説明

情報処理装置、情報提供方法及びプログラム

【課題】コンテンツに関する情報を共有する場合における適切な相手の特定を支援すること。
【解決手段】情報処理装置10は、利用者が紹介したいコンテンツを示すデータを受信する(ステップS501)。情報処理装置10は、この利用者と過去に連絡をしたことがある連絡相手の属性情報データ及びコンテンツ利用履歴データと、利用者が紹介したいコンテンツの属性情報を示すデータとから、これらのデータの類似度を算出する(ステップS502)。続いて、情報処理装置10は、類似度が閾値よりも大きい各連絡相手に対して、利用者との連絡履歴に基づいて当該利用者との親密度をそれぞれ算出する(ステップS503)。そして、情報処理装置10は、類似度と親密度とに応じた推奨度を算出し、(ステップS504)推奨度が閾値よりも大きい連絡相手を示すデータを第1通信端末20に送信する(ステップS505)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツに関する情報を共有する相手の特定を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
互いに通信可能な機器を介して利用者の間でデータを共有する技術が知られている。特許文献1には、携帯電話やカメラ、PDA(Personal Digital Assistant)を用いて静止画像や動画像などのデータを共有する技術が開示されている。このようなデータの1つとして、ニュース記事や写真、ゲーム、ビジネスソフトウェアなどのコンテンツに関する情報が共有されることがある。この情報共有の主たる動機としては、自分が詳しい分野のコンテンツを紹介して相手の興味を喚起し、よりよい人間関係の構築を図ったり、自分が興味を持ったコンテンツに詳しい人に問い合わせをして知りたい情報を見つけたりすることなどがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−68247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような動機でコンテンツに関する情報を共有する場合、そのコンテンツに対して興味を持っている相手やそのコンテンツに詳しい相手を対象とすることが重要である。
本発明は、上述した背景の下になされたものであり、その目的は、コンテンツに関する情報を共有する場合における適切な相手の特定を支援することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、利用者によって操作される第1通信端末から送信されたコンテンツの属性情報を取得する取得手段と、前記第1通信端末と通信可能な第2通信端末を操作する相手の属性情報を記憶する記憶手段と、前記取得手段により取得されたコンテンツの属性情報と、前記記憶手段により記憶された属性情報との類似性の大きさを示す類似度を算出する類似度算出手段と、前記類似度算出手段により算出された類似度に応じて前記相手を特定する特定手段と、前記特定手段により特定された相手を示す情報を前記第1通信端末に送信する送信手段とを具備することを特徴とする。
【0006】
好ましい態様において、前記相手と前記利用者との親密さの度合いを示す親密度を算出する親密度算出手段を具備し、前記特定手段は、前記類似度算出手段により算出された類似度と前記親密度算出手段により算出された親密度とに応じて前記相手を特定することを特徴とする。
別の好ましい態様において、前記特定手段は、前記類似度算出手段により算出された類似度が閾値よりも大きい前記相手のうち、前記親密度算出手段により算出された親密度の大きさに応じて前記相手を特定することを特徴とする。
別の好ましい態様において、前記親密度算出手段は、前記相手の親密度を、当該相手が操作する第2通信端末が前記第1通信端末からの連絡を受信した時刻と、当該連絡に対して当該第2通信端末から応答がされた時刻とに基づいて算出することを特徴とする。
別の好ましい態様において、前記親密度算出手段は、前記相手の親密度を、前記第2通信端末が前記連絡を受信してから当該連絡に対して前記応答がされるまでの時間の平均値が短いほど、大きな値で算出することを特徴とする。
【0007】
別の好ましい態様において、前記第1通信端末は、前記相手の連絡先を登録する機能を有し、前記親密度算出手段は、前記相手の親密度を、前記第1通信端末に当該相手の連絡先が登録されている期間が長いほど、大きな値で算出することを特徴とする。
別の好ましい態様において、前記第1通信端末は、前記相手の連絡先を登録する機能を有し、前記親密度算出手段は、前記相手の親密度を、前記第1通信端末に登録されている当該相手の連絡先の数が多いほど、大きな値で算出することを特徴とする。
【0008】
別の好ましい態様において、前記親密度算出手段は、前記相手の親密度を、前記第1通信端末と当該相手が操作する第2通信端末とが連絡を行った回数に基づいて算出することを特徴とする。
別の好ましい態様において、前記親密度算出手段は、前記相手の親密度を、特定の期間において前記第1通信端末と当該相手が操作する第2通信端末とが連絡を行った回数が多いほど、大きな値で算出することを特徴とする。
別の好ましい態様において、前記親密度算出手段は、前記相手の親密度を、特定の期間において前記第1通信端末と当該相手が操作する第2通信端末とが連絡を行った回数が少ないほど、大きな値で算出することを特徴とする。
別の好ましい態様において、前記親密度算出手段は、前記相手の親密度を、前記第1通信端末と当該相手が操作する第2通信端末とが連絡を行った回数が多いほど、大きな値で算出することを特徴とする。
別の好ましい態様において、前記第1通信端末は、前記第2通信端末と電話で通信する機能を有し、前記連絡を行った回数は、電話で通信した回数であることを特徴とする。
【0009】
本発明の別の態様に係る情報提供方法は、情報処理装置が、利用者によって操作される第1通信端末から送信されたコンテンツの属性情報を取得し、前記第1通信端末と通信可能な第2通信端末を操作する相手の属性情報を記憶し、前記取得されたコンテンツの属性情報と、前記記憶された属性情報との類似性の大きさを示す類似度を算出し、前記算出された類似度に応じて前記相手を特定し、前記特定された相手を示す情報を前記第1通信端末に送信することを特徴とする。
【0010】
本発明の他の態様に係るプログラムは、コンピュータを、利用者によって操作される第1通信端末から送信されたコンテンツの属性情報を取得する取得手段と、前記第1通信端末と通信可能な第2通信端末を操作する相手の属性情報を記憶する記憶手段と、前記取得手段により取得されたコンテンツの属性情報と、前記記憶手段により記憶された属性情報との類似性の大きさを示す類似度を算出する類似度算出手段と、前記類似度算出手段により算出された類似度に応じて前記相手を特定する特定手段と、前記特定手段により特定された相手を示す情報を前記第1通信端末に送信する送信手段として機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、コンテンツに関する情報を共有する場合における適切な相手の特定を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態に係る情報共有支援システムの全体構成を示す図である。
【図2】第1通信端末のハードウェア構成及び機能的構成を示すブロック図である。
【図3】情報処理装置のハードウェア構成及び機能的構成を示すブロック図である。
【図4】利用者別連絡先データベースに格納されているデータの一例を示す図である。
【図5】利用者属性情報データベースに格納されているデータの一例を示す図である。
【図6】コンテンツ利用履歴格納データベースに格納されているデータの一例を示す図である。
【図7】特徴ベクトルデータベースに格納されているデータの一例を示す図である。
【図8】特徴ベクトルデータベースに格納されているデータの一例を示す図である。
【図9】連絡履歴格納データベースに格納されているデータの一例を示す図である。
【図10】マスタデータベースに格納されているマスタの一例を示す図である。
【図11】結果格納データベースに格納されているデータの一例を示す図である。
【図12】コンテンツの紹介相手を推奨する動作を示すフローチャートである。
【図13】類似度算出処理を示すフローチャートである。
【図14】親密度算出処理を示すフローチャートである。
【図15】コンテンツの紹介相手として推奨される連絡相手が表示された画面の一例を示す図である。
【図16】問い合わせ先を推奨する動作を示すフローチャートである。
【図17】問い合わせたいコンテンツの特徴を入力する画面の一例を示す図である。
【図18】問い合わせ先として推奨される連絡相手が表示された画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(1.構成)
(1−1.全体構成)
まず、本発明の実施形態に係る情報処理装置10について、当該情報処理装置10を含めた情報共有支援システム1全体のハードウェア構成とともに説明する。
図1は、実施形態に係る情報共有支援システム1全体構成を示すブロック図である。情報共有支援システム1は、情報処理装置10と、第1通信端末20と、複数の第2通信端末30と、コンテンツ提供サーバ40とを有する。なお、図1では、複数の第2通信端末30のうちの1つを示している。
【0014】
コンテンツ提供サーバ40は、コンテンツ(写真やニュース記事など)を示すデータを格納している。コンテンツ提供サーバ40は、インターネットと接続し、これを介してコンテンツを示すデータを他の機器に提供する。コンテンツを示すデータは、例えば、コンテンツ提供サーバ40を示すURL(Uniform Resource Locator)を入力されたブラウザによって要求され、html(HyperText Markup Language)で記述されたWEBサイトの形で他の機器に提供される。
【0015】
第1通信端末20及び第2通信端末30は、移動電話網及び移動パケット通信網を含む通信網とそれぞれ接続し、これを介して互いの通信端末とデータのやり取りを行う。詳細には、第1通信端末20及び第2通信端末30は、通話機能、メール機能、パケット通信機能をそれぞれ備え、電話やメール、Twitter(登録商標)に代表されるようなSNS(Social Networking Service)などの連絡手段によって、音声や文字列を示すデータをやり取りする。これにより、第1通信端末20の利用者は、第2通信端末30の利用者を連絡相手として、電話やメール、SNSによって連絡を取り合うことができる。以下においては、説明の便宜上、第1通信端末20の利用者を「利用者」、第2通信端末30の利用者を「連絡相手」という。連絡相手は、本発明に係る「相手」の一例に相当する。また、第1通信端末20及び第2通信端末30には、乗り換え案内などのアプリケーションプログラム(アプリ)がインストールされており、利用者及び連絡相手はこのようなアプリを利用することもできる。
【0016】
本実施形態においては、利用者と連絡相手とは、上述した連絡手段によって、コンテンツに関するデータを共有する。ここで共有されるコンテンツは、コンテンツ提供サーバ40から提供される写真やニュース記事の他に、各通信端末が保持する写真やその説明文、アプリなどが含まれる。また、コンテンツに関するデータには、コンテンツそのものである画像や文字列を示すデータの他に、コンテンツにアクセスするためのURLを示すデータや、コンテンツ(例えば画像やアプリ)の内容について説明した文章の文字列を示すデータが含まれる。
【0017】
情報処理装置10は、インターネットと接続し、これを介してコンテンツ提供サーバ40からコンテンツを示すデータを取得する。また、情報処理装置10は、上述した通信網と接続し、これを介して第1通信端末20及び第2通信端末30とデータをやり取りする。本実施形態においては、情報処理装置10は、第1通信端末20及び第2通信端末30とコンテンツ提供サーバ40との間でデータを中継する。これにより、第1通信端末20及び第2通信端末30は、コンテンツを示すデータを取得し、利用者及び連絡相手は、コンテンツを閲覧する。なお、第1通信端末20及び第2通信端末30は、通信網を介さず直接インターネットと接続してもよい。
【0018】
次に、このような全体構成において、第1通信端末20、第2通信端末30及び情報処理装置10のハードウェア構成及び機能的構成について、図2、図3を参照して説明する。なお、第2通信端末30は、第1通信端末20と同様の構成を有するものであるため、第1通信端末20についてのみ説明する。
(1−2.第1通信端末の構成)
図2は、第1通信端末20のハードウェア構成及び機能的構成を示すブロック図である。第1通信端末20は、ハードウェア構成として、制御部210と、記憶部220と、第1通信部230と、第2通信部240と、操作部250と、表示部260とを備える。
制御部210は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を有する。CPUは、ROM又は記憶部220に記憶されている機能プログラムをRAMにロードして実行することによって、各種の機能ブロックを構築する。
【0019】
記憶部220は、ハードディスクドライブなどにより構成され、連絡相手を特定するために用いられるデータを記憶するものであり、特に本実施形態では、後述するようにコンテンツ利用履歴データベース(コンテンツ利用履歴DB)221、連絡履歴データベース(連絡履歴DB)222及び連絡先データベース(連絡先DB)223が構築される。また、記憶部220は、コンテンツを示すデータを記憶する。記憶部220が記憶するコンテンツは、例えば、写真の画像やその写真の説明文、乗り換え案内などのアプリケーションプログラム(アプリ)である。
【0020】
第1通信部230は、第1通信端末20が図1に示す通信網に接続してパケット通信を行うための通信インターフェースであり、制御部210と図1に示す通信網との間でパケットを中継する。第2通信部240は、第1通信端末20を図1に示す通信網に接続して通話を行うための通信インターフェースである。操作部250は、ボタンや表示部260の画面に設けられたタッチパネルなどである。操作部250は、ユーザによって操作されると、その操作内容を示す操作データを制御部210に供給する。表示部260は、制御部210の制御によって画像を表示するものである。
【0021】
続いて、このようなハードウェア構成において、制御部210が機能プログラムを実行したときに構築される機能ブロックについて説明する。制御部210は、コンテンツ閲覧制御部211と、コンテンツ利用履歴生成部212と、連絡履歴生成部213と、連絡先更新部214と、属性情報更新部215と、定期送信部216と、コンテンツ指定部217と、結果表示制御部218に相当する機能を実現する。
コンテンツ閲覧制御部211は、インターネット上や記憶部220に存在するコンテンツ(ニュース記事、写真、写真の説明文など)を閲覧するために各部を制御するものである。コンテンツ閲覧制御部211は、例えば、ブラウザを表示部260に表示させ、URLが入力されるとそのURLが示すWEBサイトをブラウザ上に表示させる。また、コンテンツ閲覧制御部211は、画像を表示するプログラム等によって記憶部220に記憶されている画像を表示部260に表示させる。これにより、利用者は、表示部260に表示されたコンテンツを閲覧する。コンテンツ閲覧制御部211は、コンテンツを表示した履歴(表示日時やWEBサイト名、画像ファイル名など)を示すデータをコンテンツ利用履歴生成部212に供給する。
【0022】
コンテンツ利用履歴生成部212は、コンテンツが利用された履歴を示すデータを生成するものである。ここでいうコンテンツの利用とは、コンテンツ閲覧制御部211によって表示されたコンテンツを閲覧することや、アプリを使用することである。詳細には、コンテンツ利用履歴生成部212は、コンテンツを利用した日時、コンテンツの種別(アプリ、WEBサイト、写真など)、コンテンツ名(WEBサイト名や画像ファイル名)、コンテンツの内容などを示すデータをコンテンツ利用履歴データとして生成する。コンテンツ利用履歴生成部212は、生成したデータをコンテンツ利用履歴DB221に供給する。
コンテンツ利用履歴DB221は、コンテンツの利用履歴データを格納するデータベースである。
【0023】
連絡履歴生成部213は、電話やメール、SNSなどの連絡手段で連絡がされた履歴を示すデータを生成し、生成したデータを連絡履歴DB222に供給するものである。詳細には、連絡履歴生成部213は、第1通信部230及び第2通信部240から通信の履歴を取得し、その通信の履歴から、電話やメールなどの連絡がされた連絡相手のユーザIDと、その連絡がされた日時、その連絡がされた連絡手段などを示すデータを連絡履歴データとして生成する。連絡履歴生成部213は、生成した連絡履歴データを連絡履歴DB222に供給する。
連絡履歴DB222は、連絡履歴データを格納するデータベースである。
【0024】
連絡先更新部214は、操作データに基づき、連絡先DB223を参照して登録されている連絡先を更新するものである。この連絡先は、連絡相手と連絡をするための情報であり、例えば、連絡相手の名前、電話番号、メールアドレス、SNSアカウントなどである。
連絡先DB223は、連絡先を示す連絡先データを格納して連絡先を登録するデータベースであり、いわゆる電話帳に相当するものである。
【0025】
属性情報更新部215は、操作データに基づき、属性情報を示すデータを情報処理装置10に送信し、後述する利用者属性情報格納データベース124に格納されている利用者の属性情報を更新するものである。属性情報更新部215からのデータにより更新される属性情報は、利用者の素性や嗜好などを示す情報であり、具体的には、利用者の属する国、出身地、趣味、生活地域などの情報である。
定期送信部216は、コンテンツ利用履歴DB221、連絡履歴DB222、連絡先DB223を参照して、上述したコンテンツ利用履歴データ、連絡履歴データ、連絡先データを定期的に情報処理装置10に送信するものである。
【0026】
コンテンツ指定部217は、操作データに基づき、利用者が他人に紹介したいコンテンツに関する情報又は問い合わせしたいコンテンツに関する情報を指定するものである。コンテンツに関する情報には、例えば、URLのようにそのコンテンツの存在場所を示すものや、写真名とその写真の説明文を示すもの、「Twitterアプリ」という文字列のようにそのコンテンツの特徴を示すものなどがある。コンテンツ指定部217は、指定したコンテンツを示すデータを情報処理装置10に送信する。
結果表示制御部218は、情報処理装置10が後述する動作をした結果を表示するよう表示部260を制御するものである。詳細には、結果表示制御部218は、情報処理装置10から送信されるデータをその結果として表示させる。
【0027】
(1−3.情報処理装置の構成)
図3は、情報処理装置10のハードウェア構成及び機能的構成を示すブロック図である。情報処理装置10は、ハードウェア構成として、制御部110と、記憶部120と、第1通信部130と、第2通信部140とを備える。
制御部110は、CPU、ROM及びRAMを有する。CPUは、ROM又は記憶部120に記憶されている機能プログラムをRAMにロードして実行することによって、各種の機能ブロックを構築する。
【0028】
記憶部120は、ハードディスクドライブなどにより構成され、連絡相手を特定するために用いられるデータを記憶するものであり、特に本実施形態では、後述するようにコンテンツ利用履歴格納データベース(コンテンツ利用履歴格納DB)121、連絡履歴格納データベース(連絡履歴格納DB)122、利用者別連絡先データベース(利用者別連絡先DB)123、利用者属性情報格納データベース(利用者属性情報格納DB)124、マスタデータベース(マスタDB)125、特徴ベクトルデータベース(特徴ベクトルDB)126、結果格納データベース(結果格納DB)127が構築される。記憶部120は、本発明に係る「記憶手段」の一例に相当する。
第1通信部130は、情報処理装置10を図1に示す通信網に接続してパケット通話を行うための通信インターフェースであり、制御部110とこの通信網との間でパケットを中継する。
第2通信部140は、情報処理装置10が図1に示すインターネットに接続して通信を行うための通信インターフェースである。
【0029】
このようなハードウェア構成において、制御部110が機能プログラムを実行したときに構築される機能ブロックについて説明する。制御部110は、定期受信部111と、コンテンツ情報取得部112と、コンテンツ属性情報抽出部113と、利用者属性情報抽出部114と、類似度算出部115と、特定部116と、親密度算出部117と、結果送信部118とに相当する機能を実現する。
【0030】
定期受信部111は、上述したコンテンツ利用履歴データ、連絡履歴データ、連絡先データを定期的に受信し、これらのデータをコンテンツ利用履歴格納DB121、連絡履歴格納DB122、利用者別連絡先DB123にそれぞれ供給する。定期受信部111は、これらのデータを、第1通信端末20だけでなく、第2通信端末30からも受信する。
【0031】
コンテンツ情報取得部112は、第1通信端末20、第2通信端末30及びコンテンツ提供サーバ40からコンテンツを示すデータを取得するものである。詳細には、コンテンツ情報取得部112は、図2に示す第1通信端末20のコンテンツ指定部217から写真名とその写真の説明文を示すデータが送信された場合は、これをコンテンツとして取得する。また、コンテンツ情報取得部112は、図2に示す第1通信端末20のコンテンツ指定部217からURL又はアプリの名称を示すデータが送信された場合は、これらのデータにより示されるコンテンツ(URL先のコンテンツ又は当該アプリの説明文)の送信をコンテンツ提供サーバ40に要求する。コンテンツ情報取得部112は、取得したコンテンツを示すデータをコンテンツ属性情報抽出部113に供給する。
【0032】
コンテンツ属性情報抽出部113は、コンテンツを示すデータから、そのコンテンツの内容を特徴付ける語句(特徴語)を、属性情報として抽出する。コンテンツ情報取得部112及びコンテンツ属性情報抽出部113が協働することで、本発明に係る「取得手段」として機能する。
【0033】
利用者属性情報抽出部114は、コンテンツ利用履歴データから、利用されたコンテンツにおける特徴語を利用者(連絡相手)の属性情報として抽出する。利用者属性情報抽出部114は、抽出した属性情報を、利用者属性情報格納DB124に供給する。
【0034】
類似度算出部115は、コンテンツの属性情報と連絡相手の属性情報との類似性の大きさを示す類似度を算出するものである。連絡相手の属性情報は、上述した利用者の属性情報であり、連絡相手の属する国、出身地、趣味、生活地域など、連絡相手の素性や嗜好を示す情報や、連絡相手が利用するコンテンツの特徴語である。類似度算出部115は、コンテンツの属性情報の特徴ベクトルと連絡相手の属性情報の特徴ベクトルのコサイン相関値によって類似度を算出する。この特徴ベクトルは、コンテンツ又は連絡相手の属性情報に含まれる語句のうちその内容を特徴付ける特徴語と、各特徴語に対応付けられたその特徴語を重み付けする値(ウェイト値)によって表されるデータである。類似度算出部115は、類似度を示すデータを特定部116及び親密度算出部117に供給する。類似度算出部115は、本発明に係る「類似度算出手段」の一例に相当する。
【0035】
親密度算出部117は、利用者と連絡相手との親密さの度合いを算出するものである。詳細には、親密度算出部117は、連絡の頻度や連絡先情報の登録期間の値を用いて親密度を算出する。親密度算出部117は、親密度を示すデータを特定部116に供給する。親密度算出部117は、本発明に係る「親密度算出手段」の一例に相当する。
【0036】
特定部116は、第1特定部1161と、第2特定部1162とを有し、類似度及び親密度から連絡相手を特定するものである。特定部116は、本発明に係る「特定手段」の一例に相当する。
第1特定部1161は、類似度の値が予め定められた閾値よりも大きい連絡相手を推奨する連絡相手として特定するものである。この閾値は、予め記憶部120に記憶されている。第1特定部1161は、特定した連絡相手を示すデータを、類似度を示すデータと共に第2特定部1162に供給する。
第2特定部1162は、類似度と親密度とに応じて推奨する連絡相手を特定するものである。詳細には、第2特定部1162は、類似度の値と親密度の値とを予め定められた関係式に代入し、連絡相手として推奨する度合いを示す推奨度を算出する。第2特定部1162は、推奨度が予め定められた閾値よりも大きい連絡相手を推奨する連絡相手として特定する。この閾値は、予め記憶部120に記憶されている。第2特定部1162は、特定した連絡相手を示すデータを、推奨度を示すデータと共に結果格納DB127に供給する。
【0037】
結果送信部118は、連絡相手及びその連絡相手の推奨度を示すデータを第1通信端末20に送信するものである。結果送信部118は、本発明に係る「送信手段」の一例に相当する。
【0038】
(1−4.データベース(DB)の構成)
図4は、利用者別連絡先DB123に格納されているデータの一例を示す図である。利用者別連絡先DB123は、各利用者(第2通信端末30の利用者を含む)と連絡を取った連絡先(連絡相手)を示すデータが格納されているものである。詳細には、利用者を識別する「利用者ID」毎に、その利用者が連絡を取った連絡相手を識別する「連絡先ID」とその連絡が行われた時期を示す「登録時期」とが対応づけられて格納されている。利用者別連絡先DB123は、第1通信端末20や第2通信端末30の間で互いの電話番号、メールアドレス、SNSアカウントなどの連絡先が交換された場合に、定期受信部111により連絡履歴データが供給されることによって更新される。
図5は、利用者属性情報格納DB124に格納されているデータの一例を示す図である。利用者属性情報格納DB124には、連絡相手(利用者)の属性情報がその連絡相手のサービスIDと対応付けられて格納されている。詳細には、利用者属性情報格納DB124には、図5に示すような、連絡相手の国、出身地、趣味、生活地域の情報が属性情報として格納されている。これらの属性情報は、各連絡相手が各々の通信端末を操作して情報処理装置10に送信したデータによって利用者属性情報格納DB124に格納される個人情報である。図5の例では、例えば、「利用者ID」が「U001」の利用者については、「属性情報」として、「国」が「日本」、「出身」が「名古屋」、「趣味」が「経済」、「生活地域」が「千葉」という情報が格納されている。
【0039】
図6は、コンテンツ利用履歴格納DB121に格納されているデータの一例を示す図である。コンテンツ利用履歴格納DB121は、コンテンツを閲覧した日時、コンテンツの種別(アプリ、WEBサイト、写真など)、コンテンツ名、コンテンツの内容などを示すデータがコンテンツ利用履歴データとして格納されている。図6の例では、「利用者ID」が「U001」の利用者が、「10月1日」に「アプリ」、「WEBサイト」、「写真」をそれぞれ利用した履歴が示されている。
【0040】
図7、図8は、特徴ベクトルDB126に格納されるデータの一例を示す図である。特徴ベクトルDB126には、図7に示すような、各利用者の属性情報に対して、その属性情報が格納されたデータの種別と、ウェイト値とが対応付けられて格納される。図7の例では、「属性情報」である「日本」、「名古屋」、「サッカー」、「Jリーグ」、「Twitter」、「乗り換え」に対して、「属性情報」、「属性情報」、「コンテンツ利用履歴」、「コンテンツ利用履歴」、「アプリ利用履歴」、「アプリ利用履歴」という「類別」と、「0.2」、「0.2」、「0.4」、「0.2」、「0.3」、「0.3」のウェイト値とがそれぞれ対応付けられている。また、特徴ベクトルDB126には、図8に示すような、各コンテンツの特徴語に対してウェイト値が対応付けられて格納される。図8の例では、「特徴語」である「日本」、「サッカー」、「神戸」、「Jリーグ」、「交流戦」、「ヨーロッパ」に対して「0.3」、「0.7」、「0.2」、「0.3」、「0.3」、「0.2」のウェイト値がそれぞれ対応付けられている。
図9は、連絡履歴格納DB122に格納されているデータの一例を示す図である。連絡履歴DB222には、連絡がされた日時と、連絡した利用者の利用者IDと、連絡手段とが対応付けられて格納されている。図9の例では、例えば、「10月1日12:20」という「日時」に、「利用者ID」が「U001」の利用者が「電話」を「連絡手段」として利用し、連絡をした履歴が示されている。
【0041】
図10は、マスタDB125に格納されているマスタの一例を示す図である。マスタDB125には、親密度を算出する際用いられるマスタとして、連絡頻度の点数算出マスタ、連絡先登録期間の点数算出マスタ、連絡手段の点数算出マスタが格納されている。連絡頻度の点数算出マスタは、連絡に回数に応じて親密度の点数を定義するマスタであり、電話、メール、SNSなどによる連絡回数が多ければ多いほど高い点数が設定されている。図10の例では、連絡頻度の点数算出マスタは、連絡頻度として毎月の連絡回数が「30回超え」だと「4.0」点、「20回〜30回」だと「3.0」点、「10回〜20回」だと「2.0」点、「10回未満」だと「1.0」点と設定されている。
【0042】
連絡先登録期間の点数算出マスタは、連絡相手の連絡先登録期間に応じて、点数を定義するマスタであり、登録期間が長いほど親密度が高いと考えられ、高い点数が設定されている。図10の例では、連絡先登録期間の点数算出マスタは、連絡先の登録期間が「一年間越え」だと「2.0」点、「半年〜一年間」だと「1.5」点、「一ヶ月〜半年」だと「1.0点」、「一ヶ月未満」だと「0.5」点と設定されている。連絡手段の点数算出マスタは、連絡手段に応じて点数を定義するマスタであり、連絡手段に応じた点数が設定されている。重要なことがあるとき、他の手段より電話がよく利用されることから、図10の例では、「電話」が「3.0」点、「メール」が「2.0」点、「SNS」が「1.0」点と設定されている。
【0043】
図11は、結果格納DB127に格納されているデータの一例を示す図である。結果格納DB127には、第2特定部1162により算出された連絡相手毎の推奨値順に並べて読み出し可能に格納されている。図11の例では、「利用者ID」が「U005」の連絡相手の点数が「8.0」、以下同様に「U001」が「6.0」、「U003」が「5.2」であり、点数の高い「U005」、「U001」、「U003」の順に矢印の方向に並べて表示されている。
【0044】
(2.動作)
次に、実施形態に係る情報処理装置10及び第1通信端末20の動作について説明する。この動作には、大別して、他人に紹介したいニュース記事、写真、アプリなどのコンテンツに対し、推奨する連絡相手を提示する動作と、利用したいアプリなどのコンテンツを見つけるために、問い合わせ先として推奨する連絡相手を提示する動作とがある。
【0045】
(2−1.コンテンツの紹介相手の推奨)
まず、コンテンツの紹介相手を推奨する動作について説明する。
図12は、コンテンツの紹介相手を推奨する動作を示すフローチャートである。この動作の前提として、記憶部120には、第1通信端末20及び第2通信端末30から定期的又は随時送信されたデータ(利用者属性データ、コンテンツ利用履歴データ、連絡履歴データ、利用者別連絡先データ)が記憶されている。そして、利用者により操作部250が操作され、紹介したいコンテンツの指定と送信指示とがされることを契機としてこの動作が開始される。
【0046】
まず、情報処理装置10は、第1通信端末20から送信されたコンテンツを示すデータを受信する(ステップS501)。このデータは、利用者が紹介したいコンテンツを示すデータである。次に、情報処理装置10は、利用者と過去に連絡をしたことがある連絡相手の属性情報データ及びコンテンツ利用履歴データと、利用者が紹介したいコンテンツの属性情報を示すデータとから、これらのデータの類似度を算出する処理(類似度算出処理)を行う(ステップS502)。続いて、情報処理装置10は、類似度が閾値よりも大きい各連絡相手に対して、利用者との連絡履歴に基づいて利用者との親密度をそれぞれ算出する処理(親密度算出処理)を行う(ステップS503)。次に、情報処理装置10は、類似度と親密度から推奨度を算出する(ステップS504)。そして、情報処理装置10は、推奨度が閾値よりも大きい連絡相手を示すデータを、推奨度を示すデータとともに第1通信端末20に送信する(ステップS505)。これらのデータを受信すると、第1通信端末20は、これらのデータにより示される連絡相手及びその推奨度を表示部260に表示する。
【0047】
続いて、ステップS501からステップS505までの各処理の詳細を説明する。
ステップS501において、利用者は、第1通信端末20の操作部250を操作して、ブラウザで閲覧するWEBサイト、記憶部220に記憶されている写真、又は、第1通信端末20にインストールされているアプリを指定する。その結果、第1通信端末20は、指定されたコンテンツがWEBサイトの場合はそのWEBサイトのURLを示すデータ、写真の場合は写真名とその写真の説明文を示すデータ、アプリの場合はそのアプリの名称を示すデータを情報処理装置10に送信する。情報処理装置10は、URLを示すデータ又はアプリの名称を示すデータを受信した場合、コンテンツ提供サーバ40からそのURLが示すWEBサイトの記事内容を示すデータ、あるいは、アプリの説明文を示すデータをコンテンツの属性情報として取得する。情報処理装置10は、取得したコンテンツの属性情報を用いてステップS502において類似度算出処理を行う。
【0048】
図13は、ステップS502における類似度算出処理を示すフローチャートである。まず、情報処理装置10は、利用者別連絡先DB123から第1通信端末20の利用者の連絡先一覧を取得する(ステップS511)。次に、情報処理装置10は、連絡先一覧から1名の連絡相手の連絡先を選択し、コンテンツ利用履歴格納DB121から、選択した連絡相手が最近(例えば1ヶ月以内に)利用した各種コンテンツ(WEBサイトやアプリ)の特徴語を抽出し、選択した連絡相手の属性情報として利用者属性情報格納DB124に格納する(ステップS512)。情報処理装置10は、特徴語を抽出する際、tf−idfの閾値処理により、ノイズとなり得るアプリの特徴と関係の低い一般的な言葉を判定し、排除する。例えば、図7に示したように、「Twitter」、「乗り換え」のような言葉を抽出し、「アプリ」、「検索」のような一般的な言葉を排除する。
【0049】
続いて、情報処理装置10は、利用者属性情報格納DB124から、上記のとおり選択した連絡先が示す連絡相手の属性情報を取得し、取得した属性情報を特徴ベクトルDB126に特徴語として格納する(ステップS513)。
次に、情報処理装置10は、特徴ベクトルDB126に格納した特徴語にウェイト値を対応付けて、連絡相手の特徴ベクトルを生成する(ステップS514)。詳細には、情報処理装置10は、図2に示す属性情報更新部215によって更新された属性情報の特徴語に対しては、デフォルト値(この例では0.2)のウェイト値を対応付ける。また、情報処理装置10は、図3に示す利用者属性情報抽出部114によって抽出された特徴語に対しては、その特徴語の出現確率(0〜1で示される。)に応じたウェイト値を対応付ける。この場合のウェイト値は、抽出した全ての特徴語の出現回数に対するその特徴語の出現回数の割合である。図7の例では、例えば、コンテンツ利用履歴において、「サッカー(出現確率:0.4)」が「Jリーグ(出現確率:0.2)」よりも出現確率が高いことが示されている。このようにして、情報処理装置10は、連絡相手の興味を反映した特徴ベクトルを生成する。
【0050】
続いて、情報処理装置10は、利用者によって指定されたコンテンツの特徴ベクトルを生成する(ステップS515)。詳細には、情報処理装置10は、ステップS501において取得したWEBサイトの記事内容又はアプリの説明文の情報から、tf−idfの閾値処理により特徴語を抽出する。そして、情報処理装置10は、抽出した特徴語の出現確率(すなわちウェイト値)を算出し、各特徴語にそれぞれ対応付けて特徴ベクトルDB126に格納する。
次に、情報処理装置10は、連絡相手の特徴ベクトルとコンテンツの特徴ベクトルとの類似度を下記式(1)により算出する(ステップS516)。
【0051】
【数1】

【0052】
情報処理装置10は、以上のステップS512からステップS516までの処理を利用者と連絡のある全ての連絡相手について行う。そして、情報処理装置10は、算出した類似度が閾値よりも大きい連絡相手に対して親密度を算出する処理を行う(ステップS503)。
図14は、ステップS503における親密度算出処理を示すフローチャートである。情報処理装置10は、類似度が閾値よりも大きい連絡相手のうちからある1人の連絡相手を選択し、連絡履歴格納DB122から利用者とその連絡相手との最近(例えば1ヶ月以内)の連絡履歴を抽出する。そして、情報処理装置10は、その連絡履歴に基づき、電話、メール、SNSの各通話回数に連絡頻度の点数算出マスタの点数を乗じてその合計を連絡頻度点数として算出する(ステップS521)。仮に、電話、メール、SNSの各点数を「1」、「2」、「1」とすると、例えば、図9に示された連絡履歴による連絡頻度点数は、3×1+2×2+1×1=8と算出される。
【0053】
次に、情報処理装置10は、利用者別連絡先DB123に格納されている上記選択をした連絡相手の連絡先登録期間を参照し、この連絡先登録期間に対応した連絡先登録期間の点数算出マスタに設定されている点数を連絡先登録期間点数として算出する(ステップS522)。そして、情報処理装置10は、連絡頻度点数と連絡先登録期間点数とを乗じた値を親密度として算出する(ステップS523)。情報処理装置10は、この親密度算出処理を、類似度が閾値よりも大きい全ての連絡相手について行う。
【0054】
続いて、情報処理装置10は、下記式(2)により推奨度を算出する。SIMは類似度、INTは親密度、αとβは類似度と親密度の重み付けを調整するためのパラメータである。
R=α×SIM×β×INT ・・・(2)
情報処理装置10は、各連絡相手に対して式(2)の計算を行い、算出された推奨度が閾値よりも大きい連絡相手を示すデータ(利用者ID)をその推奨度を示すデータと併せて結果格納DB127に格納する(ステップS504)。そして、情報処理装置10は、結果格納DB127に格納したこれらのデータを第1通信端末20に送信する。これにより、第1通信端末20の表示部260には推奨される連絡相手が表示される。
【0055】
図15は、コンテンツの紹介相手として推奨される連絡相手が表示された画面の一例を示す図である。図15の例においては、第1通信端末20は、推奨度が最も大きかった「Aさん」を「興味が非常にあるでしょう」という文字列に並べて表示し、次に推奨度が大きかった「Bさん」を「興味があるでしょう」という文字列に並べて表示している。
以上で、コンテンツの紹介相手を推奨する動作が終了する。
【0056】
(2−2.コンテンツ検索のための問い合わせ先の推奨)
続いて、コンテンツ検索のための問い合わせ先を推奨する動作について説明する。
図16は、問い合わせ先を推奨する動作を示すフローチャートである。この動作においては、前提条件や動作開始の契機、動作内容が図12に示す動作と一部が共通している。そこで以下では、これらの動作の相違点を中心に説明することにする。図16に示す動作は、利用者により操作部250が操作され、問い合わせたいコンテンツの特徴の入力と送信指示とがされることを契機として開始される。
【0057】
利用者は、コンテンツの特徴を次の2とおりの方法で指定する。第1の方法は、キーワードを指定する方法である。利用者は、アプリなどコンテンツの名称や特徴の一部を入力する。例えば、Twitterアプリを検索したいとき、「Twitter」と入力して検索できる。この場合、第1通信端末20は、入力されたキーワードを示すデータを情報処理装置10に送信する。第2の方法は、アプリを指定する方法である。利用者は、例えば、乗り換え案内のアプリを検索するために、今使っている乗り換え案内のアプリを選択する。この場合、第1通信端末20は、指定したアプリに関する情報(アプリの名称及び説明文を含む)を情報処理装置10に送信する。
【0058】
図17は、問い合わせたいコンテンツの特徴を入力する画面の一例を示す図である。図17の例においては、第1通信端末20は、「キーワード指定」という文字列及びキーワードを入力させる入力欄Aと、「利用中のコンテンツ指定」という文字列と「指定」という文字列を含むボタンBを表示させている。入力欄Aは、第1の方法を実現するものであり、ボタンBは、第2の方法を実現するものである。第1通信端末20は、例えば、操作部250の操作によりボタンBが選択された場合、この画面が表示される前に表示されていたアプリを示すデータを情報処理装置10に送信する。なお、情報処理装置10は、マルチタスクで起動中のアプリを示すデータを送信してもよいし、アプリではなく、ブラウザに表示されているコンテンツの特徴を示すデータを送信してもよい。図16に戻る。情報処理装置10は、第1通信端末20からこのようにして送信されたコンテンツの特徴を示すデータを受信する(ステップS601)。
【0059】
次に、情報処理装置10は、利用者と過去に連絡をしたことがある連絡相手の属性情報データ及びコンテンツ利用履歴データと、利用者が問い合わせたいコンテンツの特徴を示すデータとから、これらの類似度を算出する(ステップS602)。以下、親密度算出(ステップS603)、推奨度算出(ステップS604)、特定した連絡相手を示すデータの送信(ステップS605)については、図12に示すステップS503〜S505までの処理とそれぞれ同様に行われる。
図18は、問い合わせ先として推奨される連絡相手が表示された画面の一例を示す図である。図18の例においては、第1通信端末20は、問い合わせたいアプリ(「Twitterクライアントアプリ」)と類似度の大きい「●●Twitterアプリ」(「Aさん」が利用中)と「スーパーTwitter」(「Bさん」が利用中)とを表示している。
以上で、問い合わせ先を推奨する動作が終了する。
【0060】
以上のとおり、情報処理装置10によれば、コンテンツに関する情報を共有する場合に、そのコンテンツの属性情報と連絡相手の属性情報との類似度が大きい連絡相手の中から、さらに利用者との親密度が大きい連絡相手を特定し、利用者に伝えることが可能である。例えば、利用者が連絡相手にコンテンツを紹介する場合であれば、連絡相手にとって、全くの他人や親密でない相手から紹介されるよりも、自分と親密な相手から紹介された方がそのコンテンツにより興味を感じるものである。また、利用者がコンテンツに関して問い合わせをする場合であれば、利用者にとって、全くの他人や親密でない相手からの情報よりも、親密な相手からの情報の方がより信頼できるものである。よって、情報処理装置10は、コンテンツに関する情報を共有する場合に、適切な相手の特定を支援することを可能とするものである。
【0061】
なお、実施形態に係る情報処理装置10に対しては、次のような機能を追加しても良い。例えば、情報処理装置10は、連絡相手の親密度を、第2通信端末30が第1通信端末20からの連絡を受信した時刻と、これに第2通信端末30から応答がされた時刻とに基づいて算出してもよい。例えば、情報処理装置10は、親密度を、この連絡を受信してから応答するまでに経過した時間の平均値が短いほど、大きな値で算出してもよい。詳細には、情報処理装置10は、第2通信端末30が第1通信端末20からの連絡を受信した時刻と応答した時刻とを示すデータを連絡履歴データとして連絡履歴格納DB122に格納する。また、情報処理装置10は、応答時間が短いほど高い点数を対応付けた応答時間の点数算出マスタをマスタDB125に格納しておく。
【0062】
そして、情報処理装置10は、例えば、連絡手段が電話であれば、第1通信端末20から第2通信端末30に発信がされた時刻から、これらの通信端末間で電話がつながった時刻までに経過した時間を連絡履歴格納DB122に格納する。同様に、情報処理装置10は、連絡手段がメールであれば、メールが発信されてからそのメールに返信がされるまでに経過した時間を、連絡手段がTwitterであれば、つぶやきが投稿されてから、そのつぶやきに対する投稿がされるまでに経過した時間を連絡履歴格納DB122に格納する。次に、上述したステップS522の処理において、情報処理装置10は、利用者に対する連絡相手の各応答時間を参照し、これらの応答時間に対して点数算出マスタに設定されている点数を合計した応答時間点数を算出する。そして、ステップS523において、情報処理装置10は、連絡頻度点数と連絡先登録期間点数と応答時間点数とを乗じた値を親密度として算出する。これにより、情報処理装置10は、応答時間の大きさによって親密度を算出することができる。
【0063】
また、情報処理装置10は、親密度を、第2通信端末30が第1通信端末20からの連絡に対して応答した時間帯に応じた値で算出してもよい。例えば、情報処理装置10は、親密度を、平日の日中に応答した場合に比べて、平日の夕方以降に応答した場合に大きい値で算出したり、平日に応答した場合に比べて、休日に応答した場合に大きい値で算出したりしてもよい。
【0064】
また、情報処理装置10は、親密度を、第1通信端末20に記憶されている連絡先の数が多い連絡相手ほど、大きな値で算出してもよい。例えば、情報処理装置10は、利用者別連絡先DB123に、連絡相手の連絡先の登録時期を連絡先毎に格納してもよい。この場合、利用者別連絡先DB123には、第1通信端末20や第2通信端末30の間で互いの電話番号、メールアドレス、SNSアカウントなどの複数の連絡先が交換された場合に、1つの利用者IDに対して複数の連絡先とこれらの連絡先の登録時期とが対応付けられて格納されればよい。そして、情報処理装置10は、親密度算出処理において、連絡相手に対応付けられた連絡先の数を点数として算出し、この点数を連絡頻度点数と連絡先登録期間点数とに乗じて親密度を算出してもよい。これにより、情報処理装置10は、多くの連絡先を交換している連絡相手の親密度を大きな値で算出することができる。
なお、情報処理装置10は、連絡手段毎に重み付け係数を乗じた点数を用いてもよいし、連絡手段毎の登録期間に対する連絡先登録期間の点数算出マスタで設定された点数をそれぞれ算出して合計した点数を用いてもよい。
【0065】
また、情報処理装置10は、親密度を、連絡先の登録期間が短いほど高い点数が設定された連絡先登録期間の点数算出マスタを用いて算出してもよい。これにより、情報処理装置10は、利用者にとって新しい知り合いとの関係の促進を支援することができる。
また、情報処理装置10は、親密度を、連絡回数が少ないほど高い点数が設定された連絡頻度の点数算出マスタを用いて算出してもよい。これにより、情報処理装置10は、利用者にとってまだ親しくなっていない知り合いとの関係の促進を支援することができる。
【0066】
上述した第1及び第2実施形態は、本発明の実施の一例に過ぎず、次のように種々の応用・変形が可能であり、また、必要に応じて適宜組み合わせることも可能である。
【0067】
(変形例1)
情報処理装置10は、上述した実施形態においては、連絡頻度点数、連絡先登録期間点数及び応答時間点数を乗じて親密度を算出したが、これらの点数のうち、少なくとも1つの点数を用いて親密度を算出してもよい。すなわち、情報処理装置10は、連絡相手の親密度を、第1通信端末20と第2通信端末30とが互いに連絡を行った回数に基づいて算出してもよい。これにより、連絡履歴、連絡先又は応答時間を示すデータが格納されていない連絡相手であっても、少なくとも1つのデータが格納されていれば、親密度を算出することができる。
【0068】
(変形例2)
情報処理装置10は、算出した類似度とその類似度により特定した結果を第1通信端末20に送信してもよい。この場合、第1特定部1161は、特定した連絡相手を示すデータを、類似度を示すデータと共に結果格納DB127に供給すればよい。これにより、情報処理装置10は、連絡相手との親密さに影響されることなく、コンテンツに対する興味や見識のある連絡相手との関係の促進を支援することができる。
【0069】
(変形例3)
情報処理装置10は、上述した実施形態では、類似度により特定した連絡相手のうち、さらに類似度及び親密度から算出した推奨度が閾値より大きい連絡相手を特定したが、連絡相手の特定の仕方は、これに限らない。例えば、情報処理装置10は、利用者と連絡のある全ての連絡相手のうち、推奨度が閾値より大きい連絡相手を特定しても良い。これにより、情報処理装置10は、コンテンツにはそれほど詳しくないが、利用者と親密な関係にある連絡相手を特定しやすくすることができる。
【0070】
(変形例4)
情報処理装置10は、上述した実施形態では、類似度が閾値よりも大きい連絡相手を特定し、推奨度が閾値よりも大きい連絡相手を特定したが、連絡相手の特定の仕方は、これに限らない。例えば、情報処理装置10は、類似度が閾値以下の連絡相手を特定してもよい。これにより、利用者は、初心者的な質問をしたり、先入観のない意見をもらったりするため、指定したコンテンツに詳しくない連絡相手とコンテンツを共有することを支援してもらうことができる。また、情報処理装置10は、推奨度が閾値よりも小さい連絡相手を特定してもよい。これにより、利用者は、まだ親密な関係にない連絡相手との関係の構築を支援してもらうことができる。
【0071】
(変形例5)
本発明は、情報処理装置だけでなく、情報処理装置を含む情報共有支援システムのいずれにも特定され得るものである。また、本発明は、かかる情報処理装置に対応する方法の発明や、コンピュータを情報処理装置として機能させるためのプログラムとしても特定され得るものである。かかるプログラムは、光ディスク等の記録媒体に記録した形態で提供されたり、インターネット等のネットワークを介して、コンピュータにダウンロードさせ、これをインストールして利用可能にするなどの形態で提供されたりすることも可能である。
【符号の説明】
【0072】
1…情報共有支援システム、10…情報処理装置、20…第1通信端末、30…第2通信端末、40…コンテンツ提供サーバ、110…制御部、111…定期受信部、112…コンテンツ情報取得部、113…コンテンツ属性情報抽出部、114…利用者属性情報抽出部、115…類似度算出部、116…特定部、1161…第1特定部、1162…第2特定部、117…親密度算出部、118…結果送信部、120…記憶部、121…コンテンツ利用履歴格納データベース、122…連絡履歴格納データベース、123…利用者別連絡先データベース、124…利用者属性情報格納データベース、125…マスタデータベース、126…特徴ベクトルデータベース、127…結果格納データベース、130…第1通信部、140…第2通信部、210…制御部、211…コンテンツ閲覧制御部、212…コンテンツ利用履歴生成部、213…連絡履歴生成部、214…連絡先更新部、215…属性情報更新部、216…定期送信部、217…コンテンツ指定部、218…結果表示制御部、220…記憶部、221…コンテンツ利用履歴データベース、222…連絡履歴データベース、223…連絡先データベース、230…第1通信部、240…第2通信部、250…操作部、260…表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者によって操作される第1通信端末から送信されたコンテンツの属性情報を取得する取得手段と、
前記第1通信端末と通信可能な第2通信端末を操作する相手の属性情報を記憶する記憶手段と、
前記取得手段により取得されたコンテンツの属性情報と、前記記憶手段により記憶された属性情報との類似性の大きさを示す類似度を算出する類似度算出手段と、
前記類似度算出手段により算出された類似度に応じて前記相手を特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された相手を示す情報を前記第1通信端末に送信する送信手段と
を具備することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記相手と前記利用者との親密さの度合いを示す親密度を算出する親密度算出手段を具備し、
前記特定手段は、前記類似度算出手段により算出された類似度と前記親密度算出手段により算出された親密度とに応じて前記相手を特定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特定手段は、前記類似度算出手段により算出された類似度が閾値よりも大きい前記相手のうち、前記親密度算出手段により算出された親密度の大きさに応じて前記相手を特定する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記親密度算出手段は、前記相手の親密度を、当該相手が操作する第2通信端末が前記第1通信端末からの連絡を受信した時刻と、当該連絡に対して当該第2通信端末から応答がされた時刻とに基づいて算出する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記親密度算出手段は、前記相手の親密度を、前記第2通信端末が前記連絡を受信してから当該連絡に対して前記応答がされるまでの時間の平均値が短いほど、大きな値で算出する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1通信端末は、前記相手の連絡先を登録する機能を有し、
前記親密度算出手段は、前記相手の親密度を、前記第1通信端末に当該相手の連絡先が登録されている期間が長いほど、大きな値で算出する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第1通信端末は、前記相手の連絡先を登録する機能を有し、
前記親密度算出手段は、前記相手の親密度を、前記第1通信端末に登録されている当該相手の連絡先の数が多いほど、大きな値で算出する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記親密度算出手段は、前記相手の親密度を、前記第1通信端末と当該相手が操作する第2通信端末とが連絡を行った回数に基づいて算出する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記親密度算出手段は、前記相手の親密度を、特定の期間において前記第1通信端末と当該相手が操作する第2通信端末とが連絡を行った回数が多いほど、大きな値で算出する
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記親密度算出手段は、前記相手の親密度を、特定の期間において前記第1通信端末と当該相手が操作する第2通信端末とが連絡を行った回数が少ないほど、大きな値で算出する
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記親密度算出手段は、前記相手の親密度を、前記第1通信端末と当該相手が操作する第2通信端末とが連絡を行った回数が多いほど、大きな値で算出する
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記第1通信端末は、前記第2通信端末と電話で通信する機能を有し、
前記連絡を行った回数は、電話で通信した回数である
ことを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
情報処理装置が、
利用者によって操作される第1通信端末から送信されたコンテンツの属性情報を取得し、
前記第1通信端末と通信可能な第2通信端末を操作する相手の属性情報を記憶し、
前記取得されたコンテンツの属性情報と、前記記憶された属性情報との類似性の大きさを示す類似度を算出し、
前記算出された類似度に応じて前記相手を特定し、
前記特定された相手を示す情報を前記第1通信端末に送信する
ことを特徴とする情報提供方法。
【請求項14】
コンピュータを、
利用者によって操作される第1通信端末から送信されたコンテンツの属性情報を取得する取得手段と、
前記第1通信端末と通信可能な第2通信端末を操作する相手の属性情報を記憶する記憶手段と、
前記取得手段により取得されたコンテンツの属性情報と、前記記憶手段により記憶された属性情報との類似性の大きさを示す類似度を算出する類似度算出手段と、
前記類似度算出手段により算出された類似度に応じて前記相手を特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された相手を示す情報を前記第1通信端末に送信する送信手段
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−94004(P2012−94004A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−241414(P2010−241414)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】