説明

情報端末及び定型文編集方法

【課題】ユーザが自身で定型文書を選択しなくても、簡便な操作によって自動的にユーザに必要な定型文書を選択する機能を備えた情報端末及び定型文編集方法を提供する。
【解決手段】情報端末100は、現在時刻を計測するタイマ60aと、変数を含む定型文と前記定型文の使用時間帯を特定する情報とを対応付けて記憶する記憶部42と、前記タイマ60aにより計時された前記現在時刻を前記使用時間帯に含む前記定型文を前記記憶部42から読み出す読み出し部と、前記読み出し部で読み出した前記定型文中の前記変数を変更する編集部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定型文自動選択機能を備えた情報端末及び定型文編集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子メールを送信する際、適当な定型文書を選択し、選択した定型文を任意に編集して送信対象の文面を作成し、それを送信することが一般に行われている。
【0003】
この種の選択、編集、送信作業を簡易化する技術が、特許文献1に開示されている。この技術によれば、複数の定型文書の中から任意のものを選択し、送信日時を指定すると、指定された日時に、選択した定型文書が送信される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−172581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この技術は、予定されている場面やイベントには、適切なメールを送信できるが、突発的な場面には対応できない。例えば、通勤途中で電車遅延が発生した場合に、遅刻することや、遅刻の程度を伝える電子メールを送信することには利用できない。このような場面では、従来通り、ユーザ自ら、複数ある定型文書のうちから一つを選択し、それを編集し、送信するという作業を行わなければならない。しかし、このような必要が発生する場面は、満員電車の中等、情報端末の操作環境としては劣悪なことも多く、定型文の選択、編集、送信、いずれも容易ではないことが多い。
【0006】
一方で、予定外の事象が発生した場面で送信する文書は比較的限定されており、また、伝えるべき内容もある程度限定されており、複雑な内容の文書を送信する必要のないことが多い。例えば、上述の遅刻の例であれば、遅刻すること、遅刻の程度等が連絡できれば、十分である。
【0007】
そこで、ユーザが自身で定型文書を選択しなくても、簡便な操作によって自動的にユーザに必要な定型文書を選択する機能を備えた情報端末及び定型文編集方法を提供することが、本発明が解決しようとする課題である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の第1の観点に係る情報端末は、現在時刻を計測するタイマと、変数を含む定型文と前記定型文の使用時間帯を特定する情報とを対応付けて記憶する記憶部と、前記タイマにより計時された前記現在時刻を前記使用時間帯に含む前記定型文を前記記憶部から読み出す読み出し部と、前記読み出し部で読み出した前記定型文中の前記変数を変更する編集部と、を備える。
【0009】
また、本発明の第2の観点に係る定型文編集方法は、タイマが現在時刻を計測する計測工程と、変数を含む定型文と前記定型文の使用時間帯を特定する情報とを対応付けて記憶する記憶工程と、前記タイマにより計時された前記現在時刻を前記使用時間帯に含む前記定型文を前記記憶工程から読み出す読み出し工程と、前記読み出し工程で読み出した前記定型文中の前記変数を変更する編集工程と、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザが自身で定型文書を選択しなくても、簡便な操作によって自動的にユーザに必要な定型文書を選択する機能を備えた情報端末及び定型文編集方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態に係る情報端末の外観図である。
【図2】情報端末のブロック図である。
【図3】定型文データ等を格納した定型文データベースである。
【図4】定型文送信までのフローチャートである。
【図5】ID取得処理のフローチャートである。
【図6】編集準備処理のフローチャートである。
【図7】変数編集処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0013】
(実施形態1)
実施形態1に係る情報端末100は、定型文書を編集して、電子メールを送信する機能を有するスマートフォンであり、図1に外観を示すように、筐体1、タッチパネル(ディスプレイ)2、LED(Light Emitting Diode)3、ボタン4a〜4d、を備える。
【0014】
タッチパネル2は、液晶表示パネル、EL(Electro Luminescence)パネル等の表示パネルとデジタイザとから構成され、文書、画像等を表示すると共に入力装置として機能する。なお、タッチパネル2は、入力操作用に種々のボタン、アイコン等の操作用の画像を表示する。物理的なボタン4a〜4dと区別するため、これらをソフトウエアボタンと呼ぶこととする。
【0015】
LED3は、メール送信完了時等に発光してユーザに通知する装置であり、情報端末100の任意の位置に配置されている。
【0016】
ボタン4a〜4dは、物理的に配置されたボタンであり、ボタン4a及びボタン4bは筐体1の正面パネルに設置されており、ボタン4c及びボタン4dは筐体1の側面に設置され、外部から押操作可能である。また、ボタン4a〜4dは、後述する操作部50を構成する。
【0017】
ボタン4a〜4dは、ボタン数に限りがあるため、場面に応じて種々の機能に使用される。本実施形態においては、ボタン4aは、スリープ状態にある情報端末100を起動するボタン、ボタン4bは、定型文を用いたメール送信を行うことを指示するボタン、ボタン4cは定型文中の変数を大きくすることを指示するボタン、ボタン4dは、定型文中の変数を小さくするボタン、として機能する。
【0018】
情報端末100は、図2のブロック図に示すように、回路構成として、制御部10、RAM(Random Access Memory)20、送受信部30、記憶部40、操作部50、タイマ部60、を備える。RAM20、送受信部30、記憶部40、操作部50、タイマ部60、タッチパネル2、LED3は制御部10に接続されている。
【0019】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)を備え、記憶部40に格納されている様々なプログラムを実行し、接続されている各部の動作を制御する。
【0020】
RAM20は、情報端末100のメインメモリを構成し、制御部10がプログラムを実行するためのワークエリアや、ユーザによる入力情報を一時的に保存するための記憶媒体として使用される。
【0021】
送受信部30は、変復調回路やアンテナ等を備え、制御部10の信号に基づいて、メールデータの変復調、送受信を行う。
【0022】
記憶部40は、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等から構成され、種々のプログラム、固定データ等と共にメーラプログラム41と定型文DB(データベース)42とを記憶する。メーラプログラム41は、メールデータを編集、送信、受信、表示するプログラムである。
【0023】
定型文DB42は、1)メール送信用の定型文、2)その定型文を選択する基準、3)定型文を編集するルール、を格納したDBであり、図3に示すように、IDフィールドFa、行動名フィールドFb、宛先フィールドFc、定型文フィールドFd、実行カレンダフィールドFe、範囲フィールドFf、優先度フィールドFg、ステータスフィールドFh、送信設定フィールドFi、繰り返しフィールドFjを備える。
【0024】
IDフィールドFaには、定型文を特定するID(Identification)が格納されている。
【0025】
行動名フィールドFbには、定型文の内容を端的に表す名称が登録されている。例えば、第1エントリには、「仕事(開始)」という名前が登録されている。
【0026】
宛先フィールドFcには、定型文を用いて作成した電子メールを送信する宛先を特定するデータが登録されている。宛先を特定するデータは、電子メールそのものでも、図示せぬ電話帳データ等を用いてアドレスを特定するための他の識別情報(名前、ニックネーム、略号等)でもよい。
【0027】
定型文フィールドFdには、編集・送信対象の定型文が格納されている。定型文は変数xを含む。ユーザはその変数の値をボタン操作によって変更することにより、定型文を編集することができる。例えば、「(氏名)です。x分遅れます。」という定型文が第1エントリに格納されているが、ボタン操作によって「x」という変数の値を変更することにより、「5分遅れます。」、「60分遅れます。」等の文を作成できる。また、「(氏名)」にはユーザ自身の名前データが予め登録されている。
【0028】
実行カレンダフィールドFe、範囲フィールドFf、優先度フィールドFg、ステータスフィールドFhには、複数の定型文から一つを選択するための条件が格納されている。
【0029】
実行カレンダフィールドFeには、対応する定型文を選択する曜日と基準時刻が登録されている。
【0030】
範囲フィールドFfには、実行カレンダフィールドFeに登録されている基準時刻を基準に、どの時間範囲にあるときに、その定型文を選択するかを定める情報が登録されている。
【0031】
例えば、第1エントリの実行カレンダフィールドFeには、「月〜金」と「8:15から」が登録され、範囲フィールドFfには、「33分間」が登録されている。従って、月曜から金曜の8:15〜8:48分の間に、対応する「(氏名)です。x分遅れます。」の定型文が読み出される。また、例えば、第2エントリの実行カレンダフィールドFeには、「月〜金」と「17:45から」が登録され、範囲フィールドFfには、「60分間」が登録されている。従って、月曜から金曜の17:45〜18:45分の間に、対応する「(氏名)です。x分後に帰宅します。」の定型文が読み出される。
【0032】
優先度フィールドFgには、複数の定型文が選択対象のときにどちらを優先して読み出すべきかを示す優先順位が登録されている。
【0033】
ステータスフィールドFhには、対応する定型文を読み出す状態にあるか否かを示すステータス情報が登録されている。
【0034】
送信設定フィールドFiには、定型文を、ユーザの「送信」の操作なしに送受信部30を介して外部に送信させるか否かのデータが登録されている。
【0035】
繰り返しフィールドFjには、一度選択した定型文を、その後も選択対象とするか否かを示すデータが格納されている。
【0036】
なお、定型文DB42に登録されている定型文は、工場出荷時等に、デフォルトで記憶されているものでもよく、或いは、ユーザ自身が通常の文書作成・編集機能を用いて登録したものでもよい。また、変数「x」は、情報端末100のシステムが変数として認識できるものならば、任意に変更可能である。
【0037】
図2に戻り、タイマ部60は、RTC(Real Time Clock)60aと、起動時間タイマ60bと、修正時間タイマ60cとを備える。
【0038】
RTC60aは、現在の曜日、日時分秒を計測する。
【0039】
起動時間タイマ60b、修正時間タイマ60cは、アップカウンタやダウンカウンタから構成されており、制御部10の信号に基づいて所定の制限時間を計測する。
【0040】
起動時間タイマ60bは、スリープ状態にある情報端末100が起動されてから、定型文を用いたメール送信が指示されるまでの制限時間を計測する。ボタン4bの押操作により、定型文を用いたメール送信が指示されないまま、起動時間タイマ60bの計測が終了すると、定型文を用いたメール送信のための処理が終了する。
【0041】
修正時間タイマ60cは定型文中の変数を変化するボタン操作の入力を受け付ける制限時間を計測する。定型文を用いたメール送信が指示されても、メールを送信する指示がないまま時間が経過し、修正時間タイマ時間タイマ60cの計測が終了すると、定型文を用いたメール送信のための処理が終了する。
【0042】
次に、定型文DB42に格納されているデータを使って、ユーザ(田中太郎氏)が定型文書を読み出し、それを編集し、送信する動作を、図4、図5、図6、図7に示すフローチャートを参照して説明する。なお、前提として、図3に示す各定型文の中の「(氏名)」には、例えば、ユーザ自身の操作によりユーザの名前である、「田中太郎」が設定されているものとする。
【0043】
情報端末100のスタンバイ中に端末起動ボタン4aが押下されると、選択条件に合致する定型文を自動的に特定する(ステップS1)。
【0044】
この動作を、図5を参照して詳細に説明する。
【0045】
まず、制御部10は、起動時間タイマ60bのカウント動作を開始させる(ステップS11)。
【0046】
次に、制御部10は、定型文DB42のステータスフィールドFhのデータが「実行中」のエントリの中から、RTC60aが計測している曜日、日時分秒と、実行カレンダフィールドFe、範囲フィールドFfと、を参照し、RTC60aが計測している曜日、日時分秒に合致するものが存在するかを判別する(ステップS12)。
【0047】
該当するエントリが存在していれば(ステップS12;YES)、制御部10は優先度フィールドFgを参照し、最も優先度の高いエントリの定型文フィールドFdに登録されている定型文を取得する(ステップS13)。
【0048】
条件に合致する定型文IDが存在しなければ(ステップS12;NO)、制御部10は処理を終了する。
【0049】
図4に戻り、ステップS1で現在日時分秒に対応する定型文を選択すると、選択した文書を編集するための準備処理である編集準備処理を実行する(ステップS2)。
【0050】
この編集準備処理の詳細を、図6を参照しながら、説明する。
【0051】
編集準備処理において、制御部10は、起動時間タイマ60bのカウント動作中にボタン4bが押下されたかを判別する(ステップS21)。即ち、スリープ状態にあった情報端末100をボタン4aを操作して起動してから、起動時間タイマ60bが計測する時間制限のうちに、定型文を用いたメール送信を行うことを指示するボタン4bが操作されたか否かを判別する。
【0052】
制御部10は、ボタン4bが押下されたと判別すれば(ステップS21;YES)、起動時間タイマ60bのカウント動作を終了させ、修正時間タイマ60cのカウント動作を開始させる(ステップS22)。
【0053】
制御部10は、ボタン4bが押下されなかったと判別すれば(ステップS21;NO)、処理を終了する。
【0054】
制御部10は、修正時間タイマ60cのカウント動作を開始させた後、メーラプログラム41をRAM20に展開する。また、制御部10は取得した定型文と対応する宛先データとをメーラプログラム41に提供する。また、このとき制御部10は、定型文データ内の変数の値をデフォルト値、例えば、「0」にセットする(ステップS23)。
【0055】
メーラプログラム41が起動すると、メーラプログラム41は、制御部10はタッチパネル2を介してメール編集画面を表示させ、LED3を介して、ユーザにメーラプログラム41の起動を通知し(ステップS24)、処理を変数編集処理に返す。
【0056】
図4に戻り、ステップS2の編集準備処理終了後、メーラプログラム41は、定型文データ内の変数の値を変更する変数編集処理を実行する(ステップS3)。
【0057】
この変数編集処理を、図7を参照して詳細を説明する。
【0058】
制御部10は、修正時間タイマ60cのカウント動作中、即ち、制限時間内にボタン4cが押下されたかを判別する(ステップS31)。
【0059】
制御部10は、ボタン4cが押下されたと判別すれば(ステップS31;YES)、変数xの値を所定の値、例えば、10増加させる(ステップS33)。
【0060】
制御部10は、ボタン4cが押下されなかったと判別すれば(ステップS31;NO)、修正時間タイマ60cのカウント動作中にボタン4dが押下されたかを判別する(ステップS32)。
【0061】
制御部10は、ボタン4dが押下されたと判別すれば(ステップS32;YES)、変数xの値を所定の値、例えば10減少させる(ステップS34)。
【0062】
制御部10は、ボタン4dが押下されなかったと判別すれば(ステップS32;NO)、修正時間タイマ60cの起動から所定の時間、例えば10秒程度経過した後に、処理を終了する。
【0063】
変数xの値が増減(ステップS33、ステップS34)された後、制御部10は、修正時間タイマ60cのカウント動作をリスタートさせる(ステップS35)。
【0064】
制御部10は、修正時間タイマ60cのカウント動作をリスタートさせた後、ボタン4aが押下されたかを判別する(ステップS36)。
【0065】
制御部10は、ボタン4aが押下されたと判別すれば(ステップS36;YES)、処理を送信処理に返し、修正時間タイマ60cを終了させる。
【0066】
制御部10は、ボタン4aが押下されなかったと判別すれば(ステップS36;NO)、処理をS31に戻す。
【0067】
図4に戻り、ステップS3の変数編集処理終了後、制御部10はメーラプログラム41から編集作業の終了した定型文書データを受信し、それを送受信部30に出力する。そして、送受信部30はこれを外部に送信する。また、制御部10はタッチパネル2にメール送信結果を表示させ、LED3を点滅させてメール送信結果をユーザに通知する(ステップS4)。
【0068】
制御部10は、今回使用した定型文の繰り返しフィールドFjが「はい」(繰り返し)に設定されているか否かを判断する(ステップS5)。
【0069】
繰り返しフィールドFjが「はい」になっていれば(ステップS5;YES)、制御部10は処理を終了する。
【0070】
繰り返しフィールドFjが「いいえ」になっていれば(ステップS5;NO)、以後、その定型文を使用しないように、制御部10はステータスフィールドFhを「終了」に書き換えて、処理を終了する(ステップS6)。
【0071】
このようにして、情報端末100により複数の定型文のうちから、起動時点の曜日日時文秒に該当する定型文が自動的に読み出され、その定型文中の変数をユーザの操作により物理ボタンの繰り返し操作により簡単に修正して、電子メールにより送信することができる。従って、タッチパネル2の画面を見ながら、タッチパネル2を操作して定型文を選択し、定型文を編集するといった煩雑な作業をしなくとも、必要なメールを送信することができる。なお、手動により定型文を読み出して編集送信するという動作も併用されている。
【0072】
次に、上述の動作を具体例を参照して説明する。例えば、ユーザ(田中太郎氏)が情報端末100を使って英語教室に20分遅れる旨のメールを水曜18:00に送信する場面を想定する。情報端末100のスタンバイ時にボタン4aが押下されると、制御部10は図4に示す処理を開始する。
【0073】
まず、ステータスフィールドFhを参照すると「実行中」であるエントリのIDはID1、ID2、ID3である。ID1の実行カレンダフィールドFeと範囲フィールドFfとには、「月〜金」、「8:15から」、「33分間」というデータが存在する。ボタン4aが押下された時間は水曜18:00なので、ID1の条件は該当しない。
【0074】
ID2を参照すると、「水」、「17:45から」、「60分間」というデータが存在する。ボタン4aが押下された時間は水曜18:00なので、ID2も該当する。
同様にID3を参照すると、「水」、「17:30から」、「60分間」というデータが存在する。ボタン4aが押下された時間は水曜18:00なので、ID3も該当する。
該当するIDが複数あるので、さらに、優先度フィールドFgを参照すると、ID2の優先度は「2」に設定されていて、ID3の優先度は「1」に設定されている。ID3の方がID2よりも優先度が高いので、制御部10はID3の定型文と宛先データを取得する。
【0075】
制御部10がID3を取得し、所定の時間内にボタン4bが押下されると、制御部10は、ID3が持つ宛先データと登録されているユーザの名前データが代入された定型文データとを、すなわち、「英語教室」と「田中太郎です。x分遅れます。」とをメーラプログラム41に出力する。また、制御部10は変数xを判別し、判別した変数xの値を0にセットする。
【0076】
ここで、ユーザは、更新の単位が10分単位であること、数値を上げる場合にはボタン4cを操作することを記憶しており、ボタン4cを2回押下する。これにより、変数xの値は20に編集される。最後に送信を指示するボタン4aが押下されると、「英語教室」宛に「田中太郎です。20分遅れます。」という内容のメールが送信される。
【0077】
また、日時情報だけでなくGPS(Global Positioning System)の位置情報も用いて、定型文書データを作成してもよい。例えば、図3に示すID3の定型文フィールドFgには、GPSにより取得した位置情報が定型文中に埋め込まれている。
【0078】
図3に示す定型文DB42のID4の送信設定フィールドFcは「自動」に設定されており、実行カレンダフィールドFeは「土」、「10:00から」に設定されている。例えば、GPSの位置情報が「新宿東口前」であれば、制御部10は、メーラプログラム41に土曜日の10:00に「新宿東口前」という内容のメールを作成させ、送受信部30にそのメールを送信させる。こうすることにより、待ち合わせをする場合等の利便性が向上する。
【0079】
以上説明したように、ユーザは、ユーザの状況に合った定型文を自動的に情報端末100に選択させることが可能であり、さらに、物理ボタンの数回の操作で定型文データ内の変数を編集し、送信することが可能である。
【0080】
また、情報端末100の電池残量が僅少であるときには、タッチパネル2に電子メール編集画面や、メール送信結果を表示させなくても良い。ユーザは電子メール編集画面を確認しなくても、数回のボタン操作でメール編集やメール送信をすることができるので、情報端末100の電池の節約に有効である。
【0081】
また、変数の取る値の範囲を限定しても良い。例えば、0≦変数≦60とし、ボタン4c及びボタン4dの押下による変数の増減を10に設定しているならば、ボタン4c又はボタン4dの何れかを最低6回押下することにより変数の値を0又は60にセットすることができる。これにより、ユーザは現在の変数の値を確認する必要がなくなる。
【0082】
また、定型文の編集をしない時は、ボタン4cとボタン4dにそれぞれ音量のアップとダウンの機能を持たせても良い。音量アップと変数の値増加、音量ダウンと変数の値減少、をそれぞれ対応させることにより、ユーザは直感的に操作できる。
【0083】
また、スタンバイ状態以外においてはボタン4aのキー入力の受付を無効としても良い。これによりユーザは、誤って起動時間タイマ60bにカウント動作をさせる虞がなくなる。
【0084】
また、スピーカやバイブレータを内蔵させて、電子メールの送信状況を音や振動によって通知してもよい。もちろん、これらを組み合わせてユーザに通知してもよい。LED3の光による通知の他にも、これらのような通知方法を組み合わせることにより、より明確にユーザに電子メールの送信状況を通知することが可能である。これにより、ユーザは、電子メールの送信状況の不認識を防止することが可能である。
【0085】
なお、ボタン類は、パネル操作を不要とするため、ボタンは物理ボタンが望ましいが、ソフトウエアボタンでもよい。
【0086】
また、情報端末100は、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット、パソコン等、任意である。
【符号の説明】
【0087】
1 筐体
2 タッチパネル
3 LED
4a ボタン
4b ボタン
4c ボタン
4d ボタン
Fa IDフィールド
Fb 行動名フィールド
Fc 宛先フィールド
Fd 定型文フィールド
Fe 実行カレンダフィールド
Ff 範囲フィールド
Fg 優先度フィールド
Fh ステータスフィールド
Fi 送信設定フィールド
Fj 繰り返しフィールド
10 制御部
20 RAM
30 送受信部
40 記憶部
41 メーラプログラム
42 定型文DB
50 操作部
60 タイマ部
60a RTC
60b 起動時間タイマ
60c 修正時間タイマ
100 情報端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在時刻を計測するタイマと、
変数を含む定型文と前記定型文の使用時間帯を特定する情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記タイマにより計時された前記現在時刻を前記使用時間帯に含む前記定型文を前記記憶部から読み出す読み出し部と、
前記読み出し部で読み出した前記定型文中の前記変数を変更する編集部と、
を備えることを特徴とする情報端末。
【請求項2】
前記読み出し部は、優先度の高い前記定型文を読み出す、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報端末。
【請求項3】
前記編集部は、ボタンの繰り返し操作に応じて、前記変数を一定量増加又は一定量減少させる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報端末。
【請求項4】
前記ボタンは、物理ボタンから構成されることを特徴とする請求項3に記載の情報端末。
【請求項5】
タイマが現在時刻を計測する計測工程と、
変数を含む定型文と前記定型文の使用時間帯を特定する情報とを対応付けて記憶する記憶工程と、
前記タイマにより計時された前記現在時刻を前記使用時間帯に含む前記定型文を前記記憶工程から読み出す読み出し工程と、
前記読み出し工程で読み出した前記定型文中の前記変数を変更する編集工程と、
を含むことを特徴とする定型文編集方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−114634(P2013−114634A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−263134(P2011−263134)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】