説明

情報送信装置及び情報送受信装置

【課題】簡易に豊富な情報を伝達できる片手操作による情報送信装置又は情報送受信装置を提供する。
【解決手段】情報送信装置1は、使用者の片手で把持可能な立体形状をもつ把持筐体2と、片手における特定の指を載置するための指当て面31を有しかつ指の操作により把持筐体の外面に沿った方向に往復変位が可能であるように把持筐体の外面上にそれぞれ取り付けられた複数の操作部3a,3bと、複数の操作部の各々の往復変位を検知して往復変位に対応する電気信号に変換し、電気信号を外部に送信する手段とを備える。情報送受信装置は、操作部の中央部に回転又は停止の状態を制御される触覚部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指操作により入力された情報を送信する送信機能を備えた情報送信装置、及び、この送信機能に加えて受信した情報を指の触覚により感知する受信機能を備えた情報送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
手動操作により情報を入力し、その情報を所定の処理装置や外部機器へ有線又は無線で送信する比較的小型の情報送信装置には、種々のタイプがある。比較的小型であるので装置全体を両手又は片手で持って操作することができ、さらに無線送信型であれば、容易に携帯使用できる。例えば、ラジコン、ゲーム機、家電製品等のリモートコントローラがよく知られている。手動操作による入力機能だけに着目して、広く捉えるならば、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、掌に載るサイズのコンピュータなども、この種の情報送信装置といえる。
【0003】
特許文献1(図2、図9)には、上下方向及び左右方向に往復変位する一対のスティック機構を備えたラジコン送信機が開示されている。一対のスティックは左右に離間して配置されており、通常は両手の指を用いて操作し、かつ操作に用いない指で送信機の筐体を保持する。特許文献2の従来技術(図8、図9)にも両手操作型のコントローラが記載されている。
【0004】
特許文献2には、片手で操作するコントローラが開示されている。特許文献2(図1〜図6)は、片手の掌で把持できる大きさのハウジングに対し、同じ片手の指で操作できる範囲内に複数の操作キーを配設したゲーム機用コントローラが記載されている。
【0005】
特許文献3(図1〜図4)には、片手で把持する筐体に対し、使用者の指が当たる位置に複数のキーを配設した情報送信及び情報受信を行う通信端末装置が開示されている。各キーは、筐体面に対して垂直方向に進退動(振動)可能である。情報送信においては、所定の組合せに従って特定のキーを指で押すことにより、送信コード信号に変換され、送信される。また、情報受信においては、受信コード信号に応じて特定のキーを進退動(振動)するように駆動させ、使用者は指の触覚で振動状態のキーと停止状態のキーとの組合せを感知する。
【特許文献1】特開平8−107588号公報
【特許文献2】特開平9−75544号公報
【特許文献3】特開2006−24436号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の情報送信装置又は情報送受信装置には、以下のような問題点がある。
特許文献1のように両手で操作する必要のあるタイプは、両手が塞がるため、他の作業ができない。また、一般に両手操作のタイプは、片手操作のものに比べて嵩張るため、携帯に不便である。
特許文献2に開示された片手操作コントローラは、操作可能な範囲にキーが配置されているが、1つの指で複数のキーを担当しなければならないため、指をキーからキーへと頻繁に移動させなければならない。この結果、高度な操作技術が必要となり、作業者の疲労度も大きくなる。
また、特許文献2及び3のいずれも1つのキーは押ボタンスイッチとなっているため、1つのキーで入力できるのは2値情報("ON"又は"OFF")だけであり、1つのキーにより3値以上の情報又は連続的な情報を入力することはできない。
さらに、従来の片手操作タイプの装置は、親指とその他の指との位置関係による操作性を配慮したキー配置を行った場合、右手用又は左手用に特化したものがほとんどであり、1つの装置を右手でも左手でも同じように操作できるものはなかった。
また、装置を持って使用する片手操作タイプの装置では、指の操作による送信又は指の触覚による受信を行うと同時に、その装置自体を支持する必要があるために、幾つかの指を装置の支持のために使わざるを得ず、全ての指を情報の送信又は受信に使用することは、困難であった。
【0007】
上記の問題点に鑑み、本発明は、指の移動を極力低減して操作を容易とし、全ての指を情報の送信又は送受信に使用可能であると同時に装置の安定な支持も可能であるような、片手操作による情報送信装置又は情報送受信装置を提供することを目的とする。さらに、右手と左手のいずれにも兼用できる片手操作による情報送信装置又は情報送受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するべく本発明は、以下の構成を提供する。なお、括弧内の数字は、後述する図面中の符号であり、参考のために付している。
本発明の第1の態様は、情報の送信を行う情報送信装置であって、使用者の片手で把持可能な立体形状をもつ把持筐体(2)と、前記片手における特定の指(51a)を載置するための指当て面(31)を有しかつ該指の操作により前記把持筐体の外面に沿った方向に往復変位が可能であるように該把持筐体の外面上にそれぞれ取り付けられた複数の操作部(3a,3b)と、
前記複数の操作部の各々の往復変位の状態を検知して該往復変位に対応する電気信号に変換し該電気信号を外部に送信する手段(6,7,8)と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明の第2の態様は、情報の送信及び受信を行う情報送受信装置であって、使用者の片手で把持可能な立体形状をもつ把持筐体(2)と、前記片手における特定の指(51a)を載置するための指当て面(31)を有しかつ該指の操作により前記把持筐体の外面に沿った方向に往復変位が可能であるように該把持筐体の外面上にそれぞれ取り付けられた複数の操作部(3a,3b)と、記複数の操作部(3a,3b)の各々における前記指当て面上に露出しかつ該指当て面に垂直な回転軸について回転駆動される触覚ヘッド(91)をそれぞれ具備する複数の触覚部(9)と、前記複数の操作部(3a,3b)の各々の往復変位の状態を検知して該往復変位の状態に対応する電気信号に変換し該電気信号を外部に送信する手段(6,7A1,8A)と、外部から受信した受信信号に基づいて前記複数の触覚部(9)の各々における前記触覚ヘッド(91)をそれぞれ回転駆動又は停止させるべく制御する手段(7A2,8A)と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
上記第1又は第2の態様のそれぞれにおける、さらに好適な態様においては、以下の構成を有する。
前記複数の操作部(3a,3b)の各々が初期位置を有しかつ前記指の操作により該初期位置から変位させた場合に該操作部を該初期位置に自動的に復帰させるための弾性付勢手段(33)を備えている。
また、前記複数の操作部(3a,3b)が、親指を含む複数の指をそれぞれ載置するために設けられ、かつ親指以外の指を載置する操作部(3b)の往復変位の方向は第1の方向であり、親指を載置する操作部(3a)の往復変位の方向は該第1の方向とは異なる第2の方向である。
また、前記把持筐体(2)の外面が、互いに離間して反対向きに膨出しそれぞれ略楕円形の周縁をもつ第1の掌接面(2a1)及び第2の掌接面(2a2)とこれらの掌接面の周縁同士を連結する周側面(2b)とからなり、前記複数の操作部(3a,3b)が前記周側面上に取り付けられており、前記把持筐体(2)と前記複数の操作部(3a,3b)とを含む外郭形状において、前記第1の掌接面を含む第1の半部と前記第2の掌接面を含む第2の半部とが中央面について面対称である。
また、手の甲に回し掛けるための固定バンド(4)を前記把持筐体に設けている。
【発明の効果】
【0011】
本発明による情報送信装置は、把持筐体と、この把持筐体の外面上に取り付けられた複数の操作部とを備え、各指を操作部の指当て面に載置して往復変位をさせることにより、各操作部の往復変位の状態を検知し、電気信号に変換して外部に送信する。複数の操作部の変位状態(例えば、変位の有無、変位の方向(正方向か負方向か)、変位の量若しくは変位の速度若しくは加速度など)の組合せにより、多様な情報を表すことが可能となる。このような情報を、任意の外部機器に送信することができる。本装置は、様々な分野における情報入力装置として用いることができる。
【0012】
把持筐体は、使用者の片手で把持可能であるので、装置全体を包み込むように掴んだ状態で操作できる。従って、机や台などで装置の一部を支持する必要がなく、持ち上げた状態で操作できかつ両手で支持する必要がない。よって、本装置を把持していない方の手は、別の作業を行ったり、本装置と同じ装置をさらにもう一つ持つこともできる。両手に本装置を把持すれば、さらに豊富な情報伝送が可能となる。
【0013】
複数の操作部の各々は、片手における特定の指を載置するための指当て面を有している。「特定の」とは、専ら特定の指(例えば、親指)を載置するために設けられていることを意味する。つまり、1つの操作部は、特定の1つの指の専用である。よって、1つの指は1つの操作部のみを操作するので、操作部から操作部へと指を移動させる必要がなく、本装置を掴んだ状態のままで操作を行うことができる。本装置の使用の際には、装置を支持するための指と、操作するための指を使い分ける必要がなく、各指が装置の支持と操作の役割を同時に果たす。
【0014】
また、操作部は、把持筐体の外面に沿った方向に往復変位する。従って、その変位方向を、担当する指の自然な屈伸動作に沿った方向と一致させれば、指の屈伸動作により操作部を容易に操作できる。
【0015】
次に、本発明による情報送受信装置は、把持筐体と、この把持筐体の外面上に取り付けられた複数の操作部と、各操作部に設けられ回転駆動される触覚ヘッドを具備する触覚部とを備える。操作部は、上記の情報送信装置と同様に、指の操作による往復変位により、多様な情報を外部に送信することができる。
さらに、受信機能においては、外部から受信した情報に基づいて、触覚ヘッドを回転駆動又は停止することで、指の触覚がその運動を感知し、外部からの情報を認知できる。複数の触覚部の回転状態(例えば、回転の有無、回転の方向若しくは回転速度など)の組合せにより、多様な情報を表すことが可能となる。なお、触覚による情報認知は、視覚や聴覚に障害のある人にとって特に有用である。
このように、本発明の情報送受信装置は、多様な情報を、任意の外部機器に送信し、逆に任意の外部機器から受信することができる。よって、本装置は、様々な分野における情報入出力装置として用いることができる。
【0016】
以上のように、本発明による情報送信装置(又は、情報送受信装置)は、最大で5本の指の各々に対応する5個の操作部(又は、5個の触覚部付き操作部)を設けることができる。そして、最大数の操作部を設けた場合であっても、片手での装置の支持には全く支障がない。装置を片手で持ち上げた状態で全ての指を情報送信(又は、情報送受信)のために利用できる。なお、必要に応じて2個〜4個の操作部(又は、2個〜4個の触覚部付き操作部)を設けることも任意である。
【0017】
さらに、本発明による情報送信装置(又は、情報送受信装置)の好適態様によれば、以下のような効果がある。
操作部が、往復変位における初期位置を有し、変位した場合に初期位置に自動的に復帰させる弾性付勢手段を備えた構成とした場合には、変位操作後に初期位置に戻すための操作が不要となるため、操作がさらに容易となる。また、変位操作においても、若干の弾性的な抵抗がある方が、指による変位量の調整が容易である。
【0018】
また、複数の操作部が、親指を含む複数の指をそれぞれ載置するために設けられ、かつ親指以外の指を載置する操作部の往復変位の方向と、親指を載置する操作部の往復変位の方向とが異なる構成とした場合には、人間工学的に最適な操作部の配置を実現できる。人間の親指以外の4本の指の屈伸動作は、ほぼ平行に行われるので、これらの指用の操作部は同じ方向に往復変位するように取り付けるとよい。これに対し、人間の親指は、その他の指と向き合うようについているので、親指の屈伸動作の方向はその他の指とは異なっている。従って、親指用の操作部の変位方向が、他の指用の操作部の変位方向とは異なるように(例えば、略垂直となるように)配置すれば、いずれの指においても自然な往復動作を確保でき、円滑な情報入力操作が可能となる。
【0019】
またさらに、把持筐体の外面が、互いに離間して反対向きに膨出しそれぞれ略楕円形の周縁をもつ一対の掌接面とこれらの掌接面の周縁同士を連結する周側面とからなり、複数の操作部が周側面上に取り付けられており、一方の掌接面を含む半部と他方の掌接面を含む半部とが中央面について面対称であるような外郭形状で構成されている場合には、一つの本装置を、右手操作にも左手操作にも兼用できる。これにより、右手用と左手用に別個の装置を作製する必要がない。
【0020】
またさらに、手の甲に回し掛けるための固定バンドを把持筐体に設けた構成とした場合は、本装置を取り落とす心配が無く、より安定に操作することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施例を示した図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図示の実施例は例示であって、本発明は、図示された具体的形状に限定されるものではない。
【0022】
先ず、図1〜図7を参照して、本発明による情報送信装置について説明する。
図1は、本発明による情報送信装置1の一実施例の外観斜視図であり、図2(A)〜(E)は、図1の情報送信装置1の六面図である。
情報送信装置1は、図1に示すように、使用者の片手で把持可能な立体形状をもつ把持筐体2と、その外面に取り付けられた5個の操作部3a、3bとを備えている。1個の操作部3aは親指用であり、4個の操作部3bはそれぞれ人差し指用、中指用、薬指用、小指用である。
【0023】
把持筐体2は、その全体を片手で包み込めるような立体形状で、図示の例では、略楕円体をやや押し潰したような形状である。図1に現れている第1掌接面2a1は、本装置1を左手で把持した場合に、掌が当接する面である。図1では見えないが、図2に示すように、第1掌接面2a1の裏側には、第2掌接面2a2がある。第1掌接面2a1と第2掌接面2a2は、略楕円形の周縁を有している。これら一対の掌接面と、これらの周縁同士を連結して周回する周側面2bとにより、把持筐体2の外面が形成されている。なお、把持筐体2はの外面は、滑らかであることが好ましい。このため、各掌接面2a1、2a2と周側面2bとの境界線には丸みが付けられており、面と面の境界は必ずしも明確ではない。
【0024】
図示の例では、5個の操作部3a、3bが周側面2b上に取り付けられている。後述するように、各操作部には、片手の各指が載置され、専らその特定の指により操作される。操作部3a、3bの外形は、指先の形状に合うように略長方形となっている。親指用の操作部3aと、それ以外の4本の指用の操作部3bとは、取付方向が異なっている(後に詳述)。
【0025】
各操作部3a、3bの両側には、把持筐体2の外面から位置決め突起2c、2dが突出している。操作部3aの一対の位置決め突起2cは、各掌接面2a1、2a2と周側面2bとの境界線に沿って延在し、他の操作部3bの位置決め突起2dは、周側面2bを横切るように延在している。これらの位置決め突起2c、2dは、各操作部3a、3bに特定の指を載置する際のガイド壁であり、また、載置後には指の位置をぶれさせないための支持壁の役割を果たしている。これにより、操作性が向上する。
【0026】
図2の六面図は、(A)正面図、(B)上面図、(C)下面図、(D)右側面図、(E)左側面図である(背面図は正面図と対称であるので省略)。(A)の正面図に示すように、第1掌接面2a1(第2掌接面2a2も同じ)は、略楕円形の周縁を有し、周側面2bがこれらの周縁を連結して周回している。(B)の上面図に示すように、第1掌接面2a1及び第2掌接面は2a2、互いに離間して反対向きに膨出し、それぞれ滑らかな曲面を形成している。
周側面2b上には、5個の操作部3a、3bが取り付けられている。図中に、周側面2bの周回方向とそれに垂直な方向を、黒両矢印で示している。親指用の操作部3aは、その長手方向が周回方向に沿うように取り付けられている。人差し指用から小指用の4個の操作部3bは、その長手方向が周回方向に垂直な方向に沿うように互いに平行に取り付けられている。
【0027】
図2(A)に示すように、情報送信装置1における把持筐体2と複数の操作部3a、3bとを含む外郭形状において、第1掌接面2a1を含む第1の半部と、第2掌接面2a2を含む第2の半部とは、中央面について面対称である。これにより、後述する図3に示すように、本装置1を右手でも左手でも操作できる。
また、図2(A)の上面図では、薬指用の操作部3bを取り外した状態を示している。周側面2bには、各操作部の取付位置にスライド孔2b2が、それぞれ穿設されている。各スライド孔2b2は、把持筐体2の筐体壁を貫通している。人差し指用から小指用の操作部3bのスライド孔2b2は、周回方向に垂直な方向に延在している。親指用の操作部3aのスライド孔は、周回方向に延在している。
【0028】
各操作部3a、3bの表面は、各指の指先を載置するための指当て面31を形成している。指当て面31上には、微細な凹凸からなる滑止めが形成され、指先の腹面が滑り難くなっている。図2(A)及び(B)に破線で示すように、各操作部3a、3bの裏面からは、棒状のスライド軸部32が垂直に突出している。スライド軸部32は、スライド孔2b2に挿通されて、把持筐体2の内部に延びている。スライド軸部32は、操作部3a、3bと一体的に動き、かつスライド孔2b2に沿って動く。
【0029】
図3は、情報送信装置1の操作時の状態を示す外観斜視図である。(A)は、本装置1を左手51で把持した状態であり、第1掌接面2a1が掌に当接している。(B)は、本装置1を右手52で把持した状態であり、第2掌接面2a2が掌に当接している。
【0030】
図3(A)に示すように、把持筐体を片手で包み込むように握り、親指を操作部3aの指当て面に載置し、他の4本の指を4個の操作部3bにそれぞれ載置する。操作時には、各指を屈伸運動させることで操作部3a、3bを往復変位させる。操作時の各指の動きを、白抜き矢印で示している。親指は、把持筐体の周側面の周回方向に沿って動かし、他の指は、周回方向に垂直な方向に動かす。各指は、各操作部を操作すると同時に、装置自体を把持する役割も果たしている。そして、装置をどの様な向きに向けても操作可能である。
【0031】
図4(A)は、情報送信装置1の変形形態の一例である。(A)は、情報送信装置1の把持筐体2に固定バンド4を取り付けた形態の外観斜視図である。帯状の固定バンド4の両端は、把持筐体2の周側面2b上(図2(A)の中央面との交線上)に位置している。(B)は、固定バンド4を手の甲に回し掛けた状態の外観斜視図である。固定バンド4は、伸縮性に富んだ弾性材料で形成されており、装脱する際には自在に伸び、装着時には手の甲に密着する。これにより、本装置1をより安定に把持でき、操作性が向上する。また、本装置1を左手から右手に持ち替えた場合にも、固定バンド4の表裏面が入れ替わるだけであり、同様に掌に回し掛けることができる。
【0032】
図1〜図4に示した情報送信装置1の外観形状は好適例であるが、多様な変形形態が可能である。
好適例では、右手左手兼用の対称な外郭形状としたが、右手又は左手の形状に特別に合わせた片手専用の外郭形状としてもよい。その場合には、掌接面は1つのみとなり、反対側の面の形状は、さほど重要ではない。
また、好適例では、5本の指全てを操作に用いるために5個の操作部を設けたが、必要に応じて2個〜4個の操作部のみを設けてもよい。例えば、親指用と人差し指用の2個、人差し指用と中指用と薬指用の3個、あるいは、親指用と人差し指用と中指用と薬指用の4個とする。この場合、操作に用いない指は、周側面上に直接載置し、装置を把持する役割のみを果たすことになる。
またさらに、把持筐体上における各操作部の取付位置は、上記の例に限られず、装置の把持と指の操作の双方において、人間工学的な観点に基づく好ましい配置としてもよい。
【0033】
図5は、図1〜図4に示した情報送信装置1の筐体内部の構成を模式的に示した縦断面図である。情報送信装置1の筐体は、例えば軽量プラスチック材等の成型により形成できる。筐体内部の空洞には、本装置に必要な機械部品及び電子回路を組み込むことができる。
【0034】
操作時には、操作部3bの指当て面31上に、指51aの腹面を当接する。操作部3bの往復変位の方向を白抜き矢印で示す。操作部3bの裏面には、スライド軸部32が垂直に突出している。スライド軸部32は、筐体に穿設されたスライド孔2b2を挿通して筐体内部に延びている。筐体内部において、スライド軸部32は、コイル状の一対の復帰バネ33により挟持されている。一対の復帰バネ33は、スライド軸部32を(すなわち操作部3bを)スライド孔の真ん中である初期位置に保持している。指51aで操作部3bをいずれの方向に変位させても、復帰バネ33の弾性力により初期位置に自動的に戻る。
【0035】
スライド軸部32の先端部32aは、操作部3bと全く同じ動きをする(小さい白抜き矢印参照)。この先端部32aの運動を利用して、操作部3bの往復変位の状態を、電気信号に変換する。これは、入力部6の変位検知部61により行われる。物体の変位を検知して電気信号に変換する方法としては、抵抗式、磁気式、光式など、公知の多様な方法があるが、いずれの方法を利用してもよい。例えば、変位トランスジューサ、光位置センサ(PSD:Position Sensitive Detector)、磁気位置センサ、などのセンサを用いてもよい。但し、片手で把持できる筐体内に内蔵できる方法を採用する。
【0036】
図示の変位検知部61は一例であり、先端部32aを、可変抵抗VRの可動端子と連動させることにより、操作部3bの変位を電気信号に変換している。可変抵抗VRの両端の固定端子間には、所定の直流電圧が印加されている。先端部32aと連動して可動端子が動くと、可動端子から取り出す電位が変動する。
【0037】
図示のスイッチSWは、右手操作と左手操作を切り替える手動スイッチである。図示しないが、スイッチSWの手動操作部は、筐体外部に設けられている。先ず、本装置1を左手操作する場合、スイッチSWが図示の状態であるとする。この場合、可変抵抗VRの左端に正の電位+Vが、右端に負の電位−Vが印加されている。これらの正負の電位を与え、電子回路を駆動する電源は、例えば、筐体内に内蔵した電池等である。操作部3bが初期位置にあるときは、可動端子は接地電位(0V)と同電位である。操作部3bを左側に変位させる(指を曲げる)と、可動端子から正の電位が出力され、操作部3bを右側に変位させる(指を伸ばす)と、可動端子から負の電位が出力される。
【0038】
次に、本装置1を右手に持ち替えて操作すると想定する。図示のスイッチSWのままであると、指の屈伸と、可変抵抗から取得する電位の正負の関係が、左手操作のときと逆になる(指を曲げたときに負の電位となり、指を伸ばしたときに正の電位となる)。しかしながら、左手操作と右手操作において、指の屈伸を逆にして操作することは、煩雑である。従って、操作する手を替える場合は、スイッチSWを切り替える。すると、可変抵抗VRの左端に負の電位−Vが、右端に正の電位+Vが印加される。この結果、左右いずれの手で操作しても、同様の変位検知信号を得ることができる。
【0039】
入力部6の変位検知部61で取得された電気信号は、増幅器及び/又は波形変換器62などで適宜の信号処理を施され、変位検知信号として制御部7へ送られる。制御部7は、変位検知信号に基づいて送信信号を生成して、送信部8へ送る。送信部8は、送信信号を外部に送信する。
【0040】
図6は、図5に示した電子回路の部分の、さらに詳細な構成例を示したブロック図である。入力部6は、実際には、図1に示した5個の操作部3a、3bの各々に対して、別個に設けられている。別個に設けられた第1〜第5入力部6a〜6eの各々から、制御部7に対して各操作部の変位検知信号がそれぞれ送られる。制御部7は、例えば、PIC等のワンチップマイクロプロセッサ(図示せず)を具備し、適宜の動作周波数で動作するデジタル回路を構成している。制御部7の入力段である第1〜第5信号処理部7a〜7eの各々は、各入力部6a〜6eから送られた変位検知信号をそれぞれ受け取り、後段の処理に適した信号形式に適宜変換(アナログ・デジタル変換等)する。変換された5つの信号は、マルチプレクサ71に送られる。マルチプレクサ71は、5つの信号を一連のデジタル信号にまとめ、送信信号生成部72へ送る。送信信号生成部72は、マルチプレクサ71から送られたデジタル信号に基づいて、送信部8へ送る送信信号を生成する。送信部8には、アンテナ81が含まれており、送信信号に基づいてアンテナを駆動し、無線送信を行う。
【0041】
図7は、図6の送信信号生成部72で生成された送信信号の一例である。1サイクルには、例えば、それぞれ8ビットからなる信号s1、s2、s3、s4、s5が含まれている。各8ビット信号は、親指、人差し指、中指、薬指、小指を載置した各操作部の往復変位の状態をそれぞれ示している。制御部7のマイクロプロセッサの動作周波数は、通常、MHz〜GHzのオーダーであるので、1サイクルの長さは、μS〜nSのオーダーである。送信信号生成部72では、このような周期的な送信信号を繰り返し生成することで、各操作部の往復変位の状態を継続的に送信することができる。
【0042】
なお、各操作部3a、3bの往復変位の状態としては、「変位の有無」、「変位の方向(正方向か負方向か)」、「変位の量」、又は「変位の速度(若しくは加速度)」を検知することが可能である。検知対象に応じて、公知の適切な検知方法及び信号処理方法を選択すればよい。例えば、「変位の有無」を検知する場合、”初期位置”と”任意の方向への変位”の2値情報を得ることができる。「変位の方向」を検知する場合、”初期位置”と”正方向への変位”と”負方向への変位”の3値情報を得ることができる。また、例えば、「変位の量」を検知することにより、所定の正の値から負の値までの連続的な範囲内における任意の値の情報を得ることができる。
【0043】
加えて、2個〜5個の複数の操作部の変位状態の組合せにより、さらに豊富な情報を伝達できる。例えば、1つの操作部が3値情報を生成する場合、5個の操作部全体により、3の5乗通りの情報を生成することができる。
【0044】
図1〜図7に示した情報送信装置の実施例は、送信部8が無線送信を行う形態であるが、本発明は、有線送信を行う形態にも適用できる。その場合は、把持筐体の把持に支障のない位置に外部配線を接続するようにする。
【0045】
次に、図8〜図13を参照して、本発明による情報送受信装置について説明する。この情報送受信装置は、上述の情報送信装置1に対して、さらに情報受信機能を付加したものである。従って、情報送信機能については情報送信装置1とほぼ共通するので、情報送信装置1と共通する構成要素については、図中において同じ符号を用いている。
【0046】
図8は、本発明による情報送受信装置1Aの一実施例の外観斜視図である。情報送受信装置1Aにおける把持筐体2、第1掌接面2a1(第2掌接面も同様)、周側面2b、位置決め突起2c、2dの構成については、上述の情報送信装置1と共通するので、説明を省略する。親指用の操作部3aと、その他の指用の4個の操作部3bは、上述の情報送信装置1のものとは、外形デザインが若干異なるが、指の操作で往復変位させることで情報入力を行う点では、同じである。
【0047】
情報送受信装置1Aは、情報受信機能として、操作部3a、3bの各々の指当て面の中央部に触覚部9を設けている。指当て面の一部に露出した触覚部9の回転及び停止の状態を、指の触覚で感知することにより、使用者が情報を認知することができる。
【0048】
図9は、図8の情報送受信装置1Aの筐体内部の構成を模式的に示した縦断面図である。
図10は、図8又は図9における1つの操作部3b(操作部3aも同様)及び触覚部9の詳細図であり、(A)は上面図、(B)は(A)のX断面図、(C)は触覚ヘッド91の斜視図である。
【0049】
図9に示すように、触覚部9は、操作部3bの裏面中央部に取り付けられた筒状のスライド軸部32の内部に収容されている。従って、触覚部9は、操作部3bと一体的に往復変位する(白抜き矢印参照)。このことは、触覚部9の存在が、操作部3bを用いた送信操作に対して影響を及ぼさないことを意味する。
【0050】
図10(B)を参照すると、触覚部9は、筒状のモーター筐体93に内蔵されたモーター94を有する。モーター94は、制御により右回り又は左回りのいずれにも回転可能であり、また、制御により停止可能である。モーター94の制御用配線95は、スライド軸部32の筒壁の孔から取り出される。この制御用配線95は、後述する制御部7Aの受信制御部7A2へ接続されている。制御用配線95はフレキシブルでかつ余裕をもった長さとされているので、操作部3bの往復変位に伴う触覚部9の位置変動を吸収する。モーター94のモーター軸92には、略円柱状の触覚ヘッド91が取り付けられている。触覚ヘッド91の上端は、操作部3bの指当て面31よりも若干突出していることが好ましい。図10(A)に示すように、操作部3bの指当て面31は中央部が窪んでおり、指を載置しやすい形状となっている。指当て面31には、微細な凹凸からなる滑止め31aが形成されている。触覚ヘッド91は、指当て面31の窪みの底に配置されている。従って、指を窪みに沿って載置した場合に、触覚ヘッド91が若干、指の腹面を押圧する状態となる。これにより、触覚ヘッド91の運動を指の触覚で感知しやすくなる。
【0051】
図10(A)及び(C)に示すように、略円柱状の触覚ヘッド91の上面には、所定の凹凸が形成されている。周方向において、急斜面91aと緩斜面91bが交互に(図示の例では3対)配置されている。急斜面91aと緩斜面91bの境界は、中心から径方向に周縁まで延びる稜線91cと谷線91dで形成されている。触覚ヘッド91を右回転させたときは、緩斜面91bが指の腹面に当たりつつ回転し、左回転させたときは、急斜面91aが指の腹面に当たりつつ回転することになる。この結果、指の触覚により、右回転と左回転とを区別することができる。これにより、"右回転"と"左回転"と"停止"の3値情報を伝達することが可能となる。
【0052】
触覚ヘッド91の上面形状は、図示の例に限られない。平坦であってもよいが、凹凸又は傾斜がある方が、回転と停止を区別しやすい。"回転"と"停止"のみを区別する場合は、2値情報を伝達できる。さらに、「回転速度」を区別することも可能である。回転速度は制御により自在に変更できる。例えば、"遅い回転"と"速い回転"と"停止"の3値情報を伝達できる。
【0053】
加えて、2個〜5個の複数の触覚部9の回転状態の組合せにより、さらに豊富な情報を伝達できる。例えば、1つの触覚部が3値情報を伝達する場合、5個の触覚部全体により、3の5乗通りの情報を伝達することができる。
【0054】
再び図9を参照すると、操作部3bの往復変位を検知して変位検知信号を出力する入力部6は、図5に示したものと基本的に同じである。図9では、図5に示したスイッチSWを省略しているが、これを設けてもよい。入力部6の変位検知部61で取得された電気信号は、増幅器及び/又は波形変換器62などで適宜の信号処理を施され、変位検知信号として制御部7Aへ送られる。制御部7Aには、送信制御部7A1と、受信制御部7A2が設けられている。送信制御部7A1が、変位検知信号に基づいて送信信号を生成して、送受信部8Aへ送る。送受信部8Aは、送信と受信の双方を行うことができ、送信制御部7A1から送られた送信信号を外部に送信する。
【0055】
図11は、本発明の情報送受信装置の変形形態の一例を模式的に示した縦断面図である。 図11の情報送受信装置1Bでは、操作部3b(操作部3aも同様)の往復変位が、直線運動ではなく、スライド軸部32の軸延長線上にある中心32bの周りの揺動運動である。スライド軸部32の先端部32aの半円形枠体は、操作部3bと同じ揺動運動を行う。この先端部32aの揺動運動を利用し、揺動角度の変化を可変抵抗VRの可動端子で検知することで、操作部3bの往復変位の状態を、電気信号に変換する。
【0056】
情報送受信装置1Bにおいても、操作部3bの初期位置が、弾性付勢手段により保持されている。スライド軸部の先端部32aの半円形枠体の両端には、コイルバネである一対の復帰バネ33がそれぞれ取り付けられている。これらの復帰バネ33は、先端部32aが(すなわち操作部3bが)いずれの方向に揺動しても、弾性力により自動的に初期位置に復帰させる。
【0057】
図12は、図9に示した電子回路の部分を、さらに詳細に示した構成例のブロック図である。入力部6は、実際には、図8に示した5個の操作部3a、3bの各々に対して、別個に設けられている。別個に設けられた第1〜第5入力部6a〜6eの各々から、制御部7Aの送信制御部7A1に対して、各操作部3a、3bの変位検知信号がそれぞれ送られる。送信制御部7A1は、上述の図6に示した制御部7と同様であるので説明を省略する。
【0058】
送信制御部7A1の送信信号生成部72で生成された送信信号は、送受信モード切替部73に送られる。送受信モード切替部73は、本装置の送信モードと受信モードを切り替える機能を有する。送受信モード切替部73の具体的構成は、多様である。
一例としては、本装置の筐体に設けた手動スイッチの切替により、本装置を送信専用装置としたり、受信専用装置としたりする。
また、別の例では、外部からの制御信号により、送信モードと受信モードを切り替える。例えば、外部から本装置に情報伝送する場合に、先ず、本装置を受信モードに設定する制御信号を送り、それに続いて所望の情報を伝送する。情報伝送が完了したならば、本装置を送信モードに設定する制御信号を外部から送り、本装置を送信モードとする。
さらに別の例では、内部の制御信号により、送信モードと受信モードを切り替える。例えば、送受信部8Aが外部からの信号を受信したことを検知したならば、自動的に本装置を受信モードに切り替え、受信を行う。受信完了した時点で、自動的に送信モードに切り替える。
【0059】
本装置が送信モードである場合、送信信号生成部72の生成した送信信号は、送受信部8Aに御送られ、アンテナ81から外部に送信される。
【0060】
本装置が受信モードである場合、送受信部8Aが外部から受信した信号は、送受信モード切替部73を経由して、受信制御部7A2へ送られる。受信信号処理部74は、受信信号を、後段の処理に適した信号形式に適宜変換する。変換された受信信号は、デマルチプレクサ75に送られる。この時点での受信信号には、5個の触覚部のための制御信号が一連の信号として含まれている。デマルチプレクサ75は、1つの受信信号を、5個の触覚部9の各々に対する個別の受信信号に分配する。分配された各受信信号は、各触覚部9に対し1つずつ設けられた信号生成部7f〜7jへそれぞれ送られる。各信号生成部7f〜7jは、各受信信号に基づいてそれぞれの触覚部のモーターを制御する制御信号を生成する。この制御信号は、モーターの回転又は停止、回転方向、回転速度等を設定するための情報を含む。生成された各制御信号は、各モーター駆動部7k〜7oへ送られる。各モーター駆動部7k〜7oは、各制御信号に基づいて実際にモーターを駆動するために必要な電気信号を生成し、各触覚部のモーターへ送る。この結果、各モーターは、所定の回転状態又は停止状態となり、使用者は指の触覚でこれを感知する。
【0061】
図13は、図12の送信信号生成部72で生成された送信信号、及び受信信号処理部74で処理された受信信号の一例である。送信モードの1サイクルには、例えば、それぞれ8ビットからなる信号s1、s2、s3、s4、s5が含まれている。各8ビット信号は、親指、人差し指、中指、薬指、小指を載置した各操作部の往復変位の状態をそれぞれ示している。受信モードの1サイクルには、例えば、それぞれ8ビットからなる信号r1、r2、r3、r4、r5が含まれている。各8ビット信号は、親指、人差し指、中指、薬指、小指の各触覚部の回転又は停止の状態をそれぞれ示している。制御部7Aのマイクロプロセッサの動作周波数は、通常、MHz〜GHzのオーダーであるので、1サイクルの長さは、μS〜nSのオーダーである。送信信号生成部72及び受信信号処理部74では、このような周期的な送信信号及び受信信号をそれぞれ繰り返し生成することで、各操作部の往復変位の状態を継続的に外部に送信することができ、また、各触覚部の回転又は停止の状態を継続的に制御することができる。
【0062】
なお、図8〜図13に示した情報送受信装置の実施例は、送受信部8Aが無線送受信を行う形態であるが、本発明は、有線送受信を行う形態にも適用できる。その場合は、把持に支障のない位置に外部配線を接続するようにする。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明による情報送信装置の一実施例の外観斜視図である。
【図2】(A)〜(E)は、図1の情報送信装置の六面図である。
【図3】情報送信装置の操作時の状態を示す外観斜視図である。(A)は、左手で把持した状態であり、(B)は、右手で把持した状態である。
【図4】(A)は、情報送信装置に固定バンドを取り付けた形態の外観斜視図であり、(B)は、固定バンドを手の甲に回し掛けた状態の外観斜視図である。
【図5】図1〜図4に示した情報送信装置の筐体内部の構成を模式的に示した縦断面図である。
【図6】図5に示した電子回路の部分のさらに詳細な構成例のブロック図である。
【図7】図6の出力信号生成部で生成された出力信号の一例である。
【図8】本発明による情報送受信装置の一実施例の外観斜視図である。
【図9】情報送受信装置の筐体内部の構成を模式的に示した縦断面図である。
【図10】図8又は図9における1つの操作部及び触覚部の詳細図であり、(A)は上面図、(B)は(A)のX断面図、(C)は触覚ヘッドの斜視図である。
【図11】本発明の情報送受信装置の変形形態の一例を模式的に示した縦断面図である。
【図12】図9に示した電子回路の部分の、さらに詳細な構成例のブロック図である。
【図13】図12の送信信号生成部で生成された送信信号、及び受信信号処理部で処理された受信信号の一例である。
【符号の説明】
【0064】
1:情報送信装置
2:把持筐体、2a1:第1掌接面、2a2:第2掌接面、2b:周側面、2b1:取付面、2b2:スライド孔、2c、2d 位置決め突起
3a、3b:操作部、31:指当て面、31a:滑止め、32:スライド軸部、32a:スライド軸先端部、33:復帰バネ
4:固定バンド
51:左手、51a:指、52:右手
6:入力部、61:変位検知部、62:信号変換部
7:制御部、71:マルチプレクサ、72:出力信号生成部
8:送信部、81:アンテナ
1A、1B 情報送受信装置
7A:制御部、7A1:送信制御部、7A2:受信制御部、71:マルチプレクサ、72:送信信号生成部、73:送受信モード切替部、74:受信信号処理部、75:出丸値プレクサ
8A:送受信部、81:アンテナ
9:触覚部、91:触覚ヘッド、91a:急斜面、91b:緩斜面、91c:稜線、91d:谷線、92:駆動シャフト、93:モーター筐体、94:モーター、95:制御用配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の片手で把持可能な立体形状をもつ把持筐体(2)と、
前記片手における特定の指(51a)を載置するための指当て面(31)を有しかつ該指の操作により前記把持筐体の外面に沿った方向に往復変位が可能であるように該把持筐体の外面上にそれぞれ取り付けられた複数の操作部(3a,3b)と、
前記複数の操作部の各々の往復変位の状態を検知して該往復変位の状態に対応する電気信号に変換し該電気信号を外部に送信する手段(6,7,8)と、を備えたことを特徴とする情報送信装置。
【請求項2】
前記複数の操作部(3a,3b)の各々が初期位置を有しかつ前記指の操作により該初期位置から変位させた場合に該操作部を該初期位置に自動的に復帰させるための弾性付勢手段(33)を備えたことを特徴とする請求項1に記載の情報送信装置。
【請求項3】
前記複数の操作部(3a,3b)が親指を含む複数の指をそれぞれ載置するために設けられ、かつ親指以外の指を載置する操作部(3b)の往復変位の方向は第1の方向であり、親指を載置する操作部(3a)の往復変位の方向は該第1の方向とは異なる第2の方向であることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報送信装置。
【請求項4】
前記把持筐体(2)の外面が、互いに離間して反対向きに膨出しそれぞれ略楕円形の周縁をもつ第1の掌接面(2a1)及び第2の掌接面(2a2)とこれらの掌接面の周縁同士を連結する周側面(2b)とからなり、
前記複数の操作部(3a,3b)が前記周側面上に取り付けられており、
前記把持筐体(2)と前記複数の操作部(3a,3b)とを含む外郭形状において、前記第1の掌接面を含む第1の半部と前記第2の掌接面を含む第2の半部とが中央面について面対称であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の情報送信装置。
【請求項5】
手の甲に回し掛けるための固定バンド(4)を前記把持筐体に設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の情報送信装置。
【請求項6】
使用者の片手で把持可能な立体形状をもつ把持筐体(2)と、
前記片手における特定の指(51a)を載置するための指当て面(31)を有しかつ該指の操作により前記把持筐体の外面に沿った方向に往復変位が可能であるように該把持筐体の外面上にそれぞれ取り付けられた複数の操作部(3a,3b)と、
前記複数の操作部(3a,3b)の各々における前記指当て面上に露出しかつ該指当て面に垂直な回転軸について回転駆動される触覚ヘッド(91)をそれぞれ具備する複数の触覚部(9)と、
前記複数の操作部(3a,3b)の各々の往復変位の状態を検知して該往復変位の状態に対応する電気信号に変換し該電気信号を外部に送信する手段(6,7A1,8A)と、
外部から受信した受信信号に基づいて前記複数の触覚部(9)の各々における前記触覚ヘッド(91)をそれぞれ回転駆動又は停止させるべく制御する手段(7A2,8A)と、を備えたことを特徴とする情報送受信装置。
【請求項7】
前記複数の操作部(3a,3b)の各々が初期位置を有しかつ前記指の操作により該初期位置から変位させた場合に該操作部を該初期位置に自動的に復帰させるための弾性付勢手段(33)を備えたことを特徴とする請求項6に記載の情報送受信装置。
【請求項8】
前記複数の操作部(3a,3b)が、親指を含む複数の指をそれぞれ載置するために設けられ、かつ親指以外の指を載置する操作部(3b)の往復変位の方向は第1の方向であり、親指を載置する操作部(3a)の往復変位の方向は該第1の方向とは異なる第2の方向であることを特徴とする請求項6又は7に記載の情報送受信装置。
【請求項9】
前記把持筐体(2)の外面が、互いに離間して反対向きに膨出しそれぞれ略楕円形の周縁をもつ第1の掌接面(2a1)及び第2の掌接面(2a2)とこれらの掌接面の周縁同士を連結する周側面(2b)とからなり、
前記複数の操作部(3a,3b)が前記周側面上に取り付けられており、
前記把持筐体(2)と前記複数の操作部(3a,3b)とを含む外郭形状において、前記第1の掌接面を含む第1の半部と前記第2の掌接面を含む第2の半部とが中央面について面対称であることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の情報送受信装置。
【請求項10】
手の甲に回し掛けるための固定バンドを前記把持筐体に設けたことを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の情報送受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−276961(P2009−276961A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−126792(P2008−126792)
【出願日】平成20年5月14日(2008.5.14)
【特許番号】特許第4355017号(P4355017)
【特許公報発行日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【出願人】(307044828)
【Fターム(参考)】