説明

情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法

【課題】ユーザが所望するタスクに対するユーザ操作を簡便に行うことを目的とする。
【解決手段】端末装置に記憶された、ユーザ操作に係るユーザ操作情報を取得するユーザ操作情報取得手段と、前記ユーザ操作情報取得手段において取得されたユーザ操作情報に基づいて、表示装置に対して前記ユーザ操作に応じて実行されたタスクに係る入力画面及び前記入力画面の入力部位に入力された入力値を表示する表示制御手段と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種装置のデジタル化とネットワーク化とにより、個々の装置同士が相互に連携して動作するようになっている。このように装置同士が相互に連携し動作するようなシステムは、単独の装置では、実現することができない処理を行うことができる。一方、複数の装置間で連携動作をさせる場合、ユーザは、数多く入力や設定をする必要が増え、その操作が煩雑となってしまう。
【0003】
このような傾向に対応し、装置間で連携動作させる場合の操作性を向上させることを目的とした技術が提案されている。例えば特許文献1では、装置間の連携を向上させる技術として、PCやPDAで予め作成したテキストデータを、携帯電話のメールサービスを利用して簡単に電子メールとして送信するメール送信システムが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−101661号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術は、装置連携間に一般に利用できる技術ではない。また、PCと携帯電話との機器連携の方法としても、ユーザはPCにおいて携帯電話を制御するキーコードを入力することが必要となり、操作の簡便性は損なわれている。
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、複数の装置が連携して動作するシステムにおいて、ユーザが分かりやすく簡便に操作できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による情報処理装置は、端末装置に記憶された、ユーザ操作に係るユーザ操作情報を取得するユーザ操作情報取得手段と、前記ユーザ操作情報取得手段において取得されたユーザ操作情報に基づいて、表示装置に前記ユーザ操作に応じて実行されたタスクに係る入力画面及び前記入力画面の入力部位に入力された入力値を表示するよう制御する表示制御手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
本発明による情報処理方法は、端末装置に記憶された、ユーザ操作に係るユーザ操作情報を取得するユーザ操作情報取得ステップと、前記ユーザ操作情報取得ステップにおいて取得されたユーザ操作情報に基づいて、表示装置に前記ユーザ操作に応じて実行されたタスクに係る入力画面及び前記入力画面の入力部位に入力された入力値を表示するよう制御する表示制御ステップと、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明による情報処理システムは、端末装置と、前記端末装置と通信可能な情報処理装置と、を含む情報処理システムであって、前記端末装置は、ユーザ操作に係るユーザ操作情報を記憶する記憶処理手段を有し、前記情報処理装置は、前記端末装置において記憶されたユーザ操作情報を取得するユーザ操作情報取得手段と、前記ユーザ操作情報取得手段において取得されたユーザ操作情報に基づいて、表示装置に前記ユーザ操作に応じて実行されたタスクに係る入力画面及び前記入力画面の入力部位に入力された入力値を表示するよう制御する表示制御手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
本発明は、プログラム又は記憶媒体であってもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数の装置が連携して動作するシステムにおいて、ユーザが分かりやすく簡便に操作できるようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、情報処理システムのハードウェア構成の一例を示す図である。情報処理システム1は、端末装置2と、情報処理装置3と、から構成されている。端末装置2と、情報処理装置3とは、有線又は無線等の通信を介して接続され、データの送受信を行うことができる。つまり、端末装置2と、情報処理装置3とは、通信可能である。端末装置2は、例えば、携帯電話機、デジタルカメラ又はパーソナル情報端末機器等である。情報処理装置3は、例えば、デジタル複写機、インクジェット式複合複写機又はデジタルテレビ表示装置等である。
【0012】
端末装置2は、ユーザインタフェース装置10と、通信装置13と、中央演算装置14と、メモリ15と、を含んで構成されている。ユーザインタフェース装置10は、表示装置11と、入力装置12と、から構成されている。
表示装置11は、液晶ディスプレイ等である。表示装置11には、タスクに係る入力画面等が表示される。入力装置12は、操作ボタン等である。ユーザは、入力装置12を介して端末装置2に対してユーザ操作を行い、情報の入力等を行うことができる。通信装置13は、無線通信を行うことができるアンテナ等の接続インタフェースである。中央演算装置14は、CPUであり、端末装置2全体を制御する。メモリ15は、ROM、RAM、ハードディスク及び取外し可能な記憶媒体等の記憶装置である。メモリ15には、ユーザが所望するタスクを行うことができるアプリケーション(プログラム)や、入力装置12を介して入力されたユーザ操作のユーザ操作情報等が記憶される。
【0013】
情報処理装置3は、ユーザインタフェース装置20と、通信装置23と、中央演算装置24と、メモリ25と、端末装置2からの接続指示を検出する接続検出装置26と、を含んで構成されている。ユーザインタフェース装置20は、表示装置21と、入力装置22と、から構成されている。
表示装置21は、液晶ディスプレイ等である。表示装置21には、タスクに係る入力画面等が表示される。入力装置22は、キーボート、マウス、タッチパネル式のディプレイ等である。ユーザは、入力装置22を介して情報処理装置3に対して情報を入力し、指示を行うことができる。通信装置23は、無線通信を行うことができるアンテナ等の接続インタフェースである。中央演算装置24は、CPUであり、情報処理装置3全体を制御する。メモリ25は、ROM、RAM、ハードディスク等の記憶装置である。メモリ25には、端末装置2のメモリ15に記憶されたユーザが所望するタスクを行うことができるアプリケーションと同一又は関連するアプリケーションや、後述するユーザ操作情報取得部が取得したユーザ操作情報等が記憶される。接続検出手段の一例である接続検出装置26は、センサーであり、ユーザにより端末装置2からの接続指示を検出する。なお、この接続指示は、通信装置23が検出するようにしてもよい。
【0014】
図2は、端末装置及び情報処理装置の機能構成の一例を示す図である。端末装置2は、その機能構成として、端末記憶処理部16と、端末表示制御部17と、を有している。端末記憶処理部16は、端末装置2において、ユーザによる入力装置12を介して行われたユーザ操作に関する情報(内容)をユーザ操作情報としてメモリ15に記録する処理を行う。端末表示制御部17は、表示装置11に対し、ユーザ操作に応じてタスクに係るGUI(Graphical User Interface)等の入力画面を表示する制御を行う。なお、上述した機能は、中央演算装置14が、メモリ15に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
【0015】
情報処理装置3は、その機能構成として、ユーザ操作情報取得部27と、ユーザ操作情報記憶処理部28と、表示制御部29と、入力検出部33と、を有している。ユーザ操作情報取得手段の一例であるユーザ操作情報取得部27は、通信装置23を介して端末装置2のメモリ15に記憶されているユーザ操作情報を取得する処理を行う。記憶処理手段の一例であるユーザ操作情報記憶処理部28は、ユーザ操作情報取得部27において取得されたユーザ操作情報をメモリ25に記憶する処理を行う。表示制御手段の一例である表示制御部29は、表示装置21を介した表示の制御を行う。なお、表示制御部29は、画面表示処理部31と、入力反映部32と、を有している。画面表示処理手段の一例である画面表示処理部31は、表示装置21に対し、ユーザ操作情報に基づいてGUI等の入力画面を表示する制御を行う。入力反映手段の一例である入力反映部32は、ユーザ操作情報に基づいて表示装置21に表示された入力画面の入力部位に入力値を表示する制御を行う。入力検出部33は、入力装置22を介したユーザによる入力を検出する。なお、上述した機能は、中央演算装置24が、メモリ25に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
【0016】
図3は、端末装置の動作処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、ユーザにより端末装置2の電源が投入されたときに開始される。
ステップS201において、端末記憶処理部16は、メモリ25に、例えば、User_Operationというメモリ領域を設ける。端末記憶処理部16は、設けたメモリ領域の内容を空白にする処理を行う。
【0017】
次に、ステップS202において、端末記憶処理部16は、ユーザ操作が行われたか否かを判定する。ここで、ユーザ操作とは、2つの操作を含む。1つ目の操作(第1の操作)は、ユーザが所望するタスクを実行可能なアプリケーションを起動するための操作である。端末装置2の端末表示制御部17は、第1のユーザ操作により起動されたアプリケーションに従い、表示装置11にGUIによる入力画面を表示する。この入力画面には、ユーザにより実際に文字等を入力することができる入力部位が含まれている。2つ目の操作(第2の操作)は、表示装置11に表示された入力部位に対し、ユーザが入力装置12を介して行う入力操作である。
ユーザ操作が行われた場合、端末記憶処理部16は、ステップS203に処理を進める。ユーザ操作が行われていない場合、端末記憶処理部16は、再びステップS202において、ユーザ操作が行われたか否かを判定する。
【0018】
ステップS203において、端末記憶処理部16は、ユーザ操作の内容を、メモリ領域User_Operationに記憶する。ここで、メモリ領域User_Operationに記憶されるユーザ操作の内容をユーザ操作情報という。ユーザ操作情報には、ユーザが所望するタスクを行うために起動されたアプリケーションの情報(以下、タスク情報という)と、入力画面の入力部位に入力された入力値(以下、入力情報という)と、が含まれる。なお、タスク情報は、起動されたアプリケーションにおいてユーザが実際に行った処理に関する情報であってもよい。
【0019】
次に、ステップS204において、端末表示制御部17は、ユーザ操作に応じて表示装置11に表示を行う。第1のユーザ操作の場合、上述したように、端末表示制御部17は、第1のユーザ操作により実行されたアプリケーションに従い、表示装置11にGUIによる入力部位を含んだ入力画面を表示する。第2のユーザ操作の場合、ユーザにより入力装置12を介した入力の内容を反映させ、入力部位に入力値を表示する。
【0020】
次に、ステップS205において、端末記憶処理部16は、ユーザにより端末装置2の電源を再投入する指示がされた、又はユーザにより端末装置2の所定の仕様におけるイニシャル状態に戻す指示がされたか否かを判定する。指示がされた場合、端末記憶処理部16は、ステップS206に処理を進める。指示がされない場合、端末記憶処理部16は、ステップS202に処理を戻す。
ステップS206において、端末記憶処理部16は、メモリ領域User_Operationを空白にする。
次に、ステップS207において、端末記憶処理部16は、表示装置11上の表示をイニシャル状態におけるものにして、ステップS202に処理を戻す。
【0021】
図4は、情報処理装置の動作処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、ユーザにより情報処理装置3の電源が投入されたときに開始される。
ステップS211において、ユーザ操作情報取得部27は、情報処理装置3の接続検出装置26が、ユーザによる端末装置2からの接続指示を検出したか否かを判定する。検出した場合、ユーザ操作情報取得部27は、ステップS212に処理を進める。検出しない場合、ユーザ操作情報取得部27は、ステップS211に処理を戻す。
【0022】
ステップS212において、ユーザ操作情報取得部27は、端末装置2のメモリ15のメモリ領域User_Operationに記憶されたユーザ操作情報を取得する処理を行う。より具体的には、ユーザ操作情報取得部27は、端末装置2が通信装置13を介して送信したユーザ操作情報を通信装置23により受信することにより取得する。なお、ユーザ操作情報取得部27は、ユーザ操作情報を接続検出装置26を介して読み出すことにより取得してもよい。続いて、ユーザ操作情報記憶処理部28は、ユーザ操作情報取得部27において取得したユーザ操作情報をメモリ25内に記憶する。
【0023】
次に、ステップS213において、表示制御部29の画面表示処理部31は、メモリ25内に記憶されたユーザ操作情報に含まれるタスク情報に基づいて、タスク情報と同一又は関連したアプリケーションを起動し、表示装置21に表示する。画面表示処理部31は、アプリケーションに従い、表示装置21にGUIによる入力画面を表示する。この入力画面には、ユーザにより実際に文字等が入力されることができる入力部位が含まれている。
次に、ステップS214において、表示制御部29の入力反映部32は、メモリ25内に記憶されたユーザ操作情報の入力情報に基づいて、表示装置21に表示された入力部位に、端末装置2に対して入力された入力値を反映して表示する。
【0024】
このように、第1の実施形態によれば、情報処理装置3の表示制御部29は、取得されたユーザ操作情報に基づいて、表示装置21に対してユーザ操作に応じて実行されたタスクに係る入力画面及び前記入力画面の入力部位に入力された入力値を表示する。従って、ユーザは情報処理装置3において重複したユーザ操作をする必要がないので、ユーザが所望するタスクに対してユーザ操作を簡便に行うことができる。
【0025】
(第2の実施形態)
図5は、情報処理システムを、携帯電話機とデジタル複写機とを含むシステムに適用した一例を示す図である。図5に示す情報処理システム4は、端末装置2を携帯電話機5に適用し、情報処理装置3をデジタル複写機6に適用したシステムである。図5において、端末装置2の表示装置11は、携帯電話機5の液晶表示部である。また、端末装置2の入力装置12は、携帯電話機5の操作ボタンである。また、携帯電話機5には、通信装置13として、例えばBlueTooth(TM)を使用する接続インタフェースや、無線ICタグ、応答アプリケーションと称されるソフトウェアが組み込まれている。
また、図5において、情報処理装置3の表示装置21及び入力装置22は、タッチパネル液晶表示装置により構成される。また、デジタル複写機6には、ユーザによる接続指示を検出する接続検出装置26として、接続インタフェースや、ICタグセンサ、UIコントローラと称されるソフトウェアが組み込まれている。
【0026】
図6は、第2の実施形態に係る携帯電話機とデジタル複写機とを含む情報処理システムの動作処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの説明では、ユーザが携帯電話機においてメールを送信するため、メール送信に係るタスクを実行するアプリケーションを起動し、メール送信先アドレス(宛先)、件名、メール本文等をある程度入力する。そして、ユーザがそのメールを携帯電話機5において相手先に送信しない状態でデジタル複写機6に接続指示した場合の処理について説明する。
【0027】
ステップS401において、携帯電話機5の端末記憶処理部16は、メモリ15内のメモリ領域User_Operationに、ユーザ操作のユーザ操作情報を記憶する。ここでのユーザ操作情報としては、メール送信に係るタスクを実行するアプリケーションを起動した旨のタスク情報である。更に、ここでのユーザ操作情報としては、宛先を入力する入力部位に入力された入力情報(宛先情報)、件名を入力する入力部位に入力された入力情報(件名情報)及び本文を入力する入力部位に入力された入力情報(本文情報)、である。なお、ユーザ操作情報はアプリケーションを起動し、更にメール本文を作成するためのタスクを起動した旨のタスク情報であってもよい。
【0028】
次に、ステップS402において、デジタル複写機6のユーザ操作情報取得部27は、接続検出装置26としてのタグセンサ等が、接続指示を検出したか否か(即ち携帯電話機5に埋め込まれたタグを検知したか否か)を判定する。検出した場合、ユーザ操作情報取得部27は、ステップS403に処理を進める。検出しない場合、ユーザ操作情報取得部27は、ステップS401に処理を戻す。なお、接続検出装置26が、接続指示を検出するには、次のように方法であってもよい。即ち、端末記憶処理部16が、ユーザ操作に応じて携帯電話機5に埋め込まれたタグに対し接続指示の情報を書き込む。ユーザが接続指示の情報が書き込まれたタグ(携帯電話機5)を接続検出装置26に近づけることで、デジタル複写機6の接続検出装置26が、携帯電話機5に埋め込まれたタグを読み込む。タグに接続指示の情報が含まれている場合、ユーザ操作情報取得部27は、ユーザによる接続指示を検出したと判定する。タグに接続指示の情報が含まれていない場合は、ユーザ操作情報取得部27は、ユーザによる接続指示を検出していないと判定する。
【0029】
ステップS403において、デジタル複写機6のユーザ操作情報取得部27は、通信装置23等を介して、携帯電話機5のメモリ15のメモリ領域User_Operationに記憶されたユーザ操作情報を取得する処理を行う。続いて、ユーザ操作情報記憶処理部28は、ユーザ操作情報取得部27において取得されたユーザ操作情報をメモリ25内に記憶する。
【0030】
次に、ステップS404において、デジタル複写機6のユーザ操作情報取得部27は、取得したユーザ操作情報に含まれるタスク情報に基づいて、ユーザが携帯電話機5において起動していたアプリケーションを判断する。本実施形態の例では、ユーザ操作情報取得部27は、ユーザが携帯電話機5において起動していたアプリケーションは、メール送信のアプリケーションであると判断する。
【0031】
次に、ステップS405において、デジタル複写機6の画面表示処理部31は、メモリ25内に記憶されたユーザ操作情報に含まれるタスク情報に基づいて、判断されたアプリケーションと同一又は関連するメール送信のアプリケーションを起動する。画面表示処理部31は、アプリケーションに従い、表示装置21にGUIによるメール入力画面を表示する。このメール入力画面には、ユーザにより実際に文字等を入力することができる「宛先」、「件名」、「メール本文」等の入力部位が含まれている。
次に、ステップS406において、デジタル複写機6の入力反映部32は、メモリ25内に記憶されたユーザ操作情報に含まれる入力情報に基づいて、表示装置21に表示された「宛先」「件名」「メール本文」等の入力部位に入力値を反映して表示する。
【0032】
次に、ステップS407において、デジタル複写機6の入力検出部33は、表示装置21に表示された「宛先」、「件名」、「メール本文」等の入力部位に対し、ユーザにより入力が行われたか否かを判定する。入力が行われた場合、入力検出部33は、ステップS408に処理を進める。入力が行われていないと判定された場合、入力検出部33は、再びステップS407に処理を戻す。
ステップS408において、デジタル複写機6の入力反映部32は、入力検出部33によって検出された入力値を、表示装置21に表示された入力部位に反映して、表示する。
【0033】
図7は、第2の実施形態に係る携帯電話機とデジタル複写機とを含む情報処理システムの動作処理によって携帯電話機とデジタル複写機との表示装置に表示される画面の一例を示す図である。図7の携帯電話機5の表示装置11には、端末表示制御部17が、メール送信に係るタスクの入力画面18を表示している。また、端末表示制御部17は、ユーザによる入力部位19に対する入力値を表示している。図7のデジタル複写機の表示装置21には、画面表示処理部31が、携帯電話機5において起動されたメール送信に係るアプリケーションと同一のメール送信に係るアプリケーションの入力画面34を表示している。また、入力反映部32は、携帯電話機5の表示装置11に表示された入力部位19に入力された入力値を表示している。
【0034】
ここで、図8において、端末装置のメモリ内のメモリ領域User_Operationに記憶されるユーザ操作情報のデータの一例を示す。図8は、ユーザが端末装置2において、メール送信に係るタスクを実行するアプリケーションを起動した場合のユーザ操作情報の一例を示す図である。41は、ユーザ操作情報の1つであるタスク情報である。タスク情報41には、「SendEmail」が記述されている。この記述は、ユーザがメール送信に係るタスクを実行するアプリケーションを起動していたことを示している。42〜44は、ユーザ操作情報の1つである入力情報である。入力情報42は、宛先が記述される。入力情報43は、件名が記述される。入力情報44は、メール本文が記述される。なお、図5では、データ構造形式としてXML(eXtensible Markup Language)形式で記述されたものを表示しているが、構造化データの記述方式としてこの形式に限られるものでない。なお、情報処理装置3がUser_Operationに基づいてユーザ操作情報を判断し、表示装置21に反映する際の中間処理においても、構造化を行うようにしてもよい。
【0035】
このように、第2の実施形態によれば、ユーザは携帯電話機5においてメール送信のための入力を行った後、引き続いてデジタル複写機6においてもメール送信のための入力を継続することができる。従って、ユーザは、所望するタスクの操作を、携帯電話機5又はデジタル複写機6の何れかで行うことができるので、所望する装置においてユーザ操作を行うことで、簡便な操作を行うことができる。
【0036】
ここで、携帯電話機5は、一人のユーザが専有して使用する場合が多い。従って、ユーザは携帯電話機5においてメール文等を入力することに習熟していると考えられる。一方、デジタル複写機6は、多様な機能を有している。例えば、デジタル複写機6がスキャン機能を有しているとする。このような場合、ユーザは、習熟している携帯電話機5において、メール文等を作成する。その後、ユーザはデジタル複写機6において、引き続きメール文の作成を行うことができる。更に、ユーザは、デジタル複写機6が有するスキャン機能を介して、文書イメージをスキャンし、メールに添付して相手先に送信するという操作を行うことができる。
【0037】
なお、本実施形態に係る効果は、上述したようなユーザが携帯電話機5に習熟しているか、又はデジタル複写機6にスキャン機能等の特有の機能を有しているか等に限られない。即ち、本実施形態に係る効果は、デジタル複写機6におけるメール作成を携帯電話機5で代行できる技術を提供することだけではない。つまり、本実施形態によれば、ユーザがある装置(第一の装置)で開始した操作をユーザにより接続指示した他の装置(第二の装置)において継続することができる。よって、ユーザは、第二の装置において第一の装置での入力と重複した内容を入力する必要がなく、操作性を向上させることができる。
【0038】
(第3の実施形態)
図9は、第3の実施形態に係る携帯電話機とデジタル複写機とを含む情報処理システムの動作処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの説明では、ユーザが携帯電話機5においてデジタル写真の閲覧に係るタスクを実行するアプリケーションを起動し、閲覧中の複数のデジタル写真の幾つかに他のデジタル写真と見分けるためのチェックマークを入力する。そして、ユーザがチェックマークを付した状態でデジタル複写機6に接続指示した場合の処理について説明する。
【0039】
ステップS701において、携帯電話機5の端末記憶処理部16は、メモリ25内のメモリ領域User_Operationに、ユーザ操作のユーザ操作情報を記録する。ここでのユーザ操作情報としては、デジタル写真の閲覧に係るタスクを実行するアプリケーションを起動した旨のタスク情報である。更に、ここでのユーザ操作情報としては、表示されたデジタル写真No.XXXのチェックマーク欄にチェックマークを付加する操作に基づく入力情報である。
【0040】
次に、ステップS702において、デジタル複写機6のユーザ操作情報取得部27は、接続検出装置26としてのタグセンサ等が、ユーザにより携帯電話機5からの接続指示を検出したか否か(即ち携帯電話機5に埋め込まれたタグを検知したか否か)を判定する。検出した場合、ユーザ操作情報取得部27は、ステップS703に処理を進める。検出しない場合、ユーザ操作情報取得部27は、ステップS701に処理を戻す。
【0041】
ステップS703において、デジタル複写機6のユーザ操作情報取得部27は、通信装置23等を介して、携帯電話機5のメモリ15のメモリ領域User_Operationに記憶されたユーザ操作情報を取得する処理を行う。続いて、ユーザ操作情報記憶処理部28は、ユーザ操作情報取得部27において取得されたユーザ操作情報をメモリ25内に記憶する。
【0042】
次に、ステップS704において、デジタル複写機6のユーザ操作情報取得部27は、取得したユーザ操作情報に含まれるタスク情報に基づいて、携帯電話機5において起動していたアプリケーションを判断する。実施形態の例では、ユーザ操作情報取得部27は、ユーザが携帯電話機5において起動させていたアプリケーションは、デジタル写真を閲覧するアプリケーションであると判断する。
【0043】
次に、ステップS705において、デジタル複写機6の画面表示処理部31は、メモリ25内に記憶されたユーザ操作情報に含まれるタスク情報に基づいて、判断されたアプリケーションと同一又は関連するデジタル写真を閲覧するアプリケーションを起動する。画面表示処理部31は、アプリケーションに従い、表示装置21にGUIによるデジタル写真閲覧画面を表示する。デジタル写真閲覧画面には、入力部位としてのチェックマーク欄が含まれている。
次に、ステップS706において、ユーザ操作情報取得部27は、ユーザが携帯電話機5で閲覧しているデジタル写真のデータ、又は少なくとも画面表示を行うに十分なサイズのサムネイル画像を取得する。画面表示処理部31は、ユーザ操作情報取得部27により取得されたデジタル画像を表示する。
【0044】
次に、ステップS707において、デジタル複写機6の入力反映部32は、メモリ25内に記憶されたユーザ操作情報に含まれる入力情報に基づいて、表示装置21に表示されたチェックマーク欄にチェックマークを反映して表示する。
【0045】
次に、ステップS708において、デジタル複写機6の入力検出部33は、表示装置21に表示されたチェックマーク欄に対し、ユーザによりチェックマークの入力が行われたか否かを判定する。入力が行われた場合、入力検出部33は、ステップS709に処理を進める。入力が行われていないと判定された場合、入力検出部33は、再びステップS708に処理を戻す。
ステップS709において、デジタル複写機6の入力反映部32は、入力検出部33によって検出された入力値(チェックマーク)を、表示装置21に表示されたチェックマーク欄に反映して、表示する。
【0046】
図10は、携帯電話機とデジタル複写機とを含む情報処理システムの動作処理によって携帯電話機とデジタル複写機との表示装置に表示される画面の一例を示す図である。図10の携帯電話機5の表示装置11には、端末表示制御部17が、デジタル写真閲覧画面34を表示している。また、端末表示制御部17は、チェックマーク欄35にチェックマーク36を表示している。図10のデジタル複写機6の表示装置21には、画面表示処理部31が、タスク情報に基づいて携帯電話機5において起動されたデジタル写真閲覧に係るアプリケーションと同一又は関連するアプリケーションに従ってデジタル写真閲覧画面37を表示している。また、入力反映部32は、入力情報に基づいて携帯電話機5の表示装置11のチェックマーク欄35に表示されたチェックマーク36を反映して、チェックマーク欄38にチェックマーク39を表示している。また、デジタル複写機には、印刷機能を有している。表示制御部29は、表示装置21に表示したデジタル写真閲覧画面37の近くにチェックマーク39が付されたデジタル写真を印刷するための印刷設定画面40を表示している。
【0047】
第3の実施形態によれば、表示制御部29は、ユーザが携帯電話機5において表示されたデジタル写真にチェックマークを付した後に、入力情報に基づきデジタル複写機6において表示されたデジタル写真にチェックマークを反映する。従って、ユーザは、チェックマークが付されたデジタル写真のみを印刷するといった指示操作や、チェックマークを付されたデジタル写真のみを一枚の用紙にレイアウトするといった指示操作を行うことができる。
【0048】
なお、ユーザは、デジタル複写機6の表示装置21に表示されたデジタル写真のチェックマーク欄35に対して、携帯電話機5において付されたチェックマーク36を剥がすことができる。また、ユーザは、チェックマークの付されていなかったデジタル写真のチェックマーク欄35に対して、チェックマークを付することができる。
【0049】
また、第3の実施形態によれば、ユーザは移動中にデジタル複写機6で印刷を所望するデジタル画像にチェックマーク36を付し、遠隔でデジタル複写機6に対して接続指示を行うことで、デジタル複写機6の設置場所に移動した時点において、チェックマークを付したデジタル画像の印刷出力を指示することができる。このように、ユーザは移動時間内にユーザ操作を行うことにより、印刷出力結果を得るための時間を短縮することができたり、共有機器であるデジタル複写機6を長時間占有したりすることを回避できる。
【0050】
このように、上述した実施形態によれば、ユーザが所望するタスクに対するユーザ操作を簡便に行うことができる。
【0051】
なお、第2及び第3の実施形態では、端末装置2に携帯電話機5を適用し、情報処理装置3にデジタル複写機6を適用する場合について説明したが、これに限らない。情報処理システムを構成する装置の役割が単一のタスクの実施形態の中で交替してもよい。
また、本発明の実施に係る情報処理システムにおいて、端末装置及び情報処理装置はそれぞれ単一の機器から構成される場合のみならず、何れか一方若しくは両方が複数の機器群により構成されていてもよい。
【0052】
上述した本発明の実施形態における情報処理装置及び情報処理システムを構成する各手段、並びに情報処理方法の各ステップは、コンピュータのRAMやROM等に記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び前記プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体は本発明に含まれる。
【0053】
また、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0054】
なお、本発明は、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システム又は装置に直接、又は遠隔から供給する。そして、そのシステム又は装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0055】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
【0056】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。更に、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS等が、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0057】
更に、その他の方法として、まず記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。そして、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】情報処理システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
【図2】情報処理システムの機能構成の一例を示す図である。
【図3】端末装置の動作処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】情報処理装置の動作処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】第2の実施形態に係る情報処理システムを携帯電話機とデジタル複写機とを含むシステムに適用した一例を示す図である。
【図6】第2の実施形態に係る携帯電話機とデジタル複写機とを含む情報処理システムの動作処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施形態に係る携帯電話機とデジタル複写機との表示装置に表示される画面の一例を示す図である。
【図8】ユーザ操作情報としてのデータの一例を示す図である。
【図9】第3の実施形態に係る携帯電話機とデジタル複写機とを含む情報処理システムの動作処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】第3の実施形態に係る携帯電話機とデジタル複写機との表示装置に表示される画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0059】
1 情報処理システム
2 端末装置
3 情報処理装置
10 ユーザインタフェース装置
11 表示装置
12 入力装置
13 通信装置
14 中央演算装置
15 メモリ
16 端末記憶処理部
17 端末表示制御部
20 ユーザインタフェース装置
21 表示装置
22 入力装置
23 通信装置
24 中央演算装置
25 メモリ
26 接続検出装置
27 ユーザ操作情報取得部
28 ユーザ操作情報記憶処理部
29 表示制御部
31 画面表示処理部
32 入力反映部
33 入力検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置に記憶された、ユーザ操作に係るユーザ操作情報を取得するユーザ操作情報取得手段と、
前記ユーザ操作情報取得手段において取得されたユーザ操作情報に基づいて、表示装置に前記ユーザ操作に応じて実行されたタスクに係る入力画面及び前記入力画面の入力部位に入力された入力値を表示するよう制御する表示制御手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記ユーザ操作情報には、前記ユーザ操作に応じて実行されたタスクのタスク情報と、前記タスクに係る入力画面の入力部位に入力された入力情報と、が含まれ、
前記表示制御手段は、
前記タスク情報に基づいて、前記ユーザ操作に応じて実行されたタスクに係る入力画面を表示する画面表示処理手段と、
前記入力情報に基づいて、前記画面表示処理手段において表示された入力画面の入力部位に入力された入力値を表示する入力反映手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
接続指示を検出する接続検出手段と、
前記接続検出手段において接続指示が検出された場合、前記端末装置に記憶された、ユーザ操作に係るユーザ操作情報を記憶装置に記憶する記憶処理手段と、
を更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
端末装置と、前記端末装置と通信可能な情報処理装置と、を含む情報処理システムであって、
前記端末装置は、
ユーザ操作に係るユーザ操作情報を記憶する記憶処理手段を有し、
前記情報処理装置は、
前記端末装置において記憶されたユーザ操作情報を取得するユーザ操作情報取得手段と、
前記ユーザ操作情報取得手段において取得されたユーザ操作情報に基づいて、表示装置に前記ユーザ操作に応じて実行されたタスクに係る入力画面及び前記入力画面の入力部位に入力された入力値を表示するよう制御する表示制御手段と、
を有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項5】
端末装置に記憶された、ユーザ操作に係るユーザ操作情報を取得するユーザ操作情報取得ステップと、
前記ユーザ操作情報取得ステップにおいて取得されたユーザ操作情報に基づいて、表示装置に前記ユーザ操作に応じて実行されたタスクに係る入力画面及び前記入力画面の入力部位に入力された入力値を表示するよう制御する表示制御ステップと、
を有することを特徴とする情報処理装置における情報処理方法。
【請求項6】
前記ユーザ操作情報には、前記ユーザ操作に応じて実行されたタスクのタスク情報と、前記タスクに係る入力画面の入力部位に入力された入力情報と、が含まれ、
前記表示制御ステップは、
前記タスク情報に基づいて、前記ユーザ操作に応じて実行されたタスクに係る入力画面を表示する画面表示処理ステップと、
前記入力情報に基づいて、前記画面表示処理ステップにおいて表示された入力画面の入力部位に入力された入力値を表示する入力反映ステップと、
を有することを特徴とする請求項5に記載の情報処理方法。
【請求項7】
接続指示を検出する接続検出ステップと、
前記接続検出ステップにおいて接続指示が検出された場合、前記端末装置に記憶された、ユーザ操作に係るユーザ操作情報を記憶装置に記憶する記憶処理ステップと、
を更に有することを特徴とする請求項5又は6に記載の情報処理方法。
【請求項8】
端末装置に記憶された、ユーザ操作に係るユーザ操作情報を取得するユーザ操作情報取得ステップと、
前記ユーザ操作情報取得ステップにおいて取得されたユーザ操作情報に基づいて、表示装置に対して前記ユーザ操作に応じて実行されたタスクに係る入力画面及び前記入力画面の入力部位に入力された入力値を表示する表示制御ステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−26073(P2009−26073A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−188619(P2007−188619)
【出願日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】