情報処理装置及び情報処理方法及びプログラム
【課題】被訓練者の作戦立案活動の訓練に使用する訓練装置において、訓練実施後のログ解析時間を短縮し、被訓練者が苦手とする状況を効率的に把握するとともに、短時間で効果の高い訓練を実施できる訓練装置を得る。
【解決手段】訓練シナリオ103に状況と各状況に対する理想とする入力内容及びタイミングを記述し、シミュレーション実施部105が訓練シナリオ103に基づいて各状況のシミュレーションを実施し、被訓練者が各状況に対する応答として訓練端末6に入力した入力内容と入力時刻を、対応付け処理部106が、理想とする入力内容及びタイミングに対応付けて訓練ログ104に書き込む。これにより、被訓練者の入力内容と理想とする入力内容との比較、被訓練者の入力タイミングと理想とする入力タイミングとの比較を同一の訓練ログで行うことができ、ログ解析時間を短縮し、被訓練者が苦手とする状況を効率的に把握することができる。
【解決手段】訓練シナリオ103に状況と各状況に対する理想とする入力内容及びタイミングを記述し、シミュレーション実施部105が訓練シナリオ103に基づいて各状況のシミュレーションを実施し、被訓練者が各状況に対する応答として訓練端末6に入力した入力内容と入力時刻を、対応付け処理部106が、理想とする入力内容及びタイミングに対応付けて訓練ログ104に書き込む。これにより、被訓練者の入力内容と理想とする入力内容との比較、被訓練者の入力タイミングと理想とする入力タイミングとの比較を同一の訓練ログで行うことができ、ログ解析時間を短縮し、被訓練者が苦手とする状況を効率的に把握することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の状況をシミュレートする装置に関し、特に、航空機、艦船等の移動物体や、基地、レーダサイト等の地上設備を模擬対象とし、これらの模擬対象の動作等を模擬し、被訓練者に模擬状況を提示して、それぞれの模擬状況に対する適切な対処方法を訓練させる訓練装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の訓練装置では、訓練の終了後に被訓練者の入力の妥当性を検証する際、被訓練者と検証担当者とが検証の場に立ち会い、訓練を実施したときのログを先頭行から解析し、実施済みの訓練の内容を逐次再現している。
また、従来の訓練装置では、訓練のシナリオが訓練の開始から終了まで固定的である(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−295746号公報(第10頁、第11頁、第11図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の方式による被訓練者の入力の妥当性の検証では、被訓練者の数、訓練時間、登場する訓練状況の数が大きくなるにつれ、検証時間も大きくなり、被訓練者の入力が妥当でないと判定されても、被訓練者が当該入力内容や当時の状況を正確に記憶しておらず、期待する訓練効果を得られないという課題がある。
また、訓練後に被訓練者が苦手とする状況を把握しても、上記状況に対する再訓練を行うのに、再度訓練シナリオを作成しなおす労力が必要であるという課題がある。
【0005】
本発明は、係る課題を解決することを主な目的としており、訓練終了後のログ解析に代表される被訓練者の応答状況の解析時間を短縮するとともに、被訓練者が苦手とする状況の検出といった被訓練者の特性の把握を容易にし、また、被訓練者が苦手とする状況に対する再訓練を容易にすることを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施の形態に係る情報処理装置は、
シミュレーションの利用者が用いる入力装置に接続されている情報処理装置であって、
複数の模擬状況が模擬状況間の順序とともに記述され、模擬状況ごとに、模擬状況への応答として要求される内容が要求応答内容として記述されるシミュレーションシナリオ情報を記憶するシミュレーションシナリオ情報記憶部と、
前記シミュレーションシナリオ情報に記述されている順序に従って各模擬状況のシミュレーションが行われると、各模擬状況への応答として前記利用者により前記入力装置に入力された入力情報を前記入力装置から受信する入力情報受信部と、
シミュレーションシナリオ情報の模擬状況ごとに、前記入力情報受信部により受信された入力情報と、シミュレーションシナリオ情報の要求応答内容とを対応付ける対応付け処理部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
このように本発明によれば、模擬状況ごとに、利用者により入力された入力情報と、シミュレーションシナリオ情報に記述されている要求応答内容とを対応付けるため、利用者の入力情報と要求される要求応答内容との比較を容易にすることができ、これにより、利用者の応答状況の解析時間を短縮することができ、また、利用者の特性を効率的に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態1による訓練装置の構成例を説明するための図である。
【図2】実施の形態1による訓練シナリオのフォーマット例を説明するための図である。
【図3】実施の形態1による訓練装置の動作例を説明するための図である。
【図4】実施の形態1による訓練装置の訓練シナリオの読込動作の例を説明するための図である。
【図5】実施の形態2による訓練装置の構成例を説明するための図である。
【図6】実施の形態2による訓練ログの出力イメージの例を説明するための図である。
【図7】実施の形態3による訓練装置の構成例を説明するための図である。
【図8】実施の形態4による訓練装置の構成例を説明するための図である。
【図9】実施の形態4による訓練装置の動作例を説明するための図である。
【図10】実施の形態4によるシナリオメモリの構成例及び動作例を説明するための図である。
【図11】実施の形態4によるシナリオメモリの構成例及び動作例を説明するための図である。
【図12】実施の形態4によるシナリオメモリの動作例を説明するための図である。
【図13】実施の形態4による訓練装置のシナリオメモリの読込動作の例を説明するための図である。
【図14】実施の形態3による訓練装置の他の構成例を説明するための図である。
【図15】実施の形態4による訓練装置の他の構成例を説明するための図である。
【図16】実施の形態1〜4による情報処理装置のハードウェア構成例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
本実施の形態及び以降の実施の形態では、航空機、艦船等の移動物体や、基地、レーダサイト等の地上設備を模擬対象とし、模擬対象の移動、探知、交戦及び交戦後の被害評価を、事前に入力されている模擬対象の諸元データ及び算法を用いて模擬し、上記模擬の結果を被訓練者(訓練を受ける者、シミュレーションの利用者)が使用する訓練端末に表示し、被訓練者が上記表示内容に応じて対処方法を思考、判断し、上記判断の結果を上記訓練端末に入力し、上記入力に基づいて再度模擬対象の移動、探知、交戦及び交戦後の被害評価を模擬し、上記模擬の結果を上記訓練端末に表示することを繰り返して、被訓練者の作戦立案活動の訓練を行うための訓練装置を説明する。
【0010】
以下、図1から図4を用いて実施の形態1に係る訓練装置を説明する。
図1は、実施の形態1による訓練装置の構成を示している。
訓練装置は、情報処理装置1、管理端末5及び訓練端末6により構成される。
【0011】
情報処理装置1は、模擬対象である航空機、艦船等の移動物体や、基地、レーダサイト等の地上設備の模擬処理に必要な諸元データ及び模擬算法を保存している。
上記諸元データには、例えば、模擬対象毎の移動速度、探知可能範囲がある。
また、上記模擬算法は、模擬対象の移動については、模擬対象の移動速度と移動時間の積により模擬対象の位置を一定時間間隔で更新するものであり、模擬対象の探知については、模擬対象の更新後の位置に基づく相互の距離が各模擬対象の探知可能範囲よりも短いか否かを判定するものである。
その他交戦と交戦後の被害評価についても、事前に模擬算法を定義して保存している。 情報処理装置1は、上記諸元データ及び模擬算法を保存し、それらを使用して一定の時間間隔で模擬対象の模擬処理を行う。
なお、情報処理装置1は、処理装置1とも表記する。
【0012】
また、情報処理装置1は、記憶部102を有し、訓練で使用する複数の訓練シナリオ103と、訓練中の被訓練者の入力や付与した模擬状況等を記録した訓練ログ104を保存している。
訓練シナリオ103は、シミュレーションのシナリオが記述された情報であり、より具体的には、複数の模擬状況が模擬状況間の順序とともに記述され、模擬状況ごとに、模擬状況への応答として要求される内容が要求応答内容として記述される。模擬状況とは、シミュレーションにより模擬される状態、環境、場面、動作、設定であり、模擬対象の移動、探知、交戦、交戦後の被害評価等を含む。また、訓練シナリオ103には、要求応答内容とともに、被訓練者に要求される応答タイミングが要求応答タイミングとして記述されている。訓練シナリオ103はシミュレーションシナリオ情報の例である。
訓練ログ104は、訓練ログが生成される元となった訓練シナリオ103と関連付けられて保存されている。
訓練シナリオ103と訓練ログ104の関連付けは、例えば、訓練シナリオ103と関連する訓練ログ104を同じ記憶部102のディレクトリに保存する方法や、関連する訓練シナリオ103と訓練ログ104とでファイル名に同じ文字列を含むようにする方法がある。
なお、記憶部102は、シミュレーションシナリオ情報記憶部及びシミュレーションログ記憶部の例である。
【0013】
また、情報処理装置1において、制御部101は、情報処理装置1の構成要素の各々の制御を行う。
【0014】
シミュレーション実施部105は、訓練シナリオ103に従って模擬状況のシミュレーションを実施する。より具体的には、シミュレーション実施部105は、模擬対象の移動、探知、交戦及び交戦後の被害評価を、訓練シナリオ103の記述、被訓練者の入力内容、事前に入力されている模擬対象の諸元データ及び算法を用いて模擬する。
【0015】
受信部109は、管理端末5及び訓練端末6から情報を受信する。
例えば、受信部109は、シミュレーション実施部105により訓練シナリオ103に記述されている順序に従って各模擬状況のシミュレーションが行われると、各模擬状況への応答として被訓練者により訓練端末6に入力された入力情報を訓練端末6から受信する。
また、受信部109は、入力情報とともに、被訓練者により訓練端末6に入力情報が入力された入力時刻の通知を受信する。
また、受信部109は、管理端末5から訓練シミュレーションを開始するための各種制御情報を受信する。
受信部109は、入力情報受信部の例である。
【0016】
対応付け処理部106は、訓練シナリオ103の模擬状況ごとに、受信部109により受信された入力情報と、訓練シナリオ103の要求応答内容とを対応付けて訓練ログ104に書き込む。
このとき、対応付け処理部106は、入力情報と訓練シナリオ103の要求応答内容との対応付けとともに、入力情報の入力時刻を訓練シナリオ103の要求応答タイミングと対応付けて訓練ログ104に書き込む。
【0017】
タイマー107は、時刻を計時する。
【0018】
送信部108は、管理端末5及び訓練端末6に情報を送信する。
例えば、送信部108は、シミュレーション実施部105での模擬処理の結果(模擬状況を示す情報)を訓練端末6に送信する。
また、送信部108は、訓練終了後に、訓練ログ104を管理端末5に送信する。
【0019】
管理端末5と訓練端末6は、情報処理装置1とネットワーク7を介して接続している。
【0020】
管理端末5は、被訓練者でない情報処理装置1の操作者が使用する端末で、上記操作者は、訓練実施前に訓練シナリオと模擬周期と訓練終了時刻とを指定する。
模擬周期とは、情報処理装置1における処理周期である。
管理端末5が上記操作者指定の訓練シナリオと模擬周期と訓練終了時刻とを、ネットワーク7を介して情報処理装置1に通知すると、情報処理装置1では、訓練のための模擬処理を開始する。
【0021】
また、上記操作者は、訓練実施後に情報処理装置1に保存している訓練ログ104を、ネットワーク7を介して取得し、上記訓練ログ104を管理端末5にて参照する。
【0022】
訓練端末6は、被訓練者が訓練実施中に使用する端末で、情報処理装置1と協調して動作する。
訓練中、訓練端末6は、情報処理装置1で実施している模擬処理の結果を、上記模擬周期毎に受信し表示する。
また、訓練端末6は、上記訓練端末を使用する被訓練者が上記訓練端末に入力する模擬対象の移動方向の変更指示等の入力内容を情報処理装置1へ送信する。
訓練端末6から被訓練者の入力内容を受信した情報処理装置1は、上記入力内容に基づいて模擬処理を行い、処理結果を訓練端末6へ送信する。
訓練端末6は、入力装置の例である。
【0023】
次に、図2を用いて訓練シナリオ103の内容を説明する。
図2は、実施の形態1による訓練装置で使用する訓練シナリオ103のファイルフォーマットの一例を示している。
訓練シナリオは、ファイルの各行が情報処理装置1での処理単位であり、各行は、訓練中に実施する模擬状況の付与を示すものと、各模擬状況における理想とする入力内容を示すものの2種類の記述がある。
訓練シナリオファイルの各行は、カンマで4つの要素に区切られる。
【0024】
各行の第1要素は、その行を処理すべきタイミングを表し、その値は、訓練開始からの経過時間となる。
【0025】
ついで、各行の第2要素は、その行が情報処理装置1での模擬状況の付与であるか、各模擬状況における理想とする入力内容(要求応答内容)であるかの区別を表すものである。
図では、例として前者の場合を「状況」、後者の場合を「入力開始」又は「入力終了」と記載し、以下の説明でもその例を使用するが、それぞれを区別可能な範囲において任意の文字でよい。
【0026】
ついで、第3要素は、模擬状況の付与又は理想とする入力内容(要求応答内容)のどちらかの具体的な内容になる。
第2要素が模擬処理に対する模擬状況の付与を示すものであれば、例えば「航空機3機がA基地を発進」という模擬状況を表すものとなり、第2要素が各模擬状況における理想とする入力内容(要求応答内容)の場合には、例えば「航空機の進行方向を真北に変更する」という被訓練者の入力を表す内容になる。
【0027】
最後に、第4要素は、第2要素が模擬状況における理想とする入力内容(要求応答内容)の場合に有効な要素で、上記理想とする入力内容と関連する模擬状況を示すものである。
上記第4要素に設定される値は、上記理想とする入力内容(要求応答内容)と関連する模擬状況が訓練シナリオにおいて記載されている行の第1要素と同じ値である。
例えば、図2の第5行では、第4要素が「t4」となっているので、この行の入力内容が対象とする模擬状況は、第1要素が「t4」である行に記載されている状況、すなわち図2の第4行の「状況2」となる。
【0028】
また、訓練シナリオ103では、被訓練者に要請される模擬状況に対する応答タイミングが示される。つまり、第2要素に「入力開始」とある行と第2要素に「入力終了」とある行の間の時間が、被訓練者に要請される応答タイミングであり、被訓練者はこの時間内に模擬状況に対して適切な応答を行う必要がある。
図2の例では、例えば、2行目と3行目は、ともに第4要素が「t1」となっており、1行目の「状況1」に対応しており、2行目には第2要素に「入力開始」が記述され、3行目には第2要素に「入力終了」が記述されている。被訓練者は、「状況1」に対して、「t2」と「t3」の間に適切な応答を行うことが必要とされる。
【0029】
次に、図3を用いて本実施の形態の動作について説明する。
図3は、訓練装置の動作をフローチャートで示したものである。
情報処理装置1では、各種の処理を実施しているが、ここでは訓練シナリオの読込処理及び訓練ログの出力処理を中心に説明する。
【0030】
始めに、ステップS101において、管理端末5で訓練開始のための操作を行い、情報処理装置1へ内容を通知する。
具体的には、管理端末5では、操作者の操作により訓練に使用する訓練シナリオと模擬処理の周期と訓練終了時刻とを設定し、その後、上記設定内容を情報処理装置1へ通知する。
【0031】
ついで、ステップS102において、情報処理装置1の受信部109が上記訓練に使用する訓練シナリオ103と上記模擬処理の周期と訓練終了時刻とを受信すると、制御部101が、タイマー107の現在時刻を「0」に設定し、また、行カウンタを「1」に設定し、訓練ログを新規に作成し、バブルソート等の算法を用いて上記訓練に使用する訓練シナリオの各行をその第1要素の昇順で並べ替えて記憶部102に保存し(シミュレーションシナリオ情報管理ステップ)、シミュレーション実施部105が、訓練のための模擬処理を開始する。
【0032】
ついで、ステップS103において、情報処理装置1のシミュレーション実施部105は、現在時刻が訓練終了時刻に達しているか否かを判定する。
現在時刻が訓練終了時刻に達している場合には、シミュレーション実施部105は、模擬処理を終了し、訓練を終了する。
【0033】
現在時刻が訓練終了時刻に達していない場合(S103でYES)、ステップS104において、シミュレーション実施部105は、訓練端末6での被訓練者の入力内容に基づいて情報処理装置1の模擬状況を更新する。
訓練端末6では、表示している模擬状況に応じて、被訓練者が模擬状況への対応方法を思考、判断し、上記判断結果を入力する。
訓練端末6は、上記被訓練者の入力内容と入力時刻を、ネットワーク7を介して情報処理装置1へ送信する。
情報処理装置1では、受信部109が、被訓練者の入力内容と入力時刻を受信し(入力情報受信ステップ)、シミュレーション実施部105が、訓練端末6から受信した上記被訓練者の入力内容を確認し、模擬状況を被訓練者の入力内容に基づいて更新する。
このとき、対応付け処理部106は、上記訓練端末から送信された被訓練者の入力内容と入力時刻を対象となる模擬状況の理想とする入力内容と入力タイミングに対応付けて訓練ログ104に書き込む(対応付け処理ステップ)。
訓練ログ104は、例えば、図6に示す形式となる。
図6の詳細は実施の形態2において説明するが、図6の訓練ログ104では、例えば、「状況1」に対して、「理想入力1」が記述され、また、「状況1」に対する被訓練者の入力内容が「被訓練者の入力1」として「理想入力1」に対応付けて書き込まれている。また、「理想入力1」の「入力開始」タイミング(時刻t2)と「入力終了」タイミング(時刻t3)の間の時刻tAに「被訓練者の入力1」が書き込まれており、応答が要求されるタイミングと実際に被訓練者が応答を入力した入力時刻が対応付けられている。
【0034】
なお、訓練端末6における被訓練者の入力は、任意のタイミングで発生するので、訓練端末6から情報処理装置1への上記被訓練者の入力内容の送信も任意のタイミングで行う。
一方、情報処理装置1での受信確認処理は、模擬周期毎にステップS104において実施する。
【0035】
ついで、ステップS105において、情報処理装置1のシミュレーション実施部105は、訓練シナリオファイルを読み込んで、読込結果に基づいて模擬状況を更新する。訓練シナリオファイル読込の詳細については、図4を用いて後述する。
【0036】
ついで、ステップS106において、情報処理装置1のシミュレーション実施部105は、事前に保存してある模擬対象毎の算法に基づいて、模擬対象の移動、探知、交戦及び交戦による被害評価を模擬し、模擬状況を更新する。
【0037】
ついで、ステップS107において、情報処理装置1の送信部108が、更新後の模擬状況を訓練端末6へ送信する。
【0038】
ついで、ステップS108において、シミュレーション実施部105は、現在時刻に模擬周期を足して現在時刻を更新し、ステップS103に戻る。
【0039】
次に、図4を用いてシミュレーション実施部105が訓練シナリオ103を読み込む際の動作を説明する。
図4は、シミュレーション実施部105での訓練シナリオの読込動作をフローチャートで示したものであり、図3のステップS105に該当する内容である。
【0040】
始めに、ステップS201において、情報処理装置1のシミュレーション実施部105は、訓練シナリオ103を開く。
【0041】
ついで、ステップS202において、シミュレーション実施部105は、行番号が行カウンタと同じである行を1行読み込む。これは、例えば、行カウンタが5であった場合、訓練シナリオの第5行を読み込むものである。
【0042】
ついで、ステップS203において、シミュレーション実施部105は、読み込んだ行の第1要素が現在時刻より過去の時刻であるか否かを判定する。
上記第1要素が現在時刻より未来の時刻である場合(S203でNo)、ステップS208へ遷移する。
【0043】
上記第1要素が現在時刻より過去の時刻である場合(S203でYes)、ステップS204において、シミュレーション実施部105は、読み込んだ行の第2要素により読み込んだ行が模擬状況の付与を示すものか模擬状況における理想とする入力内容を示すものかを弁別する。
具体的には、第2要素が「状況」である場合には、読み込んだ行が模擬状況の付与を示すと判断し、第2要素が「入力開始」又は「入力終了」である場合には、読み込んだ行が模擬状況における理想とする入力内容であると判断する。
【0044】
読み込んだ行が模擬状況の付与を示すものである場合、ステップS205において、シミュレーション実施部105は、第3要素にしたがって模擬状況を更新する。
具体的には、例えば、上記読み込んだ行の第3要素が「航空機3機がA基地を発進」という状況を表すものであるとすると、シミュレーション実施部105は、模擬状況においてA基地から航空機3機を発進させ、処理中の模擬対象に上記航空機3機を追加する。
また、このとき、シミュレーション実施部105は対応付け処理部106に通知し、対応付け処理部106が、読み込まれた行の第1要素と第3要素とを訓練ログ104に出力し、ステップS207へ遷移する。
【0045】
また、読み込んだ行が模擬状況における理想とする入力内容を示すものである場合、シミュレーション実施部105は対応付け処理部106に通知し、ステップS206において、対応付け処理部106が、読み込まれた行の第1要素から第4要素までを訓練ログ104に出力し、ステップS207へ遷移する。
【0046】
ステップS207において、情報処理装置1は、行カウンタを1増やし、ステップS202へ戻る。
【0047】
ステップS208において、情報処理装置1は、開いていた訓練シナリオ103を閉じ、訓練シナリオファイルの読込動作を終了する。
【0048】
このように本実施の形態では、訓練シナリオの模擬状況ごとに、理想とする入力内容(要求応答内容)と被訓練者により入力された入力内容(入力情報)を対応付けて訓練ログに書き込む。
このため、本実施の形態によれば、被訓練者の入力内容と訓練シナリオに記載されている理想とする入力内容とを同一の訓練ログで比較することができる。
また、被訓練者の入力内容と理想とする入力内容とを同一の訓練ログで比較できるため、被訓練者の応答状況の解析時間を短縮することができ、また、被訓練者が苦手とする状況の検出といった被訓練者の特性の把握を効率的に行うことができる。
【0049】
以上、本実施の形態では、訓練シナリオに各模擬状況に対する理想的な入力内容及びタイミングも記述し、また、理想的な内容及びタイミングを訓練ログに記録することを説明した。
【0050】
実施の形態2.
本実施の形態では、訓練シナリオに状況と各状況に対する理想とする入力内容及びタイミングを追記するとともに、さらにログ解析部により訓練実施後のログ解析を自動で行い、被訓練者が苦手とする状況を自動的に検出できるようにする例を説明する。
【0051】
以降に、図5から図6を用いて実施の形態2について説明する。
なお、前述した実施の形態1と同じ部分は、同じ符号で示し、説明を省略する。
【0052】
図5は、実施の形態2による訓練装置の構成を示している。
図5において、ログ解析部110は、記憶部102から訓練ログ104を取得する。また、ログ解析部110は、上記訓練ログを解析する。
具体的には、ログ解析部110は、模擬状況ごとに、訓練ログ104に記憶されている被訓練者の入力内容と理想とする入力内容(要求応答内容)とを照合し、また、被訓練者の入力時刻と理想とする応答タイミング(要求応答タイミング)とを照合し、被訓練者による各模擬状況に対する応答状況を評価する。そして、ログ解析部110は、被訓練者の苦手とする状況を検出すると、ネットワーク7を介して上記被訓練者の苦手とする状況を管理端末5へ送信する。
管理端末5では、上記検出結果を受信すると、受信した内容を画面に表示する。
なお、ログ解析部110は、応答評価部の例である。
【0053】
続いて、図6を用いてログ解析部110における訓練ログ104の解析について説明する。
図6は、情報処理装置1に保存している訓練ログ104の例を表形式で示したものである。
図6では、例えば、時刻t2が「状況1」に対する「理想入力1」の入力開始時刻となっていて、時刻t3が上記理想入力の入力終了時刻となっている。さらに、時刻tAに「被訓練者の入力1」が行われている。
【0054】
ここで、上記「被訓練者の入力1」が「理想入力1」と同一である場合は、ログ解析部110は、被訓練者が「状況1」を苦手としていないと判定するが、同一でない場合は、ログ解析部110は、被訓練者が状況1を苦手としていると判定し、判定結果を管理端末5へネットワーク7を介して送信する。
【0055】
また、時刻t5と時刻t6の間には、被訓練者の入力が含まれていないため、ログ解析部110は、被訓練者が「状況2」を苦手としていると判定し、判定結果を管理端末5へネットワーク7を介して送信する。
【0056】
このように、本実施の形態によれば、被訓練者の苦手とする状況を自動で把握することができる。
【0057】
以上、本実施の形態では、ログ解析部を追加して、訓練ログの解析を自動で行い、理想とする入力内容及びタイミングと実際の入力内容及びタイミングとの差によって被訓練者が苦手とする状況を自動で検出することを説明した。
【0058】
なお、本実施の形態では、情報処理装置1内のログ解析部110が訓練ログ104を解析して、被訓練者の苦手な状況を判定したが、例えば、図14に示すように、情報処理装置1とネットワーク7で接続されたログ解析装置8が情報処理装置1から訓練ログ104を受信し、訓練ログ104を解析して被訓練者の苦手な状況を判定するようにしてもよい。
図14の構成では、ログ解析装置8が応答評価部の例となる。
【0059】
実施の形態3.
本実施の形態では、訓練シナリオ更新部により訓練シナリオにおける各状況に対する理想とする入力タイミングを訓練実績に基づいて更新するようにし、実態に応じた指標に基づいて被訓練者の苦手とする状況を判定し、訓練シナリオに自動的に反映し、訓練効果を向上させる例を説明する。
【0060】
以降、図7を用いて実施の形態3について説明する。
なお、前述した実施の形態1及び実施の形態2と同じ部分は、同じ符号で示し、説明を省略する。
【0061】
図7は、実施の形態3による訓練装置の構成を示している。
図7において、訓練シナリオ更新部111は、記憶部102から訓練シナリオ103及び訓練ログ104を取得する。その際、訓練シナリオ103と訓練ログ104との関連付けを保持するように取得する。
また、訓練シナリオ更新部111は、上記訓練シナリオ103及び訓練ログ104を用いて、訓練シナリオ103を更新し、更新した訓練シナリオ103を記憶部102へ格納する。
より具体的には、訓練シナリオ更新部111は、模擬状況ごとに、訓練ログ104に記述されている被訓練者の入力時刻と訓練シナリオ103に記述されている理想とされる応答タイミング(要求応答タイミング)とを照合し、入力時刻に基づいて理想とされる応答タイミング(要求応答タイミング)を変更し、変更後の応答タイミングを訓練シナリオ103に書き込んで、訓練シナリオ103の応答タイミングを更新する。
訓練シナリオ更新部111は、タイミング変更部の例である。
【0062】
次に、訓練シナリオ更新部111における訓練シナリオの更新について説明する。
訓練シナリオ更新部111は、訓練シナリオ103を読み込んで、各模擬状況に対する理想とする入力の開始と終了のタイミングを取得する。
続いて、訓練シナリオ更新部111は、上記訓練シナリオ4に基づいて実施した訓練の訓練ログ104を読み込んで、被訓練者が実施した入力タイミングを取得する。
このとき、有効データとして取得するのは、先に訓練シナリオから取得している理想とする入力タイミングの開始と終了の範囲に入っているデータとする。
また、訓練ログ104には複数人の被訓練者の訓練記録が存在し、訓練シナリオ更新部111は、模擬状況ごとに、複数人の被訓練者の入力タイミングを取得する。
【0063】
ある訓練シナリオ103に関連付けられるすべての訓練ログ104の読込みが終了すると、訓練シナリオ更新部111は、模擬状況ごとに、有効データとして取得した複数人の被訓練者の入力タイミングから最早のものと最遅のものとを取得し、上記最早の入力タイミングを理想とする入力タイミングの新たな開始時刻とし、上記最遅の入力タイミングを理想とする入力タイミングの新たな終了時刻とし、上記に基づいて訓練シナリオを更新し、更新した訓練シナリオを記憶部102に格納する。
【0064】
あるいは、訓練シナリオ更新部111は、模擬状況ごとに、有効データとして取得した複数人の被訓練者が実施した入力タイミングの最頻時刻を中心時刻とし、上記中心時刻と最早タイミングとの差と、上記中心時刻と最遅タイミングとの差のうち、小さいほうを範囲の時刻幅として、理想とする入力タイミングの新たな開始時刻を上記中心時刻から上記時刻幅を引いたものとし、理想とする入力タイミングの新たな終了時刻を上記中心時刻に上記時刻幅を加えたものとする方法もある。
【0065】
あるいは、他の統計的手法により、新たに理想とする入力タイミングの開始時刻と終了時刻を決定してもよい。
【0066】
本実施の形態では、このように複数人の被訓練者が実際に応答を入力した入力タイミングに対応させて理想とする応答タイミングを変更するので、訓練シナリオに記載した理想とする入力タイミングを実態に応じた値に自動で更新することができる。
【0067】
また、この実施の形態によれば、理想とする入力タイミングを実際の訓練結果に基づいて設定できるので、訓練を繰り返すにつれて入力タイミングのずれによる苦手の判定を実態に応じた値で実施できる。
【0068】
本実施の形態では、訓練シナリオ更新部を追加して、訓練ログの解析により、訓練シナリオに記載した各状況に対する理想とする入力タイミングを自動で更新することを説明した。
【0069】
なお、本実施の形態では、情報処理装置1内の訓練シナリオ更新部111が訓練シナリオ103と訓練ログ104を解析して理想とする入力タイミングを更新することとしたが、例えば、図15に示すように、情報処理装置1とネットワーク7で接続された訓練シナリオ更新装置9が情報処理装置1から訓練シナリオ103と訓練ログ104を受信し、訓練シナリオ103と訓練ログ104を解析して理想とする入力タイミングを更新するようにしてもよい。
図15の構成では、訓練シナリオ更新装置9がタイミング変更部の例となる。
【0070】
実施の形態4.
本実施の形態では、入力解析装置により、訓練実施中に被訓練者の苦手とする状況を判定し、上記苦手とする状況を訓練中に訓練シナリオに追加して、さらに訓練効果を高める例を説明する。
【0071】
以降、図8から図12を用いて実施の形態4について説明する。
なお、前述した実施の形態1から実施の形態3と同じ部分は、同じ符号で示し、説明を省略する。
【0072】
図8は、実施の形態4による訓練装置の構成の一例を示している。
【0073】
図8において、シナリオメモリ10は、情報処理装置1において、訓練対象となる訓練シナリオ103の内容を保持するものである。
【0074】
また、シナリオメモリ管理部112は、シナリオメモリ10を管理し、また、シミュレーション実施部105によりシミュレーションが行われている際に、所定の模擬状況をシミュレーションに追加するようシミュレーション実施部105に指示する。
シナリオメモリ管理部112は、例えば、模擬状況ごとに被訓練者の入力情報の内容と理想とする入力内容(要求応答内容)とが照合された結果、入力情報の内容が理想とする入力内容(要求応答内容)と相違する相違模擬状況が存在する場合に、相違模擬状況そのもの又は相違模擬状況に類似する新たな模擬状況の追加をシミュレーション実施部105に指示する。または、シナリオメモリ管理部112は、模擬状況ごとに被訓練者の入力時刻と理想とする入力タイミング(要求応答タイミング)とが照合された結果、入力時刻が理想とする入力タイミング(要求応答タイミング)に適合しないタイミング非適合模擬状況が存在する場合に、タイミング非適合模擬状況そのもの又はタイミング非適合模擬状況に類似する新たな模擬状況の追加をシミュレーション実施部105に指示する。
シナリオメモリ管理部112は、シミュレーション指示部の例である。
そして、本実施の形態では、シミュレーション実施部105は、シナリオメモリ管理部112からの指示に基づき、訓練シナリオ103に記述されている順序におけるいずれかの順序位置に追加の模擬状況を入れて、追加の模擬状況のシミュレーションを行う。
【0075】
入力解析装置11は、訓練実施前には、情報処理装置1から訓練対象となる訓練シナリオ103を受信する。
また、入力解析装置11は、訓練実施中には、情報処理装置1から模擬周期毎に現在時刻を受信し、訓練端末6から被訓練者の入力内容を受信し、上記訓練シナリオ4に記載された各模擬状況における理想とする入力内容及びタイミングと、上記被訓練者の入力内容及びタイミングとを比較し、各模擬状況において、上記理想とする入力内容が上記理想とする入力タイミング内で被訓練者により実行されなかった場合、被訓練者が上記模擬状況を苦手とすると判定し、上記模擬状況を情報処理装置1へ通知する。
【0076】
訓練端末6は、被訓練者の入力内容を情報処理装置1と入力解析装置11へ送信する。
【0077】
次に、図9を用いて実施の形態4の動作について説明する。
なお、実施の形態1から実施の形態3と同一である部分については、説明を省略する。
【0078】
始めに、ステップS301において、管理端末5で訓練開始のための操作を行い、情報処理装置1へ内容を通知する。
具体的には、管理端末5では、操作者の操作により訓練に使用する訓練シナリオと模擬処理の周期と模擬状況を追加する際の時刻幅と訓練終了時刻とを設定し、上記設定内容を情報処理装置1へ通知する。
【0079】
ついで、ステップ302において、情報処理装置1の受信部109が訓練に使用する訓練シナリオ103と上記模擬処理の周期と訓練終了時刻とを受信すると、制御部101が、タイマー107の現在時刻を「0」に設定し、バブルソート等の算法を用いて上記訓練に使用する訓練シナリオの各行をその第1要素の昇順で並べ替えて記憶部102に保存し、また、シナリオメモリ管理部112が、訓練シナリオ103をシナリオメモリ10へロードする。
また、制御部101が、メモリカウンタを上記シナリオメモリ10の先頭に設定し、訓練ログを新規に作成し、シミュレーション実施部105が、訓練のための模擬処理を開始する。
なお、訓練シナリオ103をシナリオメモリ10へロードする際の動作については、図10を用いて後述する。
【0080】
ついで、ステップS303において、情報処理装置1のシミュレーション実施部105は、現在時刻が訓練終了時刻に達しているか否かを判定する。
現在時刻が訓練終了時刻に達している場合には、ステップS311へ遷移する。そうでない場合は、ステップS304へ遷移する。
【0081】
現在時刻が訓練終了時刻に達していない場合(S303でYES)、ステップS304において、入力解析装置11は、訓練端末6から受信する被訓練者の入力内容と情報処理装置1から受信する訓練シナリオ103とから、被訓練者が苦手とする模擬状況を判定し、情報処理装置1へ通知する。
入力解析装置11は、上記訓練シナリオ103から各模擬状況における理想とする入力内容及びタイミングを事前に抽出している。訓練実施中、入力解析装置11は、情報処理装置1から現在時刻を模擬周期毎に受信し、訓練端末6から被訓練者の入力内容を受信しているので、上記理想とする入力タイミングに被訓練者が訓練端末6にて上記理想とする入力内容を入力したか否かを判定できる。判定結果が否の場合、入力解析装置11は、被訓練者が上記模擬状況を苦手であると判定し、情報処理装置1へ上記模擬状況を通知する。
被訓練者が苦手であると判定する模擬状況は、前述したように、被訓練者の入力内容と理想とする入力内容が相違している模擬状況(相違模擬状況)や、被訓練者からの応答の入力時刻が理想とする応答タイミングに適合していない(入力が遅い又は入力がない)模擬状況(タイミング非適合模擬状況)である。
【0082】
ついで、ステップS305において、情報処理装置1のシナリオメモリ管理部112は、入力解析装置11からの模擬状況の通知の有無を確認し、入力解析装置11から被訓練者が苦手とする模擬状況を受信している場合は、上記模擬状況そのもの又は上記模擬状況に類似する模擬状況をシナリオメモリ10へ追加する。また、被訓練者が苦手な模擬状況そのもの及び苦手な模擬状況に類似する模擬情報の双方を追加するようにしてもよい。
被訓練者が苦手な模擬状況に類似する模擬状況をシナリオメモリ10へ追加する場合は、例えば、入力解析装置11が、模擬状況ごとに、予め類似する模擬状況を保持しておき、訓練中の被訓練者が苦手な模擬状況が判明した際に、その模擬状況に類似する模擬状況を抽出し、抽出した類似する模擬状況の詳細を情報処理装置1に送信するようにする。
なお、模擬状況のシナリオメモリへの追加は、図10を用いて後述する。
【0083】
ついで、ステップS306を行うが、これは、図3のステップS104と同一である。
【0084】
ついで、ステップS307において、情報処理装置1は、シナリオメモリ10を読み込み、模擬状況を更新する。なお、シナリオメモリ10の読込みについては、図12を用いて後述するが、ステップS305においてシナリオメモリ10に模擬状況が追加されている場合は、シミュレーション実施部105は追加された模擬状況のシミュレーションを行う。
【0085】
ついで、ステップS308とステップS309を行うが、これらは、それぞれ図3のステップS106とステップS107と同一である。
【0086】
ついで、ステップS310において、情報処理装置1は、現在時刻に模擬周期を足して現在時刻を更新し、上記更新した現在時刻を入力解析装置11へ送信し、ステップS303へ戻る。
【0087】
最後に、ステップS311において、シナリオメモリ管理部112は、ステップS305にて模擬状況の追加があった場合、シナリオメモリ10の内容を図2に示した訓練シナリオのフォーマットでファイルに出力し、訓練のための模擬処理を終了する。
【0088】
次に、図10を用いてシナリオメモリ10の構成と訓練シナリオ103のロードと模擬状況の追加とについて説明する。
以下の説明は、図9のステップS302における訓練シナリオ103のシナリオメモリ10へのロードの動作と図9のステップS305の模擬状況のシナリオメモリ10への追加に該当する。
【0089】
まず、図10(a)によりシナリオメモリの基本構造を説明する。
図10(a)は、シナリオメモリ10の構成要素であるエレメントを示している。
図10(a)において、301は、エレメントであり、302から306は、エレメント301を構成するセルである。
また、セル302からセル305は、それぞれ訓練シナリオ103の各行の第1要素から第4要素に対応していて、セル306は、シナリオメモリ10における自身の次のエレメントを指し示すポインタである。
【0090】
シナリオメモリ10は、図10(a)のエレメント301がセル306において次のエレメントを指し示すことにより図10(c)や図11(d)のようなリスト構造を成す。
【0091】
ついで、図10(b)と図10(c)により、シナリオメモリのロードについて説明する。
図10(b)は、シナリオメモリ管理部112が図2に示した訓練シナリオ103の先頭行を読み込んだ後のシナリオメモリ10の状態を示している。
シナリオメモリ管理部112は、訓練シナリオ103を開き、先頭の1行を読み込んで、エレメント301を生成し、セル302からセル305へそれぞれ上記先頭行の第1要素から第4要素をコピーする。
【0092】
図10(c)は、シナリオメモリ管理部112が図2に示した訓練シナリオ103の先頭行に続いて第2行を読み込んだ後のシナリオメモリ10の状態を示している。
シナリオメモリ管理部112は、訓練シナリオ103の第2行を読み込んで、エレメント311を生成し、セル312からセル315へそれぞれ上記第2行の第1要素から第4要素をコピーする。さらに、シナリオメモリ管理部112は、現在のシナリオメモリ10の最終エレメントであるエレメント301のセル306にエレメント302のアドレスを格納する。
【0093】
以降は、以上の繰り返しで、シナリオメモリ管理部112は、訓練シナリオ103から1行読み込み、エレメントを生成し、上記エレメントの各セルに読み込んだ行の第1要素から第4要素を格納し、読込以前に作成していたシナリオメモリ10の最終エレメントのセル306に上記生成したエレメントのアドレスを格納する。
【0094】
図11(d)は、以上の手順で図2に示した訓練シナリオ103を先頭行から最終行まで読み込んだ後のシナリオメモリ10の状態を示している。
エレメント301から3F1は、図2に示した訓練シナリオ103の行と同じ順序のリストになる。
【0095】
次に、図12を用いて、シナリオメモリ管理部112が、入力解析装置11から受信した被訓練者が苦手とする模擬状況をシナリオメモリ10に追加する際の動作を説明する。
図12において、3a1から3e1は、シナリオメモリ10のエレメントであり、3a2から3d2及び3e2は各エレメントにおける第1要素(時刻)を格納するセルである。
なお、図12では、情報処理装置1が時刻「5」のときに、入力解析装置11から被訓練者の苦手とする状況として「状況7」を受信し、模擬状況を付与する際の時刻幅が「5」であるときを例としている。
【0096】
図12(a)は、受信部109が入力解析装置11から「状況7」を受信したときのシナリオメモリ10の例である。
【0097】
始めに、シナリオメモリ管理部112は、入力解析装置11から被訓練者が苦手とする状況を受信すると、新しくエレメントを作成し、セルに値を格納する。
図12(b)は、受信部109が入力解析装置11から「状況7」を受信したときに新規作成したエレメントである。
シナリオメモリ管理部112は、入力解析装置11から被訓練者が苦手とする模擬状況を受信すると、現在時刻に訓練実施前に管理端末5から操作者が指定した模擬状況を追加する際の時刻幅を足した時刻を上記追加する模擬状況を付与する時刻とし、新たにエレメント3e1を生成し、セル3e2から3e5に値を設定する。
【0098】
ついで、情報処理装置1は、上記エレメント3e1をシナリオメモリ10において、第1要素が昇順となるような場所に挿入する。
具体的には、エレメント3e1の第1要素は「10」であり、図12(a)のシナリオメモリ10では、エレメント3a1の第1要素が「5」、エレメント3b1と3c1の第1要素がともに「10」、エレメント3d1の第1要素が「11」であるので、シナリオメモリ管理部112は、エレメント3e1をエレメント3c1とエレメント3d1の間に挿入する。
図12(c)が上記の手順で更新されたシナリオメモリ10である。
以上のようにして、情報処理装置1は、入力解析装置11から被訓練者が苦手とする状況を受信すると、苦手な模擬状況又は苦手な模擬状況に類似する模擬状況をシナリオメモリ10に追加していく。
【0099】
次に、図13を用いて、シミュレーション実施部105がシナリオメモリ10を読み込む際の動作について説明する。
図13は、シミュレーション実施部105でのシナリオメモリ10の読込動作をフローチャートで示したものであり、図9のステップS307に該当する内容である。
なお、実施の形態1から実施の形態3と同一である部分については、説明を省略する。
【0100】
始めに、ステップS501において、情報処理装置1のシミュレーション実施部105は、メモリカウンタが示すシナリオメモリ10のエレメントの第1要素から第4要素を読み込む。
【0101】
ついで、ステップS402において、シミュレーション実施部105は、読み込んだ第1要素が現在時刻より過去の時刻であるか否かを判定する。
上記第1要素が現在時刻より未来の時刻である場合(S402でNo)、処理を終了する。
【0102】
上記第1要素が現在時刻より過去の時刻である場合(S402でYes)、シミュレーション実施部105は、ステップS403の処理を行うが、これは、図4のステップS204の処理と同一である。
また、続いて、シミュレーション実施部105がステップS404の処理を行い、又は対応付け処理部106がステップS405の処理を行うが、これらは、それぞれ図4のステップS205とステップS206の処理と同一である。
【0103】
ついで、ステップS406において、シミュレーション実施部105は、現在アクセスしているエレメントの次エレメントの値を参照し、メモリカウンタを現在アクセスしているエレメントの次のエレメントにする。
【0104】
この実施の形態によれば、訓練の実施中に被訓練者の苦手とする状況を繰り返し訓練することができる。
【0105】
また、この実施の形態によれば、訓練中に変更された訓練シナリオを用いた訓練を繰り返し実施できる。
【0106】
以上、本実施の形態では、入力解析装置を追加して、訓練シナリオと訓練端末から受信した被訓練者の入力内容とを比較して、被訓練者が苦手とする状況を検出すること、
被訓練者が苦手とする状況を情報処理装置に通知することを説明した。
また、本実施の形態では、情報処理装置にシナリオメモリを追加して、訓練シナリオをシナリオメモリに展開すること、
上記シナリオメモリに基づいて模擬を行うこと、入力解析装置から受信した被訓練者が苦手とする状況をシナリオメモリに追加すること、訓練終了後のシナリオメモリの内容をファイルに出力することを説明した。
【0107】
なお、以上では、航空機、艦船等の移動物体や、基地、レーダサイト等の地上設備を模擬対象とし、模擬対象の移動、探知、交戦及び交戦後の被害評価を模擬するシミュレーションを対象として説明を行ったが、実施の形態1〜4が対象とするシミュレーションはこれに限らず、例えば、自動車等の運転を模擬するシミュレーション、気候変動を模擬するシミュレーション、災害等を模擬するシミュレーション、経済動向を模擬するシミュレーション等であってもよい。
また、以上の説明では、被訓練者を訓練するためのシミュレーションを対象として説明したが、実施の形態1〜4の適用対象は、訓練目的でないシミュレーションであってもよい。
【0108】
最後に、実施の形態1〜4に示した情報処理装置1のハードウェア構成例について説明する。
図16は、実施の形態1〜4に示す情報処理装置1のハードウェア資源の一例を示す図である。
なお、図16の構成は、あくまでも情報処理装置1のハードウェア構成の一例を示すものであり、情報処理装置1のハードウェア構成は図16に記載の構成に限らず、他の構成であってもよい。
【0109】
図16において、情報処理装置1は、プログラムを実行するCPU911(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。
CPU911は、バス912を介して、例えば、ROM(Read Only Memory)913、RAM(Random Access Memory)914、通信ボード915、表示装置901、キーボード902、マウス903、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。
更に、CPU911は、FDD904(Flexible Disk Drive)、コンパクトディスク装置905(CDD)、プリンタ装置906、スキャナ装置907と接続していてもよい。また、磁気ディスク装置920の代わりに、光ディスク装置、メモリカード(登録商標)読み書き装置などの記憶装置でもよい。
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、FDD904、CDD905、磁気ディスク装置920の記憶媒体は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶装置の一例である。
通信ボード915、キーボード902、マウス903、スキャナ装置907、FDD904などは、入力装置の一例である。
また、通信ボード915、表示装置901、プリンタ装置906などは、出力装置の一例である。
【0110】
通信ボード915は、図1に示すように、ネットワークに接続されている。例えば、通信ボード915は、LAN(ローカルエリアネットワーク)、インターネット、WAN(ワイドエリアネットワーク)、SAN(ストレージエリアネットワーク)などに接続されていても構わない。
【0111】
磁気ディスク装置920には、オペレーティングシステム921(OS)、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。
プログラム群923のプログラムは、CPU911がオペレーティングシステム921、ウィンドウシステム922を利用しながら実行する。
【0112】
また、RAM914には、CPU911に実行させるオペレーティングシステム921のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。
また、RAM914には、CPU911による処理に必要な各種データが格納される。
【0113】
また、ROM913には、BIOS(Basic Input Output System)プログラムが格納され、磁気ディスク装置920にはブートプログラムが格納されている。
情報処理装置1の起動時には、ROM913のBIOSプログラム及び磁気ディスク装置920のブートプログラムが実行され、BIOSプログラム及びブートプログラムによりオペレーティングシステム921が起動される。
【0114】
上記プログラム群923には、実施の形態1〜4の説明において「〜部」として説明している機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
【0115】
ファイル群924には、実施の形態1〜4の説明において、「〜の判断」、「〜の計算」、「〜の比較」、「〜の評価」、「〜の解析」、「〜の更新」、「〜の設定」、「〜の登録」、「〜の選択」等として説明している処理の結果を示す情報やデータや信号値や変数値やパラメータが、「〜ファイル」や「〜データベース」の各項目として記憶されている。
「〜ファイル」や「〜データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・編集・出力・印刷・表示などのCPUの動作に用いられる。
抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・編集・出力・印刷・表示のCPUの動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリ、レジスタ、キャッシュメモリ、バッファメモリ等に一時的に記憶される。
また、実施の形態1〜4で説明しているフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示し、データや信号値は、RAM914のメモリ、FDD904のフレキシブルディスク、CDD905のコンパクトディスク、磁気ディスク装置920の磁気ディスク、その他光ディスク、ミニディスク、DVD等の記録媒体に記録される。また、データや信号は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
【0116】
また、実施の形態1〜4の説明において「〜部」として説明しているものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。すなわち、「〜部」として説明しているものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等の記録媒体に記憶される。プログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。すなわち、プログラムは、実施の形態1〜4の「〜部」としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、実施の形態1〜4の「〜部」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
【0117】
このように、実施の形態1〜4に示す情報処理装置1は、処理装置たるCPU、記憶装置たるメモリ、磁気ディスク等、入力装置たるキーボード、マウス、通信ボード等、出力装置たる表示装置、通信ボード等を備えるコンピュータであり、上記したように「〜部」として示された機能をこれら処理装置、記憶装置、入力装置、出力装置を用いて実現するものである。
【符号の説明】
【0118】
1 情報処理装置、5 管理端末、6 訓練端末、7 ネットワーク、8 ログ解析装置、9 訓練シナリオ更新装置、10 シナリオメモリ、11 入力解析装置、101 制御部、102 記憶部、103 訓練シナリオ、104 訓練ログ、105 シミュレーション実施部、106 対応付け処理部、107 タイマー、108 送信部、109 受信部、110 ログ解析部、111 訓練シナリオ更新部、112 シナリオメモリ管理部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の状況をシミュレートする装置に関し、特に、航空機、艦船等の移動物体や、基地、レーダサイト等の地上設備を模擬対象とし、これらの模擬対象の動作等を模擬し、被訓練者に模擬状況を提示して、それぞれの模擬状況に対する適切な対処方法を訓練させる訓練装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の訓練装置では、訓練の終了後に被訓練者の入力の妥当性を検証する際、被訓練者と検証担当者とが検証の場に立ち会い、訓練を実施したときのログを先頭行から解析し、実施済みの訓練の内容を逐次再現している。
また、従来の訓練装置では、訓練のシナリオが訓練の開始から終了まで固定的である(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−295746号公報(第10頁、第11頁、第11図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の方式による被訓練者の入力の妥当性の検証では、被訓練者の数、訓練時間、登場する訓練状況の数が大きくなるにつれ、検証時間も大きくなり、被訓練者の入力が妥当でないと判定されても、被訓練者が当該入力内容や当時の状況を正確に記憶しておらず、期待する訓練効果を得られないという課題がある。
また、訓練後に被訓練者が苦手とする状況を把握しても、上記状況に対する再訓練を行うのに、再度訓練シナリオを作成しなおす労力が必要であるという課題がある。
【0005】
本発明は、係る課題を解決することを主な目的としており、訓練終了後のログ解析に代表される被訓練者の応答状況の解析時間を短縮するとともに、被訓練者が苦手とする状況の検出といった被訓練者の特性の把握を容易にし、また、被訓練者が苦手とする状況に対する再訓練を容易にすることを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施の形態に係る情報処理装置は、
シミュレーションの利用者が用いる入力装置に接続されている情報処理装置であって、
複数の模擬状況が模擬状況間の順序とともに記述され、模擬状況ごとに、模擬状況への応答として要求される内容が要求応答内容として記述されるシミュレーションシナリオ情報を記憶するシミュレーションシナリオ情報記憶部と、
前記シミュレーションシナリオ情報に記述されている順序に従って各模擬状況のシミュレーションが行われると、各模擬状況への応答として前記利用者により前記入力装置に入力された入力情報を前記入力装置から受信する入力情報受信部と、
シミュレーションシナリオ情報の模擬状況ごとに、前記入力情報受信部により受信された入力情報と、シミュレーションシナリオ情報の要求応答内容とを対応付ける対応付け処理部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
このように本発明によれば、模擬状況ごとに、利用者により入力された入力情報と、シミュレーションシナリオ情報に記述されている要求応答内容とを対応付けるため、利用者の入力情報と要求される要求応答内容との比較を容易にすることができ、これにより、利用者の応答状況の解析時間を短縮することができ、また、利用者の特性を効率的に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態1による訓練装置の構成例を説明するための図である。
【図2】実施の形態1による訓練シナリオのフォーマット例を説明するための図である。
【図3】実施の形態1による訓練装置の動作例を説明するための図である。
【図4】実施の形態1による訓練装置の訓練シナリオの読込動作の例を説明するための図である。
【図5】実施の形態2による訓練装置の構成例を説明するための図である。
【図6】実施の形態2による訓練ログの出力イメージの例を説明するための図である。
【図7】実施の形態3による訓練装置の構成例を説明するための図である。
【図8】実施の形態4による訓練装置の構成例を説明するための図である。
【図9】実施の形態4による訓練装置の動作例を説明するための図である。
【図10】実施の形態4によるシナリオメモリの構成例及び動作例を説明するための図である。
【図11】実施の形態4によるシナリオメモリの構成例及び動作例を説明するための図である。
【図12】実施の形態4によるシナリオメモリの動作例を説明するための図である。
【図13】実施の形態4による訓練装置のシナリオメモリの読込動作の例を説明するための図である。
【図14】実施の形態3による訓練装置の他の構成例を説明するための図である。
【図15】実施の形態4による訓練装置の他の構成例を説明するための図である。
【図16】実施の形態1〜4による情報処理装置のハードウェア構成例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
本実施の形態及び以降の実施の形態では、航空機、艦船等の移動物体や、基地、レーダサイト等の地上設備を模擬対象とし、模擬対象の移動、探知、交戦及び交戦後の被害評価を、事前に入力されている模擬対象の諸元データ及び算法を用いて模擬し、上記模擬の結果を被訓練者(訓練を受ける者、シミュレーションの利用者)が使用する訓練端末に表示し、被訓練者が上記表示内容に応じて対処方法を思考、判断し、上記判断の結果を上記訓練端末に入力し、上記入力に基づいて再度模擬対象の移動、探知、交戦及び交戦後の被害評価を模擬し、上記模擬の結果を上記訓練端末に表示することを繰り返して、被訓練者の作戦立案活動の訓練を行うための訓練装置を説明する。
【0010】
以下、図1から図4を用いて実施の形態1に係る訓練装置を説明する。
図1は、実施の形態1による訓練装置の構成を示している。
訓練装置は、情報処理装置1、管理端末5及び訓練端末6により構成される。
【0011】
情報処理装置1は、模擬対象である航空機、艦船等の移動物体や、基地、レーダサイト等の地上設備の模擬処理に必要な諸元データ及び模擬算法を保存している。
上記諸元データには、例えば、模擬対象毎の移動速度、探知可能範囲がある。
また、上記模擬算法は、模擬対象の移動については、模擬対象の移動速度と移動時間の積により模擬対象の位置を一定時間間隔で更新するものであり、模擬対象の探知については、模擬対象の更新後の位置に基づく相互の距離が各模擬対象の探知可能範囲よりも短いか否かを判定するものである。
その他交戦と交戦後の被害評価についても、事前に模擬算法を定義して保存している。 情報処理装置1は、上記諸元データ及び模擬算法を保存し、それらを使用して一定の時間間隔で模擬対象の模擬処理を行う。
なお、情報処理装置1は、処理装置1とも表記する。
【0012】
また、情報処理装置1は、記憶部102を有し、訓練で使用する複数の訓練シナリオ103と、訓練中の被訓練者の入力や付与した模擬状況等を記録した訓練ログ104を保存している。
訓練シナリオ103は、シミュレーションのシナリオが記述された情報であり、より具体的には、複数の模擬状況が模擬状況間の順序とともに記述され、模擬状況ごとに、模擬状況への応答として要求される内容が要求応答内容として記述される。模擬状況とは、シミュレーションにより模擬される状態、環境、場面、動作、設定であり、模擬対象の移動、探知、交戦、交戦後の被害評価等を含む。また、訓練シナリオ103には、要求応答内容とともに、被訓練者に要求される応答タイミングが要求応答タイミングとして記述されている。訓練シナリオ103はシミュレーションシナリオ情報の例である。
訓練ログ104は、訓練ログが生成される元となった訓練シナリオ103と関連付けられて保存されている。
訓練シナリオ103と訓練ログ104の関連付けは、例えば、訓練シナリオ103と関連する訓練ログ104を同じ記憶部102のディレクトリに保存する方法や、関連する訓練シナリオ103と訓練ログ104とでファイル名に同じ文字列を含むようにする方法がある。
なお、記憶部102は、シミュレーションシナリオ情報記憶部及びシミュレーションログ記憶部の例である。
【0013】
また、情報処理装置1において、制御部101は、情報処理装置1の構成要素の各々の制御を行う。
【0014】
シミュレーション実施部105は、訓練シナリオ103に従って模擬状況のシミュレーションを実施する。より具体的には、シミュレーション実施部105は、模擬対象の移動、探知、交戦及び交戦後の被害評価を、訓練シナリオ103の記述、被訓練者の入力内容、事前に入力されている模擬対象の諸元データ及び算法を用いて模擬する。
【0015】
受信部109は、管理端末5及び訓練端末6から情報を受信する。
例えば、受信部109は、シミュレーション実施部105により訓練シナリオ103に記述されている順序に従って各模擬状況のシミュレーションが行われると、各模擬状況への応答として被訓練者により訓練端末6に入力された入力情報を訓練端末6から受信する。
また、受信部109は、入力情報とともに、被訓練者により訓練端末6に入力情報が入力された入力時刻の通知を受信する。
また、受信部109は、管理端末5から訓練シミュレーションを開始するための各種制御情報を受信する。
受信部109は、入力情報受信部の例である。
【0016】
対応付け処理部106は、訓練シナリオ103の模擬状況ごとに、受信部109により受信された入力情報と、訓練シナリオ103の要求応答内容とを対応付けて訓練ログ104に書き込む。
このとき、対応付け処理部106は、入力情報と訓練シナリオ103の要求応答内容との対応付けとともに、入力情報の入力時刻を訓練シナリオ103の要求応答タイミングと対応付けて訓練ログ104に書き込む。
【0017】
タイマー107は、時刻を計時する。
【0018】
送信部108は、管理端末5及び訓練端末6に情報を送信する。
例えば、送信部108は、シミュレーション実施部105での模擬処理の結果(模擬状況を示す情報)を訓練端末6に送信する。
また、送信部108は、訓練終了後に、訓練ログ104を管理端末5に送信する。
【0019】
管理端末5と訓練端末6は、情報処理装置1とネットワーク7を介して接続している。
【0020】
管理端末5は、被訓練者でない情報処理装置1の操作者が使用する端末で、上記操作者は、訓練実施前に訓練シナリオと模擬周期と訓練終了時刻とを指定する。
模擬周期とは、情報処理装置1における処理周期である。
管理端末5が上記操作者指定の訓練シナリオと模擬周期と訓練終了時刻とを、ネットワーク7を介して情報処理装置1に通知すると、情報処理装置1では、訓練のための模擬処理を開始する。
【0021】
また、上記操作者は、訓練実施後に情報処理装置1に保存している訓練ログ104を、ネットワーク7を介して取得し、上記訓練ログ104を管理端末5にて参照する。
【0022】
訓練端末6は、被訓練者が訓練実施中に使用する端末で、情報処理装置1と協調して動作する。
訓練中、訓練端末6は、情報処理装置1で実施している模擬処理の結果を、上記模擬周期毎に受信し表示する。
また、訓練端末6は、上記訓練端末を使用する被訓練者が上記訓練端末に入力する模擬対象の移動方向の変更指示等の入力内容を情報処理装置1へ送信する。
訓練端末6から被訓練者の入力内容を受信した情報処理装置1は、上記入力内容に基づいて模擬処理を行い、処理結果を訓練端末6へ送信する。
訓練端末6は、入力装置の例である。
【0023】
次に、図2を用いて訓練シナリオ103の内容を説明する。
図2は、実施の形態1による訓練装置で使用する訓練シナリオ103のファイルフォーマットの一例を示している。
訓練シナリオは、ファイルの各行が情報処理装置1での処理単位であり、各行は、訓練中に実施する模擬状況の付与を示すものと、各模擬状況における理想とする入力内容を示すものの2種類の記述がある。
訓練シナリオファイルの各行は、カンマで4つの要素に区切られる。
【0024】
各行の第1要素は、その行を処理すべきタイミングを表し、その値は、訓練開始からの経過時間となる。
【0025】
ついで、各行の第2要素は、その行が情報処理装置1での模擬状況の付与であるか、各模擬状況における理想とする入力内容(要求応答内容)であるかの区別を表すものである。
図では、例として前者の場合を「状況」、後者の場合を「入力開始」又は「入力終了」と記載し、以下の説明でもその例を使用するが、それぞれを区別可能な範囲において任意の文字でよい。
【0026】
ついで、第3要素は、模擬状況の付与又は理想とする入力内容(要求応答内容)のどちらかの具体的な内容になる。
第2要素が模擬処理に対する模擬状況の付与を示すものであれば、例えば「航空機3機がA基地を発進」という模擬状況を表すものとなり、第2要素が各模擬状況における理想とする入力内容(要求応答内容)の場合には、例えば「航空機の進行方向を真北に変更する」という被訓練者の入力を表す内容になる。
【0027】
最後に、第4要素は、第2要素が模擬状況における理想とする入力内容(要求応答内容)の場合に有効な要素で、上記理想とする入力内容と関連する模擬状況を示すものである。
上記第4要素に設定される値は、上記理想とする入力内容(要求応答内容)と関連する模擬状況が訓練シナリオにおいて記載されている行の第1要素と同じ値である。
例えば、図2の第5行では、第4要素が「t4」となっているので、この行の入力内容が対象とする模擬状況は、第1要素が「t4」である行に記載されている状況、すなわち図2の第4行の「状況2」となる。
【0028】
また、訓練シナリオ103では、被訓練者に要請される模擬状況に対する応答タイミングが示される。つまり、第2要素に「入力開始」とある行と第2要素に「入力終了」とある行の間の時間が、被訓練者に要請される応答タイミングであり、被訓練者はこの時間内に模擬状況に対して適切な応答を行う必要がある。
図2の例では、例えば、2行目と3行目は、ともに第4要素が「t1」となっており、1行目の「状況1」に対応しており、2行目には第2要素に「入力開始」が記述され、3行目には第2要素に「入力終了」が記述されている。被訓練者は、「状況1」に対して、「t2」と「t3」の間に適切な応答を行うことが必要とされる。
【0029】
次に、図3を用いて本実施の形態の動作について説明する。
図3は、訓練装置の動作をフローチャートで示したものである。
情報処理装置1では、各種の処理を実施しているが、ここでは訓練シナリオの読込処理及び訓練ログの出力処理を中心に説明する。
【0030】
始めに、ステップS101において、管理端末5で訓練開始のための操作を行い、情報処理装置1へ内容を通知する。
具体的には、管理端末5では、操作者の操作により訓練に使用する訓練シナリオと模擬処理の周期と訓練終了時刻とを設定し、その後、上記設定内容を情報処理装置1へ通知する。
【0031】
ついで、ステップS102において、情報処理装置1の受信部109が上記訓練に使用する訓練シナリオ103と上記模擬処理の周期と訓練終了時刻とを受信すると、制御部101が、タイマー107の現在時刻を「0」に設定し、また、行カウンタを「1」に設定し、訓練ログを新規に作成し、バブルソート等の算法を用いて上記訓練に使用する訓練シナリオの各行をその第1要素の昇順で並べ替えて記憶部102に保存し(シミュレーションシナリオ情報管理ステップ)、シミュレーション実施部105が、訓練のための模擬処理を開始する。
【0032】
ついで、ステップS103において、情報処理装置1のシミュレーション実施部105は、現在時刻が訓練終了時刻に達しているか否かを判定する。
現在時刻が訓練終了時刻に達している場合には、シミュレーション実施部105は、模擬処理を終了し、訓練を終了する。
【0033】
現在時刻が訓練終了時刻に達していない場合(S103でYES)、ステップS104において、シミュレーション実施部105は、訓練端末6での被訓練者の入力内容に基づいて情報処理装置1の模擬状況を更新する。
訓練端末6では、表示している模擬状況に応じて、被訓練者が模擬状況への対応方法を思考、判断し、上記判断結果を入力する。
訓練端末6は、上記被訓練者の入力内容と入力時刻を、ネットワーク7を介して情報処理装置1へ送信する。
情報処理装置1では、受信部109が、被訓練者の入力内容と入力時刻を受信し(入力情報受信ステップ)、シミュレーション実施部105が、訓練端末6から受信した上記被訓練者の入力内容を確認し、模擬状況を被訓練者の入力内容に基づいて更新する。
このとき、対応付け処理部106は、上記訓練端末から送信された被訓練者の入力内容と入力時刻を対象となる模擬状況の理想とする入力内容と入力タイミングに対応付けて訓練ログ104に書き込む(対応付け処理ステップ)。
訓練ログ104は、例えば、図6に示す形式となる。
図6の詳細は実施の形態2において説明するが、図6の訓練ログ104では、例えば、「状況1」に対して、「理想入力1」が記述され、また、「状況1」に対する被訓練者の入力内容が「被訓練者の入力1」として「理想入力1」に対応付けて書き込まれている。また、「理想入力1」の「入力開始」タイミング(時刻t2)と「入力終了」タイミング(時刻t3)の間の時刻tAに「被訓練者の入力1」が書き込まれており、応答が要求されるタイミングと実際に被訓練者が応答を入力した入力時刻が対応付けられている。
【0034】
なお、訓練端末6における被訓練者の入力は、任意のタイミングで発生するので、訓練端末6から情報処理装置1への上記被訓練者の入力内容の送信も任意のタイミングで行う。
一方、情報処理装置1での受信確認処理は、模擬周期毎にステップS104において実施する。
【0035】
ついで、ステップS105において、情報処理装置1のシミュレーション実施部105は、訓練シナリオファイルを読み込んで、読込結果に基づいて模擬状況を更新する。訓練シナリオファイル読込の詳細については、図4を用いて後述する。
【0036】
ついで、ステップS106において、情報処理装置1のシミュレーション実施部105は、事前に保存してある模擬対象毎の算法に基づいて、模擬対象の移動、探知、交戦及び交戦による被害評価を模擬し、模擬状況を更新する。
【0037】
ついで、ステップS107において、情報処理装置1の送信部108が、更新後の模擬状況を訓練端末6へ送信する。
【0038】
ついで、ステップS108において、シミュレーション実施部105は、現在時刻に模擬周期を足して現在時刻を更新し、ステップS103に戻る。
【0039】
次に、図4を用いてシミュレーション実施部105が訓練シナリオ103を読み込む際の動作を説明する。
図4は、シミュレーション実施部105での訓練シナリオの読込動作をフローチャートで示したものであり、図3のステップS105に該当する内容である。
【0040】
始めに、ステップS201において、情報処理装置1のシミュレーション実施部105は、訓練シナリオ103を開く。
【0041】
ついで、ステップS202において、シミュレーション実施部105は、行番号が行カウンタと同じである行を1行読み込む。これは、例えば、行カウンタが5であった場合、訓練シナリオの第5行を読み込むものである。
【0042】
ついで、ステップS203において、シミュレーション実施部105は、読み込んだ行の第1要素が現在時刻より過去の時刻であるか否かを判定する。
上記第1要素が現在時刻より未来の時刻である場合(S203でNo)、ステップS208へ遷移する。
【0043】
上記第1要素が現在時刻より過去の時刻である場合(S203でYes)、ステップS204において、シミュレーション実施部105は、読み込んだ行の第2要素により読み込んだ行が模擬状況の付与を示すものか模擬状況における理想とする入力内容を示すものかを弁別する。
具体的には、第2要素が「状況」である場合には、読み込んだ行が模擬状況の付与を示すと判断し、第2要素が「入力開始」又は「入力終了」である場合には、読み込んだ行が模擬状況における理想とする入力内容であると判断する。
【0044】
読み込んだ行が模擬状況の付与を示すものである場合、ステップS205において、シミュレーション実施部105は、第3要素にしたがって模擬状況を更新する。
具体的には、例えば、上記読み込んだ行の第3要素が「航空機3機がA基地を発進」という状況を表すものであるとすると、シミュレーション実施部105は、模擬状況においてA基地から航空機3機を発進させ、処理中の模擬対象に上記航空機3機を追加する。
また、このとき、シミュレーション実施部105は対応付け処理部106に通知し、対応付け処理部106が、読み込まれた行の第1要素と第3要素とを訓練ログ104に出力し、ステップS207へ遷移する。
【0045】
また、読み込んだ行が模擬状況における理想とする入力内容を示すものである場合、シミュレーション実施部105は対応付け処理部106に通知し、ステップS206において、対応付け処理部106が、読み込まれた行の第1要素から第4要素までを訓練ログ104に出力し、ステップS207へ遷移する。
【0046】
ステップS207において、情報処理装置1は、行カウンタを1増やし、ステップS202へ戻る。
【0047】
ステップS208において、情報処理装置1は、開いていた訓練シナリオ103を閉じ、訓練シナリオファイルの読込動作を終了する。
【0048】
このように本実施の形態では、訓練シナリオの模擬状況ごとに、理想とする入力内容(要求応答内容)と被訓練者により入力された入力内容(入力情報)を対応付けて訓練ログに書き込む。
このため、本実施の形態によれば、被訓練者の入力内容と訓練シナリオに記載されている理想とする入力内容とを同一の訓練ログで比較することができる。
また、被訓練者の入力内容と理想とする入力内容とを同一の訓練ログで比較できるため、被訓練者の応答状況の解析時間を短縮することができ、また、被訓練者が苦手とする状況の検出といった被訓練者の特性の把握を効率的に行うことができる。
【0049】
以上、本実施の形態では、訓練シナリオに各模擬状況に対する理想的な入力内容及びタイミングも記述し、また、理想的な内容及びタイミングを訓練ログに記録することを説明した。
【0050】
実施の形態2.
本実施の形態では、訓練シナリオに状況と各状況に対する理想とする入力内容及びタイミングを追記するとともに、さらにログ解析部により訓練実施後のログ解析を自動で行い、被訓練者が苦手とする状況を自動的に検出できるようにする例を説明する。
【0051】
以降に、図5から図6を用いて実施の形態2について説明する。
なお、前述した実施の形態1と同じ部分は、同じ符号で示し、説明を省略する。
【0052】
図5は、実施の形態2による訓練装置の構成を示している。
図5において、ログ解析部110は、記憶部102から訓練ログ104を取得する。また、ログ解析部110は、上記訓練ログを解析する。
具体的には、ログ解析部110は、模擬状況ごとに、訓練ログ104に記憶されている被訓練者の入力内容と理想とする入力内容(要求応答内容)とを照合し、また、被訓練者の入力時刻と理想とする応答タイミング(要求応答タイミング)とを照合し、被訓練者による各模擬状況に対する応答状況を評価する。そして、ログ解析部110は、被訓練者の苦手とする状況を検出すると、ネットワーク7を介して上記被訓練者の苦手とする状況を管理端末5へ送信する。
管理端末5では、上記検出結果を受信すると、受信した内容を画面に表示する。
なお、ログ解析部110は、応答評価部の例である。
【0053】
続いて、図6を用いてログ解析部110における訓練ログ104の解析について説明する。
図6は、情報処理装置1に保存している訓練ログ104の例を表形式で示したものである。
図6では、例えば、時刻t2が「状況1」に対する「理想入力1」の入力開始時刻となっていて、時刻t3が上記理想入力の入力終了時刻となっている。さらに、時刻tAに「被訓練者の入力1」が行われている。
【0054】
ここで、上記「被訓練者の入力1」が「理想入力1」と同一である場合は、ログ解析部110は、被訓練者が「状況1」を苦手としていないと判定するが、同一でない場合は、ログ解析部110は、被訓練者が状況1を苦手としていると判定し、判定結果を管理端末5へネットワーク7を介して送信する。
【0055】
また、時刻t5と時刻t6の間には、被訓練者の入力が含まれていないため、ログ解析部110は、被訓練者が「状況2」を苦手としていると判定し、判定結果を管理端末5へネットワーク7を介して送信する。
【0056】
このように、本実施の形態によれば、被訓練者の苦手とする状況を自動で把握することができる。
【0057】
以上、本実施の形態では、ログ解析部を追加して、訓練ログの解析を自動で行い、理想とする入力内容及びタイミングと実際の入力内容及びタイミングとの差によって被訓練者が苦手とする状況を自動で検出することを説明した。
【0058】
なお、本実施の形態では、情報処理装置1内のログ解析部110が訓練ログ104を解析して、被訓練者の苦手な状況を判定したが、例えば、図14に示すように、情報処理装置1とネットワーク7で接続されたログ解析装置8が情報処理装置1から訓練ログ104を受信し、訓練ログ104を解析して被訓練者の苦手な状況を判定するようにしてもよい。
図14の構成では、ログ解析装置8が応答評価部の例となる。
【0059】
実施の形態3.
本実施の形態では、訓練シナリオ更新部により訓練シナリオにおける各状況に対する理想とする入力タイミングを訓練実績に基づいて更新するようにし、実態に応じた指標に基づいて被訓練者の苦手とする状況を判定し、訓練シナリオに自動的に反映し、訓練効果を向上させる例を説明する。
【0060】
以降、図7を用いて実施の形態3について説明する。
なお、前述した実施の形態1及び実施の形態2と同じ部分は、同じ符号で示し、説明を省略する。
【0061】
図7は、実施の形態3による訓練装置の構成を示している。
図7において、訓練シナリオ更新部111は、記憶部102から訓練シナリオ103及び訓練ログ104を取得する。その際、訓練シナリオ103と訓練ログ104との関連付けを保持するように取得する。
また、訓練シナリオ更新部111は、上記訓練シナリオ103及び訓練ログ104を用いて、訓練シナリオ103を更新し、更新した訓練シナリオ103を記憶部102へ格納する。
より具体的には、訓練シナリオ更新部111は、模擬状況ごとに、訓練ログ104に記述されている被訓練者の入力時刻と訓練シナリオ103に記述されている理想とされる応答タイミング(要求応答タイミング)とを照合し、入力時刻に基づいて理想とされる応答タイミング(要求応答タイミング)を変更し、変更後の応答タイミングを訓練シナリオ103に書き込んで、訓練シナリオ103の応答タイミングを更新する。
訓練シナリオ更新部111は、タイミング変更部の例である。
【0062】
次に、訓練シナリオ更新部111における訓練シナリオの更新について説明する。
訓練シナリオ更新部111は、訓練シナリオ103を読み込んで、各模擬状況に対する理想とする入力の開始と終了のタイミングを取得する。
続いて、訓練シナリオ更新部111は、上記訓練シナリオ4に基づいて実施した訓練の訓練ログ104を読み込んで、被訓練者が実施した入力タイミングを取得する。
このとき、有効データとして取得するのは、先に訓練シナリオから取得している理想とする入力タイミングの開始と終了の範囲に入っているデータとする。
また、訓練ログ104には複数人の被訓練者の訓練記録が存在し、訓練シナリオ更新部111は、模擬状況ごとに、複数人の被訓練者の入力タイミングを取得する。
【0063】
ある訓練シナリオ103に関連付けられるすべての訓練ログ104の読込みが終了すると、訓練シナリオ更新部111は、模擬状況ごとに、有効データとして取得した複数人の被訓練者の入力タイミングから最早のものと最遅のものとを取得し、上記最早の入力タイミングを理想とする入力タイミングの新たな開始時刻とし、上記最遅の入力タイミングを理想とする入力タイミングの新たな終了時刻とし、上記に基づいて訓練シナリオを更新し、更新した訓練シナリオを記憶部102に格納する。
【0064】
あるいは、訓練シナリオ更新部111は、模擬状況ごとに、有効データとして取得した複数人の被訓練者が実施した入力タイミングの最頻時刻を中心時刻とし、上記中心時刻と最早タイミングとの差と、上記中心時刻と最遅タイミングとの差のうち、小さいほうを範囲の時刻幅として、理想とする入力タイミングの新たな開始時刻を上記中心時刻から上記時刻幅を引いたものとし、理想とする入力タイミングの新たな終了時刻を上記中心時刻に上記時刻幅を加えたものとする方法もある。
【0065】
あるいは、他の統計的手法により、新たに理想とする入力タイミングの開始時刻と終了時刻を決定してもよい。
【0066】
本実施の形態では、このように複数人の被訓練者が実際に応答を入力した入力タイミングに対応させて理想とする応答タイミングを変更するので、訓練シナリオに記載した理想とする入力タイミングを実態に応じた値に自動で更新することができる。
【0067】
また、この実施の形態によれば、理想とする入力タイミングを実際の訓練結果に基づいて設定できるので、訓練を繰り返すにつれて入力タイミングのずれによる苦手の判定を実態に応じた値で実施できる。
【0068】
本実施の形態では、訓練シナリオ更新部を追加して、訓練ログの解析により、訓練シナリオに記載した各状況に対する理想とする入力タイミングを自動で更新することを説明した。
【0069】
なお、本実施の形態では、情報処理装置1内の訓練シナリオ更新部111が訓練シナリオ103と訓練ログ104を解析して理想とする入力タイミングを更新することとしたが、例えば、図15に示すように、情報処理装置1とネットワーク7で接続された訓練シナリオ更新装置9が情報処理装置1から訓練シナリオ103と訓練ログ104を受信し、訓練シナリオ103と訓練ログ104を解析して理想とする入力タイミングを更新するようにしてもよい。
図15の構成では、訓練シナリオ更新装置9がタイミング変更部の例となる。
【0070】
実施の形態4.
本実施の形態では、入力解析装置により、訓練実施中に被訓練者の苦手とする状況を判定し、上記苦手とする状況を訓練中に訓練シナリオに追加して、さらに訓練効果を高める例を説明する。
【0071】
以降、図8から図12を用いて実施の形態4について説明する。
なお、前述した実施の形態1から実施の形態3と同じ部分は、同じ符号で示し、説明を省略する。
【0072】
図8は、実施の形態4による訓練装置の構成の一例を示している。
【0073】
図8において、シナリオメモリ10は、情報処理装置1において、訓練対象となる訓練シナリオ103の内容を保持するものである。
【0074】
また、シナリオメモリ管理部112は、シナリオメモリ10を管理し、また、シミュレーション実施部105によりシミュレーションが行われている際に、所定の模擬状況をシミュレーションに追加するようシミュレーション実施部105に指示する。
シナリオメモリ管理部112は、例えば、模擬状況ごとに被訓練者の入力情報の内容と理想とする入力内容(要求応答内容)とが照合された結果、入力情報の内容が理想とする入力内容(要求応答内容)と相違する相違模擬状況が存在する場合に、相違模擬状況そのもの又は相違模擬状況に類似する新たな模擬状況の追加をシミュレーション実施部105に指示する。または、シナリオメモリ管理部112は、模擬状況ごとに被訓練者の入力時刻と理想とする入力タイミング(要求応答タイミング)とが照合された結果、入力時刻が理想とする入力タイミング(要求応答タイミング)に適合しないタイミング非適合模擬状況が存在する場合に、タイミング非適合模擬状況そのもの又はタイミング非適合模擬状況に類似する新たな模擬状況の追加をシミュレーション実施部105に指示する。
シナリオメモリ管理部112は、シミュレーション指示部の例である。
そして、本実施の形態では、シミュレーション実施部105は、シナリオメモリ管理部112からの指示に基づき、訓練シナリオ103に記述されている順序におけるいずれかの順序位置に追加の模擬状況を入れて、追加の模擬状況のシミュレーションを行う。
【0075】
入力解析装置11は、訓練実施前には、情報処理装置1から訓練対象となる訓練シナリオ103を受信する。
また、入力解析装置11は、訓練実施中には、情報処理装置1から模擬周期毎に現在時刻を受信し、訓練端末6から被訓練者の入力内容を受信し、上記訓練シナリオ4に記載された各模擬状況における理想とする入力内容及びタイミングと、上記被訓練者の入力内容及びタイミングとを比較し、各模擬状況において、上記理想とする入力内容が上記理想とする入力タイミング内で被訓練者により実行されなかった場合、被訓練者が上記模擬状況を苦手とすると判定し、上記模擬状況を情報処理装置1へ通知する。
【0076】
訓練端末6は、被訓練者の入力内容を情報処理装置1と入力解析装置11へ送信する。
【0077】
次に、図9を用いて実施の形態4の動作について説明する。
なお、実施の形態1から実施の形態3と同一である部分については、説明を省略する。
【0078】
始めに、ステップS301において、管理端末5で訓練開始のための操作を行い、情報処理装置1へ内容を通知する。
具体的には、管理端末5では、操作者の操作により訓練に使用する訓練シナリオと模擬処理の周期と模擬状況を追加する際の時刻幅と訓練終了時刻とを設定し、上記設定内容を情報処理装置1へ通知する。
【0079】
ついで、ステップ302において、情報処理装置1の受信部109が訓練に使用する訓練シナリオ103と上記模擬処理の周期と訓練終了時刻とを受信すると、制御部101が、タイマー107の現在時刻を「0」に設定し、バブルソート等の算法を用いて上記訓練に使用する訓練シナリオの各行をその第1要素の昇順で並べ替えて記憶部102に保存し、また、シナリオメモリ管理部112が、訓練シナリオ103をシナリオメモリ10へロードする。
また、制御部101が、メモリカウンタを上記シナリオメモリ10の先頭に設定し、訓練ログを新規に作成し、シミュレーション実施部105が、訓練のための模擬処理を開始する。
なお、訓練シナリオ103をシナリオメモリ10へロードする際の動作については、図10を用いて後述する。
【0080】
ついで、ステップS303において、情報処理装置1のシミュレーション実施部105は、現在時刻が訓練終了時刻に達しているか否かを判定する。
現在時刻が訓練終了時刻に達している場合には、ステップS311へ遷移する。そうでない場合は、ステップS304へ遷移する。
【0081】
現在時刻が訓練終了時刻に達していない場合(S303でYES)、ステップS304において、入力解析装置11は、訓練端末6から受信する被訓練者の入力内容と情報処理装置1から受信する訓練シナリオ103とから、被訓練者が苦手とする模擬状況を判定し、情報処理装置1へ通知する。
入力解析装置11は、上記訓練シナリオ103から各模擬状況における理想とする入力内容及びタイミングを事前に抽出している。訓練実施中、入力解析装置11は、情報処理装置1から現在時刻を模擬周期毎に受信し、訓練端末6から被訓練者の入力内容を受信しているので、上記理想とする入力タイミングに被訓練者が訓練端末6にて上記理想とする入力内容を入力したか否かを判定できる。判定結果が否の場合、入力解析装置11は、被訓練者が上記模擬状況を苦手であると判定し、情報処理装置1へ上記模擬状況を通知する。
被訓練者が苦手であると判定する模擬状況は、前述したように、被訓練者の入力内容と理想とする入力内容が相違している模擬状況(相違模擬状況)や、被訓練者からの応答の入力時刻が理想とする応答タイミングに適合していない(入力が遅い又は入力がない)模擬状況(タイミング非適合模擬状況)である。
【0082】
ついで、ステップS305において、情報処理装置1のシナリオメモリ管理部112は、入力解析装置11からの模擬状況の通知の有無を確認し、入力解析装置11から被訓練者が苦手とする模擬状況を受信している場合は、上記模擬状況そのもの又は上記模擬状況に類似する模擬状況をシナリオメモリ10へ追加する。また、被訓練者が苦手な模擬状況そのもの及び苦手な模擬状況に類似する模擬情報の双方を追加するようにしてもよい。
被訓練者が苦手な模擬状況に類似する模擬状況をシナリオメモリ10へ追加する場合は、例えば、入力解析装置11が、模擬状況ごとに、予め類似する模擬状況を保持しておき、訓練中の被訓練者が苦手な模擬状況が判明した際に、その模擬状況に類似する模擬状況を抽出し、抽出した類似する模擬状況の詳細を情報処理装置1に送信するようにする。
なお、模擬状況のシナリオメモリへの追加は、図10を用いて後述する。
【0083】
ついで、ステップS306を行うが、これは、図3のステップS104と同一である。
【0084】
ついで、ステップS307において、情報処理装置1は、シナリオメモリ10を読み込み、模擬状況を更新する。なお、シナリオメモリ10の読込みについては、図12を用いて後述するが、ステップS305においてシナリオメモリ10に模擬状況が追加されている場合は、シミュレーション実施部105は追加された模擬状況のシミュレーションを行う。
【0085】
ついで、ステップS308とステップS309を行うが、これらは、それぞれ図3のステップS106とステップS107と同一である。
【0086】
ついで、ステップS310において、情報処理装置1は、現在時刻に模擬周期を足して現在時刻を更新し、上記更新した現在時刻を入力解析装置11へ送信し、ステップS303へ戻る。
【0087】
最後に、ステップS311において、シナリオメモリ管理部112は、ステップS305にて模擬状況の追加があった場合、シナリオメモリ10の内容を図2に示した訓練シナリオのフォーマットでファイルに出力し、訓練のための模擬処理を終了する。
【0088】
次に、図10を用いてシナリオメモリ10の構成と訓練シナリオ103のロードと模擬状況の追加とについて説明する。
以下の説明は、図9のステップS302における訓練シナリオ103のシナリオメモリ10へのロードの動作と図9のステップS305の模擬状況のシナリオメモリ10への追加に該当する。
【0089】
まず、図10(a)によりシナリオメモリの基本構造を説明する。
図10(a)は、シナリオメモリ10の構成要素であるエレメントを示している。
図10(a)において、301は、エレメントであり、302から306は、エレメント301を構成するセルである。
また、セル302からセル305は、それぞれ訓練シナリオ103の各行の第1要素から第4要素に対応していて、セル306は、シナリオメモリ10における自身の次のエレメントを指し示すポインタである。
【0090】
シナリオメモリ10は、図10(a)のエレメント301がセル306において次のエレメントを指し示すことにより図10(c)や図11(d)のようなリスト構造を成す。
【0091】
ついで、図10(b)と図10(c)により、シナリオメモリのロードについて説明する。
図10(b)は、シナリオメモリ管理部112が図2に示した訓練シナリオ103の先頭行を読み込んだ後のシナリオメモリ10の状態を示している。
シナリオメモリ管理部112は、訓練シナリオ103を開き、先頭の1行を読み込んで、エレメント301を生成し、セル302からセル305へそれぞれ上記先頭行の第1要素から第4要素をコピーする。
【0092】
図10(c)は、シナリオメモリ管理部112が図2に示した訓練シナリオ103の先頭行に続いて第2行を読み込んだ後のシナリオメモリ10の状態を示している。
シナリオメモリ管理部112は、訓練シナリオ103の第2行を読み込んで、エレメント311を生成し、セル312からセル315へそれぞれ上記第2行の第1要素から第4要素をコピーする。さらに、シナリオメモリ管理部112は、現在のシナリオメモリ10の最終エレメントであるエレメント301のセル306にエレメント302のアドレスを格納する。
【0093】
以降は、以上の繰り返しで、シナリオメモリ管理部112は、訓練シナリオ103から1行読み込み、エレメントを生成し、上記エレメントの各セルに読み込んだ行の第1要素から第4要素を格納し、読込以前に作成していたシナリオメモリ10の最終エレメントのセル306に上記生成したエレメントのアドレスを格納する。
【0094】
図11(d)は、以上の手順で図2に示した訓練シナリオ103を先頭行から最終行まで読み込んだ後のシナリオメモリ10の状態を示している。
エレメント301から3F1は、図2に示した訓練シナリオ103の行と同じ順序のリストになる。
【0095】
次に、図12を用いて、シナリオメモリ管理部112が、入力解析装置11から受信した被訓練者が苦手とする模擬状況をシナリオメモリ10に追加する際の動作を説明する。
図12において、3a1から3e1は、シナリオメモリ10のエレメントであり、3a2から3d2及び3e2は各エレメントにおける第1要素(時刻)を格納するセルである。
なお、図12では、情報処理装置1が時刻「5」のときに、入力解析装置11から被訓練者の苦手とする状況として「状況7」を受信し、模擬状況を付与する際の時刻幅が「5」であるときを例としている。
【0096】
図12(a)は、受信部109が入力解析装置11から「状況7」を受信したときのシナリオメモリ10の例である。
【0097】
始めに、シナリオメモリ管理部112は、入力解析装置11から被訓練者が苦手とする状況を受信すると、新しくエレメントを作成し、セルに値を格納する。
図12(b)は、受信部109が入力解析装置11から「状況7」を受信したときに新規作成したエレメントである。
シナリオメモリ管理部112は、入力解析装置11から被訓練者が苦手とする模擬状況を受信すると、現在時刻に訓練実施前に管理端末5から操作者が指定した模擬状況を追加する際の時刻幅を足した時刻を上記追加する模擬状況を付与する時刻とし、新たにエレメント3e1を生成し、セル3e2から3e5に値を設定する。
【0098】
ついで、情報処理装置1は、上記エレメント3e1をシナリオメモリ10において、第1要素が昇順となるような場所に挿入する。
具体的には、エレメント3e1の第1要素は「10」であり、図12(a)のシナリオメモリ10では、エレメント3a1の第1要素が「5」、エレメント3b1と3c1の第1要素がともに「10」、エレメント3d1の第1要素が「11」であるので、シナリオメモリ管理部112は、エレメント3e1をエレメント3c1とエレメント3d1の間に挿入する。
図12(c)が上記の手順で更新されたシナリオメモリ10である。
以上のようにして、情報処理装置1は、入力解析装置11から被訓練者が苦手とする状況を受信すると、苦手な模擬状況又は苦手な模擬状況に類似する模擬状況をシナリオメモリ10に追加していく。
【0099】
次に、図13を用いて、シミュレーション実施部105がシナリオメモリ10を読み込む際の動作について説明する。
図13は、シミュレーション実施部105でのシナリオメモリ10の読込動作をフローチャートで示したものであり、図9のステップS307に該当する内容である。
なお、実施の形態1から実施の形態3と同一である部分については、説明を省略する。
【0100】
始めに、ステップS501において、情報処理装置1のシミュレーション実施部105は、メモリカウンタが示すシナリオメモリ10のエレメントの第1要素から第4要素を読み込む。
【0101】
ついで、ステップS402において、シミュレーション実施部105は、読み込んだ第1要素が現在時刻より過去の時刻であるか否かを判定する。
上記第1要素が現在時刻より未来の時刻である場合(S402でNo)、処理を終了する。
【0102】
上記第1要素が現在時刻より過去の時刻である場合(S402でYes)、シミュレーション実施部105は、ステップS403の処理を行うが、これは、図4のステップS204の処理と同一である。
また、続いて、シミュレーション実施部105がステップS404の処理を行い、又は対応付け処理部106がステップS405の処理を行うが、これらは、それぞれ図4のステップS205とステップS206の処理と同一である。
【0103】
ついで、ステップS406において、シミュレーション実施部105は、現在アクセスしているエレメントの次エレメントの値を参照し、メモリカウンタを現在アクセスしているエレメントの次のエレメントにする。
【0104】
この実施の形態によれば、訓練の実施中に被訓練者の苦手とする状況を繰り返し訓練することができる。
【0105】
また、この実施の形態によれば、訓練中に変更された訓練シナリオを用いた訓練を繰り返し実施できる。
【0106】
以上、本実施の形態では、入力解析装置を追加して、訓練シナリオと訓練端末から受信した被訓練者の入力内容とを比較して、被訓練者が苦手とする状況を検出すること、
被訓練者が苦手とする状況を情報処理装置に通知することを説明した。
また、本実施の形態では、情報処理装置にシナリオメモリを追加して、訓練シナリオをシナリオメモリに展開すること、
上記シナリオメモリに基づいて模擬を行うこと、入力解析装置から受信した被訓練者が苦手とする状況をシナリオメモリに追加すること、訓練終了後のシナリオメモリの内容をファイルに出力することを説明した。
【0107】
なお、以上では、航空機、艦船等の移動物体や、基地、レーダサイト等の地上設備を模擬対象とし、模擬対象の移動、探知、交戦及び交戦後の被害評価を模擬するシミュレーションを対象として説明を行ったが、実施の形態1〜4が対象とするシミュレーションはこれに限らず、例えば、自動車等の運転を模擬するシミュレーション、気候変動を模擬するシミュレーション、災害等を模擬するシミュレーション、経済動向を模擬するシミュレーション等であってもよい。
また、以上の説明では、被訓練者を訓練するためのシミュレーションを対象として説明したが、実施の形態1〜4の適用対象は、訓練目的でないシミュレーションであってもよい。
【0108】
最後に、実施の形態1〜4に示した情報処理装置1のハードウェア構成例について説明する。
図16は、実施の形態1〜4に示す情報処理装置1のハードウェア資源の一例を示す図である。
なお、図16の構成は、あくまでも情報処理装置1のハードウェア構成の一例を示すものであり、情報処理装置1のハードウェア構成は図16に記載の構成に限らず、他の構成であってもよい。
【0109】
図16において、情報処理装置1は、プログラムを実行するCPU911(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。
CPU911は、バス912を介して、例えば、ROM(Read Only Memory)913、RAM(Random Access Memory)914、通信ボード915、表示装置901、キーボード902、マウス903、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。
更に、CPU911は、FDD904(Flexible Disk Drive)、コンパクトディスク装置905(CDD)、プリンタ装置906、スキャナ装置907と接続していてもよい。また、磁気ディスク装置920の代わりに、光ディスク装置、メモリカード(登録商標)読み書き装置などの記憶装置でもよい。
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、FDD904、CDD905、磁気ディスク装置920の記憶媒体は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶装置の一例である。
通信ボード915、キーボード902、マウス903、スキャナ装置907、FDD904などは、入力装置の一例である。
また、通信ボード915、表示装置901、プリンタ装置906などは、出力装置の一例である。
【0110】
通信ボード915は、図1に示すように、ネットワークに接続されている。例えば、通信ボード915は、LAN(ローカルエリアネットワーク)、インターネット、WAN(ワイドエリアネットワーク)、SAN(ストレージエリアネットワーク)などに接続されていても構わない。
【0111】
磁気ディスク装置920には、オペレーティングシステム921(OS)、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。
プログラム群923のプログラムは、CPU911がオペレーティングシステム921、ウィンドウシステム922を利用しながら実行する。
【0112】
また、RAM914には、CPU911に実行させるオペレーティングシステム921のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。
また、RAM914には、CPU911による処理に必要な各種データが格納される。
【0113】
また、ROM913には、BIOS(Basic Input Output System)プログラムが格納され、磁気ディスク装置920にはブートプログラムが格納されている。
情報処理装置1の起動時には、ROM913のBIOSプログラム及び磁気ディスク装置920のブートプログラムが実行され、BIOSプログラム及びブートプログラムによりオペレーティングシステム921が起動される。
【0114】
上記プログラム群923には、実施の形態1〜4の説明において「〜部」として説明している機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
【0115】
ファイル群924には、実施の形態1〜4の説明において、「〜の判断」、「〜の計算」、「〜の比較」、「〜の評価」、「〜の解析」、「〜の更新」、「〜の設定」、「〜の登録」、「〜の選択」等として説明している処理の結果を示す情報やデータや信号値や変数値やパラメータが、「〜ファイル」や「〜データベース」の各項目として記憶されている。
「〜ファイル」や「〜データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・編集・出力・印刷・表示などのCPUの動作に用いられる。
抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・編集・出力・印刷・表示のCPUの動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリ、レジスタ、キャッシュメモリ、バッファメモリ等に一時的に記憶される。
また、実施の形態1〜4で説明しているフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示し、データや信号値は、RAM914のメモリ、FDD904のフレキシブルディスク、CDD905のコンパクトディスク、磁気ディスク装置920の磁気ディスク、その他光ディスク、ミニディスク、DVD等の記録媒体に記録される。また、データや信号は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
【0116】
また、実施の形態1〜4の説明において「〜部」として説明しているものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。すなわち、「〜部」として説明しているものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等の記録媒体に記憶される。プログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。すなわち、プログラムは、実施の形態1〜4の「〜部」としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、実施の形態1〜4の「〜部」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
【0117】
このように、実施の形態1〜4に示す情報処理装置1は、処理装置たるCPU、記憶装置たるメモリ、磁気ディスク等、入力装置たるキーボード、マウス、通信ボード等、出力装置たる表示装置、通信ボード等を備えるコンピュータであり、上記したように「〜部」として示された機能をこれら処理装置、記憶装置、入力装置、出力装置を用いて実現するものである。
【符号の説明】
【0118】
1 情報処理装置、5 管理端末、6 訓練端末、7 ネットワーク、8 ログ解析装置、9 訓練シナリオ更新装置、10 シナリオメモリ、11 入力解析装置、101 制御部、102 記憶部、103 訓練シナリオ、104 訓練ログ、105 シミュレーション実施部、106 対応付け処理部、107 タイマー、108 送信部、109 受信部、110 ログ解析部、111 訓練シナリオ更新部、112 シナリオメモリ管理部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シミュレーションの利用者が用いる入力装置に接続されている情報処理装置であって、
複数の模擬状況が模擬状況間の順序とともに記述され、模擬状況ごとに、模擬状況への応答として要求される内容が要求応答内容として記述されるシミュレーションシナリオ情報を記憶するシミュレーションシナリオ情報記憶部と、
前記シミュレーションシナリオ情報に記述されている順序に従って各模擬状況のシミュレーションが行われると、各模擬状況への応答として前記利用者により前記入力装置に入力された入力情報を前記入力装置から受信する入力情報受信部と、
シミュレーションシナリオ情報の模擬状況ごとに、前記入力情報受信部により受信された入力情報と、シミュレーションシナリオ情報の要求応答内容とを対応付ける対応付け処理部とを有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記シミュレーションシナリオ情報記憶部は、
模擬状況ごとに、要求応答内容が記述されるとともに、要求される応答タイミングが要求応答タイミングとして記述されるシミュレーションシナリオ情報を記憶し、
前記入力情報受信部は、
前記利用者により前記入力装置に入力情報が入力された入力時刻の通知を前記入力装置から受信し、
前記対応付け処理部は、
シミュレーションシナリオ情報の模擬状況ごとに、前記入力情報受信部により受信された入力情報とシミュレーションシナリオ情報の要求応答内容とを対応付けるとともに、前記入力情報受信部により受信された入力時刻とシミュレーションシナリオ情報の要求応答タイミングとを対応付けることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報処理装置は、更に、
前記対応付け処理部により対応付けられた入力情報と要求応答内容、および入力時刻と要求応答タイミングを、模擬状況ごとに記憶するシミュレーションログ記憶部を有することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報処理装置は、更に、
模擬状況ごとに、前記シミュレーションログ記憶部に記憶されている入力情報の内容と要求応答内容とを照合し、入力時刻と要求応答タイミングとを照合し、前記利用者による各模擬状況に対する応答状況を評価する応答評価部を有することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記応答評価部は、
入力情報の内容が要求応答内容と相違する模擬状況、および入力時刻が要求応答タイミングに適合しない模擬状況の少なくともいずれかを抽出することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報処理装置は、更に、
模擬状況ごとに、前記シミュレーションログ記憶部に記憶されている入力時刻とシミュレーションシナリオ情報の要求応答タイミングとを照合し、入力時刻に基づいて、シミュレーションシナリオ情報の要求応答タイミングを変更するタイミング変更部を有し、
前記シミュレーションシナリオ情報記憶部は、
前記タイミング変更部により要求応答タイミングが変更された後のシミュレーションシナリオ情報を記憶することを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記シミュレーションログ記憶部は、
模擬状況ごとに、複数の利用者の入力情報の入力時刻を記憶しており、
前記タイミング変更部は、
模擬状況ごとに、前記シミュレーションログ記憶部に記憶されている複数の利用者の入力時刻とシミュレーションシナリオ情報の要求応答タイミングとを照合し、複数の利用者の入力時刻に基づいて、シミュレーションシナリオ情報の要求応答タイミングを変更することを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記情報処理装置は、更に、
前記シミュレーションシナリオ情報に記述されている模擬状況の順序に従ってシミュレーションを行うシミュレーション実施部と、
前記シミュレーション実施部によりシミュレーションが行われている際に、所定の模擬状況をシミュレーションに追加するよう前記シミュレーション実施部に指示するシミュレーション指示部を有し、
前記シミュレーション実施部は、
前記シミュレーション指示部からの指示に基づき、前記シミュレーションシナリオ情報に記述されている順序におけるいずれかの順序位置に追加の模擬状況を入れて、追加の模擬状況のシミュレーションを行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記シミュレーション指示部は、
模擬状況ごとに、入力情報の内容と要求応答内容とが照合された結果、入力情報の内容が要求応答内容と相違する相違模擬状況が存在する場合に、相違模擬状況及び相違模擬状況に類似する模擬状況の少なくともいずれかをシミュレーションに追加するよう前記シミュレーション実施部に指示することを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記シミュレーション指示部は、
追加の模擬状況を、相違模擬状況の次の順序位置において行うよう前記シミュレーション実施部に指示し、
前記シミュレーション実施部は、
前記シミュレーション指示部からの指示に基づき、追加の模擬状況を前記相違模擬状況の次の順序位置に入れて、追加の模擬状況のシミュレーションを行うことを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記シミュレーション指示部は、
模擬状況ごとに、前記利用者により入力情報が前記入力装置に入力された入力時刻と要求される応答タイミングである要求応答タイミングとが照合された結果、入力時刻が要求応答タイミングに適合しないタイミング非適合模擬状況が存在する場合に、タイミング非適合模擬状況及びタイミング非適合模擬状況に類似する模擬状況の少なくともいずれかをシミュレーションに追加するよう前記シミュレーション実施部に指示することを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記シミュレーション指示部は、
追加の模擬状況を、タイミング非適合模擬状況の次の順序位置において行うよう前記シミュレーション実施部に指示し、
前記シミュレーション実施部は、
前記シミュレーション指示部からの指示に基づき、追加の模擬状況を前記タイミング非適合模擬状況の次の順序位置に入れて、追加の模擬状況のシミュレーションを行うことを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
シミュレーションの利用者が用いる入力装置に接続されているコンピュータが行う情報処理方法であって、
前記コンピュータが、複数の模擬状況が模擬状況間の順序とともに記述され、模擬状況ごとに、模擬状況への応答として要求される内容が要求応答内容として記述されるシミュレーションシナリオ情報を管理するシミュレーションシナリオ情報管理ステップと、
前記シミュレーションシナリオ情報に記述されている順序に従って各模擬状況のシミュレーションが行われると、前記コンピュータが、各模擬状況への応答として前記利用者により前記入力装置に入力された入力情報を前記入力装置から受信する入力情報受信ステップと、
前記コンピュータが、シミュレーションシナリオ情報の模擬状況ごとに、前記入力情報受信ステップにより受信された入力情報と、シミュレーションシナリオ情報の要求応答内容とを対応付ける対応付け処理ステップとを有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項14】
シミュレーションの利用者が用いる入力装置に接続されているコンピュータに、
複数の模擬状況が模擬状況間の順序とともに記述され、模擬状況ごとに、模擬状況への応答として要求される内容が要求応答内容として記述されるシミュレーションシナリオ情報を管理するシミュレーションシナリオ情報管理処理と、
前記シミュレーションシナリオ情報に記述されている順序に従って各模擬状況のシミュレーションが行われると、各模擬状況への応答として前記利用者により前記入力装置に入力された入力情報を前記入力装置から受信する入力情報受信処理と、
シミュレーションシナリオ情報の模擬状況ごとに、前記入力情報受信処理により受信された入力情報と、シミュレーションシナリオ情報の要求応答内容とを対応付ける対応付け処理とを実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
シミュレーションの利用者が用いる入力装置に接続されている情報処理装置であって、
複数の模擬状況が模擬状況間の順序とともに記述され、模擬状況ごとに、模擬状況への応答として要求される内容が要求応答内容として記述されるシミュレーションシナリオ情報を記憶するシミュレーションシナリオ情報記憶部と、
前記シミュレーションシナリオ情報に記述されている順序に従って各模擬状況のシミュレーションが行われると、各模擬状況への応答として前記利用者により前記入力装置に入力された入力情報を前記入力装置から受信する入力情報受信部と、
シミュレーションシナリオ情報の模擬状況ごとに、前記入力情報受信部により受信された入力情報と、シミュレーションシナリオ情報の要求応答内容とを対応付ける対応付け処理部とを有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記シミュレーションシナリオ情報記憶部は、
模擬状況ごとに、要求応答内容が記述されるとともに、要求される応答タイミングが要求応答タイミングとして記述されるシミュレーションシナリオ情報を記憶し、
前記入力情報受信部は、
前記利用者により前記入力装置に入力情報が入力された入力時刻の通知を前記入力装置から受信し、
前記対応付け処理部は、
シミュレーションシナリオ情報の模擬状況ごとに、前記入力情報受信部により受信された入力情報とシミュレーションシナリオ情報の要求応答内容とを対応付けるとともに、前記入力情報受信部により受信された入力時刻とシミュレーションシナリオ情報の要求応答タイミングとを対応付けることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報処理装置は、更に、
前記対応付け処理部により対応付けられた入力情報と要求応答内容、および入力時刻と要求応答タイミングを、模擬状況ごとに記憶するシミュレーションログ記憶部を有することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報処理装置は、更に、
模擬状況ごとに、前記シミュレーションログ記憶部に記憶されている入力情報の内容と要求応答内容とを照合し、入力時刻と要求応答タイミングとを照合し、前記利用者による各模擬状況に対する応答状況を評価する応答評価部を有することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記応答評価部は、
入力情報の内容が要求応答内容と相違する模擬状況、および入力時刻が要求応答タイミングに適合しない模擬状況の少なくともいずれかを抽出することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報処理装置は、更に、
模擬状況ごとに、前記シミュレーションログ記憶部に記憶されている入力時刻とシミュレーションシナリオ情報の要求応答タイミングとを照合し、入力時刻に基づいて、シミュレーションシナリオ情報の要求応答タイミングを変更するタイミング変更部を有し、
前記シミュレーションシナリオ情報記憶部は、
前記タイミング変更部により要求応答タイミングが変更された後のシミュレーションシナリオ情報を記憶することを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記シミュレーションログ記憶部は、
模擬状況ごとに、複数の利用者の入力情報の入力時刻を記憶しており、
前記タイミング変更部は、
模擬状況ごとに、前記シミュレーションログ記憶部に記憶されている複数の利用者の入力時刻とシミュレーションシナリオ情報の要求応答タイミングとを照合し、複数の利用者の入力時刻に基づいて、シミュレーションシナリオ情報の要求応答タイミングを変更することを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記情報処理装置は、更に、
前記シミュレーションシナリオ情報に記述されている模擬状況の順序に従ってシミュレーションを行うシミュレーション実施部と、
前記シミュレーション実施部によりシミュレーションが行われている際に、所定の模擬状況をシミュレーションに追加するよう前記シミュレーション実施部に指示するシミュレーション指示部を有し、
前記シミュレーション実施部は、
前記シミュレーション指示部からの指示に基づき、前記シミュレーションシナリオ情報に記述されている順序におけるいずれかの順序位置に追加の模擬状況を入れて、追加の模擬状況のシミュレーションを行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記シミュレーション指示部は、
模擬状況ごとに、入力情報の内容と要求応答内容とが照合された結果、入力情報の内容が要求応答内容と相違する相違模擬状況が存在する場合に、相違模擬状況及び相違模擬状況に類似する模擬状況の少なくともいずれかをシミュレーションに追加するよう前記シミュレーション実施部に指示することを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記シミュレーション指示部は、
追加の模擬状況を、相違模擬状況の次の順序位置において行うよう前記シミュレーション実施部に指示し、
前記シミュレーション実施部は、
前記シミュレーション指示部からの指示に基づき、追加の模擬状況を前記相違模擬状況の次の順序位置に入れて、追加の模擬状況のシミュレーションを行うことを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記シミュレーション指示部は、
模擬状況ごとに、前記利用者により入力情報が前記入力装置に入力された入力時刻と要求される応答タイミングである要求応答タイミングとが照合された結果、入力時刻が要求応答タイミングに適合しないタイミング非適合模擬状況が存在する場合に、タイミング非適合模擬状況及びタイミング非適合模擬状況に類似する模擬状況の少なくともいずれかをシミュレーションに追加するよう前記シミュレーション実施部に指示することを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記シミュレーション指示部は、
追加の模擬状況を、タイミング非適合模擬状況の次の順序位置において行うよう前記シミュレーション実施部に指示し、
前記シミュレーション実施部は、
前記シミュレーション指示部からの指示に基づき、追加の模擬状況を前記タイミング非適合模擬状況の次の順序位置に入れて、追加の模擬状況のシミュレーションを行うことを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
シミュレーションの利用者が用いる入力装置に接続されているコンピュータが行う情報処理方法であって、
前記コンピュータが、複数の模擬状況が模擬状況間の順序とともに記述され、模擬状況ごとに、模擬状況への応答として要求される内容が要求応答内容として記述されるシミュレーションシナリオ情報を管理するシミュレーションシナリオ情報管理ステップと、
前記シミュレーションシナリオ情報に記述されている順序に従って各模擬状況のシミュレーションが行われると、前記コンピュータが、各模擬状況への応答として前記利用者により前記入力装置に入力された入力情報を前記入力装置から受信する入力情報受信ステップと、
前記コンピュータが、シミュレーションシナリオ情報の模擬状況ごとに、前記入力情報受信ステップにより受信された入力情報と、シミュレーションシナリオ情報の要求応答内容とを対応付ける対応付け処理ステップとを有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項14】
シミュレーションの利用者が用いる入力装置に接続されているコンピュータに、
複数の模擬状況が模擬状況間の順序とともに記述され、模擬状況ごとに、模擬状況への応答として要求される内容が要求応答内容として記述されるシミュレーションシナリオ情報を管理するシミュレーションシナリオ情報管理処理と、
前記シミュレーションシナリオ情報に記述されている順序に従って各模擬状況のシミュレーションが行われると、各模擬状況への応答として前記利用者により前記入力装置に入力された入力情報を前記入力装置から受信する入力情報受信処理と、
シミュレーションシナリオ情報の模擬状況ごとに、前記入力情報受信処理により受信された入力情報と、シミュレーションシナリオ情報の要求応答内容とを対応付ける対応付け処理とを実行させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図10】
【図11】
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【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−160197(P2010−160197A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−777(P2009−777)
【出願日】平成21年1月6日(2009.1.6)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月6日(2009.1.6)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
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