説明

患者衣

【課題】患者のプライバシーの保護を確実にし、着脱を極めて容易に行うことができる患者衣を提供する。
【解決手段】患者衣10は、患者の下半身を覆う腰巻き部12と、この腰巻き部12の内側に取り付けられたパンツ部40とから構成される。腰巻き部12は、腰巻き部後身頃36と展開可能な左右の腰巻き部前身頃16とから成り、パンツ部40は、腰巻き部後身頃36に取り付けられ、左右の腰巻き部前身頃20、30が閉じられた状態で各腰巻き部前身頃20、30に覆われると共に、各腰巻き部前身頃20、30が展開された状態では露出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手術用着衣に関し、より具体的には血管造影検査を含んだ血管造影手術及び/またはこれを用いた一般手術時に医療用として使用することができる患者衣に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の医療現場において、鼠径部の動脈や上腕動脈等からカテーテルを被治療者(患者)の体内に挿入し、循環器系疾患等の治療や、検査がしばしば行われている。例えば一般的な放射線では見えない血管に、患者の体内に挿入したカテーテルから造影剤という診断試薬を注射した後、X線写真撮影またはX線映画撮影をし、血管の形態や血行動態を観察していた。
【0003】
カテーテルの挿入は実施件数の7〜8割が鼠径部の動脈を用いることが最も多く占めている。該鼠径部の動脈にカテーテルを挿入する際、患者は鼠径部を露出しなければならない。そこで、患者が施術及び手術を受ける以前にプライバシーが侵害されないように、一般的な半ズボン、または、トランクス状の施術及び手術用パンツを自分で着用していた。この施術及び手術用パンツは、腰巻きのように前側で重ね合わせられ、そこに設けられた脱着手段により結合されていた。また、施術及び手術用パンツの重ね合わせ部分より離間する方向に前中心シートが設けられ、その裏面(患者側)に接着手段を備えた補助シートが設けられていた。
【0004】
患者が検査用ベッドまたは手術用ベッドに横になると医療要員が脱着手段により結合されている患者の左側(または右側)で施術及び手術用パンツの前側となる前側部シートと前中心シートとを切断して分離した後、前側部シート部分を外側に広げて患者の、左側の太股の一部を露出させていた。このとき、患者の陰部(股ぐら部分)は前中心シートによって閉塞して、患者のプライバシーの侵害を防止していた。
【0005】
次に、補助シート後面に設けられた接着手段の保護フィルムを除去し、露出された接着手段の接着部を、大腿動脈に該当する部分が露出された状態で、患者の内側太股に付着させていた。このような状態で、治療・検査時に鼠径部等に対して処置を行っていた(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−321330
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前側で重ね合わせられた一般的な半ズボン、または、トランク状の施術及び手術用パンツでは陰部を覆うために前中心シートの裏面に両面粘着テープを設け、その両面粘着テープで患者に貼付固定していたため、患者の表面が汗ばんでいたり濡れていると陰部覆布片を貼付固定することができない。また、患者の体毛に両面粘着テープが貼付けられると、陰部覆布片を患者から剥がす際同時に体毛が引っ張られて痛みを感じてしまうなどの不都合が生じていた。
【0007】
また、手術室への入退室時に一般的な半ズボン、または、トランク状の施術及び手術用パンツだけでは、人目もはばかるので、その上に鼠径部を容易に露出可能で、且つ、腰から足首位まで覆えると共に、前開きのガウン風な着衣を着て、施術及び手術用パンツの上を覆わなければならなかった。そのため、それら施術及び手術用パンツと前開きのガウン風な着衣な着衣との両方を着脱するのが煩雑であった。
【0008】
本発明は、係る従来技術の課題を解決するために成されたものであり、患者のプライバシーの保護を確実にし、着脱を極めて容易に行うことができる患者衣を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の患者衣は、患者の下半身を覆う腰巻き部と、該腰巻き部の内側に取り付けられたパンツ部とから成ることを特徴とする。
【0010】
また、請求項2の発明の患者衣は、上記において、腰巻き部及びパンツ部は不織布にて構成されていることを特徴とする。
【0011】
また、請求項3の発明の患者衣は、請求項1又は請求項2において、腰巻き部は、腰巻き部後身頃と展開可能な左右の腰巻き部前身頃とから成り、パンツ部は、腰巻き部後身頃に取り付けられ、左右の腰巻き部前身頃が閉じられた状態で各腰巻き部前身頃に覆われると共に、各腰巻き部前身頃が展開された状態では露出することを特徴とする。
【0012】
また、請求項4の発明の患者衣は、請求項3において、パンツ部は、パンツ部後身頃とパンツ部前身頃とから成り、該パンツ部後身頃及びパンツ部前身頃の上部がそれぞれ腰巻き部後身頃に取り付けられていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項5の発明の患者衣は、請求項4において、少なくともパンツ部前身頃の外面には防水部材が設けられ、若しくは、少なくともパンツ部前身頃の外面は防水加工が施されていることを特徴とする。
【0014】
更に、請求項6の発明の患者衣は、請求項4又は請求項5において、パンツ部前身頃には、相互に結ばれて当該パンツ部前身頃の幅を狭める紐が取り付けられていることを特徴とする。
【0015】
更にまた、請求項7の発明の患者衣は、請求項3乃至請求項6のうちの何れかにおいて、左右の腰巻き部前身頃には、閉じられた状態を維持する着脱自在の固定具が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、患者衣は、患者の下半身を覆う腰巻き部と、該腰巻き部の内側に取り付けられたパンツ部とから成るので、例えば、従来では陰部を1枚の不織布で覆い隠し、両面粘着テープで不織布を患者に粘着固定し、その表面に袖を備えた前開きのコート風の患者衣を着用して患者の下半身を覆っていたが、腰巻き部に一体にパンツ部を取り付けることで、陰部を覆うための不織布が不要となり、患者の羞恥心を和らげることができる。また、腰巻き部を捲り上げればパンツ部を露出させることができるので、鼠径部の動脈にカテーテルを挿入するときも邪魔になりにくい。従って、患者衣の利便性を大幅に向上させることができるようになるものである。
【0017】
また、請求項2の発明によれば、腰巻き部及びパンツ部は不織布にて構成されているので、例えば、不織布をパンツ部の形状に裁断したままの状態で縁部の解れ防止処置を施す手間が省ける。これにより、安価な患者衣を提供することが可能となる。従って、安価な患者衣なので、使い捨てとして使用することもでき、患者衣の低コスト化を図ることができる。
【0018】
また、請求項3の発明によれば、腰巻き部は、腰巻き部後身頃と展開可能な左右の腰巻き部前身頃とから成り、パンツ部は、腰巻き部後身頃に取り付けられ、左右の腰巻き部前身頃が閉じられた状態で各腰巻き部前身頃に覆われると共に、各腰巻き部前身頃が展開された状態では露出するので、左右の腰巻き部前身頃を閉じればパンツ部は覆われてプライバシーを守ることができ、患者の恥ずかしさを解消することができる。また、腰巻き部の両前身頃を左右に展開すれば、パンツ部が現れ、鼠径部も露出するので、その付近の消毒が容易に行え、そのまま手術することができると共に、展開された左右の腰巻き部前身頃は手術台上に敷かれるかたちとなり、そのまま敷物の役割を果たし、手術台が汚れてしまうなどと言った不都合を未然に阻止することが可能になる。従って、患者衣の利便性を極めて向上させることができるようになるものである。
【0019】
また、請求項4の発明によれば、パンツ部は、パンツ部後身頃とパンツ部前身頃とから成り、該パンツ部後身頃及びパンツ部前身頃の上部がそれぞれ腰巻き部後身頃に取り付けられているので、パンツ部をパンツのかたちとした後、腰巻き部に取り付ける場合に比して、パンツ部後身頃の上部を腰巻き部後身頃、パンツ部前身頃の上部を腰巻き部後身頃にそれぞれ別々に取り付けられるので、患者衣の製造が極めて容易となる。これにより、患者衣コストの大幅な低減を図ることができる。
【0020】
また、請求項5の発明によれば、少なくともパンツ部前身頃の外面には防水部材が設けられ、若しくは、少なくともパンツ部前身頃の外面は防水加工が施されているので、例えば、手術時に鼠径部付近の消毒を行う際、当該消毒液がパンツ部上に垂れた場合、パンツ部前身頃内面を構成する不織布まで浸透してしまうことがない。これにより、垂れた消毒液によってパンツ部前身頃を構成する不織布が濡れることがないのでないので、手術後にパンツ部を構成する不織布が消毒液によって濡れている不快感を解消することが可能となる。
【0021】
また、請求項6の発明によれば、パンツ部前身頃には、相互に結ばれて当該パンツ部前身頃の幅を狭める紐が取り付けられているので、鼠径部の動脈を露出させたままの状態で維持させることができる。これにより、例えば鼠径部付近の消毒が容易に行え、当該鼠径部の動脈にカテーテルを挿入し易くすることができると共に、パンツ部でカテーテルを圧迫してしまうなどと言った不都合を未然に防止することができる。
【0022】
更にまた、請求項7の発明によれば、左右の腰巻き部前身頃には、閉じられた状態を維持する着脱自在の固定具が設けられているので、例えば、固定具に面ファスナーを用いた場合には、腰巻き部の左右の前身頃を外側に離間させるだけで、腰巻き部の腰巻き部前身頃が左右に展開されてパンツ部を露出させることができる。また、左右の腰巻き部前身頃に設けられた固定具を重ね合わせれば腰巻き部の左右の前身頃を接続固定させることができる。これにより、腰巻き部の開閉が極めて簡単にできるようになり、患者衣の利便性を更に向上させることができるようになるものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施例を示す患者衣の正面図である。
【図2】本発明の患者衣を構成する腰巻き部の接合片を相互に離間させた状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の患者衣を構成する腰巻き部の正面図である。
【図4】本発明の患者衣を構成する腰巻き部の接合片を相互に離間させてパンツ部の取り付け状態を示す正面図である。
【図5】本発明の患者衣を構成するパンツ部の正面図である。
【図6】本発明の一実施例を示す他の患者衣を構成する腰巻き部の接合片を相互に離間させた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明は、患者のプライバシー保護を確実に守ることができて容易に鼠径部の手術が行えることを特徴とする。プライバシーを保護し、容易に鼠径部の手術が行えるという目的を、腰からふくらはぎ或いは足首位まで覆える腰巻き部と陰部を覆い鼠径部を露出することができるパンツ部を一体に設けるだけの簡単な構造で実現した。
【実施例1】
【0025】
次に、図面に基づき本発明の実施の形態を詳述する。図1は本発明の一実施例を示す患者衣10の正面図、図2は本発明の患者衣10を構成する腰巻き部12の接合片を相互に離間させた状態を示す斜視図、図3は本発明の患者衣10を構成する腰巻き部12の正面図、図4は本発明の患者衣10を構成する腰巻き部12の接合片を相互に離間させてパンツ部40の取り付け状態を示す正面図、図5は本発明の患者衣10を構成するパンツ部40の正面図をそれぞれ示している。
【0026】
本実施形態における患者衣10は、図1、図2に示すように、鼠径部の動脈からカテーテルが身体内に挿入される患者の腰上からふくらはぎ位までの周囲を覆う腰巻き部12と、この腰巻き部12の内側に設けられたパンツ部40とから構成されている。該患者衣10は、施術及び手術(以降施術及び手術を手術と称す)が行われる患者が着用後に不便を感じず、患者の皮膚が傷ついたり、皮膚が「ちくちく」して痛むなどの違和感を抱かない不織布にて構成されている。
【0027】
腰巻き部12は、患者が着用したときに腰巻き状態(前開きのスカート状態)になるもので、患者が着用していない状態では、図3に示すように略矩形状に形成された不織布にて丈約700mm、幅約1360mmに形成されている。詳しくは、腰巻き部12はS、M/L、XLの3種類の大きさが用意されており、スカートの様に胴周り寸法(図3上部)が細くなるように、また、裾周り寸法(図3下部)が大きくなるように構成されている。そして、Sサイズは、丈約700mm、胴周り寸法約450mm、裾周り寸法約106mmに形成され、M/Lサイズは、丈約700mm、胴周り寸法約600mm、裾周り寸法約1360mmに形成され、XLサイズは、丈約700mm、胴周り寸法約700mm、裾周り寸法約146mmに形成されている。尚、患者衣10は、不織布がプレスで腰巻き部12やパンツ部40の形状に型抜きされる。
【0028】
また、腰巻き部12は、当該腰巻き部12を患者が身体の下半身に巻き付けた状態で略円筒形(図1)に構成され、患者の胴周りに保持される保持部14(胴周り寸法部分)が設けられ、この保持部14に設けられた弾性部材(実施例ではゴム紐)によって伸縮自在に構成されている。そして、腰巻き部12を患者が身体に着用した際、上縁部に設けた弾性部材によって、当該腰巻き部が患者の胴に保持できるように構成されている。尚、腰巻き部12は、前述したように当該腰巻き部12を着用する患者の身体の大きさ(胴周りの大きさ)によって3種類のサイズが用意される。
【0029】
該腰巻き部12は、患者の前側を覆う腰巻き部前身頃16(図1のみ図示)と、患者の後面を覆う腰巻き部後身頃36とから構成されており、腰巻き部12が患者の身体に着用された状態で前側の略中心で腰巻き部12の両縁が重ね合わされる。即ち、腰巻き部12は、患者自身からみて前面(腹側)を覆う腰巻き部前身頃16(患者自身からみて前面右側を覆う腰巻き部右前身頃20と前面左側を覆う腰巻き部左前身頃30)と、患者の後面(背中側)を覆う腰巻き部後身頃36とから構成されている。尚、左右どちら側の鼠径部の動脈にでもカテーテルが身体内に挿入し易いように、腰巻き部12の両縁は患者の、身体の前側の略中心で重ね合わされる。
【0030】
腰巻き部右前身頃20の縁部(図2左端)には上端から下端に渡って右前身頃接合縁22、腰巻き部左前身頃30の縁部(図2右端)には上端から下端に渡って左前身頃接合縁32が設けられている。両前身頃接合縁22、32には面ファスナー24(本発明の固定具に相当)が設けられており、この面ファスナー24は両前身頃接合縁22、32の上端から下端に渡って略等間隔で設けられている
【0031】
該面ファスナー24は、例えばループとフックの噛み合わせによって相互に着脱自在の、所謂マジックテープ(登録商標)にて構成されており、図3では左前身頃接合縁32には表面側にループ、右前身頃接合縁22には裏面側にフックが設けられている。以降ループ及びフックから構成される固定具を面ファスナー24と称す。また、最下端部には面ファスナー24は設けられていない。
【0032】
そして、腰巻き部12の保持部14を、患者の腰周り部分に位置して周囲を覆い、右前身頃接合縁22の面ファスナー24と対向する左前身頃接合縁32の面ファスナー24とを重ね合わせて相互に圧接する。このとき、患者自身からみて、腰巻き部右前身頃20を身体側に位置して、その上に腰巻き部左前身頃30を重ね合わせると共に、右前身頃接合縁22と左前身頃接合縁32を両足の間に位置させる。これによって、面ファスナー24が接合され、腰巻き部右前身頃20(右前身頃接合縁22)と腰巻き部左前身頃30(左前身頃接合縁32)とが相互に接合される。この状態で、略矩形状の不織布が略円筒形になって、腰巻き部12は、前開きの腰巻き状態(前開きのスカート状態)で患者の腰周りを覆えるように構成されている。
【0033】
前記、パンツ部40は図4に示すように腰巻き部12に取り付けられた状態で、単独のパンツが腰巻き部12に取り付けられたような状態になるように構成されている。即ち、パンツ部40がパンツ形状になる以前の形状は、図5に示すようにカタカナの「エ」字形状に形成されている。該パンツ部40は、上下方向略中間に位置する覆い部45と、その下方側に位置するパンツ部前身頃42と、上方側に位置するパンツ部後身頃46とから構成されている。該パンツ部40の陰部と対応する部分には、当該パンツ部40を着用したときの肌触りを良好にするために、後述する前身頃縫い付け片44から後身頃縫い付け片48間に渡って、患者衣10を構成する不織布よりも柔らかい幅約130mm、長さ約720mmの、略矩形状の軟性不織布47が縫い付けられている。尚、パンツ部40は、図5に示すカタカナの「エ」字形状ではパンツになっておらず、腰巻き部12に一体にパンツ部40が縫い付けられることによりパンツ状態になるので、パンツではなくパンツ部40と称している。また、図5のパンツ部40は、腰巻き部12に縫い付けられ、パンツ状態になったときの内面側を展開したときの正面図を示している。
【0034】
該パンツ部40は、パンツ部前身頃42の下端が左右に略同等寸法に延在して腰巻き部12の腰巻き部前身頃16の上縁となる保持部14に縫い付けられる前身頃縫い付け片44が形成されている。また、パンツ部40は、パンツ部後身頃46の上端が左右に略同等寸法に延在して腰巻き部12の腰巻き部後身頃36の上縁となる保持部14に縫い付けられる後身頃縫い付け片48が形成されている。
【0035】
パンツ部40の覆い部45は、陰部を覆う部分で幅約140mm〜160mm、長さ約300mmに形成されている。パンツ部前身頃42は、覆い部45から離間するに従って徐々に幅広になって前身頃縫い付け片44まで延在すると共に、パンツ部後身頃46は覆い部45から離間するに従って徐々に幅広になって後身頃縫い付け片48まで延在している。具体的には、Sサイズの覆い部45は、幅約140mm、長さ約660mm、M/Lサイズの覆い部45は、幅約160mm、長さ約730mm、XLサイズの覆い部45は、幅約160mm、長さ約930mmに形成されている。尚、覆い部45の上下方向に連続してパンツ部前身頃42とパンツ部後身頃46が形成されている。
【0036】
ここで、手術を実施する前処理(カテーテル挿入の前処理)として、鼠径部付近の消毒をしなければならない。消毒は、パンツ部40も鼠径部に近いため消毒液を使用して鼠径部と一緒に消毒をすることになる。パンツ部40防水が施されていない場合、消毒液が浸みこみ患者への不快感を与えてしまう。そこで、パンツ部40を構成するパンツ部前身頃42の外面(パンツ部40を構成する不織布に対して身体と反対側の面)には防水を目的とする防水部材52(図5裏面側)が設けられている。
【0037】
該防水部材52は、ナイロンやビニール或いはポリエチレン等のフィルムにて構成されており、この防水部材52は熱接着剤やボンド或いは両面接着剤などでパンツ部前身頃42の外面に固定されている。即ち、パンツ部前身頃42は、身体側の不織布と、身体と反対側の外面に設けられた防水部材52との2層構造素材にて構成されており、その内側(不織布の内側)には前記柔軟性不織布47が縫い付けられている。尚、パンツ部前身頃42を、不織布と柔軟性不織布47との2層構造素材としているが、不織布の外面に直接ナイロンやビニール或いはポリエチレン等をコーティングした防水構造としても差し支えない。
【0038】
これによって、手術時に鼠径部付近の消毒を行う際、当該消毒液がパンツ部40上に飛散したり垂れたりした場合、パンツ部前身頃42内面を構成する不織布まで消毒液が浸透してしまうことがない。また、飛散したり垂れたりした消毒液によってパンツ部前身頃42を構成する不織布が濡れることがないのでないので、手術後にパンツ部40を構成する不織布が消毒液によって濡れている不快感を感じることがない。
【0039】
前記前身頃縫い付け片44は、幅約35mm、長さ約500mm〜620mmに形成され、後身頃縫い付け片48は、幅約35mm、長さ約300mm〜400mmに形成されている。詳しいサイズは、Sサイズの前身頃縫い付け片44は、幅約35mm、長さ約500mm、M/Lサイズの前身頃縫い付け片44は、幅約35mm、長さ約600mm、XLサイズの前身頃縫い付け片44は、幅約35mm、長さ約620mmに形成されている。また、Sサイズの後身頃縫い付け片48は、幅約35mm、長さ約300mm、M/Lサイズの後身頃縫い付け片48は、幅約35mm、長さ約400mm、XLサイズの後身頃縫い付け片48は、幅約35mm、長さ約400mmに形成されている。
【0040】
パンツ部40は、パンツ部前身頃42に設けられた前身頃縫い付け片44の両端部のみが腰巻き部12の腰巻き部前身頃16の保持部14に縫い付けられ、パンツ部後身頃46に設けられた後身頃縫い付け片48の一端から他端までが腰巻き部12の腰巻き部後身頃36の保持部14に縫い付けられる。このように、パンツ部40の前身頃縫い付け片44と後身頃縫い付け片48とが腰巻き部12に縫い付けられることにより、腰巻き部12とパンツ部40が一体に取り付けられてパンツ部40がパンツになるように構成されている。
【0041】
この状態で、パンツ部40の前身頃縫い付け片44の両端部と後身頃縫い付け片48の両端部は、少許隙間を有している。この場合、パンツ部40に設けられた前身頃縫い付け片44の両端部を腰巻き部12の保持部14に縫い付ける際、後身頃縫い付け片48の両端部に対して隙間を開けられるように構成されている。詳しくは、パンツ部40に設けられた前身頃縫い付け片44を保持部14に縫い付ける際、後身頃縫い付け片48の両端部と前身頃縫い付け片44の両端部の隙間を調整できるように構成されている。これにより、患者衣10は、異なる胴周りの患者によって、保持部14の長さを調整(パンツの胴回り長さを調整)できるように構成されている。
【0042】
即ち、患者衣10は、腰巻き部12とパンツ部40とを一体に取り付け、保持部14が患者の胴周りに保持されるので、パンツ部40を腰巻き部12に縫い付ける際、パンツ部40の前身頃縫い付け片44の両端部と後身頃縫い付け片48の両端部との隙間を調整することによって、胴周りの太い患者用、胴周りの細い患者用やその中間の胴回りの患者用として作ることが可能となる。これによって、胴周りの太い患者用、胴周りの細い患者用やその中間の胴周りの患者用でも略1種類の患者衣10だけで済む。
【0043】
また、パンツ部前身頃42には、幅約7mm、長さ約200mmの紐50が設けられている。紐50は、患者が手術を受ける際、覆い部45が邪魔になったときにパンツ部前身頃42の幅を狭めるためのもので、患者衣10と同じ不織布にて構成されている。紐50は、図4に示すようにパンツ部前身頃42の覆い部45に位置すると共に、鼠径部近傍で覆い部45の両縁側に位置して縫い付けられて固定されている。
【0044】
そして、両紐50が相互に結ばれることにより、パンツ部前身頃42の幅を狭められるように構成されている。これにより、覆い部45が邪魔になったときに鼠径部の動脈にカテーテルを挿入し易いように、一時的に鼠径部の動脈を露出させたままの状態に維持させて、パンツ部40の覆い部45でカテーテルを圧迫してしまうなどと言った不都合を確実に防止することができる。
【0045】
尚、両紐50が相互に結ばれることにより、パンツ部前身頃42の幅を狭められるようにしているが、これによってパンツ部前身頃42の幅が狭められ過ぎて陰部が露出してしまうのを防止しなければならない。そこで、パンツ部前身頃42の幅が狭められ過ぎて陰部が露出してしまうなどの不都合を防止する方法として、パンツ部前身頃42側の幅を例えば、幅約50mmに構成して、両紐50を相互に結んだ際、パンツ部前身頃42の幅がそれ以上狭められないように構成すればよい。
【0046】
この場合、患者衣10は不織布がプレスにて型抜きされているので、同時に紐50をプレスで型抜きするように構成すればよい。この場合、一度プレス抜き型を造れば、紐50のランニングコストを抑えることができる。また、パンツ部前身頃42の幅が狭められないように、パンツ部前身頃42の両端から所定寸法内側に両紐50を縫い付ける。これにより、両紐50を相互に結んだ際、陰部が露出してしまうなどの不都合を確実に防止して鼠径部の動脈にカテーテルが挿入し易くなる。
【0047】
一方、患者が手術を受ける前に、患者に患者衣10が着用される。本実施例の患者衣10は、患者がパンツ部40を履いた後、腰巻き部12の保持部14を腰周り部分に当てて周囲を覆い、右前身頃接合縁22の面ファスナー24と対向する左前身頃接合縁32の面ファスナー24とを重ね合わせて相互に圧接する。これによって、面ファスナー24は相互に接合されて、腰巻き部右前身頃20と腰巻き部左前身頃30とが着脱自在に固定される。
【0048】
患者衣10の腰巻き部右前身頃20と腰巻き部左前身頃30とが固定されると、腰巻き部12が腰巻き形状(スカート形状)になると共に、弾性部材によって保持部14が患者の腰周りに好適な弾性で保持される。このとき、患者自身からみて、相互に重ね合わせ固定した右前身頃接合縁22と左前身頃接合縁32とを両足の間に位置させる。これにより、患者衣10は、通常の腰巻き形状(スカート形状)になるので、患者が病院内を歩行した場合でも、患者衣10の前側が開いてしまわないのでプライバシーが侵害されることがない。
【0049】
そして、患者が手術を受けるために検査用ベッド或いは手術用ベッドに横になって準備を行い、医療要員が患者に対する手術準備を行う。そして、対向する両面ファスナー24を相互に離間させて分離し、腰巻き部右前身頃20と腰巻き部左前身頃30とを離間方向となる外側に展開して患者の鼠径部を露出させる。このとき、腰巻き部12の内側にパンツ部40が一体に設けられており、陰部は当該パンツ部40により覆われているので、患者のプライバシーが侵害されてしまうことがない。
【0050】
次に、患者の体型によっても異なるが、パンツ部40が邪魔をして鼠径部の動脈にカテーテルが挿入し難い場合、カテーテルが挿入し易くなるようにパンツ部前身頃42の両側に設けられた紐50を相互に結んで、パンツ部前身頃42の幅を狭める。このとき、前述した如き紐50の形状変更や、紐50の取り付け位置決めを行って、パンツ部前身頃42の幅が狭められ過ぎるのを防止している。これにより、パンツ部40で陰部が覆われている状態を維持できるので、患者のプライバシーが侵害されてしまうなどの不都合を確実に防止することができる。尚、患者が患者衣10のパンツ部40を履いた状態で、鼠径部の動脈にカテーテルが挿入し易い状態であるならば、あえて両紐50は結ばなくても差し支えない。
【0051】
そして、手術が終了した後、紐50が結ばれているならば、結んだ紐50を解き、外側に展開した腰巻き部右前身頃20と、腰巻き部左前身頃30とを閉じて右前身頃接合縁22の面ファスナー24と対向する左前身頃接合縁32の面ファスナー24とを相互に重ね合わせて圧接する。この状態で、面ファスナー24は相互に接合され、腰巻き部12は腰巻き形状(スカート形状)になると共に、弾性部材によって保持部14が患者の腰周りに好適な弾性で保持される。これにより、患者衣10は、患者が検査用ベッド或いは手術用ベッドに横になる以前の状態に戻るので、手術が終了して患者が病院内を歩行した場合でも、腰巻き部12の前が開くことの恥ずかしさや、プライバシーが侵害されてしまうなどと言った不都合を未然に防止することができる。
【0052】
このように、患者衣10は、患者の下半身を覆う腰巻き部12と、該腰巻き部12の内側に取り付けられたパンツ部40とから構成されているので、従来は陰部を1枚の不織布で覆い隠し、両面粘着テープで不織布を身体に粘着固定し、その表面に腰巻きを巻き付けて腰の周囲を覆っていたが、腰巻き部12に一体にパンツ部40を取り付けることで、陰部を覆うための不織布が不要となり、患者の羞恥心を大幅に和らげることができる。また、腰巻き部12を捲り上げれば鼠径部及びパンツ部40を露出させることができるので、鼠径部の動脈にカテーテルを挿入するときも腰巻き部12が全く邪魔になることがない。従って、患者衣10の利便性を大幅に向上させることができるようになる。
【0053】
また、腰巻き部12及びパンツ部40は不織布にて構成されているので、不織布をパンツ部40の形状に裁断したままで縁部の解れ防止処置を施す手間が省ける。これにより、安価な患者衣10を提供することができると共に、使い捨てとして使用する場合にも低コスト化を図ることができる。尚、不織布をパンツ部40の形状に裁断した後、必要によって、縁部の解れ防止処置を施しても差し支えない。
【0054】
また、腰巻き部12は、腰巻き部後身頃36と展開可能な左右の腰巻き部前身頃20、30とから構成され、パンツ部40は、腰巻き部後身頃36に取り付けられ、左右の腰巻き部前身頃20、30が閉じられた状態で各腰巻き部前身頃20、30に覆われると共に、各腰巻き部前身頃20、30が展開された状態では、鼠径部及びパンツ部40を露出させることができ、展開した左右の腰巻き部前身頃20、30を閉じれば、鼠径部及びパンツ部40が覆われるので、患者のプライバシーを確実に守ることができて恥ずかしさを解消することができる。
【0055】
また、パンツ部40は、パンツ部後身頃46とパンツ部前身頃42とから構成され、このパンツ部後身頃46及びパンツ部前身頃42の上部がそれぞれ腰巻き部後身頃36に取り付けられているので、パンツ部40を単独でパンツのかたちとした後、腰巻き部12に取り付ける場合に比して、パンツ部後身頃46の上部を腰巻き部後身頃36、パンツ部前身頃42の上部を腰巻き部後身頃36にそれぞれ別々に取り付けることができる。
【0056】
また、腰巻き部12の両前身頃を左右に展開すれば、パンツ部40が現れ、鼠径部も露出するのでそのまま手術を行うことが可能となる。また、展開された左右の両腰巻き部前身頃20、30は手術台上に敷かれるかたちとなり、そのまま敷物の役割を果たせるので、手術台が汚れてしまうなどと言った不都合を未然に阻止することが可能になる。
【0057】
これにより、パンツ部後身頃46の上部端とパンツ部前身頃42の上部端との隙間を任意の幅に狭めたり、広くしたりして取り付けることができるので、腰周りの太い患者や腰周りの細い患者或いはその中間の腰周りの、患者の体型に合わせて作ることが可能となる。また、腰周りの太い患者用、腰周りの細い患者用やその中間の腰周りの患者用でも略1種類の患者衣10の基材としての不織布を裁断するだけで済む。これにより、患者衣10の製造が極めて容易となり、患者衣10のコストを大幅に低減させることができる。
【0058】
また、少なくともパンツ部前身頃42の外面には防水部材52が設けられ、若しくは、少なくともパンツ部前身頃42の外面は防水加工が施されているので、例えば、手術時に鼠径部付近の消毒を行う際、当該消毒液がパンツ部40上に垂れた場合、パンツ部前身頃42内面を構成する不織布まで浸透してしまうことがない。これにより、垂れた消毒液によってパンツ部前身頃42を構成する不織布が濡れることがないのでないので、手術後にパンツ部40を構成する不織布が消毒液によって濡れている不快感を解消することが可能となる。
【0059】
また、パンツ部前身頃42には、相互に結ばれて当該パンツ部前身頃42の幅を狭める紐50が取り付けられているので、紐50を結んでパンツ部前身頃42の幅を狭めれば鼠径部の動脈を露出させたままの状態で維持させることができる。これにより、当該鼠径部の動脈にカテーテルが挿入される際、パンツ部前身頃42が邪魔になってしまう不都合を防止して、鼠径部の動脈にカテーテルを挿入し易くすることができると共に、パンツ部40でカテーテルを圧迫してしまうなどと言った不都合を未然に防止することが可能となる。
【0060】
また、左右の腰巻き部前身頃20、30には、閉じられた状態を維持するために着脱自在の面ファスナー24が設けられているので、当該面ファスナー24を用いた場合には、ループとフックの噛み合わせを離脱させるだけ腰巻き部12を構成する腰巻き部前身頃16が左右に展開し、パンツ部40を露出させることができる。
【0061】
また、左右の腰巻き部前身頃20、30に設けられた面ファスナー24を重ね合わせてループとフックを噛み合わせれば腰巻き部12の左右の前身頃を接続固定させることが可能となる。これにより、腰巻き部12を構成する左右の腰巻き部前身頃20、30の開閉を極めて簡単にでき、患者衣10の利便性を更に向上させることができる。
【実施例2】
【0062】
次に、図6には本発明の他の実施例の患者衣10を示している。該患者衣10は、前述の実施例1と略同じ構成を有している。以下、異なる部分について説明する。尚、前述の実施の形態と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
【0063】
該患者衣10は、実施例1で説明した患者衣10の紐50を設けていないもので、他は実施例1の患者衣10と同等に構成されている。即ち、実施例2では患者衣10に紐50を設けていないので、腰巻き部12を腰に巻いた際患者衣10を着用した際、紐50が垂れ下がって、腰巻き部12の下に垂れ下がって外部から見えてしまうなどと言った不都合を未然に防止することができる。また、腰巻き部12の下に紐50が垂れ下がって見えてしまうのを防止できるので、患者が腰巻き部12の下に紐50が見えてしまうなどといった恥ずかしさも阻止することができる。
【0064】
尚、実施例では、腰巻き部12にパンツ部40を設けたが、患者衣10は、腰巻き部12にパンツ部40を設けるだけに限られず、袖を備えたコート風の患者衣(図示せず)にパンツ部40を設けても差し支えない。これにより、より他の患者同様の着衣となるので、美観も損ねず患者のプライバシーを更に確実に保護することができるようになる。
【0065】
また、実施例では胴周りの太い患者用、胴周りの細い患者用やその中間の、胴周りの患者用の患者衣10を3種類で説明したが、患者衣10は3種類の大きさに限られず、パンツ部40を腰巻き部12に縫い付ける際、パンツ部40の前身頃縫い付け片44の両端部と後身頃縫い付け片48の両端部との隙間を調整することによって、パンツ部40の胴回りを調整できるので、子供患者用、大人患者用、太っている患者用を1種類、或いは、2種類の大きさの腰巻き部12とパンツ部40で構成しても差し支えない。これにより、大きな患者から子供の患者まで患者衣10を使用することができ、患者衣10の利便性を大幅に向上させることができる。
【0066】
また、実施例では腰巻き部12を前開きとしたが、腰巻き部12は前開きだけに限られず、円筒形であっても差し支えない。この場合、腰巻き部12を捲り上げるだけでパンツ部40を露出させることができるので、鼠径部から動脈にカテーテルを挿入するときでもパンツ部40が邪魔になり難くなる。これにより、患者衣10の利便性を大幅に向上させることができる。
【符号の説明】
【0067】
10 患者衣
12 腰巻き部
14 保持部
16 腰巻き部前身頃
20 腰巻き部右前身頃
22 右前身頃接合縁
24 面ファスナー
30 腰巻き部左前身頃
32 左前身頃接合縁
36 腰巻き部後身頃
40 パンツ部
42 パンツ部前身頃
44 前身頃縫い付け片
45 覆い部
46 パンツ部後身頃
47 柔軟性不織布
48 後身頃縫い付け片
50 紐
52 防水部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の下半身を覆う腰巻き部と、
該腰巻き部の内側に取り付けられたパンツ部とから成ることを特徴とする患者衣。
【請求項2】
前記腰巻き部及びパンツ部は不織布にて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の患者衣。
【請求項3】
前記腰巻き部は、腰巻き部後身頃と展開可能な左右の腰巻き部前身頃とから成り、
前記パンツ部は、前記腰巻き部後身頃に取り付けられ、前記左右の腰巻き部前身頃が閉じられた状態で各腰巻き部前身頃に覆われると共に、各腰巻き部前身頃が展開された状態では露出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の患者衣。
【請求項4】
前記パンツ部は、パンツ部後身頃とパンツ部前身頃とから成り、
該パンツ部後身頃及びパンツ部前身頃の上部がそれぞれ前記腰巻き部後身頃に取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載の患者衣。
【請求項5】
少なくとも前記パンツ部前身頃の外面には防水部材が設けられ、若しくは、少なくとも前記パンツ部前身頃の外面は防水加工が施されていることを特徴とする請求項4に記載の患者衣。
【請求項6】
前記パンツ部前身頃には、相互に結ばれて当該パンツ部前身頃の幅を狭める紐が取り付けられていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の患者衣。
【請求項7】
前記左右の腰巻き部前身頃には、閉じられた状態を維持する着脱自在の固定具が設けられていることを特徴とする請求項3乃至請求項6のうちの何れかに記載の患者衣。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−36146(P2013−36146A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−174742(P2011−174742)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(511195585)株式会社ファーストレイト (1)
【Fターム(参考)】