説明

情報提示装置

【課題】 利用者が直接検索キーワードを設定することなく、自分に必要な情報がどの程度あるかを一目で認識することが可能な情報提示装置を提供する。
【解決手段】 利用者端末100に、コンテンツ提示手段330がコンテンツを送信すると、履歴収集手段340は閲覧履歴を収集する。そして、興味キーワード生成手段340が、閲覧履歴にあるコンテンツから興味キーワードを生成し、ユーザIDと対応付けて興味キーワード記憶手段360に記憶する。次回そのユーザIDでアクセスがあった場合には、興味キーワード抽出手段370が対応する興味キーワードを抽出し、抽出した興味キーワードでコンテンツ件数提示手段380がコンテンツ記憶手段310を検索し、該当するコンテンツの件数を利用者端末100に提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者の嗜好に合ったコンテンツを、より簡易に提示するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、文書や画像等、様々な情報の検索が行われている。近年では、インターネットの普及により、多くの人が多数のWebサイトから好みの情報を検索することも行われるようになってきている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の検索手法では、検索キーワードをうまく設定することができず、目的とする情報を上手く検索することができない、検索を行うアクション自体が利用者の負荷となる、利用者にとって有益な情報を知らず知らずのうちに見逃している可能性がある等の問題がある。
【0004】
上記のような点に鑑み、本発明は、利用者が直接検索キーワードを設定することなく、自分に必要な情報がどの程度あるかを一目で認識することが可能な情報提示装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明では、利用者ごとの検索または閲覧履歴等の行動履歴を記録する履歴収集手段と、前記収集された検索または閲覧履歴に基づいて、各利用者の興味を反映した検索キーワードである興味キーワードを生成する興味キーワード生成手段と、前記生成された興味キーワードを利用者べつに記憶する興味キーワード記憶手段と、利用者からアクセスがあった場合に、当該利用者に対応する興味キーワードを前記興味キーワード記憶手段から抽出する興味キーワード抽出手段と、前記抽出した興味キーワードにより前記コンテンツを検索し、対応するコンテンツの件数を抽出するコンテンツ抽出手段と、前記抽出されたコンテンツの件数を前記興味キーワード別に分類して、提示する件数提示手段を有する情報提示装置を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、検索または閲覧等の利用者の行動履歴を分析して興味キーワードを生成し、興味キーワードが登録してある利用者からのアクセスがあった場合は、対応する興味キーワードを抽出し、各興味キーワードに対応するコンテンツの件数を興味キーワード別に分類して提示するようにしたので、利用者が直接興味キーワードを設定することなく、自分に必要な情報がどの程度あるかを一目で認識することが可能となるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
(1.装置構成)
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明に係る情報提示装置の一実施形態を示す構成図である。図1において、100は利用者端末、200はネットワーク、300は処理サーバ、310はコンテンツ記憶手段、320はネットワークインターフェイス、330はコンテンツ提示手段、340は履歴収集手段、350は興味キーワード生成手段、360は興味キーワード記憶手段、370は興味キーワード抽出手段、380はコンテンツ件数提示手段である。
【0008】
利用者端末100は、ネットワーク200を介して処理サーバ300とのデータの送受信が可能な端末装置であり、インターネット接続機能を有する汎用のコンピュータにより実現可能である。ネットワーク200は、コンピュータ間のデータの送受信を行うための通信回線であり、本実施形態では、インターネットに対応している。
【0009】
処理サーバ300は、利用者端末100とのデータの送受信を行うためのWebサーバ、データベースを扱うためのデータベースサーバとしての機能を有しており、コンテンツ記憶手段310、ネットワークインターフェイス320、コンテンツ提示手段330、履歴収集手段340、興味キーワード生成手段350、興味キーワード記憶手段360、興味キーワード抽出手段370、コンテンツ件数提示手段380を有している。
【0010】
コンテンツ記憶手段310は、利用者が閲覧することを目的とする文書や画像等のコンテンツを記憶した記憶手段である。ネットワークインターフェイス320は、ネットワーク200を介して利用者端末100とデータの送受信を行うためのインターフェースである。コンテンツ提示手段330は、利用者端末100からの要求に応じてコンテンツをコンテンツ記憶手段310から抽出し、利用者端末100に提示する機能を有している。履歴収集手段340は、利用者端末100から直接指定された検索キーワード、利用者端末100に対して提示したコンテンツを行動履歴として収集する機能を有している。ここでの「行動」とは、装置を利用した検索や、閲覧等の行動を示している。興味キーワード生成手段350は、利用者端末100に提示したコンテンツの履歴から分析して興味キーワードを決定し、直接指定された検索キーワードとともに利用者ごとの興味キーワードを設定する機能を有している。興味キーワード記憶手段360は、利用者ごとの興味キーワードを記憶する機能を有している。興味キーワード抽出手段370は、利用者端末100からアクセスがあった際、その利用者の興味キーワードを興味キーワード記憶手段360から抽出する機能を有している。コンテンツ件数提示手段380は、興味キーワード抽出手段370が抽出した興味キーワードでコンテンツ記憶手段310を検索し、各興味キーワードごとのコンテンツの件数を抽出し、利用者端末100に提示する機能を有している。
【0011】
(2.情報収集処理)
次に、図1に示したシステムの処理動作について説明する。本システムの処理は、情報収集処理と件数提示処理の2つに大別される。ここでは、まず、情報収集処理について説明する。図2は、図1に示したシステムにおける情報収集処理の概要を示すフローチャートである。まず、利用者端末100から処理サーバ300にアクセスがあると、処理サーバ300はアクセスしてきた利用者の認識を行う。本実施形態では、利用者端末100に対してユーザIDの入力を求めることにより行う。なお、利用者の認識は、ユーザIDを入力させることによる認証に限られるものではなく、ブラウザのクッキー情報を利用する等、利用者を特定することができれば、どのような手法であっても良い。
【0012】
利用者の認識後、処理サーバ300がコンテンツを提示した場合には、履歴収集手段340が、提示したコンテンツを、利用者が閲覧した閲覧履歴として収集する(S1)。そして、興味キーワード生成手段350が、収集したコンテンツに文章等の文字列が含まれるかどうかを判断し、文字列が含まれている場合は、形態素解析を行う(S2)。そして、形態素解析の結果、切り出された文字列の中から、適切だと判断されるものを興味キーワードとして生成する(S3)。これは、例えば、文章中に所定数以上含まれる文字列を興味キーワードとして適切だと判断することにより行う。一方、検索キーワードが利用者端末100から直接指定された場合は、興味キーワード生成手段350は、指定されたものをそのまま興味キーワードとして設定する。さらに、興味キーワード生成手段350は、設定した興味キーワードをユーザIDと対応付けて興味キーワード記憶手段360に登録する(S4)。このような処理を、各利用者に対して行っていくことにより、利用者ごとに適した興味キーワードが、興味キーワード記憶手段360に蓄積されることになる。
【0013】
(3.件数提示処理)
次に、件数提示処理について説明する。図3は、図1に示したシステムにおける件数提示処理の概要を示すフローチャートである。まず、利用者端末100から処理サーバ300にアクセスがあると、処理サーバ300はアクセス元の利用者端末100に対してユーザIDの入力を求める。そして、処理サーバ300がユーザIDを受け取ると、興味キーワード抽出手段370が、そのユーザIDで興味キーワード記憶手段360を検索し、対応する興味キーワードを抽出する(S11)。なお、ここでも、ユーザIDの入力に代えて、ブラウザのクッキー情報等を利用して利用者を特定しても良い。
【0014】
続いて、コンテンツ件数提示手段380が、興味キーワード抽出手段370から興味キーワードを受け取り、この興味キーワードでコンテンツ記憶手段310を検索する(S12)。興味キーワード抽出手段370が、興味キーワード記憶手段360から複数の興味キーワードを抽出した場合には、抽出した全ての興味キーワードを用いてコンテンツの検索を行う。各興味キーワードについて検索を行ったら、コンテンツ件数提示手段380は、各興味キーワードについての該当件数を集計し、所定の画面データを生成し、利用者端末100に提示する(S13)。具体的には、コンテンツ件数提示手段380が生成した画面データをネットワークインターフェイス320に渡し、ネットワークインターフェイス320がネットワーク200を介して、アクセス元の利用者端末100に送信し、利用者端末100が受信した画面データを画面に表示させることにより件数の提示が行われることになる。
【0015】
ここで、件数が提示された際の利用者端末100の画面の様子を図4に示す。図4に示すように件数は表形式で提示される。図4の例は、興味キーワードとして「ICカード」、「セキュリティ」、「携帯電話」の3つが設定されており、その該当件数が、コンテンツ記憶手段310内全体で、それぞれ「22件」、「17件」、「32件」であったことを示している。また、本システムでは、コンテンツ記憶手段310において、記憶されているコンテンツに分類を付与しておくことができる。図4の例では、分類A、B、Cの3つに分類した場合を示しており、分類および興味キーワードの両方に該当する件数を提示している。また、図4に示した各件数の数字には下線が付されているが、この部分にはURLのリンクが設定されている。したがって、この下線付きの数字を利用者がクリックすると、設定されているURLで特定される情報にアクセスし、該当するコンテンツのタイトルが一覧表示され、そこから、さらにタイトルを選択することにより、コンテンツを閲覧することができる。
【0016】
図4に示したように、各興味キーワード別の該当件数が一覧表示され、しかも、この興味キーワードは、自分が過去に直接指定したものか、または過去閲覧したコンテンツを分析して設定されたものであるため、自分が興味のある内容に適したものとなっている。すなわち、利用者は、処理サーバ30に、アクセスするだけで、自分の嗜好に合うコンテンツがどの程度あるかを、その検索キーワードと対応付けて、瞬時に知ることができる。
【0017】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、利用者端末100からネットワークを介して処理サーバ300にアクセスし、処理サーバ300側で処理を行うようにしたが、スタンドアローン型のコンピュータに、コンテンツ記憶手段310、コンテンツ提示手段330、履歴収集手段340、興味キーワード生成手段350、興味キーワード記憶手段360、興味キーワード抽出手段370、コンテンツ件数提示手段380としての機能を搭載させ、そのコンピュータに接続されたディスプレイ装置に対して、件数の提示を行うようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る情報提示装置の一実施形態を示す構成図である。
【図2】図1に示したシステムにおける情報収集処理の概要を示すフローチャートである。
【図3】図1に示したシステムにおける件数提示処理の概要を示すフローチャートである。
【図4】件数が提示された際の利用者端末100の画面の様子を示す図である。
【符号の説明】
【0019】
100・・・利用者端末
200・・・ネットワーク
300・・・処理サーバ
310・・・コンテンツ記憶手段
320・・・ネットワークインターフェイス
330・・・コンテンツ提示手段
340・・・履歴収集手段
350・・・興味キーワード生成手段
360・・・興味キーワード記憶手段
370・・・興味キーワード抽出手段
380・・・コンテンツ件数提示手段



【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索キーワードとコンテンツが対応付けて記録されたコンテンツ記憶手段と、
利用者ごとの検索または閲覧履歴を記録する履歴収集手段と、
前記収集された検索または閲覧履歴に基づいて、各利用者の興味を反映した検索キーワードである興味キーワードを生成する興味キーワード生成手段と、
前記生成された興味キーワードを利用者別に記憶する興味キーワード記憶手段と、
利用者からアクセスがあった場合に、当該利用者に対応する興味キーワードを前記興味キーワード記憶手段から抽出する興味キーワード抽出手段と、
前記抽出した興味キーワードにより前記コンテンツ記憶手段を検索し、対応するコンテンツの件数を抽出するコンテンツ検索手段と、
前記抽出されたコンテンツの件数を前記興味キーワード別に分類して、提示する件数提示手段と、
を有することを特徴とする情報提示装置。
【請求項2】
前記コンテンツ記憶手段に記憶された各コンテンツには分類が付与されており、
前記件数提示手段は、抽出されたコンテンツの件数を前記興味キーワード別および付与された分類別に区分して提示するものであることを特徴とする請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項3】
利用者がコンテンツを閲覧するための端末装置である利用者端末と、利用者に対してコンテンツの提供を行うサーバコンピュータである処理サーバがネットワークを介して接続された構成であって、
前記処理サーバは、前記コンテンツ記憶手段、前記履歴収集手段、前記興味キーワード生成手段、前記興味キーワード記憶手段、前記興味キーワード抽出手段、前記コンテンツ検索手段、前記件数提示手段を備えており、前記利用者端末に対して、該当したコンテンツの件数を提示するものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報提示装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−148625(P2007−148625A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−340167(P2005−340167)
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】