説明

情報検索装置、情報検索方法、及びコンピュータプログラム

【課題】検索対象となる所定の情報群より、階層途中からでも所望の住所情報を効率良く探し出すことができ、かつ、簡単な構造でデータ容量に配慮しつつ、容易な操作で素早く検索を行う。
【解決手段】本装置10では、文字列情報受付部11が、住所情報を検索するための文字列の入力を受け付け、検索位置情報特定部12が、この文字列の先頭から順に文字情報を特定し、この特定した文字情報に基づき、検索可能な住所領域を示す文字列と、この文字列に対応する住所情報の記憶位置を特定する検索位置特定情報と、を互いに関連付けて記憶する住所検索情報記憶部F1を参照して所定の住所領域を確定すると共に、確定した住所領域に対応する検索位置特定情報を特定する。また、住所情報検索部13が、検索位置特定情報に基づき住所情報を特定・抽出し、住所情報出力部14が、抽出した住所情報を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所望の住所情報を探し出す検索技術に係り、詳しくは、検索対象となる所定の情報群より、指定(入力)された文字列に対応する住所情報を、効率良く探し出すことのできる検索を行う情報検索装置、情報検索方法、及び情報検索用のコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、所望の住所情報を検索対象物として探し出す情報検索装置が知られている。このような情報検索装置では、住所が広い領域から狭い領域を示すように、たとえば都道府県、市区町村、大字・町、小字・丁目、番地、号といった順番にしたがって住所が階層化して記憶された木構造の住所データベースを用いて検索を行なっている。したがって、所望の住所情報を探し出す場合、住所領域が広い上位階層から住所領域が狭い下位階層へ順に下りながら住所を徐々に絞込んでいる。また、このような住所情報に対する検索機能を備え、たとえば検索した住所を中心とする電子地図を表示するカーナビゲーション装置(以下、「カーナビ」という。)も知られている。
【0003】
ところで、住所情報の検索を行なう場合、上位階層に相当する住所から下位階層に相当する住所まで階層順に順序良く住所を覚えていることは少ないため、覚えている途中の住所から検索を行ないたいといった要望がある。
しかしながら、従来の検索手法では、住所が広い領域から住所が狭い領域へと階層ごとに、リストの中から選択して住所を確定しながら順番に住所の検索を行なわなければならないため、操作に手間が掛かって煩わしいと共に、階層途中の住所から検索を行なうことも困難であった。
【0004】
そこで、階層途中からでも所望の住所情報を効率良く探し出すことができるようにした手段が幾つか提案されている。
たとえば、50音入力を行なう50音入力モード及び階層的な住所データを備えたリストの中から選択して入力を行なう住所入力モードを備え、50音入力モードにより入力された文字列が住所である場合には、50音入力モードから住所入力モードに切り替えるようにした手段がある(特許文献1を参照)。
また、住所を構成する広い領域から狭い領域に至る各段階の領域を表す地域名称をノードに対応付けた木構造を有し、子ノードは親ノードより広い領域を表す地域名称を含む住所データベースを備え、入力された文字の読みを有する地域名称を親ノードとする子ノードを前記住所データベースから検索し、検索された子ノードに対応する地域名称を出力するようにした手段もある(特許文献2を参照)。
さらに、文字列情報を複数の検索階層に階層化して記憶した文字列データベースを備え、入力文字列に対応する文字列候補が現検索階層に存在しない場合、当該入力文字列を含む下位文字列候補を当該現検索階層より下位の検索階層から検索するようにした手段もある(特許文献3を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3797405号公報
【特許文献2】特開2005−301904号公報
【特許文献3】特開2007−148559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術は、住所情報だけを効率良く検索するようにしたものではないため、入力された文字列の属性が住所か否か判断する必要があり、構造が複雑なものとなる。また、文字列に住所であることを識別させるための属性情報を関連付けなければならず、データ容量が大きなものとなってしまい、住所情報を効率良く探し出すことができない虞がある。
また、上記特許文献2に記載の技術は、住所データベースが、狭い領域を上位階層とする複数階層から構成された複雑な構造となっており、入力された文字列から効率良く住所を絞り込んで所望の住所を探し出すことができない虞がある。
さらに、上記特許文献3に記載の技術は、検索階層を下るごとに文字列情報を選択/確定する操作を要し、非常に煩わしいものである。
【0007】
また、Webを利用して情報検索サービスを行うWebアプリでは、データベース等を使用することにより、入力された文字列に応じて適切に検索を行うようにするものもある。しかしながら、やはりカーナビのような限られた環境ではデータサイズの制約によりデータベースを導入することが困難である。
このように、検索対象となる所定の情報群より、階層途中からでも所望の住所情報を効率良く探し出す場合において、簡単な構造でデータ容量に配慮しつつ、容易な操作で素早く検索可能とした手段は、現在のところ提案されていない。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みて成されたものであり、検索対象となる所定の情報群より、階層途中からでも所望の住所情報を効率良く探し出すことができ、かつ、簡単な構造でデータ容量に配慮しつつ、容易な操作で素早く検索可能とした仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の情報検索装置は、検索対象となる所定の情報群より、指定された文字列に対応する住所情報を効率良く探し出す検索を行う情報検索装置であって、検索可能な住所領域を示す文字列と、この文字列に対応する住所情報の記憶位置を特定する検索位置特定情報と、を互いに関連付けて記憶する第1記憶手段と、前記検索位置特定情報と、住所が広い領域から狭い領域を示すように階層化された各住所情報と、を互いに関連付けて記憶する第2記憶手段と、前記住所情報を検索するための文字列の入力を受け付ける文字列情報受付手段と、前記文字列情報受付手段で受け付けた文字列の先頭から順に文字情報を特定し、この特定した文字情報に基づき前記第1記憶手段を参照して所定の住所領域を確定すると共に、確定した住所領域に対応する住所情報を検索する検索位置特定情報を特定する検索位置情報特定手段と、前記検索位置情報特定手段で特定した検索位置特定情報に基づき、前記第2記憶手段を参照して住所情報を特定し抽出する住所情報検索手段と、前記住所情報検索手段で抽出した住所情報を出力する住所情報出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の情報検索装置は、前記検索位置情報特定手段が、前記文字列情報受付手段で受け付けた文字列より特定した文字情報に基づき前記第1記憶手段を参照して確定できる住所領域が複数あって1つの住所領域を確定できないとき、該当する複数の住所領域を示す文字列を前記第1記憶手段よりそれぞれ抽出し、住所情報として特定し、前記住所情報出力手段が、前記検索位置情報特定手段で特定した各住所情報を出力するものとしても良い。
【0011】
また、本発明の情報検索方法は、検索可能な住所領域を示す文字列と、この文字列に対応する住所情報の記憶位置を特定する検索位置特定情報と、を互いに関連付けて記憶する第1記憶手段と、前記検索位置特定情報と、住所が広い領域から狭い領域を示すように階層化された各住所情報と、を互いに関連付けて記憶する第2記憶手段と、を備え、情報検索装置において、検索対象となる所定の情報群より、指定された文字列に対応する住所情報を効率良く探し出す検索を行う情報検索方法であって、前記情報検索装置が、前記住所情報を検索するための文字列の入力を受け付ける第1ステップと、前記情報検索装置において、前記第1ステップで受け付けた文字列の先頭から順に文字情報を特定し、この特定した文字情報に基づき前記第1記憶手段を参照して所定の住所領域を確定すると共に、確定した住所領域に対応する住所情報を検索する検索位置特定情報を特定する第2ステップと、前記情報検索装置において、前記第2ステップで特定した検索位置特定情報に基づき、前記第2記憶手段を参照して住所情報を特定し抽出する第3ステップと、前記第3ステップで抽出した住所情報を前記情報検索装置より出力する第4ステップと、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の情報検索方法は、前記情報検索装置において、前記第2ステップは、前記第1ステップで受け付けた文字列より特定した文字情報に基づき前記第1記憶手段を参照して確定できる住所領域が複数あって1つの住所領域を確定できないとき、該当する複数の住所領域を示す文字列を前記第1記憶手段よりそれぞれ抽出し、住所情報として特定し、前記第3ステップは、前記第2ステップで特定した各住所情報を出力するものとしても良い。
【0013】
また、本発明のコンピュータプログラムは、検索可能な住所領域を示す文字列と、この文字列に対応する住所情報の記憶位置を特定する検索位置特定情報と、を互いに関連付けて記憶する第1記憶手段と、前記検索位置特定情報と、住所が広い領域から狭い領域を示すように階層化された各住所情報と、を互いに関連付けて記憶する第2記憶手段と、を備え、検索対象となる所定の情報群より、指定された文字列に対応する住所情報を効率良く探し出す検索を行うことを実行させるためにコンピュータを、前記住所情報を検索するための文字列の入力を受け付ける手段、受け付けた前記文字列の先頭から順に文字情報を特定し、この特定した文字情報に基づき前記第1記憶手段を参照して所定の住所領域を確定すると共に、確定した住所領域に対応する住所情報を検索する検索位置特定情報を特定する手段、特定した前記検索位置特定情報に基づき、前記第2記憶手段を参照して住所情報を特定し抽出する手段、抽出した前記住所情報を出力する手段、として機能させることを特徴とする。
【0014】
また、本発明のコンピュータプログラムは、前記コンピュータを、受け付けた前記文字列より特定した文字情報に基づき前記第1記憶手段を参照して確定できる住所領域が複数あって1つの住所領域を確定できないとき、該当する複数の住所領域を示す文字列を前記第1記憶手段よりそれぞれ抽出し、住所情報として特定する手段、特定した前記各住所情報を出力する手段、としてさらに機能させるものとしても良い。
【発明の効果】
【0015】
本発明の情報検索装置は、検索可能な住所領域を示す文字列と、この文字列に対応する住所情報の記憶位置を特定する検索位置特定情報と、を互いに関連付けて記憶する索引情報記憶手段と、検索位置特定情報と、住所が広い領域から狭い領域を示すように階層化された各住所情報と、を互いに関連付けて記憶する住所情報記憶手段とを備える。ゆえに、住所情報を検索するために受け付けた文字列の先頭から順に文字情報を特定し、この特定した文字情報に基づき索引情報記憶手段を参照して所定の住所領域を確定すると共に、確定した住所領域に対応する住所情報を検索する検索位置特定情報を特定することができる。そして、この検索位置特定情報に基づき住所情報記憶手段を参照して住所情報を特定し、受け付けた文字列により特定した住所領域を上位階層としてその下位階層に含まれる住所領域を示す住所情報を含んで抽出し、出力することができる。
したがって、検索対象となる所定の情報群より、階層途中からでも所望の住所情報を効率良く探し出すことができ、かつ、簡単な構造でデータ容量に配慮しつつ、容易な操作で素早く検索を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る情報検索装置を用いた情報検索システムの一例を示す概略図である。
【図2】本発明に係る情報検索装置を情報検索システムに用いることにより実現されるナビゲーション装置を示す概略図である。
【図3】本発明に係る情報検索装置の実施形態の一例を示すブロック構成図である。
【図4】本発明に係る情報検索装置が備える記憶部に記憶されている住所索引情報ファイルの構造を示す一例である。
【図5】本発明に係る情報検索装置が備える記憶部に記憶されている住所検索情報ファイルの構造を示す一例である。
【図6】本発明に係る情報検索装置での大まかな情報検索処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明に係る情報検索装置での詳細な情報検索処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明に係る情報検索装置での情報検索処理の他の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る情報検索装置、情報検索方法、情報検索用のコンピュータプログラムの一例について説明する。
本発明に係る情報検索装置(以下、「本装置」という)は、検索対象となる所定の情報群より、指定された文字列に対応する住所情報を素早く探し出す検索を行う装置である。
【0018】
図1は、本装置10を用いた情報検索システム(以下、「本システム」という)の一例を示す概略図である。
本システムは、図1に示すように、本装置10と、表示部20と、入力部30と、によって構成することができる。
表示部20は、本装置10に対して検索を指示する文字列や、本装置10による検索結果を出力・表示するディスプレイ(モニタ)である。
入力部30は、本装置10に対して各種指示を行うコマンドの入力用ボタンである。
【0019】
また、図2は、本システムを用いることにより実現されるナビゲーション装置1を示す概略図である。
図2において、表示部20のスクリーン上に、入力部30が積層されたものとなっている。
入力部30を構成する入力用ボタンは、図2に示すように、文字入力ボタン31、片仮名入力又は変換するための「カタカナ」ボタン32、アルファベット入力又は変換するための「ABC」ボタン33、小文字入力に切り替えたり、濁点「゛」や半濁点「゜」を入力したりするための「小゛゜」ボタン34、数字を入力するための「123」ボタン35、入力された仮名文字を漢字へ変換する「変換」ボタン36、入力文字列の確定や、受け付けた文字情報により構成された文字列に基づく検索実行を指示する「OK」ボタン37等より構成されている。
【0020】
文字入力ボタン31は、該当情報を検索するための文字の入力情報を発信する処理を行う。文字入力ボタン31としては、たとえば平仮名のキーボードを模したGUI(Graphical User Interface)画面を表示部20に表示し、ユーザがGUI画面上で平仮名を1文字ずつカーソルあるいは指で選択していくことで、所望の文字列の入力を行なうものとすることができる。
図2において、文字入力ボタン31は、あ行、か行、さ行・・・わ行の各種文字ボタン、句点「。」を入力するためのボタン、読点「、」を入力するためのボタン、「−」を入力するためのボタンにより構成されている。
【0021】
また、表示部20には、文字入力ボタン31より入力された文字情報を出力・表示する表示欄21が表示されたものとなっている。
図2において、表示欄21には、「神奈川県」といった検索のための文字列が表示されている。
【0022】
図3は、本装置10の一例を示すブロック構成図である。
本装置10は、図3に示すように、住所索引情報記憶部F1と、住所情報記憶部F2と、文字列情報受付部11と、検索位置情報特定部12と、住所情報検索部13と、住所情報出力部14と、制御部Cと、を少なくとも有している。なお、図中の符号Bは、本装置10において制御信号、データ等を伝送するバスである。
【0023】
本装置10は、情報処理装置であればよく、たとえば、モバイルタイプのパーソナルコンピュータをはじめ、PND(Portable Navigation Device)や専用デバイス、携帯電話機などで実現される。また、本装置10は、図示しないが、CPU(中央処理装置)、プログラム記憶部、補助記憶装置、OS(オペレーティング・システム)、等を有する。
CPUは、プログラム記憶部に記憶されたコンピュータプログラムに従い、本装置10の各構成要素を統制制御し、プログラム処理を実行する手段である。プログラム記憶部は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等で構成され、本装置10が使用する各種コンピュータプログラムを記憶している手段である。
【0024】
住所索引情報記憶部F1は、検索可能な住所領域を示す文字列と、この文字列に対応する住所情報の記憶位置を特定する検索位置特定情報と、を互いに関連付けて記憶する手段である。この検索位置特定情報は、いわゆるオフセット情報である。
【0025】
図4は、住所索引情報記憶部F1に記憶されている情報の例を示す図である。
たとえば、図4に示す住所索引情報ファイルでは、文字列情報と検索位置特定情報(オフセット情報)とを関連付けてファイルを構成することを示している。
したがって、本装置10では、この住所索引情報記憶部F1により、受け付けた文字列から検索位置特定情報が分かるものとなる。
【0026】
住所情報記憶部F2は、検索位置特定情報と、住所が広い領域から狭い領域を示すように階層化された各住所情報と、を互いに関連付けて記憶する手段である。住所情報は、都道府県や市区町村・群・政令都市、大字・小字、丁目・番地・号といった所定の領域を特定する情報をいう。したがって、本装置10では、この検索位置特定情報に基づき住所情報を特定する検索を行うことができる。
【0027】
図5は、住所情報記憶部F2に記憶されている情報の例を示す図である。
たとえば、図5に示す住所検索情報ファイルでは、検索位置特定情報と都道府県情報、検索位置特定情報と市区町村・群・政令都市、検索位置特定情報と大字・小字、検索位置特定情報と丁目・番地・号、をそれぞれ関連付けてファイルを構成することを示している。
したがって、本装置10では、この住所情報記憶部F2により、検索位置特定情報から検索対象となる所定の住所情報が分かるものとなる。
【0028】
文字列情報受付部11は、住所情報を検索するための文字列の入力を受け付ける処理を行う。また、文字列情報受付部11は、受け付けた文字列情報を検索位置情報特定部12へ送信する。
【0029】
検索位置情報特定部12は、文字列情報受付手段で受け付けた文字列の先頭から順に文字情報を特定し、この特定した文字情報に基づき住所索引情報記憶部F1を参照して所定の住所領域を確定すると共に、確定した住所領域に対応する住所情報を検索する検索位置特定情報を特定する処理を行う。
検索位置情報特定部12は、特定した検索位置特定情報を住所情報検索部13へ送信する。
【0030】
検索位置情報特定部12では、特定した文字情報に基づき、住所索引情報記憶部F1において広い領域を示す住所から狭い領域を示す住所の順に住所領域を確定していく。したがって、最初に都道府県階層の住所領域を示す索引を検索し、確定しなければ、次に、その下位階層である市区町村・群・政令市階層の住所領域、大字・小字階層の住所領域、・・・といったように順次住所領域を狭めて索引を検索する。なお、受け付けた文字列に住所領域が確定できない文字情報が含まれているときは、確定した住所領域までに対応する検索位置特定情報を特定する。
【0031】
また、検索位置情報特定部12では、受け付けた文字列において住所領域が確定した後、未だ未検索文字情報が残っている場合、住所領域が確定した階層にはフィルタをし、次の下位階層から住所領域の確定を行なう。すなわち、「東京都新宿区」を検索する場合、先頭から順に文字情報を特定し「東京都」の文字情報が都道府県階層の住所領域で確定したとき、残りの「新宿区」の文字情報は、都道府県階層の次の下位階層である市区町村・群・政令市階層の住所領域において該当するか否か索引検索を行なう。
【0032】
さらに、検索位置情報特定部12では、たとえば都道府県階層の住所領域は完全一致を条件として、住所領域を確定するようにしても良い。すなわち、「千葉」といった文字列を検索する場合、「千葉」の文字情報から千葉県や千葉市が該当するものとなるが、この場合、都道府県階層の住所領域は完全一致を条件とすると、千葉県では該当しないものとし、千葉市において確定するようにできる。
【0033】
住所情報検索部13は、検索位置情報特定手段で特定した検索位置特定情報に基づき、前記第2記憶手段を参照して住所情報を特定し抽出する処理を行う。この際、住所情報は、たとえば文字列情報受付部11で受け付けた文字列により特定した住所領域を上位階層としてその下位階層に含まれる住所領域を示す住所情報を含んで抽出するものとすることができる。
住所情報検索部13は、抽出した住所情報を住所情報出力部14へ送信する。
【0034】
住所情報出力部14は、住所情報検索部13で抽出した住所情報を出力する処理を行う。
【0035】
制御部Cは、CPU、ROM、RAM等を具備し、プログラム記憶部に記憶されたプログラムに従い、本装置10の各構成要素を統制制御し、プログラム処理を実行する。
【0036】
次に、上述した本装置10により実行される情報検索方法を実施する本装置10の大まかな動作の一例を、図6を参照しながら説明する。図6は、本装置10での情報検索処理の一例を示すフローチャートである。
まず、文字列情報受付部11が、住所情報を検索するための文字列の入力を受け付ける(S10)。
次いで、検索位置情報特定部12が、文字列情報受付部11で受け付けた文字列の先頭から順に文字情報を特定し、文字情報を特定するごとに住所索引情報記憶部F1を参照して特定した文字情報に基づき所定の住所領域を確定する(S20)。
引き続き、検索位置情報特定部12が、所定の住所領域を確定したら、その住所領域に対応する住所情報を検索する検索位置特定情報を特定する(S30)。
【0037】
また、住所情報検索部13が、検索位置情報特定部12で特定した検索位置特定情報に基づき住所情報記憶部F2を参照して住所情報を特定し抽出する(S40)。なお、抽出する住所情報としては、たとえば文字列情報受付部11で受け付けた文字列により特定した住所領域を上位階層としてその下位階層に含まれる住所領域を示す住所情報を含むものとすることができる。
そして、住所情報出力部14が、住所情報検索部13で抽出した住所情報を表示部30へ出力する(S50)。
これにより、本装置10での一連の動作が終了する。
なお、これら一連の処理は、制御部Cでの統制制御により実行される。
【0038】
<第1の実施の形態>
次に、上述した本装置10により実行される情報検索方法を実施する本装置10の詳細な動作の一例を、図7を参照しながら説明する。図7は、本装置10での情報検索処理の一例を示すフローチャートである。
まず、文字列情報受付部11が、住所情報を検索するための文字列の入力を受け付ける(S10)。
次いで、検索位置情報特定部12が、文字列情報受付部11で受け付けた文字列の先頭から順に文字情報を特定し、この特定した文字情報に基づき住所索引情報記憶部F1段を参照する(S20)。
【0039】
引き続き、検索位置情報特定部12が、所定の住所領域として都道府県住所領域を確定したか否か判定をする(S21)。
その結果、検索位置情報特定部12が、都道府県住所領域を確定したと判定した場合(Y)、引き続き、検索位置情報特定部12が、文字列情報受付部11で受け付けた文字列において未検索文字情報が無いか判定をする(S22)。
そして、検索位置情報特定部12が、文字列情報受付部11で受け付けた文字列において未検索文字情報が無いと判定した場合(Y)、次に、検索位置情報特定部12は、所定の領域を示す住所を確定する(S29)。
【0040】
一方、検索位置情報特定部12が、都道府県住所領域を確定していないと判定した場合(N)、次に、検索位置情報特定部12は、所定の住所領域として市区町村住所領域又は群住所領域又は政令市住所領域を確定したか否か判定をする(S23)。
また、検索位置情報特定部12が、文字列情報受付部11で受け付けた文字列において未検索文字情報があると判定した場合(N)、次に、検索位置情報特定部12は、所定の住所領域として市区町村住所領域又は群住所領域又は政令市住所領域を確定したか否か判定をする(S23)。
【0041】
その結果、検索位置情報特定部12が、市区町村住所領域又は群住所領域又は政令市住所領域を確定したと判定した場合(Y)、引き続き、検索位置情報特定部12が、文字列情報受付部11で受け付けた文字列において未検索文字情報が無いか判定をする(S24)。
そして、検索位置情報特定部12が、文字列情報受付部11で受け付けた文字列において未検索文字情報が無いと判定した場合(Y)、次に、検索位置情報特定部12は、所定の領域を示す住所を確定する(S29)。
【0042】
一方、検索位置情報特定部12が、市区町村住所領域又は群住所領域又は政令市住所領域を確定していないと判定した場合(N)、次に、検索位置情報特定部12は、所定の住所領域として大字・小字住所領域を確定したか否か判定をする(S25)。
また、検索位置情報特定部12が、文字列情報受付部11で受け付けた文字列において未検索文字情報があると判定した場合(N)、次に、検索位置情報特定部12は、所定の住所領域として大字・小字住所領域を確定したか否か判定をする(S25)。
【0043】
その結果、検索位置情報特定部12が、大字・小字住所領域を確定したと判定した場合(Y)、引き続き、検索位置情報特定部12が、文字列情報受付部11で受け付けた文字列において未検索文字情報が無いか判定をする(S26)。
そして、検索位置情報特定部12が、文字列情報受付部11で受け付けた文字列において未検索文字情報が無いと判定した場合(Y)、次に、検索位置情報特定部12は、所定の領域を示す住所を確定する(S29)。
【0044】
一方、検索位置情報特定部12が、大字・小字住所領域を確定していないと判定した場合(N)、次に、検索位置情報特定部12は、所定の住所領域として丁目・番地・号住所領域を確定したか否か判定をする(S27)。
また、検索位置情報特定部12が、文字列情報受付部11で受け付けた文字列において未検索文字情報があると判定した場合(N)、次に、検索位置情報特定部12は、所定の住所領域として丁目・番地・号住所領域を確定したか否か判定をする(S27)。
【0045】
その結果、検索位置情報特定部12が、丁目・番地・号住所領域を確定したと判定した場合(Y)、引き続き、検索位置情報特定部12が、文字列情報受付部11で受け付けた文字列において未検索文字情報が無いか判定をする(S28)。
そして、検索位置情報特定部12が、文字列情報受付部11で受け付けた文字列において未検索文字情報が無いと判定した場合(Y)、次に、検索位置情報特定部12は、所定の領域を示す住所を確定する(S29)。
【0046】
次に、検索位置情報特定部12が、確定した住所領域に対応する住所情報を検索する検索位置特定情報を特定する(S30)。
なお、その後の処理は、上述した大まかな動作の一例と同様であり、これら一連の処理は、制御部Cでの統制制御により実行される。
【0047】
以上のように本実施の形態では、上位階層に相当する住所から下位階層に相当する住所まで階層順に順序良く住所を覚えていなくても、覚えている階層途中の住所に相当する文字情報により階層途中からでも容易に所望の住所情報を素早く検索することができる。
したがって、ユーザが取得することを望む住所情報を効率良く探し出す検索を行うことが可能となり、サイズや操作性に制約が多いカーナビ等において、簡単な構造でデータ容量にも配慮し、ユーザインタフェースの向上を図ることが可能になると共に、ユーザの満足度を高めることができる。
【0048】
<第2の実施の形態>
また、本発明では、文字列より特定した文字情報に基づき確定できる住所領域が複数あって1つの住所領域を確定できないとき、確定した住所領域に応じて住所情報の出力を行うこともできる。すなわち、上述した第1の実施の形態とは、該当する複数の住所領域を示す住所情報をそれぞれ特定する機能を有する点で異なる。
なお、以下に述べる他の実施の形態では、上述した第1の実施の形態と異なる部分を中心に説明する。したがって、第1の実施の形態と同様の構成部分は同じ符号を付してその説明は省略し、特に説明しない限り同じであるものとする。
【0049】
本実施の形態において、検索位置情報特定部12は、文字列情報受付部11で受け付けた文字列より特定した文字情報に基づき住所索引情報記憶部F1を参照して確定できる住所領域が複数あって1つの住所領域を確定できないとき、該当する複数の住所領域を示す文字列を住所索引情報記憶部F1よりそれぞれ抽出し、住所情報として特定する機能を備える。
検索位置情報特定部12は、特定した複数の住所領域を示す住所情報を住所情報出力部14へ送信する。
【0050】
また、住所情報出力部14は、検索位置情報特定部12で特定した各住所情報を出力する機能を備える。
【0051】
次に、上述した本装置10により実行される情報検索方法を実施する本装置10の詳細な動作の一例を、図8を参照しながら説明する。図8は、本装置10での情報検索処理の他の一例を示すフローチャートである。
まず、文字列情報受付部11が、住所情報を検索するための文字列の入力を受け付ける(S110)。
次いで、検索位置情報特定部12が、文字列情報受付部11で受け付けた文字列の先頭から順に文字情報を特定し、この特定した文字情報に基づき住所索引情報記憶部F1を参照して所定の住所領域を特定する(S120)。
引き続き、検索位置情報特定部12が、特定した住所領域は1件であるか否か判定する(S130)。
【0052】
その結果、検索位置情報特定部12が、特定した住所領域は1件であると判定した場合(Y)、引き続き、検索位置情報特定部12が、特定した住所領域を確定し、さらに、確定した住所領域に対応する住所情報を検索する検索位置特定情報(オフセット情報)を特定する(S140)。
一方、検索位置情報特定部12が、特定した住所領域は1件ではない、すなわち複数あると判定した場合(N)、検索位置情報特定部12は、該当する複数の住所領域を示す文字列を住所索引情報記憶部F1よりそれぞれ抽出し、住所情報として特定する(S170)。
【0053】
また、検索位置情報特定部12が、検索位置特定情報を特定すると、引き続き、住所情報検索部13が、検索位置情報特定部12で特定した検索位置特定情報に基づき住所情報記憶部F2を参照して住所情報を特定し、文字列情報受付部11で受け付けた文字列により特定した住所領域を上位階層としてその下位階層に含まれる住所領域を示す住所情報を含んで抽出する(S150)。
そして、住所情報出力部14が、住所情報検索部13で抽出した住所情報を表示部30へ出力する(S160)。
これにより、本装置10での一連の動作が終了する。
【0054】
また、検索位置情報特定部12が、該当する複数の住所領域を示す住所情報をそれぞれ特定すると、引き続き、住所情報出力部14は、検索位置情報特定部12で特定した各住所情報を出力する(S180)。
これにより、本装置10での一連の動作が終了する。
なお、これら一連の処理は、制御部Cでの統制制御により実行される。
【0055】
以上のように本実施の形態では、文字列より特定した文字情報に基づき確定できる住所領域が複数あって1つの住所領域を確定することができず、住所領域に対応する住所情報を検索する検索位置特定情報を特定することができない場合でも、該当する住所領域に応じて住所情報の出力を行うようにすることができる。
【0056】
次に、上述した本発明において検索される住所情報の一例を以下に記載する。
(検索例1)
検索文字列として「神奈川県」を入力すると、住所索引情報記憶部F1において、都道府県階層で住所領域が確定し、さらに、確定した住所領域に対応する住所情報を検索する検索位置特定情報を特定する。
そして、この検索位置特定情報に基づき住所情報記憶部F2を参照することで、市区町村・群・政令市階層である「愛甲郡愛川町」「愛甲郡清川村」「足柄上群大井町」「足柄上群開成町」といった、受け付けた検索文字列「神奈川県」により特定した住所領域を上位階層として、その下位階層に含まれる住所領域を示す住所情報を含んで抽出し、出力する。
【0057】
(検索例2)
また、都道府県階層の住所領域は完全一致を条件として住所領域を確定するとした場合、検索文字列として「神奈川」を入力すると、住所索引情報記憶部F1において、神奈川県はスキップして大字・小字階層で住所領域が確定する。
この際、文字列より特定した文字情報に基づき確定できる住所領域が複数あって1つの住所領域を確定できないときは、確定した住所領域に対応する「神奈川(神奈川県横浜市神奈川区)」「神奈川本町(神奈川県横浜市神奈川区)」といった該当する複数の住所領域を示す住所情報をそれぞれ特定し、出力する。また、出力された住所がどの地域に属するのか理解し易くするために、たとえばその上位階層の住所領域を示す住所情報を括弧書きにて表示するものとしても良い。
【0058】
(検索例3)
また、検索文字列として「愛甲郡」を入力すると、住所索引情報記憶部F1において、都道府県階層では確定せず、市区町村・群・政令市階層で住所領域が確定する。
この際、文字列より特定した文字情報に基づき確定できる住所領域が複数あって1つの住所領域を確定できないときは、確定した住所領域に対応する「愛甲郡愛川町(神奈川県)」「愛甲郡清川村(神奈川県)」といった該当する複数の住所領域を示す住所情報をそれぞれ特定し、出力する。また、上位階層の住所領域を示す住所情報を括弧書きにて表示する。
【0059】
(検索例4)
また、検索文字列として「愛甲」を入力すると、住所索引情報記憶部F1において、都道府県階層及び市区町村・群・政令市階層では確定せず、大字・小字階層で住所領域が確定する。
この際、文字列より特定した文字情報に基づき確定できる住所領域が複数あって1つの住所領域を確定できないときは、確定した住所領域に対応する「愛甲(神奈川県厚木市)」「愛甲町(神奈川県小田原市)」といった該当する複数の住所領域を示す住所情報をそれぞれ特定し、出力する。また、上位階層の住所領域を示す住所情報を括弧書きにて表示する。
【0060】
(検索例5)
また、検索文字列として「北郡山」を入力すると、住所索引情報記憶部F1において、都道府県階層及び市区町村・群・政令市階層では確定せず、大字・小字階層で住所領域が確定する。
この際、文字列より特定した文字情報に基づき確定できる住所領域が複数あって1つの住所領域を確定できないときは、確定した住所領域に対応する「北郡山(岩手県紫波郡矢巾町)」「北郡山町(奈良県大和郡山市)」といった該当する複数の住所領域を示す住所情報をそれぞれ特定し、出力する。また、上位階層の住所領域を示す住所情報を括弧書きにて表示する。
【0061】
(検索例6)
また、検索文字列として「名古屋市」を入力すると、住所索引情報記憶部F1において、都道府県階層では確定せず、市区町村・群・政令市階層で住所領域が確定する。
この際、文字列より特定した文字情報に基づき確定できる住所領域が複数あって1つの住所領域を確定できないときは、確定した住所領域に対応する全ての該当データである「名古屋市熱田区」「名古屋市北区」「名古屋市昭和区」「名古屋市千種区」といった該当する複数の住所領域を示す住所情報をそれぞれ特定し、出力する。なお、検索文字列として「名古屋市熱」もしくは「名古屋市熱田」を入力した場合は、「名古屋市熱田区」のみを特定・出力し、検索文字列として「名古屋市熱田区」を入力した場合は、「名古屋市熱田区」により特定した住所領域を上位階層として、その下位階層に含まれる住所領域を示す住所情報を含んで抽出し、出力する。
【0062】
(検索例7)
検索文字列として「新宿区」を入力すると、住所索引情報記憶部F1において、都道府県階層では確定せず、市区町村・群・政令市階層で住所領域が確定し、さらに、確定した住所領域に対応する住所情報を検索する検索位置特定情報を特定する。
そして、この検索位置特定情報に基づき住所情報記憶部F2を参照することで、「新宿区」により特定した住所領域を上位階層として、その下位階層である大字・小字階層に含まれる「愛住町」「赤城下町」「赤城元町」「揚場町」といった住所情報を抽出し、出力する。
【0063】
(検索例8)
また、検索文字列として「東京都立川市」を入力すると、住所索引情報記憶部F1において、まず、都道府県階層で「東京都」の住所領域が確定する。ところが、検索文字列において「立川市」が残るので、引き続き、住所索引情報記憶部F1において検索すると、市区町村・群・政令市階層で住所領域が確定する。さらに、確定した住所領域に対応する住所情報を検索する検索位置特定情報を特定する。
そして、この検索位置特定情報に基づき住所情報記憶部F2を参照することで、「東京都立川市」により特定した住所領域を上位階層として、その下位階層である大字・小字階層に含まれる「曙町」「一番町」「柏町」「上砂町」といった住所情報を抽出し、出力する。
【0064】
(検索例9)
また、検索文字列として「四日市」を入力すると、住所索引情報記憶部F1において、都道府県階層では確定せず、また市区町村・群・政令市階層でも確定せず、大字・小字階層で住所領域が確定する。
この際、文字列より特定した文字情報に基づき確定できる住所領域が複数あって1つの住所領域を確定できないときは、確定した住所領域に対応する「四日市場(宮城県柴田郡柴田町)」「四日市場(宮城県加美郡加美町)」「四日市場(埼玉県坂戸市)」「四日市場台(千葉県銚子市)」といった該当する複数の住所領域を示す住所情報をそれぞれ特定し、出力する。なお、検索文字列として「四日市市」を入力した場合は、市区町村・群・政令市階層で確定し、「四日市市」により特定した住所領域を上位階層として、その下位階層である大字・小字階層に含まれる住所情報を抽出し、出力する。
【0065】
(検索例10)
また、検索文字列として「東京都立川」を入力すると、住所索引情報記憶部F1において、まず、都道府県階層で「東京都」の住所領域が確定する。ところが、検索文字列において「立川」が残るので、引き続き、住所索引情報記憶部F1において検索しても、市区町村・群・政令市階層では確定できない。
この場合は、都道府県階層で確定した住所領域に基づき「立川市(東京都)」といった住所情報を抽出・出力し、その上位階層の住所領域を示す住所情報を括弧書きにて表示する。
【0066】
(検索例11)
検索文字列として「下目黒」を入力すると、住所索引情報記憶部F1において、都道府県階層及び市区町村・群・政令市階層では確定せず、大字・小字階層で住所領域が確定し、さらに、確定した住所領域に対応する住所情報を検索する検索位置特定情報を特定する。
そして、この検索位置特定情報に基づき住所情報記憶部F2を参照することで、「下目黒」により特定した住所領域を上位階層として、その下位階層である丁目・番地・号階層で住所領域に含まれる「下目黒1」「下目黒2」「下目黒3」「下目黒4」といった住所情報を抽出し、出力する。
【0067】
(検索例12)
また、検索文字列として「墨田区立花」を入力すると、住所索引情報記憶部F1において、まず、都道府県階層では確定せず、市区町村・群・政令市階層で「墨田区」の住所領域が確定する。ところが、検索文字列において「立花」が残るので、引き続き、住所索引情報記憶部F1において検索して大字・小字階層で住所領域が確定する。
そして、この検索位置特定情報に基づき住所情報記憶部F2を参照することで、「立花1」「立花2」「立花3」「立花4」といった住所情報を抽出し、出力する。
【0068】
(検索例13)
また、検索文字列として「立花」を入力すると、住所索引情報記憶部F1において、都道府県階層及び市区町村・群・政令市階層では確定せず、大字・小字階層で住所領域が確定する。
この際、文字列より特定した文字情報に基づき確定できる住所領域が複数あって1つの住所領域を確定できないときは、確定した住所領域に対応する全ての該当データである「立花(岩手県北上市)」「立花(秋田県大館市)」「立花(東京都墨田区)」「立花(岐阜県美濃市)」「立花(静岡県静岡市清水区)」といった住所情報を抽出・出力し、その上位階層の住所領域を示す住所情報を括弧書きにて表示する。
【0069】
(検索例14)
また、検索文字列として「墨田区立花図書館」を入力すると、住所索引情報記憶部F1において、まず、都道府県階層では確定せず、市区町村・群・政令市階層で「墨田区」の住所領域が確定する。ところが、検索文字列において「立花図書館」が残るので、引き続き、住所索引情報記憶部F1において検索して大字・小字階層で「立花」の住所領域が確定する。ところが、検索文字列において未だ「図書館」が残るが住所領域が確定しないとは、確定した「立花」の住所領域に対応する「立花(東京都墨田区)」といった住所情報を抽出し、出力する。なお、この際「立花」の住所領域が確定しないとは、確定した「墨田区」の住所領域に対応する「墨田区(東京都)」といった住所情報を抽出し、出力する。
【0070】
(検索例15)
検索文字列として「下目黒1丁目」を入力すると、住所索引情報記憶部F1において、都道府県階層及び市区町村・群・政令市階層では確定せず、大字・小字階層で「下目黒」の住所領域が確定する。ところが、検索文字列において「1丁目」が残るので、引き続き、住所索引情報記憶部F1において検索して丁目・番地・号階層で「1丁目」の住所領域が確定する。
そして、この検索位置特定情報に基づき住所情報記憶部F2を参照することで、「下目黒1丁目1」「下目黒1丁目2」「下目黒1丁目3」「下目黒1丁目4」といった住所情報を抽出し、出力する。
【0071】
<第3の実施の形態>
上述した実施の形態では、上位層から下位層に向けて絞り込みを行っていく例について説明していたが、受け付けた検索文字列が示す住所に中抜けがあった場合に、確定している上位層と下位層とから中抜けした階層を特定(推定)するようにしてもよい。この場合、S29において、検索位置情報特定部12が、中抜けした階層における1又は2以上の住所領域を特定した上で、住所索引情報記憶部F1において、所定の領域を示す住所を1又は2以上確定するようにすればよい。
【0072】
本実施の形態の検索例(検索例16)を以下に示す。
ここでは、検索文字列として「東京都日本橋浜町」が入力(中央区が中抜けした入力)されたものとする。すると、住所索引情報記憶部F1において、都道府県階層で「東京都」の住所領域が確定する。検索文字列において「日本橋浜町」が残るので、引き続き住所索引情報記憶部F1において検索しても、市区町村・群・政令市階層では確定できない。そして、さらに引き続き住所索引情報記憶部F1において検索し、大字・小字階層で「日本橋浜町」の住所領域が確定する。
この場合は、S29において、検索位置情報特定部12は、中抜けした階層の直上の上位層である都道府県階層を「東京都」で絞り込んだ上で、中抜けした階層の直下の下位層である市区町村・群・政令市階層に「日本橋浜町」がある1又は2以上の市区町村・群・政令市を特定する。ここでは市区町村・群・政令市階層として「中央区」の住所領域のみが特定される。
そして、この検索位置特定情報に基づき住所情報記憶部F2を参照することで、「日本橋浜町1」「日本橋浜町2」「日本橋浜町3」「日本橋浜町4」といった住所情報を抽出し、出力する。
【0073】
上記のようにS29にて中抜けした階層を特定する処理を行う構成すれば、受け付けた検索文字列が示す住所に中抜けがあり、住所領域に対応する住所情報を検索する検索位置特定情報を特定することができない場合でも、中抜け部分を推定することができるため、推定された住所領域に応じて住所情報の出力を行うようにすることができる。
【0074】
また、本装置10は、ナビゲーション機能を兼ね備えた装置としても良い。この場合、本装置10は、図示しないが、地図情報を記憶する手段や、この地図上の領域を特定する位置情報と、住所情報とを互いに関連付けて記憶する手段をさらに備える。また、地図情報は、CD−ROMやDVD−ROM等の記憶媒体に格納されたものすることができる。
【0075】
これにより、特定した位置情報に基づき該当する道路地図情報を特定、抽出し、この道路地図上に住所情報が表示されるように、住所情報と道路地図情報とを重ね合わせて出力することができる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、所定の情報群より、ユーザが求めている住所情報の検索が可能なデバイスを扱う業種において産業上有用であり、検索によって電子地図上に所望の住所情報の表示を可能とするカーナビゲーション装置等の電化製品市場においても有用である。
【符号の説明】
【0077】
F1 住所索引情報記憶部(第1記憶部)、F2 住所情報記憶部(第2記憶部)、10 情報検索装置、11 文字列情報受付部、12 検索位置情報特定部、13 住所情報検索部、14 住所情報出力部、20 表示部、30 入力部。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索対象となる所定の情報群より、指定された文字列に対応する住所情報を効率良く探し出す検索を行う情報検索装置であって、
検索可能な住所領域を示す文字列と、この文字列に対応する住所情報の記憶位置を特定する検索位置特定情報と、を互いに関連付けて記憶する第1記憶手段と、
前記検索位置特定情報と、住所が広い領域から狭い領域を示すように階層化された各住所情報と、を互いに関連付けて記憶する第2記憶手段と、
前記住所情報を検索するための文字列の入力を受け付ける文字列情報受付手段と、
前記文字列情報受付手段で受け付けた文字列の先頭から順に文字情報を特定し、この特定した文字情報に基づき前記第1記憶手段を参照して所定の住所領域を確定すると共に、確定した住所領域に対応する住所情報を検索する検索位置特定情報を特定する検索位置情報特定手段と、
前記検索位置情報特定手段で特定した検索位置特定情報に基づき、前記第2記憶手段を参照して住所情報を特定し抽出する住所情報検索手段と、
前記住所情報検索手段で抽出した住所情報を出力する住所情報出力手段と、
を備えることを特徴とする情報検索装置。
【請求項2】
前記検索位置情報特定手段は、前記文字列情報受付手段で受け付けた文字列より特定した文字情報に基づき前記第1記憶手段を参照して確定できる住所領域が複数あって1つの住所領域を確定できないとき、該当する複数の住所領域を示す文字列を前記第1記憶手段よりそれぞれ抽出し、住所情報として特定し、
前記住所情報出力手段は、前記検索位置情報特定手段で特定した各住所情報を出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報検索装置。
【請求項3】
検索可能な住所領域を示す文字列と、この文字列に対応する住所情報の記憶位置を特定する検索位置特定情報と、を互いに関連付けて記憶する第1記憶手段と、前記検索位置特定情報と、住所が広い領域から狭い領域を示すように階層化された各住所情報と、を互いに関連付けて記憶する第2記憶手段と、を備え、情報検索装置において、検索対象となる所定の情報群より、指定された文字列に対応する住所情報を効率良く探し出す検索を行う情報検索方法であって、
前記情報検索装置が、前記住所情報を検索するための文字列の入力を受け付ける第1ステップと、
前記情報検索装置において、前記第1ステップで受け付けた文字列の先頭から順に文字情報を特定し、この特定した文字情報に基づき前記第1記憶手段を参照して所定の住所領域を確定すると共に、確定した住所領域に対応する住所情報を検索する検索位置特定情報を特定する第2ステップと、
前記情報検索装置において、前記第2ステップで特定した検索位置特定情報に基づき、前記第2記憶手段を参照して住所情報を特定し抽出する第3ステップと、
前記第3ステップで抽出した住所情報を前記情報検索装置より出力する第4ステップと、
を含むことを特徴とする情報検索方法。
【請求項4】
前記情報検索装置において、
前記第2ステップは、前記第1ステップで受け付けた文字列より特定した文字情報に基づき前記第1記憶手段を参照して確定できる住所領域が複数あって1つの住所領域を確定できないとき、該当する複数の住所領域を示す文字列を前記第1記憶手段よりそれぞれ抽出し、住所情報として特定し、
前記第3ステップは、前記第2ステップで特定した各住所情報を出力する、
ことを特徴とする請求項3に記載の情報検索方法。
【請求項5】
検索可能な住所領域を示す文字列と、この文字列に対応する住所情報の記憶位置を特定する検索位置特定情報と、を互いに関連付けて記憶する第1記憶手段と、前記検索位置特定情報と、住所が広い領域から狭い領域を示すように階層化された各住所情報と、を互いに関連付けて記憶する第2記憶手段と、を備え、検索対象となる所定の情報群より、指定された文字列に対応する住所情報を効率良く探し出す検索を行うことを実行させるためにコンピュータを、
前記住所情報を検索するための文字列の入力を受け付ける手段、
受け付けた前記文字列の先頭から順に文字情報を特定し、この特定した文字情報に基づき前記第1記憶手段を参照して所定の住所領域を確定すると共に、確定した住所領域に対応する住所情報を検索する検索位置特定情報を特定する手段、
特定した前記検索位置特定情報に基づき、前記第2記憶手段を参照して住所情報を特定し抽出する手段、
抽出した前記住所情報を出力する手段、
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータを、
受け付けた前記文字列より特定した文字情報に基づき前記第1記憶手段を参照して確定できる住所領域が複数あって1つの住所領域を確定できないとき、該当する複数の住所領域を示す文字列を前記第1記憶手段よりそれぞれ抽出し、住所情報として特定する手段、
特定した前記各住所情報を出力する手段、
としてさらに機能させることを特徴とする請求項5に記載のコンピュータプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−295143(P2009−295143A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−61779(P2009−61779)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【出願人】(507052430)キャンバスマップル株式会社 (77)
【Fターム(参考)】