説明

情報処理装置、部品交換履歴・稼動管理装置及びシステム

【課題】
情報処理装置が稼動しているまたは部品交換されたことにより部品情報を取得することができるようにした情報処理装置の稼動部品または部品交換の情報を取得してその履歴管理を行うこと。
【解決手段】
情報処理装置11と部品交換履歴・稼動管理装置12とが各装置の部品情報送受信部114、128により接続されて構成される。情報処理装置11は、自装置が稼動していると自装置の部品情報を取得しまたは、部品交換が発生すると自装置の部品情報と日付情報を取得し、その情報を部品交換履歴・稼動管理装置12へ送信する。部品交換履歴・稼動管理装置12は、受け取った情報を基に部品履歴マスタ121、部品情報マスタ122を参照することにより稼動している部品を特定または交換された部品を特定し、稼動部品または交換部品の部品情報を部品履歴マスタ121、部品情報マスタ122へ適切に書き込んで管理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、部品交換履歴・稼動管理装置及びシステムに係り、特に、故障による修理や機能向上のための部品交換が可能な情報処理装置と、部品情報を取得して部品交換履歴の管理と稼動部品の管理を合わせて行う部品交換履歴・稼動管理装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、情報処理装置の製品は、製品元(組み立てメーカを含む)で製造されてユーザに渡された後、部品の故障による修理や機能向上のため部品の交換等が行われることがある。そして、製品元は、その製品の製品種別毎に構成部品の管理を行っている。しかし、製品元は、製品を一旦ユーザに売却した後、その製品の修理、機能向上のための構成変更等について、ユーザ等からの情報の提供がない限り、これらの構成部品の管理を行うことができない。また、製品の稼動状況についても同様なことが言える。
【0003】
ユーザ毎の製品の構成を管理することを可能とした従来技術として、例えば、特許文献1等に記載された技術が知られている。この従来技術は、ユーザ毎の製品構成の管理だけではなく、製品を構成する部品のそれぞれについてまで、製品構成を管理するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−009492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した従来技術では、ユーザ毎の最新の部品情報と部品交換した場合の過去の履歴を管理することを目的としているため、設計情報管理等の業務において、ある部品の最新の履歴番号、ある部品の過去に交換した回数、過去にある日時のある部品の部品情報等を知ることにより、ある製品の障害状況を把握することができ予防処置等を行うために利用することが可能だが、各部品の稼働状況を管理しているわけではない。このため、前述技術は、各部品の稼働状況を管理できないという問題点を有している。各部品の稼働状況を管理する理由は、各部品の稼働状況を把握することで、製品寿命となった部品の選定やオーバーホール等を行う必要がある部品の選定に利用でき、また、部品交換履歴と稼働状況を合わせて管理することで、各部品の製造品質の指標として利用できるからである。
【0006】
本発明の目的は、前述したような従来技術の問題点を解決し、部品が稼動しているまたは、部品交換されたことにより部品情報を取得することができるようにした情報処理装置、稼動部品または部品交換の情報を取得して履歴管理を行う部品交換履歴・稼動管理装置及びシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば前記目的は、部品交換可能な複数の部品により構成された情報処理装置において、該装置の再起動を検知したとき、あるいは、部品の抜き差しが行われたことを検知したとき、前記情報処理装置の部品の交換がされたと検知する部品交換検知手段と、前記情報処理装置が起動しており、毎1時間経過したことを検知したとき、前記情報処理装置の部品が稼動していると検知する稼動部品検知手段と、前記部品交換検知手段により、部品の交換がされたと検知されたとき、あるいは、前記稼動部品検知手段により、部品が稼動していると検知されたとき、部品識別コードを含む全部品の部品情報を取得する部品情報取得手段と、取得した前記部品情報を、前記情報処理装置に接続された外部の部品交換履歴・稼動管理装置へ送信する部品情報送信手段とを備えたことにより達成される。
【0008】
また、前記目的は、情報処理装置の部品交換履歴・稼動管理装置において、前記情報処理装置から部品情報を受信する部品情報受信手段と、部品識別コードと交換履歴を含む部品情報を記録する部品情報記憶手段と、稼動している部品または、部品交換された部品毎にそれぞれの部品識別コード、交換履歴、部品交換した交換日、稼働時間を含む部品履歴情報を記録する部品履歴情報記憶手段と、前記部品情報記憶手段から前記部品情報の部品識別コードを持つ部品情報を取り出し、前記部品情報記憶手段から取り出した部品情報と前記受信した部品情報とを比較して交換された部品であるか否かを特定する部品交換特定手段と、前記部品履歴記憶手段から前記部品情報の部品識別コードと製造番号を持つ部品情報を取り出し稼動している部品であるか否かを特定する稼動部品特定手段と、前記部品情報を部品履歴として前記部品履歴記憶手段に書き込む部品履歴情報更新手段と、前記部品履歴記憶手段から前記部品情報の識別コードと過去のある時点の変更履歴をもつ部品情報を取り出し、部品履歴記憶手段から読み出した部品情報を前記部品情報記憶手段に書き込む部品情報更新手段とを備えることにより達成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、情報処理装置が稼動している時または、情報処理装置にて部品交換された時に部品情報を取得することができるので、部品の交換履歴と各部品の稼動管理を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態による情報処理装置の部品交換履歴・稼動管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】被管理装置としての情報処理装置の部品構成の例を示す図である。
【図3】部品履歴マスタの構成例を示す図である。
【図4】部品情報マスタの構成例を示す図である。
【図5】部品の交換が行われた場合の情報処理装置での処理動作を説明するフローチャートである。
【図6】部品が稼動している場合の情報処理装置での処理動作を説明するフローチャートである。
【図7】図5、図6に示すフローのステップS503、ステップS603の処理で取得した情報処理装置の部品情報と日付情報との構成例を示す図である。
【図8】情報処理装置から部品交換等により部品情報を受け取った部品交換履歴・稼動管理装置での処理動作を説明するフローチャートである。
【図9】図8に示すフローのステップS802での処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図10】情報処理装置から情報処理装置が稼動していることにより部品情報を受け取った部品交換履歴・稼動管理装置での処理動作を説明するフローチャートである。
【図11】図10に示すフローのステップS1002での処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図12】部品交換履歴管理装置での処理が行われた後の部品履歴マスタの例を示す図である。
【図13】部品交換履歴管理装置での処理が行われた後の部品情報マスタの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明による情報処理装置の部品交換履歴・稼動管理システムの実施形態を図面により詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明による情報処理装置の部品交換履歴・稼動管理システムの構成を示すブロック図である。
【0013】
本発明の実施形態による情報処理装置の部品交換・稼動履歴管理システムは、図1に示すように、部品管理の履歴がされる被管理装置としての情報処理装置11と、情報処理装置11における部品交換または稼動部品の履歴を管理する部品交換・稼動履歴装置12とが、図示しないネットワーク等の通信路を介して接続されて構成される。図1には、被管理装置としての情報処理装置11を1台だけ示しているが、情報処理装置11の多数をシステムに備えることにより、部品交換・稼動管理装置12は、複数台の情報処理装置11について、その部品交換または稼動部品の履歴を管理することができる。
【0014】
被管理装置としての情報処理装置11は、PC等に代表されるようなCPU、主メモリ、HDD等による記憶装置、表示装置、キーボード、マウス等の入力装置を備えた構成を持つものであり、本発明のために、その内部に、部品交換検知部111、稼動部品検知部112、部品情報取得部113、部品情報送信部114が設けられている。
【0015】
図2は被管理装置としての情報処理装置11の部品構成の例を示す図である。図2に示すように、情報処理装置21は、部品「マザーボード」22、部品「I/Oボード」23、部品「電源0」24、部品「電源1」25、部品「ICタグリーダ」26、部品「マイコン」27から構成され、部品「マザーボード」22は、部品「CPU0」221、部品「CPU1」222、部品「メモリ0」223、部品「メモリ1」224が搭載されているものとする。
【0016】
各部品のそれぞれには、部品を識別する部品番号、部品名、品番、製造番号の部品に関する情報である部品情報をメモリに格納しているRFID等のICタグが取り付けられており、また、情報処理装置11には、ICタグを無線通信で読み込むことができるICタグリーダが情報処理装置11内の各部品を全て読み取ることができるよう中心に取り付けられており、部品情報取得部113がそのICタグリーダを使用して部品情報を読み取ることが可能に構成されている。
【0017】
部品交換検知部111は、情報処理装置11の部品が交換されたことを検知した場合と、情報処理装置が再起動したことを検知した場合、部品情報取得部113へ情報処理装置の全部品の部品情報と日付情報の取得指示をする。
【0018】
稼動部品検知部112は、情報処理装置11が起動されており毎1時間経過したことを検知した場合、部品情報取得部113へ情報処理装置の全部品の部品情報の取得指示をする。
【0019】
部品情報取得部113は、部品交換検知部111の指示を受けた場合、情報処理装置11の全部品の部品情報を部品に取り付けられたRFID等のICタグからICタグリーダを使用して取得すると共に、情報処理装置が有する時計から日付情報を取得し、部品情報と日付情報とを部品情報送信手段114に渡す。また、稼動部品検知部112の指示を受けた場合、情報処理装置11の全部品の部品情報を部品に取り付けられたRFID等のICタグからICタグリーダを使用して取得し、部品情報を部品情報送信手段114に渡す。
【0020】
部品情報送信手段114は、部品情報取得部113から交換部品検知部111からの指示により取得した部品情報と日付情報、または稼動部品検知部112からの指示により取得した部品情報を受け取り部品交換履歴・稼動管理装置12の部品情報受信手段128に製品情報を送信する。
【0021】
部品履歴マスタ121は、部品を識別する部品番号と、部品の交換履歴を示す情報と、部品の交換履歴を示す交換履歴番号と、部品の稼働時間を示す稼働時間から構成される2次元のデータテーブルである。交換された部品または稼動している部品は、このデータテーブルの1行のデータに対応し、部品番号と交換履歴番号により特定される。
【0022】
なお、図2に示している部品交換前の部品履歴マスタ225、部品交換後の部品履歴マスタ233は、情報処理装置11内の部品「CPU1」222が交換されたものとして、部品交換履歴・稼動管理装置12内の部品履歴マスタ121の変更前後の状況を示したものである。
【0023】
次に、部品交換履歴・稼動管理装置12の各マスタ121、122のデータ構成及び各機能部の機能の概要について説明する。
【0024】
図3は部品履歴マスタ121の構成例を示す図である。図3に示す部品履歴マスタ121は、図2に示す情報処理装置11に対応する部品履歴マスタの一例であり、部品を識別する部品番号302、部品名303、部品の品番304、部品の製造番号305、部品の交換日を示す交換日306、部品の交換履歴を示す交換履歴番号307、部品の稼働時間を示す稼働時間308からなるレコードを複数格納して構成される2次元のテーブルである。この部品履歴マスタ121には、部品交換が行われると、新たなレコードが作成されて格納される。図3に示す例は、全てのレコードの交換履歴番号307が“1”、稼働時間308が“10000”となっている情報処理装置11の状態を示している。
【0025】
図4は部品情報122の構成例を示す図である。図4に示す部品情報マスタ122は、部品を識別する部品番号と、部品の製造番号等の部品に関する情報と、部品の交換履歴を示す交換履歴番号からなるレコードを複数格納して構成される2次元のデータテーブルである。1つの部品番号で識別される1つの部品が、このデータテーブルの1行のレコードのデータに対応する。
【0026】
図4に示す部品情報マスタ122は、図2に示す情報処理装置11に対応する部品情報マスタの一例であり、部品を識別する部品番号402、部品名403、部品の品番404、部品の製造番号405、部品の交換履歴を示す交換履歴番号406から構成される。
【0027】
前述した部品履歴マスタ121及び部品情報マスタ122は、情報処理装置1台毎に備えられるものであり、図3、図4には示していないが、それぞれのマスタとしてのテーブルには、情報処理装置を識別するための装置名称、装置番号等の装置識別情報が付与されている。また、これらのマスタは、情報処理装置が最初に立ち上げられたときに、後述する処理により初期状態を示すマスタとして作成される。
【0028】
稼動部品特定部123は、情報処理装置11から送信されて部品情報受信部128で受信されて、制御部127を介して受け取った部品情報が稼動している部品情報であるか否か、追加された部品情報であるか否か、または、稼動していない部品情報であるか否かを特定する。
【0029】
部品交換特定部124は、情報処理装置11から送信されて部品情報受信部128で受信されて、制御部127を介して受け取った部品情報が交換された部品情報であるか否か、追加された部品情報であるか否か、または、交換されていない部品情報であるか否かを特定する。
【0030】
部品履歴マスタ更新部125は、制御部127の指示及び部品交換特定部124からの特定結果から、制御部127から送信された部品情報と、部品番号とを用いて部品情報マスタ122から読み出した交換履歴番号を基に部品履歴マスタ121に部品番号と、部品の交換履歴を示す情報と、交換履歴番号を追加書き込む。また、制御部127の指示及び稼動部品特定部123からの特定結果から、制御部127から送信された部品情報と、部品番号とを用いて部品履歴マスタ121に部品の稼働時間を示す稼働時間を更新する。
【0031】
部品情報マスタ更新部126は、制御部127の指示及び部品履歴マスタ更新部125から受け取った部品番号と最新の交換履歴番号とを用いて、部品履歴マスタ121から部品情報のデータを読み出し、部品情報マスタ122で該当する部品番号の部品情報に読み出したデータを上書きする。
【0032】
制御部127は、稼動部品特定部123、部品交換特定部124、部品履歴マスタ更新部125、部品情報マスタ更新部126に処理の指示を行うと共に、稼動部品特定部へは部品情報受信部128から受け取った製品情報、部品交換特定部へは部品情報受信部128から受け取った部品情報と日付情報を渡す。
【0033】
部品情報受信手段128は、情報処理装置11の部品情報送信手段114から交換部品検知部111からの指示により取得した部品情報と日付情報及び装置識別情報、または稼動部品検知部112からの指示により取得した部品情報及び装置識別情報とを受信し、これらの情報を制御部127へ渡す。
【0034】
図5は部品の交換が行われた場合の情報処理装置11での処理動作を説明するフローチャートであり、次に、これについて説明する。なお、ここで説明する処理の例は、図2に示す情報処理装置11の部品「CPU1」222が交換されたものとした例である。また、この処理の開始時、情報処理装置11は、その電源はONとされていて、動作可能な状態にあるものとする。
【0035】
(1)ここでの処理が開始されると、部品交換検知部111は、図2に示す情報処理装置11が再起動されたか否かを判定し、再起動されていなかった場合、部品の抜き差しが行われたか否かを判定する。情報処理装置11が再起動されていなかった場合、かつ、部品の抜き差しも行われていなかった場合、何もせずにここでの処理を終了する(ステップS501、S502)。情報処理装置11の部品の抜き差しを検知するための方法として、図2に示す部品「マイコン」27がI2Cバスを使用して情報処理装置11の電源をONした状態で交換可能な各部品(図2に示す構成例では部品「電源0」24、部品「電源1」25)に対して動作していることを常に検知し、もし応答がなかった場合、部品の抜き差しが行われたと判断することで検知可能である。
【0036】
(2)ステップS501で、情報処理装置が再起動されたと判定した場合、あるいは、ステップS502で、部品の抜き差しが行われたと判定した場合、部品交換検知部111は、部品情報取得部113に、情報処理装置11内の全部品の部品情報と日付情報との取得を指示し、この指示に基づいて、部品情報取得部113は、情報処理装置11内の全部品の部品情報をICタグからICタグリーダを使用して取得し、また、日付情報を取得する(ステップS503)。
【0037】
(3)その後、部品情報送信部114は、部品情報取得部113により取得された情報処理装置11内の全部品の部品情報と日付情報とを、自情報処理装置の装置識別情報と共に部品交換履歴・稼動管理装置へ送信し、ここでの処理を終了する(ステップS504)。
一般に、情報処理装置の部品交換方法としては、情報処理装置の電源をOFFした状態で交換する方法と情報処理装置の電源をONした状態で交換する方法との2種類の方法がある。図5により説明したフローのステップS501での判定処理は、情報処理装置の電源がOFFとされた状態で部品交換が行われたことに対応するためのものであり、また、ステップS502での判定処理は、情報処理装置の電源をONした状態で部品交換が行われたことに対応するためのものである。
【0038】
図6は部品が稼動している場合の情報処理装置11での処理動作を説明するフローチャートであり、次に、これについて説明する。なお、ここで説明する処理の例は、図2に示す情報処理装置11の部品「CPU1」222が交換された後に行った例である。この処理の開始時、情報処理装置11は、その電源がONとされていて、動作可能な状態であるものとする。
【0039】
(1)ここでの処理が開始されると、稼動部品検知部112は、図2に示す情報処理装置11の電源がONされているか否かを判定し、電源がONされている場合、電源がONされた状態で毎1時間経過したか否かを判定する。情報処理装置が電源ONされていなかった場合、または、電源がONされた状態で毎1時間経過していなかった場合、ステップS601からの処理を繰り返し続けさせる(ステップS601、S602)。
【0040】
(2)ステップS601で、情報処理装置の電源がONされていると判定した場合、かつ、ステップS602で、電源がONされた状態で毎1時間経過した場合、稼動部品検知部112は、部品情報取得部113に、情報処理装置部11内の全部品の部品情報の取得を指示し、この指示に基づいて、部品情報取得部113は、情報処理装置11内の全部品の部品情報をICタグからICタグリーダを使用して取得する(ステップS603)。
【0041】
(3)その後、部品情報送信部114は、部品情報取得部113により取得された情報処理装置11内の全部品の部品情報を、自情報処理装置の装置識別情報と共に部品交換履歴・稼動管理装置へ送信し、ここでの処理を終了する(ステップS604)。
【0042】
図7は図5に示すフローのステップS503の処理で取得した情報処理装置の部品情報と日付情報、または、図6に示すフローのステップS603の処理で取得した情報処理装置の部品情報の構成例を示す図である。図7(a)に示す部品情報701と図7(b)に示す日付情報711とは、図2に示す情報処理装置11に対応する部品情報の例である。部品情報701は、部品を識別する部品番号702、部品名703、部品の品番704、部品の製造番号705から構成される2次元のテーブルである。ここで、行706のレコードが、部品交換された部品情報である。日付情報711は、部品を交換した日付712から構成される。
【0043】
図8は情報処理装置11から部品情報を受け取った部品交換履歴・稼動管理装置12での処理動作を説明するフローチャートであり、次に、これについて説明する。
【0044】
(1)ここでの処理が開始されると、部品情報受信部128は、情報処理装置11の部品情報送信部114から通知された部品情報と日付情報、ここでは、図7(b)に示したように「070326」とを、装置識別情報と共に受け取り、制御部127へ通知する(ステップS801)。
【0045】
(2)制御部127は、通知された日付情報、ここでは「070326」と、部品情報の部品番号毎の部品情報(部品番号も含む)を1つずつ部品交換特定部124へ出力し、部品交換特定部124は、制御部127から受け取った部品情報が交換された部品情報であるか否か、追加された部品情報であるか否か、または、交換されていない部品情報であるか否かを、装置識別情報に対応する部品情報マスタ122を参照して特定(この処理については図9により後述する)し、特定結果を部品履歴マスタ更新部125に送信する(ステップS802)。
【0046】
(3)部品履歴マスタ更新部125は、ステップS802で判定された特定結果が、制御部127から受け取った部品情報が交換された部品情報であった場合、部品番号「0001」を用いて、部品情報マスタ122から交換履歴番号のデータを読み出す(ステップS803)。
【0047】
(4)次に、読み出した交換履歴番号に「1」を加えた交換履歴番号、ここでは、「2」と、稼働時間に稼働時間「0」と、制御部127から受け取った部品情報の部品番号「0001」、部品名「CPU1」、品番「68604370」、製造番号「C02450100」、変更日は日付情報「070326」としたレコードを作成して、そのレコードを部品履歴マスタ121に追加して書き込みを行う。また、部品履歴マスタ更新部125は、部品情報の部品番号「0001」と、交換履歴番号「2」とを部品情報マスタ更新部126に通知する(ステップS804)。
【0048】
(5)部品履歴マスタ更新部125は、ステップS802で判定された特定結果が、制御部127から受け取った部品情報が追加された部品情報であった場合、制御部127から受け取った部品情報の部品番号、部品名、品番、製造番号、交換日としての日付情報、交換履歴番号を「1」、稼働時間を「0」としたレコードを作成して、そのレコードを部品履歴マスタ121に追加して書き込みを行う。また、部品履歴マスタ更新部125は、部品情報の部品番号と、交換履歴番号を部品情報マスタ更新部126に通知する(ステップS805)。
【0049】
(6)ステップS804またはS805の処理で、部品情報履歴マスタ更新部125からの通知を受けた部品情報マスタ更新部126は、部品履歴マスタ更新部125から受け取った部品番号「0001」と交換履歴番号「2」とを用いて、装置識別情報に対応した部品履歴マスタ121から部品番号、部品名、品番、製造番号、交換履歴番号のデータを読み出し、読み出したデータを、部品番号「0001」を用いて、部品情報マスタ122の部品番号「0001」の該当する部品情報に上書きする(ステップS806、S807)。
【0050】
(7)ステップS807の処理の後、部品情報マスタ更新部126は、部品の更新完了を制御部127に通知し、また、ステップS802で判定された特定結果が、制御部127から受け取った部品情報が交換されていない部品情報であった場合、部品の更新完了を制御部127に通知する。制御部127は、部品の更新完了を受け取ったら、全ての部品情報についての処理が終了したか否かを判定し、終了していなければ、日付情報と次の部品情報(部品番号毎)を部品交換特定部124へ出力して、ステップS802からの処理を繰り返し続けさせ、全ての部品情報についての処理が終了していた場合、ここでの処理を終了する(ステップS808)。
【0051】
図9は、図8に示すフローのステップS802での処理の詳細を説明するフローチャートであり、次に、これについて説明する。
【0052】
(1)ここでの処理が開始されると、部品交換特定部124は、制御部127から受け取った部品情報の部品番号、ここでは部品番号「0001」により、部品情報マスタ122より部品番号「0001」を持つデータの抽出を行う(ステップS901)。
【0053】
(2)部品情報マスタ122から部品情報が抽出できた場合は、抽出されたデータと制御部127から受け取った部品情報とを比較し、部品情報に違いがある場合、交換された部品情報であると特定し、部品情報に違いがない場合、交換されていない部品情報であると特定して、部品履歴マスタ更新部125へその特定結果を通知する(ステップS902)。
【0054】
(3)ステップS901のデータの抽出処理で、部品番号によるデータの抽出ができなかった場合、制御部127から受け取った部品情報が追加された部品情報であると特定して、部品履歴マスタ更新部125へその特定結果を通知する(ステップS903)。
【0055】
図10は、情報処理装置11から部品情報を受け取った部品交換履歴・稼動管理装置12での処理動作を説明するフローチャートであり、次に、これについて説明する。
【0056】
(1)ここでの処理が開始されると、部品情報受信部128は、情報処理装置11の部品情報送信部114から通知された部品情報を、装置識別情報と共に受け取り、制御部127へ通知する(ステップS1001)。
【0057】
(2)制御部127は、部品情報の部品番号毎の部品情報(部品番号も含む)を1つずつ稼動部品特定部123へ出力し、稼動部品特定部123は、制御部127から受け取った部品情報が稼動している部品情報であるか否か、追加された部品情報であるか否か、または、稼動していない部品情報であるか否かを、装置識別情報に対応する部品履歴マスタ121を参照して特定(この処理については図11により後述する)し、特定結果を部品履歴マスタ更新部125に送信する(ステップS1002)。
【0058】
(3)部品履歴マスタ更新部125は、ステップS802で判定された特定結果が、制御部127から受け取った部品情報が稼動している部品情報であった場合、部品番号「0001」と製造番号「C02450100」を用いて、部品履歴マスタ121から該当する稼働時間のデータを読み出す(ステップS1003)。
【0059】
(4)次に、読み出した稼働時間に「1」を加えた稼働時間を、制御部127から受け取った部品情報である、部品番号「0001」と製造番号「C02450100」を用いて、部品履歴マスタ121から該当する稼働時間へ上書きする(ステップS1004)。
【0060】
(5)ステップS1004の処理の後、部品履歴マスタ更新部126は、部品の更新完了を制御部127に通知し、また、ステップS1002で判定された特定結果が、制御部127から受け取った部品情報が稼動していない部品情報であった場合、または、追加された部品情報であった場合、部品の更新完了を制御部127に通知する。制御部127は、部品の更新完了を受け取ったら、全ての部品情報についての処理が終了したか否かを判定し、終了していなければ、次の部品情報(部品番号毎)を稼動部品特定部123へ出力して、ステップS1002からの処理を繰り返し続けさせ、全ての部品情報についての処理が終了していた場合、ここでの処理を終了する(ステップS1005)。
【0061】
図11は図10に示すフローのステップS1002での処理の詳細を説明するフローチャートであり、次に、これについて説明する。
【0062】
(1)ここでの処理が開始されると、部品交換特定部124は、制御部127から受け取った部品情報の部品番号「0001」と製造番号「C02450100」により、部品履歴マスタ121より該当データの抽出を行う(ステップS1101)。
【0063】
(2)部品履歴マスタ121から部品情報が抽出できた場合は、稼動している部品情報であると特定して、部品履歴マスタ更新部125へその特定結果を通知する(ステップS1102)。
【0064】
(3)ステップS1101のデータの抽出処理で、部品番号と製造番号によるデータの抽出ができなかった場合、制御部127から受け取った部品情報が追加された部品情報、または、稼動していない部品情報であると特定して、部品履歴マスタ更新部125へその特定結果を通知する(ステップS1103)。
【0065】
図12は図8、図9、図10、図11により説明した部品交換履歴・稼働管理装置での処理が行われた後の部品履歴マスタの例を示す図である。図8、図9で説明している例では、部品番号「0001」を持つ部品「CPU1」が交換されたとしているので、図12に示す部品履歴マスタ1201には、この部品の部品情報を示すレコード1009が図3に示した部品履歴マスタ121に追加されている。そして、このレコードの交換履歴番号1207には「2」、稼働時間1208には「0」が格納される。また、図10、図11で説明している例では、部品番号「0001」を持つ部品「CPU1」、製造番号「C02450100」が稼動しているので、図12に示す部品履歴マスタ1211には、この部品の部品情報を示すレコード1219の稼働時間1218には、「1」が格納される。
【0066】
図13は図8、図9により説明した部品交換履歴・稼動管理装置での処理が行われた後の部品情報マスタの例を示す図である。説明している例では、部品番号「0001」を持つ部品「CPU1」が交換されたとしているので、図13に示す部品情報マスタ1301では、部品番号「0001」を持つ部品「CPU1」の部品情報のレコード1307の製造番号1305が「C02450100」に変更され、交換履歴番号1306が「2」に設定された。
【0067】
前述した本発明の実施形態によれば、部品情報マスタには、各部品の最新部品情報が記憶されており、部品履歴マスタには、各部品の交換した日付、変更履歴番号、稼働時間、過去の部品履歴情報を記憶することができる。また、予め部品情報マスタ、部品履歴マスタを準備することなく、情報処理装置で取得した部品情報から部品情報マスタと部品履歴マスタを作成することができる。但し、履歴管理を開始した日の部品情報が部品情報マスタと部品履歴マスタの基データとなるため、それ以前に発生した部品交換履歴情報は把握することはできない。
【0068】
前述した本発明の実施形態は、情報処理装置を構成する部品情報を各部品に取り付けられたRFID等のICタグからICタグリーダを使用して取得するとして説明したが、部品情報の取得には、このような方法に限られることはなく、例えば、ソフトウェアにより、各部品が持つMACアドレスを取得するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0069】
11 情報処理装置
12 部品交換履歴・稼動管理装置
111 交換部品検知部
112 稼動部品検知部
113 部品情報取得部
114 部品情報送信手段
121 部品履歴マスタ
122 部品情報マスタ
123 稼動部品特定部
124 部品交換特定部
125 部品履歴マスタ更新部
126 部品情報マスタ更新部
127 制御部
128 部品情報受信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品交換可能な複数の部品により構成された情報処理装置において、該装置の再起動を検知したとき、あるいは、部品の抜き差しが行われたことを検知したとき、前記情報処理装置の部品の交換がされたと検知する部品交換検知手段と、前記情報処理装置が起動しており、毎1時間経過したことを検知したとき、前記情報処理装置の部品が稼動していると検知する稼動部品検知手段と、前記部品交換検知手段により、部品の交換がされたと検知されたとき、あるいは、前記稼動部品検知手段により、部品が稼動していると検知されたとき、部品識別コードを含む全部品の部品情報を取得する部品情報取得手段と、取得した前記部品情報を、前記情報処理装置に接続された外部の部品交換履歴・稼動管理装置へ送信する部品情報送信手段とを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記情報処理装置を構成する複数の部品のそれぞれには、部品情報をメモリに格納しているICタグが取り付けられており、前記部品情報取得手段は、前記ICタグ、RFID等から部品情報を取得することを特徴とする請求事項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
情報処理装置の部品交換履歴・稼動管理装置において、請求項1または2記載の情報処理装置から部品情報を受信する部品情報受信手段と、部品識別コードと交換履歴を含む部品情報を記録する部品情報記憶手段と、稼動している部品または、部品交換された部品毎にそれぞれの部品識別コード、交換履歴、部品交換した交換日、稼働時間を含む部品履歴情報を記録する部品履歴情報記憶手段と、前記部品情報記憶手段から前記部品情報の部品識別コードを持つ部品情報を取り出し、前記部品情報記憶手段から取り出した部品情報と前記受信した部品情報とを比較して交換された部品であるか否かを特定する部品交換特定手段と、前記部品履歴記憶手段から前記部品情報の部品識別コードと製造番号を持つ部品情報を取り出し稼動している部品であるか否かを特定する稼動部品特定手段と、前記部品情報を部品履歴として前記部品履歴記憶手段に書き込む部品履歴情報更新手段と、前記部品履歴記憶手段から前記部品情報の識別コードと過去のある時点の変更履歴をもつ部品情報を取り出し、部品履歴記憶手段から読み出した部品情報を前記部品情報記憶手段に書き込む部品情報更新手段とを備えることを特徴とする部品交換履歴・稼動管理装置。
【請求項4】
部品交換可能な複数の部品により構成された情報処理装置の部品交換または稼動部品の履歴を管理する部品交換履歴・稼動管理システムにおいて、前記情報処理装置は、部品交換または稼動部品の履歴を管理する部品交換履歴・稼動管理装置に通信回線を介して接続されており、情報装置の再起動を検知したとき、あるいは、部品の抜き差しが行われたことを検知したとき、前記情報処理装置の部品の交換がされたと検知する部品交換検知手段と、前記情報処理装置が起動しており、毎1時間経過したことを検知したとき、前記情報処理装置の部品が稼動していると検知する稼動部品検知手段と、前記部品交換検知手段により、部品の交換がされたと検知されたとき、あるいは、前記稼動部品検知手段により、部品が稼動していると検知されたとき、部品識別コードを含む全部品の部品情報を取得する部品情報取得手段と、取得した前記部品情報を、前記情報処理装置に接続された外部の部品交換履歴・稼動管理装置へ送信する部品情報送信手段とを備えて構成され、前記部品交換履歴・稼動管理装置は、前記情報処理装置から部品情報を受信する部品情報受信手段と、部品識別コードと交換履歴を含む部品情報を記録する部品情報記憶手段と、稼動している部品または、部品交換された部品毎にそれぞれの部品識別コード、交換履歴、部品交換した交換日、稼働時間を含む部品履歴情報を記録する部品履歴情報記憶手段と、前記部品情報記憶手段から前記部品情報の部品識別コードを持つ部品情報を取り出し、前記部品情報記憶手段から取り出した部品情報と前記受信した部品情報とを比較して交換された部品であるか否かを特定する部品交換特定手段と、前記部品履歴記憶手段から前記部品情報の部品識別コードと製造番号を持つ部品情報を取り出し稼動している部品であるか否かを特定する稼動部品特定手段と、前記部品情報を部品履歴として前記部品履歴記憶手段に書き込む部品履歴情報更新手段と、前記部品履歴記憶手段から前記部品情報の識別コードと過去のある時点の変更履歴をもつ部品情報を取り出し、部品履歴記憶手段から読み出した部品情報を前記部品情報記憶手段に書き込む部品情報更新手段とを備えて構成されたことを特徴とする部品交換履歴・稼動管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−209978(P2011−209978A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−76581(P2010−76581)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)