情報提供システムとその親局装置、および情報提供方法
【課題】 危険地域の周辺住民にきめ細かく情報を提供する。
【解決手段】 実施形態によれば、情報提供システムは、親局と複数の子局とを備える。親局は、少なくとも雨に関する自然現象データを提供する防災データ提供システムに接続される。各子局は、地域内のエリアごとに配置されエリア内に防災情報を提供する。親局は取得部、雨量予測部、水位予測部、データベース、判定部、特定部を備える。取得部は防災データ提供システムから自然現象データを取得する。雨量予測部は取得した自然現象データに基づいて地域内における雨量分布を予測する。水位予測部は取得した自然現象データに基づいて地域内における河川の水位分布を予測する。データベースは複数の子局のそれぞれの位置情報を記憶する。判定部は雨量分布および水位分布の少なくとも一方に基づいて、防災情報を提供すべきエリアを判定する。特定部は判定されたエリアに対応する子局を位置情報に基づいて特定し、当該特定した子局に防災情報を提供させる。
【解決手段】 実施形態によれば、情報提供システムは、親局と複数の子局とを備える。親局は、少なくとも雨に関する自然現象データを提供する防災データ提供システムに接続される。各子局は、地域内のエリアごとに配置されエリア内に防災情報を提供する。親局は取得部、雨量予測部、水位予測部、データベース、判定部、特定部を備える。取得部は防災データ提供システムから自然現象データを取得する。雨量予測部は取得した自然現象データに基づいて地域内における雨量分布を予測する。水位予測部は取得した自然現象データに基づいて地域内における河川の水位分布を予測する。データベースは複数の子局のそれぞれの位置情報を記憶する。判定部は雨量分布および水位分布の少なくとも一方に基づいて、防災情報を提供すべきエリアを判定する。特定部は判定されたエリアに対応する子局を位置情報に基づいて特定し、当該特定した子局に防災情報を提供させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、例えば防災行政無線システムに好適に利用可能な情報提供システムとその親局装置、および情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の局地豪雨、大規模地震や津波などによる被害の増加などを受け、危険地域の周辺住民に如何に早く的確に情報を提供できるかが課題となっている。防災行政無線システムは効果的な情報提供手段として注目されており、さらなる高機能化を求められてもいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−122562号公報
【特許文献2】特開2005−174111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既存の情報提供システムでは、防災行政無線の屋外拡声子局から気象情報や河川情報を拡声放送するようにしており、情報提供の単位となる拡声区域(エリア)は比較的広域である。ようするに如何なる情報を如何なるエリアに通知するかは大雑把である。戸別宅内に設置される戸別受信機を用いても、提供される情報は同様である。システムの高機能化にあたってはエリアをさらに局地化させ、また、動的に変化させられる機能などが要求されるがこのような技術は未だ知られていない。
目的は、危険地域の周辺住民にきめ細かく情報を提供できるようにした情報提供システムとその親局装置、および情報提供方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、情報提供システムは、親局と複数の子局とを備える。親局は、少なくとも雨に関する自然現象データを提供する防災データ提供システムに接続される。各子局は、地域内のエリアごとに配置されエリア内に防災情報を提供する。親局は取得部、雨量予測部、水位予測部、データベース、判定部、特定部を備える。取得部は防災データ提供システムから自然現象データを取得する。雨量予測部は取得した自然現象データに基づいて地域内における雨量分布を予測する。水位予測部は取得した自然現象データに基づいて地域内における河川の水位分布を予測する。データベースは複数の子局のそれぞれの位置情報を記憶する。判定部は雨量分布および水位分布の少なくとも一方に基づいて、防災情報を提供すべきエリアを判定する。特定部は判定されたエリアに対応する子局を位置情報に基づいて特定し、当該特定した子局に防災情報を提供させる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】実施形態に係わる情報提供システムの一例を示すシステム図。
【図2】図1に示される気象情報入力部130の一例を示す機能ブロック図。
【図3】各屋外拡声子局201〜20nの拡声区域のエリア情報を模式的に示す図。
【図4】雨量予測部130bによる予測結果の一例を示す図。
【図5】降雨域と拡声エリアとが重なる領域が時間の経過とともに変化することを模式的に示す図。
【図6】水位予測部130cによる予測結果の一例を示す図。
【図7】河川氾濫区域と拡声エリアとの重なりを模式的に示す図。
【図8】実施形態に係わる親局設備100により実施される処理手順を示すフローチャート。
【図9】比較のため既存の防災行政無線システムを示す図。
【図10】比較のため既存の防災行政無線システムの他の例を示す図。
【図11】比較のため既存の防災行政無線システムの他の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、実施形態に係わる情報提供システムの一例を示すシステム図である。このシステムは、庁舎などに設置される防災行政無線親局設備100を中核として、この防災行政無線親局設備100と無線通信する屋外拡声子局201〜20n、戸別受信機211〜21nを備える。屋外拡声子局201〜20n、戸別受信機211〜21nは、対象とする地域内の複数のエリアごとに配置され、エリア内に防災情報を提供する。
【0008】
防災行政無線親局設備(以下、親局設備と称する)100は、無線送受信装置110、操作卓120および気象情報入力部130を備える。操作卓120と気象情報入力部130とは、庁舎内に設置されるInternet protocol(IP)ネットワーク401などを介して接続される。
【0009】
気象情報入力部130は、IPネットワーク400などを介して他設備防災システム300に接続される。他設備防災システム300は少なくとも雨に関する自然現象データを提供するもので、例えば気象庁から提供されるデータベースなどを含む。このほか地震や降雪、霧などの気象現象に関する情報も他設備防災システム300から提供されることができる。
【0010】
無線送受信装置110は屋外拡声子局201〜20n、および戸別受信機211〜21nに無線回線を介して接続される。
屋外拡声子局201〜20nは音声拡声部としての拡声スピーカを備え、親局設備100から提供された防災情報が周辺地域に拡声放送される。戸別受信機211〜21nは住民の住宅内に設置され、親局設備100から提供された防災情報が戸別受信機内蔵のスピーカから放送される。屋外拡声子局201〜20nおよび戸別受信機211〜21nは文字表示機能を備え、親局設備100から提供された文字情報を表示できるようになっている。
【0011】
図2は、図1に示される気象情報入力部130の一例を示す機能ブロック図である。気象情報入力部130は実施形態に係わる処理ブロックとして受信部130a、雨量予測部130b、水位予測部130c、エリア判定部130d、子局位置情報データベース(DB)130e、エリア位置情報DB130f、音声合成部130g、および、文字情報提供部130hを備える。
【0012】
このうち子局位置情報DB130eには、屋外拡声子局201〜20nの拡声区域のエリア情報(GIS:Geographic Information System)、および戸別受信機211〜21nの位置情報(緯度、経度)が予め格納される。エリア位置情報DB130fには、対象エリアとなる市町村などの区域、境界、河川などのGIS情報が予め格納される。
【0013】
受信部130aは、他設備防災システム300からレーダ情報(降雨状況、降雨予測)などの気象情報、あるいは河川の水位などの河川情報を収集する。いずれの情報も自然現象データの一例である。
雨量予測部130bは、受信部130aから気象情報を受け取り、将来の降雨量、雨量分布などをエリアごとに予測する。水位予測部130cは受信部130aから河川情報を受け取り、将来の水位分布、河川の氾濫区域などをエリアごとに予測する。
【0014】
エリア判定部130dは、予測された雨量分布、水位分布に基づいて、防災情報を提供すべきエリアを判定する。またエリア判定部130dは、判定されたエリアに対応する子局、すなわち当該エリアを受け持つ屋外拡声子局、戸別受信機を特定する。つまりエリア判定部130dは、拡声放送を起動すべきエリアもしくは屋外拡声子局、戸別受信機を判定する。
【0015】
音声合成部130g、文字情報提供部130hは、エリア判定部130dから予測結果およびエリア判定結果を受け取り、提供すべき防災情報を生成する。すなわち音声合成部130gは、防災情報を放送すべきエリアに向けた内容の音声データを防災情報に基づいて合成する。文字情報提供部130hは、文字情報提供のための文字データを防災情報に基づいて生成する。
【0016】
またエリア判定部130dは、予測結果およびエリア判定結果を音声合成部130gおよび文字情報提供部130hに渡し、防災情報に基づき合成された音声データ、文字データを受け取る。さらにエリア判定部130dは、放送対象となる屋外拡声子局および戸別受信機の情報、放送内容の音声データ、文字情報提供のための文字データを操作卓120に渡す。
【0017】
図3は、各屋外拡声子局201〜20nの拡声区域のエリア情報を模式的に示す図である。拡声区域は拡声放送が聞こえる範囲と捉えることができる。図中実線は行政境界(例えば市境)を示し、点線が拡声エリアを示す。図3においては行政境界をカバーするよう拡声エリアが配置される様子を示すが、必ずしも全ての領域をカバーする必要はない。図2の子局位置情報DB130eにはこの拡声区域のGIS情報が格納されている。また、戸別受信機211〜21nの位置情報(緯度、経度)も子局位置情報DB130eに格納されている。
【0018】
図4は、雨量予測部130bによる予測結果の一例を示す図である。例えば現在時刻を14:00とすると時間の経過とともに降雨域の移動することが示される。図4においては20分ごとの予測が示される。
【0019】
図5は、降雨域と拡声エリアとが重なる領域が時間の経過とともに変化することを模式的に示す図である。雨量予測結果(図4)が移動するので、降雨域と拡声エリアとが重なる領域も時間の経過とともに変化する。エリア判定部130dは降雨域の予測値と子局位置情報DB130e、エリア位置情報130fの情報とをもとに、降雨域と拡声区域とが重なる屋外拡声子局を抽出する。エリア判定部130dはこの結果に基づいて、各時刻での予測雨量と拡声機能を起動すべき屋外拡声子局の情報とを操作卓120に渡す。
【0020】
なお戸別受信機211〜21nにおいても、エリア判定部130dは、子局位置情報DB130eに格納されている戸別受信機211〜21nの位置情報(緯度、経度)と雨量予測結果(図4)とを元に、降雨域と重なる戸別受信機を抽出する。そしてエリア判定部130dはその結果、すなわち各時刻での予測雨量と放送機能を起動すべき対象の戸別受信機の情報を操作卓130dに渡す。
【0021】
図6は、水位予測部130cによる予測結果の一例を示す図である。図6には河川の氾濫区域が示される。
図7は、河川氾濫区域と拡声エリアとの重なりを模式的に示す図である。エリア判定部130dは、図6に示される河川氾濫区域の予測結果とエリア位置情報DB130fに記憶されるエリアの位置情報とを照らし合わせ、河川氾濫区域に重なり合うエリアを判定する。さらにエリア判定部130dは、判定したエリアに対応する屋外拡声子局、戸別受信機を子局位置情報データベース(DB)130eの位置情報と照らし合わせ、防災情報を提供させるべき屋外拡声子局、戸別受信機を抽出する。エリア判定部130dは、抽出した屋外拡声子局、戸別受信機を操作卓120に送信する。
【0022】
図8は、実施形態に係わる親局設備100により実施される処理手順を示すフローチャートである。親局設備100はまず、レーダ情報(降雨状況、降雨予測)などの気象情報や河川の水位などの河川情報を、定期的に、あるいはポーリングなどにより他設備防災システム300から受信する(ステップS101)。これらの情報は受信部130aから雨量予測部130bおよび水位予測部130cに渡される。
【0023】
雨量予測部130bは、渡された気象情報を用いて降雨量の分布などを予測し、その結果をエリア判定部130dに渡す。水位予測部130cは、渡された河川情報を用いて河川の氾濫区域や水位分布などを予測し、その結果をエリア判定部130dに渡す(ステップS102)。
【0024】
エリア判定部130dは、雨量分布、水位分布、河川の氾濫区域の予測結果などに基づいて、エリア位置情報DB130fに格納されている市町村などの区域、境界、河川などのGIS情報を参照し、降雨が予測される区域、河川の氾濫が予測される区域を、防災情報を提供すべきエリアとして判定する。
【0025】
またエリア判定部130dは、屋外拡声子局201〜20nの拡声区域のエリア情報、戸別受信機211〜21nの位置情報(子局位置情報DB130e)を参照して、判定されたエリアに対応する屋外拡声子局および戸別受信機を抽出する(ステップS103)。
【0026】
次に、音声合成部130gはエリア判定部130dから予測結果およびエリア判定結果を防災情報として受け取り、放送すべき内容の音声データを合成してエリア判定部130dに返す。また文字情報提供部130h、はエリア判定部130dから予測結果およびエリア判定結果を防災情報として受け取り、文字情報提供のための文字データを生成してエリア判定部130dに返す(ステップS104)。またエリア判定部130dは、抽出した屋外拡声子局および戸別受信機の情報、放送内容の音声データおよび文字情報提供のための文字データを操作卓120に渡す。
【0027】
最後に、これらの情報は操作卓120から無線送受信装置110に渡され、該当する屋外拡声子局および戸別受信機に対して放送内容が放送される(ステップS105)。すなわち操作卓120がエリア判定部130dから受け取った拡声放送対象の屋外拡声子局の情報および放送対象の戸別受信機の情報、音声データおよび文字データは、無線送受信装置110を経由して、対象の屋外拡声子局および戸別受信機に無線で通知される。これを受けた屋外拡声子局および戸別受信機は、受信した放送内容を音声で拡声放送したり、文字表示したりする。
【0028】
図9は、比較のため既存の防災行政無線システムを示す図である。図9のシステムにおいては防災に係わる気象情報、河川情報を職員が自ら収集し、市町村の防災親局設備の操作者に与えることで、防災情報が周辺住民に伝達されていた。このため情報収集に手間取ったりするとその分、住民への情報伝達が遅れることになる。また、マンパワーに依存する部分が大きく、対策を講じる余地があった。さらには、エリア、時間、情報内容を考慮して拡声区域(エリア)を動的に変化させ住民に周知させることはできなかった。
【0029】
図10は、比較のため既存の防災行政無線システムの他の例を示す図である。このシステムはモバイル通信システムを利用して、災害時において要支援者への注意喚起をメールなどで行うシステムである。前提となるシステムが、モバイル端末を備えるモバイル通信システムであるので、本発明の想定する課題を解決することはできない。
【0030】
図11は、比較のため既存の防災行政無線システムの他の例を示す図である。このシステムは自治体の行政区域の境界にとらわれずに緊急通報を行おうとするものであるが、やはりモバイル通信システムを前提とするものであるので、本発明の想定する課題を解決することはできない。
【0031】
これに対し実施形態では、親局設備100に気象情報入力部130を備え、他設備防災システム300から気象情報や河川情報を取得し、それらの情報に基づいて、警報を発すべきエリアを予測する。各エリアに対応する屋外拡声子局および戸別受信機の位置は予めデータベース化されて親局設備100に記憶されており、予測されたエリアを受け持つ屋外拡声子局および戸別受信機を特定して、防災情報を発報させるようにする。すなわち警報を発令すべきエリアを詳細に特定し、拡声放送・文字情報提供を適切なエリアに適切なタイミングで実施するようにしている。これにより単純な一斉放送にとどまらず、必要な人に適切なタイミング(予測して事前に通知)で防災情報を提供することができる。
【0032】
実施形態の情報提供システムによれば、例えば、広域のレーダ雨量情報に連動して動的に拡声区域を変化させて拡声放送、文字情報提供を実施したり、河川の水位情報から該当する拡声区域のみに拡声放送・文字情報提供をすることなどが可能となる。従って周辺住民に対して情報をよりきめ細かく提供することが可能になり、効果的な注意喚起、避難誘導などが行えるようになる。
これらのことから、危険地域の周辺住民にきめ細かく情報を提供できるようにした情報提供システムとその親局装置および情報提供方法を提供することが可能となる。
【0033】
なお本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば図8のフローチャートにおけるステップS103では、防災情報を提供すべきエリアとして降雨が予測されるエリア、河川の氾濫が予測される区域を判定し、これらに対応する屋外拡声子局および戸別受信機を抽出するようにした。
【0034】
この処理にあたり、降雨が予測される区域と河川の氾濫が予測される区域とを、OR条件またはAND条件で合わせた地域に対応する、屋外拡声子局および戸別受信機を抽出するようにしても良い。あるいは、降雨が予測される区域または河川の氾濫が予測される区域を別々に判定し、それぞれの区域ごとに、対応する屋外拡声子局および戸別受信機を戸別に抽出するようにしても良い。
【0035】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示するものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0036】
100…防災行政無線親局設備、201〜20n…屋外拡声子局、211〜21n…戸別受信機、110…無線送受信装置、120…操作卓、130…気象情報入力部、401…IPネットワーク、300…他設備防災システム、400…IPネットワーク、130a…受信部、130b…雨量予測部、130c…水位予測部、130d…エリア判定部、130e…子局位置情報DB、130f…エリア位置情報DB、130g…音声合成部、130h…文字情報提供部
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、例えば防災行政無線システムに好適に利用可能な情報提供システムとその親局装置、および情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の局地豪雨、大規模地震や津波などによる被害の増加などを受け、危険地域の周辺住民に如何に早く的確に情報を提供できるかが課題となっている。防災行政無線システムは効果的な情報提供手段として注目されており、さらなる高機能化を求められてもいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−122562号公報
【特許文献2】特開2005−174111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既存の情報提供システムでは、防災行政無線の屋外拡声子局から気象情報や河川情報を拡声放送するようにしており、情報提供の単位となる拡声区域(エリア)は比較的広域である。ようするに如何なる情報を如何なるエリアに通知するかは大雑把である。戸別宅内に設置される戸別受信機を用いても、提供される情報は同様である。システムの高機能化にあたってはエリアをさらに局地化させ、また、動的に変化させられる機能などが要求されるがこのような技術は未だ知られていない。
目的は、危険地域の周辺住民にきめ細かく情報を提供できるようにした情報提供システムとその親局装置、および情報提供方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、情報提供システムは、親局と複数の子局とを備える。親局は、少なくとも雨に関する自然現象データを提供する防災データ提供システムに接続される。各子局は、地域内のエリアごとに配置されエリア内に防災情報を提供する。親局は取得部、雨量予測部、水位予測部、データベース、判定部、特定部を備える。取得部は防災データ提供システムから自然現象データを取得する。雨量予測部は取得した自然現象データに基づいて地域内における雨量分布を予測する。水位予測部は取得した自然現象データに基づいて地域内における河川の水位分布を予測する。データベースは複数の子局のそれぞれの位置情報を記憶する。判定部は雨量分布および水位分布の少なくとも一方に基づいて、防災情報を提供すべきエリアを判定する。特定部は判定されたエリアに対応する子局を位置情報に基づいて特定し、当該特定した子局に防災情報を提供させる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】実施形態に係わる情報提供システムの一例を示すシステム図。
【図2】図1に示される気象情報入力部130の一例を示す機能ブロック図。
【図3】各屋外拡声子局201〜20nの拡声区域のエリア情報を模式的に示す図。
【図4】雨量予測部130bによる予測結果の一例を示す図。
【図5】降雨域と拡声エリアとが重なる領域が時間の経過とともに変化することを模式的に示す図。
【図6】水位予測部130cによる予測結果の一例を示す図。
【図7】河川氾濫区域と拡声エリアとの重なりを模式的に示す図。
【図8】実施形態に係わる親局設備100により実施される処理手順を示すフローチャート。
【図9】比較のため既存の防災行政無線システムを示す図。
【図10】比較のため既存の防災行政無線システムの他の例を示す図。
【図11】比較のため既存の防災行政無線システムの他の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、実施形態に係わる情報提供システムの一例を示すシステム図である。このシステムは、庁舎などに設置される防災行政無線親局設備100を中核として、この防災行政無線親局設備100と無線通信する屋外拡声子局201〜20n、戸別受信機211〜21nを備える。屋外拡声子局201〜20n、戸別受信機211〜21nは、対象とする地域内の複数のエリアごとに配置され、エリア内に防災情報を提供する。
【0008】
防災行政無線親局設備(以下、親局設備と称する)100は、無線送受信装置110、操作卓120および気象情報入力部130を備える。操作卓120と気象情報入力部130とは、庁舎内に設置されるInternet protocol(IP)ネットワーク401などを介して接続される。
【0009】
気象情報入力部130は、IPネットワーク400などを介して他設備防災システム300に接続される。他設備防災システム300は少なくとも雨に関する自然現象データを提供するもので、例えば気象庁から提供されるデータベースなどを含む。このほか地震や降雪、霧などの気象現象に関する情報も他設備防災システム300から提供されることができる。
【0010】
無線送受信装置110は屋外拡声子局201〜20n、および戸別受信機211〜21nに無線回線を介して接続される。
屋外拡声子局201〜20nは音声拡声部としての拡声スピーカを備え、親局設備100から提供された防災情報が周辺地域に拡声放送される。戸別受信機211〜21nは住民の住宅内に設置され、親局設備100から提供された防災情報が戸別受信機内蔵のスピーカから放送される。屋外拡声子局201〜20nおよび戸別受信機211〜21nは文字表示機能を備え、親局設備100から提供された文字情報を表示できるようになっている。
【0011】
図2は、図1に示される気象情報入力部130の一例を示す機能ブロック図である。気象情報入力部130は実施形態に係わる処理ブロックとして受信部130a、雨量予測部130b、水位予測部130c、エリア判定部130d、子局位置情報データベース(DB)130e、エリア位置情報DB130f、音声合成部130g、および、文字情報提供部130hを備える。
【0012】
このうち子局位置情報DB130eには、屋外拡声子局201〜20nの拡声区域のエリア情報(GIS:Geographic Information System)、および戸別受信機211〜21nの位置情報(緯度、経度)が予め格納される。エリア位置情報DB130fには、対象エリアとなる市町村などの区域、境界、河川などのGIS情報が予め格納される。
【0013】
受信部130aは、他設備防災システム300からレーダ情報(降雨状況、降雨予測)などの気象情報、あるいは河川の水位などの河川情報を収集する。いずれの情報も自然現象データの一例である。
雨量予測部130bは、受信部130aから気象情報を受け取り、将来の降雨量、雨量分布などをエリアごとに予測する。水位予測部130cは受信部130aから河川情報を受け取り、将来の水位分布、河川の氾濫区域などをエリアごとに予測する。
【0014】
エリア判定部130dは、予測された雨量分布、水位分布に基づいて、防災情報を提供すべきエリアを判定する。またエリア判定部130dは、判定されたエリアに対応する子局、すなわち当該エリアを受け持つ屋外拡声子局、戸別受信機を特定する。つまりエリア判定部130dは、拡声放送を起動すべきエリアもしくは屋外拡声子局、戸別受信機を判定する。
【0015】
音声合成部130g、文字情報提供部130hは、エリア判定部130dから予測結果およびエリア判定結果を受け取り、提供すべき防災情報を生成する。すなわち音声合成部130gは、防災情報を放送すべきエリアに向けた内容の音声データを防災情報に基づいて合成する。文字情報提供部130hは、文字情報提供のための文字データを防災情報に基づいて生成する。
【0016】
またエリア判定部130dは、予測結果およびエリア判定結果を音声合成部130gおよび文字情報提供部130hに渡し、防災情報に基づき合成された音声データ、文字データを受け取る。さらにエリア判定部130dは、放送対象となる屋外拡声子局および戸別受信機の情報、放送内容の音声データ、文字情報提供のための文字データを操作卓120に渡す。
【0017】
図3は、各屋外拡声子局201〜20nの拡声区域のエリア情報を模式的に示す図である。拡声区域は拡声放送が聞こえる範囲と捉えることができる。図中実線は行政境界(例えば市境)を示し、点線が拡声エリアを示す。図3においては行政境界をカバーするよう拡声エリアが配置される様子を示すが、必ずしも全ての領域をカバーする必要はない。図2の子局位置情報DB130eにはこの拡声区域のGIS情報が格納されている。また、戸別受信機211〜21nの位置情報(緯度、経度)も子局位置情報DB130eに格納されている。
【0018】
図4は、雨量予測部130bによる予測結果の一例を示す図である。例えば現在時刻を14:00とすると時間の経過とともに降雨域の移動することが示される。図4においては20分ごとの予測が示される。
【0019】
図5は、降雨域と拡声エリアとが重なる領域が時間の経過とともに変化することを模式的に示す図である。雨量予測結果(図4)が移動するので、降雨域と拡声エリアとが重なる領域も時間の経過とともに変化する。エリア判定部130dは降雨域の予測値と子局位置情報DB130e、エリア位置情報130fの情報とをもとに、降雨域と拡声区域とが重なる屋外拡声子局を抽出する。エリア判定部130dはこの結果に基づいて、各時刻での予測雨量と拡声機能を起動すべき屋外拡声子局の情報とを操作卓120に渡す。
【0020】
なお戸別受信機211〜21nにおいても、エリア判定部130dは、子局位置情報DB130eに格納されている戸別受信機211〜21nの位置情報(緯度、経度)と雨量予測結果(図4)とを元に、降雨域と重なる戸別受信機を抽出する。そしてエリア判定部130dはその結果、すなわち各時刻での予測雨量と放送機能を起動すべき対象の戸別受信機の情報を操作卓130dに渡す。
【0021】
図6は、水位予測部130cによる予測結果の一例を示す図である。図6には河川の氾濫区域が示される。
図7は、河川氾濫区域と拡声エリアとの重なりを模式的に示す図である。エリア判定部130dは、図6に示される河川氾濫区域の予測結果とエリア位置情報DB130fに記憶されるエリアの位置情報とを照らし合わせ、河川氾濫区域に重なり合うエリアを判定する。さらにエリア判定部130dは、判定したエリアに対応する屋外拡声子局、戸別受信機を子局位置情報データベース(DB)130eの位置情報と照らし合わせ、防災情報を提供させるべき屋外拡声子局、戸別受信機を抽出する。エリア判定部130dは、抽出した屋外拡声子局、戸別受信機を操作卓120に送信する。
【0022】
図8は、実施形態に係わる親局設備100により実施される処理手順を示すフローチャートである。親局設備100はまず、レーダ情報(降雨状況、降雨予測)などの気象情報や河川の水位などの河川情報を、定期的に、あるいはポーリングなどにより他設備防災システム300から受信する(ステップS101)。これらの情報は受信部130aから雨量予測部130bおよび水位予測部130cに渡される。
【0023】
雨量予測部130bは、渡された気象情報を用いて降雨量の分布などを予測し、その結果をエリア判定部130dに渡す。水位予測部130cは、渡された河川情報を用いて河川の氾濫区域や水位分布などを予測し、その結果をエリア判定部130dに渡す(ステップS102)。
【0024】
エリア判定部130dは、雨量分布、水位分布、河川の氾濫区域の予測結果などに基づいて、エリア位置情報DB130fに格納されている市町村などの区域、境界、河川などのGIS情報を参照し、降雨が予測される区域、河川の氾濫が予測される区域を、防災情報を提供すべきエリアとして判定する。
【0025】
またエリア判定部130dは、屋外拡声子局201〜20nの拡声区域のエリア情報、戸別受信機211〜21nの位置情報(子局位置情報DB130e)を参照して、判定されたエリアに対応する屋外拡声子局および戸別受信機を抽出する(ステップS103)。
【0026】
次に、音声合成部130gはエリア判定部130dから予測結果およびエリア判定結果を防災情報として受け取り、放送すべき内容の音声データを合成してエリア判定部130dに返す。また文字情報提供部130h、はエリア判定部130dから予測結果およびエリア判定結果を防災情報として受け取り、文字情報提供のための文字データを生成してエリア判定部130dに返す(ステップS104)。またエリア判定部130dは、抽出した屋外拡声子局および戸別受信機の情報、放送内容の音声データおよび文字情報提供のための文字データを操作卓120に渡す。
【0027】
最後に、これらの情報は操作卓120から無線送受信装置110に渡され、該当する屋外拡声子局および戸別受信機に対して放送内容が放送される(ステップS105)。すなわち操作卓120がエリア判定部130dから受け取った拡声放送対象の屋外拡声子局の情報および放送対象の戸別受信機の情報、音声データおよび文字データは、無線送受信装置110を経由して、対象の屋外拡声子局および戸別受信機に無線で通知される。これを受けた屋外拡声子局および戸別受信機は、受信した放送内容を音声で拡声放送したり、文字表示したりする。
【0028】
図9は、比較のため既存の防災行政無線システムを示す図である。図9のシステムにおいては防災に係わる気象情報、河川情報を職員が自ら収集し、市町村の防災親局設備の操作者に与えることで、防災情報が周辺住民に伝達されていた。このため情報収集に手間取ったりするとその分、住民への情報伝達が遅れることになる。また、マンパワーに依存する部分が大きく、対策を講じる余地があった。さらには、エリア、時間、情報内容を考慮して拡声区域(エリア)を動的に変化させ住民に周知させることはできなかった。
【0029】
図10は、比較のため既存の防災行政無線システムの他の例を示す図である。このシステムはモバイル通信システムを利用して、災害時において要支援者への注意喚起をメールなどで行うシステムである。前提となるシステムが、モバイル端末を備えるモバイル通信システムであるので、本発明の想定する課題を解決することはできない。
【0030】
図11は、比較のため既存の防災行政無線システムの他の例を示す図である。このシステムは自治体の行政区域の境界にとらわれずに緊急通報を行おうとするものであるが、やはりモバイル通信システムを前提とするものであるので、本発明の想定する課題を解決することはできない。
【0031】
これに対し実施形態では、親局設備100に気象情報入力部130を備え、他設備防災システム300から気象情報や河川情報を取得し、それらの情報に基づいて、警報を発すべきエリアを予測する。各エリアに対応する屋外拡声子局および戸別受信機の位置は予めデータベース化されて親局設備100に記憶されており、予測されたエリアを受け持つ屋外拡声子局および戸別受信機を特定して、防災情報を発報させるようにする。すなわち警報を発令すべきエリアを詳細に特定し、拡声放送・文字情報提供を適切なエリアに適切なタイミングで実施するようにしている。これにより単純な一斉放送にとどまらず、必要な人に適切なタイミング(予測して事前に通知)で防災情報を提供することができる。
【0032】
実施形態の情報提供システムによれば、例えば、広域のレーダ雨量情報に連動して動的に拡声区域を変化させて拡声放送、文字情報提供を実施したり、河川の水位情報から該当する拡声区域のみに拡声放送・文字情報提供をすることなどが可能となる。従って周辺住民に対して情報をよりきめ細かく提供することが可能になり、効果的な注意喚起、避難誘導などが行えるようになる。
これらのことから、危険地域の周辺住民にきめ細かく情報を提供できるようにした情報提供システムとその親局装置および情報提供方法を提供することが可能となる。
【0033】
なお本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば図8のフローチャートにおけるステップS103では、防災情報を提供すべきエリアとして降雨が予測されるエリア、河川の氾濫が予測される区域を判定し、これらに対応する屋外拡声子局および戸別受信機を抽出するようにした。
【0034】
この処理にあたり、降雨が予測される区域と河川の氾濫が予測される区域とを、OR条件またはAND条件で合わせた地域に対応する、屋外拡声子局および戸別受信機を抽出するようにしても良い。あるいは、降雨が予測される区域または河川の氾濫が予測される区域を別々に判定し、それぞれの区域ごとに、対応する屋外拡声子局および戸別受信機を戸別に抽出するようにしても良い。
【0035】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示するものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0036】
100…防災行政無線親局設備、201〜20n…屋外拡声子局、211〜21n…戸別受信機、110…無線送受信装置、120…操作卓、130…気象情報入力部、401…IPネットワーク、300…他設備防災システム、400…IPネットワーク、130a…受信部、130b…雨量予測部、130c…水位予測部、130d…エリア判定部、130e…子局位置情報DB、130f…エリア位置情報DB、130g…音声合成部、130h…文字情報提供部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも雨に関する自然現象データを提供する防災データ提供システムに接続される親局と、
地域内の複数のエリアごとに配置され当該エリア内に防災情報を提供する複数の子局とを具備し、
前記親局は、
前記防災データ提供システムから前記自然現象データを取得する取得部と、
前記取得した自然現象データに基づいて前記地域内における雨量分布を予測する雨量予測部と、
前記取得した自然現象データに基づいて前記地域内における河川の水位分布を予測する水位予測部と、
前記複数の子局のそれぞれの位置情報を記憶するデータベースと、
前記雨量分布および前記水位分布の少なくとも一方に基づいて、前記防災情報を提供すべきエリアを判定する判定部と、
前記判定されたエリアに対応する子局を前記位置情報に基づいて特定し、当該特定した子局に前記防災情報を提供させる特定部とを備える、情報提供システム。
【請求項2】
前記親局は、さらに、前記判定されたエリアごとに当該エリア向けの防災情報を生成する情報生成部を備える、請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記複数の子局は、音声拡声部を備え、
前記情報生成部は、前記音声拡声部を用いて拡声放送するための音声データを前記防災情報から生成する音声合成部を備える、請求項2に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記複数の子局は、文字表示部を備え、
前記情報生成部は、前記文字表示部に表示するための文字データを前記防災情報から生成する文字情報提供部を備える、請求項2に記載の情報提供システム。
【請求項5】
地域内の複数のエリアごとに配置され当該エリア内に防災情報を提供する複数の子局を具備する情報提供システムに用いられる親局装置において、
少なくとも雨に関する自然現象データを提供する防災データ提供システムから前記自然現象データを取得する取得部と、
前記取得した自然現象データに基づいて前記地域内における雨量分布を予測する雨量予測部と、
前記取得した自然現象データに基づいて前記地域内における河川の水位分布を予測する水位予測部と、
前記複数の子局のそれぞれの位置情報を記憶するデータベースと、
前記雨量分布および前記水位分布の少なくとも一方に基づいて、前記防災情報を提供すべきエリアを判定する判定部と、
前記判定されたエリアに対応する子局を前記位置情報に基づいて特定し、当該特定した子局に前記防災情報を提供させる特定部とを備える、親局装置。
【請求項6】
さらに、前記判定されたエリアごとに当該エリア向けの防災情報を生成する情報生成部を備える、請求項5に記載の親局装置。
【請求項7】
前記情報生成部は、前記子局に備わる音声拡声部を用いて拡声放送するための音声データを前記防災情報から生成する音声合成部を備える、請求項6に記載の親局装置。
【請求項8】
前記情報生成部は、前記子局に備わる文字表示部に表示するための文字データを前記防災情報から生成する文字情報提供部を備える、請求項6に記載の親局装置。
【請求項9】
少なくとも雨に関する自然現象データを提供する防災データ提供システムに接続される親局と、地域内の複数のエリアごとに配置され当該エリア内に防災情報を提供する複数の子局とを具備する情報提供方法において、
前記親局が、前記防災データ提供システムから前記自然現象データを取得し、
前記親局が、前記取得した自然現象データに基づいて前記地域内における雨量分布を予測し、
前記親局が、前記取得した自然現象データに基づいて前記地域内における河川の水位分布を予測し、
前記親局が、前記雨量分布および前記水位分布の少なくとも一方に基づいて、前記防災情報を提供すべきエリアを判定し、
前記親局が、前記判定されたエリアに対応する子局を、前記複数の子局のそれぞれの位置情報に基づいて特定し、
前記親局が、当該特定した子局に前記防災情報を提供させる、情報提供方法。
【請求項10】
さらに、前記親局が、前記判定されたエリアごとに当該エリア向けの防災情報を生成する、請求項9に記載の情報提供方法。
【請求項11】
前記生成することは、前記親局が、前記子局に備わる音声拡声部を用いて拡声放送するための音声データを前記防災情報から生成する、請求項10に記載の情報提供方法。
【請求項12】
前記生成することは、前記親局が、前記子局に備わる文字表示部に表示するための文字データを前記防災情報から生成する、請求項10に記載の情報提供方法。
【請求項1】
少なくとも雨に関する自然現象データを提供する防災データ提供システムに接続される親局と、
地域内の複数のエリアごとに配置され当該エリア内に防災情報を提供する複数の子局とを具備し、
前記親局は、
前記防災データ提供システムから前記自然現象データを取得する取得部と、
前記取得した自然現象データに基づいて前記地域内における雨量分布を予測する雨量予測部と、
前記取得した自然現象データに基づいて前記地域内における河川の水位分布を予測する水位予測部と、
前記複数の子局のそれぞれの位置情報を記憶するデータベースと、
前記雨量分布および前記水位分布の少なくとも一方に基づいて、前記防災情報を提供すべきエリアを判定する判定部と、
前記判定されたエリアに対応する子局を前記位置情報に基づいて特定し、当該特定した子局に前記防災情報を提供させる特定部とを備える、情報提供システム。
【請求項2】
前記親局は、さらに、前記判定されたエリアごとに当該エリア向けの防災情報を生成する情報生成部を備える、請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記複数の子局は、音声拡声部を備え、
前記情報生成部は、前記音声拡声部を用いて拡声放送するための音声データを前記防災情報から生成する音声合成部を備える、請求項2に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記複数の子局は、文字表示部を備え、
前記情報生成部は、前記文字表示部に表示するための文字データを前記防災情報から生成する文字情報提供部を備える、請求項2に記載の情報提供システム。
【請求項5】
地域内の複数のエリアごとに配置され当該エリア内に防災情報を提供する複数の子局を具備する情報提供システムに用いられる親局装置において、
少なくとも雨に関する自然現象データを提供する防災データ提供システムから前記自然現象データを取得する取得部と、
前記取得した自然現象データに基づいて前記地域内における雨量分布を予測する雨量予測部と、
前記取得した自然現象データに基づいて前記地域内における河川の水位分布を予測する水位予測部と、
前記複数の子局のそれぞれの位置情報を記憶するデータベースと、
前記雨量分布および前記水位分布の少なくとも一方に基づいて、前記防災情報を提供すべきエリアを判定する判定部と、
前記判定されたエリアに対応する子局を前記位置情報に基づいて特定し、当該特定した子局に前記防災情報を提供させる特定部とを備える、親局装置。
【請求項6】
さらに、前記判定されたエリアごとに当該エリア向けの防災情報を生成する情報生成部を備える、請求項5に記載の親局装置。
【請求項7】
前記情報生成部は、前記子局に備わる音声拡声部を用いて拡声放送するための音声データを前記防災情報から生成する音声合成部を備える、請求項6に記載の親局装置。
【請求項8】
前記情報生成部は、前記子局に備わる文字表示部に表示するための文字データを前記防災情報から生成する文字情報提供部を備える、請求項6に記載の親局装置。
【請求項9】
少なくとも雨に関する自然現象データを提供する防災データ提供システムに接続される親局と、地域内の複数のエリアごとに配置され当該エリア内に防災情報を提供する複数の子局とを具備する情報提供方法において、
前記親局が、前記防災データ提供システムから前記自然現象データを取得し、
前記親局が、前記取得した自然現象データに基づいて前記地域内における雨量分布を予測し、
前記親局が、前記取得した自然現象データに基づいて前記地域内における河川の水位分布を予測し、
前記親局が、前記雨量分布および前記水位分布の少なくとも一方に基づいて、前記防災情報を提供すべきエリアを判定し、
前記親局が、前記判定されたエリアに対応する子局を、前記複数の子局のそれぞれの位置情報に基づいて特定し、
前記親局が、当該特定した子局に前記防災情報を提供させる、情報提供方法。
【請求項10】
さらに、前記親局が、前記判定されたエリアごとに当該エリア向けの防災情報を生成する、請求項9に記載の情報提供方法。
【請求項11】
前記生成することは、前記親局が、前記子局に備わる音声拡声部を用いて拡声放送するための音声データを前記防災情報から生成する、請求項10に記載の情報提供方法。
【請求項12】
前記生成することは、前記親局が、前記子局に備わる文字表示部に表示するための文字データを前記防災情報から生成する、請求項10に記載の情報提供方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−54566(P2013−54566A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192934(P2011−192934)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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