扉用レバーハンドル
【課題】握りバーの耐久強度と、興趣変化に富む装飾効果を得られるようにする。
【解決手段】扉用レバーハンドル(A)の握りバー(G)を芯棒(11)とその別個な化粧カバー(12)に分割して、その芯棒(11)をステンレス鋼やアルミ合金などの金属から、取付ブラケット(B)と連続一体に造形する一方、上記化粧カバー(12)を着色顔料が含有された光透過性の合成樹脂から、上記芯棒(11)と対応する断面U字型や中空などの差込み溝(23)が開口延在する丸棒状に一体成形すると共に、その化粧カバー(12)における差込み溝(23)の差し込み嵌合によって被覆されることとなる芯棒(11)の表面を、シルバーメタリック調又はゴールドメタリック調の光反射面(22)(22a)(22b)(22c)(22d)として仕上げ処理した。
【解決手段】扉用レバーハンドル(A)の握りバー(G)を芯棒(11)とその別個な化粧カバー(12)に分割して、その芯棒(11)をステンレス鋼やアルミ合金などの金属から、取付ブラケット(B)と連続一体に造形する一方、上記化粧カバー(12)を着色顔料が含有された光透過性の合成樹脂から、上記芯棒(11)と対応する断面U字型や中空などの差込み溝(23)が開口延在する丸棒状に一体成形すると共に、その化粧カバー(12)における差込み溝(23)の差し込み嵌合によって被覆されることとなる芯棒(11)の表面を、シルバーメタリック調又はゴールドメタリック調の光反射面(22)(22a)(22b)(22c)(22d)として仕上げ処理した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は屋内の扉用レバーハンドルに係り、殊更その握りバーにおける着色カラーの濃淡度又は明暗度が、これに当る光の方角やこれを見る方角によって興趣変化し、高い格調(高級感)の飽きない動的装飾効果を演出し得るように工夫したものである。
【背景技術】
【0002】
屋内の扉用レバーハンドルは、扉に取り付けられてラッチボルトを操作するブラケットと、その取付ブラケットの頭部からほぼL字型に張り出して、扉に沿い延在する一定長さの握りバーとを備えている通例である。
【0003】
その握りバーの装飾効果を昂めるために提案されている各種特許文献のうち、特開2000−356053号発明が握りバー(把持体)として透明又は半透明の筒体を採用しており、その筒体に凸レンズ効果を持たせている点で、本発明に最も近似する公知技術であると考えられる。
【特許文献1】特開2000−356053号公報
【特許文献2】特開平11−81752号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記特開2000−356053号発明の第1、2実施形態(図1〜5)に示された構成では、把持体である透明又は半透明の筒体(6)と、その筒体(把持体)(6)の芯材となる軸部(4)のほかに、適宜の模様(13)が印刷された別個な合成樹脂フィルムや布、紙などの柔軟性装飾シート(5)も準備した上、これを模様(13)が表側となるように丸めて、上記筒体(把持体)(6)の内部へ挿入セットしなければならない。
【0005】
この点、柔軟な装飾シート(5)が布である場合には、筒体(把持体)(6)の内部へ丸めて挿入セットしても、その表面が筒体(把持体)(6)の内面に密着することは困難であり、その挿入セット状態の正確さや安定性に劣る。
【0006】
又、上記装飾シート(5)の模様(13)が隠蔽されてしまうことを予防すべく、その筒体(把持体)(6)の両端部を一対の係止リング(18)(19)によって、ハンドル本体(3)とグリップエンド(7)へかぶせ付け状態に固定維持する必要があり、茲に係止リング(18)(19)の一対とグリップエンド(7)も不可欠な構成部品として、その組立部品点数が増加すると共に、組立作業が煩雑化するため、扉用レバーハンドル(ハンドル部材)の量産効果を最大限に発揮させることができず、握りバー(把持体)の表面に発生する段差部が、握り持ち使用上の違和感を与えるおそれもある。
【0007】
それにもまして、上記装飾シート(5)に印刷された模様(13)を、その透明又は半透明な筒体(把持体)(6)の外部から透視するようになっており、予じめ選択される模様(13)自体の装飾効果を与えるに過ぎない構成であるため、たとえ上記筒体(把持体)(6)の凸レンズ機能により、その模様(13)を浮き上がらせ拡大するとしても、これに当る光の方角やこれを見る方角によって、上記模様(13)の興趣変化することは起らず、誰もが飽きやすい静的・単調な装飾効果を得られるにとどまる。その誰もが飽きない普遍性と、建物の内装材や扉などと融和した高い格調(高級感)の斬新な装飾効果を演出できないのである。
【0008】
そして、このような興趣変化に富む装飾効果については、芯材(10)と一対の装飾体(5a)(5b)並びに一対の把持体(6a)(6b)を、対応的な異形断面の金属製組立部品として、その芯材(20)へ装飾体(5a)(5b)と把持体(6a)(6b)との一対づつを、順次被着一体化させた第3実施形態(図6、7)の構成や、上記第1、2実施形態の別個な装飾シート(5)や上記第3実施形態の別個な装飾体(5a)(5b)を省略して、把持体(6a)(6b)の内面に対する塗装又はメッキにより、模様(13)付きの装飾層(23a)(23b)を形成した第4実施形態(図8、9)の構成においても、到底期待することができない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明はこのような課題の解決を目的としており、その目的を達成するために、請求項1では屋内の扉に対する取付ブラケットと、その取付ブラケットの頭部から扉に沿って張り出し延在する一定長さの握りバーとを備えた扉用レバーハンドルにおいて、
【0010】
上記握りバーを芯棒とその別個な化粧カバーに分割して、その芯棒をステンレス鋼やアルミ合金などの金属から、上記取付ブラケットと連続一体に造形する一方、
【0011】
上記化粧カバーを着色顔料が含有された光透過性の合成樹脂から、上記芯棒と対応する断面U字型や中空などの差込み溝が開口延在する丸棒状に一体成形すると共に、
【0012】
その化粧カバーにおける差込み溝の差し込み嵌合によって被覆されることとなる芯棒の表面を、シルバーメタリック調又はゴールドメタリック調の光反射面として仕上げ処理し、
【0013】
上記握りバーに当たる光の方角やこれを見る方角により、その化粧カバーにおける着色カラーの濃淡度又は明暗度が自づと変化するように定めたことを特徴とする。
【0014】
又、請求項2では上記請求項1に従属する構成として、取付ブラケットをその頭部が円弧凸曲面として丸味のある角柱型に造形し、
【0015】
その取付ブラケットの頭部から上記円弧凸曲面と面一な円弧凸曲面を備えた断面長方形の角棒状芯棒を、連続一体に張り出し延在させると共に、
【0016】
上記芯棒との対応的な断面U字型として化粧カバーに開口延在する差込み溝を、上記芯棒の底側から差し込み嵌合して、その化粧カバーを複数の固定ビスにより、上記芯棒との全体的な丸棒型に組み立て一体化したことを特徴とする。
【0017】
請求項3では上記請求項2に従属する構成として、角棒状芯棒の円弧凸曲面を除くフラットな3辺面を、メッキや塗装、真空蒸着などの表面処理により、シルバーメタリック調又はゴールドメタリック調の光反射面として仕上げたことを特徴とする。
【0018】
更に、請求項4では同じく請求項2に従属する構成として、角棒状芯棒の張り出し先端部だけに頭部の円弧凸曲面とほぼ対称な円弧凸曲片を突設する一方、
【0019】
その芯棒の円弧凸曲片と嵌合する凹段面を、化粧カバーにおける差込み溝の溝底面に対応形成して、
【0020】
その化粧カバーが上記芯棒の長手方向に沿って抜け出すことを防止したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の上記構成によれば、扉用レバーハンドルの握りバーが剛性な金属製の芯棒と、これを被覆する別個な合成樹脂製の化粧カバーとから成り、その芯棒は扉への取付ブラケットと連続一体に造形されているため、レバーハンドルとしての充分な耐久強度を確保できる効果がある。
【0022】
しかも、上記金属製の芯棒がその化粧カバーによって被覆される内部の表面は、シルバーメタリック調又はゴールドメタリック調の光反射面として仕上げ処理されている一方、上記化粧カバーが着色顔料を含有する光透過性の合成樹脂から丸棒状に一体成形されているため、上記握りバーへ使用中に当る光の方角や、これを見る方角の如何により、化粧カバーにおける着色カラーの濃淡度又明暗度が、その内部から上記光反射面の光反射作用を受けて自づと変化することになり、上記丸棒状化粧カバーの凸レンズ機能とも相俟って、興趣変化に富む優美な装飾効果を得られるのである。
【0023】
又、このような装飾効果を得るための構成としても、冒頭の特開2000−356053号発明が具備する特別な装飾シートや、その面倒な挿入セット作業を一切必要としない。
【0024】
この点、特開2000−356053号発明の装飾効果は、装飾シートに印刷された模様自体の静的なそれであるため、その装飾シートを交換しない限り、別異の装飾効果を得ることはできないが、本発明の構成では化粧カバーを交換しなくとも、その芯棒の光反射面に入射する光の方角やこれを見る方角によって、その化粧カバーの着色カラーが濃く(暗く)又は淡く(明るく)自づと興趣変化する動的な装飾効果を演出できるのである。
【0025】
その場合、請求項2の構成を採用するならば、握りバーの芯棒とその化粧カバーとを表面全体の均斉な丸棒型に組み立て一体化することができ、握り持ち使用上の安全性に役立つほか、上記芯棒が化粧カバーの断面U字型差込み溝から露出する表面を、握りバーの長手方向に沿い延在する言わば筋骨として、意匠的なアクセント効果を与え得る利点もある。
【0026】
特に、請求項3の構成を採用するならば、握りバーの芯棒が断面長方形の角棒状をなし、その化粧カバーにより被覆されることとなるフラットな3辺面が、シルバーメタリック調又はゴールドメタリック調の光反射面として表面処理されている一方、化粧カバーは凸レンズとして機能し得る丸棒状に造形されているため、言わば角棒状芯棒と丸棒状化粧カバーとの組み合わせにより、上記濃淡度又は明暗度の興趣変化する装飾効果をますます昂めることができる。
【0027】
更に、請求項4の構成を採用するならば、芯棒の円弧凸曲片とその化粧カバーの凹段面との差し込み嵌合により、化粧カバーが芯棒の長手方向に沿って抜け出すおそれを防止できるほか、その芯棒の円弧凸曲片を言わば調芯ガイドとして、これに沿い化粧カバーの断面U字型差込み溝を芯棒へ、自づと正しく円滑に差し込み嵌合することもでき、その組立作業性の向上に役立つ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面に基いて本発明の具体的構成を詳述すると、先ず図1〜12は本発明に係る扉用レバーハンドル(A)の第1実施形態を示しており、これは言うまでもなく屋内の扉(D)に対する取付ブラケット(B)と、これから扉(D)に沿って張り出し延在する握りバー(G)とを備え、全体としてほぼL字型を呈しているが、茲に握りバー(G)は本発明の場合、取付ブラケット(B)と連続一体の芯棒(11)と、これを被覆する別個な化粧カバー(12)とから成り立っている。
【0029】
そして、その取付ブラケット(B)と握りバー(G)の芯棒(11)とが、ステンレス鋼やアルミ合金、その他の剛性な金属製品として、次のとおり連続一体に造形されている。
【0030】
即ち、上記扉用レバーハンドル(A)の取付ブラケット(B)はほぼ正方形(例えば約22mm×約22mm)の角柱状をなし、一定の取付高さ(H1)(例えば約53mm)を有するが、その頭部だけの円弧凸曲面(13)として丸味が与えられている。(14)は同じく取付ブラケット(B)のフラットな根元部から連続的に張り出す径小な円盤であり、扉(D)の化粧台座(15)へ差し込み嵌合されることになる。
【0031】
又、(16)はその円盤(14)から取付ブラケット(B)の中心線上に沿って、一定深さ(H2)(例えば約34mm)だけ穿設されたほぼ正方形の軸穴であり、ここにはラッチボルトの出没機構(図示省略)を構成するラッチ操作軸(ハンドルカム軸)(17)が差し込み嵌合されることになる。(18)はそのラッチ操作軸(17)を固定するピン挿入穴であり、円形又は楕円形に開口されている。
【0032】
そして、握りバー(G)の芯棒(11)は図1〜9から明白なように、上記取付ブラケット(B)における頭部の円弧凸曲面(13)と面一な円弧凸曲面(19)を備えたほぼ長方形(例えば厚み:約8mm×深さ:約14mm)の角棒として、その取付ブラケット(B)から一定長さ(L)(例えば約115mm)だけ直線的に張り出し延在している。
【0033】
(20)はその芯棒(11)のフラットな底面に開口分布された複数のネジ穴、(21)は同じく芯棒(11)の張り出し先端部に位置しつつ、その底面から上記円弧凸曲面(19)とほぼ対称に突出された円弧凸曲片であり、上記芯棒(11)の長手方向に沿う化粧カバー(12)の抜け止めストッパーとして働くほか、その芯棒(11)に対する化粧カバー(12)の円滑な差し込み調芯ガイドとしても機能し得る。
【0034】
握りバー(G)の芯棒(11)が剛性な金属製として、ほぼ長方形の角棒状に造形されていることを上記したが、その化粧カバー(12)により被覆されることとなる芯棒(11)の3辺面は、特にメッキや塗装、真空蒸着、スパッタリングなどの各種表面処理により、シルバーメタリック調又はゴールドメタリック調の光反射面(22a)(22b)(22c)として仕上げられている。
【0035】
他方、同じく握りバー(G)の上記化粧カバー(12)はその芯棒(11)との相関々係上、適当な着色顔料を含有する透明の合成樹脂や好ましくは半透明の合成樹脂から、次のとおり射出成形されている。このような合成樹脂としては、光透過性を有するならば、特に限定されず、スチロール樹脂やAS樹脂などのスチレン系樹脂を初め、メタクリル系樹脂、カーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などを挙げることができ、又建物の内装材や扉などと調和する褐色や、その他の適当な着色顔料に代えて、光拡散剤を含有させることにより、乳白色の着色カラーを与えても良い。
【0036】
即ち、握りバー(G)の化粧カバー(12)は図1〜9から明白なように、上記芯棒(11)の円弧凸曲面(19)と面一状態になる丸棒型(例えば直径:約20mm)として、しかもその長手中心線上に沿い開口する断面U字状の差込み溝(23)を備えており、その差込み溝(23)が上記芯棒(11)へ差し込み嵌合されて、その芯棒(11)の上記光反射面(22a)(22b)(22c)を被覆するようになっている。
【0037】
その場合、芯棒(11)の張り出し先端部には円弧凸曲片(21)が突出しているため、その差し込み調芯ガイド作用により、ここから先行して化粧カバー(12)の差込み溝(23)を、上記芯棒(11)へ正しく円滑に差し込み嵌合させることができる。
【0038】
又、化粧カバー(12)における芯棒(11)の被覆部分は、先に例示した数値との関係上、比較的大きな約5〜6mmの一定厚み(T)を保っており、それ自体が透明又は半透明であることとも相俟ち、凸レンズとして機能し得る。尚、上記芯棒(11)の円弧凸曲面(19)は言わば背骨として露出状態にあり、握りバー(G)に意匠上のアクセント効果を与えることができる。
【0039】
(24)は化粧カバー(12)における差込み溝(23)の溝底面に貫通形成された複数のビス挿入穴であって、上記芯棒(11)のネジ穴(20)と対応位置し、ここからネジ穴(20)ヘ螺合締結する固定ビス(25)によって、その芯棒(11)へ化粧カバー(12)が取り付け一体化されることとなる。
【0040】
その固定ビス(25)の頭部は化粧カバー(12)の円弧外周面から沈没する埋め込み状態にあり、これを抜き出すことによって、上記化粧カバー(12)を別異の着色カラーが与えられたそれと交換することも可能である。
【0041】
更に、(26)は上記芯棒(11)の張り出し先端部と対応位置する化粧カバー(12)の一端部において、その差込み溝(23)のフラットな溝底面から若干深く陥没された凹段面であり、上記芯棒(11)の対応的な円弧凸曲片(21)と嵌合することによって、その化粧カバー(12)が芯棒(11)の長手方向に沿い抜け出すおそれを防ぐ。
【0042】
本発明の上記レバーハンドル(A)を屋内の扉(D)へ取り付け施工するに当っては、従来からの常法に従って、その扉(D)のラッチボルト出没機構(図示省略)を構成するラッチ操作軸(ハンドルカム軸)(17)の両端部へ、図10〜12のように内外方向から一対のレバーハンドル(A)における取付ブラケット(B)の軸穴(16)を差し込み固定し、そのレバーハンドル(A)の握りバー(G)を回動操作すれば、ラッチボルト(図示省略)が扉(D)の木口面(フロント板)から没入する関係状態となるように組み立てれば良い。
【0043】
本発明のレバーハンドル(A)では上記構成のように、握りバー(G)の芯棒(11)が取付ブラケット(B)と連続一体の金属製品として、その芯棒(11)にはシルバーメタリック調又はゴールドメタリック調の光反射面(22a)(22b)(22c)が設けられている一方、その芯棒(11)の光反射面(22a)(22b)(22c)を被覆する化粧カバー(12)が、着色顔料を含有する透明又は半透明の合成樹脂から、凸レンズとして機能し得る丸棒状に造形されているため、その握りバー(G)へ使用中に当る光の方角や、これを見る方角によって、上記化粧カバー(12)における着色カラーの濃淡度又明暗度が自づと変化し、言わば動的な装飾効果を得られることになる。
【0044】
つまり、握りバー(G)の化粧カバー(12)を透過して、芯棒(11)の光反射面(22a)(22b)(22c)に入射する光が、その光反射面(22a)(22b)(22c)による内部からの光反射作用を受けるため、化粧カバー(12)の着色カラーが淡く(明るく)鮮やかに照り出したり、逆に濃く(暗く)曇った状態に反映したり、その芯棒(11)と化粧カバー(12)との濃淡差(明暗差)がある所謂ツートンの階調状態になったり、更に入射光の方角如何では芯棒(11)と化粧カバー(12)とが同じ濃淡度(明暗度)として、その芯棒(11)の見えない隠蔽状態になったりすることさえ起るのであり、化粧カバー(12)が凸レンズとして働くこととも相俟ち、興趣変化に富む動的な装飾効果を演出することができる。
【0045】
図1〜12に示した本発明の第1実施形態では、扉用レバーハンドル(A)の取付ブラケット(B)を角柱型とし、その頭部から連続一体に張り出し延在する握りバー(G)の芯棒(11)も角棒とし、化粧カバー(12)をその芯棒(11)への断面U字型差込み溝(23)が開口する丸棒状として、各々造形しているが、これに限らず、図13〜18に示すような第2〜4実施形態の各種構成を採用することができる。
【0046】
即ち、図13、14の第2実施形態から明白なように、扉(D)への取付ブラケット(B)を円柱型とし、その頭部からほぼカマボコ型の芯棒(11)を連続一体に張り出し延在させて、その芯棒(11)を対応的なカマボコ型又は半円筒型の化粧カバー(12)により被覆しても良い。(27)はその取付ブラケット(B)の頭部と面一状態に連続する芯棒(11)のフラット面を示しており、上記第1実施形態の円弧凸曲面(19)に代るものである。
【0047】
このような第2実施形態の構成を採用する場合には、その芯棒(11)の円弧面を上記第1実施形態と同じく、シルバーメタリック調又はゴールドメタリック調の光反射面(22)として表面処理するほか、化粧カバー(12)の厚み(T)をやはり約5〜6mmに厚肉化して、その凸レンズ機能を発揮させるのである。
【0048】
又、図15、16の第3実施形態に示す如く、取付ブラケット(B)の頭部から連続一体に張り出し延在する芯棒(11)を、ほぼ正方形の角棒として、その4辺面の全体を丸棒状の化粧カバー(12)により、完全に被覆しても良い。
【0049】
このような第3実施形態の構成を採用する場合には、その芯棒(11)の4辺面をやはりシルバーメタリック調又はゴールドメタリック調の光反射面(22a)(22b)(22c)(22d)として仕上げ処理するのである。
【0050】
化粧カバー(12)は芯棒(11)と対応する正方形の中空差込み溝(23)を備えた一定長さの丸棒状として、上記第1実施形態と同じ合成樹脂から押出成形することができる。尚、図示省略してあるが、握りバー(G)の芯棒(11)は正方形や長方形以外の多角形な角棒状として造形することも考えられる。
【0051】
更に、図15、16の第3実施形態に準じた図17、18の第4実施形態から明白なように、取付ブラケット(B)の頭部から連続的に張り出し延在する芯棒(11)と、その化粧カバー(12)とを対応的な断面楕円形の丸棒状に造形し、その芯棒(11)の外周面全体を上記第1実施形態と同様な光反射面(22)として表面処理しても良い。このことは、上記芯棒(11)を断面円形の丸棒状として造形する場合にも同様である。
【0052】
尚、第2〜4実施形態におけるその他の構成と作用は上記第1実施形態と実質的に同一であるため、その図13〜18に図1〜12との対応符号を記入するにとどめて、その詳細な説明を省略するが、上記第1〜4実施形態の何れにあっても、取付ブラケット(B)の頭部表面と芯棒(11)又は化粧カバー(12)の露出表面とは、その面一状態に連続させることにより、握り持ち操作手の安全性を保つことが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係る扉用レバーハンドルの第1実施形態を示す斜面図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】図2の平面図である。
【図4】図2の底面図である。
【図5】図2の背面図である。
【図6】図2の右側面図である。
【図7】図2の左側面図である。
【図8】図3の8−8線断面図である。
【図9】図2の9−9線に沿う拡大断面図である。
【図10】扉用レバーハンドルの取り付け使用状態を示す斜面図である。
【図11】図10における扉用レバーハンドルの拡大正面図である。
【図12】図11の12−12線断面図である。
【図13】本発明に係る扉用レバーハンドルの第2実施形態を示す斜面図である。
【図14】図13の拡大断面図である。
【図15】本発明に係る扉用レバーハンドルの第3実施形態を示す斜面図である。
【図16】図15の拡大断面図である。
【図17】本発明に係る扉用レバーハンドルの第4実施形態を示す斜面図である。
【図18】図17の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0054】
(11)・芯棒
(12)・化粧カバー
(13)・円弧凸曲面
(14)・円盤
(15)・化粧台座
(16)・軸穴
(17)・ラッチ操作軸
(18)・ピン挿入穴
(19)・円弧凸曲面
(20)・ネジ穴
(21)・円弧凸曲片
(22)(22a)(22b)(22c)(22d)・光反射面
(23)・差込み溝
(24)・ビス挿入穴
(25)・固定ビス
(26)・凹段面
(27)・フラット面
(A)・扉用レバーハンドル
(B)・取付ブラケット
(D)・扉
(G)・握りバー
【技術分野】
【0001】
本発明は屋内の扉用レバーハンドルに係り、殊更その握りバーにおける着色カラーの濃淡度又は明暗度が、これに当る光の方角やこれを見る方角によって興趣変化し、高い格調(高級感)の飽きない動的装飾効果を演出し得るように工夫したものである。
【背景技術】
【0002】
屋内の扉用レバーハンドルは、扉に取り付けられてラッチボルトを操作するブラケットと、その取付ブラケットの頭部からほぼL字型に張り出して、扉に沿い延在する一定長さの握りバーとを備えている通例である。
【0003】
その握りバーの装飾効果を昂めるために提案されている各種特許文献のうち、特開2000−356053号発明が握りバー(把持体)として透明又は半透明の筒体を採用しており、その筒体に凸レンズ効果を持たせている点で、本発明に最も近似する公知技術であると考えられる。
【特許文献1】特開2000−356053号公報
【特許文献2】特開平11−81752号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記特開2000−356053号発明の第1、2実施形態(図1〜5)に示された構成では、把持体である透明又は半透明の筒体(6)と、その筒体(把持体)(6)の芯材となる軸部(4)のほかに、適宜の模様(13)が印刷された別個な合成樹脂フィルムや布、紙などの柔軟性装飾シート(5)も準備した上、これを模様(13)が表側となるように丸めて、上記筒体(把持体)(6)の内部へ挿入セットしなければならない。
【0005】
この点、柔軟な装飾シート(5)が布である場合には、筒体(把持体)(6)の内部へ丸めて挿入セットしても、その表面が筒体(把持体)(6)の内面に密着することは困難であり、その挿入セット状態の正確さや安定性に劣る。
【0006】
又、上記装飾シート(5)の模様(13)が隠蔽されてしまうことを予防すべく、その筒体(把持体)(6)の両端部を一対の係止リング(18)(19)によって、ハンドル本体(3)とグリップエンド(7)へかぶせ付け状態に固定維持する必要があり、茲に係止リング(18)(19)の一対とグリップエンド(7)も不可欠な構成部品として、その組立部品点数が増加すると共に、組立作業が煩雑化するため、扉用レバーハンドル(ハンドル部材)の量産効果を最大限に発揮させることができず、握りバー(把持体)の表面に発生する段差部が、握り持ち使用上の違和感を与えるおそれもある。
【0007】
それにもまして、上記装飾シート(5)に印刷された模様(13)を、その透明又は半透明な筒体(把持体)(6)の外部から透視するようになっており、予じめ選択される模様(13)自体の装飾効果を与えるに過ぎない構成であるため、たとえ上記筒体(把持体)(6)の凸レンズ機能により、その模様(13)を浮き上がらせ拡大するとしても、これに当る光の方角やこれを見る方角によって、上記模様(13)の興趣変化することは起らず、誰もが飽きやすい静的・単調な装飾効果を得られるにとどまる。その誰もが飽きない普遍性と、建物の内装材や扉などと融和した高い格調(高級感)の斬新な装飾効果を演出できないのである。
【0008】
そして、このような興趣変化に富む装飾効果については、芯材(10)と一対の装飾体(5a)(5b)並びに一対の把持体(6a)(6b)を、対応的な異形断面の金属製組立部品として、その芯材(20)へ装飾体(5a)(5b)と把持体(6a)(6b)との一対づつを、順次被着一体化させた第3実施形態(図6、7)の構成や、上記第1、2実施形態の別個な装飾シート(5)や上記第3実施形態の別個な装飾体(5a)(5b)を省略して、把持体(6a)(6b)の内面に対する塗装又はメッキにより、模様(13)付きの装飾層(23a)(23b)を形成した第4実施形態(図8、9)の構成においても、到底期待することができない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明はこのような課題の解決を目的としており、その目的を達成するために、請求項1では屋内の扉に対する取付ブラケットと、その取付ブラケットの頭部から扉に沿って張り出し延在する一定長さの握りバーとを備えた扉用レバーハンドルにおいて、
【0010】
上記握りバーを芯棒とその別個な化粧カバーに分割して、その芯棒をステンレス鋼やアルミ合金などの金属から、上記取付ブラケットと連続一体に造形する一方、
【0011】
上記化粧カバーを着色顔料が含有された光透過性の合成樹脂から、上記芯棒と対応する断面U字型や中空などの差込み溝が開口延在する丸棒状に一体成形すると共に、
【0012】
その化粧カバーにおける差込み溝の差し込み嵌合によって被覆されることとなる芯棒の表面を、シルバーメタリック調又はゴールドメタリック調の光反射面として仕上げ処理し、
【0013】
上記握りバーに当たる光の方角やこれを見る方角により、その化粧カバーにおける着色カラーの濃淡度又は明暗度が自づと変化するように定めたことを特徴とする。
【0014】
又、請求項2では上記請求項1に従属する構成として、取付ブラケットをその頭部が円弧凸曲面として丸味のある角柱型に造形し、
【0015】
その取付ブラケットの頭部から上記円弧凸曲面と面一な円弧凸曲面を備えた断面長方形の角棒状芯棒を、連続一体に張り出し延在させると共に、
【0016】
上記芯棒との対応的な断面U字型として化粧カバーに開口延在する差込み溝を、上記芯棒の底側から差し込み嵌合して、その化粧カバーを複数の固定ビスにより、上記芯棒との全体的な丸棒型に組み立て一体化したことを特徴とする。
【0017】
請求項3では上記請求項2に従属する構成として、角棒状芯棒の円弧凸曲面を除くフラットな3辺面を、メッキや塗装、真空蒸着などの表面処理により、シルバーメタリック調又はゴールドメタリック調の光反射面として仕上げたことを特徴とする。
【0018】
更に、請求項4では同じく請求項2に従属する構成として、角棒状芯棒の張り出し先端部だけに頭部の円弧凸曲面とほぼ対称な円弧凸曲片を突設する一方、
【0019】
その芯棒の円弧凸曲片と嵌合する凹段面を、化粧カバーにおける差込み溝の溝底面に対応形成して、
【0020】
その化粧カバーが上記芯棒の長手方向に沿って抜け出すことを防止したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の上記構成によれば、扉用レバーハンドルの握りバーが剛性な金属製の芯棒と、これを被覆する別個な合成樹脂製の化粧カバーとから成り、その芯棒は扉への取付ブラケットと連続一体に造形されているため、レバーハンドルとしての充分な耐久強度を確保できる効果がある。
【0022】
しかも、上記金属製の芯棒がその化粧カバーによって被覆される内部の表面は、シルバーメタリック調又はゴールドメタリック調の光反射面として仕上げ処理されている一方、上記化粧カバーが着色顔料を含有する光透過性の合成樹脂から丸棒状に一体成形されているため、上記握りバーへ使用中に当る光の方角や、これを見る方角の如何により、化粧カバーにおける着色カラーの濃淡度又明暗度が、その内部から上記光反射面の光反射作用を受けて自づと変化することになり、上記丸棒状化粧カバーの凸レンズ機能とも相俟って、興趣変化に富む優美な装飾効果を得られるのである。
【0023】
又、このような装飾効果を得るための構成としても、冒頭の特開2000−356053号発明が具備する特別な装飾シートや、その面倒な挿入セット作業を一切必要としない。
【0024】
この点、特開2000−356053号発明の装飾効果は、装飾シートに印刷された模様自体の静的なそれであるため、その装飾シートを交換しない限り、別異の装飾効果を得ることはできないが、本発明の構成では化粧カバーを交換しなくとも、その芯棒の光反射面に入射する光の方角やこれを見る方角によって、その化粧カバーの着色カラーが濃く(暗く)又は淡く(明るく)自づと興趣変化する動的な装飾効果を演出できるのである。
【0025】
その場合、請求項2の構成を採用するならば、握りバーの芯棒とその化粧カバーとを表面全体の均斉な丸棒型に組み立て一体化することができ、握り持ち使用上の安全性に役立つほか、上記芯棒が化粧カバーの断面U字型差込み溝から露出する表面を、握りバーの長手方向に沿い延在する言わば筋骨として、意匠的なアクセント効果を与え得る利点もある。
【0026】
特に、請求項3の構成を採用するならば、握りバーの芯棒が断面長方形の角棒状をなし、その化粧カバーにより被覆されることとなるフラットな3辺面が、シルバーメタリック調又はゴールドメタリック調の光反射面として表面処理されている一方、化粧カバーは凸レンズとして機能し得る丸棒状に造形されているため、言わば角棒状芯棒と丸棒状化粧カバーとの組み合わせにより、上記濃淡度又は明暗度の興趣変化する装飾効果をますます昂めることができる。
【0027】
更に、請求項4の構成を採用するならば、芯棒の円弧凸曲片とその化粧カバーの凹段面との差し込み嵌合により、化粧カバーが芯棒の長手方向に沿って抜け出すおそれを防止できるほか、その芯棒の円弧凸曲片を言わば調芯ガイドとして、これに沿い化粧カバーの断面U字型差込み溝を芯棒へ、自づと正しく円滑に差し込み嵌合することもでき、その組立作業性の向上に役立つ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面に基いて本発明の具体的構成を詳述すると、先ず図1〜12は本発明に係る扉用レバーハンドル(A)の第1実施形態を示しており、これは言うまでもなく屋内の扉(D)に対する取付ブラケット(B)と、これから扉(D)に沿って張り出し延在する握りバー(G)とを備え、全体としてほぼL字型を呈しているが、茲に握りバー(G)は本発明の場合、取付ブラケット(B)と連続一体の芯棒(11)と、これを被覆する別個な化粧カバー(12)とから成り立っている。
【0029】
そして、その取付ブラケット(B)と握りバー(G)の芯棒(11)とが、ステンレス鋼やアルミ合金、その他の剛性な金属製品として、次のとおり連続一体に造形されている。
【0030】
即ち、上記扉用レバーハンドル(A)の取付ブラケット(B)はほぼ正方形(例えば約22mm×約22mm)の角柱状をなし、一定の取付高さ(H1)(例えば約53mm)を有するが、その頭部だけの円弧凸曲面(13)として丸味が与えられている。(14)は同じく取付ブラケット(B)のフラットな根元部から連続的に張り出す径小な円盤であり、扉(D)の化粧台座(15)へ差し込み嵌合されることになる。
【0031】
又、(16)はその円盤(14)から取付ブラケット(B)の中心線上に沿って、一定深さ(H2)(例えば約34mm)だけ穿設されたほぼ正方形の軸穴であり、ここにはラッチボルトの出没機構(図示省略)を構成するラッチ操作軸(ハンドルカム軸)(17)が差し込み嵌合されることになる。(18)はそのラッチ操作軸(17)を固定するピン挿入穴であり、円形又は楕円形に開口されている。
【0032】
そして、握りバー(G)の芯棒(11)は図1〜9から明白なように、上記取付ブラケット(B)における頭部の円弧凸曲面(13)と面一な円弧凸曲面(19)を備えたほぼ長方形(例えば厚み:約8mm×深さ:約14mm)の角棒として、その取付ブラケット(B)から一定長さ(L)(例えば約115mm)だけ直線的に張り出し延在している。
【0033】
(20)はその芯棒(11)のフラットな底面に開口分布された複数のネジ穴、(21)は同じく芯棒(11)の張り出し先端部に位置しつつ、その底面から上記円弧凸曲面(19)とほぼ対称に突出された円弧凸曲片であり、上記芯棒(11)の長手方向に沿う化粧カバー(12)の抜け止めストッパーとして働くほか、その芯棒(11)に対する化粧カバー(12)の円滑な差し込み調芯ガイドとしても機能し得る。
【0034】
握りバー(G)の芯棒(11)が剛性な金属製として、ほぼ長方形の角棒状に造形されていることを上記したが、その化粧カバー(12)により被覆されることとなる芯棒(11)の3辺面は、特にメッキや塗装、真空蒸着、スパッタリングなどの各種表面処理により、シルバーメタリック調又はゴールドメタリック調の光反射面(22a)(22b)(22c)として仕上げられている。
【0035】
他方、同じく握りバー(G)の上記化粧カバー(12)はその芯棒(11)との相関々係上、適当な着色顔料を含有する透明の合成樹脂や好ましくは半透明の合成樹脂から、次のとおり射出成形されている。このような合成樹脂としては、光透過性を有するならば、特に限定されず、スチロール樹脂やAS樹脂などのスチレン系樹脂を初め、メタクリル系樹脂、カーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などを挙げることができ、又建物の内装材や扉などと調和する褐色や、その他の適当な着色顔料に代えて、光拡散剤を含有させることにより、乳白色の着色カラーを与えても良い。
【0036】
即ち、握りバー(G)の化粧カバー(12)は図1〜9から明白なように、上記芯棒(11)の円弧凸曲面(19)と面一状態になる丸棒型(例えば直径:約20mm)として、しかもその長手中心線上に沿い開口する断面U字状の差込み溝(23)を備えており、その差込み溝(23)が上記芯棒(11)へ差し込み嵌合されて、その芯棒(11)の上記光反射面(22a)(22b)(22c)を被覆するようになっている。
【0037】
その場合、芯棒(11)の張り出し先端部には円弧凸曲片(21)が突出しているため、その差し込み調芯ガイド作用により、ここから先行して化粧カバー(12)の差込み溝(23)を、上記芯棒(11)へ正しく円滑に差し込み嵌合させることができる。
【0038】
又、化粧カバー(12)における芯棒(11)の被覆部分は、先に例示した数値との関係上、比較的大きな約5〜6mmの一定厚み(T)を保っており、それ自体が透明又は半透明であることとも相俟ち、凸レンズとして機能し得る。尚、上記芯棒(11)の円弧凸曲面(19)は言わば背骨として露出状態にあり、握りバー(G)に意匠上のアクセント効果を与えることができる。
【0039】
(24)は化粧カバー(12)における差込み溝(23)の溝底面に貫通形成された複数のビス挿入穴であって、上記芯棒(11)のネジ穴(20)と対応位置し、ここからネジ穴(20)ヘ螺合締結する固定ビス(25)によって、その芯棒(11)へ化粧カバー(12)が取り付け一体化されることとなる。
【0040】
その固定ビス(25)の頭部は化粧カバー(12)の円弧外周面から沈没する埋め込み状態にあり、これを抜き出すことによって、上記化粧カバー(12)を別異の着色カラーが与えられたそれと交換することも可能である。
【0041】
更に、(26)は上記芯棒(11)の張り出し先端部と対応位置する化粧カバー(12)の一端部において、その差込み溝(23)のフラットな溝底面から若干深く陥没された凹段面であり、上記芯棒(11)の対応的な円弧凸曲片(21)と嵌合することによって、その化粧カバー(12)が芯棒(11)の長手方向に沿い抜け出すおそれを防ぐ。
【0042】
本発明の上記レバーハンドル(A)を屋内の扉(D)へ取り付け施工するに当っては、従来からの常法に従って、その扉(D)のラッチボルト出没機構(図示省略)を構成するラッチ操作軸(ハンドルカム軸)(17)の両端部へ、図10〜12のように内外方向から一対のレバーハンドル(A)における取付ブラケット(B)の軸穴(16)を差し込み固定し、そのレバーハンドル(A)の握りバー(G)を回動操作すれば、ラッチボルト(図示省略)が扉(D)の木口面(フロント板)から没入する関係状態となるように組み立てれば良い。
【0043】
本発明のレバーハンドル(A)では上記構成のように、握りバー(G)の芯棒(11)が取付ブラケット(B)と連続一体の金属製品として、その芯棒(11)にはシルバーメタリック調又はゴールドメタリック調の光反射面(22a)(22b)(22c)が設けられている一方、その芯棒(11)の光反射面(22a)(22b)(22c)を被覆する化粧カバー(12)が、着色顔料を含有する透明又は半透明の合成樹脂から、凸レンズとして機能し得る丸棒状に造形されているため、その握りバー(G)へ使用中に当る光の方角や、これを見る方角によって、上記化粧カバー(12)における着色カラーの濃淡度又明暗度が自づと変化し、言わば動的な装飾効果を得られることになる。
【0044】
つまり、握りバー(G)の化粧カバー(12)を透過して、芯棒(11)の光反射面(22a)(22b)(22c)に入射する光が、その光反射面(22a)(22b)(22c)による内部からの光反射作用を受けるため、化粧カバー(12)の着色カラーが淡く(明るく)鮮やかに照り出したり、逆に濃く(暗く)曇った状態に反映したり、その芯棒(11)と化粧カバー(12)との濃淡差(明暗差)がある所謂ツートンの階調状態になったり、更に入射光の方角如何では芯棒(11)と化粧カバー(12)とが同じ濃淡度(明暗度)として、その芯棒(11)の見えない隠蔽状態になったりすることさえ起るのであり、化粧カバー(12)が凸レンズとして働くこととも相俟ち、興趣変化に富む動的な装飾効果を演出することができる。
【0045】
図1〜12に示した本発明の第1実施形態では、扉用レバーハンドル(A)の取付ブラケット(B)を角柱型とし、その頭部から連続一体に張り出し延在する握りバー(G)の芯棒(11)も角棒とし、化粧カバー(12)をその芯棒(11)への断面U字型差込み溝(23)が開口する丸棒状として、各々造形しているが、これに限らず、図13〜18に示すような第2〜4実施形態の各種構成を採用することができる。
【0046】
即ち、図13、14の第2実施形態から明白なように、扉(D)への取付ブラケット(B)を円柱型とし、その頭部からほぼカマボコ型の芯棒(11)を連続一体に張り出し延在させて、その芯棒(11)を対応的なカマボコ型又は半円筒型の化粧カバー(12)により被覆しても良い。(27)はその取付ブラケット(B)の頭部と面一状態に連続する芯棒(11)のフラット面を示しており、上記第1実施形態の円弧凸曲面(19)に代るものである。
【0047】
このような第2実施形態の構成を採用する場合には、その芯棒(11)の円弧面を上記第1実施形態と同じく、シルバーメタリック調又はゴールドメタリック調の光反射面(22)として表面処理するほか、化粧カバー(12)の厚み(T)をやはり約5〜6mmに厚肉化して、その凸レンズ機能を発揮させるのである。
【0048】
又、図15、16の第3実施形態に示す如く、取付ブラケット(B)の頭部から連続一体に張り出し延在する芯棒(11)を、ほぼ正方形の角棒として、その4辺面の全体を丸棒状の化粧カバー(12)により、完全に被覆しても良い。
【0049】
このような第3実施形態の構成を採用する場合には、その芯棒(11)の4辺面をやはりシルバーメタリック調又はゴールドメタリック調の光反射面(22a)(22b)(22c)(22d)として仕上げ処理するのである。
【0050】
化粧カバー(12)は芯棒(11)と対応する正方形の中空差込み溝(23)を備えた一定長さの丸棒状として、上記第1実施形態と同じ合成樹脂から押出成形することができる。尚、図示省略してあるが、握りバー(G)の芯棒(11)は正方形や長方形以外の多角形な角棒状として造形することも考えられる。
【0051】
更に、図15、16の第3実施形態に準じた図17、18の第4実施形態から明白なように、取付ブラケット(B)の頭部から連続的に張り出し延在する芯棒(11)と、その化粧カバー(12)とを対応的な断面楕円形の丸棒状に造形し、その芯棒(11)の外周面全体を上記第1実施形態と同様な光反射面(22)として表面処理しても良い。このことは、上記芯棒(11)を断面円形の丸棒状として造形する場合にも同様である。
【0052】
尚、第2〜4実施形態におけるその他の構成と作用は上記第1実施形態と実質的に同一であるため、その図13〜18に図1〜12との対応符号を記入するにとどめて、その詳細な説明を省略するが、上記第1〜4実施形態の何れにあっても、取付ブラケット(B)の頭部表面と芯棒(11)又は化粧カバー(12)の露出表面とは、その面一状態に連続させることにより、握り持ち操作手の安全性を保つことが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係る扉用レバーハンドルの第1実施形態を示す斜面図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】図2の平面図である。
【図4】図2の底面図である。
【図5】図2の背面図である。
【図6】図2の右側面図である。
【図7】図2の左側面図である。
【図8】図3の8−8線断面図である。
【図9】図2の9−9線に沿う拡大断面図である。
【図10】扉用レバーハンドルの取り付け使用状態を示す斜面図である。
【図11】図10における扉用レバーハンドルの拡大正面図である。
【図12】図11の12−12線断面図である。
【図13】本発明に係る扉用レバーハンドルの第2実施形態を示す斜面図である。
【図14】図13の拡大断面図である。
【図15】本発明に係る扉用レバーハンドルの第3実施形態を示す斜面図である。
【図16】図15の拡大断面図である。
【図17】本発明に係る扉用レバーハンドルの第4実施形態を示す斜面図である。
【図18】図17の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0054】
(11)・芯棒
(12)・化粧カバー
(13)・円弧凸曲面
(14)・円盤
(15)・化粧台座
(16)・軸穴
(17)・ラッチ操作軸
(18)・ピン挿入穴
(19)・円弧凸曲面
(20)・ネジ穴
(21)・円弧凸曲片
(22)(22a)(22b)(22c)(22d)・光反射面
(23)・差込み溝
(24)・ビス挿入穴
(25)・固定ビス
(26)・凹段面
(27)・フラット面
(A)・扉用レバーハンドル
(B)・取付ブラケット
(D)・扉
(G)・握りバー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内の扉(D)に対する取付ブラケット(B)と、その取付ブラケット(B)の頭部から扉(D)に沿って張り出し延在する一定長さ(L)の握りバー(G)とを備えた扉用レバーハンドル(A)において、
上記握りバー(G)を芯棒(11)とその別個な化粧カバー(12)に分割して、その芯棒(11)をステンレス鋼やアルミ合金などの金属から、上記取付ブラケット(B)と連続一体に造形する一方、
上記化粧カバー(12)を着色顔料が含有された光透過性の合成樹脂から、上記芯棒(11)と対応する断面U字型や中空などの差込み溝(23)が開口延在する丸棒状に一体成形すると共に、
その化粧カバー(12)における差込み溝(23)の差し込み嵌合によって被覆されることとなる芯棒(11)の表面を、シルバーメタリック調又はゴールドメタリック調の光反射面(22)(22a)(22b)(22c)(22d)として仕上げ処理し、
上記握りバー(G)に当たる光の方角やこれを見る方角により、その化粧カバー(12)における着色カラーの濃淡度又は明暗度が自づと変化するように定めたことを特徴とする扉用レバーハンドル。
【請求項2】
取付ブラケット(B)をその頭部が円弧凸曲面(13)として丸味のある角柱型に造形し、
その取付ブラケット(B)の頭部から上記円弧凸曲面(13)と面一な円弧凸曲面(19)を備えた断面長方形の角棒状芯棒(11)を、連続一体に張り出し延在させると共に、
上記芯棒(11)との対応的な断面U字型として化粧カバー(12)に開口延在する差込み溝(23)を、上記芯棒(11)の底側から差し込み嵌合して、その化粧カバー(12)を複数の固定ビス(25)により、上記芯棒(11)との全体的な丸棒型に組み立て一体化したことを特徴とする請求項1記載の扉用レバーハンドル。
【請求項3】
角棒状芯棒(11)の円弧凸曲面(19)を除くフラットな3辺面を、メッキや塗装、真空蒸着などの表面処理により、シルバーメタリック調又はゴールドメタリック調の光反射面(22a)(22b)(22c)として仕上げたことを特徴とする請求項2記載の扉用レバーハンドル。
【請求項4】
角棒状芯棒(11)の張り出し先端部だけに、頭部の円弧凸曲面(19)とほぼ対称な円弧凸曲片(21)を突設する一方、
その芯棒(11)の円弧凸曲片(21)と嵌合する凹段面(26)を、化粧カバー(12)における差込み溝(23)の溝底面に対応形成して、
その化粧カバー(12)が上記芯棒(11)の長手方向に沿って抜け出すことを防止したことを特徴とする請求項2記載の扉用レバーハンドル。
【請求項1】
屋内の扉(D)に対する取付ブラケット(B)と、その取付ブラケット(B)の頭部から扉(D)に沿って張り出し延在する一定長さ(L)の握りバー(G)とを備えた扉用レバーハンドル(A)において、
上記握りバー(G)を芯棒(11)とその別個な化粧カバー(12)に分割して、その芯棒(11)をステンレス鋼やアルミ合金などの金属から、上記取付ブラケット(B)と連続一体に造形する一方、
上記化粧カバー(12)を着色顔料が含有された光透過性の合成樹脂から、上記芯棒(11)と対応する断面U字型や中空などの差込み溝(23)が開口延在する丸棒状に一体成形すると共に、
その化粧カバー(12)における差込み溝(23)の差し込み嵌合によって被覆されることとなる芯棒(11)の表面を、シルバーメタリック調又はゴールドメタリック調の光反射面(22)(22a)(22b)(22c)(22d)として仕上げ処理し、
上記握りバー(G)に当たる光の方角やこれを見る方角により、その化粧カバー(12)における着色カラーの濃淡度又は明暗度が自づと変化するように定めたことを特徴とする扉用レバーハンドル。
【請求項2】
取付ブラケット(B)をその頭部が円弧凸曲面(13)として丸味のある角柱型に造形し、
その取付ブラケット(B)の頭部から上記円弧凸曲面(13)と面一な円弧凸曲面(19)を備えた断面長方形の角棒状芯棒(11)を、連続一体に張り出し延在させると共に、
上記芯棒(11)との対応的な断面U字型として化粧カバー(12)に開口延在する差込み溝(23)を、上記芯棒(11)の底側から差し込み嵌合して、その化粧カバー(12)を複数の固定ビス(25)により、上記芯棒(11)との全体的な丸棒型に組み立て一体化したことを特徴とする請求項1記載の扉用レバーハンドル。
【請求項3】
角棒状芯棒(11)の円弧凸曲面(19)を除くフラットな3辺面を、メッキや塗装、真空蒸着などの表面処理により、シルバーメタリック調又はゴールドメタリック調の光反射面(22a)(22b)(22c)として仕上げたことを特徴とする請求項2記載の扉用レバーハンドル。
【請求項4】
角棒状芯棒(11)の張り出し先端部だけに、頭部の円弧凸曲面(19)とほぼ対称な円弧凸曲片(21)を突設する一方、
その芯棒(11)の円弧凸曲片(21)と嵌合する凹段面(26)を、化粧カバー(12)における差込み溝(23)の溝底面に対応形成して、
その化粧カバー(12)が上記芯棒(11)の長手方向に沿って抜け出すことを防止したことを特徴とする請求項2記載の扉用レバーハンドル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2008−215000(P2008−215000A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−55633(P2007−55633)
【出願日】平成19年3月6日(2007.3.6)
【出願人】(593121634)双葉実業株式会社 (12)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月6日(2007.3.6)
【出願人】(593121634)双葉実業株式会社 (12)
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