説明

情報処理装置

【課題】意図しない無線通信の実行を抑制することができる情報処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】パーソナルコンピュータ1は通信モジュール8により通信機器10と無線通信を実行する。この無線通信は通信モジュール8に通信機器10を近接させることで確立する。CPU14は、通信モジュール8にて通信機器10を検出した状態が所定時間継続する場合に、無線通信を開始するように制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信機能を有する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の操作におけるヒューマンエラーを抑制する工夫が、各種の電子機器において施されている。
一例として、リスクの高さに連動させて、処理を実行するまでの時間を制御することが行われている。この開示されている技術によれば、リスクの高いと判別された処理については、ユーザに通常に比べて長時間のボタン操作を要求する。例えば、自動現金預入支払機(ATM)において、扱う金額が大きい場合には、実行ボタンを所定の時間押下し続けなければ、次の処理を実行しないとする。このように、リスクが高い場合には操作に要する時間を長く設定することで、ユーザに操作を省みて間違えていなかったかどうかを思案する機会を与えるものである(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−225839号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、近距離無線通信機能を備えた電子機器が普及している。近距離無線通信には様々な規格があり、通信可能な距離内に通信機器が入ってきたことを検出することで無線通信を開始するものがある。このような無線通信においては、通信相手の探索、選択及び認証が不要であり、近接させる動作のみで通信を確立することができる。
【0005】
このような無線通信においては、簡便に無線通信を開始することができる一方で、ユーザが誤って通信機器同士を近接させたときにも無線通信が行われることとなる。即ち、ユーザの意図しない無線通信が実行されることにより、データが漏洩する虞がある。
そこで、通信可能な距離内に通信機器を検出することで確立することができる無線通信においては、通信を確立するために他の条件を課すことが必要である。
【0006】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、意図しない無線通信の実行を抑制することができる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る情報処理装置は、他の通信機器を検出することで自動的に開始可能な無線通信を実行する無線通信部を有する。前記無線通信部は、前記他の通信機器を検出した状態が所定時間の間継続した場合に前記無線通信を開始する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、意図しない無線通信の実行を抑制することができる情報処理装置を提供することが実現する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施の形態におけるパーソナルコンピュータの外観斜視図。
【図2】本実施の形態におけるパーソナルコンピュータの機能ブロック図。
【図3】第1の実施の形態における通信制御手順のフローチャートを示す図。
【図4】第2の実施の形態における通信制御手順のフローチャートを示す図。
【図5】第3の実施の形態における通信制御手順のフローチャートを示す図。
【図6】第4の実施の形態における通信制御手順のフローチャートを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図1〜図6を参照して、本発明の実施の形態について、例えば、情報処理装置の1つであるパーソナルコンピュータ1に適用した場合を例に説明する。図1は、本実施の形態におけるパーソナルコンピュータ1の外観斜視図である。
【0011】
パーソナルコンピュータ1は、コンピュータ本体2と、ディスプレイユニット3とから構成されている。コンピュータ本体2とディスプレイユニット3とは、ヒンジ4を介して回動可能に連結されている。ディスプレイユニット3には、表示装置3aが組み込まれている。表示装置3aは、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等である。
【0012】
コンピュータ本体2は、本体筐体2aと、キーボード5と、タッチパッド6と、電源スイッチ7と、通信モジュール8と、ボタン9とから構成されている。
本体筐体2aは、薄い箱状であり、内部に各種の電子部品やディスクドライブ等を収納している。本体筐体2a上面には、キーボード5やタッチパッド6等の入力デバイスが設けられている。
【0013】
キーボード5は、本体筐体2a上面に設けられる入力デバイスである。キーボード5の操作されたキーに応じて信号が各部に伝送される。キーボード5の所定のキーは、通信モジュール8において実行する無線通信の開始を指示するために用いられる。
【0014】
タッチパッド6は、本体筐体2a上面に設けられるポインティングデバイスである。タッチパッド6の操作に応じて信号が各部に伝送される。
電源スイッチ7は、ユーザによる操作に応じてポータブルコンピュータ1をパワーオン/パワーオフする制御信号を入力する。
通信モジュール8は、通信機器10と無線通信を実行するモジュールである。通信機器10は、例えば無線通信機能を備えたデジタルカメラや携帯電話等である。通信モジュール8は、無線通信を介して通信機器10との間で、映像や音楽等のデータを送受信する。
この無線通信とは、通信機器10が通信距離内に入ってきたときに通信機器10を検出し、無線通信を確立させるものである。即ち、通信モジュール8は通信相手を検索、選択、認証することなく、無線通信を確立することができるとする。無線通信の通信距離としては数センチを想定し、通信モジュール8に対応する位置の本体筐体2a上に通信機器10を載置して無線通信を実行するとする。
【0015】
ボタン9は、無線通信の開始を指示するための入力デバイスである。
図2は、本実施の形態におけるパーソナルコンピュータ1の機能ブロック図である。パーソナルコンピュータ1は、表示装置3aと、キーボード5と、タッチパッド6と、電源スイッチ7と、通信モジュール8と、ボタン9と、CPU(Central Processing Unit)14と、ノースブリッジ15と、主メモリ16と、グラフィックスコントローラ17と、VRAM(Video Random Access Memory)18と、サウスブリッジ19と、HDD(Hard Disk Drive)20と、BIOS−ROM(Basic Input Output System Read Only Memory)21と、EC/KBC(Embedded Controler/Keyboard Controller)22と、電源コントローラ23と、バッテリ24と、AC(Alternating Current)アダプタ25とを備えている。
【0016】
表示装置3aは、グラフィックスコントローラ17からの映像信号に基づいて、映像を表示する。
CPU14は、本パーソナルコンピュータ1の動作を制御するために設けられたプロセッサであり、HDD20から主メモリ16にロードされるオペレーティングシステム及び各種アプリケーションプログラムを実行する。またCPU14は、BIOS−ROM21に格納されたシステムBIOSを主メモリ16にロードした後、実行する。システムBIOSはハードウェア制御のためのプログラムである。本実施の形態においては、無線通信に関するアプリケーションを実行し、通信モジュール8において実行する無線通信の制御を行う。
【0017】
ノースブリッジ15はCPU14のローカルバスとサウスブリッジ19との間を接続するブリッジデバイスである。ノースブリッジ15には主メモリ16をアクセス制御するメモリコントローラも内蔵されている。また、ノースブリッジ15はAGP(Accelerated Graphics Port)バス等を介してグラフィックスコントローラ17との通信を実行する機能も有している。
【0018】
主メモリ16は、HDD20に記憶されるオペレーティングシステム及び各種アプリケーションプログラムや、BIOS−ROM21に格納されたシステムBIOSを展開されるためのいわゆるワーキングメモリである。
【0019】
グラフィックスコントローラ17は、本コンピュータのディスプレイモニタとして使用される表示装置3aを制御する表示コントローラである。このグラフィックスコントローラ17はオペレーティングシステム/アプリケーションプログラムによってVRAM18に蓄積された表示データから、表示装置3aに表示すべき表示イメージを形成する映像信号を生成する。
【0020】
サウスブリッジ19は、BIOS−ROM21へのアクセスや、HDD20及びODD(Optical Disk Drive)等のディスクドライブ(I/Oデバイス)の制御を行う。また本実施の形態においては、外部機器と無線通信を行うための通信モジュール8が接続されている。
【0021】
HDD20は、オペレーティングシステム及び各種アプリケーションプログラム等を記憶する記憶装置である。本実施の形態においては、無線通信に関するアプリケーションを記憶している。
【0022】
BIOS−ROM21はハードウェア制御のためのプログラムであるシステムBIOSを格納する書き換え可能な不揮発性メモリである。
EC/KBC22は、パーソナルコンピュータ1のシステム状況に関わらず、各種のデバイス(周辺機器、センサ、電源回路等)を監視し制御するワンチップ・マイコンである。即ち、EC/KBC22は、キーボード5やタッチパッド6等の入力デバイスの制御を行う。
【0023】
電源コントローラ23は、外部電源がACアダプタ25を介して供給されている場合、ACアダプタ25から供給される外部電源を用いてパーソナルコンピュータ1の各コンポーネントに供給すべきシステム電源を生成する。また、電源コントローラ23は、外部電源がACアダプタ25を介して供給されていない場合、バッテリ24を用いてパーソナルコンピュータ1の各コンポーネント(コンピュータ本体2、及びディスプレイユニット3)に供給すべきシステム電源を生成する。
【0024】
次に、図3を用いて本発明の第1の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態においては、通信モジュール8が、通信機器10を検出した状態で所定時間が経過した場合に無線通信を開始する。例えば、ユーザが誤って通信モジュール8に通信機器10を近づけた場合には、通常すぐに通信機器10を通信モジュール8から遠ざける。従って、通信モジュール8と通信機器10とが近接した状態が、所定時間以上継続しているか否かを判別することで、ユーザが無線通信を行うために通信機器10を通信モジュール8の近傍に配置しているかを判別する。
【0025】
即ち、通信モジュール8において通信機器10を検出している時間が所定時間未満である場合には、無線通信を意図していないと判別し無線通信を開始しない。一方、通信モジュール8において通信機器10を検出している時間が所定時間以上である場合には、無線通信を行うために通信機器10を通信モジュール8の近傍に配置していると判別し無線通信を開始する。
【0026】
図3は、第1の実施の形態における通信制御手順のフローチャートを示す図である。以下の通信制御手順は、無線通信に関するアプリケーションプログラムをCPU14が実行することで行われる。
【0027】
まず、CPU14は、通信モジュール8にて通信機器10を検出したか否かを判別する(ステップS11)。即ち、通信モジュール8の通信距離内に通信機器10が存在するか否かを判別する。その結果、通信機器10を検出していないと判別した場合(ステップS11のNo)、ステップS11に戻る。一方、ステップS11で判別した結果、通信機器10を検出したと判別した場合(ステップS11のYes)、次にCPU14は通信機器10を検出した状態で所定時間が経過したか否かを判別する(ステップS12)。所定時間の計時は、例えばCPU14に内蔵されるクロックにて行う。
【0028】
ステップS12で判別した結果、通信機器10を検出した状態で所定時間が経過したと判別していないと判別した場合(ステップS12のNo)、この通信制御手順を終了する。即ち、ユーザの誤動作等により通信機器10が偶然に通信モジュール8と近接した状態が検出されたのであり、無線通信を行うために近接させていたのではないと判別し、無線通信は実行しない。
【0029】
一方、ステップS12で判別した結果、通信機器10を検出した状態で所定時間が経過したと判別した場合(ステップS12のYes)、次にCPU14は、通信機器10との間で無線通信を確立させる(ステップS13)。即ち、通信機器10が無線通信を行うために通信モジュール8と近接した状態に配置していると判別し、無線通信を開始する。尚、ステップS13において、無線通信の開始をスピーカから音声を出力したり、インジケータを点灯させることによりユーザに知らせることとしても良い。
【0030】
次にCPU14は、通信機器10との間でデータの送受信を実行する(ステップS14)。例えば、通信機器10の指定フォルダ内に格納されたデータをパーソナルコンピュータ1に送信し、パーソナルコンピュータ1は受信したデータをHDD20に格納する。
【0031】
次に、CPU14はデータの送受信が完了したか否かを判別する(ステップS15)。即ち、指定フォルダ内のデータの送受信が全て行われたか否かを判別する。
ステップS15で判別した結果、データの送受信が完了していないと判別した場合(ステップS15のNo)、ステップS15に戻る。一方、ステップS15で判別した結果、データの送受信が完了したと判別した場合(ステップS15のYes)、CPU14は無線通信を切断する(ステップS16)。以上で、第1の実施の形態における通信制御手順を終了する。
【0032】
以上のように構成される第1の実施の形態によれば、通信機器10を通信モジュール8と近接した状態に一定時間に亘って配置しているか否かを判別することで、ユーザの誤動作により通信モジュール8に近接した通信機器10との間で無線通信が開始されることが抑制される。従って、ユーザの意図しない無線通信が実行されることによるデータ漏洩を抑制することができる。
【0033】
次に図4を用いて、本発明に係る第2の実施の形態について説明する。図4は、第2の実施の形態における通信制御手順のフローチャートを示す図である。
第2の実施の形態においては、通信機器10を通信モジュール8に近接させた状態において、キーボード5内の所定のキー又はボタン9を押下している間のみ、無線通信を実行する。
【0034】
まず、CPU14は、通信モジュール8にて通信機器10を検出したか否かを判別する(ステップS21)。その結果、通信機器10を検出していないと判別した場合(ステップS21のNo)、ステップS21に戻る。一方、ステップS21で判別した結果、通信機器10を検出したと判別した場合(ステップS21のYes)、次にCPU14はキーボード5の所定のキー又はボタン9を押下しているか否かを判別する(ステップS22)。キーボード5の所定のキー又はボタン9を押下している間のみ無線通信を実行することを、予めユーザに認識させておくとしても良いし、押下することを促す画面を表示して認識させるとしても良い。
【0035】
ステップS22で判別した結果、所定のキー又はボタン9を押下していないと判別した判別した場合(ステップS22のNo)、この通信制御手順を終了する。即ち、ユーザの誤動作等により通信機器10が偶然に通信モジュール8と近接した状態を検出したのであり、無線通信を行うために近接させていたのではないと判別し、無線通信は実行しない。
【0036】
一方、ステップS22で判別した結果、所定のキー又はボタン9を押下していると判別した場合(ステップS22のYes)、次にCPU14は、通信機器10との間で無線通信を確立させる(ステップS23)。
【0037】
次に、CPU14は、通信機器10との間でデータの送受信を実行する(ステップS24)。次に、CPU14は所定のキー又はボタン9を継続して押下した状態であるか否かを判別する(ステップS25)。即ち、無線通信の実行するために、所定のキー又はボタン9をステップS22で押下してから継続して押下することを条件とするものである。所定のキー又はボタン9を押下している間のみ、無線通信を実行する。
【0038】
ステップS25で判別した結果、所定のキー又はボタン9を継続して押下した状態でないと判別した結果(ステップS25のNo)、後述するステップS27に進む。一方、ステップS25で判別した結果、所定のキー又はボタン9を継続して押下した状態であると判別した場合(ステップS25のYes)、CPU14はデータの送受信が完了したか否かを判別する(ステップS26)。
【0039】
ステップS26で判別した結果、データの送受信が完了していないと判別した場合(ステップS26のNo)、ステップS24に戻る。即ち、データの送受信を続行する。一方、データの送受信が完了したと判別した場合(ステップS26のYes)、CPU14は無線通信を切断する(ステップS27)。以上で、第2の実施の形態における通信制御手順を終了する。
【0040】
以上のように構成される第2の実施の形態によれば、通信機器10を通信モジュール8に近接させた状態において、キーボード5内の所定のキー又はボタン9を押下する動作を、無線通信を実行する条件とすることで、無線通信が誤動作によって実行されることを防止する。即ち、第2の実施の形態によれば、無線通信を行うためには、通信モジュール8に通信機器10を近接させ、且つ所定のキー又はボタン9を押下するという2つの動作が必要となり、ユーザの意図しない無線通信を抑制することができる。
【0041】
次に、図5を用いて、本発明に係る第3の実施の形態について説明する。図5は、第3の実施の形態における通信制御手順のフローチャートを示す図である。
第3の実施の形態においては、通信機器10を通信モジュール8に近接させた状態において、キーボード5内の所定のキー又はボタン9を押下した後の所定時間の間のみ、無線通信を実行する。
【0042】
まず、CPU14は、通信モジュール8にて通信機器10を検出したか否かを判別する(ステップS31)。その結果、通信機器10を検出していないと判別した場合(ステップS31のNo)、ステップS31に戻る。一方、ステップS31で判別した結果、通信機器を検出したと判別した場合(ステップS31のYes)、次にCPU14はキーボード5の所定のキー又はボタン9を押下したか否かを判別する(ステップS32)。
【0043】
ステップS32で判別した結果、所定のキー又はボタン9を押下していないと判別した場合(ステップS32のNo)、この通信制御手順を終了する。
一方、ステップS32で判別した結果、所定のキー又はボタン9を押下したと判別した場合(ステップS32のYes)、次にCPU14は、通信機器10との間で無線通信を確立させる(ステップS33)。無線通信を確立したことを示す音を出力するとしても良い。次にCPU14は、通信機器10との間でデータの送受信を実行する(ステップS34)。
【0044】
次に、CPU14は所定時間が経過したか否かを判別する(ステップS35)。所定時間の計時は、例えばCPU14に内蔵されるクロックにて行う。ステップS35で判別した結果、所定時間が経過していないと判別した場合(ステップS35のNo)、ステップS35に戻る。一方、所定時間が経過したと判別した場合(ステップS35のYes)、CPU14はデータの送受信を完了したか否かを判別する(ステップS36)。ステップS36で判別した結果、データの送受信を完了していないと判別した場合(ステップS36のNo)、ステップS32に戻る。一方、ステップS36で判別した結果、データの送受信を完了したと判別した場合(ステップS36のYes)、CPU14は無線通信を切断する(ステップS36)。即ち、所定のキー又はボタン9を押下した後の、所定時間の間のみ無線通信を実行する。以上で、第3の実施の形態における通信制御手順を終了する。
【0045】
以上のように構成される第3の実施の形態によれば、所定のキー又はボタン9を押下した後の所定時間の間のみ、無線通信を可能にする。即ち、無線通信を開始するために、ユーザに所定のキー又はボタン9を押下するという動作を必要な条件とすることで、意図しない無線通信が実行されることを抑制することができる。
【0046】
次に、図6を用いて、本発明に係る第4の実施の形態について説明する。図6は、第4の実施の形態における通信制御手順のフローチャートを示す図である。
第4の実施の形態においては、通信機器10を通信モジュール8に近接させた状態において、ディスプレイ3に表示させる画面において無線通信を実行すると選択した場合に、無線通信を実行する。
【0047】
まず、CPU14は、通信モジュール8にて通信機器10を検出したか否かを判別する(ステップS41)。その結果、通信機器10を検出していないと判別した場合(ステップS41のNo)、ステップS41に戻る。一方、ステップS41で判別した結果、通信機器を検出したと判別した場合(ステップS41のYes)、次にCPU14は無線通信開始画面を表示する(ステップS42)。即ち、CPU14はグラフィックスコントローラ17を制御し映像信号を生成し、この映像信号を表示装置3aで出力することで、無線通信開始画面を表示する。この無線通信開始画面は、無線通信を開始するか否かを選択するボタンが表示するものである。
【0048】
次に、CPU14は無線通信開始画面において無線通信を開始することを選択したか否かを判別する(ステップS43)。ステップS43で判別した結果、無線通信を開始することを選択していないと判別した場合(ステップS43のNo)、この通信制御手順を終了する。即ち、無線通信開始画面において無線通信を開始することを選択しない限り、無線通信を実行しない。
【0049】
一方、無線通信開始画面において無線通信を開始することを選択したと判別した場合(ステップS43のYes)、CPU14は通信機器10との間で無線通信を確立させる(ステップS44)。次にCPU14は、通信機器10との間でデータの送受信を実行する(ステップS45)。
【0050】
次に、CPU14はデータの送受信が完了したか否かを判別する(ステップS46)。ステップS46で判別した結果、データの送受信が完了していないと判別した場合(ステップS46のNo)、ステップS46に戻る。一方、ステップS46で判別した結果、データの送受信が完了したと判別した場合(ステップS46のYes)、CPU14は通信機器10との間の無線通信を切断する(ステップS47)。以上で、第4の実施の形態における通信制御手順を終了する。
【0051】
以上のように構成される第4の実施の形態によれば、無線通信開始画面上で無線通信を実行することを選択した場合のみ、無線通信を実行可能にする。即ち、画面上の操作を無線通信開始に必要な条件とすることで、意図しない無線通信が実行されることを抑制し、以って情報が漏洩することを抑制する。
【0052】
上述の第4の実施の形態においては、画面上のボタンを選択すると無線通信を実行するとしたがこれに限定されることはない。例えば、画面上のボタンを選択している間、若しくは画面上のボタンを選択した後一定期間内のみ無線通信を実行するとしても良い。
【0053】
尚、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1…パーソナルコンピュータ、2…コンピュータ本体、2a…本体筐体、3…ディスプレイユニット、3a…表示装置、4…ヒンジ、5…キーボード、6…タッチパッド、7…電源スイッチ、8…通信モジュール、9…ボタン、10…通信機器、14…CPU、15…ノースブリッジ、16…主メモリ、17…グラフィックスコントローラ、18…VRAM、19…サウスブリッジ、20…HDD、21…BIOS−ROM、22…EC/KBC、23…電源コントローラ、24…バッテリ、25…ACアダプタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の通信機器を検出することで自動的に開始可能な無線通信を実行する無線通信部を有する情報処理装置であって、
前記無線通信部は、
前記他の通信機器を検出した状態が所定時間の間継続した場合に前記無線通信を開始する情報処理装置。
【請求項2】
前記無線通信部は、
前記通信相手の検索を実行することなく自動的に無線通信を開始する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記無線通信部は、
前記通信相手との認証を実行することなく自動的に無線通信を開始する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記無線通信が近接無線通信である請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記無線通信の通信距離が数センチである請求項1乃至請求項4いずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
無線通信の開始を報知する報知手段を具備する請求項1乃至請求項5いずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記無線通信部は、
開始した無線通信により、指定格納場所のデータの送受信を実行する請求項1乃至請求項6いずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記指定格納場所のデータの送受信が全て完了した場合に無線通信を切断する請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置が他の通信機器を検出することで自動的に開始可能な無線通信の通信制御方法であって、
前記他の通信機器を検出した状態が所定時間の間継続した場合に前記情報処理装置が前記他の通信機器との無線通信を開始する通信制御方法。
【請求項10】
前記通信相手の検索を実行することなく自動的に無線通信を開始する請求項9に記載の通信制御方法。
【請求項11】
前記通信相手との認証を実行することなく自動的に無線通信を開始する請求項9に記載の通信制御方法。
【請求項12】
前記無線通信が近接無線通信である請求項9乃至請求項11いずれか1項に記載の通信制御方法。
【請求項13】
前記無線通信の通信距離が数センチである請求項9乃至請求項12いずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
無線通信の開始を報知する請求項9乃至請求項13いずれか1項に記載の通信制御方法。
【請求項15】
開始した無線通信により、指定格納場所のデータの送受信を実行する請求項9乃至請求項14いずれか1項に記載の通信制御方法。
【請求項16】
前記指定格納場所のデータの送受信が全て完了した場合に無線通信を切断する請求項15に記載の通信制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−51687(P2013−51687A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−204655(P2012−204655)
【出願日】平成24年9月18日(2012.9.18)
【分割の表示】特願2010−251029(P2010−251029)の分割
【原出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】