドギア組立体に患者界面装置を接続する連結部材(76,78,179,206)とを備える患者界面装置組立体(10)。一実施の形態では、バネ(124,184,186)は、使用時に患者界面装置を患者の顔に付勢する。他の実施の形態では、患者界面装置は、鼻緩衝体を支持しかつ調節して取付性及び快適性を改善する変形可能支持体(42)を有する鼻緩衝体(28)である。半剛性でかつ最小限の接触面を有するハーネス組立体である一実施の形態のヘッドギア組立体は、同時に多数のストラップを調節できる調節組立体(154,163)を備える。ヘッドギアの角度調節組立体(78)は、患者に対して患者界面装置の位置を全体的に調節し、患者の顔に対して患者界面装置を押圧する付勢力を生ずる。他の実施の形態では、剛性のある一対の連結部材(208)は、患者界面装置をヘッドギアに連結する。

【発明の詳細な説明】
【優先権主張】
【0001】
米国特許法119条(e)の規定により、本願は、2003年8月18日付けで特許出願された米国仮特許出願第60/496,059号の利益を主張する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、患者界面装置組立体、患者界面装置組立体を組み込みかつ患者に気体流を供給する気体流供給システム並びに患者界面装置組立体に使用する患者界面装置及びヘッドギアに関する。
【背景技術】
【0003】
患者に挿管せず又は外科的に気管切開チューブを患者の気管内に挿入せずに、患者の気道に呼吸用気体を非侵襲的に供給することが必要かつ望ましい状況は多く存在する。例えば、非侵襲的換気法として知られた技術を使用して患者に気体を供給する方法は公知である。また、持続気道陽圧(CPAP)又は患者の呼吸周期若しくは状態と共に変化する可変気道圧力を付与して、睡眠無呼吸症候群、特に閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)、鬱血性心不全、脳卒中、チェーンストーク呼吸症等の医療疾患を治療することは公知である。非侵襲的換気法及び圧力支援治療法では、典型的には鼻又は鼻/口マスクである患者界面装置を患者の顔面上に配置し、人工呼吸器又は圧力支援装置を患者の気道に連結して、呼吸気体流を圧力/流れ発生装置から患者の気道に供給することができる。
【0004】
患者界面装置は、通常、長時間着用されるため、様々な問題を考慮しなければならない。例えば、閉塞性睡眠無呼吸を治療する持続気道陽圧又は他の陽圧を供給する際に、患者は、通常、睡眠中に一晩中患者界面装置を着用する。この場合に、可能な限り快適に患者界面装置を着用でき、快適でなければ、患者が患者界面装置の着用を拒否し、処方された圧力支援治療の目的を達成できない問題が生ずる。
【特許文献1】米国特許第6,516,802号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、患者界面装置は、マスク殻と、マスク殻に取り付けられかつ患者の表面に接触する緩衝体とを備える。マスク殻及び緩衝体は、患者の頭部に巻き付けられたヘッドギアにより適宜の位置に保持される。マスク及びヘッドギアは、患者界面装置組立体を形成する。通常のヘッドギアは、マスクから延伸して患者にマスクを取り付ける可撓性を有しかつ調節可能なストラップを備える。患者に患者界面装置を取り付ける他の技術は、患者の頭部の正面及び背面で固定されかつ使用者にマスクを保持する把持装置を使用する。例えば、特許文献1を参照されたい。前記従来の患者界面装置は、ほぼ良好に着用されるが、寸法が大き過ぎたり、寸法が不適切であれば、患者界面装置を十分に快適とは思わない患者階級も存在する。従って、患者の気道に圧力支援システムを接続する他の技術が望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従って、本発明は、前記問題に対処して従来の患者界面装置組立体の欠点を解決する患者界面装置組立体を提供することを目的とする。本発明の患者界面装置組立体は、改善された患者界面装置組立体の安定性及び全体的な快適性を患者に提供することを目的とする。本発明は、前記問題に対処して従来技術の欠点のない患者に気体流を供給する気体流供給システム(装置)を更に提供することを目的とする。これは、気体流を発生できる気体流発生装置と、気体流発生装置に作動連結される第1の端部及び第2の端部を有する導管とを備える本発明の気体流供給システムを提供することにより達成される。導管は、気体流発生装置からの気体流を搬送案内する。気体流供給装置(システム)は、導管の第2の端部に作動連結される患者界面装置と、ヘッドギアとを有する患者界面装置組立体を備える。
【0007】
本発明の一実施の形態では、患者界面装置は、鼻緩衝体と、横方向に離間して配置されて患者の鼻孔内に挿入される一対の鼻孔挿入部材とを有する鼻界面装置である。変形支持体は、鼻緩衝体に装着されて、鼻緩衝体を支持しかつ調節して鼻緩衝体の取付性及び快適性を向上できることが好ましい。鼻緩衝体は、連結エルボ管又は排気拡散板を有する受台に連結される。
【0008】
本発明のヘッドギア組立体は、最小限の接触面を有する実質的に剛性のあるハーネス組立体を備える。例示的な実施の形態のヘッドギアは、多数のストラップを同時に調節できる調節組立体を備える。
【0009】
本実施の形態の長さ調節組立体は、調節組立体と鼻界面装置との間隔を調節して、異なる顔の寸法を有する患者に適応することができる。長さ調節組立体は、一体型バネ材により力学的調節を行う位置調節機構となる。長さ調節組立体は、片持ち支持により、患者界面装置に配置する一組のヘッドギアストラップがなくても、患者界面装置を支持することができる。
【0010】
他の実施の形態では、連結部材は、患者界面装置をヘッドギアに連結し、連結部材に取り付けられたバネは、患者が患者界面装置組立体を着用するとき、患者の顔に向かって患者界面装置を付勢する。これにより、患者界面装置を使用者に適切かつ確実に取り付けることができる。
【0011】
更なる他の実施の形態では、剛性のある連結部材により、ヘッドギアに患者界面装置が連結される。剛性のある連結部材は、患者界面装置の第1の側部とヘッドギアの第1の側部とを接続する剛性のある第1のアームと、患者界面装置の第2の側部とヘッドギアの第2の側部とを接続する剛性のある第2のアームとを備える。剛性のある第1のアーム及び剛性のある第2のアームの長さを調節して、患者に患者界面装置組立体を適切に取り付けられることが好ましい。
【0012】
参照符号により各図の対応する部分を示す添付図面に関する以下の説明、特許請求の範囲及び本明細書の全構成部分により、本発明の前記目的及び他の特徴及び特性、構造の関連要素の操作法及び機能、部品の組み合わせ並びに製造経済性は、明らかとなろう。しかしながら、図面が図示及び説明の目的に過ぎず、発明の範囲を制限するものではないことは、明確に理解できよう。明細書及び特許請求の範囲に使用するように、別途明記しない限り、「a」、「an」及び「the」の単数形は、複数の対象を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1〜図16は、本発明の原理による患者界面装置組立体10の例示的な実施の形態を示す。患者界面装置組立体10は、患者(被験者)の頭部で患者界面装置12を支持する。患者界面装置12は、患者の気道と圧力発生装置14との間で呼吸気体流を供給し、圧力発生装置14は、例えば、人工呼吸器、持続気道陽圧装置又はペンシルベニア州ピッツバーグのレスピロニクス社が製造し販売するBiPAP(登録商標)装置若しくは自動タイトレーション(滴定)圧力支援システム(装置)等の可変圧力装置である。BiPAP(登録商標)装置は、患者に供給する圧力を患者の呼吸周期に従い変化させる2段階(バイレベル)装置であり、吸気期間に呼気期間よりも高い圧力を供給する。自動タイトレーション圧力支援装置(システム)は、患者が鼾を発しているか否か又は無呼吸若しくは呼吸低下を体験しているか否か等の患者の状態により、患者に供給する圧力を変化させる装置である。本発明の目的に対し、圧力発生装置14は、圧力勾配が発生したときに、気体流れを発生するので、気体流発生装置とも称される。
【0014】
患者の気道と圧力発生装置14との間で呼吸気体流を供給する過程は、圧力発生装置14から患者まで呼吸気体流を供給する過程と、患者から周囲大気まで気体流を排出する過程とを含む。
【0015】
本発明による患者に呼吸気体を供給する気体流供給システム(装置)は、気体流を発生する圧力発生装置又は気体流発生装置14と、患者回路とも称されかつ気体流発生装置14に作動連結される第1の端部18及び第2の端部20を有する導管16とを備える。気体流供給システムの動作間に、導管16は、圧力発生装置14から導管16の第2の端部20に連結される患者界面装置12まで気体流を搬送案内する。本発明の原理によるヘッドギア22は、導管16に患者界面装置12を連結する装着組立体24と、調節可能なハーネス組立体26とを備える。
【0016】
図示の実施の形態では、患者界面装置12は、鼻界面装置である。しかしながら、本発明は、患者界面装置12としての使用に適切な鼻マスク、口マスク、マウスピース又はこれらを組み合せた鼻/口マスク等の患者の気道に気体流を供給する他の装置も企図する。
【0017】
患者界面装置12は、鼻緩衝体28と、横方向に離間しかつ患者の鼻孔に末端部が挿入される一対の鼻孔挿入部材30とを有する全般的に鼻界面装置である。図3及び図4を参照されたい。鼻緩衝体28の本体は、中空部を有しかつ楕円形に形成された開口部32から横方向に離間する一対の出口枝部34まで延伸する。各出口枝部34は、鼻孔挿入部材30の1つに設けられる。鼻緩衝体28の本体は、2つの鼻孔挿入部材30を分離する仮想平面に対し、ほぼ直角な軸の周りに湾曲する形状を有する。各鼻孔挿入部材30は、患者の鼻腔に連絡する開口部36を有する。各鼻孔挿入部材30は、鼻孔開口部の人体測定データに比例する楕円状底面を有するほぼ丸屋根(ドーム)形に形成される。鼻緩衝体28は、シリコーン等の適度な軟質熱可塑性エラストマ若しくは独立気泡発泡体等の軟質緩衝材又は複数の薄材により形成される。
【0018】
鼻緩衝体28の湾曲面は、内側湾曲面38と、内側湾曲面38とほぼ同心の外側湾曲面40を備える。図4を参照されたい。外側湾曲面40に変形可能支持体42を装着するのが好ましい。変形可能支持体42は、鼻緩衝体28を支持しかつ調節して、鼻緩衝体28の取付性及び快適性を向上する。図示の実施の形態では、変形可能支持体42は、ステム部44と交差部46とを有するほぼT字形である。図5を参照されたい。交差部46は、交差中間点48でステム部44の一端から延伸する。交差部46の両端部50は、交差中間点48から湾曲して形成される。
【0019】
図示の実施の形態では、鼻緩衝体28の外側湾曲面40は、変形可能支持体42の交差部46の両端部50を装着する装着突起(タブ)52を備える。交差部46の両端部50は、対応する装着突起52に嵌合する貫通孔54を有する。図5を参照されたい。
【0020】
アルミニウム等の変形可能な金属により変形可能支持体42を形成するのが好ましい。患者又は介護者の指で変形可能支持体42を押圧して、変形可能支持体42の形状を患者の顔面に適合させることができる。変形可能支持体42の形状を変形することにより、顔正面の平面に対する鼻緩衝体28の角度及び/又は鼻孔挿入部材30の鼻孔接触面の角度を変更することができる。
【0021】
別法として、形状記憶合金として公知のニチノール(海軍兵器研究所が開発したニッケルチタン合金)により変形可能支持体42を形成できるが、EVA(エチレン酢酸ビニル)等の低軟化点温度を有するプラスチックも使用できる。EVAは、運動選手が使用する煮沸及び咬合されるマウスピースに一般的に用いられる。この場合、湯水中で温めてEVA製支持体を変形することができる。
【0022】
図示の変形可能支持体42は、T字形の代わりにY字形に形成してもよい。T字形又はY字形の変形可能支持体42を中空又は中実に形成することができる。図示の実施の形態は、外部から装着する変形可能支持体42を示すが、変形可能支持体42を鼻緩衝体内に埋設してモールド成型してもよい。別法として、変形可能支持体42を異なる複数の位置で鼻緩衝体28に接着してもよい。別形状の変形可能支持体42を図19Aに示す。図18の実施の形態では、変形可能支持体56は、鼻緩衝体28の外側湾曲面40の輪郭にほぼ沿って配置された変形可能なワイヤにより形成される。鼻緩衝体28に異なる位置で変形可能支持体56を接続させることにより、変形可能支持体56を調節する間に、鼻緩衝体28と変形可能支持体56との間で若干の相対移動が生じる。
【0023】
図19A及び図19Bに例示する変形可能支持体の更なる例示的な実施形態では、外側湾曲面40に設けられた3つのポケット59を使用して、変形可能支持体42は、鼻緩衝体28の外側湾曲面40に装着される。各ポケット59は、変形可能支持体42の端部50を収容する。図3、図4、図18及び図19A〜図19Bに示す鼻緩衝体28に変形可能支持体42,56を取り付ける構造は、鼻緩衝体28に対して変形可能支持体42,56を容易に着脱できる効果を生ずる。これにより、同一の鼻緩衝体28に異なる剛性を有する変形可能支持体42,56を使用でき、鼻緩衝体28又は変形可能支持体42,56を容易に交換することができる。
【0024】
本発明は、鼻緩衝体28、出口枝部34及び鼻孔挿入部材30を形成する壁部の厚さ及び/又は弾力性等の特性を変更して、快適性、良好なマスク/患者密着性及び/又はカスタム(注文)設計の可能性の拡張等患者界面装置の性能を向上することを企図する。例えば、図17A〜図17Cは、比較的肉厚に形成された鼻緩衝体28の壁部55を示す。また、ベース部57が比較的肉厚に形成されるが、鼻孔挿入部材30の壁部61は、ベース部57から離間するにつれて肉薄に形成される先細形状となる。比較的肉厚の壁により形成される鼻孔挿入部材30の壁部61のベース部57と鼻緩衝体28の壁部55との間に、比較的肉薄の壁部63が設けられる。2つの肉厚の壁部55,61の間に肉薄な壁部63を設けることにより、鼻緩衝体28と鼻孔挿入部材30との変形可能な関節接続構造を形成して、鼻孔挿入部材30を使用者の鼻孔に良好に取り付けることができる。また、一対の出口枝部34の間に比較的深い間隔を与えることにより鼻緩衝体28の変形量を増加することができる。壁部55,61,63の厚さを変更しなくても、鼻緩衝体28に対して鼻孔挿入部材30を移動できる同様の機能を達成できることは、理解できよう。例えば、壁部55,61を低弾力性の材料により形成し、比較的高弾力性(伸縮自在)の材料により、壁部63部分を形成してもよい。勿論、壁厚と弾力性との変更を組み合わせることも、本発明により企図される。
【0025】
図19A及び図19Bに示す実施の形態の例外があっても、図示の実施の形態では、架台(クレードル)58の楕円形開口部60に対応して設けられる切欠部68にT字形の変形可能支持体42のステム部44を嵌合することができる。別法として、図19A及び図19Bに示すように、鼻緩衝体28の外側湾曲面40上に設けた対応するポケット59に変形可能支持体42を挿入して、変形可能支持体42を鼻緩衝体28に装着することができる。
【0026】
本発明では、鼻緩衝体28の楕円形開口部32は、連結エルボ管又は架台58に連結される。全体的に湾曲して形成される架台58は、鼻緩衝体28の楕円形開口部32に接続される楕円形開口部60を有する。図示の例示的な実施の形態では、架台58は、二重壁構造62を有し、中空室64を形成する。架台58の反対側の端部66は、ほぼ円形に形成される。図3及び図4を参照されたい。しかしながら、本発明が鼻緩衝体28と架台58との協働接合部に他の構造を使用して、鼻緩衝体28と架台58とを接合することを企図することは、理解できよう。例えば、鼻緩衝体28の端部に溝(二重壁)を設け、鼻緩衝体28に形成された溝内に架台58の端部を嵌合することができる。
【0027】
図示の実施の形態では、鼻緩衝体28の端部の対向する側部に舌片(タブ)67を備える。架台58に舌片67を収容する装着口(スロット)69を備え、鼻緩衝体28を架台58に適切に連結するとき、挿入口69に舌片67が係止される。舌片67及び挿入口69は、架台58の端部に対する整合位置への鼻緩衝体28の位置合わせを補助する。挿入口69から容易には舌片67が離脱しないように、舌片67と挿入口69とを構成しかつ配列して、架台58と鼻緩衝体28との係合状態の維持を助長することができる。例えば、図示の実施の形態では、挿入口69は、「矢印」形状を有し、舌片67も同様の形状に形成される。「矢印」形状は、矢印の楔形先端部のため、挿入口69内に舌片67を容易に挿入させるが、舌片67の平坦な後端部が矢印形挿入口69の平坦な後端部に当接するので、挿入口69からの舌片67の離脱を防止することができる。勿論、舌片67及び挿入口69の他の構造により、前記機能を達成することもできる。また、架台58に舌片67を設け、鼻緩衝体28に挿入口69を設けてもよい。
【0028】
図4及び図6〜図8に示すように、架台58の外側湾曲面70は、加圧装置からの発散気体を大気まで排出する拡散孔74を有する排気拡散板72を備える。先細状に縮径する直径を有しかつ扇模様に配置された複数の拡散孔74を排気拡散板72に設けることが好ましい。図示の実施の形態では、排気拡散板72は、ほぼ180°で気体の放射拡散を行う。架台58の他の位置に排気拡散板72を設けて、排気拡散板72の拡散孔74をあらゆる所望の形状に形成することにより、殆ど無限数の異なる拡散形態を達成できるを本発明が企図することは、理解されよう。例えば、架台58の様々な位置に多数の排気拡散板72を設けてもよい。また、排気拡散板72に拡散孔74を形成する代わりに、架台58の壁部に拡散孔74を直接形成してもよい。この場合、単一又は複数の排気拡散板72を省略できる。勿論、患者界面装置12の壁部に直接形成する排気孔74と単一又は複数の排気拡散板72とを組み合わせて、使用してもよい。剛性のある材料により排気拡散板72を形成するのが好ましい。しかしながら、本発明は、変形可能な材料により排気拡散板72を形成できることも企図する。
【0029】
角度調節組立体78と鼻界面装置12との間隔を調節する長さ調節組立体76に架台58の端部66を接続して、異なる寸法の顔を有する患者に適応できる。図1、図2及び図9〜図13に示すように、長さ調節組立体76は、管体80及び調節ナット82を備える。管体80は、調節ナット82内に嵌合される。管体80の下端84は、摩擦嵌合等のあらゆる従来技術を使用して、架台58の円形端部66に接続される。管体80の外周面及び調節ナット82の内周面に複数のネジ86が設けられる。管体80のネジ86に螺合するネジ86を有する調節ナット82を回転して、長さを調節できる。調節ナット82を回転させて、調節ナット82に連結する旋回管88の内部で管体80を上下移動させることができる。角度調節組立体78の一部である旋回管88を以下詳述する。
【0030】
図9〜図13に明示する角度調節組立体78は、予め固定された角度の配置位置にある位置調節機構であり、患者の顔に対して剛性のある気体流導管の位置又は角度を45°等の比較的広い範囲で制御する。比較的広い範囲の調節性能に加え、角度調節組立体78は、第2の旋回部材の一体型バネを用いて、5°等の狭い角度範囲にわたる力調節を付与する。角度調節組立体78は、患者界面装置12に一組のヘッドギアストラップも設けずに、片持ち支持により、患者界面装置12を支持することができる。
【0031】
角度調節組立体78は、装着ブラケット90と、角度旋回ハウジング92と、旋回管88とを備える調節機構を有する。ヘッドギア22のハーネス組立体26に取り付けられる装着ブラケット90は、ハーネス組立体取付部96から延伸しかつほぼ平行に装着される一対の装着ブラケットアーム94を備える。ほぼL字形に形成される各装着ブラケットアーム94は、装着ブラケット90のハーネス組立体26の取付部9696から屈曲部98まで外側に延伸し、更に末端部100まで上方に延伸する。各末端部100は、互いに離間する複数の固定/調節キー孔102を備える。図示の実施の形態では、末端部100の9つの予め設定された位置に45°の角度範囲全体にわたり約5°間隔で9つのキー孔102がそれぞれ形成される。
【0032】
各装着ブラケットアーム94の屈曲部98は、旋回孔104を備える。回転軸106は、一対の装着ブラケットアーム94の旋回孔104間に延伸する。角度旋回ハウジング92及び旋回管88の両方は、回転軸106とは無関係に装着ブラケット90に対して軸回転する。一対の装着ブラケットアーム94の間に装着される角度旋回ハウジング92は、内側環状開口部110を有するほぼ円形断面の円形ブラケット108と、円形ブラケット108の両側からほぼ平行に延伸する一対の延長アーム112とを備える。円形ブラケット108は、装着ブラケット90の旋回孔104に対応する旋回孔116を有する一対の切欠部(スロット)114を備える。各延長アーム112の末端部118は、親指当て(サムレスト)として機能する剛性のある楕円部(図13)又は図11及び図12に示す平坦矩形部を備える。
【0033】
各延長アーム112の外面部は、円形ブラケット108と末端部118との中間に延長キー120を備え、延長キー120は、装着ブラケットアーム94の複数の固定/調節キー孔102に係合する。角度旋回ハウジング92の延長アーム112の2つの延長キー120を何れかのキー孔102に嵌合することにより、装着ブラケット90に対する角度旋回ハウジング92の角度を固定できる。図示の実施の形態では、双方向で角度を固定するが、一方向歯止め(ラチェット)型でもよい。延長アーム112の末端部118で2つの親指レストを押圧して移動することにより、キー120をキー孔102との係合を解除し、1つの角度から次の角度まで延長キー120を移動し、その後、親指レストへの押圧を解除して、所望の固定/調節キー孔102に延長キー120を係合させて、装着ブラケット90に対する角度旋回ハウジング92の角度、即ち、患者の額に対する患者界面装置12の角度を解除し調整することができる。この角度旋回ハウジング92の調整角度を図13の矢印107に示す。
【0034】
旋回管88は、円形ブラケット108の内側環状開口部110内に装着される剛性のある管体材である。一対の旋回突起122は、旋回管88の外周面の両側から延伸する。組み立ての際に、円形ブラケット108の旋回孔116に各旋回突起122を挿入した後、装着ブラケットアーム94の旋回孔104に嵌合される。旋回管88は、装着ブラケット90に対して軸回転するが、その軸回転運動は、角度旋回ハウジング92により制限される。旋回管88は、約5°の第2の移動範囲を生じる。
【0035】
図11及び図13に示すように、一対の延長アーム112の中間で円形ブラケット108に一体型レバーバネ124が設けられ、旋回管88は、一体型レバーバネ124により付勢される。一体型レバーバネ124による付勢状態を図13の矢印115で示す。旋回管88は、一体型レバーバネ124により、角度旋回ハウジング92に対して最も内側位置まで内方に押圧される(使用中に使用者に向かって旋回管88が偏向される)。付勢力に対抗する旋回管88の軸回転は、一体型レバーバネ124との当接により制限される。
【0036】
図24に示す変形例では、回転軸の中心線の下方で旋回管88の正面に摘みネジ126が取り付けられる。使用者の着用時に、摘みネジ126を回転させて、旋回管88を使用者側に押圧する。別法として、回転軸の上方に摘みネジ126を取り付けて、摘みネジ126を回転させ、回転軸より上方の旋回管88を押圧して、回転軸の下方で旋回管88を使用者側に押出すことができる。また、捩りバネ(トーションバネ)を回転軸に装着して、使用者に向かって患者界面装置の位置を付勢する弾性力を付与してもよい。勿論、角度調節組立体78に他種のバネを配置して、管体80の下端84で患者界面装置12を使用者に向かって付勢してもよい。
【0037】
角度調節組立体78の変形例を図21A〜図21Dに示す。本実施の形態では、角度調節組立体78'は、内蔵型バネ130の作用による一対の押圧固定解除ボタン128を備える。押圧固定解除ボタン128の押圧時に、回転固定機構が解除され、装着ブラケット90'に対して所望の位置に管体80を回転することができる。
【0038】
更なる変形例では、患者界面装置12と、患者界面装置12に連結される連結エルボ管又は架台58'との間の連結部を調節できる。この例を図20に示す。図20は、架台58'と鼻マスク131との間の連結部の詳細を示す。図示の連結部は、ソケット134内でボール132が回転できるボール132−ソケット134(球関節)型継手である。詳細には、架台58'は、患者界面装置12に対して管体80をある角度に向け又は回転できるように、患者界面装置12のソケット部134に収容されるボール形端部132を備える。患者界面装置12又は管体80を所望の位置に一旦移動すると、ボール形端部132とソケット134との間の摩擦により患者界面装置12と管体80との間の位置が保持される。連結エルボ管/架台58'と患者界面装置12との連結に球関節型構造以外の他種の調節可能な継手を使用できることは、理解できよう。また、ボール132とソケット134との配置を逆にして、患者界面装置12にボール132を設け、連結エルボ管/架台58'にソケット134を設けてもよい。
【0039】
図1、図2及び図14〜図16に示すように、患者の頭部への着用に適するヘッドギア22のハーネス組立体26は、患者の頭部の頂点を通じて延伸する交差ストラップ136と、患者の額及びこめかみを通じて延伸する額ストラップ138とを備える。額ストラップ138及び交差ストラップ136を半剛性のプラスチックにより形成して、患者接触面に緩衝要素を設けることが好ましい。額ストラップ138の各端部140は、交差ストラップ136を調節可能に接続する角のある接続部142を備える。図示の実施の形態では、各角のある接続部142は、5つの調節孔144を備え、交差ストラップ136の各端部は、角度接続部142の調節孔144に対応する2つの突起146を有し、額ストラップ138の接続部142と交差ストラップ136の端部とを選択的に相互接続することにより、調節可能な長さで患者の頭部の媒介変数に依存して確実に取り付けることができる。他のストラップ138,148の端部に対して個別に交差ストラップ136の各端部を調整できることは、理解できよう。また、調節孔144と突起146とを逆に設け又はより多く若しくはより少ない調節孔144及び突起146を設けてもよい。
【0040】
装着ブラケット90のハーネス組立体26の取付部96は、額ストラップ138の中央部に設けられる。本発明の例示的な実施の形態では、ハーネス組立体26の取付部96は、額ストラップ138に備えられた装着ブラケット166に着脱自在に取り付けられる。図14〜図16を参照されたい。
【0041】
背面ストラップ148は、各端部に剛性のある接続部材150を有する。交差ストラップ136の調節孔144の下方に配置される角のある接続部142に備えられたキー孔開口部152に各接続部材150を嵌合することができる。背面ストラップ148は、剛性のある接続部材150により環状にされ、フック−ループファスナ(マジックテープ(登録商標))又は他の適切な手段により調節される。このように、背面ストラップ148の各端部は、半剛性のヘッドギア部(額ストラップ138及び交差ストラップ136)に選択的に取り付けて、何れの端部でも背面ストラップ148の長さを調節できる。接続部材150とキー孔開口部152との配置を逆にして、背面ストラップ148にキー孔開口部152又は他の雌型の収容部を設けると共に、角のある接続部142に接続部材150及び他の雄型の協働接合部を設けてもよいことは、当業者には、理解できよう。
【0042】
別法として、図25に示すように、交差ストラップ136'及び背面ストラップ148'の両方を同時に調節する調節組立体154を用いて、ハーネス組立体26を調節できる。即ち、紐体(コード)等の接続部材156により、交差ストラップ136'と背面ストラップ148'とは、ハーネス組立体26の一方の側面で互いに連結される。交差ストラップ136'と背面ストラップ148'との隣接する端部に接続部材156が取り付けられる。接続部材156は、環状部(ループ)160を形成して、固定部材158を貫通する。固定部材158を通じて接続部材156の環状部160の大きさを調節することにより、交差ストラップ136'と背面ストラップ148'との有効長さを調節することができる。接続部材156を一回調整すれば、患者の頭部の周囲での交差ストラップ136'及び背面ストラップ148'の位置を同時に調節することができる。
【0043】
本発明は、交差ストラップ136'と背面ストラップ148'とを個別に調節すれば、環状部160を省略できることを企図する点に留意すべきである。即ち、交差ストラップ136'及び背面ストラップ148'に個別の接続部材156を設けて、交差ストラップ136'及び背面ストラップ148'の長さを各固定部材158により調節することができる。
【0044】
図23は、ハーネス組立体26の調節を制御する他の実施の形態を示す。この実施の形態では、交差ストラップ136'''と背面ストラップ148''との端部161,162は、接続部材163により互いに接続される。図示の実施の形態では、接続部材163は、ヘッドギア組立体の一部165に接続される紐体(コード)である。詳細には、接続部材163は、ハーネス組立体26の一部165に設けられる孔部167a,167b内を貫通する。図示の実施の形態では、交差ストラップ136'''、背面ストラップ148''又はその両方は、背面ストラップ148''に設けられるストラップ締付装置169を備える。
【0045】
ストラップ締付装置169は、フック−ループ形態(マジックテープ(登録商標))等のストラップ136''',148''の長さを増減するのに使用するあらゆる従来システムを使用できる。図示の例示的な実施の形態では、フック171を背面ストラップ148''に設け、ループ173をパッド175に設ける。勿論、この構造を逆にしてもよい。パッド175を横切る背面ストラップ148''を更に引張して、パッド175の後方で背面ストラップ148''を固定することにより、背面ストラップ148''を締め付けることができる。
【0046】
交差ストラップ136'''と背面ストラップ148''とを接続部材163により接続するので、ストラップ136''',148''の一方を締め付け又は長さを短縮することにより、ストラップ136''',148''の他方を自動的に締め付け又は長さを短縮する効果を生ずる。従って、ヘッドギア22の本実施の形態は、一方のストラップ136''',148''の調節により、ヘッドギア22の他のストラップ136''',148''を自動的に調節する単一の調節手段(ストラップ締付装置169)を備える。
【0047】
図1、図2及び図14〜図16に示すように、長さ調節組立体76の管体80の上端部は、空気ホース164に接続される。交差ストラップ136は、導管16に空気ホース164を取り付ける頂部旋回台(スイベル)168を装着する装着ブラケット166を更に備える。頂部旋回台168は、旋回継手(スイベルジョイント)174にそれぞれ接続される下部管体材170及び上部管体材172を備え、下部管体材170及び上部管体材172は、自由に旋回することができる。下部環状部材170は、交差ストラップ136に装着ブラケット166を選択的にかつ着脱自在に接続する把持部176(挟持部97,97')を備える。本発明の例示的な実施の形態では、ハーネス組立体26の取付部96を下記額ストラップ138に取り付けるのと同様の方法で、把持部176は、交差ストラップ136に装着ブラケット166を選択的に着脱自在に接続する。
【0048】
額ストラップ138にハーネス組立体26の取付部96を取り付ける方法と、交差ストラップ136に下部管体材170を取り付ける方法とを図11、図12及び図14〜図16について説明する。額ストラップ138にハーネス組立体取付部96を取り付ける方法と、下部管体材170に配置されるハーネス組立体取付部96'を交差ストラップ136に取り付ける方法は、ほぼ同様である点に留意すべきである。従って、これらの取付構造の1つ、即ち、下部環状部材170のハーネス組立体取付部96'を交差ストラップ136に取り付ける方法のみを図14〜図16に示す。
【0049】
交差ストラップ136及び額ストラップ138の各々は、対応する挟持部97,97'を取り付ける装着ブラケット166を備える。交差ストラップ136上の装着ブラケット166のみを示す点に留意すべきである。ハーネス組立体26の取付部96,96'は、取付部96,96'の各側部にそれぞれ取り付けられる挟持部97,97'を備える。互いに向かって挟持部97,97'を押圧すると、装着ブラケット166の一部101に係合部99,99'が係合する付勢位置から装着ブラケット166の一部101から係合部99,99'が離脱する屈曲位置まで挟持部97,97'が偏向し、これにより、ハーネス組立体26の取付部96,96'を装着ブラケット166の中で滑動することができる。図11及び図12を参照されたい。
【0050】
装着ブラケット166及び取付部96,96'を一方向からのみ組み立てて患者界面装置組立体10を正確かつ確実に組み立てられるように構成することが好ましい。ヘッドギア組立体の対応する部分に対して装着組立体(鼻緩衝体)28及び角度調節組立体78を着脱できる性能により、患者界面装置組立体10の構成部材を分解して容易に掃除できかつ容易に部品交換することができる。
【0051】
更に他の変形例を図22A〜図22Cに示す。この実施の形態では、長さ調節組立体76を備えず、鼻マスク131等の患者界面装置12を付勢する全体を179で示す付勢組立体を備える。鼻マスク131は、レバー棒材178の一端に取り付けられる。レバー棒材178の他端は、額ストラップ138'の中央部に配置される装着ブラケット182の回転軸180に接続される。装着ブラケット182は、使用者が患者界面装置12を着用するとき、矢印183で示すように、患者界面装置12を使用者に向かって付勢する一体型バネ184を備える。一体型バネ184は、患者界面装置12の患者顔面に対する密閉力を増減するように固定され又は調節することができる。通常、個別の患者に処方される圧力に基づき密閉力が調節される。図示の実施の形態では、レバー棒材178に追加の付勢力を付与する第2のバネ186が装着ブラケット182に設けられる。勿論、第2のバネ186の設置は、任意である。
【0052】
図示の付勢手段に代えて又は追加して、患者界面装置12を患者に向かって押圧する他の弾性付勢技術を使用できることを本発明が企図することは、理解できよう。例えば、装着ブラケット182又は額ストラップ138'に取り付けてレバー棒材178の患者側にバネ184,186を設けてえてもよい。
【0053】
図26及び図27は、本発明の原理による患者界面装置組立体200の他の実施の形態を示し、図27は、患者が着用した患者界面装置組立体200を示す。患者界面装置組立体200は、患者の着用に適する患者界面装置202及びヘッドギア204を備える。図示の実施の形態では、患者界面装置202は、鼻孔を包囲する顔面領域の被覆に適する鼻マスクである。患者界面装置202は、あらゆる従来の患者界面装置又は前記患者界面装置12に相当し得ることは、理解されよう。ヘッドギア204は、前記ヘッドギア22に相当し、その全特徴を備える。
【0054】
図26の患者界面装置組立体200と図27の患者界面装置組立体200との一相違点は、前者では、患者界面装置202を患者の表面に付勢又は押圧する方法にある。図26及び図27の実施の形態では、206で全体を示す剛性のある連結部材は、ヘッドギア204に患者界面装置202を連結する。剛性のある連結部材206は、患者界面装置202の第1の側部とヘッドギア204の第1の側部とを接続する第1のアーム208と、患者界面装置202の第2の側部とヘッドギア204の第2の側部とを接続する第2のアーム210とを備え、第1のアーム208及び第2のアーム210は、剛性を有する。樹脂等の軽量材料により第1のアーム208及び第2のアーム210を形成するのが好ましい。また、患者が患者界面装置組立体200を着用するとき、第1のアーム208及び第2のアーム210の下方に存在する人間の顔の外形にほぼ整合する寸法に各アーム208,210の寸法と形状を決定することが好ましい。
【0055】
本発明の好適で例示的な実施の形態では、調節可能にヘッドギア204に連結される第1のアーム208及び第2のアーム210の長さを各患者の要求に合致して制御することができる。図示の実施の形態では、第1のアーム208と第2のアーム210の端部にスロット212を設けて、第1のアーム208と第2のアーム210を調節可能に接続できる。勿論、第1のアーム208のみを図26及び図27に示す。摩擦係止装置214がスロット212内に配置される。摩擦係止装置214は、スロット212内に配置される軸部と、軸部にネジ連結される固定ナットとを備える。固定ナットを緩めると、挿入口212に沿って軸部を移動でき、固定ナットを締め付けると、固定ナットにより摩擦係止装置214を適所に保持することができる。第1のアーム208及び第2のアーム210のヘッドギア204に対する位置を制御するあらゆる従来技術を使用することを本発明が企図することは、理解できよう。
【0056】
例えば、第1のアーム208及び第2のアーム210がマスク殻に対して移動しない固定状態又は非固定状態で第1のアーム208と第2のアーム210を患者界面装置202に接続することができる。例示的な実施の形態では、非固定状態では、第1のアーム208及び第2のアーム210が接続エルボ管216の周囲を旋回するか又は回転するように、第1のアーム208及び第2のアーム210が接続エルボ管216に連結される。例えば、本発明は、孔部を有する一体材料部品により第1のアーム208と第2のアーム210を形成することを企図する。第1のアーム208と第2のアーム210が接続エルボ管216の周辺を回転するように、接続エルボ管216は、孔部に配置される。
【0057】
先の実施の形態のように、接続管218は、接続エルボ管216に接続され、空気ホース164は、接続管218に連結される。額ストラップ138に空気ホース164及び/又は接続管218を連結する連結部材220が設けられる。所望により、交差ストラップ136に別の連結部材222を設けて、ヘッドギア204に患者回路を接続することができる。連結部材220,222は、簡素なストラップ等のヘッドギア204に管を固定するあらゆる従来装置又は前記連結装置に対応するものでもよい。
【0058】
現在最も実用的かつ好適と思われる実施の形態を図示して詳述したが、前記記載は単に説明の便宜に過ぎず、本発明を開示した実施の形態に限定されず、本発明は、特許請求の範囲内に該当すると共に特許請求の範囲と同趣旨の変更態様及び同等の装置を包含すること意図する。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の原理による患者界面装置組立体を示す側面斜視図
【図2】図1の患者界面装置組立体の正面図
【図3】図1の患者界面装置組立体の鼻界面装置と受台との分解斜視図
【図4】図3の鼻界面装置及び受台の側面図
【図5】図1の患者界面装置組立体の鼻界面装置と変形支持体との分解斜視図
【図6】図1の患者界面装置組立体の受台と受台に配置される排気拡散板との分解図
【図7】図6の排気拡散板の斜視図
【図8】図7の排気拡散板の断面図
【図9】図1の患者界面装置組立体に備えられる長さ調節組立体及び角度調節組立体の分解斜視図
【図10】図9の長さ調節組立体及び角度調節組立体の側面図
【図11】図9の長さ調節組立体及び角度調節組立体の背面斜視図
【図12】図9の長さ調節組立体及び角度調節組立体の断面図
【図13】角度調節組立体の特殊な構成部材の側面図
【図14】図1の患者界面装置組立体のヘッドギア及び装着組立体の斜視図
【図15】図1の患者界面装置組立体のヘッドギア及び装着組立体の部分断面正面図
【図16】図1の患者界面装置組立体のヘッドギア及び装着組立体の平面図
【図17A】本発明の他の実施の形態による鼻界面装置の断面図
【図17B】本発明の他の実施の形態による鼻界面装置の他の断面図
【図17C】本発明の他の実施の形態による鼻界面装置の平面図
【図18】鼻界面装置及び変形支持体の変形例を示す斜視図
【図19A】他の変形例による鼻界面装置と受台との分解図
【図19B】図19Aの実施の形態による鼻緩衝材及び変形支持体の斜視図
【図20】球関節接続構造を有する変形例を示す断面側面図
【図21A】長さ調節組立体及び角度調節組立体の変形例を示す斜視図
【図21B】図21Aの長さ調節組立体及び角度調節組立体の側面図
【図21C】図21Aの長さ調節組立体及び角度調節組立体の断面側面図
【図21D】図21Aの長さ調節組立体及び角度調節組立体の押圧及び固定解除ボタンの内側を示す斜視図
【図22A】患者に着用された本発明の患者界面装置組立体の変形例を示す側面図
【図22B】本発明の患者界面装置組立体の変形例を示す斜視図
【図22C】図22Aの角度調節組立体の詳細図
【図23】本発明の原理によるヘッドギア組立体の変形例を示す側面図
【図24】角度調節組立体の他の変形例を示す斜視図
【図25】ヘッドギアの取付状態を調節するヘッドギア調節組立体の他の変形例を示す斜視図
【図26】本発明の原理による患者界面装置組立体の更に他の変形例を示す斜視図
【図27】患者に着用された図26の患者界面装置組立体を示す斜視図
【符号の説明】
【0060】
(10)・・患者界面装置組立体、 (12)・・患者界面装置、 (22)・・ヘッドギア、 (28)・・鼻緩衝体、 (30)・・鼻孔挿入部材、 (38)・・内側湾曲面、 (40)・・外側湾曲面、 (42)・・変形可能支持体、 (58)・・架台、 (72)・・排気拡散板、 (76)・・長さ調節組立体、 (78)・・角度調節組立体、 (88)・・旋回管、 (90)・・装着ブラケット、 (92)・・角度旋回ハウジング、 (94)・・装着ブラケットアーム、 (102)・・固定部材、 (112)・・延長アーム、 (120)・・固定部材、 (124,184,186)・・バネ、 (136)・・交差ストラップ、 (138)・・額ストラップ、 (148)・・背面ストラップ、 (154,163)・・調節組立体、 (206)・・連結部材、 (208)・・第1のアーム、 (210)・・第2のアーム、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者界面装置(12)と、
患者に着用されるヘッドギア(22)と、
ヘッドギアに患者界面装置を連結する連結部材(76,78,179)と、
連結部材に取り付けられ、前記患者に着用される患者界面装置組立体によって、前記患者の顔に対して患者界面装置を付勢するバネ(124,184,186)とを備えることを特徴とする患者への呼吸用気体の供給に使用する患者界面装置組立体(10)。
【請求項2】
患者界面装置は、連結部材を介してヘッドギアに軸着される請求項1に記載の患者界面装置組立体。
【請求項3】
連結部材は、前記患者に対する患者界面装置の角度を調節する角度調節組立体(78)を備える請求項2に記載の患者界面装置組立体。
【請求項4】
角度調節組立体は、ヘッドギアに装着される装着ブラケット(90)を備える請求項3に記載の患者界面装置組立体。
【請求項5】
角度調節組立体は、角度旋回ハウジング(92)と、角度旋回ハウジング内に装着される旋回管(88)とを更に備え、
装着ブラケット、角度旋回ハウジング及び旋回管は、共通の回転軸の周りに旋回できる請求項4に記載の患者界面装置組立体。
【請求項6】
装着ブラケットは、予め設定された角度位置に対応して複数の固定部材(102)を有する装着ブラケットアーム(94)を備え、
角度旋回ハウジングは、装着ブラケットアームの固定部材に係合する固定部材(120)を有する延長アーム(112)を備える請求項5に記載の患者界面装置組立体。
【請求項7】
患者界面装置は、鼻緩衝体(28)及び鼻孔挿入部材(30)を備える請求項1に記載の患者界面装置組立体。
【請求項8】
鼻緩衝装置は、内側湾曲面(38)及び外側湾曲面(40)と、外側湾曲面に取り付けられる変形可能支持体(42)とを備える請求項7に記載の患者界面装置組立体。
【請求項9】
連結部材に患者界面装置を連結する架台(58)を更に備える請求項1に記載の患者界面装置組立体。
【請求項10】
架台に装着される排気拡散板(72)を更に備える請求項12に記載の患者界面装置組立体。
【請求項11】
ヘッドギアは、患者の頭部の頂点を通じて延伸する交差ストラップ(136)と、前記患者の額及びこめかみを通じて延伸する額ストラップ(138)と、前記患者の後頭部付近に延伸する背面ストラップ(148)とを備える請求項1に記載の患者界面装置組立体。
【請求項12】
交差ストラップ、額ストラップ及び背面ストラップは、調節組立体(154,163)により互いに接続される請求項11に記載の患者界面装置組立体。
【請求項13】
調節組立体は、交差ストラップ及び背面ストラップの両方を同時に調節する請求項12に記載の患者界面装置組立体。
【請求項14】
連結部材は、連結部材と患者界面装置との間隔を調節する長さ調節組立体(76)を備える請求項1に記載の患者界面装置組立体。
【請求項15】
湾曲面を有する鼻緩衝体(28)と、
鼻緩衝体に連結される鼻孔挿入部材(30)と、
鼻緩衝体の湾曲面に取り付けられる変形可能支持体(42)とを備え、
変形可能支持体は、第1の形状から第2の形状に変形され、変形後に第2の形状を維持することを特徴とする患者界面装置(12)。
【請求項16】
変形可能支持体は、T字形又はY字形である請求項15に記載の患者界面装置。
【請求項17】
変形可能支持体は、形状記憶合金により形成される請求項15に記載の患者界面装置。
【請求項18】
患者の頭部の頂点を通じて延伸する交差ストラップ(136)と、
前記患者の額及びこめかみを通じて延伸する額ストラップ(138)と、
前記患者の後頭部付近に延伸する背面ストラップ(148)と、
交差ストラップ及び背面ストラップの両方を同時に調節する調節組立体(154,163)とを備えることを特徴とする患者界面装置組立体用ヘッドギア(22)。
【請求項19】
調節組立体は、交差ストラップと背面ストラップとを連結する接続部材と、接続部材が挿通される固定部材とを備える請求項18に記載のヘッドギア。
【請求項20】
半剛性の材料により額ストラップを形成した請求項18に記載のヘッドギア。
【請求項21】
患者界面装置(12)と、
患者に着用されるヘッドギア(22)と、
ヘッドギアに患者界面装置を連結する剛性のある連結部材(206)とを備え、
剛性のある連結部材は、患者界面装置の第1の側部とヘッドギアの第1の側部とを接続する第1のアーム(208)と、患者界面装置の第2の側部とヘッドギアの第2の側部とを接続する第2のアームとを有し、
第1のアーム及び第2のアームは、剛性を有することを特徴とする患者への呼吸用気体の供給に使用する患者界面装置組立体(10)。
【請求項22】
第1のアームは、ヘッドギアの第1側部に調節可能に連結され、
第2のアームは、ヘッドギアの第2側部に調節可能に連結される請求項21に記載の患者界面装置組立体。
【請求項23】
第1のアームと第2のアームは、患者が着用する患者界面装置組立体に対応して、第1のアームと第2のアームの下方にある人間の顔の外形にほぼ整合する形状をそれぞれ有する請求項21に記載の患者界面装置組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20】
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【図21A】
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【図21B】
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【図21C】
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【図21D】
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【図22A】
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【図22B】
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【図22C】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公表番号】特表2007−518456(P2007−518456A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523969(P2006−523969)
【出願日】平成16年8月16日(2004.8.16)
【国際出願番号】PCT/US2004/026600
【国際公開番号】WO2005/018523
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(505338497)アールアイシー・インベストメンツ・エルエルシー (81)