説明

感染防止装置および感染防止システム

【課題】医療従事者と患者が診察室等で接触する際に、医療従事者の背後から清浄空気を送風することで、ウイルスを保有した患者の飛沫により、医療従事者が空気感染されることを確実に防止できる感染防止装置および感染防止システムを提供する。
【解決手段】感染防止装置10は、フィルタ15と、室内の空気をフィルタ15に通して得られる清浄空気を前方に送る空気送り手段16とを有するケーシング14と、ケーシング14に設けられ、空気感染を防止する医療従事者Mを覆って、空気送り手段16からの清浄空気を前方および下方に向って送る空間を形成するフード40を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感染防止装置および感染防止システムに関し、特に例えば医療現場等に用いられて医療従事者に対してフィルタを介して清浄空気を送ることで、例えばインフルエンザ等による二次感染を防止する感染防止装置および感染防止システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、医師が患者と診察室等で対面して患者を診察する際には、医師の背後に1台の自立架台付きの空気清浄ユニットを配置して、医師から患者に向けて清浄空気を送出する。これにより、インフルエンザ等の空気感染性の疾患等を患う患者から医師への二次感染を防ぐとともに、患者に対して清浄な空気を供給することで、呼吸を楽にすることが開示されている(特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3062693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1に開示されている空気清浄ユニットは単に垂直に立てて配置されているだけであるので、空気清浄ユニットから供給される清浄空気が水平層流である。このため、例えば医師の背面から清浄空気を送風すると、医師の頭が清浄空気を遮ってしまい、医師の口や鼻の吸引部位には渦流が発生しやすい状態になることから清浄空気が到達しないので、実質上口や鼻の周辺領域である吸引部位を汚染防止できない場合がある。
通常、患者の後方は壁等があり、清浄空気が医師の背後から清浄空気が送風される場合には、清浄空気がその患者を通過して患者から発する汚染された空気が患者の後方の壁に衝突するので、上下左右に拡散する。
【0005】
しかし、清浄空気が医師の口や鼻の吸引部位に到達できるようにするために、例えば特許文献1の図11(c)に示すように、空気清浄ユニットを医師と患者の真横に配置する場合には、医師と下流側の壁との距離が大きいと、清浄空気が医師と患者を通過して通過時にウイルスで汚染されて汚染空気となり、この汚染空気が壁に衝突するまでに、汚染空気が室内全域に拡がってしまうおそれがある。
そこで、本発明は、上記課題を解消するために、医師等の医療従事者と患者が診察室等で近接する際に、医療従事者の背後から清浄空気を送風することで、ウイルスを保有した患者の飛沫により、医療従事者が空気感染されることを確実に防止できる感染防止装置および感染防止システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の感染防止装置は、空気浄化用フィルタと、室内の空気を前記フィルタに通して得られる清浄空気を前方に送る空気送り手段とを有するケーシングと、前記ケーシングに設けられ、空気感染を防止する対象者を覆って、前記空気送り手段からの前記清浄空気を前記前方および下方に向って送る空間を形成するフードとを有することを特徴とする。
上記構成によれば、医師等の医療従事者と患者が診察室等で接触する際に、医療従事者の背後から清浄空気を送風することで、ウイルスを保有した患者の飛沫により、医療従事者が空気感染されることを確実に防止できる。
【0007】
本発明の感染防止装置では、前記フードは、遮蔽シートと、前記遮蔽シートを保持して回動式で蛇腹状に段階的に前記前方および前記下方に向かって展開する複数の支持用フレームとを有することを特徴とする。
上記構成によれば、フードは、遮蔽シートと複数の支持用フレームにより簡単な構造であり、使用時には遮蔽シートを展開し、使用しない時にはコンパクトに収納することが簡単にできる。
【0008】
本発明の感染防止装置では、前記遮蔽シートは、各支持用フレームを挿入して保持するための挿入保持部を有し、各前記支持用フレームの両端部は、それぞれ支持用フレーム組受け部に回動可能に取り付けられていることを特徴とする。
上記構成によれば、各支持用フレームは遮蔽シートの挿入保持部に挿入して、支持用フレーム組受け部により回転させることで、フードを取り外すことが容易であり、使用時には遮蔽シートを展開し、使用しない時にはコンパクトに収納することが簡単にできる。
【0009】
本発明の感染防止装置では、前記支持用フレームは、1本のワイヤー状の部材または長さ方向に複数個所で分割自在であることを特徴とする。
上記構成によれば、支持用フレームが1本のワイヤー状の部材であれば、部品点数を減らすことができ、支持用フレームが複数個所で分割自在であれば、長い支持用フレームであっても遮蔽シートの挿入保持部に挿入する作業が容易にできる。
【0010】
本発明の感染防止装置では、前記フードの断面は、1/4円の曲線に比べてより急峻な傾斜となるように、基端部から先端部にかけて徐々に曲率半径が小さくされて、先細り形状とされていることを特徴とする。
上記構成によれば、空気感染を防止する対象者の鼻や口の周囲空間に対応して、清浄空気を前方及び下方のより狭い空間に確実に絞り込んで供給することができる。
【0011】
本発明の感染防止装置では、前記支持用フレーム組受け部は、前記支持用フレームを複数の異なる傾斜角度で保持する角度調整部を有することを特徴とする。
上記構成によれば、フードは任意の角度で保持できる。
【0012】
本発明の感染防止装置では、一方の前記支持用フレーム組受け部と他方の前記支持用フレーム組受け部は、それぞれ2つの対向する板状の部材と、前記対向する板状の部材の間に回動可能に取り付けられた端部保持部材と、を有し、前記端部保持部材には、前記支持用フレームの端部が着脱可能に取り付けられることを特徴とする。
上記構成によれば、フードの交換が容易に行える。
【0013】
本発明の感染防止装置では、前記フードの前記遮蔽シートを折りたたんで収納した状態を保持する保持部材を有することを特徴とする。
上記構成によれば、フードの遮蔽シートを折りたたんで収納した状態を確実に保持できる。
【0014】
本発明の感染防止装置では、前記ケーシングの高さ調整が可能であり前記ケーシングに対して着脱可能であるスタンドと、前記スタンドを移動するためのキャスタとを有することを特徴とする。
上記構成によれば、ケーシングとフードの高さを調整でき、しかも感染防止装置は使用時と使用しない時にキャスタを用いて自由に移動可能である。
【0015】
本発明の感染防止システムは、第1フィルタと、室内の空気を前記第1フィルタに通して得られる清浄空気を前方に送る空気送り手段とを有する第1ケーシングと、前記第1ケーシングに設けられ、空気感染を防止する対象者を覆って、前記空気送り手段からの前記清浄空気を前記前方および下方に向って送る空間を形成する第1フードと、を有する第1感染防止装置と、第2フィルタと、前記室内の空気を前記第2フィルタに通して清浄空気に変える第2空気送り手段とを有する第2ケーシングと、前記第2ケーシングに設けられ、患者を覆って、前記室内の空気を上方および後方に送って前記第2フィルタに通す空間を形成する第2フードと、を有する第2感染防止装置と、を有することを特徴とする。
上記構成によれば、医師等の医療従事者と患者が診察室等で接触する際に、医療従事者の背後から清浄空気を送風することで、ウイルスを保有した患者の飛沫により、医療従事者が空気感染されることを確実に防止できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、医師等の医療従事者と患者が診察室等で接触する際に、医療従事者の背後から清浄空気を送風することで、ウイルスを保有した患者の飛沫により、医療従事者が空気感染されることを確実に防止できる感染防止装置および感染防止システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の感染防止装置の実施形態1を示す斜視図である。
【図2】図1に示す感染防止装置の正面図である。
【図3】図1に示す感染防止装置の使用例を示す側面図である。
【図4】支持用フレームの形状例を示す斜視図である。
【図5】支持用フレームの形状例を示す正面図である。
【図6】支持用フレームの挿入保持部を示す斜視図である。
【図7】支持用フレーム組受け部と支持用フレームの端部と、端部保持部材を示す側面図である。
【図8】図7に示す支持用フレーム組受け部と支持用フレームの端部と、端部保持部材を示す斜視図である。
【図9】端部保持部材が支持用フレーム組受け部に対して回動可能に取り付けられている構造を示す図である。
【図10】フードがケーシングの内面部に沿ってZ方向に小さく収納された状態を示す図である。
【図11】図11(A)は本発明の実施形態1のフードの形状を示し、図11(B)は本発明の実施形態2のフードの形状を示す図である。
【図12】本発明の実施形態3における支持用フレームを示す図である。
【図13】本発明の実施形態4である感染防止システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の感染防止装置の実施形態1を示す斜視図である。図2は、図1に示す感染防止装置の正面図である。図3は、図1に示す感染防止装置の使用例を示す側面図である。
図1と図2に示す感染防止装置10は、図3に示すように、例えば医療現場等に用いられて医療従事者Mに対してフィルタ15を介して清浄空気Bを送ることで、例えば医療従事者Mがインフルエンザ等による二次感染を防止する装置である。
【0019】
図1と図2に示す感染防止装置10は、空気清浄ユニットとも呼ぶことができ、本体部11と、スタンド12と、フード40を有している。
図1と図2に示す本体部11とスタンド12は、金属により作られ、このスタンド12は、本体部11を床面13に対して、Z方向(垂直方向)に自立させて保持している。本体部11は、箱型のケーシング14を有している。ケーシング14は、内面部14Aと、外面部14Bと、側面部14C、14Dと、上面部14Eと、下面部14Fを有する。
図3に示すように、内面部14Aには、矩形の開口部である吹出口20が形成され、外面部14Bには、吸入口21が形成されている。吹出口20と吸入口21は対面している。この吸入口21にはプレフィルタ21Fが配置されている。
【0020】
ケーシング14はファンフィルタユニットを構成している。このケーシング14には、例えば、1つのフィルタ15と、空気送り手段としての2つの電動ファン16と、スイッチ17と、制御部18を有している。電動ファンは、後述するように軸流ファンであると好ましい。
図1と図2に示すように、フィルタ15は、ケーシング14内に収容され、吹出口20に対応して配置されている。電動ファン16は、ケーシング14内に配置され、吸入口21に対応して配置されている。スイッチ17は、内面部14Aの下部に配置されている。制御部18は、電動ファン16とスイッチ17に電気的に接続されている。
制御部18は、商用電源に接続する接続コード19Rを有する。医療従事者Mが、スイッチ17をオンすると、制御部18の指令により電動ファン16が動作する。電動ファン16が動作すると、図3に示すように室内空気Aが、プレフィルタ21Fを通ってケーシング14内に取り込まれて、フィルタ15を通過して清浄空気Bとなり、清浄空気Bは吹出口20から医療従事者Mに対して吹き出されるようになっている。
【0021】
図1と図3に示すように、スタンド12は、少なくとも本体部11を着脱可能にしかもZ方向に上下位置の調整可能に保持している。スタンド12は、本体部11の取付部21と、背面パネル22と、左右の支持部材23と、左右の脚部24と、フード取付部25を有している。取付部21は、例えばスタンド12の上部に埋め込まれたインサートナットと本体部11の下部のボルトとにより固定している。フード取付部25と背面パネル22は例えば一体物であり、左右の支持部材23に対して、例えばボルトとナットにより、着脱可能に取り付けられている。
【0022】
図3に示すように、左右の支持部材23には高さ調整用のボルト26が取り付けられている。左右の支持部材23と脚部24とはこのボルト26で締結されている。このボルト26を緩めることで、左右の支持部材23に対する左右の脚部24のZ方向の高さを調整し、そして再度ボルト26を締めることで、床面13からの本体部11のZ方向の高さ位置を調整できる。図2に示すように、左右の脚部24はY方向のサポート部材23Bにより固定されている。
【0023】
左右の脚部24の下部は、それぞれ支持ベース27が設けられている。これらの支持ベース27は、断面四角のパイプ状の基部28と、この基部28の両端部から拡張可能な拡張部材29を備える。拡張部材29にはキャスタ31が設けられている。
調整ボルト30を緩めることで、拡張部材29は基部28からX方向に沿って前後に伸長して拡張でき、あるいは基部28内に入れ込むことができる。これにより、支持ベース27のX方向の支持幅を調整して、感染防止装置10を安定して支持することができる。
【0024】
図1に示すように、2つの取手19が、本体11の取付部21と支持部材23の間に設けられている。感染防止装置10は、これらの取手19を持つことで床面13上を自由に安全に移動できる。
上述した本体部11とスタンド12は、取付部21により分割線Sにおいて着脱自在に分割できる。しかも、スタンド12では、取付部21と背面パネル22と左右の支持部材23とフード取付部25と左右の脚部24と支持ベース27は、好ましくは着脱可能に分解することができる。これにより、感染防止装置10を各位パーツに分けるので運搬が容易になり、例えば診察室等で感染防止装置10組み立てる作業が容易である。
【0025】
次に、図1〜図3に示す蛇腹型のフード40の構造について説明する。
図1と図2に示すように、フード取付部25は、左右の支持用フレーム組受け部41を有している。図1と図3に示すように、フード40は、複数本の支持用フレーム51,52,53,54,55と、これらの支持用フレーム51,52,53,54,55により、展開および収納可能に保持される遮蔽シート60を有する。この遮蔽シート60は、例えば透明のプラスチックシートであり、一例としてポリエチレンシートを用いることができる。なお、支持用フレームの本数は特に限定されない。
【0026】
図3に示すように、支持用フレーム組受け部41は、複数本の支持用フレーム51,52,53,54,55の両端部を着脱可能に固定している。図5は、支持用フレーム51,52,53,54,55の形状例を示す正面図である。
支持用フレーム51,52,53,54,55は、例えば図4に示すようなワイヤーを用いることができ、棒状もしくは線状のプラスチックワイヤーや金属ワイヤーあるいはカーボンファイバである。支持用フレーム51,52,53,54,55は、直線部分57と円弧部分58を有する。図5に示すように、支持用フレーム51が最も小さく、フード52,53,54,55に至るに従って少しずつ大きくなっている。このような1本もののワイヤー状の部材であれば、部品点数を減らすことができる。
【0027】
図1と図3に示すように、遮蔽シート60は、支持用フレームの挿入保持部61,62,63,64,65を有している。支持用フレームの挿入保持部61,62,63,64,65は、図6に示すようにチューブ状または袋状に形成されている。これらの支持用フレームの挿入保持部61,62,63,64,65には、支持用フレーム51,52,53,54,55が、E方向にそれぞれ挿入できる。このように、支持用フレームは遮蔽シートの挿入保持部に挿入して、支持用フレーム組受け部により回転させることで、使用時には遮蔽シートを展開し、使用しない時にはコンパクトに収納することが簡単にできる。
【0028】
図7は、支持用フレーム組受け部41と支持用フレーム51,52,53,54,55の端部51R,52R,53R,54R,55Rと、端部保持部材71〜75を示す側面図である。図8は、図7に示す支持用フレーム組受け部41と支持用フレーム51,52,53,54,55の端部51R,52R,53R,54R,55Rと、端部保持部材71〜75を示す斜視図である。
図7と図8に示すように、端部保持部材71〜75は、筒状部分76と、ボルト穴77Hを有する板状の取付部77を有している。図7に示すように、筒状部分76には、支持用フレーム51,52,53,54,55の端部51R,52R,53R,54R,55Rを着脱可能に挿入可能である。
【0029】
図9には、端部保持部材71〜75が支持用フレーム組受け部41に対して、ボルト79の位置で回動可能に取り付けられている構造を示している。
図9に示す支持用フレーム組受け部41は、図1と図3に示すように、フード取付部25の左右の位置にそれぞれ設けられている。左右の支持用フレーム組受け部41は、X方向に沿って平行に突出して形成され、ほぼ半円形状の一対の板状の部材78を有している。図9に示すように、一対の板状の部材78の間には、端部保持部材71〜75が位置されている。ボルト79は、板状の部材78のボルト穴78Hと取付部77のボルト穴77Hに通し、2つのスペーサ81を介在させて、ナット80により着脱可能に固定されている。
これにより、各支持用フレームは遮蔽シートの挿入保持部に挿入して、支持用フレーム組受け部により回転させることで、フードを取り外すことが容易であり、使用時には遮蔽シートを展開し、使用しない時にはコンパクトに収納することが簡単にできる。
【0030】
また、図8と図9に示すように、板状の部材78の内面には、係止部として、例えばストッパ82が少なくともひとつ突出して設けられている。端部保持部材71にはストッパ82が当接することにより、係止するようにされている。これにより、ストッパ82は端部保持部材71に圧接してこれを保持するので、フードは任意の角度で保持でき、端部保持部材71は最下位置N1、中間位置N2、そして最上位置N3にそれぞれ任意に角度調整することができる。図7に示すように、各端部保持部材71のボルト79は、直線Gに沿って配列されている。
【0031】
フード40について上記のような回動式で蛇腹型の構成を採用することで、図3に示すように遮蔽シート60を段階的に、R1方向に沿って前方および下方に向けて下ろすことができるようになっている。また、図10に示すように、フード40の遮蔽シート60は、支持用フレーム51,52,53,54,55と端部保持部材71〜75をR2方向に上げることにより、フード40は本体部11の内面部14Aに沿ってZ方向に小さくコンパクトに収納することができる。
しかも、図10に示すように、例えば、フード40の収納に際しては、図示するように断面がほぼL字状の保持用金具85を用いることができる。保持用金具85は、基端部が本体11の上面に矢印a方向に回動可能であって、しかも矢印b方向に移動可能に構成されている。状態は、
通常はケーシング14である本体11の上面部14において、矢印b方向の収納方向(図10において右方)に移動収納しておき、使用時に左方に引っぱり出して、矢印a方向に回動させて、フード40の各支持用フレームを束ねて保持できるようにされている。これにより、フード40が不用意にR1方向に展開することを防ぐことができる。
【0032】
図11(A)は、フード40の遮蔽シート60が展開されている状態を示す側面図である。フード40の遮蔽シート60の取付端部60Tは、本体部11の内面部14Aに対して、取付テープ部材90により固定されている。この取付テープ部材90は、面ファスナーのように、一方のテープ91と他方のテープ92を着脱可能に貼り付けるようになっている。
これにより、フード40の遮蔽シート60の取付端部60Tは、本体部11の内面部14Aから取り外して交換し、あるいは遮蔽シート60をクリーニングすることができ、メンテナンスが容易である。
【0033】
次に、上述した感染防止装置10の使用例を説明する。
図3を参照すると、感染防止装置10が例えば診察室内の床面13に置かれる。この際に、感染防止装置10は医療従事者Mの背後に置かれる。医療従事者Mは、本体部11を背にして座り、患者Tは医療従事者Mに対して対面して座る。フード40の遮蔽シート60が、支持用フレーム51,52,53,54,55を用いてR1方向に展開される。これにより、遮蔽シート60は、医療従事者Mの頭部Hと肩部Fの周囲を覆う。フード40の遮蔽シート60は、段階的に斜め下方に降ろして、フィルタ15の上部から前方および下方に向かって空間を形成するようになっている。
【0034】
図3に示す医療従事者Mが、図1に示すスイッチ17をオンすると、図3の制御部18の指令により動作する。図3の電動ファン16が動作すると、室内空気Aが、ケーシング14内に取り込まれて、そしてフィルタ15を通過して清浄空気Bとなる。
この清浄空気Bは、吹出口20から医療従事者Mに対して吹き出される。吹き出された清浄空気Bは、フード40の遮蔽シート60の機能に基づいて、該フード60の内面に沿って、上部から前方および下方に向かって進み、医療従事者Mの口と鼻に近接した周辺領域、すなわち、呼吸する空気が存在する領域を通過して、遮蔽シート60内から診察室内に吹き出される。
感染防止装置10は清浄空気を医療従事者Mから患者T方向に吹き出すようにしているので、患者Tの背面に壁や衝立等があれば好ましいが、診察室の部屋全体に吹き出した汚染空気が拡散することはなく感染防止装置10に吸入されるので、効率よく室内の循環清浄ができる。
【0035】
このような経路に沿って、感染防止装置10のフード40から清浄空気Bが医療従事者Mの背後から鼻と口の吸引部位に向けて吹き出される。従って、感染防止装置10は、医師等の医療従事者Mと患者Tが診察室等で接触する際に、医療従事者Mの背後から清浄空気を送風することで、新型ウイルス等に感染した患者Tの飛沫により、医療従事者Mが空気感染(二次感染)されることを確実に防止できる。また、清浄空気Bが感染防止装置10の後方へ拡散しないように、背面パネル22は無開口としている。
【0036】
感染防止装置10のフィルタ15の吹き出し口側に回動式の蛇腹型のフード40を設けられ、医師等の医療従事者Mの口や鼻の吸引部位に対して確実に清浄空気を供給できるので、クリーンブース等の大掛かりな装置を使用しなくても済む。回動式の蛇腹型のフード40を設けているので、フード40の先端部の位置は、医療従事者Mの口や鼻の吸引部位の高さに合わせて自在に調整することができる。医療従事者Mがフード40をかぶるので、患者Tがくしゃみをした時に飛んだ飛沫が医療従事者Mにかかることを防止できる。また、ケーシング11の高さ位置を調整することで、フード40は、医療従事者Mの口や鼻の吸引部位の高さに合わせて自在に調整することができる。
【0037】
図8に示す例のように、少なくとも端部保持部材71,72は、一番下までおろした位置(N1等)と、それぞれ一番下位の位置よりもやや上の中間位置N2、N3にそれぞれ任意に角度調整することで、図3に示す遮蔽シート60の先端部分60Wの位置をR2方向に少し持ち上げて保持することができる。これにより、医療従事者Mは、必要に応じて例えばカルテに記入するなどの作業の場合には、遮蔽シート60の先端部分60Wの位置をR2方向に少し持ち上げることができる。
【0038】
なお、感染防止装置10を使用しない場合には、図10に示すように、フード40の遮蔽シート60は本体部11の内面部14Aに沿ってZ方向に小さく収納することができる。しかも、フード40の収納状態は、保持部材85を用いて本体部11側に保持できる。
これにより、感染防止装置10を使用しない時には、コンパクトに収納して常備でき、フード40が不用意にR1方向に展開することを防ぐことができる。
遮蔽シート60が例えば破れたりして遮蔽シート60を交換したい場合には、遮蔽シート60を取付テープ部材90の部分で取り外して、その後遮蔽シート60から支持用フレーム51,52,53,54,55を抜いて、支持用フレーム51,52,53,54,55を新たな遮蔽シート60に通して、図7に示すように支持用フレーム51,52,53,54,55の端部51R,52R,53R,54R,55Rを端部保持部材71〜75にはめ込めば良い。このため、遮蔽シート60の交換は容易に行える。
【0039】
次に、本発明の別の実施形態を説明する。なお、以下に説明する本発明の別の実施形態では、図1〜図11(A)に示す実施形態1の構成と共通する構成には同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
(実施形態2)
図3と図11(A)に示す本発明の実施形態1では、フード40の遮蔽シート60は、段階的に斜め下方に降ろして、フィルタ15の上部から前方および下方に向かって空間を遮蔽するようになっている。この遮蔽シート60の横から見た断面は、1/4円の曲線を形成しており、最下部60Wの半径方向の長さL1は、内端部60Vの半径方向の長さLに対してやや小さい。つまり、フード40の固定部と可動部の断面積がほぼ同じである。
【0040】
これに対して、図11(B)に示す本発明の実施形態2では、フード40Aの遮蔽シート60Aの横から見た断面は、1/4円の曲線よりも急峻に形成されている。すなわち、フード40Aの基端部から先端部にかけてその外縁が形成する曲線の曲率半径が徐々に小さくなるようにされている。これにより、フード40の固定部から可動部にかけて断面積が小さくなるようにしている。このため、最下部60Wの半径方向の長さL2は、内端部60Vの半径方向の長さLと長さL1に比べてかなり小さくすることで、清浄空気B1の流れを絞るようにしている。これにより、清浄空気Bを、医療従事者Mの口と鼻に近接した呼吸用空気が存在する領域に、より収束させて送り込むことができる。従って、実施形態2の感染防止装置では、医師等の医療従事者Mと患者Tが診察室等で接触する際に、医療従事者のM背後から清浄空気を送風することで、ウイルスを保有した患者Tの飛沫により、医療従事者Mが空気感染されることを、より確実に防止できる。
【0041】
(実施形態3)
図12は、本発明の実施形態3を示す斜視図である。なお、以下に説明する本発明の別の実施形態では、図1〜図11(A)に示す実施形態1の構成と共通する構成には同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
図4に示す実施形態1の支持用フレーム51〜55は、一本のワイヤー状の部材である。これに対して、図12に示す支持用フレーム51C〜55Cは、例えばプラスチックや金属で作られている。支持用フレーム51C〜55Cは、長さ方向に沿って例えば5分割されており、分割部材91,92,93,94,95から構成されている。なお、支持用フレームの分割数は5つに限らない。
【0042】
分割部材91は挿入部分91T、91Sを有し、分割部材92は挿入部分92Sを有し、分割部材93は挿入部分93Sを有し、分割部材94は挿入部分94Sを有し、分割部材95は挿入部分95Sを有している。挿入部分91T、91Sはそれぞれ挿入穴89H、92Hにはまり込み、挿入部分92Sは挿入穴93Hにはまり込み、挿入部分93Sは挿入穴94Hにはまり込み、挿入部分94Sは挿入穴95Hにはまり込み、そして挿入部分95Sは挿入穴96Hにはまり込む。このように支持用フレーム51C〜55Cが長さ方向に分割できるようにすることで、分割されていない1本タイプの支持用フレームに比べて遮蔽シートに対して簡単に挿入できる。
【0043】
(実施形態4)
図13は、本発明の実施形態4である感染防止システムを示す側面図である。なお、以下に説明する本発明の別の実施形態では、図1〜図11(A)に示す実施形態1の構成と共通する構成には同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
図3に示す本発明の実施形態1では、感染防止装置10がいわゆる空気を吹き出すプッシュ型の空気清浄ユニットであり、医者等の医療従事者M側だけに設定されている。
図13に示す本発明の実施形態4であるおよび感染防止システム200では、第1感染防止装置10が医者等の医療従事者M側に設定されているだけではなく、第2感染防止装置10Dが患者T側に設定されている。
第2感染防止装置10Dは、いわゆる気空気を吸引するプル型の空気清浄ユニットである。すなわち、第2感染防止装置10Dのフード40内には、患者Tの頭部と肩部が位置されている。第1感染防止装置10と第2感染防止装置10Dは、基本的に同じ構造を有しており、間隔をおいて対面している。
【0044】
このように、感染防止システム200は、第1感染防止装置10と第2感染防止装置10Aを有する。第1感染防止装置10は、図1〜図10に示す感染防止装置10と同じ構成であり、第1フィルタ15と、室内の空気を第1フィルタ15に通して得られる清浄空気Bを前方に送る空気送り手段としての電動ファン16とを有する第1ケーシング14と、第1ケーシング14に設けられ、空気感染を防止する対象者である医療従事者Mを覆って、電動ファン16からの清浄空気Bを前方および下方に向って送る空間を形成する第1フード40を有する。
また、第2感染防止装置10Dは、第2フィルタ15Dと、室内の空気Cを第2フィルタ15Dに通して清浄空気Dに変える第2空気送り手段としての電動ファン16Dとを有する第2ケーシング14Dと、第2ケーシング14Dに設けられ、患者Tを覆って、室内の空気Cを上方および後方に送って第2フィルタ15Dに通す空間を形成する第2フード40Dとを有する。
【0045】
感染防止装置10Dの電動ファン16は、感染防止装置10の電動ファン16とは逆方向に回転して汚染された室内の空気Cを吸引する。これにより、感染防止装置10のフード40から室内に吹き出されて汚染されている空気は、感染防止装置10Dのフード40D内に吸引され、患者Tを通過して、汚染されている空気Cが患者Tの後のフィルタ15を通過して清浄空気Dとして室内に放出される。
これにより、2台の感染防止装置10,10Dを対面して使用することにより、診察室等の室内全体に汚染空気が拡散することがなく、素早くその場で空気清浄をして室内に吹き出すことができ、診察室等の室内空気が汚染されることを極力防止することができる。
従って、診察室等の室内の空気清浄度を維持できる。医師等の医療従事者Mと患者Tが診察室等で接触する際に、医療従事者Mの背後から清浄空気を送風することで、ウイルスを保有した患者Tの飛沫により、医療従事者Mが空気感染されることを、より確実に防止できる
【0046】
本実施形態に記載した構造の作用効果を確認するため、本発明者等が検証したところ、以下のような結果が得られている。
図3において、医療従事者Hが患者Tと対面している状態において、高さ的には、医療従事者Hの顔面の鼻および口の近傍を想定し、本体部11の前面から400mm程度離間し、床から1300mmの位置の0.1立方フィートの空間において、数種の粒子径に対応した粒子数を計測することにより、清浄度を確認した。因みに、清浄度は計測される粒子数が少ないほど清浄であることを意味する。
【0047】
フード40を取り去って、本体部11から送風を送らない状態、すなわち、感染防止装置が全く使用されない状態においては、直径0.3μm(マイクロメートル)程度の粒子(以下、「A粒子」という)が、159,550個、直径0.5μm程度の粒子(以下、「B粒子」という)が、14,874個、直径1.0μm程度の粒子(以下、「C粒子」という)が、2,104個、直径3.0μm程度の粒子(以下、「D粒子」という)が、90個、直径5.0μm程度の粒子(以下、「E粒子」という)が、26個であった。
次に、フード40なしで、本体部11から送風だけ(風速0.3m/秒)を行った場合には、A粒子は100,088個、B粒子は7,708個、C粒子は1,111個、D粒子は74個、E粒子は20個であった。
フード40が無いと、送風を行っても、清浄空間を形成する効果はほとんど期待できないことがわかる。
【0048】
次に、本実施形態のフード40を装着した状態で、上記と同じ条件で送風しつつ、該フード40を段階的に引き下ろして上記した計測を行った。
先ず、本体部11の前面と、引き下ろしたフード40の先端とを結ぶ仮想の直線がなす角度θが約35度、すなわち、フード40の先端位置が、医療従事者の頭部の一部を覆う程度に下げた場合(第1の引き下ろし位置)においても、本体部11からの風は図3の矢印B方向にある程度導かれる結果、以下のような計測値が得られた。
すなわち、A粒子は197個、B粒子は15個、C粒子は2個、D粒子は0個、E粒子も0個であった。
【0049】
次に、本体部11の前面と、引き下ろしたフード40の先端とを結ぶ仮想の直線がなす角度θが約55度、すなわち、フード40の先端位置が、医療従事者の頭部の鼻と口の間の箇所付近まで覆う程度に下げた場合(第2の引き下ろし位置)においては、本体部11からの風は、図3の矢印B方向にほぼ完全に導かれる結果、以下のような計測値が得られた。
すなわち、A粒子は3個、B粒子は0個、C粒子は0個、D粒子は0個、E粒子も0個であった。
【0050】
さらに、フード40を引き下ろして、本体部11の前面と、引き下ろしたフード40の先端とを結ぶ仮想の直線がなす角度θが約75度、すなわち、フード40が、医療従事者の顔面をほぼ完全に覆う程度に下げた場合(第3の引き下ろし位置)においても、本体部11からの風は、図3の矢印B方向にほぼ完全に導かれる結果、以下のような計測値が得られた。
すなわち、A粒子は1個、B粒子は0個、C粒子は0個、D粒子は0個、E粒子も0個であった。
【0051】
上記本発明の実施形態では、電動ファンとしては、軸流ファン(軸流吹出)、シロッコファン(横吹出)、遠心ファン(斜め吹出)等を採用できるが、特に限定されない。ケーシングの薄型化とコンパクト化をするために、軸流ファンは、所望の風量に応じて単数ないし複数台使用することが好ましい。
室内で使用することから、低騒音機能付与のために、ファンフィルタユニットのケーシングの内側に吸音材を貼るか、電動ファンの近傍にアクティブ(逆位相)消音装置を取り付けることもできる。ケーシングの薄型化を図り、ケーシングの低重心化を図るために、電動ファンはフィルタの下側に配置することもできる。
【0052】
フィルタは、菌が対象であれば中性能フィルタに防黴処理をしたものを使用できるが、ウイルスが対象であれば、ガラス繊維濾紙製、PTFE膜濾紙製、エレクトレット濾紙製のHEPA,ULPAを使用すれば、室内に一度拡散したウイルスをも捕集することができるので、好ましい。図3に示すように、電動ファン16の前には、プレフィルタ21Fを配置することで、空気中の綿などの埃を除去することができるが、プレフィルタとしてはガラス繊維、不織布、フェルト等を採用できる。またプレフィルタには、二酸化塩素等の殺菌効果のある薬剤を吹き付けることもできる。
ファンフィルタユニットは、ファンとフィルタをケーシング内に取り付けて固定したものである。ケーシングの材質としては、塗装鋼板製、ステンレス製、ガルバ二ウム鋼板製等のものを使用できるが、菌やウイルスを対象としているので、ステンレス製が好ましい。ファンに菌やウイルスが付着することを考慮して、吸込口にファンを設け、吹出口側にフィルタを設けた構造が好ましい。
【0053】
フードは、空気指向性とコンパクト性を考慮して、吹出口にファンフィルタユニットと連接して回動式のフードを使用することができる。フードの材質は、防黴と抗菌加工した合成樹脂シートや金属膜等が使用できるが、透明で見えることを考慮して透明合成樹脂シートが好ましい。支持用フレームは、特別な材質である必要な無く、例えばベビーカ等で使用されているものを採用できる。
また、支持フレームは遮蔽シートの支持用フレームの挿入保持部の全てに挿入することが好ましいが、フードの遮蔽シートの取付端部を本体部の内面部に取付テープ部材で固定していれば少なくとも最先端の支持フレームに対応する支持用フレームの挿入保持部だけ挿入して、それ以外の支持フレームに対応するところは遮蔽シートを支持フレームの上に被せるだけでも良い。
また、フードの取り付けは、取付テープ部材で取り付け固定しても、また取付バー部材を用いてフードのシートを挟み込みビス等で共締することもできる。
また、フードの収納は、通常はケーシングの上面部に収納しておき使用時に前方に引っぱり出し回転して保持するような機構を持った保持金具を用いて本体部側に保持しても、あるいはフード端部に固定した保持テープを本体部側に面ファスナー等で保持すること等、種々の方法を採用することができる。
スタンドは、図1に示すようにT字型の構造を有しており、高さを多段階で調整できるものが好ましい。スタンドの床面側にはコロ等のキャスタを取り付けることで、感染防止装置は診療室等の室内を自由自在に移動できるので、使用時の設定と不使用時の片付ける作業が容易にできる。
【0054】
本発明は上記実施形態に限定されない。
本発明の感染防止装置は、例えば新型インフルエンザ等の院内感染(空気感染)の対策に有効であるが、医務室等の医療従事者や患者に適用するだけでなく、博覧会や美術館等におけて展示品をフード内に配置して、展示品への局所的な空気清浄にも適用できる。
本発明で利用されるフードは、実施形態に記載のように、蛇腹式に展開される部分円筒状のものに限られない。例えば、本体部11の前面上部から庇状に張出す板体を前方へ向けて徐々に下降させるような形態で実現してもよい。
【符号の説明】
【0055】
10 感染防止装置
11 本体部
12 スタンド
14 ケーシング
15 フィルタ
16 空気送り手段としての電動ファン
17 スイッチ
20 吹出口
21 吸入口
25 フード取付部
27 支持ベース
40 フード
41 支持用フレーム組受け部
51,52,53,54,55 支持用フレーム
60 遮蔽シート
61,62,63,64,65 支持用フレームの挿入保持部
71〜75 端部保持部材
78 板状の部材
82 ストッパ
89X 角度調整部
90 保持部材
200 感染防止システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気浄化用フィルタと、
室内の空気を前記フィルタに通して得られる清浄空気を前方に送る空気送り手段とを有するケーシングと、
前記ケーシングに設けられ、空気感染を防止する対象者を覆って、前記空気送り手段からの前記清浄空気を前記前方および下方に向って送る空間を形成するフードと
を有することを特徴とする感染防止装置。
【請求項2】
前記フードは、遮蔽シートと、該遮蔽シートを保持して回動式で蛇腹状に段階的に前記前方および前記下方に向かって展開する複数の支持用フレームとを有することを特徴とする請求項1に記載の感染防止装置。
【請求項3】
前記遮蔽シートは、各支持用フレームを挿入して保持するための挿入保持部を有し、
各前記支持用フレームの両端部は、それぞれ支持用フレーム組受け部に回動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の感染防止装置。
【請求項4】
前記支持用フレームは、1本のワイヤー状の部材または長さ方向に複数個所で分割自在であることを特徴とする請求項2または請求項3のいずれかに記載の感染防止装置。
【請求項5】
前記フードの断面は、1/4円の曲線に比べてより急峻な傾斜となるように、基端部から先端部にかけて徐々に曲率半径が小さくされて、先細り形状とされていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の感染防止装置。
【請求項6】
前記支持用フレーム組受け部は、前記支持用フレームを複数の異なる傾斜角度で保持する角度調整部を有することを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の感染防止装置。
【請求項7】
一方の前記支持用フレーム組受け部と他方の前記支持用フレーム組受け部は、それぞれ2つの対向する板状の部材と、前記対向する板状の部材の間に回動可能に取り付けられた端部保持部材とを有し、前記端部保持部材には、前記支持用フレームの端部が着脱可能に取り付けられることを特徴とする請求項3ないし6のいずれかに記載の感染防止装置。
【請求項8】
前記フードの前記遮蔽シートを折りたたんで収納した状態を保持する保持部材を有することを特徴とする請求項2ないし7のいずれかに記載の感染防止装置。
【請求項9】
前記ケーシングの高さ調整が可能であり前記ケーシングに対して着脱可能であるスタンドと、前記スタンドを移動するためのキャスタとを有することを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の感染防止装置。
【請求項10】
第1フィルタと、室内の空気を前記第1フィルタに通して得られる清浄空気を前方に送る空気送り手段とを有する第1ケーシングと、前記第1ケーシングに設けられ、空気感染を防止する対象者を覆って、前記空気送り手段からの前記清浄空気を前記前方および下方に向って送る空間を形成する第1フードと、を有する第1感染防止装置と、
第2フィルタと、前記室内の空気を前記第2フィルタに通して清浄空気に変える第2空気送り手段とを有する第2ケーシングと、
前記第2ケーシングに設けられ、患者を覆って、前記室内の空気を上方および後方に送って前記第2フィルタに通す空間を形成する第2フードとを有する第2感染防止装置と
を有することを特徴とする感染防止システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2011−31019(P2011−31019A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−221265(P2009−221265)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【分割の表示】特願2009−179351(P2009−179351)の分割
【原出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【出願人】(000232760)日本無機株式会社 (104)
【Fターム(参考)】