説明

情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び情報処理装置の制御プログラム

【課題】 ユーザと情報処理装置との距離に応じて音量が調整できる情報処理装置の制御方法を提供する。
【解決手段】例えばCDやMP3ファイル等の音声データを再生している場合には、ユーザの位置とスピーカとの距離が標準距離と異なったときにスピーカの音量調整テーブルBを参照し、DVD等のように映像データと音声データとを再生している場合には、ユーザの位置とスピーカとの距離が標準距離と異なったときにスピーカの音声調整テーブルAを参照するようにした。
これによって、コンテンツの種類によって異なった音量調整を行うようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばノート型パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び情報処理装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ノート型パーソナルコンピュータ(以下PCという)の普及と共に、PCで映画や音楽を再生することが多くなってきた。映画や音楽を再生するアプリケーションソフトは多々あるが、映画や音楽のコンテンツは大きく2つに分けられる。すなわち、DVD等の画面に表示する映像データとスピーカに出力する音声データとを含むAVIファイル等(第1の種類のコンテンツ)と、映像データは含まずに音声データのみを含むMP3やWAVファイル等(第2のコンテンツ)とがある。
【0003】
PCでは、これらのコンテンツを再生する際、音声データの再生はPCのオペレータリングシステムに設定された固定の音声レベルでスピーカに出力するのが一般的である。また、最近ではコンテンツ再生のアプリケーション終了時の音声レベルを記憶しておき、次にアプリケーションを起動したときに記憶しておいた音声レベルを読み出してそのレベルで再生するようなものも出現している。(例えば、特許文献1参照)
また、映像データを出力するときには、ユーザが表示部のウインドウ(画面)の大きさを調整してそのウインドウに映像データを出力している。このウインドウの大きさはユーザが一旦決定すると、ユーザで決めた固定ウインドウサイズで映像データを出力するようになっている。
【特許文献1】特開2004−287474号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
PCのユーザは映像や音楽を再生しているとき常にPCの前の同じ位置に存在するとは限らない。しかしながら、ユーザがPCの前の位置から移動してもPCのスピーカの音量は常に一定であり、ユーザがPCでMP3等の音楽のコンテンツを再生し、その音楽をBGMとして聞きながら遠くに離れると再生している音声データは聞こえない状態になってしまう。
【0005】
一方、映像データと音声データとが同時に再生されるDVD等は、ユーザが遠く離れて映像が見えない状態になれば、ユーザは音声データを聞くことが無いにも関わらず音声データが再生された状態が続くことになる。
【0006】
さらに、ユーザがPCの位置から少し離れたところから再生している映像データを見たくとも、表示部のウインドウの大きさは変わらないのでウインドウが小さくて見難い状態となる。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、再生されるコンテンツの内容とユーザの位置に応じて、スピーカから出力される音量を調整することができ、ユーザにとって利便性の良い情報処理装置、情報処理装置の制御方法及び情報処理装置の制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、移動するユーザの顔を撮影する(フェイストラッキング)カメラと、映像データを表示する表示部と、音声データを出力するスピーカと、前記カメラで移動するユーザの顔を撮影したとき、そのユーザの顔の画面の大きさが、設定した固定顔サイズと比べられて、撮影された顔と固定顔サイズの差に応じて、ユーザの位置を判断する距離検知手段と、前記距離検知手段により、ユーザの位置を判断したとき、前記スピーカで再生している音声データの音量を調整する音声調整手と、を具備したことを特徴とする
また、本発明は、音声データの再生手段を備えた情報処理装置の再生方法であって、情報処理装置の筺体に移動するユーザの顔を撮影するカメラを設け、前記カメラで撮影された移動するユーザの顔は、固定顔サイズと比較され、撮影された顔と固定顔サイズの差に応じて、ユーザと情報処理装置との距離を検知して、ユーザの位置を判断し、ユーザの位置に応じて、再生している音声データの音量を調整することを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかるプログラムは、移動するユーザの顔を撮影するカメラと、音声データを出力するスピーカを具備する情報処理装置の制御プログラムであって、前記カメラで撮影された移動するユーザの顔を固定顔サイズと比べて、撮影された顔と固定顔サイズの差に応じて、ユーザと前記情報処理装置との距離を検知して、ユーザの位置を判断する位置判断機能と、ユーザの位置に応じて、再生している音声データの音量を調整する機能と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
再生されるコンテンツの内容とユーザの位置に応じて、スピーカから出力される音量を調整することができ、ユーザにとって利便性の良い情報処理装置、情報処理装置の制御方法及び情報処理装置の制御プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【実施例】
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に於ける情報処理装置の外観構成を示す。ここでは、本発明を適用したノート型のPCを例に示している。
【0013】
図1において、PCは、コンピュータ本体1と、ディスプレイユニット2とから構成されている。ディスプレイユニット2には、表示装置3が組み込まれていて、コンピュータ本体1に対して開閉自在に取り付けられている。ディスプレイユニット2の中央真上の部分、すなわち表示部3の上部には、ユーザの顔とユーザの環境を撮影するカメラ6が設けられている。コンピュータ本体1は箱型の筐体を有しており、その筐体の上面には、文字等を入力するとき操作されるキーボード4が設けられている。キーボード4の手前の筐体上面のほぼ中央部分には、タッチパッド5が設けられている。コンピュータ本体1上面上の奥手(後部)側には、左チャネル用メインスピーカ7aと右チャネル用メインスピーカ7bが左右に分かれて配置されている。これらメインスピーカ7aと7bは、主に音声データ再生用として使用される。
【0014】
次に、上記図1に示したコンピュータ本体1のシステム構成を図2に示す。
【0015】
このコンピュータ本体1には、図2に示すように、中央処理装置(CPU)8、リードオンリーメモリー/ランダムアクセスメモリー(ROM/RAM)9、ハードディスクドライブ(HDD)10、光ディスクドライブ(CD/DVD Drive)11、音声コントローラ(Sound Controller)12、ボリューム回路(VR)13、左チャネルメインスピーカ用アンプ14、右チャネルメインスピーカ用アンプ15及びグラフィクスコントローラ(Graphic Controller)16等が設けられている。
【0016】
CPU8はコンピュータ本体1の操作を制御するために設けられたものである。ROM/RAM9には、基本入出力システムとしてBIOS(basic input/output system)が書き込まれている。BIOSはコンピュータに搭載されたオペレーティングシステム(OS)とハードウェア(例えば表示装置3、タッチパッド5)で入出力されたデータの交換を制御するプログラムである。
【0017】
オペレーティングシステム(OS)、又はアプリケーションプログラムやユーティリティプログラム等は、ハードディスクドライブ(HDD)10に搭載されていて、ハードディスクドライブ(HDD)10からROM/RAM9にロードされる。ROM/RAM9はROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)等で構成される揮発性の記憶媒体である。このROM/RAM9には、後述するようにカメラ6から取得した人物画像に基づいてユーザがPCからどの程度離れた位置に存在するか、PCに対して中心位置に居るかそれとも左右に偏った位置にいるかを判断するための辞書テーブル(図7に示す)と、後述する距離に応じた音量調整テーブル(図9及びず10)が記憶されている。ROM/RAM9を通して、ロードされたプログラムはCPU8で実行される。
【0018】
光ディスクドライブ(CD/DVD Drive)11は、音声データや映像データが記憶されている媒体、例えばDVD−ROMなどに保存されている情報を読み込むために設けられている。
【0019】
音声コントローラ12は、光ディスクドライブ(CD/DVD Drive)12から読み出された音声データやCPU8を通じて、例えばハードディスクドライブ(HDD)10やインターネットから供給されるMP3やWAVデータ等、各種の音声データを入力し、それらに応じて、左チャネルオーディオ信号(Audio L Channel)及び右チャネルオーディオ信号(Audio R Channel)を出力する。左チャネルオーディオ信号及び右チャネルオーディオ信号は、外部音声機器を接続するためのラインアウト(Line Out)端子に供給されるとともに、ボリューム回路(VR)13を通じて左チャネルメインスピーカ用アンプ14及び右チャネルメインスピーカ用アンプ15に供給される。
【0020】
ボリューム回路(VR)13は左チャネル用メインスピーカ7aと右チャネル用メインスピーカ7bの出力音量を調整するための回路で、後述する音量調整テーブルから読み出された値に基づいて出力音量が調整されるものである。左チャネルメインスピーカ用アンプ14は左チャネル用メインスピーカ7aを駆動するためのものであり、ボリューム回路13を介して入力される左チャネルオーディオ信号を増幅して左チャネル用メインスピーカ7aに出力する。右チャネルメインスピーカ用アンプ15は右チャネル用メインスピーカ7bを駆動するためのものであり、ボリューム回路13を介して入力される右チャネルオーディオ信号を増幅して右チャネル用メインスピーカ7bに出力する。
【0021】
カメラ6はCPU8に接続されており、このカメラ6からの人物画像がRAMに取り込まれて、顔の位置と顔の大きさを辞書データと比較することによりユーザの位置を判断するようになっている。
【0022】
グラフィクスコントローラ16は表示装置3やCPU8に接続され、表示装置3に表示されるデータの制御を行うものである。
【0023】
次にこのように構成されたPCのスピーカの音量と表示装置のウインドウサイズ(画面サイズ)を自動的に変更する動作の説明を行う。
【0024】
図3(a)はPCを操作するユーザとPCの位置を示すものである。通常、PCを一定の場所に置いてユーザはPCに向って所定の距離離れた中央の位置からPCを操作する。このため、ユーザとスピーカとの距離は50cm程度の近い距離にあり、ユーザと左チャネル用メインスピーカ7a及び右チャネル用メインスピーカ7bとの距離は等しい距離になっている。
【0025】
このとき、カメラ6から取り込まれた人物画像は図3(b)のようになっており、一旦RAMに記憶された後に図7に示す予めRAMに記憶された辞書データと比較されることにより、ユーザの位置を判断する。図3の例では距離のレベルがレベル2であり、左右の位置が中央であると判断される。
【0026】
また、図4(a)はユーザがPCから遠く離れた位置に移動した状態を示している。この状態ではカメラ6からの画像データは図4(b)のように人物画像が小さく、図7の辞書データと比較されることにより、PCとユーザの距離がレベル7であり、左右の位置が中央であると判断される。
【0027】
さらに、図5(a)はユーザがPCから離れた位置に居るが、PCを見ている状態を示している。この状態ではカメラからの画像データは図5(b)のようになり、図7の辞書データと比較されることにより、PCとユーザの距離がレベル4であり、顔の向きからPCを見ていると判断される。
【0028】
さらにまた、図6(a)(b)はユーザがレベル2の距離で左右の位置が左に偏った位置に居ることを表している。
【0029】
次に図8に示すフローチャートに基づいてユーザの位置に応じてスピーカの音量と表示装置に表示されたウインドウサイズ(画面サイズ)を調整する動作を説明する。
【0030】
この図8に示す処理では、CPU8でアプリケーションが起動されたか否かを判断する(ステップS1)。アプリケーションが起動された場合は、再生するコンテンツの種類がDVD等のように映像データと音声データとを含むコンテンツである種類1か否かをチェックする(ステップS2)。コンテンツの種類が種類1ではない場合は、コンテンツの種類がMP3やWAV等のように映像データが含まれずに音声データのみを含むコンテンツである種類2か否かをチェックする(ステップS3)。コンテンツの種類が種類2の場合、MP3ファイルなどを再生するアプリケーションであると認識して、カメラ6を起動する(ステップS4、S5)。カメラ6が起動されるとカメラ6から取得されたユーザの顔の大きさが図7に示す辞書データと比較され、標準顔位置(レベル2)か否かをチェックする(ステップS6)。標準顔位置(レベル2)の場合は、音量と表示部のウインドウサイズは標準サイズに設定して、アプリケーションを終了するか否かを判断する(ステップS7、S8)。アプリケーション終了しない場合、ステップS6に戻り、カメラ6からの人物画像と辞書データとの比較を繰り返してユーザの顔の大きさからユーザの位置を判断する。ステップS6で顔の大きさからユーザの位置が標準位置でない場合、ユーザの位置に応じて図9に示すテーブルBを参照して、表示部のウインドウサイズとスピーカの音量を調整する(ステップS9、S10)。その詳細は後述する。
【0031】
一方、ステップS2でコンテンツの種類が種類1であるかをチェックしているとき、種類1であるとDVD等のコンテンツであると認識して、カメラ6を起動する(ステップS11、S12)。カメラ6が起動されるとカメラ6から取得されたユーザの顔の大きさが図7に示す辞書データと比較され、標準顔位置(レベル2)か否かをチェックする(ステップS13)。標準顔位置の場合は、音量と表示部のウインドウサイズは標準サイズに設定して、アプリケーションを終了するか否かを判断する(ステップS14、S15)。アプリケーション終了しない場合、ステップS13に戻り、カメラ6からの人物画像と辞書データとの比較を繰り返してユーザの顔の大きさからユーザの位置を判断する。ステップS13で顔の大きさからユーザの位置が標準位置でない場合、ユーザの位置に応じて図10に示すテーブルAを参照して、表示部のウインドウサイズとスピーカの音量を調整する(ステップS16、S17)。その詳細は後述する。
【0032】
ステップS3のコンテンツの種類を確認しているときにコンテンツ1でもコンテンツ2でもないときは、文章作成等のアプリケーション種類か否かをチェックする(ステップS18)。文章作成等のアプリケーションの場合、文章作成などのアプリケーションを実行する(ステップS19)。文章作成等のアプリケーションではない場合、ステップS1に戻って、次のアプリケーション起動を待機する。
【0033】
次に図9を参照して、第2の種類のコンテンツ再生時の音量調整方法について説明する。
【0034】
図9はコンテンツの種類がMP3やWAV等のように映像データが含まれずに音声データのみを含むコンテンツである種類2のときのユーザの位置と左チャネル用メインスピーカ7a及び右チャネル用メインスピーカ7bとの関係を示す音量調整テーブルBを示すものである。各セルの中の左の数字は左チャネル用メインスピーカ7aの音量を示して、右の数字は右チャネル用メインスピーカ7bの音量を示す。ユーザの位置の座標をPCからの距離をYとし、PCに対して左右又は中心のいずれの位置にいるかをXとして(X、Y)の形で示している。
【0035】
普通のユーザ位置は座標(2、2)で示して、二つのスピーカとも、普通の音量(1、1)で音声データを再生する。もし、ユーザが左に移動したら、座標は(1、2)になって、左チャネル用メインスピーカ7aの音量はわずかに増加し、右チャネル用メインスピーカ7bの音量はわずかに減少して、音量の数字は(0.8、1.3)になる。逆に、ユーザが右に移動したら、座標は(3、2)になって、左チャネル用メインスピーカ7aの音量わずかに増加し、右チャネル用メインスピーカ7bの音量はわずかに減少して、音量の数字は(1.3、0.8)になる。
【0036】
また、ユーザがPCの正面で近づいたら、座標は(2、1)になって、二つのスピーカの音量は(0.5、0.5)に減少する。この距離でユーザが左に移動したら、座標が(1、1)になり、左チャネル用メインスピーカ7aと右チャネル用メインスピーカ7bの音量はそれぞれ(0.8、1.3)になる。逆に、ユーザが右に移動した場合は、座標が(3、1)になって、左チャネル用メインスピーカ7aの音量と右チャネル用メインスピーカ7bの音量はそれぞれ(1.3、0.8)になる。
【0037】
さらに、ユーザがPCの正面から離れたら、座標が(2、3)になって、二つのスピーカの音量はそれぞれ(1.5、1.5)に増加する。この距離でユーザが左に移動したら、座標は(1、3)になって、左チャネル用メインスピーカ7aと右チャネル用メインスピーカ7bの音量はそれぞれ(1.3、1.8)になる。逆に、ユーザが右に移動したら、座標は(3、3)になって、左チャネル用メインスピーカ7aと右チャネル用メインスピーカ7bの音量はそれぞれ(1.8、1.3)になる。
【0038】
ここで、コンテンツの種類が2である音声データを再生しているときには、ユーザがPCから遠く離れても、音楽をBGMとして聞こえるように、音量を増大するように調整している。例えば、ユーザが座標(2、n−1)のところにいる場合、ユーザが居る位置でも音楽が聞こえるように音量を(3.2、3.2)に調整する。前の例と同じように、左に移動すると、座標が(1、n−1)に変わって音量が(3.5、4)に、右に移動すると、座標が(3、n−1)に変わって音量が(4、3.5)に調整される。
【0039】
次に図10を参照して、第1の種類のコンテンツ再生時の音量調整方法について説明する。
【0040】
図10はコンテンツの種類がDVDやAVI等のように映像データと音声データとを含むコンテンツである種類1のときのユーザの位置と左チャネル用メインスピーカ7a及び右チャネル用メインスピーカ7bとの関係を示す音量調整テーブルAである。図9と同じように、普通のユーザ位置は座標(2、2)で示して、二つのスピーカとも、普通の音量(1、1)で音声データを再生する。もし、ユーザが左に移動したら、座標は(1、2)になって、左チャネル用メインスピーカ7aの音量はわずかに増加し、右チャネル用メインスピーカ7bの音量はわずかに減少して、音量の数字は(0.8、1.3)になる。逆に、ユーザが右に移動したら、座標は(3、2)になって、左チャネル用メインスピーカ7aの音量わずかに増加し、右チャネル用メインスピーカ7bの音量はわずかに減少して、音量の数字は(1.3、0.8)になる。
【0041】
また、ユーザがPCの正面で近づいたら、座標は(2、1)になって、二つのスピーカの音量は(0.5、0.5)に減少する。この距離でユーザが左に移動したら、座標が(1、1)になり、左チャネル用メインスピーカ7aと右チャネル用メインスピーカ7bの音量はそれぞれ(0.8、1.3)になる。逆に、ユーザが右に移動した場合は、座標が(3、1)になって、左チャネル用メインスピーカ7aの音量と右チャネル用メインスピーカ7bの音量はそれぞれ(1.3、0.8)になる。
【0042】
さらに、ユーザがPC側の正面から離れたら、座標が(2、3)になって、二つのスピーカの音量はそれぞれ(1.5、1.5)に増加する。この距離でユーザが左に移動したら、座標は(1、3)になって、左チャネル用メインスピーカ7aと右チャネル用メインスピーカ7bの音量はそれぞれ(1.3、1.8)になる。逆に、ユーザが右に移動したら、座標は(3、3)になって、左チャネル用メインスピーカ7aと右チャネル用メインスピーカ7bの音量はそれぞれ(1.8、1.3)になる。ここまでは第2の種類のコンテンツと同様にユーザがPCから離れるにつれてスピーカの音量を増大するように調整している。
【0043】
しかしながら、DVD等のような映像データと音声データとを再生しているときにユーザがある程度PCから離れると映像データは最早見ることができないので、音楽データを再生する必要もなくなり、スピーカの音量を減少させるように調整している。例えば、ユーザが座標(2、n−1)のところにいる場合、ユーザは表示部が殆ど見られないようになってきたので、音量を上げる必要がない。このため、音量は(0.5、0.5)に調整する。前の例と同じように、左に移動すると、座標は(1、n−1)に変わって、音量は(0.3、0.5)に変更する。右に移動すると、座標は(3、n−1)に変更して、音量は(0.5、0.3)に変更する。更にこれ以上の距離に離れた位置、例えば座標(1、n)や(2、n)や(3、n)では音量をゼロにする。
【0044】
次に図11と図12を参照して、画面サイズ調整方法について説明する。
【0045】
この実施例では、音量の調整に加えてユーザとPCとの距離に応じて、表示部3に表示された画面ウインドウの大きさを調整できる。例えば、ユーザがPCの前に座っている状態で表示部のウインドウを最大表示でない状態でPCを見ていたものとする。この状態で、例えば電話にでるために少し離れた位置に移動すると、そのまま同じサイズのウインドウであればユーザはウインドウの映像は見え難いものとなる。本実施例では、カメラ6で取得したユーザの顔の大きさからユーザの位置を判断して、表示部のウインドウサイズを調整する。
【0046】
図11は、普通の画面ウインドウ17を示していて、普通の状況のユーザウインドウサイズである。普通の状況ではユーザはPCの前に座っており、表示されたウインドウは全画面の4分の1程度を占用している。この場合ユーザはPCの前に居るのでウインドウ画面を明確に見ることができ全く問題ない。しかし、ユーザがPCから離れた位置に移動するにつれてウインドウに表示されている映像データは見かけ上小さくなり、見難いものとなる。
【0047】
このため、前述の実施例と同様にカメラ6からの人物画像を辞書データと比較することにより、ユーザがPCからどの程度は離れた位置に居るかを判断して距離に応じてウインドウサイズを大きく制御するようにしている。
【0048】
図12は、ユーザが離れたところに移動したときのウインドウ18の例である。もともとのウインドウの大きさは図11のように表示部の4分の1程度を占有していたものを、ユーザがPCから離れたところに移動したことに伴い表示部の4分3程度まで拡大している状態を示している。
【0049】
このようなウインドウサイズの調整を行うときは、図10に示したPCとユーザとの距離に応じた音量調整テーブルに、ウインドウサイズデータをも加え、PCとユーザとの距離に応じてこのウインドウサイズデータを読み出してウインドウサイズを調整するようにすれば良い。
【0050】
なお、前記実施例ではカメラがPCに内蔵されているものとして説明したが、PCに必ずしも内蔵されていなくとも、PCのディスプレイユニット上部に外付けのカメラを取り付け、その画像データをUSB端子等を経由して取り込むようにすれば良い。
【0051】
また、ユーザの位置を判断するために顔の大きさと位置とを辞書データとして予めメモリに記憶しておき、カメラから取得したユーザの顔をこの辞書テーブルと比較するようにしたが、顔に限らず、人物全体の大きさに基づいて判断するようにしても良い。
【0052】
さらに、最近のカメラではユーザの顔の位置を認識して、ユーザの移動に併せて撮影範囲を変更する(追跡)機能が搭載されているようになっているが、そのような追跡機能を有するカメラを用いるとユーザの位置が精度よく判断できるのでスピーカの音量調整もきめ細かに調整することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施形態におけるPCの外観構成を示す斜視図。
【図2】図1に示したPCのシステム構成を示すブロック図。
【図3】普通のユーザとPCの位置を説明するための図。
【図4】コンテンツによって音声を異ならせる制御を行うことを説明するための図。
【図5】遠く離れてPCを見ている様子ウインドウを拡大することを説明するための図。
【図6】左右のスピーカの音量を変更することを説明するための図。
【図7】ユーザとPCとの距離を表すことを説明するための図。
【図8】音量と画面ウインドウサイズの調整の処理の流れを示すフローチャート。
【図9】本発明の第1の実施形態における音量参照テーブルAの図。
【図10】本発明の第2の実施形態における音量参照テーブルBの図。
【図11】本発明の第3の実施形態における普通の画面ウインドウサイズの説明のための図。
【図12】本発明の第3の実施形態における調整した画面ウインドウサイズの説明のための図。
【符号の説明】
【0054】
1 本体
2 ディスプレイユニット
3 表示装置(LCD)
4 キーボード
5 タッチパッド
6 Webカメラ
7a 左チャネル用メインスピーカ
7b 右チャネル用メインスピーカ
8 CPU
9 ROM/RAM
10 ハードディスクドライブ(HDD)
11 光ディスクドライブ(CD/DVD Drive)
12 音声コントローラ(Sound Controller)
13 ボリューム回路(VR)
16 グラフィクスコントローラ(Graphic Controller)
17 普通の画面ウインドウサイズ
18 ユーザの位置に応じて調整した画面ウインドウサイズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像データを表示する表示部と、
音声データを出力するスピーカと、
情報処理装置を操作するユーザの人物画像情報を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段で取得された人物画像情報に基づいて、ユーザの位置を判断する位置判断手段と、
前記表示部に表示する映像データと前記スピーカに出力する音声データとを含む第1の種類のコンテンツと、前記表示部に表示する映像データを含まず前記スピーカに出力する音声データのみを含む第2の種類のコンテンツとを選択的に再生する再生手段と、
前記位置判断手段により判断されたユーザの位置に基づいて、第1コンテンツと第2のコンテンツとで前記スピーカから出力される音量を異なった音量に調整する音声調整手段と、
を具備したことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記位置判断手段は、ユーザが当該情報処理装置の近傍に存在するか当該情報処理装置から離れた位置に存在するかを判断し、
前記音声調整手段は、前記再生手段によって第1のコンテンツの再生時にユーザが離れた位置に存在すると判断したときスピーカの音量を低減させ、第2のコンテンツの再生時にユーザが離れた位置に存在すると判断したときスピーカの音量を増大させることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記位置判断手段により判断されたユーザの位置に基づいて前記表示部に表示される画面の大きさを調整する画面サイズ調整手段をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記スピーカは当該情報処理装置の左右に配置された複数のスピーカからなり、
前記音声調整手段は、前記位置判断手段によってユーザが当該情報処理装置の中心部から偏った位置に存在すると判断したとき、その位置に基づいて左右のスピーカの音量を異なった値に調整することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
映像データを表示する表示部と、音声データを出力するスピーカと、前記表示部に表示する映像データと前記スピーカに出力する音声データとを含む第1の種類のコンテンツと、前記表示部に表示する映像データを含まず前記スピーカに出力する音声データのみを含む第2の種類のコンテンツとを選択的に再生する再生手段とを少なくとも有する情報処理装置の制御方法であって、
当該情報処理装置を操作するユーザの人物画像情報を取得するステップと、
前記取得された人物画像情報に基づいて、ユーザの位置を判断するステップと、
前記判断されたユーザの位置に基づいて、第1のコンテンツと第2のコンテンツとで前記スピーカから出力される音量を異なった音量に調整するステップと、
を具備することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項6】
前記位置を判断するステップは、ユーザが当該情報処理装置の近傍に存在するか当該情報処理装置から離れた位置に存在するかを判断し、
前記音量を調整するステップは、前記再生手段によって第1のコンテンツの再生時にユーザが離れた位置に存在すると判断したときスピーカの音量を低減させ、第2のコンテンツの再生時にユーザが離れた位置に存在すると判断したときスピーカの音量を増大させることを特徴とする請求項5記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項7】
前記位置を判断するステップで判断されたユーザの位置に基づいて前記表示部に表示される画面の大きさを調整する画面サイズ調整ステップをさらに具備したことを特徴とする請求項5記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項8】
前記スピーカは当該情報処理装置の左右に配置された複数のスピーカからなり、
前記音量を調整するステップは、前記位置を判断するステップでユーザが当該情報処理装置の中心部から偏った位置に存在すると判断したとき、その位置に基づいて左右のスピーカの音量を異なった値に調整することを特徴とする請求項5記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項9】
映像データを表示する表示部と、音声データを出力するスピーカと、前記表示部に表示する映像データと前記スピーカに出力する音声データとを含む第1の種類のコンテンツと、前記表示部に表示する映像データを含まず前記スピーカに出力する音声データのみを含む第2の種類のコンテンツとを選択的に再生する再生手段とを少なくとも有する情報処理装置の制御プログラムであって、
当該情報処理装置を操作するユーザの人物画像情報を取得する機能と、
前記取得された人物画像情報に基づいて、ユーザの位置を判断する機能と、
前記判断されたユーザの位置に基づいて、第1のコンテンツと第2のコンテンツとで前記スピーカから出力される音量を異なった音量に調整する機能と、
を具備することを特徴とする情報処理装置の制御プログラム。
【請求項10】
前記位置を判断する機能で判断されたユーザの位置に基づいて前記表示部に表示される画面の大きさを調整する画面サイズ調整機能をさらに具備したことを特徴とする請求項9記載の情報処理装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−187283(P2009−187283A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−26533(P2008−26533)
【出願日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】