説明

情報記録媒体用ファイル

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンパクトディスクや磁気記録テープ、フロッピーディスク等の情報記録媒体を収めたケースのための収納用ファイルに関する。ここに「ケース」とは、コンパクトディスクの場合には、該ディスクを保存するためのケースであり、磁気記録テープの場合にはテープカセットの他、該テープカセットを収めた箱を含み、またフロッピーディスクの場合には、該フロッピーディスクを収めたハードケースの他、該ハードケースを収めた箱を含む意味に用いる。
【0002】
【従来技術】コンパクトディスク等の情報記録媒体をケースに収めた状態で、該媒体の記録内容を一覧できるように収納する収納用ファイルが、特開平4-018284号公報に開示されている。この収納用ファイルは、一対の表紙部と該表紙部を互いに連結する背部とからなり、各々の表紙部には、縦横に並列に配置された複数の収納枠が形成されている。ファイルを開いた状態で各収納枠に媒体ケースを挿入し、該収納枠に設けられた板ばね等の付勢手段により該ケースを保持する。各表紙部には、収納枠に対応する位置に開口が形成され、該収納枠に収納された情報記録媒体ケースの表示がこの開口を通して一覧できる。また、背部には収納する情報記録媒体の大きさに応じた開口部が形成され、この背部の開口部を通して媒体ケースの背部の表示を見ることができる。ファイルを開いた状態では、該収納用ファイルに収められた情報記録媒体の記録内容が、ケースの裏側表示面にある表示により一覧でき、希望の情報記録媒体を取り出すのに非常に便利である。また、ファイルフレームを閉じた場合には、通常の本と同様に棚等に収納することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この公知の情報記録媒体収納用ファイルは、表紙部と背部とがプラスチック材料の一体成形で製作されており、成形用の型が大きく、かつ形状が複雑である。したがって、従来のこの収納用ファイルでは、価格を抑えるのに限界があった。本発明は、背部を介して開閉自在に連結された一対の表紙部を備え、該表紙部に情報媒体収納用の収納枠を形成して、収納される媒体の記録内容を内外両方から一覧できるようにした情報記録媒体収納用ファイルにおいて、製造価格を一層低下させることを解決すべき課題とする。さらに本発明は、上述の形式の情報記録媒体収納用ファイルにおいて、製造価格を一層低下させるとともに、ファイルの閉じ状態で収納されたケースが脱落することがないような改良を施した情報媒体収納用ファイルを得ることを、解決すべき課題とする。また、本発明は、情報記録媒体を収納した状態で壁掛け等の装飾目的に使用できる情報媒体収納用ファイルを得ることを、他の解決すべき課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明においては、情報記録媒体収納用ファイルを、一対のファイルフレームを一側において粘着テープにより開閉自在に連結して構成する。これら一対のファイルフレームは同一形状で、プラスチックにより一体に成形される。ファイルフレームの各々は、情報記録媒体を収めた矩形状のケースを受け入れるように形成された矩形状の収納枠を少なくとも1つ有する。各ファイルフレームの収納枠は、矩形の4周に沿って配置された側壁と、該ファイルフレームの外面側において少なくとも相対向する一対の側壁に一体に形成された狭巾の外壁とから形成する。この外壁は、ケースの表示面をファイルフレームの外面側にほぼ露出する状態で該ケースの側縁部に係合する巾を有する。側壁の一つには、ファイルフレームの内面側に近接した位置に、該ケースの縁部に係止して該ケースを収納枠内に保持する係止手段を設け、収納枠を挟んで該一つの側壁に対向する対向側壁に近接して、ケースを係止手段の方に付勢するように該ケースに係合する板ばね状の付勢手段を設ける。そして、一対のファイルフレームは、内面側において収納枠を互いに向き合わせるような閉じ状態でファイルフレームの一側部の外面に貼付された粘着テープにより互いに開閉自在なように接合される。
【0005】また、本発明の好ましい態様においては、該対向側壁の長さ方向中心を通り該対向側壁に対し垂直な線すなわち収納枠の巾方向中心線に対して板ばね状の付勢手段の先端弾性部の背後位置に対称な位置に、ストップ部材を設ける。この収納用ファイルは、閉じ状態で一方のファイルフレームに設けたストップ部材が他方のファイルフレームに設けた付勢手段の先端弾性部の背後に挿入されて、該付勢手段が外力により撓んで収納枠に収納されたケースが該収納枠から脱落するのを阻止する。本発明のさらに好ましい態様においては、情報記録媒体収納用ファイルは、4周に沿って矩形状に配置された周壁と、該周壁に囲まれる区画内に配置されて、該区画を、情報記録媒体を収めた矩形状のケースを受け入れる並列配置の複数の矩形状の収納枠に区分する区画部材と、からなるプラスチック製の同一形状の一対のファイルフレームにより構成される。この構造では、各々のファイルフレームの外側面には、収納枠の各々内で、相対向する少なくとも一対の周壁又は区画部材の外面に沿って狭巾の外壁が形成される。外壁は、情報記録媒体のケースの表示面をファイルフレームの外側面にほぼ露出する状態で該ケースの側縁部に係合する巾を有する。収納枠を形成する周壁又は区画部材の一つには、ファイルフレームの内面に近接した位置に、該ケースの縁部に係止して該ケースを収納枠内に保持する係止手段が設けられる。
【0006】収納枠の各々において、該収納枠を挟んで係止手段が設けられた周壁又は区画部材に対向する側に、該ケースを係止手段の方に付勢するように該ケースに係合する板ばね状の付勢手段が設けられる。また、収納枠の巾方向中心線に対して板ばね状の付勢手段の先端弾性部の背後位置に対称な位置に、ストップ部材が設けられる。この一対のファイルフレームは、ファイルフレームの内面側において収納枠を互いに向き合わせるような閉じ状態で周壁の一つの外面に貼付された粘着テープにより互いに開閉自在なように接合され、閉じ状態で一方のファイルフレームに設けたストップ部材が他方のファイルフレームに設けた付勢手段の先端弾性部の背後に挿入されて該付勢手段が外力により撓んで収納枠に収納されたケースが該収納枠から脱落するのを阻止する。本発明のさらに好ましい態様においては、ファイルフレームの各々の外側面には、上縁に近接した位置に壁掛け用の孔が形成され、ファイルを開いた状態で壁に掛け、情報記録媒体のケースに印刷した画や写真を部屋の装飾として用いることができる。また、ファイルフレームの各々には、縦方向中心線又は横方向中心線に対して対称な位置に、止め具と該止め具の受け孔をそれぞれ形成し、ファイルを閉じた状態で一方のファイルフレームの止め具が他方のファイルフレームの受け孔に係合するように構成できる。この場合、ファイルフレームに形成された止め具挿入孔に挿入することが好ましい。さらに一対のファイルフレームを連結する粘着テープは、非粘着面に表示札を挿入できるポケットを形成することが好ましい。
【0007】さらに、本発明においては、付勢手段の先端弾性部には、収納枠に収納される情報記録媒体ケースの縁部に係止する係止爪を形成することが好ましい。また、付勢手段は、固定された中央部から両側にハ字状に延びる一対の先端弾性部を有する形状とし、一方の先端弾性部に対して上述の対称位置にストップ部材を設けることが好ましい。この場合、該付勢手段は、中央部を収納枠の巾方向中心に対して片側に変位して固定し、一対のファイルフレームを閉じ状態にしたとき、一方のファイルフレームの一方の先端弾性部が他方のファイルフレームの一方の先端弾性部の背後に位置し、該他方のファイルフレームの他方の先端弾性部が該一方のファイルフレームの他方の先端弾性部の背後に位置するようにして、背後に位置する前記先端弾性部に前記ストップ部材を設けることができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図について説明する。先ず図1を参照すると、本発明による情報記録媒体用収納ファイル1は、一対の同一形状のプラスチック成形によるファイルフレーム2a、2bからなる。ファイルフレームの構造を説明するため、ファイルフレーム2aを示す図2を参照すると、このファイルフレーム2aは、4周に沿って矩形状に配置され、内部に区画3aを形成する周壁4a、5a、6a、7aを有する。周壁4a、5a、6a、7aにより形成される区画3aは、十字状の区画部材8a、9aにより、縦横に並列配置された4個の収納枠10aに分割されている。この実施例では、周壁4a、6aと区画部材8a、9aの一部が2つの収納枠10aの側壁を構成し、周壁5a、7aと区画部材8a、9aの一部が他の2つの収納枠10aの側壁を構成する。ファイルフレーム2aの外面側には、周壁4a、5a、6a、7aと区画部材8a、9aに沿って狭巾の外壁11aが形成されている。図示実施例では、外壁11aは、各収納枠10aにおいては、収納枠10aを挟んで相対向する対の周壁6a、7aに沿ってのみ形成されており、周壁4a、5aに沿っては、収納枠10aの外側にのみ実質的に形成されている。しかし、この構成は本発明にとって必須ではなく、外壁11aは、収納枠10aの4周全体に沿って形成してもよい。本実施例は図3(a) に示すようにコンパクトディスクのケース15を収納するためのものであり、この外壁11aは、収納枠10aに収納されたコンパクトディスクケース15の表面の大部分を外面側に露出するような状態で該ケースの縁部に係合する巾を有する。
【0009】一対のファイルフレーム2a、2bは、図3R>3(a) に示すように、ファイルフレームの内面側を互いに向き合わせた閉じ状態にする。対をなすファイルフレーム2a、2bは同一形状であるので、この閉じ状態では、ファイルフレーム2aの周壁7aとファイルフレーム2bの周壁6bが突き合わされる。この状態で、周壁7a、6bの外面に沿って粘着テープ12によりファイルフレーム2a、2bを互いに連結する。粘着テープ12は柔軟性を有するので、対のファイルフレーム2a、2bは開閉自在に連結される。本発明の一態様においては、この粘着テープ12は、図3(b) に示すように、透明プラスチックフィルムにより形成されたポケット13を有し、このポケット13に、収納されるコンパクトディスクの記録内容を表示する表示札14を挿入する。図2R>2を参照すると、各収納枠10aにおいて、下側の側壁に巾方向に間隔をもって一対の係止爪16が設けられている。この係止爪16は、図4に示すようにファイルフレームの内面側に位置し、コンパクトディスクケース15の縁に係合する。代表的にファイルフレーム2aについて説明すると、収納枠10aを挟んで係止爪16の反対側の側壁にはハ字状に延びる一対の先端弾性部17a、18aを有する板ばね19aが設けられる。板ばね19aの中央部は収納枠10aの側壁に固定される。板ばね19aの各先端弾性部17a、18aには、ファイルフレーム2aの内面側の位置に、ケース15の縁に係合する係止爪20aが形成されている。
【0010】コンパクトディスクケース15を収納枠に嵌めるには、該ケース15の一方の縁を板ばね19aの係止爪20aの下側に入れて上向きに押すことにより該板ばね19aを撓ませ、ケース15の反対側の縁を係止爪16に係合させる。これでコンパクトディスクケース15は収納枠に保持される。図2を参照すると、ファイルフレーム2aの周壁6aと区画部材9aが交わる位置で、一つの収納枠10a内に止め具挿入孔21aが形成されている。この止め具挿入孔21aは、図5(a) に示すように、周壁6aの高さの約半分の高さを有するブロック部23aに形成され、内部に係止段部22aを有する。また、ファイルフレーム2aには、周壁7aと区画部材9aが交わる位置で、上下方向の区画部材8aに対し止め具挿入孔21aと対称に、止め具受け孔24aが設けられている。止め具受け孔14aは、周壁7aと同じ高さのブロック25aに形成され、内部に係止段部26aを有する。ファイルフレーム2aに形成した止め具挿入孔21aには、止め具27が挿入される。止め具27は、挿入孔21a内の係止段部22aに係止する肩部を有し、この肩部と挿入孔21aの係止段部との係合により止め具27がファイルフレーム2aに固定される。ファイル1を閉じる際には、図5(a) に示すように、ファイルフレーム2bの止め具受け孔24bがファイルフレーム2aに固定した止め具27に対応する位置にくる。したがって、止め具27がファイルフレーム2bの止め具受け孔24bに係合して、ファイル1を閉じ状態に保持する。
【0011】図2に示すように、ファイルフレーム2aには、上側の両隅に貫通孔28が形成されている。この貫通孔28は、ファイル1を開いた状態で壁に掛けることができるようにするものである。ファイル1にコンパクトディスクのケース15を収納した状態で該ファイル1を開き、壁に掛けると、ケース15の印刷が壁の装飾となる。この実施例では、板ばね19aが各収納枠10aの上側に配置されている。この構成は、ファイル1を壁に掛けたり、閉じ状態で棚に収納したりするときに、板ばねに常時コンパクトディスクケース15の重量が作用しない点で有利である。しかし、本発明は、このような配置に限定されるものではなく、板ばねは横方向の位置に設けても、下側に設けてもよい。次に本発明の実施例を図6に示す。この実施例は基本的には先の実施例と同じ構造を有するので、対応する部品は同一の符号を付して示し、詳細な説明は省略する。また、説明はファイルフレーム2aについて行い、必要がある場合には、ファイルフレーム2bの対応する部品は同一の符号に添字bを付して示す。この実施例では、各収納枠10a内において、板ばね19aの中央部Oが、該収納枠10aを横方向に2等分する縦方向の中心線Cに対して片側に、すなわち図示例では周壁6aに寄る方向に、距離Lだけ変位して配置されている。そして、この変位により中心線Cより遠くなった方の先端弾性部17aに、ファイルフレーム2aの内面側に突出するストップ部材29が設けられている。
【0012】図7は、この実施例においてファイル1を閉じた状態におけるファイルフレーム2aの板ばね19aとファイルフレーム2bの板ばね19bの位置関係を示すものである。板ばね19a、19bが収納枠10a、10bの縦方向の中心線Cに対して横方向に距離Lだけ変位して配置されているので、図示のように、ファイルフレーム2aの板ばね19aの先端弾性部17aがファイルフレーム2bの板ばね19bの先端弾性部18bより上方に、すなわち先端弾性部18bの背後に位置する。同様に、ファイルフレーム2bの板ばね19bの先端弾性部17bがファイルフレーム2aの板ばね19aの先端弾性部18aより上方に、すなわち先端弾性部18aの背後に位置する。したがって、それぞれの板ばね19a、19bのストップ部材29が他方の板ばねの先端弾性部18a、18bの背後に位置することになる。この位置関係を図8に詳細に示す。この位置は、中心線Cについてみれば、板ばね19a、19bの先端弾性部18a、18bの背後位置と対称の位置である。図から明らかなように、ストップ部材29は、先端弾性部17a、17bの比較的根元部に近い位置に設けられており、該ストップ部材29は上向きに力に対しては変位が極めて少ない。したがって、収納枠10a、10bにコンパクトディスクケース15を収納し、ファイル1を閉じた状態で、ケース15に外側から力が作用して該ケース15を板ばね19a、19bの作用に抗して押し上げようとしても、板ばねの先端弾性部18a、18bの変位がストップ部材29により阻止される。その結果、ケース15の下縁が係止爪16から外れることがない。もし、このストップ部材29がないと、ケース15が下側の係止爪16から外れた状態のままに放置され、次にファイル1を開いたときにケース15が脱落する可能性がある。ストップ部材29はこのようなケース15の不測の脱落を防止するように作用する。
【0013】図9は本発明の他の実施例を示すもので、この実施例では、ストップ部材30は、ファイルフレーム2aの各収納枠10aを形成する上側の側壁、すなわち周壁4aまたは区画部材9aに一体に形成される。このストップ部材30は、収納枠10aを横方向に2等分する縦方向の中心線Cに対して、板ばね19aの先端弾性部17aの背後の点Pと対称の位置に配置される。図1010は、この実施例のファイルを閉じた状態におけるファイルフレーム2a側のストップ部材30とファイルフレーム2b側の板ばね19bの先端弾性部17bとの位置関係を示すものである。ファイルフレーム2a側のストップ部材30がファイルフレーム2bの板ばね19bの先端弾性部17bの背後まで突出して位置するため、該先端弾性部17bは外力により撓むのを阻止される。この関係は、ファイルフレーム2b側のストップ部材30とファイルフレーム2a側の板ばね19aの先端弾性部17aとにおいても同様である。したがって、図6ないし図8に示す実施例におけると同様に、収納枠10a、10b内に収納されたコンパクトディスクケース15が外力の作用のもとに係止爪16から外れる恐れはなくなる。
【0014】
【効果】本発明においては、同一形状の一対のファイルフレームを一側部の外面において粘着テープにより互いに開閉自在に連結したので、両側のファイルフレームを同一の型により個別に成形することができる。したがって、両側のファイルフレームを一体に成形する場合に比べて成形のための型が簡単になる。また、両側のファイルフレームを別々に成形する場合でも、左用と右用とを異なる形状にする場合に比べて一種類の型で足り、型製作の費用が減少する。その結果、製造コストを低減できる。また、各ファイルフレームに設けられるストップ部材は、ファイルを閉じた状態で付勢手段の先端弾性部の外力による変位を阻止でき、収納枠内に収納されたケースが外力により係止手段から外れるのを防止できる。さらに、各ファイルフレームに設ける壁掛け用の孔によりケースを収納したファイルを壁掛け装飾用に使用することも可能になる。ファイルフレームを連結する粘着テープの非粘着側に表示札用のポケットを設けることにより、フレームに収納されるケース内の情報記録媒体の記録内容をファイルの背部に表示することが可能になり、便利になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による情報記録媒体用ファイルの一実施例を半ば開いた状態で示す斜視図である。
【図2】図1の実施例に使用される一方のファイルフレームの平面図である。
【図3】図1の実施例において一対のファイルフレームを連結する構造を示すもので、(a) は連結部の詳細を示す断面図、(b) は連結のための粘着テープのポケットを示す正面図である。
【図4】図3(a) のA−A線における断面図である。
【図5】ファイルを閉じた状態に保持する止め具の構造を示す断面図で、(a) は止め具挿入孔と該挿入孔に挿入された止め具及び相手側の止め具受け孔を示し、(b) は止め具受け孔を示す図である。
【図6】本発明のファイルの他の実施例を示すファイルフレームの斜視図である。
【図7】図6に示すファイルフレームを用いたファイルを閉じた状態で示す平面図である。
【図8】図7におけるストップ部材の配置の詳細を示す拡大図である。
【図9】本発明のさらに他の実施例を示すファイルフレームの斜視図である。
【図10】図9の実施例におけるストップ部材の配置の詳細を示す図8と同様な拡大図である。
【符号の説明】
・・・・ファイル、
2a、2b・・・・ファイルフレーム、
4a、5a、6a、7a・・・・周壁、
8a、9a・・・・区画壁、
10a・・・・収納枠、
11a・・・・外壁、
12・・・・粘着テープ、
13・・・・ポケット、
14・・・・表示札、
15・・・・コンパクトディスクケース、
16・・・・係止爪、
17a、17b、18a、18b・・・・先端弾性部、
19a、19b・・・・板ばね、
20a、20b・・・・係止爪、
24a、24b・・・・止め具受け孔、
27・・・・止め具、
29、30・・・・ストップ部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 情報記録媒体を収めた矩形状のケースを受け入れるように形成された矩形状の収納枠を少なくとも1つ有する同一形状のプラスチック製の一対のファイルフレームからなり、各ファイルフレームの前記収納枠は、矩形の4周に沿って配置された側壁と、前記ファイルフレームの外面側において少なくとも相対向する一対の前記側壁に一体に形成された狭巾の外壁とから形成され、前記外壁は、前記ケースの表示面を前記ファイルフレームの前記外面側にほぼ露出する状態で該ケースの側縁部に係合する巾を有し、矩形の4周に沿って配置された前記側壁の一つには、前記ファイルフレームの内面側に近接した位置に、前記ケースの縁部に係止して該ケースを前記収納枠内に保持するための係止手段が設けられ、前記収納枠を挟んで前記一つの側壁に対向する対向側壁に近接して、前記ケースを前記係止手段に向かって付勢するように該ケースに係合する板ばね状の付勢手段が設けられ、前記一対のファイルフレームは、前記内面側において前記収納枠を互いに向き合わせるような閉じ状態でファイルフレームの一側部の外面に貼付された粘着テープにより互いに開閉自在なように接合されたことを特徴とする、情報記録媒体用ファイル。
【請求項2】 情報記録媒体を収めた矩形状のケースを受け入れるように形成された矩形状の収納枠を少なくとも1つ有する同一形状のプラスチック製の一対のファイルフレームからなり、各ファイルフレームの前記収納枠は、矩形の4周に沿って配置された側壁と、前記ファイルフレームの外面側において少なくとも相対向する一対の前記側壁に一体に形成された狭巾の外壁とから形成され、前記外壁は、前記ケースの表示面を前記ファイルフレームの前記外面側にほぼ露出する状態で該ケースの側縁部に係合する巾を有し、矩形の4周に沿って配置された前記側壁の一つには、前記ファイルフレームの内面側に近接した位置に、前記ケースの縁部に係止して該ケースを前記収納枠内に保持するための係止手段が設けられ、前記収納枠を挟んで前記一つの側壁に対向する対向側壁に近接して、前記ケースを前記係止手段の方に付勢するように該ケースに係合する板ばね状の付勢手段と、前記対向側壁の長さ方向中心を通り該対向側壁に直角な中心線に対して前記板ばね状の付勢手段の先端弾性部の背後位置に対称な位置に配置されたストップ部材とが設けられ、前記一対のファイルフレームは、前記内面側において前記収納枠を互いに向き合わせるような閉じ状態でファイルフレームの一側部の外面に貼付された粘着テープにより互いに開閉自在なように接合され、前記閉じ状態で一方のファイルフレームに設けた前記ストップ部材が他方のファイルフレームに設けた前記付勢手段の前記先端弾性部の背後に挿入されて前記付勢手段が外力により撓んで収納枠に収納されたケースが該収納枠から脱落するのを阻止するようになったことを特徴とする、情報記録媒体用ファイル。
【請求項3】 4周に沿って矩形状に配置された周壁と、前記周壁に囲まれる区画内に配置されて、該区画を、情報記録媒体を収めた矩形状のケースを受け入れる並列配置の複数の矩形状の収納枠に区分する区画部材と、からなるプラスチック製の同一形状の一対のファイルフレームを備え、各々の前記ファイルフレームにおいて、前記ファイルフレームの外面側には、前記収納枠の各々内で、相対向する少なくとも一対の前記周壁又は区画部材の外面に沿って狭巾の外壁が形成され、前記外壁は、前記ケースの表示面を前記ファイルフレームの前記外面側にほぼ露出する状態で該ケースの側縁部に係合する巾を有し、前記収納枠を形成する前記周壁又は前記区画部材の一つには、前記ファイルフレームの内面に近接した位置に、前記ケースの縁部に係止して該ケースを前記収納枠内に保持する係止手段が設けられ、前記収納枠の各々において、前記収納枠を挟んで前記係止手段が設けられた前記周壁又は前記区画部材に対向する側に、前記ケースを前記係止手段の方に付勢するように該ケースに係合する板ばね状の付勢手段と、前記収納枠の巾方向中心に対して前記板ばね状の付勢手段の先端弾性部の背後位置に対称な位置に配置されたストップ部材とが設けられ、前記一対のファイルフレームは、前記ファイルフレームの前記内面側において前記収納枠を互いに向き合わせるような閉じ状態で前記周壁の一つの外面に貼付された粘着テープにより互いに開閉自在なように接合され、前記閉じ状態で一方のファイルフレームに設けた前記ストップ部材が他方のファイルフレームに設けた前記付勢手段の前記先端弾性部の背後に挿入されて前記付勢手段が外力により撓んで収納枠に収納されたケースが該収納枠から脱落するのを阻止するようになった、ことを特徴とする、情報記録媒体用ファイル。
【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載した情報記録媒体用ファイルであって、前記粘着テープは非粘着側に表示札を挿入するためのポケットが形成されたことを特徴とする、情報記録媒体用ファイル。
【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載した情報記録媒体用ファイルであって、前記ファイルフレームの各々の外側面の上縁に近接した位置に壁掛け用の孔が形成されたことを特徴とする、情報記録媒体用ファイル。
【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項に記載した情報記録媒体用ファイルであって、前記ファイルフレームの各々には、縦方向中心線又は横方向中心線に対して対称な位置に、止め具と該止め具の受け孔がそれぞれ形成されたことを特徴とする、情報記録媒体用ファイル。
【請求項7】 請求項6に記載した情報記録媒体用ファイルであって、前記止め具は、前記ファイルフレームに形成された止め具挿入孔に挿入されたことを特徴とする、情報記録媒体用ファイル。
【請求項8】 請求項2又は請求項3のいずれか1項に記載した情報記録媒体用ファイルであって、前記付勢手段の前記先端弾性部には、前記収納枠に収納される前記ケースの縁部に係止する係止爪が形成されたことを特徴とする、情報記録媒体用ファイル。
【請求項9】 請求項2ないし請求項3又は請求項8のいずれか1項に記載した情報記録媒体用ファイルであって、前記付勢手段は、固定された中央部から両側にハ字状に延びる一対の先端弾性部を有し、一方の先端弾性部に対して前記対称位置に前記ストップ部材が設けられたことを特徴とする、情報記録媒体用ファイル。
【請求項10】 請求項2ないし請求項3又は請求項8ないし請求項9のいずれか1項に記載した情報記録媒体用ファイルであって、前記付勢手段は、前記中央部が前記収納枠の巾方向中心に対して片側に変位して固定され、前記一対のファイルフレームを閉じ状態にしたとき、一方のファイルフレームの一方の先端弾性部が他方のファイルフレームの一方の先端弾性部の背後に位置し、前記他方のファイルフレームの他方の先端弾性部が前記一方のファイルフレームの他方の先端弾性部の背後に位置するようになっており、背後に位置する前記先端弾性部に前記ストップ部材が設けられたことを特徴とする情報記録媒体用ファイル。

【図4】
image rotate


【図7】
image rotate


【図8】
image rotate


【図10】
image rotate


【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図5】
image rotate


【図6】
image rotate


【図9】
image rotate


【特許番号】第2567349号
【登録日】平成8年(1996)10月3日
【発行日】平成8年(1996)12月25日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平6−137013
【出願日】平成6年(1994)6月20日
【公開番号】特開平8−2576
【公開日】平成8年(1996)1月9日
【出願人】(000107848)スライデックス株式会社 (3)