説明

成形金型

【課題】複雑な金型や多くの工程を必要とせずに、簡易にアンダーカット形状を有する焼結体や圧粉成形体を形成することができる成形金型を提供する。
【解決手段】円環状に形成され周方向に沿って複数箇所の空間を有する成形体の空間に配置される複数の中子を備えた成形金型において、各空間は、中子13を配置する際に中子13を挿入する方向に対しアンダーカット部を有する開口を備え、中子13は、周方向に沿って複数に分割した、周方向幅がアンダーカット部の周方向突出幅より狭くなく挿入方向において挿入幅が変化しない形状に形成された中間中子16と、空間の平面形状から中間中子16を除いた形状に、且つ、開口から空間へ挿入可能に周方向幅が開口より広くなく形成された、外側中子14,15とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、成形金型に関し、特に、アンダーカット部を有する成形体に対応する中子を備えた成形金型に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金属粉末成形体は、通常、粉末プレス法あるいは射出成形法で作製されており、作製された成形体は、適当な温度、雰囲気、圧力下で焼結され、さらに用途や目的に応じて熱処理が施され、製品となる。中空あるいはアンダーカットを有する形状に成形する場合、いずれの方法でも成形時に中子や芯棒を用いて中空の部分を形成し、成形後に中子、芯棒を取り除く手段が採られている。中子を取り除くには、例えば、焼結時に焼結収縮の妨げとならない低温度域で、中子を溶融流出ないし消失させている。
【特許文献1】特開平5−320718号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、中子を用いて中空あるいはアンダーカットを有する形状に成形する場合、成形工程が複雑になってしまい、また、成形後中子を取り除くために、種々の手段を採らなければならなかった(特許文献1参照)。
つまり、従来、アンダーカット形状を有する焼結体や圧粉成形体を形成する場合、外形部にスライドコアを用いたり、焼結等を複数回に分けて行っているが、複雑な構造の金型や多くの工程を必要とするために、生産性の低下やコストの上昇をもたらすことが避けられなかった。
この発明の目的は、複雑な金型や多くの工程を必要とせずに、簡易にアンダーカット形状を有する焼結体や圧粉成形体を形成することができる成形金型を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、この発明に係る成形金型は、円環状に形成され周方向に沿って複数箇所の空間を有する成形体の前記空間に配置される複数の中子を備えた成形金型において、前記各空間は、前記中子を配置する際に前記中子を挿入する方向に対しアンダーカット部を有する開口を備え、前記中子は、周方向に沿って複数に分割した、周方向幅が前記アンダーカット部の周方向突出幅より狭くなく挿入方向において挿入幅が変化しない形状に形成された第1分割中子片と、前記空間の平面形状から前記第1分割中子片を除いた形状に、且つ、前記開口から前記空間へ挿入可能に周方向幅が前記開口より広くなく形成された、少なくとも1個の第2分割中子片とからなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0005】
この発明によれば、円環状に形成され周方向に沿って複数箇所の空間を有する成形体の前記空間に配置される複数の中子を備えた成形金型は、各空間が、中子を配置する際に中子を挿入する方向に対しアンダーカット部を有する開口を備え、中子が、周方向に沿って複数に分割した、周方向幅がアンダーカット部の周方向突出幅より狭くなく挿入方向において挿入幅が変化しない形状に形成された第1分割中子片と、空間の平面形状から第1分割中子片を除いた形状に、且つ、開口から空間へ挿入可能に周方向幅が開口より広くなく形成された、少なくとも1個の第2分割中子片とから構成される。これにより、複雑な金型や多くの工程を必要とせずに、簡易にアンダーカット形状を有する焼結体や圧粉成形体を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、この発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
図1は、この発明の一実施の形態に係る成形金型を示し、(a)は型開き方向に沿う断面説明図、(b)は(a)のB−B線に沿う断面説明図である。図1に示すように、成型金型10は、金型全体を上下に二分する上型11と下型12、及び金型内部の空間を形成するための中子13を有している((a)参照)。
【0007】
中子13は、2個の外側中子(第2分割中子片)14,15と、その間に挟み込まれる中間中子(第1分割中子片)16の3個からなり、外側中子14,15は、上型11の中子保持部材17に装着された固定部材18,19((b)参照)に保持されている。中子保持部材17は上型11に対し、固定部材18,19は中子保持部材17に対し、それぞれ離脱自在に装着されている。また、中子保持部材17には、上型11の外側から中間中子16を取り出すことができると共に、中間中子16の装着時には密閉することができる、中間中子16の外形形状に相当する貫通孔17aが開けられている。
【0008】
この成形金型10は、焼結体や圧粉成形体を形成するための金型であり、完成後の成形体20は、上型11と下型12が離反する方向である片開き方向((a)の矢印A参照)に対してアンダーカット形状となるアンダーカット部21を有している((b)参照)。このような成形体として、例えば、回転電機のロータを形成するロータコアがある。
図2は、図1の成形体と中子を示し、(a)は成形体が外周壁を有する場合の斜視図、(b)は成形体が内外周壁を有する場合の斜視図である。図3は、成形体から中子を取り除く手順を示し、(a)は中間中子引き抜き時の説明図、(b)は中間中子引き抜き後の説明図、(c)は両外側中子引き抜き時の説明図である。
【0009】
図2及び図3に示すように、成形体20は、円環状に形成され、周方向に略等間隔離間すると共に径方向に沿って突設された複数の壁部22を有し、壁部22の上端周方向両側に、成形体表面方向アンダーカット形状となるアンダーカット部21を有している。また、成形体20は、外周の全域に渡って壁部22と同一高さに形成された、外周壁23を有している。つまり、隣接する壁部22の間には、両壁部22と外周壁23に囲まれて成形体20の表面側(図中、矢印A方向側)と内周側が開口する凹部状の空間が形成される(図2参照)。
【0010】
この成形体20を成形金型10により形成する場合、外側中子14,15と、その間に位置する中間中子16とからなる中子13を、成形金型10の内部複数箇所に配置する。中子13の配置に際しては、両外側中子14,15の間に中間中子16を挟み込んで互いに密着させ、成形体周方向に沿って一列に並ぶようにする(図2,3参照)。これにより、成形金型10の内部には、隣り合う中子13によって形成される壁部形成空間が複数箇所設けられる。
【0011】
外側中子14と外側中子15は、それぞれ成形体周方向の外側上部が、壁部22のアンダーカット部21に合わせた傾斜辺14aと傾斜辺15aにより形成されている(図3(c)参照)。中間中子16は、アンダーカット部21の成形体周方向突出幅a(図3(a)参照)より狭くない成形体周方向長さ(幅)を有すると共に、両外側中子14,15間への挿入方向において挿入幅が変化しない成形体周方向幅が内周側と外周側で等しい形状を有している(図2,3参照)。
【0012】
外側中子14,15と中間中子16とからなる中子13は、固定部材18に外側中子14を、固定部材19に外側中子15を、それぞれ固定し(図1(b)参照)、両外側中子14,15間に中間中子16を挟み込ませることにより、金型内部の所定位置に配置固定される。その後、上型11と下型12を閉じて、成形金型10による、焼結或いは圧粉成形処理を行う。
【0013】
焼結或いは圧粉成形処理の終了後、先ず、外側中子14から固定部材18を、外側中子15から固定部材19を、それぞれ外した後、中間中子16を型開き方向(矢印A参照)へ引き抜く(図3(a)参照)。次に、型開きを行って上型11を下型12から外した後、両外側中子14,15を互いに接近させて、中間中子16を引き抜いた後にできた空間に移動させる(図3(b)参照)。両外側中子14,15は、中間中子16を引き抜いた後の空間に移動することで、成形体20のアンダーカット部21から外れ、アンダーカット部21を回避した取り出しが可能になる。その後、両外側中子14,15を、型開き方向へ引き抜いて成形体20から取り出し(図3(c)参照)、成形を完了する。
【0014】
両外側中子14,15を成形体20から取り出す場合、型開き方向へ引き抜く他、成形体20は内周側が開口している(図2(a)参照)ので、内周側からの引き抜きも可能である。このときも、中間中子16を引き抜いた後に、両外側中子14,15を、順次、中間中子16を引き抜いた後の空間に移動させて引き抜く。なお、成形体20が外周壁23に加え内周壁24を有する(図2(b)参照)場合、両外側中子14,15は、型開き方向である成形体表面側上方へと引き抜く。
【0015】
図4は、図3の中子を引き抜く具体例を示し、(a)は中間中子引き上げ時の説明図、(b)は両外側中子接近時の説明図、(c)は両外側中子引き上げ時の説明図である。図4に示すように、外側中子14,15と中間中子16は、連結部材25により一体化されている。連結部材25は、2本の板状腕部のそれぞれの一端25aが、ヒンジ機能を有する軸部26を介し回動自在に連結して形成されており、それぞれの他端25bは、外側中子14と外側中子15の各上端取付部14b,15aに回動自在に装着されている。軸部26は、中間中子16に開けられた縦軸方向に沿う長孔16aに、摺動自在に装着されている。
【0016】
このように、連結部材25により外側中子14,15と中間中子16が一体化された場合、以下に示すように、中間中子16の引き抜きに連動して外側中子14,15を成形体20から取り出すことができる。
焼結或いは圧粉成形処理の終了後、中子保持部材17から、中間中子16を型開き方向(矢印A参照)である上方へ引き抜く(図4(a)参照)と、軸部26は、長孔16aの下端に接することになる。更に、中間中子16を引き抜くと、中間中子16と共に軸部26も上方へ移動し、軸部26の上方移動に伴って、連結部材25の2本の板状腕部が互いに接近する((b)参照)。
【0017】
2本の板状腕部が互いに接近することで、外側中子14,15は、中間中子16を引き抜いた後の空間に移動する。両外側中子14,15は、中間中子16を引き抜いた後の空間に移動することで、成形体20のアンダーカット部21から外れ、アンダーカット部21を回避した取り出しが可能になる。
その後、中間中子16の引き抜きを続けると、両外側中子14,15は更に接近して密着状態となり、密着状態となった両外側中子14,15は、中間中子16と共に上方へ引き上げられ、成形体20から取り出される((c)参照)。両外側中子14,15の上方移動時、中子保持部材17も一緒に上方移動する。
【0018】
図5は、この発明の他の実施の形態に係る成形金型を示し、(a)は型開き方向に沿う断面説明図、(b)は(a)のB−B線に沿う断面説明図である。図6は、図5の成形金型により形成される成形体を示し、(a)は中子が装着された状態の成形体の斜視図、(b)は(a)の中子を図2(a)の成形体に用いた状態の斜視説明図である。
図5に示すように、成型金型30は、上型11に代えて、中間中子16を取り出すことができる中子保持部材17を装着しない上型31を有し、両外側中子14,15及び中間中子16に代えて、中子32及び中子33を有し、更に、下型12に代えて、両中子32,33を保持する中子保持部材34を備えた下型35を有している。その他の構成及び作用は、成型金型10と同様である。
【0019】
図6に示すように、成型金型30により形成される成形体36は、壁部22のアンダーカット部21が設けられず、隣接する壁部22の間には、エアギャップ側である表面側が開口せずに塞がれて内周側端面のみを開口する横穴状の空間37を有している((a)参照)。その他の構成及び作用は、成形体20と同様である。
両中子32,33は、中子13を成形体周方向に沿って2分割した、矩形状中子(第1分割中子片)32と扇形状中子(第2分割中子片)33からなる(図6(b)参照)。矩形状中子32は、成形体周方向幅が空間37の開口37aより広くなく、空間37への挿入方向において挿入幅が変化しない内周側と外周側で等しい矩形状を有し、扇形中子33は、空間37の平面形状から矩形状中子32を除いた扇形状を有している。
【0020】
つまり、中子13を構成する2個の中子片の内、少なくとも一方が、空間37の平面形状のアンダーカット形状を有する辺に平行又はアンダーカット角度αを持つように構成すればよい(図6(b)参照)。そして、扇形中子33は、開口37aから空間37内へ挿入可能に、外周側端辺の成形体周方向幅が、開口37aより広くなく形成されている。
これら両中子32,33は、金型内の所定位置に位置決め配置された後、固定部材34aを介して固定された中子保持部材34により保持された状態で、下型35に組み込まれる。
【0021】
成型金型30により成形体36を成形した後、矩形状中子32と扇形中子33を成形体36から取り出す場合、先ず、型開きにより上型31を外し、下型32から中子保持部材34を取り除いた後に、成形体36及び両中子32,33を離型する。その後、図6に示すように、矩形状中子32を開口37aから引き抜き((a)矢印a参照)、続いて、扇形中子33を開口37aから引き抜いて((a)矢印b参照)、両中子32,33を成形体36から外す。
なお、矩形状中子32と扇形中子33の2個からなる中子13は、両壁部22と外周壁23に囲まれて表面側と内周側が開口する凹部が形成された成形体20(図2(a)参照)に用いることもできる((b)参照)。
【0022】
上述したように、円環状に形成され周方向に沿って複数箇所の空間を有する成形体の前記空間に配置される複数の中子を備えた成形金型において、前記各空間は、前記中子を配置する際に前記中子を挿入する方向に対しアンダーカット部を有する開口を備え、前記中子は、周方向に沿って複数に分割した、周方向幅が前記アンダーカット部の周方向突出幅より狭くなく挿入方向において挿入幅が変化しない形状に形成された第1分割中子片と、前記空間の平面形状から前記第1分割中子片を除いた形状に、且つ、前記開口から前記空間へ挿入可能に周方向幅が前記開口より広くなく形成された、少なくとも1個の第2分割中子片とからなる。
これにより、型閉めを行う金型に、構造が複雑で高圧のため大型となるスライドコアを設ける必要が無く、分割、組み立てが可能な中子を用いることで、簡易にアンダーカット形状を有する焼結体、圧粉成形体を形成することができる。
【0023】
また、前記開口は、前記成形体の内周面側及び表面側に設けられ、前記第1分割中子片は、中子配置時、最後に中央に配置される1個からなり、前記第2分割中子片は、前記第1分割中子片を挟み込んで両側に配置される2個からなる。また、前記開口は、前記成形体の内周面側にのみ設けられ、前記第1分割中子片は、中子配置時、最後に配置される1個からなり、前記第2分割中子片は、前記第1分割中子片に隣接して配置される1個からなる。
これにより、分割された複数の中子片を、順に型抜きしていくことで、より簡易にアンダーカット形状を有する焼結体、圧粉成形体を設けることができ、また、アンダーカット部と平行面を有する中子片を先に開放し、その後、残りの中子片を開放することで、前述と同様にアンダーカット形状の焼結、圧粉成形体が得られる。特に、アンダーカット形状が薄肉型の場合に有効である。
【0024】
また、前記第1分割中子片と2個の前記第2分割中子片は、前記第1分割中子片に開けられた、前記第1分割中子片の引き抜き方向に沿う長孔内を移動する軸部と、それぞれの一端を前記軸部に回動自在に連結し、それぞれの他端を前記各第2分割中子片に装着した2本の腕部とを有し、前記第1分割中子片を引き抜いて前記軸部が前記長孔の下端に達したとき、前記第1分割中子片を前記各第2分割中子片の間から離脱させる、連結部材により連結されている。
これにより、第1分割中子片を型開き方向に移動させると、先ず、第1分割中子片が、アンダーカット部当接中子組から抜け(この間、アンダーカット当接中子に結合されたヒンジ連結部は長穴部を摺動する)、続いて、この中子組が、連結部の上方移動に伴い中央へ移動してアンダーカット部を回避し、その後、型開き方向に移動することで、一方向の型開きによってアンダーカット形状を簡易に得ることができる。
【0025】
このように、この発明によれば、円環状に形成され周方向に沿って複数箇所の空間を有する成形体の前記空間に配置される複数の中子を備えた成形金型は、各空間が、中子を配置する際に中子を挿入する方向に対しアンダーカット部を有する開口を備え、中子が、周方向に沿って複数に分割した、周方向幅がアンダーカット部の周方向突出幅より狭くなく挿入方向において挿入幅が変化しない形状に形成された第1分割中子片と、空間の平面形状から第1分割中子片を除いた形状に、且つ、開口から空間へ挿入可能に周方向幅が開口より広くなく形成された、少なくとも1個の第2分割中子片とから構成されるので、複雑な金型や多くの工程を必要とせずに、簡易にアンダーカット形状を有する焼結体や圧粉成形体を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】この発明の一実施の形態に係る成形金型を示し、(a)は型開き方向に沿う断面説明図、(b)は(a)のB−B線に沿う断面説明図である。
【図2】図1の成形体と中子を示し、(a)は成形体が外周壁を有する場合の斜視図、(b)は成形体が内外周壁を有する場合の斜視図である。
【図3】成形体から中子を取り除く手順を示し、(a)は中間中子引き抜き時の説明図、(b)は中間中子引き抜き後の説明図、(c)は両外側中子引き抜き時の説明図である。
【図4】図3の中子を引き抜く具体例を示し、(a)は中間中子引き上げ時の説明図、(b)は両外側中子接近時の説明図、(c)は両外側中子引き上げ時の説明図である。
【図5】この発明の他の実施の形態に係る成形金型を示し、(a)は型開き方向に沿う断面説明図、(b)は(a)のB−B線に沿う断面説明図である。
【図6】図5の成形金型により形成される成形体を示し、(a)は中子が装着された状態の成形体の斜視図、(b)は(a)の中子を図2(a)の成形体に用いた状態の斜視説明図である。
【符号の説明】
【0027】
10,30 成型金型
11,31 上型
12,35 下型
13 中子
14,15 外側中子
14a,15a 傾斜辺
14b,15b 上端取付部
16 中間中子
16a 長孔
17 中子保持部材
17a 貫通孔
18,19 固定部材
20,36 成形体
21 アンダーカット部
22 壁部
23 外周壁
25 連結部材
25a 一端
25b 他端
26 軸部
32 矩形状中子
33 扇形状中子
34 中子保持部材
37 空間
37a 開口
a 成形体周方向突出幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円環状に形成され周方向に沿って複数箇所の空間を有する成形体の前記空間に配置される複数の中子を備えた成形金型において、
前記各空間は、前記中子を配置する際に前記中子を挿入する方向に対しアンダーカット部を有する開口を備え、
前記中子は、周方向に沿って複数に分割した、周方向幅が前記アンダーカット部の周方向突出幅より狭くなく挿入方向において挿入幅が変化しない形状に形成された第1分割中子片と、前記空間の平面形状から前記第1分割中子片を除いた形状に、且つ、前記開口から前記空間へ挿入可能に周方向幅が前記開口より広くなく形成された、少なくとも1個の第2分割中子片と
からなることを特徴とする成形金型。
【請求項2】
前記開口は、前記成形体の内周面側及び表面側に設けられ、前記第1分割中子片は、中子配置時、最後に中央に配置される1個からなり、前記第2分割中子片は、前記第1分割中子片を挟み込んで両側に配置される2個からなることを特徴とする請求項1に記載の成形金型。
【請求項3】
前記開口は、前記成形体の内周面側にのみ設けられ、前記第1分割中子片は、中子配置時、最後に配置される1個からなり、前記第2分割中子片は、前記第1分割中子片に隣接して配置される1個からなることを特徴とする請求項1に記載の成形金型。
【請求項4】
前記第1分割中子片と2個の前記第2分割中子片は、
前記第1分割中子片に開けられた、前記第1分割中子片の引き抜き方向に沿う長孔内を移動する軸部と、それぞれの一端を前記軸部に回動自在に連結し、それぞれの他端を前記各第2分割中子片に装着した2本の腕部とを有し、前記第1分割中子片を引き抜いて前記軸部が前記長孔の下端に達したとき、前記第1分割中子片を前記各第2分割中子片の間から離脱させる、連結部材により連結されていることを特徴とする請求項2に記載の成形金型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−162090(P2007−162090A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−361736(P2005−361736)
【出願日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】