説明

情報保護器及びその製造方法

【解決手段】本発明は、情報保護器及びその製造方法に関し、第1フィルム層;及び入射画像を遮断する遮蔽隔壁が所定の角度で離隔間隔を置いて平行にまたは所定の格子状に繰り返し配列されて形成されるブラインド層を含み、前記遮蔽隔壁は前記第1フィルム層の片面または両面に光吸収性有色インクで繰り返し印刷または転写されてなることを特徴とする。本発明によれば、コンピュータモニタ、現金自動預け払い機、ナビゲーション、携帯電話、PDAなど映像機器の画面に設置するか、建物のガラスなどに設置されて、映像機器の使用者以外の左右上下位置の他人には画面から出力される映像が見えなく、各種の機器及びガラスなどに映る外部光などによって発生する画面の曇り現象と眩しさ現象を防止して画面の映像をより鮮やかにする情報保護器兼有害電磁波遮断器(明細書では「保護器」という)及びその製造方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、正面または所定の角度を除き、モニタなどの表示装置に表示された画像を見ることができないようにした情報保護器に関する。
【0002】
近年、個人用コンピュータの活発な普及とネットワークによる計算機網の構築によって個人及び企業の業務処理が容易になっている。すなわち、使用者はキーボード、マウスなどの入力装置によって所定の情報を入力すれば、結果はモニタに出力される。したがって、個人的な文書を作成したり、図書館で図書資料を閲覧したり、銀行などの金融機関の現金自動預け払い機(ATM)でお金を取り引きしたり、携帯電話やPDAなどで多様な業務処理を行ったりするなど、業務処理は非常に便利になっているのが実情である。
【0003】
しかし、周りに人々がよく往来する状況で、企業や公共機関や個人の重要な情報またはデータを、携帯電話、現金自動預け払い機、PDAなどの各種映像機器で処理したり、ATMでお金を取り引きするためにパスワードなどを入力してモニタに出力したり、あるいは携帯電話で多様な業務処理を行ったりするのは、周辺の人物への情報の露出が気になることである。
【0004】
また、採光と視覚のために、建物などの窓ガラスの面が大きくなるにつれて、視野の確保と採光などを満たしながらも、周辺からプライバシーなどを守る必要が切実に要望されている。
【0005】
したがって、画面に出力された映像が、図5のように使用者には易しく見えるが、画面の周辺に位置する人々の角度では、画面に出力された映像を見ることができないようにする情報保護器の必要性が高まっている。
【0006】
また、このような必要性は、前述した機器の他にも、各種の画面が提供される多様なディスプレイ機器などに同様に適用できる。
【背景技術】
【0007】
従来の保護フィルムにおいては、製造工程で多数枚の透明フィルムに不透明接着性顔料を塗布し、これらを交互に接着する積層工程(別名:重畳工程)の後、切断工程が行われるため、資材の増加及び製造工程の増加が避けられなかった。これにより、保護フィルムの生産性低下と製品価格の上昇をもたらす問題点が発生した。また、透明フィルムに不透明接着性顔料を塗布して交互に接着積層した後に切断する工程で製品の均一性と鮮明性を確保することが非常に難しい問題点があった。
【0008】
従来の保護フィルムの製造方法のうち、金型(金型圧着方法)を用いてフィルムに凹凸格子を形成する方法は金型及びそれに関連した製造設備に莫大な費用が投入されて製品価格が上昇し、物性の弱い薄膜状のフィルムに金型を用いて一定の熱及び圧力で凹凸格子を形成する場合には、亀裂及び撓み現象などのフィルム損傷による鮮明度の低下と亀裂などによって品質の低下を引き起こし、透過画像を遮断して側面から見えないようにする側面保護機能を確保することが非常に難しい問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、正面、あるいは製造時に使用目的、用途及び機器の特性によって設定した所定の角度を除き、対象画面(コンピュータモニタ、一般建物のガラス、携帯電話、現金自動預け払い機、PDAなどを含む)の使用者の周辺角度(斜めな角度)では画面に現れた画像を見ることができないようにした保護器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明による保護器は、第1フィルム層;及び入射画像を遮断する遮蔽隔壁が所定の角度で離隔間隔を置いて平行にまたは所定の格子状に繰り返し配列されて形成されるブラインド層を含み、前記遮蔽隔壁は前記第1フィルム層の片面または両面に光吸収性有色インクで少なくとも1回以上印刷または転写することで形成される。
【0011】
ここで、前記遮蔽隔壁の幅は5〜100μm、高さは10〜250μm、前記遮蔽隔壁間の間隔は20〜185μmであり、前記遮蔽隔壁の幅、高さ及び間隔は光学的相互連動作用によって決定することができる。
【0012】
また、前記第1フィルム層のブラインド層に付着し、前記第1フィルム層を補強する第2フィルム層、または第1フィルム層の前記ブラインド層形成面の反対面に付着して第1フィルム層を補強する第3フィルム層をさらに含むこともできる。
【0013】
本発明による保護器は、前記保護器の画像出射面に直接積層されるか、または結合手段によって離隔して配置される偏光フィルムをさらに含むことができる。
【0014】
本発明に使われる第1フィルム層、第2フィルム層、第3フィルム層、または偏光フィルムの基材は、保護器の製造時に要求される材質、仕様及び成分を有する素材を採択し、保護器の製造時に要求される温度、変形、圧力、湿度、変色などに対する適正の抵抗値を持つポリプロピレンオキシド、ポリイソシアネート、ヒドロキシエチル、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、モノアクリレート、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン、メタクリレート、ポリプロピレン、セルロースアセテートブチルレート(CAB)、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリビニルアルコール(PVA)、アクリレート、プロピレンオキシド、アクリル及びこれらの共重合体、及びガラスから選択された1種または2種以上の成分でなることが好ましい。特に、ポリウレタン成分を含んで弾性が強化した基材は、コンピュータモニタ、携帯電話液晶、現金自動預け払い機の画面、建物のガラスなどのように衝撃に弱くて、損傷する危険に露出されている構造物の外部衝撃とスクラッチなどから液晶と画面を保護することができる。
【0015】
フィルムの厚さは、形成される遮蔽隔壁の幅と高さによって10〜2000μmの範囲で多様に選択することができる。
【0016】
ブラインド層を構成する遮蔽隔壁は、第1フィルム層の両面の同一位置に繰り返し印刷または転写されて互いに重畳するように構成されるか、あるいは第2フィルム層の片面または両面に有色インクを繰り返し印刷または転写して形成されたブラインド層が遮蔽隔壁同士が重畳するように第1フィルム層上のブラインド層と接合される形態に構成できる。
【0017】
本発明によれば、保護器を構成する各フィルムの表面の損傷防止のための保護フィルム(Liner)をさらに含むことができる。
【0018】
遮蔽隔壁15−1または25−1は、十分な遮断性を確保することができるように、高吸光度を有することが好ましい。遮蔽隔壁は画像を遮断することができる有色インクを使い、UVインクや溶剤型インクで形成することができるが、早い硬化のためにはUVインクを使うことが好ましい。
【0019】
一方、遮蔽隔壁を形成する有色インクは顔料と樹脂を含み、溶媒、重合開始剤、粘性改良剤、酸化防止剤、湿潤調剤、分散剤、重合防止剤、増減剤などを選択的に含むことができる。
【0020】
この際、顔料としては有機または無機の顔料または染料を使うことができ、高濃度遮蔽性形成の際には有機顔料を使い、低濃度遮蔽性形成の際には無機顔料を使うことができる。特に、高い光吸収性を有する高濃度の顔料に乱反射を防止することができる低い光吸収性を有する低濃度の顔料を混合して使用する場合、保護フィルムの歪曲した映像出力を遮断して鮮やかな映像を提供することができる。この際、有色インクは粒径が約2nm〜18μmであることが好ましい。
【0021】
また、樹脂の好適な例としては、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、セルロースアセテートブチルレート(CAB)、モノアクリレート、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、ポリカーボネート、プロピレンオキシド、ポリイソシアネート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、またはこれらの共重合体を含むことができる。
【0022】
本発明による保護器は、反射防止被覆層(anti−reflection coating)、静電気及び集塵防止被覆層(anti−static coating)、電磁波遮断被覆層(anti−radiation coating)、紫外線遮断被覆層(UV blocking coating)、スクラッチ防止被覆層、中和フィルター被覆層(neutral density filter coating)、及び線偏光層(Line polarizer)から選択された一つまたは二つ以上の層をさらに含むか、あるいは保護器を構成する一つまたは二つ以上の層が反射防止(anti−reflection)、静電気及び集塵防止(anti−static)、電磁波遮断(anti−radiation)、紫外線遮断(UV blocking)、スクラッチ防止、鮮明度強化、または線偏光(Line polarizer)機能を持つ成分の中で1種または2種以上の成分を含むように構成できる。
【0023】
また、第1フィルム層、第2フィルム層、第3フィルム層、偏光フィルムのいずれか一面には出力映像画面が見えない保護器の上下左右の位置の角度で意図的に見せたいキャラクター、ロゴ、文字などを現す画像表示層を形成することができ、使用者の正面で見るときは画像表示層がよく見えなく、使用者の上下左右側面では鮮やかに見えるように形成することもできる。
【0024】
本発明による保護器は、設置の容易さのために、保護対象画面に随時着脱可能に結合するための結合手段をさらに含むことができる。
【0025】
本発明による保護器の製造方法は、第1フィルム層を準備するステップ;及び前記第1フィルム層の片面または両面に、入射画像を遮断する遮蔽隔壁が所定の角度で離隔間隔を置いて平行にまたは所定の格子状に繰り返し配列されるように、光吸収性有色インクで遮蔽隔壁を繰り返し印刷してブラインド層を形成するステップを含んでなる。
【0026】
印刷ステップは、前記遮蔽隔壁を印刷するための製版用原稿フィルムを作成するステップ;前記製版用原稿フィルムを適用して印刷用製版を作成するステップ;前記印刷用製版を用いて前記第1フィルム層の片面または両面に前記ブラインド層が形成されるように遮蔽隔壁を印刷するステップを含む。
【0027】
前記印刷用製版は、ワンストップロールツーロール製版、印刷電子製版、微細プリンティング製版、PCBスクリーン製版、オフセットプリンティング製版、グラビア製版、ローラー製版、UV用製版、平板用製版、ロータリースクリーン製版、またはディスプレイ用ロール製版であることができ、印刷は、微細精密UV被覆工程、ワンストップロールツーロール工程、印刷電子工程、微細プリンティング工程、平板スクリーン被覆工程、ロールスクリーン工程、PCBスクリーン工程、オフセットプリンティング工程、グラビアプリンティング工程またはローラープリンティング工程によって行うことができる。
【0028】
印刷電子工程及び前記微細プリンティング工程の場合、微細な印刷ノズルで顔料をフィルムに直接塗布することにより、微細な印刷ノズルから噴射された顔料がフィルムの表面に接しても広がらず、顔料のフィルムへの接着力を強化することで、超精密ブラインド層パターンを形成することができる。
【0029】
遮蔽隔壁形成のための印刷工程の実施の際、使用材料の特性などによっては、前記印刷作業環境で温度10〜35℃、湿度15〜65%の範囲を維持し、相対湿度は20〜70Rh%の範囲に作業環境を整備することが好ましい。
【0030】
本発明による保護器製造方法において、フィルムの表面張力を向上するために、構成フィルムに対する下地被覆作業を実施するとよい。
【0031】
液状ウレタン樹脂またはシリカを主成分とする下地被覆物質としてアンカ(anchor)被覆して被覆対象表面の張力を高めるか、コロナ層処理で基材表面をプラズマ処理して表面を改質することにより、被覆対象の表面張力を高めることができる。
【0032】
下地被覆物質は、主成分であるウレタン及びシリカ成分樹脂を10〜60重量%投入し、使用溶剤である、ビメチルホルムアマイド(BMF)、メチルエチルケトン(MEK)及びトルエンのいずれか1種以上を90〜40重量%互いに混合した後、溶解工程を実施し、反応器の温度を10〜30℃の範囲に設定し、ポンプ、モーター及び冷却機を反応器に連結した後、撹拌工程を実施した後、3〜5時間の間に熟成して低粘度の液状に生成して使用する。
【0033】
下地被覆実施工程は、平板シルクスクリーン被覆工程、”ワンストップロールツーロール”被覆工程、気化噴霧被覆工程、グラビア被覆工程、UV被覆工程またはローラー被覆工程を用いることができ、ロール被覆方式または浸漬方式で薄く被覆して被覆対象基材の表面張力を高めることができる。
【0034】
下地被覆層は被覆対象基材の全部または一部分に形成することができ、下地被覆層の強度を所望の強度にするために、条件によって、樹脂成分と溶剤成分のそれぞれを、原料:溶剤=15〜85%:85〜15%の割合にすることで、それぞれを加減して調整できる。
【0035】
本発明による保護器の製造方法は、第2フィルム層、第3フィルム層、偏光フィルム及び保護フィルムの中で一つ以上の層を積層するステップ;前記積層されたフィルム層を乾燥及び硬化するステップ;前記乾燥及び硬化されたフィルム層を冷却するステップ;及び前記冷却されたフィルム層をトムソン加工及び裁断するステップをさらに含むことができる。
【0036】
フィルム層積層ステップにおいて、反射防止被覆層(anti−reflection coating)、静電気及び集塵防止被覆層(anti−static coating)、電磁波遮断被覆層(anti−radiation coating)、紫外線遮断被覆層(UV blocking coating)、スクラッチ防止被覆層、中和フィルター被覆層(neutral density filter coating)、及び線偏光層(Line polarizer)から選択された一つまたは二つ以上の層をさらに含むように積層することができる。
【0037】
また、本発明による保護器の製造方法に使われる光吸収性有色インクが、反射防止(anti−reflection)、静電気及び集塵防止(anti−static)、電磁波遮断(anti−radiation)、紫外線遮断(UV blocking)、スクラッチ防止、鮮明度強化、または線偏光(Line polarizer)の機能を持つ成分の1種または2種以上をさらに含むことができる。
【0038】
また、本発明による保護器の製造方法に、反射防止(anti−reflection)、静電気及び集塵防止(anti−static)、電磁波遮断(anti−radiation)、紫外線遮断(UV blocking)、スクラッチ防止、鮮明度強化、または線偏光(Line polarizer)の機能を持つ2種以上の成分を混合して同時に被覆するか、それぞれを順次被覆するステップをさらに含むこともできる。
【0039】
また、第2フィルム層の表面に、入射画像を遮断する遮蔽隔壁が所定の角度で離隔間隔を置いて平行にまたは所定の格子状に繰り返し配列されるように有色インクでブラインド層を印刷するステップ;及び前記第2フィルム層のブラインド層を遮蔽隔壁同士が重畳するように第1フィルム層のブラインド層と接合するステップをさらに含むことができる。
【0040】
本発明による保護器を製造する他の方法は、入射画像を遮断する遮蔽隔壁を印刷するための製版用原稿フィルムを作成するステップ;前記製版用原稿フィルムを適用して印刷用製版を作成するステップ;前記印刷用製版を用いて基材に遮蔽隔壁を印刷するステップ;及び第1フィルム層の片面または両面に前記基材に形成された遮蔽隔壁を合わせた後、加熱圧着転写して前記第1フィルム層の片面または両面に遮蔽隔壁を形成するステップを含み、前記各ステップを繰り返し行ってブラインド層を形成するステップを含んでなる。
【0041】
前記方法は、第2フィルム層を準備するステップ;前記第2フィルム層の片面または両面に、入射画像を遮断する遮蔽隔壁が前記第1フィルム層に形成された遮蔽隔壁と同一パターンで形成されるように、光吸収性有色インクで遮蔽隔壁を繰り返し転写してブラインド層を形成するステップ;及び前記第2フィルム層の片面または両面に形成されたブラインド層が遮蔽隔壁同士重畳するように前記第1フィルム層上のブラインド層と接合して積層するステップをさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、既存の製品の左右側面において映像が見えない保護機能とは異なり、本発明の保護器は、左右側面はもちろんのこと、上下方向からも映像が見えない機能を付加する。さらに、偏光フィルムを有することによって、偏光フィルムの有益な機能を本発明の保護機能に適用し、画像表示層を有し上下左右側の広範囲で画像を可視化し、保護器の使用の際に有益な各種の付加価置を被覆及び蒸着して光学的品質の向上で鮮やかな映像を提供し、保護器のトムソン加工及び裁断の際、加圧及び加熱式工程を採択して品質向上を実現し、必要によって下地被覆、研磨、冷却、乾燥、硬化の工程を適用することで保護器の多様化を実現した。
【0043】
本発明による保護器のブラインド層形成印刷または転写工程に大面積微細パターン高速印刷及び均質化技術を適用して高縦横比微細パターンを印刷または転写することができ、印刷及び印刷対象フィルムに直接顔料を印刷または転写して顔料のフィルム接着力を強化する一方、顔料がフィルム表面に接触して広がらなく接着及び安着できるようにして所望の超精密パターンの具現を実現し、工程の単純化による製造時間の短縮により生産コストの節減効果を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施例による保護器の構成の断面図である。
【図2】本発明の他の実施例による保護器の構成の断面図である。
【図3】遮蔽隔壁の平行または格子配列形態を示す平面図である。
【図4】本発明の一実施例による保護器の使用状態の斜視図である。
【図5】本発明の保護機能作用原理の例を示す斜視図である。
【図6】本発明の一実施例による保護器製造方法の説明図である。
【図7】本発明の他の実施例による保護器製造方法の説明図である。
【図8】本発明による保護器の遮蔽隔壁の作用の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、添付図面を参照して本発明の各実施例について詳細に説明する。なお、同一構成には同一参照符号を付与する。
【0046】
図1aに示すように、本発明の一実施例による保護器1は、第1フィルム層10と、複数の遮蔽隔壁15−1でなるブラインド層15とから構成される。遮蔽隔壁15−1は、光吸収性の有色インクでなり、同一パターンを同一位置に有色インクを繰り返し印刷または転写することにより、用途に適した高さの遮蔽隔壁を形成することができる。
【0047】
本発明による保護器では、図1aに示すように、第1フィルム層10の面に垂直な形態になるように遮蔽隔壁15−1を構成するか、図1bに示すように、遮蔽隔壁15−1が第1フィルム層10の面に対して所定の角度(α)をなすように構成することで、正面、あるいは使用目的、用途及び適用機器の特性によって設定した所定の角度だけで対象画面が見られるようにすることができる。
【0048】
各遮蔽隔壁15−1は所定の間隔だけ離して上下、左右または対角線などの方向に平行に配列されるか、上下左右または所定の角度を持つ格子状に配列することができる。
【0049】
この際、遮蔽隔壁15−1の幅、高さ、離隔間隔は必要により組み合わせて設定及び調整することができ、前記角度の他にも多様な角度、及びその角度による格子状及び多様な方向に形成することができるのはいうまでもない。
【0050】
例えば、図8に示すように、遮蔽隔壁の幅を10μm、隔壁間の間隔を50μm、高さを180μmで作成する場合、遮蔽隔壁が完全に光を遮蔽すれば、理論上16°の視野角を持つことができる。しかし、遮蔽隔壁が一部の光を遮蔽することができなければ、視野角はより広くなる。
【0051】
遮蔽隔壁15−1は、有色インク(例えば、有色顔料と透明UV樹脂との配合)を印刷または転写する方法で、第1フィルム層10面に形成され、遮蔽隔壁15−1は第1フィルム層10の片面または両面に印刷または転写することができ、第1フィルム層10の両面に遮蔽隔壁15−1が印刷または転写される場合は、図1cに示すように、第1フィルム層10の両面に遮蔽隔壁15−1が同一位置に形成されて、互いに重畳し、これによって高さが伸びるように構成される。図1cに示すように、両面に遮蔽隔壁を形成する場合、各面の遮蔽層の印刷高さを減少することができるので、印刷または転写方式で遮蔽隔壁を形成する場合、保護器の機能をそのまま維持しながら、遮蔽層が崩れる問題点を解消することができる利点がある。
【0052】
第1フィルム層10の片面または両面に印刷される遮蔽隔壁15−1の間の空間は空いている空間として残してもよく、透明物質で満たしてもよい。透明物質で満たされる場合、透明インクで印刷または転写することができる。
【0053】
第1フィルム層10または第2フィルム層20の片面または両面に形成される遮蔽隔壁15−1、25−1は、印刷または転写の後に堅く硬化し、遮蔽隔壁の形成に使われる有色インクによって遮蔽隔壁に接着性が付与されることにより、最小の圧力でも積層が可能なので、他のフィルム層との積層工程において、遮蔽隔壁15−1、25−1の形態が変形されるか崩れる現象は生じない。また、遮蔽隔壁の間に、遮蔽隔壁を形成する方式と同様な方式で透明顔料(一般インクまたはUV顔料)を印刷または転写して透過部15−2、25−2を形成する場合には、遮蔽隔壁の形態の変形を一層小さくすることができる。
【0054】
第1フィルム層10のブラインド層形成面と他面の上には、熱による積層によって、第2フィルム層20、第3フィルム層30または偏光フィルム40が層状に設けられる。図2aに示すように、本発明による保護器は、ブラインド層15に付着して第1フィルム層10を補強する第2フィルム層20をさらに含むことができ、第2フィルム層20の付着のためにブラインド層15と第2フィルム層20の間に接着剤層をさらに付加することもできる。
【0055】
本発明の一実施例によれば、多数の遮蔽隔壁でなるブラインド層は、第1フィルム層10と第2フィルム層20の各層のいずれか一面または両層の各面に形成されることができ、両層の各面に形成された場合、第1フィルム層10上に形成された遮蔽隔壁15−1と第2フィルム層20上に形成された遮蔽隔壁25−1とが互いに重畳することにより印刷が容易になる。この際、第1フィルム層上のブラインド層15と第2フィルム層上のブラインド層25を同一パターンで繰り返し印刷または転写しなければならない(図2b参照)。
【0056】
また、本発明による保護器は、第1フィルム層10のブラインド層15が形成された面の反対面に付着し、第1フィルム層10を補強する第3フィルム層30をさらに含んでもよく、第3フィルム層30の付着のために、第1フィルム層10と第3フィルム層30の間に接着剤層をさらに有してもよい(図2c参照)。
【0057】
本発明による保護器において、第1フィルム層10、第2フィルム層20、または第3フィルム層30の画像表示面に直接重畳して積層されるか、あるいは結合手段45によって離隔して配置される偏光フィルム40をさらに含んでもよい(図2d及び図2e参照)。前記偏光フィルム40はブラインド層を透過した画像をより拡散して透過し、遮蔽隔壁によって透過されなかった遮蔽画像または遮蔽が少ない画像と比較して、より確実に遮断する偏光機能を有し、必要に応じて前記保護器が他の偏光機能を有してもよい。そして、使用用途及び目的によって必要時に偏光フィルムが持っている光の反射及び屈折、光の直進性、反射の法則、光の全反射及び分散、光の偏光、表面反射防止、非偏光を線偏光に変換するなどの機能を一緒に有することができる。
【0058】
保護器の使用者の周りの左右上下側だけで見える画像表示層50を形成する工程において、表示しようとする画像を形成する場合、所望色相の顔料で、ブラインド層の形成のための印刷工程と同様な方法で、第1フィルム層、第2フィルム層、第3フィルム層、または偏光フィルム層のいずれか一層には前記画像層を形成することで、前記保護器を正面で見るときは画像表示層50がよく見えなく、上下左右側では見えるようにする画像表示層50を生成することもできる(図2f)。
【0059】
すなわち、画像表示層50は、表示しようとする画像を所望の色相の顔料で第1フィルム層10、第2フィルム層20、第3フィルム層30、または偏光フィルム40のいずれか一面に印刷または転写して形成することができる。
【0060】
例えば、画像表示層50の形成において、基材(例えば、紙材料)の表面に転写層を生成した後、第1フィルム層10、第2フィルム層20、第3フィルム層30または偏光フィルム層40のいずれか一面に基材に生成された転写層を合わせた後、基材の後面に熱転写機で適正の温度と圧力を加えて基材に形成して画像表示層50を形成することができる。
【0061】
また、ブラインド層15に画像表示層を形成する場合、ブラインド層15に遮蔽隔壁を印刷または転写するとき、遮蔽隔壁の一部分に表示しようとするロゴまたは文字形態の部分を遮蔽膜とは異なる色相のインクで印刷または転写して画像表示層に完成することができる。この場合にも、正面では保護器の遮蔽隔壁と重畳して見えなく、左右上下側で画像表示層は印刷された色相の画像として表示される。
【0062】
また、本発明による保護器のブラインド層15または25は入射画像を遮断する遮蔽隔壁が所定の離隔間隔を置いて平行にまたは所定角度の格子状に繰り返し配列されてなるもので、図3aのような形態に左右に平行に遮蔽隔壁15−1または25−1を形成する場合には、画面の上下方向で画面が見えない効果があり、図3bのように上下に平行に遮蔽隔壁15−1または25−1を形成する場合には、左右方向では画面を見ることができないように設定することができる。この外にも、45°、60°、75°などのように特定角度での接近を防止するために、用途に合う所定の角度を持つように平行な遮蔽隔壁15−1または25−1を構成することもできる。
【0063】
さらに、遮蔽隔壁15−1または25−1は所定の角度で格子状に配列されるように構成されることもできる。図3dに示すように、上下左右90°の格子状に構成されることもでき、図3eのように所定の角度の傾きを持つ格子状に構成することもできる。
【0064】
図3a、図3b及び図3cのように、遮蔽隔壁15−1が平行な形状に配列されるように印刷または転写すると、正面を除いた所定の角度では図5のようにモニタMの画像を容易に見ることができない。また、図3d及び図3eのように、遮蔽隔壁が格子状を持つなら、図5のように正面以外の角度では画像を容易に見ることができなくなる。
【0065】
このように、第1フィルム層10、または第1フィルム層10及び第2フィルム層20に形成されたブラインド層15、25によって、正面でモニタMの画像を見る場合には、画像の広がりや歪曲なしに鮮やかな画面を見ることができるが、モニタMの周辺、つまり上下左右で斜めな角度でモニタMの画像を見る場合には、遮蔽隔壁によって図5に例示するように、画像が遮られることにより、モニタMの画面が見えなくなる。
【0066】
前述した本発明の構成を以下により具体的に整理して説明する。
【0067】
まず、本発明による保護器の製造時に必要な第1、第2及び第3フィルム層と偏光フィルムの基材は、保護器の製造時に必要とする材質、仕様及び成分を有している素材を採択して準備する。この際、前記フィルムの厚さは保護器の使用目的及び用途によって異なるが、通常に10〜2,000μmの範囲にし、必要によって多様な厚さにすることもできる。
【0068】
また、前記フィルム基材の素材は、保護器の製造時に必要とする温度、変形、圧力、湿度、変色などに対する適正抵抗値を有するポリプロピレンオキシド、ポリイソシアネート、ヒドロキシエチル、ポリ塩化ビニル(PVC)[polyvinylchloride]、ポリエチレンテレフタレート(PET)、モノアクリレート、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン[{pu}polyurethane]、ポリカーボネート[{pc}polycarbonate]、ポリエチレン、メタクリレート、ポリプロピレン[polypropylene]、セルロースアセテートブチルレート(CAB)、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリビニルアルコール(PVA)、アクリレート、プロピレンオキシド及びガラス、アクリルまたはこれらの共重合体から1種を選択することが好ましい。
【0069】
一方、前記第1、第2及び第3フィルム層及び偏光フィルムの基材の中でウレタンなど、弾性が強い基材は、コンピュータモニタ、携帯電話液晶、現金自動預け払い機の画面、建物のガラスなどのように衝撃に弱く、損傷の危険に露出されている構造物を、外部衝撃やスクラッチなどから、液晶などの画面を保護する特徴を有する。
【0070】
本発明において、遮蔽隔壁15−1または25−1は十分な遮断性を確保することができるように高い光吸収性を有することが好ましい。遮蔽隔壁は画像を遮断することができる有色インクを使い、UVインクや溶剤型インクで形成することができるが、早い硬化のためにはUVインクを使うことが好ましい。
【0071】
一方、遮蔽隔壁を形成する有色インクは顔料と樹脂を含み、溶媒、重合開始剤、粘性改良剤、酸化防止剤、湿潤剤、分散剤、重合防止剤、増減剤などを必要に応じて選択的に含むことができる。
【0072】
この際、顔料としては有機または無機顔料または染料を使うことができ、高濃度遮蔽性の形成の際には有機顔料を使い、低濃度遮蔽性の形成の際には無機顔料を使うことができる。特に、高濃度の高吸光度を有する顔料に乱反射を防止することができる低濃度の低吸光度を有する顔料を混合して使用する場合、保護フィルムの歪曲した映像出力を遮断して鮮やかな映像を提供することができ、製品の使用条件によって高光吸収性の顔料または低光吸収性の顔料を選択して、単独でまたは混合して使うことができる。この際、有色インクは粒径は、約2nm〜18μmであることが好ましい。
【0073】
また、樹脂の好適な例としては、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、セルロースアセテートブチルレート(CAB)、モノアクリレート、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、ポリカーボネート、プロピレンオキシド、ポリイソシアネート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、またはこれらの共重合体を含むことができる。
【0074】
また、前記有色インクは、印刷時に図面に設計・設定した色相と画像で印刷して、保護器の使用者の正面では現れなくて側面で鮮やかに見える各種のロゴ、キャラクター、画像などを具現するための画像表示層の印刷の際にも使うことができる。
【0075】
本発明による保護器は、該保護器を構成する各フィルム層の損傷防止のために、保護フィルム(Liner)をさらに含むことができる。前記第1フィルム層と第2フィルム層、第3フィルム層、または偏光フィルムのいずれか一面または両面の粘着剤層または前記フィルム表面損傷保護用として、表面保護用保護フィルムを重畳する接合工程において、使用する保護フィルムはPP、PET、PVCの1種を選択してフィルムの表面に2〜30μmの範囲の厚さでPE被覆を行って表面離型処理されたものが好ましい。
【0076】
本発明による保護器の遮蔽隔壁形成用インク印刷、画像表示層のための画像のインク印刷、フィルム積層のための接着剤被覆、結合手段の提供のための粘着剤など、主被覆物質の被覆の際に前記一般材料の材質と成分を使う場合には下地被覆の必要性がないが、特殊な用途、目的または材料の材質及び成分を使う場合には、各材質の化学的成分と特性によって前記使用顔料と接着剤、粘着剤が被覆されたフィルムから離れて脱離する。このため、脱離を防止し、前記フィルムと被覆物質原料とが種類及び化学的成分特性と材質に関係なく、フィルム表面にそれぞれの被覆物質が微粒子で積層されるようにするために、前記主被覆物質被覆工程の前段階で下地被覆(primer coating)工程を実施することができる。
【0077】
液状のウレタン樹脂またはシリカを主成分とする下地被覆物質でアンカ(anchor)被覆を行って、被覆対象の表面張力を高めるか、基材の表面をプラズマ処理で表面改質して、被覆対象の表面張力を高めることができる。
【0078】
前記のような下地被覆物質は、一般に被覆対象フィルムに前記主被覆物質を被覆するとき、材質、成分及び表面状態によって被覆対象フィルムに前記主被覆物質が安定的に定着しない素材で形成されたフィルムに使われ、PET及びPVCなどのフィルム基材は、加工製造の際、樹脂、安定剤、可塑剤、非移行性可塑剤などを使って製造する。加工時に使用された安定剤、可塑剤などが経時変化によって、PET及びPVC、アクリルなどのパネルの表面上に染み出る現象、つまり白色の花粉状の物質が染み出る現象、または油成分の液体として染み出る現象によって表面に被覆された主被覆物質の成分を押し出して脱離するか、前記材質の基材表面が主被覆物質が安定して定着することができない程度の低い表面張力状態による被覆物質の脱離を防止することにより、被覆された主被覆物質が長期間機能を維持するようにしている。
【0079】
このような下地被覆物質は、被覆対象フィルム材質と所望の被覆対象面の表面張力条件によって、主成分であるウレタン及びシリカ成分樹脂を10〜60重量%投入し、使用溶剤であるビメチルホルムアマイド(BMF)、メチルエチルケトン(MEK)またはトルエンを90〜40重量%を、互いにその比率を連動させて混合した後、溶解工程を実施し、反応器の温度を10〜30℃の範囲に設定し、ポンプ、モーター及び冷却機を反応器に接続した後、前記要求条件による圧力で撹拌工程を実施した後、3〜5時間の熟成過程によって前記下地被覆物質を低粘度の液状に生成する。
【0080】
一方、本発明に使われる接着プロセスにおいて、第1、第2及び第3フィルムと偏光フィルムの積層の際に使用する接着剤層はホットメルト系共重合体であり、ホットメルト共重合体の主材料としてエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタンを、ゴムと樹脂はロジン、エステルゴム、テルペン樹脂、クマロン樹脂を、ワックスはパラフィン、マイクロクリスタリンワックスを、可塑剤としてはDBP、塩化ジフェニル、塩化パラフィンを、充填材は炭酸カルシウム、バライタ、タルク、カオリンを、酸化防止剤としてはパラアルキルフェノール類を、製品の使用時に要求される粘着及び接着強度と製造時に必要な粘度条件によって原料と樹脂及びワックスと溶剤をそれぞれ5〜95重量%の範囲の重量で互いに連動して混合した後、溶解工程を実施し、反応器の温度を15〜105℃の範囲に設定し、ポンプ、モーター及び冷却機を反応器に連結した後、前記要求条件による圧力で撹拌工程を実施した後、12〜15時間の範囲で熟成工程を実施することで製造される。
【0081】
前記接着剤及び粘着剤は被覆対象フィルムに対してConformability(屈曲面に対して適合する順応性)/Curling(カーリング、丸まりの防止)条件を有するたホットメルト系粘着剤(Hot Melt Adhesive)またはアクリル系粘着剤(Acrylic Adhesive)で、エマルジョン型(Emulsion Type)を採択することが好ましい。
【0082】
前記保護器を設置対象画面に付着するときに使用する粘着剤100はアクリル系共重合体であり、アクリル系の主成分であるエチルヘキシルアクリレートモノマー、ブチルアクリレート(butylacylate)モノマー、エチルアクリレートモノマー、エチルアセテート(ethylacetate)、メチルメタクリレート(methylmetacrylate)、アクリル酸(acrylic acid)を製品使用時に要求される粘着及び接着強度と製造時に必要な粘度条件によって原料と溶剤をそれぞれ10〜90重量%で互いに連動して混合した後、溶解工程を実施し、反応器の温度を25〜125℃の範囲に設定し、ポンプ、モーター及び冷却機を反応器に接続した後、前記要求条件による圧力で撹拌工程を実施した後、8〜12時間の範囲の熟成過程によって前記アクリル系粘着物質を生成した後、前記保護器に被覆することで、保護器の使用の際、付着対象画面に易しく繰り返し着脱して使用することができる。
【0083】
保護器は、反射防止被覆層(anti−reflection coating)、静電気及び集塵防止被覆層(anti−static coating)、電磁波遮断被覆層(anti−radiation coating)、紫外線遮断被覆層(UV blocking coating)、スクラッチ防止被覆層、中和フィルター被覆層(neutral density filter coating)、及び線偏光層(Line polarizer)から選択された一つまたは二つ以上の層をさらに含むことができる。
【0084】
反射防止用被覆層によって、外部光または室内照明によって反射される光を減少して眩しさを防止することができ、静電気防止用被覆層としては、前記第1、第2、第3フィルムまたは偏光フィルム層のいずれか一面に伝導性高分子及び金属成分が含まれた合成樹脂を被覆するか、静電気防止薄膜フィルムを蒸着することで、静電気を防止し、ほこりが付着する集塵現象を防止することができる。
【0085】
保護器の最内側または最外側のいずれか一面にスクラッチ防止強化被覆を施すことで、保護器のスクラッチ及び損傷を防止し、洗浄の際に布などによるスクラッチなどを生じることなく洗浄することができ、外部の化学的損傷から保護器の損傷を防止することができる。
【0086】
一方、前記スクラッチ防止強化被覆によって低光沢被覆層を含むことで、外部光によって発生する乱反射を防止する保護器を完成することができる。
【0087】
紫外線遮断被覆で人体に有害な紫外線を遮断し、前記電磁波遮断被覆で人体に有害な電磁波を遮断することができ、保護器の光学的特性を阻害しない範囲の超微粒子でなる金属微粒子と微細カーボンペーストの混合の割合と、混合溶剤及び被覆または蒸着厚さを前記保護器のそれぞれの材料成分、特性及び仕様に適するようにし、前記第1、第2及び第3フィルム層または偏光フィルムのいずれか一面に超薄膜を均一に被覆及び蒸着することで、有害電磁波を遮断する保護器を完成することができる。
【0088】
前記中和フィルター被覆層[鮮明度/neutral density filter coating]で鮮明度を高め、前記線偏光(Line polarizer)被覆でフィルムの強度を高め、画面から放出される各種の有害光線を遮断することができ、可視光及び赤外線を調節して鮮やかで柔らかい画面を提供することができる。
【0089】
本発明による保護器の製造工程をより詳細に説明する。
【0090】
遮蔽隔壁生成用の図面を作成する工程において、まず保護器の使用用途及び目的によって本発明による保護器の微細パターンを設計し、及びその製造技術を応用して画像遮蔽隔壁の仕様のうち、遮蔽隔壁の線幅(線太さ)を5〜100μmの範囲にし、遮蔽隔壁の線高さ(厚さ)を10〜250μmの範囲にし、遮蔽隔壁の線間隔(線間の間隔)を20〜185μmの範囲にし、前記線幅と線高さ、線間隔の仕様は互いに連動して数値を調節して前記保護器の光学的特性を満たすパターンを設計した後、図面を作成して遮蔽隔壁の生成のための所定の角度で離隔間隔を置き、左右、または左右および上下に配列された複数の画像遮蔽隔壁を含むように形成することができる。
【0091】
遮蔽隔壁の製版のための原稿フィルムを出力する工程においては、前記図面を基準とし、高機能性出力機を使って前記図面内容を解像度20,000dpi以上にし、線解像度を400線以上で表現し、高密度原稿フィルム(posifilm)(前記遮蔽隔壁設計図面を実現する原稿フィルム)を出力することができる。
【0092】
遮蔽隔壁印刷のための製版を作成する工程においては、前記原稿フィルムを用いて、前記図面の画像遮蔽隔壁仕様である、遮蔽隔壁の線幅(線太さ)を5〜100μmの範囲に、遮蔽隔壁の線高さ(厚さ)を10〜250μmの範囲に、遮蔽隔壁の線間隔(線間の距離)を20〜185μmの範囲にし、前記線幅と線高さと線間隔の仕様を互いに連動する数値にして前記保護器の製版を作成することができる。前記図面による仕様のパターンを反映した超精密遮蔽隔壁形成用ロータリースクリーン用製版、ロール製版、平板用製版、ディスプレイ用ロール製版、微細精密印刷用製版、UV印刷用製版、”ワンストップロールツーロール”製版、印刷電子工程用製版、微細精密プリンティング工程用製版、平板スクリーン用製版、ロールスクリーン用製版、PCBスクリーン用製版、オフセット用製版、グラビア用製版のいずれか一つの製版を選択して、作成する工程で超精密被覆のための特徴を有する製版を使うことができる。
【0093】
ブラインド層の形成のための遮蔽隔壁形成印刷工程において、本発明による保護器の大面積微細パターン高速被覆及び被覆均質化技術(プリンティング工程)を適用して微細パターンを被覆することができる。
【0094】
第1フィルム層または第1フィルム層及び第2フィルム層のいずれかの、一面または両面に前記画像遮蔽隔壁及び接着性生成のための有色インクを被覆する工程において、超精密印刷機械に前記遮蔽隔壁形成用製版を設置し、前記有色インクを投入した後、微細精密印刷工程、UV印刷工程、”ワンストップロールツーロール”印刷工程、印刷電子工程、微細精密プリンティング工程、平板スクリーン工程、ロールスクリーン工程、PCBスクリーン工程、オフセット工程、グラビア工程の中で一つの工程を選択した微細プリンティング工程によって印刷工程を実施することで、第1フィルム層または第2フィルム層に使用条件に合う色相で画像遮蔽隔壁を生成することができる。
【0095】
一方、前記遮蔽隔壁形成印刷工程の実施の際、一般的には必要ではないが、使用材料の特性などによって、必要時に前記印刷作業環境を一般的に常温10〜35℃、湿度15〜65%程度に維持することが好ましく、相対湿度は20〜70Rh%の範囲で作業環境を整備することが好ましい。
【0096】
一方、前記印刷工程において、ノズル印刷機械(インクジェットプリンター)を使ってフィルムに直接顔料を被覆することで、フィルムに対する顔料の接着力を強化し、ノズルから噴射された顔料がフィルムの表面に接して広がらないでそのまま接着して超精密パターンを実現し、工程単純化による生産コストの節減効果を大きくすることができる。
【0097】
さらに他の方法としては、前記有色インクを基材(例えば、紙またはフィルム材料)に印刷して前記遮蔽隔壁を完成した後、第1フィルム層または第1フィルム層及び第2フィルム層のいずれかの、一面または両面に、前記基材に生成された遮蔽隔壁面を合わせた後、基材の後面に熱転写機で適正の温度及び圧力を加えて前記基材に被覆された遮蔽隔壁を第1フィルム層または第1フィルム層及び第2フィルム層のいずれかの、一面または両面に転写した後、前記基材を除去することで、前記遮蔽隔壁を完成することができる。
【0098】
本発明による保護器に各種の有害波遮断などの機能向上、鮮明度強化などのための付加機能を与える工程において、第1フィルム層または第1及び第2フィルム層に印刷される遮蔽隔壁の形成のための有色インクに、付加機能のための顔料及びペースト、サスペンション、ゾルタイプなどを混合して前記ブラインド層の形成印刷と同時に実施することができる。
【0099】
さらに他の方法としては、第1、第2及び第3フィルムの原フィルムの製造の際、前記付加機能のための顔料及びペーストを含んで合成して製造することもできる。
【0100】
さらに他の方法としては、第1、第2及び第3フィルムと偏光フィルムの層のいずれか一面に要求される使用条件に合う前記付加機能のための顔料及びペーストを重複して印刷する工程を実施することもできる。
【0101】
さらに他の方法としては、第1、第2及び第3フィルムと偏光フィルムの層のいずれか一面に要求される使用条件に合う前記付加機能のための顔料及びペーストを重複して蒸着する工程を実施することができる。
【0102】
前記付加機能成分を含む工程は、前記ブラインド層の形成の際に用いた印刷工法と同様な方法で印刷するか、化学的または薄膜フィルム蒸着方法を用いることが好ましい。
【0103】
一方、前記印刷方式において、既存の方式である印刷対象物のいずれか一面のみを被覆する工程を行うローラー機械の性能を改善、発展した形式に開発された、”ワンストップロールツーロール”機械を使用して”ワンストップロールツーロール”工程を実施することにおいて、前記"ワンストップロールツーロール"機械の構成及び工程中の、機械の構成は、”ワンストップロールツーロール”機械の導入部に上部及び下部ローラーが設置され、ローラーの側面または内部に液状保存タンクが設置され、ローラーの外部に微細網点で構成されて所望の被覆の形状及び厚さを具現する製版機が設置され、これに接続されたダクトタイプのコンベヤに熱乾燥及びUV硬化の照射と換気装置が設置され、これに接続されてコンベヤが終わる場所の下部には平板用被覆物が自動で積載される落下積載部が設置され、コンベヤが終わる場所の上部にはロール印刷用被覆物が自動で巻き戻される巻き戻しローラーが設置される。
【0104】
前記”ワンストップロールツーロール”工程は、上部及び下部ローラーの側面または内部の液状保存タンクにペースト及び顔料、接着剤、粘着剤のいずれか1種を注入した後、印刷対象物が製版が設置された上部及び下部ローラーを通過するときに印刷工程を行うことにより、印刷幅と厚さは製版によって調節されるか、二つのローラー間隔と圧力調節及び上部及び下部ローラーのいずれか片面に設置されたナイフカッターと該ローラーとの間隔によって調節できる。
【0105】
印刷対象物をローラーに接続れたダクトタイプの熱乾燥、UV照射及び換気機能を有するコンベヤーを通過して乾燥及び硬化工程を実施した後、コンベヤーの最終部分の下端に連結された印刷対象物積載部に被覆対象物が落下して自動で積載される平板単位印刷方式、またはコンベヤー最終部分の上端に連結された印刷対象物巻き戻しローラーに印刷対象物が自動で巻き戻されるロール単位印刷方式で回収される。
【0106】
前記”ワンストップロールツーロール”機械を使用した”ワンストップロールツーロール”工程は、前記ブラインド層形成被覆、画像表示層被覆、接着剤層被覆、粘着剤層被覆、付加機能層被覆にも同様に適用して生産効率を大くきすることができる。
【0107】
前記”ワンストップロールツーロール”設備を使用して”ワンストップロールツーロール”工程を実施するときの利点は、既存の設備でそれぞれの作業ステップ別に工程を実施するときに比べ、1回の作業で両面被覆または2種の被覆工程を同時に実施することができ、ブラインド層の形成、粘着、接着、画像表示層、付加機能層形成用被覆または下地被覆などの多様な被覆が可能であり、被覆品質の向上と均一性を実現することができ、乾燥及び硬化工程を同時に実施することができ、完成品の巻き戻しローリング作業と積載作業を同時に行うことができ、自動化した設備と工程で作業時間を縮め、作業人員を節減して作業時間を約1/50に短縮し、製造コストを約1/10に低減する生産効率を達成することができる。
【0108】
第1フィルム層10と、第2フィルム層20、第3フィルム層30、偏光フィルム40または保護フィルムとの積層において、前記第1フィルム層10に遮蔽隔壁15−1を含むブラインド層15を形成した後、表面にブラインド層15が形成された第1フィルム層10をそのまま単独で使うことができ(図1参照)、保護器の使用目的及び用途によって、前記第1及び第2フィルム10、20の遮蔽隔壁15−1、25−1を合わせた後、加熱圧着ラミネート機を用いて前記第1及び第2フィルム層10、20に被覆された顔料の成分及び材質に適した適正の温度及び圧力で加熱圧着積層することもできる(図2b)。また、第1フィルム層10の他面に第3フィルム層30または偏光フィルム40を一緒に加熱と加圧の機能を有する加熱圧着ラミネート機を用いて平板積層方式、ローラー積層方式、及び少量生産のためにプレスを用いる手作業積層方式などの多様な方式の中で一つの加熱圧着積層工程を選択して実施することができる。
【0109】
さらに他の方法としては、前記接着剤を第1フィルム層10の一面または第2フィルム層20の一面に塗布した後、第2フィルム層20のみを単独で圧着ラミネート機で積層することもでき(図2a)、また必要に応じて第1フィルム層10の他面に設けられた接着剤層に第3フィルム層(図2c)または偏光フィルムを設けることができる。
【0110】
すなわち、第2及び第3フィルム層20、30または偏光フィルム40は一対で前記第1フィルム層10の両面にそれぞれ設けることもできる。
【0111】
一方、保護器の結合部材として前記第1、第2及び第3フィルム層または偏光フィルム画像入射面に被覆された粘着剤層を保護するための剥離紙を形成し、画像出射面の表面損傷防止のために保護フィルムを積層する保護フィルムを設けることができる。
【0112】
前記積層工程は、圧着ラミネート機能を有する圧着ラミネート機を用いて平板積層方式、ローラー積層方式、少量生産のためにプレスを用いる手作業積層方式などの多様な方式のいずれか一つの工程を選択して実施することができる。
【0113】
また、前記第1または第1及び第2フィルム層の画像遮蔽隔壁の形成の際、前記第1及び第2フィルム層の板面に色相顔料と透明UV接着樹脂を配合被覆して形成された画像遮蔽隔壁顔料の接着成分を活用して、第1及び第2フィルム層に形成された色相顔料接着樹脂画像遮蔽隔壁の第1フィルム層被覆面と第2フィルム層被覆面を圧着積層して完成することができる。
【0114】
また、必要によって第1フィルム層の他面に設けられた接着剤層に第3フィルム層または偏光フィルムを加熱圧着ラミネート機で積層することができる。
【0115】
一方、前記加熱圧着積層工程を実施するために、前記第1、第2及び第3フィルム層と偏光フィルム及び使用顔料、接着剤、粘着剤、樹脂などの成分、材質的特性、及びそれぞれの仕様の特性に適した適切な温度及び時間を設定して実施し、温度は35〜280℃、圧力は22〜110MPaの範囲、1秒〜5分間の圧着を行いながら真空工程を並行して気泡発生を防止した後、前記成分、材質的特性、仕様に適した人工または自然冷却工程を実施することができる。
【0116】
また、前記有色インクの接着性樹脂は前記加熱圧着積層工程の実施中に相手フィルムに一部転移することができる。これによって、結合部材の役目をし、前記有色インクの成分は相手フィルムに一部転移することができる。
【0117】
また、前記それぞれの成分、材質的特性及びそれぞれの仕様の特性に応じて設定した温度、圧力、実行時間及び前記第1、第2及び第3フィルム層と偏光フィルム及び使用顔料、接着剤、粘着剤の相応関係による物性変化によって前記保護器の画面歪曲現象がなくなり、より一層鮮やかな画面を提供することができる。
【0118】
遮蔽隔壁、画像表示層、粘着剤、接着剤被覆とラミネート後の乾燥及び硬化処理工程においては、一般的には別途の特別な乾燥工程が必要ではないが、使用材料による保護器の完璧な品質を維持するために精密な乾燥過程を設けてもよい。このような乾燥過程はフィルムの変形や損傷を防止し、高品質の維持のために、その精密な温度分布が保障されるDigital−PID−Auto Tuningの温度調節方式で実施することができる。
【0119】
前記乾燥過程において、遮蔽隔壁及び画像表示層形成顔料、積層のための接着剤、保護器の結合手段である粘着剤と、第1、第2及び第3フィルム層または偏光フィルムのそれぞれの材質及び成分に適した適正の温度及び時間を適用して、印刷された顔料の流れ及び広がり、飛散現象を防止するために、早い乾燥及び硬化の機能を有する乾燥器でUVなどを照射し、ダクトコンベヤー乾燥方式、熱風及び熱線乾燥方式、熱乾燥方式などの多様な乾燥方法を並行して硬化または乾燥工程を実施することができる。
【0120】
前記乾燥工程は、それぞれの成分比及び周辺の温度及び湿度などの条件によって常温または35〜300℃の温度で1秒〜5分間進むとよい。
【0121】
また、それぞれの原料成分と、これに適した溶剤で溶解して被覆した後、乾燥工程で溶剤を蒸発乾燥することで、それぞれの原料成分が安定的に定着するようにすることができる。
【0122】
一方、取り扱いが難しい材質のフィルムを使う場合に、あるいは被覆塗膜の厚さ形成と顔料の安定的な定着及び保護器光学性の向上のためにUV硬化剤を使うこともできる。
【0123】
この際、UV硬化剤の添加量はフィルム基材と所望の物性によって少しの差があるが、一般的に使用顔料の1〜8重量%の範囲で添加することができる。
【0124】
一般の保護器において、研磨の必要性はないが、特殊用途及び目的または使用フィルムと顔料の成分と材質と光学的特性によって、必要時に前記冷却過程を経た後、前記フィルムと顔料の成分及び材質と被覆成分及び仕様に適した適切な圧力及び仕様で超精密研摩機または超精密ナイフを使って所望の仕様による研磨工程を実施することができる。
【0125】
乾燥及び硬化工程の後、必要時に第1、第2及び第3フィルム層または偏光フィルムと有色顔料または不透明有色インクの材質及び成分と作業場の条件(温度、湿度など)によって適正の温度及び時間を設定して冷却機と除湿機を用いた冷却工程を実施するか、あるいは自然冷却などの工程で冷却過程を実施することができる。
【0126】
また、フィルムと顔料、接着剤、粘着剤などの材質と成分によってそれぞれ適正な温度、圧力及び時間を適用した高機能性加熱及び加圧機能のトムソン機と裁断機を使い、保護器の裁断及びトムソン加工の際に発生する衝撃による保護器の亀裂、破損、撓み現象などによる損傷なしに所望の形態と仕様でトムソン加工及び裁断工程を実施することができる。
【0127】
一方、前記保護器の製造時に使用するそれぞれの材質と成分を一般的な素材でする場合には、一般的な汎用トムソン機または裁断機を使ってトムソン加工及び裁断工程を実施することができる。
【0128】
保護器設置のための結合手段提供工程において、保護器設置のための結合手段としては保護器の一面に塗布された粘着剤を使うことで、保護器の着脱の際、別の着脱媒体なしに長期間繰り返して便利に保護器を設置対象画面に取り付けるか取り外すことだけで、着脱を行うことができる。
【0129】
保護器の一面に結合手段である粘着剤を塗布してモニタMの画面に保護器1を直接取り付けることができる。この場合、ノートブック型コンピュータのモニタM、携帯電話機などに取り付けることが有利であり、ノートブック型コンピュータと携帯電話機の使用のために、モニタM、携帯電話機などの画面を開閉するとき、保護器1の脱着を繰り返す必要がなく、さらに別の着脱手段が必要でない利点がある。
【0130】
この際、前記粘着剤の溶剤成分としては、油性または水性溶剤を採用することができる。
【0131】
また、アクリル系及びウレタン系粘着剤を前記保護器の表面に被覆してから乾燥工程を行って粘着剤成分中の溶剤を蒸発した後、冷却過程を経た後、異物などから粘着物質を保護するために粘着被覆面に保護フィルムを積層処理する工程を実施することができる。
【0132】
一方、保護器取付面に着脱をより容易にし、取り付けの際の気泡の発生を防止するために、第1、第2及び第3フィルム層、偏光フィルムの表面または粘着被覆面にエンボス処理を行うことができる。
【0133】
一方、前記粘着物質が被着物に転移または脱離せず、長期間粘着性を維持するために、粘着剤被覆の前、粘着剤被覆部分に下地被覆を行うことで、保護器の粘着結合手段を提供することもできる。
【0134】
さらに他の方法としては、前記結合手段は、図4に示すように、保護器1が設置されるフレーム61と、フレーム61の一側に連結されてモニタMにかかって保持される結合部材62とから構成することもでき、結合部材62としてはベルクロテープまたは各種のテープなどを用いることができる。
【0135】
一方、モニタMに所定の係止段(図示せず)が形成されるなら、結合部材62をフック状にすることもでき、保護器の構造及び形態を付着対象モニタ前面部の構造及び形態と同一に製造して保護器をモニタ前面部に被せてモニタとの一体感を与えるように構成することもできる。
【0136】
また、本発明による保護器1は、専門洗浄溶剤が必要でなく、水と布だけで掃除可能なイージークリーン(Easy Clean)の効果を提供することができる。
【0137】
前述した内容に基づいて本発明の保護器1及びその製造工程の実施例を簡単に要約して説明すれば次の通りであるが、下記の実施例は本発明の構成に対する理解に役立てるために部分的に要約して説明するもので、本発明が下記の実施例に限定されるものではなく、下記の要約された説明の他に多様な本発明の実施例があることは明らかである。
【0138】
実施例1
まず、本発明による保護器の製造時に必要な原資材、副資材である第1、第2及び第3フィルム層の基材と偏光フィルム基材、遮蔽隔壁生成及び接着性形成のための有色インク、保護器の表面保護用と粘着剤層保護用保護フィルム(Liner)、接着性樹脂と接着剤と粘着剤を準備する。
【0139】
前記原副資材を準備した後、遮蔽隔壁生成用図面を作成し、遮蔽隔壁製版のための原稿フィルムを出力し、遮蔽隔壁印刷のための製版を作成した後、ブラインド層形成のための遮蔽隔壁形成用印刷工程と保護器の左右上下側で見える画像表示層を形成する工程を実施し、保護器に多様で有益な付加機能層を塗布または蒸着した後、第1フィルムと第2フィルムまたは第3フィルム、偏光フィルム、保護フィルム、付加機能層を積層する工程と保護器のトムソン加工及び裁断工程によって本発明の保護器を生産する。
【0140】
実施例2
前記実施例1の工程に加え、偏光フィルム、遮蔽隔壁、画像表示層を粘着剤、接着剤の塗布で積層した後、乾燥及び硬化処理工程を実施し、保護器を設置するための結合手段を有することで本発明の保護器を生産する。
【0141】
実施例3
前記実施例1及び2の工程に加え、被覆面に対する研磨工程と被覆、積層、乾燥及び硬化をした後、冷却工程を実施することで本発明の保護器を生産する。
【0142】
実施例4
所定形態のパターンを持つスクリーンマスクをフレームに固定した後、プラスチック基板をネスト上に固定する。スクリーンメッシュに遮蔽隔壁パターンの形成に必要なインクや顔料がよく塗布されるように適切な位置に高粘度のインクを置き、インクを塗布した後、プラスチックフィルム上に印刷し、印刷されたフィルムを材料の硬化条件に合わせて硬化する。
【0143】
印刷されたフィルムを覆し、精密整列マークを用いてネスト上に固定した後、反対面に印刷及び硬化過程を繰り返し実施する(図6参照)。
【0144】
実施例5
所定形態のパターンを持つスクリーンマスクをフレームに固定した後、プラスチック基板をネスト上に固定する。スクリーンメッシュに遮蔽隔壁パターンの形成に必要なインクや顔料がよく塗布されるように適切な位置に高粘度のインクを置き、インクを塗布した後、プラスチックフィルム上に印刷し、印刷されたフィルムを材料の硬化条件に合わせて硬化する。
【0145】
さらに、他のプラスチック基板をネスト上に固定した後、前記過程を繰り返し実施する。
【0146】
印刷されたフィルムを整列マークを用いて接合する(図7参照)。
【0147】
前記実施例4及び5に説明した工程によって高縦横比のパターンを簡単に作成することができ、多様な材質の基板(ガラス及びプラスチックフィルム)、多様な遮蔽隔壁用インク(有無機材料)を用いて作成することができるという利点を持つ。また、本発明による保護器は、前記スクリーンプリンティングだけでなく、グラビア、グラビアオフセット(ロールツーロール、ロールツープレート)、インクジェットなどの多様な印刷工程によって製造できる。
【0148】
前述した実施例では、保護対象物がコンピュータ用モニタである場合について説明したが、その外にも、保護器はATM(現金自動預け払い機)、携帯電話機、PDAなどの画面にも使うこともでき、建物の窓に適用することもできるのはいうまでもない。
【0149】
本発明による保護器が建物の窓に適用されると、紫外線を遮断する追加の効果を提供することもできる。
【0150】
本発明の範囲は、前述した本発明の内容、技術及び工程、機械、材料などの事項に限定されるものとして解釈及び利用されてはならず、本発明の保護範囲は請求範囲に記載された事項はもちろんのこと、本発明の内容からの応用、改良及び変更は当該技術分野で通常の知識を持った者に自明なものであり、これも本発明の保護範囲に属するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1フィルム層;及び
入射画像を遮断する遮蔽隔壁が所定の角度で離隔間隔を置いて平行にまたは所定の格子状に繰り返し配列されて形成されるブラインド層を含み、
前記遮蔽隔壁は前記第1フィルム層の少なくとも一面に光吸収性有色インクで少なくとも1回以上印刷または転写することで形成されることを特徴とする情報保護器。
【請求項2】
前記遮蔽隔壁の幅は5〜100μm、高さは10〜250μm、前記遮蔽隔壁間の間隔は20〜185μmであることを特徴とする請求項1に記載の情報保護器。
【請求項3】
前記第1フィルム層の両面に前記ブラインド層が形成され、前記遮蔽隔壁が前記第1フィルム層を挟んで同一直線上に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の情報保護器。
【請求項4】
前記第1フィルム層の前記ブラインド層に付着し、前記第1フィルム層を補強する第2フィルム層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の情報保護器。
【請求項5】
前記第1フィルム層の前記ブラインド層形成面の反対面に付着して前記第1フィルム層を補強する第3フィルム層をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の情報保護器。
【請求項6】
前記保護器の画像出射面に直接積層されるか、または結合手段によって離隔配置される偏光フィルムをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の情報保護器。
【請求項7】
前記第1フィルム層、前記第2フィルム層、前記第3フィルム層、または前記偏光フィルムは、ポリプロピレンオキシド、ポリイソシアネート、ヒドロキシエチル、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、モノアクリレート、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン、メタクリレート、ポリプロピレン、セルロースアセテートブチルレート(CAB)、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリビニルアルコール(PVA)、アクリレート、プロピレンオキシド、アクリル及びこれらの共重合体、及びガラスから選択された1種または2種以上の成分でなることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の情報保護器。
【請求項8】
前記第1フィルム層、前記第2フィルム層、前記第3フィルム層、または前記偏光フィルムは、ポリウレタンを含むことを特徴とする請求項7に記載の情報保護器。
【請求項9】
前記第1フィルム層、前記第2フィルム層、前記第3フィルム層、または前記偏光フィルムは、前記遮蔽隔壁の幅と高さによって10〜2000μmの厚さを持つことを特徴とする請求項7に記載の情報保護器。
【請求項10】
前記保護器を構成する少なくとも一層に、使用者が所定視野角内で画像を可視化する画像表示層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の情報保護器。
【請求項11】
前記第2フィルム層の片面または両面に有色インクを印刷または転写して形成された遮蔽隔壁が前記第1フィルム層の遮蔽隔壁と重畳するように、前記第1フィルム層上のブラインド層と接合されたことを特徴とする請求項4に記載の情報保護器。
【請求項12】
前記情報保護器を構成する各フィルム表面の損傷防止のための保護フィルムをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の情報保護器。
【請求項13】
前記有色インクは顔料と樹脂を含み、前記樹脂は、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、セルロースアセテートブチルレート(CAB)、モノアクリレート、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、ポリカーボネート、プロピレンオキシド、ポリイソシアネート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、及びこれらの共重合体から選択された1種または2種以上の成分でなることを特徴とする請求項1に記載の情報保護器。
【請求項14】
前記有色インクはUVインクであることを特徴とする請求項13に記載の情報保護器。
【請求項15】
前記有色インクは2nm〜18μmの粒径を持つことを特徴とする請求項13に記載の情報保護器。
【請求項16】
前記転写は、基材に前記遮蔽隔壁を形成した後、前記第1フィルム層に加熱圧着することで形成されることを特徴とする請求項1に記載の情報保護器。
【請求項17】
反射防止被覆層(anti−reflection coating)、静電気及び集塵防止被覆層(anti−static coating)、電磁波遮断被覆層(anti−radiation coating)、紫外線遮断被覆層(UV blocking coating)、スクラッチ防止被覆層、中和フィルター被覆層(neutral density filter coating)、及び線偏光層(Line polarizer)から選択された一つまたは二つ以上の層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の情報保護器。
【請求項18】
前記情報保護器を構成する一つまたは二つ以上の層が反射防止(anti−reflection)、静電気及び集塵防止(anti−static)、電磁波遮断(anti−radiation)、紫外線遮断(UV blocking)、スクラッチ防止、鮮明度強化、または線偏光(Line polarizer)の機能の一つまたは二つ以上の成分を含むように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の情報保護器。
【請求項19】
保護対象物と着脱可能に結合するための結合手段をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の情報保護器。
【請求項20】
第1フィルム層を準備するステップ;及び
前記第1フィルム層の片面または両面に入射画像を遮断する遮蔽隔壁が所定の角度で離隔間隔を置いて平行にまたは所定の格子状に繰り返し配列されるように、光吸収性有色インクで遮蔽隔壁を繰り返し印刷してブラインド層を形成するステップ;を含むことを特徴とする情報保護器の製造方法。
【請求項21】
第2フィルム層を準備するステップ;
前記第2フィルム層の片面または両面に、入射画像を遮断する遮蔽隔壁が前記第1フィルム層に形成された遮蔽隔壁と同一パターンで形成されるように、光吸収性有色インクで遮蔽隔壁を繰り返し印刷してブラインド層を形成するステップ;及び
前記第2フィルム層の片面または両面に形成されたブラインド層が、遮蔽隔壁同士を重畳するように、前記第1フィルム層上のブラインド層と接合して重畳するステップをさらに含むことを特徴とする請求項20に記載の情報保護器の製造方法。
【請求項22】
前記印刷ステップは、
前記遮蔽隔壁を印刷するための製版用原稿フィルムを作成するステップ;
前記製版用原稿フィルムを適用して印刷用製版を作成するステップ;及び
前記印刷用製版を用いて前記第1フィルム層または第2フィルム層の片面または両面に前記ブラインド層が形成されるように遮蔽隔壁を印刷するステップを含むことを特徴とする、請求項20または21に記載の情報保護器の製造方法。
【請求項23】
前記遮蔽隔壁の製版用原稿フィルムは20,000dpi以上の解像度と線解像度400線以上に作成されることを特徴とする請求項20または21に記載の情報保護器の製造方法。
【請求項24】
前記印刷工程は、微細精密UV印刷工程、ワンストップロールツーロール印刷工程、電子印刷工程、微細プリンティング工程、平板スクリーン印刷工程、ロールスクリーン印刷工程、PCBスクリーン印刷工程、オフセット印刷工程、グラビア印刷工程またはローラー印刷工程によって行われることを特徴とする請求項20または21に記載の情報保護器の製造方法。
【請求項25】
前記電子印刷工程及び前記微細プリンティング工程は、微細な印刷ノズルで顔料をフィルムに直接塗布することによって行われることを特徴とする請求項24に記載の情報保護器の製造方法。
【請求項26】
前記印刷ステップは、10〜35℃の温度及び15〜65%の湿度で行われることを特徴とする請求項20または21に記載の情報保護器の製造方法。
【請求項27】
前記第1フィルム層または第2フィルム層を準備するステップは、ウレタンまたはシリカ成分樹脂10〜60重量%と、ビメチルホルムアマイド(BMF)、メチルエチルケトン(MEK)及びトルエンのいずれか1種以上の成分でなる溶剤40〜90重量%とからなる下地被覆物質でフィルム基材の表面の全体または一部を被覆して、前記フィルム基材の張力を高める下地被覆ステップを含むことを特徴とする請求項20または21に記載の情報保護器の製造方法。
【請求項28】
前記下地被覆ステップは、平板シルクスクリーン被覆工程、ワンストップロールツーロール被覆工程、気化噴霧被覆工程、グラビア被覆工程、UV被覆工程、またはローラー被覆工程によって行われることを特徴とする請求項27に記載の情報保護器の製造方法。
【請求項29】
第3フィルム層、偏光フィルム及び保護フィルムの中で一つ以上の層を積層するステップ;
前記積層されたフィルム層を乾燥及び硬化するステップ;
前記乾燥及び硬化されたフィルム層を冷却するステップ;及び
前記冷却されたフィルム層をトムソン加工及び裁断するステップをさらに含むことを特徴とする請求項20または21に記載の情報保護器の製造方法。
【請求項30】
前記フィルム層積層ステップにおいて、反射防止被覆層(anti−reflection coating)、静電気及び集塵防止被覆層(anti−static coating)、電磁波遮断被覆層(anti−radiation coating)、紫外線遮断被覆層(UV blocking coating)、スクラッチ防止被覆層、中和フィルター被覆層(neutral density filter coating)、及び線偏光層(Line polarizer)よりから選択された一つまたは二つ以上の層をさらに含むように積層することを特徴とする請求項29に記載の情報保護器の製造方法。
【請求項31】
前記光吸収性有色インクが、反射防止(anti−reflection)、静電気及び集塵防止(anti−static)、電磁波遮断(anti−radiation)、紫外線遮断(UV blocking)、スクラッチ防止、鮮明度強化、または線偏光(Line polarizer)の機能を持つ成分の1種または2種以上をさらに含むことを特徴とする請求項20または21に記載の情報保護器の製造方法。
【請求項32】
反射防止(anti−reflection)、静電気及び集塵防止(anti−static)、電磁波遮断(anti−radiation)、紫外線遮断(UV blocking)、スクラッチ防止、鮮明度強化、または線偏光(Line polarizer)の機能を持つ2種以上の成分を混合して同時に被覆するか、または、それぞれを順次被覆するステップをさらに含むことを特徴とする請求項20または21に記載の情報保護器の製造方法。
【請求項33】
入射画像を遮断する遮蔽隔壁を印刷するための製版用原稿フィルムを作成するステップ;
前記製版用原稿フィルムを適用して印刷用製版を作成するステップ;
前記印刷用製版を用いて基材に遮蔽隔壁を被覆するステップ;及び
第1フィルム層の片面または両面に前記基材に形成された遮蔽隔壁を転写した後、加熱圧着することによって、前記第1フィルム層の片面または両面に遮蔽隔壁を形成するステップを含み、
前記各ステップを繰り返し行って、ブラインド層を形成するステップを含むことを特徴とする情報保護器の製造方法。
【請求項34】
第2フィルム層を準備するステップ;
前記第2フィルム層の片面または両面に、入射画像を遮断する遮蔽隔壁が前記第1フィルム層に形成された遮蔽隔壁と同一パターンで形成されるように光吸収性有色インクで遮蔽隔壁を繰り返し転写してブラインド層を形成するステップ;及び
前記第2フィルム層の片面または両面に形成されたブラインド層が遮蔽隔壁同士を重畳するように前記第1フィルム層上のブラインド層と接合して積層するステップをさらに含むことを特徴とする請求項33に記載の情報保護器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−523743(P2012−523743A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−504629(P2012−504629)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【国際出願番号】PCT/KR2010/002259
【国際公開番号】WO2010/120087
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(511245293)エイワケイ インク (1)
【出願人】(511245307)
【Fターム(参考)】