説明

情報処理システム、情報処理装置、情報通信機器、方法、プログラムおよび記録媒体

【課題】複数の情報通信機器で閲覧情報および/または進捗情報の共通使用を可能とする情報処理システム、情報処理装置、情報通信機器、方法、プログラムおよび記録媒体を提供すること。
【解決手段】本発明によれば、1の情報通信機器が実行する電子書籍閲覧プログラムの閲覧情報またはゲームプログラムの進捗情報等のアプリケーション情報を記憶装置に登録させ、別の情報通信機器から前記アプリケーション情報の参照を可能とさせる情報処理装置と、ネットワーク上にある前記情報処理装置にアプリケーション情報を登録し、または参照することのできる情報通信機器と、を含む情報処理システムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報通信機器が使用する情報の共有に関し、より詳細には、同一のアプリケーションを実行できる複数の情報通信機器が、アプリケーションの進捗情報を、機器を超えて共有できる情報処理システム、情報処理装置、情報通信機器、方法、プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話等の情報通信機器は、高度化の一途を辿っている。このような情報通信機器には、電子書籍を閲覧できるものやゲームプログラムを実行できるものがあり、昨今では、特に、可搬性に優れ電子書籍を閲覧できる携帯型の情報通信機器が注目を集めている。
【0003】
このように、電子書籍を閲覧できる携帯型情報通信機器として、Apple社のiPhoneやiPod(登録商標)、iPad(登録商標)、Amazon社のKindle(登録商標)、特許文献1に記載の携帯型情報通信機器等があり、このような携帯型情報通信機器が普及するにつれ、1のユーザが複数の携帯型情報通信機器を有するようになってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−188776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した携帯型情報通信機器や特許文献1に示す従来の携帯型情報通信機器では、ユーザが或る携帯型情報通信機器で設定した電子書籍の表示設定や閲覧進捗情報、ゲームプログラムの設定情報や進捗情報は、その携帯型情報通信機器に固有の情報であり、これらの情報を他の携帯型情報通信機器で使用することができない。このため、ユーザは再度、当該他の携帯型情報通信機器で電子書籍の続きを読んだり、またはゲームの続きをプレイすることができなかった。すなわち、1のユーザによる携帯型情報通信機器の複数保有が拡大するにともない、1の携帯型情報通信機器で設定した閲覧進捗情報やゲームプログラムの設定情報や進捗情報を他の携帯型情報通信機器や据置型の情報通信機器で継続して使用するニーズが、一層高まるものと考えられる。
【0006】
本発明は上記の課題を解決するものであり、複数の携帯型情報通信機器や据置型情報通信機器で閲覧情報および/または進捗情報の共通使用を可能とする情報処理システム、情報処理装置、情報通信機器、方法、プログラムおよび記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明によれば、1の情報通信機器が実行する電子書籍閲覧プログラムの閲覧情報またはゲームプログラムの進捗情報等のアプリケーション情報を記憶装置に登録させ、別の情報通信機器から前記アプリケーション情報の参照を可能とさせる情報処理装置と、ネットワーク上にある前記情報処理装置にアプリケーション情報を登録し、または参照することのできる情報通信機器と、を含む情報処理システムを提供する。これにより、本発明は、複数の情報通信機器で閲覧情報および/または進捗情報の共通使用を可能にする。
【0008】
本発明によれば、複数の情報通信機器で閲覧情報および/または進捗情報の共通使用を可能とする情報処理装置、情報通信機器、方法、プログラムおよび記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態のアプリケーション情報共有システム100を示す図。
【図2】本実施形態のアプリケーション情報管理サーバ130および情報通信機器120aの機能構成200を示す図。
【図3】本実施形態のアプリケーション情報管理サーバアプリケーション情報管理サーバが実行する処理を示すフローチャート。
【図4】本実施形態のアプリケーション情報処理プログラムが実行するユーザ情報の登録処理を示すフローチャート。
【図5】本実施形態のアプリケーション情報処理プログラムが実行するアプリケーション情報の取得処理を示すフローチャート。
【図6】本実施形態のアプリケーション情報処理プログラムが実行するアプリケーション情報の登録処理を示すフローチャート。
【図7】本実施形態のアプリケーション情報管理サーバ130のユーザ情報データベース240に登録されるデータテーブル700を示す図。
【図8】本実施形態の情報通信機器に表示されるユーザ登録画面を示す図。
【図9】本実施形態の情報通信機器に表示されるアプリケーション情報取得画面およびアプリケーション情報登録画面を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について実施形態をもって説明するが、本発明は、後述する実施形態に限定されるものではない。
【0011】
図1は、本実施形態のアプリケーション情報共有システム100を示す図である。アプリケーション情報共有システム100は、アプリケーション情報を処理するシステムであり、ネットワーク110と、情報通信機器120a、120b、120cと、アプリケーション情報管理サーバ130と、携帯電話基地局140と、無線LAN通信基地局150とを含んで構成されている。
【0012】
情報通信機器120a、120bは、無線機能を備えた携帯可能な情報通信機器である。情報通信機器120a、120bは、電子書籍の閲覧やゲームの実行、動画の再生が可能な情報通信機器であり、電子書籍の閲覧情報(例えば、電子書籍の現在の閲覧ページ、閲覧ページの表示率、閲覧ページのハイライト表示等のマーキング情報等)、ゲームの進捗情報(例えば、ゲームのステージ等の進捗情報、ゲームキャラクタの装備や経験値等の属性情報等)または動画再生プログラムが再生したコンテンツの進捗情報(例えば、シーン番号や停止されたシーンを特定する時間情報等)などの進捗情報(以下、当該閲覧情報および進捗情報をアプリケーション情報として参照する。)をアプリケーション情報管理サーバ130に送信し、またはアプリケーション情報管理サーバ130から受信する。
【0013】
情報通信機器120aは、携帯電話基地局140を介した無線通信が可能な携帯型情報通信機器であり、ネットワーク110を介して携帯電話基地局140と接続されたアプリケーション情報管理サーバ130とデータ通信を行うことができる。本実施形態では、情報通信機器120aとしてApple社のiPhone等の電子書籍の閲覧やゲームの実行、動画再生が可能な携帯電話や、Amazon社のKindle(登録商標)等の電子書籍リーダ等の携帯型情報通信機器を採用することができる。
【0014】
情報通信機器120bは、無線LAN通信基地局150を介した、Wi−Fi(Wireless Fidelity)やBluetooth等の無線LAN通信が可能な携帯型情報通信機器であり、ネットワーク110を介して携帯電話基地局140と接続されたアプリケーション情報管理サーバ130とデータ通信を行うことができる。本実施形態では、情報通信機器120bとして、Apple社のiPad(登録商標)やiPod(登録商標)等の電子書籍を閲覧や動画再生が可能な携帯型情報通信機器、NintendoDS(登録商標)やPlay Station Portable(登録商標)等の携帯型のゲーム機器等を採用することができる。
【0015】
情報通信機器120cは、据置型のゲーム機器であり、ネットワーク110を介してアプリケーション情報管理サーバ130とデータ通信を行うことができる。本実施形態では、情報通信機器120cとして、Play Station(登録商標)やWii(登録商標)等の据置型のゲーム機器を採用することができる。他の実施形態では、情報通信機器120cは、無線LAN通信機能を備えて、アプリケーション情報管理サーバ130と無線通信によるデータ通信を行うようにしてもよい。
【0016】
アプリケーション情報管理サーバ130は、情報通信機器のアプリケーション情報を管理する情報処理装置である。アプリケーション情報管理サーバ130は、情報通信機器120a、120b、120cからユーザ登録要求に応じて、アプリケーション情報共有システム100を利用するユーザの登録を行う。また、アプリケーション情報管理サーバ130は、登録されたユーザの情報通信機器に対して、情報通信機器が有するアプリケーション情報を、ネットワーク110を介して提供する。
【0017】
アプリケーション情報管理サーバ130は、PENTIUM(登録商標)プロセッサまたは互換プロセッサを搭載し、WINDOWS(登録商標)シリーズ、MAC(登録商標)OS、UNIX(登録商標)、LINUX(登録商標)などのOSの管理下で、アセンブラ、C、C++、Java(登録商標)、JavaScript(登録商標)、PERL、RUBY、PYTHONなどのプログラム言語で記述された本発明のプログラムを実行する。また、アプリケーション情報管理サーバ130は、本発明のプログラムを実行するための実行空間を提供するRAM、プログラムやデータなどを持続的に保持するためのハードディスク装置(HDD)などを含んでおり、本発明のプログラムを実行することにより、本実施形態の各機能手段をアプリケーション情報管理サーバ上に実現する。
【0018】
本実施形態の各機能手段は、上述したプログラミング言語などで記述された装置実行可能なプログラムにより実現でき、本発明のプログラムは、ハードディスク装置、CD−ROM、MO、フレキシブルディスク、EEPROM、EPROMなどの装置可読な記録媒体に格納して頒布することができ、また他装置が可能な形式でネットワークを介して伝送することができる。
【0019】
図2は、本実施形態のアプリケーション情報管理サーバおよび情報通信機器の機能構成200を示す図である。以下、図2を参照して、アプリケーション情報管理サーバ130および情報通信機器120aの機能構成について説明する。なお、情報通信機器120bおよび120cは、情報通信機器120aと同様の構成を有するため、以下、説明を省略する。
【0020】
情報通信機器120aは、通信部210と、アプリケーション情報処理プログラム212と、記憶装置226とを含む。通信部210は、情報通信機器120aとアプリケーション情報管理サーバ130との間で通信されるデータを処理する機能手段である。通信部210は、アプリケーション情報処理プログラム212から受領したデータをアプリケーション情報管理サーバ130に送信するとともに、アプリケーション情報管理サーバ130から受信したデータをアプリケーション情報処理プログラム212に渡す。
【0021】
アプリケーション情報処理プログラム212は、情報通信機器120aにインストールされた電子書籍閲覧ソフトやゲームソフト等の上位のアプリケーションプログラムが処理する進捗情報および/または閲覧情報を処理するプログラムである。アプリケーション情報処理プログラム212は、当該アプリケーションプログラムに組み込まれたプログラムであり、当該アプリケーションプログラムの起動に伴い、情報通信機器のRAMに展開される。アプリケーション情報処理プログラム212は、制御部214と、ユーザ情報登録部216と、アプリケーション情報取得部218と、アプリケーション情報登録部220と、アプリケーション情報保存部222と、画面表示部224とを含んでいる。
【0022】
制御部214は、アプリケーション情報処理プログラム212の全体制御を行う機能手段である。制御部214は、後述する機能手段を適宜呼び出して、各処理を実行させる。
【0023】
ユーザ情報登録部216は、ユーザ情報をアプリケーション情報管理サーバ130に登録させる機能手段である。ユーザ情報登録部216は、ユーザ情報の入力画面を表示画面に表示させ、ユーザが入力したユーザID、パスワードおよび情報通信機器を固有に識別する情報(以下、情報通信機器識別情報として参照する。)をアプリケーション情報管理サーバ130に送信して登録させる。本実施形態では、ユーザIDやパスワードは、任意の文字列、数字列および/またはこれらの組み合わせを採用することができる。また、情報通信機器情報として、情報通信機器の個体識別番号やUIMカード等が保持する製造番号等を採用することができる。
【0024】
アプリケーション情報取得部218は、アプリケーション情報管理サーバ130からアプリケーション情報を取得する機能手段である。アプリケーション情報取得部218は、上位アプリケーションが表示するコンテンツを識別するコンテンツ識別情報または上位アプリケーション自体を識別するアプリケーション識別情報を使用して、取得すべきアプリケーション情報を指定する。本実施形態では、アプリケーション情報取得部218は、アプリケーション情報処理プログラム212が組み込まれた上位アプリケーションである電子文書閲覧プログラムが閲覧する電子文書名および当該電子文書閲覧プログラム名または電子書籍名のみを使用してコンテンツ識別情報を生成することができる。また、上位アプリケーションであるゲームプログラムが実行するゲームプログラム名を使用して、アプリケーション識別情報を生成する。
【0025】
アプリケーション情報登録部220は、アプリケーション情報をアプリケーション情報管理サーバ130に登録させる機能手段である。本実施形態では、アプリケーション情報登録部220は、アプリケーション情報処理プログラム212が組み込まれた電子文書閲覧プログラムまたはゲームプログラムが参照するアプリケーション情報の記憶領域からアプリケーション情報を取得する。アプリケーション情報登録部220は、上位アプリケーションがアプリケーション情報を保存する記憶装置226内の所定の記憶領域を示す指定情報を参照して、アクセスすべき記憶領域を判断することができる。
【0026】
アプリケーション情報登録部220は、アプリケーション情報をアプリケーション情報管理サーバ130に登録する場合、上述したコンテンツ識別情報またはアプリケーション識別情報を生成する。そして、アプリケーション情報とともに当該コンテンツ識別情報またはアプリケーション識別情報をアプリケーション情報管理サーバ130に送信して登録させる。
【0027】
本実施形態では、アプリケーション情報登録部220は、上位アプリケーションが記憶装置226に保存したアプリケーション情報をそのままアプリケーション情報管理サーバ130に登録させることができる。また、他の実施形態では、アプリケーション情報が動画の進捗情報である場合、アプリケーション情報登録部220は、停止されたシーンから一定時間前(例えば、1分前や30秒前等)のシーンの時間や、停止されたシーンのチャプターの開始時間を進捗情報として登録することができる。
【0028】
また、本実施形態では、ネットワーク110を介して通信されるアプリケーション情報は、種々の暗号化技術を使用して暗号化することができ、アプリケーション情報登録部220は、アプリケーション情報を暗号化してアプリケーション情報管理サーバ130に送信し、登録させることができる。
【0029】
アプリケーション情報保存部222は、アプリケーション情報管理サーバ130から取得したアプリケーション情報を、情報通信機器の記憶装置226に保存する機能手段である。本実施形態では、アプリケーション情報保存部222は、アプリケーション情報処理プログラム212が組み込まれた電子文書閲覧プログラムまたはゲームプログラムが参照するアプリケーション情報の記憶領域に、アプリケーション情報管理サーバ130から受信したアプリケーション情報を保存する。アプリケーション情報保存部222は、上述したアプリケーション情報が保存される記憶領域の指定情報を使用して、アクセスすべき記憶領域を判断することができる。また、本実施形態では、アプリケーション情報管理サーバ130から受信したアプリケーション情報が暗号化されている場合、アプリケーション情報保存部222は、種々の復号技術を用いて、暗号化されたアプリケーション情報を復号して記憶装置226に保存することができる。
【0030】
画面表示部224は、情報通信機器120aの表示装置に種々の入力画面を表示させる機能手段である。本実施形態では、入力画面を構成するデータは、アプリケーション情報処理プログラムの実行時に情報通信機器のRAMに展開され、画面表示部224は適宜、当該構成データを使用して入力画面を表示させることができる。
【0031】
アプリケーション情報管理サーバ130は、通信部230と、制御部232と、ユーザ情報登録部234と、アプリケーション情報処理部236と、ユーザ情報データベース240と、記憶装置242とを含んで構成されている。
【0032】
通信部230は、情報通信機器120aとアプリケーション情報管理サーバ130との間で通信されるデータを処理する機能手段である。通信部230は、制御部232から受領したデータを情報通信機器120aに送信するとともに、情報通信機器120aから受信したデータを制御部232に渡す。
【0033】
制御部232は、アプリケーション情報管理サーバ130のユーザ情報およびアプリケーション情報の処理を制御する機能手段である。制御部232は、後述する機能手段を適宜呼び出して、各処理を実行させる。
【0034】
ユーザ情報登録部234は、情報通信機器120aから受信したユーザ情報をユーザ情報データベース240に登録する機能手段である。ユーザ情報登録部234は、情報通信機器120aからユーザ情報の登録要求を受信すると、当該登録要求と共に受信したユーザ情報をユーザ情報データベース240に登録する。なお、ユーザ情報データベース240については、図7を参照して、より詳細に説明する。
【0035】
アプリケーション情報処理部236は、情報通信機器120aの要求に応じて、記憶装置242からアプリケーション情報を情報通信機器120aに送信し、または情報通信機器120aから受信したアプリケーション情報を記憶装置242に登録する機能手段である。
【0036】
図3は、本実施形態のアプリケーション情報管理サーバが実行する処理を示すフローチャートである。図3の処理は、ステップS300で情報通信機器から要求を受信したことにより開始し、ステップS301で、制御部232が要求の種別を判断する。ステップS301の判定で要求の種別がユーザ情報の登録要求であると判断した場合には、処理をステップS302に分岐させる。
【0037】
ステップS302では、制御部232は、当該登録要求がユーザ情報の新規登録であるか否か判断し、新規登録である場合には(yes)、処理をステップS303に分岐させる。本実施形態では、ユーザ情報の登録要求には、ユーザ情報の新規登録要求および追加登録要求が含まれ、制御部232は、これらの登録要求を用いて要求種別を判断することができる。
【0038】
ステップS303では、制御部232がユーザ情報登録部234を呼び出し、ユーザ情報登録部234は、情報通信機器から受信したユーザ情報をユーザ情報データベース240に新たに登録する。一方、ステップS302の判定でユーザ情報の追加登録要求であると判断した場合には(no)、処理をステップS304に分岐させ、ステップS304では、制御部232がユーザ情報登録部234を呼び出し、ユーザ情報登録部234は、情報通信機器から受信したユーザ情報に含まれるユーザIDおよび/またはパスワードを使用して、ユーザ情報データベース240の該当する入力フィールドに情報通信機器識別情報を追加登録し、ステップS309で処理が終了する。
【0039】
一方、ステップS301の判定で要求の種別がアプリケーション情報の取得要求であると判断した場合には、制御部232はアプリケーション情報処理部236を呼び出す。ステップS305では、アプリケーション情報処理部236は、ユーザ情報データベース240を参照し、情報通信機器からアプリケーション情報の取得要求と共に受信した情報通信機器識別情報と、アプリケーション情報処理プログラム212が組み込まれた上位アプリケーションを固有に識別するアプリケーション識別情報または当該上位アプリケーションが閲覧する電子書籍等のコンテンツを固有に識別するコンテンツ識別情報とを使用して、取得すべきアプリケーション情報のアプリケーション情報識別情報を特定する。ステップS306では、アプリケーション情報処理部236は、ステップS305で特定したアプリケーション情報識別情報を使用して、記憶装置242からアプリケーション情報を取得し、取得要求を発行した情報通信機器に送信し、ステップS309で処理が終了する。
【0040】
一方、ステップS301の判定で要求の種別がアプリケーション情報の登録要求であると判断した場合には、制御部232はアプリケーション情報処理部236を呼び出す。ステップS307では、アプリケーション情報処理部236は、情報通信機器からアプリケーション情報の登録要求と共に受信したアプリケーション識別情報またはコンテンツ識別情報を使用して、アプリケーション情報識別情報を作成し、当該要求と共に受信した情報通信機器識別情報、当該アプリケーション識別情報またはコンテンツ識別情報、およびアプリケーション情報識別情報とを関連付けてユーザ情報データベース240に登録する。ステップS308では、アプリケーション情報処理部236は、当該登録要求と共に受信したアプリケーション情報を記憶装置242に保存し、ステップS309で処理が終了する。
【0041】
図4は、本実施形態のアプリケーション情報処理プログラムが実行するユーザ情報の登録処理を示すフローチャートである。本実施形態では、図4の処理は、アプリケーション情報処理プログラム212が組み込まれた上位アプリケーションが情報通信機器によって初めて呼び出されたときに実行される。以下、図4を参照してユーザ情報の登録処理について説明する。
【0042】
図4の処理は、ステップS400から開始し、ステップS401でアプリケーション情報処理プログラム212の制御部214がユーザ情報登録部216を呼び出し、ユーザ情報登録部216が、ユーザ登録画面を情報通信機器の表示画面に表示する。ステップS402では、ユーザ情報登録部216は、ユーザ情報の新規登録か否か判断し、新規登録である場合には処理をステップS403に分岐させる。
【0043】
ステップS403では、ユーザ情報登録部216は、ユーザ情報が入力されたか否か判断し、入力されていない場合には(no)、ステップS403の処理を反復させる。一方、ユーザ情報が入力された場合には(yes)、処理をステップS404に分岐させ、ユーザ情報登録部216は、情報通信機器の情報通信機器識別情報を取得する。ステップS405では、ユーザ情報登録部216は、ユーザ情報の新規登録要求と共に、ユーザ情報として入力されたユーザIDおよびパスワードと、情報通信機器識別情報とをアプリケーション情報管理サーバ130に送信し、ステップS409で処理が終了する。
【0044】
一方、ステップS402の判定でユーザ情報の追加登録と判断した場合には(no)、処理をステップS406に分岐させる。ステップS406では、ユーザ情報登録部216は、ユーザ情報が入力されたか否か判断し、入力されていない場合には(no)、ステップS406の処理を反復させる。一方、ユーザ情報が入力された場合には(yes)、処理をステップS407に分岐させ、ユーザ情報登録部216は、情報通信機器の情報通信機器識別情報を取得する。ステップS408では、ユーザ情報登録部216は、ユーザ情報の追加登録要求と共に、ユーザ情報として入力されたユーザIDおよびパスワードと、情報通信機器識別情報とをアプリケーション情報管理サーバ130に送信し、ステップS409で処理が終了する。
【0045】
図5は、本実施形態のアプリケーション情報処理プログラムが実行するアプリケーション情報の取得処理を示すフローチャートである。以下、図5を参照してアプリケーション情報の取得処理について説明する。
【0046】
図5の処理は、ステップS500でアプリケーション情報処理プログラム212が組み込まれた上位アプリケーションの起動時にアプリケーション情報処理プログラムが呼び出されることにより開始する。ステップS501では、アプリケーション情報処理プログラム212の制御部214がアプリケーション情報取得部218を呼び出す。そして、アプリケーション情報取得部218は画面表示部224を呼び出し、画面表示部224がアプリケーション情報取得画面を情報通信機器の表示画面に表示させる。
【0047】
ステップS502では、アプリケーション情報取得部218は、ユーザがアプリケーション情報取得画面を使用して発行したアプリケーション情報の取得指示を受領したか否か判断する。アプリケーション情報を取得しない旨の指示を受領した場合には(no)、処理をステップS506に分岐して終了させる。一方、アプリケーション情報の取得指示を受領した場合には(yes)、処理をステップS503に分岐させる。
【0048】
ステップS503では、アプリケーション情報取得部218は、コンテンツ識別情報またはアプリケーション識別情報を生成する。そして、アプリケーション情報の取得要求とともに、コンテンツ識別情報またはアプリケーション識別情報、および情報通信機器識別情報をアプリケーション情報管理サーバ130に送信する。ステップS504では、アプリケーション情報取得部218は、アプリケーション情報を受信したか否か判断し、受信していない場合には(no)、ステップS504の処理を反復させる。一方、アプリケーション情報を受信した場合には(yes)、処理をステップS505に分岐させる。ステップS505では、アプリケーション情報取得部218はアプリケーション情報保存部222を呼び出し、アプリケーション情報保存部222が、当該アプリケーション情報を記憶装置226に保存し、ステップS506で処理を終了する。
【0049】
図6は、本実施形態のアプリケーション情報処理プログラムが実行するアプリケーション情報の登録処理を示すフローチャートである。以下、図6を参照してアプリケーション情報の登録処理について説明する。
【0050】
図6の処理は、ステップS600でアプリケーション情報処理プログラム212が組み込まれた上位アプリケーションの終了時にアプリケーション情報処理プログラムが呼び出されることにより開始する。ステップS601では、アプリケーション情報処理プログラム212の制御部214がアプリケーション情報登録部220を呼び出し、さらに、アプリケーション情報登録部220が画面表示部224を呼び出し、アプリケーション情報登録画面を情報通信機器の表示画面に表示させる。
【0051】
ステップS602では、アプリケーション情報登録部220は、ユーザがアプリケーション情報登録画面を使用して発行したアプリケーション情報の登録指示を受領したか否か判断する。アプリケーション情報を登録しない旨の指示を受領した場合には(no)、処理をステップS604に分岐して終了させる。一方、アプリケーション情報の登録指示を受領した場合には(yes)、処理をステップS603に分岐させる。
【0052】
ステップS603では、アプリケーション情報登録部220は、上位アプリケーションが記憶装置226に登録したアプリケーション情報を取得する。ステップS604では、アプリケーション情報登録部220は、コンテンツ識別情報またはアプリケーション識別情報を生成する。本実施形態では、コンテンツ識別情報は、上位アプリケーションである電子書籍閲覧プログラムが閲覧したコンテンツの名称等を使用して作成することができる。また、アプリケーション識別情報は、上位アプリケーションであるゲームプログラムの名称等を使用して作成することができる。
【0053】
ステップS605では、アプリケーション情報登録要求とともに、当該コンテンツ識別情報またはアプリケーション識別情報、情報通信機器識別情報、およびステップS603で取得したアプリケーション情報をアプリケーション情報管理サーバ130に送信し、ステップS606で処理が終了する。
【0054】
図7は、本実施形態のアプリケーション情報管理サーバ130のユーザ情報データベース240に登録されるデータテーブル700を示す図である。以下、図7を参照してデータテーブル700について説明する。
【0055】
データテーブル700は、ユーザID710と、パスワード712と、情報通信機器識別情報714と、コンテンツ識別情報またはアプリケーション識別情報716と、アプリケーション情報識別情報718とが関連付けて登録される。ユーザID710には、図3および図4を参照して説明したユーザ登録処理により登録されたユーザ識別情報が登録される。図7に示す実施形態では、ユーザIDとして「user_id_abc」等が登録されているが、ユーザを一意に識別できる限り、いずれの文字列や数字列、これらの結合をユーザIDとして使用することができる。パスワード712には、図3および図4を参照して説明したユーザ登録処理により登録されたパスワードが登録される。図7に示す実施形態では、パスワードとして「abc1234」等が登録されているが、任意の文字列や数字列、これらの結合をパスワードとして使用することができる。
【0056】
情報通信機器識別情報714には、情報通信機器から受信した情報通信機器識別情報が登録される。情報通信機器識別情報714には、同一のユーザが使用する複数の情報通信機器の識別情報を登録することができる。本実施形態では、情報通信機器情報として、情報通信機器の個体識別番号やUIMカードが保持する製造番号等の識別情報を採用することができる。その他、情報通信機器を固有に識別できる限り、いかなる識別情報を採用してもよい。
【0057】
コンテンツ識別情報またはアプリケーション識別情報716には、アプリケーション情報処理プログラム212が組み込まれた上位アプリケーションが閲覧する電子書籍や上位アプリケーション自体を特定するコンテンツ識別情報またはアプリケーション識別情報が登録される。本実施形態では、アプリケーション情報処理プログラム212により、上位アプリケーションである電子文書閲覧プログラムが閲覧する電子文書名および当該電子文書閲覧プログラム名を使用してコンテンツ識別情報が生成される。これにより、同一の情報通信機器で複数の電子文書閲覧プログラムを使用して同一のコンテンツを閲覧した場合にも、電子文書閲覧プログラム毎に異なるアプリケーション情報を取得または登録が可能となる。また、電子文書名のみを使用してコンテンツ識別情報を生成することもできる。これにより、異なる電子書籍閲覧プログラムで同一のアプリケーション情報を使用することができる。さらに、上位アプリケーションであるゲームプログラムが実行するゲームプログラム名を使用してアプリケーション識別情報が生成される。
【0058】
アプリケーション情報識別情報718には、アプリケーション情報管理サーバ130に登録されたアプリケーション情報のアプリケーション情報識別情報が登録される。図7に示すように、アプリケーション情報識別情報は、コンテンツ識別情報またはアプリケーション識別情報と関連付けて登録される。
【0059】
本実施形態では、1のユーザに対して複数の情報通信機器識別情報を登録することができ、当該情報通信機器識別情報に関連付けて、アプリケーション情報識別情報を登録することができる。これにより、1のユーザが異なる情報通信機器で共通のアプリケーション情報を使用することができる。
【0060】
図8は、本実施形態の情報通信機器に表示されるユーザ登録画面を示す図である。以下、図4を参照して説明したユーザ情報の登録処理で表示するユーザ登録画面810,820について説明する。
【0061】
ユーザ登録画面810は、ユーザ情報の新規登録または追加登録であるかを指定するGUIである。ユーザ情報の新規登録であることを通知する「新規登録」ボタン812と、ユーザ情報の追加登録であることを通知する「追加登録」ボタン814とを含んで構成されている。「新規登録」ボタン812は、ユーザが本システムを初めて利用する場合に押下すべきボタンである。一方、「追加登録」ボタン814は、既に本システムで登録したユーザが、別の情報通信機器でアプリケーション情報処理プログラム212を使用する場合に押下すべきボタンである。本実施形態では、「新規登録」ボタン812または「追加登録」ボタン814のいずれか一方が押下されると、ユーザ登録画面820が表示される。
【0062】
ユーザ登録画面820は、ユーザ情報を入力するGUIである。ユーザ登録画面820は、ユーザIDおよびパスワードを入力するボックス822、824を含んでおり、当該ボックスにユーザIDおよびパスワードを入力して「登録」ボタン826を押下することにより、当該ユーザIDおよびパスワードがアプリケーション情報管理サーバ130に送信される。
【0063】
図9は、本実施形態の情報通信機器に表示されるアプリケーション情報取得画面およびアプリケーション情報登録画面を示す図である。以下、図5を参照して説明したアプリケーション情報の取得処理で表示するアプリケーション情報取得画面910、および図6を参照して説明したアプリケーション情報の登録処理で表示するアプリケーション情報登録画面920について説明する。
【0064】
アプリケーション情報取得画面910は、アプリケーション情報管理サーバ130に登録されたアプリケーション情報を取得するか否かを指定するGUIである。アプリケーション情報取得画面910は、アプリケーション情報処理プログラムが組み込まれた上位アプリケーションの起動時に表示され、ユーザが、「続きから?」ボタン914を押下することにより、アプリケーション情報管理サーバ130からアプリケーション情報を取得することができる。一方、「初めから?」ボタン912が押下されると、アプリケーション情報処理プログラム212は、アプリケーション情報管理サーバ130からアプリケーション情報を取得しない。
【0065】
アプリケーション情報登録画面920は、アプリケーション情報管理サーバ130に登録されたアプリケーション情報を登録するか否かを指定するGUIである。アプリケーション情報登録画面920は、アプリケーション情報処理プログラムが組み込まれた上位アプリケーションの終了時に表示され、ユーザが、「はい」ボタン922を押下することにより、アプリケーション情報管理サーバ130にアプリケーション情報を登録することができる。一方、「いいえ」ボタン924が押下されると、アプリケーション情報処理プログラム212は、アプリケーション情報管理サーバ130にアプリケーション情報を登録しない。
【0066】
これまで本実施形態につき説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0067】
100…アプリケーション情報管理システム、110…ネットワーク、120a,120b,120c…情報通信機器、130…アプリケーション情報管理サーバ、140…携帯電話基地局、150…無線LAN通信基地局

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ通信が可能な情報通信機器であって、前記情報通信機器は、
前記情報通信機器にインストールされたアプリケーションが使用するアプリケーション情報を情報処理装置に登録させる登録手段と、
前記情報処理装置に登録された別の情報通信機器のアプリケーション情報を取得する取得手段と、
前記取得したアプリケーション情報を前記情報通信機器の記憶手段に保存して、前記アプリケーションに使用させる保存手段と
を含む、情報通信機器。
【請求項2】
前記登録手段は、前記アプリケーション情報を、前記情報通信機器の識別情報と、前記アプリケーションの識別情報または前記アプリケーションが使用するコンテンツの識別情報と関連付けて、前記情報処理装置に登録させ、
前記取得手段は、前記情報通信機器の識別情報と、前記アプリケーションの識別情報または前記コンテンツの識別情報とを使用して、アプリケーション情報を取得することを特徴とする、請求項1に記載の情報通信機器。
【請求項3】
前記アプリケーション情報は、前記情報通信機器が実行する電子書籍閲覧プログラムの閲覧情報、ゲームプログラムの進捗情報および/または動画再生プログラムの進捗情報であることを特徴とする、請求項1または2に記載の情報通信機器。
【請求項4】
前記情報通信機器は、電子書籍の閲覧、ゲームプログラムの実行および/または動画再生が可能な携帯型情報通信機器であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報通信機器。
【請求項5】
前記情報通信機器は、据置型ゲーム機器または携帯型ゲーム機器であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報通信機器。
【請求項6】
複数の情報通信機器と、前記複数の情報通信機器とデータ通信可能な情報処理装置とを含む情報処理システムであって、前記情報通信機器は、
前記情報通信機器にインストールされたアプリケーションが使用するアプリケーション情報を情報処理装置に登録させる登録手段と、
前記情報処理装置に登録された別の情報通信機器のアプリケーション情報を取得する取得手段と、
前記取得したアプリケーション情報を前記情報通信機器の記憶手段に保存して、前記アプリケーションに使用させる保存手段と
を含むことを特徴とする、情報処理システム。
【請求項7】
データ通信が可能な情報通信機器が実行する方法であって、前記方法は、情報通信機器が、
前記情報通信機器にインストールされたアプリケーションが使用するアプリケーション情報を情報処理装置に登録させるステップと、
前記情報処理装置に登録された別の情報通信機器のアプリケーション情報を取得するステップと、
前記取得したアプリケーション情報を前記情報通信機器の記憶手段に保存するステップと、
を含む、方法。
【請求項8】
前記登録するステップは、前記アプリケーション情報を、前記情報通信機器の識別情報と、前記アプリケーションの識別情報または前記アプリケーションが使用するコンテンツの識別情報と関連付けて、前記情報処理装置に登録させるステップを含み、
前記取得するステップは、前記情報通信機器の識別情報と、前記アプリケーションの識別情報または前記コンテンツの識別情報とを使用して、アプリケーション情報を取得するステップを含むことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記アプリケーション情報は、前記情報通信機器が実行する電子書籍閲覧プログラムの閲覧情報、ゲームプログラムの進捗情報および/または動画再生プログラムの進捗情報であることを特徴とする、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
情報通信機器に対して、請求項7〜9のいずれか1項に記載のステップを実行させるための装置実行可能なプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載されたプログラムを記録したコンピュータ可読な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−250153(P2011−250153A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−121499(P2010−121499)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(304012596)株式会社CRI・ミドルウェア (8)
【Fターム(参考)】