説明

手ぶれ防止装置

【課題】第一リンケージと第一弾性部材を有する手ぶれ防止装置を提供する。
【解決手段】第一リンケージセットはフレーム上に設けられ、第一リンケージセットは第一方向上の第一リンケージを有し、第一弾性部材は光学素子セットを第一リンケージに対して密接に当接させ、光学素子セットを第一方向に沿って移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手ぶれ防止装置に関し、より詳しくは、撮影装置に応用される手ぶれ防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の発展にともない、各種小型のデジタルカメラが一般消費者に普及している。写真撮影を行う時に、ユーザーの手が振れることや、呼吸による振動によって、揺れが発生することはよくあることで、これは写真の品質に影響を及ぼしてしまう。このため、振動により、撮影品質の低下を避けるための手ぶれ防止装置はデジタルカメラにおいて、ほぼ必須の機能となっている。手ぶれ防止装置はデジタルカメラに応用されるだけでなく、例えば、携帯電話や、個人用の携帯情報末端(PDA)など各種のデジタル製品にも応用されている。
【0003】
手ぶれ防止装置は光学素子セットの移動により、外部の振動を補正し、結像品質の最適化を達成する。デジタルカメラの小型化に伴い、手ぶれ防止装置もさらに小型化させる必要があり、これにより、消費者のニーズに応えることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した従来の技術では、手ぶれ防止装置の構造は複雑になり、体積は比較的大きく、小型化を行うことが簡単ではないといった問題があった。
【0005】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものである。上記課題解決のため、本発明は、消費者のニーズに応える手ぶれ防止装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る手ぶれ防止装置は、
手ぶれ防止装置であって、
フレームに設けられ、第一方向上に位置づけられる第一リンケージを有する第一リンケージセットと、
光学素子セットを前記第一リンケージに対して密接に当接させ、これにより、光学素子セットを第一方向に沿って移動させる第一弾性部材と、
を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、消費者のニーズに応える手ぶれ防止装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の好ましい実施形態に係る手ぶれ防止装置の概略図及び、俯瞰図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態に係る手ぶれ防止装置の俯瞰図である。
【図3】図2の動力源を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を参照して本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
【0010】
図1は本発明の好ましい実施形態に係る手ぶれ防止装置200を示す概略図であり、図2は本発明の好ましい実施形態に係る俯瞰図である。
図2に示すように、手ぶれ防止装置200は第一リンケージセット210と、第一弾性部材231を含む。
第一リンケージセット210はフレーム220上に設けられ、第一リンケージセット210は第一リンケージ211を含み、第一リンケージ211は第一方向Yに位置づけられる。
また、第一弾性部材231は光学素子セット240を第一リンケージ211に対して密接に当接させ、これにより、光学素子セット240を第一方向Yに沿って移動させ、第一リンケージ211が移動する時、第一リンケージ211は光学素子セット240が第二方向Xに沿って移動するように動かし、ここでは、光学素子セット240とは映像センサーや、レンズセットである。
これ以外に、図1に示すように、手ぶれ防止装置200はカバー223を含み、光学素子セット240はカバー223とフレーム220の間をスライドする。
【0011】
本実施形態によれば、第一リンケージセット210は第二リンケージ212を含み、これら第二リンケージ212はそれぞれ第一リンケージ211にピボットされ、第一リンケージ211と、これらの第二リンケージ212と、フレーム220によって、四個のリンケージ構造が形成される。
本実施形態では、手ぶれ防止装置200はさらに、動力源250を含み、動力源250は第一リンケージ211を動かし、動力源250と第一リンケージ211の間はスライド式で接触している。これ以外に、手ぶれ防止装置200はさらに第一センサー213を含み、第一センサー213は第一リンケージ211の位置を検知する。
【0012】
本実施形態によれば、手ぶれ防止装置200はさらに第二リンケージセット260と第二弾性部材232を含む。
第二リンケージセット260はフレーム220上に設けられ、第二リンケージセット260は第三リンケージ261を有し、第三リンケージ261は第二方向Xに位置づけられる。
また、第二弾性部材232は光学素子セット240を第三リンケージ261に対して密接に当接させ、これにより、光学素子セット240を第二方向Xに沿って移動させ、第三リンケージ261が移動する時、第三リンケージ261は光学素子セット240が第二方向Yに沿って移動するように動かし、ここでは、第二方向Xは第一方向Yに対して垂直である。
本実施形態では、第二リンケージセット260は二つの第四リンケージ262を含み、これら第四リンケージ262はそれぞれ第三リンケージ261にピボットされ、第三リンケージ261と、これら第四リンケージ262と、フレーム220によって、四個のリンケージ構造が形成される。
これ以外に、手ぶれ防止装置200はさらに第二センサー263を含み、第二センサー263は第三リンケージ261の位置を検知する。
【0013】
上述の設計により、手ぶれ防止装置200は光学素子セット240の移動を利用し、外部の振動を補正させ、これにより、結像品質の最適化を達成させる。第一弾性部材231と第二弾性部材232は光学素子セット240を第一リンケージ211と第三リンケージ261に対して密接に当接させるため、光学素子セット240は第一方向Yと第二方向Xに沿って移動させられ、本発明の手ぶれ防止装置200はリニアベアリングや案内ロッドを用いて、光学素子セット240の移動方向を制御する必要がなく、このため、手ぶれ防止装置200は比較的小さい体積を有する。
【0014】
図3は図2中の動力源250を示す概略図である。動力源250はスライド250と駆動部材252を有し、スライド251は駆動部材252に接続され、駆動部材252はスライド251と第一リンケージ211の間のスライド式の接触により、第一リンケージ211を動かす。
ここでは、スライド251は案内部254を有し、フレーム220は案内溝221を有し、案内部254は案内溝221へと挿入され、スライドは直線方向にのみ移動可能にさせられる。
本実施形態によれば、駆動部材252はステッピングモーターであり、このステッピングモーターは回転軸253を有し、回転軸253は外部ねじを有し、スライド251は内部ねじを有し、回転軸253の外部ねじはスライド251の内部ねじに挿入され、回転軸253が回転する時、スライド251は直線に移動する。しかし、これに限られるわけではなく、駆動装置252はリニアモーターや、コイルなど直線運動を行う直線駆動装置を採用することも可能である。
【0015】
本発明の手ぶれ防止装置200によれば、リニアベアリングや、案内ロッドによって光学素子セット240の移動方向を制御する必要がなく、このため、手ぶれ防止装置200は比較的小さい体積を有し、手ぶれ防止装置200を有するデジタルカメラも比較的小さい体積を有し、消費者の小型デジタルカメラへのニーズを十分に満たすことが可能となる。
【0016】
上述の実施形態は本発明の技術思想及び特徴を説明するためのものにすぎず、当該技術分野を熟知する者に本発明の内容を理解させると共にこれをもって実施させることを目的とし、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。従って、本発明の精神を逸脱せずに行う各種の同様の効果をもつ改良又は変更は、後述の請求項に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0017】
200 手ぶれ防止装置
210 第一リンケージセット
211 第一リンケージ
212 第二リンケージ
213 第一センサー
220 フレーム
221 案内溝
223 カバー
231 第一弾性部材
232 第二弾性部材
240 光学素子セット
250 動力源
251 スライド
252 駆動部材
253 回転軸
254 案内部
260 第二リンケージセット
261 第三リンケージ
262 第四リンケージ
263 第二センサー
Y 第一方向
X 第二方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手ぶれ防止装置であって、
フレームに設けられ、第一方向上に位置づけられる第一リンケージを有する第一リンケージセットと、
光学素子セットを前記第一リンケージに対して密接に当接させ、これにより、前記光学素子セットを前記第一方向に沿って移動させる第一弾性部材と、を含むことを特徴とする、
手ぶれ防止装置。
【請求項2】
前記第一リンケージセットは、第二リンケージを含み、前記これらの第二リンケージはそれぞれ前記第一リンケージにピボットされ、前記第一リンケージと、前記これらの第二リンケージと、前記フレームによって、四個のリンケージ構造が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の手ぶれ防止装置。
【請求項3】
さらに、動力源を含み、前記動力源は前記第一リンケージを動かし、前記動力源と前記第一リンケージの間はスライド式で接触していることを特徴とする、請求項1に記載の手ぶれ防止装置。
【請求項4】
前記動力源はスライドと駆動部材を含み、前記スライドは前記駆動部材に接続し、前記駆動部材は前記スライドと第一リンケージの間のスライド式の接触を通じて、前記リンケージを動かすことを特徴とする、請求項3に記載の手ぶれ防止装置。
【請求項5】
前記スライドは案内部を有し、前記フレームは案内溝を有し、前記案内部は前記案内溝へと挿入され、前記スライドは直線方向にのみ移動可能にさせることを特徴とする、請求項4に記載の手ぶれ防止装置。
【請求項6】
前記駆動部材は回転軸を有し、前記回転軸は外部ねじを有し、前記スライドは内部ねじを有し、前記外部ねじは前記内部ねじへと挿入され、前記回転軸が回転する時、前記スライドは直線方向に移動することを特徴とする、請求項4に記載の手ぶれ防止装置。
【請求項7】
前記駆動部材はステッピングモーターであることを特徴とする、請求項6に記載の手ぶれ防止装置。
【請求項8】
前記駆動部材はリニアモーターか、コイルであることを特徴とする、請求項4に記載の手ぶれ防止装置。
【請求項9】
さらに、第二リンケージセットと、第二弾性部材を含み、前記第二リンケージセットは前記フレームに設けられ、前記第二リンケージセットは第二方向上に位置づけられる第三リンケージを有し、前記第二弾性部材は前記光学素子セットを前記第三リンケージに対して緊密に当接させ、これにより、前記光学素子セットは前記第二方向に沿って移動させられることを特徴とする、請求項1に記載の手ぶれ防止装置。
【請求項10】
前記第二方向は前記第一方向に対して垂直であることを特徴とする、請求項9に記載の手ぶれ防止装置。
【請求項11】
前記光学素子セットは映像センサーとレンズセットを含むことを特徴とする、請求項1に記載の手ぶれ防止装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−18368(P2012−18368A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−186165(P2010−186165)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【出願人】(510103336)佳能企業股▲分▼有限公司 (18)