説明

情報処理装置

【課題】
ユーザ毎にユーザに合ったモードへの切替および表示を可能とし、ユーザに対する番組/コンテンツ提示状態を明瞭に通知する情報端末を提供する。
【解決手段】
DTV装置等の情報端末と、カメラ、ICタグリーダ等の人物認識手段を組合せた、ユーザ別モード切替および提示装置において、少なくとも人物認識手段による入力を制御するユーザ認識部と、認識したユーザ情報を蓄積するユーザ情報記憶部と、人物認識手段による人物識別結果とユーザ情報記憶部に蓄積されたユーザ情報を元にモードを制御するモード判定部を備え、認識されたユーザまたは複数ユーザの組合せによって、ユーザ別または組合せに適したモードへ切り替え、かつそのモードに切り替わったことを通知するユーザ別モード切替および提示装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置および情報処理方法に関するものであり、特に、ユーザを認識し、それに応じた表示を行う情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが利用したコンテンツの情報からユーザの嗜好を収集し、多数のコンテンツの中からユーザに最も適していると推定されるコンテンツを推薦することが行われている。
【0003】
近年、デジタル放送が普及し、多チャンネル化してきているデジタルテレビジョン(以下、DTVと略す)においては、ユーザに特別な操作をさせることなく、自動的にユーザを認識し、ユーザが選択した電子ガイド(Electric Program Guide、略してEPG)の番組情報等の蓄積情報からそのユーザの嗜好に合った番組を各ユーザに対して提供する情報処理装置等が開発されている。(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−324809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1においては、ユーザを自動的に認識して、そのユーザに対して適したコンテンツを推薦することは可能だが、推薦されたコンテンツがどのユーザあるいはユーザの組合せに対して推薦したものであるか、すなわち現在の動作モードが何であるかを知る手段や通知方法については開示されていない。また、複数のユーザが同時に使用しているときのモード決定方法も開示されていない。
【0006】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、DTV装置等の情報端末において、コンテンツ等を提示するときに、複数のユーザが認識された場合において、その中から適切なユーザを選択してモードを決定すること、もしくは、どのユーザ向けのモードであるかを明瞭に通知することが可能な情報処理装置および情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、人物識別手段を備えた情報処理装置において、どのユーザに対してコンテンツ等が提示されているのかを装置を利用するユーザ自身が容易に判断することが可能な情報処理装置を提供できる。また、複数のユーザが同時に利用している場合にも適切なコンテンツを提示することが可能な情報処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態1における情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態1における情報処理装置の処理概要を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態1における情報処理装置の説明図である。
【図4】本発明の実施形態1における情報処理装置に蓄積される登録済ユーザ情報一覧を示す図である。
【図5】本発明の実施形態2における情報処理装置の新たなユーザ参加時の処理概要を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態2における情報処理装置の説明図である。
【図7】本発明の実施形態1ないし5における情報処理装置が行うモード判定および決定処理(サブルーチン)を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態において、図7の処理によって決定されたユーザの優先順位一覧の結果を示す図である。
【図9】本発明の実施形態3における情報処理装置が行うゲストを含む場合のモード判定およびモード切替処理を示すフローチャートである。
【図10A】本発明の実施形態3における情報処理装置、および表示装置の説明図である。
【図10B】本発明の実施形態3における情報処理装置、および表示装置の説明図である。
【図11】本発明の実施形態4における情報処理装置が行う一定時間ユーザ不在の場合のモード切替処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態4における情報処理装置がディスプレイに表示させる画面の一例である。
【図13】本発明の実施形態5における情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の実施形態5における情報処理装置が行う処理概要を示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施形態5における情報処理装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳述する。なお、図面において、同一符号は、同一または相当部分を示す。また、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0011】
本実施例では、本発明にかかる情報処理装置としてDTV装置を例に説明する。
【0012】
図1は本発明の実施形態1におけるDTV装置のブロック図である。101は、カメラ102で撮影したユーザの画像信号、もしくは、ユーザが身に付けたICタグ321や携帯端末等の個体識別標識から発信される近距離無線通信等の信号を受信するリーダ103からの情報を分析し、ユーザ判別結果を出力するユーザ認識部、104は101から受信した判別結果を元にユーザ別のモードを判定および決定するモード判定部、105はデジタル放送を受信する放送受信部、106は放送データの受信および表示出力、音声出力、ユーザ情報収集および保存、モード受信等を行い、全体動作を制御する制御部、107は番組/コンテンツを推薦する推薦部、108はディスプレイ等の表示出力部、109はスピーカ等の音声出力部、110はユーザ情報蓄積/制御部、111はユーザ情報を蓄積するデータベース(以下、DBと略す)で構成される。
【0013】
図1において、カメラ102はDTV装置本体に取り付けられているか、あるいはDTV装置本体近傍に取り付けられている構成となっている。なお、ユーザ認識部101との通信手段は有線であっても、無線であってもよい。また、撮像範囲は固定、ユーザによる手動設定、あるいは、自動で可変できる構成となっている。リーダ103はカメラ102と同様に装置本体に取り付けられているか、あるいは装置本体近傍に取り付けられている構成となっており、ユーザ認識部101との通信手段は有線であっても、無線であってもよい。ユーザ認識手段であるカメラ102、もしくはリーダ103は、どちらか1つを備えていればよい。表示出力部108は、ディスプレイに表示されるメニュー等の画像や、ディスプレイの外枠部分に設けられた発光ダイオード(以下、LEDと略す)等の付加表示素子の表示色、明るさ、表示パターン等が制御部106の制御信号に応じて変化する構成とする。音声出力部109はスピーカ等を備え、制御部106の制御信号に応じて、音圧、音色、周波数、パターン等が変化する構成とする。
【0014】
次に、実施形態1におけるDTV起動時の動作について、図2、図3を用いて説明する。図2はDTV装置100全体で行われる処理手順を示すフローチャートである。また、図3はDTV装置100を含む全体環境図であり、初期の状態として301〜303の3人のユーザが視聴する状況を示している。この状況で、ユーザ301〜303のいずれかのユーザが不図示のリモコン、あるいは、DTV装置100本体のスイッチでDTV装置100の主電源をONにしたとすると、以下に示す処理が行われる。
【0015】
S202:ユーザ認識部101において、カメラ102もしくはリーダ103のどちらかのユーザ識別手段を用いて、視聴中のユーザを識別する。例えば、カメラ102における識別では図3に示す撮像範囲310内で撮影した画像に含まれる人間の人数、顔、性別、年齢等の特徴量を分析する。リーダ103における識別ではユーザが身に付けたICタグ321〜323から送信されてくる個人識別情報を分析する。これらの分析の結果、視聴中のユーザとして301〜303の3人を特定し、モード判定部104に判別結果を送信する。なお、リーダ103による識別では、特別なICタグを利用する代わりに、ユーザが普段から携帯している携帯電話等から近距離無線通信により送信される個人識別情報もしくは端末固有番号などをユーザ情報として利用してもよい。
【0016】
S203:モード判定部104はユーザ識別部101から送信されたユーザ判別結果について、ユーザ情報蓄積DB111に蓄積されたデータから該当するユーザを検索する。該当するユーザが存在した場合はS204に進む。ここで、本実施例においては、ユーザ情報蓄積DB111に登録されていない場合については、何もせずに動作を終了するものとする。
【0017】
S204:モード判定部104は、判別されたユーザに応じて後述する手順に従ってモードを決定する。ここで、モード(ユーザ嗜好モード、以降、前出と同様にモードとする)とは、ユーザ別、あるいはその組合せ毎に決められた番組/コンテンツの提示方法(推薦番組/コンテンツのジャンル)、および、それに付随した表示出力部、音声出力部の設定である。例えば、父モードならば推薦ジャンルはスポーツで表示色が青とし、子モードならば推薦ジャンルはアニメで表示色を黄とする等であり、その対応は後述するようにあらかじめユーザ情報蓄積DB111に登録されているものとする。そして、モードに応じた色または音を示す表示/音声設定を制御部106に、また、番組/コンテンツのジャンル設定を推薦部107にそれぞれ指定する。
【0018】
S205、S206:表示出力部108は制御部106から指定された表示設定に従い、ディスプレイに表示される画面の色、明るさ等の変化、あるいはメニュー画面
の構成等の変化、および/あるいは、ディスプレイ外枠部分のLED等の点灯、点滅等を行い、どのモードが選択されているかをユーザに対して知らせる。
【0019】
S205、S207:音声出力部109は制御部106から指定された音声設定に従い、スピーカから出力する効果音の音量、高さ、パターンを変化させることによって、どのモードが選択されているかをユーザに対して知らせる。
【0020】
S208:推薦部107は、モード判別部104から指定されたジャンル設定に従って、放送受信部105より受信した地上デジタル放送等の番組/コンテンツの中からユーザの嗜好に合ったものを選択する。制御部106は選択された番組/コンテンツを表示出力部108、音声出力部109を介してユーザへ提示する。
【0021】
ここで、図4を用いて、ユーザ情報蓄積DB111に登録されているユーザ情報について説明する。図4において、400はユーザの顔の特徴量であり、事前にカメラ102によって撮像領域内のユーザを撮影した撮影データからユーザ認識部101によって顔の特徴が抽出され、数値化されたものである。また、401ないし407は、ユーザ情報項目として、DTV装置100のディスプレイ108と不図示のリモコンを用いてユーザに事前に入力させた情報である。入力させる項目はユーザ名401、年齢402、性別403、ジャンル404、テーマカラー405、メイン視聴時間帯406、ユーザ優先度407である。ここで、ジャンルとは、ユーザがよく視聴する番組/コンテンツのジャンルであり、推薦部107が利用するデータである。例えば、ドラマ、スポーツ、アニメ等の選択肢の中から1つをユーザに選択させる。メイン視聴時間帯とは、ユーザが受動的に視聴するのではなく、積極的に視聴する時間のことであり、例えば、早朝、朝、昼、夕方、夜、深夜等の選択肢の中から1つ以上をユーザに選択させる。続いて、ユーザは自身の好みのメニュー画面等のユーザインタフェースのカラー等、効果音、通知音等のサウンドを設定する。この設定はモード判定部104でそのユーザ用のモードが選択されたときに表示出力部108および/もしくは音声出力部109で適用される。最後に番組/コンテンツを提示する際にどのユーザを優先するか、優先度を設定する。優先度は数値にて設定し、数字の小さい方が優先であり、複数のユーザが検出されたときにどのユーザのモードを優先するかを決める値である。例えば、父、母、子の3人家族で設定された優先度が、母1、子2、父3である場合は、母、子、父の順に優先されることを意味する。
【0022】
次に、図2のステップS204において、モード判定部104で行うモード判別、および、決定処理の詳細なフローについて、図7を用いて説明する。ここでは、ユーザ認識部101で特定された一人ないし複数人のユーザ判別結果と、それに対応するDB111に登録されたユーザ情報を用いて、以下の手順によりモードの決定を行う。
【0023】
S702:モード判定部104は図4の各ユーザのユーザ優先度407を読み出す。
【0024】
S703:モード判定部104は図4の各ユーザのメイン視聴時間帯406を読み出す。
【0025】
S704:S702、S703で読み出した情報を用い、ユーザの優先順位付けを行う。まず、S703で読み出したメイン視聴時間帯と現在時刻をユーザ毎に比較し、一致するかどうかを調べる。次に、一致したユーザ間の優先度の高い順に並べる。続いて、一致しないユーザを優先度の順に並べ、一致したユーザ群の下に追加する。例えば、図4において、現在時刻が夕方の時間帯である場合の優先順位は、図8に示すように、子、母、父の順となる。
【0026】
S705:S704で決定した優先順位に基づいて、最も優先順位が高いユーザの登録情報をモードとして決定する。例えば、上述の例であれば、優先順位が最も高いのは子であるので“子モード”となる。ジャンル404はアニメ、テーマカラー405は黄と設定しているので、LED等で表示する色は黄となり、提示される番組/コンテンツはアニメとなる。
【0027】
なお、ここでは、視聴時間帯を優先順位付けの判断情報として説明しているが、優先順位を決定するための判断情報は、視聴曜日としてもよいし、視聴曜日と視聴時間帯を組合せて用いるようにしてもよい。
【0028】
以上より、本実施例によれば、人物認識手段を備えたDTV装置において、番組/コンテンツを視聴しようとするユーザが複数の場合に、どのユーザ向けに番組/コンテンツが提示されているのかをLED等の表示またはスピーカからの効果音で判断することができる。また、複数のユーザが同時に視聴しているときに、その中から時間帯やユーザの行動パターンに応じて適切なユーザを選択して、番組/コンテンツを提示することができる。
【実施例2】
【0029】
次に、実施形態2における処理フローについて、図5を用いて説明する。図5は、実施形態1における図2の処理フローに対して、視聴中に新規ユーザが参加した場合に対する処理を加えたものである。図6のような状況において、ユーザ301がDTVを視聴中に、新たにユーザ601が加わった場合には、次のようにして制御が行われる。
【0030】
S502:上述S202と同様に視聴中のユーザを識別する。詳細な説明は省略する。
【0031】
S503:モード判定部104は新たに参加したユーザを含めたユーザ判別結果をユーザ識別部101から受信し、認識したそれぞれのユーザについてユーザ情報蓄積DB111に登録された情報を検索する。ユーザ情報蓄積DB111に登録されていないユーザについては、S203と同様にその存在を無視する。
【0032】
S504:S503で新たな参加ユーザを含めたユーザ検索結果を元にモード判定部104はS204と同様の手順で新たなモードの候補を決める。その候補がそれまでのモードと異なるモードであればS510に進み、同じであれば現在の状態を維持して終了する。
【0033】
S510:現在のモードをS504で決定した新たなモードの候補に切替えるか否かの質問をディスプレイ108に表示し、ユーザに選択させる。ユーザが不図示のリモコンを操作してモードを切り替える選択をした場合、現在のモードを変更し、制御部106に変更後のモードを送信する。モードを切り替えない選択をした場合は現在のモードを継続して終了する。
【0034】
S505〜S508は、上述S205〜S208とそれぞれ同様であるためここでの説明は省略する。
【0035】
以上より、本実施例によれば、あるユーザが番組/コンテンツ視聴中に別のユーザが新たに参加した場合など、ユーザ認識のタイミングが異なる場合においても、新たなモードに切り替えるか否かをユーザが選択することができ、番組の視聴中に勝手にモードが切り替わってしまう不便を解消することができる。
【実施例3】
【0036】
次に、本発明の実施形態3における処理フローについて図9を用いて説明する。図9の処理フローは実施形態1の図2の処理フローに対応しており、ユーザ認識結果にユーザ情報蓄積DB111に登録されていないユーザ(以下、ゲストと呼称する)が含まれる場合のモード判別および切替処理が追加されたものである。ゲストに対する処理以外の部分については実施形態1と同様である。
【0037】
S901:モード判定部104はユーザ識別部101から送信されたユーザ判別結果について、ユーザ情報蓄積DB111に蓄積されたデータから該当するユーザを検索する。ここで、本実施例においては、ユーザ情報蓄積DB111に登録されていればS902に進み、登録されていなければS903に進む。
【0038】
S902:モード判定部104はS901で登録されているユーザについてその登録区分を検索する。登録区分がDTV装置にユーザ情報を登録したユーザ(正規ユーザ)であればS906に進み、ゲストであればS904に進む。
【0039】
S903:ユーザ登録がされていなければ、ユーザ情報蓄積DB111にゲストとして登録する。
【0040】
S904:ユーザ認識部101がゲストを検出した時に、そのゲストの認識が何回目かをカウントする。ゲストが認識された回数(以下、認識カウントと呼称する)は過去に認識されたことがあれば、ユーザ情報蓄積DB111に保存されており、過去に認識されたことがなければ、新たにゲスト情報をユーザ情報蓄積DB111に保存する。
【0041】
S905:登録済ユーザとゲストの親交度合いを判断するため、ゲストの認識カウントが所定の閾値(信頼条件)を上回るかどうかを判定する。信頼条件は例えば、1ヶ月以内に3回以上、3ヶ月以内に5回以上、12ヶ月以内に7回以上等とし、DTV装置の設定メニュー等でユーザがあらかじめ数値を入力して設定しておくものとする。ゲストの認識カウントが信頼条件の回数以上であればS906に進み、信頼条件の回数未満であればS907に進む。
【0042】
S906:ゲストの認識カウントが信頼条件の回数以上の場合は、そのゲストは登録済ユーザとの親交度合いが高いとし、登録済みユーザに対して設定されているモードを継続し、提示する番組/コンテンツも変更なく継続する。例えば、現在のモードは子モードであり、信頼条件の回数が5回であり、ゲストの認識カウントが5回以上の場合には、現在のモードである子モードを継続し、提示する番組/コンテンツも変更なく継続する。ここでは、モードを継続する例を示したが、モードを変更し、提示する番組/コンテンツを変更する設定としてもよい。この設定を適用するとよい例は、登録済ユーザとゲストの嗜好が一致しており、提示する番組/コンテンツを変更した方がより楽しめる場合等である。
【0043】
S907:ゲストの認識カウントが信頼条件の回数未満の場合、ゲストは登録済ユーザとの親交度合いが低いとし、ゲストモードに切り替える準備(あらかじめ設定メニュー等でユーザが設定した、ゲスト向けの表示色、効果音を出力するように設定すること)を行う。このとき、ゲストモードに切り替えることを文章としてディスプレイ108に表示はしない、ガイダンス音声として音声出力部109から出力はしない等ゲストにとってはわからないように設定する。これは、ゲスト自身がゲストのためにモードが切り替わったことを知り、不快感を抱くことを防ぐためである。
【0044】
S908:ゲストモードに切り替え、提示する番組/コンテンツをゲスト向けに適したものに変更する。
【0045】
図10A、図10Bはゲストを含む場合のモード切替の一例である。図10Aにおいて、DTV装置100の前にユーザ情報蓄積DB111に登録済ユーザである父1001とゲスト1002が向かっている状況でカメラ102が父1001とゲスト1002を検出し、ゲスト1002の認識カウントが信頼条件の回数未満であったとする。このとき、あらかじめゲスト用として設定しておく表示色あるいは効果音など、日常的にDTV装置を使用するユーザが認知している情報を使用し、父1001だけがゲスト向けのモードに切り替わったことが認識できるように、表示出力部108は表示色等の出力、音声出力部109は効果音等の出力を行う。例として、父1001はゲストが来たときの表示色を緑と設定しており、父1001とゲスト1002が同時にDTV装置の前に来たときには、ゲスト1002は何らかの表示がされたことしかわからず、父1001は自らが設定した色が表示されたので、ゲストモードに切り替わったことを認識している状況である。図10Bはゲスト向けのモードに切り替わり、番組/コンテンツを表示している状況を示している。
【0046】
以上より、本実施例によれば、DTV装置を日常的に利用しているユーザ以外の人物が認識された場合に、その人物をゲストと位置付け、ゲスト向けに適した番組/コンテンツを提示することができる。また、DTV装置を日常的に利用しているユーザ個人の嗜好性が高い番組/コンテンツの提示を行わないようにすることができ、ユーザ個人のプライバシーをゲストから保護することもできる。さらに、信頼条件の回数を設けることで、親交の深い友人などが来訪した場合にDTV装置に登録済みユーザと同様に認識することで、同時に視聴しているユーザに対して、通常通りにそれぞれの嗜好を考慮した上での番組/コンテンツの提示をすることができる。なお、各ユーザの嗜好については、過去に視聴した番組/コンテンツの履歴情報を反映したものであってもよい。これにより、DTV装置に登録済みユーザと同様に認識することになったゲストの嗜好も考慮することができる。
【実施例4】
【0047】
次に、本発明の実施形態4における処理フローについて、図11を用いて説明する。図11は実施形態1の図2に対応しており、視聴していたユーザが不在となる場合のモード切替処理が追加されたものである。ここでは、実施例1、実施例2、実施例3で説明した状況のいずれかにおいて、番組/コンテンツを視聴中のユーザのうち、一人ないし複数人が現在認識されているユーザ組合せから抜けた場合の動作を説明する。(例えば、カメラによる人物識別の場合、DTV装置の前から離れる等)
S1101:ユーザ組合せを認識する。認識手段は基本的にカメラ102とし、DTV装置が一定周期(例えば、60秒毎)で自動的に認識を行い、視聴中のユーザの組合せが変わったかどうかを判別する。
【0048】
S1102:組合せに変更があった場合はS1103に進み、変更が無かった場合はS1101に戻る。なお、視聴中のユーザ組合せの認識手段として、カメラ102の代わりにリーダ103で認識してもよい。この場合は、ユーザの自発的行動により、ユーザが抜けることを手動でDTV装置に通知させてもよいし、あるいは、ICタグが通信可能エリアから外れる等、接続が不可となったことをDTV装置が自動的に検知するようにしてもよい。
【0049】
S1103:一定時間(例えば、10分間)経過後も再認識したユーザの組合せであるか(抜けたユーザが戻ってこない)を判定する。再認識したユーザの組合せである場合はS1104に進み、再認識したユーザの組合せでない(抜けたユーザが再度戻ってきた)場合はS1107に進む。なお、抜けたユーザがさらに別のユーザ、あるいは、ゲストと戻ってきた場合は、実施例2または実施例3で説明したフローに準じて、新たなユーザを含めたモード再判定の処理を行う。
【0050】
S1104:モード切替を促す画面を提示する。(例えば、図12を参照)
S1105:モードを切替えるか否かの問合せに対するユーザの応答を判定する。ユーザが“はい”を選択した場合はS1106に進み、ユーザが“いいえ”を選択した場合はS1107に進む。
【0051】
S1106:実施例2のS204と同様に、図7に示したモード判別・切替処理を行い、残されたユーザの組合せに対して選ばれたモードへ切替を行う。
【0052】
S1107:現在のモードを継続して終了する。
【0053】
以上より、本実施例によれば、ユーザが一時的に自席を離れる等の場合には即座にモードを切替えずにモードを継続することで自席に復帰した時にも継続して番組/コンテンツを楽しむことができる。また、一定時間経過してもユーザが戻ってこない場合には、残された一人ないし複数のユーザに合ったモードに切り替えることが可能となり、より適当な番組/コンテンツを提示することができる。
【実施例5】
【0054】
図13は本発明の実施形態5におけるDTV装置のブロック図である。
【0055】
101〜111は実施例1における図1のブロック図と同様の構成である。1301は、ネットワーク制御部である。1302は、一般に防犯等に役立てられている監視カメラである。監視カメラ1302は住宅の玄関等の離れたところに設置され、有線あるいは無線通信でDTV装置100にネットワーク接続している。
【0056】
図13において、監視カメラ1302で撮影されたユーザ情報はネットワーク制御部1301を介して、ユーザ認識部101に入力される。それ以降は実施例1の説明と同様の動作が行われる。
【0057】
次に、ネットワーク制御を用いてユーザ認識を行う場合の処理フローについて、図14を用いて説明する。なお、本実施例は住宅内のユーザが来訪者を迎える際を一例としているが、これに限定するものではない。
【0058】
S1401:図15に一例を示すような状況において、住宅1510の玄関ドア1511の前に立った来訪者1501を監視カメラ1302が撮影し、検出する。なお、来訪者は1名に限らず、複数人であってもよい。
【0059】
S1402:ユーザ認識部101は、ネットワーク制御部1301を介して検出された来訪者の検出結果を受信し、図2のS202のカメラ102での処理と同様に人物識別を行う。
【0060】
S1403:人物識別を終了する。ユーザ認識部101はモード判定部104に人物識別結果を送信する。このとき、人物識別結果に加えて、監視カメラ1302の検出結果であることを人物識別結果に付加する。
【0061】
S1404:一定時間(例えば、30秒)内に、実施例2において、図5を用いて説明したS503ないしS508の処理フローと同様にモードの変化判定および切替可否問い合わせを実施し、その応答に従ってモードの切替処理を行う。
【0062】
なお、本実施例では監視カメラを用いることで来訪者を自動的に検出および識別できる構成にて説明しているが、インターホン等から出力される映像や音声によってユーザ自身が来訪者を識別し、インターホン等に備えられたボタン等を用いて手動で来訪者の識別情報を入力するようにしてもよい。
【0063】
以上より、本実施例によれば、DTV装置を利用することが想定される人物が近接していなくても、カメラをネットワーク接続することで遠隔でもユーザを認識することが可能となり、実施例1〜実施例3と同様のモード切替を実施することができる。また、監視カメラで認識した人物がDTV装置に近接する前にあらかじめユーザ別のモード設定を行うことで、DTV装置の前に立つ時には適当な番組/コンテンツが提供されており、待たされることなく楽しむことができる。さらには、監視カメラで認識した人物がゲストの場合、ユーザ個人の嗜好が強く反映された番組/コンテンツから、ゲスト向けに適したコンテンツへより早く切り替えられるため、プライバシー保護の面でより強化を図ることができる。
【符号の説明】
【0064】
100 DTV装置
101 ユーザ認識部
102 カメラ
103 リーダ
104 モード判定部
105 放送受信部
106 制御部
107 推薦部
108 表示出力部
109 音声出力部
110 ユーザ情報蓄積/制御部
111 ユーザ情報蓄積DB
1301 ネットワーク制御部
1302 監視カメラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送番組を複数のユーザに対して推薦する情報処理装置であって、
前記放送番組を受信する受信部と、
映像および/または音声を出力する出力部と、
ユーザの特徴データを抽出するユーザ認識部と、
複数のユーザごとに、ユーザの特徴に関するデータ、ユーザが嗜好する番組のジャンル並びにユーザが設定する映像および/または音声のモードに関するデータ、ユーザごとの優先度に関するデータを蓄積するユーザ情報蓄積部と、
前記ユーザ情報蓄積部に蓄積されたデータから前記ユーザ認識部で抽出されたユーザの特徴により、ユーザを特定し、特定されたユーザの中から優先されるユーザのモードを決定するモード判定部と、
前記モード判定部で決定されたモードに従って、ジャンルに該当する放送番組と設定された映像および/または音声とを出力部に出力させる制御部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記ユーザ情報蓄積部は、ユーザの利用時間帯をさらに蓄積し、
前記モード判定部は、現在時刻が前記利用時間帯に該当するユーザを優先してモードを決定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ユーザ情報蓄積部に登録されていないユーザがいる場合、前記モード判定部は、当該ユーザをゲストとした、前記ユーザ情報蓄積部に登録されたユーザのモードとは別に設定されているゲスト用のモードに決定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記モード判定部は、前記ゲストとなるユーザについて、前記ユーザ認識部で抽出された特徴データ及び抽出した回数を前記ユーザ情報蓄積部に記憶させ、前記ゲストとなるユーザの抽出回数が所定回数を超えた場合には、登録されたユーザとして判定することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記モード判定部は、特定しているユーザの組合せに変化が生じた場合には、新たな組合せに基づいて、モードを決定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記モード判定部は、特定しているユーザの組合せに変化が生じてから、所定の時間が経過した後に、新たな組合せに基づくモードを決定することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記モード判定部で新たなモードが決定される前に、新たなモードへ切替えてよいかどうかの問い合わせに関する情報を出力部に出力させることを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2012−222586(P2012−222586A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85947(P2011−85947)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】