説明

情報表示装置および電子時計

【課題】指針が指示する情報を確実に報知することを可能とする文字板を備えた情報表示装置を提供すること。
【解決手段】 小文字板16a上に回転軸17を中心として周方向に、第1情報項目表示部25aと第1状況表示部26aとが対をなして形成され、第2情報項目表示部25bと第2状況表示部26bとが対をなして形成され、副針18の長針指示部18aおよび短針指示部18bによって指示された情報項目およびこの情報項目に対応する具体的な状況の双方の組み合わせによって所定の情報を報知可能に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字板を備えた情報表示装置に関し、例えば時計等の電子機器に搭載される情報表示装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、時計等に備えられた文字板においては、現在時刻とは別の機能表示を行う場合、文字板の中に小文字板を設けるとともに、小文字板内に時計用指針とは別の副針を設け、副針(指針)によって小文字板の文字等の情報を指示することで機能表示を行っていた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】実用新案登録第2601225号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
指針で情報を指示する場合、文字板にはそれぞれ何を示すかの記号や文字等を情報目盛等の内側か外側に記述する必要がある。
しかしながら、一つの指針にて指示する情報が多くなると、記述する記号や文字等、情報目盛等もそれに連れて多くなり、サイズ的制約から、その分、記号や文字等や情報目盛等を小さくしたり、記号や文字等を省略せざるを得なかった。
そのため、記号や文字等や情報目盛等が小さく情報が読みにくかったり、記号や文字等が省略されている結果、何の情報なのかが判別しにくいことも多々あった。
【0004】
本発明は、かかる問題点に鑑みなされたもので、指針が指示する情報を確実に報知することを可能とする文字板を備えた情報表示装置および電子時計を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、
文字板と、
回転軸を基点に互いに反対方向に延びた第1の指示部および第2の指示部を有し該回転軸を中心に前記文字板に対して相対的に回動可能に構成された指針と、
前記文字板上に形成され前記回転軸を中心とした周方向に延在し、前記第1の指示部で指示される情報項目表示部と、
前記文字板上に形成され前記回転軸を中心とした周方向に延在し、前記第2の指示部で指示され、且つ、前記情報項目表示部の情報項目に対応する具体的な複数の状況を表示するための状況表示部と、を備え、
前記情報項目表示部および前記状況表示部が対をなし、前記第1の指示部および前記第2の指示部で同時に指示された前記情報項目および前記状況の双方の組み合わせによって所定の情報を報知可能に構成されたことを特徴とする情報表示装置である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報表示装置において、
前記情報項目表示部は、少なくとも、互いに異なる情報を報知するための第1情報項目表示部および第2情報項目表示部を有し、
前記第1情報項目表示部および前記第2情報項目表示部は、前記回転軸からの距離を異にして形成され、
前記状況表示部は、前記第1情報項目表示部と対をなす第1状況表示部と、前記第2情報項目表示部と対をなす第2状況表示部とを有し、
前記第1状況表示部および前記第2状況表示部は、前記回転軸からの距離を異にして形成されていることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の情報表示装置において、
前記第1情報項目表示部および前記第2情報項目表示部は、少なくとも一部同士が前記回転軸を中心とする同じ中心角範囲に収まるように前記文字板に形成され、
前記第1状況表示部および前記第2状況表示部は、少なくとも一部同士が前記回転軸を中心とする同じ中心角範囲に収まるように前記文字板に形成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の情報表示装置において、
前記第1情報項目表示部および前記第1状況表示部に対する前記第1の指示部および前記第2の指示部の指示によって報知された情報は予定日までの残り日数を示す情報であり、前記第2情報項目表示部および前記第2状況表示部に対する前記第1の指示部および前記第2の指示部の指示によって報知された情報は予定時刻までの時間を表示する情報であることを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の情報表示装置において、
前記第2情報項目表示部および前記第2状況表示部に対する前記第1の指示部および前記第2の指示部の指示によって報知された情報はバッテリ充電状態を示す情報であることを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項2に記載の情報表示装置において、
前記第1情報項目表示部および前記第1状況表示部に対する前記第1の指示部および前記第2の指示部の指示によって報知された情報は電波受信状態を示す情報であることを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載の発明は、
請求項1〜6のいずれか1項の情報表示装置と、この情報表示装置を駆動する時計ムーブメントとを備えたことを特徴する電子時計である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、一つの指針で情報項目と具体的状況とを表示するので、指針が指示する情報を確実に報知することが可能となる。
また、回転軸からの距離を違えて表示部を形成すれば、制限されたサイズ内での記載情報をより多くすることができ、指針の数を減らすことも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
以下、図1〜図8を参照して、この発明を指針式の腕時計に適用した実施形態について説明する。
この腕時計は、図1に示すように、時計本体を構成している腕時計ケース1を備えている。この腕時計ケース1の上部外周にはベゼル2が取り付けられており、この腕時計ケース1の上側開口部には時計ガラス3がパッキン3aを介して取り付けられている。また、この腕時計ケース1の内部には、時計モジュール4が収容されており、この腕時計ケース1の下部には裏蓋5が防水リング5aを介して取り付けられている。さらに、腕時計ケース1の外側面には、複数の押釦スイッチ(図示せず)が設けられている。
【0015】
ここで、時計モジュール4は、図1に示すように、ハウジング6を備えている。このハウジング6内には、時計ムーブメント7が設けられている。また、このハウジング6の上には、文字板9がリング部材10を介して配置されている。この場合、リング部材10は、ハウジング6の上面における外周部に配置されている。リング状部材10の上部における外周部には、リング状の下見切部材11が設けられている。また、時計ガラス3の下面における外周部には、リング状の上見切部材12が設けられている。
【0016】
文字板9は、図2に示すように、全体がほぼ円形の円板状に形成されている。この文字板9の外周部には、図示はしないが、時字が1時から12時の各時刻位置にそれぞれ対応して設けられている。
【0017】
文字板9のほぼ中心部には、図1に示すように、時計ムーブメント7によって駆動される指針軸14が挿入孔9aを通して上方に突出した状態で設けられている。この指針軸14の上部には、秒針15a、分針15b、時針15cなどの指針15が取り付けられている。この指針15は、文字板9の上方を運針して文字板9の時字を指示することにより、時刻を指示するように構成されている。
【0018】
また、図2に示すように、文字板9には液晶パネルP1,P2が設けられている。さらに、文字板9の2時から4時付近までの箇所と8時から10時付近までの箇所には、機能表示部16,21が設けられている。
【0019】
次に、機能表示部16を図1から図3に基づいて説明する。
機能表示部16は、ユーザが設定した予定時刻までの「日数」や「分数」を表示する部分である。
この機能表示部16には、図1に示すように、回転軸17が軸挿入孔9bを通して文字板9の上方に突出した状態で設けられている。この回転軸17の上部には、副針(指針)18が取り付けられている。この副針18は、図2および図3に示すように、回転軸17を基点に互いに反対方向に延びる長針指示部18aと短針指示部18bを有している。
【0020】
また、機能表示部16には、図2に示すように、円形の小文字板16aが設けられている。小文字板16aには、図3に示すように、第1情報項目表示部25a、第2情報項目表示部25b、第1状況表示部(第1情報表示部)26aおよび第2状況表示部(第2情報表示部)26bが回転軸17と同心的に形成されている。
第1情報項目表示部25aおよび第2情報項目表示部25bの各々は概ね小文字板16aの左半部に弧状に形成され、第1状況表示部26aおよび第2状況表示部26bの各々は概ね小文字板16aの右半部に弧状に形成されている。そして、第1情報項目表示部25aは回転軸17を挟んで第1状況表示部26aに対向し、第2情報項目表示部25bは回転軸17を挟んで第2状況表示部26bに対向して延在している。
なお、第1情報項目表示部25aは第2情報項目表示部25bよりも回転軸17から遠い位置に形成され、第1状況表示部26aは第2状況表示部26bよりも回転軸17に近い位置に形成されている。
【0021】
第1情報項目表示部25aおよび第1状況表示部26aは、副針18によって、ユーザが設定した予定時刻までの「残り日数(7日前から当日(0日)まで)」を具体的に報知するためのものである。具体的には、副針18の長針指示部18aが該第1情報項目表示部25aを指示することで、副針18が「日数表示」を行っていることを報知し、短針指示部18bが指示する第1状況表示部26aで残り「日数」を具体的に報知している。
この目的に鑑み、第1情報項目表示部25aおよび第1状況表示部26aは例えば次のように構成されている。
第1情報項目表示部25aは、小文字板16aの上側の点を基点として中心角210度の範囲に亘って弧状に形成されている。そして、第1情報項目表示部25aが延在する弧状領域には「日(Day)」の頭文字である「D」の文字が付記されている。
一方、第1状況表示部26aは、小文字板16aの下側の点を基点として中心角210度の範囲に亘って弧状に形成されている。そして、第1状況表示部26aが延在する弧状領域には小文字板16aの下側の点を基点(0)とし中心角30度ごとに7までの数字が昇順で付記されている。
【0022】
また、第2情報項目表示部25bおよび第2状況表示部26bは、副針18によって、ユーザが設定した予定時刻までの「残り分数(60分前から予定時刻(0分)まで)」を具体的に報知するためのものである。具体的には、副針18の短針指示部18bが該第2情報項目表示部25bを指示することで、副針18が「分数表示」を行っていることを報知し、長針指示部18aが指示する第2状況表示部26bで残り「分数」を具体的に報知している。
この目的に鑑み、第2情報項目表示部25bおよび第2状況表示部26bは例えば次のように構成されている。
第2情報項目表示部25bは、小文字板16aの上側の点を基点として中心角180度の範囲に亘って弧状に形成されている。そして、第2情報項目表示部25bが延在する弧状領域には「分(Minutes)」の頭文字を示す「M」の文字が付記されている。
一方、第2状況表示部26bは、小文字板16aの下側の点を基点として中心角180度の範囲に亘って弧状に形成されている。そして、第2状況表示部26bが延在する弧状領域には小文字板16aの下側の点を基点に中心角6度ごと2分刻みの分目盛が表示されているとともに、小文字板16aの下側の点を基点(0)とし中心角30度ごとに10、20、30、40、50,60の数字が昇順で付記されている。
【0023】
次に、機能表示部21を図1、図2および図4に基づいて説明する。
機能表示部21は、時計の「電波受信状態」や「バッテリ充電状態」を表示する部分である。
この機能表示部21には、図1に示すように、回転軸27が軸挿入孔9cを通して文字板9の上方に突出した状態で設けられている。この回転軸27の上部には、副針(指針)23が取り付けられている。この副針23は、回転軸27を基点に互いに反対方向に延びる長針指示部23aと短針指示部23bを有している。
【0024】
また、機能表示部21には、図2に示すように、円形の小文字板21aが設けられている。小文字板21aには、図4に示すように、第1情報項目表示部28a、第2情報項目表示部28b、第1状況表示部29aおよび第2状況表示部29bが回転軸27と同心的に形成されている。
第1情報項目表示部28aおよび第2情報項目表示部28bの各々は小文字板21aの右半部に弧状に形成され、第1状況表示部29aおよび第2状況表示部29bの各々は小文字板21aの左半部に弧状に形成されている。そして、第1情報項目表示部28aは回転軸27を挟んで第1状況表示部29aに対向し、第2情報項目表示部28bは回転軸27を挟んで第2状況表示部29bに対向して延在している。
なお、第1情報項目表示部28aは第2情報項目表示部28bよりも回転軸27から遠い位置に形成され、第1状況表示部29aは第2状況表示部29bよりも回転軸27に近い位置に形成されている。
【0025】
第1情報項目表示部28aおよび第1状況表示部29aは、副針23によって、時計の「電波受信状態」を具体的に報知するためのものである。
すなわち、第1情報項目表示部28aおよび第1状況表示部29aは、副針23の長針指示部23aが該第1情報項目表示部28aを指示することで、副針23が「受信状態表示」を行っていることを報知し、短針指示部23bが指示する第1状況表示部29aで時計の「受信状態」を具体的に報知している。
この目的に鑑み、第1情報項目表示部28aおよび第1状況表示部29aは例えば次のように構成されている。
第1情報項目表示部28aは弧状に形成されている。そして、第1情報項目表示部28aが延在する弧状領域には「受信」を示す「RECEIVE」の文字が付記されている。
一方、第1状況表示部29aは、全体として弧状に形成されている。そして、第1状況表示部29aが延在する弧状領域には「W」および「R」の文字が付記されている。ここで、「W」は「Work」の頭文字であり標準電波の受信中であること、「R」は「Ready」の頭文字であり受信準備中であることを示している。なお、図4において「PS」は第1状況表示部29aを構成していない。この部分は、本発明の要部に関わりのない表示部であり、副針23の短針指示部23bが指示する際にはパワーセーブ中であることを表示するものである。
【0026】
また、第2情報項目表示部28bおよび第2状況表示部29bは、副針23によって、時計の「バッテリ充電状態」を具体的に報知するためのものである。
すなわち、第2情報項目表示部28bおよび第2状況表示部29bは、副針23の短針指示部23bが該第2情報項目表示部28bを指示することで、副針23が「バッテリ充電状態表示」であることを報知し、長針指示部23aが指示する第2状況表示部29bで時計の「バッテリ充電状態」を具体的に報知している。
この目的に鑑み、第2情報項目表示部28bおよび第2状況表示部29bは例えば次のように構成されている。
第2情報項目表示部28bは弧状に形成されている。そして、第2情報項目表示部28bが延在する弧状領域には「バッテリ」を示す「BATT」の文字が付記されている。
一方、第2状況表示部29bは、全体として弧状に形成されている。そして、第2状況表示部29bが延在する弧状領域には「CHG」、「L」、「M」および「H」の文字が付記されている。ここで「CHG」は充電中を表している。また、「L」は充電量が少ないこと、「M」は充電量が普通であること、「H」は充電量が多いことを表している。
【0027】
次に、時計モジュール4の回路構成を図5のブロック図を用いて説明する。
時計モジュール4は、次のような回路構成を備える。すなわち、時計モジュール4は、アナログ表示時計の針15a〜15cや副針18,23の駆動を行う時計ムーブメント7と、CPU(中央演算処理装置)を内蔵し装置の全体的な制御を行うマイクロコンピュータ35と、制御プログラムや制御データを格納したROM(Read Only Memory)36と、CPUに作業用のメモリ空間を提供するRAM(Random Access Memory)37と、時刻を計時するためのクロックを形成する発振回路38および分周回路39と、電池電圧から各部の電源を生成し供給するバッテリ40と、時刻コードが含まれる標準電波を受信して取り込むアンテナ41および検波回路42と、検波回路で受信した標準電波に含まれる時刻コードに基づいて針位置を検出する針位置検出部13と、時計表示部を照らす照明部43および照明駆動回路44と、アラーム出力を行うスピーカ45およびブザー回路46と、複数の操作スイッチからなる操作部47等とを備える。
【0028】
ここで、マイクロコンピュータ35について詳述すれば、マイクロコンピュータ35は、日付や時刻を計時する時刻カウンタを備えている。この時刻カウンタは、分周回路39からのクロックによりカウントアップされて現在日時の計時を行う。また、マイクロコンピュータ35は、検波回路42により標準電波を受信した場合には、時刻コードが表わす値にこの時刻カウンタの値を修正して、現在時刻に内部の時刻を同期させる。また、マイクロコンピュータ35は、針位置検出部13で検出した針位置が正しくないとき針位置を補正する。さらに、マイクロコンピュータ35は、バッテリ40の受電状態の具体的状況や、標準電波の受信状態の具体的状況を判別する。
【0029】
また、操作部47は、時刻合わせや、予定日および予定時刻の設定、機能表示部16,21の表示モードの選択等に使用される。予定日および予定時刻の設定、機能表示部16,21の表示モードの選択にあたっては、適宜に、液晶パネルP1,P2が利用される。
【0030】
次に、小文字板16aの使用方法を図6および図7に基づいて説明する。
この小文字板16aを使用する場合には、操作部47によるタイムアップアラーム設定モードからアラームを鳴らしたい日時、例えば催し等の予定日および予定時刻を入力する。ここでは、7日よりも先の予定時刻を操作部47から入力したものとして説明する。
この場合、予定日の7日前になったときには、図6(A)に示すように、副針18の長針指示部18aは第1情報項目表示部25aを指示する。これによってユーザは副針18が報知する情報が残り「日数」であることを知る。同時に、副針18の短針指示部18bは第1状況表示部26aの「7」の数字を指示するので、ユーザは予定日までの日数が7日であることを知る。
【0031】
予定日の6日前から1日前までについても、図7に示すように副針18は残り日数を具体的に報知する。例えば予定日の4日前になったときには、図6(B)および図7に示すように、副針18の長針指示部18aは第1情報項目表示部25aを指示し、副針18の短針指示部18bは第1状況表示部26aの「4」の数字を指示する。これによってユーザは予定日までの日数が4日であることを知る。
【0032】
次に、例えば予定日当日となり且つ予定時刻までの時間が60分以上あるときには、図6(C)および図7に示すように、副針18の長針指示部18aは第1情報項目表示部25aを指示し、副針18の短針指示部18bは第1状況表示部26aの「0」の数字を指示する。これにより、ユーザは予定日当日で予定時刻までの時間が60分以上あることを知る。
【0033】
次に、例えば予定日当日で予定時刻60分を切ったときには、図7に示すように、副針18の短針指示部18bは第2情報項目表示部25bを指示し、副針18の長針指示部18aは予定時刻までの分数に応じた箇所を第2状況表示部26b上で指示する。例えば、予定時刻までの分数が45分の場合には、副針18の長針指示部18aは図6(D)および図7に示すように「45」の数字に対応した箇所を指示する。これによって、ユーザは予定時刻の45分前であることを知る。
【0034】
また、例えば予定時刻が到来したときには、図6(E)および図7に示すように、副針18の短針指示部18bは第2情報項目表示部25bを指示し、副針18の長針指示部18aは「0」の数字を指示する。これによって、ユーザは予定時刻の到来を知る。同時にスピーカ45からはアラーム音がなることになる。また、図6(A)〜図6(E)に示した副針18による指示状態は、ユーザがその都度、操作部47の操作による予定時刻確認モードを選択することでなるようにしてもよい。
以上のように、タイムアップアラームの機能表示において、副針18の長針指示部18aと短針指示部18bにより、簡単な文字を表示する情報項目表示部と、より具体的な数値を表示する状況表示部とを同時に指示するので、副針18が指示する情報を確実に報知することが可能となる。また、副針18が何を指示しているのか見やすく、ユーザが認識しやすくなる。また、回転軸からの距離を変えて第1及び第2情報項目表示部と第1及び第2状況表示部を形成しているので、制限されたサイズ内での記載情報をより多くすることができ、指針の数を減らすことも可能となる。効率よくユーザにより多くの情報を報知することが可能となる。
【0035】
次に、小文字板21aの使用方法を図8および図9に基づいて説明する。
操作部47を操作して電波受信状態確認モードを選択すると、副針23の長針指示部23aは第1情報項目表示部28aを指示し、副針23の短針指示部23bは受信状態に応じて「W」または「R」を第1状況表示部29a上で指示する。その指示例が図8(A)に示されている。ここでは副針23の長針指示部23aは第1情報項目表示部28aを指示し、副針23の短針指示部23bは図9に示すように「R」を指示している。この場合、ユーザは標準電波の受信準備中であることを知る。
また、操作部47を操作してバッテリ充電状態確認モードを選択すると、副針23の短針指示部23bは第2情報項目表示部28bを指示し、副針23の長針指示部23aはバッテリ充電状態に応じて「CHG」、「L」、「M」または「H」を第2状況表示部29b上で指示する。その指示例が図8(B)に示されている。ここでは副針23の短針指示部23bは第2情報項目表示部28bを指示し、副針23の長針指示部23aは図9に示すように「M」を指示している。この場合、ユーザはバッテリの充電量が普通であることを知る。
以上のように、電波受信状態及びバッテリ充電状態の機能表示においても、副針18の長針指示部18aと短針指示部18bにより、簡単な文字を表示する情報項目表示部と、より具体的な内容の文字を表示する状況表示部とを同時に指示するので、副針18が指示する情報を確実に報知することが可能となる。また、副針18が何を指示しているのか見やすく、ユーザが認識しやすくなる。また、回転軸からの距離を変えて第1及び第2情報項目表示部と第1及び第2状況表示部を形成しているので、制限されたサイズ内での記載情報をより多くすることができ、指針の数を減らすことも可能となる。効率よくユーザにより多くの情報を報知することが可能となる。
【0036】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものでなく、その要旨を変更しない範囲で種々変形可能であることはいうまでもない。
【0037】
上記実施形態では、報知すべき情報として、予定日までの日数、予定時刻までの分数、電波受信状態、バッテリ充電状態を例に挙げたが、大きさの単位換算、通過換算、時速換算等の場合にも適用できる。時速換算の例として、第1情報項目表示部にマイルを表す「mile/h」とし回転軸を挟んで対向する第1状況表示部には「60」など数字を表示し、第2情報項目表示部にキロを表す「Km/h」とし回転軸を挟んで対向する第2状況表示部には「60」など数字を表示することで、ユーザの操作部47の操作により、時速100Km/hは時速62mile/hといった時速換算モードを実現することもできる。同様に通過換算の例として、第1情報項目表示部にドルを表す「$」とし回転軸を挟んで対向する第1状況表示部には「100」など数字を表示し、第2情報項目表示部に円を表す「¥」とし回転軸を挟んで対向する第2状況表示部には「10000」など数字を表示することで、ユーザの操作部47の操作により、100$は¥10000といった通過換算モードを実現することもできる。また、報知すべき情報は、予定時刻までの分数ではなく、時間数とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明を腕時計に適用した実施形態における要部の拡大断面図である。
【図2】図1の腕時計の一部を示す正面図である。
【図3】図1の腕時計の小文字板を示す正面図である。
【図4】図1の腕時計の他の小文字板を示す正面図である。
【図5】図1の腕時計の時計モジュールの回路構成を示すブロック図である。
【図6】図1の腕時計の文字板の機能を説明するための図である。
【図7】図1の腕時計の文字板の機能を説明するための図表である。
【図8】図1の腕時計の文字板の機能を説明するための図である。
【図9】図1の腕時計の文字板の機能を説明するための図表である。
【符号の説明】
【0039】
1 腕時計ケース
16a,21a 小文字板(文字板)
17,27 回転軸
18,23 副針(指針)
18a,23a 長針指示部
18b,23b 短針指示部
25a 第1情報項目表示部
25b 第2情報項目表示部
26a 第1状況表示部
26b 第2状況表示部
28a 第1情報項目表示部
28b 第2情報項目表示部
29a 第1状況表示部
29b 第2状況表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字板と、
回転軸を基点に互いに反対方向に延びた第1の指示部および第2の指示部を有し該回転軸を中心に前記文字板に対して相対的に回動可能に構成された指針と、
前記文字板上に形成され前記回転軸を中心とした周方向に延在し、前記第1の指示部で指示される情報項目表示部と、
前記文字板上に形成され前記回転軸を中心とした周方向に延在し、前記第2の指示部で指示され、且つ、前記情報項目表示部の情報項目に対応する具体的な複数の状況を表示するための状況表示部と、を備え、
前記情報項目表示部および前記状況表示部が対をなし、前記第1の指示部および前記第2の指示部で同時に指示された前記情報項目および前記状況の双方の組み合わせによって所定の情報を報知可能に構成されたことを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
前記情報項目表示部は、少なくとも、互いに異なる情報を報知するための第1情報項目表示部および第2情報項目表示部を有し、
前記第1情報項目表示部および前記第2情報項目表示部は、前記回転軸からの距離を異にして形成され、
前記状況表示部は、前記第1情報項目表示部と対をなす第1状況表示部と、前記第2情報項目表示部と対をなす第2状況表示部とを有し、
前記第1状況表示部および前記第2状況表示部は、前記回転軸からの距離を異にして形成されていることを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項3】
前記第1情報項目表示部および前記第2情報項目表示部は、少なくとも一部同士が前記回転軸を中心とする同じ中心角範囲に収まるように前記文字板に形成され、
前記第1状況表示部および前記第2状況表示部は、少なくとも一部同士が前記回転軸を中心とする同じ中心角範囲に収まるように前記文字板に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の情報表示装置。
【請求項4】
前記第1情報項目表示部および前記第1状況表示部に対する前記第1の指示部および前記第2の指示部の指示によって報知された情報は予定日までの残り日数を示す情報であり、前記第2情報項目表示部および前記第2状況表示部に対する前記第1の指示部および前記第2の指示部の指示によって報知された情報は予定時刻までの時間を表示する情報であることを特徴とする請求項2に記載の情報表示装置。
【請求項5】
前記第2情報項目表示部および前記第2状況表示部に対する前記第1の指示部および前記第2の指示部の指示によって報知された情報はバッテリ充電状態を示す情報であることを特徴とする請求項2に記載の情報表示装置。
【請求項6】
前記第1情報項目表示部および前記第1状況表示部に対する前記第1の指示部および前記第2の指示部の指示によって報知された情報は電波受信状態を示す情報であることを特徴とする請求項2に記載の情報表示装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項の情報表示装置と、この情報表示装置を駆動する時計ムーブメントとを備えたことを特徴する電子時計。

【図1】
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【図5】
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【図7】
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【図9】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−60355(P2010−60355A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−224490(P2008−224490)
【出願日】平成20年9月2日(2008.9.2)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】