説明

情報処理システム

【課題】製品毎に仕向けや販売店が異なる場合であっても、各製品に適した設定を行うことができる情報処理システムを提供する。
【解決手段】メーカ内サーバ1は、BDプレーヤのシリアルナンバを受信し、受信したシリアルナンバをSCMサーバ40に送信する。SCMサーバ40は、シリアルナンバを用いて管理テーブルを照合し、各BDプレーヤがどの仕向先、販売店を経てユーザ宅に設置されたか等を示す情報(流通情報)をメーカ内サーバ1に送信する。メーカ内サーバ1は、照合された管理テーブルに応じて、各BDプレーヤに適した設定を行うためのフラグを送信する。各BDプレーヤは、受信したフラグに応じて自装置の設定を変更する。例えば、接続する情報配信サービス(動画等のコンテンツ配信サービス)用のアプリケーションを起動するように設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、インターネット等のネットワークを介して各種情報を送受信する情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワークを介して情報配信(例えば動画配信)を行うものとして、自装置の仕様に関する情報(例えば表示可能な解像度)をサーバに通知し、サーバから自装置の仕様に適した情報を受信するものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−34249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
配信サービスは、製品の仕向先(例えば、出荷される国や地域の違い)によって方式等が異なる場合がある。また、同じ仕向先であっても販売店が異なると配信サービスが異なる場合もある。異なる配信サービスに対応するためには、自装置の設定を変更する(例えば使用するアプリケーションソフトウェアを変更する)必要がある。
【0005】
特許文献1の装置では、出荷時に設定した仕向先や販売店が異なってしまったことを自装置で判断することができないため、出荷後の仕向先や販売店の変更に対応できない。
【0006】
そこで、この発明は、製品毎に仕向先や販売店が異なる場合であっても、各製品に適した設定を行うことができる情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の情報処理システムは、サーバと、製品と、を備えている。サーバは、SCM(Supply Chain Management)管理システム内のサーバであり、製品の流通を管理する流通情報を記憶する記憶手段と、記憶手段の流通情報を前記製品の流通に応じて更新する更新手段と、を備えている。製品は、サーバとネットワークを介して通信する通信手段と、通信手段がネットワークに接続されたときに、通信手段を介してサーバから流通情報に応じた情報を取得し、取得した情報に応じて自装置の設定を変更する設定変更手段と、を備えている。
【0008】
一般に、SCM管理システムでは、各製品の流通先(どの仕向先、どの販売店に流通したか)を管理している。したがって、ユーザが製品購入した後に最初にインターネットに接続したとき、自装置の流通先に応じた設定変更のための情報(設定変更のためのフラグや実際の流通先を示す情報)をSCM管理システムのサーバからダウンロードすることで、仕向先、販売店に応じた設定に自動変更することができる。
【0009】
例えば、出荷時にはデフォルトの配信サービス用のアプリケーションソフトウェア(以下、単にアプリケーションと言う。)が起動するように設定されていた場合において、実際に購入した国や販売店の配信サービス用がデフォルトのアプリケーションと対応していない場合であっても、インターネットに接続するだけで、製品の出荷先に応じたアプリケーションが起動され、適切な情報配信サービスを受けることができる。
【0010】
なお、自装置の設定とは、起動するアプリケーションだけでなく、自装置で用いる言語やユーザインタフェース(GUI)等の設定であってもよい。例えば英語圏に出荷するために使用言語が英語に設定されていた場合において、流通途中で他の言語圏に出荷変更された場合であっても、ユーザが製品を開梱して最初にインターネットに接続したときに適切な言語に自動変更される。また、出荷時に製品メーカ仕様のGUI(起動時のロゴ等)が表示される場合において、販売店仕様のGUIの表示に自動変更することも可能である。
【0011】
SCMサーバと製品は、具体的に以下の様な情報送受信を行う。すなわち、製品は製品固有の情報(シリアルナンバ等)をSCMサーバに送信し、SCMサーバは、シリアルナンバに応じた流通情報を照合し、照合した製品に対応する設定変更のためのフラグを製品に送信する。製品は、受信したフラグによって設定変更動作(アプリケーションの起動等)を行う。
【0012】
なお、製品は、出荷時に設定されている流通先と、実際の流通先と、が異なる場合に自装置の設定を変更する。出荷時に設定されている流通先と実際の流通先が異なるかどうかは、SCMサーバ側で判断してもよいし、製品側で判断してもよい。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、製品毎に仕向けや販売店が異なる場合であっても、各製品に適した設定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】BDプレーヤの構成を示すブロック図である。
【図3】SCMサーバの構成を示すブロック図である。
【図4】SCM管理テーブルを示す図である。
【図5】起動時の動作を示すフローチャートである。
【図6】BDプレーヤに記憶されている内部機器情報を示す図である。
【図7】BDプレーヤに記憶されている内部機器情報を示す図である。
【図8】BDプレーヤに記憶されている内部機器情報を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。情報処理システムは、メーカ内サーバ1、インターネット2、ユーザ宅3Aに設置されているBDプレーヤ30A、ユーザ宅3Bに設置されているBDプレーヤ30B、ユーザ宅3Cに設置されているBDプレーヤ30C、SCM管理システム4内に設置されているSCMサーバ40、および複数の配信サーバ(配信サーバ5A、配信サーバ5B、配信サーバ5C)からなる。同図では、3つの製品(BDプレーヤ)がメーカから各ユーザ宅に流通した例を示しているが、実際にはさらに多数の製品が流通し、各ユーザ宅に設置されるものである。また、配信サーバの数もこの例に限るものではない。
【0016】
メーカ内サーバ1は、BDプレーヤの出荷元である製造メーカに設置されているサーバである。メーカ内サーバ1は、インターネット2およびSCM管理システム4に接続されている。同図においては、メーカ内サーバ1は、SCM管理システム4のSCMサーバ40にLANを介して接続されている例を示しているが、インターネット2を介して接続される態様であってもよい。
【0017】
SCM管理システム4は、SCMサーバ40を用いて、各製品の流通を管理するものである。SCMサーバ40は、BDプレーヤが製造メーカから出荷された後、各BDプレーヤの流通先(どの仕向先や販売店に出荷されているか)を示す情報を随時取得し、管理している。つまり、SCMサーバ40は、各製品の流通状況を示す流通情報を管理テーブルとして内部の記憶手段(HDD等)に記憶しており、取得した情報に応じて管理テーブルを都度更新する。
【0018】
メーカ内サーバ1は、各ユーザ宅に設置されたBDプレーヤ30A、BDプレーヤ30B、およびBDプレーヤ30Cにインターネット2を介して接続され、各種情報の送受信を行う。本実施形態では、メーカ内サーバ1は、BDプレーヤがインターネット2に接続された際に、BDプレーヤの各製品固有の情報(シリアルナンバ等)を受信し、受信したシリアルナンバをSCMサーバ40に送信する。SCMサーバ40は、シリアルナンバを用いて管理テーブルを照合し、各BDプレーヤがどの仕向先、販売店を経てユーザ宅に設置されたか等を示す情報(流通情報)をメーカ内サーバ1に送信する。メーカ内サーバ1は、照合された管理テーブルに応じて、各BDプレーヤに適した設定を行うためのフラグを送信する。各BDプレーヤは、受信したフラグに応じて自装置の設定を変更する。例えば、接続する情報配信サービス(動画等のコンテンツ配信サービス)用のアプリケーションを起動するように設定する。すると、仕向先によって接続する情報配信サービスの配信サーバが異なる場合であっても、適切な配信サーバに接続することが可能となる。この様にして、本実施形態の情報処理システムは、仕向先や販売店が異なる場合であっても各製品毎に適した設定を自動的に行うことができるものである。
【0019】
なお、本発明において、メーカ内サーバ1は必須の構成要素ではない。各BDプレーヤが直接SCM管理システム内のサーバ等に接続される態様であってもよい。
【0020】
以下、各装置の具体的な構成、動作について説明する。図2は、SCMサーバ40の主要構成を示すブロック図であり、図3は、BDプレーヤ30Aの主要構成を示すブロック図である。図3においては、代表してBDプレーヤ30Aの構成を示すが、他のBDプレーヤ30BやBDプレーヤ30Cも構成、機能は同じものである。
【0021】
図2において、SCMサーバ40は、ネットワークインタフェース(I/F)41、CPU42、HDD43、RAM44を備えている。
【0022】
HDD43には、サーバ動作用の基本プログラムや管理テーブルが記憶されている。CPU42は、HDD43に記憶されている基本プログラムをRAM44に展開し、製品流通の管理に関する種々の動作を行うものである(本発明の更新手段が実現される)。CPU42は、製品流通途中の各段階において、仕向先や販売店等から、各BDプレーヤが現時点でどの仕向先や販売店に出荷されているかを示す情報を受信し、管理テーブルを更新する。
【0023】
図4は、管理テーブルを示す図である。同図(A)は、BDプレーヤ30Aの管理テーブルであり、製品出荷時とユーザ宅に設置後の管理テーブルの変化を示した図である。同図(B)は、BDプレーヤ30Bの管理テーブルであり、製品出荷時とユーザ宅に設置後の管理テーブルの変化を示した図である。同図(C)は、BDプレーヤ30Cの管理テーブルであり、製品出荷時とユーザ宅に設置後の管理テーブルの変化を示した図である。管理テーブルは、各製品毎に、シリアルナンバ(No.)、機種名、仕向先、言語、GUI、実行アプリケーション、販売店、等の情報が記載されている。
【0024】
製品出荷時には、予定している仕向先に応じて、全てのBDプレーヤがデフォルトの状態として管理テーブルに記憶される。本実施形態の例においては、全て仕向先は「A国」、言語は「English」、GUIは「YAMAHA」、実行アプリケーションは「サービスA」、販売店の情報は無し、として記憶される。つまり、BDプレーヤは、出荷時に全て、仕向先A国においてのみ提供されている「配信サービスA」用のアプリケーションを実行するように設定されている。
【0025】
同図(A)に示すように、BDプレーヤ30Aの管理テーブルは、実際に仕向先A国に流通し、販売店Aを経てユーザ宅3Aに設置されたため、仕向先は「A国」、言語は「English」、GUIは「販売店A」、実行アプリケーションは「サービスA」、販売店の情報は「販売店A」に更新される。つまり、GUIが販売店Aの仕様に変更され、販売店の情報が新たに追記されたものとなる。
【0026】
同様にして、同図(B)に示すように、BDプレーヤ30Bの管理テーブルは、仕向先B国に流通し、販売店Bを経てユーザ宅3Bに設置されたため、仕向先は「B国」、言語は「French」、GUIは「販売店B」、実行アプリケーションは「サービスB」、販売店の情報は「販売店B」に更新される。つまり、仕向先がB国に変更されるとともに、使用言語がFrenchに変更され、GUIが販売店Bの仕様に変更され、販売店の情報が新たに追記され、実行すべきアプリケーションが「サービスB」仕様のものとして記載変更されることになる。
【0027】
同様にして、同図(C)に示すように、BDプレーヤ30Cの管理テーブルは、仕向先B国に流通し、販売店Cを経てユーザ宅3Cに設置されたため、仕向先は「B国」、言語は「French」、GUIは「販売店C」、実行アプリケーションは「サービスC」、販売店の情報は「販売店C」に更新される。つまり、仕向先がB国に変更されるとともに、使用言語がFrenchに変更され、GUIが販売店Cの仕様に変更され、販売店の情報が新たに追記され、実行すべきアプリケーションが「サービスC」仕様のものとして記載変更されることになる。
【0028】
特に、BDプレーヤ30BとBDプレーヤ30Cは、仕向先は同じB国であるが、販売店が異なる。したがって、配信サービスを受けるときに実行すべきアプリケーションが異なるものとなる。
【0029】
次に、図3において、BDプレーヤ30Aは、ネットワークI/F31、CPU32、EEPROM33、グラフィックユーザインタフェース(GUI)34、RAM35、操作部36、BDドライブ37、および出力I/F38を備えている。
【0030】
EEPROM33は、書き換え可能なフラッシュメモリであり、ファームウェアと、内部機器情報(図6、図7、図8を参照)が記憶されている。ファームウェアには、各種アプリケーション、言語、GUI表示画像等が格納されている。CPU32は、EEPROM33に記憶されているファームウェアをRAM35に展開し、種々の動作を実行する。CPU32は、基本動作として、操作部36からユーザの操作に応じた操作信号を入力し、ユーザの操作に応じた動作を行う。例えば、BDドライブ37に挿入されているBD(ブルーレイディスク)からコンテンツデータを読み出して再生処理を行い、出力I/F38に映像信号や音声信号を出力する。
【0031】
ユーザは、BDプレーヤを購入し、自宅に設置すると、ネットワークI/F31をインターネット2に接続し、電源(不図示)を接続して起動する。すると、CPU32は、EEPROM33に記憶されているファームウェアを読み出してRAM35に展開し、本発明の設定変更手段を実現する。すなわち、BDプレーヤが製品出荷後に最初に起動された場合、CPU32は、初期設定を行う。この初期設定は、上述の使用言語、GUI34に表示する内容(製品メーカ名を表示するか、販売店名を表示するか、等)、起動するアプリケーションの設定、等を含むものである。なお、インターネット2に接続されずに、起動された場合、製品出荷時のデフォルトの初期設定が行われるものとし、最初にインターネット2に接続されたときに以下の初期設定を実行し直すものとする。
【0032】
図5は、起動時の動作を示すフローチャートである。CPU32は、最初の起動時にネットワークに接続されているか否かを確認し(s11)、ネットワークに接続されている場合、初期設定を実行するために、まず、ネットワークI/F32を介して、EEPROM33に記憶されているシリアルナンバをメーカ内サーバ1に送信する(s12)。メーカ内サーバ1は、BDプレーヤからシリアルナンバを受信し(s21)、受信したシリアルナンバをSCMサーバ40に送信して管理テーブルの照合を行う(s22)。
【0033】
SCMサーバ40のCPU42は、ネットワークI/F41を介してメーカ内サーバ1からシリアルナンバを受信すると、HDD43に記憶されている管理テーブルを照合し(s31)、該当する製品の流通情報をメーカ内サーバ1に送信する(s32)。
【0034】
メーカ内サーバ1は、SCMサーバから流通情報を受信し(s23)、設定を変更すべき内容を判断し、設定変更を行うためのフラグを送信する(s24)。
【0035】
BDプレーヤのCPU32は、上記フラグをメーカ内サーバ1から受信し(s13)、受信したフラグに応じて自装置の設定を変更する。
【0036】
例えば、BDプレーヤ30Aでは、SCMサーバ40の管理テーブルにおいて、GUIが販売店Aの仕様に変更され、販売店の情報が新たに追記されたものとなっているため、GUIを販売店Aの仕様に変更し、内部機器情報に販売店の情報を新たに追記する動作を行うためのフラグが受信される。内部機器情報は、図6に示すように、シリアルナンバ(No.)、機種/型番名、仕向先、言語、GUI、ファームウェアバージョン、実行アプリケーション、販売店、等の情報が記載されている。したがって、CPU32は、内部機器情報のうち、GUIを「YAMAHA」から「販売店A」に変更し、販売店の項目に「販売店A」を追記する。そして、CPU32は、実際にGUI(起動時のロゴ等)を「販売店A」の仕様のものに変更する。また、BDプレーヤ30Aは、配信サービスA向けのアプリケーションが実際に実行され、図1に示した配信サーバ5Aから動画などのコンテンツを受信する様な配信サービスを受けることができる。
【0037】
また、図7に示すように、BDプレーヤ30Bであれば、SCMサーバ40の管理テーブルにおいて、仕向先がB国に変更されるとともに、使用言語がFrenchに変更され、GUIが販売店Bの仕様に変更され、販売店の情報が新たに追記され、実行すべきアプリケーションが「サービスB」仕様のものとして記載変更されている。したがって、CPU32は、仕向先を「B国」に変更し、使用言語を「French」に変更し、GUIを「販売店B」に変更し、販売店の項目に「販売店B」を追記し、実行すべきアプリケーションを「サービスB」に変更する。そして、CPU32は、ユーザに表示する使用言語を実際にフランス語に変更し、起動時のロゴ等を「販売店B」の仕様のものに変更するとともに、配信サービスB向けのアプリケーションを実行するように設定する。したがって、配信サービスAではなく、配信サービスB(例えば、B国における販売店Bにおいて行われている独自の配信サービス)向けのアプリケーションが実行され、図1に示した配信サーバ5Bから配信サービスを受けることができる。
【0038】
同様に、図8に示すように、BDプレーヤ30Cであれば、SCMサーバ40の管理テーブルにおいて、仕向先がB国に変更されるとともに、使用言語がFrenchに変更され、GUIが販売店Cの仕様に変更され、販売店の情報が新たに追記され、実行すべきアプリケーションが「サービスC」仕様のものとして記載変更されている。したがって、CPU32は、仕向先を「B国」に変更し、使用言語を「French」に変更し、GUIを「販売店C」に変更し、販売店の項目に「販売店C」を追記し、実行すべきアプリケーションを「サービスC」に変更する。そして、CPU32は、ユーザに表示する使用言語を実際にフランス語に変更し、起動時のロゴ等を「販売店C」の仕様のものに変更するとともに、配信サービスC向けのアプリケーションを実行するように設定する。したがって、配信サービスAでも配信サービスBでもなく、配信サービスC(例えば、B国における販売店Cにおいて行われている独自の配信サービス)向けのアプリケーションが実行され、図1に示した配信サーバ5Cから配信サービスを受けることができる。
【0039】
特に、BDプレーヤ30BとBDプレーヤ30Cの様に、同じB国でも販売店Bと販売店Cで購入したBDプレーヤでは、配信サービスが異なるものとなる場合がある。この場合、従来は、ユーザが手動で実行アプリケーションをダウンロード等して変更する、あるいは出荷時に各販売店向けに個別のアプリケーションを設定しておく等する必要があった。しかし、本実施形態の情報処理システムであれば、ユーザが手動変更する必要もなく、各販売店向けに個別のアプリケーションを設定しておく必要もなく、自動的に流通先に応じた適切なアプリケーションが実行されることになる。もし、従来の様に出荷時に各販売店向けに個別のアプリケーションを設定しておくと、急に販売先が変更されたり、ある販売店からある販売店に転送(転売)された場合、適切な配信サービスを受けることができないが、本実施形態の情報処理システムであれば、ユーザが最初にBDプレーヤを起動したときに自動的に流通先に応じた適切なアプリケーションが実行されるため、急に販売先が変更されたり、ある販売店からある販売店に転送(転売)された場合でも、その都度SCMサーバの管理テーブルが更新され、適切なアプリケーションが実行されることになる。
【0040】
なお、図5に示したフローチャートにおいて、メーカ内サーバ1からBDプレーヤに送信される情報は、フラグではなく、流通情報そのものをBDプレーヤに送信し、受信した流通情報に応じてBDプレーヤ自身が設定を変更すべき内容を判断し、設定変更を行うように構成することも可能である。
【0041】
また、図5のフローチャートにおいて、各BDプレーヤが直接SCM管理システム内のサーバ等に接続される態様の場合、メーカ内サーバ1の動作をSCMサーバ40が代替して実行するものとする。つまり、SCMサーバ40がシリアルナンバを受信して管理テーブルを照合し、流通情報に応じた設定変更用のフラグ(または流通情報そのもの)をBDプレーヤに送信する。
【符号の説明】
【0042】
1…メーカ内サーバ
2…インターネット
4…SCM管理システム
5A…配信サーバ
5B…配信サーバ
5C…配信サーバ
30A…BDプレーヤ
30B…BDプレーヤ
30C…BDプレーヤ
40…SCMサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと、製品と、を備えた情報処理システムであって、
前記サーバは、前記製品の流通を管理する流通情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段の流通情報を前記製品の流通に応じて更新する更新手段と、
を備え、
前記製品は、
前記サーバとネットワークを介して通信する通信手段と、
前記通信手段がネットワークに接続されたときに、前記通信手段を介して前記サーバから流通情報に応じた情報を取得し、取得した情報に応じて自装置の設定を変更する設定変更手段と、
を備えたことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記自装置の設定は、流通先に応じたアプリケーションソフトウェアを起動させるための設定であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記自装置の設定は、自装置で用いる言語、ユーザインタフェース、の少なくともいずれか1つの設定であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記設定変更手段は、前記通信手段を介して製品固有の情報を前記サーバへ送信し、
前記サーバは、前記製品固有の情報に応じて前記製品の流通情報を照合し、
前記設定を変更するためのフラグを前記製品へ送信することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の製品およびサーバと、
前記製品にインターネットを介して情報配信を行う複数の配信サーバと、
を備えた情報処理システムであって、
前記製品は、前記複数の配信サーバのうち、前記設定変更手段によって変更された設定に応じた配信サーバに接続し、情報配信を受けることを特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の情報処理システムにおいて、
製品の出荷時に設定した流通先と、前記流通情報に含まれる流通先と、が異なる場合に前記設定変更手段が自装置の設定を変更することを特徴とする情報処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−248432(P2011−248432A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−118066(P2010−118066)
【出願日】平成22年5月24日(2010.5.24)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】