説明

情報処理装置、情報取得方法および情報取得用プログラム

【課題】現実空間と投資に関連する情報との結びつきを強めることを課題とする。
【解決手段】株価情報取得システム1に、物品に付されたバーコードから得られる、該物品を提供する提供企業を示すメーカーコードを取得する提供企業識別情報取得部21と、メーカーコードと該メーカーコードによって示される提供企業に関連する上場企業の銘柄コードとが関連付けられて登録される関連上場企業データベース5を、メーカーコードを用いて検索することで、提供企業に関連する銘柄コードを取得する関連上場企業識別情報取得部22と、銘柄コードを用いた検索によって、提供企業に係る株価情報を取得する投資関連情報取得部23と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品に係る情報を取得するための情報処理装置、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バーコード等の汎用コード情報を入力する汎用コード入力手段を備えるユーザー端末と、インターネットに代表される通信手段を介してアクセス可能に設けられたサーバーシステムと、サーバーシステムからアクセス可能に設けられた一以上のデータベースシステムとから構成されるデータ検索システムが提案されている(特許文献1を参照)。このデータ検索システムにおいて、サーバーシステムは、汎用コード受信手段と、受信した汎用コード情報に基づきデータベースシステムを検索し、検索結果を受信するデータベース検索手段と、検索結果をユーザー端末に送信する検索結果送信手段とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−78619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
商品またはサービスは非上場企業によって提供されているものも多く、上場企業は限られている。また、投資等のために企業の情報を得る方法には様々なものがあるが、情報は上場企業名や銘柄コードを手掛かりにポータルサイトやニュースサイト、企業ウェブサイト等から得られるものが殆どである。即ち、ユーザが生活し、身近にユーザが利用する商品、およびサービスの提供に際して用いられる物品がある現実空間と、投資のための情報との結びつきが弱い。
【0005】
本発明は、上記した問題に鑑み、現実空間と投資に関連する情報との結びつきを強めることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。即ち、本発明は、物品から得られる、該物品を提供する提供企業を示す提供企業識別情報を取得する提供企業識別情報取得手段と、前記提供企業識別情報と該提供企業識別情報によって示される提供企業に関連する上場企業の関連上場企業識別情報とが関連付けられて登録される関連上場企業データベースを、前記提供企業識別情報を用いて検索することで、前記提供企業に関連する関連上場企業識別情報を取得する関連上場企業識別情報取得手段と、前記関連上場企業識別情報を用いた検索によって、前記提供企業に係る投資関連情報を取得する投資関連情報取得手段と、を備える情報処理装置である。
【0007】
ここで、提供企業とは、物品に係る商品やサービスのブランド所有者等、何らかの形で物品の提供に関わる企業であり、提供企業識別情報としては、例えば、物品に付されたバーコードを読み取ることで得られるメーカーコードや、提供企業の名称(提供企業名)等が挙げられる。また、提供企業識別情報取得手段は、バーコードを含む物品の画像からバーコードを抽出して提供企業識別情報を取得してもよいし、物品の画像を用いて画像検索を行うことで提供企業識別情報を取得してもよいし、OCR(Optical Character Recognition)技術を用いて商品に付された企業名や商品名を認識し、この企業名や商品名を用いて検索することで提供企業識別情報を取得してもよい。
【0008】
また、関連上場企業とは、当該物品の提供企業と何らかの要素において関連する上場企業であり、例えば、提供企業自身(提供企業自体が上場企業である場合)、資本的に関連のある他の企業(親会社、子会社等)、取引関係にある企業、資本関係や取引関係の有無に拘らず株価に関連性のある企業、等である。関連上場企業識別情報としては、例えば株式取引のために用いられる銘柄コードを用いることが出来る。
【0009】
また、投資関連情報としては、例えば、提供企業自体および関連上場企業の株価情報やニュース等が挙げられる。即ち、本発明によれば、物品から該物品に関連する投資関連情報を得て、物品と投資関連情報とを結びつけることが可能となる。
【0010】
また、本発明において、前記投資関連情報取得手段は、企業の識別情報と該企業の投資関連情報とが関連付けられて蓄積される投資関連情報データベースを、前記関連上場企業識別情報を用いて検索することで、前記関連上場企業の投資関連情報を取得してもよい。
【0011】
また、本発明において、前記関連上場企業識別情報取得手段は、前記提供企業が上場企業である場合、前記関連上場企業識別情報として、該提供企業の識別情報を取得し、前記投資関連情報取得手段は、前記提供企業識別情報を用いて前記投資関連情報データベースを検索することで、前記提供企業に係る投資関連情報を取得してもよい。
【0012】
また、本発明において、前記提供企業識別情報は、バーコードに含まれるメーカーコードであり、前記提供企業識別情報取得手段は、前記メーカーコードから特定される提供企業(通常はブランド所有者)の名称を、前記提供企業識別情報として更に取得し、前記投資関連情報取得手段は、前記提供企業の名称を前記提供企業識別情報として用いて前記投資関連情報データベースを検索することで、前記提供企業に係る投資関連情報を取得してもよい。
【0013】
提供企業の名称を提供企業識別情報として用いて投資関連情報データベースを検索することで、銘柄コードが取得できない場合であっても、投資関連情報を取得することが出来る。
【0014】
また、本発明に係る情報処理装置は、ユーザ端末から受信された上場企業識別情報を、前記関連上場企業データベースに登録される関連上場企業識別情報の候補として、前記提供企業識別情報と組み合わせて蓄積する候補情報蓄積手段と、前記候補情報蓄積手段によって蓄積された上場企業識別情報に係る上場企業のうち、上場企業識別情報の蓄積状況が所定の条件を満たすものを特定する特定手段と、前記特定手段によって特定された上場企業を示す上場企業識別情報を、該上場企業識別情報と組み合わせて蓄積された前記提供企業識別情報が示す提供企業の関連上場企業識別情報として、前記提供企業識別情報と関連付けて前記関連上場企業データベースに登録する登録手段と、を更に備えてもよい。
【0015】
ここで、特定手段による特定に用いられる所定の条件としては、例えば、蓄積された上場企業識別情報に係るユーザ数が所定数以上であること、等が挙げられる。本発明によれば、ユーザ端末からの情報を候補情報として蓄積し、蓄積された候補情報のうち所定の条件を満たす情報を関連上場企業データベースに登録することで、ユーザ端末からの情報に基づいて、関連上場企業データベースを更新することが出来る。
【0016】
また、本発明は、ユーザ端末装置の発明としても把握することが出来る。
【0017】
即ち、本発明は、物品を撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された画像から、前記物品に付された、該物品に係る情報を含む図形を検出する図形検出手段と、前記
図形に含まれる情報に基づいて、前記物品に関連する関連情報を取得する関連情報取得手段と、前記関連情報取得手段によって取得された関連情報を表示するための関連情報表示画像を、前記図形検出手段によって前記図形が検出された前記物品の画像に合成する合成手段と、前記合成手段によって合成された画像を表示する表示手段と、を備えるユーザ端末装置である。
【0018】
本発明によれば、図形に含まれる情報に基づいて物品に関連する情報を取得し、この関連情報を表示する画像(例えば、拡張現実の技術においてタグと称される画像)を図形が含まれる画像に合成して表示することで、現実空間に存在する物品と物品に関連する情報との結びつきを強めることが出来る。
【0019】
また、本発明に係るユーザ端末装置は、前記撮像手段によって撮像された画像内における前記図形の位置、姿勢および大きさの少なくとも何れかを含む図形状態を更に検出する図形状態検出手段と、前記図形状態に従って、前記関連情報表示画像が前記合成手段によって前記撮像画像に合成される際の位置、姿勢および大きさの少なくとも何れかを決定する合成状態決定手段と、を更に備えてもよい。
【0020】
本発明では、物品に付された、該物品に係る情報を含む図形を、該物品に関連する情報を取得するための図形としてのみならず、この情報を表示するための画像を撮像画像に合成する際の状態を決定するための基準(マーカー)としても用いる。このようにすることで、本発明によれば、図形に含まれる情報に基づいて物品に関連する情報を取得し、取得された情報を含む関連情報表示画像を、当該図形を基準として撮像画像に合成表示することが出来る。
【0021】
また、本発明は、コンピュータによって実行される方法、またはコンピュータに実行させるプログラムとしても把握することが可能である。また、本発明は、そのようなプログラムをコンピュータその他の装置、機械等が読み取り可能な記録媒体に記録したものでもよい。ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、現実空間と投資に関連する情報との結びつきを強めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施形態に係る情報処理システムの構成を示す概略図である。
【図2】実施形態に係る内部提供企業データベースに蓄積される情報の構成を示す図である。
【図3】実施形態に係る関連上場企業データベースに蓄積される関連上場企業情報の構成を示す図である。
【図4】実施形態に係る登録銘柄履歴データベースに蓄積される登録銘柄履歴の構成を示す図である。
【図5】実施形態に係る候補企業データベースに蓄積される候補企業情報の構成を示す図である。
【図6】実施形態に係るサーバおよびユーザ端末の機能構成の概略を示す図である。
【図7】実施形態に係る株価情報表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】実施形態において、ユーザ端末の表示装置に表示される、銘柄検索トップ画面を示す図である。
【図9】実施形態において、ユーザ端末の表示装置に表示される、バーコード読取画面を示す図である。
【図10】実施形態において、ユーザ端末の表示装置に表示される、バーコード読取完了画面を示す図である。
【図11】実施形態において、ユーザ端末の表示装置に表示される、検索候補表示画面を示す図である。
【図12】実施形態において、ユーザ端末の表示装置に表示される、株価画面を示す図である。
【図13】実施形態に係る株価情報取得処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】実施形態に係るデータベース更新処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】実施形態に係るサーバおよびユーザ端末の機能構成の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する場合の一例を示すものであって、本発明を以下に説明する具体的構成に限定するものではない。本発明を実施するにあたっては、実施の形態に応じた具体的構成が適宜採用されてよい。
【0025】
<システムの構成>
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの構成を示す概略図である。本実施形態に係る情報処理システムは、株価情報取得システム1と、株価情報取得システム1の外部に存在する外部データベースと、株価情報取得システム1外のサーチエンジンである外部サーチエンジン2と、ユーザ端末9と、がネットワークを介して互いに接続されたシステムである。株価情報取得システム1は、内部データベースを有しており、本実施形態では、内部データベースとして、内部提供企業データベース3、候補企業データベース4および関連上場企業データベース5が用いられる。また、本実施形態では、外部データベースとして、外部提供企業データベース6および株価情報データベース7が用いられる。候補企業データベース4は、本発明に係る候補情報蓄積手段に相当し、株価情報データベース7は、本発明に係る投資関連情報データベースに相当する。但し、情報処理システムの構成は図1に示した構成に限定されない。例えば、株価情報取得システム1の内部に存在する内部データベースの少なくとも一部は株価情報取得システム1の外部に存在してもよいし、外部データベースの少なくとも一部は、株価情報取得システム1の内部に存在してもよい。
【0026】
ユーザ端末9は、CPU、RAM、ROM、記憶装置、カメラ、表示装置および通信ユニット等を備えるコンピュータである。ユーザ端末9の具体的な例としては、例えば、カメラを内蔵した携帯電話端末、カメラが接続されたパーソナルコンピュータ、等が挙げられる。本実施形態において、ユーザ端末9は、物品に付されたバーコードを撮像し、バーコード情報を含む株価情報取得要求を株価情報取得システム1に対して送信することで、物品に関連する株価情報を取得するために用いられる。ここで、物品には、商品(商品のパッケージングを含む)、およびサービスの提供に際して用いられる物品が含まれる。そして、物品の提供企業(メーカー等のブランド所有者)は、バーコード情報(バーコードによって示されている数値情報)に含まれるメーカーコードを用いて特定される。
【0027】
株価情報取得システム1は、サーバ10、内部提供企業データベース3、候補企業データベース4および関連上場企業データベース5が互いに接続されたシステムである。サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、EEPROM(Electrically Erasable and
Programmable Read Only Memory)やHDD(Hard
Disk Drive)等の記憶装置14、通信ユニット15、等を備えるコンピュータである。なお、サーバ10は、単一のコンピュータ装置である必要はない。例えば、サーバ10は、ネットワークを介して互いに接続され、クラウドコンピューティングや分散コンピューティングの技術を用いて互いに通信する複数のコンピュータによって実現されてもよい。
【0028】
また、内部提供企業データベース3、外部提供企業データベース6、候補企業データベース4、関連上場企業データベース5および株価情報データベース7は、サーバ10と同様、何れも、CPU、RAM、ROM、記憶装置、および通信ユニット等を備えるコンピュータであり、記憶装置に記録された情報がデータベース管理ソフトウェアによって管理されることで、問い合わせに応じた情報を応答するデータベースとして機能する。また、内部提供企業データベース3、外部提供企業データベース6、候補企業データベース4、関連上場企業データベース5、および株価情報データベース7は、サーバ10と同様、単一のコンピュータ装置である必要はない。これらのデータベースは、ネットワークを介して互いに接続され、クラウドコンピューティングや分散コンピューティングの技術を用いて互いに通信する複数のコンピュータによって実現されてもよい。
【0029】
(内部提供企業データベースおよび外部提供企業データベース)
図2は、本実施形態に係る内部提供企業データベース3に蓄積される情報の構成を示す図である。外部提供企業データベース6に蓄積される情報の構成については、内部提供企業データベース3に蓄積される情報の構成と概略同様であるため、図示を省略する。内部提供企業データベース3および外部提供企業データベース6は、何れも、物品のバーコードに含まれるメーカーコードと、メーカーコードを含むバーコードが付されている物品の提供企業名と、が関連付けられて蓄積されるデータベースである。内部提供企業データベース3は、株価情報取得システム1の内部に備えられたデータベースであり、外部提供企業データベース6は、株価情報取得システム1の外部に備えられたデータベースである。このため、後述するように、株価情報取得システム1は、提供企業を検索する際には、はじめに内部提供企業データベース3に問い合わせを行い、内部提供企業データベース3によっては提供企業が判明しない場合に、外部提供企業データベース6に問い合わせを行う。また、株価情報取得システム1は、外部提供企業データベース6への問合せによって判明した提供企業情報を、内部提供企業データベース3に登録する。
【0030】
(関連上場企業データベース)
図3は、本実施形態に係る関連上場企業データベース5に蓄積される関連上場企業情報の構成を示す図である。関連上場企業データベース5は、提供企業に関連する上場企業である関連上場企業の銘柄コード、および情報の登録日時等を含む関連上場企業情報が、提供企業のメーカーコードと関連付けられて蓄積されるデータベースである。なお、関連上場企業の企業名(関連上場企業名)は、銘柄コードに基づいて株価情報データベース7または銘柄マスタ(図示は省略する)から取得され、提供企業名は、メーカーコードに基づいて内部提供企業データベース3または外部提供企業データベース6から取得される。本実施形態において、関連上場企業とは、メーカーコードに係る物品の提供企業と何らかの要素において関連する上場企業であり、例えば、提供企業自身(提供企業自体が上場企業である場合)、資本的に関連のある他の企業(親会社、子会社等)の他、取引関係にある企業、資本関係や取引関係の有無に拘らず株価に関連性のある企業、等である。
【0031】
また、関連上場企業データベース5は、候補企業データベース4に蓄積されている候補企業に基づいて、後述するデータベース更新処理が実行されることによって更新される。但し、最も関連性の高い上場企業(例えば、親会社)が予め判明している場合、関連上場企業情報は予め登録されていてもよい。なお、関連上場企業データベース5は、内部提供
企業データベース3を内包していてもよい。
【0032】
(登録銘柄履歴データベース)
図4は、本実施形態に係る登録銘柄履歴データベース8に蓄積される登録銘柄履歴の構成を示す図である。登録銘柄履歴データベース8は、企業の銘柄コード、ユーザ端末の端末ID、および登録日時を含む、ユーザ端末9から受信した登録銘柄情報が、提供企業のメーカーコードと関連付けられて蓄積されるデータベースである。なお、銘柄コードに係る企業名は、銘柄コードに基づいて株価情報データベース7または銘柄マスタから取得され、提供企業名は、メーカーコードに基づいて内部提供企業データベース3または外部提供企業データベース6から取得される。
【0033】
(候補企業データベース)
図5は、本実施形態に係る候補企業データベース4に蓄積される候補企業情報の構成を示す図である。候補企業データベース4は、関連上場企業データベース5への登録候補である候補企業の銘柄コード、登録ユーザ数、登録割合、関連上場企業データベース登録済フラグ(90%到達フラグ)および登録日時を含む候補企業情報が、提供企業のメーカーコードと関連付けられて蓄積されるデータベースである。ここで、登録ユーザ数は、当該候補企業を提供企業に関連するとして登録しているユーザの数である。なお、銘柄コードに係る企業名は、銘柄コードに基づいて株価情報データベース7または銘柄マスタから取得され、提供企業名は、メーカーコードに基づいて内部提供企業データベース3または外部提供企業データベース6から取得される。
【0034】
また、関連上場企業データベース登録済フラグ(90%到達フラグ)は、ある提供企業に係るある候補企業の登録ユーザ数が、当該提供企業に係る全候補企業の登録ユーザ数の合計のうち90%以上であり、当該候補企業が関連上場企業データベースに登録済であるか否かを示すためのフラグである。図5に示した例では、メーカーコードBCD0033である物品の提供企業「A飲料」の候補企業として、「Aビール」、「B牛乳」および「C乳業」が登録されており、そのうち、「Aビール」の登録ユーザ数が、提供企業「A飲料」に係る登録ユーザ数の合計(100=3+7+90)のうち90%以上である。このため、「Aビール」に係る候補企業情報において、関連上場企業データベース登録済フラグ(90%到達フラグ)が「TRUE(真)」に設定されている。これに対して、「B牛乳」および「C乳業」に係る候補企業情報については、登録ユーザ数が提供企業「A飲料」に係る登録ユーザ数の合計の90%に満たないため、関連上場企業データベース登録済フラグ(90%到達フラグ)が「FALSE(偽)」に設定されている。
【0035】
また、候補企業データベース4は、ユーザ端末9から送信された登録銘柄に係る情報に基づいて、後述するデータベース更新処理(図14に示すフローチャートを参照)が実行されることによって更新される。
【0036】
(株価情報データベース)
株価情報データベース7は、銘柄コードと、銘柄コードに対応する企業の企業名と、当該企業の株価情報と、が関連付けられて蓄積されるデータベースである。このため、株価情報データベース7によれば、銘柄コードまたは企業名を指定した問い合わせによって、目的となる企業の株価情報を取得することが出来る。
【0037】
(機能構成の概略)
図6は、本実施形態に係るサーバ10およびユーザ端末9の機能構成の概略を示す図である。サーバ10は、記憶装置14に記録されているプログラムが、RAM13に読み出され、CPU11によって実行されることで、提供企業識別情報取得部21、関連上場企業識別情報取得部22、投資関連情報取得部23、候補情報蓄積部24、特定部25およ
び登録部26を備える情報処理装置として機能する。なお、本実施形態では、サーバ10の備える各機能は、汎用プロセッサであるCPU11によって実行されるが、これらの機能の一部または全部は、1または複数の専用プロセッサによって実行されてもよい。
【0038】
提供企業識別情報取得部21は、物品から得られる、該物品を提供する提供企業を示すメーカーコードを取得し、更に、メーカーコードから特定される提供企業の企業名を取得する。本実施形態では、メーカーコードまたは企業名が、本発明に係る提供企業識別情報として用いられる。
【0039】
関連上場企業識別情報取得部22は、メーカーコードと当該メーカーコードによって示される提供企業に関連する上場企業の銘柄コード(関連上場企業識別情報)とが関連付けられて登録される関連上場企業データベース5を、メーカーコードを用いて検索することで、提供企業に関連する関連上場企業の銘柄コードを取得する。なお、関連上場企業識別情報取得部22は、提供企業が上場企業である場合、関連上場企業の銘柄コードとして、提供企業自身の銘柄コードを取得する。
【0040】
投資関連情報取得部23は、企業の銘柄コードと該企業の株価情報とが関連付けられて蓄積される株価情報データベース7を、銘柄コードを用いて検索することで、関連上場企業の株価情報を取得する。但し、銘柄コードを用いた検索によって取得される情報には、株価以外の投資関連情報が含まれていてもよい。また、投資関連情報取得部23は、提供企業の企業名を用いて株価情報データベース7を検索することで、提供企業の株価情報を取得することも出来る。
【0041】
候補情報蓄積部24は、ユーザ端末9から受信された上場企業の銘柄コードを、関連上場企業データベース5に登録される銘柄コードの候補として、メーカーコードおよび提供企業名と組み合わせて、候補企業データベース4に蓄積する。
【0042】
特定部25は、候補情報蓄積部24によって候補企業データベース4に蓄積された銘柄コードに係る上場企業のうち、情報の蓄積状況が所定の条件を満たすものを特定する。
【0043】
登録部26は、特定部25によって特定された上場企業を示す銘柄コードを、該銘柄コードと組み合わせて蓄積されたメーカーコードおよび提供企業名が示す提供企業の銘柄コードとして、メーカーコードおよび提供企業名と関連付けて関連上場企業データベース5に登録する。
【0044】
また、ユーザ端末9は、記憶装置に記録されているプログラムがRAMに読み出され、CPUによって実行されることで、撮像部31、図形検出部32、関連情報取得部33および表示部34を備えるユーザ端末9として機能する。ユーザ端末9の備える各機能の一部または全部が、汎用プロセッサに限定されず、1または複数の専用プロセッサによって実行されてもよいことは、サーバ10と同様である。
【0045】
撮像部31は、ユーザ端末9に接続されたカメラを用いて物品を撮像する。
【0046】
図形検出部32は、撮像部31によって撮像された画像から、物品に付されたバーコードを検出する。なお、本実施形態では、図形検出部32によって検出される、物品に付された情報として、バーコードが用いられるが、物品に付された情報は、物品に係る情報を含むものであればよく、バーコード以外のものが用いられてもよい。例えば、二次元バーコードや、物品に付された物品を識別可能な記号、文字(商品名、提供企業名)等を用いることとしてもよい。
【0047】
関連情報取得部33は、バーコード(但し、先述の通りその他の情報であってもよい)に含まれる情報に基づいて、物品に関連する関連情報を取得する。
【0048】
表示部34は、取得された関連情報を含む画像を、ユーザ端末9に接続された表示装置を介して表示する。
【0049】
<処理の流れ>
次に、本実施形態において実行される処理の流れを説明する。なお、本実施形態に係るフローチャートに示された処理の具体的な内容および処理順序は、本発明を実施するための一例である。具体的な処理内容および処理順序は、本発明の実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
【0050】
(株価情報表示処理)
図7は、本実施形態に係る株価情報表示処理の流れを示すフローチャートである。本実施形態に係る株価情報表示処理は、ユーザ端末9においてバーコード情報取得機能を有するカメラ撮像用アプリケーションが起動されたことを契機として開始される。
【0051】
図8は、本実施形態において、ユーザ端末9の表示装置に表示される、銘柄検索トップ画面を示す図である。銘柄検索トップ画面には、検索メニューとして、「商品バーコード検索」メニューおよび「株主優待で検索」メニューが表示され、また、検索履歴が表示される。本実施形態では、このうち「商品バーコード検索」メニューを選択する操作が行われた場合の処理の流れについて説明する。
【0052】
図9は、本実施形態において、ユーザ端末9の表示装置に表示される、バーコード読取画面を示す図である。図8に示された銘柄検索トップ画面において「商品バーコード検索」メニューの選択操作が行われると、ユーザ端末9の表示装置には、バーコード読取画面が表示される。バーコード読取画面には、ユーザ端末9のカメラを介して入力された画像が表示される。
【0053】
ステップS101では、バーコード情報が取得される。ユーザ端末9の図形検出部32は、カメラを介して入力された画像から、バーコードを検出し、また、ユーザ端末9の関連情報取得部33は、バーコードによって示されている情報(以下、バーコード情報と称する)を取得する。画像に含まれるバーコードは、カメラを介して入力されてくる画像からリアルタイムに検出されてもよいし、一旦撮像されてユーザ端末9に保存された画像から検出されてもよい。なお、画像に含まれるバーコードの検出方法、およびバーコード情報の取得方法については、任意の方法が適宜採用されてよいため、説明を省略する。その後、処理はステップS102へ進む。
【0054】
ステップS102では、株価情報取得システム1に対して、株価情報取得要求が送信される。ユーザ端末9の関連情報取得部33は、ステップS101において取得されたバーコード情報、およびユーザ端末9の端末IDを含む株価情報取得要求を、株価情報取得システム1に対して送信する。その後、ユーザ端末9は、送信された株価情報取得要求に対する株価情報取得システム1からの応答(処理結果)を待ち受ける。
【0055】
但し、撮像された画像からのバーコード情報の取得は、ユーザ端末9によって実行されなくてもよい。ユーザ端末9は、単に撮像された画像を株価情報取得システム1に対して送信してもよい。この場合、画像からバーコードを検出し、バーコード情報を取得する処理は、撮像された画像を受信した株価情報取得システム1によって行われる。
【0056】
図10は、本実施形態において、ユーザ端末9の表示装置に表示される、バーコード読
取完了画面を示す図である。バーコードの読取が完了すると、ユーザ端末9の表示部34は、バーコード読取完了画面を表示する。
【0057】
株価情報取得システム1は、ユーザ端末9より株価情報取得要求を受信すると、株価情報取得要求に含まれるバーコード情報に基づいて、株価情報取得処理を実行する。そして、株価情報取得システム1は、処理結果をユーザ端末9に対して送信する。株価情報取得処理の詳細については、図13を用いて後述する。
【0058】
ステップS103からステップS105では、株価情報取得システム1から、株価情報取得要求に対する処理結果が受信され、関連上場企業/候補企業に係る情報(企業名、銘柄コードおよび株価情報等)の有無、および件数が判定される。ユーザ端末9の関連情報取得部33は、図13を用いて後述するステップS211において株価情報取得システム1から送信される、株価情報取得要求(ステップS102)に対する処理結果を受信する(ステップS103)。株価情報取得要求に対する処理結果には、物品の提供企業名、メーカーコード、関連上場企業/候補企業の名称(企業名)、銘柄コードおよび株価情報が含まれ得る。
【0059】
処理結果が受信されると、ユーザ端末9の表示部34は、バーコード読取完了画面(図10を参照)に、ユーザ端末9のカメラを介して入力された画像に重ねて、物品のメーカーコードおよび物品の提供企業名を表示する。
【0060】
また、ユーザ端末9の関連情報取得部33は、関連上場企業/候補企業に係る情報の有無、および件数を判定する(ステップS104およびステップS105)。受信された株価情報取得要求に対する処理結果に関連上場企業/候補企業に係る情報が含まれ、且つ2件以上である場合、処理はステップS106へ進む。株価情報取得要求に対する処理結果に関連上場企業/候補企業に係る情報が含まれ、且つ2件以上でない場合(1件である場合)、処理はステップS107へ進む。株価情報取得要求に対する処理結果に関連上場企業/候補企業に係る情報が含まれない場合(関連上場企業/候補企業に係る情報が受信されなかった場合)、処理はステップS108へ進む。
【0061】
ステップS106では、検索候補表示画面が表示される。ユーザ端末9の表示部34は、ステップS103において受信された処理結果に含まれる、関連上場企業/候補企業に係る情報を表示する。関連上場企業/候補企業に係る情報には、企業名および当該企業の銘柄コードが含まれている。その後、処理はステップS107へ進む。
【0062】
図11は、本実施形態において、ユーザ端末9の表示装置に表示される、検索候補表示画面を示す図である。検索候補表示画面には、バーコード読取完了画面に戻るボタン、株価情報データベース7を検索するための検索語入力欄、検索結果表示欄、検索候補表示欄、外部サーチエンジン2へのリンク、が含まれる。戻るボタンは、ユーザによって操作されることで、表示画面をバーコード読取完了画面に戻す機能を提供する。検索語入力欄は、ユーザによって検索語が入力され、決定操作等による検索指示が行われることで、入力された検索語を用いた株価情報データベース7の検索機能を提供する。外部サーチエンジン2へのリンクは、ユーザによって操作されることで、本実施形態に係る株価情報取得システム1外の外部サーチエンジン2へのアクセスを提供する。
【0063】
また、検索結果表示欄は、受信された処理結果に関連上場企業に係る情報が含まれている場合に、当該関連上場企業の銘柄コードおよび企業名が表示される欄であり、検索候補欄は、受信された処理結果に候補企業に係る情報が含まれている場合に、当該候補企業の企業名および銘柄コードが表示される欄である。また、検索候補欄には、株価情報取得処理に用いられたバーコード情報に係る候補企業として、当該候補企業が何人のユーザによ
って登録されているか、および株価情報取得処理に用いられたメーカーコードに係る1または複数の候補企業が登録された総数のうち、当該候補企業の登録がどれだけの割合を占めているかを示す情報が表示される。
【0064】
ステップS107では、株価画面が表示される。ユーザ端末9の表示部34は、ステップS103において受信された処理結果に含まれる株価情報を表示する。関連上場企業/候補企業に係る情報には、企業名、当該企業の銘柄コードおよび株価情報が含まれている。なお、表示部34は、株価情報に限らず、企業概要、業績、キャンペーン情報等の企業情報を表示してもよい。このようにすることで、商品(物品)を広告やキャンペーンと連動させ、マーケティングを行うことも可能となる。その後、処理はステップS109へ進む。
【0065】
図12は、本実施形態において、ユーザ端末9の表示装置に表示される、株価画面を示す図である。株価画面には、バーコード読取完了画面に戻るボタン、株価情報データベース7を検索するための銘柄コード入力欄、株価情報表示欄、が含まれる。戻るボタンは、ユーザによって操作されることで、表示画面をバーコード読取完了画面に戻す機能を提供する。銘柄コード入力欄は、ユーザによって銘柄コードが入力され、決定操作等による検索指示が行われることで、入力された銘柄コードを用いた株価情報データベース7の検索機能を提供する。また、株価情報表示欄は、受信された処理結果に含まれる関連上場企業/候補企業の企業名、銘柄コードおよび株価情報が表示される欄である。
【0066】
ステップS108では、外部情報ベンダの検索ページ(図示は省略する)が表示される。ユーザ端末9は、外部サーチエンジン2にアクセスし、外部サーチエンジン2によって提供される検索インターフェースを表示する。その後、処理はステップS109へ進む。
【0067】
ステップS109では、銘柄登録が行われる。ユーザ端末9の表示部34は、ステップS106からステップS108の何れかにおいて表示された企業のうち、ステップS101において撮像された物品に関連性が高いとユーザによって判断された企業を、ユーザに選択・決定させるためのインターフェースを提供する。即ち、ステップS109で選択され得る企業は、外部サーチエンジン2を用いて索出された企業、候補企業データベース4から取得された候補企業、または関連上場企業データベース5から取得された関連上場企業名に係る企業のうちの何れかである。ユーザによる企業の選択・決定操作が行われると、処理はステップS110へ進む。
【0068】
ステップS110では、登録された銘柄に係る情報が、株価情報取得システム1へ送信される。ユーザ端末9は、ステップS109における選択・決定操作に係る企業に係るバーコード情報、企業名および銘柄コードを、ユーザ端末9の端末IDと併せて、株価情報取得システム1へ送信する。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。なお、ユーザによって選択・決定され、ユーザ端末9によって株価情報取得システム1宛に送信された企業は、図14を参照して後述するデータベース更新処理のステップS301において、候補企業として登録される。
【0069】
(株価情報取得処理)
図13は、本実施形態に係る株価情報取得処理の流れを示すフローチャートである。本実施形態に係る株価情報取得処理は、ユーザ端末9から送信された株価情報取得要求(図7のステップS102を参照)が、株価情報取得システム1によって受信されたことを契機として開始される。
【0070】
ステップS201では、ユーザ端末9から株価情報取得要求が受信される。株価情報取得システム1は、ステップS102においてユーザ端末9より送信された株価情報取得要
求を受信する。受信された株価情報取得要求には、ステップS101において取得されたバーコード情報、およびユーザ端末9の端末IDが含まれる。その後、処理はステップS202へ進む。
【0071】
なお、ユーザ端末9から受信された株価情報取得要求に含まれる情報が、バーコード情報ではなく、物品の画像であった場合、株価情報取得システム1の提供企業識別情報取得部21は、受信された画像からバーコードを検出し、バーコード情報を取得する。
【0072】
ステップS202では、内部提供企業データベース3から、提供企業名が取得される。株価情報取得システム1の提供企業識別情報取得部21は、内部提供企業データベース3に対して、ステップS201において受信されたバーコード情報に含まれるメーカーコードに対応する企業名を問合せることで、バーコード情報に示された物品の提供企業名を取得する。その後、処理はステップS203へ進む。
【0073】
ステップS203では、内部提供企業データベース3から提供企業名が取得されたか否かが判定される。株価情報取得システム1の提供企業識別情報取得部21は、ステップS202において、内部提供企業データベース3から、問い合わせに対する回答として企業名を取得できたか否かを判定する。ステップS202において提供企業名が取得されている場合、処理はステップS206へ進む。一方、ステップS202において提供企業名が取得されていない場合、処理はステップS204へ進む。
【0074】
ステップS204およびステップS205では、外部提供企業データベース6から提供企業名が取得され、取得された提供企業名が、内部提供企業データベース3に登録される。提供企業識別情報取得部21は、ステップS202において提供企業名が取得されなかった場合、外部提供企業データベース6に対して、ステップS201において受信されたバーコード情報に含まれるメーカーコードに対応する企業名を問合せることで、バーコード情報に示された物品の提供企業名を取得する(ステップS204)。そして、株価情報取得システム1は、ステップS204において外部提供企業データベース6から取得された提供企業名を、内部提供企業データベース3に登録する(ステップS205)。このようにすることで、株価情報取得システム1の内部に提供企業情報がない場合にも、外部から提供企業情報を取得し、内部の情報を更新することが出来る。その後、処理はステップS206へ進む。
【0075】
ステップS206では、関連上場企業の銘柄コードが取得される。株価情報取得システム1の関連上場企業識別情報取得部22は、関連上場企業データベース5に対して、ステップS201で取得されたバーコード情報に含まれるメーカーコードに対応する関連上場企業の銘柄コードを問合せることで、物品の提供企業に関連する上場企業の銘柄コードを取得する。但し、関連上場企業識別情報取得部22は、関連上場企業データベース5に対して、ステップS202またはステップS204において取得された提供企業名に対応する関連上場企業の銘柄コードを問合せることで、物品の提供企業に関連する上場企業の銘柄コードを取得してもよい。その後、処理はステップS207へ進む。
【0076】
ステップS207では、関連上場企業の銘柄コードが取得されたか否かが判定される。株価情報取得システム1は、ステップS206において、関連上場企業データベース5から、問い合わせに対する回答として関連上場企業の銘柄コードを取得できたか否かを判定する。ステップS206において銘柄コードが取得されている場合、処理はステップS208へ進む。一方、ステップS206において銘柄コードが取得されていない場合、処理はステップS209へ進む。
【0077】
ステップS208では、関連上場企業の銘柄コードに係る株価情報が取得される。株価
情報取得システム1の投資関連情報取得部23は、株価情報データベース7に対して、ステップS206において取得された関連上場企業の銘柄コードに対応する株価情報を問合せることで、物品の提供企業に関連する上場企業の株価情報を取得する。その後、処理はステップS210へ進む。
【0078】
ステップS209では、提供企業名に係る株価情報が取得される。投資関連情報取得部23は、株価情報データベース7に対して、ステップS202またはステップS204において取得された提供企業名に対応する株価情報を問合せることで、物品の提供企業の株価情報を取得する。なお、本ステップにおける処理では、提供企業自身が上場企業でない場合、株価情報は取得できない。その後、処理はステップS210へ進む。
【0079】
ステップS210では、候補企業に係る情報が取得される。投資関連情報取得部23は、候補企業データベース4に対して、ステップS201において受信されたバーコード情報に含まれるメーカーコードに対応する候補企業を問合せることで、関連上場企業データベース5への登録候補となる候補企業の企業名および当該候補企業の銘柄コードを取得する。ここで、投資関連情報取得部23は、メーカーコードに対応する候補企業のうち、登録ユーザ数が3人以上の候補企業に係る情報を、候補企業データベース4から取得する。但し、投資関連情報取得部23は、関連上場企業データベースに登録済みの候補企業については、取得の対象としない。なお、本実施形態では、登録ユーザ数が3人以上であることを取得のための条件としているが、その他の条件が設定されてもよい。このようにすることで、登録ユーザ数が所定の条件に満たない候補企業を、ユーザに提示しないようにすることが出来る。その後、処理はステップS211へ進む。
【0080】
ステップS211では、ユーザ端末9に対して、株価情報取得要求に対する処理結果が送信される。株価情報取得システム1は、ステップS208またはステップS209において取得された株価情報、およびステップS210において取得された候補企業に係る情報を、ユーザ端末9に対して送信する。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
【0081】
そして、株価情報取得システム1によって送信された処理結果を受信したユーザ端末9は、図7に示すステップS103以降に示された処理を実行する。この際、処理結果に関連上場企業/候補企業に係る情報が含まれている場合には、ユーザ端末9によってこれらの情報が表示される(ステップS106およびステップS107)。このような処理が実行されることで、本実施形態によれば、ユーザは、ユーザ端末9を用いて撮像した物品に係る株価情報を知ることが出来る。
【0082】
(データベース更新処理)
図14は、本実施形態に係るデータベース更新処理の流れを示すフローチャートである。本実施形態に係るデータベース更新処理は、ユーザ端末9から送信された登録銘柄に係る情報(図7のステップS110を参照)が、株価情報取得システム1によって受信されたことを契機として開始される。但し、ステップS303からステップS306に示す処理は、所定のタイミングで(例えば、定期的に)バッチ処理されてもよい。
【0083】
ステップS301およびステップS302では、登録銘柄に係る情報が、ユーザ端末9から受信され、登録銘柄履歴データベース8に蓄積される。株価情報取得システム1は、ステップS110においてユーザ端末9から送信された、登録銘柄に係るバーコード情報、銘柄コード、および送信元ユーザ端末9の端末IDを受信する(ステップS301)。そして、株価情報取得システム1の候補情報蓄積部24は、受信された銘柄コード、端末IDおよび登録日時を、バーコード情報に含まれるメーカーコードに関連付けて、登録銘柄履歴データベース8に蓄積する(ステップS302)。ここで、端末IDは、登録ユー
ザ同士を識別するために用いられる。その後、処理はステップS303へ進む。
【0084】
ステップS303では、登録銘柄履歴データベース8に蓄積された情報が集計され、候補企業データベース4が更新される。候補情報蓄積部24は、メーカーコード、銘柄コードごとに、(端末IDからユニークユーザ数を求めて)登録ユーザ数および登録割合を集計し、集計の結果である銘柄コード、登録ユーザ数および登録割合を、バーコード情報に含まれるメーカーコードに関連付けて、候補企業データベース4を更新する。より具体的には、候補情報蓄積部24は、以下の式を用いて、メーカーコードごとに、どの銘柄に何パーセントの登録があったかを集計する。
メーカーコード・銘柄コードごとの登録ユーザ数÷メーカコードごとの登録ユーザ数×100
その後、処理はステップS304へ進む。
【0085】
ステップS304からステップS306では、候補企業が集計され、所定の条件を満たす候補企業が、関連上場企業データベース5に登録される。具体的には、株価情報取得システム1の特定部25は、候補企業データベース4を参照し、あるメーカーコードに紐付けられた全ての候補企業の登録ユーザ数の合計が10以上であり、且つ、当該メーカーコードに対する全ての候補企業の登録ユーザのうち9割以上のユーザによって登録されている候補企業が有るか否かを判定する(ステップS304およびステップS305)。上記条件を満たす候補企業が無い場合、本フローチャートに示された処理は終了する。これに対して、上記条件を満たす候補企業が有る場合、株価情報取得システム1の登録部26は、当該候補企業に係る登録企業情報において関連上場企業データベース登録済フラグ(90%到達フラグ)を「TRUE(真)」に設定し、更に、関連上場企業データベース5に登録する(ステップS306)。また、候補企業データベース4の該当レコードの登録日時には、関連上場企業データベースへの登録日時が記録される。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
【0086】
<効果>
本実施形態に係る株価情報取得システム1によれば、ユーザが生活する現実空間に存在する物品を手掛かりにして、煩雑な情報収集の過程を経ることなく株価等の投資関連情報を得て、現実空間にある物品と投資関連情報とを結びつけることが出来る。このため、本実施形態に係る株価情報取得システム1によれば、ユーザに投資を身近に感じさせることが出来る。また、ユーザによって選択・決定された候補企業に基づいて関連上場企業データベース5を更新することにより、公開情報のみからは提供企業と関連上場企業との関連付けが難しい場合であっても、ユーザの知見に基づいた提供企業と関連上場企業との関連付けを行い、情報を提供することが可能となる。
【0087】
<撮像される画像のバリエーション>
なお、バーコード以外の撮像された画像に基づいて、提供企業が特定されてもよい。例えば、物品の画像に基づいて画像検索技術を用いて物品を特定し、特定された物品に基づいて提供企業を特定してもよい。例えば、画像に含まれる特徴を抽出して類似する特徴を含む画像を検索することによって、類似画像を索出することが出来る。また、物品に付された商品名等からOCR技術を用いて物品を特定し、特定された物品に基づいて提供企業を特定してもよい。
【0088】
<表示方法のバリエーション>
上記説明した実施形態では、ユーザ端末において取得された関連上場企業/候補企業に係る情報は、ユーザ端末に接続されたカメラによって撮像された画像とは別に表示されるか、撮像された画像に単に重畳されて表示される。しかし、このような表示方法に代えて、ユーザ端末において取得された情報は、所謂AR(Augmented Realit
y、拡張現実)技術を用いて、現実を拡張するように、撮像された画像に合成されて表示されてもよい。即ち、ユーザ端末は、現実空間との対応関係を有する(例えば、座標系が対応する)仮想空間をコンピュータ内に構築し、仮想空間内に配置された情報表示画像を現実のカメラの位置や向き等に基づいて描画し、描画された画像をカメラによって撮像された現実空間の画像に合成することにより、現実空間に情報が付加された画像を作成し、出力する。
【0089】
図15は、本実施形態に係るサーバ10およびユーザ端末9bの機能構成の概略を示す図である。ユーザ端末9bは、上記説明したユーザ端末9が備える撮像部31、図形検出部32、関連情報取得部33および表示部34に加えて、図形状態検出部35、合成状態決定部36および合成部37を更に備える。
【0090】
図形状態検出部35は、撮像部31によって撮像された画像内におけるバーコードの位置、姿勢および大きさの少なくとも何れかを含む図形状態を検出する。なお、本実施形態では、図形としてバーコードが検出され、バーコードの状態(画像内における位置、姿勢および大きさ)が検出されるが、検出される図形は、バーコードに限定されない。本実施形態において検出される図形は、当該図形が付された物品に係る情報を含む図形であって、且つ、AR技術における所謂マーカーとして機能することが出来る図形であればよい。例えば、全体として矩形の図形は、画像内における図形の状態(位置、姿勢および大きさ)を検出し、所謂マーカーとして用いるのに好適である。このような図形としては、バーコードの他に、例えば二次元バーコードが挙げられる。但し、図形の状態を検出し、マーカーとして用いるには、全体としての形状(図形のアウトライン)が予め定められた形状を有していればよく、図形の全体としての形状は、矩形に限定されない。
【0091】
合成状態決定部36は、図形状態に従って、関連情報表示画像が合成部37によって撮像画像に合成される際の位置、姿勢および大きさの少なくとも何れかを決定する。即ち、本実施形態では、図形検出部32によって検出される、物品に係る情報を含む図形が、AR技術において現実空間と仮想空間とを対応させる(例えば、座標系を一致させる)ために参照される所謂マーカーとして用いられる。
【0092】
合成部37は、合成状態決定部36によって決定された合成のための位置、姿勢および大きさに従って、関連情報取得部33によって取得された関連情報を表示するためのタグ画像(関連情報表示画像)を、図形検出部32によってバーコード(物品に係る情報を含む図形)が検出された物品の画像に合成する。
【0093】
表示部34は、合成部37によって合成された画像を、ユーザ端末9bに接続された表示装置を介して表示する。
【0094】
本実施形態によれば、従来、AR技術を用いてユーザに情報を提供する際には、専用のマーカーの配布が必要であったところ、物品に付された、バーコード等の図形をマーカーとして用いることで、図形に含まれる情報に基づいて物品に関連する情報を取得し、取得された情報を、当該図形を基準としてAR表示することが出来る。
【符号の説明】
【0095】
1 株価情報取得システム
9 ユーザ端末
10 サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品から得られる、該物品を提供する提供企業を示す提供企業識別情報を取得する提供企業識別情報取得手段と、
前記提供企業識別情報と該提供企業識別情報によって示される提供企業に関連する上場企業の関連上場企業識別情報とが関連付けられて登録される関連上場企業データベースを、前記提供企業識別情報を用いて検索することで、前記提供企業に関連する関連上場企業識別情報を取得する関連上場企業識別情報取得手段と、
前記関連上場企業識別情報を用いた検索によって、前記提供企業に係る投資関連情報を取得する投資関連情報取得手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記投資関連情報取得手段は、企業の識別情報と該企業の投資関連情報とが関連付けられて蓄積される投資関連情報データベースを、前記関連上場企業識別情報を用いて検索することで、前記関連上場企業の投資関連情報を取得する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記関連上場企業識別情報取得手段は、前記提供企業が上場企業である場合、前記関連上場企業識別情報として、該提供企業の識別情報を取得し、
前記投資関連情報取得手段は、前記提供企業識別情報を用いて前記投資関連情報データベースを検索することで、前記提供企業に係る投資関連情報を取得する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記提供企業識別情報は、バーコードに含まれるメーカーコードであり、
前記提供企業識別情報取得手段は、前記メーカーコードから特定される提供企業の名称を、前記提供企業識別情報として更に取得し、
前記投資関連情報取得手段は、前記提供企業の名称を前記提供企業識別情報として用いて前記投資関連情報データベースを検索することで、前記提供企業に係る投資関連情報を取得する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
ユーザ端末から受信された上場企業識別情報を、前記関連上場企業データベースに登録される関連上場企業識別情報の候補として、前記提供企業識別情報と組み合わせて蓄積する候補情報蓄積手段と、
前記候補情報蓄積手段によって蓄積された上場企業識別情報に係る上場企業のうち、上場企業識別情報の蓄積状況が所定の条件を満たすものを特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定された上場企業を示す上場企業識別情報を、該上場企業識別情報と組み合わせて蓄積された前記提供企業識別情報が示す提供企業の関連上場企業識別情報として、前記提供企業識別情報と関連付けて前記関連上場企業データベースに登録する登録手段と、
を更に備える、請求項1から4の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
物品を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段によって撮像された画像から、前記物品に付された、該物品に係る情報を含む図形を検出する図形検出手段と、
前記図形に含まれる情報に基づいて、前記物品に関連する関連情報を取得する関連情報取得手段と、
前記関連情報取得手段によって取得された関連情報を表示するための関連情報表示画像を、前記図形検出手段によって前記図形が検出された前記物品の画像に合成する合成手段と、
前記合成手段によって合成された画像を表示する表示手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項7】
前記撮像手段によって撮像された画像内における前記図形の位置、姿勢および大きさの少なくとも何れかを含む図形状態を更に検出する図形状態検出手段と、
前記図形状態に従って、前記関連情報表示画像が前記合成手段によって前記撮像画像に合成される際の位置、姿勢および大きさの少なくとも何れかを決定する合成状態決定手段と、
を更に備える、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータが、
物品から得られる、該物品を提供する提供企業を示す提供企業識別情報を取得する提供企業識別情報取得ステップと、
前記提供企業識別情報と該提供企業識別情報によって示される提供企業に関連する上場企業の関連上場企業識別情報とが関連付けられて登録される関連上場企業データベースを、前記提供企業識別情報を用いて検索することで、前記提供企業に関連する関連上場企業識別情報を取得する関連上場企業識別情報取得ステップと、
前記関連上場企業識別情報を用いた検索によって、前記提供企業に係る投資関連情報を取得する投資関連情報取得ステップと、
を実行する情報取得方法。
【請求項9】
コンピュータに、
物品から得られる、該物品を提供する提供企業を示す提供企業識別情報を取得する提供企業識別情報取得ステップと、
前記提供企業識別情報と該提供企業識別情報によって示される提供企業に関連する上場企業の関連上場企業識別情報とが関連付けられて登録される関連上場企業データベースを、前記提供企業識別情報を用いて検索することで、前記提供企業に関連する関連上場企業識別情報を取得する関連上場企業識別情報取得ステップと、
前記関連上場企業識別情報を用いた検索によって、前記提供企業に係る投資関連情報を取得する投資関連情報取得ステップと、
を実行させるための情報取得用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−190402(P2012−190402A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−55395(P2011−55395)
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【出願人】(399100673)株式会社大和証券グループ本社 (139)
【Fターム(参考)】