説明

情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム

【課題】現金自動預払機において利用者検出の機能を十分に活用して、利用者の不自然な利用を防止すること。
【解決手段】ユーザとの間で現金取引を行なう情報処理装置であって、情報処理装置に近接したユーザを検知する検知手段と、ユーザからカードを受け付ける受付手段と、受付手段が受け付けたカードのカード枚数をカウントするカード枚数カウント手段と、カウント手段によりカウントされたカード枚数が第1閾値を超えたか否かを判定するカード枚数判定手段と、カード枚数判定手段によって、カード枚数が第1閾値を超えたと判定された場合に警告を行なう警告手段とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動取引装置の制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
上記技術分野において、特許文献1に示されているように、現金自動預払機(ATM:Automatic Teller Machine)の利用者の存在を検出することで払い出された現金等を利用者が所定時間内に取り出さなかった場合に、ATMに回収する時間を延長する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−231606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来技術では、利用者検出の機能を十分に活用しきれていなかった。たとえば、ATMを1人の利用者が占有し続けた場合など不自然な利用を防止できなかった。
【0005】
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る装置は、
ユーザとの間で現金取引を行なう情報処理装置であって、
前記情報処理装置に近接した前記ユーザを検知する検知手段と、
前記ユーザからカードを受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた前記カードのカード枚数をカウントするカード枚数カウント手段と、
前記カード枚数カウント手段によりカウントされた前記カード枚数が第1閾値を超えたか否かを判定するカード枚数判定手段と、
前記カード枚数判定手段によって、前記カード枚数が前記第1閾値を超えたと判定された場合に警告を行なう警告手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る方法は、
ユーザとの間で現金取引を行なう情報処理方法であって、
情報処理装置に近接したユーザを検知する検知ステップと、
前記ユーザからカードを受け付ける受付ステップと、
受け付けた前記カードのカード枚数をカウントするカード枚数カウントステップと、
カウントされた前記カード枚数が第1閾値を超えたか否かを判定するカード枚数判定ステップと、
前記カード枚数が前記第1閾値を超えたと判定された場合に、警告を行なう警告ステップと、
を含むことを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係るプログラムは、
ユーザとの間で現金取引を行なう情報処理プログラムであって、
情報処理装置に近接したユーザを検知する検知ステップと、
前記ユーザからカードを受け付ける受付ステップと、
受け付けた前記カードのカード枚数をカウントするカード枚数カウントステップと、
カウントされた前記カード枚数が第1閾値を超えたか否かを判定するカード枚数判定ステップと、
前記カード枚数が前記第1閾値を超えたと判定された場合に、警告を行なう警告ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、現金自動預払機において利用者検出の機能を十分に活用して、利用者の不自然な利用を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係るATMの構成および動作の概要を示す図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係るATMの構成を示すブロック図である。
【図4A】本発明の第2実施形態に係るATMの処理の流れを示すフローチャートである。
【図4B】本発明の第2実施形態に係るATMの処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2実施形態に係るATMのハードウェア構成を示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態におけるRAMに記憶される取引を示すテーブルである。
【図7】本発明の第2実施形態に係るATMにより実行される取引の詳細情報を示すテーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を参照して、例示的に詳しく説明記載する。ただし、以下の実施の形態に記載されている、構成、数値、処理の流れ、機能要素などは一例に過ぎず、その変形や変更は自由であって、本発明の技術範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
【0012】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としての情報処理装置100について、図1を用いて説明する。情報処理装置100は、ユーザとの間で現金取引を行なう。
【0013】
図1に示すように、情報処理装置100は、検知部101と、受付部102と、カード枚数カウント部103と、カード枚数判定部104と、警告部105とを含む。
【0014】
検知部101は、情報処理装置100に近接したユーザを検知する。受付部102は、ユーザからカードを受け付ける。カード枚数カウント部103は、受付部102が受け付けたカードのカード枚数をカウントする。カード枚数判定部104は、カード枚数カウント部103にカウントされたカード枚数が第1閾値を超えたか否かを判定する。警告部105は、カード枚数判定部104によって、カード枚数が第1閾値を超えたと判定された場合に警告を行なう。
【0015】
以上の構成により、本実施形態によれば、現金自動預払機において利用者検出の機能を十分に活用して、利用者の不自然な利用を防止することができる。
【0016】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態に係る概要について、図2を用いて説明する。図2は、本実施形態に係るATM200の構成および動作の概要を説明するための図である。図2に示されているように、ATM200は、検知部201と、受付部202と、カード枚数カウント部203と、判定部204と、警告部205とを有する。また、ATM200は、取引実行部210と、取引回数カウント部211と、ID情報読取部212と、記憶部213と、表示部214と、操作部215とを有する。
【0017】
検知部201は、あらかじめ定められた所定距離内にユーザ280が近接すると、検知する。受付部202は、ユーザからカードの挿入を受け付ける。ID情報読取部212は、受付部202が受け付けたカードのID情報を読み取る。記憶部213は、ID情報と、カード枚数の第1閾値と、取引回数の第2閾値とを記憶する。カード枚数カウント部203は、受付部202が受け付けたカード枚数をカウントする。カードの受付が複数回に及ぶ場合にはカード枚数のカウントを+1とする。
【0018】
表示部214は、ユーザからの指示を受け付け、取引実行部210は、受け付けた取引を実行する。取引が終了し、カードが受付部202から抽出されると、取引回数カウント部211は、取引回数のカウントを+1とする。検知部201は、取引が終了してユーザ280がATM200から離れると、検知を終了する。
【0019】
一方、ユーザ280がATM200から離れることなく再度カードを受付部202に挿入すると、カード枚数カウント部203はカード枚数のカウントをさらに+1とする。本実施例においてカードの連続受付回数は10回に設定されているものとする。この場合に、ユーザ280からカードの挿入/抽出を繰り返されて、カード枚数のカウントが10枚(回)に達すると、判定部204は、カード枚数のカウントが第1閾値を超えたと判定する。警告部205は、判定部204の判定に基づいて、カード枚数のカウントが第1閾値を超えたものとして警告を行なう。
【0020】
カード枚数のカウント設定において、同一ID情報のカードが受付部202に連続して10回挿入されると、カード枚数を10枚とカウントするように設定することができるが、カード枚数のカウント設定はこれに限られるものではない。2枚の異なるID情報のカードを交互に挿入した場合に、カード枚数を2枚とカウントしても良く、挿入された回数に応じてカウントしてもよい。また、カード枚数のカウントを行なう時間設定において、同一ID情報のカードが所定時間内に連続して10回、受付部202に挿入されてもカード枚数をカウントしないように設定してもよい。さらに、同一ユーザにより複数のカードが所定時間内に連続して10回、受付部202に挿入されると、カード枚数を10枚とカウントするように設定してもよい。このように、カード枚数のカウント設定およびカード枚数のカウントを行なう時間設定は、ATM200の設置者において変更可能である。さらに、カード枚数のカウントを行なう時間設定は、時間帯、曜日、日付ごとに変更することが可能である。
【0021】
たとえば、ユーザ280のID情報を有する同一カードが所定時間内に10回連続して受付部202に挿入されると、ユーザ280にATM200が占有される不自然な取引を行なわせることになり、他のユーザ281〜28nによる取引機会が奪われる。また、ユーザ280が複数の他人のカードを用いて複数回取引を行ない、ATM200が占有される不自然な取引を行なわれても、他のユーザ281〜28nの取引機会が奪われる。
そこで、カード枚数カウント部203は、ユーザ280によるカードの挿入が10回連続して行なわれると、カード枚数のカウントを10枚とする。判定部204は、第1閾値(10回、10枚)を超えたと判定すると、警告部205はこの判定を基に警告を行なう。
【0022】
次に本発明の第2実施形態に係るATM200の構成について、図3を用いて説明する。図3は、本実施形態に係るATM200の構成を説明するための図である。
【0023】
図3に示されているように、ATM200は、検知部201と、受付部202と、カード枚数カウント部203と、判定部204と、警告部205とを有する。また、ATM200は、取引実行部210と、取引回数カウント部211と、ID情報読取部212と、記憶部213と、表示部214と、操作部215とを有する。このような構成により、ATM200は、ユーザによる取引を受け付け、または不自然な取引の実行を防止する。
【0024】
検知部201は、ユーザの近接を赤外線により検知する接近センサでも良いし、顔認識技術により検知する顔認識センサを用いてユーザの顔画像を記憶して同一ユーザによりATM200が継続利用されているか否か検知しても良い。また、その他の方法を用いてユーザの近接を検知しても良い。受付部202は、ユーザからのカードの挿入を受け付ける。そして、カード枚数カウント部203は、受け付けたカード枚数のカウントを始め、カード枚数を+1とする。この際、カード枚数カウント部203は、カウントしたカード枚数を記憶部213に格納してもよい。ID情報読取部212は、カードのID情報を読み取り、記憶部213に記憶する。同一のID情報を有するカードがユーザにより複数回挿入された場合には、記憶部213に記憶されたID情報およびカード枚数のカウント設定(第1閾値)を基に、カード枚数をカウントする。また、検知部201は、ID情報の異なるカードが挿入されたと認識した場合に、前のカードが挿入された時のユーザの顔情報と現在のユーザの顔情報とを比較して、同一ユーザによる連続した取引であるか否かを検知してもよい。
【0025】
カード枚数のカウント設定は、同一ID情報を有するカードを1枚にカウントしても良く、また、ID情報の異同を認識することなくカードが挿入される度に1枚にカウントしてもよいが、これらの設定に限定されるものではない。なお、同一のID情報を有するカードを1枚にカウントする設定の場合には、取引回数カウント部211においてカウントする取引回数に制限を設けることにより、同一ユーザからの取引を所定回数(第2閾値)内で終了するように設定することができる。
【0026】
判定部204は、カード枚数カウント部203においてカウントしたカード枚数が第1閾値を超えたか否かを判定し、第1閾値を超えたと判定した場合には、同一ユーザによる取引を停止すべく、警告部205に通知する。そして、警告部205は、通知を受け取ると、カード枚数が第1閾値を超えたことを示す警告を行なう。警告部205が行なう警告は、ATM200の表示部214に表示する。警告は、たとえば、取引回数が所定回数(第1閾値)に達したため取引を終了することを促すメッセージである。警告部205は、取引終了を促すメッセージを必ずしも表示部214に表示する必要はない。また、警告は、通信可能に接続された銀行の端末や、警告を表示する機能を有するその他の機器(不図示)に行なってもよい。なお、ATM200は、警告を行なった後にユーザからの取引を受け付けず、拒否することができる。
【0027】
次に、取引回数に制限を設ける場合について説明する。
【0028】
操作部215は、ユーザからの取引指示を受け付ける。取引実行部210は、操作部215において受け付けた取引指示に基づいて現金取引などの各取引を実行する。そして、取引回数カウント部211は、取引を実行するごとに取引回数をカウントする。この際、取引回数カウント部211は、取引回数を記憶部213に格納してもよい。また、取引回数カウント部211は、各取引のうち特定の取引についてのみ取引回数をカウントするように設定されてもよい。
【0029】
判定部204は、取引回数カウント部211においてカウントした取引回数が第2閾値を超えたか否か判定し、第2閾値を超えたと判定した場合には、警告部205に通知する。
【0030】
警告部205は、通知を受け取ると、取引回数が第2閾値を超えたことを示す警告を行なう。警告部205が行なう警告は、ATM200の表示部214に表示する。たとえば、取引回数が所定回数に達したため取引を終了することを促すメッセージを表示する。警告部205は、取引終了を促すメッセージを必ずしも表示部214に表示する必要はない。また、警告は、通信可能に接続された銀行の端末や、警告を表示する機能を有するその他の機器(不図示)に行なってもよい。なお、ATM200は、警告を行なった後にユーザからの取引を受け付けず、拒否することができる。
【0031】
図4は、本実施形態に係るATM200の処理の流れを示すフローチャートである。
図4AのステップS403において、受付部202は、ユーザ280からのカードの挿入を受け付ける。ステップS405において、カード枚数カウント部203は、受付部202で受け付けたカードのカード枚数をカウントする。ステップS407において、操作部215は、ユーザ280からの取引指示の入力を受け付ける。ステップS409において、取引実行部210は、操作部215において受け付けた現金取引などの取引指示を実行する。
【0032】
ステップS411において、取引回数カウント部211は、取引実行部210により実行された取引の回数をカウントし、取引回数を+1とする。ステップS413において、受付部202は、取引が終了したことによりカードを抽出する。ステップS415において、検知部201は、取引を行なったユーザ280があらかじめ定められた所定距離、例えば、30cm、40cm、50cm、60cmのうちあらかじめ定められた何れかの距離だけATM200から離れたか否か判断する。そして、検知部201は、ユーザ280が所定距離だけ離れた場合には、ユーザ280の近接検知を終了する。一方、ユーザ280がATM200から所定距離だけ離れない場合には、ユーザ280の検知を継続し、ステップS417に進む。検知部201が検知を終了すると、カード枚数カウント部203は、カウントしているカード枚数を初期状態に戻し、カウントを終了する。同様に、取引回数カウント部211は、カウントしている取引回数を初期状態に戻し、カウントを終了する。
【0033】
次に、図4BのステップS417において、判定部204は、カウントされたカード枚数とあらかじめ定めた第1閾値とを比較して、カード枚数が第1閾値を超える場合には、ステップS421に進む。一方、カード枚数が第1閾値を超えない場合には、ステップS419に進む。ステップS419において、判定部204は、取引回数カウント部211においてカウントされた同一ユーザ280による取引回数と、あらかじめ定められた第2閾値とを比較して、取引回数が第2閾値を超える場合には、ステップS421に進む。一方、取引回数が第2閾値を超えない場合には、ステップS403に戻る。ステップS421において、警告部205は、カード枚数が第1閾値を超えたことを示す警告、または、取引回数が第2閾値を超えたことを示す警告を行う。
【0034】
なお、上記フローチャートにおいては、カード枚数が第1閾値を超えた場合、または取引回数が第2閾値を超えた場合のいずれか一方の場合に警告を行なうとの説明を行なったが、カード枚数が第1閾値を超えた場合において警告を行なうことも可能である。
【0035】
図5は、本実施形態におけるATM200のハードウェア構成を示す図である。図5に示すように、ATM200は、CPU510、ROM520、通信制御部530、RAM540、およびストレージ550を備えている。
【0036】
CPU510は中央処理部であって、様々なプログラムを実行することによりATM200全体を制御する。ROM520は、リードオンリメモリであり、CPU510が最初に実行すべきブートプログラムの他、各種パラメータ等を記憶している。また、RAM540は、ランダムアクセスメモリであり、情報の一時記憶領域を有し、アプリケーションの実行領域を有している。RAM540は、ユーザ検知541と、カード枚数542と、カードのID情報543と、取引回数544と、取引情報545とを有する。一方、ストレージ550は、記憶部213を構成しており、カード枚数の第1閾値552と、取引回数の第2閾値553とを有する。また、図7に示す取引詳細情報のテーブル554を有する。さらに、通信制御部530は、他の端末とのネットワークを介した通信を制御する。
【0037】
ユーザ検知541は、検知部201でユーザを検知するとオンになり、ユーザが離れるとオフになる。また、ユーザが離れずに取引を繰り返す場合には、オンの状態(「−」 図6参照)を継続する。カード枚数542は、カード枚数カウント部203においてカウントしたカード枚数である。カードが繰り返し挿入されると、カード枚数が+1ずつカウントされる。カード枚数542は、610欄において「1」であるが、同一ユーザにより取引が繰り返されたことにより、611欄において「2」である(図6参照)。カードのID情報543は、カード枚数カウント部203においてカウントしたカード毎のID情報である(図7参照)。取引回数544は、取引回数カウント部211においてカウントした取引回数である(図6、7参照)。取引回数544は、同一のID情報を有するカードを用いて繰り返し取引が行なわれた場合に、取引回数を1回にカウントしても良く、カードを受け付けた回数に応じて取引回数をカウントしてもよい。取引情報545は、取引実行部210において実行された取引内容である(図7の701参照)。また、取引が成立したか否かについての取引状況を含んでもよい(図6の601参照)。
【0038】
次に、ストレージ550の記憶部213について説明する。カード枚数の第1閾値552は、カウントされたカード枚数が警告を行なう必要のある枚数に達したか否かを判定部204において判定するための値(第1閾値)である。この第1閾値は、時間、曜日、日付などに応じて変更することが可能である。
【0039】
また、取引回数の第2閾値553は、カウントされた取引回数が警告を行なう必要のある回数に達したか否かを判定部204において判定するための値(第2閾値)である。この第2閾値は、カード枚数の第1閾値552と同様に、時間、曜日、日付などの任意のタイミングに応じて変更することが可能である。取引詳細情報554は、ユーザによりATM200で行なわれた取引の詳細情報を記憶する(図7参照)。たとえば、受付部202においてカードを受け付けた時刻(703)や、カードを抽出した時刻(704)や、取引内容(701)などを記憶する。
【0040】
図6は、本実施形態におけるRAM540(図5参照)に一時記憶される取引を示すテーブル600である。テーブル600は、ユーザ検知541と、カード枚数542と、取引回数544と、さらに、取引状況601とを示す。610〜6nn欄は、実行された取引を示す。
【0041】
ユーザ検知541は、検知部201においてユーザが検知されると「オン」がチェックされ、ユーザがATM200から離れずに取引を繰り返す場合には「−」がチェックされる。本実施例の610欄には「オン」が示され、検知部201がユーザの近接を検知したことを示す。一方、611欄には「−」が示され、検知部201がユーザが離れたことを検知せず、取引が繰り返されたことを示す。
【0042】
カード枚数542は、受付部202においてカードを受け付けるとカード枚数カウント部203でカード枚数のカウントが行なわれて、カウントされたカード枚数を表示する。図6において、610欄には「1」が示され、611欄には「2」が示されていることから、ユーザがATM200から離れることなくカードを2枚挿入したことを示す。また、613欄〜618欄を見ると、カード枚数のカウントは「4」が表示されていることから、ユーザがATM200から離れることなく、少なくとも4枚のカードを挿入したことを示す。
【0043】
取引回数544は、取引回数カウント部211においてユーザからの取引指示を受け付けると、610欄〜6nn欄に取引回数を追加したカウントを表示する。図6において、613欄〜618欄を見ると、ユーザ検知541が613欄以降行なわれていないことから明らかなとおり、同一ユーザにより繰り返し6回の取引が行なわれたことを示す。615欄および616欄におけるカード枚数542は「3」であることから、同一ID情報のカードを用いて取引が行なわれている。この取引は、615欄の取引状況601に示すとおり不成立となり、再度行なわれて616欄において成立している。617欄および618欄の取引も、5回目の取引(617欄)が不成立となり再度行なわれて6回目の取引(618欄)が成立している。
【0044】
取引状況601は、取引実行部210においてユーザから受け付けた取引指示の結果を、「成立」または「不成立」で示す。
【0045】
図7は、本実施形態におけるATM200において実行される取引の詳細情報を示すテーブル554である。
【0046】
図7に示すように、取引詳細情報のテーブル554は、カード枚数542と、取引回数544と、取引内容701と、取引状況601と、取引金額702と、ID情報543と、カード受付時刻703と、カード抽出時刻704と、ユーザ検知541とを示す。
【0047】
取引内容701は、取引実行部210において実行された各取引を示す。本実施形態において、710欄は、現金の「振込」が行なわれたことを示し、712欄は、現金の「預入」が行なわれたことを示し、711欄および713欄〜719欄は現金の「引出」が行なわれたことを示す。
【0048】
取引金額702は、取引において扱われた現金の額を示す。本実施形態において、710欄は、現金「10万円」の振り込みが成立したことを示す。715欄は、現金12万円の引き出しが不成立に終わったことを示し、716欄は、現金12万円の引き出しが成立したことを示す。
【0049】
カード受付時刻703およびカード抽出時刻704は、受付部202においてユーザからカードを受け付けた時刻と、取引が終了してカードを抽出した時刻とを示す。カードを受け付けてからカードを抽出するまでの時間を計測することにより、一回の取引当たりの所要時間を把握することができる。そのため、カード枚数のカウント回数の第1閾値の設定、および取引回数のカウント回数の第2閾値の設定を時間、曜日、日付のように、ATM200が利用される状況に合わせて設定を変更することが可能である。ID情報543は、ID情報読取部212により読み取られたカード毎のID情報であり、記憶部213に格納されている。
【0050】
以上の構成および動作により、本実施形態によれば、ATMにおいてユーザ検出の機能を十分に活用して、同一ユーザによるATMの占有使用や、複数の他人のカードを利用した取引などの不自然な利用を防止することができる。
【0051】
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について詳述したが、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の範疇に含まれる。
【0052】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用されてもよいし、単体の装置に適用されてもよい。さらに、本発明は、実施形態の機能を実現する情報処理プログラムが、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給される場合にも適用可能である。したがって、本発明の機能をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラム、あるいはそのプログラムを格納した媒体、そのプログラムをダウンロードさせるWWW(World Wide Web)サーバも、本発明の範疇に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザとの間で現金取引を行なう情報処理装置であって、
前記情報処理装置に近接した前記ユーザを検知する検知手段と、
前記ユーザからカードを受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた前記カードのカード枚数をカウントするカード枚数カウント手段と、
前記カード枚数カウント手段によりカウントされた前記カード枚数が第1閾値を超えたか否かを判定するカード枚数判定手段と、
前記カード枚数判定手段によって、前記カード枚数が前記第1閾値を超えたと判定された場合に警告を行なう警告手段と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記ユーザから受け付けた取引を実行する取引実行手段と、
前記取引実行手段により実行した取引回数をカウントする取引回数カウント手段と、
前記取引回数カウント手段によりカウントした前記取引回数が第2閾値を超えたか否かを判定する取引回数判定手段とを備え、
前記カード枚数判定手段によって前記カード枚数が前記第1閾値を超えたと判定された場合、または、前記取引回数判定手段によって前記取引回数が前記第2閾値を超えたと判定された場合のいずれかにおいて、前記警告手段は前記取引を停止することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取引回数カウント手段は、前記取引回数のカウントを前記受付手段において受け付けた前記カードの前記ID情報に対応させて取引回数をカウントすることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取引回数カウント手段は、前記取引回数のカウントを前記取引のうち特定の取引に限定して行なうことを特徴とする請求項2または3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記カード枚数カウント手段は、前記受付手段が受け付けた前記カードからID情報を読み取るID情報読取手段と、
前記ID情報読取手段により読み取った前記ID情報を記憶する記憶手段と、
を備え、
前記受付手段において前記記憶手段により記憶した前記ID情報と異なるカードを受け付けると、前記カード枚数をカウントすることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記検知手段は、前記ユーザが前記情報処理装置から離れたことを検知すると、前記カード枚数のカウントと、前記取引回数のカウントとを初期状態に戻すことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記検知手段は、前記検知を赤外線または顔認識技術のいずれかを用いて行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記警告手段は、前記第1閾値の設定を時間、曜日、日付ごとに設定できることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記警告手段は、前記第2閾値の設定を時間、曜日、日付ごとに設定できることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
ユーザとの間で現金取引を行なう情報処理方法であって、
情報処理装置に近接したユーザを検知する検知ステップと、
前記ユーザからカードを受け付ける受付ステップと、
受け付けた前記カードのカード枚数をカウントするカード枚数カウントステップと、
カウントされた前記カード枚数が第1閾値を超えたか否かを判定するカード枚数判定ステップと、
前記カード枚数が前記第1閾値を超えたと判定された場合に、警告を行なう警告ステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
ユーザとの間で現金取引を行なう情報処理プログラムであって、
情報処理装置に近接したユーザを検知する検知ステップと、
前記ユーザからカードを受け付ける受付ステップと、
受け付けた前記カードのカード枚数をカウントするカード枚数カウントステップと、
カウントされた前記カード枚数が第1閾値を超えたか否かを判定するカード枚数判定ステップと、
前記カード枚数が前記第1閾値を超えたと判定された場合に、警告を行なう警告ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−41463(P2013−41463A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178527(P2011−178527)
【出願日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】