説明

情報閲覧システム及びサーバ装置

【課題】ユーザが望む閲覧形態を取ることが可能で、しかもその閲覧形態通りに閲覧が行われているか否かを確認できるようにした情報閲覧システムを提供する。
【解決手段】情報閲覧システムS1は、所定のデータ情報を蓄積するデータ情報DB110を備えたサーバ装置11と、データ情報の閲覧者を指定することができる第1のクライアント端末機12と、この第1のクライアント端末機12によりデータ情報の閲覧者として指定される端末機である第2のクライアント端末機13とを備え、これらがインターネットを介して相互接続されてなる。第2のクライアント端末機13がデータ情報DB110を閲覧すると、その閲覧履歴データが閲覧履歴DB115に記録される。第1のクライアント端末機12は、前記閲覧履歴データをチェックすることで、自らの指定にかかる第2のクライアント端末機13がデータ情報を閲覧しているか否かを確認できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置に蓄積される所定のデータ情報の閲覧者を指定できると共に、指定された閲覧者が実際に閲覧を行ったか否かを確認できるようにした情報閲覧システム及びサーバ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
医療分野の情報化や、地域における医療連携の推進のために、「電子カルテシステム」の標準化、普及に向けた取り組みが進められている。電子カルテシステムは、各種病院や診療所等で広く利用されているが、多くのシステムが院内或いは医療提携している医師、看護師等にその利用、閲覧が制限されている。従って、医療行為を受けるユーザ自身が、電子カルテシステムにアクセスして自らの情報を閲覧することが出来ないという問題がある。
【0003】
一方、データセンター等にサーバ装置を設置し、ユーザについて在宅で定期的に測定されるバイタル情報(毎日の健康管理データ、健康診断データ等)や医療機関等での健康診断情報を、ユーザ自身がインターネット等を介して管理、閲覧できる機能を有する「健康管理システム」が知られている。例えば特許文献1には、受診者、診察部及び検査部を接続したコンピュータネットワーク上で診察情報や検査情報を入力して記憶させ、診察結果情報を認証確認が為された受診者に提示するシステムが提案されている。また、ユーザが日々の健康管理データをインターネット上で管理するネット管理システムも開発されている。
【特許文献1】特開2002−109072号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の健康管理システムでは、ユーザについてのバイタル情報を閲覧できる権限を当該健康管理システムのシステム管理者が設定する運用が為されている。このため、ユーザが意図しない閲覧者にバイタル情報が閲覧されてしまったり、逆に閲覧を希望する医師等には閲覧権限が与えられなかったりというように、ユーザが望む閲覧形態を取ることが困難であるという不具合があった。さらに、希望する医師等に閲覧権限が与えられた場合でも、その医師等が実際にユーザのバイタル情報を閲覧しているのか否か(これは医療判断を行う前提となる)を確認することができないという問題があった。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、ユーザが望む閲覧形態を取ることが可能で、しかもその閲覧形態通りに閲覧が行われているか否かを確認できるようにした情報閲覧システム及びサーバ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る情報閲覧システムは、所定のデータ情報を蓄積するデータベースと、前記データ情報の閲覧者の指定を受け付けて記憶する閲覧者指定テーブル記憶部と、前記閲覧者による前記データ情報の閲覧履歴データを記憶する閲覧履歴記憶部とを有するサーバ装置と、前記サーバ装置と所定の通信ネットワークを介して接続され、前記閲覧者指定テーブル記憶部に対して閲覧者の指定入力を行うことが可能とされていると共に、前記閲覧履歴記憶部に記憶されている閲覧履歴データを確認することが可能とされた第1のクライアント端末機と、前記サーバ装置と所定の通信ネットワークを介して接続され、前記第1のクライアント端末機により閲覧者として指定される端末機であって、前記データベースに蓄積されているデータ情報を閲覧した場合にその閲覧履歴が前記閲覧履歴記憶部に記憶される第2のクライアント端末機とを具備することを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、第1のクライアント端末機から与えられる指定入力により、サーバ装置に蓄積されたデータ情報の閲覧者(第2のクライアント端末機)が指定される。そして、第2のクライアント端末機がデータ情報を閲覧した場合、その閲覧履歴データが閲覧履歴記憶部に記憶される。従って、第1のクライアント端末機を保有するユーザは、前記閲覧履歴記憶部にアクセスすることにより、自らの指定にかかる第2のクライアント端末機からデータ情報の閲覧が実行されたか否かを確認することができる。
【0008】
上記構成において、前記データベースは、所定のデータ種別単位でデータ情報を蓄積するものであって、前記閲覧者指定テーブル記憶部は、前記データ種別単位で閲覧者の指定を受け付けるものであり、前記第2のクライアント端末機は、前記データベースに蓄積されているデータ情報のうち、指定された前記データ種別にかかるデータ情報のみが閲覧可能とされていることが望ましい(請求項2)。
【0009】
この構成によれば、第1のクライアント端末機からデータベース中の所定のデータ種別単位でデータ情報の閲覧指定が与えられ、第2のクライアント端末機はその指定されたデータ種別にかかるデータ情報のみが閲覧できる。従って、第2のクライアント端末機が閲覧できるデータ情報の範囲を、自在に制限できるようになる。
【0010】
この場合、前記データ種別が、前記第1のクライアント端末機に対応付けられた個人情報の単位で区画されたものであることが望ましい(請求項3)。この構成によれば、例えば第1のクライアント端末機を保有しているユーザ或いはその家族等の個人情報について、ユーザが望む者(例えば医療分野の場合は、かかりつけの医師、看護師、介護士、メディカルアドバイザリーセクション等)に保有されている第2のクライアント端末機に対して閲覧指定を行うことで、その個人情報を医師等にのみ閲覧させる閲覧形態を構築することが可能となる。
【0011】
前記第1のクライアント端末機は、自身に対応付けられた個人情報を前記データベースにおいて閲覧可能とされていることが望ましい(請求項4)。この構成によれば、第1のクライアント端末機を保有するユーザ自身も、サーバ装置に蓄積された個人情報を閲覧できるので、ユーザ自身が個人情報の内容を把握できるようになる。
【0012】
上記構成において、前記データベースにデータ情報を入力するための第3のクライアント端末機を備える構成とすることができる(請求項5)。この構成によれば、第3のクライアント端末機を用いて、データベースに蓄積されるデータ情報を逐次追加、更新することができるようになる。
【0013】
また、前記第1のクライアント端末機及び/又は第2のクライアント端末機が、前記データベースにデータ情報を入力する機能を有することが望ましい(請求項6)。この構成によれば、第1のクライアント端末機及び/又は第2のクライアント端末機を用いて、データベースに蓄積されるデータ情報を逐次追加、更新することができるようになる。
【0014】
さらに、上記構成において、前記サーバ装置に、前記第2のクライアント端末機による閲覧履歴データが前記閲覧履歴記憶部に所定期間記録されない場合に、前記第2のクライアント端末機に対して前記データ情報の閲覧を促すアラーム情報を送信するアラーム情報送信部が備えられていることが望ましい(請求項7)。この構成によれば、第2のクライアント端末機から所定期間閲覧動作が行われなかった場合、第2のクライアント端末機にアラーム情報が送信されるようになる。
【0015】
上記いずれかの構成において、前記データ情報が、健康管理に関するバイタル情報であることが望ましい(請求項8)。この構成によれば、サーバ装置に蓄積されるバイタル情報について、閲覧指定、閲覧履歴の確認が行え、医療分野に関しての情報閲覧システムの構築に好適である。
【0016】
本発明の請求項9に係るサーバ装置は、所定のデータ情報を蓄積するデータベースと、前記データ情報の閲覧者の指定情報の入力を受け付ける指定入力受け付け手段と、前記指定入力受け付け手段により受け付けられた前記指定情報を記憶する閲覧者指定テーブル記憶部と、閲覧希望者を特定する特定情報の入力を伴って前記データ情報の閲覧申請を受け付ける閲覧申請受け付け手段と、前記特定情報と、前記閲覧者指定テーブル記憶部に記憶されている指定情報と照合することで前記閲覧希望者に閲覧許可を与えるか否かを判定する認証処理部と、前記認証処理部にて閲覧許可が与えられた閲覧希望者により前記データ情報が閲覧された場合に、これを閲覧履歴データとして前記閲覧希望者についての前記特定情報に関連付けて記憶する閲覧履歴記憶部とを具備することを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、指定入力受け付け手段に与えられた閲覧者の指定情報が閲覧者指定テーブル記憶部に格納され、データベースに蓄積されたデータ情報についての閲覧者が指定される。そして、閲覧希望者からの閲覧申請が閲覧申請受け付け手段に受け付けられた場合、その特定情報と前記指定情報とを照合することで、当該閲覧希望者が閲覧適格を有するか否かが認証処理部で判定される。そして、閲覧許可が与えられ、現に閲覧希望者により前記データ情報が閲覧されたならば、その閲覧履歴が閲覧履歴記憶部に前記特定情報に関連付けて記憶される。従って、データ情報の閲覧者が指定入力受け付け手段に与えられた指定情報にかかる閲覧者に制限されると共に、閲覧履歴記憶部にアクセスすることでその閲覧履歴が確認可能となる。
【0018】
上記構成において、閲覧履歴データが前記閲覧履歴記憶部に所定期間記録されない場合に、前記データ情報の閲覧を促すアラーム情報を生成するアラーム情報生成部が備えられていることが望ましい(請求項10)。この構成によれば、閲覧履歴データが前記閲覧履歴記憶部に所定期間記録されない場合、所定のクライアント端末機に送信するためのアラーム情報が生成されるようになる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に係る情報閲覧システム及び請求項9に係るサーバ装置によれば、第1のクライアント端末機からサーバ装置に蓄積されているデータ情報を閲覧する第2のクライアント端末機を指定できると共に、実際に第2のクライアント端末機にてデータ情報が閲覧されているか否かを確認することができる。すなわち、第1のクライアント端末機を保有するユーザは、データ情報を閲覧してもらいたい者を指定できると共に、指定にかかる閲覧者が希望通りにデータ情報を閲覧しているか否かを確認することができる。従って、所定のデータ情報が不特定者に閲覧される虞がなく、自らが指定した者だけに閲覧させるというユーザの意志を反映した閲覧形態が形成できるという利点がある。さらに、自らが指定した者が例えば定期的にデータ情報を閲覧しているか否かを確認できることから、ユーザは安心感を得ることができるという利点もある。
【0020】
請求項2に係る情報閲覧システムによれば、第2のクライアント端末機が閲覧できるデータ情報の範囲を、データ種別単位で自在に制限できるようになるので、第1のクライアント端末機を保有するユーザの利便性を向上させることができる。
【0021】
請求項3に係る情報閲覧システムによれば、第1のクライアント端末機を保有するユーザは、自身の個人情報を特定の者にのみ閲覧させ、その閲覧状態を確認するという閲覧形態を構築することができる。
【0022】
請求項4に係る情報閲覧システムによれば、第1のクライアント端末機を保有するユーザ自身が個人情報の内容を把握できるようになり、システムの利用バリエーションを多様化することができる。
【0023】
請求項5に係る情報閲覧システムによれば、第3のクライアント端末機を用いてデータベースに蓄積されるデータ情報を日々追加、更新することが可能となるので、データ情報の充実化を図ることができる。
【0024】
請求項6に係る情報閲覧システムによれば、第1のクライアント端末機及び/又は第2のクライアント端末機を用いて、データベースに蓄積されるデータ情報を日々追加、更新することが可能となるので、データ情報の充実化を図ることができる。
【0025】
請求項7に係る情報閲覧システム及び請求項10に係るサーバ装置によれば、第2のクライアント端末機から所定期間閲覧動作が行われなかった場合にアラーム情報が生成され、これが送信されるので、第2のクライアント端末機の保有者にデータ情報閲覧の契機を提供することができる。
【0026】
請求項8に係る情報閲覧システムによれば、第1のクライアント端末機を保有するユーザは、例えばかかりつけの医師等を自身のバイタル情報の閲覧者として指定すると共に、その医師等が定期的にそのバイタル情報を閲覧しているか否かを確認できる閲覧形態を構築することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態につき詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係る情報閲覧システムS1のハード構成を簡略的に示す構成図である。この情報閲覧システムS1は、所定のデータ情報を蓄積可能とされたサーバ装置11と、前記データ情報の閲覧者を指定することができる第1のクライアント端末機12と、この第1のクライアント端末機12により前記データ情報の閲覧者として指定される端末機である第2のクライアント端末機13とを備え、これらがインターネット(通信ネットワーク)INを介して相互接続されてなる。
【0028】
当該情報閲覧システムS1は、後述の第2実施形態で詳述する医療分野の他、各種の用途に適用可能であり、例えば官公庁、金融機関、情報サービス機関、或いは企業内システム、特定の企業集団間のシステムに適用することが可能である。官公庁向けに当該情報閲覧システムS1を構築する場合は、上記サーバ装置11は例えば官公庁が保有している個人情報(納税情報等)の管理データベースを有するサーバ装置であり、第1のクライアント端末機12はそのサーバ装置11で管理される個人情報の持ち主である個人が保有するパーソナルコンピュータ等であり、また第2のクライアント端末機13は官公庁内の特定の者或いは部署に保有されているパーソナルコンピュータ等である。
【0029】
図2は、情報閲覧システムS1の詳細構成、特にサーバ装置11の機能的構成を詳細に示すブロック図である。このサーバ装置11は、データ情報DB110(データベース)、指定入力受付部111(指定入力受け付け手段)、閲覧者指定テーブル記憶部112、閲覧申請受付部113(閲覧申請受け付け手段)、認証処理部114及び閲覧履歴DB115(閲覧履歴記憶部)を備えている。
【0030】
データ情報DB110は、所定のデータ情報を蓄積するデータベースである。ここでのデータ情報は、例えば個人又は法人等の納税情報、預金・貸し出し情報、取引情報、或いは医療情報などの個人(個別)情報である。データ情報DB110は、このような個人情報を、所定のデータ種別単位で区画して蓄積する。このデータ種別の区画は任意に定めて良いが、第1のクライアント端末機12に対応付けられた個人情報の単位で区画することが望ましい。つまり、第1のクライアント端末機12をサーバ装置11のクライアントとして割り当てる際に、当該第1のクライアント端末機12に対して特定のメモリアドレスを与え、そのメモリ領域に第1のクライアント端末機12の保有者に係る個人情報を格納するようにすることが望ましい。これにより、第2のクライアント端末機13において閲覧できるデータ情報の範囲を特定することが容易となる。
【0031】
指定入力受付部111は、第1のクライアント端末機12から送信される前記データ情報の閲覧者の指定情報の入力を受け付ける機能を有する。この指定入力受付部111は、閲覧者指定入力を受け付けるに際しての第1のクライアント端末機12に対するアクセス処理(パスワード処理などのアクセス適格の確認処理)を行うと共に、閲覧者の指定情報の入力を行わせる入力画面を第1のクライアント端末機12に提供する。そして、第1のクライアント端末機12から指定情報の入力が与えられたなら、これを第1のクライアント端末機12に個別に与えられているコード情報等に関連付けて、閲覧者指定テーブル記憶部112へ書き込む処理を行う。
【0032】
閲覧者指定テーブル記憶部112は、例えばEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の書き換え可能な不揮発性メモリ等からなり、指定入力受付部111により受け付けられた前記指定情報を前記コード情報等に関連付けて記憶する。本実施形態では、第2のクライアント端末機13(閲覧させることを希望する者)を特定する所定の特定情報が、前記指定情報として記憶されることとなる。
【0033】
閲覧申請受付部113は、第2のクライアント端末機13からのデータ情報DB110に格納されているデータ情報の閲覧申請を受け付ける機能を有する。この閲覧申請受付部113は、第2のクライアント端末機13に対する上記と同様なアクセス処理を行うと共に、第2のクライアント端末機13に閲覧指定者であることを特定するための特定情報の入力を行わせる入力画面を第2のクライアント端末機13に提供する。そして、第2のクライアント端末機13から特定情報の入力が与えられたなら、これを認証処理部114へ送信する。また、閲覧申請受付部113は、第1のクライアント端末機12から閲覧履歴DB115に記録されている閲覧履歴データを閲覧するに際しての、第1のクライアント端末機12に対するアクセス処理も行う。
【0034】
認証処理部114は、閲覧申請受付部113から与えられた特定情報と、閲覧者指定テーブル記憶部112に記憶されている指定情報と照合することで、第2のクライアント端末機13に閲覧許可を与えるか否かを判定する処理を行う。すなわち、認証処理部114は、前記特定情報と前記指定情報が一致していることが確認された場合は、第2のクライアント端末機13に、第1のクライアント端末機12に対応付けられてデータ情報DB110に格納されているデータ情報の閲覧を許可する決定を行う。一方、両者が一致していない場合は、閲覧を許可しない決定を行う。なお、第1のクライアント端末機12から閲覧履歴DB115へのアクセスについては、閲覧申請受付部113でのアクセス処理においてアクセスが許可された場合は、これを無条件でスルーさせる。
【0035】
閲覧履歴DB115は、認証処理部114にて閲覧許可が与えられた第2のクライアント端末機13により、データ情報DB110のデータ情報が閲覧された場合に、これを閲覧履歴データとして記憶する。この閲覧履歴データは、例えば第2のクライアント端末機13についての前記特定情報、閲覧日時情報、閲覧したデータ情報のアドレス情報等を含むデータである。
【0036】
以上の通り構成された第1実施形態に係る情報閲覧システムS1の動作フローについて、図3に示すフローチャートに基づいて説明する。動作フローは、第1のクライアント端末機12からサーバ装置11に対する閲覧者指定ステップS11と、第2のクライアント端末機13からサーバ装置11に対する閲覧ステップS12と、及び第1のクライアント端末機12からサーバ装置11に対する閲覧履歴確認ステップS13とに大別することができる。実際の動作フローでは、閲覧者指定ステップS11が完了していることを前提として、閲覧ステップS12又は閲覧履歴確認ステップS13のいずれかが実行される。また、一旦指定された閲覧者が変更される場合、その変更に係る閲覧者指定ステップS11が完了していることを前提として、閲覧ステップS12又は閲覧履歴確認ステップS13のいずれかが実行される。
【0037】
まず、閲覧者指定ステップS11について説明する。このステップは、データ情報DB110に格納された所定のデータ情報を閲覧させる者(端末機)を、第1のクライアント端末機12において指定するステップである。この閲覧者指定入力を行うにあたり、第1のクライアント端末機12からサーバ装置11へのアクセス処理が実行される(ステップS111)。ここではアクセス処理の詳細フローを省略しているが、第1のクライアント端末機12側からのURL情報等の入力を始めとして、パスワード入力、サーバ装置11側におけるパスワード照合などを行う認証動作が実行される(以下に登場するアクセス処理も同様である)。
【0038】
上記のようなアクセス認証が成功すると、指定入力受付部111に第1のクライアント端末機12が接続される。そして、指定入力受付部111から、閲覧者の指定情報の入力を行わせるための入力画面が第1のクライアント端末機12に配信される。この入力画面に対して、第1のクライアント端末機12から自身のデータ情報を閲覧させる端末機(ここでは第2のクライアント端末機13)を特定する所定の特定情報が、前記指定情報として入力される(ステップS112)。
【0039】
入力された指定情報は、前記入力画面に準備されている登録キー等の押下を契機として、指定入力受付部111に受け付けられる(ステップS113)。そして、受け付けられた指定情報は、第1のクライアント端末機12に個別に与えられているコード情報等に関連付けて、閲覧者指定テーブル記憶部112へ記録される(ステップS114)。
【0040】
次に、閲覧ステップS12について説明する。このステップは、第2のクライアント端末機13から、データ情報DB110に格納されているデータ情報を閲覧するステップである。まず、上記閲覧者指定ステップS11と同様に、第2のクライアント端末機13からサーバ装置11へのアクセス処理が実行される(ステップS121)。アクセス認証が成功したならば、閲覧申請受付部113に第2のクライアント端末機13が接続される。
【0041】
そして、閲覧申請受付部113から、閲覧指定者であることを特定するための特定情報の入力を行わせる入力画面が第2のクライアント端末機13に配信される。この入力画面には、第2のクライアント端末機13の特定情報、閲覧するデータ情報の種別(閲覧する個人情報を特定するコード情報等)等を入力するウィンドゥが備えられる。かかる入力画面に対して、第2のクライアント端末機13から所定の入力が行われた上で、例えば前記入力画面に準備されている閲覧申請ボタンを押下する等して、閲覧申請データがサーバ装置11へ向けて送信される(ステップS122)。この特定情報を伴う閲覧申請データは、閲覧申請受付部113に受け付けられ(ステップS123)、認証処理部114へ転送される。
【0042】
認証処理部114では、閲覧申請受付部113から与えられた特定情報と、先のステップS114で閲覧者指定テーブル記憶部112に記憶された指定情報との照合が行われる(ステップS124)。そして、前記指定情報と前記特定情報とが一致しているか否か、つまり第1のクライアント端末機12において指定された閲覧者からのアクセスであるか否かが判定される(ステップS125)。両者が一致していない場合(ステップS125でNO)、認証処理部114は閲覧を許可しない決定を行い、閲覧不許可データを作成して第2のクライアント端末機13へ送信する。この閲覧不許可データは、第2のクライアント端末機13に「閲覧不許可通知」として受信される(ステップS126)。
【0043】
一方、前記指定情報と前記特定情報とが一致している場合(ステップS125でYES)、第2のクライアント端末機13について、第1のクライアント端末機12に対応付けられたデータ情報の閲覧を許可する決定を行う(ステップS127)。かかる決定の後、第2のクライアント端末機13はデータ情報DB110へのアクセスが許可され、第2のクライアント端末機13においてデータ情報DB110に格納された所定のデータ情報がブラウジングできるようになる(ステップS128)。そして、ステップS128のブラウジングが実際に実行されると、その時の閲覧条件に基づく閲覧履歴データが、閲覧履歴DB115に書き込まれる(ステップS129)。
【0044】
続いて、閲覧履歴確認ステップS13について説明する。このステップは、第1のクライアント端末機12において、自らが指定した第2のクライアント端末機13により、データ情報DB110のデータ情報が実際に閲覧されているかを確認するためのステップである。まず、第1のクライアント端末機12からサーバ装置11へのアクセス処理が実行され(ステップS131)、アクセス認証が成功したならば、閲覧申請受付部113に第1のクライアント端末機12が接続される。そして、閲覧申請受付部113から、閲覧履歴DB115の閲覧者であることを示すコード情報、アドレス情報等の入力を行わせる入力画面が第1のクライアント端末機12に配信される。この入力画面に所定のデータが入力された上で、閲覧申請データがサーバ装置11へ向けて送信される(ステップS132)。当該閲覧申請データは、閲覧申請受付部113に受け付けられる(ステップS133)。認証処理部114は、ここでは認証処理を行わず(勿論、何らかの認証処理を実行させるようにしても良い)、第1のクライアント端末機12は閲覧履歴DB115へのアクセスが無条件に許可される。
【0045】
その後、サーバ装置11に備えられている図略の処理演算部により、閲覧履歴DB115において、第1のクライアント端末機12に対応付けられたデータ情報についての閲覧履歴データが存在するか否かの検索が実行される(ステップS134)。閲覧履歴データが存在しない場合(ステップS134でNO)、前記処理演算部は未閲覧状態であることを示すデータを生成し、第1のクライアント端末機12へ送信する。このデータは、第1のクライアント端末機13に「未閲覧通知」として受信される(ステップS135)。
【0046】
一方、閲覧履歴データが存在する場合(ステップS134でYES)、前記処理演算部は、閲覧履歴DB115に格納されている閲覧履歴データに基づき所定の履歴データを作成し(ステップS136)、これを第1のクライアント端末機12へ配信する。そして、かかる履歴データは、第1のクライアント端末機12に受信されるものである(ステップS137)。
【0047】
以上のようなルーチンが実行されるのであるが、サーバ装置11においては、定期的に第1のクライアント端末機12に対応付けられたデータ情報について、クローズ指示(解約処理等)が与えられたか否かが確認される(ステップS14)。もし、クローズ指示が与えられているならば(ステップS14でYES)、処理を完了する。一方、クローズ指示が与えられていないならば(ステップS14でNO)、サーバ装置11についてはステップS123若しくはステップS133に戻って処理が繰り返される。また、第1のクライアント端末機12から新たな閲覧者指定、或いは閲覧者の変更指定が与えられた場合は、ステップS113に戻って処理が繰り返される。
【0048】
以上説明した第1実施形態に係る情報閲覧システムS1によれば、第1のクライアント端末機12からサーバ装置11に蓄積されているデータ情報を閲覧する第2のクライアント端末機13を指定できると共に、実際に第2のクライアント端末機13にてデータ情報が閲覧されているか否かを確認することができる。すなわち、第1のクライアント端末機12を保有するユーザは、データ情報を閲覧してもらいたい者を指定して閲覧者指定テーブル記憶部112に格納できると共に、指定にかかる閲覧者が希望通りにデータ情報を閲覧しているか否かを閲覧履歴DB115にて確認することができる。従って、自身のデータ情報が不特定者に閲覧される虞がなく自らが指定した者だけに閲覧させるというユーザの意志を反映した閲覧形態が形成できる。さらに、自らが指定した者が例えば定期的にデータ情報を閲覧しているか否かを確認できることから、ユーザは安心感を得ることができる。
【0049】
(第2実施形態)
次に、本発明を医療関連サービス機関(医療、看護、及び/又は介護等を行うサービス機関)、サーバ装置を運営するネットワーク事業者及びその会員との間で展開される在宅健康管理サービスに適用する場合の一実施形態について説明する。図4は、本発明の第2実施形態に係る情報閲覧システムS2の詳細構成を示すブロック図である。この情報閲覧システムS1は、複数の会員の健康管理に関する個人情報を蓄積可能とされたサーバ装置20と、クライアントである前記会員に各々保有され自身の個人情報の閲覧者を指定することができる会員用端末機30(第1のクライアント端末機)と、医療関連サービス機関40に設置される閲覧指定者用端末機41(第2のクライアント端末機)及び管理者用端末機42とを備え、これらがインターネット(通信ネットワーク)を介して相互接続されてなる。なお、会員用端末機30は在宅健康管理サービスの会員毎に割り当てられるが、ここでは図示簡略化のため一台のみを図示している。
【0050】
閲覧指定者用端末機41は、会員用端末機30により当該会員の個人情報をサーバ装置20(健康管理情報DB200)において閲覧するように指定された端末機であって、例えば医療関連サービス機関内の医師、看護スタッフ若しくは介護スタッフ等に保有される端末機である。これに対し、管理者用端末機42は、医療関連サービス機関の管理スタッフ等に保有される端末機であって、前記個人情報の閲覧権限が与えられない端末機である。
【0051】
サーバ装置20は、健康管理情報DB200(データベース)、会員情報DB201、アドバイス情報DB202、指定入力受付部21(指定入力受け付け手段)、閲覧者指定テーブル記憶部22、閲覧申請受付部23(閲覧申請受け付け手段)、認証処理部24、閲覧履歴DB25(閲覧履歴記憶部)、アラーム情報送信部26、入力申請受付部27及び全体制御部28を機能的に備えて構成されている。
【0052】
健康管理情報DB200は、複数の会員の健康管理に関する個人情報を蓄積するデータベースである。ここでの個人情報は、例えば会員の身長、体重、血圧、体脂肪率、体温、血糖値、ピークフロー値、血中酸素飽和度(SpO)、骨密度、健康診断データ、既往歴等の健康管理に関するバイタル情報である。健康管理情報DB200は、このような個人情報を、会員別に区画して蓄積する。つまり、会員用端末機30をサーバ装置20のクライアントとして割り当てる際に、当該会員用端末機30に対して特定のメモリアドレスが与えられ、そのメモリ領域に会員用端末機30の保有者に係る個人情報が格納される。
【0053】
会員情報DB201は、当該在宅健康管理サービスの会員(会員用端末機30を保有する者)の、氏名、住所、電話番号、IPアドレス、個別コード情報、パスワード情報、有料コンテンツ用のアカウント情報などの基礎情報を管理するデータベースである。
【0054】
アドバイス情報DB202は、健康管理情報DB200に格納されている会員のバイタル情報を閲覧した医師若しくは看護スタッフ等が、閲覧指定者用端末機41を用いて健康管理に関するアドバイス情報(バイタル情報を踏まえた医療的見地からの所見、留意点など)を蓄積、管理するデータベースである。
【0055】
指定入力受付部21は、会員用端末機30から送信されるバイタル情報の閲覧者の指定情報入力を受け付ける機能を有する。この指定入力受付部21は、閲覧者指定入力を受け付けるに際しての会員用端末機30に対するアクセス処理を行うと共に、閲覧者の指定情報の入力を行わせる入力画面を会員用端末機30に提供する。会員は、前記入力画面において、自身のバイタル情報を閲覧してもらいたいと考える医師等が保有している閲覧指定者用端末機41を指定する入力を行う。そして、会員用端末機30から指定情報の入力が与えられたなら、これを会員用端末機30に個別に与えられているコード情報等に関連付けて、閲覧者指定テーブル記憶部22へ書き込む処理を行う。
【0056】
閲覧者指定テーブル記憶部22は、指定入力受付部21により受け付けられた前記指定情報を前記コード情報等に関連付けて記憶する。この第2実施形態では、閲覧指定者用端末機41を特定する所定の特定情報が、前記指定情報として記憶されることとなる。
【0057】
閲覧申請受付部23は、閲覧指定者用端末機41からの健康管理情報DB200に格納されているバイタル情報の閲覧申請を受け付ける機能を有する。この閲覧申請受付部23は、閲覧指定者用端末機41に対するアクセス処理を行うと共に、閲覧指定者用端末機41に閲覧指定者であることを特定するための特定情報の入力を行わせる入力画面を閲覧指定者用端末機41に提供する。そして、閲覧指定者用端末機41から特定情報の入力が与えられたなら、これを認証処理部24へ送信する。また、閲覧申請受付部23は、会員用端末機30からの各種閲覧申請、本実施形態では閲覧履歴DB25に記録されている閲覧履歴データ、健康管理情報DB200に記録されている自身のバイタル情報、及びアドバイス情報DB202に記録されている自身に向けられたアドバイス情報の閲覧申請において、会員用端末機30に対するアクセス処理も行う。
【0058】
認証処理部24は、閲覧申請受付部23から与えられた特定情報と、閲覧者指定テーブル記憶部22に記憶されている指定情報と照合することで、閲覧指定者用端末機41に閲覧許可を与えるか否かを判定する処理を行う。すなわち、認証処理部24は、前記特定情報と前記指定情報が一致していることが確認された場合は、閲覧指定者用端末機41に、会員用端末機30に対応付けられて健康管理情報DB200に格納されている当該会員のバイタル情報の閲覧を許可する決定を行う。一方、両者が一致していない場合は、閲覧を許可しない決定を行う。なお、会員用端末機30からの閲覧申請に対しては、閲覧申請受付部23でのアクセス処理においてアクセスが許可された場合は、会員自身の関連情報を閲覧する限りにおいてこれを無条件でスルーさせる。
【0059】
閲覧履歴DB25は、認証処理部24にて閲覧許可が与えられた閲覧指定者用端末機41により、健康管理情報DB200のバイタル情報が閲覧された場合に、これを閲覧履歴データとして記憶する。この閲覧履歴データは、例えば閲覧指定者用端末機41についての前記特定情報、閲覧日時情報、閲覧したデータ情報のアドレス情報等を含むデータである。
【0060】
アラーム情報送信部26は、閲覧履歴DB25における閲覧履歴データの書き込み状況をウオッチングする。またアラーム情報送信部26は、前記閲覧履歴データが閲覧履歴DB25に所定期間記録されない場合に、前記データ情報の閲覧を促すアラーム情報を生成する。前記アラーム情報は、例えば最終の閲覧履歴データが記録された後、新たなバイタル情報が健康管理情報DB200に記録された場合において、その新たなバイタル情報の記録日から1週間程度閲覧履歴データが記録されない場合に生成されるよう設定することができる。かかるアラーム情報は、管理者用端末機42に向けて送信される。勿論、閲覧指定者用端末機41に直接送信するようにしても良い。
【0061】
入力申請受付部27は、会員用端末機30、閲覧指定者用端末機41及び管理者用端末機42からの各種入力申請を受け付ける機能を有する。この入力申請受付部27は、これら端末機に対するアクセス処理を行うと共に、各種入力申請に応じた入力画面を各々の端末機に提供する。
【0062】
入力申請受付部27は、会員用端末機30に対しては、その会員が在宅で測定したバイタル情報を、健康管理情報DB200に記録させるための入力画面を提供する。会員は、かかる入力画面を利用して、定期的に測定した自身のバイタル情報を健康管理情報DB200に登録する。また、閲覧指定者用端末機41に対しては、アドバイス情報DB202に所定のアドバイス情報を記録させるための入力画面を提供する。医師等は、必要に応じて前記入力画面を利用して、バイタル情報に基づく所見をアドバイス情報DB202に書き込む。さらに、医療関連サービス機関が、会員のバイタル情報の入力代行を行うシステムとされている場合においては、閲覧指定者用端末機41及び/又は管理者用端末機42に対して、バイタル情報を健康管理情報DB200に記録させるための入力画面を提供する。
【0063】
全体制御部28は、サーバ装置20に備えられている各機能部の動作を制御する。例えば全体制御部28は、会員用端末機30から閲覧履歴確認があった場合に、閲覧履歴DB25を検索して閲覧履歴データを検索する処理、認証処理部24における認証処理、アラーム情報送信部26におけるアラーム情報の生成、送信処理等の動作制御を行う。
【0064】
以上の通り構成された第2実施形態に係る情報閲覧システムS2の動作フローについて、図5、図6に示すフローチャートに基づいて説明する。動作フローは、
(1)会員用端末機30からサーバ装置20に対する閲覧者指定ステップS20、
(2)会員用端末機30若しくは管理者用端末機42からサーバ装置20に対するバイタル情報入力ステップS30、
(3)閲覧指定者用端末機41からサーバ装置20に対する個人情報(バイタル情報)閲覧ステップS40、
(4)閲覧指定者用端末機41からサーバ装置20に対するアドバイス入力ステップS50、
(5)会員用端末機30からサーバ装置20に対する閲覧履歴確認ステップS60、
(6)会員用端末機30からサーバ装置20に対する会員閲覧ステップS70、
に大別することができる。実際の動作フローでは、(1)の閲覧者指定ステップS20が完了していることを前提として、上記(2)〜(6)のステップのいずれかが実行される。また、一旦指定された閲覧者が変更される場合、その変更に係る閲覧者指定ステップS20が完了していることを前提として、上記(2)〜(6)のステップのいずれかが実行される。以下、上記(1)〜(6)の各ステップについて説明する。
【0065】
(1)閲覧者指定ステップS20
このステップは、健康管理情報DB200に格納された会員のバイタル情報を閲覧させる者(端末機)を、その会員が保有する会員用端末機30において指定するステップである。この閲覧者指定入力を行うにあたり、会員用端末機30からサーバ装置20へのアクセス処理が実行される(ステップS21)。ここではアクセス処理の詳細フローを省略しているが、会員用端末機30側からのURL情報等の入力を始めとして、パスワード入力、サーバ装置20側におけるパスワード照合などを行う認証動作が実行される(以下に登場するアクセス処理も同様である)。
【0066】
上記のようなアクセス認証が成功すると、指定入力受付部21に会員用端末機30が接続される。そして、指定入力受付部21から、閲覧者の指定情報の入力を行わせるための入力画面が会員用端末機30に配信される。この入力画面に対して、会員用端末機30から自身のバイタル情報を閲覧させる端末機(ここでは閲覧指定者用端末機41)を特定する所定の特定情報が、前記指定情報として入力される(ステップS22)。
【0067】
入力された指定情報は、前記入力画面に準備されている登録キー等の押下を契機として、指定入力受付部21に受け付けられる(ステップS23)。そして、受け付けられた指定情報は、会員用端末機30に個別に与えられているコード情報等に関連付けて、閲覧者指定テーブル記憶部22へ記録される(ステップS24)。
【0068】
(2)バイタル情報入力ステップS30/バイタル情報入力代行ステップS30’
このステップは、会員用端末機30(ステップS30)若しくは管理者用端末機42(ステップS30’)から、健康管理情報DB200にバイタル情報を入力させるステップである。このステップに、アラーム情報送信部26によるアラーム情報の送信動作を含めて説明する。
【0069】
まず、上記閲覧者指定ステップS20と同様に、会員用端末機30からサーバ装置20へのアクセス処理が実行される(ステップS31)。アクセス認証が成功したならば、入力申請受付部27に会員用端末機30が接続される。そして、入力申請受付部27から、バイタル情報を健康管理情報DB200へ入力させための入力画面が会員用端末機30に提供される。この入力画面には、例えば体温、血圧、体重などのバイタル情報を入力するウィンドゥが備えられる。
【0070】
かかる入力画面に対して、会員用端末機30から所定の入力が行われた上で、例えば前記入力画面に準備されている登録ボタンを押下する等して、バイタル情報入力データがサーバ装置20へ向けて送信される(ステップS32)。このバイタル情報入力データは、入力申請受付部27に受け付けられ(ステップS33)、これが健康管理情報DB200に当該会員用端末機30のコード情報等に関連付けて記録される(ステップS34)。管理者用端末機42により入力代行が行われる場合は、その管理者用端末機42についてアクセス処理が実行され(ステップS31’)、また管理者用端末機42(第3のクライアント端末機)からバイタル情報の入力処理が実行される(ステップS32’)。
【0071】
その後、全体制御部28により設定された所定のサンプリング周期で、アラーム情報送信部26により閲覧指定者用端末機41から当該会員のバイタル情報を閲覧する閲覧申請があったか否か(閲覧履歴データが存在するか否か)が確認される(ステップS35)。所定期間内に閲覧されていない場合(ステップS35でNO)、アラーム情報送信部26はアラーム情報を作成する(ステップS36)。このアラーム情報は、管理者用端末機42に向けて送信され、管理者用端末機42及び/又は閲覧指定者用端末機41においてバイタル情報の閲覧を促すアラーム情報として受信される(ステップS37)。このようなフローを設けることで、医療関連サービス機関の管理スタッフは、医師等にバイタル情報の閲覧を促す管理が行えるようになる。或いは、閲覧指定者用端末機41を保有する医師等が直接アラーム情報を受領することで、閲覧忘れを抑止することができる。
【0072】
なお、上記ステップS35以下のフローは、バイタル情報の入力の有無に拘わらず、一定期間毎に実行されるようにすることが望ましい。これにより、医師等が会員のバイタル情報を必ず一定期間毎にチェックするように契機付けられると共に、会員に対しては定期的にチェックされることによる安心感を提供できるようになる。
【0073】
(3)個人情報閲覧ステップS40
このステップは、閲覧指定者用端末機41から、健康管理情報DB200に格納されているバイタル情報を閲覧するステップである。まず、閲覧指定者用端末機41からサーバ装置20へのアクセス処理が実行される(ステップS41)。アクセス認証が成功したならば、閲覧申請受付部23に閲覧指定者用端末機41が接続される。
【0074】
そして、閲覧申請受付部23から、閲覧指定者であることを特定するための特定情報の入力を行わせる入力画面が閲覧指定者用端末機41に配信される。この入力画面には、閲覧指定者用端末機41の特定情報、閲覧するデータ情報の種別(閲覧するバイタル情報を特定するコード情報等)等を入力するウィンドゥが備えられる。かかる入力画面に対して、閲覧指定者用端末機41から所定の入力が行われた上で、例えば前記入力画面に準備されている閲覧申請ボタンを押下する等して、閲覧申請データがサーバ装置20へ向けて送信される(ステップS42)。この特定情報を伴う閲覧申請データは、閲覧申請受付部23に受け付けられ(ステップS43)、認証処理部24へ転送される。
【0075】
認証処理部24では、閲覧申請受付部23から与えられた特定情報と、先のステップS24で閲覧者指定テーブル記憶部22に記憶された指定情報との照合が行われる(ステップS44)。そして、前記指定情報と前記特定情報とが一致しているか否か、つまり会員用端末機30において指定された医師等からのアクセスであるか否かが判定される(ステップS45)。両者が一致していない場合(ステップS45でNO)、認証処理部24は閲覧を許可しない決定を行い、閲覧不許可データを作成して閲覧指定者用端末機41へ送信する。この閲覧不許可データは、閲覧指定者用端末機41に「閲覧不許可通知」として受信される(ステップS46)。
【0076】
一方、前記指定情報と前記特定情報とが一致している場合(ステップS45でYES)、閲覧指定者用端末機41について、当該会員用端末機30に対応付けられたバイタル情報の閲覧を許可する決定を行う(ステップS47)。かかる決定の後、閲覧指定者用端末機41は健康管理情報DB200へのアクセスが許可され、閲覧指定者用端末機41を保有している医師等において健康管理情報DB200に格納されたその会員のバイタル情報がブラウジングできるようになる(ステップS48)。そして、ステップS48のブラウジングが実際に実行されると、その時の閲覧条件に基づく閲覧履歴データが、閲覧履歴DB25に書き込まれる(ステップS49)。このような閲覧形態を取ることができるので、会員は、見てもらいたいと思う医師等にのみに自身のバイタル情報を閲覧させることができる。
【0077】
(4)アドバイス入力ステップS50
このステップは、会員のバイタル情報を閲覧した医師等が、その会員に向けた所定のアドバイス情報を、閲覧指定者用端末機41からアドバイス情報DB202へ入力するステップである。まず、閲覧指定者用端末機41からサーバ装置20へのアクセス処理が実行される(ステップS51)。アクセス認証が成功したならば、入力申請受付部27に閲覧指定者用端末機41が接続される。そして、入力申請受付部27から、アドバイス情報をアドバイス情報DB202へ入力させための入力画面が閲覧指定者用端末機41に提供される。この入力画面には、そのバイタル情報を踏まえた医療的見地からの所見、留意点などの会員に向けたアドバイス情報を入力するウィンドゥが備えられる。
【0078】
かかる入力画面に対して、閲覧指定者用端末機41を保有する医師等から所定の入力が行われた上で、例えば前記入力画面に準備されている登録ボタンを押下する等して、アドバイス情報入力データがサーバ装置20へ向けて送信される(ステップS52)。このバイタル情報入力データは、入力申請受付部27に受け付けられ(ステップS53)、これがアドバイス情報DB202に会員のコード情報等に関連付けて記録される(ステップS54)。かかるアドバイス情報は、会員用端末機30からの閲覧に供される。
【0079】
(5)閲覧履歴確認ステップS60
このステップは、会員用端末機30において、自らが指定した閲覧指定者用端末機41により、健康管理情報DB200のバイタル情報が実際に閲覧されているかを確認するためのステップである。まず、会員用端末機30からサーバ装置20へのアクセス処理が実行され(ステップS61)、アクセス認証が成功したならば、閲覧申請受付部23に会員用端末機30が接続される。
【0080】
そして、閲覧申請受付部23から、閲覧履歴DB25の閲覧者であることを示すコード情報、アドレス情報等の入力を行わせる入力画面が会員用端末機30に配信される。この入力画面に所定のデータが入力された上で、閲覧申請データがサーバ装置20へ向けて送信される(ステップS62)。当該閲覧申請データは、閲覧申請受付部23に受け付けられる(ステップS63)。認証処理部24は、ここでは認証処理を行わず(勿論、何らかの認証処理を実行させるようにしても良い)、会員用端末機30は閲覧履歴DB25へのアクセスが無条件に許可される。
【0081】
その後、サーバ装置20の全体制御部28により、閲覧履歴DB25において、会員用端末機30に対応付けられたバイタル情報についての閲覧履歴データが作成される(ステップS64)。すなわち、全体制御部28は、閲覧履歴DB25に格納されている閲覧履歴データに基づき所定の履歴データを作成し、これを会員用端末機30へ配信する。そして、かかる履歴データは、会員用端末機30に受信される(ステップS65)。このようなフローを実現することにより、会員は、自身が指定した医師等が、自身のバイタル情報データを閲覧しているか否かをいつでも確認することができ、安心感を得ることができる。
【0082】
(6)会員閲覧ステップS70
このステップは、会員用端末機30から、健康管理情報DB200に格納されている自身のバイタル情報、及びアドバイス情報DB202に格納されている自身に対するアドバイス情報を閲覧するステップである。まず、会員用端末機30からサーバ装置20へのアクセス処理が実行され(ステップS71)、アクセス認証が成功したならば、閲覧申請受付部23に会員用端末機30が接続される。
【0083】
そして、閲覧申請受付部23から、健康管理情報DB200及びアドバイス情報DB202を閲覧するために別途会員に付与されているパスワード等を入力させる入力画面が配信される。この入力画面に所定のパスワード等が入力された上で、閲覧申請データがサーバ装置20へ向けて送信される(ステップS72)。当該閲覧申請データは、閲覧申請受付部23に受け付けられる(ステップS73)。そして、閲覧申請受付部23においてパスワード認証が行われ(ステップS74)、認証要件を満たさない場合は(ステップS73でNO)、閲覧不許可判定がなされて会員用端末機30に返送される。この判定結果は、「閲覧不許可通知」として会員用端末機30で受信される(ステップS75)。
【0084】
一方、認証要件を満たした場合は(ステップS73でYES)、閲覧許可の決定の判定がなされ(ステップS76)、これにより会員用端末機30は健康管理情報DB200に格納されている自身のバイタル情報(他人のバイタル情報は除く)をブラウジングすることができる(ステップS77)。さらに、アドバイス情報DB202に当該会員についてのアドバイス情報が存在するか否かが判定され(ステップS78)、アドバイス情報が存在する場合(ステップS78でYES)は、アドバイス情報DB202に格納されている自身に向けられたアドバイス情報をブラウジングすることができる(ステップS79)。なお、本ステップにおいて、ステップS74の認証処理を省略し、ステップS71のアクセス処理のみとしても良い。
【0085】
以上説明した(1)〜(6)のようなルーチンが実行されるのであるが、サーバ装置20の全体制御部28は、定期的に会員用端末機30に対応付けられた個人情報について、クローズ指示(解約処理等)が与えられたか否かが確認される(ステップS80)。もし、クローズ指示が与えられているならば(ステップS80でYES)、処理を完了する。一方、クローズ指示が与えられていないならば(ステップS80でNO)、サーバ装置20についてはステップS33、ステップS35、ステップS43、ステップS53、ステップS63或いはステップS73のいずれかに戻って処理が繰り返される。また、会員用端末機30から新たな閲覧者指定、或いは閲覧者の変更指定が与えられた場合は、ステップS23に戻って処理が繰り返される。
【0086】
以上説明した第2実施形態に係る情報閲覧システムS2によれば、会員は、会員用端末機30からサーバ装置20に蓄積されている個人情報(バイタル情報)を閲覧する閲覧指定者用端末機41、つまり医師等を指定できると共に、実際に閲覧指定者用端末機41にて自身のバイタル情報が閲覧されているか否かを確認することができる。すなわち、会員は、バイタル情報を閲覧してもらいたい医師等を指定して閲覧者指定テーブル記憶部22に格納できると共に、指定にかかる医師等が希望通りにバイタル情報を閲覧しているか否かを閲覧履歴DB25にて確認することができる。従って、自身のバイタル情報が不特定者に閲覧される虞がなく自らが指定した信頼できる医師等だけに閲覧させるという会員の希望を反映した閲覧形態が形成できる。さらに、自らが指定した医師等が定期的にバイタル情報をチェックしてくれているか否かを確認できることから、会員は安心感を得ることができる。
【0087】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を取ることができる。
[1]第2実施形態において例示したアラーム情報送信部26を設ける代わりに、閲覧指定者用端末機41が健康管理情報DB200のバイタル情報を閲覧し、その閲覧履歴データが閲覧履歴DB25に記録されると同時に、その閲覧履歴データを会員用端末機30に向けて配信するよう構成しても良い。
【0088】
[2]第2実施形態において、あるレベル以上の医療サービスを受けることを会員が希望する場合に利用される申込入力受付部を設け、かかるサービスについては有料サービスデータベースを別途設置して管理するようにし、会員情報DB201と連携して課金ルーチンを構築するようにしても良い。
【0089】
[3]第1、第2実施形態において、指定される端末機が一台(第2のクライアント端末機13、閲覧指定者用端末機41)である場合を例示したが、複数台の端末機が閲覧指定を受けるようにしても良い。
【0090】
[4]第1、第2実施形態において、サーバ装置と端末機とがインターネットを介して接続される例を示したが、通信ネットワークは、社内LAN、オフィス内LAN等であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の第1実施形態に係る情報閲覧システムS1のハード構成を簡略的に示す構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る情報閲覧システムS1の詳細構成を示すブロック図である。
【図3】情報閲覧システムS1の動作フローを示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施形態に係る情報閲覧システムS2の詳細構成を示すブロック図である。
【図5】情報閲覧システムS2の動作フローを示すフローチャートである。
【図6】情報閲覧システムS2の動作フローを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0092】
11 サーバ装置
110 データ情報DB(データベース)
111 指定入力受付部(指定入力受け付け手段)
112 閲覧者指定テーブル記憶部
113 閲覧申請受付部(閲覧申請受け付け手段)
114 認証処理部
115 閲覧履歴DB(閲覧履歴記憶部)
12 第1のクライアント端末機
13 第2のクライアント端末機
20 サーバ装置
200 健康管理情報DB(データベース)
201 会員情報DB
202 アドバイス情報DB
21 指定入力受付部
22 閲覧者指定テーブル記憶部
23 閲覧申請受付部
24 認証処理部
25 閲覧履歴DB(閲覧履歴記憶部)
26 アラーム情報送信部
27 入力申請受付部
28 全体制御部
30 会員用端末機(第1のクライアント端末機)
40 医療関連サービス機関
41 閲覧指定者用端末機(第2のクライアント端末機)
42 管理者用端末機(第3のクライアント端末機)
S1、S2 情報閲覧システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のデータ情報を蓄積するデータベースと、前記データ情報の閲覧者の指定を受け付けて記憶する閲覧者指定テーブル記憶部と、前記閲覧者による前記データ情報の閲覧履歴データを記憶する閲覧履歴記憶部とを有するサーバ装置と、
前記サーバ装置と所定の通信ネットワークを介して接続され、前記閲覧者指定テーブル記憶部に対して閲覧者の指定入力を行うことが可能とされていると共に、前記閲覧履歴記憶部に記憶されている閲覧履歴データを確認することが可能とされた第1のクライアント端末機と、
前記サーバ装置と所定の通信ネットワークを介して接続され、前記第1のクライアント端末機により閲覧者として指定される端末機であって、前記データベースに蓄積されているデータ情報を閲覧した場合にその閲覧履歴が前記閲覧履歴記憶部に記憶される第2のクライアント端末機と
を具備することを特徴とする情報閲覧システム。
【請求項2】
前記データベースは、所定のデータ種別単位でデータ情報を蓄積するものであって、
前記閲覧者指定テーブル記憶部は、前記データ種別単位で閲覧者の指定を受け付けるものであり、
前記第2のクライアント端末機は、前記データベースに蓄積されているデータ情報のうち、指定された前記データ種別にかかるデータ情報のみが閲覧可能とされていることを特徴とする請求項1に記載の情報閲覧システム。
【請求項3】
前記データ種別が、前記第1のクライアント端末機に対応付けられた個人情報の単位で区画されたものであることを特徴とする請求項2に記載の情報閲覧システム。
【請求項4】
前記第1のクライアント端末機は、自身に対応付けられた個人情報を前記データベースにおいて閲覧可能とされていることを特徴とする請求項3に記載の情報閲覧システム。
【請求項5】
前記データベースにデータ情報を入力するための第3のクライアント端末機を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報閲覧システム。
【請求項6】
前記第1のクライアント端末機及び/又は第2のクライアント端末機が、前記データベースにデータ情報を入力する機能を有することを特徴とする請求項1に記載の情報閲覧システム。
【請求項7】
前記サーバ装置に、前記第2のクライアント端末機による閲覧履歴データが前記閲覧履歴記憶部に所定期間記録されない場合に、前記第2のクライアント端末機に対して前記データ情報の閲覧を促すアラーム情報を送信するアラーム情報送信部が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の情報閲覧システム。
【請求項8】
前記データ情報が、健康管理に関するバイタル情報であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の情報閲覧システム。
【請求項9】
所定のデータ情報を蓄積するデータベースと、
前記データ情報の閲覧者の指定情報の入力を受け付ける指定入力受け付け手段と、
前記指定入力受け付け手段により受け付けられた前記指定情報を記憶する閲覧者指定テーブル記憶部と、
閲覧希望者を特定する特定情報の入力を伴って前記データ情報の閲覧申請を受け付ける閲覧申請受け付け手段と、
前記特定情報と、前記閲覧者指定テーブル記憶部に記憶されている指定情報と照合することで前記閲覧希望者に閲覧許可を与えるか否かを判定する認証処理部と、
前記認証処理部にて閲覧許可が与えられた閲覧希望者により前記データ情報が閲覧された場合に、これを閲覧履歴データとして前記閲覧希望者についての前記特定情報に関連付けて記憶する閲覧履歴記憶部と
を具備することを特徴とするサーバ装置。
【請求項10】
閲覧履歴データが前記閲覧履歴記憶部に所定期間記録されない場合に、前記データ情報の閲覧を促すアラーム情報を生成するアラーム情報生成部が備えられていることを特徴とする請求項9に記載のサーバ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2007−257121(P2007−257121A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−78307(P2006−78307)
【出願日】平成18年3月22日(2006.3.22)
【出願人】(501006527)株式会社かんでんジョイライフ (1)
【Fターム(参考)】