説明

感熱転写シートおよびこれを用いた画像形成方法

【課題】皺発生や染料の泣き出しを誘発せずに感熱転写シートと感熱転写受像シートとの融着あるいは接着に起因する印画不良が解消される感熱転写シートおよび画像形成方法を提供する。
【解決手段】支持体上に熱移行性染料がバインダー樹脂中に含有されてなる染料層を有する感熱転写シートであって、該染料層中に(a)下記一般式(1)で表されるモノマーおよび(b)橋状結合を有する炭素数7個以上の脂肪族基を有するモノマーに由来する繰り返し単位を含む重合体を少なくとも1種含有することを特徴とする感熱転写シート。


(一般式(1)において、Rfはフッ素原子の数が8以上のフルオロアルキル基またはパーフルオロアルキル基を含有する置換基を表し、nは1または2を表わし、R1は水素原子またはメチル基を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印画不良を解消し、高画質なプリントを提供する感熱転写シートおよび画像形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の熱転写記録方法が知られているが、中でも染料拡散転写記録方式は、銀塩写真の画質に最も近いカラーハードコピーが作製できるプロセスとして注目されている。しかも、銀塩写真に比べて、ドライであること、デジタルデータから直接可視像化できる、複製作りが簡単であるなどの利点を持っている。
【0003】
この染料拡散転写記録方式では、色素を含有する感熱転写シート(以下、インクシートともいう。)と感熱転写受像シート(以下、受像シートともいう。)とを重ね合わせ、次いで、電気信号によって発熱が制御されるサーマルヘッドによってインクシートを加熱することでインクシート中の色素を受像シートに転写して画像情報の記録を行うものであり、シアン、マゼンタ、イエローの3色あるいはこれにブラックを加えた4色を重ねて記録することで色の濃淡に連続的な変化を有するカラー画像を転写記録することができる。
【0004】
この方式で発色性向上の観点から、種々の色素を使用することが提案(例えば特許文献1〜4参照)されている。しかしながら、カラープリント材料として長い歴史を持つ銀塩写真に比較すると、得られた画像の連続処理における画像欠損発生率が高い問題がある。特に昨今のプリント高速化に伴い、プリント時に高い熱量を必要とすることから大量連続処理に伴い感熱転写シートに皺が発生することに起因する転写不良や、感熱転写シートと感熱転写受像シートとが融着あるいは接着し、これらがスムーズに剥離できないこと等に由来する印画不良の発生が問題となった。
【0005】
感熱転写シートと感熱転写受像シートとの融着あるいは接着を防止するために、シリコーン系離型性セグメントを含有するグラフトポリマーを離型剤あるいはバインダー樹脂として使用する方法(特許文献5、6)、マット剤などの微粒子を感熱転写シートおよび/または感熱転写受像シートに添加する方法(特許文献7)、染色層の表層部に含フッ素ポリマー樹脂を偏在させる方法(特許文献8)が提案されている。
【特許文献1】特開平7−232482号公報
【特許文献2】特開平5−221161号公報
【特許文献3】特開平4−357088号公報
【特許文献4】特開昭62−55194号公報
【特許文献5】特開平9−202058号公報
【特許文献6】特許第3150691号公報
【特許文献7】特開平6−40171号公報
【特許文献8】特開昭64−1589号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上記の特許文献記載の方法は少量の添加では効果が十分でなく、効果を増大するために添加量を増やすと感熱転写シートの皺発生を増大する、染料層表面への染料の泣き出しによる汚染が発生するなどの弊害が起こることがわかった。以上の弊害の結果として融着、接着による印画不良が生じていた。
従って感熱転写シートの皺や染料の泣き出しを発生させずにかつ、融着、接着による印画不良を改善する離型剤が望まれていた。本発明は上記課題を鑑みなされたものであり、皺発生や染料の泣き出しを誘発せずに感熱転写シートと感熱転写受像シートとの融着あるいは接着に起因する印画不良が解消される感熱転写シートおよび画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的達成のため鋭意検討を重ねた結果、特定のフッ化アルキル基と、特定の脂肪族基とを有する特定重合体を感熱転写シートに含有させると上記課題を解決可能であることがわかった。詳細なメカニズムは明らかではないが、表面偏在性の高いフッ素を含有するフッ化アルキル基のモノマー成分の機能により、第2の共重合成分である橋状結合を有する炭素数7個以上の脂肪族基を有するモノマーの官能基もまた表面に配向し、感熱転写シートの表面特性を好ましく改良できたためと推定している。この橋状結合を有する炭素数7個以上の脂肪族基は立体的に嵩高く、インクシートバインダーとの親和性が比較的低いため、表面により配向しやすくなるとともに、この官能基が高い親油性を有するため、表面に高い親油性を与え、感熱転写シートの表面特性を好ましく改良できたためと推定している。
すなわち、上記課題は下記の手段により達成された。
(1)支持体上に熱移行性染料がバインダー樹脂中に含有されてなる染料層を有する感熱転写シートであって、該染料層中に(a)下記一般式(1)で表されるモノマーおよび(b)橋状結合を有する炭素数7個以上の脂肪族基を有するモノマーに由来する繰り返し単位を含む重合体を少なくとも1種含有することを特徴とする感熱転写シート。
【0008】
【化1】

【0009】
(一般式(1)において、Rfはフッ素原子の数が8以上のフルオロアルキル基またはパーフルオロアルキル基を含有する置換基を表し、nは1または2を表わし、R1は水素原子またはメチル基を表す。)
(2)前記染料層が、イエロー、マゼンタ、シアンからなる3種の染料層が支持体上に面順次に形成されたものであることを特徴とする(1)に記載の感熱転写シート。
(3)少なくとも1つの転写性保護層積層体が前記染料層に対し面順次に形成されたことを特徴とする(1)または(2)に記載の感熱転写シート。
(4)前記染料層に含まれる前記バインダー樹脂が下記一般式(2)で表されることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の感熱転写シート。
【0010】
【化2】

【0011】
(一般式(2)中、R2〜R5は各々独立に炭素原子数が1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表す。a〜eは各々繰り返し単位の質量比を表し、a〜eの合計を100とし、a、bは各々独立に0〜100、c、dは各々独立に0〜50、eは各々独立に0〜50、aとbの合計は20〜100である。)
(5)前記支持体の染料層を有する面とは反対側の面に裏面層を有することを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の感熱転写シート。
(6)前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の感熱転写シートの前記染料層と感熱転写受像シートの受容層とが接するよう重ねあわせ、サーマルヘッドから画像信号に応じた熱エネルギーを付与することにより画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明により連続プリント耐性を改良することができ、印画不良が解消された画像を提供することができる。具体的には、皺発生や染料の泣き出しを誘発せずに感熱転写シートと感熱転写受像シートとの融着あるいは接着に起因する印画不良が解消される感熱転写シートおよび画像形成方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明について詳細に説明する。
<感熱転写シート>
感熱転写画像形成の際に、上述した感熱転写受像シートと併せて使用される感熱転写シート(インクシート)は、支持体上の一方の面に拡散転写染料を含む染料層(色素層またはインク層ともいう。)を設けたものである。支持体の他方の面に背面層が形成されたものであることが好ましい。また、熱転写された画像の上に透明樹脂からなる保護層を熱転写で形成し、画像を覆い保護することができる機能を有する、転写性保護層積層体が同一支持体上に形成されることが好ましい。
【0014】
[染料層]
(特定重合体)
本発明の感熱転写シートの少なくとも1層の染料層に(a)前記一般式(1)で表されるモノマーおよび(b)橋状結合を有する炭素数7個以上の脂肪族基を有するモノマーに由来する重合体(以下、「特定重合体」と略称することがある)を含有する。これらを含有することにより感熱転写シートと感熱転写受像シートとの印画不良を抑止する効果が得られる。
【0015】
前記特定重合体は(a)前記一般式(1)で表されるモノマーおよび(b)橋状結合を有する炭素数7個以上の脂肪族基を有するモノマーに由来する重合体(共重合体)である。本発明においては、前記特定重合体は、前記一般式(1)で示されるフッ素を含有するモノマー成分の機能により、表面に偏在化する傾向を有する。これにより転写時のインクシートと受像シートとの剥離力が低下し、印画故障を抑えることができる。
本発明に係る特定重合体に、好ましい特性を与える共重合成分である(a)下記一般式(1)で示されるモノマー、(b)橋状結合を有する炭素数7個以上の脂肪族基を有するモノマーについてそれぞれ詳細に説明する。
【0016】
(共重合成分(a))
本発明において共重合成分(a)として使用されるフッ素含有モノマーは、下記一般式(1)で表される。
【0017】
【化3】

【0018】
一般式(1)において、Rfはフッ素原子の数が8以上のフルオロアルキル基またはパーフルオロアルキル基を含有する置換基を表し、nは1または2を表わし、R1は水素原子またはメチル基を表す。
Rfにおけるフッ素原子含有置換基は、フッ素原子の数が8以上のフルオロアルキル基またはパーフルオロアルキル基を部分構造として有する置換基である。
具体的には次のような(パー)フルオロ(メタ)アクリレートが挙げられる。
CH2=CRCO2(CH2nm2m+1
nは1または2を、mは4〜12の整数を表す。また、Rは水素原子またはメチル基を表す。
CH2=CRCO2(CH2n(CF2m
nは1または2、mは4〜12の整数を表す。またRは水素原子またはメチル基を表す。
【0019】
ここで、Rfで示されるフルオロアルキル基またはパーフルオロアルキル基において、フッ素原子の数が8以上のものを用いることによって、膜厚方向にフッ素原子の濃度分布を持った記録層が形成され、この濃度分布としては、記録層表面近傍のフッ素濃度が高く、記録層の深部方向にフッ素濃度が低くなるという現象が生じる。この結果、共重合成分(a)だけでなく、共重合成分(b)も含む特定重合体全体が染料層の表面近傍に偏在することとなり、好ましい。なかでも、特に、モノマーユニットあたりのフッ素原子の数が8〜30のものが好ましく、より好ましくは、12〜25である。この範囲において、特定共重合体を表面に配向させる効果が良好に発現し、優れた画像が得られる。1ユニットに含まれるフッ素原子数が30以下の場合には、フッ素原子の撥油性に起因する塗布不良は生じないため好ましい。
【0020】
(共重合成分(b))
本発明において共重合成分(b)として使用されるモノマーは、橋状結合を有する炭素数7個以上の架橋環(好ましくは架橋環式炭化水素基)を有するモノマーである。橋状結合とは、例えば樟脳のように一つの環に橋渡しをした結合をいう(共立出版株式会社 化学大辞典2参照)。このような橋状結合を有する脂肪族基がインクシート表面近傍に存在することから、表面に高い親油性が付与され、印画故障の抑制に寄与していると推定している。この官能基は、橋状構造のないものに比較して嵩高く、且つ、構造内に多数の炭素原子が存在することから、インクシートバインダーとの親和性が低く、より表面配向しやすくなるため、優れた親油性を与え得るものと考えられる。
本発明に係る橋状結合を有する炭素数7個以上の脂肪族基を有するモノマーは、例えば、特開2002−311577号公報に記載の例示モノマー中にもそのような構造を持つものが挙げられている。
【0021】
共重合成分(b)として使用されるモノマーの骨格としては、アクリレート、メタクリレートなどのアルキルアクリレート;アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアルキルアクリルアミド;スチレン誘導体;ビニルエステルが挙げられ、その中でもアクリレート、メタクリレート、アクリルアミドおよびメタクリルアミドが好ましく、アクリレートおよびメタクリレートがより好ましい。
【0022】
以下、本発明に用いるのに好ましい(b)モノマーの具体例((b−1)〜(b−22))を示すが,本発明はこれらに限定されるものではない。
【0023】
【化4】

【0024】
(他の共重合成分)
なお、本発明に係る特定重合体には、前記(a)および(b)のモノマーから得られる構成単位の他、本発明の効果を損なわない範囲において、塗布性向上などの種々の目的で、他の構成単位を共重合させてもよい。
ここで併用可能な他の共重合成分としては、PolymerHandbook 2nd ed.,J.Brandrup,Wiley Interscience(1975),Chapter2,Page 1〜483記載のものを用いることができる。例えば、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、ビニルエステル類、スチレン類、アクリロニトリル、無水マレイン酸、マレイン酸イミド等の公知のモノマーに由来する構成単位が挙げられる。
【0025】
前記アクリル酸エステル類としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、(n−またはi−)プロピルアクリレート、(n−、i−、sec−またはtert−)ブチルアクリレート、アミルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、クロロエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、アリルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、グリシジルアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、クロロベンジルアクリレート、2−(p−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェニルアクリレート、クロロフェニルアクリレート、スルファモイルフェニルアクリレート等が挙げられる。
【0026】
前記メタクリル酸エステル類としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、(n−またはi−)プロピルメタクリレート、(n−、i−、sec−またはtert−)ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、クロロエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、グリシジルメタクリレート、メトキシベンジルメタクリレート、クロロベンジルメタクリレート、2−(p−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、クロロフェニルメタクリレート、スルファモイルフェニルメタクリレート等が挙げられる。
【0027】
前記アクリルアミド類としては、例えば、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−トリルアクリルアミド、N−(p−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(スルファモイルフェニル)アクリルアミド、N−(フェニルスルホニル)アクリルアミド、N−(トリルスルホニル)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチル−N−フェニルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド等が挙げられる。
【0028】
前記メタクリルアミド類としては、例えば、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−トリルメタクリルアミド、N−(p−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(スルファモイルフェニル)メタクリルアミド、N−(フェニルスルホニル)メタクリルアミド、N−(トリルスルホニル)メタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチル−N−フェニルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド等が挙げられる。
前記ビニルエステル類としては、例えば、ビニルアセテート、ビニルブチレート、ビニルベンゾエート等が挙げられる。
【0029】
前記スチレン類としては,例えば,スチレン,メチルスチレン,ジメチルスチレン,トリメチルスチレン,エチルスチレン、プロピルスチレン、シクロヘキシルスチレン、クロロメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレン、メトキシスチレン、ジメトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、カルボキシスチレン等が挙げられる。
これらの併用可能なモノマーの中でも、炭素数20以下のアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、ビニルエステル類、スチレン類、アクリロニトリルが好ましい。
【0030】
また、本発明に係る特定重合体を用いる場合、用いられる特定重合体は、単独であってもよいし、本発明の範囲外であって、フッ素系の置換基を有する他の高分子化合物を1種以上併用して、混合物として用いてもよい。併用できるフッ素系置換基を有する高分子化合物としては、市販のものを制限なく使用でき、具体的には、当該分野で汎用されるフッ素系界面活性剤等が好ましく用いられる。
【0031】
以下に、本発明において好適な特定重合体として、高分子化合物〔(P−1)〜(P−30)〕の構造をその質量平均分子量とともに例示するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
【0032】
【化5】

【0033】
【化6】

【0034】
【化7】

【0035】
【化8】

【0036】
本発明の特定重合体は公知慣用の方法で製造することができる。例えば、前述の(a)におけるフッ素含有モノマーおよび(b)橋状結合を有する炭素数7個以上の脂肪族基を有するモノマーなどを有機溶媒中、汎用のラジカル重合開始剤を添加し、重合させることにより製造できる。もしくは場合によりその他の付加重合性不飽和化合物を、添加して上記と同じ方法にて製造することができる。 各モノマーの重合性に応じ、反応容器にモノマーと開始剤を滴下しながら重合する滴下重合法なども、均一な組成のポリマーを得るために有効である。
【0037】
本発明の特定重合体は、イエロー、マゼンタ、シアン、必要に応じてブラックのどの染料層に含有させてもよく、1つの染料層に含有させても複数の染料層に含有させてもよい。イエロー、マゼンタ、シアンの各染料層に含有させことが好ましい。
また本発明の特定重合体の添加量は染料とバインダーの種類や量に応じて適当に決めることができ、染料層の全固形分に対して0.01%から20%が好ましく、0.1%から10%がさらに好ましく、さらに好ましくは0.2%から5%が最も好ましい。
【0038】
(染料層の構成)
本発明の染料層は、熱転写可能な染料とバインダー樹脂を含有し、イエロー、マゼンタ、シアンの各色の染料層および必要に応じてブラックの染料層が同一の支持体上に面順次で繰り返し塗り分けられているのが好ましい。一例として、イエロー、マゼンタおよびシアンの各色相の染料層が同一の支持体の長軸方向に、感熱転写受像シートの記録面の面積に対応して面順次に塗り分けられている場合を挙げることができる。この3層に加えて、ブラックの色相の染料層と転写性保護層のどちらか、あるいは双方が塗り分けられるのも好ましい態様である。
この様な態様を取る場合、各色の開始点をプリンタに伝達する目的で、感熱転写シート上に目印を付与することも好ましい態様である。このように面順次で繰り返し塗り分けることによって、染料の転写による画像の形成、さらには画像上への保護層の積層を一つの感熱転写シートで行なうことが可能となる。
しかしながら、本発明は前記のような染料層の設け方に限定されるものではない。昇華型熱転写インク層と熱溶融転写インク層を併設することも可能であり、また、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック以外の色相の染料層を設ける等の変更をすることも可能である。また、形態としては長尺であっても良いし、枚葉の熱転写シートであっても良い。
染料層は単層構成であっても複層構成であってもよく、複層構成の場合、染料層を構成する各層の組成は同一であっても異なっていてもよい。
【0039】
染料層を形成するための染料インクは、染料、好ましくは昇華性染料とバインダー樹脂を含有する。さらに、必要に応じて、ワックス類、シリコーン樹脂、含フッ素有機化合物等を含有することができる。
【0040】
各々の染料は、染料層中にそれぞれ10〜90質量%(固形分)含有されることが好ましく、20〜80質量%含有されることがより好ましい。
染料層の塗布は、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート等の一般的な方法で行われる。また染料層の塗布量は、0.1〜2.0g/m2(固形分換算、以下本発明における塗布量は特に断りのない限り、固形分換算の数値である。)が好ましく、さらに好ましくは0.2〜1.2g/m2である。染料層の膜厚は0.1〜2.0μmであることが好ましく、さらに好ましくは0.2〜1.2μmである。
【0041】
(染料)
本発明に用いられる染料は、熱により拡散し、感熱転写シートに組み込み可能かつ、加熱により感熱転写シートから受像シートに転写するものであれば特に限定されず、熱転写シート用の染料として従来から用いられてきている染料、あるいは公知の染料を用いることができる。
好ましい染料としては、たとえば、ジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メロシアニン等のメチン系、インドアニリン、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチンに代表されるアゾメチン系、キサンテン系、オキサジン系、ジシアノスチレン、トリシアノスチレンに代表されるシアノメチレン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、ベンゼンアゾ系、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジズアゾ等のアゾ系、スピロピラン系、インドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンラクタム系、ナフトキノン系、アントラキノン系、キノフタロン系等が挙げられる。
【0042】
具体例を挙げると、イエロー染料としては、ディスパースイエロー231、ディスパースイエロー201、ソルベントイエロー93等が、マゼンタ染料としては、ディスパースバイオレット26、ディスパースレッド60、ソルベントレッド19等が、さらに、シアン染料としては、ソルベントブルー63、ソルベントブルー36、ディスパースブルー354、ディスパースブルー35等が挙げられる。これらの例示された染料以外の適切な染料を用いることも、もちろん可能である。
また、上記の各色相の染料を任意に組み合わせることも可能である。例えばブラックの色相も染料の組み合わせで得ることができる。
【0043】
以下に、本発明で好ましく用いることができる一般式(Y1)〜(Y9)、(M1)〜(M8)、および(C1)〜(C4)で表される色素(染料)について詳細に説明する。
【0044】
【化9】

【0045】
一般式(Y1)中、Aは置換または無置換のベンゼン環を表し、R1およびR2は各々独立に水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、R3は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のカルバモイル基を表し、R4は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。
【0046】
前記、A、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基としては、ハロゲン原子,不飽和脂肪族基,アリール基,ヘテロ環基,脂肪族オキシ基(代表としてアルコキシ基),アシルオキシ基,カルバモイルオキシ基,脂肪族オキシカルボニルオキシ基(代表としてアルコキシカルボニルオキシ基),アリールオキシカルボニルオキシ基,アミノ基,アシルアミノ基,アミノカルボニルアミノ基,脂肪族オキシカルボニルアミノ基(代表としてアルコキシカルボニルアミノ基),スルファモイルアミノ基,脂肪族(代表としてアルキル)もしくはアリールスルホニルアミノ基,脂肪族チオ基(代表としてアルキルチオ基),スルファモイル基,脂肪族(代表としてアルキル)もしくはアリールスルフィニル基),脂肪族(代表としてアルキル)もしくはアリールスルホニル基,アシル基,アリールオキシカルボニル基,脂肪族オキシカルボニル基(代表としてアルコキシカルボニル基),カルバモイル基,アリールもしくはヘテロ環アゾ基,イミド基,ヒドロキシル基,シアノ基,ニトロ基,スルホ基,カルボキシル基等が挙げられる。
【0047】
これらの各基はさらに置換基を有してもよく、このような置換基としては、上述の置換基が挙げられる。
【0048】
一般式(Y1)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、Aは置換もしくは無置換のベンゼン環であり、R1が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R2が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R3は置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基であり、R4は置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10アリール基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、Aは置換もしくは無置換のベンゼン環であり、R1が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基、置換もしくは無置換のフェニル基であり、R2が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基、置換もしくは無置換のフェニル基であり、R3は置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基であり、R4は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、Aはメチル基または塩素原子で置換されたベンゼン環または無置換のベンゼン環であり、R1が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、アリル基であり、R2が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、アリル基であり、R3は置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基であり、R4は置換もしくは無置換のフェニル基である組み合わせである。
【0049】
【化10】

【0050】
一般式(Y2)中、R5は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基を表し、R6およびR7は、各々独立に置換もしくは無置換のアルキル基を表し、R8は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基を表し、R9は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。
【0051】
5、R6、R7、R8およびR9の各基はさらに置換基を有していてもよい。R5、R6、R7、R8およびR9の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)のA、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
【0052】
一般式(Y2)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、R5は置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基であり、R6は置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基であり、R7は置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基であり、R8は置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基であり、R9は置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、R5は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基であり、R6は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R7は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R8は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基であり、R9は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、R5は無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R6は無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R7は無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R8はメトキシ基、エトキシ基、ジメチルアミノ基であり、R9は無置換のフェニル基である組み合わせである。
【0053】
【化11】

【0054】
一般式(Y3)中、R10は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基を表し、R11は水素原子またはハロゲン原子を表し、R12は置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のカルバモイル基を表す。
【0055】
10およびR12の各基はさらに置換基を有していてもよい。R10およびR12の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)のA、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
【0056】
一般式(Y3)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、R10が水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基であり、R11が水素原子、塩素原子、臭素原子であり、R12が無置換のアルコキシカルボニル基、無置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のカルバモイル基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、R10が水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R11が水素原子、臭素原子であり、R12が無置換の炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜12のジアルキルカルバモイル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、R10が水素原子、無置換の炭素数2〜4のアルキル基であり、R11が水素原子であり、R12が炭素数2〜10のジアルキルカルボモイル基である組み合わせである。
【0057】
【化12】

【0058】
一般式(Y4)中、Bは置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基を表し、R13は置換もしくは無置換のアルキル基を表し、R14は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。
【0059】
B、R13およびR14の各基はさらに置換基を有していてもよい。B、R13およびR14の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)のA、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
【0060】
一般式(Y4)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、Bが置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基、置換もしくは無置換のピラゾリル基、置換もしくは無置換のチアジアゾリル基であり、R13が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基であり、R14が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基である組み合わせである。
より好ましい置換基の置換基の組み合わせは、Bが置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換の1,3,4−チアジアゾリル基であり、R13が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R14が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の置換基の組み合わせは、Bが4−ニトロフェニル基、炭素数1〜6のチオアルキル基が置換した1,3,4−チアジアゾリル基であり、R13が無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R14が無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基である組み合わせである。
【0061】
【化13】

【0062】
一般式(Y5)中、R15、R16、R17およびR18は各々独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。
【0063】
15、R16、R17およびR18の各基はさらに置換基を有していてもよい。R15、R16、R17およびR18の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)のA、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
【0064】
一般式(Y5)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、R15が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R16が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R17が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R18が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、R15が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R16が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R17が置換もしくは無置換のフェニル基であり、R18が置換もしくは無置換のフェニル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、R15が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R16が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R17が無置換のフェニル基であり、R18が無置換のフェニル基である組み合わせである。
【0065】
【化14】

【0066】
一般式(Y6)中、C、DおよびEは各々独立に置換もしくは無置換のベンゼン環を表す。
【0067】
C、DおよびEの各基はさらに置換基を有していてもよい。C、DおよびEの各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)のA、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
【0068】
Cとして、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基が置換したベンゼン環、炭素数1〜8のアルコキシ基が置換したベンゼン環、ヒドロキシル基が置換したベンゼン環、または無置換のベンゼン環であり、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基が置換したベンゼン環、炭素数1〜6のアルコキシ基が置換したベンゼン環、ヒドロキシル基が置換したベンゼン環であり、最も好ましくは炭素数1〜4のアルキル基が置換したベンゼン環、炭素数1〜4のアルコキシ基が置換したベンゼン環である。
【0069】
Dとして、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基が置換したベンゼン環、または無置換のベンゼン環であり、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基が置換したベンゼン環、または無置換のベンゼン環であり、最も好ましくは炭素数1〜4のアルキル基が置換したベンゼン環、または無置換のベンゼン環である。
【0070】
Eとして、好ましくはヒドロキシル基と炭素数1〜8のアルキル基が置換したベンゼン環またはヒドロキシル基と炭素数1〜8のアルコキシ基が置換したベンゼン環であり、より好ましくはヒドロキシル基と炭素数1〜6のアルキル基が置換したベンゼン環またはヒドロキシル基と炭素数1〜6のアルコキシ基が置換したベンゼン環であり、好ましくはヒドロキシル基と炭素数1〜4のアルキル基が置換したベンゼン環またはヒドロキシル基と炭素数1〜4のアルコキシ基が置換したベンゼン環である。
【0071】
【化15】

【0072】
一般式(Y7)中、Fは置換もしくは無置換のベンゼン環を表し、R19およびR20は各々独立に水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。
【0073】
F、R19およびR20の各基はさらに置換基を有していてもよい。F、R19およびR20の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)のA、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
【0074】
一般式(Y7)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、Fが置換もしくは無置換のベンゼン環であり、R19が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R20が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、Fが置換もしくは無置換のベンゼン環であり、R19が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基、置換もしくは無置換のフェニル基であり、R20が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基、置換もしくは無置換のフェニル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、Fがメチル基が置換したベンゼン環であり、R19が無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R20が置換を有する炭素数1〜4のアルキル基である組み合わせである。
【0075】
【化16】

【0076】
一般式(Y8)中、Gは置換もしくは無置換のベンゼン環であり、R21およびR22は各々独立に水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基を表す。
【0077】
G、R21およびR22の各基はさらに置換基を有していてもよい。G、R21およびR22の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)のA、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
【0078】
一般式(Y8)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、Gが置換基を有するベンゼン環であり、R21が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基であり、R22が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、Gが置換基もしくは無置換のアルコキシカルボニル基が置換したベンゼン環であり、R21が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R22が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、Gが置換基もしくは無置換のアルコキシカルボニル基が置換したベンゼン環であり、R21が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R22が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基である組み合わせである。
【0079】
【化17】

【0080】
一般式(Y9)中、R23は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。
【0081】
23はさらに置換基を有していてもよい。R23が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)のA、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
【0082】
23として、好ましくは置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基であり、より好ましくは置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基であり、最も好ましくは置換もしくは無置換の炭素数1〜4アルキル基、アリル基である。
【0083】
【化18】

【0084】
一般式(M1)中、Hは置換もしくは無置換のベンゼン環または、置換もしくは無置換のピリジン環であり、R24、R25、R26およびR27は各々独立に置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。
【0085】
H、R24、R25、R26、R27の各基はさらに置換基を有していてもよい。H、R24、R25、R26、R27の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)のA、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
【0086】
一般式(M1)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、Hが無置換のベンゼン環であり、R24が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R25が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R26が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基であり、R27が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、Hが無置換のベンゼン環であり、R24が置換もしくは無置換のフェニル基であり、R25が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基であり、R26が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R27が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、Hが無置換のベンゼン環であり、R24が2−クロロフェニル基であり、R25が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R26が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R27が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基である組み合わせである。
【0087】
【化19】

【0088】
一般式(M2)中、Iは置換もしくは無置換のベンゼン環または、置換もしくは無置換のピリジン環であり、R28、R29、R30およびR31は各々独立に置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。
【0089】
I、R28、R29、R30、R31の各基はさらに置換基を有していてもよい。I、R28、R29、R30、R31の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)のA、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
【0090】
一般式(M2)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、Iが置換または無置換のピリジン環、無置換のベンゼン環であり、R28が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R29が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R30が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基であり、R31が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、Iが置換もしくは無置換のピリジン環、無置換のベンゼン環であり、R28が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R29が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R30が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R31が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、好ましい置換基の組み合わせは、Iが置換もしくは無置換のピリジン環、無置換のベンゼン環であり、R28が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R29が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R30が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R31が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基である組み合わせである。
【0091】
【化20】

【0092】
一般式(M3)中、Jは置換もしくは無置換のベンゼン環を表し、R32、R33およびR34は各々独立に置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。
【0093】
J、R32、R33およびR34の各基はさらに置換基を有していてもよい。J、R32、R33およびR34の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)のA、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
【0094】
一般式(M3)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、Jが炭素数2〜8のアシルアミノ基が置換されたベンゼン環であり、R32は置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アシル基であり、R33は置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基であり、R34は置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、Jが炭素数2〜6のアシルアミノ基が置換されたベンゼン環であり、R32は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アシル基であり、R33は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基であり、R34は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、Jが炭素数2〜4のアシルアミノ基が置換されたベンゼン環であり、R32は置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、アシル基であり、R33は置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、アリル基であり、R34は置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、アリル基である組み合わせである。
【0095】
【化21】

【0096】
一般式(M4)中、Kは置換もしくは無置換のベンゼン環であり、R35、R36およびR37は各々独立に置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。
【0097】
K、R35、R36およびR37の各基はさらに置換基を有していてもよい。K、R35、R36およびR37の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)のA、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
【0098】
一般式(M4)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、Kが炭素数2〜8のアシルアミノ基が置換されたベンゼン環であり、R35は置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基であり、R36は置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基であり、R37は置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、Kが炭素数2〜6のアシルアミノ基が置換されたベンゼン環であり、R35は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R36は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基であり、R37は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、Kが炭素数2〜4のアシルアミノ基が置換されたベンゼン環であり、R35は置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R36は置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、アリル基であり、R37は置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、アリル基である組み合わせである。
【0099】
【化22】

【0100】
一般式(M5)中、R38およびR39は各々独立に置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基を表し、R40およびR41は独立に置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。
【0101】
38、R39、R40およびR41の各基はさらに置換基を有していてもよい。R38、R39、R40およびR41の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)のA、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
【0102】
一般式(M5)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、R38が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R39が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R40が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R41が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、R38が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基であり、R39が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換または無置換のフェニル基であり、R40が置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R41が置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、R38が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基であり、R39が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基であり、R40が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R41が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基である組み合わせである。
【0103】
【化23】

【0104】
一般式(M6)中、R42は置換もしくは無置換のアリールオキシ基であり、R43は水素原子、置換もしくは無置換のアリールオキシ基であり、R44はヒドロキシル基、置換もしくは無置換のアミノ基である。)
【0105】
42およびR43の各基はさらに置換基を有していてもよい。R42およびR42の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)のA、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
【0106】
一般式(M6)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、R42が置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリールオキシ基であり、R43が水素原子、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリールオキシ基であり、R44がヒドロキシル基、または無置換のアミノ基である組み合わせである。
より好ましい組み合わせは、R42が置換もしくは無置換のフェノキシ基であり、R43が水素原子、置換もしくは無置換のフェノキシ基であり、R44がヒドロキシル基、または無置換のアミノ基である組み合わせである。
最も好ましい組み合わせは、R42が置換もしくは無置換のアミノ基が置換したフェノキシ基、無置換のフェノキシ基であり、R43が水素原子、置換もしくは無置換のフェノキシ基であり、R44がヒドロキシル基、または無置換のアミノ基である組み合わせである。
【0107】
【化24】

【0108】
一般式(M7)中、Lは置換もしくは無置換のベンゼン環を表し、R45およびR46は各々独立に水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。
【0109】
L、R45およびR46の各基はさらに置換基を有していてもよい。L、R45およびR46の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)のA、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
【0110】
一般式(M7)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、Lが置換もしくは無置換のベンゼン環であり、R45が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R46が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、Lが置換もしくは無置換のベンゼン環であり、R45が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基、置換もしくは無置換のフェニル基であり、R46が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基、置換もしくは無置換のフェニル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、Lがメチル基が置換したベンゼン環であり、R45が無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R46が置換を有する炭素数1〜4のアルキル基である組み合わせである。
【0111】
【化25】

【0112】
一般式(M8)中、Qは置換もしくは無置換のベンゼン環を表し、R100は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基を表し、R101は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、R102およびR103は各々独立に水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
【0113】
Q、R100、R101、R102およびR103の各基はさらに置換基を有していてもよい。Q、R100、R101、R102およびR103の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)のA、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
【0114】
一般式(M8)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、Qは置換または無置換のベンゼン環であり、R102が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R103が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R100は置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基であり、R101は置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10アリール基である組み合わせである。
より好ましい組み合わせは、Qは置換または無置換のベンゼン環であり、R102が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基、置換もしくは無置換のフェニル基であり、R103が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基、置換もしくは無置換のフェニル基であり、R100は置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基であり、R101は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基である組み合わせである。
最も好ましい組み合わせは、Qは置換もしくは無置換のベンゼン環であり、R102が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、アリル基であり、R103が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、アリル基であり、R100は置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基であり、R101は置換もしくは無置換のフェニル基である組み合わせである。
【0115】
【化26】

【0116】
一般式(C1)中、Mは置換もしくは無置換のベンゼン環を表し、R47は水素原子またはハロゲン原子を表し、R48は置換もしくは無置換のアルキル基を表し、R49は置換もしくは無置換のアシルアミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシカルボニルアミノ基を表し、R50およびR51は各々独立に置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。
【0117】
M、R48、R49、R50およびR51の各基はさらに置換基を有していてもよい。M、R48、R49、R50およびR51の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)のA、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
【0118】
一般式(C1)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、Mが炭素数1〜4のアルキル基が置換したベンゼン環、塩素原子が置換したベンゼン環、無置換のベンゼン環であり、R47が水素原子、塩素原子、臭素原子であり、R48が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基であり、R49が置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアシルアミノ基、置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアルコキシカルボニルアミノ基であり、R50が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基であり、R51が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、Mが炭素数1〜2のアルキル基が置換したベンゼン環、無置換のベンゼン環であり、R47が水素原子、塩素原子であり、R48が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R49が置換もしくは無置換の炭素数2〜8のアシルアミノ基、置換もしくは無置換の炭素数2〜8のアルコキシカルボニルアミノ基であり、R50が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R51が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基である組み合わせである。
最も好ましい組み合わせは好ましい置換基の組み合わせは、Mがメチル基が置換したベンゼン環、無置換のベンゼン環であり、R47が水素原子、塩素原子であり、R48が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R49が置換もしくは無置換の炭素数2〜6のアシルアミノ基、置換もしくは無置換の炭素数2〜6のアルコキシカルボニルアミノ基であり、R50が置換また無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R51が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基である組み合わせである。
【0119】
【化27】

【0120】
一般式(C2)中、Tは置換もしくは無置換のベンゼン環を表し、R52は水素原子、置換もしくは無置換のアシルアミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のカルバモイル基を表し、R53およびR54は各々独立に置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。
【0121】
T、R52、R53およびR54の各基はさらに置換基を有していてもよい。T、R52、R53およびR54の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)のA、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
【0122】
一般式(C2)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、Tが炭素数1〜8のアルキル基が置換したベンゼン環、炭素数1〜8のアルコキシ基が置換したベンゼン環、無置換のベンゼン環であり、R52が水素原子、置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアシルアミノ基、置換もしくは無置換の2〜10のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜10のカルバモイル基であり、R53が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基であり、R54が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、Tが炭素数1〜6のアルキル基が置換したベンゼン環、炭素数1〜6のアルコキシ基が置換したベンゼン環、無置換のベンゼン環であり、R52が水素原子、置換もしくは無置換の炭素数2〜8のアシルアミノ基、置換または無置換の2〜8のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜8のカルバモイル基であり、R53が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R54が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基である組み合わせである。最も好ましい置換基の組み合わせは、Tが炭素数1〜4のアルキル基が置換したベンゼン環、炭素数1〜4のアルコキシ基が置換したベンゼン環、無置換のベンゼン環であり、R52が水素原子、置換もしくは無置換の炭素数2〜6のアシルアミノ基、置換もしくは無置換の2〜6のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のカルバモイル基であり、R53が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R54が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基である組み合わせである。
【0123】
【化28】

【0124】
一般式(C3)中、R55およびR56は各々独立に置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基である。
【0125】
55およびR56の各基はさらに置換基を有していてもよい。R55およびR56の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)のA、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
【0126】
一般式(C3)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、R55が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R56カ゛置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、R55が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基であり、R56が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、R55が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R56が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基である組み合わせである。
【0127】
【化29】

【0128】
一般式(C4)中、Uは置換または無置換のベンゼン環であり、R56およびR58は各々独立に置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基である。
【0129】
U、R56およびR57の各基はさらに置換基を有していてもよい。U、R56およびR57の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)のA、R1、R2、R3およびR4の各基が置換してもよい置換基と同じである。
【0130】
一般式(C4)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、Uが炭素数1〜8のアルキル基が置換したベンゼン環、炭素数1〜8のアルコキシ基が置換したベンゼン環、無置換のベンゼン環であり、R57が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基であり、R58が置換もしくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基である組み合わせである。
より好ましい組み合わせは、Uが炭素数1〜6のアルキル基が置換したベンゼン環、炭素数1〜6のアルコキシ基が置換したベンゼン環、無置換のベンゼン環であり、R57が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R58が置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基である組み合わせである。
最も好ましい組み合わせは、Uが炭素数1〜4のアルキル基が置換したベンゼン環、炭素数1〜4のアルコキシ基が置換したベンゼン環、無置換のベンゼン環であり、R57が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R58が置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基である組み合わせである。
【0131】
以下に、本発明に好ましく用いることができる一般式(Y1)〜(Y9)、(M1)〜(M8)、および(C1)〜(C4)で表される色素の具体的化合物例を示すが、本発明に用いられる一般式(Y1)〜(Y9)、(M1)〜(M8)、および(C1)〜(C4)の色素は以下の具体例によって限定的に解釈されるものではない。
【0132】
【表1】

【0133】
【表2】

【0134】
【表3】

【0135】
【表4】

【0136】
【表5】

【0137】
【表6】

【0138】
【表7】

【0139】
【表8】

【0140】
【表9】

【0141】
【表10】

【0142】
【表11】

【0143】
【表12】

【0144】
【表13】

【0145】
【表14】

【0146】
【表15】

【0147】
【表16】

【0148】
【表17】

【0149】
【表18】

【0150】
【表19】

【0151】
【表20】

【0152】
【表21】

【0153】
(バインダー樹脂)
前記のような染料を担持するために染料層に含有されるバインダー樹脂としては、各種のものが公知であり、本発明ではこれらを使用することが好ましい。例としては、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、硝酸セルロース等の変性セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール類、ポリビニルピロリドン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミド等のアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、各種エストラマー等が挙げられる。なかでも、プロピオン酸変成セルロースに代表される変性セルロース系樹脂、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルブチラールに代表されるポリビニルアセタール類が好ましい。これらを単独で用いる他、これらを混合、またはポリマーの場合各構成モノマー共重合して用いることも可能であり、各種架橋剤によって架橋することも好ましい。
【0154】
バインダー樹脂として、下記一般式(2)で表される樹脂を用いることが特に好ましい。
【0155】
【化30】

【0156】
一般式(2)中、R2〜R5はそれぞれ炭素原子数が1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表す。
a〜eは、各繰り返し単位の質量比を表し、a〜eの合計を100とし、a、bは0〜100、c、dは0〜50、eは0〜50、aとbの合計は20〜100である。
aとbの合計は、30〜95が好ましく、50〜95がより好ましい。C、dは、0〜30が好ましく、0〜20がより好ましい。eは、0〜40が好ましく、0〜30がより好ましい。
一般式(2)で表される樹脂は、質量平均分子量が1万〜40万のものが好ましく、8万〜30万のものがより好ましい。
前記一般式(2)で表される樹脂は、ブロック共重合体であってもランダム共重合体であってもよく、任意の共重合方法により合成することができる。
これらの樹脂は、市販されているものを使用することができ、例えば、デンカブチラール#6000−C(商品名、電気化学工業(株)製)、デンカブチラール#5000−A(商品名、電気化学工業(株)製)、デンカブチラール#6000−CS(商品名、電気化学工業(株)製)、デンカブチラール#6000−AS(商品名、電気化学工業(株)製)、デンカブチラール#3000−1(商品名、電気化学工業(株)製)、エスレックスKS−1(商品名、積水化学工業(株)製)、エスレックスKS−5(商品名、積水化学工業(株)製)、エスレックスBX−1(商品名、積水化学工業(株)製)、エスレックスBX−5(商品名、積水化学工業(株)製)などが挙げられる。
【0157】
前記バインダー樹脂は、本発明の感熱転写シートの染料層全体に対して30〜70質量%、より好ましくは40〜60質量%含有することが好ましい。
【0158】
[染料バリア層]
本発明の感熱転写シートは、染料層と支持体の間に染料バリア層を設けることができる。
【0159】
[易接着処理・易接着層]
支持体面に対しては、塗布液の濡れ性および接着性の向上を目的として、易接着処理を行なってもよい。処理方法として、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、真空プラズマ処理、大気圧プラズマ処理、プライマー処理、グラフト化処理等公知の樹脂表面改質技術を例示することができる。
また、支持体上に塗布によって易接着層を形成することもできる。易接着層に用いられる樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂やポリビニルアルコール樹脂等のビニル系樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等を例示することができる。
支持体に用いられるフィルムを溶融押出し形成する時に、未延伸フィルムに塗工処理を施し、その後に延伸処理して行なうことも可能である。
また、上記の処理は、二種類以上を併用することもできる。
【0160】
[転写性保護層積層体]
転写性保護層積層体とは、一般に離型層、保護層、接着層からなる積層体をいう。
本発明では、感熱転写シートに転写性保護層積層体を面順次で設けるのが好ましい。転写性保護層積層体は、熱転写された画像の上に透明樹脂からなる保護層を熱転写で形成し、画像を覆い保護するためのものであり、耐擦過性、耐光性、耐候性等の耐久性向上を目的とする。転写された染料が受像シート表面に曝されたままでは、耐光性、耐擦過性、耐薬品性等の画像耐久性が不十分な場合に有効である。
転写性保護層積層体は、支持体上に、支持体側から離型層、保護層、接着剤層の順に形成することができる。保護層を複数の層で形成することも可能である。保護層が他の層の機能を兼ね備えている場合には、離型層、接着剤層を省くことも可能である。支持体としては、易接着層の設けられたものを用いることも可能である。
【0161】
[保護層]
本発明の保護層を形成する樹脂としては、耐擦過性、耐薬品性、透明性、硬度に優れた樹脂が好ましく、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、これら各樹脂のシリコーン変性樹脂、紫外線遮断性樹脂、これら各樹脂の混合物、電離放射線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等を用いることができる。なかでも、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂が好ましい。
また、各種架橋剤によって架橋することも可能である。
【0162】
アクリル樹脂としては、従来公知のアクリレートモノマー、メタクリレートモノマーの中から選ばれた少なくとも1つ以上のモノマーからなる重合体で、アクリル系モノマー以外にスチレン、アクリロニトリル等を共重合させても良い。好ましいモノマーとしてメチルメタクリレートを仕込み質量比で50質量%以上含有していることが挙げられる。
本発明のアクリル樹脂は、分子量が20,000〜100,000であることが好ましい。20,000未満であると、合成時にオリゴマーが出て、安定した性能が得られず、100,000を越えると、保護層転写時に箔切れが悪くなる。
【0163】
本発明のポリエステル樹脂としては、従来公知の飽和ポリエステル樹脂を使用できる。上記ポリエステル樹脂を使用する場合は、ガラス転移温度は50〜120℃が好ましく、又、分子量は2,000〜40,000の範囲が好ましく、さらに4,000〜20,000の範囲が保護層転写時に箔切れ性が良くなり、より好ましい。
【0164】
(紫外線吸収剤)
本発明の保護層転写シートでは、保護層に、紫外線吸収剤を含有することができ、その紫外線吸収剤としては、従来公知の無機系紫外線吸収剤、有機系紫外線吸収剤が使用できる。有機系紫外線吸収剤としては、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、置換アクリロニトリル系、ヒンダートアミン系等の非反応性紫外線吸収剤や、これらの非反応性紫外線吸収剤に、例えば、ビニル基やアクリロイル基、メタアクリロイル基等の付加重合性二重結合、あるいは、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基等を導入し、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂に共重合若しくは、グラフトしたものを使用することができる。また、樹脂のモノマーまたはオリゴマーに紫外線吸収剤を溶解させた後、このモノマーまたはオリゴマーを重合させる方法が開示されており(特開2006−21333)、こうして得られた紫外線遮断性樹脂を用いることもできる。この場合には紫外線吸収剤は非反応性のもので良い。
これら紫外線吸収剤に中でも、特にベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系が好ましい。これら紫外線吸収剤は画像形成に使用する染料の特性に応じて、有効な紫外線吸収波長域をカバーするように組み合わせて使用することが好ましく、また、非反応性紫外線吸収剤の場合には紫外線吸収剤が析出しないように構造が異なるものを複数混合して用いることが好ましい。
紫外線吸収剤の市販品としては、チヌビン−P(チバガイギー製)、JF−77(城北化学製)、シーソープ701(白石カルシウム製)、スミソープ200(住友化学製)、バイオソープ520(共同薬品製)、アデカスタブLA−32(旭電化製)等が挙げられる。
【0165】
電離放射線硬化性樹脂または紫外線硬化性樹脂を用いることにより、耐可塑剤性や耐擦過性が特に優れた保護層を得ることができる。具体例として、ラジカル重合性のポリマーまたはオリゴマーを電離放射線照射により架橋、硬化させるものがある。この際、必要に応じて光重合開始剤を添加して電子線や紫外線によって重合架橋させても良い。その他、公知の電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。
【0166】
(フィラー)
本発明では、フィラーも好ましく用いることができる。有機フィラーおよび/または無機フィラーとしては、ポリエチレンワックス、ビスアマイド、ナイロン、アクリル樹脂、架橋ポリスチレン、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ、マイクロシリカ、コロイダルシリカ等のシリカ微粒子等を例示することができる。本発明の熱転写シートでは、これらに限定されることなく公知のものを好適に使用することができる。
有機フィラーおよび/または無機フィラーは、粒径が10μm以下、好ましくは0.1〜3μmの範囲であって、滑り性が良好であって透明性の高いものが好ましい。フィラーの添加量は、転写した時に透明性が保たれる程度が好ましく、樹脂100質量部に対して、0〜100質量部の範囲が好ましい。
【0167】
保護層の形成法は、用いられる樹脂の種類に依存するが、前記染料層の形成方法と同様の、方法で形成され、0.5〜10μmの厚さが好ましい。
【0168】
[離型層・剥離層]
転写性保護層積層体では、保護層が熱転写時に支持体から剥離しにくい場合には、支持体と保護層との間に離型層を形成することができる。転写性保護層と離型層の間に剥離層を形成しても良い。離型層は、例えば、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース誘導体樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸系ビニル樹脂、アクリルビニルエーテル系樹脂、無水マレイン酸樹脂、およびこれらの樹脂群の共重合体を少なくとも1種以上含有する塗布液を、従来公知のグラビアコート、グラビアリバースコート等の方法で塗布、乾燥することにより形成することができる。上記の樹脂の中でも、アクリル樹脂として、アクリル酸やメタクリル酸等の単体、または他のモノマー等と共重合させた樹脂、あるいはセルロース誘導体樹脂が好ましく、支持体との密着性、保護層との離型性において優れている。
各種架橋剤によって架橋することも可能であり、また、電離放射線硬化性樹脂および紫外線硬化性樹脂も用いることができる。
【0169】
離型層は、熱転写時に被転写体に移行するもの、あるいは支持体側に残るもの、あるいは凝集破壊するもの等を、適宜選択することができるが、離型層が非転写性であり、熱転写により離型層が支持体側に残存し、離型層と熱転写性保護層との界面が熱転写された後の保護層表面になるようにすることが、表面光沢性、保護層の転写安定性等の点で優れており、好ましい態様である。離型層の形成方法は、従来公知の塗工方法で形成でき、その厚みは乾燥状態で0.5〜5μmが好ましい。
【0170】
[接着層]
転写性保護層積層体の最上層として、保護層の最表面に接着層を設けることができる。これによって保護層の被転写体への接着性を良好にすることができる。
接着層には、紫外線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤としては、保護層で使用したものと同様のものを用いることができ、好ましい範囲も同様である。
【0171】
[背面層]
本発明の感熱転写シートは、染料層を塗設した支持体の面の他方の面(裏面)、すなわちサーマルヘッド等に接する側に背面層を設けることが好ましい。また、保護層転写シートの場合にも、転写性保護層を塗設した支持体の面の他方の面(裏面)、すなわちサーマルヘッド等に接する側に背面層を設けることが好ましい。
感熱転写シートの支持体の裏面とサーマルヘッド等の加熱デバイスとが直接接触した状態で加熱されると、熱融着が起こりやすい。また、両者の間の摩擦が大きく、感熱転写シートを印画時に滑らかに搬送することが難しい。
背面層は、感熱転写シートがサーマルヘッドからの熱エネルギーに耐え得るように設けられるものであって、熱融着を防止し、滑らかな走行を可能にする。近年、プリンターの高速化に伴いサーマルヘッドの熱エネルギーが増加しているため、必要性は大きくなっている。
背面層は、バインダーに滑剤、離型剤、界面活性剤、無機粒子、有機粒子、顔料等を添加したものを塗布することによって形成される。また、背面層と支持体との間に中間層を設けてもよく、無機微粒子と水溶性樹脂またはエマルジョン化可能な親水性樹脂からなる層が開示されている。
【0172】
バインダー樹脂としては、耐熱性の高い公知の樹脂を用いることができる。例として、エチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアセトアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のアクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性またはフッ素変性ウレタン等の天然または合成樹脂の単体または混合物を挙げることができる。
背面層の耐熱性を高めるため、紫外線または電子ビームを照射して樹脂を架橋する技術が知られている。また、架橋剤を用い、加熱により架橋させることも可能である。この際、触媒が添加されることもある。架橋剤としては、ポリイソシアネート等が知られており、このためには、水酸基系の官能基を有する樹脂が適している。特開昭62−259889号公報には、ポリビニルブチラールとイソシアネート化合物との反応生成物にリン酸エステルのアルカリ金属塩またはアルカリ土類塩および炭酸カルシウム等の充填剤を添加することにより背面層を形成することが開示されている。また、特開平6−99671には、耐熱滑性層を形成する高分子化合物を、アミノ基を有するシリコーン化合物と1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物を反応させることにより得ることが開示されている。
【0173】
機能を十分に発揮させるために、背面層には、滑剤、可塑剤、安定剤、充填剤、ヘッド付着物除去のためのフィラー等の添加剤が配合されていても良い。
滑剤としては、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、フッ化黒鉛等のフッ化物、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、硫化鉄等の硫化物、酸化鉛、アルミナ、酸化モリブデン等の酸化物、グラファイト、雲母、窒化ホウ素、粘土類(滑石、酸性白度等)等の無機化合物からなる固体滑剤、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の有機樹脂、シリコーンオイル、ステアリン酸金属塩等の金属セッケン類、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の各種ワックス類、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の界面活性剤を挙げることができる。
アルキルリン酸モノエステル、アルキルリン酸ジエステルの亜鉛塩などの燐酸エステル系界面活性剤も用いられるが、酸根を有しており、サーマルヘッドからの熱量が大になると燐酸エステルが分解し、さらに背面層のpHが低下してサーマルヘッドの腐食摩耗が激しくなるという問題点がある。これに対しては、中和した燐酸エステル系界面活性剤を用いる方法、水酸化マグネシウムなどの中和剤を用いる方法等が知られている。
その他の添加剤としては高級脂肪酸アルコール、オルガノポリシロキサン、有機カルボン酸およびその誘導体、タルク、シリカ等の無機化合物の微粒子等を挙げることができる。
【0174】
背面層は、上に例示したようなバインダーに添加剤を加えた材料を溶剤中に溶解または分散させた塗工液を、グラビアコーティング、ロールコーティング、ブレードコーティング、ワイヤーバーなどの従来から公知の方法で塗布することによって形成される。0.1〜10μmの膜厚が好ましく、さらに好ましくは0.5〜5μmの膜厚である。
【0175】
[支持体]
本発明の感熱転写シートおよび転写性保護層積層体の支持体は特に限定されず、必要とされる耐熱性と強度を有するものであれば、従来公知のいずれのものでも使用することができる。
例としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステルフィルムが挙げられる。
支持体の厚さは、その強度および耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜変更することができるが、好ましくは1〜100μmである。より好ましくは2〜50μmのものであり,さらに好ましくは3〜10μmのものが用いられる。
なお、感熱転写シートおよび転写性保護層積層体は同一の支持体上に設けられていることが好ましい。
【0176】
<感熱転写受像シート>
次に感熱転写受像シート(以下、単に受像シートともいう。)に関して詳細に説明する。
本発明に用いられる受像シートは、支持体上に少なくとも1層の染料受容層(以下、単に受容層ともいう。)を有するものであって、支持体と受容層との間に、例えば断熱層(多孔質層)、光沢制御層、白地調整層、帯電調節層、接着層、プライマー層などの中間層が形成されていてもよい。また、これらの機能層と支持体の間に下塗り層を設けてもよい。支持体と受容層との間に少なくとも1層の断熱層を有することが好ましい態様である。
受容層およびこれらの中間層は同時重層塗布により形成されることが好ましく、中間層は、必要に応じて複数設けることができる。
支持体の裏面側にはカール調整層、筆記層、帯電調整層が形成されていてもよい。支持体の裏面側の各層の塗布は、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート等の一般的な方法で行うことができる。
【0177】
[受容層]
感熱受像シートは、染料を受容し得る熱可塑性の受容ポリマーを含有する少なくとも1層の受容層を有する。受容層には、紫外線吸収剤、離型剤、滑剤、酸化防止剤、防腐剤、界面活性剤、その他の添加物を含有させることができる。
【0178】
(熱可塑性樹脂)
本発明において受容層には、公知の熱可塑性樹脂を用いることができる。
【0179】
熱可塑性樹脂の例としては、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルおよびその共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリカプロラクトンまたはこれらの混合物を含有することが好ましく、ポリエステル、ポリ塩化ビニルおよびその共重合体またはこれらの混合物がさらに好ましい。以上のポリマーは、単独またはこれらの混合物として用いることができる。
【0180】
使用されるポリマーは、有機溶剤(メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレンなど)を適宜用いて溶解させることで、支持体上に塗布することができる。あるいは、ポリマーラテックスとして水系の塗工液に加えて支持体上に塗布することもできる。
ポリエステルおよびポリ塩化ビニルについて、以下にさらに詳しく説明する。
【0181】
(ポリエステル系ポリマー)
ポリエステルはジカルボン酸成分(その誘導体含む)とジオール成分(その誘導体を含む)との重縮合により得られるものである。ポリエステルポリマーは、芳香環および/または脂環を含有しても良い。脂環式ポリエステルについては、特開平5−238167号公報に記載の技術が染料取り込み能と像の安定性の点で有効である。
【0182】
本発明においては、上記のジカルボン酸成分およびジオール成分を少なくとも使用して、分子量(質量平均分子量(Mw))が通常約11000以上、好ましくは約15000以上、より好ましくは約17000以上となるように重縮合したポリエステル系ポリマーを使用するのが好ましい。分子量があまり低いものを使用すると、形成される受容層の弾性率が低くなり、また耐熱性も足りなくなり、感熱転写シートと受像シートとの離型性を確保することが難しくなる場合がある。分子量は、弾性率を上げる観点からは大きいほど望ましく、受容層形成時に塗工液溶媒に溶かすことができなくなる等の弊害が生じたり、あるいは、受容層の塗布乾燥後に支持体との接着性に悪影響が出たりする等の弊害が生じたりしない限り、特に限定されないが、高くても約30000以下であり、好ましくは約25000以下である。なお、エステル系ポリマーの合成法としては、従来公知の方法を使用することができる。
【0183】
飽和ポリエステルとしては、例えばバイロナールMD−1200、バイロナールMD−1220、バイロナールMD−1245、バイロナールMD−1250、バイロナールMD−1500、バイロナールMD−1930、バイロナールMD−1985(いずれも商品名、東洋紡(株)製)等が用いられる。
【0184】
(塩化ビニル系ポリマー)
受容層に用いられる塩化ビニル系ポリマー、特に塩化ビニルを用いた共重合体について、さらに詳しく説明する。
塩化ビニルと共重合するモノマーには特に限定はなく、塩化ビニルと共重合できればよく、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルが特に好ましく、ポリマーとしては塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体が優れている。これらの共重合体は、必ずしも塩化ビニル成分と上記の好ましいモノマー(酢酸ビニルあるいはアクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステル)成分のみとの共重合体である場合に限らず、本発明の目的を妨げない範囲のビニルアルコール成分、マレイン酸成分等を含むものであってもよい。このような、塩化ビニルと上記の好ましいモノマーを主単量体とする共重合体を構成する他の単量体成分としては、ビニルアルコール、プロピオン酸ビニルなどのビニルアルコール誘導体、アクリル酸およびメタクリル酸およびそれらのメチル、エチル、プロピル、ブチル、2−エチルヘキシルエステルなどのアクリル酸およびメタクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチルなどのマレイン酸誘導体、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテルなどのビニルエーテル誘導体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニルなどが挙げられる。共重合体中にしめる塩化ビニルと上記の好ましいモノマーとの成分比は任意の比率でよいが、塩化ビニル成分が共重合体中で50質量%以上であるのが好ましい。また、先に挙げた塩化ビニルと上記の好ましいモノマー以外の成分は10質量%以下であるのが好ましい。
【0185】
このような塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体としては、ビニブラン240、ビニブラン601、ビニブラン602、ビニブラン380、ビニブラン386、ビニブラン410、ビニブラン550(いずれも商品名、日信化学工業(株)製)等が挙げられる。
塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体としては、ビニブラン270、ビニブラン276、ビニブラン277、ビニブラン609、ビニブラン680、ビニブラン690、ビニブラン900(いずれも商品名、日信化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0186】
(ポリマーラテックス)
本発明においては、ポリマーラテックスを好ましく用いることができる。以下、ポリマーラテックスについて説明する。
本発明で用いる感熱転写受像シートにおいて、受容層に用い得るポリマーラテックスは、疎水性ポリマーが微細な粒子として水溶性の分散媒中に分散したものが好ましい。分散粒子の平均粒子サイズは、好ましくは1〜50000nm、より好ましくは5〜1000nmである。
【0187】
ポリマーラテックスは、通常の均一構造のポリマーラテックスであっても、いわゆるコア/シェル型のラテックスであってもよい。このとき、コアとシェルでガラス転移温度を変えると好ましい場合がある。本発明で用いるポリマーラテックスのガラス転移温度は、−30℃〜130℃が好ましく、0℃〜120℃がより好ましく、10℃〜100℃がさらに好ましい。
【0188】
本発明では、受容層を水系の塗工液を塗布後乾燥して調製することが好ましい。ただし、ここで言う「水系」とは塗工液の溶媒(分散媒)の60質量%以上が水であることをいう。塗工液の水以外の成分としてはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、オキシエチルフェニルエーテルなどの水混和性の有機溶媒を用いることができる。
【0189】
本発明に用いられる上記のポリマーラテックスは、上記のポリマーラテックスとともにいかなるポリマーを併用してもよい。併用することのできるポリマーとしては、透明または半透明で、無色であることが好ましく、天然樹脂ポリマーおよびコポリマー、合成樹脂ポリマーおよびコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば、ゼラチン類、ポリビニルアルコール類、ヒドロキシエチルセルロース類、セルロースアセテート類、セルロースアセテートブチレート類、ポリビニルピロリドン類が挙げられる。
【0190】
(バインダー)
本発明に用いられるバインダーは、加工脆性と画像保存性の点でガラス転移温度(Tg)が−30℃〜90℃の範囲のものが好ましく、より好ましくは−10℃〜85℃の範囲、さらに好ましくは0℃〜70℃の範囲である。バインダーとして2種以上のポリマーをブレンドして用いることも可能で、この場合、組成分を考慮し加重平均したTgが上記の範囲に入ることが好ましい。また、相分離した場合やコア−シェル構造を有する場合には加重平均したTgが上記の範囲に入ることが好ましい。
【0191】
(離型剤)
本発明では、画像印画時の感熱転写インクシートと受像シートとの離型性をより確実に確保するために、受容層中に離型剤を使用してもよい。
離型剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、アミドワックス等の固形ワックス類、シリコーンオイル、リン酸エステル系化合物、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびその他当該技術分野で公知の離型剤を使用することができ、フッ素系界面活性剤等のフッ素系化合物、シリコーン系界面活性剤、シリコーンオイルおよび/またはその硬化物等のシリコーン系化合物が好ましく用いられる。
【0192】
受容層の塗布量は、0.5〜10g/m2(固形分換算、以下本発明における塗布量は特に断りのない限り、固形分換算の数値である。)が好ましい。
【0193】
[離型層]
硬化変性シリコーンオイルは、受容層にではなく、受容層の上に形成される離型層に添加してもよい。この場合にも、上述した受容層を使用してよく、また、受容層にシリコーンを添加してもよい。この離型層は、硬化型変性シリコーンを含有してなるが、使用するシリコーンの種類や使用方法は、受容層に使用する場合と同様である。また、触媒や遅延剤を使用する場合も、受容層中に添加するのと同様である。離型層は、シリコーンのみにより形成してもよいし、バインダーとして、相溶性のよい樹脂と混合して使用してもよい。この離型層の厚みは、0.001〜1g/m2である。
【0194】
[断熱層]
(中空ポリマー)
本発明に用いられる受像シートにおいて、断熱層は中空ポリマーと水溶性ポリマーを含有するのが好ましい。
本発明における中空ポリマーとは粒子内部に空隙を有するポリマー粒子である。例えば、[1]ポリスチレン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂等により形成された隔壁内部に水などの分散媒が入っており、塗布乾燥後、粒子内の分散媒が粒子外に蒸発して粒子内部が中空となる非発泡型の中空ポリマー粒子、[2]ブタン、ペンタンなどの低沸点液体を、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステルのいずれかまたはそれらの混合物もしくは重合物よりなる樹脂で覆っており、塗工後、加熱により粒子内部の低沸点液体が膨張することにより内部が中空となる発泡型マイクロバルーン、[3]上記の[2]をあらかじめ加熱発泡させて中空ポリマーとしたマイクロバルーンなどが挙げられる。
【0195】
これらの中空ポリマーの粒子サイズは0.1〜20μmが好ましく、0.1〜5.0μmがより好ましく、0.2〜3.0μmがさらに好ましく、0.3〜1.0μmが特に好ましい。
中空ポリマーの空隙率は、20〜70%のものが好ましく、20〜50%のものがより好ましい。中空ポリマーの空隙率とは、粒子体積に対する空隙部分の体積の割合を示したものである。
【0196】
中空ポリマーのガラス転移温度(Tg)は70℃以上であることが好ましく、90℃以上であることがより好ましい。中空ポリマーは必要に応じて2種以上混合して使用することができる。
【0197】
このような中空ポリマーは市販されており、前記[1]の具体例としてはローアンドハース社製ローペイク1055、大日本インキ社製ボンコートPP−1000、JSR社製SX866(B)、日本ゼオン社製ニッポールMH5055(いずれも商品名)などが挙げられる。前記[2]の具体例としては松本油脂製薬社製のF−30、F−50(いずれも商品名)などが挙げられる。前記[3]の具体例としては松本油脂製薬社製のF−30E、日本フェライト社製エクスパンセル461DE、551DE、551DE20(いずれも商品名)が挙げられる。これらの中で、前記[1]の系列の中空ポリマーがより好ましく使用できる。
【0198】
(水溶性ポリマー)
断熱層のバインダーとしては、水溶性ポリマーを使用することができる。断熱層に用いることのできる水溶性ポリマーは、ポリマーラテックスと併用されるポリマーが好ましく用いられる。
【0199】
本発明において、断熱層のバインダーとして用いられる水溶性ポリマーはポリビニルアルコール類、ゼラチンが好ましく、ゼラチンが最も好ましい。
【0200】
また、断熱層に含まれる水溶性ポリマーは、クッション性や膜強度を調整する為に硬膜剤により架橋されていてもよい。硬膜により架橋する場合は、硬膜剤として、特開平1−214845号公報17頁のH−1,4,6,8,14,米国特許第4,618,573号明細書のカラム13〜23の式(VII)〜(XII)で表わされる化合物(H−1〜54)、特開平2−214852号公報8頁右下の式(6)で表わされる化合物(H−1〜76),特にH−14、米国特許第3,325,287号明細書のクレーム1に記載の化合物などが好ましく用いられる。
【0201】
[支持体]
感熱転写受像シートの支持体としては、特に限定されず、公知のコート紙やラミネート紙、合成紙を用いることができる。
【0202】
[カール調整層・筆記層・帯電調整層]
本発明に用いる感熱転写受像シートには、受容層を塗設した支持体の面の他方の面(裏面)に必要に応じてカール調整層・筆記層・帯電調整層を設けることができる。
【0203】
<画像形成方法>
本発明の画像形成方法では、感熱転写受像シートの受容層と感熱転写シートの染料層とが接するように重ね合わせて、サーマルヘッドからの画像信号に応じた熱エネルギーを付与することにより画像を形成する。
具体的な画像形成は、例えば特開2005−88545号公報などに記載された方法と同様にして行うことができる。本発明では、消費者にプリント物を提供するまでの時間を短縮するという観点から、プリント時間は15秒未満が好ましく、3〜12秒がより好ましく、さらに好ましくは、3〜7秒である。
【0204】
上記プリント時間を満たすために、プリント時のライン速度は0.73msec/line以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.65msec/line以下である。また、高速化条件における転写効率向上の観点から、プリント時のサーマルヘッド最高到達温度は、180℃〜450℃が好ましく、さらに好ましくは200℃〜450℃である。さらには350℃〜450℃が好ましい。
【0205】
本発明は、感熱転写記録方式を利用したプリンター、複写機などに利用することができる。熱転写時の熱エネルギーの付与手段は、従来公知の付与手段のいずれも使用することができ、例えば、サーマルプリンター(例えば、日立製作所製、商品名、ビデオプリンターVY−100)等の記録装置によって記録時間をコントロールすることにより、5〜100mJ/mm2程度の熱エネルギーを付与することによって所期の目的を十分に達成することができる。また、本発明の感熱転写受像シートは、支持体を適宜選択することにより、熱転写記録可能な枚葉またはロール状の感熱転写受像シート、カード類、透過型原稿作成用シート等の各種用途に適用することもできる。
【実施例】
【0206】
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。したがって、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中で、部または%とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
【0207】
[実施例101の感熱転写シートの作製]
(感熱転写シート製造用塗工液の作製)
感熱転写シート作製のため下記の塗工液を作製した。このうち、イエロー、マゼンタ、シアンの各染料塗工液に本発明の特定重合体P−20を含有させた。
【0208】
背面層塗工液
アクリル系ポリオール樹脂 26.0質量部
(アクリディックA−801、商品名、大日本インキ化学工業(株)製)
ステアリン酸亜鉛 0.43質量部
(SZ−2000、商品名、堺化学工業(株)製) 1.27質量部
リン酸エステル
(プライサーフA217、商品名、第一工業製薬(株)製)
イソシアネート(50%溶液) 8.0質量部
(バーノックD−800、商品名、大日本インキ化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 64質量部
【0209】
イエロー染料層塗工液
イエロー色素Y4−2 3.7質量部
イエロー色素Y7−4 3.9質量部
ポリビニルアセトアセタール樹脂 8.5質量部
(エスレックスKS−1、商品名、積水化学工業(株)製)
ポリビニルブチラール樹脂 0.2質量部
(デンカブチラール#6000−C、商品名、電気化学工業(株)製)
本発明の化合物P−20 0.2質量部
マット剤 0.15質量部
(フローセンUF、商品名、住友精化(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 82質量部
【0210】
マゼンタ染料層塗工液
マゼンタ色素M3−1 1.2質量部
マゼンタ色素M3−2 6.0質量部
シアン色素C1−2 0.4質量部
ポリビニルアセトアセタール樹脂 9.0質量部
(エスレックスKS−1、商品名、積水化学工業(株)製)
ポリビニルブチラール樹脂 0.2質量部
(デンカブチラール#6000−C、商品名、電気化学工業(株)製)
本発明の化合物P−20 0.2質量部
マット剤 0.15質量部
(フローセンUF、商品名、住友精化(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 83質量部
【0211】
シアン染料層塗工液
シアン色素C1−2 1.4質量部
シアン色素C3−1 6.4質量部
ポリビニルアセタール樹脂 8.5質量部
(エスレックスKS−1、商品名、積水化学工業(株)製)
ポリビニルブチラール樹脂 0.2質量部
(デンカブチラール#6000−C、商品名、電気化学工業(株)製)
本発明の化合物P−20 0.2質量部
マット剤 0.15質量部
(フローセンUF、商品名、住友精化(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 83質量部
【0212】
離型層塗工液
変性セルロース樹脂 5質量部
(L−30、商品名、ダイセル化学(株)製)
メチルエチルケトン 95質量部
保護層塗工液
アクリル樹脂溶液(固形分40%) 90質量部
(UNO−1、商品名、岐阜セラミック(有)製)
メタノール/イソプロパノール(質量比1/1) 10質量部
接着層塗工液
アクリル樹脂 25質量部
(ダイアナールBR−77、商品名、三菱レイヨン(株)製)
下記紫外線吸収剤UV−1 1質量部
下記紫外線吸収剤UV−2 2質量部
下記紫外線吸収剤UV−3 1質量部
下記紫外線吸収剤UV−4 1質量部
PMMA微粒子 0.4質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 70質量部
【0213】
【化31】

【0214】
(感熱転写シートの作製)
支持体として片面に易接着処理がされている厚さ6.0μmのポリエステルフィルム(ダイアホイルK200E−6F、商品名、三菱化学ポリエステルフィルム(株)製)の易接着処理がされていない面に乾燥後の固形分塗布量が1g/mとなるように背面層塗工液を塗布した。乾燥後、60℃で熱処理を行い硬化させた。
熱硬化後のポリエステルフィルムの易接着層塗布側に、前記イエロー、マゼンタ、シアンの各染料層および転写性保護層積層体を面順次となるように形成した感熱転写シートAを作製した。なお、転写性保護層積層体を形成する場合は、離型層塗工液を塗布し、乾燥した後に、その上に保護層塗工液を塗布し、乾燥した後に、さらにその上に接着層塗工液を塗布した。この時の塗布量は固形分塗布量が、以下の塗布量となるように調整した。
【0215】
イエロー染料層 0.8g/m
マゼンタ染料層 0.8g/m
シアン染料層 0.8g/m
離型層 0.3g/m
保護層 0.5g/m
接着層 2.2g/m
【0216】
[実施例102の作製]
各染料層に添加した本発明の化合物P−20を本発明の化合物P−2に置き換えた他は、実施例101と同様にして作成した。
本発明の化合物P−2 0.2質量部
【0217】
[実施例103の作製]
各染料層に添加した本発明の化合物P−20を本発明の化合物P−3に置き換えた他は、実施例101と同様にして作成した。
本発明の化合物P−3 0.2質量部
【0218】
[実施例104の作製]
各染料層に添加した本発明の化合物P−20を本発明の化合物P−11に置き換えた他は、実施例101と同様にして作成した。
本発明の化合物P−11 0.2質量部
【0219】
[実施例105の作製]
各染料層に添加した本発明の化合物P−20を本発明の化合物P−12に置き換えた他は、実施例101と同様にして作成した。
本発明の化合物P−12 0.2質量部
【0220】
[実施例106の作製]
各染料層に添加した本発明の化合物P−20を本発明の化合物P−30に置き換えた他は、実施例101と同様にして作成した。
本発明の化合物P−30 0.2質量部
【0221】
[実施例107の作製]
各染料層に添加した本発明の化合物P−20を下記化合物に変更した他は、実施例101と同様にして作成した。
本発明の化合物P−20 0.1質量部
本発明の化合物P−30 0.1質量部
【0222】
[実施例108の作製]
各染料層に添加した本発明の化合物P−20を下記化合物に変更した他は、実施例101と同様にして作成した。
本発明の化合物P−20 0.2質量部
離型剤 0.03質量部
(X−22−3000T、商品名、信越化学工業(株)製)
離型剤 0.02質量部
(TSF4701、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・
ジャパン合同会社製)
【0223】
[比較例109の作製]
各染料層に添加した本発明の化合物P−20を下記比較化合物に変更した以外は、実施例101と同様にして作成した。
比較化合物1 0.05質量部
(X−22−3000T、商品名、信越化学工業(株)製)
比較化合物2 0.03質量部
(TSF4701、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・
ジャパン合同会社製)
【0224】
[比較例110の作製]
各染料層に添加した本発明の化合物P−20を下記比較化合物に変更した以外は、実施例101と同様にして作成した。
比較化合物1 0.13質量部
(X−22−3000T、商品名、信越化学工業(株)製)
比較化合物2 0.07質量部
(TSF4701、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・
ジャパン合同会社製)
【0225】
[比較例111の作製]
各染料層に添加した本発明の化合物P−20を下記比較化合物3に変更した以外は、実施例101と同様にして作成した。
比較化合物3 0.2質量部
【0226】
【化32】

【0227】
[比較例104の作製]
各染料層に本発明の化合物を用いなかったこと以外は、実施例101と同様にして作成した。
【0228】
[感熱転写受像シートの作製]
ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体表面に、コロナ放電処理を施した後ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設けた。この上に、下記組成の断熱層、受容層の順に支持体側からこの順に積層させた状態で、米国特許第2,761,791号明細書に記載の第9図に例示された方法により、重層塗布を行った。それぞれの乾燥時の塗布量は下引き層:6.7g/m2、断熱層:8.6g/m2、受容層下層:2.6g/m2、受容層上層:2.7g/m2となるように塗布を行った。
受容層上層
塩化ビニル系ラテックス(固形分として) 22.2質量部
(ビニブラン900、商品名、日信化学工業(株)製)
塩化ビニル系ラテックス(固形分として) 2.5質量部
(ビニブラン276、商品名、日信化学工業(株)製)
ゼラチン 0.5質量部
下記エステル系ワックスEW−1 2.0質量部
下記界面活性剤F−1 0.04質量部
受容層下層
塩化ビニル系ラテックス(固形分として) 24.4質量部
(ビニブラン690、商品名、日信化学工業(株)製)
ゼラチン 1.4質量部
下記界面活性剤F−1 0.04質量部
断熱層
中空ポリマー粒子ラテックス(固形分として) 579質量部
(MH5055、商品名、日本ゼオン(株)製)
ゼラチン 279質量部
下引き層
ポリビニルアルコール 16.8質量部
(ポバールPVA205、商品名、(株)クラレ製)
スチレンブタジエンゴムラテックス(固形分として) 150質量部
(SN−307、商品名、日本エイ アンド エル(株)製)
下記界面活性剤F−1 0.1質量部
【0229】
【化33】

【0230】
[画像形成]
上記感熱転写シート101〜112と感熱転写受像シート201を用いて、富士フイルム株式会社製昇華型熱転写プリンタASK2000(商品名)に装填可能なように加工し、高速プリントモードで出力を行った。この際、ライン速度は0.73m秒/ライン、TPHの最高到達温度は400℃であった。
【0231】
[評価試験]
(印画不良)
印画不良の評価を次のようにして行なった。プリンターを40℃90%の条件に調湿された室内に5時間放置した後、KGサイズのグレーベタKGサイズの黒ベタ((R、G、B)=(0、0、0))となるデジタル画像情報を連続30枚プリントし、27〜30枚目に出力した3枚の画像を評価した。融着、接着やインク剥がれ等によると推定される画像欠陥やムラなどの印画不良のレベルを評価した。評価は10人の評価者によって下記のランクで評価を行ない、平均点を算出した。結果を下記表22に示す。
1: 印画不良が非常に多く、印画画像の認識に支障をきたすレベルである
2: 印画不良が散発しており、実用上問題のあるレベルである
3: 印画不良が認められるが、実用上問題ないレベルである
4: 印画不良が非常に少ない
5: 印画不良が確認できない
【0232】
(皺発生)
感熱転写シートの皺の評価を次のように行った。プリンターを20℃15%に調節した室内に5時間放置した後、KGサイズの黒ベタ((R、G、B)=(0、0、0))となるデジタル画像情報を連続20枚プリントし、19枚目と20枚目のプリントに発生した皺の画像を下記に記載の方法で定量化し平均を算出した。
セイコーエプソン(株)社製ネットワークスキャナーES−2200を用いて、24bitカラー、400dpi条件でプリント画像を取り込み、bmp形式データファイル化した。画像取り込みの際、画面縁のノイズ情報を除去するために、画面中央98%部分を用いて画像解析を行った。感熱転写シートの皺の画像解析は、このデータファイルの中から視感度が最も強いGの情報を抽出し、25以上の情報を示す点を黒く再現していないピクセルがピクセル総数に占める割合を皺発生率Rsと定義した。皺が少なければRsは小さくなり、多く発生すればRsは大きくなる。なお、融着が発生したサンプルに関しては、皺評価は不能とした。結果を下記表22に示す。
【0233】
(染料の泣き出し)
染料の泣き出しに起因する、白地の色汚染については次のように評価を行なった。
実施例101〜108、および比較例101〜104の感熱転写シートを60℃80%の強制劣化条件下に48時間保存した後、前記感熱転写受像シートを用いて、25℃80%環境において白地プリントを各5枚出力し、白地の色汚染の評価を行った。
評価は検査者10人に下記基準に基づき1〜5段階で評価し検査者10人の平均点を求めた。結果を下記表22に示す。
【0234】
(白地の色汚染の程度)
1:非常に悪い
2:悪い
3:色汚染が見え、実用上問題のあるレベルである
【0235】
【表22】

【0236】
上記表22の結果から、本発明の感熱転写シートは皺の発生や白地の色汚染が少なくかつ印画不良を抑制できることが明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体上に熱移行性染料がバインダー樹脂中に含有されてなる染料層を有する感熱転写シートであって、該染料層中に(a)下記一般式(1)で表されるモノマーに由来する繰り返し単位および(b)橋状結合を有する炭素数7個以上の脂肪族基を有するモノマーに由来する繰り返し単位を含む重合体を少なくとも1種含有することを特徴とする感熱転写シート。
【化1】

(一般式(1)において、Rfはフッ素原子の数が8以上のフルオロアルキル基またはパーフルオロアルキル基を含有する置換基を表し、nは1または2を表わし、R1は水素原子またはメチル基を表す。)
【請求項2】
前記染料層が、イエロー、マゼンタ、シアンからなる3種の染料層が支持体上に面順次に形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の感熱転写シート。
【請求項3】
少なくとも1つの転写性保護層積層体が前記染料層に対し面順次に形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の感熱転写シート。
【請求項4】
前記染料層に含まれる前記バインダー樹脂が下記一般式(2)で表されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の感熱転写シート。
【化2】

(一般式(2)中、R2〜R5は各々独立に炭素原子数が1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表す。a〜eは各々繰り返し単位の質量比を表し、a〜eの合計を100とし、a、bは各々独立に0〜100、c、dは各々独立に0〜50、eは0〜50、aとbの合計は20〜100である。)
【請求項5】
前記支持体の染料層を有する面とは反対側の面に裏面層を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の感熱転写シート。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の感熱転写シートの前記染料層と感熱転写受像シートの受容層とが接するよう重ねあわせ、サーマルヘッドから画像信号に応じた熱エネルギーを付与することにより画像を形成することを特徴とする画像形成方法。

【公開番号】特開2009−202543(P2009−202543A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−49976(P2008−49976)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】