情報処理装置、文書管理システム、文書管理方法、プログラム、記録媒体および画像処理装置
【課題】 管理する電子文書および電子文書の集合に対する効率的なアクセスを利用者に提供すること。
【解決手段】 本発明の情報処理装置110は、それぞれ文書、フォルダまたは検索条件を呼び出す1以上のお気に入り要素を、共有またはユーザ個別のものであるかを区別して格納するお気に入りデータベース130と、クライアント端末150に対し、ログイン・ユーザについて登録された1以上の個別のお気に入り要素と、1以上の共有のお気に入り要素とを表示するお気に入り画面領域を提供するお気に入り提供手段122と、クライアント端末150から、お気に入り画面領域を介した個別のお気に入り要素および共有のお気に入り要素間の移動の指示を受信して、共有のお気に入り要素を個別のお気に入り要素として、または個別のお気に入り要素を共有のお気に入り要素として、お気に入りデータベース上で複製するお気に入り共有処理手段124とを含む。
【解決手段】 本発明の情報処理装置110は、それぞれ文書、フォルダまたは検索条件を呼び出す1以上のお気に入り要素を、共有またはユーザ個別のものであるかを区別して格納するお気に入りデータベース130と、クライアント端末150に対し、ログイン・ユーザについて登録された1以上の個別のお気に入り要素と、1以上の共有のお気に入り要素とを表示するお気に入り画面領域を提供するお気に入り提供手段122と、クライアント端末150から、お気に入り画面領域を介した個別のお気に入り要素および共有のお気に入り要素間の移動の指示を受信して、共有のお気に入り要素を個別のお気に入り要素として、または個別のお気に入り要素を共有のお気に入り要素として、お気に入りデータベース上で複製するお気に入り共有処理手段124とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書管理システムに関し、より詳細には、管理する電子文書および電子文書の集合に対する効率的なアクセスを利用者に提供するための情報処理装置、文書管理システム、文書管理方法、プログラム、記録媒体および画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、官公庁、企業などの組織においては、業務に関する電子文書や、紙媒体の書類をスキャナで読み取って電子化した電子文書、ファクシミリで受信した電子文書等を一元的に管理する、いわゆる文書管理システムが普及している。
【0003】
この文書管理システムにおいては、電子文書は、日々の業務に伴って随時発生し、結果として膨大な電子文書が蓄積されることになる。このため、蓄積された電子文書の中から、各個人が業務上頻繁に利用する電子文書または電子文書の集合をお気に入りとして登録し、簡単な操作でアクセスしたいという要望がある。一方、ウェブ・ブラウザが提供する従来のお気に入り機能は、利用者毎にお気に入りまたはブックマークを登録するというものであり、お気に入りがユーザ単位で作成および管理される。したがって、通常、登録したお気に入りの利便性は、登録した本人のみが享受することができる。
【0004】
一方、組織における業務では、特定の業務の関係者が特定の文書または文書の集合に共通して頻繁に利用することがある。例えば、あるプロジェクトの関係者は、プロジェクトの仕様書、設計書等のプロジェクトに関連する一群の文書や、参考資料等に頻繁にアクセスすることがある。このような一定の関連のある文書は、同一のフォルダないし近接した位置のフォルダに格納されるとは限らない。この場合に、当該プロジェクトに関連する文書やフォルダを各個人毎にお気に入り登録しなければならないとすると煩雑である。また、利便性の高い検索条件などをユーザ間で簡便に共有することができれば、作業効率の向上を図ることもできる。
【0005】
従来より、ウェブ・ブラウザでは、お気に入り情報をファイルにエクスポートし、これを他のコンピュータまたはユーザ環境にインポートすることにより、お気に入りを共有する技術が知られている。また、例えば特開2008−171295号公報(特許文献1)は、他のユーザの端末に登録されているブックマークを自分の端末に取り込んで登録、使用可能とすることを目的として、ブックマーク提供ユーザ端末が内部に格納されたブックマークをブックマーク管理サーバに送信、登録し、ブックマーク管理サーバが提供ユーザ毎に登録されたブックマークをWebサイトで公開し、ブックマーク取得ユーザ端末から提供ユーザを指定して取得要求があった場合に該当ブックマークを抽出して送信する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来からのお気に入りのエクスポート・ファイルを他のユーザに提供する手法では、通常、提供元ユーザが登録するすべてのお気に入り情報がファイルに書き出されてしまうため、その中から取捨選択して個別にインポートすることが難しく、利便性の観点から充分なものではなかった。また従来のお気に入りのエクスポートを用いる手法では、他のユーザの環境へお気に入りを登録するまでに、お気に入りのファイルへのエクスポート、ファイルの配布およびお気に入りへのインポートというように手間のかかる作業が必要であり、効率性の観点から充分なものではなかった。
【0007】
また、上記特許文献1に開示される技術は、他のユーザにブックマークを提供する技術であり、有名ブックマークや自分が既に保有しているブックマークを除外して、他のユーザのブックマークを取得することができるものの、ブックマークの中から必要なものだけを取捨選択できるというものではなく、ブックマークのための操作が容易ではない点で充分なものではなかった。
【0008】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、本発明は、管理する電子文書および電子文書の集合に対する効率的なアクセスを可能とするお気に入り登録を、複数のユーザ間で簡便に共有することができる情報処理装置、文書管理システム、文書管理方法、プログラム、記録媒体および画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、上記課題を解決するために、ネットワークを介して接続されるクライアント端末に対し、データベースに蓄積された文書へのアクセスを提供するウェブ・アプリケーションを実現する情報処理装置であって、下記特徴を有する情報処理装置を提供する。本発明の情報処理装置は、クライアント端末に対し、ログイン・ユーザについて登録された1以上の個別のお気に入り要素と、1以上の共有のお気に入り要素とを表示するお気に入り画面領域を提供する。お気に入り要素は、それぞれ文書、フォルダまたは検索条件を呼び出すものであり、これらの1以上のお気に入り要素は、お気に入りデータベースに共有またはユーザ個別のものであるかを区別して格納される。情報処理装置は、クライアント端末から、上記お気に入り画面領域を介した個別のお気に入り要素および共有のお気に入り要素間の移動の指示を受信して、共有のお気に入り要素を個別のお気に入り要素として、または個別のお気に入り要素を共有のお気に入り要素として、上記お気に入りデータベース上で複製する。
【0010】
さらに本発明の情報処理装置は、登録された共有のお気に入り要素のうちの配布対象とする1以上の要素の指定および1以上の配布先のユーザの指定を受領し、お気に入りデータベースにアクセスし、配布対象とする1以上の要素を1以上の配布先のユーザのユーザ識別値に関連付けて、一括して複製することができる。
【0011】
また本発明では、上記お気に入りデータベース内の個別のお気に入り要素の登録状況を集計し、集計結果に従い、自動共有化を条件付ける共有化条件に合致する個別のお気に入りを判定することができる。さらに本発明では、上記共有化条件は、お気に入りデータベース内に登録された個別のお気に入り要素のうち、一致する内容を有する要素の登録数または登録率、検索条件の1以上の項目が一致する要素の登録数または登録率、または検索条件のすべての項目が一致する要素の登録数または登録率に対する閾値とすることができる。またさらに本発明では、検索条件の各項目は、キーワードまたはキー項目とキー値との組み合わせとすることができる。
【0012】
また本発明によれば、上記特徴を有する情報処理装置を含む文書管理システム、該情報処理装置が実行する文書管理方法、該情報処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム、該プログラムを格納する記録媒体、および該情報処理装置と通信する画像処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0013】
上記構成によれば、文書管理システム内で管理される文書または文書の集合へアクセスすることを可能とするお気に入り要素のユーザ間の効率的な共有環境を提供することができる。本発明のお気に入り共有機能によれば、簡単な操作のみで自らが保有する個別お気に入り要素のうち、他のユーザに利用させたいものを取捨選択し、公開することができる。また本発明のお気に入り共有機能によれば、公開された共有のお気に入り要素のうち、所望の要素を取捨選択して自己の個別お気に入り要素として個別化できる。お気に入りの共有化および個別化をお気に入り要素の単位で取捨選択して行うことができるため、必要なもののみをきめ細やかに共有化または個別化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】文書管理システムの第1の実施形態を示す概略図。
【図2】第1の実施形態のサーバおよびクライアント上に実現される機能構成を示すブロック図。
【図3】第1の実施形態のお気に入りの共有処理の流れを模式的に示す図。
【図4】クライアントのディスプレイ装置上に表示されるウェブ・ブラウザ内のメイン画面を例示する図。
【図5】個別のお気に入り要素を共有化する処理を説明する図。
【図6】共有お気に入り要素を個別化する処理を説明する図。
【図7】お気に入りデータベース内に登録されるお気に入り情報のデータ構造を示す図。
【図8】第1の実施形態のお気に入りの一括配布処理の流れを模式的に示す図。
【図9】サーバのディスプレイ装置上に表示されるお気に入りの一括配布画面を例示する図。
【図10】第1の実施形態のクライアントがお気に入り機能を利用している際にサーバが実行する処理のフローを説明する図。
【図11】第2の実施形態の文書管理システムにおけるサーバおよびクライアント上に実現される機能構成を示すブロック図。
【図12】サーバが実行するお気に入り要素の自動共有化処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を用いて説明するが、本発明の実施形態は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0016】
図1は、文書管理システム100の第1の実施形態を示す概略図である。図1に示す文書管理システム100は、システム100内を流通する電子文書を管理するサーバ110と、管理されている文書の閲覧、編集、印刷などの操作を行なうためのクライアント・コンピュータ端末(以下、クライアントと参照する。)150a,150bとを含む。サーバ110およびクライアント150は、例えばイーサネット(登録商標)およびTCP/IPプロトコルによるローカル・エリア・ネットワーク(以下、LANとして参照)などのネットワーク102を介して相互に接続される。
【0017】
図1に示すネットワーク102には、複合機104その他、図示しないファクシミリ、スキャナ、複写機などの画像処理装置が接続されている。本文書管理システム100では、これらの画像処理装置にて生成した文書をサーバ110へ送信することにより、当該文書を文書管理システム100に登録することができる。また、図1に示すネットワーク102には、他のクライアント108が接続されており、クライアント108のローカルに保存されている文書についても、サーバ110へ送信することにより、文書管理システム100に登録することができる。文書管理システム100に蓄積された文書は、適宜、クライアント108,150a,150bなどのからの印刷指示をすることにより、レーザプリンタ106などの画像形成装置に出力させることができる。
【0018】
本実施形態のサーバ110は、文書を管理するためのウェブ・アプリケーションを実現し、クライアント150に対して、ウェブ・ブラウザ(以下、単にブラウザという。)を介した文書の閲覧、編集、印刷などの操作環境を提供する。本文書管理システム100において、文書は、キャビネットおよびフォルダからなる階層構造として管理されており、サーバ110は、クライアント150に対し、このような階層構造を介したナビゲーションによって所望の文書へアクセスする機能を提供する。またサーバ110は、書誌情報に基づく検索や全文検索などの検索機能による文書への効率的なアクセスを提供する。
【0019】
本実施形態のサーバ110は、また、文書管理システム100の利用者(以下、文書管理システム100上でユーザ名等により識別される利用者をユーザと参照する。)毎に、システム100内に蓄積される文書に簡便にアクセスするためのお気に入り機能を提供する。さらに、本実施形態のサーバ110は、各ユーザ毎に個別に提供されるお気に入り機能をユーザ間で共有する機能を提供する。
【0020】
なお、文書管理システム100は、上述の実施形態に限定されるものではなく、図示しないVPN(Virtual Private Network)ゲートウェイまたは専用回線を用いて構成されるワイド・エリア・ネットワーク(WAN)により、クライアント150とサーバ110とを接続してもよく、その他、インターネットなどの公衆通信回線を介してクライアント150とサーバ110とを接続してもよい。また、文書管理システム100に含まれるクライアントの数は、上述の実施形態に限定されるものではなく、1つまたは3つ以上で構成されてもよい。
【0021】
サーバ110は、図示しないハードディスク・ドライブ、NV−RAM(Non-Volatile Random Access Memory)、SDカードなどの記憶媒体に格納されたプログラム(図示せず)を読み出し、RAMのメモリ領域に展開することにより、適切なオペレーティング・システム(OS)のもとで、後述する各機能部および各処理を実現する。本実施形態では、サーバ110がUNIX(登録商標)またはAIXまたはLINUX(登録商標)などのアーキテクチャを有している場合であっても、各OSが同様の機能を提供する限り、コンピュータのアーキテクチャに限定されるものではない。また、サーバ110と通信を行なうクライアント150についても、サーバ110と同様なハードウェア構成とすることができる。
【0022】
以下、本実施形態の文書管理システム100において実現される、お気に入りの共有機能について説明する。図2は、第1の実施形態のサーバ110およびクライアント150上に実現される機能構成を示すブロック図である。図2に示すクライアント150は、ブラウザ152と、スクリプト・コード再生部154とを含む。ブラウザ152は、InternetExplorer(登録商標)、Mozila(登録商標)Firefox(登録商標)など、HTTPクライアントとして動作する既知のウェブ・ブラウザである。ブラウザ152は、サーバ110上のHTTPサーバ機能と通信を実行し、サーバ110から取得したウェブ・ページをクライアント150のディスプレイなどの表示装置に表示する。
【0023】
スクリプト・コード再生部154は、JavaScript(登録商標)のスクリプト・エンジンやAdobe(登録商標)Flashプレーヤなどのクライアント・サイドのスクリプトコードの実行エンジンとして実装され、JavaScript(登録商標)やActionScriptなどのスクリプト・コードを処理し、リッチなグラフィカル・ユーザ・インタフェースを提供する。なお、スクリプト・コード再生部154は、ブラウザ152自体の機能として、または拡張機能として提供することができる。
【0024】
クライアント150を操作する利用者は、サーバ110上の文書管理ウェブ・アプリケーションを識別するURLをブラウザ152上から指定し、当該ウェブ・アプリケーションにアクセスすることで、文書管理システムが提供する諸機能を利用することができる。
【0025】
サーバ110は、ウェブ・アプリケーションサーバ部112と、文書管理アプリケーション部114とを含む。ウェブ・アプリケーションサーバ部112は、HTTPサーバ、サーブレットやJSPを実行するためのサーブレット・コンテナを含み構成され、クライアント150上のブラウザ152との通信を処理する。文書管理アプリケーション部114は、ウェブ・アプリケーションサーバ部112が提供する実行環境上で動作し、クライアント150に対し文書の閲覧、編集、印刷などの文書管理機能を提供する。
【0026】
文書管理アプリケーション部114は、より具体的には、クライアント150からの要求に応じた各処理を実行する、文書閲覧部116と、文書検索部118と、お気に入り登録部120と、お気に入り提供部122と、お気に入り共有処理部124とを含む。またサーバ110には、お気に入りデータベース130と、文書管理システム100上で管理される文書を蓄積する電子文書データベース132とが接続されている。お気に入りデータベース130は、文書管理システム100が識別するユーザの各ユーザ毎に管理されるユーザ個別のお気に入り情報と、ユーザ間で共有される共有のお気に入り情報とを格納する。
【0027】
本実施形態の文書管理アプリケーション部114は、その他、ユーザのユーザ名、パスワードその他ユーザに関連する情報にアクセスし、ユーザ・ログイン処理を実行し、クライアント150を本文書管理システム100のユーザとして認識する。なお、ユーザのログイン処理は、特に限定されるものではなく、ユーザ名およびパスワードを用いた認証等、如何なる認証方式を採用できる。
【0028】
文書閲覧部116は、ログイン済みのクライアント150に対し、文書管理システム100が管理する文書への階層的なナビゲーションを可能とするビューを提供する。文書検索部118は、同様に、クライアント150に対し、書誌情報や全文による文書検索の機能を提供し、検索結果から文書へアクセスするためのビューを提供する。これらのビューは、文書を一覧表示にするかサムネイル表示にするか、文書を名称で昇順にソートして表示するか日付で降順にソートするかなどの表示形式の指定を含むことができる。
【0029】
お気に入り登録部120は、クライアント150のブラウザ152上で現在表示または選択されている文書、フォルダまたは検索結果を、それぞれお気に入り文書、お気に入りフォルダまたはお気に入り検索条件(以下、お気に入りとして登録された個々の文書、フォルダ、検索条件を総括してお気に入り要素と参照する)として登録する。これらのお気に入り要素は、お気に入りデータベース130内にユーザ名と関連付けて記録される。
【0030】
お気に入り登録について例示すると、クライアント150上のブラウザ152上に所定のフォルダが表示されている状態で、当該フォルダのお気に入り登録の指示があった場合には、ブラウザ152からお気に入り登録部120に指示が伝達され、お気に入り登録部120は、当該表示中のフォルダをお気に入りフォルダとしてログイン・ユーザに関連付けて登録する。また、ブラウザ152上に所定の検索結果が表示されている状態で、検索条件のお気に入り登録の指示があった場合には、お気に入り登録部120は、当該検索結果に対応する検索条件をお気に入り検索条件としてログイン・ユーザに関連付けて登録する。
【0031】
お気に入り提供部122は、お気に入りデータベース130からログイン・ユーザに対応するお気に入り情報を取得し、登録されたお気に入り要素をカテゴリ等により整理した状態でログイン・ユーザに対して提供する。さらに本実施形態のお気に入り提供部122は、お気に入りデータベース130から共有のお気に入り情報を取得し、同様に共有のお気に入り要素をカテゴリ等により整理した状態でログイン・ユーザに対して提供する。これにより、ユーザ個別のお気に入り要素に加え、共有されたお気に入り要素を介して、それぞれ文書、フォルダまたは検索条件を呼び出すことができるようになる。
【0032】
お気に入り共有処理部124は、ユーザ個別に登録されたお気に入り要素を共有のお気に入り要素として複製する共有化、および共有のお気に入り要素をユーザ個別のお気に入り要素として複製する個別化の処理を行う。ユーザ個別のお気に入り要素の共有化は、通常は、ユーザ個別のお気に入り要素を共有化するというユーザからの明示的な指示に応答して行われる。
【0033】
サーバ110は、文書管理アプリケーション部114の各種設定を行うための管理ツール140を含んで構成される。文書管理アプリケーション部114の各種設定には種々の事項を含むことができ、本実施形態の管理ツール140は、お気に入りデータベース130内のお気に入り情報を一元管理するためのお気に入り管理部142を備えることができる。本文書管理システム100の管理者は、例えば、管理ツール140を使用して、登録された共有のお気に入り要素の中から要素を選択指定し、追加先のユーザを指定して一括追加を指示することにより、1以上の共有お気に入り要素を1以上のユーザに対して一括して追加登録することができる。
【0034】
以下、図3〜図7を参照しながら、第1の実施形態のお気に入りの共有機能について説明する。図3は、第1の実施形態のお気に入りの共有処理の流れを模式的に示す図である。図3に示すように、サーバ110側には、共有お気に入り200と、ユーザ毎のユーザ個別お気に入り202,204とが登録されており、これらのお気に入り情報は、お気に入りデータベース130内で管理されている。
【0035】
クライアント150a,150bがそれぞれ文書管理システム100に所定のユーザとしてログインすると、お気に入り提供部122は、クライアント150a,150bに対し、対応するユーザの個別お気に入りと共有お気に入りとをカテゴリ等に応じて整理した状態で表示するお気に入り画面領域を提供する。図3に示した例では、「ユーザA」として認識されるクライアント150aには、共有お気に入り200と、「ユーザA」のユーザ個別のお気に入り202とが提供され、「ユーザB」として認識されるクライアント150bには、共有お気に入り200と、「ユーザB」のユーザ個別のお気に入り204とが提供される(図3中の破線)。
【0036】
図4は、クライアント150のディスプレイ装置上に表示されるウェブ・ブラウザ内のメイン画面を例示する。なお、図4に示すメイン画面300は、「ユーザA」が使用するクライアント150aのブラウザ152上に表示されるものである。メイン画面300は、ユーザ個別のお気に入り要素をツリー表示する個別お気に入りツリーエリア310と、ユーザ間で共有のお気に入り要素をツリー表示する共有お気に入りツリーエリア320と、選択されているお気に入り要素の内容を一覧表示するビューエリア330とを含む。お気に入りツリーエリア310,320には、それぞれ、ユーザ個別または共有のお気に入りフォルダ、お気に入り検索条件、お気に入り文書などの各お気に入り要素がツリー上に表示される。なお、お気に入りツリーエリア310,320は、本実施形態のお気に入り画面領域を構成する。
【0037】
図4に示す例では、共有お気に入りツリーエリア320には、ルート322下に、「カテゴリA」という名称のカテゴリ210が展開表示され、この「カテゴリA」のカテゴリ210の下には「お気に入り要素1」および「お気に入り要素2」という名称の2つのお気に入り要素324が表示されている。なお、カテゴリは、1以上のお気に入り要素を分類するために利用者や管理者が自由に作成することができるものである。ユーザ個別のお気に入りツリーエリア310には、個別お気に入りのルート312下に、「カテゴリB」という名称のカテゴリ220と、「お気に入り要素3」という名称のお気に入り要素222と、「お気に入り要素4」という名称のお気に入り要素224とが表示されている。また、図4に示す例では、お気に入り検索条件であるお気に入り要素222が選択中であり、この場合、ビューエリア330には、このお気に入り要素222に対応した検索条件による検索結果が表示される。
【0038】
本実施形態では、メイン画面300を介した操作により、個別のお気に入り要素を共有化したり、または共有のお気に入り要素をユーザ個別のものとして個別化したりすることができる。ここで、お気に入りの共有化とは、ユーザ個別のお気に入り要素を他のユーザに公開し、他のユーザが自由に利用することができるよう共有のお気に入り要素として複製する操作をいう。公開の範囲は、説明する実施形態では、一律にシステムの全ユーザに公開するものとして説明するが、他の実施形態では、ユーザまたは管理者の設定等に応じて、ユーザに割り振られたグループやロール等のユーザ属性を使用して範囲を限定できるように構成してもよく、また特定のユーザに公開を限定できるように構成してもよい。また、お気に入りの個別化とは、公開された共有のお気に入り要素を、特定ユーザが独自に編集等ができるようユーザ個別のお気に入り要素として複製する操作をいう。
【0039】
上記メイン画面300を介した操作としては、例えば上記お気に入りツリーエリア310,320上でお気に入り要素をドラッグ・アンド・ドロップして登録や移動する操作を挙げることができる。図5は、個別のお気に入り要素を共有化する処理を説明する図である。図5(A)は、ブラウザ152上に表示されるお気に入りツリーエリア310,320の画面表示を示す。図5(A)は、お気に入りツリーエリア310,320において、個別お気に入りツリーエリア310からお気に入り要素222がドラッグされ、共有お気に入りツリーエリア320にポインタ340が移動されている様子を示す。
【0040】
クライアント150aの操作者が、お気に入り要素222の共有化の指示のため、図5(A)に示した画面状態において、お気に入り要素222を共有お気に入りツリーエリア320の所定の位置にドラッグ・アンド・ドロップすると、ブラウザ152は、このイベントに応答して、個別のお気に入り要素222の共有化の指示をサーバ110に伝達する(図3中の矢印(1))。本実施形態では、各お気に入り要素には、文書管理システム100において一意のIDが割り振られており、上記共有化の指示には、共有化の対象のお気に入り要素のIDと、追加先のIDとが含まれる。本実施形態において、お気に入り要素は、カテゴリを用いて階層的に管理されており、追加先はお気に入りツリーエリア320上のポインタ位置から特定されるカテゴリまたはルートのいずれかとなる。
【0041】
例えば、図5(A)に示すように、上記ドラッグ・アンド・ドロップ動作において、カーソル位置342がルートを指し示した状態で個別のお気に入り要素がドロップされた場合、ルートを追加先としたお気に入りの共有化の指示がなされ、図3に示すように「お気に入り要素3」のお気に入り要素222の複製212が、共有お気に入り要素として、お気に入りデータベース130内で作成される。また、クライアント150a上のブラウザでは、図5(B)に示すように、共有お気に入りツリーエリア320にお気に入り要素222の複製212が表示される。
【0042】
文書管理システム100にログインしている他のクライアント150bでは、例えば共有お気に入りツリーエリア320の更新のタイミングで、適宜、新たに共有化されたお気に入り要素212を含む最新の状態が表示されることになる(図3中の矢印(2))。共有化されたお気に入り要素は、この時点から他のユーザから利用可能となり、後述する個別化の対象にもなる。
【0043】
図6は、共有お気に入り要素を個別化する処理を説明する図である。図6(A)は、ブラウザ152上に表示されるお気に入りツリーエリア310,320の画面表示を示す。図6(A)は、お気に入りツリーエリア310,320において、共有お気に入りツリーエリア320からお気に入り要素212がドラッグされ、個別お気に入りツリーエリア310にポインタ340が移動されている様子を示す。
【0044】
クライアント150bの操作者が、図6(A)に示した画面の表示状態において、お気に入り要素212を個別お気に入りツリーエリア310の所定の位置にドラッグ・アンド・ドロップすることによって、共有お気に入り要素212の個別化の指示が行われると、ブラウザ152は、このイベントに応答して、共有お気に入り要素212の個別化の指示をサーバ110に伝達する(図3中の矢印(3))。
【0045】
例えば、図6(A)に示すように、上記ドラッグ・アンド・ドロップ動作において、カーソル位置342がルートを指し示した状態でドロップされた場合、ルートを追加先としてお気に入りの個別化が指示され、図3に示すように「お気に入り要素3」212のさらに複製が、当該ユーザの個別お気に入り要素234として、お気に入りデータベース130内で複製される。また、クライアント150b上のブラウザでは、図6(B)に示すように、共有お気に入りツリーエリア320にお気に入り要素212の複製234が表示される。個別化されたお気に入り要素は、この時点から共有のお気に入り要素とは別個の要素として、通常の個別お気に入り要素と同様に当該ユーザが自由に編集可能となり、編集後の要素をさらに共有化の対象とすることもできる。
【0046】
図7は、お気に入りデータベース130内に登録されるお気に入り情報のデータ構造を示す。図7(A)は、お気に入りデータベース130内に登録されるユーザ個別のお気に入り情報を格納する個別お気に入り情報テーブルのデータ構造を示す。図7(A)に示すように、個別お気に入り情報テーブル400は、ユーザ名、お気に入りまたはカテゴリの名称、お気に入りの内容、タイプ、ID、追加先のIDおよび作成日がそれぞれ入力されるフィールド400a〜400gを含む。さらに本実施形態の個別お気に入り情報テーブル400は、共有化されたものであるか否かを示す値が入力されるフィールド400hを含む。
【0047】
図7(B)は、お気に入りデータベース130内に登録される共有のお気に入り情報を格納する共有お気に入り情報テーブルのデータ構造を示す。図7(B)に示すように、共有お気に入り情報テーブル410は、お気に入りまたはカテゴリの名称、お気に入りの内容、タイプ、ID、追加先のID、作成日および共有元のユーザ名がそれぞれ入力されるフィールド410a〜410gを含む。
【0048】
上述した個別お気に入り情報テーブル400および共有お気に入り情報テーブル410において、お気に入りの内容のフィールドには、お気に入り文書の場合には文書の参照先(パス+文書名)、お気に入りフォルダの場合にはフォルダの参照先(パス+フォルダ名)、お気に入り検索条件の場合には検索条件(適宜、検索範囲を含む。)が保持される。また、お気に入り内容には、文書を特定するための情報の他、表示形式の指定を含めてもよい。
【0049】
図7に示すお気に入り情報テーブル400,410により、ユーザ個別または共有のお気に入りのツリー構造が維持される。そして、クライアント150のブラウザ152上では、このお気に入り情報テーブル400,410のデータ構造に従ってお気に入り要素がお気に入りツリーエリア310,320に配置される。このように、お気に入り要素をカテゴリで分類してツリー表示することにより、文書の階層構造とは別のお気に入りの階層構造による文書または文書の集合へのアクセスが可能となる。
【0050】
本実施形態では、メイン画面300に表示される2つのツリーエリア310,320を介して、利用者は、自らが保有する個別お気に入りを他のユーザに公開することができ、他方、公開されたお気に入り要素をそのまま、または個別化して利用することができるようになる。なお、上述した実施形態では、共有化または個別化のためのクライアント150側の操作の一例としてドラッグ・アンド・ドロップ動作を説明したが、右クリック・メニュー等で共有化または個別化を行ってもよく、お気に入り作成用またはお気に入り編集用のダイアログボックス上で、共有または非共有のフラグを設定することにより共有化を行ってもよい。
【0051】
本実施形態のお気に入り共有機能によれば、ドラッグ・アンド・ドロップ動作やダイアログボックス上でのフラグ設定といった簡単な操作のみで、自らが保有する個別お気に入り要素のうち、他のユーザに利用させたいものを取捨選択し、公開することができる。また本実施形態のお気に入り共有機能によれば、公開された共有のお気に入り要素のうち、所望の要素を取捨選択して自己の個別お気に入り要素として個別化できる。お気に入りの共有化および個別化をお気に入り要素の単位で取捨選択して行うことができるため、必要なもののみをきめ細やかに共有化または個別化することができる。このように、キャビネット内の文書を操作する場合と同様な様式で、お気に入り要素を他ユーザへの提供し、また他ユーザのお気に入り要素を参照したり、個別化したりすることが可能となる。なお、説明する実施形態では、お気に入り文書、お気に入りフォルダ、お気に入り検索条件の単位で共有化または個別化を行うものとして説明したが、カテゴリ単位で一括して共有化または個別化を行えるよう構成してもよい。
【0052】
以下、図8および図9を参照して、お気に入りデータベース130内のお気に入り情報の管理処理について説明する。図8は、第1の実施形態のお気に入りの一括配布処理の流れを模式的に示す図である。図8に示すように、サーバ110のお気に入りデータベース130には、共有お気に入り200と、ユーザ毎のユーザ個別お気に入り202,204,206とが管理されている。
【0053】
図9は、サーバ110のディスプレイ装置上に表示されるお気に入りの一括配布画面を例示する。なお、説明する実施形態では、サーバ110が備えるディスプレイ装置およびマウス、キーボードなどの入出力装置を利用して管理操作を行うものとして説明するが、他の実施形態では、リモート管理用ウェブ・インタフェースを設けることにより、リモート管理用ウェブ・インタフェースを介して操作を受けてもよい。
【0054】
図9に示すお気に入りの一括配布画面350は、共有お気に入りをツリー表示するツリービュー・エリア360と、ユーザをツリー表示するツリービュー・エリア370と、一括配布を指示するための「一括配布」ボタン380と、一括配布処理をキャンセルし、元の管理ツールの画面に戻すための「もどる」ボタン382とを含む。
【0055】
サーバ110の操作者が、当該一括配布画面350において、配布対象の1以上のお気に入り要素(お気に入り文書、お気に入りフォルダ、お気に入り検索条件またはカテゴリ)と、配布先の1以上のユーザとを選択指定し、「一括配布」ボタン380をクリックすると、選択指定されたお気に入り要素の選択指定されたユーザへの一括追加配布処理が実行される。一括配布処理では、お気に入りデータベース130内のユーザ個別のお気に入り202,204,206内に、一括配布が指定された共有お気に入り要素の複製が作成される。なお、ユーザが既に同一のお気に入りを登録している場合には、重複登録を除外する処理が適宜行われる。
【0056】
本実施形態の管理ツール140の機能によれば、特定のユーザ群に対し、配布対象として選択した一群のお気に入り要素を一括して配布することが可能となる。これにより、例えば新規ユーザを追加した際などに業務上利便性の高いお気に入り群をまとめて配布するなどをすることにより、業務の効率化を図ることができる。また、上述した実施形態では、お気に入りの一括配布機能について説明してきたが、本実施形態の管理ツールは、その他、共有お気に入りの削除、カテゴリ間の移動を行い整理するための管理機能を備えることができる。
【0057】
以下、登録された共有またはユーザ個別のお気に入り要素を利用して文書または文書の集合へアクセスする方法について説明する。図10は、クライアント150がお気に入り機能を利用している際にサーバ110が実行する処理のフローを説明する図である。なお、図10には、共有またはユーザ個別のお気に入り文書、お気に入りフォルダおよびお気に入り検索条件を利用した複数のアクセス経路が示されている。
【0058】
ブラウザ152に表示された図4に示すようなメイン画面300内のツリーエリア310,320においてお気に入りが選択されると、サーバ110は、ステップS101でお気に入りが選択された旨を受信する。ステップS102では、サーバ110は、お気に入り提供部122により、ログイン・ユーザに関連付けて登録されるお気に入りのルート直下のカテゴリおよびお気に入り要素に関する情報と、共有のお気に入りのルート直下のカテゴリおよびお気に入り要素に関する情報とをブラウザ152に送信する。
【0059】
クライアント150のブラウザ152では、このお気に入り情報を受信して、メイン画面300のツリーエリア310,320やビューエリア330に共有またはユーザ個別のお気に入り要素が一覧表示される。なお、詳細な説明は省略するが、本実施形態のお気に入り提供部122は、キャビネットと同様なナビゲーションにより、階層的に所望のお気に入り要素に辿り着くことができるよう構成されている。
【0060】
以下、共有または個別のお気に入り文書を利用した文書へのアクセス経路について説明する。ブラウザ152に表示されたメイン画面内のツリーエリア310,320またはビューエリア330において、所定の共有または個別のお気に入り文書が選択され、閲覧の指示がなされると、サーバ110は、ステップS103で、当該お気に入り文書が選択された旨を受信する。ステップS104では、サーバ110は、文書閲覧部116により、電子文書データベース132から当該お気に入り文書で指定される文書を取得し、クライアント150のブラウザ152に送信する。ブラウザ152では、この文書を受信して、文書のビュアー等により表示する。
【0061】
以下、共有または個別のお気に入りフォルダを利用したアクセス経路について説明する。ブラウザ152に表示されたメイン画面内のツリーエリア310,320またはビューエリア330において、所定の共有または個別のお気に入りフォルダが選択され、一覧表示の指示がなされると、サーバ110は、ステップS105で、当該お気に入りフォルダが選択された旨を受信する。ステップS106では、サーバ110は、文書閲覧部116により、当該お気に入りフォルダ内の直下の他のフォルダおよび文書に関する書誌情報を含むフォルダ情報をブラウザ152に送信する。
【0062】
ブラウザ152に表示されたメイン画面内のビューエリア330において、さらに他のフォルダが選択されると、サーバ110は、ステップS107で、当該フォルダが選択された旨を受信し、ステップS106へループさせる。この場合、ステップS106では、サーバ110は、文書閲覧部116により、選択された他のフォルダ直下のさらに他のフォルダおよび文書に関する書誌情報を含むフォルダ情報をブラウザ152に送信する。ステップS106およびステップS107の処理は、利用者が望む文書または文書の集合を含む階層に辿り着くまで繰り返される。
【0063】
そして、ビューエリア330において、所定の文書が選択され、閲覧の指示がなされると、サーバ110は、ステップS108で、当該文書が選択された旨を受信する。ステップS104では、サーバ110は、電子文書データベース132から当該文書を取得し、クライアント150のブラウザ152に送信する。ブラウザ152では、この文書を受信して、文書のビュアー等により表示する。
【0064】
以下、共有または個別のお気に入り検索条件を利用したアクセス経路について説明する。ブラウザ152に表示されたメイン画面内のツリーエリア310,320またはビューエリア330において、所定のお気に入り検索条件が選択され、一覧表示の指示がなされると、サーバ110は、ステップS109で、当該お気に入り検索条件が選択された旨を受信する。ステップS110では、サーバ110は、文書検索部118により、登録されたお気に入り検索条件に合致する文書の集合を電子文書データベース132から検索し、ステップS111では、検索された文書に関する書誌情報を含む検索結果情報をブラウザ152に送信する。ブラウザ152では、この検索結果情報を受信して、ビューエリア330の表示内容を書き換え、検索結果に含まれる文書の一覧表示をする。検索結果中の文書へのアクセスについては、お気に入りフォルダの場合と同様である。
【0065】
上述した実施形態によれば、文書管理システム100内の文書または文書の集合へアクセスするためのお気に入り要素をユーザ間で効率的に共有することができる。上記実施形態のお気に入り機能によれば、共有のお気に入りおよびユーザ個別のお気に入りがメイン画面内に並列に配置され、ツリー状または階層的に整理されて利用者に提供される。このため、利用者は、ウェブ・ブラウザ上にツリー状または階層的に表示された各お気に入り要素を操作することにより、自己の登録したお気に入り要素のみならず、他のユーザが登録し公開したお気に入り要素を介して、所望の文書へ容易にアクセスすることができるようになり、業務を効率化することができる。また、お気に入りの共有化および個別化も、上述したように、ブラウザ上にツリー状または階層的に表示される各お気に入り要素をポインティング・デバイスで操作することにより、または、ダイアログ等を呼び出してフラグ設定をすることにより、煩雑な手間をかけることなく、容易に行うことができる。
【0066】
上述までの実施形態では、ユーザ個別のお気に入り要素の共有化は、ユーザ個別のお気に入り要素を共有化するというユーザからの明示的な指示に応答して行われるものとして説明してきた。以下、図11および図12を参照しながら、ユーザからの明示的な共有化の指示による共有化に加えて、サーバ110が、文書管理システム100全体、グループなどの一群のユーザが個別に登録しているお気に入り要素の登録状況から、共有化することが有益であると認められるお気に入り要素を判定し、共有のお気に入り要素として自動的に共有化する第2の実施形態について説明する。
【0067】
図11は、第2の実施形態の文書管理システム100におけるサーバ110およびクライアント150上に実現される機能構成を示すブロック図である。なお、第2の実施形態は、図1〜図10を参照して説明してきた第1の実施形態と類似しているため、対応する機能部には同一符号を用いて参照し、以下、相違点を中心に説明する。
【0068】
第2の実施形態の文書管理アプリケーション部114は、第1の実施形態について説明したものと同様の文書閲覧部116、文書検索部118、お気に入り登録部120、お気に入り提供部122およびお気に入り共有処理部124を備え、さらにお気に入り共有化判定部126を含む。
【0069】
本実施形態のお気に入り共有化判定部126は、ユーザからの明示的な共有化の指示の有無に関係なく、文書管理システム100全体、グループなどの一群のユーザが個別に登録しているお気に入り要素を集計し、共有化することが有益であると認識されるお気に入り要素を判定し、共有のお気に入り要素として自動的に複製する。
【0070】
本実施形態において、自動的に共有化するお気に入り要素は、所与の共有化条件に従って判定される。共有化条件は、特に限定されるものではないが、例えば、同一内容のお気に入り文書、お気に入りフォルダまたはお気に入り検索条件の登録数または登録率に対する閾値とすることができる。多数のユーザが登録している内容は、一般に有用である可能性が高いため、一定の登録数または登録率を上まわる検索条件を自動的に共有化することにより、有用なお気に入り要素をユーザ間で効率的に共有することができる。
【0071】
お気に入り共有化判定部126は、定期的または不定期に、または管理者からの明示的な指示に応答して、お気に入りデータベース130内の登録状況を集計し、共有化条件を満たすお気に入り要素が発見された場合には、お気に入り共有処理部124にその旨を伝達する。お気に入り共有処理部124は、この通知を受けて、同等の内容の共有のお気に入り要素が既に存在しなければ、当該お気に入り要素を新たな共有のお気に入り要素として複製することができる。
【0072】
図12は、サーバ110が実行するお気に入り要素の自動共有化処理を示すフローチャートである。図12に示す処理は、ステップS200で、例えばサーバ110が起動したことに応答して開始される。なお、説明する実施形態では、お気に入りデータベース130内の集計および自動共有化を開始するタイミングがスケジュールされているものとして説明するが、他の実施形態では、管理者からの明示的な指示に応答して、または一定の新規登録数に達したことに応答して、集計および自動共有化を開始してもよい。
【0073】
ステップS201では、サーバ110は、例えば予めスケジュールされたタイミングが到来したか否かを判定する。ステップS201で、タイミングが到来してないと判定された場合(NO)には、ステップS201内をループさせ、タイミングの到来を待ち受ける。一方、ステップS201で、タイミングが到来したと判定された場合(YES)には、ステップS202へ処理が進められる。
【0074】
ステップS202では、お気に入り共有化判定部126が呼び出され、お気に入り共有化判定部126は、お気に入りデータベース130から、集計対象として特定される一群のユーザのお気に入り情報を取得し、同等のお気に入り要素を識別する。なお、集計対象は、ユーザ全体を対象としてもよく、特定のグループ、ロール等のユーザ属性に応じて範囲を制限をしてもよい。
【0075】
ここで、同等のお気に入り要素とは、お気に入り文書の場合は、お気に入り要素の内容(文書ID(文書を識別するために一意に割り振られるものである。))が一致するお気に入り文書をいう。例えば、文書IDが「12345」でパス及び文書名が「/書類/提案書/提案書1.pdf」であるお気に入り文書は、同等のお気に入り要素として識別され、後述する計数の対象となる。また、お気に入りフォルダの場合では、同様に、お気に入り要素の内容(フォルダID(フォルダを識別するために一意に割り振られるものである。))が一致するお気に入りフォルダを同等であると識別する。例えば、フォルダIDが「678910」でパス及びフォルダ名が「/書類/提案書/」であるお気に入りフォルダは、同等のお気に入り要素として識別され、後述する計数の対象となる。
【0076】
また、お気に入り検索条件の場合も同様に、お気に入り要素の内容(検索条件)が完全一致するものを同等と識別することができる。例えば、詳細検索または簡易検索のお気に入り検索条件の場合、1または複数のキーワードが完全一致する場合に、同等であると識別することができる。同様に、詳細検索または簡易検索のお気に入り検索条件の場合、1または複数のキー項目とキー値との組み合わせが完全一致する場合に、同等であると識別することができる。
【0077】
しかしながら、少数のキーワード、少数の項目のみを用いる検索の場合は、検索条件が完全一致するものが登録される可能性が充分にあると考えられるが、論理和、論理積、否定などの論理演算を組み合わせたキーワード条件や、文書の作成者や登録日等のキー項目に対するキー値の指定など、複雑な検索条件が設定される詳細検索の場合、完全一致するお気に入り検索条件が複数作成される可能性は少なくなる。
【0078】
そこで、本実施形態では、同等のお気に入り検索条件を識別するに際しては、検索条件の完全一致を必ずしも求めず、一致すべき検索条件のキーワードまたはキー項目を予め指定しておくことができる。これにより、主要な検索条件の項目が一致するお気に入り検索条件を、それ以外のキーワードやキー項目における相違にかかわらず、同等のお気に入り要素として識別することで、同等と見なされるお気に入り要素が複数作成され、上述した共有化条件が満たされる可能性を現実的な程度まで高めることができる。
【0079】
例えば、お気に入り検索条件について、簡易検索または詳細検索のキーワード入力欄で複数キーワードが設定されている場合、複数個のうち所定個数のキーワードが一致するときに、他のキーワード、他のキー項目の相違にかかわらず、同等のものとして識別することができる。また、詳細検索のキー項目の設定欄で、複数キー項目とキー値の組み合わせが設定されている場合、複数個のうち所定個数のキー項目およびキー値が一致するときに、他のキーワード、他のキー項目の相違にかかわらず、同等のものとして識別することができる。詳細検索のキーワード入力欄で1または複数のキーワードが設定され、キー項目の設定欄で、1または複数キー項目とキー値の組み合わせが設定されている場合、1または複数のキーワード、1または複数キー項目とキー値の組み合わせのうち所定個数の項目が一致するときに、他のキーワード、他のキー項目の相違にかかわらず、同等のものとして識別することができる。
【0080】
なお、詳細検索で設定されるキー項目としては、文書の作成者、文書タイプ(例えば「契約書タイプ」という値がキー値となる)、登録日(例えば「3日以内」、「20xx/04/01〜20xx/06/30の範囲」という条件がキー値となる)、回覧状態(例えば「承認済」や「未承認」などがキー値となる)などを挙げることができる。
【0081】
このように完全一致を求めない場合、複数のキーワードまたはキー項目のうち好適には3つの項目が一致した場合に、同等のお気に入り要素として識別することができる。3つの項目としたのは、以下説明する理由による。
【0082】
文書管理システムの実装においては、全ての文書タイプで検索可能な項目だけでも10項目以上存在することが一般的であるため、項目の3種類が一致する可能性は1%未満となる。さらに値までが全て一致する可能性はさらに低くなるため、3個を超えた項目数で全てが一致する可能性は限りなくゼロに近く、共有化条件を設定しても有効に共有化を行うことができないと考えられるからである。
【0083】
なお、好適な実施形態では、同等のお気に入り検索条件と見なすための一致項目数を3に限定せず、例えば3個をデフォルト値とし、その個数で自動共有化が多すぎるまたは少なすぎる場合には管理画面で個数を設定できるようにし、共有お気に入りが適切な頻度で作成されるようにすることができる。
【0084】
ステップS203では、お気に入り共有化判定部126は、識別した同等のお気に入り要素毎に、集計対象の一群のユーザにわたる登録数を計数する。ステップS204では、お気に入り共有化判定部126は、識別した同等のお気に入り要素毎に、共有化条件が満たされるか否か、すなわち登録数(または登録率)が所与の閾値を超えるか否かを判定し、共有化条件を満たすお気に入り要素をお気に入り共有処理部124に伝達する。これにより、集計対象内で一定の登録数または登録率を超える、多数のユーザが登録しているお気に入り要素が抽出されることになる。
【0085】
ステップS205では、お気に入り共有処理部124は、共有お気に入り要素として登録済みのものと一致するものを除き、伝達された共有化条件を満たすお気に入り要素を、共有お気に入り要素として登録し、ステップS206で本処理を終了させる。なお、自動共有化されたお気に入り要素を後に整理することができるように、自動共有化されたお気に入り要素の追加先を所定のカテゴリとしたり、自動共有化されたものである旨を示すフラグを設定し、自動共有のお気に入り要素を識別可能とすることができる。なお、登録されるお気に入り検索条件の内容は、上述したお気に入り文書、お気に入りフォルダ、完全一致を求めるお気に入り検索条件については、そのままの内容とすることができ、検索条件の項目の完全一致を求めないお気に入り検索条件については、一致する全項目を含むものとなる。
【0086】
上述した第2の実施形態では、利用者からの明示的な共有化の指示がなくとも、サーバ110側で有益であると考えられるユーザ個別のお気に入り要素を判定し、自動的に共有化が行われる。このため、利用者は、いずれのお気に入り要素を共有すべきかを考える必要がなく、また、共有化のための特別な操作を必要としない。そして、多くのユーザに登録されているなど有益なお気に入りを、他のユーザが簡単に利用することができるようになり、業務の効率化が図られる。また、共有化されるお気に入り要素は、利用者個人の主観によるものではなく、客観的な有用性に基づく判断であるため、客観的に有益なお気に入り要素を効率的にユーザ間で共有させることができる。
【0087】
なお、上述した第2の実施形態では、共有化条件を満たすお気に入り要素を自動的に登録するものとして説明してきたが、他の実施形態では、共有化までは行わずに、共有化の要請が高いことをユーザに通知し、お気に入り要素の共有化を促す構成とすることもできる。
【0088】
以上説明したように、本実施形態によれば、管理する電子文書および電子文書の集合に対する効率的なアクセスを可能とするお気に入り登録を、複数のユーザ間で簡便に共有することができる情報処理装置、文書管理システム、文書管理方法、プログラム、記録媒体および画像処理装置を提供することができる。
【0089】
上記機能は、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)、などのレガシープログラミング言語やオブジェクト指向プログラミング言語などで記述されたコンピュータ実行可能なプログラムにより実現でき、ROM、EEPROM、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM、CD−RW、DVD、SDカード、MOなど装置可読な記録媒体に格納して頒布することができる。
【0090】
これまで本発明の実施形態について説明してきたが、本発明の実施形態は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0091】
100…文書管理システム、102…ネットワーク、104…複合機、106…レーザプリンタ、108…クライアント、110…サーバ、112…ウェブ・アプリケーションサーバ部、114…文書管理アプリケーション部、116…文書閲覧部、118…文書検索部、120…お気に入り登録部、122…お気に入り提供部、124…お気に入り共有処理部、126…お気に入り共有化判定部、130…お気に入りデータベース、132…電子文書データベース、140…管理ツール、142…お気に入り管理部、150…クライアント、152…ブラウザ、154…スクリプト・コード再生部、200…共有お気に入り、202,204,206…ユーザ個別お気に入り、210,220…カテゴリ、212,222,224,234,324…お気に入り要素、300…メイン画面、310…個別お気に入りツリーエリア、312…ルート、320…共有お気に入りツリーエリア、322…ルート、330…ビューエリア、340…ポインタ、342…カーソル位置、350…一括配布画面、360,370…ツリービュー・エリア、380…「一括配布」ボタン、382…「もどる」ボタン、400…個別お気に入り情報テーブル、410…共有お気に入り情報テーブル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0092】
【特許文献1】特開2008−171295号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書管理システムに関し、より詳細には、管理する電子文書および電子文書の集合に対する効率的なアクセスを利用者に提供するための情報処理装置、文書管理システム、文書管理方法、プログラム、記録媒体および画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、官公庁、企業などの組織においては、業務に関する電子文書や、紙媒体の書類をスキャナで読み取って電子化した電子文書、ファクシミリで受信した電子文書等を一元的に管理する、いわゆる文書管理システムが普及している。
【0003】
この文書管理システムにおいては、電子文書は、日々の業務に伴って随時発生し、結果として膨大な電子文書が蓄積されることになる。このため、蓄積された電子文書の中から、各個人が業務上頻繁に利用する電子文書または電子文書の集合をお気に入りとして登録し、簡単な操作でアクセスしたいという要望がある。一方、ウェブ・ブラウザが提供する従来のお気に入り機能は、利用者毎にお気に入りまたはブックマークを登録するというものであり、お気に入りがユーザ単位で作成および管理される。したがって、通常、登録したお気に入りの利便性は、登録した本人のみが享受することができる。
【0004】
一方、組織における業務では、特定の業務の関係者が特定の文書または文書の集合に共通して頻繁に利用することがある。例えば、あるプロジェクトの関係者は、プロジェクトの仕様書、設計書等のプロジェクトに関連する一群の文書や、参考資料等に頻繁にアクセスすることがある。このような一定の関連のある文書は、同一のフォルダないし近接した位置のフォルダに格納されるとは限らない。この場合に、当該プロジェクトに関連する文書やフォルダを各個人毎にお気に入り登録しなければならないとすると煩雑である。また、利便性の高い検索条件などをユーザ間で簡便に共有することができれば、作業効率の向上を図ることもできる。
【0005】
従来より、ウェブ・ブラウザでは、お気に入り情報をファイルにエクスポートし、これを他のコンピュータまたはユーザ環境にインポートすることにより、お気に入りを共有する技術が知られている。また、例えば特開2008−171295号公報(特許文献1)は、他のユーザの端末に登録されているブックマークを自分の端末に取り込んで登録、使用可能とすることを目的として、ブックマーク提供ユーザ端末が内部に格納されたブックマークをブックマーク管理サーバに送信、登録し、ブックマーク管理サーバが提供ユーザ毎に登録されたブックマークをWebサイトで公開し、ブックマーク取得ユーザ端末から提供ユーザを指定して取得要求があった場合に該当ブックマークを抽出して送信する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来からのお気に入りのエクスポート・ファイルを他のユーザに提供する手法では、通常、提供元ユーザが登録するすべてのお気に入り情報がファイルに書き出されてしまうため、その中から取捨選択して個別にインポートすることが難しく、利便性の観点から充分なものではなかった。また従来のお気に入りのエクスポートを用いる手法では、他のユーザの環境へお気に入りを登録するまでに、お気に入りのファイルへのエクスポート、ファイルの配布およびお気に入りへのインポートというように手間のかかる作業が必要であり、効率性の観点から充分なものではなかった。
【0007】
また、上記特許文献1に開示される技術は、他のユーザにブックマークを提供する技術であり、有名ブックマークや自分が既に保有しているブックマークを除外して、他のユーザのブックマークを取得することができるものの、ブックマークの中から必要なものだけを取捨選択できるというものではなく、ブックマークのための操作が容易ではない点で充分なものではなかった。
【0008】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、本発明は、管理する電子文書および電子文書の集合に対する効率的なアクセスを可能とするお気に入り登録を、複数のユーザ間で簡便に共有することができる情報処理装置、文書管理システム、文書管理方法、プログラム、記録媒体および画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、上記課題を解決するために、ネットワークを介して接続されるクライアント端末に対し、データベースに蓄積された文書へのアクセスを提供するウェブ・アプリケーションを実現する情報処理装置であって、下記特徴を有する情報処理装置を提供する。本発明の情報処理装置は、クライアント端末に対し、ログイン・ユーザについて登録された1以上の個別のお気に入り要素と、1以上の共有のお気に入り要素とを表示するお気に入り画面領域を提供する。お気に入り要素は、それぞれ文書、フォルダまたは検索条件を呼び出すものであり、これらの1以上のお気に入り要素は、お気に入りデータベースに共有またはユーザ個別のものであるかを区別して格納される。情報処理装置は、クライアント端末から、上記お気に入り画面領域を介した個別のお気に入り要素および共有のお気に入り要素間の移動の指示を受信して、共有のお気に入り要素を個別のお気に入り要素として、または個別のお気に入り要素を共有のお気に入り要素として、上記お気に入りデータベース上で複製する。
【0010】
さらに本発明の情報処理装置は、登録された共有のお気に入り要素のうちの配布対象とする1以上の要素の指定および1以上の配布先のユーザの指定を受領し、お気に入りデータベースにアクセスし、配布対象とする1以上の要素を1以上の配布先のユーザのユーザ識別値に関連付けて、一括して複製することができる。
【0011】
また本発明では、上記お気に入りデータベース内の個別のお気に入り要素の登録状況を集計し、集計結果に従い、自動共有化を条件付ける共有化条件に合致する個別のお気に入りを判定することができる。さらに本発明では、上記共有化条件は、お気に入りデータベース内に登録された個別のお気に入り要素のうち、一致する内容を有する要素の登録数または登録率、検索条件の1以上の項目が一致する要素の登録数または登録率、または検索条件のすべての項目が一致する要素の登録数または登録率に対する閾値とすることができる。またさらに本発明では、検索条件の各項目は、キーワードまたはキー項目とキー値との組み合わせとすることができる。
【0012】
また本発明によれば、上記特徴を有する情報処理装置を含む文書管理システム、該情報処理装置が実行する文書管理方法、該情報処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム、該プログラムを格納する記録媒体、および該情報処理装置と通信する画像処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0013】
上記構成によれば、文書管理システム内で管理される文書または文書の集合へアクセスすることを可能とするお気に入り要素のユーザ間の効率的な共有環境を提供することができる。本発明のお気に入り共有機能によれば、簡単な操作のみで自らが保有する個別お気に入り要素のうち、他のユーザに利用させたいものを取捨選択し、公開することができる。また本発明のお気に入り共有機能によれば、公開された共有のお気に入り要素のうち、所望の要素を取捨選択して自己の個別お気に入り要素として個別化できる。お気に入りの共有化および個別化をお気に入り要素の単位で取捨選択して行うことができるため、必要なもののみをきめ細やかに共有化または個別化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】文書管理システムの第1の実施形態を示す概略図。
【図2】第1の実施形態のサーバおよびクライアント上に実現される機能構成を示すブロック図。
【図3】第1の実施形態のお気に入りの共有処理の流れを模式的に示す図。
【図4】クライアントのディスプレイ装置上に表示されるウェブ・ブラウザ内のメイン画面を例示する図。
【図5】個別のお気に入り要素を共有化する処理を説明する図。
【図6】共有お気に入り要素を個別化する処理を説明する図。
【図7】お気に入りデータベース内に登録されるお気に入り情報のデータ構造を示す図。
【図8】第1の実施形態のお気に入りの一括配布処理の流れを模式的に示す図。
【図9】サーバのディスプレイ装置上に表示されるお気に入りの一括配布画面を例示する図。
【図10】第1の実施形態のクライアントがお気に入り機能を利用している際にサーバが実行する処理のフローを説明する図。
【図11】第2の実施形態の文書管理システムにおけるサーバおよびクライアント上に実現される機能構成を示すブロック図。
【図12】サーバが実行するお気に入り要素の自動共有化処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を用いて説明するが、本発明の実施形態は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0016】
図1は、文書管理システム100の第1の実施形態を示す概略図である。図1に示す文書管理システム100は、システム100内を流通する電子文書を管理するサーバ110と、管理されている文書の閲覧、編集、印刷などの操作を行なうためのクライアント・コンピュータ端末(以下、クライアントと参照する。)150a,150bとを含む。サーバ110およびクライアント150は、例えばイーサネット(登録商標)およびTCP/IPプロトコルによるローカル・エリア・ネットワーク(以下、LANとして参照)などのネットワーク102を介して相互に接続される。
【0017】
図1に示すネットワーク102には、複合機104その他、図示しないファクシミリ、スキャナ、複写機などの画像処理装置が接続されている。本文書管理システム100では、これらの画像処理装置にて生成した文書をサーバ110へ送信することにより、当該文書を文書管理システム100に登録することができる。また、図1に示すネットワーク102には、他のクライアント108が接続されており、クライアント108のローカルに保存されている文書についても、サーバ110へ送信することにより、文書管理システム100に登録することができる。文書管理システム100に蓄積された文書は、適宜、クライアント108,150a,150bなどのからの印刷指示をすることにより、レーザプリンタ106などの画像形成装置に出力させることができる。
【0018】
本実施形態のサーバ110は、文書を管理するためのウェブ・アプリケーションを実現し、クライアント150に対して、ウェブ・ブラウザ(以下、単にブラウザという。)を介した文書の閲覧、編集、印刷などの操作環境を提供する。本文書管理システム100において、文書は、キャビネットおよびフォルダからなる階層構造として管理されており、サーバ110は、クライアント150に対し、このような階層構造を介したナビゲーションによって所望の文書へアクセスする機能を提供する。またサーバ110は、書誌情報に基づく検索や全文検索などの検索機能による文書への効率的なアクセスを提供する。
【0019】
本実施形態のサーバ110は、また、文書管理システム100の利用者(以下、文書管理システム100上でユーザ名等により識別される利用者をユーザと参照する。)毎に、システム100内に蓄積される文書に簡便にアクセスするためのお気に入り機能を提供する。さらに、本実施形態のサーバ110は、各ユーザ毎に個別に提供されるお気に入り機能をユーザ間で共有する機能を提供する。
【0020】
なお、文書管理システム100は、上述の実施形態に限定されるものではなく、図示しないVPN(Virtual Private Network)ゲートウェイまたは専用回線を用いて構成されるワイド・エリア・ネットワーク(WAN)により、クライアント150とサーバ110とを接続してもよく、その他、インターネットなどの公衆通信回線を介してクライアント150とサーバ110とを接続してもよい。また、文書管理システム100に含まれるクライアントの数は、上述の実施形態に限定されるものではなく、1つまたは3つ以上で構成されてもよい。
【0021】
サーバ110は、図示しないハードディスク・ドライブ、NV−RAM(Non-Volatile Random Access Memory)、SDカードなどの記憶媒体に格納されたプログラム(図示せず)を読み出し、RAMのメモリ領域に展開することにより、適切なオペレーティング・システム(OS)のもとで、後述する各機能部および各処理を実現する。本実施形態では、サーバ110がUNIX(登録商標)またはAIXまたはLINUX(登録商標)などのアーキテクチャを有している場合であっても、各OSが同様の機能を提供する限り、コンピュータのアーキテクチャに限定されるものではない。また、サーバ110と通信を行なうクライアント150についても、サーバ110と同様なハードウェア構成とすることができる。
【0022】
以下、本実施形態の文書管理システム100において実現される、お気に入りの共有機能について説明する。図2は、第1の実施形態のサーバ110およびクライアント150上に実現される機能構成を示すブロック図である。図2に示すクライアント150は、ブラウザ152と、スクリプト・コード再生部154とを含む。ブラウザ152は、InternetExplorer(登録商標)、Mozila(登録商標)Firefox(登録商標)など、HTTPクライアントとして動作する既知のウェブ・ブラウザである。ブラウザ152は、サーバ110上のHTTPサーバ機能と通信を実行し、サーバ110から取得したウェブ・ページをクライアント150のディスプレイなどの表示装置に表示する。
【0023】
スクリプト・コード再生部154は、JavaScript(登録商標)のスクリプト・エンジンやAdobe(登録商標)Flashプレーヤなどのクライアント・サイドのスクリプトコードの実行エンジンとして実装され、JavaScript(登録商標)やActionScriptなどのスクリプト・コードを処理し、リッチなグラフィカル・ユーザ・インタフェースを提供する。なお、スクリプト・コード再生部154は、ブラウザ152自体の機能として、または拡張機能として提供することができる。
【0024】
クライアント150を操作する利用者は、サーバ110上の文書管理ウェブ・アプリケーションを識別するURLをブラウザ152上から指定し、当該ウェブ・アプリケーションにアクセスすることで、文書管理システムが提供する諸機能を利用することができる。
【0025】
サーバ110は、ウェブ・アプリケーションサーバ部112と、文書管理アプリケーション部114とを含む。ウェブ・アプリケーションサーバ部112は、HTTPサーバ、サーブレットやJSPを実行するためのサーブレット・コンテナを含み構成され、クライアント150上のブラウザ152との通信を処理する。文書管理アプリケーション部114は、ウェブ・アプリケーションサーバ部112が提供する実行環境上で動作し、クライアント150に対し文書の閲覧、編集、印刷などの文書管理機能を提供する。
【0026】
文書管理アプリケーション部114は、より具体的には、クライアント150からの要求に応じた各処理を実行する、文書閲覧部116と、文書検索部118と、お気に入り登録部120と、お気に入り提供部122と、お気に入り共有処理部124とを含む。またサーバ110には、お気に入りデータベース130と、文書管理システム100上で管理される文書を蓄積する電子文書データベース132とが接続されている。お気に入りデータベース130は、文書管理システム100が識別するユーザの各ユーザ毎に管理されるユーザ個別のお気に入り情報と、ユーザ間で共有される共有のお気に入り情報とを格納する。
【0027】
本実施形態の文書管理アプリケーション部114は、その他、ユーザのユーザ名、パスワードその他ユーザに関連する情報にアクセスし、ユーザ・ログイン処理を実行し、クライアント150を本文書管理システム100のユーザとして認識する。なお、ユーザのログイン処理は、特に限定されるものではなく、ユーザ名およびパスワードを用いた認証等、如何なる認証方式を採用できる。
【0028】
文書閲覧部116は、ログイン済みのクライアント150に対し、文書管理システム100が管理する文書への階層的なナビゲーションを可能とするビューを提供する。文書検索部118は、同様に、クライアント150に対し、書誌情報や全文による文書検索の機能を提供し、検索結果から文書へアクセスするためのビューを提供する。これらのビューは、文書を一覧表示にするかサムネイル表示にするか、文書を名称で昇順にソートして表示するか日付で降順にソートするかなどの表示形式の指定を含むことができる。
【0029】
お気に入り登録部120は、クライアント150のブラウザ152上で現在表示または選択されている文書、フォルダまたは検索結果を、それぞれお気に入り文書、お気に入りフォルダまたはお気に入り検索条件(以下、お気に入りとして登録された個々の文書、フォルダ、検索条件を総括してお気に入り要素と参照する)として登録する。これらのお気に入り要素は、お気に入りデータベース130内にユーザ名と関連付けて記録される。
【0030】
お気に入り登録について例示すると、クライアント150上のブラウザ152上に所定のフォルダが表示されている状態で、当該フォルダのお気に入り登録の指示があった場合には、ブラウザ152からお気に入り登録部120に指示が伝達され、お気に入り登録部120は、当該表示中のフォルダをお気に入りフォルダとしてログイン・ユーザに関連付けて登録する。また、ブラウザ152上に所定の検索結果が表示されている状態で、検索条件のお気に入り登録の指示があった場合には、お気に入り登録部120は、当該検索結果に対応する検索条件をお気に入り検索条件としてログイン・ユーザに関連付けて登録する。
【0031】
お気に入り提供部122は、お気に入りデータベース130からログイン・ユーザに対応するお気に入り情報を取得し、登録されたお気に入り要素をカテゴリ等により整理した状態でログイン・ユーザに対して提供する。さらに本実施形態のお気に入り提供部122は、お気に入りデータベース130から共有のお気に入り情報を取得し、同様に共有のお気に入り要素をカテゴリ等により整理した状態でログイン・ユーザに対して提供する。これにより、ユーザ個別のお気に入り要素に加え、共有されたお気に入り要素を介して、それぞれ文書、フォルダまたは検索条件を呼び出すことができるようになる。
【0032】
お気に入り共有処理部124は、ユーザ個別に登録されたお気に入り要素を共有のお気に入り要素として複製する共有化、および共有のお気に入り要素をユーザ個別のお気に入り要素として複製する個別化の処理を行う。ユーザ個別のお気に入り要素の共有化は、通常は、ユーザ個別のお気に入り要素を共有化するというユーザからの明示的な指示に応答して行われる。
【0033】
サーバ110は、文書管理アプリケーション部114の各種設定を行うための管理ツール140を含んで構成される。文書管理アプリケーション部114の各種設定には種々の事項を含むことができ、本実施形態の管理ツール140は、お気に入りデータベース130内のお気に入り情報を一元管理するためのお気に入り管理部142を備えることができる。本文書管理システム100の管理者は、例えば、管理ツール140を使用して、登録された共有のお気に入り要素の中から要素を選択指定し、追加先のユーザを指定して一括追加を指示することにより、1以上の共有お気に入り要素を1以上のユーザに対して一括して追加登録することができる。
【0034】
以下、図3〜図7を参照しながら、第1の実施形態のお気に入りの共有機能について説明する。図3は、第1の実施形態のお気に入りの共有処理の流れを模式的に示す図である。図3に示すように、サーバ110側には、共有お気に入り200と、ユーザ毎のユーザ個別お気に入り202,204とが登録されており、これらのお気に入り情報は、お気に入りデータベース130内で管理されている。
【0035】
クライアント150a,150bがそれぞれ文書管理システム100に所定のユーザとしてログインすると、お気に入り提供部122は、クライアント150a,150bに対し、対応するユーザの個別お気に入りと共有お気に入りとをカテゴリ等に応じて整理した状態で表示するお気に入り画面領域を提供する。図3に示した例では、「ユーザA」として認識されるクライアント150aには、共有お気に入り200と、「ユーザA」のユーザ個別のお気に入り202とが提供され、「ユーザB」として認識されるクライアント150bには、共有お気に入り200と、「ユーザB」のユーザ個別のお気に入り204とが提供される(図3中の破線)。
【0036】
図4は、クライアント150のディスプレイ装置上に表示されるウェブ・ブラウザ内のメイン画面を例示する。なお、図4に示すメイン画面300は、「ユーザA」が使用するクライアント150aのブラウザ152上に表示されるものである。メイン画面300は、ユーザ個別のお気に入り要素をツリー表示する個別お気に入りツリーエリア310と、ユーザ間で共有のお気に入り要素をツリー表示する共有お気に入りツリーエリア320と、選択されているお気に入り要素の内容を一覧表示するビューエリア330とを含む。お気に入りツリーエリア310,320には、それぞれ、ユーザ個別または共有のお気に入りフォルダ、お気に入り検索条件、お気に入り文書などの各お気に入り要素がツリー上に表示される。なお、お気に入りツリーエリア310,320は、本実施形態のお気に入り画面領域を構成する。
【0037】
図4に示す例では、共有お気に入りツリーエリア320には、ルート322下に、「カテゴリA」という名称のカテゴリ210が展開表示され、この「カテゴリA」のカテゴリ210の下には「お気に入り要素1」および「お気に入り要素2」という名称の2つのお気に入り要素324が表示されている。なお、カテゴリは、1以上のお気に入り要素を分類するために利用者や管理者が自由に作成することができるものである。ユーザ個別のお気に入りツリーエリア310には、個別お気に入りのルート312下に、「カテゴリB」という名称のカテゴリ220と、「お気に入り要素3」という名称のお気に入り要素222と、「お気に入り要素4」という名称のお気に入り要素224とが表示されている。また、図4に示す例では、お気に入り検索条件であるお気に入り要素222が選択中であり、この場合、ビューエリア330には、このお気に入り要素222に対応した検索条件による検索結果が表示される。
【0038】
本実施形態では、メイン画面300を介した操作により、個別のお気に入り要素を共有化したり、または共有のお気に入り要素をユーザ個別のものとして個別化したりすることができる。ここで、お気に入りの共有化とは、ユーザ個別のお気に入り要素を他のユーザに公開し、他のユーザが自由に利用することができるよう共有のお気に入り要素として複製する操作をいう。公開の範囲は、説明する実施形態では、一律にシステムの全ユーザに公開するものとして説明するが、他の実施形態では、ユーザまたは管理者の設定等に応じて、ユーザに割り振られたグループやロール等のユーザ属性を使用して範囲を限定できるように構成してもよく、また特定のユーザに公開を限定できるように構成してもよい。また、お気に入りの個別化とは、公開された共有のお気に入り要素を、特定ユーザが独自に編集等ができるようユーザ個別のお気に入り要素として複製する操作をいう。
【0039】
上記メイン画面300を介した操作としては、例えば上記お気に入りツリーエリア310,320上でお気に入り要素をドラッグ・アンド・ドロップして登録や移動する操作を挙げることができる。図5は、個別のお気に入り要素を共有化する処理を説明する図である。図5(A)は、ブラウザ152上に表示されるお気に入りツリーエリア310,320の画面表示を示す。図5(A)は、お気に入りツリーエリア310,320において、個別お気に入りツリーエリア310からお気に入り要素222がドラッグされ、共有お気に入りツリーエリア320にポインタ340が移動されている様子を示す。
【0040】
クライアント150aの操作者が、お気に入り要素222の共有化の指示のため、図5(A)に示した画面状態において、お気に入り要素222を共有お気に入りツリーエリア320の所定の位置にドラッグ・アンド・ドロップすると、ブラウザ152は、このイベントに応答して、個別のお気に入り要素222の共有化の指示をサーバ110に伝達する(図3中の矢印(1))。本実施形態では、各お気に入り要素には、文書管理システム100において一意のIDが割り振られており、上記共有化の指示には、共有化の対象のお気に入り要素のIDと、追加先のIDとが含まれる。本実施形態において、お気に入り要素は、カテゴリを用いて階層的に管理されており、追加先はお気に入りツリーエリア320上のポインタ位置から特定されるカテゴリまたはルートのいずれかとなる。
【0041】
例えば、図5(A)に示すように、上記ドラッグ・アンド・ドロップ動作において、カーソル位置342がルートを指し示した状態で個別のお気に入り要素がドロップされた場合、ルートを追加先としたお気に入りの共有化の指示がなされ、図3に示すように「お気に入り要素3」のお気に入り要素222の複製212が、共有お気に入り要素として、お気に入りデータベース130内で作成される。また、クライアント150a上のブラウザでは、図5(B)に示すように、共有お気に入りツリーエリア320にお気に入り要素222の複製212が表示される。
【0042】
文書管理システム100にログインしている他のクライアント150bでは、例えば共有お気に入りツリーエリア320の更新のタイミングで、適宜、新たに共有化されたお気に入り要素212を含む最新の状態が表示されることになる(図3中の矢印(2))。共有化されたお気に入り要素は、この時点から他のユーザから利用可能となり、後述する個別化の対象にもなる。
【0043】
図6は、共有お気に入り要素を個別化する処理を説明する図である。図6(A)は、ブラウザ152上に表示されるお気に入りツリーエリア310,320の画面表示を示す。図6(A)は、お気に入りツリーエリア310,320において、共有お気に入りツリーエリア320からお気に入り要素212がドラッグされ、個別お気に入りツリーエリア310にポインタ340が移動されている様子を示す。
【0044】
クライアント150bの操作者が、図6(A)に示した画面の表示状態において、お気に入り要素212を個別お気に入りツリーエリア310の所定の位置にドラッグ・アンド・ドロップすることによって、共有お気に入り要素212の個別化の指示が行われると、ブラウザ152は、このイベントに応答して、共有お気に入り要素212の個別化の指示をサーバ110に伝達する(図3中の矢印(3))。
【0045】
例えば、図6(A)に示すように、上記ドラッグ・アンド・ドロップ動作において、カーソル位置342がルートを指し示した状態でドロップされた場合、ルートを追加先としてお気に入りの個別化が指示され、図3に示すように「お気に入り要素3」212のさらに複製が、当該ユーザの個別お気に入り要素234として、お気に入りデータベース130内で複製される。また、クライアント150b上のブラウザでは、図6(B)に示すように、共有お気に入りツリーエリア320にお気に入り要素212の複製234が表示される。個別化されたお気に入り要素は、この時点から共有のお気に入り要素とは別個の要素として、通常の個別お気に入り要素と同様に当該ユーザが自由に編集可能となり、編集後の要素をさらに共有化の対象とすることもできる。
【0046】
図7は、お気に入りデータベース130内に登録されるお気に入り情報のデータ構造を示す。図7(A)は、お気に入りデータベース130内に登録されるユーザ個別のお気に入り情報を格納する個別お気に入り情報テーブルのデータ構造を示す。図7(A)に示すように、個別お気に入り情報テーブル400は、ユーザ名、お気に入りまたはカテゴリの名称、お気に入りの内容、タイプ、ID、追加先のIDおよび作成日がそれぞれ入力されるフィールド400a〜400gを含む。さらに本実施形態の個別お気に入り情報テーブル400は、共有化されたものであるか否かを示す値が入力されるフィールド400hを含む。
【0047】
図7(B)は、お気に入りデータベース130内に登録される共有のお気に入り情報を格納する共有お気に入り情報テーブルのデータ構造を示す。図7(B)に示すように、共有お気に入り情報テーブル410は、お気に入りまたはカテゴリの名称、お気に入りの内容、タイプ、ID、追加先のID、作成日および共有元のユーザ名がそれぞれ入力されるフィールド410a〜410gを含む。
【0048】
上述した個別お気に入り情報テーブル400および共有お気に入り情報テーブル410において、お気に入りの内容のフィールドには、お気に入り文書の場合には文書の参照先(パス+文書名)、お気に入りフォルダの場合にはフォルダの参照先(パス+フォルダ名)、お気に入り検索条件の場合には検索条件(適宜、検索範囲を含む。)が保持される。また、お気に入り内容には、文書を特定するための情報の他、表示形式の指定を含めてもよい。
【0049】
図7に示すお気に入り情報テーブル400,410により、ユーザ個別または共有のお気に入りのツリー構造が維持される。そして、クライアント150のブラウザ152上では、このお気に入り情報テーブル400,410のデータ構造に従ってお気に入り要素がお気に入りツリーエリア310,320に配置される。このように、お気に入り要素をカテゴリで分類してツリー表示することにより、文書の階層構造とは別のお気に入りの階層構造による文書または文書の集合へのアクセスが可能となる。
【0050】
本実施形態では、メイン画面300に表示される2つのツリーエリア310,320を介して、利用者は、自らが保有する個別お気に入りを他のユーザに公開することができ、他方、公開されたお気に入り要素をそのまま、または個別化して利用することができるようになる。なお、上述した実施形態では、共有化または個別化のためのクライアント150側の操作の一例としてドラッグ・アンド・ドロップ動作を説明したが、右クリック・メニュー等で共有化または個別化を行ってもよく、お気に入り作成用またはお気に入り編集用のダイアログボックス上で、共有または非共有のフラグを設定することにより共有化を行ってもよい。
【0051】
本実施形態のお気に入り共有機能によれば、ドラッグ・アンド・ドロップ動作やダイアログボックス上でのフラグ設定といった簡単な操作のみで、自らが保有する個別お気に入り要素のうち、他のユーザに利用させたいものを取捨選択し、公開することができる。また本実施形態のお気に入り共有機能によれば、公開された共有のお気に入り要素のうち、所望の要素を取捨選択して自己の個別お気に入り要素として個別化できる。お気に入りの共有化および個別化をお気に入り要素の単位で取捨選択して行うことができるため、必要なもののみをきめ細やかに共有化または個別化することができる。このように、キャビネット内の文書を操作する場合と同様な様式で、お気に入り要素を他ユーザへの提供し、また他ユーザのお気に入り要素を参照したり、個別化したりすることが可能となる。なお、説明する実施形態では、お気に入り文書、お気に入りフォルダ、お気に入り検索条件の単位で共有化または個別化を行うものとして説明したが、カテゴリ単位で一括して共有化または個別化を行えるよう構成してもよい。
【0052】
以下、図8および図9を参照して、お気に入りデータベース130内のお気に入り情報の管理処理について説明する。図8は、第1の実施形態のお気に入りの一括配布処理の流れを模式的に示す図である。図8に示すように、サーバ110のお気に入りデータベース130には、共有お気に入り200と、ユーザ毎のユーザ個別お気に入り202,204,206とが管理されている。
【0053】
図9は、サーバ110のディスプレイ装置上に表示されるお気に入りの一括配布画面を例示する。なお、説明する実施形態では、サーバ110が備えるディスプレイ装置およびマウス、キーボードなどの入出力装置を利用して管理操作を行うものとして説明するが、他の実施形態では、リモート管理用ウェブ・インタフェースを設けることにより、リモート管理用ウェブ・インタフェースを介して操作を受けてもよい。
【0054】
図9に示すお気に入りの一括配布画面350は、共有お気に入りをツリー表示するツリービュー・エリア360と、ユーザをツリー表示するツリービュー・エリア370と、一括配布を指示するための「一括配布」ボタン380と、一括配布処理をキャンセルし、元の管理ツールの画面に戻すための「もどる」ボタン382とを含む。
【0055】
サーバ110の操作者が、当該一括配布画面350において、配布対象の1以上のお気に入り要素(お気に入り文書、お気に入りフォルダ、お気に入り検索条件またはカテゴリ)と、配布先の1以上のユーザとを選択指定し、「一括配布」ボタン380をクリックすると、選択指定されたお気に入り要素の選択指定されたユーザへの一括追加配布処理が実行される。一括配布処理では、お気に入りデータベース130内のユーザ個別のお気に入り202,204,206内に、一括配布が指定された共有お気に入り要素の複製が作成される。なお、ユーザが既に同一のお気に入りを登録している場合には、重複登録を除外する処理が適宜行われる。
【0056】
本実施形態の管理ツール140の機能によれば、特定のユーザ群に対し、配布対象として選択した一群のお気に入り要素を一括して配布することが可能となる。これにより、例えば新規ユーザを追加した際などに業務上利便性の高いお気に入り群をまとめて配布するなどをすることにより、業務の効率化を図ることができる。また、上述した実施形態では、お気に入りの一括配布機能について説明してきたが、本実施形態の管理ツールは、その他、共有お気に入りの削除、カテゴリ間の移動を行い整理するための管理機能を備えることができる。
【0057】
以下、登録された共有またはユーザ個別のお気に入り要素を利用して文書または文書の集合へアクセスする方法について説明する。図10は、クライアント150がお気に入り機能を利用している際にサーバ110が実行する処理のフローを説明する図である。なお、図10には、共有またはユーザ個別のお気に入り文書、お気に入りフォルダおよびお気に入り検索条件を利用した複数のアクセス経路が示されている。
【0058】
ブラウザ152に表示された図4に示すようなメイン画面300内のツリーエリア310,320においてお気に入りが選択されると、サーバ110は、ステップS101でお気に入りが選択された旨を受信する。ステップS102では、サーバ110は、お気に入り提供部122により、ログイン・ユーザに関連付けて登録されるお気に入りのルート直下のカテゴリおよびお気に入り要素に関する情報と、共有のお気に入りのルート直下のカテゴリおよびお気に入り要素に関する情報とをブラウザ152に送信する。
【0059】
クライアント150のブラウザ152では、このお気に入り情報を受信して、メイン画面300のツリーエリア310,320やビューエリア330に共有またはユーザ個別のお気に入り要素が一覧表示される。なお、詳細な説明は省略するが、本実施形態のお気に入り提供部122は、キャビネットと同様なナビゲーションにより、階層的に所望のお気に入り要素に辿り着くことができるよう構成されている。
【0060】
以下、共有または個別のお気に入り文書を利用した文書へのアクセス経路について説明する。ブラウザ152に表示されたメイン画面内のツリーエリア310,320またはビューエリア330において、所定の共有または個別のお気に入り文書が選択され、閲覧の指示がなされると、サーバ110は、ステップS103で、当該お気に入り文書が選択された旨を受信する。ステップS104では、サーバ110は、文書閲覧部116により、電子文書データベース132から当該お気に入り文書で指定される文書を取得し、クライアント150のブラウザ152に送信する。ブラウザ152では、この文書を受信して、文書のビュアー等により表示する。
【0061】
以下、共有または個別のお気に入りフォルダを利用したアクセス経路について説明する。ブラウザ152に表示されたメイン画面内のツリーエリア310,320またはビューエリア330において、所定の共有または個別のお気に入りフォルダが選択され、一覧表示の指示がなされると、サーバ110は、ステップS105で、当該お気に入りフォルダが選択された旨を受信する。ステップS106では、サーバ110は、文書閲覧部116により、当該お気に入りフォルダ内の直下の他のフォルダおよび文書に関する書誌情報を含むフォルダ情報をブラウザ152に送信する。
【0062】
ブラウザ152に表示されたメイン画面内のビューエリア330において、さらに他のフォルダが選択されると、サーバ110は、ステップS107で、当該フォルダが選択された旨を受信し、ステップS106へループさせる。この場合、ステップS106では、サーバ110は、文書閲覧部116により、選択された他のフォルダ直下のさらに他のフォルダおよび文書に関する書誌情報を含むフォルダ情報をブラウザ152に送信する。ステップS106およびステップS107の処理は、利用者が望む文書または文書の集合を含む階層に辿り着くまで繰り返される。
【0063】
そして、ビューエリア330において、所定の文書が選択され、閲覧の指示がなされると、サーバ110は、ステップS108で、当該文書が選択された旨を受信する。ステップS104では、サーバ110は、電子文書データベース132から当該文書を取得し、クライアント150のブラウザ152に送信する。ブラウザ152では、この文書を受信して、文書のビュアー等により表示する。
【0064】
以下、共有または個別のお気に入り検索条件を利用したアクセス経路について説明する。ブラウザ152に表示されたメイン画面内のツリーエリア310,320またはビューエリア330において、所定のお気に入り検索条件が選択され、一覧表示の指示がなされると、サーバ110は、ステップS109で、当該お気に入り検索条件が選択された旨を受信する。ステップS110では、サーバ110は、文書検索部118により、登録されたお気に入り検索条件に合致する文書の集合を電子文書データベース132から検索し、ステップS111では、検索された文書に関する書誌情報を含む検索結果情報をブラウザ152に送信する。ブラウザ152では、この検索結果情報を受信して、ビューエリア330の表示内容を書き換え、検索結果に含まれる文書の一覧表示をする。検索結果中の文書へのアクセスについては、お気に入りフォルダの場合と同様である。
【0065】
上述した実施形態によれば、文書管理システム100内の文書または文書の集合へアクセスするためのお気に入り要素をユーザ間で効率的に共有することができる。上記実施形態のお気に入り機能によれば、共有のお気に入りおよびユーザ個別のお気に入りがメイン画面内に並列に配置され、ツリー状または階層的に整理されて利用者に提供される。このため、利用者は、ウェブ・ブラウザ上にツリー状または階層的に表示された各お気に入り要素を操作することにより、自己の登録したお気に入り要素のみならず、他のユーザが登録し公開したお気に入り要素を介して、所望の文書へ容易にアクセスすることができるようになり、業務を効率化することができる。また、お気に入りの共有化および個別化も、上述したように、ブラウザ上にツリー状または階層的に表示される各お気に入り要素をポインティング・デバイスで操作することにより、または、ダイアログ等を呼び出してフラグ設定をすることにより、煩雑な手間をかけることなく、容易に行うことができる。
【0066】
上述までの実施形態では、ユーザ個別のお気に入り要素の共有化は、ユーザ個別のお気に入り要素を共有化するというユーザからの明示的な指示に応答して行われるものとして説明してきた。以下、図11および図12を参照しながら、ユーザからの明示的な共有化の指示による共有化に加えて、サーバ110が、文書管理システム100全体、グループなどの一群のユーザが個別に登録しているお気に入り要素の登録状況から、共有化することが有益であると認められるお気に入り要素を判定し、共有のお気に入り要素として自動的に共有化する第2の実施形態について説明する。
【0067】
図11は、第2の実施形態の文書管理システム100におけるサーバ110およびクライアント150上に実現される機能構成を示すブロック図である。なお、第2の実施形態は、図1〜図10を参照して説明してきた第1の実施形態と類似しているため、対応する機能部には同一符号を用いて参照し、以下、相違点を中心に説明する。
【0068】
第2の実施形態の文書管理アプリケーション部114は、第1の実施形態について説明したものと同様の文書閲覧部116、文書検索部118、お気に入り登録部120、お気に入り提供部122およびお気に入り共有処理部124を備え、さらにお気に入り共有化判定部126を含む。
【0069】
本実施形態のお気に入り共有化判定部126は、ユーザからの明示的な共有化の指示の有無に関係なく、文書管理システム100全体、グループなどの一群のユーザが個別に登録しているお気に入り要素を集計し、共有化することが有益であると認識されるお気に入り要素を判定し、共有のお気に入り要素として自動的に複製する。
【0070】
本実施形態において、自動的に共有化するお気に入り要素は、所与の共有化条件に従って判定される。共有化条件は、特に限定されるものではないが、例えば、同一内容のお気に入り文書、お気に入りフォルダまたはお気に入り検索条件の登録数または登録率に対する閾値とすることができる。多数のユーザが登録している内容は、一般に有用である可能性が高いため、一定の登録数または登録率を上まわる検索条件を自動的に共有化することにより、有用なお気に入り要素をユーザ間で効率的に共有することができる。
【0071】
お気に入り共有化判定部126は、定期的または不定期に、または管理者からの明示的な指示に応答して、お気に入りデータベース130内の登録状況を集計し、共有化条件を満たすお気に入り要素が発見された場合には、お気に入り共有処理部124にその旨を伝達する。お気に入り共有処理部124は、この通知を受けて、同等の内容の共有のお気に入り要素が既に存在しなければ、当該お気に入り要素を新たな共有のお気に入り要素として複製することができる。
【0072】
図12は、サーバ110が実行するお気に入り要素の自動共有化処理を示すフローチャートである。図12に示す処理は、ステップS200で、例えばサーバ110が起動したことに応答して開始される。なお、説明する実施形態では、お気に入りデータベース130内の集計および自動共有化を開始するタイミングがスケジュールされているものとして説明するが、他の実施形態では、管理者からの明示的な指示に応答して、または一定の新規登録数に達したことに応答して、集計および自動共有化を開始してもよい。
【0073】
ステップS201では、サーバ110は、例えば予めスケジュールされたタイミングが到来したか否かを判定する。ステップS201で、タイミングが到来してないと判定された場合(NO)には、ステップS201内をループさせ、タイミングの到来を待ち受ける。一方、ステップS201で、タイミングが到来したと判定された場合(YES)には、ステップS202へ処理が進められる。
【0074】
ステップS202では、お気に入り共有化判定部126が呼び出され、お気に入り共有化判定部126は、お気に入りデータベース130から、集計対象として特定される一群のユーザのお気に入り情報を取得し、同等のお気に入り要素を識別する。なお、集計対象は、ユーザ全体を対象としてもよく、特定のグループ、ロール等のユーザ属性に応じて範囲を制限をしてもよい。
【0075】
ここで、同等のお気に入り要素とは、お気に入り文書の場合は、お気に入り要素の内容(文書ID(文書を識別するために一意に割り振られるものである。))が一致するお気に入り文書をいう。例えば、文書IDが「12345」でパス及び文書名が「/書類/提案書/提案書1.pdf」であるお気に入り文書は、同等のお気に入り要素として識別され、後述する計数の対象となる。また、お気に入りフォルダの場合では、同様に、お気に入り要素の内容(フォルダID(フォルダを識別するために一意に割り振られるものである。))が一致するお気に入りフォルダを同等であると識別する。例えば、フォルダIDが「678910」でパス及びフォルダ名が「/書類/提案書/」であるお気に入りフォルダは、同等のお気に入り要素として識別され、後述する計数の対象となる。
【0076】
また、お気に入り検索条件の場合も同様に、お気に入り要素の内容(検索条件)が完全一致するものを同等と識別することができる。例えば、詳細検索または簡易検索のお気に入り検索条件の場合、1または複数のキーワードが完全一致する場合に、同等であると識別することができる。同様に、詳細検索または簡易検索のお気に入り検索条件の場合、1または複数のキー項目とキー値との組み合わせが完全一致する場合に、同等であると識別することができる。
【0077】
しかしながら、少数のキーワード、少数の項目のみを用いる検索の場合は、検索条件が完全一致するものが登録される可能性が充分にあると考えられるが、論理和、論理積、否定などの論理演算を組み合わせたキーワード条件や、文書の作成者や登録日等のキー項目に対するキー値の指定など、複雑な検索条件が設定される詳細検索の場合、完全一致するお気に入り検索条件が複数作成される可能性は少なくなる。
【0078】
そこで、本実施形態では、同等のお気に入り検索条件を識別するに際しては、検索条件の完全一致を必ずしも求めず、一致すべき検索条件のキーワードまたはキー項目を予め指定しておくことができる。これにより、主要な検索条件の項目が一致するお気に入り検索条件を、それ以外のキーワードやキー項目における相違にかかわらず、同等のお気に入り要素として識別することで、同等と見なされるお気に入り要素が複数作成され、上述した共有化条件が満たされる可能性を現実的な程度まで高めることができる。
【0079】
例えば、お気に入り検索条件について、簡易検索または詳細検索のキーワード入力欄で複数キーワードが設定されている場合、複数個のうち所定個数のキーワードが一致するときに、他のキーワード、他のキー項目の相違にかかわらず、同等のものとして識別することができる。また、詳細検索のキー項目の設定欄で、複数キー項目とキー値の組み合わせが設定されている場合、複数個のうち所定個数のキー項目およびキー値が一致するときに、他のキーワード、他のキー項目の相違にかかわらず、同等のものとして識別することができる。詳細検索のキーワード入力欄で1または複数のキーワードが設定され、キー項目の設定欄で、1または複数キー項目とキー値の組み合わせが設定されている場合、1または複数のキーワード、1または複数キー項目とキー値の組み合わせのうち所定個数の項目が一致するときに、他のキーワード、他のキー項目の相違にかかわらず、同等のものとして識別することができる。
【0080】
なお、詳細検索で設定されるキー項目としては、文書の作成者、文書タイプ(例えば「契約書タイプ」という値がキー値となる)、登録日(例えば「3日以内」、「20xx/04/01〜20xx/06/30の範囲」という条件がキー値となる)、回覧状態(例えば「承認済」や「未承認」などがキー値となる)などを挙げることができる。
【0081】
このように完全一致を求めない場合、複数のキーワードまたはキー項目のうち好適には3つの項目が一致した場合に、同等のお気に入り要素として識別することができる。3つの項目としたのは、以下説明する理由による。
【0082】
文書管理システムの実装においては、全ての文書タイプで検索可能な項目だけでも10項目以上存在することが一般的であるため、項目の3種類が一致する可能性は1%未満となる。さらに値までが全て一致する可能性はさらに低くなるため、3個を超えた項目数で全てが一致する可能性は限りなくゼロに近く、共有化条件を設定しても有効に共有化を行うことができないと考えられるからである。
【0083】
なお、好適な実施形態では、同等のお気に入り検索条件と見なすための一致項目数を3に限定せず、例えば3個をデフォルト値とし、その個数で自動共有化が多すぎるまたは少なすぎる場合には管理画面で個数を設定できるようにし、共有お気に入りが適切な頻度で作成されるようにすることができる。
【0084】
ステップS203では、お気に入り共有化判定部126は、識別した同等のお気に入り要素毎に、集計対象の一群のユーザにわたる登録数を計数する。ステップS204では、お気に入り共有化判定部126は、識別した同等のお気に入り要素毎に、共有化条件が満たされるか否か、すなわち登録数(または登録率)が所与の閾値を超えるか否かを判定し、共有化条件を満たすお気に入り要素をお気に入り共有処理部124に伝達する。これにより、集計対象内で一定の登録数または登録率を超える、多数のユーザが登録しているお気に入り要素が抽出されることになる。
【0085】
ステップS205では、お気に入り共有処理部124は、共有お気に入り要素として登録済みのものと一致するものを除き、伝達された共有化条件を満たすお気に入り要素を、共有お気に入り要素として登録し、ステップS206で本処理を終了させる。なお、自動共有化されたお気に入り要素を後に整理することができるように、自動共有化されたお気に入り要素の追加先を所定のカテゴリとしたり、自動共有化されたものである旨を示すフラグを設定し、自動共有のお気に入り要素を識別可能とすることができる。なお、登録されるお気に入り検索条件の内容は、上述したお気に入り文書、お気に入りフォルダ、完全一致を求めるお気に入り検索条件については、そのままの内容とすることができ、検索条件の項目の完全一致を求めないお気に入り検索条件については、一致する全項目を含むものとなる。
【0086】
上述した第2の実施形態では、利用者からの明示的な共有化の指示がなくとも、サーバ110側で有益であると考えられるユーザ個別のお気に入り要素を判定し、自動的に共有化が行われる。このため、利用者は、いずれのお気に入り要素を共有すべきかを考える必要がなく、また、共有化のための特別な操作を必要としない。そして、多くのユーザに登録されているなど有益なお気に入りを、他のユーザが簡単に利用することができるようになり、業務の効率化が図られる。また、共有化されるお気に入り要素は、利用者個人の主観によるものではなく、客観的な有用性に基づく判断であるため、客観的に有益なお気に入り要素を効率的にユーザ間で共有させることができる。
【0087】
なお、上述した第2の実施形態では、共有化条件を満たすお気に入り要素を自動的に登録するものとして説明してきたが、他の実施形態では、共有化までは行わずに、共有化の要請が高いことをユーザに通知し、お気に入り要素の共有化を促す構成とすることもできる。
【0088】
以上説明したように、本実施形態によれば、管理する電子文書および電子文書の集合に対する効率的なアクセスを可能とするお気に入り登録を、複数のユーザ間で簡便に共有することができる情報処理装置、文書管理システム、文書管理方法、プログラム、記録媒体および画像処理装置を提供することができる。
【0089】
上記機能は、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)、などのレガシープログラミング言語やオブジェクト指向プログラミング言語などで記述されたコンピュータ実行可能なプログラムにより実現でき、ROM、EEPROM、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM、CD−RW、DVD、SDカード、MOなど装置可読な記録媒体に格納して頒布することができる。
【0090】
これまで本発明の実施形態について説明してきたが、本発明の実施形態は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0091】
100…文書管理システム、102…ネットワーク、104…複合機、106…レーザプリンタ、108…クライアント、110…サーバ、112…ウェブ・アプリケーションサーバ部、114…文書管理アプリケーション部、116…文書閲覧部、118…文書検索部、120…お気に入り登録部、122…お気に入り提供部、124…お気に入り共有処理部、126…お気に入り共有化判定部、130…お気に入りデータベース、132…電子文書データベース、140…管理ツール、142…お気に入り管理部、150…クライアント、152…ブラウザ、154…スクリプト・コード再生部、200…共有お気に入り、202,204,206…ユーザ個別お気に入り、210,220…カテゴリ、212,222,224,234,324…お気に入り要素、300…メイン画面、310…個別お気に入りツリーエリア、312…ルート、320…共有お気に入りツリーエリア、322…ルート、330…ビューエリア、340…ポインタ、342…カーソル位置、350…一括配布画面、360,370…ツリービュー・エリア、380…「一括配布」ボタン、382…「もどる」ボタン、400…個別お気に入り情報テーブル、410…共有お気に入り情報テーブル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0092】
【特許文献1】特開2008−171295号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続されるクライアント端末に対し、文書データベースに蓄積された文書へのアクセスを提供する、ウェブ・アプリケーションを実現する情報処理装置であって、
それぞれ文書、フォルダまたは検索条件を呼び出す1以上のお気に入り要素を、共有またはユーザ個別のものであるかを区別して格納するお気に入りデータベースと、
クライアント端末に対し、ログイン・ユーザについて登録された1以上の個別のお気に入り要素と、1以上の共有のお気に入り要素とを表示するお気に入り画面領域を提供するお気に入り提供手段と、
クライアント端末から、前記お気に入り画面領域を介した個別のお気に入り要素および共有のお気に入り要素間の移動の指示を受信して、共有のお気に入り要素を個別のお気に入り要素として、または個別のお気に入り要素を共有のお気に入り要素として、前記お気に入りデータベース上で複製するお気に入り共有処理手段と
を含む、情報処理装置。
【請求項2】
登録された共有のお気に入り要素のうちの配布対象とする1以上の要素の指定および1以上の配布先のユーザの指定を受領し、前記お気に入りデータベースにアクセスし、前記配布対象とする1以上の要素を前記1以上の配布先のユーザのユーザ識別値に関連付けて、一括して複製するお気に入り管理手段をさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記お気に入りデータベース内の個別のお気に入り要素の登録状況を集計し、集計結果に従い、自動共有化を条件付ける共有化条件に合致する個別のお気に入りを判定する共有化判定手段を備える、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記共有化条件は、前記お気に入りデータベース内に登録された個別のお気に入り要素のうち、一致する内容を有する要素の登録数または登録率、検索条件の1以上の項目が一致する要素の登録数または登録率、または検索条件のすべての項目が一致する要素の登録数または登録率に対する閾値である、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記検索条件の各項目は、キーワードまたはキー項目とキー値との組み合わせである、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
ネットワークを介して接続されるクライアント端末に対し、データベースに蓄積された文書へのアクセスを提供する、ウェブ・アプリケーションを実現する情報処理装置と、前記情報処理装置と通信し、前記データベースに文書を蓄積する画像処理装置とを含む文書管理システムであって、前記情報処理装置は、
それぞれ文書、フォルダまたは検索条件を呼び出す1以上のお気に入り要素を、共有またはユーザ個別のものであるかを区別して格納するお気に入りデータベースと、
クライアント端末に対し、ログイン・ユーザについて登録された1以上の個別のお気に入り要素と、1以上の共有のお気に入り要素とを表示するお気に入り画面領域を提供するお気に入り提供手段と、
クライアント端末から、前記お気に入り画面領域を介した個別のお気に入り要素および共有のお気に入り要素間の移動の指示を受信して、共有のお気に入り要素を個別のお気に入り要素として、または個別のお気に入り要素を共有のお気に入り要素として、前記お気に入りデータベース上で複製するお気に入り共有処理手段と
を含む、文書管理システム。
【請求項7】
前記情報処理装置は、登録された共有のお気に入り要素のうちの配布対象とする1以上の要素の指定および1以上の配布先のユーザの指定を受領し、前記お気に入りデータベースにアクセスし、前記配布対象とする1以上の要素を前記1以上の配布先のユーザのユーザ識別値に関連付けて、一括して複製するお気に入り管理手段をさらに備える、請求項6に記載の文書管理システム。
【請求項8】
前記情報処理装置は、前記お気に入りデータベース内の個別のお気に入り要素の登録状況を集計し、集計結果に従い、自動共有化を条件付ける共有化条件に合致する個別のお気に入りを判定する共有化判定手段を備える、請求項6または7に記載の文書管理システム。
【請求項9】
前記共有化条件は、前記お気に入りデータベース内に登録された個別のお気に入り要素のうち、一致する内容を有する要素の登録数または登録率、検索条件の1以上の項目が一致する要素の登録数または登録率、または検索条件のすべての項目が一致する要素の登録数または登録率に対する閾値である、請求項8に記載の文書管理システム。
【請求項10】
前記検索条件の各項目は、キーワードまたはキー項目とキー値との組み合わせである、請求項9に記載の文書管理システム。
【請求項11】
ネットワークを介して接続されるクライアント端末に対し、データベースに蓄積された文書へのアクセスを提供する、ウェブ・アプリケーションを実現する情報処理装置が実行する方法であって、
前記情報処理装置が、前記クライアント端末とのログイン手続を処理し、ユーザのユーザ識別値を特定するステップと、
前記情報処理装置が、それぞれ文書、フォルダまたは検索条件を呼び出す1以上のお気に入り要素を共有またはユーザ個別のものであるかを区別して格納するお気に入りデータベースを参照し、前記クライアント端末に対し、前記ユーザ識別値に関連付けて登録された1以上の個別のお気に入り要素と、1以上の共有のお気に入り要素とを表示するお気に入り画面領域を提供するステップと、
クライアント端末から、前記お気に入り画面領域を介した個別のお気に入り要素および共有のお気に入り要素間の移動の指示を受信して、共有のお気に入り要素を個別のお気に入り要素として、または個別のお気に入り要素を共有のお気に入り要素として、前記お気に入りデータベース上で複製するステップと
を含む、文書管理方法。
【請求項12】
ネットワークを介して接続されるクライアント端末に対し、データベースに蓄積された文書へのアクセスを提供するウェブ・アプリケーションを実現する情報処理装置として、コンピュータを機能させるためのコンピュータ実行可能なプログラムであって、前記プログラムは、
それぞれ文書、フォルダまたは検索条件を呼び出す1以上のお気に入り要素を共有またはユーザ個別のものであるかを区別して格納するお気に入りデータベースを参照して、クライアント端末に対し、ログイン・ユーザについて登録された1以上の個別のお気に入り要素と、1以上の共有のお気に入り要素とを表示するお気に入り画面領域を提供するお気に入り提供手段、および
クライアント端末から、前記お気に入り画面領域を介した個別のお気に入り要素および共有のお気に入り要素間の移動の指示を受信して、共有のお気に入り要素を個別のお気に入り要素として、または個別のお気に入り要素を共有のお気に入り要素として、前記お気に入りデータベース上で複製するお気に入り共有処理手段
として前記コンピュータを機能させる、プログラム。
【請求項13】
登録された共有のお気に入り要素のうちの配布対象とする1以上の要素の指定および1以上の配布先のユーザの指定を受領し、前記お気に入りデータベースにアクセスし、前記配布対象とする1以上の要素を前記1以上の配布先のユーザのユーザ識別値に関連付けて、一括して複製するお気に入り管理手段として前記コンピュータをさらに機能させるためのコードを含む、請求項12に記載のプログラム。
【請求項14】
前記お気に入りデータベース内の個別のお気に入り要素の登録状況を集計し、集計結果に従い、自動共有化を条件付ける共有化条件に合致する個別のお気に入りを判定する共有化判定手段として前記コンピュータをさらに機能させるためのコードを含む、請求項12または13に記載のプログラム。
【請求項15】
前記共有化条件は、前記お気に入りデータベース内に登録された個別のお気に入り要素のうち、一致する内容を有する要素の登録数または登録率、検索条件の1以上の項目が一致する要素の登録数または登録率、または検索条件のすべての項目が一致する要素の登録数または登録率に対する閾値である、請求項14に記載のプログラム。
【請求項16】
前記検索条件の各項目は、キーワードまたはキー項目とキー値との組み合わせである、請求項15に記載のプログラム。
【請求項17】
請求項12〜16のいずれか1項に記載のコンピュータ実行可能なプログラムをコンピュータ可読に記録する記録媒体。
【請求項18】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報処理装置と通信する画像処理装置であって、前記情報処理装置と通信することにより、文書データベースに文書を蓄積するか、または文書データベースに蓄積された文書を印刷出力することを特徴とする、画像処理装置。
【請求項1】
ネットワークを介して接続されるクライアント端末に対し、文書データベースに蓄積された文書へのアクセスを提供する、ウェブ・アプリケーションを実現する情報処理装置であって、
それぞれ文書、フォルダまたは検索条件を呼び出す1以上のお気に入り要素を、共有またはユーザ個別のものであるかを区別して格納するお気に入りデータベースと、
クライアント端末に対し、ログイン・ユーザについて登録された1以上の個別のお気に入り要素と、1以上の共有のお気に入り要素とを表示するお気に入り画面領域を提供するお気に入り提供手段と、
クライアント端末から、前記お気に入り画面領域を介した個別のお気に入り要素および共有のお気に入り要素間の移動の指示を受信して、共有のお気に入り要素を個別のお気に入り要素として、または個別のお気に入り要素を共有のお気に入り要素として、前記お気に入りデータベース上で複製するお気に入り共有処理手段と
を含む、情報処理装置。
【請求項2】
登録された共有のお気に入り要素のうちの配布対象とする1以上の要素の指定および1以上の配布先のユーザの指定を受領し、前記お気に入りデータベースにアクセスし、前記配布対象とする1以上の要素を前記1以上の配布先のユーザのユーザ識別値に関連付けて、一括して複製するお気に入り管理手段をさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記お気に入りデータベース内の個別のお気に入り要素の登録状況を集計し、集計結果に従い、自動共有化を条件付ける共有化条件に合致する個別のお気に入りを判定する共有化判定手段を備える、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記共有化条件は、前記お気に入りデータベース内に登録された個別のお気に入り要素のうち、一致する内容を有する要素の登録数または登録率、検索条件の1以上の項目が一致する要素の登録数または登録率、または検索条件のすべての項目が一致する要素の登録数または登録率に対する閾値である、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記検索条件の各項目は、キーワードまたはキー項目とキー値との組み合わせである、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
ネットワークを介して接続されるクライアント端末に対し、データベースに蓄積された文書へのアクセスを提供する、ウェブ・アプリケーションを実現する情報処理装置と、前記情報処理装置と通信し、前記データベースに文書を蓄積する画像処理装置とを含む文書管理システムであって、前記情報処理装置は、
それぞれ文書、フォルダまたは検索条件を呼び出す1以上のお気に入り要素を、共有またはユーザ個別のものであるかを区別して格納するお気に入りデータベースと、
クライアント端末に対し、ログイン・ユーザについて登録された1以上の個別のお気に入り要素と、1以上の共有のお気に入り要素とを表示するお気に入り画面領域を提供するお気に入り提供手段と、
クライアント端末から、前記お気に入り画面領域を介した個別のお気に入り要素および共有のお気に入り要素間の移動の指示を受信して、共有のお気に入り要素を個別のお気に入り要素として、または個別のお気に入り要素を共有のお気に入り要素として、前記お気に入りデータベース上で複製するお気に入り共有処理手段と
を含む、文書管理システム。
【請求項7】
前記情報処理装置は、登録された共有のお気に入り要素のうちの配布対象とする1以上の要素の指定および1以上の配布先のユーザの指定を受領し、前記お気に入りデータベースにアクセスし、前記配布対象とする1以上の要素を前記1以上の配布先のユーザのユーザ識別値に関連付けて、一括して複製するお気に入り管理手段をさらに備える、請求項6に記載の文書管理システム。
【請求項8】
前記情報処理装置は、前記お気に入りデータベース内の個別のお気に入り要素の登録状況を集計し、集計結果に従い、自動共有化を条件付ける共有化条件に合致する個別のお気に入りを判定する共有化判定手段を備える、請求項6または7に記載の文書管理システム。
【請求項9】
前記共有化条件は、前記お気に入りデータベース内に登録された個別のお気に入り要素のうち、一致する内容を有する要素の登録数または登録率、検索条件の1以上の項目が一致する要素の登録数または登録率、または検索条件のすべての項目が一致する要素の登録数または登録率に対する閾値である、請求項8に記載の文書管理システム。
【請求項10】
前記検索条件の各項目は、キーワードまたはキー項目とキー値との組み合わせである、請求項9に記載の文書管理システム。
【請求項11】
ネットワークを介して接続されるクライアント端末に対し、データベースに蓄積された文書へのアクセスを提供する、ウェブ・アプリケーションを実現する情報処理装置が実行する方法であって、
前記情報処理装置が、前記クライアント端末とのログイン手続を処理し、ユーザのユーザ識別値を特定するステップと、
前記情報処理装置が、それぞれ文書、フォルダまたは検索条件を呼び出す1以上のお気に入り要素を共有またはユーザ個別のものであるかを区別して格納するお気に入りデータベースを参照し、前記クライアント端末に対し、前記ユーザ識別値に関連付けて登録された1以上の個別のお気に入り要素と、1以上の共有のお気に入り要素とを表示するお気に入り画面領域を提供するステップと、
クライアント端末から、前記お気に入り画面領域を介した個別のお気に入り要素および共有のお気に入り要素間の移動の指示を受信して、共有のお気に入り要素を個別のお気に入り要素として、または個別のお気に入り要素を共有のお気に入り要素として、前記お気に入りデータベース上で複製するステップと
を含む、文書管理方法。
【請求項12】
ネットワークを介して接続されるクライアント端末に対し、データベースに蓄積された文書へのアクセスを提供するウェブ・アプリケーションを実現する情報処理装置として、コンピュータを機能させるためのコンピュータ実行可能なプログラムであって、前記プログラムは、
それぞれ文書、フォルダまたは検索条件を呼び出す1以上のお気に入り要素を共有またはユーザ個別のものであるかを区別して格納するお気に入りデータベースを参照して、クライアント端末に対し、ログイン・ユーザについて登録された1以上の個別のお気に入り要素と、1以上の共有のお気に入り要素とを表示するお気に入り画面領域を提供するお気に入り提供手段、および
クライアント端末から、前記お気に入り画面領域を介した個別のお気に入り要素および共有のお気に入り要素間の移動の指示を受信して、共有のお気に入り要素を個別のお気に入り要素として、または個別のお気に入り要素を共有のお気に入り要素として、前記お気に入りデータベース上で複製するお気に入り共有処理手段
として前記コンピュータを機能させる、プログラム。
【請求項13】
登録された共有のお気に入り要素のうちの配布対象とする1以上の要素の指定および1以上の配布先のユーザの指定を受領し、前記お気に入りデータベースにアクセスし、前記配布対象とする1以上の要素を前記1以上の配布先のユーザのユーザ識別値に関連付けて、一括して複製するお気に入り管理手段として前記コンピュータをさらに機能させるためのコードを含む、請求項12に記載のプログラム。
【請求項14】
前記お気に入りデータベース内の個別のお気に入り要素の登録状況を集計し、集計結果に従い、自動共有化を条件付ける共有化条件に合致する個別のお気に入りを判定する共有化判定手段として前記コンピュータをさらに機能させるためのコードを含む、請求項12または13に記載のプログラム。
【請求項15】
前記共有化条件は、前記お気に入りデータベース内に登録された個別のお気に入り要素のうち、一致する内容を有する要素の登録数または登録率、検索条件の1以上の項目が一致する要素の登録数または登録率、または検索条件のすべての項目が一致する要素の登録数または登録率に対する閾値である、請求項14に記載のプログラム。
【請求項16】
前記検索条件の各項目は、キーワードまたはキー項目とキー値との組み合わせである、請求項15に記載のプログラム。
【請求項17】
請求項12〜16のいずれか1項に記載のコンピュータ実行可能なプログラムをコンピュータ可読に記録する記録媒体。
【請求項18】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報処理装置と通信する画像処理装置であって、前記情報処理装置と通信することにより、文書データベースに文書を蓄積するか、または文書データベースに蓄積された文書を印刷出力することを特徴とする、画像処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−253480(P2011−253480A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−128518(P2010−128518)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]