情報通信装置
【課題】情報入力の操作性に劣る情報通信装置の操作性・利便性を向上させることが可能な情報通信装置を提供する。
【解決手段】情報通信装置20は、コピーすることが可能なコピー情報を、複数の文字列で構成されるコピー単位情報の集合体として記憶する記憶する記憶部23と、入力された入力情報を表示する入力情報表示領域、及び記憶部23により記憶されたコピー情報を表示するコピー情報表示領域を有する表示部22と、記憶部23により記憶されたコピー情報をコピー情報表示領域に表示させ、該表示させたコピー情報から選択された情報を入力情報表示領域にペーストして表示させる制御部25とを備える。
【解決手段】情報通信装置20は、コピーすることが可能なコピー情報を、複数の文字列で構成されるコピー単位情報の集合体として記憶する記憶する記憶部23と、入力された入力情報を表示する入力情報表示領域、及び記憶部23により記憶されたコピー情報を表示するコピー情報表示領域を有する表示部22と、記憶部23により記憶されたコピー情報をコピー情報表示領域に表示させ、該表示させたコピー情報から選択された情報を入力情報表示領域にペーストして表示させる制御部25とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペースト操作が可能な情報通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、あるツールで作成した文字、絵、写真等の情報を、コピー操作により一時的にバッファに蓄え、その後ペースト操作を行うことにより、同一情報を再度作成する手間を省くことが可能な、デスクトップPC、ノートPC、タブレットPC、携帯電話、スマートフォン等の様々な情報通信装置が開発されている。また、スマートフォン等の小型の情報通信装置を用いて、メール等の文書作成を行うときのユーザの利便性を向上させる技術が各種提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図13は、従来の情報通信装置におけるコピー&ペースト動作を説明するフローチャートである。操作部を操作して入力された情報をコピーし(ステップS301)、コピーした情報をペーストする(ステップS302)。このとき、ペーストした情報の一部のみが必要な情報であることがあるため、ユーザはペーストした情報のすべてが必要な情報であるか否かを判定する(ステップS303)。ペーストした情報のすべてが必要である場合には(ステップS303−Yes)、ペーストの完了となる。一方、ペーストした情報に不要な情報が含まれている場合には(ステップS303−No)、カーソルを移動させて削除部分を選択し(ステップS304)、削除を実行する必要がある(ステップS305)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−84119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術では、コピーした文字列のうち必要な部分だけをペーストすることはできなかった。そのため、ユーザは必要な部分を含むコピーされた全体の入力情報を一旦ペーストした後、上述したステップS304及びステップS305のように、不要な部分を削除して使う等の操作をするか、あるいは必要な文字列のみをそのつどコピーしなければならなかった。特に、スマートフォン等小型の情報機器においてこのような細かい情報の操作(削除する部分の選択等)を行うのは困難であり、ユーザに大きな負荷がかかり、ストレスを感じることとなる。
【0006】
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、情報入力の操作性に劣る情報通信装置の操作性・利便性を向上させることが可能な情報通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る情報通信装置は、
コピーすることが可能なコピー情報を、複数の文字列で構成されるコピー単位情報の集合体として記憶する記憶部と、
入力された入力情報を表示する入力情報表示領域、及び前記記憶部により記憶されたコピー情報を表示するコピー情報表示領域を有する表示部と、
前記記憶部により記憶されたコピー情報を前記コピー情報表示領域に表示させ、該表示させたコピー情報から選択された情報を前記入力情報表示領域にペーストして表示させる制御部と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る情報通信装置において、前記制御部は、前記コピー単位情報のうちの一部の情報が選択されると、選択された情報、又は該コピー単位情報のうちの選択されなかった情報を前記入力情報表示領域に表示させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る情報通信装置において、前記制御部は、前記コピー単位情報のうちの一部の情報が選択されると、該コピー単位情報を選択された情報と選択されなかった情報とに分割する分割手段を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る情報通信装置において、前記制御部は、前記コピー情報表示領域に表示させる前記コピー単位情報の順番を並べ替える並べ替え手段を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る情報通信装置において、前記並べ替え手段は、前記コピー単位情報が前記入力情報表示領域にペーストされると、該コピー単位情報が現状よりも上位に表示されるように並べ替えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る情報通信装置において、前記並べ替え手段は、前記入力情報表示領域にペーストされた回数が多いコピー単位情報ほど上位に表示されるように並べ替えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る情報通信装置において、前記並べ替え手段は、コピー単位情報の文字列の長さに基づいて並べ替えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る情報通信装置において、前記並べ替え手段は、前記入力情報表示領域に入力されている文字列を含むコピー単位情報が最上位に表示されるように並べ替えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る情報通信装置において、前記並べ替え手段は、前記分割手段によりコピー単位情報を分割したことで、同一のコピー単位情報が複数存在する場合には、同一のコピー単位情報のうち、前記コピー情報表示領域に最も上位に表示されるコピー単位情報のみを残して他を削除し、かつ、残したコピー単位情報が現状よりも上位に表示されるように並べ替えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る情報通信装置において、前記並べ替え手段は、前記入力情報表示領域に入力すべき情報の属性を判別し、属性に関連するコピー単位情報が最上位に表示されるように並べ替えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、文字列を入力して本文を構成するのではなく、過去に入力した文字列を再利用して本文を構成するという新しい文字入力のスタイルを確立し、入力操作を大幅に簡易化することができる。かくして、情報入力の操作性に劣る情報通信装置における操作性・利便性を向上させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る第2情報通信装置を備える情報通信装置システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る第2情報通信装置を備える情報通信システムの動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態に係る第2情報通信装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る第2情報通信装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係る第2情報通信装置の表示部の表示例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る第2情報通信装置の表示部の表示例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る第2情報通信装置のペースト操作の一例を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る第2情報通信装置のペースト操作の一例を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る第2情報通信装置の分割処理の一例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る第2情報通信装置のコピー情報の並べ替え処理の一例を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る第2情報通信装置のコピー情報の並べ替え処理の一例を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る第2情報通信装置のコピー情報の並べ替え処理の一例を示す図である。
【図13】従来の情報通信装置におけるコピー&ペースト動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明による情報通信装置は、コピー可能な情報(以下、「コピー情報」という。)を表示部に表示し、表示されたコピー情報からペーストする情報を選択することができる。コピー情報はあらかじめ記憶しておく必要がある。情報入力の操作性に劣る情報通信装置では、コピー情報を入力して作成するのに手間がかかる。そのため、本発明による情報通信装置は、情報入力の操作性に優れた他の情報通信装置からコピー情報を取得するように構成することも可能である。
【0020】
[情報通信システム]
本発明による情報通信装置を、情報入力の操作性に優れた他の情報通信装置からコピー情報を取得するように構成した場合における、情報通信システムについて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る情報通信装置を備える情報通信装置システムの概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、情報通信システム1は、第1情報通信装置10と、本発明の一実施形態に係る1以上の第2情報通信装置20と、サーバ30とを備える。図1では、3つの第2情報通信装置20−1,20−2,20−3を示している。
【0021】
第1情報通信装置10は、デスクトップPC、ノートPC等、第2情報通信装置20と比較して入力操作を行うのに十分な大きさの入力インターフェースを備え、情報入力の操作性に優れた情報通信装置である。第1情報通信装置10は、入力された入力情報(文字、画像、又は写真等)をコピーして、コピー情報を生成する。コピー情報は、第1情報通信装置10に一時的に記憶される。そして、第1情報通信装置10は、コピー情報をサーバ30に送信する。
【0022】
サーバ30は、第1情報通信装置10、及び第2情報通信装置20と接続され、第1情報通信装置10、及び第2情報通信装置20からアクセス可能な共有サーバである。サーバ30は、第1情報通信装置10から受信したコピー情報を第2情報通信装置20に送信する。なお、本実施形態では、第1情報通信装置10がサーバ30を介してコピー情報を第2情報通信装置20に送信する例について説明するが、サーバ30を設けずに、赤外線やブルートゥースによる無線通信等により、第1情報通信装置10がコピー情報を第2情報通信装置20に直接送信するようにしてもよい。
【0023】
第2情報通信装置20は、タブレットPC、携帯電話、スマートフォン等、第1情報通信装置10と比較して入力インターフェースが小さく、情報入力の操作性に劣る小型の情報通信装置である。本発明は文字、画像、写真等を入力・表示可能なアプリケーションを起動(以下、該アプリケーションを起動させるモードを「入力モード」ともいう。)した際におけるペースト処理に特徴があるため、以下では、入力モードを中心に説明するが、第2情報通信装置20は、電話、ゲーム、音楽視聴、インターネット接続等、用途に応じた様々なアプリケーションを有することができる。詳細は後述するが、第2情報通信装置20は、入力モードが選択されると、サーバ30から受信したコピー情報を表示する。ユーザは、コピー情報から特定の情報を選択することによりペーストすることができる。なお、第1情報通信装置10と第2情報通信装置20のユーザは、必ずしも同一である必要はない。
【0024】
次に、このように構成される情報通信システム1の動作について、図2を参照して説明する。図2は、情報通信システムの動作を示すフローチャートである。まず、サーバ30は、ユーザによる操作に基づき、コピー情報を共有可能な1以上の第2情報通信装置20を登録する(ステップS101)。第1情報通信装置10は、ユーザによる操作に基づき、ステップS101により登録されている1以上の第2情報通信装置20から、コピー情報を共有させる第2情報通信装置20を指定する(ステップS102)。なお、ステップS102は、以下に述べるステップS103及びステップS104の間に行ってもよい。
【0025】
第1情報通信装置10は、ユーザによる操作に基づき、コピー情報を生成する(ステップS103)。例えば、文書作成用のアプリケーションを起動して文字を入力又は作成済み文章をオープンし、範囲を選択してコピー操作を行ったり、ウェブブラウザを起動してウェブページから範囲を選択してコピー操作を行ったり、画像閲覧用のアプリケーションを起動して画像をオープン又は指定してコピー操作を行ったりすることにより、コピー情報を生成する。そして、第1情報通信装置10は、生成したコピー情報をサーバ30に送信する(ステップS104)。
【0026】
サーバ30は、ステップS104により第1情報通信装置10から送信されるコピー情報を受信し、受信したコピー情報を、ステップS102により指定された第2情報通信装置20に送信する(ステップS105)。例えば、ステップS101において第2情報通信装置20−1,20−2,20−3を登録しており、ステップS102において第2情報通信装置20−1,20−2が指定された場合には、図1に示すように、サーバ30は第2情報通信装置20−1,20−2にのみコピー情報を送信する。
【0027】
第2情報通信装置20は、ステップS105によりコピー情報を受信すると、コピー情報を記憶する(ステップS106)。第2情報通信装置20は、ユーザの操作により入力モードが選択されると(ステップS107)、ステップS106により記憶したコピー情報を表示させる(ステップS108)。ステップS108によるコピー情報の表示は、ユーザの操作によりペースト機能が呼び出された後に表示させてもよいし、入力モードが選択されると同時に自動的に表示させてもよい。ステップS108により表示されたコピー情報から所定の情報がユーザにより選択されると、選択された情報を入力情報の表示領域にペーストする。つまり、第2情報通信装置20のユーザは、コピー操作をするために別途アプリケーションを起動することなく、表示されているコピー情報からペーストしたい情報を選択するだけで、ペーストを行うことができる。
【0028】
[第2情報通信装置]
次に、本発明の一実施形態に係る第2情報通信装置について説明する。図3は、第2情報通信装置の概略構成を示すブロック図である。図3に示すように、第2情報通信装置20は、操作部21と、表示部22と、記憶部23と、通信部24と、制御部25とを備える。
【0029】
通信部24は、他の情報通信装置とネットワークを介してデータを送受信する。図1に示す情報通信システム1の例では、通信部24は、サーバ30とデータを送受信するが、第1情報通信装置10と直接データを送受信することも可能である。なお、コピー情報を外部の情報通信装置から取得せずに、第2情報通信装置20に対してユーザが操作部21から直接入力する場合には、通信部24は必須の構成ではない。
【0030】
操作部21は、キーボードやタッチパネル等の入力インターフェースであり、入力モード時には、ユーザにより操作キーが押下されることにより、あるいは、ユーザによりタッチパネルが接触されることにより、情報を入力する。
【0031】
記憶部23は、入力された各種情報や第2情報通信装置20を動作させるためのプログラム等を記憶するとともに、ワークメモリとしても機能する。また、記憶部23は、第1情報通信装置10により作成されたコピー情報、又はユーザから直接入力されるコピー情報を逐次記憶し、複数の文字列で構成されるコピー単位情報の集合体として記憶する。具体的には、第1情報通信装置10から一度に送信されるコピー情報、又はユーザから一度に入力されるコピー情報をコピー単位情報とする。例えば、第1情報通信装置10から2回にわたって、「今日は定時で帰ります。」、及び「How are you?」という情報が送信された場合、記憶部23には、「今日は定時で帰ります。」というコピー単位情報、及び「How are you?」というコピー単位情報が記憶されることになる。ただし、コピー単位情報は後に分割したり、他のコピー単位情報と接続したりすることが可能である。
【0032】
表示部22は、例えば、液晶表示パネル(LCD)や有機EL表示パネル等を用いて構成される。表示部22は、入力された入力情報を表示する入力情報表示領域221と、記憶部23に記憶されているコピー情報を表示するコピー情報表示領域222とを有する。なお、入力情報表示領域221及びコピー情報表示領域222は制御部25の制御により、表示部22上の任意の領域に設定される。
【0033】
制御部25は、操作部21、表示部22、記憶部23、及び通信部24の動作を制御する。また、制御部25は、入力情報制御部251と、コピー情報制御部252とを有する。入力情報制御部251は、入力モード(文字等を入力可能なアプリケーション)が選択されると、アプリケーションを起動し、入力された文字を表示部22の入力情報表示領域221に表示する。
【0034】
コピー情報制御部252は、入力モードが選択されると、その直後に、あるいはコピー情報を表示させる旨の操作が行われた後に、記憶部23に記憶されたコピー情報を表示部22のコピー情報表示領域222に表示させる。そして、コピー情報制御部252は、コピー情報表示領域222に表示されたコピー情報のうち、ユーザにより選択された情報を入力情報表示領域221にペーストして表示させる。これにより、選択された情報のペーストが完了する。コピー情報表示領域222に表示されたコピー情報からペーストする範囲を選択する際には、コピー単位情報で選択することができる。また、コピー単位情報の一部の情報のみを選択してペーストすることも可能である。また、コピー情報制御部252は、ユーザの指示に基づき、コピー情報表示領域222にさせるコピー情報の一部を削除したり、表示させる順番を並び替えたりすることも可能である。
【0035】
図4は、第2情報通信装置20の動作を示すフローチャートである。図1を参照して説明したように、他の情報通信装置からコピー情報を取得するか、操作部21の操作によりコピー情報を生成し、コピー情報を記憶部23に記憶する(ステップS201)。次に、入力モードが選択されると、入力情報制御部251によりアプリケーションを起動し、入力された文字を入力情報表示領域221に表示する。そして、コピー情報制御部252により、記憶部23に記憶されたコピー情報をコピー情報表示領域222に表示させる。コピー情報表示領域222に表示されたコピー情報の中から、ユーザにより特定の情報が選択されると、コピー情報制御部252により、選択された情報を入力情報表示領域221にペーストして表示させる。これにて、ペースト処理が完了する。
【0036】
従来の情報通信装置によるペースト処理と、第2情報通信装置20によるペースト処理とを比較した場合、第2情報通信装置20によるペースト処理では、従来のペースト処理時に発生する、ペーストした情報から不要部分を選択して削除する処理が不要となる。小型の情報通信装置において、不要部分の選択でユーザが所望する結果を得るには指で細かい操作が必要になる。この操作はユーザに大変な負荷をかけているため、この処理をスキップすることで操作性・利便性が向上する。
【0037】
次に、第2情報通信装置の表示部の表示例について説明する。図5は、第2情報通信装置20の表示部22の第1の表示例を示す図である。図5(a)は、メールのアプリケーションを起動し、表示部22に入力情報表示領域221を表示し、本文に「今の住所を連絡します。」と入力されている状態を示している。図5(b)は、所定の操作によりペースト機能が呼び出され、入力情報表示領域221内にコピー情報表示領域222を表示した状態を示している。コピー情報制御部252は、コピー情報表示領域222に、「川崎市宮前小台×−×−×」、「今日は定時で帰ります。」、「明日はボーリング」といったコピー情報を、コピー単位情報ごとに表示する。コピー情報表示領域222から「川崎市宮前小台×−×−×」というコピー単位情報が選択されると、図5(c)に示すように、コピー情報制御部252は、選択されたコピー単位情報を入力情報表示領域221に表示させる。
【0038】
図6は、第2情報通信装置20の表示部22の第2の表示例を示す図である。図6に示す例では、入力情報表示領域221の下に、コピー情報表示領域222を並べて表示している。なお、コピー情報表示領域222の表示はオン/オフの切り替えが可能である。蓄積されたコピー情報の量が多い場合には、コピー情報のうちの一部がコピー情報表示領域222に表示されることとなる。図8に示す例では、コピー情報として、記憶部23に「今日は定時で帰ります。」、「How are you?」、及び「○○○株式会社△△△△事業本部□□□□□統括事業部××××課」、及び「7時にたまプラーザに集合です。」というコピー単位情報が記憶(登録)されており、これらのコピー情報がコピー情報表示領域222に表示されている。なお、コピー単位情報ごとにスペースを空けて表示してもよい。
【0039】
図6に示す例では、コピー情報がコピー情報表示領域222に一度に表示できる量を超えているため、コピー情報のうち、「今日は定時で帰ります。How are you?○○○株式会社△△△△事業本部□□□□□統括事業部×」という情報がコピー情報表示領域222に表示されている。また、コピー情報表示領域222にまだ表示できない情報が存在しており、その文字列をある程度予想できるようにするために、コピー情報表示領域222の最終行に、文字列を上半分のみを表示させている。コピー情報表示領域222内に表示されていない情報は、画面をスクロールする等の操作により、コピー情報表示領域222内に表示させることができる。
【0040】
次に、コピー情報のペースト処理について説明する。コピー情報表示領域222に表示されているコピー情報のうち、所定の操作によりペーストする範囲が選択されると、コピー情報制御部252は、選択されたコピー情報を入力情報表示領域221にペーストして表示させる。ペーストする範囲の選択は、操作部21がタッチパネルで構成されている場合には、なぞることにより選択でき、表示部22がキーボードで構成されている場合には、キー操作で範囲を指定することにより選択できる。
【0041】
図7は、コピー情報表示領域222に図6に示すコピー情報が表示されているときの、ペースト操作の一例を示す図である。この例では、コピー情報のうちペーストしたい情報のみを操作体(指やペン等)でなぞることにより、ペーストする範囲を選択する。図7(a)は、入力情報表示領域221に「おはようございます。」と入力され、その後「○○○△△△△事業本部」という文字列が、指でなぞることによりペーストする範囲として選択された状態を示している。コピー情報からペーストする範囲が選択されると、図7(b)に示すように、コピー情報制御部252は、「○○○△△△△事業本部」という選択されたコピー情報を、入力情報表示領域221に表示させる。
【0042】
上述した方法に限られず、様々な方法により、コピー情報表示領域222に表示されたコピー情報からペーストさせることができる。例えば、コピー単位情報内で、選択された箇所以外の情報をペーストするようにしてもよい。この方法の場合、「○○○株式会社です」という文字列のうち、「株式会社」という文字が選択されると、コピー情報制御部252は、選択されていない「○○○です」という文字列を入力情報表示領域221に表示させる。
【0043】
なお、コピー情報制御部252は、選択される方向が左から右方向である場合も、右から左方向である場合も、同じ処理を行う。すなわち、右から左方向になぞられた場合であっても、コピー情報制御部252は、入力情報表示領域221には選択された文字列を左から右の順序に表示させる。また、コピー情報制御部252は、コピー情報から1文字ずつ選択された場合も、なぞられた場合と同様に、選択された文字を入力情報表示領域221に表示させる。また、操作部21がタッチパネルで構成される場合、コピー情報制御部252は、ユーザがコピー単位情報をタッチした後に上方向や下方向にはじく動作(フリック)をした場合に、タッチされたコピー単位情報を入力情報表示領域221表示させるようにしてもよい。
【0044】
さらに、コピー単位情報について、選択された情報をペーストするか、又は選択された情報以外をペーストするかを、それぞれ特定の動作に割り当ててユーザに指定させるようにしてもよい。図8は、ペースト操作の一例を示す図である。ここでは、コピー単位情報である「○○○株式会社です」という文字列の一部をペースト操作する例を示す。
【0045】
図8(a)は、コピー単位情報から「株式会社」が選択された状態を示している。すると、コピー情報制御部252は、図8(b)に示すように、「○○○株式会社です」という文字列を、選択された文字列である「株式会社」と、それ以外の文字列である「○○○です」とに分解する。そして、選択された文字列である「株式会社」をペーストするか、又はそれ以外の文字列である「○○○です」をペーストするかを、特定の動作に応じて判断する。例えば、図8(c)(d)に示すように、対象となるコピー情報をタッチして上方向にスライドするフリック操作がなされた場合には、「○○○です」をペーストし、対象となるコピー情報をタッチして下方向にスライドするフリック操作がなされた場合には、「株式会社」をペーストする。
【0046】
次に、コピー単位情報の分割処理について説明する。初期状態では、ユーザが一度に登録したコピー情報をコピー単位情報としている。その後、コピー情報制御部252は、ユーザの操作に基づいてコピー単位情報を分割することができる。さらに、コピー単位情報のうち、一部の情報のみ選択された場合には、コピー単位情報を複数のコピー単位情報に分割してもよい。例えば、初期状態のコピー単位情報が「○○○株式会社です」という文字列である場合に、「株式会社」をペーストしたとき、「○○○株式会社です」というコピー単位情報を、「○○○」、「株式会社」、及び「です」という3つのコピー単位情報に分割してもよい。このようにコピー単位情報を分割するか否かは、あらかじめモード設定により設定しておくことができる。
【0047】
ただし、固有名詞、住所、電話番号等比較的長くて意味的にまとまりのある文字構成を分割してしまうと、コピー情報を並べ替えた際にペースト価値が低減するおそれがある。そこで、コピー単位情報のうち、一部の情報のみを選択した場合には、コピー単位情報を分割するか否かを、それぞれ特定の動作に割り当ててユーザに指定させるようにしてもよい。図9は、コピー単位情報の分割処理の一例を示す図である。ここでは、コピー単位情報である「○○○株式会社です」という文字列の一部をペースト操作するとともに、コピー単位情報を分割する例を示す。
【0048】
図9(a)は、コピー単位情報から「○○○」及び「です」が選択された状態を示している。すると、コピー情報制御部252は、図9(b)に示すように、「○○○株式会社です」という文字列を、選択された文字列とそれ以外の文字の、「○○○」、「株式会社」、及び「です」に分解する。そして、コピー単位情報を「○○○」、「株式会社」、及び「です」の3つに分割するか、又は分割を行わないかを、特定の動作に応じて判断する。例えば、図9(c)(d)に示すように、対象となるコピー単位情報をタッチして上方向にスライドするフリック操作がなされた場合には、「○○○です」又は「株式会社」をペーストするとともにコピー単位情報を3つに分割し、対象となるコピー情報をタッチして下方向にスライドするフリック操作がなされた場合には、コピー単位情報の分割を行わず、「○○○です」又は「株式会社」をペーストする。
【0049】
次に、コピー情報の並べ替え処理について説明する。初期状態では、コピー情報制御部252は、コピー情報を作成された日時が早いものから順にコピー情報表示領域222に表示する。その後、コピー情報制御部252は、ユーザの操作に基づいてコピー単位情報ごとに並べ替えることができるが、さらに、所定の規則に従って自動でコピー単位情報を並べ替えるようにしてもよい。自動でコピー単位情報を並べ替える例を以下に幾つか示す。
【0050】
コピー単位情報の並べ替え処理の第1の例では、コピー情報制御部252は、コピー単位情報が入力情報表示領域221にペーストされると、そのコピー単位情報が現状よりも上位(例えば最上位)に表示されるように並べ替える。コピー単位情報が分割された場合には、分割後の単位で並べ替える。
【0051】
コピー単位情報の並べ替え処理の第2の例では、コピー情報制御部252は、入力情報表示領域221にペーストされた回数が多いコピー単位情報ほど上位に表示されるように並べ替える。
【0052】
コピー単位情報の並べ替え処理の第3の例では、コピー情報制御部252は、コピー単位情報の文字列の長さ(文字数)に基づいて並べ替える。例えば、文字列の長さが長いコピー単位情報ほど上位表示されるように並べ替える。
【0053】
コピー単位情報の並べ替え処理の第4の例では、コピー情報制御部252は、既に入力情報表示領域221に入力されている文字列から、次に入力される文字列を推測し、確率の高低に基づいて並べ替える。図10は、コピー情報の並べ替え処理の第4の例を示す図である。図10に示すように、入力情報表示領域221に「明日は、」と入力された場合、コピー情報制御部252は、「明日は」という文字を含み、かつ継続した文字列を含むコピー単位情報を検索する。検索条件に合致する「明日は晴れです」というコピー単位情報が見つかると、該コピー単位情報が最上位に表示されるように並べ替える。
【0054】
コピー単位情報の並べ替え処理の第5の例では、コピー情報制御部252は、重複して存在した文字列を優先的に表示する。図11は、コピー情報の並べ替え処理の第5の例を示す図である。上述したコピー単位情報の分割処理を行うと、分割した結果、コピー単位情報が重複する可能性がある。図11(a)では、「明日は」というコピー単位情報が重複して存在している。このように重複するコピー単位情報が存在する場合、コピー情報制御部252は、最も上位に表示されるコピー単位情報のみを残して他を削除する。また、図11(b)に示すように、重複したコピー単位情報は使用頻度が高いと判断し、現状よりも上位(例えば最上位)に表示されるように並べ替えてもよい。
【0055】
コピー単位情報の並べ替え処理の第6の例では、コピー情報制御部252は、名前、住所、電話番号、メールアドレス等の個人情報の入力枠の情報種別に合致するか否かに基づいて並べ替える。図12は、コピー情報の並べ替え処理の第6の例を示す図である。ウェブページ等では、個人情報を入力する機会がある。この場合、入力欄には名前、住所、電話番号、メールアドレス等、入力すべき情報の属性が指定されている。コピー情報制御部252は、入力すべき情報の属性を判別し、属性に関連するコピー単位情報を検索する。例えば、コピー単位情報を記憶部23に記憶する際に、属性も関連付けて記憶させておくことで、コピー情報制御部252は、属性に関連するコピー単位情報を検索することができる。
【0056】
図12に示すように、カーソルが「名前」の属性を有する入力欄にある場合には、コピー情報制御部252は、属性「名前」に関連付けられたコピー情報単位を検索して「○○太郎」を見つけ出し、該コピー情報単位が最上位に表示されるように並べ替える。また、コピー情報制御部252は、属性に関連付けられたコピー情報単位が存在しない場合には、入力欄に情報が入力されたときに、自動で関連付けを行うようにしてもよい。
【0057】
一度入力した文字列を内部に蓄積したり、入力に優れた大型の機器から入力情報を小型の機器へスマートに移動できる仕組みを提供したりする事で、本提案法はユーザに新しい文字入力方法を提案する事ができる。一度入力した文字列とコピーされた文字列を合わせてユーザに表示し、その中からユーザが所望する文字を抜き出し本文に反映する事で、従来の直接入力+予測変換とは別の入力方法が実現できる。従来では本提案のように文字単位で取捨選択する事ができなかったため、実現は難しかった。
【0058】
このように、本実施形態の第2情報通信装置20は、コピーすることが可能なコピー情報を記憶部23に記憶し、記憶したコピー情報をコピー情報表示領域222に表示させ、該表示させたコピー情報のうち選択された情報を入力情報表示領域221にペーストして表示させる。このため、第2情報通信装置20によれば、第2情報通信装置20において情報を入力する手間を削減することができ、かつ、ペースト操作を容易に行うことができる。かくして、情報入力の操作性に劣る情報通信装置における操作性・利便性を向上させることができるようになる。
【0059】
また、制御部25は、コピー単位情報のうちの一部の情報が選択されると、選択された情報、又は該コピー単位情報のうちの選択されなかった情報を入力情報表示領域221に表示させる。このため、コピーした単位ごとにペーストするという制約受けずに、ペースト操作を行うことができる。
【0060】
また、制御部25は、コピー単位情報のうちの一部の情報が選択されると、該コピー単位情報を選択されなかった情報と選択されなかった情報とに分割する分割手段を有する。このため、コピー単位情報を実際にペースト使用された情報の単位とし、実際の操作状況に則した単位とすることができる。
【0061】
また、制御部25は、コピー情報表示領域222に表示させるコピー単位情報の順番を並べ替える並べ替え手段を有する。並べ替え手段は、第1の例では、コピー単位情報が入力情報表示領域221にペーストされると、該コピー単位情報が現状よりも上位に表示されるように並べ替える。第2の例では、入力情報表示領域221にペーストされた回数が多いコピー単位情報ほど上位に表示されるように並べ替える。第3の例では、コピー単位情報の文字列の長さに基づいて並べ替える。第4の例では、入力情報表示領域221に入力されている文字列を含むコピー単位情報が最上位に表示されるように並べ替える。第5の例では、分割手段によりコピー単位情報を分割したことで、同一のコピー単位情報が複数存在する場合には、同一のコピー単位情報のうち、コピー情報表示領域222に最も上位に表示されるコピー単位情報のみを残して他を削除し、かつ、残したコピー単位情報が現状よりも上位に表示されるように並べ替える。第6の例では、入力情報表示領域221に入力すべき情報の属性を判別し、属性に関連するコピー単位情報が最上位に表示されるように並べ替える。このようにして、ペーストされる可能性の高いコピー単位情報を上位に表示させることができるため、ユーザはコピー情報表示領域222に表示されるコピー情報から必要な情報を探す手間を省くことができ、さらに操作性・利便性を向上させることができる。
【0062】
上述の実施形態は、代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0063】
20 第2情報通信装置
21 操作部
22 表示部
23 記憶部
24 通信部
25 制御部
221 入力情報表示領域
222 コピー情報表示領域
251 入力情報制御部
252 コピー情報制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペースト操作が可能な情報通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、あるツールで作成した文字、絵、写真等の情報を、コピー操作により一時的にバッファに蓄え、その後ペースト操作を行うことにより、同一情報を再度作成する手間を省くことが可能な、デスクトップPC、ノートPC、タブレットPC、携帯電話、スマートフォン等の様々な情報通信装置が開発されている。また、スマートフォン等の小型の情報通信装置を用いて、メール等の文書作成を行うときのユーザの利便性を向上させる技術が各種提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図13は、従来の情報通信装置におけるコピー&ペースト動作を説明するフローチャートである。操作部を操作して入力された情報をコピーし(ステップS301)、コピーした情報をペーストする(ステップS302)。このとき、ペーストした情報の一部のみが必要な情報であることがあるため、ユーザはペーストした情報のすべてが必要な情報であるか否かを判定する(ステップS303)。ペーストした情報のすべてが必要である場合には(ステップS303−Yes)、ペーストの完了となる。一方、ペーストした情報に不要な情報が含まれている場合には(ステップS303−No)、カーソルを移動させて削除部分を選択し(ステップS304)、削除を実行する必要がある(ステップS305)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−84119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術では、コピーした文字列のうち必要な部分だけをペーストすることはできなかった。そのため、ユーザは必要な部分を含むコピーされた全体の入力情報を一旦ペーストした後、上述したステップS304及びステップS305のように、不要な部分を削除して使う等の操作をするか、あるいは必要な文字列のみをそのつどコピーしなければならなかった。特に、スマートフォン等小型の情報機器においてこのような細かい情報の操作(削除する部分の選択等)を行うのは困難であり、ユーザに大きな負荷がかかり、ストレスを感じることとなる。
【0006】
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、情報入力の操作性に劣る情報通信装置の操作性・利便性を向上させることが可能な情報通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る情報通信装置は、
コピーすることが可能なコピー情報を、複数の文字列で構成されるコピー単位情報の集合体として記憶する記憶部と、
入力された入力情報を表示する入力情報表示領域、及び前記記憶部により記憶されたコピー情報を表示するコピー情報表示領域を有する表示部と、
前記記憶部により記憶されたコピー情報を前記コピー情報表示領域に表示させ、該表示させたコピー情報から選択された情報を前記入力情報表示領域にペーストして表示させる制御部と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る情報通信装置において、前記制御部は、前記コピー単位情報のうちの一部の情報が選択されると、選択された情報、又は該コピー単位情報のうちの選択されなかった情報を前記入力情報表示領域に表示させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る情報通信装置において、前記制御部は、前記コピー単位情報のうちの一部の情報が選択されると、該コピー単位情報を選択された情報と選択されなかった情報とに分割する分割手段を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る情報通信装置において、前記制御部は、前記コピー情報表示領域に表示させる前記コピー単位情報の順番を並べ替える並べ替え手段を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る情報通信装置において、前記並べ替え手段は、前記コピー単位情報が前記入力情報表示領域にペーストされると、該コピー単位情報が現状よりも上位に表示されるように並べ替えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る情報通信装置において、前記並べ替え手段は、前記入力情報表示領域にペーストされた回数が多いコピー単位情報ほど上位に表示されるように並べ替えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る情報通信装置において、前記並べ替え手段は、コピー単位情報の文字列の長さに基づいて並べ替えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る情報通信装置において、前記並べ替え手段は、前記入力情報表示領域に入力されている文字列を含むコピー単位情報が最上位に表示されるように並べ替えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る情報通信装置において、前記並べ替え手段は、前記分割手段によりコピー単位情報を分割したことで、同一のコピー単位情報が複数存在する場合には、同一のコピー単位情報のうち、前記コピー情報表示領域に最も上位に表示されるコピー単位情報のみを残して他を削除し、かつ、残したコピー単位情報が現状よりも上位に表示されるように並べ替えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る情報通信装置において、前記並べ替え手段は、前記入力情報表示領域に入力すべき情報の属性を判別し、属性に関連するコピー単位情報が最上位に表示されるように並べ替えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、文字列を入力して本文を構成するのではなく、過去に入力した文字列を再利用して本文を構成するという新しい文字入力のスタイルを確立し、入力操作を大幅に簡易化することができる。かくして、情報入力の操作性に劣る情報通信装置における操作性・利便性を向上させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る第2情報通信装置を備える情報通信装置システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る第2情報通信装置を備える情報通信システムの動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態に係る第2情報通信装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る第2情報通信装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係る第2情報通信装置の表示部の表示例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る第2情報通信装置の表示部の表示例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る第2情報通信装置のペースト操作の一例を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る第2情報通信装置のペースト操作の一例を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る第2情報通信装置の分割処理の一例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る第2情報通信装置のコピー情報の並べ替え処理の一例を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る第2情報通信装置のコピー情報の並べ替え処理の一例を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る第2情報通信装置のコピー情報の並べ替え処理の一例を示す図である。
【図13】従来の情報通信装置におけるコピー&ペースト動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明による情報通信装置は、コピー可能な情報(以下、「コピー情報」という。)を表示部に表示し、表示されたコピー情報からペーストする情報を選択することができる。コピー情報はあらかじめ記憶しておく必要がある。情報入力の操作性に劣る情報通信装置では、コピー情報を入力して作成するのに手間がかかる。そのため、本発明による情報通信装置は、情報入力の操作性に優れた他の情報通信装置からコピー情報を取得するように構成することも可能である。
【0020】
[情報通信システム]
本発明による情報通信装置を、情報入力の操作性に優れた他の情報通信装置からコピー情報を取得するように構成した場合における、情報通信システムについて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る情報通信装置を備える情報通信装置システムの概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、情報通信システム1は、第1情報通信装置10と、本発明の一実施形態に係る1以上の第2情報通信装置20と、サーバ30とを備える。図1では、3つの第2情報通信装置20−1,20−2,20−3を示している。
【0021】
第1情報通信装置10は、デスクトップPC、ノートPC等、第2情報通信装置20と比較して入力操作を行うのに十分な大きさの入力インターフェースを備え、情報入力の操作性に優れた情報通信装置である。第1情報通信装置10は、入力された入力情報(文字、画像、又は写真等)をコピーして、コピー情報を生成する。コピー情報は、第1情報通信装置10に一時的に記憶される。そして、第1情報通信装置10は、コピー情報をサーバ30に送信する。
【0022】
サーバ30は、第1情報通信装置10、及び第2情報通信装置20と接続され、第1情報通信装置10、及び第2情報通信装置20からアクセス可能な共有サーバである。サーバ30は、第1情報通信装置10から受信したコピー情報を第2情報通信装置20に送信する。なお、本実施形態では、第1情報通信装置10がサーバ30を介してコピー情報を第2情報通信装置20に送信する例について説明するが、サーバ30を設けずに、赤外線やブルートゥースによる無線通信等により、第1情報通信装置10がコピー情報を第2情報通信装置20に直接送信するようにしてもよい。
【0023】
第2情報通信装置20は、タブレットPC、携帯電話、スマートフォン等、第1情報通信装置10と比較して入力インターフェースが小さく、情報入力の操作性に劣る小型の情報通信装置である。本発明は文字、画像、写真等を入力・表示可能なアプリケーションを起動(以下、該アプリケーションを起動させるモードを「入力モード」ともいう。)した際におけるペースト処理に特徴があるため、以下では、入力モードを中心に説明するが、第2情報通信装置20は、電話、ゲーム、音楽視聴、インターネット接続等、用途に応じた様々なアプリケーションを有することができる。詳細は後述するが、第2情報通信装置20は、入力モードが選択されると、サーバ30から受信したコピー情報を表示する。ユーザは、コピー情報から特定の情報を選択することによりペーストすることができる。なお、第1情報通信装置10と第2情報通信装置20のユーザは、必ずしも同一である必要はない。
【0024】
次に、このように構成される情報通信システム1の動作について、図2を参照して説明する。図2は、情報通信システムの動作を示すフローチャートである。まず、サーバ30は、ユーザによる操作に基づき、コピー情報を共有可能な1以上の第2情報通信装置20を登録する(ステップS101)。第1情報通信装置10は、ユーザによる操作に基づき、ステップS101により登録されている1以上の第2情報通信装置20から、コピー情報を共有させる第2情報通信装置20を指定する(ステップS102)。なお、ステップS102は、以下に述べるステップS103及びステップS104の間に行ってもよい。
【0025】
第1情報通信装置10は、ユーザによる操作に基づき、コピー情報を生成する(ステップS103)。例えば、文書作成用のアプリケーションを起動して文字を入力又は作成済み文章をオープンし、範囲を選択してコピー操作を行ったり、ウェブブラウザを起動してウェブページから範囲を選択してコピー操作を行ったり、画像閲覧用のアプリケーションを起動して画像をオープン又は指定してコピー操作を行ったりすることにより、コピー情報を生成する。そして、第1情報通信装置10は、生成したコピー情報をサーバ30に送信する(ステップS104)。
【0026】
サーバ30は、ステップS104により第1情報通信装置10から送信されるコピー情報を受信し、受信したコピー情報を、ステップS102により指定された第2情報通信装置20に送信する(ステップS105)。例えば、ステップS101において第2情報通信装置20−1,20−2,20−3を登録しており、ステップS102において第2情報通信装置20−1,20−2が指定された場合には、図1に示すように、サーバ30は第2情報通信装置20−1,20−2にのみコピー情報を送信する。
【0027】
第2情報通信装置20は、ステップS105によりコピー情報を受信すると、コピー情報を記憶する(ステップS106)。第2情報通信装置20は、ユーザの操作により入力モードが選択されると(ステップS107)、ステップS106により記憶したコピー情報を表示させる(ステップS108)。ステップS108によるコピー情報の表示は、ユーザの操作によりペースト機能が呼び出された後に表示させてもよいし、入力モードが選択されると同時に自動的に表示させてもよい。ステップS108により表示されたコピー情報から所定の情報がユーザにより選択されると、選択された情報を入力情報の表示領域にペーストする。つまり、第2情報通信装置20のユーザは、コピー操作をするために別途アプリケーションを起動することなく、表示されているコピー情報からペーストしたい情報を選択するだけで、ペーストを行うことができる。
【0028】
[第2情報通信装置]
次に、本発明の一実施形態に係る第2情報通信装置について説明する。図3は、第2情報通信装置の概略構成を示すブロック図である。図3に示すように、第2情報通信装置20は、操作部21と、表示部22と、記憶部23と、通信部24と、制御部25とを備える。
【0029】
通信部24は、他の情報通信装置とネットワークを介してデータを送受信する。図1に示す情報通信システム1の例では、通信部24は、サーバ30とデータを送受信するが、第1情報通信装置10と直接データを送受信することも可能である。なお、コピー情報を外部の情報通信装置から取得せずに、第2情報通信装置20に対してユーザが操作部21から直接入力する場合には、通信部24は必須の構成ではない。
【0030】
操作部21は、キーボードやタッチパネル等の入力インターフェースであり、入力モード時には、ユーザにより操作キーが押下されることにより、あるいは、ユーザによりタッチパネルが接触されることにより、情報を入力する。
【0031】
記憶部23は、入力された各種情報や第2情報通信装置20を動作させるためのプログラム等を記憶するとともに、ワークメモリとしても機能する。また、記憶部23は、第1情報通信装置10により作成されたコピー情報、又はユーザから直接入力されるコピー情報を逐次記憶し、複数の文字列で構成されるコピー単位情報の集合体として記憶する。具体的には、第1情報通信装置10から一度に送信されるコピー情報、又はユーザから一度に入力されるコピー情報をコピー単位情報とする。例えば、第1情報通信装置10から2回にわたって、「今日は定時で帰ります。」、及び「How are you?」という情報が送信された場合、記憶部23には、「今日は定時で帰ります。」というコピー単位情報、及び「How are you?」というコピー単位情報が記憶されることになる。ただし、コピー単位情報は後に分割したり、他のコピー単位情報と接続したりすることが可能である。
【0032】
表示部22は、例えば、液晶表示パネル(LCD)や有機EL表示パネル等を用いて構成される。表示部22は、入力された入力情報を表示する入力情報表示領域221と、記憶部23に記憶されているコピー情報を表示するコピー情報表示領域222とを有する。なお、入力情報表示領域221及びコピー情報表示領域222は制御部25の制御により、表示部22上の任意の領域に設定される。
【0033】
制御部25は、操作部21、表示部22、記憶部23、及び通信部24の動作を制御する。また、制御部25は、入力情報制御部251と、コピー情報制御部252とを有する。入力情報制御部251は、入力モード(文字等を入力可能なアプリケーション)が選択されると、アプリケーションを起動し、入力された文字を表示部22の入力情報表示領域221に表示する。
【0034】
コピー情報制御部252は、入力モードが選択されると、その直後に、あるいはコピー情報を表示させる旨の操作が行われた後に、記憶部23に記憶されたコピー情報を表示部22のコピー情報表示領域222に表示させる。そして、コピー情報制御部252は、コピー情報表示領域222に表示されたコピー情報のうち、ユーザにより選択された情報を入力情報表示領域221にペーストして表示させる。これにより、選択された情報のペーストが完了する。コピー情報表示領域222に表示されたコピー情報からペーストする範囲を選択する際には、コピー単位情報で選択することができる。また、コピー単位情報の一部の情報のみを選択してペーストすることも可能である。また、コピー情報制御部252は、ユーザの指示に基づき、コピー情報表示領域222にさせるコピー情報の一部を削除したり、表示させる順番を並び替えたりすることも可能である。
【0035】
図4は、第2情報通信装置20の動作を示すフローチャートである。図1を参照して説明したように、他の情報通信装置からコピー情報を取得するか、操作部21の操作によりコピー情報を生成し、コピー情報を記憶部23に記憶する(ステップS201)。次に、入力モードが選択されると、入力情報制御部251によりアプリケーションを起動し、入力された文字を入力情報表示領域221に表示する。そして、コピー情報制御部252により、記憶部23に記憶されたコピー情報をコピー情報表示領域222に表示させる。コピー情報表示領域222に表示されたコピー情報の中から、ユーザにより特定の情報が選択されると、コピー情報制御部252により、選択された情報を入力情報表示領域221にペーストして表示させる。これにて、ペースト処理が完了する。
【0036】
従来の情報通信装置によるペースト処理と、第2情報通信装置20によるペースト処理とを比較した場合、第2情報通信装置20によるペースト処理では、従来のペースト処理時に発生する、ペーストした情報から不要部分を選択して削除する処理が不要となる。小型の情報通信装置において、不要部分の選択でユーザが所望する結果を得るには指で細かい操作が必要になる。この操作はユーザに大変な負荷をかけているため、この処理をスキップすることで操作性・利便性が向上する。
【0037】
次に、第2情報通信装置の表示部の表示例について説明する。図5は、第2情報通信装置20の表示部22の第1の表示例を示す図である。図5(a)は、メールのアプリケーションを起動し、表示部22に入力情報表示領域221を表示し、本文に「今の住所を連絡します。」と入力されている状態を示している。図5(b)は、所定の操作によりペースト機能が呼び出され、入力情報表示領域221内にコピー情報表示領域222を表示した状態を示している。コピー情報制御部252は、コピー情報表示領域222に、「川崎市宮前小台×−×−×」、「今日は定時で帰ります。」、「明日はボーリング」といったコピー情報を、コピー単位情報ごとに表示する。コピー情報表示領域222から「川崎市宮前小台×−×−×」というコピー単位情報が選択されると、図5(c)に示すように、コピー情報制御部252は、選択されたコピー単位情報を入力情報表示領域221に表示させる。
【0038】
図6は、第2情報通信装置20の表示部22の第2の表示例を示す図である。図6に示す例では、入力情報表示領域221の下に、コピー情報表示領域222を並べて表示している。なお、コピー情報表示領域222の表示はオン/オフの切り替えが可能である。蓄積されたコピー情報の量が多い場合には、コピー情報のうちの一部がコピー情報表示領域222に表示されることとなる。図8に示す例では、コピー情報として、記憶部23に「今日は定時で帰ります。」、「How are you?」、及び「○○○株式会社△△△△事業本部□□□□□統括事業部××××課」、及び「7時にたまプラーザに集合です。」というコピー単位情報が記憶(登録)されており、これらのコピー情報がコピー情報表示領域222に表示されている。なお、コピー単位情報ごとにスペースを空けて表示してもよい。
【0039】
図6に示す例では、コピー情報がコピー情報表示領域222に一度に表示できる量を超えているため、コピー情報のうち、「今日は定時で帰ります。How are you?○○○株式会社△△△△事業本部□□□□□統括事業部×」という情報がコピー情報表示領域222に表示されている。また、コピー情報表示領域222にまだ表示できない情報が存在しており、その文字列をある程度予想できるようにするために、コピー情報表示領域222の最終行に、文字列を上半分のみを表示させている。コピー情報表示領域222内に表示されていない情報は、画面をスクロールする等の操作により、コピー情報表示領域222内に表示させることができる。
【0040】
次に、コピー情報のペースト処理について説明する。コピー情報表示領域222に表示されているコピー情報のうち、所定の操作によりペーストする範囲が選択されると、コピー情報制御部252は、選択されたコピー情報を入力情報表示領域221にペーストして表示させる。ペーストする範囲の選択は、操作部21がタッチパネルで構成されている場合には、なぞることにより選択でき、表示部22がキーボードで構成されている場合には、キー操作で範囲を指定することにより選択できる。
【0041】
図7は、コピー情報表示領域222に図6に示すコピー情報が表示されているときの、ペースト操作の一例を示す図である。この例では、コピー情報のうちペーストしたい情報のみを操作体(指やペン等)でなぞることにより、ペーストする範囲を選択する。図7(a)は、入力情報表示領域221に「おはようございます。」と入力され、その後「○○○△△△△事業本部」という文字列が、指でなぞることによりペーストする範囲として選択された状態を示している。コピー情報からペーストする範囲が選択されると、図7(b)に示すように、コピー情報制御部252は、「○○○△△△△事業本部」という選択されたコピー情報を、入力情報表示領域221に表示させる。
【0042】
上述した方法に限られず、様々な方法により、コピー情報表示領域222に表示されたコピー情報からペーストさせることができる。例えば、コピー単位情報内で、選択された箇所以外の情報をペーストするようにしてもよい。この方法の場合、「○○○株式会社です」という文字列のうち、「株式会社」という文字が選択されると、コピー情報制御部252は、選択されていない「○○○です」という文字列を入力情報表示領域221に表示させる。
【0043】
なお、コピー情報制御部252は、選択される方向が左から右方向である場合も、右から左方向である場合も、同じ処理を行う。すなわち、右から左方向になぞられた場合であっても、コピー情報制御部252は、入力情報表示領域221には選択された文字列を左から右の順序に表示させる。また、コピー情報制御部252は、コピー情報から1文字ずつ選択された場合も、なぞられた場合と同様に、選択された文字を入力情報表示領域221に表示させる。また、操作部21がタッチパネルで構成される場合、コピー情報制御部252は、ユーザがコピー単位情報をタッチした後に上方向や下方向にはじく動作(フリック)をした場合に、タッチされたコピー単位情報を入力情報表示領域221表示させるようにしてもよい。
【0044】
さらに、コピー単位情報について、選択された情報をペーストするか、又は選択された情報以外をペーストするかを、それぞれ特定の動作に割り当ててユーザに指定させるようにしてもよい。図8は、ペースト操作の一例を示す図である。ここでは、コピー単位情報である「○○○株式会社です」という文字列の一部をペースト操作する例を示す。
【0045】
図8(a)は、コピー単位情報から「株式会社」が選択された状態を示している。すると、コピー情報制御部252は、図8(b)に示すように、「○○○株式会社です」という文字列を、選択された文字列である「株式会社」と、それ以外の文字列である「○○○です」とに分解する。そして、選択された文字列である「株式会社」をペーストするか、又はそれ以外の文字列である「○○○です」をペーストするかを、特定の動作に応じて判断する。例えば、図8(c)(d)に示すように、対象となるコピー情報をタッチして上方向にスライドするフリック操作がなされた場合には、「○○○です」をペーストし、対象となるコピー情報をタッチして下方向にスライドするフリック操作がなされた場合には、「株式会社」をペーストする。
【0046】
次に、コピー単位情報の分割処理について説明する。初期状態では、ユーザが一度に登録したコピー情報をコピー単位情報としている。その後、コピー情報制御部252は、ユーザの操作に基づいてコピー単位情報を分割することができる。さらに、コピー単位情報のうち、一部の情報のみ選択された場合には、コピー単位情報を複数のコピー単位情報に分割してもよい。例えば、初期状態のコピー単位情報が「○○○株式会社です」という文字列である場合に、「株式会社」をペーストしたとき、「○○○株式会社です」というコピー単位情報を、「○○○」、「株式会社」、及び「です」という3つのコピー単位情報に分割してもよい。このようにコピー単位情報を分割するか否かは、あらかじめモード設定により設定しておくことができる。
【0047】
ただし、固有名詞、住所、電話番号等比較的長くて意味的にまとまりのある文字構成を分割してしまうと、コピー情報を並べ替えた際にペースト価値が低減するおそれがある。そこで、コピー単位情報のうち、一部の情報のみを選択した場合には、コピー単位情報を分割するか否かを、それぞれ特定の動作に割り当ててユーザに指定させるようにしてもよい。図9は、コピー単位情報の分割処理の一例を示す図である。ここでは、コピー単位情報である「○○○株式会社です」という文字列の一部をペースト操作するとともに、コピー単位情報を分割する例を示す。
【0048】
図9(a)は、コピー単位情報から「○○○」及び「です」が選択された状態を示している。すると、コピー情報制御部252は、図9(b)に示すように、「○○○株式会社です」という文字列を、選択された文字列とそれ以外の文字の、「○○○」、「株式会社」、及び「です」に分解する。そして、コピー単位情報を「○○○」、「株式会社」、及び「です」の3つに分割するか、又は分割を行わないかを、特定の動作に応じて判断する。例えば、図9(c)(d)に示すように、対象となるコピー単位情報をタッチして上方向にスライドするフリック操作がなされた場合には、「○○○です」又は「株式会社」をペーストするとともにコピー単位情報を3つに分割し、対象となるコピー情報をタッチして下方向にスライドするフリック操作がなされた場合には、コピー単位情報の分割を行わず、「○○○です」又は「株式会社」をペーストする。
【0049】
次に、コピー情報の並べ替え処理について説明する。初期状態では、コピー情報制御部252は、コピー情報を作成された日時が早いものから順にコピー情報表示領域222に表示する。その後、コピー情報制御部252は、ユーザの操作に基づいてコピー単位情報ごとに並べ替えることができるが、さらに、所定の規則に従って自動でコピー単位情報を並べ替えるようにしてもよい。自動でコピー単位情報を並べ替える例を以下に幾つか示す。
【0050】
コピー単位情報の並べ替え処理の第1の例では、コピー情報制御部252は、コピー単位情報が入力情報表示領域221にペーストされると、そのコピー単位情報が現状よりも上位(例えば最上位)に表示されるように並べ替える。コピー単位情報が分割された場合には、分割後の単位で並べ替える。
【0051】
コピー単位情報の並べ替え処理の第2の例では、コピー情報制御部252は、入力情報表示領域221にペーストされた回数が多いコピー単位情報ほど上位に表示されるように並べ替える。
【0052】
コピー単位情報の並べ替え処理の第3の例では、コピー情報制御部252は、コピー単位情報の文字列の長さ(文字数)に基づいて並べ替える。例えば、文字列の長さが長いコピー単位情報ほど上位表示されるように並べ替える。
【0053】
コピー単位情報の並べ替え処理の第4の例では、コピー情報制御部252は、既に入力情報表示領域221に入力されている文字列から、次に入力される文字列を推測し、確率の高低に基づいて並べ替える。図10は、コピー情報の並べ替え処理の第4の例を示す図である。図10に示すように、入力情報表示領域221に「明日は、」と入力された場合、コピー情報制御部252は、「明日は」という文字を含み、かつ継続した文字列を含むコピー単位情報を検索する。検索条件に合致する「明日は晴れです」というコピー単位情報が見つかると、該コピー単位情報が最上位に表示されるように並べ替える。
【0054】
コピー単位情報の並べ替え処理の第5の例では、コピー情報制御部252は、重複して存在した文字列を優先的に表示する。図11は、コピー情報の並べ替え処理の第5の例を示す図である。上述したコピー単位情報の分割処理を行うと、分割した結果、コピー単位情報が重複する可能性がある。図11(a)では、「明日は」というコピー単位情報が重複して存在している。このように重複するコピー単位情報が存在する場合、コピー情報制御部252は、最も上位に表示されるコピー単位情報のみを残して他を削除する。また、図11(b)に示すように、重複したコピー単位情報は使用頻度が高いと判断し、現状よりも上位(例えば最上位)に表示されるように並べ替えてもよい。
【0055】
コピー単位情報の並べ替え処理の第6の例では、コピー情報制御部252は、名前、住所、電話番号、メールアドレス等の個人情報の入力枠の情報種別に合致するか否かに基づいて並べ替える。図12は、コピー情報の並べ替え処理の第6の例を示す図である。ウェブページ等では、個人情報を入力する機会がある。この場合、入力欄には名前、住所、電話番号、メールアドレス等、入力すべき情報の属性が指定されている。コピー情報制御部252は、入力すべき情報の属性を判別し、属性に関連するコピー単位情報を検索する。例えば、コピー単位情報を記憶部23に記憶する際に、属性も関連付けて記憶させておくことで、コピー情報制御部252は、属性に関連するコピー単位情報を検索することができる。
【0056】
図12に示すように、カーソルが「名前」の属性を有する入力欄にある場合には、コピー情報制御部252は、属性「名前」に関連付けられたコピー情報単位を検索して「○○太郎」を見つけ出し、該コピー情報単位が最上位に表示されるように並べ替える。また、コピー情報制御部252は、属性に関連付けられたコピー情報単位が存在しない場合には、入力欄に情報が入力されたときに、自動で関連付けを行うようにしてもよい。
【0057】
一度入力した文字列を内部に蓄積したり、入力に優れた大型の機器から入力情報を小型の機器へスマートに移動できる仕組みを提供したりする事で、本提案法はユーザに新しい文字入力方法を提案する事ができる。一度入力した文字列とコピーされた文字列を合わせてユーザに表示し、その中からユーザが所望する文字を抜き出し本文に反映する事で、従来の直接入力+予測変換とは別の入力方法が実現できる。従来では本提案のように文字単位で取捨選択する事ができなかったため、実現は難しかった。
【0058】
このように、本実施形態の第2情報通信装置20は、コピーすることが可能なコピー情報を記憶部23に記憶し、記憶したコピー情報をコピー情報表示領域222に表示させ、該表示させたコピー情報のうち選択された情報を入力情報表示領域221にペーストして表示させる。このため、第2情報通信装置20によれば、第2情報通信装置20において情報を入力する手間を削減することができ、かつ、ペースト操作を容易に行うことができる。かくして、情報入力の操作性に劣る情報通信装置における操作性・利便性を向上させることができるようになる。
【0059】
また、制御部25は、コピー単位情報のうちの一部の情報が選択されると、選択された情報、又は該コピー単位情報のうちの選択されなかった情報を入力情報表示領域221に表示させる。このため、コピーした単位ごとにペーストするという制約受けずに、ペースト操作を行うことができる。
【0060】
また、制御部25は、コピー単位情報のうちの一部の情報が選択されると、該コピー単位情報を選択されなかった情報と選択されなかった情報とに分割する分割手段を有する。このため、コピー単位情報を実際にペースト使用された情報の単位とし、実際の操作状況に則した単位とすることができる。
【0061】
また、制御部25は、コピー情報表示領域222に表示させるコピー単位情報の順番を並べ替える並べ替え手段を有する。並べ替え手段は、第1の例では、コピー単位情報が入力情報表示領域221にペーストされると、該コピー単位情報が現状よりも上位に表示されるように並べ替える。第2の例では、入力情報表示領域221にペーストされた回数が多いコピー単位情報ほど上位に表示されるように並べ替える。第3の例では、コピー単位情報の文字列の長さに基づいて並べ替える。第4の例では、入力情報表示領域221に入力されている文字列を含むコピー単位情報が最上位に表示されるように並べ替える。第5の例では、分割手段によりコピー単位情報を分割したことで、同一のコピー単位情報が複数存在する場合には、同一のコピー単位情報のうち、コピー情報表示領域222に最も上位に表示されるコピー単位情報のみを残して他を削除し、かつ、残したコピー単位情報が現状よりも上位に表示されるように並べ替える。第6の例では、入力情報表示領域221に入力すべき情報の属性を判別し、属性に関連するコピー単位情報が最上位に表示されるように並べ替える。このようにして、ペーストされる可能性の高いコピー単位情報を上位に表示させることができるため、ユーザはコピー情報表示領域222に表示されるコピー情報から必要な情報を探す手間を省くことができ、さらに操作性・利便性を向上させることができる。
【0062】
上述の実施形態は、代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0063】
20 第2情報通信装置
21 操作部
22 表示部
23 記憶部
24 通信部
25 制御部
221 入力情報表示領域
222 コピー情報表示領域
251 入力情報制御部
252 コピー情報制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コピーすることが可能なコピー情報を、複数の文字列で構成されるコピー単位情報の集合体として記憶する記憶部と、
入力された入力情報を表示する入力情報表示領域、及び前記記憶部により記憶されたコピー情報を表示するコピー情報表示領域を有する表示部と、
前記記憶部により記憶されたコピー情報を前記コピー情報表示領域に表示させ、該表示させたコピー情報から選択された情報を前記入力情報表示領域にペーストして表示させる制御部と、
を備えることを特徴とする情報通信装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記コピー単位情報のうちの一部の情報が選択されると、選択された情報、又は該コピー単位情報のうちの選択されなかった情報を前記入力情報表示領域に表示させることを特徴とする、請求項1に記載の情報通信装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記コピー単位情報のうちの一部の情報が選択されると、該コピー単位情報を選択された情報と選択されなかった情報とに分割する分割手段を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の情報通信装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記コピー情報表示領域に表示させる前記コピー単位情報の順番を並べ替える並べ替え手段を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の情報通信装置。
【請求項5】
前記並べ替え手段は、前記コピー単位情報が前記入力情報表示領域にペーストされると、該コピー単位情報が現状よりも上位に表示されるように並べ替えることを特徴とする、請求項4に記載の情報通信装置。
【請求項6】
前記並べ替え手段は、前記入力情報表示領域にペーストされた回数が多いコピー単位情報ほど上位に表示されるように並べ替えることを特徴とする、請求項4に記載の情報通信装置。
【請求項7】
前記並べ替え手段は、コピー単位情報の文字列の長さに基づいて並べ替えることを特徴とする、請求項4に記載の情報通信装置。
【請求項8】
前記並べ替え手段は、前記入力情報表示領域に入力されている文字列を含むコピー単位情報が最上位に表示されるように並べ替えることを特徴とする、請求項4に記載の情報通信装置。
【請求項9】
前記並べ替え手段は、前記分割手段によりコピー単位情報を分割したことで、同一のコピー単位情報が複数存在する場合には、同一のコピー単位情報のうち、前記コピー情報表示領域に最も上位に表示されるコピー単位情報のみを残して他を削除し、かつ、残したコピー単位情報が現状よりも上位に表示されるように並べ替えることを特徴とする、請求項4に記載の情報通信装置。
【請求項10】
前記並べ替え手段は、前記入力情報表示領域に入力すべき情報の属性を判別し、属性に関連するコピー単位情報が最上位に表示されるように並べ替えることを特徴とする、請求項4に記載の情報通信装置。
【請求項1】
コピーすることが可能なコピー情報を、複数の文字列で構成されるコピー単位情報の集合体として記憶する記憶部と、
入力された入力情報を表示する入力情報表示領域、及び前記記憶部により記憶されたコピー情報を表示するコピー情報表示領域を有する表示部と、
前記記憶部により記憶されたコピー情報を前記コピー情報表示領域に表示させ、該表示させたコピー情報から選択された情報を前記入力情報表示領域にペーストして表示させる制御部と、
を備えることを特徴とする情報通信装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記コピー単位情報のうちの一部の情報が選択されると、選択された情報、又は該コピー単位情報のうちの選択されなかった情報を前記入力情報表示領域に表示させることを特徴とする、請求項1に記載の情報通信装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記コピー単位情報のうちの一部の情報が選択されると、該コピー単位情報を選択された情報と選択されなかった情報とに分割する分割手段を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の情報通信装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記コピー情報表示領域に表示させる前記コピー単位情報の順番を並べ替える並べ替え手段を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の情報通信装置。
【請求項5】
前記並べ替え手段は、前記コピー単位情報が前記入力情報表示領域にペーストされると、該コピー単位情報が現状よりも上位に表示されるように並べ替えることを特徴とする、請求項4に記載の情報通信装置。
【請求項6】
前記並べ替え手段は、前記入力情報表示領域にペーストされた回数が多いコピー単位情報ほど上位に表示されるように並べ替えることを特徴とする、請求項4に記載の情報通信装置。
【請求項7】
前記並べ替え手段は、コピー単位情報の文字列の長さに基づいて並べ替えることを特徴とする、請求項4に記載の情報通信装置。
【請求項8】
前記並べ替え手段は、前記入力情報表示領域に入力されている文字列を含むコピー単位情報が最上位に表示されるように並べ替えることを特徴とする、請求項4に記載の情報通信装置。
【請求項9】
前記並べ替え手段は、前記分割手段によりコピー単位情報を分割したことで、同一のコピー単位情報が複数存在する場合には、同一のコピー単位情報のうち、前記コピー情報表示領域に最も上位に表示されるコピー単位情報のみを残して他を削除し、かつ、残したコピー単位情報が現状よりも上位に表示されるように並べ替えることを特徴とする、請求項4に記載の情報通信装置。
【請求項10】
前記並べ替え手段は、前記入力情報表示領域に入力すべき情報の属性を判別し、属性に関連するコピー単位情報が最上位に表示されるように並べ替えることを特徴とする、請求項4に記載の情報通信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−114426(P2013−114426A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259577(P2011−259577)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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