説明

情報案内システムおよび情報案内方法

【課題】 移動体(移動機)からの要求情報と位置情報とに応じて各移動体に適した行動スケジュールの案内を行うことを可能にした情報案内システムの実現。
【解決手段】 移動体100と情報供給装置200とサーバ300がネットワーク500に接続された情報案内システムであって、サーバ300は、移動体100から送信される要求情報と位置情報に基づき、情報供給装置200から案内情報を取得して、その案内情報と要求情報と位置情報とから案内結果情報を編集し、編集した案内結果情報を当該移動体100に送り、移動体100はその案内結果情報を表示や音声で出力する。要求情報と位置情報は、現在地などのある地点の位置と出発時間、最終目的地と到着時間、さらに希望観光施設またはその訪問条件、移動手段またはその条件を含んでおり、案内結果情報は、利用者の希望にあったルートで効率良く観光(移動)が出来るようにスケジューリング(予約を含む)されている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人が持ち歩く携帯電話機やPHSなどの携帯端末や車に搭載された移動機装置などの移動体(移動機とも称する)からの要求情報と位置情報とに応じて旅行スケジュールなどの各種情報案内をその移動体に対して行う情報案内システムおよび情報案内方法に関する。
【0002】
【従来の技術】人が徒歩で、あるいは車により、各地を旅行する場合には、通常その旅行に先立ち、旅行先の情報を収集して旅行地、旅行順序等の日程をたてたり、宿泊場所や旅行者の移動手段(車やバス等)などの予約を行うなどの各種作業を個人で、あるいは旅行業者に依頼して行っている。また、その際、実際に旅行した場合に旅行先で迷わないように、旅行先の地図などの詳細な情報についても予め入手しておくことが行われている。
【0003】車で旅行する場合には、カーナビゲーションの普及に伴い、現在地や目的地周辺の地図上に、目的地までの経路や各種施設を表示し、目的地まで案内することが可能になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のように個人で、あるいは旅行業者に依頼して旅行スケジュール等の作成を行う場合には、各自の希望に適合した旅行スケジュール等の作成が可能となるが、そのために人手によるわずらわしい作業が必要になる。
【0005】また、カーナビゲーションを使用する場合は、現在地や目的地周辺の案内情報を得ることは可能となるが、得られる情報は予め設定された固定的なものであり、各自の希望に応じて案内をするものではない。
【0006】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、その目的は、移動体からの要求情報と位置情報とに応じて各移動体に適した行動スケジュールの案内を行うことを可能にした情報案内システムおよび情報案内方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1の発明は、1以上の移動体と1以上の情報供給装置とサーバとがネットワークを介して接続された情報案内システムであって、前記情報供給装置は、前記サーバからの取得要求に対応する案内情報を前記サーバに送信し、前記移動体は、要求情報を位置情報とともに前記サーバに送信し、前記サーバから前記要求情報と前記位置情報に対する案内結果情報を受信し、受信した該案内結果情報を表示や音声で出力し、前記サーバは、前記移動体から受信した前記要求情報と前記位置情報に基づき関連のある前記情報供給装置を選択し、選択した前記情報供給装置に前記取得要求を送信して前記案内情報を収集し、あるいは、既に前記情報供給装置から収集し内部に蓄積してある前記案内情報の中から関連のある案内情報を収集し、これらいずれかの方法または両方の方法により収集した案内情報と前記要求情報及び前記位置情報とから前記案内結果情報を編集して前記移動体に送信することを特徴とする。
【0008】上記目的を達成するため、請求項2の発明は、1以上の移動体と1以上の情報供給装置とサーバとがネットワークを介して接続された情報案内システムであって、前記情報供給装置は、前記サーバからの取得要求に対応する案内情報を前記サーバに送信し、前記各移動体は、要求情報を位置情報とともに前記サーバに送信し、前記サーバから案内情報を受信し、受信した前記案内情報と前記要求情報および前記位置情報とから前記案内結果情報を編集し、編集した該案内結果情報を表示や音声で出力し、前記サーバは、前記各移動体から受信した前記要求情報と前記位置情報に基づき関連のある前記情報供給装置を選択し、選択した前記情報供給装置に取得要求を送信して前記案内情報を収集し、あるいは、既に前記情報供給装置から収集し内部に蓄積してある前記案内情報の中から関連のある案内情報を収集し、いずれかの方法または両方の方法により収集した案内情報を前記移動体に送信することを特徴とする。
【0009】ここで、前記要求情報と前記位置情報は、現在地などのある地点の位置と出発希望時間、最終目的地と到着希望時間、さらに希望観光施設またはその訪問条件、移動手段(車やバス等の交通手段の他に、徒歩を含む旅行者の移動手段)またはその条件を含んでおり、前記案内情報は前記要求情報と前記位置情報に対応する各地の施設、飲食店、移動手段などの情報を含んでおり、前記案内結果情報は、利用者の希望にあったルートで効率良く観光が出来るようにスケジューリングされている、出発地から目的地までの各施設等の到着時間、所要時間を含む行動スケジュールであることを特徴とすることができる。
【0010】また、前記サーバは、前記移動体からの前記要求情報に応じて前記情報供給装置に予約要求を送信し、前記情報供給装置から予約結果通知を受信し、受信した予約結果通知から予約結果情報を編集し、編集した前記予約結果情報を前記移動体に送信することを特徴とすることができる。
【0011】上記目的を達成するため、請求項5の発明は、1以上の移動体と1以上の情報供給装置とサーバとがネットワークを介して接続されたシステムの情報案内方法であって、前記移動体において要求情報と位置情報を前記サーバに送信するステップと、前記サーバにおいて前記移動体からの前記要求情報と前記位置情報に基づき関連のある前記情報供給装置を選択し、選択した前記情報供給装置に取得要求を送信するステップと、前記情報供給装置において前記サーバからの前記取得要求に対応する案内情報を前記サーバへ送信するステップと、前記サーバにおいて受信した前記案内情報と前記要求情報と前記位置情報とから案内結果情報を編集し、編集した該案内結果情報を前記移動体に送信するステップと、前記移動体において受信した前記案内結果情報を表示や音声で出力するステップとを有することを特徴とする。
【0012】上記目的を達成するため、請求項6の発明は、1以上の移動体と1以上の情報供給装置とサーバとがネットワークを介して接続されたシステムの情報案内方法であって、前記移動体において要求情報と位置情報を前記サーバに送信するステップと、前記サーバにおいて前記移動体からの前記要求情報と前記位置情報に基づき関連のある前記情報供給装置を選択し、選択した前記情報供給装置に取得要求を送信するステップと、前記情報供給装置において前記サーバからの前記取得要求に対応する案内情報を前記サーバへ送信するステップと、前記サーバにおいて受信した前記案内情報を前記移動体に送信するステップと、前記移動体において受信した前記要求情報と前記位置情報とから案内結果情報を編集し、編集した該案内結果情報を表示や音声で出力するステップとを有することを特徴とする。
【0013】ここで、前記サーバにおいて前記情報供給装置に前記取得要求を送信するステップの前に、前記サーバにおいて前記情報供給装置から既に収集し内部に蓄積してある案内情報の中から関連のある案内情報を収集するステップを更に有し、前記関連のある案内情報が収集できないかったとき、あるいはその一部が収集できなかったときに前記情報供給装置に前記取得要求を送信するステップを実行し、前記案内結果情報を編集するステップでは、前記蓄積してある案内情報の中から収集した案内情報と前記情報供給装置から送信された案内情報のいずれか、またはその両方の組み合わせを用いて前記案内結果情報を編集することを特徴とすることができる。
【0014】(作用)本発明は、上記構成により、移動体と情報供給装置の間をネットワーク経由でサーバを介して接続した情報案内システムにより、移動体のユーザにとっては、必要時に必要な場所において、適切な案内情報を得たり、予約を行うことが可能となり、また、情報供給装置の情報供給者にとっては、個々の移動体のユーザに適した情報を供給することで、顧客の確保が図れる。さらに、本発明は、出発地と目的地までのルートやルート周辺の施設などの情報を単に提供するだけでなく、出発地の出発時間から目的地への到着時間までに観光する各施設への到着時間と見学時間などを含む行動スケジュールを提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態における情報案内システムの構成例を示す。また、図2は本発明の一実施形態における情報案内システムの動作シーケンスの例を示す。以下、図1、図2を参照して、本発明の一実施形態における情報案内システムについて詳述する。
【0016】図1の100は、人が持ち歩く携帯電話機やPHS(Personal Handyphone System)などの携帯端末や車に搭載された移動機装置などの移動体(移動機とも称する)であり、1つ以上の、通常複数n個の移動体(移動体1〜移動体n)が本発明による情報案内サービスを受けられるものとする。各移動体100には、通常の通信機能の他に、移動体の現在位置をGPS(Global Positional System)などにより検出する位置検出部(位置検出装置)101と、案内情報を要求するための要求情報等を入力するための情報入力部(情報入力装置)102と、要求情報に対する案内結果情報などを文字/画像情報により表示したり音声情報により出力したりする情報出力部(情報出力装置)103を有する。
【0017】各移動体(移動体1〜移動体n)は移動局アンテナを含む無線通信装置(図示しない)を介して基地局400にワイヤレスで接続され、基地局400を介して固定網であるネットワーク500に接続される。ネットワーク500としては、公衆電話網の他にインターネットや専用回線網など、どのようなものでもよい。
【0018】200は1つ以上からなる情報供給装置であり、本例では各地域毎に設けられた複数m個の情報供給装置(情報供給装置1〜情報供給装置m)がネットワーク500にそれぞれ接続されているものとする。各情報供給装置200は、移動体100が移動する各地の情報、例えばその情報供給装置が担当する地域の宿泊施設、観光施設や飲食店、移動手段(鉄道、高速バス、観光タクシー、自家用車、レンタカー、航空、船舶、高速道路網等を含む交通手段の他に、徒歩を含む旅行者の移動手段)、祭り・プロスポーツ・観劇などの各種イベント情報や、これらの混み具合などの利用状況の情報、道路地図、各地の天気予報・波情報等からなる案内情報を蓄え、最新の情報に更新し、要求に応じてそれら案内情報を供給する機能を有する。また、各情報供給装置200は移動手段や施設などの予約処理も行うことができる。
【0019】300はサーバであり、ネットワーク500を介して、1または複数の移動体100(移動体1〜移動体n)と1または複数の情報供給装置200(情報供給装置1〜情報供給装置m)間に接続される。サーバ300は、各移動体200からの要求情報と位置情報とに基づき、対応する情報供給装置200を選択し、各移動体100とその選択した各情報供給装置200間の通信の制御を行う通信制御部(通信制御装置)301と、情報供給装置200から受信した案内情報から移動体100へ送信する案内結果情報を編集する要求結果編集部(要求結果編集装置)302と、この案内情報サービスを享受することに伴う課金処理を行う課金処理部(課金処理装置)303と、案内情報等の各種情報を蓄積する蓄積部(蓄積装置)304等とを有する。
【0020】各移動体100のそれぞれは、例えばユーザが現在地を含む出発点から旅行の目的地までの行動スケジュールの案内が必要になった時、ユーザにより情報入力部102から入力された要求情報と出発地や目的地の位置情報とを、各移動体を一意に識別するための移動体識別情報(ID)とともに送信する(図2のS1)。出発地と目的地の位置情報としては、出発地や目的地を特定できる情報、例えば現在地や目的地の住所の他に、電話番号などでも設定可能である。また、現在地の位置情報としては、位置検出部101により検出された現在位置の位置情報が設定されてもよい。
【0021】要求情報としては、案内を要求する旨を示す情報、例えば、出発希望時間、目的地の到着希望時間等から構成される。出発希望時間としては、要求情報を送出する時点の現在時間であっても、出発を希望する任意の時間であってもよい。また、観光を希望する施設・飲食店やその条件、移動手段またはその条件の指定、希望する移動ルート等、より詳細な条件を要求情報に設定してもよい。ここで、移動手段の提示は、車(自家用車、タクシー)、公共交通機関(電車、バスなど)、徒歩、またはそれらの組み合わせ、などと指定することもできるが、徒歩が少ないもの、逆に徒歩以外の移動手段の回数が少ないもの、料金や時間などのコストが少ないものとすることもできる。
【0022】移動体識別情報はネットワーク500を介して各移動体100との通信を可能にするために、移動体100を一意に識別するものであり、予め各移動体毎に付与される、例えば移動体の電話番号である。
【0023】基地局400は、各移動体100から送信された要求情報と位置情報と移動体識別情報を受信し、受信したこれら情報をネットワーク500を介してサーバ300に送信する。
【0024】サーバ300では、通信制御部301が移動体100からの要求情報と位置情報を受信すると、その要求情報と位置情報を解析し、関連のある情報供給装置200を選択し(図2のS2)、選択した情報供給装置200に案内情報の取得要求を送信する(図2のS3)。このとき、移動体100からの要求を満たす案内情報を有する情報供給装置は1つであるとは限らないため、要求を満たすのに必要な1つまたは複数の情報供給装置200に対して、案内情報の取得要求を送信することとなる。
【0025】移動体100から受信する位置情報としては、上述したように、移動体100の位置検出部101により検出された情報の場合や、住所(例えば、歌舞伎町、六本木、嵐山、祇園)、固定網の電話番号、施設の名称(例えば、東京駅、国立劇場、帝国ホテル、レインボーブリッジ、日比谷公園)の場合のように種々の形式がある。従って、情報供給装置200への案内情報の取得要求を作成する際や、移動体100への案内結果情報を編集する際に、サーバ300において、情報供給装置200や移動体100に適した位置情報の形式に変換したり、あるいは統一した形式を予め定めておき、情報供給装置200や移動体100においてその統一した形式に変換するなど、サーバ300では位置情報の形式を一致させて処理を行う必要がある。
【0026】案内情報の取得要求をサーバ300からネットワーク500を介して受信した情報供給装置200は、その取得要求に対応した案内情報を内部の記憶装置(図示しない)から読み出し、読み出した案内情報をネットワーク500を介してサーバ300に返信する(図2のS4)。
【0027】サーバ300の通信制御部301は、1つあるいは複数の情報供給装置200から案内情報取得要求に対応した案内情報を収集(受信)すると、この収集した案内情報を蓄積部304に一旦蓄積する(図2のS5)。
【0028】次に、サーバ300の要求結果編集部302は、上記各情報供給装置200から収集した案内情報を蓄積部304から読出し、この読み出した案内情報と、移動体100から先に受信した要求情報及び位置情報とから、所定のフォーマットで案内結果情報を編集し(図2のS6)、この編集した案内結果情報をネットワーク500を介して移動体100に送信する(図2のS7)。
【0029】上記においては、要求情報の発生毎に、その要求情報に関連する情報供給装置200から案内情報を収集する場合について説明したが、案内情報としては、以前に情報供給装置200から取得し、蓄積部304に蓄積されたものを利用してもよい。また、蓄積部304で不足している案内情報や有効期間を過ぎた案内情報のみを情報供給装置200から収集し、他は蓄積部304に蓄積されたものを利用する等、情報供給装置200と蓄積部304の両者を併用してもよい。
【0030】移動体100では案内結果情報を受信し、受信した案内結果情報を情報出力部103に出力する(図2のS8)。ここで、案内結果情報としては、文字によるテキスト情報、地図、施設の写真などの画像情報、音声情報などのいずれであってもよく、またこれらの組み合わせであってもよい。情報出力部103は内部に記憶媒体を設けて受信した案内結果情報を要求に応じて繰り返し出力できるようにすることは好ましく、またプリンタに接続することでプリント出力できるようにしてもよい。
【0031】以上の説明では、案内結果情報の編集をサーバ300で行うものとして説明したが、案内結果情報の編集を移動体100で行うようにしてもよい。この場合には、サーバ300は、情報供給装置200から受信した案内情報、あるいは蓄積部304に蓄積されている案内情報のいずれか一方、あるいは両方からなる案内情報を移動体100に送信する。移動体100では、受信した案内情報と、先に送信した要求情報及び位置情報とに基づいて案内結果情報を編集し、編集した案内結果情報を情報出力部103に出力する。
【0032】移動体100のユーザは、案内結果情報に基づき行動を行った結果、途中で観光したい施設や各施設への到着時間などの変更があった場合には、再度案内を要求することも可能である。この場合には、現在地の位置情報、変更のあった要求情報をサーバ300に送信し、サーバ300では、現在地の位置情報と変更のあった要求情報に基づき、再度案内情報を収集する。案内結果情報の編集をサーバ300で行う場合には、さらに、案内情報と、現在地の位置情報及び変更のあった要求情報に基づき再度案内結果情報を編集し、移動体100に送信する。また、案内結果情報の編集を移動体100で行う場合には、移動体100は、サーバ300から再収集した案内情報を受信し、受信した案内情報と、現在地の位置情報及び変更のあった要求情報に基づき再度案内結果情報を編集し、情報出力部103に出力する。
【0033】移動体100のユーザは、案内結果情報の出力結果から施設(ホテルや劇場等)や移動手段などの予約を行いたい場合には、情報入力部102により予約情報を作成し、作成した予約情報をネットワーク500を介してサーバ300に送信する(図2のS9)。
【0034】サーバ300の通信制御部301は、移動体100から予約情報を受信すると、その予約情報の解析を行い、予約を行う施設などの情報を有する情報供給装置200を選択し(図2のS10)、選択された情報供給装置200に予約要求を送信する(図2のS11)。予約を行う情報供給装置200は1つであるとは限らないため、この場合には、予約を行う1つまたは複数の情報供給装置200に対し、予約要求を送信することとなる。
【0035】予約要求を受信した情報供給装置200は予約処理を行い、ネットワーク500を介して予約結果を示した予約結果通知をサーバ300に送信する(図2のS12)。
【0036】サーバ300の通信制御部301は、1つあるいは複数の情報供給装置200から予約要求に対応した予約結果通知を受信すると、その受信した予約結果通知を蓄積部304に蓄積する。
【0037】サーバ300の要求結果編集部302は、各情報供給装置200から受信した予約結果通知を蓄積部304から読出し、その予約結果通知に基づいて予約結果情報を編集し(図2のS13)、ネットワーク500を介してその編集した予約結果情報を予約要求した移動体100に送信する(図2のS14)。
【0038】移動体100では受信した予約結果情報を情報出力部103に出力する(図2のS15)。ここで、予約結果情報としては、テキスト情報、図形情報、音声情報などのいずれであってもよく、またこれらの組み合わせであってもよい。
【0039】以上の事例では、移動体100のユーザは、要求情報に対する案内結果情報の内容をみて、必要時に予約情報を送信し、予約動作を行うものとして説明したが、移動体100は要求情報の送信時に予約情報を含めて送信し、情報供給装置200からの案内情報に予約結果通知を含めて受信し、予約結果通知を含んだ案内情報に基づき案内結果情報を編集するようにしてもよい。
【0040】サーバ300では、上述したように、情報供給装置200から受信した案内情報や予約結果通知以外にも、移動体100や情報供給装置200との間の他の通信履歴(要求情報、位置情報、案内情報取得要求など)も履歴情報として、移動体識別信号毎に蓄積部304に蓄積しておき、再度案内情報の要求があった場合には、要求のあった移動体100の移動体識別情報に対応する履歴情報を蓄積部304から読出し、既に観光した施設を除外するなどの、履歴情報も考慮して案内動作を行うようにしてもよい(図2のS16)。このようにすることにより、より利用者に適した案内が可能となる。
【0041】また、サーバ300は、内部のタイマーやカウンタ(図示しない)を利用して、通信履歴として、移動体100や情報供給装置200がサーバ300と通信した時間、移動体100からの要求回数、情報供給装置200を利用した利用者数、供給した情報量など、課金処理に必要な情報も取得し、この取得した課金関連情報を蓄積部304に蓄積することにより、課金処理に利用することが可能となる。
【0042】すなわち、サーバ300の課金処理部303では、蓄積部304から課金に必要な通信履歴を読出し、読出した課金処理に必要な情報を基に課金処理を行う。例えば、移動体100のユーザは案内サービスの要求回数に応じてサーバ300を運用するサーバ運用者に利用料金を支払い、サーバ運用者は情報供給装置200を利用した利用者数及び供給された情報量に応じてその情報供給装置200の供給者に対して使用料金を支払う等の課金処理を行う。この課金処理の決済には銀行口座からの引き落としや、クレジット決済などの所謂電子マネー決済が適用できる(図2のS17)。
【0043】なお、観光地の公告を行ってもらうという意味で、情報供給装置200を利用した利用者数及び供給された情報量に応じて、情報供給装置200の情報供給者がサーバ300の運用者(サーバ管理者)に料金を支払う場合もあり得る。なお、この場合、一般に移動体100を持つ利用者の料金は比較的に低額、あるいは無料となる。
【0044】以上、本発明を適用した情報案内システムの基本動作について説明した。以下、要求情報と位置情報とに基づいて案内情報を収集し、この収集した案内情報と、要求情報及び位置情報とに基づいて案内結果情報を編集する処理について、ある出発地から各観光施設を回ってある目的地まで到着する行動スケジュールを案内する場合を例にとり、より具体的に説明する。
【0045】各移動体100は、案内が必要になった時、出発希望時間、目的地到着希望時間を含む要求情報と、出発地、目的地を含む位置情報をサーバ300に送信する。この際、観光を希望する施設やその到着希望時間などの条件、希望する移動手段またはその条件など、訪問先に関するより詳細な要求条件(訪問先条件)があれば、これらの条件も要求情報に設定する。これらの条件設定はメニュー画面の選択等を利用すれば容易にできる。
【0046】図3のフローチャートにこの場合のサーバ300の処理手順を示す。まず、サーバ300では、各施設に関する情報(各施設とその位置情報、各施設への移動手段と所要時間等の情報、施設のカテゴリと特徴)を蓄積部304に予め格納しておく。なお、このカテゴリと特徴とは、観光施設・飲食店という分類やその中での種類だけでなく、屋内・屋外施設、廉価なサービス、おしゃれな店など、その店の種類や特徴が考えられる。またこの情報は、収集した案内情報より編集しなおすことも考えられる。
【0047】サーバ300は、移動体100から要求情報と位置情報とを受信する(S100)と、まず、要求情報と位置情報を解析し、蓄積部304に蓄積してある各施設に関する情報を利用し、出発地から目的地までの移動ルートの候補を算出し、算出した移動ルートの候補のそれぞれに対し、移動ルートの周辺にある各施設の候補を抽出する(S200)。
【0048】次に、サーバ300はその抽出した各施設に関する情報を有する各情報供給装置200を選択し、選択された情報供給装置200から、各施設の混み具合、営業時間帯、タイムサービスなどの案内情報を収集する(S300)。基本動作で説明したように、案内情報としては、既に各情報供給装置200から収集し、蓄積部304に蓄積されているものを用いてもよい。
【0049】さらに、サーバ300は上記移動ルートの候補の中から、各施設に関する情報や案内情報も考慮し、移動体100のユーザの行動スケジュールを案内結果情報として編集する(S400)。すなわち、サーバ300は出発地の出発時間から目的地への目的地到着時間までに観光可能な施設とその順序、各施設への移動手段とその所要時間、各施設への到着時間と見学時間からなる行動スケジュールを編集する。ここで、移動手段の提示は、車(自家用車、タクシー)、公共交通機関(電車、バスなど)、徒歩、またはそれらの組み合わせ、などと指定することもできるが、徒歩が少ないもの、逆に徒歩以外の移動手段の回数が少ないもの、料金や時間などのコストが少ないものとすることもできる。
【0050】また、移動体100からの要求情報に、観光を希望する施設・飲食店やその条件、移動手段またはその条件の指定、希望する移動ルート等、より詳細な条件が含まれていた場合には、サーバ300は各施設に関する情報や案内情報によりその条件を含む移動ルートを検索し選定して、移動体100のユーザの行動スケジュールを案内結果情報として編集する。なお、上記観光を希望する施設・飲食店やその条件としては、例えば固有の施設名・飲食店名であったり、土地の名産・有名施設であったり、美術館やスパゲティー店などのカテゴリであったり、屋内の観光地やおしゃれな昼食、夜遅くまで営業している施設、短時間で回れる・利用できる施設などが考えられる。
【0051】また、移動体100のユーザは、案内結果情報に基づき行動を行った結果、途中で観光したい施設や各施設への到着時間などの変更があった場合には、基本動作で説明したように、再度行動スケジュール案内を要求することも可能である。この場合には、現在地の位置情報、変更のあった要求情報をサーバ300に送信し、サーバ300では、現在地の位置情報と変更のあった要求情報に基づき、再度案内情報を収集する。また、再度行動スケジューリング案内を要求して案内情報を収集する場合、現在地の位置情報と変更のあった要求情報に加え、移動体との通信履歴として蓄積している過去の要求情報、位置情報などの履歴から、ユーザの過去情報である観光施設や飲食店など同じカテゴリや特徴を抽出しそのカテゴリや特徴に基づいて、案内情報を収集することも考えられる。案内結果情報の編集をサーバ300で行う場合には、さらに、案内情報と、現在地の位置情報及び変更のあった要求情報に基づき再度行動スケジュール案内結果情報を編集し、移動体100に送信する。また、案内結果情報の編集を移動体100で行う場合には、移動体100は、サーバ300から再度収集した案内情報を受信し、受信した案内情報と、現在地の位置情報及び変更のあった要求情報に基づき再度案内結果情報を編集し、情報出力部103に出力する。
【0052】以上述べたように、本発明の一実施形態によれば、移動体のユーザにとっては、必要時に必要な場所において、適切な案内情報を得ることが可能となり、また、情報供給装置の情報供給者にとっては、個々の移動体に適した情報を供給することで、顧客の確保が図れる。また、出発地と目的地までのルートやルート周辺の施設などの情報を単に提供するだけでなく、出発地の出発時間から目的地への到着時間までに観光する各施設への到着時間と見学時間などを含む行動スケジュールを提供することにより、ユーザにとってより有用なものとなる。
【0053】(他の実施の形態)なお、本発明は、1国の国内旅行案内ばかりでなく、複数国を訪問する海外旅行案内にも適用可能である。
【0054】また、本発明は、移動体(移動機)への案内サービスを対象として説明したが、同様なサービスをネットワークに接続された固定電話に対しても行うことは可能である。
【0055】また、本発明において基地局は単一でも複数でもかまわない。ネットワークは単一とは限らず、サーバは基地局が接続されているネットワークとは別の通信回線を介して情報供給装置に接続して本発明の案内サービスを実行することは可能である。情報供給装置の供給者は、例えば旅行業者、各地の旅行代理店、地方自治体の観光課などが想定され、各情報供給装置毎に異なってもかまわないことは勿論である。
【0056】また、移動体の位置検出部がない場合でも、情報入力部から位置情報を入力できるから、本発明は遂行できる。
【0057】また、本発明において、移動体の情報入力部と情報出力部はCPU、メモリ、入力キー、液晶ディスプレイ、スピーカー等からなる移動体の既存のハードウエアを利用して実現可能であり、サーバもCPU、メモリ等の既存のハードウエアを利用して実現可能であり、情報供給装置もコンピュータシステムの既存のハードウエアを利用して実現可能である。すなわち、本発明の目的は、前述した実施の形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記録媒体(記憶媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し、実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。そのプログラムコードを記録し、またテーブル等の変数データを記録する記録媒体としては、例えばフロッピディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、などを用いことができる。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、移動体と情報供給装置の間をネットワーク経由でサーバを介して接続した情報案内システムにより、移動体のユーザにとっては、必要時に必要な場所において、適切な案内情報を得たり、予約を行うことが可能となり、また、情報供給装置の情報供給者にとっては、個々の移動体のユーザに適した情報を供給することで、顧客の確保が図れるという格別の効果が得られる。
【0059】さらに、本発明によれば、出発地と目的地までのルートやルート周辺の施設などの情報を単に提供するだけでなく、出発地の出発時間から目的地への到着時間までに観光する各施設への到着時間と見学時間などを含む行動スケジュールを提供することにより、ユーザにとってより有用なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における情報案内システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態における情報案内システムの動作シーケンスの一例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるサーバの処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
100 移動体
101 位置検出部
102 情報入力部
103 情報出力部
200 情報供給装置
300 サーバ
301 通信制御部
302 要求結果編集部
303 課金処理部
304 蓄積部
400 基地局
500 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】 1以上の移動体と1以上の情報供給装置とサーバとがネットワークを介して接続された情報案内システムであって、前記情報供給装置は、前記サーバからの取得要求に対応する案内情報を前記サーバに送信し、前記移動体は、要求情報を位置情報とともに前記サーバに送信し、前記サーバから前記要求情報と前記位置情報に対する案内結果情報を受信し、受信した該案内結果情報を表示や音声で出力し、前記サーバは、前記移動体から受信した前記要求情報と前記位置情報に基づき関連のある前記情報供給装置を選択し、選択した前記情報供給装置に前記取得要求を送信して前記案内情報を収集し、あるいは、既に前記情報供給装置から収集し内部に蓄積してある前記案内情報の中から関連のある案内情報を収集し、これらいずれかの方法または両方の方法により収集した案内情報と前記要求情報及び前記位置情報とから前記案内結果情報を編集して前記移動体に送信することを特徴とする情報案内システム。
【請求項2】 1以上の移動体と1以上の情報供給装置とサーバとがネットワークを介して接続された情報案内システムであって、前記情報供給装置は、前記サーバからの取得要求に対応する案内情報を前記サーバに送信し、前記各移動体は、要求情報を位置情報とともに前記サーバに送信し、前記サーバから案内情報を受信し、受信した前記案内情報と前記要求情報および前記位置情報とから前記案内結果情報を編集し、編集した該案内結果情報を表示や音声で出力し、前記サーバは、前記各移動体から受信した前記要求情報と前記位置情報に基づき関連のある前記情報供給装置を選択し、選択した前記情報供給装置に取得要求を送信して前記案内情報を収集し、あるいは、既に前記情報供給装置から収集し内部に蓄積してある前記案内情報の中から関連のある案内情報を収集し、いずれかの方法または両方の方法により収集した案内情報を前記移動体に送信することを特徴とする情報案内システム。
【請求項3】 前記要求情報と前記位置情報は、現在地などのある地点の位置と出発希望時間、最終目的地と到着希望時間、さらに希望観光施設またはその訪問条件、移動手段またはその条件を含んでおり、前記案内情報は前記要求情報と前記位置情報に対応する各地の施設、飲食店、移動手段などの情報を含んでおり、前記案内結果情報は、利用者の希望にあったルートで効率良く観光が出来るようにスケジューリングされている、出発地から目的地までの各施設等の到着時間、所要時間を含む行動スケジュールであることを特徴とする請求項1または2に記載の情報案内システム。
【請求項4】 前記サーバは、前記移動体からの前記要求情報に応じて前記情報供給装置に予約要求を送信し、前記情報供給装置から予約結果通知を受信し、受信した予約結果通知から予約結果情報を編集し、編集した前記予約結果情報を前記移動体に送信することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の情報案内システム。
【請求項5】 1以上の移動体と1以上の情報供給装置とサーバとがネットワークを介して接続されたシステムの情報案内方法であって、前記移動体において要求情報と位置情報を前記サーバに送信するステップと、前記サーバにおいて前記移動体からの前記要求情報と前記位置情報に基づき関連のある前記情報供給装置を選択し、選択した前記情報供給装置に取得要求を送信するステップと、前記情報供給装置において前記サーバからの前記取得要求に対応する案内情報を前記サーバへ送信するステップと、前記サーバにおいて受信した前記案内情報と前記要求情報と前記位置情報とから案内結果情報を編集し、編集した該案内結果情報を前記移動体に送信するステップと、前記移動体において受信した前記案内結果情報を表示や音声で出力するステップとを有することを特徴とする情報案内方法。
【請求項6】 1以上の移動体と1以上の情報供給装置とサーバとがネットワークを介して接続されたシステムの情報案内方法であって、前記移動体において要求情報と位置情報を前記サーバに送信するステップと、前記サーバにおいて前記移動体からの前記要求情報と前記位置情報に基づき関連のある前記情報供給装置を選択し、選択した前記情報供給装置に取得要求を送信するステップと、前記情報供給装置において前記サーバからの前記取得要求に対応する案内情報を前記サーバへ送信するステップと、前記サーバにおいて受信した前記案内情報を前記移動体に送信するステップと、前記移動体において受信した前記要求情報と前記位置情報とから案内結果情報を編集し、編集した該案内結果情報を表示や音声で出力するステップとを有することを特徴とする情報案内方法。
【請求項7】 前記サーバにおいて前記情報供給装置に前記取得要求を送信するステップの前に、前記サーバにおいて前記情報供給装置から既に収集し内部に蓄積してある案内情報の中から関連のある案内情報を収集するステップを更に有し、前記関連のある案内情報が収集できないかったとき、あるいはその一部が収集できなかったときに前記情報供給装置に前記取得要求を送信するステップを実行し、前記案内結果情報を編集するステップでは、前記蓄積してある案内情報の中から収集した案内情報と前記情報供給装置から送信された案内情報のいずれか、またはその両方の組み合わせを用いて前記案内結果情報を編集することを特徴とする請求項5または6に記載の情報案内方法。
【請求項8】 前記要求情報と前記位置情報は、現在地などのある地点の位置と出発希望時間、最終目的地と到着希望時間、さらに希望観光施設またはその訪問条件、移動手段またはその条件を含んでおり、前記案内情報は前記要求情報と前記位置情報に対応する各地の施設、飲食店、移動手段などの情報を含んでおり、前記案内結果情報は、利用者の希望にあったルートで効率良く観光が出来るようにスケジューリングされている、出発地から目的地までの各施設等の到着時間、所要時間を含む行動スケジュールであることを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の情報案内方法。
【請求項9】 前記サーバにおいて前記移動体からの前記要求情報に基づいて予約要求を前記情報供給装置に送信するステップと、前記情報供給装置において前記サーバからの前記予約要求に対応する予約処理を実行し、実行した予約結果通知を前記サーバに送信するステップと、前記サーバにおいて前記情報供給装置から前記予約結果通知を受信し、受信した予約結果通知から予約結果情報を編集し、編集した前記予約結果情報を前記移動体に送信するステップとを更に有することを特徴とする請求項5ないし8のいずれかに記載の情報案内方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2002−92193(P2002−92193A)
【公開日】平成14年3月29日(2002.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−280283(P2000−280283)
【出願日】平成12年9月14日(2000.9.14)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】