説明

情報表示端末

【課題】目的地の方向を迅速かつ確実に把握することができ、利用者に負担を掛けることなく、目的地への案内を実行可能とする。
【解決手段】通路に情報表示端末1が設けられ、その表示画面14に目的地への経路を案内する経路案内画面15が表示される。この経路案内画面14では、歩く行動をする擬人化された行動画像16と「地下鉄改札口」といったような目的地名などを示す目的地表示情報の画像17が表示される。ここでは、行動画像16は、目的地の方向にそこへの経路を歩く動作をしているが、その表示位置は変化しない。また、目的地表示情報の画像17は、行動画像16の進行方向の前方に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地への案内情報を表示する情報表示端末に関する。
【背景技術】
【0002】
駅構内やデパート内などの複数の施設(出入り口,改札口,エレベータ,トイレなど)などが存在する構造物内には、夫々の場所毎に、夫々の施設へ利用者を案内するために、目的施設への案内情報を表示した案内端末(サイン端末)が設置されている。かかる案内端末としては、その設置位置から目的施設への方向が矢印で示されるとともに、その施設名も文字表示している。そこで、利用者は、今いる場所から行きたい場所(目的施設)にいく場合、その目的施設へ案内する案内端末の表示内容を見ることにより、その目的施設への進むべき方向を確認することができる。
【0003】
ところで、かかる案内端末で矢印で目的施設の方向を示す場合、その矢印は現在位置からの進むべき方向を表わしているものであるが、その目的施設への方向によっては、矢印を見ても、その矢印が平面的に表示されているので、その方向を明確に把握できない場合もある。例えば、矢印が真横を向いて表示されている場合、目的施設の方向が現在位置から真横の方向であると解釈する場合もあるし、あるいはまた、少し進んで真横に曲がるとも解釈する場合もある。矢印が斜め上を向いて表示されている場合、このまま少し進むと斜めに進む通路があり、その通路に沿って進むものと解釈する場合もあるし、そのまま少し進むと階段があって、それを登るものと解釈する場合もある。
【0004】
これに対し、各施設をアイコンで表示するようにした技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この特許文献1に記載の技術は、エスカレータ,動く歩道,タクシ乗り場などの施設毎に、その施設を案内する動画のアイコンを表示するものである。例えば、エスカレータの場合、このエスカレータの上り口に、人がエスカレータの上り口から入ってこのエスカレータに乗り、このエスカレータが上昇していって階上の下り口から出る状態をアイコンで表わした動画のアニメーションで表示するものである。これによると、このエスカレータの上り口での、エスカレータが上昇するという、エスカレータの移動方向を認識することができるものである。
【0006】
また、他の例として、目的地への案内地図を表示するタッチパネルとその案内経路に沿う風景画像を表示するディスプレイとを用いて目的地までの案内を行なうようにした技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
この特許文献2に記載の技術は、利用者がこのタッチパネルで目的地の指定操作をすると、このタッチパネルに目的地までの経路を示す案内地図が表示され、これとともに、ディスプレイにこの案内経路に沿う風景画像が表示される。利用者は、この風景画像を記憶しながらこの案内経路に沿って進み、その進んだときに目にする実際の風景と記憶した風景画像とを対比し、これにより、案内経路から外れないようにするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−249095号公報
【特許文献2】特開2007−248279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上記特許文献1の技術は、エスカレータ,動く歩道,タクシ乗り場などの施設の動作を示すものであって、利用者がその施設を容易に利用できるようにしたものである。この場合、かかる施設を利用した場合の利用者の状態もアイコンで表示されるものであるから、利用者はその施設の利用の仕方も理解することができる。
【0010】
しかし、この引用文献1に記載の技術では、かかる施設までの経路を案内するものではない。かかる施設は案内地図上でその位置が示されるものであり、利用者としては、この案内地図を基に目的地への方向や経路を判断しなければならない。
【0011】
また、上記特許文献2に記載の発明では、目的地までの経路に沿う風景の画像が表示されるものであるから、これを基に、進んでいる経路が目的地への正しい経路であるかどうかを判断することができるものであるが、このためには、ディスプレイで表示された経路に沿う風景画像を正確に記憶しておく必要があり、また、これとともに、タッチパネルに表示された経路も覚えておくことが必要である。このように、記憶していなければならない情報が多くなり、記憶に大きな負担が掛かることになる。
【0012】
本発明の目的は、かかる問題を解消し、目的地の方向を迅速かつ確実に把握することができ、利用者に負担を掛けることなく、目的地への案内を実行可能とした情報表示端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明は、目的地への経路を案内する経路案内画面が表示画面に表示される情報表示端末であって、経路案内画面には、目的地への方向に歩く動作をする行動画像と目的地名を表わす目的地表示情報の画像とが表示され、目的地表示情報の画像は、行動画像の歩く方向で行動画像の前側のエリアに表示されることを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明は、行動画像が、表示画面での一定の表示位置で歩く動作をすることを特徴とするものである。
【0015】
さらに、本発明は、経路案内画面では、表示画面の高さ位置に応じて、行動画像が見上げたときと同じ状態、もしくは見下ろしたときと同じ状態で表示されることを特徴とするものである。
【0016】
さらに、本発明は、経路案内画面では、行動画像が通路上を歩いているように表示され、通路は行動画像の歩く方向とは逆方向に移動して表示されることを特徴とするものである。
【0017】
さらに、本発明は、表示画面では、案内する目的地を異にする複数の異なる経路案内画面が、所定時間毎に順にかつ繰り返し表示されることを特徴とするものである。
【0018】
さらに、本発明は、表示画面では、案内する目的地を異にする複数の異なる経路案内画面が異なるエリアで同時に表示されることを特徴とするものである。
【0019】
さらに、本発明は、経路案内画面では、正常の状況では、行動画像が静止した状態で表示され、異常の状況では、歩いている状態で表示されることを特徴とするものである。
【0020】
さらに、本発明は、行動画像は、表示画面上で目的地表示情報の画像の表示位置方向に歩いて移動することを特徴とするものである。
【0021】
さらに、本発明は、行動画像は、移動する方向に応じて向きを変えるように表示されることを特徴とするものである。
【0022】
さらに、本発明は、行動画像が、移動していくとともに、大きさが変化するように表示されることを特徴とするものである。
【0023】
さらに、本発明は、経路案内画面では、複数の行動画像が目的地表示情報の画像の表示位置方向に歩いて移動するように表示されることを特徴とするものである。
【0024】
さらに、本発明は、情報表示端末が携帯端末であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0025】
本発明によると、経路案内画面において、歩いている状態で表示される行動画像の前側に目的地名を表わす目的地表示情報の画像が表示されるので、目的地表示情報の画像が目立ち易くなって、経路案内画面が経路案内する目的地を迅速かつ的確に把握できるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明による情報表示端末の表示の概念を示す図である。
【図2】本発明による情報表示端末の一実施形態とこれに接続された中央制御端末とからなる情報表示システムの一具体例を示すシステム構成図である。
【図3】図2における情報表示端末で表示される経路案内画像の具体例を示す図である。
【図4】図2における情報表示端末に表示される経路案内画像の他の具体例を示す図である。
【図5】図3,図4に示す情報表示端末とは設置状態が異なる情報表示端末に表示される経路案内画像の具体例を示す図である。
【図6】図3〜図5に示す具体例とは異なる方向の案内経路を示す経路案内情報の画像の他の具体例を示す図である。
【図7】電車の乗降車口に設けられる情報表示端末での案内経路画像の一具体例を示す図である。
【図8】図3,図4に示す情報表示端末で表示される経路案内画像と図5に示す情報表示端末で表示される経路案内画像との他の表示例を示す図である。
【図9】図8に示す具体例の経路案内画像の変形例を示す図である。
【図10】図1に示す情報表示端末で表示される経路案内画面のさらに他の具体例を示す図である。
【図11】図1に示す情報表示端末で表示される経路案内画面のさらに他の具体例を示す図である。
【図12】図1に示す情報表示端末で表示される経路案内画面のさらに他の具体例を示す図である。
【図13(A)】図1に示す情報表示端末で表示される経路案内画面のさらに他の具体例の一例を示す図である。
【図13(B)】図13(A)に示す経路案内画面を表示する情報表示端末で表示される経路案内画面の他の例を示す図である。
【図13(C)】図13(A)に示す経路案内画面を表示する情報表示端末で表示される経路案内画面のさらに他の例を示す図である。
【図14】図1に示す情報表示端末で表示される経路案内画面のさらに他の具体例を示す図である。
【図15】図2での情報表示端末としての携帯端末に表示される経路案内画面の一具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
まず、本発明の概念について説明する。
【0028】
人間には、他人の動きを真似しようとする性質があるといわれている。これをミラーニューロンという。そこで、図1(a)に示されるように、表示画面100の中央部に、図1(b)に示すように左方向に歩いている動作をしている人物画像101が表示されると(但し、図1(a)での人物画像101は、歩く動作をするものの、表示画面100上では移動せず、常に表示画面100の中央部で左方向に歩く動作をしている)、これを見た閲覧者(以下、ユーザという)は、直感的にかつ瞬時にこの人物画像101の三次元的な動きを理解し、どの方向に移動動作をしているかを認識できる。
【0029】
また、表示画面100のかかる表示画像を閲覧したユーザは、表示画面100において、歩いている人物画像101の進行方向とは反対側の後ろ側領域103よりも、人物画像101の進行方向の領域、即ち、人物画像101の前方側領域102の方に意識が集中することが実験によってわかった。従って、かかる表示画面100でユーザを案内する目的地名を文字などで表わす情報(目的地表示情報)を表示する場合には、この前方側領域102にかかる目的地表示情報を表示した方が、後ろ側領域に表示するよりも、かかる目的地表示情報が目立ち易く、迅速かつ的確に把握できて理解し易くなる。
【0030】
本発明は、かかる概念に基づくものであり、以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
【0031】
図2は本発明による情報表示端末の一実施形態とこれに接続された中央制御端末とからなる情報表示システムの一具体例を示すシステム構成図であって、1は情報表示端末、2は制御部、3は表示部、4は記憶部、5は時計部、6はセンサ部、7a,7bは通信部、8は中央制御端末、9は制御部、10は表示部、11は記憶部、12は時計部、13は入力部である。
【0032】
同図において、情報表示端末1は、制御部2,表示部3,記憶部4,時計部5及びセンサ部6から構成されており、図1で説明した概念に基づいた経路案内情報を表示部3に表示するものであって、かかる経路案内情報が記憶部4に記憶されている。ここで、経路案内情報とは、図1(a)について見ると、表示画面100に表示される経路案内のための画像の情報であって、ここでは、歩き動作をする人物画像101やその前方側領域102に表示される画像である。
【0033】
制御部2は、各部を制御するとともに、記憶部4から必要な経路案内情報を読み取り、これを処理して図1で説明した概念に基づく経路案内画像を作成し、表示部3に供給して図1(a)に示すように表示させる。
【0034】
また、センサ部6はこの情報表示端末1の設置場所周辺の通行量や明るさを検出しており、制御部2は、このセンサ部6の検出結果に応じて、表示部3での経路案内画像の表示形態を調整する。例えば、通行量が多い場合には、表示される人物画像101(図1(a))の歩きを速くし、また、暗いときには、表示画面100(図1(a))の輝度を高めて明るくする。
【0035】
さらに、時計部5は日々の時刻を検出するものであって、制御部2は、この時計部5の検出時刻を基に、情報表示端末5の動作の開始や停止のタイミングの制御、一日を所定の時間帯に区切り、夫々の時間帯に応じて表示部3での経路案内画像を切り替えたりする。
【0036】
中央制御端末8は、通信部7b,制御部9,表示部10,記憶部11,入力部13及び時計部12とから構成されており、通信部7bがネットワーク(図示せず)を介して情報表示端末1の通信部7aと接続されて、情報表示端末1との間の通信を可能としている。なお、ネットワークとしては、有線方式であっても、無線方式であってもよい。
【0037】
なお、ここでは、1つの情報表示端末1を示しているが、通常2以上の情報表示端末1が中央制御端末8と接続されており、中央制御端末8は夫々の情報表示端末と上記のネットワークを介して通信をすることができる。
【0038】
中央制御端末8において、記憶部11には、各情報表示端末1の経路案内情報が格納されており、制御部9は、夫々の情報表示端末1に、その情報表示端末1に必要な時期に、該当する必要な経路案内情報を記憶部11から読み取って供給する。時計部12は、例えば、時間単位、あるいは日にち単位で時間計測しており、制御部9は、この時計部12の計測結果に基づいて、例えば、季節などの期間の移り変わりなどを検出し、その検出結果に応じて、いずれかの情報表示端末1にそれに該当する経路案内情報を送信する。情報表示端末1では、通信部7aでかかる経路案内情報を受信すると、記憶部4に格納し、上記のように、かかる経路案内情報を適宜使用して表示部3に経路案内画像を表示させる。
【0039】
中央制御端末8において、入力部13は追加する新たな経路案内情報を入力するためのものである。いずれかの情報表示端末1に対して新たな経路案内画像を追加する場合には、操作者が表示部10を用いながら入力部13からこの情報表示端末1に対して新たに追加する経路案内情報を入力する。この入力された経路案内情報は、入力部13の操作に伴って、制御部9により、該当する情報表示端末1に対応付けられて記憶部11に記憶される。
【0040】
次に、図2における表示部3の表示画面に表示される経路案内画像の具体例について説明する。
【0041】
図3は図2における情報表示端末1で表示される経路案内画像の具体例を示す図であって、14,14aは表示画面、15は経路案内画面、16は行動画像、16aは実人物画像、16bは擬似人物画像、16cは点画人物画像、16dは線画人物画像、16eは動物画像、17は目的地表示情報の画像であり、図2に対応する部分には同一符号をつけて重複する説明を省略する。
【0042】
同図において、この具体例は、情報表示端末1が通路の床面や壁面に設置されている場合を示すものである。この情報表示端末1の表示画面14,14aには、目的地への歩く行動をしている行動画像16とこの目的地を表わす目的地表示情報の画像17とからなる経路案内画面15が表示される。
【0043】
各情報表示端末1毎のかかる行動画像16と目的地表示情報の画像17との画像情報、即ち、経路案内情報が、図2における中央制御端末8において、記憶部11に記憶されているものであって、例えば、時計部12の時刻情報を基に、毎日中央制御端末8が所定時間に起動すると、制御部9により、夫々の情報表示端末1にそれに該当する経路案内情報が記憶部11から読み出されて、起動指令情報とともに、その情報表示端末1に送信される。情報表示端末1では、この起動指令情報を受信すると、制御部2が起動し、経路案内情報を記憶部4に記憶する。そして、時計部5からの時刻情報を基に、例えば、店舗の開店時間や駅の事業開始時刻になると、制御部2は記憶部4から必要な経路案内情報を読み出して行動画像16と目的地表示情報の画像17とからなる経路案内画面15を作成し、表示部3に供給する。これにより、表示部3の表示画面にかかる経路案内画面15が表示される。また、制御部2は、時計部5からの時刻情報を基に、時刻を監視しており、予め決められた所定の時刻に応じて経路案内画面15を変更修正させることができる。
【0044】
次に、経路案内画面15を具体的に説明する。
【0045】
図3(a)は表示部3の表示画面14として液晶画面を用いた場合を示すものであって、この表示画面14には、経路案内画面15の経路案内情報の画像として、歩く動作をする行動画像16が、実際の人物の画像、即ち、実人物画像16aで表示され、その実人物画像16aの進む方向の前側領域(図1(a)での前側領域102に相当。以下、同様)に目的地を表わす目的地表示情報の画像(ここでは、文字画像)17が表示される。この目的地表示情報の画像17は、ここでは、文字「地下鉄改札口」と表示されるものであり、従って、目的地である「地下鉄改札口」は、実人物画像16aの歩く方向、即ち、表示画面14に向かって左の方向にあることが示されている。
【0046】
図3(b)も表示部3の表示画面14として液晶画面を用いた場合を示すものであって、この表示画面14には、経路案内画面15の経路案内情報の画像として、歩く動作をする行動画像16が、人物を擬似的に表わした画像、即ち、擬似人物画像16bで表示され、その擬似人物画像16bの前側領域に目的地を表わす目的地表示情報の画像(ここでも、文字画像)17が表示される。この目的地表示情報の画像17も、ここでは、文字「地下鉄改札口」としており、従って、目的地である「地下鉄改札口」は、擬似人物画像16bの歩く方向、即ち、表示画面14に向かって左の方向にあることが示されている。
【0047】
図3(c)は掲示板型の表示部3を示すものてあって、その表示画面14aとしては、LEDなどからなるドットマトリックスディスプレイを用いた場合を示している。この表示画面14aには、経路案内画面15の経路案内情報の画像として、歩く動作をする行動画像16が、人物を点画に表わした画像、即ち、点画人物画像16cで表示され、その点画人物画像16cの前側領域に目的地を表わす目的地表示情報の画像(ここでも、文字画像)17が表示される。この目的地表示情報の画像17も、ここでは、文字「出口」としており、従って、目的地である「出口」は、点画人物画像16cの歩く方向、即ち、表示画面14に向かって左の方向にあることが示されている。
【0048】
図3(d)は表示部3の表示画面14aとして液晶画面を用いた場合を示している。この表示画面14aには、経路案内画面15の経路案内情報の画像として、歩く動作をする行動画像16が、人物を線画に表わした画像、即ち、線画人物画像16dで表示され、その線画人物画像16dの前側領域に目的地を表わす目的地表示情報の画像(ここでも、文字画像)17が表示される。この目的地表示情報の画像17は、ここでは、文字「地下鉄改札口」としており、従って、目的地である「地下鉄改札口」は、線画人物画像16dの歩く方向、即ち、表示画面14に向かって左の方向にあることが示されている。
【0049】
図3(e)は表示部3の表示画面14aとして液晶画面を用いた場合を示している。この表示画面14aには、経路案内画面15の経路案内情報の画像として、歩く動作をする行動画像16が、犬などの動物を表わした画像、即ち、動物画像16eで表示され、その動物画像16eの前側領域に目的地を表わす目的地表示情報の画像(ここでも、文字画像)17が表示される。この目的地表示情報の画像17は、ここでは、文字「地下鉄改札口」としており、従って、目的地である「地下鉄改札口」は、動物画像16eの歩く方向、即ち、表示画面14に向かって左の方向にあることが示されている。なお、かかる動物画像16eとしては、図3(a)に示すような実動物画像であってもよいし、図3(b),(c),(d)に示すような擬似動物画像,点画動物画像,線画動物画像のいずれかであってもよい。
【0050】
このように、行動画像16が歩く行動を実行していることにより、目立ち易い画像となり、この行動画像16の進行方向の前側領域に目的地を表わす目的地表示情報の画像17が表示されるので、この目的地表示情報の画像17は行動画像16の認識とともに直ちに認識されることになり、また、ユーザが希望する目的地の経路案内画面15を表示した情報表示端末の表示画面14が見つけ易いものとなる。
【0051】
図4は図2における情報表示端末1に表示される経路案内画面15の他の具体例を示す図であって、18は矢印、19はピクトグラム(絵文字)であり、図3に対応する部分には同一符号をつけて重複する説明を省略する。
【0052】
図4(a)に示す具体例は、図3に示す各具体例に対し(ここでは、図3(b)の具体例を例に示している)、目的地表示情報の画像17として、目的地を表わす文字に、目的地の方向を指す矢印18が付加されて表示されるものである。この矢印はこの目的地を表わす文字よりも目的地側(ここでは、左側)に表示される。
【0053】
また、図4(b)に示す具体例は、図3に示す各具体例に対し(ここでも、図3(b)の具体例を例に示している)、目的地表示情報の画像17をピクトクラム19で表わしたものである。ここでは、目的地表示情報を「地下鉄改札口」としており、目的地表示情報の画像17としてのピクトクラム19は、地下鉄の絵でもって「地下鉄改札口」を表わしている。このピクトグラム19も、当然文字による目的地表示情報の画像17と同様、行動画像16(ここでは、擬似人物画像16b)の前側領域に表示される。
【0054】
このように、この具体例においても、経路案内画面15として、行動画像16が表示され、この行動画像16の前側領域に矢印18を含む目的地表示情報の画像17やピクトグラム19としての目的地表示情報の画像17が表示されるので、図3に示す具体例と同様の効果が得られることになる。
【0055】
図5は図3,図4に示す情報表示端末1とは設置状態が異なる情報表示端末1に表示される経路案内画面15の具体例を示す図であって、20は天井であり、図3,図4に対応する部分には同一符号をつけて重複する説明を省略する。
【0056】
同図において、この情報表示端末1は天井20などの高い場所から吊り下げられた状態で設置されたものであって、その表示画面14に表示される経路案内情報画面15は、先の図4,図5に示した具体例と同様である。従って、得られる具体例も、かかる具体例と同様である。
【0057】
図6は図3〜図5に示す具体例とは異なる方向の案内経路を示す経路案内画面15の他の具体例を示す図であって、図3〜図5に示す具体例に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0058】
図6(a)は真っ直ぐ先に進む案内経路を示すものであって、この場合には、経路案内画面15として、行動画像16は真っ直ぐ先に進むように歩く動作をし、目的地表示情報の画像17は、表示画面14の上側で、行動画像16の向う側にあるように表示される。
【0059】
また、図6(b)は真っ直ぐ後ろに進む案内経路を示すものであって、この場合には、経路案内画面15として、行動画像16は真っ直ぐ後ろに進むように歩く動作をし、目的地表示情報の画像17は、表示画面14の下側で、行動画像16の手前側にあるように表示される。
【0060】
このように、この具体例も、先の具体例と同様の効果が得られる。
【0061】
図7は電車の乗降車口に設けられる情報表示端末1での案内経路画像の一具体例を示す図であって、21はドアであり、前出図面に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0062】
図7(a)に示す具体例は、駅に到着する電車でのこの情報表示端末装置1が設置されている側のドア21が開く場合の案内経路画像を示すものであって、この場合には、経路案内画面15として、ドア21が開いた状態で複数の行動画像16が、このドア21を出ていくように、歩いている状態で示され、また、「こちらが開きます」といったようなメッセージで目的地表示情報の画像17がドア21の上側に表示される。この場合の目的地は、到着する駅のホームということになる。
【0063】
図7(b)に示す具体例は、駅に到着する電車でのこの情報表示端末装置1が設置されている側とは反対側のドア21が開く場合の案内経路画像を示すものであって、この場合には、経路案内画面15として、ドア21が閉じた状態で複数の行動画像16が、このドア21とは反対側に向かって歩いている状態で示され、また、「反対側が開きます」といったようなメッセージで目的地表示情報の画像17がドア21の上側に表示される。なお、この目的地表示情報の画像17は、複数の行動画像16の手前側で表示画面14の下側に表示されるようにしてもよい。
【0064】
このように、この具体例も、先の具体例と同様の効果が得られる。
【0065】
図8は図3,図4に示す情報表示端末1で表示される経路案内画面15と図5に示す情報表示端末1で表示される経路案内画面15との他の表示例を示す図であって、1Uは上側設置情報表示端末、1Dは下側設置情報表示端末、14U,14Dは表示画面、15U,15Dは経路案内画面、16U,16Dは行動画像、17U,17Dは目的地表示情報の画像、22はユーザ、23U,23Dは丸型領域、24は路面、SLU,SLDは視線であり、前出図面に対応する部分には同一符号をつけて重複する説明を省略する。
【0066】
同図において、ここでは、天井20に取り付けられる情報表示端末1を上側設置情報表示端末1Uとし、路面24に設置される情報表示端末1を下側設置情報表示端末1Dとしている。
【0067】
上側設置情報表示端末1Uでの行動画像16Uと目的地表示情報の画像17Uとからなる経路案内画面15Uを表示している表示画面14Uはユーザ22によって見上げて見られるものであって、このときのユーザ22の視線SLUは斜め上向きとなる。また、この表示画面14Uでは、丸型領域23Uが表示され、その丸型領域23U内で経路案内画面15Uでの行動画像16Uが、上記のように、歩く動作を行ない、この表示される行動画像16Uをユーザ22が斜め下から見上げて見ているように、この丸型領域23Uが斜め下から見上げられているときのような形状で表示される。この場合、行動画像16Uの向きを変えることにより、その歩く方向(従って、目的地の方向)も表わすことができる。
【0068】
下側設置情報表示端末1Dでの行動画像16Dと目的地表示情報の画像17Dとからなる経路案内画面15Dを表示した表示画面14Dはユーザ22によって見下ろして見られるものであって、このときのユーザ22の視線SLDは斜め下向きとなる。また、この表示画面14Dでは、丸型領域23Dが表示され、その丸型領域23D内で経路案内画面15Dでの行動画像16Dが、上記のように、歩く動作を行ない、この表示される行動画像16Dをユーザ22が斜め上から見下ろして見ているように、この丸型領域23Dが斜め上から見下ろされているときのような形状で表示される。この場合、行動画像16Dの向きを変えることにより、その歩く方向も表わすことができる。
【0069】
このように、この具体例においても、上記の各具体例と同様の効果が得られるとともに、行動画像の歩く方向、従って、目的地の方向もより明確に表わすようにすることもできる。
【0070】
図9は図8に示す具体例の経路案内画面15の変形例を示す図であって、25aは床面画像、25bは階段画像であり、前出画面に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0071】
図9(a)は表示情報端末1からの目的地へ向かう案内経路が床面である場合の経路案内画面15を示すものであって、この床面を表わす床面画像25aが表示される。この床面画像25aは行動画像16の歩く動作とともにその歩く方向とは逆方向に移動する。これにより、行動画像16は、歩く動作をするが、先の具体例と同様、表示画面14でのその表示位置は変化しない。また、行動画像16の向きは、図8に示す具体例と同様、目的地の方向に向いているが、これとともに、床面画像25aもその方向を表わすように表示される。また、この床面画像25aは、図8(a),(b)に示す具体例と同様、見上げて見えるように表示されるし、見下ろして見えるように表示される。
【0072】
図9(b)は表示情報端末1からの目的地へ向かう案内経路が階段である場合の経路案内画面15を示すものであって、この階段を表わす階段画像25bが表示される。この階段画像25bは、図8(a),(b)に示す具体例と同様、見上げて見えるように表示されるし、見下ろして見えるように表示され、また、行動画像16の歩く動作とともにその歩く方向(ここでは、階段を上る方向)とは逆方向に移動する。行動画像16は、上る動作をするが、先の具体例と同様、その表示位置は変化しない。また、行動画像16の向きは、図8に示す具体例と同様、目的地の方向に向いているが、これとともに、階段画像25bもその方向を表わすように表示される。案内経路が下る階段である場合も同様である。
【0073】
なお、これら図9(a),(b)に示す具体例では、かかる案内経路画面15(ここでは、床面画像25aや階段画像25b)を図8(a),(b)に示す丸型領域23U,21D内に表示するようにしてもよい。以上以外の構成については、先の具体例と同様である。
【0074】
以上のように、この具体例では、先の具体例と同様の効果が得られるとともに、ユーサ22は目的地に向かう案内経路の種類も明確に認識することができて、明確に目的地に向かう経路を把握できる。
【0075】
図10は図1に示す情報表示端末1で表示される経路案内画面15のさらに他の具体例を示す図であって、前出図面に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0076】
この具体例は、2か所の目的地を案内する経路案内画面15の一例を示すものであって、図10(a)に示す経路案内画面15と図10(b)に示す経路案内画面15とを所定時間経過毎に交互に表示するものである。
【0077】
即ち、このときの情報表示端末1が目的地としての「地下鉄改札口」への経路と「トイレ」への経路との分岐点に設置されている場合のものであって、この情報表示端末1でこれらの目的地を案内するものとする。
【0078】
図10(a)に示す経路案内画面15が表示画面14で表示されている状態が所定時間経過すると、制御部2(図2)は、この時間経過を時計部5(図2)からの時刻情報から検出することにより、記憶部4(図2)から図10(b)に示す経過案内画面15の経過案内情報を読み取り、この経路案内画面15を作成して表示部3(図2)に供給し、図10(a)に示す経路案内画面に代えて表示させる。そして、図10(b)に示す経路案内画面15の表示状態が所定時間(上記の所定時間に等しくても、異なってもよい)経過すると、同様にして、制御部2が図10(a)に示す経路案内画面15を作成し、表示部3に表示させる。
【0079】
なお、ここでは、2個の異なる目的地の経路を案内するものとしたが、3個以上の異なる経路案内画面15を所定時間毎に純に繰り返し表示することにより、3個以上の異なる目的地の経路を案内するようにしてもよい。
【0080】
このように、時計部5からの時間情報を基にかかる表示動作を繰り返すことにより、同じ情報表示端末1で複数の異なる目的地の経路案内をすることができる。経路案内画面15は先の具体例と同様であり、従って、先の具体例と同様の効果も得られる。
【0081】
図11は図1に示す情報表示端末1で表示される経路案内画面のさらに他の具体例を示す図であって、15a,15bは経路案内画面、26a,26bは表示エリアであり、前出図面に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0082】
この具体例も、2か所の目的地を案内する経路案内画面の他の例を示すものであるが、これら経路案内画面を同図に表示するようにしたものである。
【0083】
図11(a)はユーザ共通の異なる目的地の経路を案内するものであって、情報表示端末1の表示画面を複数(この場合、2個)の表示エリア26a,26bに分割し、夫々の表示エリア26a,26bに異なる目的地の経路案内画面15a,15bを表示するようにする。ここでは、地下鉄改札口への左方向の経路を案内する行動画像16と目的地表示情報の画像17との経路案内画面15aが左側の表示エリア26aに表示され、トイレへの右方向の経路を案内する行動画像16と目的地表示情報の画像17との経路案内画面15bが左側の表示エリア26aに表示されている場合を示している。これら行動画像16と目的地表示情報の画像17との表示の仕方は、先の具体例と同様である。
【0084】
図11(b)はユーザに応じて異なる目的地の経路を案内するものであって、夫々の目的地が異なる方向にある場合を示すものである。ここでは、目的地としては、例えば、男女のユーザに応じて異ならせるものであり、例えば、男女に応じて情報表示端末1の表示画面を表示エリア26a,26bに分割し、夫々の表示エリア26aと表示エリア26bとに異なるユーザの目的地の経路案内画面15a,15bを表示するようにする。ここでは、左側にある男子のユーザのトイレへの左方向の経路を案内する行動画像16と目的地表示情報の画像17との経路案内画面15aが左側の表示エリア26aに表示され、右側にある女子のユーザのトイレへの右方向の経路を案内する行動画像16と目的地表示情報の画像17との経路案内画面15bが右側の表示エリア26bに表示されている場合を示している。これら行動画像16と目的地表示情報の画像17との表示の仕方は、先の具体例と同様であるが、行動画像16としては、男女を明確にするために、実人物画像16aとする。
【0085】
なお、図11(a),(b)においては、表示画面14で2か所の目的地への経路を案内するものとしたが、横長の表示画面14の情報表示端末1を用いることにより、3か所以上の目的地の経路案内画面15を表示するようにしてもよい。
【0086】
以上のように、この具体例では、同じ情報表示端末1で複数の異なる目的地の経路案内を同時にすることができる。経路案内画面15は先の具体例と同様であり、従って、先の具体例と同様の効果も得られる。
【0087】
図12は図1に示す情報表示端末1で表示される経路案内画面15のさらに他の具体例を示す図であって、15Sは静止画経路案内画面、15Mは動画経路案内画面、16Sは静止画行動画像、16Mは動画行動画像であり、前出画面に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0088】
この具体例は、例えば、非常口のように、特定の状況で使用される目的地への経路案内をするものであって、図2に示す情報表示端末1はかかる特定の状況を検するセンサ部6を備えている。記憶部4には、通常の状況での経路案内画面15の情報と特定の状況の経路案内画面15の情報とが記憶されており、センサ部6の検出結果に応じて制御部2が記憶部4からその検出された状況に応じた情報を読み出し、経路案内画面15を作成して表示部3で表示させる。
【0089】
以下では、この具体例で経路が案内される目的地を非常口とする。
【0090】
図12(a)は通常の状況(正常な状況)字に表示画面14に表示される静止画経路案内画面15Sを示すものであって、走る動作をしている静止画行動画像16Sが静止画像で表示されており、目的地表示情報の画像17はこの静止画行動画像16Sが走る方向とは逆の方向、即ち、行動画像16Sの後ろ側に表示されている。
【0091】
非常口が使われる異常な状況になると、図12(b),(c),(d)に示す順で、かつ繰り返し動画経路案内画面15Mが表示画面14に表示される。この場合の動画行動画像16Mは走るあるいは急いで歩く状態の動画で示されるものであり、図12(b),(c),(d)の順に走るあるいは急いで歩く状態が表わされている。但し、先の具体例と同様、この動画行動画像16Mの表示位置は、先の具体例と同様、表示画面14の決まった位置、例えば、中央部に表示され、かつ目的地表示情報の画像17はこの動画行動画像16Mの前側に表示される。
【0092】
このことからして、この具体例も、非常口などの経路案内について、先の具体例と同様の効果が得られる。
【0093】
図13は図1に示す情報表示端末1で表示される経路案内画面15のさらに他の具体例を示す図であって、この具体例の例を図13(A)〜(C)で示している。なお、16’,16”は行動画像であり、前出図面に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0094】
図13(A)に示す具体例は、一例として、目的地が現地点(この情報表示端末1が設置されている位置であって、ここでは、この現地点は表示画面14の右端部となる)から見て左方向にある場合の経路案内画面15を示すものであって、図13(A)(a)は、行動画像16が、矢印で示すように、左方向に歩いて移動していく動画として表示されるものである。ここで、実線で示す行動画像16は現時点での現地点から或る程度歩いたときの行動画像の位置と状態を示し、この行動画像16の右側の表示画面14の右端に破線で示す行動画像16’は現時点より前の現地点での行動画像の位置と状態を示し、この行動画像16の左側に破線で示す行動画像16”は現時点よりも後の行動画像16の地点からさらに或る程度歩いた行動画像の位置と状態を示すものである。
【0095】
目的地表示情報の画像17は、表示画面14での行動画像16の前側の端部に表示され、行動画像16が進んでこの目的地表示情報の画像17の後ろ側に隠れると、表示画面14の右側(現地点)から再び行動画面16が現われ左方向に歩いていく。
【0096】
図13(A)(b)は図13(A)(a)に示す経路案内画面15の各瞬時の経路案内画面15を示すものであって、同図において、経路案内画面15-1は図13(A)(a)での現時点より前の現地点での経路案内画面15を示すものであり、経路案内画面150は図13(A)(a)での現時点での現時点より或る程度歩いたときの経路案内画面15を示すものであり、経路案内画面15+1は図13(A)(a)での現時点よりも後の時点での経路案内画面15を示すものである。
【0097】
勿論これら経路案内画面150,15+1,15-1間にも、夫々該当する行動画像16の位置,状態を表わす経路案内画面15が表示されるものであるが、ここでは、これら経路案内画面150,15+1,15-1を代表として示している。
【0098】
これら経路案内画面150,15+1,15-1が、この順に繰り返し表示されることにより、図13(A)(a)に示す行動画像16が歩いて移動していく経路案内画面15が表示される。
【0099】
なお、この具体例では、行動画像16が左側の目的地に向かって左方向に移動するものであるから、この情報表示端末1の設置位置に相当する表示画面14上の位置はこの表示画面14の右端部となるが、行動画像16が右側の目的地に向かって右方向に移動する場合には、この情報表示端末1の設置位置に相当する表示画面14上の位置はこの表示画面14の左端部となる。
【0100】
図13(B)に示す具体例は、一例として、目的地が現地点から見て左斜め方向にある場合の経路案内画面15を示すものであって、図13(B)(a)に示すように、行動画像16が、矢印で示すように、左斜め方向に歩いて移動していく動画として表示されるものである。この場合、この行動画像16は、その進行方向(表示画面14上で左斜め上方向)を向いた姿勢で表示される。ここで、実線で示す行動画像16は現時点での現地点から或る程度歩いたときの行動画像の位置と状態を示し、この行動画像16の右側の行動画像16’は現時点よりも前の時点での現地点の行動画像の位置と状態を示し、この行動画像16の左側の行動画像16”は現時点よりも後の時点での行動画像16よりさらに或る程度歩いた地点での行動画像の位置と状態を示すものである。この場合、右側の行動画像16’は、行動画像16よりも現地点で進行方向手前側にあるものとして、行動画像16よりも大きく表示され、左側の行動画像16”は、行動画像16よりも進行方向向う側にあるものとして、行動画像16よりも小さく表示される。
【0101】
目的地表示情報の画像17は、表示画面14での行動画像16の前側の端部であるが、さらに、行動画像16の進行方向にあるように表示され(この場合、表示画面14の左上角部)、行動画像16が進んでこの目的地表示情報の画像17の後ろ側に隠れると、表示画面14の右側から再び現地点から進む行動画面16’が現われて左方向に歩いていく。
【0102】
図13(B)(b)は図13(B)(a)に示す経路案内画面15の各瞬時の経路案内画面15を示すものであって、同図において、経路案内画面15-1は図13(B)(a)での現時点よりも前の現地点に行動画像16’が或る場合の経路案内画面15を示すものであり、経路案内画面150は図13(B)(a)での現時点での経路案内画面15を示すものであり、経路案内画面15+1は図13(B)(a)での現時点よりも後の時点での経路案内画面15を示すものである。
【0103】
勿論これら経路案内画面150,15+1,15-1間にも、夫々該当する行動画像16の位置,状態を表わす経路案内画面15が表示されるものであるが、ここでは、これら経路案内画面150,15+1,15-1を代表として示している。
【0104】
これら経路案内画面150,15+1,15-1が、この順に繰り返し表示されることにより、図13(B)(a)に示す行動画像16が歩いて移動していく経路案内画面15が表示される。
【0105】
なお、この具体例では、行動画像16が左斜め方向の目的地に向かって左斜め方向に移動するものであるから、この情報表示端末1の設置位置に相当する表示画面14上の位置はこの表示画面14の右端部となるが、行動画像16が右斜め方向の目的地に向かって右斜め方向に移動する場合には、この情報表示端末1の設置位置に相当する表示画面14上の位置はこの表示画面14の左端部となる。
【0106】
図13(C)に示す具体例は、一例として、目的地が、現地点から見て、左横方向に進んで途中から左斜め方向に進む方向にある場合の経路案内画面15を示すものであって、図13(C)(a)に示すように、行動画像16が、矢印で示すように、左斜め方向に歩いて移動していき、その途中で左斜め方向に移動していくように、動画として表示されるものである。この場合、この行動画像16は、その進行方向(表示画面14上で左方向)を向いた姿勢で表示され、途中で左斜め方向に進むようになると、その方向に向いた姿勢で表示されるようになる。ここで、実線で示す行動画像16は現時点での現地点から所定距離歩いた地点での行動画像の位置と状態を示し、この行動画像16の右側の行動画像16’は現時点よりも前の現地点での行動画像の位置と状態を示し、この行動画像16の左側の行動画像16”は現時点よりも後の行動画像16の地点から或る程度歩いたときの地点での行動画像の位置と状態を示すものである。この場合、現地点から現時点までの行動画像16’,16は、左横を向いた大きさが同じ行動画像16であり、行動画像16の左側の行動画像16”は、左斜めに進行したものであることから、行動画像16’,16よりも小さく、左斜めを向いた姿勢で表示される。即ち、左斜め方向に進むとともに、行動画像16は順次小さくなっていく。
【0107】
目的地表示情報の画像17は、表示画面14での行動画像16の前側の端部であるが、さらに、行動画像16の進行方向に合うように表示され(この場合、表示画面14の左上角部)、行動画像16が進んでこの目的地表示情報の画像17の後ろ側に隠れると、表示画面14の右側から再び行動画面16’が現われて左方向に歩いていく。なお、目的地表示情報の画像17は、行動画像16が左方向に進むときには、その進行方向の表示画面14の端部に表示され、行動画像16が斜め上方向にその進行方向が変化すると、これに伴って目的地表示情報の画像17の表示位置も、行動画像16の進行方向、即ち、表示画面14の左上角部に変更されるようにしてもよい。
【0108】
図13(C)(b)は図13(C)(a)に示す経路案内画面15の各瞬時の経路案内画面15を示すものであって、同図において、経路案内画面15-1は図13(C)(a)での現時点よりも前の時点での現地点の経路案内画面15を示すものであり、経路案内画面150は図13(C)(a)での現時点での経路案内画面15を示すものであり、経路案内画面15+1は図13(C)(a)での現時点よりも後の時点での進行方向を変えた場合の経路案内画面15を示すものである。そして、行動画像16”が目的地表示情報の画像17の後ろに隠れるようになると、表示画面14の右端の現地点に相当する位置から行動画像15-1から現われる経路案内画面15-1となる。
【0109】
勿論これら経路案内画面150,15+1,15-1間にも、夫々該当する行動画像16の位置,状態を表わす経路案内画面15が表示されるものであるが、ここでは、これら経路案内画面150,15+1,15-1を代表として示している。
【0110】
これら経路案内画面150,15+1,15-1が、この順に繰り返し表示されることにより、図13(C)(a)に示す行動画像16が歩いて移動していく経路案内画面15が表示される。
【0111】
このように、図13に示す具体例では、歩きの行動をする行動画像16とともに、目的地表示情報の画像17がこの行動画像16の前側に表示されるものであるから、先の各具体例と同様の効果が得られるが、さらに、行動画像16が実際に歩いているように移動しながら表示されるので、さらに目立ちやすい表示状態となっており、ユーザをより引き付け易いものとなっている。
【0112】
なお、この例では、この情報表示端末1の設置位置に相当する表示画面14上の位置は、先の例と同様、行動画像16の移動方向に応じて、この表示画面14の左端部もしくは右端部となる。
【0113】
図14は図1に示す情報表示端末1で表示される経路案内画面15のさらに他の具体例を示す図であって、前出図面に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0114】
この具体例は、経路案内画面15において、図13に示した具体例のように、目的地表示情報の画像17が現地点からの方向の表示画面14の端部に表示され、行動画像16が目的地の方向に歩きながら移動していくものであるが、複数の行動画像16が全て目的地表示情報の画像17の表示位置に向かって移動していくものであり、この点が図13に示す具体例と異なるものである。この場合、各行動画像16は、現時点に相当する表示画面14上の位置から離れるにつれて大きさが小さくなっていく。
【0115】
このように、この具体例では、図13に示される具体例と同様の効果が得られるものであるが、さらに、大勢の行動画像16が目的地に向かって一斉に移動した状態が表示されるので、さらに、目的地表示情報の画像17が目立った状態となり、目的地の経路をより容易に認識することが可能となる。
【0116】
なお、この具体例では、この情報表示端末1の設置位置に相当する表示画面14上の位置(上記の現地点)は、表示画面14で表示される経路案内画面15がこの表示画面15に相当する位置からの三次元空間として表わされているとして、表示画面14の位置とする。従って、この表示画面14上のいずれでも、そこに表示される行動画像16が最も大きく表示され、この位置から離れるにつれて小さくなっていく。
【0117】
なお、以上の各具体例での経路案内画面15において、図2での時刻部5やセンサ部6の検出結果に応じて、各行動画像16の行動速度(歩く速度など)を変化させることができる。例えば、出勤時や退社時などラッシュ時や休日などの通行量が多いときなどの場合には、行動画像16の行動速度を速くしてユーザが速く進むように誘導し、また、昼時などの高齢者や買物客が多い時間帯では、行動画像16の行動速度を遅くしてユーザがゆっくりと歩くように誘導する。
【0118】
ところで、以上の経路案内画面15は店舗内や駅構内の通路に設置された情報表示端末1に表示されるものであったが、この情報表示端末1としては携帯電話や携帯情報端末などの端末であってもよい。
【0119】
図15はかかる携帯情報端末に表示される経路案内端末27の表示画面28に表示された経路案内画面15を示すものであって、この経路案内画面15としては、図8に示される経路案内画面15Dと同様のものが表示されているものとしている。但し、これに限るものではなく、先に説明した具体例の経路案内画面15が表示されるようにしてもよい。
【0120】
図2に示す情報表示端末1が携帯情報端末27である場合、この携帯情報端末27が経路案内のサービスエリア内に入り、起動してかかるサービスを受けるための操作がなされると、中央制御端末8からこのサービスを受けるためのプログラムと経路案内情報が提供され、これにより、かかるサービスを受けることができる。
【0121】
この場合、携帯情報端末27では、提供された経路案内情報が記憶部4に記憶されるとともに、センサ6によってこの携帯情報端末27の位置と向きとが検出され、また、時計部5によって時刻が検出され、制御部2は、提供されたプログラムを基に稼働して、これらセンサ部6と時計部5との検出結果に基づいて、この携帯情報端末27の現在位置,向き及び時刻に該当する経路案内情報を記憶部4から読み出し、経路案内画面を作成して表示部3に供給する。これにより、図15に示すように、携帯情報端末27の表示画面28に経路案内画面15が表示される。ここで、この表示画面28には、この携帯情報端末27の案内サービスが提供される通路内での位置や向きに応じた経路案内画面15が表示される。例えば、図15で示す表示状態で携帯情報端末27を同じ状態で持ったままユーザが向きを反転すると、経路案内画面15での行動画像16と目的地表示情報の画像17との表示位置関係が反転し、これとともに、行動画像16の向きが反転する。
【0122】
このようにして、携帯情報端末27によっても、かかる通路内に設置されている情報表示端末1と同様の経路案内画面15を表示させることができる。
【符号の説明】
【0123】
1 情報表示端末
U 上側設置情報表示端末
D 下側設置情報表示端末
2 制御部
3 表示部
4 記憶部
5 時計部
6 センサ部
7a,7b 通信部
8 中央制御端末
9 制御部
10 表示部
11 記憶部
12 時計部
13 入力部
14 表示画面
15,15a,15b,15U,15D 経路案内画面
15S 静止画経路案内画面
15M 動画経路案内画面
16,16U,16D,16’,16” 行動画像
16a 実人物画像
16b 擬似人物画像
16c 点画人物画像
16d 線画人物画像
16e 動物画像
16S 静止画行動画像
16M 動画行動画像
17,17U,17D 目的地表示情報の画像
18 矢印
19 ピクトグラム(絵文字)
20 天井
21 ドア
22 ユーザ
23U,23D 丸型領域
24 路面
25a 床面
25b 階段
26a,26b 表示エリア
27 携帯情報端末
28 表示画面
SLU,SLD 視線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地への経路を案内する経路案内画面が表示画面に表示される情報表示端末であって、
該経路案内画面には、該目的地への方向に歩く動作をする行動画像と目的地名を表わす目的地表示情報の画像とが表示され、
該目的地表示情報の画像は、該行動画像の歩く方向で該行動画像の前側のエリアに表示される
ことを特徴とする情報表示端末。
【請求項2】
請求項1において、
前記行動画像は、前記表示画面での一定の表示位置で歩く動作をすることを特徴とする情報表示端末。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記経路案内画面では、前記表示画面の高さ位置に応じて、前記行動画像が見上げたときと同じ状態、もしくは見下ろしたときと同じ状態で表示される
ことを特徴とする情報表示端末。
【請求項4】
請求項1,2または3において、
前記経路案内画面では、前記行動画像が通路上を歩いているように表示され、
該通路は前記行動画像の歩く方向とは逆方向に移動して表示される
ことを特徴とする情報表示端末。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つにおいて、
前記表示画面では、案内する目的地を異にする複数の異なる前記経路案内画面が、所定時間毎に順にかつ繰り返し表示されることを特徴とする情報表示端末。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1つにおいて、
前記表示画面では、案内する目的地を異にする複数の異なる前記経路案内画面が異なるエリアで同時に表示されることを特徴とする情報表示端末。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれか1つにおいて、
前記経路案内画面では、正常の状況では、前記行動画像が静止した状態で表示され、異常の状況では、前記歩いている状態で表示されることを特徴とする情報表示端末。
【請求項8】
請求項1において、
前記行動画像は、前記表示画面上で前記目的地表示情報の画像の表示位置方向に歩いて移動することを特徴とする情報表示端末。
【請求項9】
請求項8において、
前記行動画像は、移動する方向に応じて向きを変えるように表示されることを特徴とする情報表示端末。
【請求項10】
請求項8または9において、
前記行動画像は、移動していくとともに、大きさが変化するように表示されることを特徴とする情報表示端末。
【請求項11】
請求項8,9または10において、
前記経路案内画面では、複数の行動画像が前記目的地表示情報の画像の表示位置方向に歩いて移動するように表示されることを特徴とする情報表示端末。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1つにおいて、
携帯情報端末であることを特徴とする情報表示端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図13(A)】
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【図13(B)】
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【図13(C)】
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【図14】
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【図15】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−215965(P2012−215965A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79320(P2011−79320)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】