説明

情報コード担体

【課題】 外部から視認可能な情報コードを読み取り不可能にでき、この情報コードを読み取り可能に変えることができる情報コード担体を提供する。
【解決手段】 QRコード10の位置決めマーク12のマージン部に枠部24を付加することで、QRコードの領域の確定(切り出し)を不可能にする。枠部24が、QRコードの印刷された基材20から剥離可能な接着シール22に印刷されている。このため、枠部24を構成する接着シール22が貼られることで、QRコードらしきものの存在を外部から視認可能でありながら、読み取り不可能な状態にしておける。そして、接着シール22を剥離することで、QRコード10を読み取り可能に変えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーコード等の一次元情報コード、QRコード(登録商標)等の二次元情報コードを担持する情報コード担体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
商品の販促のため、QRコード等の情報コードを用いて種々のサービスを提供することが行われている。例えば、何らかの景品や特典を付与するようなサービス情報をQRコードに付与しておき、そのQRコードを携帯電話のカメラで読み取って、そのQRコードの情報データをネットワークを介して指示された送信先に送ることによって、懸賞の応募、特典ポイントの加算などを行うことができる。
【0003】
このような方法でQRコードを用いる場合には、商品の精算前に情報コードを読み取っても応募できるため、商品の購入前に第3者によってQRコードが携帯電話等によって盗み見られることを防止しておかなければならない。かかる課題に対応するため特許文献1に、第1のラベルと第2のラベルとを張り合わせた重層ラベルをカンコーヒー等の容器に貼る技術が開示されている。当該技術では、第2のラベルの表面にバーコードを印字することで、重層ラベルの表面からバーコードを読めるようにし、一方で、第1のラベルにQRコードを印字し、第2のラベルを剥がさないと第1のラベルのQRコードが読めないようにしている。また、特許文献2には、QRコード等の二次元コードの読み取り手順が開示されている。
【特許文献1】特開2004−198616号公報
【特許文献2】特開平7−254037号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、二次元コードを第1のラベルに印刷した上に、第2のラベルを貼り付けた2層ラベルを作成しなければならなず、手間が掛かる。更に、第2のラベルを剥がすことでQRコードが読めるようになること、即ち、QRコードが読み出せるようになるとのメッセージを付加させる必要がある。また、商品に予め広い貼り付け用のスペースが必要なため、商品デザインの自由度が制約されるという課題があった。また、懸賞等のキャンペーン期間のみ、商品やラベル等の作成のために別のデザイン、別の基材を準備しなければならないといった煩雑さもある。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、外部から視認可能な情報コードを読み取り不可能にでき、この情報コードを読み取り可能に変えることができる情報コード担体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、情報コード読み取り装置により領域が確定された後に領域内の情報が読み取られる情報コード10と、
該情報コード10の前記領域の確定を行うための外縁部に付加され、当該情報コードの領域の確定を不可能にする当該情報コードの印刷色と同程度の反射率の印刷部24と、を担持した情報コード担体であって、
前記情報コード10と前記印刷部24とを分離可能とし、該印刷部24を分離することで前記情報コード読み取り装置により前記情報コード10の領域の確定が可能となるようにしたことを技術的特徴とする。
【0007】
請求項6は、情報コード読み取り装置により領域が確定された後に領域内の情報が読み取られる情報コード10と、該情報コード10の前記領域の確定を行うための外縁部に付加され、当該情報コード10の領域の確定を不可能にする当該情報コード10の印刷色と同程度の反射率の印刷部24と、が印刷された情報コード担体であって、
前記情報コード10の領域に相当する開口32を備える開口担体30を、前記情報コード10に重ねることで該印刷部24を隠して前記情報コード読み取り装置により前記情報コード10の領域の確定が可能となるようにしたことを技術的特徴とする。
【0008】
請求項9は、データをセル化し、セルの有る無しで二進情報を表示する情報コード10と、前記二次元情報コード10のセルの無い部位に設けられる印刷部36とが、接着面側に印刷された接着シール22から成る情報コード担体であって、
情報コード担体を構成する接着シール22が被接着面20から剥離されると、前記情報コード10が当該被接着面20側に残り、前記印刷部36が接着シール22側に残るように構成されたことを技術的特徴とする。
【0009】
請求項1の情報コード担体では、情報コード10の領域の確定を行うための外縁部に、情報コード10の領域の確定を不可能にする当該情報コード10の印刷色と同程度の反射率の印刷部24が設けられている。この状態で、情報コード10の読み取りは不可能である。そして、情報コード10と印刷部24とを分離可能とし、該印刷部24を分離することで、情報コード読み取り装置により情報コード10の領域の確定が可能となる。このため、外部から視認可能でありながら、印刷部24を付加することで読み取り不可能にしておいた情報コード10を、印刷部24を分離することで読み取り可能に変えることができる。
【0010】
請求項2の情報コード担体では、二次元コード10の位置決めマーク12のマージン部に印刷部24を付加することで、二次元コード10の領域の確定(切り出し)を不可能にする。そして、該印刷部24を分離することで、情報コード読み取り装置により二次元コード10の領域の確定が可能となる。このため、外部から視認可能でありながら、印刷部24を付加することで読み取り不可能にしておいた二次元コード10を、印刷部24を分離することで読み取り可能に変えることができる。
【0011】
請求項3の情報コード担体では、バーコード40のスタートマーク40S及びエンドマーク40Eに印刷部42を付加することで、バーコード40の読み出しを不可能にする。そして、該印刷部42を分離することで、情報コード読み取り装置によりバーコード40の読み取りが可能となる。このため、外部から視認可能でありながら、印刷部42を付加することで読み取り不可能にしておいたバーコード40を、印刷部42を分離することで読み取り可能に変えることができる。
【0012】
請求項4の情報コード担体では、印刷部24が、情報コード10の印刷された情報コード担体から剥離可能な接着シール22に印刷されてなる。このため、印刷部24を構成する接着シール22が貼られることで、外部から視認可能でありながら、読み取り不可能な状態にしておいた情報コード10を、印刷部24を構成する接着シール22を剥離することで、読み取り可能に変えることができる。
【0013】
請求項5の情報コード担体では、情報コード10が接着シール22に印刷されてなり、印刷部24は当該接着シール22の剥離可能な担体に印刷されている。このため、情報コード10の印刷された接着シール22を、担体の印刷部24上に貼り付けることで、外部から視認可能でありながら、情報コード10を読み取り不可能な状態にしておける。そして、接着シール22を印刷部24の印刷された担体から剥離することで、情報コード10を読み取り可能に変えることができる。
【0014】
請求項6の情報コード担体では、情報コード10と印刷部24とが共に情報コード担体20に印刷されている。このため、外部から視認可能でありながら、情報コード10を読み取り不可能な状態にしておける。そして、開口担体30を情報コード10に重ねることで該印刷部24を隠して、開口32越しに情報コード10のみを露出させることで、情報コード読み取り装置により情報コード10の領域の確定が可能となる。このため、外部から視認可能でありながら、印刷部24を付加することで読み取り不可能にしておいた情報コード10を、開口担体を重ねることで読み取り可能に変えることができる。
【0015】
請求項7の情報コード担体では、情報コード10と印刷部24、24Sとが共に情報コード担体に印刷されている。このため、外部から視認可能でありながら、情報コード10を読み取り不可能な状態にしておける。そして、情報コード10を切取指示28L、28D、24Sに従い切断することで、印刷部24、24Sから分離させて情報コード10を読み取り可能に変えることができる。請求項6では、1枚の担体に情報コード10と印刷部24とが印刷されているため、1枚の担体20でよく、同時に印刷できるので廉価に構成することができる。
【0016】
請求項8の情報コード担体では、二次元コード10A、10B、10Cを複数備える。二次元コード10が複数の二次元コード10A、10B、10Cから構成される際には、全ての二次元コード10A、10B、10Cの切り出しができないと、全体の二次元コード10の読み出しができないため、複数の二次元コード10A、10B、10Cの内の少なくとも1つの二次元コード10Cの位置決めマーク12のマージン部に印刷部24を付加することで、当該二次元コード10Cの領域の確定(切り出し)を不可能にし、全体の二次元コード10の読み出しを出来なくする。そして、該印刷部24を分離することで、当該二次元コード10の領域の確定が可能となる。このため、外部から視認可能でありながら、少なくとも一つの二次元コード10Cに印刷部24を付加することで全体として読み取り不可能にしておいた二次元コード10を、印刷部24を分離することで読み取り可能に変えることができる。
【0017】
請求項9の情報コード担体では、情報コード担体が、情報コード10と印刷部36とが接着面側に印刷された接着シール22から成る。そして、接着シール22が被接着面から離されると、情報コード10のみが当該被接着面20側に残るため、情報コード読み取り装置で読みとれる。このため、印刷部36を付加することで読み取り不可能にしておいた情報コード10を、読み取り可能に変えることができる。一方、接着シール22が被接着面20から一旦離されると、例え、接着シール22を再び貼り付けても、被接着面20側に残された情報コード10のセル無しの部位と、接着シール22に印刷された当該セル無しの部位から成る印刷部36とを完全に一致させることができず、元の状態に戻すことができない。このため、接着シール22が剥がされたか否かが判別できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
[第1実施形態]
以下本発明の第1実施形態に係る情報コード担体について、図1を参照して説明する。
図1(A)は、例えば液体洗剤の樹脂製容器に印刷されたQRコード10を示している。樹脂製容器を構成する基材20に付加されたQRコードでは、3個の位置決めマーク12と、1個の頂点検出用セル14で領域が確定し、その中側はデータ領域14として、二進情報を表示するセル18が配置されている。
【0019】
図1(B)は、該QRコードの読み取りを不可能にする接着シールを表している。透明樹脂から成る接着シール22には、QRコード10と同じ大きさで矩形の透明部26と、該透明部26の回りのQRコードのマージンと同等の大きさを持つ矩形の枠部(印刷部)24とが設けられている。該枠部24は、QRコード10と同じ印刷インク、もしくは、当該QRコードの印刷インクと同程度の反射率の印刷インクにより印刷されている。
【0020】
図1(C)は、図1(A)に示すQRコード上に図1(B)に示す接着シール22が張られた状態を示している。QRコード10の外周のマージン(余白)が、接着シール22の枠部24により隠され、QRコード10の外縁が不明となって、QRコード10の切り出し(領域の確定)、読み取りが不可能になっている。ここで、接着シール22を剥離することで、QRコード10は図1(A)に示す状態に戻り、情報の読み取りが可能となる。
【0021】
ここで、QRコードの読み取りの手順について図8、図9を参照して説明する。
図1(A)を参照して上述したQRコード10は、セル数が縦横同数(21セル×21セル)の正方形状に配置されている。各セルは、光学的に異なった2種類のセルから選ばれており、図および説明上では白(明)・黒(暗)で区別して表す。位置決めマーク12は、二次元コード1の4つの頂点の内、3つに配置されている。位置決めマーク12の明暗配置は、図8(A)に示すように黒部からなる正方形12a内の中心に白部からなる縮小した正方形12bが形成され、その内の中心に黒部からなる更に縮小した正方形12cが形成されているパターンである。
【0022】
この位置決めマーク12をスキャンした場合の明暗検出を図8(A)中に示す。位置決めマーク12の中心を代表的な角度で横切る走査線(a),(b),(c)での明暗検出パターンは、図8(B)に示すごとく、すべて同じ周波数成分比を持つ構造になっている。即ち、位置決めマーク12の中心を横切るそれぞれの走査線(a),(b),(c)の周波数成分比は暗:明:暗:明:暗=1:1:3:1:1となっている。勿論、走査線(a),(b),(c)の中間の角度の走査線においても比率は1:1:3:1:1である。
【0023】
このことにより、QRコードがいかなる方向に回転していても、一定方向の走査処理のみで位置決めマーク12の持つ特定周波数成分比を検出することができる。このため走査方向を繰り返し何度も変更して基準となる所定のパターンを検出する必要がない。したがって、位置決めマーク12の中心位置が容易に早期に判明するので、QRコード10の位置が迅速に特定でき、その後の処理も早期に開始できる。
【0024】
次に、図9のフローチャートを参照し、読み取り装置によるQRコードの切り出し(領域の確定)取り処理について説明する。まず、読み取り装置のCCD側から読み込まれた画像信号の2値化がなされる(S12)。この2値化された画像がハード処理にて順次メモリに格納される(S14)。これと並列のハード処理にてこの2値画像から、位置決めマーク12の位置座標が検出される(S16)。
【0025】
次に位置決めマーク12が3個以上見つけられたか否かが判定される(S18)。この場合は図1と同じ位置決めマーク12が3個のQRコード10の検出であることから、3個存在しなければ次の処理に移れない。したがってS12の処理に戻り、再度画像の読み直しをすることになる。即ち、図1(C)を参照して上述したQRコード上に図1(B)に示す接着シール22が張られた状態では、位置決めマーク12を探せず、QRコードの切り出しはできなくなる。
【0026】
一方、図1(A)に示す接着シール22が剥がされた状態では、位置決めマーク12を探すことができる(S18:Yes)。この場合、位置決めマーク12の存在しないもう一つの頂点を計算で求める(S20)。次にその該当する個所に頂点検出用セル14が存在するか否かを判定する(S22)。S22にて頂点検出用セル14が検出されれば(S22:Yes)、QRコードの領域の確定が完了する。この後、図1(A)を参照して上述したデータ領域14内のセル18から情報の読み出しを開始する。
【0027】
第1実施形態の情報コード担体では、QRコード10の位置決めマーク12のマージン部に枠部(印刷部)24を付加することで、QRコードの領域の確定(切り出し)を不可能にする。枠部(印刷部)24が、QRコードの印刷された基材20から剥離可能な接着シール22に印刷されてなる。このため、枠部(印刷部)24を構成する接着シール22が貼られることで、QRコードらしきものの存在を外部から視認可能でありながら、読み取り不可能な状態にしておける。そして、接着シール22を剥離することで、QRコード10を読み取り可能に変えることができる。
【0028】
特に、基材20にQRコードを基材(樹脂製容器)20へ直接印刷するため、QRコード10を設けるのに手間が掛からない。更に、接着シール22が貼られた状態で、QRコードが視認可能であるため、QRコード10が読み出せるようになるとのメッセージを付加させる必要がない。更に、QRコード10に枠部24を付加するだけなので必要とするスペース小さく、商品に付加させ易く、商品デザインの自由度が制約されることがない。このため、懸賞等のキャンペーン期間のみ、商品やラベル等の作成に別のデザイン、別の基材の準備を行うといった煩雑さもない。
【0029】
[第2実施形態]
以下本発明の第2実施形態に係る情報コード担体について、図2を参照して説明する。図1を参照して上述した第1実施形態では、基材20側にQRコード10が印刷され、接着シール22側にQRコードのマージンを隠す枠部24が設けられた。これに対して、第2実施形態では、接着シール22側にQRコード10が設けられ、基材20側に枠部24が設けられる。
【0030】
図2(A)は、透明樹脂からなる接着シール22に印刷されたQRコード10を示している。図2(B)は、基材20側に設けられた枠部24を示している。四角形の枠部24の中央には、QRコードと同じ大きさの白抜き(非印刷部)26が設けられている。図2(C)は、図2(B)に示す枠部24上にQRコード10を印刷した図2(A)に示す接着シール22が張られた状態を示している。QRコード10の外周のマージン(余白)が、接着シール22の枠部24により隠され、QRコード10の外縁が不明となって、QRコード10の切り出し(領域の確定)、読み取りが不可能になっている。ここで、接着シール22を剥離し、例えば、白紙上に置くことで、QRコード10は図2(A)に示すように情報の読み取りが可能となる。
【0031】
第2実施形態の情報コード担体では、QRコード10が接着シール22に印刷されてなり、枠部(印刷部)24は当該接着シール22の剥離可能な基材20に印刷されている。このため、QRコード10の印刷された接着シール22を、基材20の枠部24印刷部上に貼り付けることで、外部から視認可能でありながら、QRコード10を読み取り不可能な状態にしておける。そして、接着シール22を枠部(印刷部)24の印刷された基材20から剥離することで、QRコード10を読み取り可能に変えることができる。
【0032】
[第3実施形態]
以下本発明の第3実施形態に係る情報コード担体について、図3を参照して説明する。図1、図2を参照して上述した第1、第2実施形態では、QRコード10と枠部24とが別々に印刷された。これに対して、第3実施形態では、基材20にQRコード10と枠部24とが一緒に印刷されている。
【0033】
図3(A)は、枠部24と同時に印刷されたQRコード10を示している。枠部24内に印刷されることでQRコード10の外縁が不明となって、QRコード10の切り出し(領域の確定)、読み取りが不可能になっている。図3(B)は、樹脂、紙からなる例えば白色の枠体30を示している。四角形の枠体30の中央には、QRコード10と同じ大きさの開口32が設けられている。図3(C)は、図3(A)に示す枠部24上に図3(B)に示す枠体30が載置された状態を示している。QRコード10の外周のマージン(余白)の代わりを白色の枠体30が果たすことで、QRコード10の情報の読み取りが可能となる。ここで、枠体30は、例えば、QRコード10が印刷された商品の会計の際に、店員が商品購入者に渡すことができる。
【0034】
第3実施形態の情報コード担体では、QRコード10と枠部(印刷部)24とが共に基材20に印刷されている。このため、外部から視認可能でありながら、QRコード10を読み取り不可能な状態にしておける。そして、枠体(開口担体)30をQRコード10に重ねることで該枠部(印刷部)24を隠して、開口32越しにQRコード10のみを露出させることで、読み取り装置によりQRコード10の領域の確定が可能となる。このため、外部から視認可能でありながら、枠部(印刷部)24を付加することで読み取り不可能にしておいたQRコード10を、枠体(開口担体)30を重ねることで読み取り可能に変えることができる。
【0035】
[第4実施形態]
以下本発明の第4実施形態に係る情報コード担体について、図4を参照して説明する。図3を参照して上述した第3実施形態では、枠部24に枠体30を重ねた。これに対して、第4実施形態では、QRコード10から枠部24が切り離される。
【0036】
図4(A)、図4(B)は、枠部24と同時にQRコード10が基材20に印刷された状態を示している。枠部24内に印刷されることでQRコード10の外縁が不明となって、QRコード10の切り出し(領域の確定)、読み取りが不可能になっている。枠部24とQRコード10との間には、切取線28L、28Dが設けられ、商品購入者が紙等からなる基材20を容易に切断できるようにしている。図4(C)は、QRコード10の外周の枠部24Sが、QRコードを構成するセルと同様に設けられている別例を示している。この別例でも、QRコード10の外縁が不明となって、QRコード10の切り出し(領域の確定)が不可能になっている。枠部24とQRコード10との間には、切断部位を示す三角形の指示表示34が印刷され、商品購入者が紙等からなる基材20を容易に切断できるようにしている。
【0037】
第4実施形態の情報コード担体では、QRコード10と枠部(印刷部)24とが共に紙等の基材(好適には商品の紙パッケージケース)に印刷されている。このため、外部から視認可能でありながら、QRコード10を読み取り不可能な状態にしておける。そして、QRコード10を切取指示(切断線28L、28D、指示表示34)に従い切断することで、枠部(印刷部)24から分離させてQRコード10を読み取り可能に変えることができる。第4実施形態では、1枚の基材20にQRコード10と枠部(印刷部)24とが印刷されているため、1枚の担体でよく、同時に印刷できるので廉価に構成することができる。当該別例は、デザイン上から斬新であるとの利点を備える。
【0038】
[第5実施形態]
以下本発明の第5実施形態に係る情報コード担体について、図5を参照して説明する。上述した第1〜第4実施形態では、QRコードが1個のみ設けられた。これに対して、第5実施形態では、図5に示すようにQRコード10が複数のQRコード10A、10B、10Cからなる。
【0039】
第5実施形態の情報コード担体では、QRコード10Cの位置決めマーク12にのみ枠部24が付加されている。QRコード10が複数のQRコード10A、10B、10Cから構成される際には、全てのQRコード10A、10B、10Cの切り出しができないと、全体のQRコード10の読み出しができない。このため、図5中の例では、複数のQRコード10A、10B、10Cの内の1つのQRコード10Cの位置決めマーク12のマージン部に印刷部24を付加することで、当該QRコード10Cの領域の確定(切り出し)を不可能にし、全体のQRコード10の読み出しを出来なくしてある。そして、該印刷部24を分離することで、当該QRコード10Cの領域の確定が可能となる。このため、外部から視認可能でありながら、少なくとも一つのQRコードに印刷部24を付加することで全体として読み取り不可能にしておいたQRコード10を、印刷部24を分離することで読み取り可能に変えることができる。
【0040】
[第6実施形態]
以下本発明の第6施形態に係る情報コード担体について、図6を参照して説明する。
第6実施形態では、情報コード担体が、QRコード10と印刷部36とが接着面側に印刷された透明な接着シール22から成る。ここで、印刷部36は、QRコード10のセル無しの部位を塗りつぶすセルからなり、QRコード10と印刷部36とは黒又は銀色で印刷されている。そして、接着シール22が基材(被接着面)20から離されると、QRコード10のみが当該被接着面側に残り、読み取り装置で読みとれるようになる。このため、印刷部36を付加することで読み取り不可能にしておいたQRコード10を、読み取り可能に変えることができる。
【0041】
一方、接着シール22が基材(被接着面)20から一旦離されると、例え、接着シール22を再び貼り付けても、被接着面側に残されたQRコード10のセル無しの部位と、接着シール側に残された当該セル無しの部位を印刷した印刷部とを完全に一致させることができず、元の状態に戻すことができない。このため、接着シール22が剥がされたか否かが判別できるので、コンピュータソフトウエア等のパッケージに好適に用いることができる。
【0042】
[第7実施形態]
以下本発明の第7施形態に係る情報コード担体について、図7を参照して説明する。
第7実施形態では、情報コードがバーコード40からなる。バーコード40の図中左端にはスタートマーク40Sが、右端にはエンドマーク40Eが設けられている。図7(A)に示すバーコード40のスタートマーク40Sとエンドマーク40Eに、図7(B)に示すように黒色のシール42を貼ることで当該バーコード40の読み取りを不可能にしている。
【0043】
第7実施形態の情報コード担体では、バーコード40のスタートマーク40Sとエンドマーク40Eに黒色のシール(印刷部)42を付加することで、バーコード40の読み出しを不可能にする。そして、該黒色のシール42を剥離することで、読み取り装置によりバーコード40の読み取りが可能となる。このため、外部から視認可能でありながら、黒色のシール(印刷部)42を付加することで読み取り不可能にしておいたバーコード40を、黒色のシール(印刷部)42を分離することで読み取り可能に変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1(A)は、第1実施形態に係る基材に印刷されたQRコードを示す平面図であり、図1(B)は、該QRコードの読み取りを不可能にする接着シールを表す平面図であり、図1(C)は、図1(A)に示すQRコード上に図1(B)に示す接着シールが張られた状態を示す平面図である。
【図2】図2(A)は、第2実施形態に係る接着シールに印刷されたQRコードを示す平面図であり、図2(B)は、基材に設けられた枠部を示す平面図であり、図2(C)は、図2(B)に示す枠部上に、QRコードを印刷した図2(A)に示す接着シールが張られた状態を示す平面図である。
【図3】図3(A)は第3実施形態に係る枠部内にQRコードが印刷された状態を示す平面図であり、図3(B)は枠体の平面図であり、図3(C)は、図3(A)に示す枠部上に図3(B)に示す枠体が載置された状態を示す平面図である。
【図4】図4(A)、図4(B)、図4(C)は、第4実施形態に係る情報コード担体を示す平面図である。
【図5】第5実施形態に係る情報コード担体を示す平面図である。
【図6】第6実施形態に係る情報コード担体を示す説明図である。
【図7】図7(A)、図7(B)は、第7実施形態に係る情報コード担体の説明図である。
【図8】図8(A)は位置決めマークの走査を説明する説明図であり、図8(B)は位置決めマークの明暗検出パターンを示す波形図である。
【図9】QRコードの切り出し処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0045】
10 QRコード
12 位置決めマーク
14 頂点検出用セル
16 データ領域
18 セル
20 基材
22 シール
24 枠部
26 透明部
28 切取線
30 枠体
32 開口
34 指示表示
36 印刷部
40 バーコード
40S スタートマーク
40E エンドマーク
42 シール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報コード読み取り装置により領域が確定された後に領域内の情報が読み取られる情報コードと、
該情報コードの前記領域の確定を行うための外縁部に付加され、当該情報コードの領域の確定を不可能にする当該情報コードの印刷色と同程度の反射率の印刷部と、を担持した情報コード担体であって、
前記情報コードと前記印刷部とを分離可能とし、該印刷部を分離することで前記情報コード読み取り装置により前記情報コードの領域の確定が可能となるようにしたことを特徴とする情報コード担体。
【請求項2】
前記情報コードは位置決めマークを備える二次元コードであり、
前記印刷部は二次元コードの位置決めマークのマージン部に付加されることを特徴とする請求項1の情報コード担体。
【請求項3】
バーコードからなる情報コードと、
該バーコードのスタートマーク及びエンドマークに付加されバーコードの読み取りを不可能にする当該バーコードの印刷色と同程度の反射率の印刷部と、を担持した情報コード担体であって、
前記バーコードと前記印刷部とを分離可能とし、該印刷部を分離することで前記バーコードの読み取りが可能となるようにしたことを特徴とする情報コード担体。
【請求項4】
前記印刷部が、前記情報コードの印刷された情報コード担体から剥離可能な接着シールに印刷されてなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1の情報コード担体。
【請求項5】
前記情報コードの印刷された情報コード担体が、前記印刷部の印刷された担体から剥離可能な接着シールからなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1の情報コード担体。
【請求項6】
情報コード読み取り装置により領域が確定された後に領域内の情報が読み取られる情報コードと、該情報コードの前記領域の確定を行うための外縁部に付加され、当該情報コードの領域の確定を不可能にする当該情報コードの印刷色と同程度の反射率の印刷部と、が印刷された情報コード担体であって、
前記情報コードの領域に相当する開口を備える開口担体を、前記情報コードに重ねることで該印刷部を隠して前記情報コード読み取り装置により前記情報コードの領域の確定が可能となるようにしたことを特徴とする情報コード担体。
【請求項7】
前記情報コードと印刷部とが共に情報コード担体に印刷されてなり、
該情報コードを印字部から分離するための切取指示が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1の情報コード担体。
【請求項8】
前記二次元コードを複数備え、
複数の二次元コードの内の少なくとも1つの二次元コードの位置決めマークの前記マージン部に前記印刷部を付加したことを特徴とする請求項2の情報コード担体。
【請求項9】
データをセル化し、セルの有る無しで二進情報を表示する情報コードと、前記二次元情報コードのセルの無い部位に設けられる印刷部とが、接着面側に印刷された接着シールから成る情報コード担体であって、
情報コード担体を構成する接着シールが被接着面から剥離されると、前記情報コードが当該被接着面側に残り、前記印刷部が接着シール側に残るように構成されたことを特徴とする情報コード担体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−115105(P2007−115105A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−307082(P2005−307082)
【出願日】平成17年10月21日(2005.10.21)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】