説明

意思表示ラベル

【課題】位置合わせを煩雑とすることなく、かつ、貼着する順序を間違えることなく、通知情報が記載されたカードに貼着された場合においても通知情報を外部から認識可能とするとともに利用者の意思を確認する。
【解決手段】一方の面に、貼着されるカードに記載された注意事項11aが記載され、他方の面に透明なフィルム40が積層されたベースシート10と、一方の面に意思表示記入欄21が設けられ、他方の面にカードに貼着されるための粘着剤52を介して剥離紙32が貼着された意思表示シート20とを有し、ベースシート10と意思表示シート20とが、フィルム40が積層された面と意思表示記入欄21が設けられた面の一部にて貼着されるとともに、ベースシート10とフィルム40とが層間剥離する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康保険証や運転免許証等のカードに貼着可能に構成され、利用者が意思表示するための意思表示ラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
臓器の移植に関する法律、いわゆる臓器移植法においては、脳死あるいは心臓が停止した者が自分の臓器を提供する意思を生前に書面で表示している場合、その者の遺族が同意すれば、臓器を摘出することができる旨が規定されている。それに伴い、臓器を提供する意思、あるいは臓器を提供しない意思を表示する臓器提供意思表示カードが普及している。
【0003】
また、臓器提供意思表示カードの携帯の煩わしさを解消するために、健康保険証や運転免許証に貼着可能に構成された臓器提供意思表示ラベルも利用されている。この臓器提供意思表示ラベルを用いれば、臓器提供意思表示ラベルを健康保険証や運転免許証の裏面に貼着することにより、臓器提供意思表示カードを新たに携帯する必要がなくなり、携帯の煩わしさを解消することができる。
【0004】
ところが、このような臓器提供意思表示ラベルが貼着される健康保険証や運転免許証等のカードの裏面には、カードを利用する際の注意事項等の通知情報が記載されているため、臓器提供意思表示ラベルを貼着してしまうと、この通知情報を認識できなくなってしまう。
【0005】
ここで、情報が記入された情報記入領域上に剥離可能に貼着されるラベルが考えられている(例えば、特許文献1参照。)。そこで、このようなラベルの表面にこのラベルが貼着されるカードに記載された通知情報を記載しておき、臓器提供の意思表示記入欄が設けられたシート上にこのラベルを剥離可能に貼着し、さらにこのシートをカードに貼着することにより、通知情報が記載されたカードに貼着された場合においても通知情報が外部から認識可能となるとともに臓器提供の意思を確認することができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−304359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述したように、ラベルの表面にこのラベルが貼着されるカードに記載された通知情報を記載しておき、臓器提供の意思表示記入欄が設けられたシート上にこのラベルを剥離可能に貼着し、さらにこのシートをカードに貼着する場合、カードへの貼着以外にも、臓器提供の意思表示記入欄が設けられたシート上にラベルを剥離可能に貼着する必要が生じ、そのための位置合わせが煩雑になってしまうとともに、貼着する順序を間違えてしまう虞れがある。特に、ラベルと、臓器提供の意思表示記入欄が設けられたシート、カードとが同一形状である場合、端部どうしを合わせるといった位置合わせが二度必要となり、位置合わせが著しく煩雑になってしまうとともに、貼着する順序を間違えやすくなってしまう。
【0008】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、位置合わせを煩雑とすることなく、かつ、貼着する順序を間違えることなく、一方の面の全面に通知情報が記載されたカードに貼着された場合においても通知情報を外部から認識可能とするとともに利用者の意思を確認することができる意思表示ラベルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、
一方の面の全面に通知情報が記載されたカードに前記通知情報を覆うように貼着される意思表示ラベルであって、
一方の面に前記通知情報が記載され、他方の面に透明転写層が積層された第1のシートと、
一方の面に意思表示記入欄が設けられ、他方の面に前記カードに貼着されるための粘着剤を介して剥離紙が貼着された第2のシートとを有し、
前記第1のシートと前記第2のシートとが、前記透明転写層が積層された面と前記意思表示記入欄が設けられた面の一部にて貼着されるとともに、前記第1のシートの前記透明転写層が積層された面のうち前記第2のシートと貼着されていない領域には粘着剤を介して剥離紙が貼着されている。
【0010】
上記のように構成された本発明においては、第2のシートの一方の面に設けられた意思表示記入欄に利用者の意思表示が記入された後、第1のシートの透明転写層が積層された面に粘着剤を介して貼着された剥離紙が剥離され、この粘着剤によって第1のシートと第2のシートとが貼着される。この際、第1のシートと第2のシートとは、透明転写層が積層された面と意思表示記入欄が設けられた面の一部にて互いに貼着されているので、第1のシートと第2のシートとを貼着する際の位置合わせは不要である。そして、第2のシートの他方の面に粘着剤を介して貼着された剥離紙が剥離され、この粘着剤によって、一方の面の全面に通知情報が記載されたカードに通知情報を覆うように貼着される。この状態においては、カードの一方の面に記載された通知情報は、この意思表示ラベルが貼着されることによって外部から認識不可能となるが、意思表示ラベルにおいては、第1のシートの一方の面が表出しており、この面に、カードに記載された通知情報と同一の通知情報が記載されているので、カードに意思表示ラベルが貼着された状態においても、カードに記載された通知情報が外部から認識可能となる。その後、第1のシートと第2のシートとを剥離しようとすると、第1のシートに積層された透明転写層が第1のシートから剥離して第2のシートに貼着された状態となる。そして、第2のシートに設けられた意思表示記入欄に記入された利用者の意思表示が透明転写層を介して確認されることとなる。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように本発明においては、通知情報が記載されたカードに貼着された場合に、表出する第1のシートの一方の面に、カードに記載された通知情報と同一の通知情報が記載されているため、一方の面の全面に通知情報が記載されたカードに通知情報を覆うように貼着された場合においても通知情報を外部から認識可能とすることができ、また、第1のシートと第2のシートとを剥離しようとすると、第1のシートに積層された透明転写層が第1のシートから剥離して第2のシートに貼着された状態となり、第2のシートに設けられた意思表示記入欄に記入された利用者の意思表示が透明転写層を介して確認することができる。そして、通知情報が記載された第1のシートと、意思表示記入欄が設けられた第2のシートとが、透明転写層が積層された面と意思表示記入欄が設けられた面の一部にて互いに貼着されているため、意思表示記入欄に利用者の意思表示を記入した後に第1のシートと第2のシートとを貼着する際の位置合わせが不要となり、位置合わせが煩雑になることを回避できるとともに、貼着する順序を間違えてしまうことを回避できる。また、それとともに、意思表示記入欄に記入された意思表示を必要時まで隠蔽しておくことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の意思表示ラベルが貼着されるカードの一例を示す図であり、(a)は表面図、(b)は裏面図である。
【図2】本発明の意思表示ラベルの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は積層状態を示す側面図、(b)は(a)に示したコート紙の表面図、(c)は(a)に示した意思表示シートの表面図である。
【図3】図2に示した臓器提供意思表示ラベルを図1に示した健康保険証に貼着する際の使用方法を説明するための図である。
【図4】図1に示した健康保険証に貼着された臓器提供意思表示ラベルの使用方法を説明するための図である。
【図5】本発明の意思表示ラベルの第2の実施の形態を示す図であり、(a)は積層状態を示す側面図、(b)は(a)に示したコート紙の表面図、(c)は(a)に示した意思表示シートの表面図である。
【図6】図1に示した健康保険証に貼着された臓器提供意思表示ラベルの使用方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0014】
まず、本発明の意思表示ラベルが貼着されるカードについて説明する。
【0015】
図1は、本発明の意思表示ラベルが貼着されるカードの一例を示す図であり、(a)は表面図、(b)は裏面図である。
【0016】
本発明の意思表示ラベルが貼着されるカードとしては、例えば、図1に示すような健康保険証1が挙げられる。この健康保険証1は図1に示すように、その表面に、保険証番号や被保険者の氏名、生年月日、また保険者番号や保険者名等の保険証情報1aが記載され、その裏面には、この健康保険証1を利用する際の通知情報となる注意事項1bが全面に記載されている。
【0017】
(第1の実施の形態)
図2は、本発明の意思表示ラベルの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は積層状態を示す側面図、(b)は(a)に示したベースシート10の表面図、(c)は(a)に示した意思表示シート20の表面図である。なお、本形態の意思表示ラベルは、図1に示した健康保険証1に貼着されて使用されるものである。
【0018】
本形態は図2に示すように、図1に示した健康保険証1と同一形状を有する第1のシートとなるベースシート10と第2のシートとなる意思表示シート20とが、その一辺に沿う領域にて粘着剤53によって貼着されて構成された臓器提供意思表示ラベル2である。
【0019】
ベースシート10は、一方の面となるその表面に、この臓器提供意思表示ラベル2が貼着される健康保険証1に記載された注意事項1bと同一の注意事項11aが記載されてなる注意事項記載欄11が設けられ、他方の面となるその裏面には、その全面にニス剤41が塗布されているとともに、このニス剤41を介して透明転写層となる透明なフィルム40が積層されている。そして、このフィルム40上において、ベースシート10の一辺に沿う領域に粘着剤53が塗布されているとともに、それ以外の領域、すなわち、意思表示シート20と貼着されていない領域の全面には粘着剤51を介して剥離紙31が貼着されている。また、ベースシート10の角部には、スリット12が形成されている。
【0020】
意思表示シート20は、一方の面となるその表面に、臓器提供の意思表示を記入するための意思表示記入欄21が設けられ、他方の面となるその裏面には、この臓器提供意思表示ラベル2を健康保険証1に貼着するための粘着剤52を介して剥離紙32が貼着されている。
【0021】
すなわち、ベースシート10と意思表示シート20とは、フィルム40が積層された面と意思表示記入欄21が設けられた面の一部にて粘着剤53によって貼着されていることになる。
【0022】
以下に、上記のように構成された臓器提供意思表示ラベル2の使用方法について説明する。
【0023】
まず、上記のように構成された臓器提供意思表示ラベル2の図1に示した健康保険証1への貼着方法について説明する。
【0024】
図3は、図2に示した臓器提供意思表示ラベル2を図1に示した健康保険証1に貼着する際の使用方法を説明するための図である。
【0025】
図2に示した臓器提供意思表示ラベル2を図1に示した健康保険証1に貼着して使用する場合は、まず、図3(a)に示すように、ベースシート10を捲り上げ、意思表示シート20に設けられた意思表示記入欄21に臓器提供の意思表示21aを記入する。ベースシート10と意思表示シート20とは、粘着剤53によって互いに貼着されているものの、粘着剤53による貼着領域はベースシート10及び意思表示シート20の一辺に沿う領域のみであり、他の領域においては、粘着剤51を介して剥離紙31が貼着されているため、粘着剤53が塗布された領域が貼着されたまま、捲り上げることができる。
【0026】
次に、図3(b)に示すように、ベースシート10のフィルム40が積層された面から剥離紙31のみを剥離し、図3(c)に示すように、表出した粘着剤51によって、意思表示21aが記入された意思表示シート20上にベースシート10及びそれに積層されたフィルム40を貼着する。この際、ベースシート10と意志表示シート20とは、フィルム40が積層された面と意思表示記入欄21が設けられた面の一部にて粘着剤53によって互いに貼着されているので、ベースシート10と意志表示シート20とを貼着する際の位置合わせが不要である。
【0027】
次に、図3(d)に示すように、意思表示シート20の裏面に貼着された剥離紙32を剥離し、意思表示シート20の裏面に塗布された粘着剤52を表出させる。
【0028】
そして、図3(e)に示すように、図1に示した健康保険証1の裏面上に、臓器提供意思表示ラベル2を重ね合わせ、意思表示シート20の裏面に塗布された粘着剤52によって、臓器提供意思表示ラベル2を健康保険証1の裏面に貼着する。この際、臓器提供意志表示ラベル2を構成するベースシート10及び意思表示シート20が健康保険証1と同一形状を有するものであるため、臓器提供意思表示ラベル2は、健康保険証1の裏面に記載された注意事項1bを覆うように貼着されることになる。
【0029】
健康保険証1の裏面に臓器提供意思表示ラベル2が貼着されると、図3(f)に示すように、健康保険証1の裏面に記載された注意事項1bが外部から視認不可能となるが、臓器提供意思表示ラベル2においては、ベースシート10の注意事項記載欄11が設けられた面が表出しているため、注意事項記載欄11に記載された注意事項11aが外部から視認可能な状態となっている。そして、この注意事項記載欄11に記載された注意事項11aが、健康保険証1の裏面に記載された注意事項1bと同一のものであるため、健康保険証1の裏面に臓器提供意思表示ラベル2が貼着された状態においても、健康保険証1の裏面に記載された注意事項1bが外部から認識可能となる。
【0030】
上述したように、その一部が互いに貼着されたベースシート10と意思表示シート20とが貼着された後、意志表示シート20の裏面に塗布された粘着剤52によって健康保険証1に貼着される構成であるため、健康保険証1への貼着順序を間違えることがない。
【0031】
このようにして、図2に示した臓器提供意思表示ラベル2は健康保険証1に貼着されて利用されるが、臓器提供意思表示ラベル2が健康保険証1に貼着されている状態においては、臓器提供意思表示ラベル2の意思表示記入欄21が設けられた面が表出していないため、意思表示記入欄21に記入された意思表示21aが第三者に見られてしまうことがない。
【0032】
次に、上記のようにして健康保険証1に貼着された臓器提供意思表示ラベル2の使用方法について説明する。
【0033】
図4は、図1に示した健康保険証1に貼着された臓器提供意思表示ラベル2の使用方法を説明するための図である。
【0034】
上記のようにして健康保険証1に貼着された臓器提供意思表示ラベル2を使用する場合は、ベースシート10に形成されたスリット12をきっかけとしてベースシート10を意思表示シート20から剥離しようとすると、図4(a)に示すように、ベースシート10に積層されたフィルム40が意思表示シート20に貼着されたままベースシート10から剥離し、フィルム40が意思表示シート20側に転写された状態となる。ベースシート10のフィルム40が積層された面には、ニス剤41が塗布されているため、ベースシート10とフィルム40とが剥離しやすくなっている。
【0035】
フィルム40がベースシート10から剥離し、意思表示シート20に貼着された状態になると、フィルム40が透明なものであることから、図4(b)に示すように、意思表示シート20の意思表示記入欄21がフィルム40を介して視認可能な状態となり、それにより、意思表示記入欄21に記入された臓器提供の意思表示21aがフィルム40を介して確認されることとなる。
【0036】
このように、本形態においては、注意事項1bが記載された健康保険証1に貼着された場合に、表出するベースシート10の一方の面に注意情報1bと同一の注意事項11aが記載されているため、注意事項1bを覆うように健康保険証1に貼着した場合においても、健康保険証1に記載された注意情報1bを外部から認識可能とすることができ、また、ベースシート10と意思表示シート20とを剥離しようとすると、ベースシート10に積層された透明なフィルム40がベースシート10から剥離して意思表示シート20に貼着された状態といなり、意思表示シート20に設けられた意思表示記入欄21に記入された臓器提供の意思表示21aをフィルム40を介して確認することができる。そして、注意事項11aが記載されたベースシート10と、意思表示記入欄21が設けられた意思表示シート20とが、フィルム40が積層された面と意思表示記入欄21が設けられた面の一部にて粘着剤53によって互いに貼着されているため、意思表示記入欄21に臓器提供の意思表示21aを記入した後にベースシート10と意思表示シート20とを貼着する際の位置合わせが不要となり、位置合わせが煩雑になることを回避できるとともに、貼着する順序を間違えてしまうことを回避できる。
【0037】
(第2の実施の形態)
図5は、本発明の意思表示ラベルの第2の実施の形態を示す図であり、(a)は積層状態を示す側面図、(b)は(a)に示したベースシート10の表面図、(c)は(a)に示した意思表示シート20の表面図である。なお、本形態の意思表示ラベルは、図1に示した健康保険証1に貼着されて使用されるものである。
【0038】
本形態は図5に示すように、第1の実施の形態にて示したものに対して、ベースシート10の裏面に透明な2層のフィルム40a,40bが粘着剤54によって貼着され、このうちベースシート10とは反対側のフィルム40aが透明転写層となっている点のみが異なる臓器提供意思表示ラベル102である。また、ベースシート10に形成されたスリット12は、フィルム40bまで形成されている。
【0039】
以下に、上記のように構成された臓器提供意思表示ラベル102の使用方法について説明する。
【0040】
上記のように構成された臓器提供意思表示ラベル102は、第1の実施の形態に示したものと同様にして、図1に示した健康保険証1の裏面に注意事項1bを覆うように貼着される。そのため、本形態においても、臓器提供意思表示ラベル102が健康保険証1に貼着されている状態においては、臓器提供意思表示ラベル102の意思表示記入欄21が設けられた面が表出していないため、意思表示記入欄21に記入された意思表示21aが第三者に見られてしまうことがない。
【0041】
次に、上記のようにして健康保険証1に貼着された臓器提供意思表示ラベル102の使用方法について説明する。
【0042】
図6は、図1に示した健康保険証1に貼着された臓器提供意思表示ラベル102の使用方法を説明するための図である。
【0043】
健康保険証1に貼着された臓器提供意思表示ラベル102を使用する場合は、ベースシート10及びフィルム40bに形成されたスリット12をきっかけとしてベースシート10を意思表示シート20から剥離しようとすると、図6(a)に示すように、ベースシート10の裏面に貼着された2層のフィルム40a,40bが層間剥離し、フィルム40bがベースシート10に貼着されたままの状態となり、フィルム40aが意思表示シート20に貼着された状態となる。
【0044】
ベースシート10の裏面に貼着された2層のフィルム40a,40bが層間剥離すると、フィルム40aが透明なものであることから、図6(b)に示すように、意思表示シート20の意思表示記入欄21がフィルム40aを介して視認可能な状態となり、それにより、意思表示記入欄21に記入された臓器提供の意思表示21aがフィルム40aを介して確認されることとなる。
【0045】
このように、本形態においては、注意事項1bが記載された健康保険証1に貼着された場合に、表出するベースシート10の一方の面に注意情報1bと同一の注意事項11aが記載されているため、注意事項1bを覆うように健康保険証1に貼着した場合においても、健康保険証1に記載された注意情報1bを外部から認識可能とすることができ、また、ベースシート10と意思表示シート20とを剥離しようとすると、ベースシート10の裏面に貼着された2層のフィルム40a,40bが層間剥離してフィルム40aが意思表示シート20に貼着された状態となり、意思表示シート20に設けられた意思表示記入欄21に記入された臓器提供の意思表示21aをフィルム40aを介して確認することができる。そして、注意事項11aが記載されたベースシート10と、意思表示記入欄21が設けられた意思表示シート20とが、フィルム40a,40bが積層された面と意思表示記入欄21が設けられた面の一部にて粘着剤53によって互いに貼着されているため、意思表示記入欄21に臓器提供の意思表示21aを記入した後にベースシート10と意思表示シート20とを貼着する際の位置合わせが不要となり、位置合わせが煩雑になることを回避できるとともに、貼着する順序を間違えてしまうことを回避できる。
【0046】
なお、上述した2つの実施の形態においては、ベースシート10と意思表示シート20とが、貼着される健康保険証1と同一形状を有するものを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、健康保険証1に貼着された場合に、健康保険証1に記載された注意事項1bが覆われる形状であればよい。また、臓器提供意思表示ラベル2,102が貼着されるカードとしては、健康保険証1に限らず、運転免許証やその他、いかなるものであってもよく、そのカードに記載された通知事項がベースシート10に記載されることとなる。
【0047】
また、上述した2つの実施の形態においては、透明転写層として、ベースシート10との間にて層間剥離するフィルム40、または層間剥離する2層のフィルム40a,40bを例に挙げて説明したが、ベースシート10の裏面に設けられ、ベースシート10が意思表示シート20に貼着された後にこれらベースシート10と意思表示シート20とを剥離した場合に、意思表示シート20側に転写される透明な材料からなるものであればよい。ただし、粘着力が弱い粘着剤においては、上述したような構成と比べて、ベースシート10と意思表示シート20とを貼着した後、剥離しやすく、また、ベースシート10と意思表示シート20とを貼着した後、長時間が経過すると剥離できなくなってしまうため、好ましくない。
【0048】
また、上述した2つの実施の形態においては、臓器提供の意思表示を記入する臓器提供意思表示ラベル2,102を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、利用者がその他いかなる意思表示を記入するものであってもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 健康保険証
1a 保険証情報
1b,11a 注意事項
2,102 臓器提供意思表示ラベル
10 ベースシート
11 注意事項記載欄
12 スリット
20 意思表示シート
21 意思表示記入欄
21a 意思表示
31,32 剥離紙
40,40a,40b フィルム
41 ニス剤
51〜54 粘着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面の全面に通知情報が記載されたカードに前記通知情報を覆うように貼着される意志表示ラベルであって、
一方の面に前記通知情報が記載され、他方の面に透明転写層が積層された第1のシートと、
一方の面に意思表示記入欄が設けられ、他方の面に前記カードに貼着されるための粘着剤を介して剥離紙が貼着された第2のシートとを有し、
前記第1のシートと前記第2のシートとが、前記透明転写層が積層された面と前記意思表示記入欄が設けられた面の一部にて貼着されるとともに、前記第1のシートの前記透明転写層が積層された面のうち前記第2のシートと貼着されていない領域には粘着剤を介して剥離紙が貼着されている意思表示ラベル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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