成形プローブコンポーネントを有する温度計
【課題】少なくとも1つの位置決め素子が一体に形成される成形基板を提供すること。
【解決手段】電子温度計であって、該電子温度計は、該被検体により加熱されるように適合されたプローブであって、該プローブは、相対する第1の端縁および第2の端縁を有する成形プラスチック基板を含み、該成形プラスチック基板の該第1の端縁は、該成形プラスチック基板と一体に形成された位置決め素子を含む、プローブと、伝導性の回路パターンであって、該成形プラスチック基板の該第1の端縁から、該成形プラスチック基板の第2の端縁へ延びる、伝導性の回路パターンと、該成形プラスチック基板に取り付けられた温度センサであって、該温度センサは、該位置決め素子によって、該第1の端縁において該成形プラスチック基板に位置決めされた、温度センサとを備え、該伝導性の回路パターンは、該温度センサとプロセッサとの間に電気的接続を提供する、電子温度計。
【解決手段】電子温度計であって、該電子温度計は、該被検体により加熱されるように適合されたプローブであって、該プローブは、相対する第1の端縁および第2の端縁を有する成形プラスチック基板を含み、該成形プラスチック基板の該第1の端縁は、該成形プラスチック基板と一体に形成された位置決め素子を含む、プローブと、伝導性の回路パターンであって、該成形プラスチック基板の該第1の端縁から、該成形プラスチック基板の第2の端縁へ延びる、伝導性の回路パターンと、該成形プラスチック基板に取り付けられた温度センサであって、該温度センサは、該位置決め素子によって、該第1の端縁において該成形プラスチック基板に位置決めされた、温度センサとを備え、該伝導性の回路パターンは、該温度センサとプロセッサとの間に電気的接続を提供する、電子温度計。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
電子温度計は、患者の体温を測定するために医療分野において広く使用されている。通常の電子温度計は、細長いシャフト部分および先端部分を有するセンサプローブを含む。先端部分は、例えばサーミスタまたは他の温度感知素子などの電子温度センサを含む。多くの場合、先端部分に対するカバー(例えばアルミニウムキャップ)は、先端部分内に含まれた温度感知素子と熱接触する。例えば患者の口の中などにプローブの先端が配置されたとき、患者の身体が先端を加熱し、温度センサコンポーネントは、先端の温度を検知する。
【0002】
ベースユニットは通常、温度計に対する追加的な電子コンポーネントを収納する。これらのコンポーネントは、ワイヤなどによって、プローブの電子温度センサコンポーネントに接続され得る。一部の例においては、プローブシャフトのハンドル部分は、ベースユニットに加えて、またはこの代わりに、エレクトロニクスを含む。電子コンポーネントは、患者の体温を表す出力を生成するため、温度センサコンポーネントから入力を受け取る。温度計は普通、この出力をユーザに表示する。公知の電子温度計のさらなる特徴は、例えばビープ(beep)またはトーン警報信号などの可聴の温度レベル通報を含む。使い捨てのカバーまたはシースは通常、シャフト部分の上に嵌められ、衛生上の理由から温度計の各使用の後に処分される。
【0003】
プローブの構成は、正確な温度測定および製造の間の正確な再現を保証するために重要である。1つの公知のプローブ構成は、コンポーネントに対する電気的な接続を支持しかつ提供する可撓性の基盤に電子コンポーネント(例えば、温度感知素子)を取り付ける。コンポーネントと可撓性の基板との組み合わせは普通、「フレックス回路」と呼ばれる。コンポーネントを取り付けることを容易にするために、基板は最初、平坦であり得る。例えば、プローブ先端カバーに接触するようにサーミスタを正しい位置に配置するために、可撓性の基板は曲げられ得る。コンポーネントは、最終的なアセンブリにおいて、熱伝導性の接着剤で正しい位置に接着され得る。しかしながら、接着剤が、コンポーネントと接触させられる前に、かつ/または接着剤が定着する前に、コンポーネントは不必要に動き得る。動きの結果は、コンポーネントが、最終的なアセンブリにおいて、加熱するまたは温度を検知するためのプローブの先端および/または他の部分と十分に接触しないことである。同様に、コンポーネントが、誤って位置決めされるか、または1つの温度計から他の温度計までの受容不可能なレベルで変動して位置決めされ得る。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の局面は、少なくとも1つの位置決め素子が一体に形成される成形基板を提供する。位置決め素子は、検知素子をその中に受け取るための大きさおよび形状とされたリセスなどであり得る。このようにして、本発明の局面は、医療用デバイスプローブ内に、検知素子を確実にかつ一貫して位置決めすることを可能にする。有利にも、かかる局面は、アセンブリの障害を最少にし、再現性の高いアセンブリプロセスを達成する。さらに、基板の表面に直接的に形成された伝導性の回路パターンは、検知素子を医療用デバイスの他の電子コンポーネントに電気的に接続する。これは、追加的な配線などに対する必要性をなくし、従って、アセンブリの確実性および容易さを向上させる。
【0005】
本発明の局面において、電子温度計は、被検体の温度を測定する際に使用するため、該被検体によって加熱されるように適合されたプローブを有する。該プローブは、その表面に直接的に形成された伝導性の回路パターンを有する成形プラスチック基板を含む。該回路パターンは、少なくとも、該成形プラスチック基板の該第1の端縁から第1の端縁と相対する第2の端縁へ延びる。温度計は、プローブの温度を検出するために、成形プラスチック基板に取り付けられた温度センサも含む。該温度センサは、基板と一体に形成された少なくとも1つの位置決め素子によって、第1の端縁において成形プラスチック基板に位置決めされる。該伝導性の回路パターンは、該温度センサとプロセッサとの間に、電気的な接続を提供する。
【0006】
本発明の局面を実施する電子温度計に対するセンサプローブを作る方法は、熱プラスチック樹脂を1つ以上の空洞に注入し、プラスチック基板を形成することを含む。該空洞のうちの少なくとも1つは、第1の端縁において該プラスチック基板と一体に形成された位置決め素子を画定する。方法は、一端縁から他の端縁へ、プラスチック基板の表面に直接的に伝導性の回路パターンを形成すること、該位置決め素子に対して温度センサを位置決めすること、およびプ該ラスチック基板に位置決めされた温度センサを取り付けることも含む。該伝導性の回路パターンは、該温度センサによって検出された温度の関数として温度測定を生成するために、温度センサと電子温度計との間に電気的な接続を提供する。
【0007】
本発明の局面を実施する電子温度計に対するセンサプローブは、デバイスの少なくとも1つの表面に形成された導電性の回路パターンを有する成形相互接続デバイスと、該成形相互接続デバイスに取り付けられ、導電性の回路パターンに電気的に接続された温度検知素子とを含む。
【0008】
本発明のさらに別の局面において、医療用測定デバイスは、相対する第1の端縁および第2の端縁を有するセンサ支持と、生理学的なパラメータを検知するために、第1の端縁において該支持に取り付けられた検知素子とを含む。該支持は、該支持の第1の端縁においてプラスチック基盤に該検知素子を位置決めするため、プラスチック基板と一体に形成された少なくとも1つの位置決め素子を有するプラスチック基板を含む。センサプローブは、該検知素子を医療用測定デバイスのコントローラに電気的に接続するため、該支持の表面に直接的に形成された導電性の回路パターンも含む。
【0009】
この概要は、以下の詳細な説明でさらに記述される簡略化された形式における概念の選択を導入するために提供される。この概要は、主張される主題の重要な特徴または必須の特徴を特定するようには意図されておらず、また主張される主題の範囲を決定することを補佐するものとして使用されることも意図されていない。
【0010】
他の特徴が、本明細書において一部明らかとなり、かつ一部指摘される。
【0011】
本発明は、さらに以下の手段を提供する。
【0012】
(項目1)
電子温度計であって、該電子温度計は、
被検体の温度を測定する際に使用するため、該被検体によって加熱されるように適合されたプローブであって、該プローブは、相対する第1の端縁および第2の端縁を有する成形プラスチック基板を含み、該成形プラスチック基板の該第1の端縁は、該成形プラスチック基板と一体に形成された少なくとも1つの位置決め素子を含む、プローブと、
伝導性の回路パターンであって、該伝導性の回路パターンは、該成形プラスチック基板の表面に直接的に形成され、少なくとも、該成形プラスチック基板の該第1の端縁から、該成形プラスチック基板の第2の端縁へ延びる、伝導性の回路パターンと、
該プローブの温度を検出するため、該成形プラスチック基板に取り付けられた温度センサであって、該温度センサは、該位置決め素子によって、該第1の端縁において該成形プラスチック基板に位置決めされた、温度センサと
を備え、該伝導性の回路パターンは、該温度センサとプロセッサとの間に電気的接続を提供する、電子温度計。
【0013】
(項目2)
上記プローブは、先端およびシャフトを有し、該プローブ先端は、上記成形プラスチック基板の上記第1の端縁を含み、該プローブシャフトは、導電体であって、該導電体は、該成形プラスチック基板の上記第2の端縁に形成された上記伝導性の回路パターンと上記プロセッサとの両方に接続され、該プロセッサに上記温度センサを接続する、導電体を含む、項目1に記載の電子温度計。
【0014】
(項目3)
上記プローブシャフトに対するカバーであって、該プローブシャフトカバーは、上記第2の端縁において上記成形プラスチック基板の少なくとも一部分を包み、上記第1の端縁において該成形プラスチック基板の少なくとも一部分を露出させる、カバーをさらに備えている、項目2に記載の電子温度計。
【0015】
(項目4)
上記プローブシャフトに対するカバーは、成形プラスチック層を備えている、項目3に記載の電子温度計。
【0016】
(項目5)
上記プローブ先端に対するカバーであって、該プローブ先端カバーは、上記第1の端縁および該第1の端縁に取り付けられた上記温度センサにおいて上記成形プラスチック基板の少なくとも一部分を包み、該プローブ先端カバーは、熱伝導性の材料を含み、該プローブ先端カバーは、該温度センサと熱接触している、カバーをさらに備えている、項目2に記載の電子温度計。
【0017】
(項目6)
上記成形プラスチック基板は、該成形プラスチック基板の上記第1の端縁と一体に形成された別の位置決め素子を含み、該成形プラスチック基板は、
上記温度センサを予め加熱するため、該成形プラスチック基板に取り付けられた加熱素子であって、該加熱素子は、他の位置決め素子によって、該第1の端縁において該成形プラスチック基板に位置決めされる、加熱素子と、
該成形プラスチック基板の該第1の端縁によって受け取られるアイソレータであって、該アイソレータは、上記プローブシャフトから上記プローブ先端を熱的に分離するために、熱絶縁材料を含む、アイソレータと、
該成形プラスチック基板の該第1の端縁によって同じく受け取られるセパレータであって、該セパレータは、該温度センサと熱接触し、該温度センサと該アイソレータとの間に位置決めされる、セパレータと
をさらに備えている、項目2に記載の電子温度計。
【0018】
(項目7)
上記位置決め素子は、上記成形プラスチック基板に形成されたリセスを備え、該リセスは、上記温度センサを該リセスの中に受け取るための大きさおよび形状とされる、項目1に記載の電子温度計。
【0019】
(項目8)
電子温度計に対するセンサプローブを作る方法であって、該方法は、
熱プラスチック樹脂を1つ以上の空洞に注入し、プラスチック基板を形成することであって、該空洞のうちの少なくとも1つは、該プラスチック基板の第1の端縁において該プラスチック基板と一体に形成された少なくとも1つの位置決め素子を画定する、ことと、
該プラスチック基板の該第1の端縁から該プラスチック基板の相対する第2の端縁へ、該プラスチック基板の表面に直接的に伝導性の回路を形成することと、
該少なくとも1つの位置決め素子に対して、該プラスチック基板の該第1の端縁において温度センサを位置決めすることと、
位置決めされた温度センサを該プラスチック基板に取り付けることであって、該伝導性の回路パターンは、該温度センサと該電子温度計のプロセッサとの間に電気的な接続を提供し、該温度センサによって検出された温度の関数として温度測定を生成する、ことと
を包含する、方法。
【0020】
(項目9)
上記プローブは、先端およびシャフトを有し、該プローブシャフトは少なくとも、上記プラスチック基板の上記第2の端縁と、該第2の端縁に形成された伝導性の回路パターンとを含む、項目8に記載の方法であって、該方法は、
該プローブシャフトの少なくとも一部分をオーバーモールド空洞に導入することであって、該プローブシャフトと該オーバーモールド空洞との間に空所が形成される、ことと、
熱プラスチック樹脂を該オーバーモールド空洞に注入することであって、該熱プラスチック樹脂は、該プローブシャフトの表面の少なくとも一部分に接着し、該少なくとも一部分に対するケーシングを形成する、ことと
をさらに包含する、方法。
【0021】
(項目10)
上記プローブシャフトの上記少なくとも一部分に対する上記ケーシングを形成した後、上記温度センサは、上記プラスチック基板に取り付けられる、項目9に記載の方法。
【0022】
(項目11)
上記プラスチック基板の表面は、少なくとも1つのメッキ可能な部分と、少なくとも1つのメッキ不可能な部分とを含み、伝導性の回路パターンを形成することは、伝導性の材料を該プラスチック基板の表面の該メッキ可能な部分に適用することを包含する、項目8に記載の方法。
【0023】
(項目12)
熱プラスチック樹脂を1つ以上の空洞に注入し、上記プラスチック基板を形成する、項目11に記載の方法であって、該方法は、
メッキ可能な熱プラスチック樹脂を第1の空洞に注入して、メッキ可能な表面を有する予備的なプラスチック基板を形成することと、
該予備的なプラスチック基板の少なくとも一部分を第2の空洞に導入することであって、1つ以上の空所が、予備的なプラスチック基板の表面と該第2の空洞との間に形成される、ことと、
メッキ不可能な熱プラスチック樹脂を該第2の空洞に注入し、該プラスチック基板を形成することであって、該メッキ不可能な熱プラスチック樹脂は、該空所に対応するパターンに、該予備的なプラスチック基板の該メッキ可能な表面に接着する、ことと
を包含する、方法。
【0024】
(項目13)
上記第1の空洞は、第1の形状を有する型であり、上記第2の空洞は、第2の形状を有するように再構成された該型である、項目12に記載の方法。
【0025】
(項目14)
熱プラスチック樹脂を1つ以上の空洞に注入して、プラスチック基板を形成することは、
メッキ不可能な熱プラスチック樹脂を第1の空洞に注入して、メッキ不可能な表面を有する予備的なプラスチック基板を形成することと、
該予備的なプラスチック基板の少なくとも一部分を第2の空洞に導入することであって、1つ以上の空所が、該予備的なプラスチック基板の表面と該第2の空洞との間に形成される、ことと、
メッキ可能な熱プラスチック樹脂を該第2の空洞に注入してプラスチック基板を形成し、該メッキ可能な熱プラスチック樹脂は、該空所に対応するパターンに、該予備的なプラスチック基板の該メッキ不可能な表面に接着する、ことと
を包含する、項目11に記載の方法。
【0026】
(項目15)
上記第1の空洞は、第1の形状を有する型であり、上記第2の空洞は、第2の形状を有するように再構成された該型である、項目14に記載の方法。
【0027】
(項目16)
上記伝導性の回路パターンを形成することは、以下の技術;電気メッキ、ホットスタンプ、捕捉処理、トランスファー処理、レーザ直射構成、レーザサブトラクティブ構成、およびフォトイメージングのうちの1つ以上を使用して、少なくとも1つの伝導性のトレースを上記プラスチック基板に適用することを包含する、項目8に記載の方法。
【0028】
(項目17)
上記少なくとも1つの位置決め素子は、上記プラスチック基板に形成されたリセスを備え、該リセスは、該リセスの中に上記温度センサを受け取るような大きさおよび形状とされ、該温度センサを取り付けることは、該温度センサを受け取るために、該プラスチック基板の第1の端縁にリセスを位置付けることと、および導電性の接着剤を介して、該温度センサを該リセスの受け取り表面に取り付けることとを包含する、項目8に記載の方法。
【0029】
(項目18)
電子温度計に対するセンサプローブであって、該センサプローブは、
成形相互接続デバイスであって、該デバイスの少なくとも1つの表面に形成された導電性の回路パターンを有する、成形相互接続デバイスと、
温度検出素子であって、該成形相互接続デバイスに取り付けられ、該導電性の回路パターンに電気的に接続された、温度検出素子と
を備えている、センサプローブ。
【0030】
(項目19)
上記成形相互接続デバイスは、プローブ先端およびプローブシャフトを形成し、該プローブ先端は、上記温度検出素子を含み、該プローブシャフトは、上記電子温度計に電気的に接続され、該プローブ先端は、該プローブシャフトに電気的に接続される、項目18に記載のセンサプローブ。
【0031】
(項目20)
上記プローブシャフトの少なくとも一部分に対するカバーをさらに備え、該カバーは、該プローブシャフトの表面に適用された上記導電性の回路パターンを包む、項目19に記載のセンサプローブ
(項目21)
可撓性の導電体をさらに備え、該可撓性の導電体は、上記電子温度計に電気的に接続された第1の端を有し、かつ上記成形相互接続デバイスに形成された伝導性の回路パターンに電気的に接続された第2の端を有する、項目18に記載のセンサプローブ。
【0032】
(項目22)
上記成形相互接続デバイスの少なくとも一部分に対するカバーをさらに備え、該カバーは、熱伝導性の材料を含み、該カバーは、上記温度検出素子と熱接触している、項目18に記載のセンサプローブ
(項目23)
医療用測定デバイスであって、
相対する第1および第2の端縁を有するセンサ支持であって、該支持はプラスチック基板を備え、該プラスチック基板は、該支持の第1の端縁において該プラスチック基板と一体に形成された少なくとも1つの位置決め素子を含む、センサ支持と、
生理学的なパラメータを検出するため、該第1の端縁において該支持に取り付けられた検出素子であって、該少なくとも1つの位置決め素子は、該支持の第1の端縁において該プラスチック基板に該検出素子を位置決めする、検出素子と、
該支持の表面に直接的に形成された導電性の回路パターンであって、該導電性の回路パターンは、該検出素子を該医療用測定デバイスのコントローラに接続する、導電性の回路パターンと
を備えている、医療用測定デバイス。
【0033】
(摘要)
例えば電子温度計などの医療用測定デバイスは、プローブを有する。プローブは、その表面に直接的に形成された伝導性の回路パターンを有する成形プラスチック基板を含む。回路パターンは、少なくとも、成形プラスチック基板の第1の端縁から第1の端縁に相対する第2の端縁へ延びる。デバイスは、例えば温度など生理学的なパラメータを検出するために、成形プラスチック基板に取り付けられたセンサも含む。センサは、基板と一体に形成された少なくとも1つの位置決め素子によって、第1の端縁において成形プラスチック基板に位置決めされる。伝導性の回路パターンは、センサとプロセッサとの間に電気的接続を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
(詳細な説明)
本発明の局面は、生理学的なパラメータ(例えば生理学的な系統と関連する温度、流量、濃度、磁場の力、圧力、重さ、密度、および他のパラメータ)を検知するための医療用測定デバイス(例えば電子温度計)に関する。特に、本発明の実施形態は、相対する第1および第2の端を有する成形プラスチック基板を含む。生理学的なパラメータを測定するための検知素子が、第1の端縁においてプラスチック基板に取り付けられ、伝導性のトレースが、基板の1つ以上の表面に適用され、検知素子を医療用測定デバイスのコントローラに電気的に接続する。
【0035】
図1を最初に参照して、本発明の原理に従って構成された電子温度計が、概して11で示される。電子温度計は、温度計算ユニットを備え、温度計算ユニットは、概して13で示され、ユーザの手H1に心地よく保持されるような大きさおよび形状とされる。例示された実施形態において、計算ユニット13(概括的に「ベースユニット」)は、らせん状のコード15などによって、プローブ17(参照番号は、それらの対象を概略示す)に接続される。プローブ17(概括的に「支持」)は、物体/対象(例えば、患者または患者を密接に取り囲むエリア)と接触し、温度を表示するベースユニット13に信号を伝える。ベースユニット13は、プローブ17からコード15を介して信号を受信し、被検体の温度を計算するためにそれらを使用する。これらの計算を実行するための適切な回路(例えばコントローラ、プロセッサ)は、ベースユニット13の筐体19内に含まれる。一実施形態において、回路の論理は、プローブの信号に基づいて患者に対する最終的な体温測定を速やかに確かめるために、予測するアルゴリズムを含む。回路は、計算された温度が、筐体19の正面のディスプレー21(例えば液晶ディスプレー)に現れるようにする。当業者によって理解されるように、ディスプレー21は、他の有用な情報も示し得る。温度計11を操作するためのボタンまたは他のユーザインターフェースデバイス(例えばスイッチ、トグル、ノブ、ダイアル、タッチスクリーン、キーパッド、その他)のパネル21Aが、ベースユニット13に位置する(例えばディスプレー21のすぐ上に)。当業者によって容易に理解されるように、ディスプレーおよびパネルの他の配列が、本発明の実施形態の範囲から逸脱することなく利用され得る。
【0036】
なおも図1を参照して、筐体19は、概して筐体の背後にコンパートメント、またはスロット(図示されず)を含み、この筐体は、使用されていないときは、プローブ17の遠位部分を筐体の中に受け入れ得、プローブを保持し、環境から遠位部分を分離する。本明細書において使用されるように、用語「近位の」および「遠位の」は、ユーザがプローブ17を保持しているとき、ユーザの手H1に対するプローブ17の構造の相対的な位置を記述するために使用される。図1は、使用の準備のためにコンパートメントから手H1によって引かれるプローブ17を例示する。筐体19は、例えば、取り外し可能なプローブカバー(図示されず)のカートンCのような適切な容器を受け入れるレセプタクル23も有する。使用に際しては、カートンCの上部は、取り外され、取り外し可能なプローブカバーの開放端が露出する。プローブ17の遠位部分は、カートンCの開放端の中に挿入され得、取り外し可能なプローブカバーのうちの1つは、環状のリセスの中に捕捉され得る(例えばパチンと嵌められる)。プローブ17の遠位部分は、例えば患者の口の中に、プローブ17の遠位部分が挿入されるとき、取り外し可能なカバーによる汚染から保護される。プローブ17のハンドル27のボタン31は、押し下げられ得、プッシャー(図示されず)を動かし、プローブ17から取り外し可能なプローブカバーを解放し得る。使用後は、取り外し可能なプローブカバーは廃棄され得る。取り外し可能なプローブカバーを捕捉、かつ解放する他の方法が、本発明の範囲から逸脱することなく使用され得る。
【0037】
図2は、本発明の実施形態に従って、電子温度計のためのプローブ17の側面斜視図を例示する。プローブ17は、ハンドル27から伸びるコード15を介して、ベースユニット13に接続されたプローブシャフト29(プローブ17の近位部分/端)と、被検体と接触するためのプローブ先端33(プローブ17の遠位部分/端)とを含む。一実施形態において、図3A〜図3Dによって例示されるように、プローブ先端33は、プローブ先端33にセンサ(例えば、図4の温度センサ43を参照)を取り付けるための成形相互接続デバイスを含む。当業者によって理解されるように、成形相互接続デバイス(MID)は、成形プラスチック基板37(例えば部品、筐体、本体、コンパートメント、支持)を備え、成形プラスチック基板37は、基板37の1つ以上の表面に、伝導性の回路パターン39を組み込む。例示された実施形態において、伝導性の回路パターン39は、プラスチック基板37の外側の表面に適用された(すなわち形成された)導電性のトレース39A〜39E(トラック)を含む。別の実施形態において、プラスチック基板37は、内側の空洞(図示されず)を有し、伝導性の回路パターン39は、プラスチック基板37の内側の空洞の1つ以上の表面に追加的にまたは代替として提供される。
【0038】
MIDは、概ね長方形の表面を有するとして例示されるが、特定のいかなる形状にも限定されない。例えば、形成基板37は、概ね円筒、角柱、および/または他の3次元の形状を有し得る。本発明の範囲は、MIDが、1つ以上の機能的な設計の特徴を含む形状を有する実施形態を考えている。例えば、先端部分33は、特定の物体、空洞、および/または媒体を効果的に測定するための形状とされ得る。より詳細には、プローブ17の先端部分33は、大人の体温を測定するために使用されるときは、第1の形状を有し得、子供の体温を測定するために使用されるときは、第1の形状よりも小さい第2の形状を有し得る。同様に、プローブ17の先端部分33は、耳の空洞の温度を測定するためには、細長い円錐形状を有し得、一方、プローブ17の先端部分33は、口腔の温度を測定するためには、長方形の角柱形状を有し得る。幾つかの例が、本明細書において論じられる。
【0039】
図3A〜図3Dを概略参照して、実施形態において、MIDは、プローブ先端33とプローブシャフト29の両方を形成するように設計される。特に、プローブ先端33は、温度センサ43を取り付けるためのMIDの第1の部分/端縁を含み、プローブシャフト29は、コード15を介してベースユニット13に接続されるMIDの残りの部分/端縁を含む。例えば、MIDの成形プラスチック基板37は、細長い部分を含み、被検体に対してプローブ17を位置づけるためにユーザH1によって保持されるためのプローブシャフト29を形成する。シャフト29を形成するMIDの細長い部分は、プローブ17に及ぼされる力による破損を最少にするような形状とされ得る。別の実施形態において、MIDは、プローブ先端33を形成するように設計され、プローブ17は、プローブシャフト29を形成する伝導性の基板をさらに含む。伝導性の基板の1つの端は、コード15を介してベースユニット13に接続され、他の端は、MIDに取り付けられる。MIDの伝導性のトレース39A〜39Eは、伝導性の基板に電気的に接続される。例えば、伝導性の基板は可撓性があり得、プローブシャフト29は、被検体に対して特別に構成されることを可能にし得る。特に、伝導性の基板は、電気的に絶縁するが、変形可能な材料によって覆われた銅コンポーネントを含み得る。MIDの伝導性のトレース39A〜39Eは、絶縁カバーを貫通して銅コンポーネントにアクセスすることによって、伝導性の基板に電気的に接続される。
【0040】
図4によって例示される実施形態において、プローブ17は、MIDに取り付けられる電子コンポーネント(例えば43、45、47)を含む。特に、プローブ先端33は、MIDのプローブ先端33の端縁に取り付けられた温度センサ43を含む。例示された実施形態において、プローブ先端33はまた、別の温度センサ45(「ヒータ温度センサ45」と称される)と、加熱素子47とを含み、その目的は、以下に説明される。例えば、温度センサ43、45はそれぞれ、サーミスタによって具現化され、加熱素子47は、抵抗器によって具現化される。例示された実施形態において、回路パターン39は、電子コンポーネントを取り付けるための1つ以上の伝導性の受け取り素子51を含む。例示的な伝導性の受け取り素子51は、取り付けパッド、プラグイン接触、すべり接触、締め具素子、その他を含む。一実施形態において、プローブ17は追加的にまたは代替として、電子コンポーネントをMIDに取り付けるための受け取り媒介物(例えばはんだ、はんだペースト、導電性の接着剤、その他)を含む。例えば、はんだは、温度センサ43、45および加熱素子47を、MIDのそれぞれの取り付けパッドに取り付け、かつ電気的に接続し得る。
【0041】
図4をなおも参照して、MIDの1つ以上の表面は、1つ以上の位置決め素子53を含み、1つ以上の位置決め素子53は、例えば温度センサ43などの電子コンポーネントを位置決めするため、成形プラスチック基板37と一体に形成される。位置決め素子53は、電子コンポーネントが、正確かつ効率的に位置付けられ、かつ取り付けられることを可能にする。一実施形態において、位置決め素子53は、成形プラスチック基板37の表面に対して突起を含み、電子コンポーネントの1つ以上の表面と係合する。別の実施形態において、位置決め素子53は、成形プラスチック基板37の表面に対してリセス(例えば、位置決め素子55を参照)を含み、電子コンポーネントの1つ以上の表面と係合する。例えば、図4の例示された実施形態において、MIDの第1の端縁(すなわち、プローブ先端33)は、温度センサ43の取り付けを容易にするために、プローブ17の端面から長手方向に突出するショルダによって具現化される位置決め素子53を含む。この実施形態において、位置決め素子53は、温度センサ43が取り付けパッドに配置され、MIDに取り付けられるとき、温度センサ43の底面と係合する。別の例において、ポケットまたは他のリセス(位置決め素子55を参照)が、電子コンポーネントを受け取るために、MID表面の中に組み込まれ得る。有利にも、ポケットは、プローブ17が、実質的に滑らかな表面を維持することを可能にし、電子コンポーネントを保護する。図4に示されるように、電子コンポーネント47は、リセス、すなわち位置決め素子55内に位置決めされ、位置決め素子55は、コンポーネント47を正確に再現可能に配置するために、MIDプローブ先端33の一部として成形される。これは、温度の精度を向上させることに役立つ。なぜならば、コンポーネントは、その位置に固定され、動き(例えば、使用中に落とすことによる)に対して固定されるからである。本発明の効果は、プラスチック形成基板が、再現可能に製造されることができ、例えばコンポーネント43、45、47などの電子機器の電気的な接続および配置に対して狭い許容差を受けることができることである。
【0042】
位置決め素子53,55を形成する突起またはリセスは、プラスチック基板37の形状の一部分であるので、突起またはリセスは、プラスチック基板37を製造するために使用される型に含まれる。有利にも、位置決め素子53、55は、一貫して構成され、追加的な部品を必要としない。位置決め素子53、55は、電子コンポーネントを構造的に支持する必要はないことは理解される。例えば、位置決め素子53、55は、電子コンポーネントの位置を光学的に示す、MIDの表面のマーキング(marking)であり得る。
【0043】
図5Aおよび図5Bによって例示される本発明の実施形態において、プローブ17は、プローブシャフト29またはその一部分に対するカバー59をさらに含む。例えば、プローブシャフト29の周りに成形されるプラスチック層などのシャフトカバー59は、プローブシャフト29の表面に適用される伝導性のトレース39を包む。従って、シャフトカバー59は、伝導性のトレース39を損傷から保護し、プローブシャフト29に概ね滑らかな表面を提供する。図5Bによって例示されるように、シャフトカバー59は、プローブ先端33のMIDをむき出しのままにするので、電子コンポーネント(例えば温度センサ43、ヒータ温度センサ45、抵抗器47)は、シャフトカバー59が、プローブシャフト29の周りに成形された後に、MIDに取り付けられ得る。従って、シャフトカバー59は、電子コンポーネントを外すことなく、プローブ17に追加され得る。一実施形態において、プローブシャフト29の導電性のトレース39が、シャフトカバー59の左右対称の長手方向軸(例えば長手方向の中心軸、曲がる中立軸)に実質的に沿って配置されるように、シャフトカバー59は、プローブシャフト29の周りに大きさと形状が決められる。導電性のトレース39を左右対称の軸に実質的に沿って配置することは、曲がるプローブ17から生じる伝導性のトレース39のストレスおよび破損を最少にする。図5Aおよび図5Bはまた、受け取り素子61を示し、受け取り素子61は、フレックス回路アタッチメントを受け取り、かつベースユニット13に接続されたコード15にプローブ17を電気的に接続するための手段を提供するためにくぼんでいる。例えば、受け取り素子61のピンのセットが、フレックス回路にはんだ付けされる。
【0044】
一実施形態において、シャフトカバー59は、プローブシャフト29をハンドル27の内側に固定する際に使用される1つ以上の素子を含むような形状とされる。代替の実施形態において、シャフト29に接着されるか、またはシャフト29の一部分として一体に形成される素子が、シャフトをハンドル27に固定することに役立つ。ハンドル27は、プローブ17に、またはこの周りに設置され、接着剤が、ハンドル27をプローブ17に固定する。別の例において、カバー59は、一対の正反対のウイング(図示されず)を含み、一対の正反対のウイングは、プローブシャフト29をハンドル27内に固定するために、プローブシャフト29の近位端から半径方向外向きに延びる。さらに別の実施形態において、シャフトカバー59は、プローブシャフト29の近位端において、ハンドル27を提供するような形状とされる。
【0045】
図6Aを参照して、本発明の一実施形態において、プローブ17は、先端アセンブリ65をさらに含む。図6Bに例示されるように、先端アセンブリ65は、以下のコンポーネント:セパレータ67、アイソレータ69、および先端カバー71のうちの1つ以上を含み得る。先端カバー71は、熱伝導性の材料(例えばアルミニウム)で構成され、温度センサ43と熱接触する。例えば、例示された実施形態において、温度センサ43の一部分は、プローブ先端33の概ね長方形の角柱の形状からわずかに突出する。温度センサ43が先端カバー71と熱接触するように、先端カバー71は、プローブ先端33を受け取る。一実施形態において、熱伝導性の媒介物(例えば熱エポキシ樹脂)が、温度センサと先端カバーとの間に適用され得、温度センサ43と先端カバー71との間の熱接続を向上させ得る。アイソレータ69は、比較的貧弱な熱伝導性を有する非導電性のバンドを備える。イソレータ69は、プローブ先端33の周りに位置決めされ、プローブ先端33とプローブ17の他の部分との間の熱連通を最少にする。同一人に譲渡された米国特許第6,839,651号は、そのようなアイソレータを開示し、本明細書に参考として援用される。セパレータ67が、加熱素子47およびヒータ温度センサ45と熱接触するように、セパレータ67は、プローブ先端33の周りに配置された熱伝導性のバンドを備える。一実施形態において、熱伝導性の媒介物(例えば熱エポキシ樹脂)が、温度センサ45とセパレータ67との間に適用され得、温度センサ45とセパレータ67とを熱的に接続し得る。加熱素子47(例えば抵抗器)は、プローブ17の一部分がヒートシンクとして作用することを妨げるために、測定される物体の温度近くまでプローブ17を加熱するために使用される。ヒータ温度センサ45は、セパレータ67の温度を検知し、加熱素子47によってセパレータ67に熱が提供されていることを表す信号を生成するために使用される。信号は、MIDの伝導性のトレース39を介して、ベースユニット13に通信され、ベースユニット13は、それに従って、加熱素子47を制御する。
【0046】
図6Aおよび図6Bをさらに参照して、一実施形態において、プローブ17は、先端アセンブリ65をプローブ先端33に固定する手段(例えば接着剤、カラー、相互的な溝その他)を含む。例えば、MIDの成形プラスチック基板37は、先端アセンブリ65を受け取るための特定の形状とされる。例示された実施形態に従って、MIDは、例えばリセス73A〜リセス73Dのような1つ以上のリセスを含み、1つ以上のリセスは、接着剤(例えば非熱のエポキシ樹脂、樹脂)で満たされている。セパレータ67の近位部分は、リセス73A−73Dの上に嵌められ、接着剤によってMIDに接着される。別の実施形態において、セパレータ67は、プローブシャフト29に取り付けられる。特に、セパレータ67の内部表面から半径方向内向きに延びる、軸方向に間隔を置いて離された接続突起(図示されず)は、シャフトカバー59に形成された、これと対応する、軸方向に間隔が置かれた溝の対に受け取られる。溝は、シャフトカバー59の長手方向軸に対して概ね横方向に、シャフトカバー59の円周(概括的に、周辺)の回りに部分的に延びる。さらに詳細には、各溝は、シャフトカバー59の長手方向軸の周りに約180度延び、シャフトカバー59の長手方向軸に沿って、別の溝と重複しない。エポキシ樹脂または樹脂が、溝の内側に、かつ/またはセパレータ67の内部表面の内側に適用され得、セパレータ67をシャフトカバー59に取り付け得る。溝は、エポキシ樹脂または他の接着剤が硬化かつ/または乾燥しているとき、セパレータ67が、プローブの円周の周りに完全に(すなわち360度)回転することを妨げる。各溝が、シャフトカバー59の長手方向軸の周りに360度を下回って延びる限り、溝は、180度を下回るかまたは上回って延び得ることが考えられる。さらに、溝は、本発明の範囲内で、シャフトの長手方向軸に沿って重複し得る。
【0047】
図7によって例示された実施形態において、アイソレータ69がセパレータ67の遠位部分に取り付けられ、それによってセパレータ67およびプローブ33が物理的にアイソレータ69に接続されるが、電気的には互いに接続されないようにされる。例えば接着剤(例えば非熱のエポキシ樹脂、樹脂)が、アイソレータ69をセパレータ67の遠位部分に接着する。例示されるように、先端カバー59は、アイソレータ69の遠位部分に取り付けられる。電子コンポーネント、すなわち加熱素子47および温度センサ43、45は、シャフト先端33の回路パッドのそれらの正しい位置において、シャフト29に導電性のエポキシ樹脂で接着されるか、またははんだ付けされる。セパレータ67は、非伝導性のエポキシ樹脂を使用してシャフト先端33に接着される。同時に、熱伝導性のエポキシ樹脂が、加熱素子47と温度センサ45との間の空隙を埋め、それらとセパレータ67との間に熱伝導性の経路を作るために使用される。例示された実施形態において、アイソレータ69は、セパレータ67に対して押し当てられる(すなわち、プレスばめ保持)。この方法で、アイソレータ69は、セパレータ67を先端33から、熱的かつ電気的に分離する。温度センサが設置されるとき、温度センサと先端33との間に熱経路を形成するために、熱伝導性のエポキシ樹脂が、温度センサ43に適用される。先端33は、温度センサ43が底につくまで、アイソレータ69に押し当てられ、次に円周の周りをセパレータ67にエポキシ樹脂で接着し、エポキシ樹脂は、接合を湿気から密封し、これら2つの部品の間に永久的な接続を作る。このエポキシ樹脂は、熱伝導性があってもなくてもよい。
【0048】
本発明は、上述のセンサプローブ17を作る方法も考える。方法は、熱プラスチック樹脂を1つ以上の空洞に注入し、プラスチック基板37を形成することを含む。熱プラスチック樹脂は、メッキ可能な樹脂、またはメッキ不可能な樹脂を含み得る。例示的なメッキ可能な樹脂は、以下のもの:ポリプロピレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート(PC)、ポリスルフォン(PSF)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、その他のうちの1つ以上を含む。例示的なメッキ不可能な樹脂は、以下のもの:ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、その他のうちの1つ以上を含む。プラスチック基板37の正面を含むプラスチック基板37の一部分は、プラスチック基板37の第1の端縁と称される。プラスチック表面の後面を含むプラスチック基板37の残りの部分は、プラスチック基板37の第2の端縁と称される。方法は、伝導性の回路パターン39を、プラスチック基板37の複数の表面に適用することも含み、それによってMIDを形成する。伝導性の回路パターン39を適用する例示的な技術は、以下の技術:電気メッキ、ホットスタンプ、捕捉処理、トランスファープロセス(transfer process)、レーザ直射(laser−direct)構成、レーザサブトラクティブ(laser subtractive)構成、およびフォトイメージング、その他のうちの1つ以上を含む。方法は、温度センサ43が、回路パターンに電気的に接続されるように、温度センサ43(または別の電子コンポーネント)をプラスチック基板37の第1の端に取り付ける(例えばはんだつけ、接着、結合その他)ことをさらに含む。回路パターンは、温度センサ43を電子温度計11のベースユニット13(例えばプロセッサ)に電気的に接続する。
【0049】
一実施形態に従って、熱プラスチック樹脂を1つ以上の空洞の中に注入し、プラスチック基板37を形成することは、MIDを作るためのツーショットプロセスを含む。以下にさらに論じられるように、ツーショットプロセスは、メッキ可能なプラスチックおよびメッキ不可能なプラスチックを含む表面を有する、プラスチック基板37を作成する。メッキ可能なプラスチックを含む表面のエリアは、回路パターン39を画定する。この実施形態に従って、伝導性の回路パターン39は、1つ以上の伝導性の材料で、メッキ可能なプラスチックを含む表面のエリアをメッキすることによって適用される。回路パターンを形成する例示的な伝導性の材料は、以下のもの:電気メッキされた銅、スズ、鉛、ニッケル、および/または金;無電解銅および/またはニッケル;浸漬金および/またはスズ;銀インク;炭素インク、その他のうちの1つ以上を含む。一実施形態に従って、伝導性の回路パターン39を適用することは、伝導性の材料に保護的なオーバーコート(例えばニッケル、金、その他)を適用することも含む。別の実施形態に従って、伝導性の回路パターン39を適用することは、電子コンポーネントを受け取るため、受け取りメカニズム(取り付けパッド、プラグイン接触、すべり接触、締め具素子)を、プラスチック基板37に取り付けることも含む。一実施形態に従って、プラスチック基板37の第1の端は、温度センサ43(または他の電子コンポーネント)を位置決めするため、リセス、ポケット、突起または他のインジケータ(すなわち位置決め素子53、55)を含み、コンポーネントを取り付けることは、インジケータに従って位置付け、取り付けることを含む。
【0050】
MIDを作るためにツーショットプロセスを利用する一実施形態に従って、熱プラスチック樹脂を1つ以上の空洞に注入し、プラスチック基板37を形成することは、メッキ可能な樹脂の第1のショットを第1の空洞に注入し、予備的なプラスチック基板37を形成することを含む。予備的なプラスチック基板37(またはその一部分)は次に、第2の空洞に導入される。メッキ不可能な熱プラスチック樹脂の第2のショットが、第2の空洞に注入され、プラスチック基板37を形成する。回路パターンは、メッキ可能な(例えば、メッキ不可能な熱プラスチック樹脂によって覆われていない)プラスチック基板37の表面のエリアによって画定される。従って、第1の空洞および第2の空洞の間の不一致は、回路パターン39に対応する。より詳細には、第1の空洞によって画定された形状を有する予備的なプラスチック基板37が、第2の空洞に導入されたとき、予備的なプラスチック基板37の表面と第2の空洞との間に空所が形成される。メッキ不可能な熱プラスチック樹脂の第2のショットが、第2の型に注入されたとき、メッキ不可能な熱プラスチック樹脂は、空所を画定する予備的なプラスチック基板37の表面のエリアにのみ接着する。このようにして、特定の回路パターン39が、プラスチック基板37によって露出されたままになっている予備的なプラスチック基板37のメッキ可能なプラスチックから形成される。
【0051】
MIDを作るためにツーショットプロセスを利用する別の実施形態に従って、熱プラスチック樹脂を1つ以上の空洞に注入し、プラスチック基板37を形成することは、メッキ不可能な樹脂の第1のショットを第1の空洞に注入し、予備的なプラスチック基板37を形成することを含む。予備的なプラスチック基板37(またはその一部分)は次に、第2の空洞に導入される。メッキ可能な熱プラスチック樹脂の第2のショットが、第2の空洞に注入され、プラスチック基板37を形成する。回路パターンは、メッキ可能な(例えば、予備的なプラスチック基板37の表面に形成された)プラスチック基板37の表面のエリアによって画定される。従って、第1の空洞および第2の空洞の間の不一致は、回路パターン39に対応する。より詳細には、第1の空洞によって画定された形状を有する予備的なプラスチック基板37が、第2の空洞に導入されたとき、予備的なプラスチック基板37の表面と第2の空洞との間に空所が形成される。メッキ可能な熱プラスチック樹脂の第2のショットが、第2の型に注入されたとき、メッキ可能な熱プラスチック樹脂は、空所を画定する予備的なプラスチック基板37の表面のエリアにのみ接着する。このようにして、特定の回路パターン39が、予備的なプラスチック基板37の表面に接着したメッキ可能なプラスチックから形成される。
【0052】
一実施形態において、第1の空洞および第2の空洞は、2つの分離可能な型である。別の実施形態において、第1の空洞は、第1の形状を有する型であり、第2の空洞は、同じ形状を有するように再構成された同じ型である。例えば、型は、ショットの間で型の空洞の幾何学的形状を変化させるために使用されるすべりメカニズムを含み得る。例示されなかったが、当業者は、第1の空洞および第2の空洞を画定する型が、成形プラスチック基板37の所望の形状に対して逆の構成を有することを認識する。
【0053】
一実施形態に従って、熱プラスチック樹脂を1つ以上の空洞に注入し、プラスチック基板37を形成することは、MIDを作るためのワンショットプロセスを含む。特に、メッキ可能な熱プラスチック樹脂は、空洞に注入され、プラスチック基板37を形成する。この実施形態に従って、伝導性の回路パターン39が、フォトイメージングまたはレーザイメージング技術に従って、複数の表面に適用される。例えば、伝導性の回路パターン39は、サブトラクティブ(subtractive)フォトイメージング技術を使用して適用され得る。特に、無電解材料(例えば無電解銅)が、プラスチック基板37の複数の表面に適用される。次に、感光性ポリマーレジストが、プラスチック基板37に適用される。その後、プラスチック基板37は、紫外光線にさらされ、プラスチック基板37の表面のエリアにおけるレジストを選択的に硬化させ、回路パターン39を画定する。レジストは、回路パターン39に含まれていない表面のエリアにおいて硬化する。露出していないレジストは除去され、エレクトロレス材料から成る回路パターンが露出する。次に、エレクトロレス材料は、伝導性の材料(例えばスズ/鉛、ニッケル/金)で電気めっきされる。硬化されたレジストおよび硬化されたレジストの下にあるエレクトロレス材料は、除去される。本発明の範囲から逸脱することなく伝導性の回路パターン39を適用するために、代替のまたは追加的な技術(例えば、アディティブ(additive)フォトイメージング)が使用され得ることは理解される。
【0054】
一実施形態に従って、プローブ17を作る記述された方法は、それ(例えばMIDシャフト)に適用された伝導性の回路パターン39を備えたプラスチック基板37シャフトの少なくとも一部分をオーバーモールド空洞の中に導入し、熱プラスチック樹脂をオーバーモールド空洞に注入することを含む。注入された熱プラスチック樹脂は、MIDシャフトに接着し、MIDシャフトの少なくとも一部分に対してケーシング59を形成する。一実施形態に従って、温度センサ43(または別の電子コンポーネント)は、ケーシング59の形成の後、MIDの端/部分に取り付けられる。ケーシング59の形成の後、温度センサ43がMIDに取り付けられるので、温度センサ43は、プローブ17内に正確に位置付けられ得る。特に、温度センサ43はケーシング59の形成の間、取り外されない。従って、プローブ17は、正確に位置付けられた温度センサ43を有するように一貫して構成され得る。このシャフトアセンブリを構成する第1のステップは、ベース部分、すなわち基板37を成形することである。次に、回路パターン39を含む基板回路網が、シャフト基板37に適用され、フレックス接続ピンが、その中に押し込まれる。オーバーモールディング基板37は、その遠位端縁、すなわち先端33を除いてすべてのエリアにおいてシャフト29の外側形状を形成する。
【0055】
本発明は主として、電子センサコンポーネントが中に位置付けられるプローブを有する電子温度計との関連において記述されたが,本発明の局面は、一貫した再現可能なコンポーネント配置が望まれる様々な医療用デバイスを構成することにおいて有用であることは理解されるべきである。
【0056】
本明細書に例示かつ記述された本発明の実施形態における動作の実施または実行の順序は、別に指定がなければ、必須ではない。つまり、動作は別に指定がなければ、いかなる順序でも実行され得、本発明の実施形態は、本明細書に開示された実施形態よりもさらに多くまたは少なく動作を含み得る。例えば、特定の動作を別の動作の前に、同期間に、または後に実施または実行することは、本発明の局面の範囲内であることが考えられる。
【0057】
本発明の、またはその実施形態の局面の素子を導入するとき、冠詞「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その」および「該」は、1つ以上の素子が存在することを意味することが意図されている。用語「備えている」、「含む」および「有する」は、包括的であることが意図され、列挙された素子以外にもさらなる素子があり得ることを意味する。
【0058】
本発明を詳細に記述したが、添付の請求項に定義されたとおりの本発明の局面の範囲から逸脱することなく、修正および変更が可能であることは明らかである。本発明の局面の範囲から逸脱することなく、上記の構成、製品および方法には様々な変更がなされ得るので、上記に含まれかつ添付の図面に示されるすべての事項は、例示として解釈されるべきであり、限定的な意味において解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】図1は、本発明の実施形態による、電子温度計の斜視図である。
【図2】図2は、図1の電子温度計のプローブの斜視図である。
【図3A】図3Aは、本発明の実施形態による、電子温度計に対するプローブの後面図である。
【図3B】図3Bは、本発明の実施形態による、電子温度計に対するプローブの上平面図である。
【図3C】図3Cは、本発明の実施形態による、電子温度計に対するプローブの正面図である。
【図3D】図3Dは、本発明の実施形態による、電子温度計に対するプローブの底平面図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態による、電子温度計に対するプローブの遠位部分の側面斜視図である。
【図5A】図5Aは、本発明の実施形態による、電子温度計に対するプローブの側面図である。
【図5B】図5Bは、本発明の実施形態による、電子コンポーネントがプローブの遠位部分に取り付けられた、電子温度計に対するプローブの斜視図である。
【図6A】図6Aは、本発明の実施形態による、プローブが先端アセンブリを有する、電子温度計に対するプローブの側面図である。
【図6B】図6Bは、本発明の実施形態による、プローブが先端アセンブリを有する、電子温度計に対するプローブの部分的に分解された側面斜視図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態による、電子温度計に対するプローブの遠位部分の側面断面図である。
【符号の説明】
【0060】
11 電子温度計
13 ベースユニット
15 らせん状のコード
17 プローブ
19 筐体
21 ディスプレー
37 成形プラスチック基板
39 回路パターン
43、45、 温度センサ
53、55 位置決め素子
【背景技術】
【0001】
電子温度計は、患者の体温を測定するために医療分野において広く使用されている。通常の電子温度計は、細長いシャフト部分および先端部分を有するセンサプローブを含む。先端部分は、例えばサーミスタまたは他の温度感知素子などの電子温度センサを含む。多くの場合、先端部分に対するカバー(例えばアルミニウムキャップ)は、先端部分内に含まれた温度感知素子と熱接触する。例えば患者の口の中などにプローブの先端が配置されたとき、患者の身体が先端を加熱し、温度センサコンポーネントは、先端の温度を検知する。
【0002】
ベースユニットは通常、温度計に対する追加的な電子コンポーネントを収納する。これらのコンポーネントは、ワイヤなどによって、プローブの電子温度センサコンポーネントに接続され得る。一部の例においては、プローブシャフトのハンドル部分は、ベースユニットに加えて、またはこの代わりに、エレクトロニクスを含む。電子コンポーネントは、患者の体温を表す出力を生成するため、温度センサコンポーネントから入力を受け取る。温度計は普通、この出力をユーザに表示する。公知の電子温度計のさらなる特徴は、例えばビープ(beep)またはトーン警報信号などの可聴の温度レベル通報を含む。使い捨てのカバーまたはシースは通常、シャフト部分の上に嵌められ、衛生上の理由から温度計の各使用の後に処分される。
【0003】
プローブの構成は、正確な温度測定および製造の間の正確な再現を保証するために重要である。1つの公知のプローブ構成は、コンポーネントに対する電気的な接続を支持しかつ提供する可撓性の基盤に電子コンポーネント(例えば、温度感知素子)を取り付ける。コンポーネントと可撓性の基板との組み合わせは普通、「フレックス回路」と呼ばれる。コンポーネントを取り付けることを容易にするために、基板は最初、平坦であり得る。例えば、プローブ先端カバーに接触するようにサーミスタを正しい位置に配置するために、可撓性の基板は曲げられ得る。コンポーネントは、最終的なアセンブリにおいて、熱伝導性の接着剤で正しい位置に接着され得る。しかしながら、接着剤が、コンポーネントと接触させられる前に、かつ/または接着剤が定着する前に、コンポーネントは不必要に動き得る。動きの結果は、コンポーネントが、最終的なアセンブリにおいて、加熱するまたは温度を検知するためのプローブの先端および/または他の部分と十分に接触しないことである。同様に、コンポーネントが、誤って位置決めされるか、または1つの温度計から他の温度計までの受容不可能なレベルで変動して位置決めされ得る。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の局面は、少なくとも1つの位置決め素子が一体に形成される成形基板を提供する。位置決め素子は、検知素子をその中に受け取るための大きさおよび形状とされたリセスなどであり得る。このようにして、本発明の局面は、医療用デバイスプローブ内に、検知素子を確実にかつ一貫して位置決めすることを可能にする。有利にも、かかる局面は、アセンブリの障害を最少にし、再現性の高いアセンブリプロセスを達成する。さらに、基板の表面に直接的に形成された伝導性の回路パターンは、検知素子を医療用デバイスの他の電子コンポーネントに電気的に接続する。これは、追加的な配線などに対する必要性をなくし、従って、アセンブリの確実性および容易さを向上させる。
【0005】
本発明の局面において、電子温度計は、被検体の温度を測定する際に使用するため、該被検体によって加熱されるように適合されたプローブを有する。該プローブは、その表面に直接的に形成された伝導性の回路パターンを有する成形プラスチック基板を含む。該回路パターンは、少なくとも、該成形プラスチック基板の該第1の端縁から第1の端縁と相対する第2の端縁へ延びる。温度計は、プローブの温度を検出するために、成形プラスチック基板に取り付けられた温度センサも含む。該温度センサは、基板と一体に形成された少なくとも1つの位置決め素子によって、第1の端縁において成形プラスチック基板に位置決めされる。該伝導性の回路パターンは、該温度センサとプロセッサとの間に、電気的な接続を提供する。
【0006】
本発明の局面を実施する電子温度計に対するセンサプローブを作る方法は、熱プラスチック樹脂を1つ以上の空洞に注入し、プラスチック基板を形成することを含む。該空洞のうちの少なくとも1つは、第1の端縁において該プラスチック基板と一体に形成された位置決め素子を画定する。方法は、一端縁から他の端縁へ、プラスチック基板の表面に直接的に伝導性の回路パターンを形成すること、該位置決め素子に対して温度センサを位置決めすること、およびプ該ラスチック基板に位置決めされた温度センサを取り付けることも含む。該伝導性の回路パターンは、該温度センサによって検出された温度の関数として温度測定を生成するために、温度センサと電子温度計との間に電気的な接続を提供する。
【0007】
本発明の局面を実施する電子温度計に対するセンサプローブは、デバイスの少なくとも1つの表面に形成された導電性の回路パターンを有する成形相互接続デバイスと、該成形相互接続デバイスに取り付けられ、導電性の回路パターンに電気的に接続された温度検知素子とを含む。
【0008】
本発明のさらに別の局面において、医療用測定デバイスは、相対する第1の端縁および第2の端縁を有するセンサ支持と、生理学的なパラメータを検知するために、第1の端縁において該支持に取り付けられた検知素子とを含む。該支持は、該支持の第1の端縁においてプラスチック基盤に該検知素子を位置決めするため、プラスチック基板と一体に形成された少なくとも1つの位置決め素子を有するプラスチック基板を含む。センサプローブは、該検知素子を医療用測定デバイスのコントローラに電気的に接続するため、該支持の表面に直接的に形成された導電性の回路パターンも含む。
【0009】
この概要は、以下の詳細な説明でさらに記述される簡略化された形式における概念の選択を導入するために提供される。この概要は、主張される主題の重要な特徴または必須の特徴を特定するようには意図されておらず、また主張される主題の範囲を決定することを補佐するものとして使用されることも意図されていない。
【0010】
他の特徴が、本明細書において一部明らかとなり、かつ一部指摘される。
【0011】
本発明は、さらに以下の手段を提供する。
【0012】
(項目1)
電子温度計であって、該電子温度計は、
被検体の温度を測定する際に使用するため、該被検体によって加熱されるように適合されたプローブであって、該プローブは、相対する第1の端縁および第2の端縁を有する成形プラスチック基板を含み、該成形プラスチック基板の該第1の端縁は、該成形プラスチック基板と一体に形成された少なくとも1つの位置決め素子を含む、プローブと、
伝導性の回路パターンであって、該伝導性の回路パターンは、該成形プラスチック基板の表面に直接的に形成され、少なくとも、該成形プラスチック基板の該第1の端縁から、該成形プラスチック基板の第2の端縁へ延びる、伝導性の回路パターンと、
該プローブの温度を検出するため、該成形プラスチック基板に取り付けられた温度センサであって、該温度センサは、該位置決め素子によって、該第1の端縁において該成形プラスチック基板に位置決めされた、温度センサと
を備え、該伝導性の回路パターンは、該温度センサとプロセッサとの間に電気的接続を提供する、電子温度計。
【0013】
(項目2)
上記プローブは、先端およびシャフトを有し、該プローブ先端は、上記成形プラスチック基板の上記第1の端縁を含み、該プローブシャフトは、導電体であって、該導電体は、該成形プラスチック基板の上記第2の端縁に形成された上記伝導性の回路パターンと上記プロセッサとの両方に接続され、該プロセッサに上記温度センサを接続する、導電体を含む、項目1に記載の電子温度計。
【0014】
(項目3)
上記プローブシャフトに対するカバーであって、該プローブシャフトカバーは、上記第2の端縁において上記成形プラスチック基板の少なくとも一部分を包み、上記第1の端縁において該成形プラスチック基板の少なくとも一部分を露出させる、カバーをさらに備えている、項目2に記載の電子温度計。
【0015】
(項目4)
上記プローブシャフトに対するカバーは、成形プラスチック層を備えている、項目3に記載の電子温度計。
【0016】
(項目5)
上記プローブ先端に対するカバーであって、該プローブ先端カバーは、上記第1の端縁および該第1の端縁に取り付けられた上記温度センサにおいて上記成形プラスチック基板の少なくとも一部分を包み、該プローブ先端カバーは、熱伝導性の材料を含み、該プローブ先端カバーは、該温度センサと熱接触している、カバーをさらに備えている、項目2に記載の電子温度計。
【0017】
(項目6)
上記成形プラスチック基板は、該成形プラスチック基板の上記第1の端縁と一体に形成された別の位置決め素子を含み、該成形プラスチック基板は、
上記温度センサを予め加熱するため、該成形プラスチック基板に取り付けられた加熱素子であって、該加熱素子は、他の位置決め素子によって、該第1の端縁において該成形プラスチック基板に位置決めされる、加熱素子と、
該成形プラスチック基板の該第1の端縁によって受け取られるアイソレータであって、該アイソレータは、上記プローブシャフトから上記プローブ先端を熱的に分離するために、熱絶縁材料を含む、アイソレータと、
該成形プラスチック基板の該第1の端縁によって同じく受け取られるセパレータであって、該セパレータは、該温度センサと熱接触し、該温度センサと該アイソレータとの間に位置決めされる、セパレータと
をさらに備えている、項目2に記載の電子温度計。
【0018】
(項目7)
上記位置決め素子は、上記成形プラスチック基板に形成されたリセスを備え、該リセスは、上記温度センサを該リセスの中に受け取るための大きさおよび形状とされる、項目1に記載の電子温度計。
【0019】
(項目8)
電子温度計に対するセンサプローブを作る方法であって、該方法は、
熱プラスチック樹脂を1つ以上の空洞に注入し、プラスチック基板を形成することであって、該空洞のうちの少なくとも1つは、該プラスチック基板の第1の端縁において該プラスチック基板と一体に形成された少なくとも1つの位置決め素子を画定する、ことと、
該プラスチック基板の該第1の端縁から該プラスチック基板の相対する第2の端縁へ、該プラスチック基板の表面に直接的に伝導性の回路を形成することと、
該少なくとも1つの位置決め素子に対して、該プラスチック基板の該第1の端縁において温度センサを位置決めすることと、
位置決めされた温度センサを該プラスチック基板に取り付けることであって、該伝導性の回路パターンは、該温度センサと該電子温度計のプロセッサとの間に電気的な接続を提供し、該温度センサによって検出された温度の関数として温度測定を生成する、ことと
を包含する、方法。
【0020】
(項目9)
上記プローブは、先端およびシャフトを有し、該プローブシャフトは少なくとも、上記プラスチック基板の上記第2の端縁と、該第2の端縁に形成された伝導性の回路パターンとを含む、項目8に記載の方法であって、該方法は、
該プローブシャフトの少なくとも一部分をオーバーモールド空洞に導入することであって、該プローブシャフトと該オーバーモールド空洞との間に空所が形成される、ことと、
熱プラスチック樹脂を該オーバーモールド空洞に注入することであって、該熱プラスチック樹脂は、該プローブシャフトの表面の少なくとも一部分に接着し、該少なくとも一部分に対するケーシングを形成する、ことと
をさらに包含する、方法。
【0021】
(項目10)
上記プローブシャフトの上記少なくとも一部分に対する上記ケーシングを形成した後、上記温度センサは、上記プラスチック基板に取り付けられる、項目9に記載の方法。
【0022】
(項目11)
上記プラスチック基板の表面は、少なくとも1つのメッキ可能な部分と、少なくとも1つのメッキ不可能な部分とを含み、伝導性の回路パターンを形成することは、伝導性の材料を該プラスチック基板の表面の該メッキ可能な部分に適用することを包含する、項目8に記載の方法。
【0023】
(項目12)
熱プラスチック樹脂を1つ以上の空洞に注入し、上記プラスチック基板を形成する、項目11に記載の方法であって、該方法は、
メッキ可能な熱プラスチック樹脂を第1の空洞に注入して、メッキ可能な表面を有する予備的なプラスチック基板を形成することと、
該予備的なプラスチック基板の少なくとも一部分を第2の空洞に導入することであって、1つ以上の空所が、予備的なプラスチック基板の表面と該第2の空洞との間に形成される、ことと、
メッキ不可能な熱プラスチック樹脂を該第2の空洞に注入し、該プラスチック基板を形成することであって、該メッキ不可能な熱プラスチック樹脂は、該空所に対応するパターンに、該予備的なプラスチック基板の該メッキ可能な表面に接着する、ことと
を包含する、方法。
【0024】
(項目13)
上記第1の空洞は、第1の形状を有する型であり、上記第2の空洞は、第2の形状を有するように再構成された該型である、項目12に記載の方法。
【0025】
(項目14)
熱プラスチック樹脂を1つ以上の空洞に注入して、プラスチック基板を形成することは、
メッキ不可能な熱プラスチック樹脂を第1の空洞に注入して、メッキ不可能な表面を有する予備的なプラスチック基板を形成することと、
該予備的なプラスチック基板の少なくとも一部分を第2の空洞に導入することであって、1つ以上の空所が、該予備的なプラスチック基板の表面と該第2の空洞との間に形成される、ことと、
メッキ可能な熱プラスチック樹脂を該第2の空洞に注入してプラスチック基板を形成し、該メッキ可能な熱プラスチック樹脂は、該空所に対応するパターンに、該予備的なプラスチック基板の該メッキ不可能な表面に接着する、ことと
を包含する、項目11に記載の方法。
【0026】
(項目15)
上記第1の空洞は、第1の形状を有する型であり、上記第2の空洞は、第2の形状を有するように再構成された該型である、項目14に記載の方法。
【0027】
(項目16)
上記伝導性の回路パターンを形成することは、以下の技術;電気メッキ、ホットスタンプ、捕捉処理、トランスファー処理、レーザ直射構成、レーザサブトラクティブ構成、およびフォトイメージングのうちの1つ以上を使用して、少なくとも1つの伝導性のトレースを上記プラスチック基板に適用することを包含する、項目8に記載の方法。
【0028】
(項目17)
上記少なくとも1つの位置決め素子は、上記プラスチック基板に形成されたリセスを備え、該リセスは、該リセスの中に上記温度センサを受け取るような大きさおよび形状とされ、該温度センサを取り付けることは、該温度センサを受け取るために、該プラスチック基板の第1の端縁にリセスを位置付けることと、および導電性の接着剤を介して、該温度センサを該リセスの受け取り表面に取り付けることとを包含する、項目8に記載の方法。
【0029】
(項目18)
電子温度計に対するセンサプローブであって、該センサプローブは、
成形相互接続デバイスであって、該デバイスの少なくとも1つの表面に形成された導電性の回路パターンを有する、成形相互接続デバイスと、
温度検出素子であって、該成形相互接続デバイスに取り付けられ、該導電性の回路パターンに電気的に接続された、温度検出素子と
を備えている、センサプローブ。
【0030】
(項目19)
上記成形相互接続デバイスは、プローブ先端およびプローブシャフトを形成し、該プローブ先端は、上記温度検出素子を含み、該プローブシャフトは、上記電子温度計に電気的に接続され、該プローブ先端は、該プローブシャフトに電気的に接続される、項目18に記載のセンサプローブ。
【0031】
(項目20)
上記プローブシャフトの少なくとも一部分に対するカバーをさらに備え、該カバーは、該プローブシャフトの表面に適用された上記導電性の回路パターンを包む、項目19に記載のセンサプローブ
(項目21)
可撓性の導電体をさらに備え、該可撓性の導電体は、上記電子温度計に電気的に接続された第1の端を有し、かつ上記成形相互接続デバイスに形成された伝導性の回路パターンに電気的に接続された第2の端を有する、項目18に記載のセンサプローブ。
【0032】
(項目22)
上記成形相互接続デバイスの少なくとも一部分に対するカバーをさらに備え、該カバーは、熱伝導性の材料を含み、該カバーは、上記温度検出素子と熱接触している、項目18に記載のセンサプローブ
(項目23)
医療用測定デバイスであって、
相対する第1および第2の端縁を有するセンサ支持であって、該支持はプラスチック基板を備え、該プラスチック基板は、該支持の第1の端縁において該プラスチック基板と一体に形成された少なくとも1つの位置決め素子を含む、センサ支持と、
生理学的なパラメータを検出するため、該第1の端縁において該支持に取り付けられた検出素子であって、該少なくとも1つの位置決め素子は、該支持の第1の端縁において該プラスチック基板に該検出素子を位置決めする、検出素子と、
該支持の表面に直接的に形成された導電性の回路パターンであって、該導電性の回路パターンは、該検出素子を該医療用測定デバイスのコントローラに接続する、導電性の回路パターンと
を備えている、医療用測定デバイス。
【0033】
(摘要)
例えば電子温度計などの医療用測定デバイスは、プローブを有する。プローブは、その表面に直接的に形成された伝導性の回路パターンを有する成形プラスチック基板を含む。回路パターンは、少なくとも、成形プラスチック基板の第1の端縁から第1の端縁に相対する第2の端縁へ延びる。デバイスは、例えば温度など生理学的なパラメータを検出するために、成形プラスチック基板に取り付けられたセンサも含む。センサは、基板と一体に形成された少なくとも1つの位置決め素子によって、第1の端縁において成形プラスチック基板に位置決めされる。伝導性の回路パターンは、センサとプロセッサとの間に電気的接続を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
(詳細な説明)
本発明の局面は、生理学的なパラメータ(例えば生理学的な系統と関連する温度、流量、濃度、磁場の力、圧力、重さ、密度、および他のパラメータ)を検知するための医療用測定デバイス(例えば電子温度計)に関する。特に、本発明の実施形態は、相対する第1および第2の端を有する成形プラスチック基板を含む。生理学的なパラメータを測定するための検知素子が、第1の端縁においてプラスチック基板に取り付けられ、伝導性のトレースが、基板の1つ以上の表面に適用され、検知素子を医療用測定デバイスのコントローラに電気的に接続する。
【0035】
図1を最初に参照して、本発明の原理に従って構成された電子温度計が、概して11で示される。電子温度計は、温度計算ユニットを備え、温度計算ユニットは、概して13で示され、ユーザの手H1に心地よく保持されるような大きさおよび形状とされる。例示された実施形態において、計算ユニット13(概括的に「ベースユニット」)は、らせん状のコード15などによって、プローブ17(参照番号は、それらの対象を概略示す)に接続される。プローブ17(概括的に「支持」)は、物体/対象(例えば、患者または患者を密接に取り囲むエリア)と接触し、温度を表示するベースユニット13に信号を伝える。ベースユニット13は、プローブ17からコード15を介して信号を受信し、被検体の温度を計算するためにそれらを使用する。これらの計算を実行するための適切な回路(例えばコントローラ、プロセッサ)は、ベースユニット13の筐体19内に含まれる。一実施形態において、回路の論理は、プローブの信号に基づいて患者に対する最終的な体温測定を速やかに確かめるために、予測するアルゴリズムを含む。回路は、計算された温度が、筐体19の正面のディスプレー21(例えば液晶ディスプレー)に現れるようにする。当業者によって理解されるように、ディスプレー21は、他の有用な情報も示し得る。温度計11を操作するためのボタンまたは他のユーザインターフェースデバイス(例えばスイッチ、トグル、ノブ、ダイアル、タッチスクリーン、キーパッド、その他)のパネル21Aが、ベースユニット13に位置する(例えばディスプレー21のすぐ上に)。当業者によって容易に理解されるように、ディスプレーおよびパネルの他の配列が、本発明の実施形態の範囲から逸脱することなく利用され得る。
【0036】
なおも図1を参照して、筐体19は、概して筐体の背後にコンパートメント、またはスロット(図示されず)を含み、この筐体は、使用されていないときは、プローブ17の遠位部分を筐体の中に受け入れ得、プローブを保持し、環境から遠位部分を分離する。本明細書において使用されるように、用語「近位の」および「遠位の」は、ユーザがプローブ17を保持しているとき、ユーザの手H1に対するプローブ17の構造の相対的な位置を記述するために使用される。図1は、使用の準備のためにコンパートメントから手H1によって引かれるプローブ17を例示する。筐体19は、例えば、取り外し可能なプローブカバー(図示されず)のカートンCのような適切な容器を受け入れるレセプタクル23も有する。使用に際しては、カートンCの上部は、取り外され、取り外し可能なプローブカバーの開放端が露出する。プローブ17の遠位部分は、カートンCの開放端の中に挿入され得、取り外し可能なプローブカバーのうちの1つは、環状のリセスの中に捕捉され得る(例えばパチンと嵌められる)。プローブ17の遠位部分は、例えば患者の口の中に、プローブ17の遠位部分が挿入されるとき、取り外し可能なカバーによる汚染から保護される。プローブ17のハンドル27のボタン31は、押し下げられ得、プッシャー(図示されず)を動かし、プローブ17から取り外し可能なプローブカバーを解放し得る。使用後は、取り外し可能なプローブカバーは廃棄され得る。取り外し可能なプローブカバーを捕捉、かつ解放する他の方法が、本発明の範囲から逸脱することなく使用され得る。
【0037】
図2は、本発明の実施形態に従って、電子温度計のためのプローブ17の側面斜視図を例示する。プローブ17は、ハンドル27から伸びるコード15を介して、ベースユニット13に接続されたプローブシャフト29(プローブ17の近位部分/端)と、被検体と接触するためのプローブ先端33(プローブ17の遠位部分/端)とを含む。一実施形態において、図3A〜図3Dによって例示されるように、プローブ先端33は、プローブ先端33にセンサ(例えば、図4の温度センサ43を参照)を取り付けるための成形相互接続デバイスを含む。当業者によって理解されるように、成形相互接続デバイス(MID)は、成形プラスチック基板37(例えば部品、筐体、本体、コンパートメント、支持)を備え、成形プラスチック基板37は、基板37の1つ以上の表面に、伝導性の回路パターン39を組み込む。例示された実施形態において、伝導性の回路パターン39は、プラスチック基板37の外側の表面に適用された(すなわち形成された)導電性のトレース39A〜39E(トラック)を含む。別の実施形態において、プラスチック基板37は、内側の空洞(図示されず)を有し、伝導性の回路パターン39は、プラスチック基板37の内側の空洞の1つ以上の表面に追加的にまたは代替として提供される。
【0038】
MIDは、概ね長方形の表面を有するとして例示されるが、特定のいかなる形状にも限定されない。例えば、形成基板37は、概ね円筒、角柱、および/または他の3次元の形状を有し得る。本発明の範囲は、MIDが、1つ以上の機能的な設計の特徴を含む形状を有する実施形態を考えている。例えば、先端部分33は、特定の物体、空洞、および/または媒体を効果的に測定するための形状とされ得る。より詳細には、プローブ17の先端部分33は、大人の体温を測定するために使用されるときは、第1の形状を有し得、子供の体温を測定するために使用されるときは、第1の形状よりも小さい第2の形状を有し得る。同様に、プローブ17の先端部分33は、耳の空洞の温度を測定するためには、細長い円錐形状を有し得、一方、プローブ17の先端部分33は、口腔の温度を測定するためには、長方形の角柱形状を有し得る。幾つかの例が、本明細書において論じられる。
【0039】
図3A〜図3Dを概略参照して、実施形態において、MIDは、プローブ先端33とプローブシャフト29の両方を形成するように設計される。特に、プローブ先端33は、温度センサ43を取り付けるためのMIDの第1の部分/端縁を含み、プローブシャフト29は、コード15を介してベースユニット13に接続されるMIDの残りの部分/端縁を含む。例えば、MIDの成形プラスチック基板37は、細長い部分を含み、被検体に対してプローブ17を位置づけるためにユーザH1によって保持されるためのプローブシャフト29を形成する。シャフト29を形成するMIDの細長い部分は、プローブ17に及ぼされる力による破損を最少にするような形状とされ得る。別の実施形態において、MIDは、プローブ先端33を形成するように設計され、プローブ17は、プローブシャフト29を形成する伝導性の基板をさらに含む。伝導性の基板の1つの端は、コード15を介してベースユニット13に接続され、他の端は、MIDに取り付けられる。MIDの伝導性のトレース39A〜39Eは、伝導性の基板に電気的に接続される。例えば、伝導性の基板は可撓性があり得、プローブシャフト29は、被検体に対して特別に構成されることを可能にし得る。特に、伝導性の基板は、電気的に絶縁するが、変形可能な材料によって覆われた銅コンポーネントを含み得る。MIDの伝導性のトレース39A〜39Eは、絶縁カバーを貫通して銅コンポーネントにアクセスすることによって、伝導性の基板に電気的に接続される。
【0040】
図4によって例示される実施形態において、プローブ17は、MIDに取り付けられる電子コンポーネント(例えば43、45、47)を含む。特に、プローブ先端33は、MIDのプローブ先端33の端縁に取り付けられた温度センサ43を含む。例示された実施形態において、プローブ先端33はまた、別の温度センサ45(「ヒータ温度センサ45」と称される)と、加熱素子47とを含み、その目的は、以下に説明される。例えば、温度センサ43、45はそれぞれ、サーミスタによって具現化され、加熱素子47は、抵抗器によって具現化される。例示された実施形態において、回路パターン39は、電子コンポーネントを取り付けるための1つ以上の伝導性の受け取り素子51を含む。例示的な伝導性の受け取り素子51は、取り付けパッド、プラグイン接触、すべり接触、締め具素子、その他を含む。一実施形態において、プローブ17は追加的にまたは代替として、電子コンポーネントをMIDに取り付けるための受け取り媒介物(例えばはんだ、はんだペースト、導電性の接着剤、その他)を含む。例えば、はんだは、温度センサ43、45および加熱素子47を、MIDのそれぞれの取り付けパッドに取り付け、かつ電気的に接続し得る。
【0041】
図4をなおも参照して、MIDの1つ以上の表面は、1つ以上の位置決め素子53を含み、1つ以上の位置決め素子53は、例えば温度センサ43などの電子コンポーネントを位置決めするため、成形プラスチック基板37と一体に形成される。位置決め素子53は、電子コンポーネントが、正確かつ効率的に位置付けられ、かつ取り付けられることを可能にする。一実施形態において、位置決め素子53は、成形プラスチック基板37の表面に対して突起を含み、電子コンポーネントの1つ以上の表面と係合する。別の実施形態において、位置決め素子53は、成形プラスチック基板37の表面に対してリセス(例えば、位置決め素子55を参照)を含み、電子コンポーネントの1つ以上の表面と係合する。例えば、図4の例示された実施形態において、MIDの第1の端縁(すなわち、プローブ先端33)は、温度センサ43の取り付けを容易にするために、プローブ17の端面から長手方向に突出するショルダによって具現化される位置決め素子53を含む。この実施形態において、位置決め素子53は、温度センサ43が取り付けパッドに配置され、MIDに取り付けられるとき、温度センサ43の底面と係合する。別の例において、ポケットまたは他のリセス(位置決め素子55を参照)が、電子コンポーネントを受け取るために、MID表面の中に組み込まれ得る。有利にも、ポケットは、プローブ17が、実質的に滑らかな表面を維持することを可能にし、電子コンポーネントを保護する。図4に示されるように、電子コンポーネント47は、リセス、すなわち位置決め素子55内に位置決めされ、位置決め素子55は、コンポーネント47を正確に再現可能に配置するために、MIDプローブ先端33の一部として成形される。これは、温度の精度を向上させることに役立つ。なぜならば、コンポーネントは、その位置に固定され、動き(例えば、使用中に落とすことによる)に対して固定されるからである。本発明の効果は、プラスチック形成基板が、再現可能に製造されることができ、例えばコンポーネント43、45、47などの電子機器の電気的な接続および配置に対して狭い許容差を受けることができることである。
【0042】
位置決め素子53,55を形成する突起またはリセスは、プラスチック基板37の形状の一部分であるので、突起またはリセスは、プラスチック基板37を製造するために使用される型に含まれる。有利にも、位置決め素子53、55は、一貫して構成され、追加的な部品を必要としない。位置決め素子53、55は、電子コンポーネントを構造的に支持する必要はないことは理解される。例えば、位置決め素子53、55は、電子コンポーネントの位置を光学的に示す、MIDの表面のマーキング(marking)であり得る。
【0043】
図5Aおよび図5Bによって例示される本発明の実施形態において、プローブ17は、プローブシャフト29またはその一部分に対するカバー59をさらに含む。例えば、プローブシャフト29の周りに成形されるプラスチック層などのシャフトカバー59は、プローブシャフト29の表面に適用される伝導性のトレース39を包む。従って、シャフトカバー59は、伝導性のトレース39を損傷から保護し、プローブシャフト29に概ね滑らかな表面を提供する。図5Bによって例示されるように、シャフトカバー59は、プローブ先端33のMIDをむき出しのままにするので、電子コンポーネント(例えば温度センサ43、ヒータ温度センサ45、抵抗器47)は、シャフトカバー59が、プローブシャフト29の周りに成形された後に、MIDに取り付けられ得る。従って、シャフトカバー59は、電子コンポーネントを外すことなく、プローブ17に追加され得る。一実施形態において、プローブシャフト29の導電性のトレース39が、シャフトカバー59の左右対称の長手方向軸(例えば長手方向の中心軸、曲がる中立軸)に実質的に沿って配置されるように、シャフトカバー59は、プローブシャフト29の周りに大きさと形状が決められる。導電性のトレース39を左右対称の軸に実質的に沿って配置することは、曲がるプローブ17から生じる伝導性のトレース39のストレスおよび破損を最少にする。図5Aおよび図5Bはまた、受け取り素子61を示し、受け取り素子61は、フレックス回路アタッチメントを受け取り、かつベースユニット13に接続されたコード15にプローブ17を電気的に接続するための手段を提供するためにくぼんでいる。例えば、受け取り素子61のピンのセットが、フレックス回路にはんだ付けされる。
【0044】
一実施形態において、シャフトカバー59は、プローブシャフト29をハンドル27の内側に固定する際に使用される1つ以上の素子を含むような形状とされる。代替の実施形態において、シャフト29に接着されるか、またはシャフト29の一部分として一体に形成される素子が、シャフトをハンドル27に固定することに役立つ。ハンドル27は、プローブ17に、またはこの周りに設置され、接着剤が、ハンドル27をプローブ17に固定する。別の例において、カバー59は、一対の正反対のウイング(図示されず)を含み、一対の正反対のウイングは、プローブシャフト29をハンドル27内に固定するために、プローブシャフト29の近位端から半径方向外向きに延びる。さらに別の実施形態において、シャフトカバー59は、プローブシャフト29の近位端において、ハンドル27を提供するような形状とされる。
【0045】
図6Aを参照して、本発明の一実施形態において、プローブ17は、先端アセンブリ65をさらに含む。図6Bに例示されるように、先端アセンブリ65は、以下のコンポーネント:セパレータ67、アイソレータ69、および先端カバー71のうちの1つ以上を含み得る。先端カバー71は、熱伝導性の材料(例えばアルミニウム)で構成され、温度センサ43と熱接触する。例えば、例示された実施形態において、温度センサ43の一部分は、プローブ先端33の概ね長方形の角柱の形状からわずかに突出する。温度センサ43が先端カバー71と熱接触するように、先端カバー71は、プローブ先端33を受け取る。一実施形態において、熱伝導性の媒介物(例えば熱エポキシ樹脂)が、温度センサと先端カバーとの間に適用され得、温度センサ43と先端カバー71との間の熱接続を向上させ得る。アイソレータ69は、比較的貧弱な熱伝導性を有する非導電性のバンドを備える。イソレータ69は、プローブ先端33の周りに位置決めされ、プローブ先端33とプローブ17の他の部分との間の熱連通を最少にする。同一人に譲渡された米国特許第6,839,651号は、そのようなアイソレータを開示し、本明細書に参考として援用される。セパレータ67が、加熱素子47およびヒータ温度センサ45と熱接触するように、セパレータ67は、プローブ先端33の周りに配置された熱伝導性のバンドを備える。一実施形態において、熱伝導性の媒介物(例えば熱エポキシ樹脂)が、温度センサ45とセパレータ67との間に適用され得、温度センサ45とセパレータ67とを熱的に接続し得る。加熱素子47(例えば抵抗器)は、プローブ17の一部分がヒートシンクとして作用することを妨げるために、測定される物体の温度近くまでプローブ17を加熱するために使用される。ヒータ温度センサ45は、セパレータ67の温度を検知し、加熱素子47によってセパレータ67に熱が提供されていることを表す信号を生成するために使用される。信号は、MIDの伝導性のトレース39を介して、ベースユニット13に通信され、ベースユニット13は、それに従って、加熱素子47を制御する。
【0046】
図6Aおよび図6Bをさらに参照して、一実施形態において、プローブ17は、先端アセンブリ65をプローブ先端33に固定する手段(例えば接着剤、カラー、相互的な溝その他)を含む。例えば、MIDの成形プラスチック基板37は、先端アセンブリ65を受け取るための特定の形状とされる。例示された実施形態に従って、MIDは、例えばリセス73A〜リセス73Dのような1つ以上のリセスを含み、1つ以上のリセスは、接着剤(例えば非熱のエポキシ樹脂、樹脂)で満たされている。セパレータ67の近位部分は、リセス73A−73Dの上に嵌められ、接着剤によってMIDに接着される。別の実施形態において、セパレータ67は、プローブシャフト29に取り付けられる。特に、セパレータ67の内部表面から半径方向内向きに延びる、軸方向に間隔を置いて離された接続突起(図示されず)は、シャフトカバー59に形成された、これと対応する、軸方向に間隔が置かれた溝の対に受け取られる。溝は、シャフトカバー59の長手方向軸に対して概ね横方向に、シャフトカバー59の円周(概括的に、周辺)の回りに部分的に延びる。さらに詳細には、各溝は、シャフトカバー59の長手方向軸の周りに約180度延び、シャフトカバー59の長手方向軸に沿って、別の溝と重複しない。エポキシ樹脂または樹脂が、溝の内側に、かつ/またはセパレータ67の内部表面の内側に適用され得、セパレータ67をシャフトカバー59に取り付け得る。溝は、エポキシ樹脂または他の接着剤が硬化かつ/または乾燥しているとき、セパレータ67が、プローブの円周の周りに完全に(すなわち360度)回転することを妨げる。各溝が、シャフトカバー59の長手方向軸の周りに360度を下回って延びる限り、溝は、180度を下回るかまたは上回って延び得ることが考えられる。さらに、溝は、本発明の範囲内で、シャフトの長手方向軸に沿って重複し得る。
【0047】
図7によって例示された実施形態において、アイソレータ69がセパレータ67の遠位部分に取り付けられ、それによってセパレータ67およびプローブ33が物理的にアイソレータ69に接続されるが、電気的には互いに接続されないようにされる。例えば接着剤(例えば非熱のエポキシ樹脂、樹脂)が、アイソレータ69をセパレータ67の遠位部分に接着する。例示されるように、先端カバー59は、アイソレータ69の遠位部分に取り付けられる。電子コンポーネント、すなわち加熱素子47および温度センサ43、45は、シャフト先端33の回路パッドのそれらの正しい位置において、シャフト29に導電性のエポキシ樹脂で接着されるか、またははんだ付けされる。セパレータ67は、非伝導性のエポキシ樹脂を使用してシャフト先端33に接着される。同時に、熱伝導性のエポキシ樹脂が、加熱素子47と温度センサ45との間の空隙を埋め、それらとセパレータ67との間に熱伝導性の経路を作るために使用される。例示された実施形態において、アイソレータ69は、セパレータ67に対して押し当てられる(すなわち、プレスばめ保持)。この方法で、アイソレータ69は、セパレータ67を先端33から、熱的かつ電気的に分離する。温度センサが設置されるとき、温度センサと先端33との間に熱経路を形成するために、熱伝導性のエポキシ樹脂が、温度センサ43に適用される。先端33は、温度センサ43が底につくまで、アイソレータ69に押し当てられ、次に円周の周りをセパレータ67にエポキシ樹脂で接着し、エポキシ樹脂は、接合を湿気から密封し、これら2つの部品の間に永久的な接続を作る。このエポキシ樹脂は、熱伝導性があってもなくてもよい。
【0048】
本発明は、上述のセンサプローブ17を作る方法も考える。方法は、熱プラスチック樹脂を1つ以上の空洞に注入し、プラスチック基板37を形成することを含む。熱プラスチック樹脂は、メッキ可能な樹脂、またはメッキ不可能な樹脂を含み得る。例示的なメッキ可能な樹脂は、以下のもの:ポリプロピレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート(PC)、ポリスルフォン(PSF)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、その他のうちの1つ以上を含む。例示的なメッキ不可能な樹脂は、以下のもの:ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、その他のうちの1つ以上を含む。プラスチック基板37の正面を含むプラスチック基板37の一部分は、プラスチック基板37の第1の端縁と称される。プラスチック表面の後面を含むプラスチック基板37の残りの部分は、プラスチック基板37の第2の端縁と称される。方法は、伝導性の回路パターン39を、プラスチック基板37の複数の表面に適用することも含み、それによってMIDを形成する。伝導性の回路パターン39を適用する例示的な技術は、以下の技術:電気メッキ、ホットスタンプ、捕捉処理、トランスファープロセス(transfer process)、レーザ直射(laser−direct)構成、レーザサブトラクティブ(laser subtractive)構成、およびフォトイメージング、その他のうちの1つ以上を含む。方法は、温度センサ43が、回路パターンに電気的に接続されるように、温度センサ43(または別の電子コンポーネント)をプラスチック基板37の第1の端に取り付ける(例えばはんだつけ、接着、結合その他)ことをさらに含む。回路パターンは、温度センサ43を電子温度計11のベースユニット13(例えばプロセッサ)に電気的に接続する。
【0049】
一実施形態に従って、熱プラスチック樹脂を1つ以上の空洞の中に注入し、プラスチック基板37を形成することは、MIDを作るためのツーショットプロセスを含む。以下にさらに論じられるように、ツーショットプロセスは、メッキ可能なプラスチックおよびメッキ不可能なプラスチックを含む表面を有する、プラスチック基板37を作成する。メッキ可能なプラスチックを含む表面のエリアは、回路パターン39を画定する。この実施形態に従って、伝導性の回路パターン39は、1つ以上の伝導性の材料で、メッキ可能なプラスチックを含む表面のエリアをメッキすることによって適用される。回路パターンを形成する例示的な伝導性の材料は、以下のもの:電気メッキされた銅、スズ、鉛、ニッケル、および/または金;無電解銅および/またはニッケル;浸漬金および/またはスズ;銀インク;炭素インク、その他のうちの1つ以上を含む。一実施形態に従って、伝導性の回路パターン39を適用することは、伝導性の材料に保護的なオーバーコート(例えばニッケル、金、その他)を適用することも含む。別の実施形態に従って、伝導性の回路パターン39を適用することは、電子コンポーネントを受け取るため、受け取りメカニズム(取り付けパッド、プラグイン接触、すべり接触、締め具素子)を、プラスチック基板37に取り付けることも含む。一実施形態に従って、プラスチック基板37の第1の端は、温度センサ43(または他の電子コンポーネント)を位置決めするため、リセス、ポケット、突起または他のインジケータ(すなわち位置決め素子53、55)を含み、コンポーネントを取り付けることは、インジケータに従って位置付け、取り付けることを含む。
【0050】
MIDを作るためにツーショットプロセスを利用する一実施形態に従って、熱プラスチック樹脂を1つ以上の空洞に注入し、プラスチック基板37を形成することは、メッキ可能な樹脂の第1のショットを第1の空洞に注入し、予備的なプラスチック基板37を形成することを含む。予備的なプラスチック基板37(またはその一部分)は次に、第2の空洞に導入される。メッキ不可能な熱プラスチック樹脂の第2のショットが、第2の空洞に注入され、プラスチック基板37を形成する。回路パターンは、メッキ可能な(例えば、メッキ不可能な熱プラスチック樹脂によって覆われていない)プラスチック基板37の表面のエリアによって画定される。従って、第1の空洞および第2の空洞の間の不一致は、回路パターン39に対応する。より詳細には、第1の空洞によって画定された形状を有する予備的なプラスチック基板37が、第2の空洞に導入されたとき、予備的なプラスチック基板37の表面と第2の空洞との間に空所が形成される。メッキ不可能な熱プラスチック樹脂の第2のショットが、第2の型に注入されたとき、メッキ不可能な熱プラスチック樹脂は、空所を画定する予備的なプラスチック基板37の表面のエリアにのみ接着する。このようにして、特定の回路パターン39が、プラスチック基板37によって露出されたままになっている予備的なプラスチック基板37のメッキ可能なプラスチックから形成される。
【0051】
MIDを作るためにツーショットプロセスを利用する別の実施形態に従って、熱プラスチック樹脂を1つ以上の空洞に注入し、プラスチック基板37を形成することは、メッキ不可能な樹脂の第1のショットを第1の空洞に注入し、予備的なプラスチック基板37を形成することを含む。予備的なプラスチック基板37(またはその一部分)は次に、第2の空洞に導入される。メッキ可能な熱プラスチック樹脂の第2のショットが、第2の空洞に注入され、プラスチック基板37を形成する。回路パターンは、メッキ可能な(例えば、予備的なプラスチック基板37の表面に形成された)プラスチック基板37の表面のエリアによって画定される。従って、第1の空洞および第2の空洞の間の不一致は、回路パターン39に対応する。より詳細には、第1の空洞によって画定された形状を有する予備的なプラスチック基板37が、第2の空洞に導入されたとき、予備的なプラスチック基板37の表面と第2の空洞との間に空所が形成される。メッキ可能な熱プラスチック樹脂の第2のショットが、第2の型に注入されたとき、メッキ可能な熱プラスチック樹脂は、空所を画定する予備的なプラスチック基板37の表面のエリアにのみ接着する。このようにして、特定の回路パターン39が、予備的なプラスチック基板37の表面に接着したメッキ可能なプラスチックから形成される。
【0052】
一実施形態において、第1の空洞および第2の空洞は、2つの分離可能な型である。別の実施形態において、第1の空洞は、第1の形状を有する型であり、第2の空洞は、同じ形状を有するように再構成された同じ型である。例えば、型は、ショットの間で型の空洞の幾何学的形状を変化させるために使用されるすべりメカニズムを含み得る。例示されなかったが、当業者は、第1の空洞および第2の空洞を画定する型が、成形プラスチック基板37の所望の形状に対して逆の構成を有することを認識する。
【0053】
一実施形態に従って、熱プラスチック樹脂を1つ以上の空洞に注入し、プラスチック基板37を形成することは、MIDを作るためのワンショットプロセスを含む。特に、メッキ可能な熱プラスチック樹脂は、空洞に注入され、プラスチック基板37を形成する。この実施形態に従って、伝導性の回路パターン39が、フォトイメージングまたはレーザイメージング技術に従って、複数の表面に適用される。例えば、伝導性の回路パターン39は、サブトラクティブ(subtractive)フォトイメージング技術を使用して適用され得る。特に、無電解材料(例えば無電解銅)が、プラスチック基板37の複数の表面に適用される。次に、感光性ポリマーレジストが、プラスチック基板37に適用される。その後、プラスチック基板37は、紫外光線にさらされ、プラスチック基板37の表面のエリアにおけるレジストを選択的に硬化させ、回路パターン39を画定する。レジストは、回路パターン39に含まれていない表面のエリアにおいて硬化する。露出していないレジストは除去され、エレクトロレス材料から成る回路パターンが露出する。次に、エレクトロレス材料は、伝導性の材料(例えばスズ/鉛、ニッケル/金)で電気めっきされる。硬化されたレジストおよび硬化されたレジストの下にあるエレクトロレス材料は、除去される。本発明の範囲から逸脱することなく伝導性の回路パターン39を適用するために、代替のまたは追加的な技術(例えば、アディティブ(additive)フォトイメージング)が使用され得ることは理解される。
【0054】
一実施形態に従って、プローブ17を作る記述された方法は、それ(例えばMIDシャフト)に適用された伝導性の回路パターン39を備えたプラスチック基板37シャフトの少なくとも一部分をオーバーモールド空洞の中に導入し、熱プラスチック樹脂をオーバーモールド空洞に注入することを含む。注入された熱プラスチック樹脂は、MIDシャフトに接着し、MIDシャフトの少なくとも一部分に対してケーシング59を形成する。一実施形態に従って、温度センサ43(または別の電子コンポーネント)は、ケーシング59の形成の後、MIDの端/部分に取り付けられる。ケーシング59の形成の後、温度センサ43がMIDに取り付けられるので、温度センサ43は、プローブ17内に正確に位置付けられ得る。特に、温度センサ43はケーシング59の形成の間、取り外されない。従って、プローブ17は、正確に位置付けられた温度センサ43を有するように一貫して構成され得る。このシャフトアセンブリを構成する第1のステップは、ベース部分、すなわち基板37を成形することである。次に、回路パターン39を含む基板回路網が、シャフト基板37に適用され、フレックス接続ピンが、その中に押し込まれる。オーバーモールディング基板37は、その遠位端縁、すなわち先端33を除いてすべてのエリアにおいてシャフト29の外側形状を形成する。
【0055】
本発明は主として、電子センサコンポーネントが中に位置付けられるプローブを有する電子温度計との関連において記述されたが,本発明の局面は、一貫した再現可能なコンポーネント配置が望まれる様々な医療用デバイスを構成することにおいて有用であることは理解されるべきである。
【0056】
本明細書に例示かつ記述された本発明の実施形態における動作の実施または実行の順序は、別に指定がなければ、必須ではない。つまり、動作は別に指定がなければ、いかなる順序でも実行され得、本発明の実施形態は、本明細書に開示された実施形態よりもさらに多くまたは少なく動作を含み得る。例えば、特定の動作を別の動作の前に、同期間に、または後に実施または実行することは、本発明の局面の範囲内であることが考えられる。
【0057】
本発明の、またはその実施形態の局面の素子を導入するとき、冠詞「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その」および「該」は、1つ以上の素子が存在することを意味することが意図されている。用語「備えている」、「含む」および「有する」は、包括的であることが意図され、列挙された素子以外にもさらなる素子があり得ることを意味する。
【0058】
本発明を詳細に記述したが、添付の請求項に定義されたとおりの本発明の局面の範囲から逸脱することなく、修正および変更が可能であることは明らかである。本発明の局面の範囲から逸脱することなく、上記の構成、製品および方法には様々な変更がなされ得るので、上記に含まれかつ添付の図面に示されるすべての事項は、例示として解釈されるべきであり、限定的な意味において解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】図1は、本発明の実施形態による、電子温度計の斜視図である。
【図2】図2は、図1の電子温度計のプローブの斜視図である。
【図3A】図3Aは、本発明の実施形態による、電子温度計に対するプローブの後面図である。
【図3B】図3Bは、本発明の実施形態による、電子温度計に対するプローブの上平面図である。
【図3C】図3Cは、本発明の実施形態による、電子温度計に対するプローブの正面図である。
【図3D】図3Dは、本発明の実施形態による、電子温度計に対するプローブの底平面図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態による、電子温度計に対するプローブの遠位部分の側面斜視図である。
【図5A】図5Aは、本発明の実施形態による、電子温度計に対するプローブの側面図である。
【図5B】図5Bは、本発明の実施形態による、電子コンポーネントがプローブの遠位部分に取り付けられた、電子温度計に対するプローブの斜視図である。
【図6A】図6Aは、本発明の実施形態による、プローブが先端アセンブリを有する、電子温度計に対するプローブの側面図である。
【図6B】図6Bは、本発明の実施形態による、プローブが先端アセンブリを有する、電子温度計に対するプローブの部分的に分解された側面斜視図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態による、電子温度計に対するプローブの遠位部分の側面断面図である。
【符号の説明】
【0060】
11 電子温度計
13 ベースユニット
15 らせん状のコード
17 プローブ
19 筐体
21 ディスプレー
37 成形プラスチック基板
39 回路パターン
43、45、 温度センサ
53、55 位置決め素子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子温度計であって、該電子温度計は、
被検体の温度を測定する際に使用するため、該被検体によって加熱されるように適合されたプローブであって、該プローブは、相対する第1の端縁および第2の端縁を有する成形プラスチック基板を含み、該成形プラスチック基板の該第1の端縁は、該成形プラスチック基板と一体に形成された少なくとも1つの位置決め素子を含む、プローブと、
伝導性の回路パターンであって、該伝導性の回路パターンは、該成形プラスチック基板の表面に直接的に形成され、少なくとも、該成形プラスチック基板の該第1の端縁から、該成形プラスチック基板の第2の端縁へ延びる、伝導性の回路パターンと、
該プローブの温度を検出するため、該成形プラスチック基板に取り付けられた温度センサであって、該温度センサは、該位置決め素子によって、該第1の端縁において該成形プラスチック基板に位置決めされた、温度センサと
を備え、該伝導性の回路パターンは、該温度センサとプロセッサとの間に電気的接続を提供する、電子温度計。
【請求項2】
前記プローブは、先端およびシャフトを有し、該プローブ先端は、前記成形プラスチック基板の前記第1の端縁を含み、該プローブシャフトは、導電体であって、該導電体は、該成形プラスチック基板の前記第2の端縁に形成された前記伝導性の回路パターンと前記プロセッサとの両方に接続され、該プロセッサに前記温度センサを接続する、導電体を含む、請求項1に記載の電子温度計。
【請求項3】
前記プローブシャフトに対するカバーであって、該プローブシャフトカバーは、前記第2の端縁において前記成形プラスチック基板の少なくとも一部分を包み、前記第1の端縁において該成形プラスチック基板の少なくとも一部分を露出させる、カバーをさらに備えている、請求項2に記載の電子温度計。
【請求項4】
前記プローブシャフトに対するカバーは、成形プラスチック層を備えている、請求項3に記載の電子温度計。
【請求項5】
前記プローブ先端に対するカバーであって、該プローブ先端カバーは、前記第1の端縁および該第1の端縁に取り付けられた前記温度センサにおいて前記成形プラスチック基板の少なくとも一部分を包み、該プローブ先端カバーは、熱伝導性の材料を含み、該プローブ先端カバーは、該温度センサと熱接触している、カバーをさらに備えている、請求項2に記載の電子温度計。
【請求項6】
前記成形プラスチック基板は、該成形プラスチック基板の前記第1の端縁と一体に形成された別の位置決め素子を含み、該成形プラスチック基板は、
前記温度センサを予め加熱するため、該成形プラスチック基板に取り付けられた加熱素子であって、該加熱素子は、他の位置決め素子によって、該第1の端縁において該成形プラスチック基板に位置決めされる、加熱素子と、
該成形プラスチック基板の該第1の端縁によって受け取られるアイソレータであって、該アイソレータは、前記プローブシャフトから前記プローブ先端を熱的に分離するために、熱絶縁材料を含む、アイソレータと、
該成形プラスチック基板の該第1の端縁によって同じく受け取られるセパレータであって、該セパレータは、該温度センサと熱接触し、該温度センサと該アイソレータとの間に位置決めされる、セパレータと
をさらに備えている、請求項2に記載の電子温度計。
【請求項7】
前記位置決め素子は、前記成形プラスチック基板に形成されたリセスを備え、該リセスは、前記温度センサを該リセスの中に受け取るための大きさおよび形状とされる、請求項1に記載の電子温度計。
【請求項8】
電子温度計に対するセンサプローブを作る方法であって、該方法は、
熱プラスチック樹脂を1つ以上の空洞に注入し、プラスチック基板を形成することであって、該空洞のうちの少なくとも1つは、該プラスチック基板の第1の端縁において該プラスチック基板と一体に形成された少なくとも1つの位置決め素子を画定する、ことと、
該プラスチック基板の該第1の端縁から該プラスチック基板の相対する第2の端縁へ、該プラスチック基板の表面に直接的に伝導性の回路を形成することと、
該少なくとも1つの位置決め素子に対して、該プラスチック基板の該第1の端縁において温度センサを位置決めすることと、
位置決めされた温度センサを該プラスチック基板に取り付けることであって、該伝導性の回路パターンは、該温度センサと該電子温度計のプロセッサとの間に電気的な接続を提供し、該温度センサによって検出された温度の関数として温度測定を生成する、ことと
を包含する、方法。
【請求項9】
前記プローブは、先端およびシャフトを有し、該プローブシャフトは少なくとも、前記プラスチック基板の前記第2の端縁と、該第2の端縁に形成された伝導性の回路パターンとを含む、請求項8に記載の方法であって、該方法は、
該プローブシャフトの少なくとも一部分をオーバーモールド空洞に導入することであって、該プローブシャフトと該オーバーモールド空洞との間に空所が形成される、ことと、
熱プラスチック樹脂を該オーバーモールド空洞に注入することであって、該熱プラスチック樹脂は、該プローブシャフトの表面の少なくとも一部分に接着し、該少なくとも一部分に対するケーシングを形成する、ことと
をさらに包含する、方法。
【請求項10】
前記プローブシャフトの前記少なくとも一部分に対する前記ケーシングを形成した後、前記温度センサは、前記プラスチック基板に取り付けられる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記プラスチック基板の表面は、少なくとも1つのメッキ可能な部分と、少なくとも1つのメッキ不可能な部分とを含み、伝導性の回路パターンを形成することは、伝導性の材料を該プラスチック基板の表面の該メッキ可能な部分に適用することを包含する、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
熱プラスチック樹脂を1つ以上の空洞に注入し、前記プラスチック基板を形成する、請求項11に記載の方法であって、該方法は、
メッキ可能な熱プラスチック樹脂を第1の空洞に注入して、メッキ可能な表面を有する予備的なプラスチック基板を形成することと、
該予備的なプラスチック基板の少なくとも一部分を第2の空洞に導入することであって、1つ以上の空所が、予備的なプラスチック基板の表面と該第2の空洞との間に形成される、ことと、
メッキ不可能な熱プラスチック樹脂を該第2の空洞に注入し、該プラスチック基板を形成することであって、該メッキ不可能な熱プラスチック樹脂は、該空所に対応するパターンに、該予備的なプラスチック基板の該メッキ可能な表面に接着する、ことと
を包含する、方法。
【請求項13】
前記第1の空洞は、第1の形状を有する型であり、前記第2の空洞は、第2の形状を有するように再構成された該型である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
熱プラスチック樹脂を1つ以上の空洞に注入して、プラスチック基板を形成することは、
メッキ不可能な熱プラスチック樹脂を第1の空洞に注入して、メッキ不可能な表面を有する予備的なプラスチック基板を形成することと、
該予備的なプラスチック基板の少なくとも一部分を第2の空洞に導入することであって、1つ以上の空所が、該予備的なプラスチック基板の表面と該第2の空洞との間に形成される、ことと、
メッキ可能な熱プラスチック樹脂を該第2の空洞に注入してプラスチック基板を形成し、該メッキ可能な熱プラスチック樹脂は、該空所に対応するパターンに、該予備的なプラスチック基板の該メッキ不可能な表面に接着する、ことと
を包含する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の空洞は、第1の形状を有する型であり、前記第2の空洞は、第2の形状を有するように再構成された該型である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記伝導性の回路パターンを形成することは、以下の技術;電気メッキ、ホットスタンプ、捕捉処理、トランスファー処理、レーザ直射構成、レーザサブトラクティブ構成、およびフォトイメージングのうちの1つ以上を使用して、少なくとも1つの伝導性のトレースを前記プラスチック基板に適用することを包含する、請求項8に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの位置決め素子は、前記プラスチック基板に形成されたリセスを備え、該リセスは、該リセスの中に前記温度センサを受け取るような大きさおよび形状とされ、該温度センサを取り付けることは、該温度センサを受け取るために、該プラスチック基板の第1の端縁にリセスを位置付けることと、および導電性の接着剤を介して、該温度センサを該リセスの受け取り表面に取り付けることとを包含する、請求項8に記載の方法。
【請求項18】
電子温度計に対するセンサプローブであって、該センサプローブは、
成形相互接続デバイスであって、該デバイスの少なくとも1つの表面に形成された導電性の回路パターンを有する、成形相互接続デバイスと、
温度検出素子であって、該成形相互接続デバイスに取り付けられ、該導電性の回路パターンに電気的に接続された、温度検出素子と
を備えている、センサプローブ。
【請求項19】
前記成形相互接続デバイスは、プローブ先端およびプローブシャフトを形成し、該プローブ先端は、前記温度検出素子を含み、該プローブシャフトは、前記電子温度計に電気的に接続され、該プローブ先端は、該プローブシャフトに電気的に接続される、請求項18に記載のセンサプローブ。
【請求項20】
前記プローブシャフトの少なくとも一部分に対するカバーをさらに備え、該カバーは、該プローブシャフトの表面に適用された前記導電性の回路パターンを包む、請求項19に記載のセンサプローブ
【請求項21】
可撓性の導電体をさらに備え、該可撓性の導電体は、前記電子温度計に電気的に接続された第1の端を有し、かつ前記成形相互接続デバイスに形成された伝導性の回路パターンに電気的に接続された第2の端を有する、請求項18に記載のセンサプローブ。
【請求項22】
前記成形相互接続デバイスの少なくとも一部分に対するカバーをさらに備え、該カバーは、熱伝導性の材料を含み、該カバーは、前記温度検出素子と熱接触している、請求項18に記載のセンサプローブ
【請求項23】
医療用測定デバイスであって、
相対する第1および第2の端縁を有するセンサ支持であって、該支持はプラスチック基板を備え、該プラスチック基板は、該支持の第1の端縁において該プラスチック基板と一体に形成された少なくとも1つの位置決め素子を含む、センサ支持と、
生理学的なパラメータを検出するため、該第1の端縁において該支持に取り付けられた検出素子であって、該少なくとも1つの位置決め素子は、該支持の第1の端縁において該プラスチック基板に該検出素子を位置決めする、検出素子と、
該支持の表面に直接的に形成された導電性の回路パターンであって、該導電性の回路パターンは、該検出素子を該医療用測定デバイスのコントローラに接続する、導電性の回路パターンと
を備えている、医療用測定デバイス。
【請求項1】
電子温度計であって、該電子温度計は、
被検体の温度を測定する際に使用するため、該被検体によって加熱されるように適合されたプローブであって、該プローブは、相対する第1の端縁および第2の端縁を有する成形プラスチック基板を含み、該成形プラスチック基板の該第1の端縁は、該成形プラスチック基板と一体に形成された少なくとも1つの位置決め素子を含む、プローブと、
伝導性の回路パターンであって、該伝導性の回路パターンは、該成形プラスチック基板の表面に直接的に形成され、少なくとも、該成形プラスチック基板の該第1の端縁から、該成形プラスチック基板の第2の端縁へ延びる、伝導性の回路パターンと、
該プローブの温度を検出するため、該成形プラスチック基板に取り付けられた温度センサであって、該温度センサは、該位置決め素子によって、該第1の端縁において該成形プラスチック基板に位置決めされた、温度センサと
を備え、該伝導性の回路パターンは、該温度センサとプロセッサとの間に電気的接続を提供する、電子温度計。
【請求項2】
前記プローブは、先端およびシャフトを有し、該プローブ先端は、前記成形プラスチック基板の前記第1の端縁を含み、該プローブシャフトは、導電体であって、該導電体は、該成形プラスチック基板の前記第2の端縁に形成された前記伝導性の回路パターンと前記プロセッサとの両方に接続され、該プロセッサに前記温度センサを接続する、導電体を含む、請求項1に記載の電子温度計。
【請求項3】
前記プローブシャフトに対するカバーであって、該プローブシャフトカバーは、前記第2の端縁において前記成形プラスチック基板の少なくとも一部分を包み、前記第1の端縁において該成形プラスチック基板の少なくとも一部分を露出させる、カバーをさらに備えている、請求項2に記載の電子温度計。
【請求項4】
前記プローブシャフトに対するカバーは、成形プラスチック層を備えている、請求項3に記載の電子温度計。
【請求項5】
前記プローブ先端に対するカバーであって、該プローブ先端カバーは、前記第1の端縁および該第1の端縁に取り付けられた前記温度センサにおいて前記成形プラスチック基板の少なくとも一部分を包み、該プローブ先端カバーは、熱伝導性の材料を含み、該プローブ先端カバーは、該温度センサと熱接触している、カバーをさらに備えている、請求項2に記載の電子温度計。
【請求項6】
前記成形プラスチック基板は、該成形プラスチック基板の前記第1の端縁と一体に形成された別の位置決め素子を含み、該成形プラスチック基板は、
前記温度センサを予め加熱するため、該成形プラスチック基板に取り付けられた加熱素子であって、該加熱素子は、他の位置決め素子によって、該第1の端縁において該成形プラスチック基板に位置決めされる、加熱素子と、
該成形プラスチック基板の該第1の端縁によって受け取られるアイソレータであって、該アイソレータは、前記プローブシャフトから前記プローブ先端を熱的に分離するために、熱絶縁材料を含む、アイソレータと、
該成形プラスチック基板の該第1の端縁によって同じく受け取られるセパレータであって、該セパレータは、該温度センサと熱接触し、該温度センサと該アイソレータとの間に位置決めされる、セパレータと
をさらに備えている、請求項2に記載の電子温度計。
【請求項7】
前記位置決め素子は、前記成形プラスチック基板に形成されたリセスを備え、該リセスは、前記温度センサを該リセスの中に受け取るための大きさおよび形状とされる、請求項1に記載の電子温度計。
【請求項8】
電子温度計に対するセンサプローブを作る方法であって、該方法は、
熱プラスチック樹脂を1つ以上の空洞に注入し、プラスチック基板を形成することであって、該空洞のうちの少なくとも1つは、該プラスチック基板の第1の端縁において該プラスチック基板と一体に形成された少なくとも1つの位置決め素子を画定する、ことと、
該プラスチック基板の該第1の端縁から該プラスチック基板の相対する第2の端縁へ、該プラスチック基板の表面に直接的に伝導性の回路を形成することと、
該少なくとも1つの位置決め素子に対して、該プラスチック基板の該第1の端縁において温度センサを位置決めすることと、
位置決めされた温度センサを該プラスチック基板に取り付けることであって、該伝導性の回路パターンは、該温度センサと該電子温度計のプロセッサとの間に電気的な接続を提供し、該温度センサによって検出された温度の関数として温度測定を生成する、ことと
を包含する、方法。
【請求項9】
前記プローブは、先端およびシャフトを有し、該プローブシャフトは少なくとも、前記プラスチック基板の前記第2の端縁と、該第2の端縁に形成された伝導性の回路パターンとを含む、請求項8に記載の方法であって、該方法は、
該プローブシャフトの少なくとも一部分をオーバーモールド空洞に導入することであって、該プローブシャフトと該オーバーモールド空洞との間に空所が形成される、ことと、
熱プラスチック樹脂を該オーバーモールド空洞に注入することであって、該熱プラスチック樹脂は、該プローブシャフトの表面の少なくとも一部分に接着し、該少なくとも一部分に対するケーシングを形成する、ことと
をさらに包含する、方法。
【請求項10】
前記プローブシャフトの前記少なくとも一部分に対する前記ケーシングを形成した後、前記温度センサは、前記プラスチック基板に取り付けられる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記プラスチック基板の表面は、少なくとも1つのメッキ可能な部分と、少なくとも1つのメッキ不可能な部分とを含み、伝導性の回路パターンを形成することは、伝導性の材料を該プラスチック基板の表面の該メッキ可能な部分に適用することを包含する、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
熱プラスチック樹脂を1つ以上の空洞に注入し、前記プラスチック基板を形成する、請求項11に記載の方法であって、該方法は、
メッキ可能な熱プラスチック樹脂を第1の空洞に注入して、メッキ可能な表面を有する予備的なプラスチック基板を形成することと、
該予備的なプラスチック基板の少なくとも一部分を第2の空洞に導入することであって、1つ以上の空所が、予備的なプラスチック基板の表面と該第2の空洞との間に形成される、ことと、
メッキ不可能な熱プラスチック樹脂を該第2の空洞に注入し、該プラスチック基板を形成することであって、該メッキ不可能な熱プラスチック樹脂は、該空所に対応するパターンに、該予備的なプラスチック基板の該メッキ可能な表面に接着する、ことと
を包含する、方法。
【請求項13】
前記第1の空洞は、第1の形状を有する型であり、前記第2の空洞は、第2の形状を有するように再構成された該型である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
熱プラスチック樹脂を1つ以上の空洞に注入して、プラスチック基板を形成することは、
メッキ不可能な熱プラスチック樹脂を第1の空洞に注入して、メッキ不可能な表面を有する予備的なプラスチック基板を形成することと、
該予備的なプラスチック基板の少なくとも一部分を第2の空洞に導入することであって、1つ以上の空所が、該予備的なプラスチック基板の表面と該第2の空洞との間に形成される、ことと、
メッキ可能な熱プラスチック樹脂を該第2の空洞に注入してプラスチック基板を形成し、該メッキ可能な熱プラスチック樹脂は、該空所に対応するパターンに、該予備的なプラスチック基板の該メッキ不可能な表面に接着する、ことと
を包含する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の空洞は、第1の形状を有する型であり、前記第2の空洞は、第2の形状を有するように再構成された該型である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記伝導性の回路パターンを形成することは、以下の技術;電気メッキ、ホットスタンプ、捕捉処理、トランスファー処理、レーザ直射構成、レーザサブトラクティブ構成、およびフォトイメージングのうちの1つ以上を使用して、少なくとも1つの伝導性のトレースを前記プラスチック基板に適用することを包含する、請求項8に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの位置決め素子は、前記プラスチック基板に形成されたリセスを備え、該リセスは、該リセスの中に前記温度センサを受け取るような大きさおよび形状とされ、該温度センサを取り付けることは、該温度センサを受け取るために、該プラスチック基板の第1の端縁にリセスを位置付けることと、および導電性の接着剤を介して、該温度センサを該リセスの受け取り表面に取り付けることとを包含する、請求項8に記載の方法。
【請求項18】
電子温度計に対するセンサプローブであって、該センサプローブは、
成形相互接続デバイスであって、該デバイスの少なくとも1つの表面に形成された導電性の回路パターンを有する、成形相互接続デバイスと、
温度検出素子であって、該成形相互接続デバイスに取り付けられ、該導電性の回路パターンに電気的に接続された、温度検出素子と
を備えている、センサプローブ。
【請求項19】
前記成形相互接続デバイスは、プローブ先端およびプローブシャフトを形成し、該プローブ先端は、前記温度検出素子を含み、該プローブシャフトは、前記電子温度計に電気的に接続され、該プローブ先端は、該プローブシャフトに電気的に接続される、請求項18に記載のセンサプローブ。
【請求項20】
前記プローブシャフトの少なくとも一部分に対するカバーをさらに備え、該カバーは、該プローブシャフトの表面に適用された前記導電性の回路パターンを包む、請求項19に記載のセンサプローブ
【請求項21】
可撓性の導電体をさらに備え、該可撓性の導電体は、前記電子温度計に電気的に接続された第1の端を有し、かつ前記成形相互接続デバイスに形成された伝導性の回路パターンに電気的に接続された第2の端を有する、請求項18に記載のセンサプローブ。
【請求項22】
前記成形相互接続デバイスの少なくとも一部分に対するカバーをさらに備え、該カバーは、熱伝導性の材料を含み、該カバーは、前記温度検出素子と熱接触している、請求項18に記載のセンサプローブ
【請求項23】
医療用測定デバイスであって、
相対する第1および第2の端縁を有するセンサ支持であって、該支持はプラスチック基板を備え、該プラスチック基板は、該支持の第1の端縁において該プラスチック基板と一体に形成された少なくとも1つの位置決め素子を含む、センサ支持と、
生理学的なパラメータを検出するため、該第1の端縁において該支持に取り付けられた検出素子であって、該少なくとも1つの位置決め素子は、該支持の第1の端縁において該プラスチック基板に該検出素子を位置決めする、検出素子と、
該支持の表面に直接的に形成された導電性の回路パターンであって、該導電性の回路パターンは、該検出素子を該医療用測定デバイスのコントローラに接続する、導電性の回路パターンと
を備えている、医療用測定デバイス。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【公開番号】特開2009−162752(P2009−162752A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−328759(P2008−328759)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
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