説明

情報処理装置及び情報処理用プログラム

【課題】実際の手術の場面での安全をより万全とすることが可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】ガーゼが用いられる手術の進行において当該ガーゼの計数を終了しておくべきタイミングとして予め設定されているタイミング以前にその計数が終了していないとき、当該タイミング以前にガーゼの計数が終了していない旨の警告を告知する処理部50及びディスプレイ61等を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理用プログラムの技術分野に属する。より詳細には、手術室内における手術の安全管理のための情報処理装置及び当該情報処理装置用のプログラムの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、医学の多様化等の理由により、一般の病院における手術の需要性が従来よりも増している。そして言うまでもなく、一つ一つの手術はより安全に行われなければならない。このため、従来から種々の技術が研究・開発されている。
【0003】
このような要請に応えて開発された技術としては、例えば下記特許文献1に開示されているものがある。この特許文献1に開示されている技術は、各手術の予定や実際の手術における進捗を、当該予定にあっては手術全体の管理者が、また実際の手術の進捗にあっては実際に手術を行っている看護師や医師が入力し、それら入力結果をデータとして蓄積して統計的に処理/表示することとされている。特許文献1に開示されている技術は、複数の手術についてその予定と実績とを統計的に検討することにより、結果的に各手術の安全に寄与しようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−122174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、手術の安全は、上記特許文献1に開示されている技術のように統計的な面だけでなく、実際の手術の場面での安全が何よりも重要である。
【0006】
そこで、本発明は上記の要請に鑑みて為されたもので、その課題は、実際の手術の場面での安全をより万全とすることが可能な情報処理装置及び当該情報処理装置用のプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、手術用のガーゼの計数の終了を検出する処理部等の検出手段と、前記ガーゼが用いられる前記手術の進行において前記計数を終了しておくべきタイミングとして予め設定されている設定終了タイミングを示すタイミング情報を記憶する処理部等の記憶手段と、前記記憶されているタイミング情報に基づいて、前記設定終了タイミング以前に前記計数が終了しているか否かを判定する処理部等の判定手段と、前記設定終了タイミング以前に前記計数が終了していないとき、当該設定終了タイミング以前に当該計数が終了していない旨の警告を告知するディスプレイ等の告知手段と、を備える。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、設定終了タイミングを示すタイミング情報に基づいて、当該設定終了タイミング以前にガーゼの計数が終了していないとき、その旨を告知するので、ガーゼの計数及びそのタイミングに係る手術の安全管理を万全とすることができる。
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記手術における外回り看護師の交代の有無を検出する出入口カメラ等の第2検出手段を更に備え、前記タイミング情報は、前記交代が完了した後予め設定された時間経過後のタイミングを前記設定終了タイミングとして示すタイミング情報であるように構成される。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、外回り看護師の交代が完了した後予め設定された時間経過後のタイミングが設定終了タイミングとされているので、外回り看護師の交代時における引継業務の一環としてのガーゼの計数を確実に行わせることができる。
【0011】
上記の課題を解決するために、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の情報処理装置において、前記第2検出手段は、前記手術が行われる手術室の出入り口に備えられ、当該手術室に出入りする人を撮像して撮像情報を出力する出入口カメラ等の撮像手段と、前記出力された撮像情報に基づいて、前記交代の有無を検出する処理部等の交代検出手段と、を備える。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の作用に加えて、撮像手段からの撮像情報に基づいて外回り看護師の交代の有無を検出するので、外回り看護師の交代に伴うガーゼの計数を自動的に行わせることができる。
【0013】
上記の課題を解決するために、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記手術における閉創の開始を検出する無影灯カメラ等の第3検出手段を更に備え、前記タイミング情報は、前記閉創開始のタイミングを前記設定終了タイミングとして示すタイミング情報であるように構成される。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、手術における閉創開始のタイミングが設定終了タイミングとされているので、閉創前のガーゼの計数を確実に行わせることができる。
【0015】
上記の課題を解決するために、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の情報処理装置において、前記第3検出手段は、前記手術の術野を撮像して撮像情報を出力する無影灯カメラ等の撮像手段と、前記出力された撮像情報に基づいて、前記手術の施術者の手が前記術野から消失した後、予め設定された時間経過後に前記手が再度前記術野に入ってきたとき、前記閉創の開始を検出する処理部等の閉創検出手段と、を備える。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明の作用に加えて、撮像手段からの撮像情報に基づいて閉創の開始を検出するので、閉創の開始に伴うガーゼの計数を自動的に行わせることができる。
【0017】
上記の課題を解決するために請求項6に記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載の情報処理装置において、前記計数の終了を検出したタイミングから前記閉創の開始までの時間を検出する処理部等の時間検出手段と、前記検出された時間を、前記手術の施術者に対応付けて記憶する記憶部等の第2記憶手段と、を更に備える。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、請求項4又は請求項5に記載の発明の作用に加えて、ガーゼの計数終了を検出したタイミングから閉創の開始までの時間を検出し、施術者に対応付けて記憶するので、ガーゼの計数終了から閉創開始までの状況等を、手術実行者ごとに事後的に検証することができる。
【0019】
上記の課題を解決するために、請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記検出手段は、無線タグを備えた前記ガーゼを電気的に計数するガーゼカウンタ等の計数装置に備えられた計数終了ボタンが操作されたことを検出することにより前記終了を検出するように構成される。
【0020】
請求項7に記載の発明によれば、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、計数装置に備えられた計数終了ボタンが操作されたことを検出することによりガーゼの計数の終了を検出するので、手術の進捗に合わせてガーゼの計数終了を検出することができる。
【0021】
上記の課題を解決するために、請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記検出手段は、前記手術室への前記ガーゼの持ち込み数を計数するガーゼカウンタ等の持ち込み数計数手段と、使用済みの前記ガーゼの数を計数するガーゼカウンタ等の使用済み数計数手段と、未使用の前記ガーゼの数を計数するガーゼカウンタ等の未使用数計数手段と、を備え、前記検出手段は、前記計数された使用済み数と前記計数された未使用数との和が前記計数された持ち込み数に等しいとき、前記計数が終了したと検出するように構成される。
【0022】
請求項8に記載の発明によれば、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、使用済み数と未使用数との和が持ち込み数に等しいとき、ガーゼの計数が終了したと検出するので、確実にガーゼを計数することができる。
【0023】
上記の課題を解決するために、請求項9に記載の発明は、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記告知手段は、前記手術が行われる手術室外に前記警告を告知するように構成される。
【0024】
請求項9に記載の発明によれば、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、手術が行われる手術室外に警告を告知するので、ガーゼの計数に係る安全管理をより万全とすることができる。
【0025】
上記の課題を解決するために、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の情報処理装置において、前記告知手段は、前記手術に関連する医師待機室、看護師待機室、外来病棟、患者病棟、家族待機室、電源管理施設若しくは前記手術室が含まれる手術区画内の当該手術室以外の場所の少なくともいずれか一カ所に設置されている。
【0026】
請求項10に記載の発明によれば、請求項9に記載の発明の作用に加えて、医師待機室、看護師待機室、外来病棟、患者病棟、家族待機室、電源管理施設若しくは手術室が含まれる手術区画内の当該手術室以外の場所の少なくともいずれか一カ所に告知手段が設置されているので、病院全体として、ガーゼの計数に係る安全管理を広く且つ確実に行うことができる。
【0027】
上記の課題を解決するために、請求項11に記載の発明は、コンピュータを、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の情報処理装置における前記検出手段、前記記憶手段、前記判定手段及び、前記告知手段における告知を制御する告知制御手段として機能させる。
【0028】
請求項11に記載の発明によれば、設定終了タイミングを示すタイミング情報に基づいて、当該設定終了タイミング以前にガーゼの計数が終了していないとき、その旨を告知するようにコンピュータが機能するので、ガーゼの計数及びそのタイミングに係る手術の安全管理を万全とすることができる。
【発明の効果】
【0029】
請求項1又は請求項11に記載の発明によれば、ガーゼの計数及びそのタイミングに係る手術の安全管理を万全とすることができる。
【0030】
従って、実際の手術に用いられるガーゼに着目して当該手術としての安全管理を行うことで、実際の手術の場面での安全をより万全とすることが可能となる。
【0031】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、外回り看護師の交代時におけるガーゼの計数を確実に行わせることができる。
【0032】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の効果に加えて、外回り看護師の交代に伴うガーゼの計数を自動的に行わせることができる。
【0033】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、閉創前のガーゼの計数を確実に行わせることができる。
【0034】
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明の効果に加えて、閉創の開始に伴うガーゼの計数を自動的に行わせることができる。
【0035】
請求項6に記載の発明によれば、請求項4又は請求項5に記載の発明の効果に加えて、ガーゼの計数終了から閉創開始までの状況等を、手術実行者ごとに事後的に検証することができる。
【0036】
請求項7に記載の発明によれば、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、計数装置に備えられた計数終了ボタンが操作されたことを検出することによりガーゼの計数の終了を検出するので、手術の進捗に合わせてガーゼの計数終了を検出することができる。
【0037】
請求項8に記載の発明によれば、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、確実にガーゼを計数することができる。
【0038】
請求項9に記載の発明によれば、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、ガーゼの計数に係る安全管理をより万全とすることができる。
【0039】
請求項10に記載の発明によれば、請求項9に記載の発明の効果に加えて、病院全体として、ガーゼの計数に係る安全管理を広く且つ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】実施形態に係る告知装置の概要構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態に係る手術の進捗を例示するタイムチャートである。
【図3】実施形態に係る告知装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】実施形態に係る告知例を示す図(I)であり、(a)は初期状態を例示する図であり、(b)は第一の告知例を示す図であり、(c)は第二の告知例を示す図である。
【図5】実施形態に係る告知例を示す図(II)であり、(a)は第三の告知例を示す図であり、(b)は第四の告知例を示す図であり、(c)は第五の告知例を示す図である。
【図6】変形形態に係る表示画面例を示す図(I)である。
【図7】変形形態に係る表示画面例を示す図(II)である。
【図8】変形形態に係る表示画面例を示す図(III)である。
【図9】変形形態に係る表示画面例を示す図(IV)である。
【図10】変形形態に係る表示画面例を示す図(V)である。
【図11】変形形態に係る表示画面例を示す図(VI)である。
【図12】変形形態に係る表示画面例を示す図(VII)である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
(I)実施形態
初めに、本発明の実施形態について、図1乃至図5を用いて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、一又は複数の手術室を備える病院等内に設置され、当該各手術室内おいて実施される手術の進捗状況及び当該手術における安全管理状況を当該手術室外に告知するための告知装置に対して本発明を適用した場合の実施形態である。
【0042】
また、図1は実施形態に係る告知装置の概要構成を示すブロック図であり、図2は実施形態に係る手術の進捗を例示するタイムチャートであり、図3は当該告知装置の動作を示すフローチャートであり、図4及び図5は実施形態に係る告知例を夫々示す図である。
【0043】
図1に示すように、実施形態に係る告知装置Sは、手術室OP内に備えられた種々の手術用機械における電源スイッチの活殺の検出、当該手術用機械夫々における動作の開始/終了ボタンの操作の検出及び後述する各カメラにより撮像される映像等に基づき、その検出結果等に基づいて当該手術の進捗状況及び当該手術における安全管理状況をディスプレイ61等にリアルタイムに表示するものである。当該告知装置Sは、図1に示すように当該各手術用機械及び各カメラにインターフェース40を介して接続された検出手段の一例、判定手段の一例、告知手段の一例、記憶手段の一例及び閉創検出手段の一例としての処理部50と、例えば医師待機室60、看護師待機室65、外来病棟70、患者病棟75及び病院全体に係る電源管理施設80等に夫々設置された告知手段の一例としてのディスプレイ61、66、71、76及び81と、により構成されている。なお、上記医師待機室60、看護師待機室65、外来病棟70、患者病棟75及び電源管理施設80はディスプレイ61等の設置場所の一例である。ディスプレイ61等の設置場所については、実施形態に係る告知装置Sが設置される病院等における方針に基づき、例えば外来病棟70や患者病棟75を除いた手術棟内に限っても良い。
【0044】
より具体的に以下の実施形態では、上記手術用機械として、時計10と、エコー装置11と、無影灯12と、電気メス13と、バイポーラ14と、心電図モニタ15と、凝固切開装置16と、Aラインモニタ17と、洗浄・吸引装置18と、血圧モニタ19と、検出手段の一例、持ち込み数計数手段の一例、使用済み数計数手段の一例及び未使用数計数手段の一例としてのガーゼカウンタ20と、輸液ポンプ21と、レントゲン装置22と、輸液・輸血加温装置23と、空気圧迫装置24と、酸素飽和度測定モニタ25と、膀胱温モニタ26と、マット制御部27と、加温装置28と、麻酔装置29と、敷き布型のマット31と、掛け布型の体温保持器32と、が手術室OP内に備えられている場合について説明する。なおこのような手術用機械が備えられている手術室OPにおいて実施される手術としては、全身麻酔を行うような手術全般が当て嵌まるが、より具体的に例えば、胃切除術や開頭腫瘍摘出術等がある。また、実施形態に係る手術用機械として、いわゆる電子カルテ入出力装置を加えても良い。
【0045】
図1において、手術を受ける患者Pが手術台30上に横たえられている状態では、マット31が患者Pと手術台30との間に設置され、その温度がマット制御部27により手術ごと(又は手術の術式ごと)の適温に制御される。また体温保持器32は患者Pの身体の上から毛布のように掛ける形で設置され、その温度が手術ごと(又は手術の術式ごと)の適温に制御される。
【0046】
一方、バイポーラ14は電気メス13と同様の原理により切開部等の血液を必要に応じて凝固させる機械で、形態がピンセット状等の機械である。また凝固切開装置16は上記電気メス13による切開と同時に、その切開部からの出血を止める等のために当該切開部を凝固させると同時に縫合する機械である。
【0047】
更にAラインモニタ17は患者Pの動脈圧(血圧)を観血的に監視するための機械であり、洗浄・吸引装置18は術野確保と術野洗浄のための生理食塩水等を放水又は吸引するための機械である。またガーゼカウンタ20は手術に使用されたガーゼの枚数を計数する機械であり、例えば手術した患者Pの体内にガーゼが置き忘れられること等を防止するための機械である。より具体的にガーゼカウンタ20は、例えば、無線タグが個々に備えられている手術用のガーゼにおける当該無線タグとの間で無線によりデータを授受することにより、各ガーゼを個別に識別しつつ、看護師等によりガーゼカウンタ20に搬送されてくるガーゼの数を電気的に計数する。このガーゼカウンタ20には、ガーゼの計数を開始する際に看護師等により操作される図示しない計数開始ボタンと、当該計数を終了する際に看護師等により操作される図示しない計数終了ボタンと、が備えられている。なおこのガーゼの計数は、一般的には、後述するようにその手術における例えば患者の入室前及び入室時や、閉創が開始される前(即ち、その手術の終了が近づいたタイミング)等において実行される。
【0048】
輸液ポンプ21は患者Pに対する点滴を一定のペースで滴下させるための機械であり、輸液・輸血用加温装置23は輸液又は輸血に使用されるコイル状のチューブを適温に加温する機械である。また空気圧迫装置24は深部静脈血栓症(いわゆるエコノミー症候群)を予防するべく、間欠的に患者Pの下肢を圧迫する機械である。更に酸素飽和度測定モニタ25は患者Pにおける酸素飽和度を測定する機械である。膀胱温モニタ26は尿道より挿入したカテーテル状の温度センサを用いて膀胱内の温度をそのときの患者Pの体温として測定する機械である。
【0049】
レントゲン装置22は例えば可搬式のレントゲン装置であり、手術後に板状のフィルムを患者Pの下に敷き、患者Pの上からX線撮影することで、患者Pの体内に手術器具等が残されていた場合にこれを発見するためのものである。最後に時計10は手術室OPにおける手術の開始からの経過時間を執刀医等が視認可能に計時するものである。
【0050】
これらに加えて、実施形態に係る告知装置Sには、手術室OP内を撮像するカメラが複数含まれており、これらのカメラから出力される撮像信号が、インターフェース40を介して処理部50に入力される。これらのカメラとして具体的には、図1に例示するように、第2検出手段の一例及び撮像手段の一例としての出入り口カメラ33と、天井カメラ34と、第3検出手段の一例及び撮像手段の一例としての無影灯カメラ35と、がある。出入り口カメラ33は手術室OPの出入り口天井部分に設置され、手術室OPに出入りする人又は物を撮像して対応する撮像信号を出力する。天井カメラ34は手術室OPの天井部分に設置され、手術室OPの内部全体を撮像して対応する撮像信号を出力する。この天井カメラ34については、図1に例示するように手術室OPの天井の一隅又は中央部に設置されて一台又は複数台(例えば三台以上)で手術室OPの内部全体を撮像するものでも良いし、例えば二台で二方向から手術室OPの内部全体を撮像するものでも良い。更に無影灯カメラ35は無影灯12の脇或いはその中央部分又はその近辺に設置され、手術の術野を撮像して対応する撮像信号を出力する。
【0051】
以上の告知装置Sにおいて、上記各手術用機械の各々は、その用途に基づき、当該手術の進捗における使用時期(換言すれば使用開始や使用終了のタイミング)が夫々に概ね予め決められるものである。
【0052】
この点についてより具体的に図2を用いて説明する。なお図2は、図1に例示した各手術用機械が手術の流れの中で使用されている期間(タイミング)を、当該各手術用機械ごとに時系列的にハッチング表示等により例示するものである。
【0053】
図1に示す手術室OP内の各手術用機械の各々について図2に例示するように、例えば時計10や麻酔装置29は、麻酔開始のタイミングT1から電源スイッチがオンとされてその使用が開始され、手術が終了して患者Pが覚醒する段階まで電源スイッチがオンとされたまま使用され続ける。これに対して加温装置28やマット31(マット制御部27)は、患者Pが手術室OPに入室してから覚醒後に手術室OPから退室するまでその電源スイッチがオンとされて使用され続けるものである。
【0054】
一方、無影灯12は実際の手術が開始されるタイミングで電源スイッチがオンとされるものであり、また電気メス13やバイポーラ14は実際の手術中において頻繁に電源スイッチのオン/オフが繰り返されるものである。
【0055】
またガーゼカウンタ20は、主として手術を受ける患者Pの入室前及び入室時並びに手術の最終段階で夫々使用されるものであり、具体的には、その手術の準備開始時のタイミングT0から上記タイミングT1までの期間、及びその手術における閉創前のタイミングT3から使用されるものである。より具体的に実施形態に係る手術室OP内で行われる手術においては、例えば、麻酔装置29の電源スイッチがオンとされて麻酔が開始される前、レントゲン装置22の電源スイッチがオンとされて閉創が開始される前、及び、当該手術に関わる看護師のうちいわゆる外回り看護師が交代したとき、の夫々において、その手術で使用される(又は使用された)ガーゼの数等の計数及びその登録が実施されること(換言すれば、それらのタイミングにおいてガーゼの数等の計数及びその登録が終了されているべきこと)が、例えば手術が行われる際に守られるべき規定として、予め定められているものとする。なお、当該規定を示す情報は予め処理部50内の図示しないハードディスク等に不揮発性に記録されている。
【0056】
ここで、上記外回り看護師について説明する。一般に手術に関係する看護師には、器械出し看護師及び外回り看護師が含まれる。ここで「器械出し看護師」とは、手術室OPにおける清潔野において執刀医等に対して手術用器械を手渡す業務等を行う看護師である。なおこの「清潔野」とは、例えば、当該手術において、執刀医、上記器械出し看護師及び手術助手がその手術に関する活動を行うことが認められている、手術室OP内の一定の領域をいう。清潔野は、通常は手術台30を中心とした領域であることになる。これに対して「外回り看護師」とは、通常は手術室OPにおける不潔野において、実施形態に係るガーゼの計数を含むガーゼの取り扱い業務等、器械出し看護師が行う業務以外の業務等を行う看護師である。なお上記「不潔野」とは、一般にいう不潔な場所という意味ではなく、手術室OPにおける上記清潔野以外の領域をいう。外回り看護師及び器械出し看護師は、その手術中において他の外回り看護師及び他の器械出し看護師と交代する場合がある。
【0057】
また実施形態に係る上記ガーゼの数等の計数及びその登録では、通常は、手術室OPへのガーゼの持ち込み数の計数、手術室OPにおいて手術に使用された使用済みガーゼ数の計数、及び未使用ガーゼ数の計数が夫々ガーゼカウンタ20を用いて例えば外回り看護師により行われる。なお、例えば滅菌済みのガーゼが所定枚数ごとに包材により密封されて手術室OPに持ち込まれる場合、ガーゼカウンタ20により計数されて登録される「使用済みガーゼ」には、実際に手術に使用されて血液や体液が染み込んだガーゼの他に、手術に実際に使用される前のガーゼであって開梱された包材から取り出された後のガーゼも含まれる。これらガーゼの計数の開始に当たっては、例えばガーゼカウンタ20の計数開始ボタンが外回り看護師により操作される。そして、使用済みのガーゼ数と未使用のガーゼ数との和がガーゼの持ち込み数に等しいとき、ガーゼの数等の計数及びその登録が終了し、例えばガーゼカウンタ20の計数終了ボタンが外回り看護師により操作される。なお以下の説明では、上記ガーゼの数等の計数及びその登録の動作を、単に「ガーゼカウント」と称する。
【0058】
更に、エコー装置11及びレントゲン装置22は、主として手術の最終段階で使用されるものであり、特にレントゲン装置22は、閉創前のガーゼカウンタ20によるガーゼの計数が完了し、ガーゼの紛失がないことが確認された後で閉創が開始される前のタイミングT4から使用されるものである。
【0059】
上記の構成において、実施形態に係る告知装置Sでは、当該手術中において使用される期間(タイミング)が上述した如き各手術用機械ごとに予め決められていることに着目し、特定の手術用機械の電源スイッチがオンとされたタイミングや使用開始/使用終了のタイミングを検出することで、その手術用機械の使用に対応したタイミングまで当該手術の進捗が進んだと見なし、当該進捗をリアルタイムに手術室OP以外の場所に告知しようとするものである。これに加えて実施形態に係る告知装置Sにおいては、上記のガーゼカウントが行われるべき期間又はタイミングにおいて当該ガーゼカウントが終了されなかったとき、その旨をリアルタイムに検出して手術室OP以外の場所に告知し、これをもって当該手術における安全管理状況を告知する。
【0060】
このため、実施形態に係る手術進捗告知装置Sでは、これら手術用機械における電源スイッチの活殺(オン/オフ)や当該手術用機械夫々における動作の開始/終了ボタンの操作が処理部50において検出可能なように、各手術用機械がインターフェース40を介して当該処理部50に接続されている。より具体的には、例えば各手術用機械においてその電源スイッチがオンとされたときにその旨を表示するインジケータ(例えばLEDランプ等)に対して電流が流されたことを当該各手術用機械ごとに処理部50において検出し、これをもって当該手術用機械における電源スイッチがオンとされたと検出する。また、当該インジケータに対する電流が停止したことを当該各手術用機械ごとに処理部50において検出し、これをもって当該手術用機械における電源スイッチがオフとされたと検出する。また、各手術用機械においてその動作開始ボタン(例えば、ガーゼカウンタ20における計数開始ボタン)が操作されたことを当該各手術用機械ごとに処理部50において検出し、これをもって当該手術用機械の動作開始を検出する。更に各手術用機械においてその動作終了ボタン(例えば、ガーゼカウンタ20における計数終了ボタン)が操作されたことを当該各手術用機械ごとに処理部50において検出し、これをもって当該手術用機械の動作終了を検出する。或いは、各手術用機械の電源部の稼働状況を処理部50において当該手術用機械ごとに直接検出する構成とすることもできる。
【0061】
これにより処理部50は、手術の進捗を把握する上で特徴的な手術用機械の電源スイッチがオンとされたタイミングを検出し、それに基づいて当該手術の進捗及びガーゼカウントとの関係における安全管理状況を視覚的にディスプレイ61等上に表示する。更に処理部50は、無影灯カメラ35、出入口カメラ33及び天井カメラ34からの撮像信号をインターフェース40を介して取得し、これらに基づいて上記外回り看護師の交代を検出し、これらとガーゼカウンタ20における計数開始ボタン及び計数終了ボタンの操作状況とに基づいて、上記安全管理状況の告知を行う。
【0062】
より具体的に実施形態に係る処理部50は、例えば、ガーゼカウンタ20の計数開始ボタン又は計数終了ボタンが操作されたタイミングと麻酔装置29の電源スイッチがオンとされたタイミングT1との関係をもって、上記規定通りに、その手術において麻酔前に上記ガーゼカウントが実施されたか否かを検出する。また処理部50は、当該タイミングT1をもって麻酔が開始されて手術が開始されたと検出する。なお、手術の種類や医師の考え方等によっては、電気メス13の電源スイッチがオンとされたタイミングをもって「手術の開始」と検出しても良い。次に処理部50は、手術が開始された後、ガーゼカウンタ20の計数終了ボタンが操作されたタイミングとレントゲン装置22の電源スイッチがオンとされたタイミングT4との関係をもって、上記規定通りに、その手術において閉創が開始される前に上記ガーゼカウントが実施されたか否かを検出する。また処理部50は、当該タイミングT4(ガーゼカウンタ20の計数終了ボタンが操作されるべきタイミングでもある)をもって手術の終了が近いと検出する。更に処理部50は、手術の実行中において、ガーゼカウンタ20の計数終了ボタンが操作されたタイミングと外回り看護師の交代を検出したタイミングとの関係をもって、上記規定通りに、当該外回り看護師が交代したときに上記ガーゼカウントが実施されたか否かを検出する。そして処理部50は、当該各検出結果を例えば各ディスプレイ61等上に表示することで告知する。
【0063】
次に、より具体的に処理部50の動作について、図3を用いて説明する。
【0064】
図3に例示するように、処理部50は、手術室OP全体の主電源がオンとされたか否かを監視している(ステップS1)。当該主電源がオフとされている間は(ステップS1;NO)そのまま監視を継続し、一方、当該主電源がオンとされたとき(ステップS1;YES)、処理部50は麻酔装置29、電気メス13及びレントゲン装置22における電源スイッチの状況の監視、ガーゼカウンタ20における計数開始ボタン並びに計数終了ボタンの操作の有無の監視及び各カメラからの撮像信号の取得及びその内容の監視を開始する(ステップS2)。
【0065】
次に、当該監視下において処理部50は、ガーゼカウンタ20の計数開始ボタンが操作されたか否かを確認する(ステップS3)。そして、当該計数開始ボタンが操作されたことが検出されないとき(ステップS3;NO)、処理部50は次に、その監視下(ステップS2)において麻酔装置29の電源スイッチがオンとされたか否かを確認する(ステップS4)。ステップ4の確認において麻酔装置29の電源スイッチがオンとされたことが確認されない場合(ステップS4;NO)、処理部50は上記ステップS2に戻って麻酔装置29等の稼働状況の監視を継続する。
【0066】
一方、ステップS4の確認において、麻酔装置29の電源スイッチがオンとされたことが確認された場合(ステップS4;YES)、ガーゼカウンタ20の計数開始ボタンが操作されることなく(ステップS3;NO参照)麻酔装置29の電源スイッチがオンとされたこととなり、結果として、麻酔前に行われるべきガーゼカウントがそもそも開始されずに当該麻酔に移行したことになる。そこでこの場合、処理部50は、ガーゼカウントが開始されずに(即ち、ガーゼカウントが行われずに)麻酔に移行した旨のエラー(以下、当該エラーを「エラー02」と称する)を示す後述するエラーインジケータ121及びエラーメッセージEMの表示を、例えばディスプレイ61、66、71、76及び81上において行うことにより当該エラー02の告知を行う(ステップS5)。ステップS5の告知については、例えば、後述するステップS6の告知がされるまでの間において、エラー02の告知としてのブザーの鳴動やランプ等の点灯を一定時間連続に又は断続的に継続させるように構成しても良いし、それらの鳴動や点灯を例えば外回り看護師が停止させる操作を行うことによりエラー02の告知を終了させるように構成することもできる。その後処理部50は上記ステップS2に戻って麻酔装置29等の稼働状況の監視を継続する。このときのディスプレイ61等における表示態様については、後ほど図4(b)を用いて例示する。一方、ステップS3の確認において計数開始ボタンが操作されたことが検出されたとき(ステップS3;YES)、処理部50は、その時点で上記エラー02の告知が行われていた場合(ステップS5参照)、当該エラー02が解消された旨の所定の告知を、例えばディスプレイ61、66、71、76及び81上において行う(ステップS6)。
【0067】
次に処理部50は、ステップS3における計数開始ボタンの操作により開始された麻酔開始前のガーゼカウントが終了することによりガーゼカウンタ20の計数終了ボタンが操作されたか否かを確認する(ステップS7)。そして、当該計数終了ボタンが操作されたことが検出されないとき(ステップS7;NO)、処理部50は次に、その監視下(ステップS2)において麻酔装置29の電源スイッチがオンとされたか否かを確認する(ステップS8)。ステップ8の確認において麻酔装置29の電源スイッチがオンとされたことが確認されない場合(ステップS8;NO)、処理部50は上記ステップS2に戻って麻酔装置29等の稼働状況の監視を継続する。
【0068】
一方、ステップS8の確認において、麻酔装置29の電源スイッチがオンとされたことが確認された場合(ステップS8;YES)、ガーゼカウンタ20の計数終了ボタンが操作されることなく(ステップS7;NO参照)麻酔装置29の電源スイッチがオンとされたこととなり、結果として、麻酔前に行われるべきガーゼカウントが完全に終了されずに当該麻酔に移行したことになる。そこでこの場合、処理部50は、ガーゼカウントは開始されたもののそれが終了せずに麻酔に移行した旨のエラー(以下、当該エラーを「エラー01」と称する)を示す後述するエラーインジケータ121及びエラーメッセージEMの表示を、例えばディスプレイ61、66、71、76及び81上において行うことにより当該エラー01の告知を行う(ステップS9)。ステップS9の告知については、例えば、後述するステップS7の確認において計数終了ボタンが操作されたことが検出されるまでの間において、エラー01の告知としてのブザーの鳴動やランプ等の点灯を一定時間連続に又は断続的に継続させるように構成しても良いし、それらの鳴動や点灯を例えば外回り看護師が停止させる操作を行うことによりエラー01の告知を終了させるように構成することもできる。その後処理部50は上記ステップS2に戻って麻酔装置29等の稼働状況の監視を継続する。このときのディスプレイ61等における表示態様についても、後ほど図4(b)を用いて例示する。一方、ステップS7の確認において計数終了ボタンが操作されたことが検出されたとき(ステップS7;YES)、処理部50は次に、その監視下(ステップS2)において麻酔装置29の電源スイッチがオンとされているか否かを確認する(ステップS10)。そして、当該麻酔装置29の電源スイッチがオンとされたことが検出されたとき(ステップS10;YES)、処理部50は、その時点で上記エラー01の告知が行われていた場合(ステップS9参照)、当該エラー01が解消され、麻酔前のガーゼカウントが終了した旨の後述するインジケータ122の表示を、例えばディスプレイ61、66、71、76及び81上において行うことによりガーゼカウントの終了を告知する(ステップS11)。このときのディスプレイ61等における表示態様については、後ほど図4(c)を用いて例示する。その後処理部50は、後述するステップS12及びS19の動作に移行する。一方ステップS10の確認において、麻酔装置29の電源スイッチがオンとされたことが検出されないとき(ステップS10;NO)、処理部50は上記ステップS2に戻って麻酔装置29等の稼働状況の監視を継続する。
【0069】
麻酔前のガーゼカウントが終了した旨の告知をした後(ステップS11)、次に処理部50は、当該麻酔装置29が稼働している手術室OPにおいて、麻酔の開始により当該手術が開始された旨を例えばディスプレイ61、66、71、76及び81上に表示し(ステップS12)、後述するステップS13の動作に移行する。このときのディスプレイ61等における表示態様についても、後ほど図4(c)を用いて例示する。
【0070】
手術室OPにおける手術が開始された旨を表示した後(ステップS12)、その監視下(ステップS2)において処理部50は、次に電気メス13の電源スイッチがオンとされたか否かを確認する(ステップS13)。そして、当該電気メス13の電源スイッチがオンとされたことが検出されたとき(ステップS13;YES)、処理部50は、当該電気メス13が稼働している手術室OPにおいて切開が開始されて手術が進行している旨を例えばディスプレイ61、66、71、76及び81上に表示し(ステップS14)、後述するステップS15の動作に移行する。このときのディスプレイ61等における表示態様については、後ほど図5(a)を用いて例示する。
【0071】
一方、ステップS13の確認において電気メス13の電源スイッチがオンとされたことが未だ検出されないとき(ステップS13;NO)、処理部50は上記ステップS12に戻ってディスプレイ61等における手術開始の旨の表示状態を維持しつつ、電気メス13の電源スイッチの状態の監視を継続する。
【0072】
次に処理部50は、手術室OPにおいて切開が開始されて手術が進行している旨の表示状態を維持しつつ(ステップS14)、ガーゼカウンタ20の計数終了ボタンが操作されたか否かを確認する(ステップS15)。このステップS15の確認は、上記規定に従ったガーゼカウントが閉創前に行われる際に、ガーゼカウンタ20の計数開始ボタンの操作により開始された当該ガーゼカウントが、計数終了ボタンの操作により終了されたか否かを確認する処理である。なお実施形態に係るガーゼカウンタ20の場合、計数開始ボタンが操作されずに計数終了ボタンが操作されることはないので、ステップS15の確認の前提として計数開始ボタンが操作されたことは確認する必要はない。
【0073】
ステップS15の確認において計数終了ボタンが操作されたことが検出されないとき(ステップS15;NO)、処理部50は次に、その監視下(ステップS2)においてレントゲン装置22の電源スイッチがオンとされたか否かを確認する(ステップS16)。ステップ16の確認においてレントゲン装置22の電源スイッチがオンとされたことが確認されない場合(ステップS16;NO)、処理部50は上記ステップS14に戻って手術が進行している旨の表示を継続する。
【0074】
一方、ステップS16の確認において、レントゲン装置22の電源スイッチがオンとされたことが確認された場合(ステップS16;YES)、ガーゼカウンタ20の計数終了ボタンが操作されることなく(ステップS15;NO参照)閉創前のレントゲン装置22の電源スイッチ投入が為されたこととなり、結果として、閉創前に行われるべきガーゼカウンタ20を用いたガーゼカウントが完全に終了されずに当該閉創に移行しつつあることになる。そこでこの場合、処理部50は、ガーゼカウントが終了せず、又はガーゼカウント自体が開始されずに麻酔に移行した旨のエラー(以下、当該エラーを「エラー03」と称する)を示すエラーインジケータ及びエラーメッセージの表示を、例えばディスプレイ61、66、71、76及び81上において行うことにより当該エラー03の告知を行う(ステップS17)。ステップS17の告知についても、上記ステップS9の告知と同様に、例えば、上記ステップS15の確認において計数終了ボタンが操作されたことが検出されるまでの間において、エラー03の告知としてのブザーの鳴動やランプ等の点灯を一定時間連続に又は断続的に継続させるように構成しても良いし、それらの鳴動や点灯を例えば外回り看護師が停止させる操作を行うことによりエラー03の告知を終了させるように構成することもできる。その後処理部50は上記ステップS14に戻って手術が進行している旨の表示を継続する。一方、ステップS15の確認において計数終了ボタンが操作されたことが検出されたとき(ステップS15;YES)、処理部50は次に、閉創前のガーゼカウントが完全に終了した旨を示す後述するインジケータ132の表示を、例えばディスプレイ61、66、71、76及び81上において行うことにより当該ガーゼカウント終了の告知を行う(ステップ18)。このときのディスプレイ61等における表示態様については、後ほど図5(c)を用いて例示する。その後処理部50は、後述するステップS26の動作に移行する。
【0075】
他方、上記ステップS11の告知以降、上記ステップS12乃至S18の動作と並行して処理部50は、主として出入口カメラ33及び天井カメラ34からの撮像信号に基づいて手術室OPで行われている手術における外回り看護師の交代を監視する(ステップS19)。このステップS19の監視においては、例えば、執刀医や他の看護師とは異なる色又は形状の手術帽を外回り看護師に被せ、当該色又は形状の手術帽を被った者の手術室OPへの出入りを出入口カメラ33及び天井カメラ34からの撮像信号に基づいて検出することにより、当該外回り看護師の交代を検出するのが好適である。ここで、外回り看護師の交代は、各手術において必ず必要となるものではない。例えば、手術室OPがある手術棟内の状況や他の手術室OPにおける手術の進捗状況等により、他の手術室OPを含めた人員配置が臨機応変に換わる場合があり、従って特定の手術室OPにおける手術において外回り看護師の交代が生じるか否かは、当該手術の開始前には予測不能である場合が多い。そこで実施形態に係る告知装置Sでは、上記ステップS19において、外回り看護師の交代が行われたか否かを随時監視する必要があるのである。なお、手術室OPに一旦入った外回り看護師自身がその業務終了後にその手術室OPから退室した場合、ステップS19の監視においては、その外回り看護師については交代したとは見なさない。また、外回り看護師の交代の検出は、この他に例えば、当該外回り看護師が装着するICタグ等のタグ又は識別器のデータ(外回り看護師であることを識別するためのデータ)を手術室OPの出入口付近に備えられた読み取り装置で読み取ることにより検出するように構成することもできる。
【0076】
ステップ19の監視において外回り看護師の交代が確認されない場合(ステップS19;NO)、処理部50は次に、その手術において上記ステップS19が実行されたタイミング以降に外回り看護師が交代することがないことにより、当該交代を監視することを終了する旨の操作が例えばその手術を行っている他の看護師等により行われたか否かを確認する(ステップS25)。ステップS25の確認において外回り看護師の交代の監視(上記ステップS19の監視)を終了する旨の操作が行われていない場合(ステップS25;NO)、処理部50は上記ステップS19に戻って当該監視を継続する。一方ステップS25の確認において当該交代の監視を終了する旨の操作が行われた場合(ステップS25;YES)、処理部50は後述するステップS26の動作に移行する。
【0077】
次に、ステップS19の監視において、外回り看護師の交代が確認された場合(ステップS19;YES)、処理部50は、処理部50内の図示しないタイマにおける計時を開始すると共に、当該交代があった旨を示す後述するインジケータ140の表示を、例えばディスプレイ61、66、71、76及び81上において行うことにより、当該交代があった旨の告知を行う(ステップ20)。このときのディスプレイ61等における表示態様については、後ほど図5(b)を用いて例示する。次に処理部50は、上記図示しないタイマにおいて予め設定された一定時間が計時されたか否かを確認する(ステップS21)。この一定時間は、例えば、外回り看護師の交代に伴って行われるべきガーゼカウントに一般的に必要とされる時間とされ、具体的に例えば、長い場合で30分程度、短い場合で5分程度が適切である。また、当該一定時間の計時を開始するタイミングについては、交代対象である外回り看護師(即ち、交代まで手術室OPで業務をしていた外回り看護師)が手術室OPから退出したタイミングから計時を開始する場合の他、交代要員たる新たな外回り看護師(即ち、交代後に手術室OPで業務をする外回り看護師)が手術室OPに入室したタイミングから計時を開始するように構成してもよい。この場合には、交代対象である外回り看護師と交代要員たる新たな外回り看護師の双方が手術室OPに入室している期間が上記一定時間に含まれることになる。更に、長い場合の上記一定時間については、例えば、患者Pの体内にガーゼが残されていないことが確認されるまでに必要な時間として、予め一定に、或いは術式や執刀医等の指示に基づいて切り換え可能に、設定するように構成してもよい。
【0078】
ステップS21の確認において当該一定時間が計時されていないとき(ステップS21;NO)、処理部50はステップS21の確認動作を継続する。一方ステップS21の確認において当該一定時間が計時されたことが確認されたとき(ステップS21;YES)、次に処理部50は、ガーゼカウンタ20の計数終了ボタンが操作されたか否かを確認する(ステップS22)。このステップS22の確認は、上記規定に従って外回り看護師の交代時にガーゼカウントを行う際に、ガーゼカウンタ20の計数開始ボタンの操作により開始された当該ガーゼカウントが、計数終了ボタンの操作により終了されたか否かを確認する処理である。なお上記ステップS15の場合と同様の理由により、ステップS22の確認の前提として計数開始ボタンが操作されたことは確認する必要はない。ステップS22の確認において計数終了ボタンが操作されたことが検出されないとき(ステップS22;NO)、外回り看護師が交代した後(ステップS19;YES参照)上記一定時間が経過しても(ステップS21;YES参照)、外回り看護師の交代時に行われるべきガーゼカウンタ20を用いたガーゼカウントが完全に終了していないこととなる。そこでこの場合、処理部50は、外回り看護師が交代してもガーゼカウントが完全に終了していない旨のエラー(以下、当該エラーを「エラー04」と称する)を示す後述するエラーインジケータ及びエラーメッセージの表示を、例えばディスプレイ61、66、71、76及び81上において行うことにより当該エラー04の告知を行う(ステップS24)。ステップS24の告知についても、上記ステップS9又はステップS17の告知と同様に、例えば、上記ステップS22の確認において計数終了ボタンが操作されたことが検出されるまでの間において、エラー04の告知としてのブザーの鳴動やランプ等の点灯を一定時間連続に又は断続的に継続させるように構成しても良いし、それらの鳴動や点灯を例えば外回り看護師が停止させる操作を行うことによりエラー04の告知を終了させるように構成することもできる。その後処理部50は上記ステップS22に戻って計数終了ボタンの操作の終了の監視を継続する。一方、ステップS22の確認において計数終了ボタンが操作されたことが検出されたとき(ステップS22;YES)、処理部50は次に、外回り看護師の交代に伴うガーゼカウントが完全に終了した旨を示す後述するインジケータ142の表示を、例えばディスプレイ61、66、71、76及び81上において行うことにより当該ガーゼカウント終了の告知を行う(ステップ23)。このときのディスプレイ61等における表示態様については、後ほど図5(b)及び図5(c)等を用いて例示する。その後処理部50は上記ステップS19の動作に以降して外回り看護師の交代の監視を継続する。
【0079】
上記ステップS18及びS25の動作を実行した後、その監視下(ステップS2)において処理部50は、次にレントゲン装置22の電源スイッチがオンとされているか否かを確認する(ステップS26)。そして、当該レントゲン装置22の電源スイッチがオンとされていることが検出されたとき(ステップS26;YES)、処理部50は、当該レントゲン装置22が稼働している手術室OPにおいて閉創に移行することで手術の終了が間近い旨を例えばディスプレイ61、66、71、76及び81上に表示し(ステップS27)、後述するステップS28の動作に移行する。このときのディスプレイ61等における表示態様については、後ほど図5(c)を用いて例示する。
【0080】
一方、ステップS26の確認においてレントゲン装置22の電源スイッチがオンとされていないとき(ステップS26;NO)、処理部50は上記ステップS14においてディスプレイ61等における手術進行中の旨の表示状態を維持しつつ、ガーゼカウンタ20の計数終了ボタンの操作の監視を継続する。
【0081】
手術室OPにおける手術の終了が間近い旨を表示した後(ステップS27)、処理部50は、手術室OPにおける手術が全て終了して当該手術室OP全体の主電源がオフとされたか否かを確認する(ステップS28)。これにより、当該主電源がオフとされたことが確認されないとき(ステップS28;NO)、処理部50は上記ステップS27に戻ってディスプレイ61等における手術の終了が間近い旨の表示状態を維持する。
【0082】
他方、ステップS28の確認において当該主電源がオフとされたことが確認されたとき(ステップS28;YES)、処理部50は実施形態に係る動作を終了する。
【0083】
次に、上記ステップS5、S9、S11、S12、S14、S17、S18、S20、S23、S24及びS27におけるディスプレイ61等の表示態様について、具体的に図4及び図5を用いて例示する。
【0084】
実施形態に係る例えばディスプレイ61、66、71、76及び81は、基本的に同様の表示態様であり、具体的には図4(a)に例示するように、各手術室OPに付与されている手術室番号を表示する手術室番号表示欄101と、当該手術を執刀する医師(執刀医)の氏名、執刀医以外の担当医の氏名、担当看護師の氏名及び所属科名や実施形態のガーゼカウントに係るエラーメッセージ等を表示する情報表示欄102と、当該手術の当初の予定(予定開始時刻及び予定終了時刻を含む)を表示する予定表示欄103と、上記ステップS5、S9、S11、S12、S14、S17、S18、S20、S23、S24及びS27に係る手術の進捗及び安全管理状況を表示する表示欄104と、を含む表示画面100を表示する。
【0085】
このとき表示欄104には、例えば図2に例示した手術の進捗における時間的な区分(「入室」、「麻酔開始」、「手術」等の区分)が併せて表示されている。また表示欄104には、インジケータ120及び130が表示されている。
【0086】
このときインジケータ120は、実施形態に係るガーゼカウントのうち麻酔前に行われるべきガーゼカウントが行われるべきタイミング(具体的には、例えば図2に示すタイミングT0からタイミングT1までの間のいずれかのタイミング)に相当する位置に表示されているインジケータであり、そのタイミングにおいてガーゼカウンタ20が使用される旨を示している。このインジケータ120は、上記ステップS5に係るエラー02の告知又は上記ステップS9に係るエラー01の告知においては、例えば図4(b)に例示されるようなエラーインジケータ121に変更表示されると共に対応するエラーメッセージが情報表示欄102に表示される。またこのとき情報表示欄102には、対応するエラーの内容を示すエラーメッセージEMが表示される。このエラーメッセージEMとしては、例えば図4(b)に例示するように、エラーであることを示す「警告情報」の表示及びエラーの内容を示す「ガーゼカウントエラー01」(上記エラー01の告知の場合)の表示が行われる。なお当該「ガーゼカウントエラー01」なる表示に代えて、具体的なエラーの内容、即ち例えば「麻酔前のガーゼカウントが行われていません!」(上記エラー01の告知の場合)等の内容が直接表示されても良い。これに対し、これらエラー01又はエラー02が発生せずに麻酔前に行われるべきガーゼカウントが正常に終了された旨の告知をする場合(上記ステップS11参照)には、元のインジケータ120が例えば図4(c)に例示されるようなインジケータ122(元のインジケータ120としての「○」の中に「×」が追加表示されるインジケータ122)に変更される。
【0087】
一方、インジケータ130は、実施形態に係るガーゼカウントのうち閉創前に行われるべきガーゼカウントが行われるべきタイミング(具体的には、例えば図2に示すタイミングT3からタイミングT4までの間のいずれかのタイミング)に相当する位置に表示されているインジケータであり、そのタイミングにおいてガーゼカウンタ20が使用される旨を示している。このインジケータ130は、上記ステップS17に係るエラー03の告知においては、例えば図4(b)に例示されるようなエラーインジケータ121と同様のエラーインジケータに変更表示される。このとき情報表示欄102には、上記エラー01又は02の場合と同様に、エラーであることを示す「警告情報」の表示及びエラーの内容を示す「ガーゼカウントエラー03」の表示が行われるように構成することもできるし、或いは、例えば「閉創前のガーゼカウントが行われていません!」等の内容が直接表示されるように構成しても良い。これに対し、これらエラー03が発生せずに閉創前に行われるべきガーゼカウントが正常に終了された旨の告知をする場合(上記ステップS18参照)には、元のインジケータ130が例えば図5(c)に例示されるようなインジケータ132(元のインジケータ130としての「○」の中に「×」が追加表示されるインジケータ132)に変更される。
【0088】
更に予定表示欄103に表示されるべき予定は、例えば上記特許文献1に記載された技術により記録されている予定の内容を表示するように構成することができる。
【0089】
そして、上記ステップS12に対応する表示態様として具体的には、図4(b)又は図4(c)に例示するように、表示欄104における「麻酔開始」区分の先頭の部分(具体的には、例えば図2に示すタイミングT1)までの進捗表示105が表示される。ここで、当該タイミングT1までの間に実行される上記ステップS3乃至S5の動作によりエラー02が告知される場合、上記インジケータ120が図4(b)に例示される上記エラーインジケータ121に変更表示されると共に対応するエラーメッセージが情報表示欄102に表示される。また同様に、タイミングT1までの間に実行される上記ステップS7乃至S9の動作によりエラー01が告知される場合にも、上記インジケータ120がエラーインジケータ121に変更表示されると共に対応するエラーメッセージが情報表示欄102に表示される。これらに対し、エラー01又はエラー02が発生せず麻酔前のガーゼカウントが正常に実行された場合において、上記ステップS11の動作により当該ガーゼカウントの終了が告知される場合、上記インジケータ120が図4(c)に例示される上記インジケータ122に変更表示される。なおこれ以降の進捗表示105は、例えば手術の内容ごとに経験的に予め設定されている速度で、時間の経過に従って図4又は図5中右方向に漸次長くなるように表示される。
【0090】
次に、上記ステップS14に対応する表示態様として具体的には、図5(a)に例示するように、上記進捗表示105が、表示欄104における「手術」区分内の切開開始に対応するタイミング(具体的には、例えば図2に示すタイミングT2)まで延伸された状態で表示される。
【0091】
ここで、例えば手術中(具体的には、進捗表示105が例えば図5(a)又は図5(b)に例示される状態で表示される期間)において、外回り看護師の交代及びそれに伴うガーゼカウントが行われる場合がある(上記ステップS19乃至S25参照)。このため処理部50は、上述したように出入口カメラ33等からの撮像信号に基づいて当該外回り看護師の交代を監視し(上記ステップS19参照)、当該交代が確認された場合(上記ステップS19;YES参照)、上記タイマにおける計時の開始と共に図5(b)に例示するインジケータ140(当該交代があった旨を示す例えば縦棒一本のインジケータ140)及び上記インジケータ120又は130と同様の「○」をディスプレイ61等に表示して、外回り看護師の交代があったこと及び当該交代時においてガーゼカウントが行われるべきであることの告知を行う(上記ステップ20、図5(b)及び図5(c)参照)。そして、当該交代に伴うガーゼカウントが実行されずに上記エラー04の告知を行う場合(上記ステップS24参照)、処理部50は、上記インジケータ140の脇に上記エラーインジケータ121と同様の態様のエラーインジケータの表示を行う。一方、当該交代に伴うガーゼカウントが完全に終了してその旨の告知を行う場合(上記ステップS23参照)、処理部50は、図5(b)又は図5(c)に例示するように上記インジケータ140の脇に上記インジケータ122と同様の態様のインジケータ142の表示を行う。
【0092】
なお、実施形態に係る「外回り看護師の交代」としては、例えば、新たな外回り看護師が手術室OPに入った状態は「仮交代」とされ、この状態で処理部50は、上記インジケータ120又は130と同様の「○」を点滅させる。ここで、外回り看護師のうちの「外回りの機械出し看護師」を他の外回り看護師と区別できれば、なお好ましい。この場合例えば、天井カメラ34からの撮像信号を用いて処理部50により外回りの器械出し看護師と他の外回り看護師とを区別する構成とすることが考えられる。そして、その後に今まで手術室OPで勤務していた外回り看護師が手術室OPを出たタイミングを、「交代」として扱う。この後にガーゼカウントが行われたことが検出されたら、上記インジケータ142が表示されることとなるが、上記仮交代の状態でガーゼカウントが行われたことが検出された場合に当該インジケータ142を表示する(即ち、安全にガーゼカウントが行われたと見なす)ようにしても良い。
【0093】
最後に、上記ステップS27に対応する表示態様として具体的には、図5(c)に例示するように、上記進捗表示105が、表示欄104における「手術終了」区分内のレントゲン撮影に対応するタイミング(具体的には、例えば図2に示すタイミングT4)まで延伸された状態で表示される。なおこの段階までに行われるべきガーゼカウントが全て正常に行われた場合、表示欄104には、図5(c)に例示するようにその旨を示すインジケータ122、132及び142が夫々表示されていることになる。
【0094】
(II)変形形態
次に、本発明の変形形態について、図6乃至図12を用いて説明する。なお、変形形態に係る告知装置において実施形態に係る告知装置Sと同様の構成については、同様の部材番号を付して細部の説明は省略する。
【0095】
上述した実施形態では、一つの手術室OP内で実施される手術の進捗状況を告知するための告知装置Sについて説明したが、本発明はこれ以外に、複数の手術室OPを備える病院等における当該各手術室OPにおいて同時並行的に実施される手術の進捗状況を夫々告知する場合にも、全く同様に適用可能である。この場合には、当該複数の手術室OPにおける手術の進捗状況及び安全管理状況を、一つの表示画面内に並列して表示するように構成することが好ましい。
【0096】
即ち、変形形態に係る告知装置の構成としては、図1を用いて説明した実施形態に係る告知装置Sにおける手術室OPが複数存在している。そしてこれら複数の手術室OP夫々に設置されている手術用機械各々における電源スイッチの活殺状態や当該手術用機械夫々における動作の開始/終了ボタンの操作状態並びに各手術室OPに備えられた出入口カメラ33、天井カメラ34及び無影灯カメラ35からの撮像信号が、インターフェース40と同様のインターフェースを介して処理部50により検出及び取得される。この変形形態に係るインターフェースは、複数の手術室OP内の手術用機械と処理部50とを接続するインターフェースである。
【0097】
これにより処理部50は、実施形態の場合と同様にして各手術室OPにおける手術の進捗状態及び安全管理の状態を、その手術室OPに設置されている手術用機械における電源スイッチの活殺状態や当該手術用機械夫々における動作の開始/終了ボタンの操作状態並びに各手術室OP内の出入口カメラ33等からの撮像信号を監視することにより検出し(図1及び図3参照)、その検出結果を一覧として例えば各ディスプレイ61等に表示する。
【0098】
次に、変形形態に係る例えば各ディスプレイ61等における表示態様について、具体的に図6乃至図12を用いて例示しつつ説明する。なお図6は、上記複数の手術室OPの夫々においてある日に予定されている手術のスケジュールを示す表示画面の例である。また図7乃至図12は当該各手術の進捗状況及び当該進捗に伴う安全管理状況をリアルタイムに一覧表示する表示画面の例である。
【0099】
図6に例示するように、変形形態に係る例えば各ディスプレイ61等に表示される表示画面110には、複数の手術室OPごとに、その日に予定されている手術の時間(予定時間)が表示される。なおこの表示画面110を表示するために必要な各手術の予定等は、例えば上記特許文献1に開示されている技術を用いて事前にデータとして処理部50内のハードディスク等に記録されているものである。
【0100】
より具体的に図6に例示する表示画面110には、手術室番号「1」から「10」で示される十の手術室OPの夫々について、その日に予定されている手術の時間帯が予定表示200により夫々示されている。なお図6に示す例では、手術室番号「1」の手術室OP及び手術室番号「2」の手術室OPは、夫々整形外科及び眼科専用の手術室OPとされている。またそれ以外の手術室番号により示される手術室OPは、全ての科で共用される手術室OPである。
【0101】
また、各予定表示200の傍にはプルダウンボタン201が夫々表示される。このプルダウンボタン201は、夫々、対応する予定表示200により示される手術に係る詳細表示を後述するようにいわゆるプルダウン形式で表示画面110内に別途表示する際に操作されるボタンである。なおこの詳細表示は、その手術に使用される予定の各手術用機械の名称等とその使用タイミングとを、例えば図2に例示した形式で当該各手術用機械ごとに表示するものである。また、表示画面110以外のディスプレイ61等の領域には、表示画面110における表示に係る凡例を表示する凡例欄111が設けられている。ここで、変形形態に係る上記詳細表示は、上記プルダウン形式ではなく、表示画面100とは異なる別の画面(より具体的には、別ウインドウを用いた表示)により表示するように構成することもできる。
【0102】
更に、各予定表示200における麻酔前のガーゼカウント及び閉創前のガーゼカウントが夫々行われるべきタイミングに相当する位置には、各ガーゼカウントが行われるべき旨を示す上記インジケータ120及び130が夫々予め表示されている。
【0103】
次に、図7及び図10に例示する表示画面110について説明する。
【0104】
図7及び図10に例示する表示画面110においては、図6に例示した表示画面110により表示されていた予定の各手術が実際にどのように進捗しているかが、各手術室OPごとに一覧表示される。この表示のため処理部50は、複数の手術室OP夫々について、その中に設置されている手術用機械における電源スイッチの活殺状態及び出入口カメラ33等からの撮像信号を常に監視し、その監視結果に応じて各手術ごとに進捗及び安全管理状況を表示する。
【0105】
即ち図7及び図10において、現在時刻指示400は現在時刻を示す縦棒状の指示であり、時刻の経過に伴って図7及び図10中左から右に移動していくものである。そして、現在時刻指示400により示される現在時刻において終了している手術については、終了表示300が、対応する元の予定表示200に重なるように表示される。なお、手術室番号「9」の手術室OPについて例示するように、予定表示200により示されていた予定時間より遅れて終了した手術については、終了表示300に遅延終了表示301が追加され更に目立つ態様の警告表示315が付された状態で表示される。
【0106】
一方、現在時刻において進行中である手術については、手術室番号「2」、「5」又は「8」の手術室OPについて例示するように、手術段階である旨の手術段階表示305が終了表示300と同様に元の予定表示200に重なるように表示される。また各手術において、麻酔装置29の電源スイッチがオンとされた後電気メス13の電源スイッチがオンされるまでの間は、手術室番号「7」の手術室について例示するように麻酔段階表示320が元の予定表示200の一部に重なるように表示される。
【0107】
更に、レントゲン装置22の電源スイッチがオンとされたことが検出された場合、手術室番号「3」の手術室OPについて例示するように、その手術については退室準備表示310が元の予定表示200の一部に重なるように表示される。
【0108】
また、手術室番号「3」の手術室OPについて例示するように、元の予定表示200により示される予定時間帯が何らかの理由により変更となったことが手術開始前に入力された場合、元の予定表示200が変更予定表示202に変更されて予定/進捗表示画面110内に表示される。この場合であって元の予定表示200により示される予定時間よりもその終了が遅れることになる場合には、警告表示315が現在の終了予定時刻に対応した長さで併せて表示される。なおこの場合、変更予定表示202により示された変更後の予定時間通りに終わった場合には、遅延終了表示301は為されない。
【0109】
最後に、手術室番号「5」の手術室OPについて例示するように、現在進行中の手術において、処理部50により検出された進捗に基づいて判断したときにその終了時刻が予定表示200により示されていた終了予定時刻より遅れる場合には、警告表示315が現在の終了予定時刻に対応した長さで併せて表示される。
【0110】
なお、各手術において正常にガーゼカウントが終了している場合、その旨のインジケータ122、132及び142が、例えば図7及び図10に記載の現在時刻表示400より左の部分に示されているように、夫々の終了表示300中に表示されていることとなる。これに対し、ある手術において閉創前に行われるべきガーゼカウントが行われなかった場合(即ち、エラー03が生じた場合)、例えば図7において手術室番号「5」の手術室OPについて例示するようにエラーインジケータ131が表示されると共に、その旨のエラーメッセージEMがディスプレイ61等に表示される。また、ある手術において麻酔前に行われるべきガーゼカウントが行われなかった場合(即ち、エラー01が生じた場合)、例えば図7において手術室番号「7」の手術室OPについて例示するようにエラーインジケータ121が表示されると共に、その旨のエラーメッセージEMがディスプレイ61等に表示される。
【0111】
なお、図7及び図10に例示する表示画面110内に表示されているプルダウンボタン201を操作した際には、その操作した手術についての現在の進捗状況、終了した場合の進捗表示又はガーゼカウントに関連して発生したエラー(上記エラー01乃至04のいずれか)の内容が、プルダウン形式で且つ例えば図2に例示した形式で表示される。
【0112】
このときのエラーの内容の表示について具体的には、例えば図7に例示する手術室5においてエラー03が生じた場合において、エラーインジケータ131の脇にあるプルダウンボタン201が操作された際には、図8に例示するように、詳細表示133として、図2に例示した形式により閉創前のタイミングに相当する位置にエラー表示134が表示されると共に、そのエラー表示134に相当する手術開始からの進捗時間表示135が表示される。この場合に処理部50は、上記ステップS17に係る告知を行うタイミング(より具体的には、レントゲン装置22の電源スイッチがオンとされるタイミング)を上記図示しないハードディスク等に記録し、上記プルダウンボタン201が操作された際に、そのタイミングに相当する位置に上記エラー表示134を表示すると共に、そのタイミングを示す上記進捗時間表示135を表示する。また当該エラー表示134及び進捗時間表示135は、例えば赤色等の、医師や看護師の注意を引き易い態様で表示される。
【0113】
更に図7に例示する手術室7においてエラー01が生じた場合において、エラーインジケータ121が表示されている予定表示200の脇にあるプルダウンボタン201が操作された際には、図9に例示するように、詳細表示133として、図2に例示した形式により麻酔前のタイミングに相当する位置にエラー表示134が表示されると共に、そのエラー表示134に相当する進捗時間表示135が表示される。この場合に処理部50は、上記ステップS9に係る告知を行うタイミング(より具体的には、ガーゼカウンタ20の計数開始ボタンが操作された後(ステップS3;YES)、計数終了ボタンが操作される前に麻酔装置29の電源スイッチがオンとされるタイミング)を上記図示しないハードディスク等に記録し、上記プルダウンボタン201が操作された際に、そのタイミングに相当する位置に上記エラー表示134を表示すると共に、そのタイミングを示す上記進捗時間表示135を表示する。
【0114】
また、ある手術において外回り看護師の交代に伴って行われるべきガーゼカウントが行われなかった場合(即ち、エラー04が生じた場合)、例えば図10において手術室番号「5」の手術室OPについて例示するようにエラーインジケータ141がインジケータ140の脇に表示されると共に、その旨のエラーメッセージEMがディスプレイ61等に表示される。なお、図10に例示する表示画面110内に表示されているプルダウンボタン201を操作した際にも、図8又は図9の場合と同様に、その操作した手術におけるガーゼカウントに関連して発生したエラーの内容等が、プルダウン形式で且つ図2に例示した形式で表示される。
【0115】
このときのエラーの内容の表示について具体的には、例えば図10に例示する手術室5においてエラー04が生じた場合において、エラーインジケータ141の脇にあるプルダウンボタン201が操作された際には、図11に例示するように、詳細表示143として、図2に例示した形式により外回り看護師の上記仮交代及び交代夫々のタイミングに相当する位置に仮交代表示144(例えば破線)及び交代表示145(例えば実線)が表示され、更に上記ステップS21に係る一定時間(図11に例示する場合は30分)が経過したタイミングに相当する位置にエラー表示146(それに相当する手術開始からの進捗時間表示を含む)が表示される。この場合に処理部50は、上記ステップS24に係る告知を行うタイミング(ステップS21に係る一定時間経後のタイミング)を上記図示しないハードディスク等に記録し、上記プルダウンボタン201が操作された際に、そのタイミングに相当する位置に上記エラー表示146を表示する。また当該エラー表示146は、例えば赤色等の、医師や看護師の注意を引き易い態様で表示される。更に上記仮交代表示144は上記「仮交代」のタイミング及び当該仮交代により手術室5に入った外回り看護師の氏名(図11において「○山●子」と例示する)を示すものであり、交代表示145は上記「交代」のタイミング及び当該交代により手術室5から出た外回り看護師の氏名(図11において「□田■美」と例示する)を示すものである。
【0116】
更に、エラー02の内容がプルダウン形式で表示される場合の例としては、例えば、図12に示すように、詳細表示133として、図2に例示した形式によりガーゼカウンタ20の計数開始ボタンが操作される前で且つ麻酔装置29の電源スイッチがオンとされたことが検出されたタイミング(図3ステップS4;YES参照)に相当する位置にエラー表示134が表示されると共に、そのエラー表示134に相当する手術開始からの進捗時間表示135が表示される。この場合に処理部50は、上記ステップS5に係る告知を行うタイミング(より具体的には、麻酔装置29の電源スイッチがオンとされるタイミング)を上記図示しないハードディスク等に記録し、対応するプルダウンボタン201が操作された際に、そのタイミングに相当する位置に上記エラー表示134を表示すると共に、そのタイミングを示す上記進捗時間表示135を表示する。また当該エラー表示134及び進捗時間表示135は、例えば赤色等の、医師や看護師の注意を引き易い態様で表示される。
【0117】
なお、図8及び図11に示す詳細表示133並びに図9に示す詳細表示143については、図8、図9及び図11に例示するように5分単位で進捗状況等を表示する他に、別の値の分単位、或いは秒単位で進捗状況等を表示するように構成することもできる。
【0118】
以上説明したように、実施形態及び変形形態に係る告知装置Sの動作によれば、ガーゼカウントを終了すべきと規定されているタイミング以前に当該ガーゼの計数が終了していないとき、その旨を告知するので、ガーゼの計数及びそのタイミングに係る手術の安全管理を万全とすることができる。
【0119】
また、エラー04の告知に係る告知装置Sの動作によれば、外回り看護師の交代が完了した後予め設定された一定時間経過後のタイミングが設定終了タイミングとされているので、外回り看護師の交代時における引継業務の一環としてのガーゼの計数を確実に行わせることができる。
【0120】
更に、出入口カメラ33等からの撮像信号に基づいて外回り看護師の交代の有無を検出するので、外回り看護師の交代に伴うガーゼの計数を自動的に行わせることができる。
【0121】
更にまた、エラー03の告知に係る告知装置Sの動作によれば、手術における閉創開始のタイミングが設定終了タイミングとされているので、閉創前のガーゼの計数を確実に行わせることができる。
【0122】
また、ガーゼカウンタ20に備えられた計数終了ボタンが操作されたことを検出することによりガーゼの計数の終了を検出するので、手術の進捗に合わせてガーゼの計数終了を検出することができる。
【0123】
更にガーゼの計数における使用済み数と未使用数との和が持ち込み数に等しいとき、ガーゼの計数が終了したと検出するので、確実にガーゼを計数することができる。
【0124】
更にまた、手術が行われる手術室OP外にガーゼカウントに係る警告を告知するので、ガーゼの計数に係る安全管理をより万全とすることができる。
【0125】
また例えば、医師待機室60にディスプレイ61が設置され、看護師待機室65にディスプレイ66が設置され、外来病棟70にディスプレイ71が設置され、患者病棟75にディスプレイ76が設置され、更に電源管理施設80に81が設置されているので、病院における手術に関連する部署等の必要な場所においてガーゼの係数についての必要な情報を得ることができ、ガーゼの計数に係る安全管理を広く且つ確実に行うことができる。なおこれらに加えて、当該病院における家族待機室や手術室OPが含まれる手術区画内の当該手術室OP以外の場所(手術に関わる医師や看護師が勤務時に所在している廊下等の場所)にディスプレイを設置しておけば、ガーゼの計数に係る安全管理をより広く且つ確実に行うこともできる。
【0126】
なお、上述した実施形態においては、手術における閉創のタイミングを、通常はそれより前に行われるレントゲン装置22の電源スイッチがオンとされたタイミングを用いて検出する構成としたが、当該閉創のタイミング自体を無影灯カメラ35からの撮像信号を取得して検出することもできる。より具体的には、例えば、当該無影灯カメラ35により手術の術野を撮像した得られた撮像信号に基づき、当該手術の施術者(具体的には執刀医等)の手が当該術野から消失した後、予め設定された所定時間経過後に再度その手が術野に入ってきたとき、そのタイミングをもって閉創の開始と検出するのである。この場合の所定時間は、例えば閉創前のガーゼカウントに一般的に必要とされる時間として予め経験等に基づいて設定される所定時間である。この構成によれば、無影灯カメラ35からの撮像信号に基づいて閉創の開始を検出するので、閉創の開始に伴うガーゼの計数を自動的に行わせることができる。
【0127】
またこの構成において、ガーゼの計数終了を検出したタイミングから閉創の開始までの時間を検出し、その検出された時間を、手術の執刀医等に対応付けて処理部50内に記憶するように構成することもできる。この構成によれば、ガーゼの計数終了から閉創開始までの状況等を、執刀医等ごとに事後的に検証することができる。
【0128】
なお、本発明は、上述した実施形態及び変形形態に係る告知装置S以外の態様の告知装置に対しても適用可能である。
【0129】
先ず、上述した実施形態及び変形形態においては、麻酔装置29の電源スイッチがオンとされて麻酔が開始される前、レントゲン装置22の電源スイッチがオンとされて閉創が開始される前、及び、手術に関わる看護師のうちいわゆる外回り看護師が交代したとき、の夫々においてガーゼの数等の計数及びその登録が実施される場合について説明した。これに対し、麻酔が開始される前ではなく麻酔開始後にガーゼの数等の計数及びその登録を実施することが規定されている場合も、状況によってはあり得る。この場合には、上記図3におけるステップS4における確認の対象を麻酔装置29の電源スイッチではなく電気メス13の電源スイッチとしてエラー02を告知し(図3ステップS5参照)、図3におけるステップS7乃至S10を省略してステップS6から直接ステップS11に移行するようにし、更にステップS13の確認を省略すれば良い。そして図3におけるステップS12の告知とステップS14の告知を同時とするように構成すれば良い。
【0130】
また、電気メス13等による手術の進捗の告知については、当該電気メス13が図2に例示するように断続的に稼働されるものである点に鑑み、一回の電源スイッチのオン/オフを夫々検出し、それに基づき、一回の電源スイッチのオンを検出する度に手術の進行を示す進捗表示105(図5(a)参照)を段階的に延伸させるように構成することもできる。
【0131】
更に、手術の進捗に応じてその時点で電源スイッチがオンとされている他の手術用機械を別途いわゆるプルダウンメニュー等により表示するように構成することもできる。
【0132】
更にまた、上述した実施形態及び変形形態では、実際の手術の進捗及びその手術における安全管理状況を告知する構成としたが、これ以外に、例えば上記特許文献1に記載の技術により記録されている手術の予定に加えて、その開始の遅延状況等を併せて表示するように構成することもできる。
【0133】
また、上述した実施形態及び変形形態では、手術室OP内に設置された様々な手術用機械における電源スイッチの活殺を検出して手術の進捗状況及び安全管理状況を検出する構成としたが、これ以外に、例えば一つの手術室OPに係る電力消費量の時間的な変化を検出し、当該変化を手術の進捗状況に置き換えて表示するように構成することも可能である。
【0134】
更に、手術の進捗及び安全管理状況の告知の態様は、実施形態に示したような表示による告知の他に、例えば病院内の必要部署(上記医師待機室60等)に対する音声による告知としても良い。
【0135】
また、上述した実施形態及び変形形態においては、医師待機室60等に対する各告知内容は全て同一としては、これ以外に、医師待機室60、看護師待機室65、外来病棟70、患者病棟75又は電源管理施設80の間でその表示態様の詳細度又は変更のタイミングを異ならせるようにしても良い。
【0136】
更に、上述した実施形態及び変形形態においては、手術に関わる看護師のうち外回り看護師が交代したときにおいてガーゼカウントが実施されることが予め定められている場合について説明したが、これ以外に、上記器械出し看護師が交代する場合にもガーゼカウントの必要性が生じる場合があるため、この器械出し看護師が交代する際にガーゼカウントが実施されたか否かを監視し、そのガーゼカウントが実施されなかった場合にエラーを告知するように構成することもできる。
【0137】
更にまた、上述した実施形態及び変形形態においては、ガーゼカウントが実施されるべきタイミングとして例えば、麻酔装置29の電源スイッチがオンとされる前、レントゲン装置22の電源スイッチがオンとされる前、及び、上記外回り看護師が交代したとき、の夫々において実施されることが予め定められている場合について説明した。しかしながらこれらに加えて、以下に説明する各タイミングにおいてガーゼカウントを実施することも予め定めておき、当該各タイミングにおいてガーゼカウントが実行されなかった場合にも所定のエラーを告知するように構成することもできる。より具体的に例えば、
(イ)看護師(器械出し看護師又は外回り看護師を含む)や手術に関わる医師等の医療スタッフが交代したタイミング
(ロ)手術におけるタイムアウト時(即ち例えば、無影灯カメラ35の撮像範囲内に手術を行う執刀医等の手が映らない時間が1分乃至5分程度(より具体的には、2分乃至4分程度)あることにより、その手術の進行が停止していると判断される時)
(ハ)閉創時におけるレントゲン撮影実施時
(ニ)例えば一時間ごと等の、所定時間ごとのタイミング
(ホ)予め設定された所定時刻(例えば、予定手術時間と予想手技時間を、術式に応じて設定することにより得られる所定時刻)
等の各タイミングにおいてもガーゼカウントを実施することを予め定めておき、当該各タイミングにおいてガーゼカウントが実施されなかった場合にも所定のエラーを告知するように構成することができる。
【0138】
また、図3に示すフローチャートに対応するプログラムをフレキシブルディスク等の記録媒体に記録しておき、又はインターネット等のネットワークを介して取得して記録しておき、これを汎用のコンピュータで読み出して実行することにより、当該汎用のコンピュータを実施形態及び変形形態に係る処理部50として機能させることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0139】
以上夫々説明したように、本発明は告知装置の分野に利用することが可能であり、特に複数の手術室OPを有する大きな病院における手術室の使用管理及び安全管理の分野に適用すれば特に顕著な効果が得られる。
【符号の説明】
【0140】
10 時計
11 エコー装置
12 無影灯
13 電気メス
14 バイポーラ
15 心電図モニタ
16 凝固切開装置
17 Aラインモニタ
18 洗浄・吸引装置
19 血圧モニタ
20 ガーゼカウンタ
21 輸液ポンプ
22 レントゲン装置
23 輸液・輸血加温装置
24 空気圧迫装置
25 酸素飽和度測定モニタ
26 膀胱温モニタ
27 マット制御部
28 加温装置
29 麻酔装置
30 手術台
31 マット
32 体温保持器
33 出入口カメラ
34 天井カメラ
35 無影灯カメラ
40 インターフェース
50 処理部
60 医師待機室
61、66、71、76、81 ディスプレイ
65 看護師待機室
70 外来病棟
75 患者病棟
80 電源管理施設
100 表示画面
101 手術室番号表示欄
102 情報表示欄
103 予定表示欄
104 表示欄
105 進捗表示
110 表示画面
111 凡例欄
120、122、130、132、140、142 インジケータ
121、131、141 エラーインジケータ
133、143 詳細表示
134、146 エラー表示
135 進捗時間表示
144 仮交代表示
145 交代表示
200 予定表示
201 プルダウンボタン
202 変更予定表示
300 終了表示
301 遅延終了表示
305 手術段階表示
310 退室準備表示
315 警告表示
320 麻酔段階表示
400 現在時刻指示
S 告知装置
P 患者
OP 手術室
EM エラーメッセージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術用のガーゼの計数の終了を検出する検出手段と、
前記ガーゼが用いられる前記手術の進行において前記計数を終了しておくべきタイミングとして予め設定されている設定終了タイミングを示すタイミング情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶されているタイミング情報に基づいて、前記設定終了タイミング以前に前記計数が終了しているか否かを判定する判定手段と、
前記設定終了タイミング以前に前記計数が終了していないとき、当該設定終了タイミング以前に当該計数が終了していない旨の警告を告知する告知手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記手術における外回り看護師の交代の有無を検出する第2検出手段を更に備え、
前記タイミング情報は、前記交代が完了した後予め設定された時間経過後のタイミングを前記設定終了タイミングとして示すタイミング情報であることを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記第2検出手段は、
前記手術が行われる手術室の出入り口に備えられ、当該手術室に出入りする人を撮像して撮像情報を出力する撮像手段と、
前記出力された撮像情報に基づいて、前記交代の有無を検出する交代検出手段と、
を備えること特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記手術における閉創の開始を検出する第3検出手段を更に備え、
前記タイミング情報は、前記閉創開始のタイミングを前記設定終了タイミングとして示すタイミング情報であることを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理装置において、
前記第3検出手段は、
前記手術の術野を撮像して撮像情報を出力する撮像手段と、
前記出力された撮像情報に基づいて、前記手術の施術者の手が前記術野から消失した後、予め設定された時間経過後に前記手が再度前記術野に入ってきたとき、前記閉創の開始を検出する閉創検出手段と、
を備えること特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の情報処理装置において、
前記計数の終了を検出したタイミングから前記閉創の開始までの時間を検出する時間検出手段と、
前記検出された時間を、前記手術の施術者に対応付けて記憶する第2記憶手段と、
を更に備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記検出手段は、無線タグを備えた前記ガーゼを電気的に計数する計数装置に備えられた計数終了ボタンが操作されたことを検出することにより前記終了を検出することを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記検出手段は、
前記手術室への前記ガーゼの持ち込み数を計数する持ち込み数計数手段と、
使用済みの前記ガーゼの数を計数する使用済み数計数手段と、
未使用の前記ガーゼの数を計数する未使用数計数手段と、
を備え、
前記検出手段は、前記計数された使用済み数と前記計数された未使用数との和が前記計数された持ち込み数に等しいとき、前記計数が終了したと検出することを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記告知手段は、前記手術が行われる手術室外に前記警告を告知することを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理装置において、
前記告知手段は、前記手術に関連する医師待機室、看護師待機室、外来病棟、患者病棟、家族待機室、電源管理施設若しくは前記手術室が含まれる手術区画内の当該手術室以外の場所の少なくともいずれか一カ所に設置されていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータを、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の情報処理装置における前記検出手段、前記記憶手段、前記判定手段及び、前記告知手段における告知を制御する告知制御手段として機能させることを特徴とする情報処理用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−81558(P2013−81558A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−222371(P2011−222371)
【出願日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【出願人】(000137052)株式会社ホギメディカル (31)