手術装置
【課題】組織をクランプし、切断し、ステープリングするためのクランプ、切断、およびステープリング装置を提供すること。
【解決手段】手術装置は第一ジョーおよび第一ジョーと対向関係にある第二ジョーを含む。第一ドライバは、第一ジョーおよび第二ジョーの平面内における相対移動を引き起こすように構成される。第一ドライバは、前記平面に対して非平行な、例えば垂直な関係に配設された回転軸を中心に回転自在な駆動シャフトと係合するように構成される。装置はまた、第一ジョー内に配置された外科用部材、例えば切断およびステープリング要素をも含むことができる。第二ドライバは、前記平面に対して平行な方向の外科用部材の相対移動を引き起こすように構成される。第二ドライバは、前記平面に対して非平行な関係に配設された回転軸を中心に回転自在な駆動シャフトと係合するように構成される。
【解決手段】手術装置は第一ジョーおよび第一ジョーと対向関係にある第二ジョーを含む。第一ドライバは、第一ジョーおよび第二ジョーの平面内における相対移動を引き起こすように構成される。第一ドライバは、前記平面に対して非平行な、例えば垂直な関係に配設された回転軸を中心に回転自在な駆動シャフトと係合するように構成される。装置はまた、第一ジョー内に配置された外科用部材、例えば切断およびステープリング要素をも含むことができる。第二ドライバは、前記平面に対して平行な方向の外科用部材の相対移動を引き起こすように構成される。第二ドライバは、前記平面に対して非平行な関係に配設された回転軸を中心に回転自在な駆動シャフトと係合するように構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2002年1月8日に出願した米国特許出願第60/346,656号の利益を主張し、それを参照によって明示的に全体に本書に組み込まれる。
【0002】
本願は、2000年2月22日に出願の米国特許出願第09/510,923号、2000年11月28日に出願の米国特許出願第09/723,715号、2001年4月17日に出願の米国特許出願第09/836,781号、2001年6月22日に出願の米国特許出願第09/887,789号、および2001年12月4日に出願の米国特許出願第60/337,544号に関係し、各々を参照によって明示的に全体に本書に組み込まれる。
【0003】
本発明は手術装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、組織をクランプし、切断し、ステープリングするためのクランプ、切断、およびステープリング装置に関する。
【背景技術】
【0004】
文献は手術装置の記述が溢れている。これらの手術装置の幾つかが、シェストレム(Sjostrom)らの米国特許第4,705,038号、アムス(Ams)らの米国特許第4,995,877号、マラビー(Mallaby)らの米国特許第5,249,583号、バーン(Byrne)らの米国特許第5,395,033号、ツルタ(Tsuruta)らの米国特許第5,467,911号、全てフーベン(Hooven)の米国特許第5,383,880号、第5,518,163号、第5,518,164号、および第5,667,517号、ヤング(Young)らの米国特許第5,653,374号、アレシ(Alesi)らの米国特許第5,779,130号、およびバイオラ(Viola)らの米国特許第5,954,259号に記載されている。
【0005】
一型の手術装置として直線状ステープル装置があり、それは組織の一部分を切断してステープルするために使用されるギロチン型装置である。図1(a)は、米国特許第3,494,533号に記載されたそのような装置の一例を示す。図1(a)に示された装置は、相互に平行関係に移動する対向ジョーを含む。第一ジョーはその中に配置されたステープルの配列を有する一方、第二ジョーはステープルを受容して閉止するためのアンビルを提供する。第一ジョー内にステープルプッシャが配置され、第一ジョーの近端から第一ジョーの遠端まで延在する。第一ジョーおよびステープルプッシャに連結された駆動シャフトは、第一ジョーおよびステープルプッシャの移動平面内に配置される。起動されたときに、駆動シャフトは、第二ジョーのアンビルのステープルガイドに全てのステープルを同時に押し付けるように、ステープルプッシャを駆動する。
【0006】
手術装置の他の例が米国特許第4,442,964号、米国特許第4,671,445号、および米国特許第5,413,267号に記載されている。そのような外科用ステープラは、相互に平行関係に移動する対向ジョーを含み、第一ジョーはその中に配置されたステープルの配列を有する一方、第二ジョーはステープルを受容して閉止するためのアンビルを提供する。第一ジョー内にステープルプッシャが配置され、第一ジョーの近端から第一ジョーの遠端まで延在する。第一ジョーおよびステープルプッシャに連結された駆動シャフトは、第一ジョーおよびステープルプッシャの移動平面内に配置され、起動されたときに、駆動シャフトは、第二ジョーのアンビルのステープルガイドに全てのステープルを同時に押し付けるように、ステープルプッシャを駆動する。
【0007】
別の型の手術装置として、米国特許第6,264,087号に記載されているような直線状クランプ、切断、およびステープリング装置がある。そのような装置は、胃腸管の癌または異常組織を切除する外科的処置に使用することができる。従来の直線状クランプ、切断、およびステープリング器具を図1(b)の斜視図に示す。装置は、細長いシャフトおよび遠端部分を有するピストルグリップ式構造を含む。遠端部分は一対のはさみ型把持要素を含み、それは結腸の開口端を閉じた状態にクランプする。二つのはさみ型把持要素の一つ、アンビル部分は、構造全体に対して移動または枢動し、もう一つの把持要素は構造全体に対して固定される。このシザリング装置(scissoring device)の起動、すなわちアンビル部分の枢動は、ハンドルに配設されたグリップトリガによって制御される。シザリング装置に加えて、遠端部分にはステープリング機構も含まれる。シザリング機構の固定把持要素は、ステープルカートリッジ受容領域、およびアンビル部分に当てて組織のクランプされた端にステープルを打ち込むための機構を含み、それによって前に開口した端を密閉する。シザリング要素はシャフトと一体的に形成することができ、あるいは様々なシザリング要素およびステープリング要素を相互に交換することができるように着脱自在にすることができる。
【0008】
一般的に、これらの手術装置は次のように使用される。胃腸管における癌または他の異常組織の識別後(および癌組織が結腸内の位置にあることが突き止められた後)、患者の腹部が最初に切開されて腸が露出される。次いで外科医は結腸の管を癌組織の両側で切断し、腸の二つの開口端(肛門の方に向けられた遠端、および腸管下部に最も近い近端)をステープルで閉止する。この一時的閉止は、露出した腹部の腸内容物による汚染を最小限に止めるために行なわれる。さらに詳しくは、腸の二つの開口端のこの一時的閉止は、結腸が手術装置のジョーの間に配置されたときに達成される。第一駆動機構を起動させることによって、外科医はジョーを閉じる。次いで第二駆動機構が起動され、一連のステープルおよび切刃が結腸のクランプされた端に押し込まれ、それによって端が閉止されかつ離断される。この手順は一般的に、癌または異常組織の反対側で再度繰り返される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の手術装置の一つの問題は、装置が操縦しにくいことである。これらの装置は身体で、例えば患者の体内で使用されるので、装置は患者の体内で操縦されるように構成する必要がある。図1(a)および1(b)に示したような従来の手術装置は、特に患者の体内では操縦するのが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、その一実施形態例では、手術装置に関する。手術装置は第一ジョーおよび第一ジョーと対向関係の第二ジョーを含む。第一ドライバは、第一ジョーおよび第二ジョーの平面内の相対移動を引き起こすように構成される。第一ドライバは、前記平面に対して非平行な関係に配設された回転軸を中心に回転自在に駆動シャフトを係合するように構成される。手術装置はまた、第一ジョー内に配置された外科用部材をも含む。第二ドライバは、平面に平行な方向の外科用部材の相対移動を引き起こすように構成される。第二ドライバは、平面に対して非平行な関係に配設された回転軸を中心に回転自在に駆動シャフトを係合するように構成される。
【0011】
本発明の一実施形態例では、第一駆動ソケットは、電気機械的ドライバの第一および第二ジョーの平面に対してある角度で、例えば垂直に配設された第一の回転自在な駆動シャフトの一端に連結するように構成される。電気機械的ドライバは、第一の回転自在な駆動シャフトを回転するように構成される。第一の回転自在な駆動シャフトは、第一方向に回転してジョーを開き、第一方向とは反対の第二方向に回転してジョーを閉じる。第一ドライバは例えば、相互に回転歯車結合関係にある一対の平歯車、ウォーム、およびウォーム歯車を含むことができる。第一ドライバはまた、一つのウォーム歯車の一端に固定的に接続され第二ジョーの雌ねじ穴と係合する雄ねじをも含むことができ、歯車の回転はそれにより第一ジョーおよび第二ジョーの相対移動を引き起こす。
【0012】
上に示した通り、手術装置はまた、切断要素、例えばナイフ、および第一ジョー内に配置されたスラスト板に装着されたステープリング要素のような外科用部材をも含むことができる。この実施形態例では、第二ドライバは第一ジョー内に配置される。第二ドライバは、外科用部材を第一および第二ジョーの移動の平面に平行な方向に移動させるように構成される。第二ドライバは第二駆動ソケットを含み、それは前記平面に対してある角度で、例えば垂直に配設される。
【0013】
本発明の一実施形態例では、第二ドライバの第二駆動ソケットは、電気機械的ドライバの第一および第二ジョーの平面に対してある角度で、例えば垂直に配設された第二の回転自在な駆動シャフトの一端に連結するように構成される。電気機械的ドライバは、第二の回転自在な駆動シャフトを回転するように構成される。第二の回転自在な駆動シャフトは、第一方向に回転して外科用部材を下降させ、第一方向とは反対の第二方向に回転して外科用部材を上昇させる。第二ドライバは例えば、相互に回転歯車結合関係にある一対の平歯車、ウォーム、および一対のウォーム歯車を含むことができる。この対のウォーム歯車の各々は、外科用部材に固定的に接続された一対の雄ねじのそれぞれ一つと係合する、中央に配置された雌ねじ穴を持つ。歯車の回転は、外科用部材の相対移動を引き起こす。
(項目1)
第一ジョーと、
上記第一ジョーと対向する関係にある第二ジョーと、
上記第一ジョーおよび上記第二ジョーの平面内での相対移動を引き起こすように構成された第一ドライバであって、上記平面に対して非平行な関係に配設された回転軸を中心に回転自在な駆動シャフトと係合するように構成された第一ドライバと、
を含む手術装置。
(項目2)
上記第一ジョー内に配置された外科用部材と、
上記平面に平行な方向の上記外科用部材の相対移動を引き起こすように構成された第二ドライバであって、上記平面に対して非平行な関係に配設された回転軸を中心に回転自在な駆動シャフトを係合するように構成された第二ドライバと、
をさらに含む、項目1に記載の装置。
(項目3)
上記外科用部材が切断要素を含む、項目2に記載の装置。
(項目4)
上記外科用部材がステープリング要素を含む、項目2に記載の装置。
(項目5)
上記外科用部材がスラスト板を含み、そこに切断要素およびステープリング要素が装着される、項目2に記載の装置。
(項目6)
上記第一の回転自在な駆動シャフトを回転させるように較正された電気機械的ドライバをさらに含む、項目1に記載の装置。
(項目7)
上記第一の回転自在な駆動シャフトの回転軸が上記第一および第二ジョーの平面に対して垂直である、項目1に記載の装置。
(項目8)
上記第一の回転自在な駆動シャフトが第一方向に回転するとジョーの延長がもたらされ、上記第一方向とは反対の第二方向に回転すると上記ジョーの閉鎖がもたらされる、項目1に記載の装置。
(項目9)
上記第一ドライバが相互に回転歯車結合関係にある少なくとも二つの平歯車、ウォーム、およびウォーム歯車と、上記ウォーム歯車の一端に固定的に接続されかつ第二ジョーの雌ねじ穴と係合する雄ねじとを含み、それによって歯車の回転が第一ジョーおよび第二ジョーの相対移動を引き起こす、項目1に記載の装置。
(項目10)
上記第二の回転自在な駆動シャフトを回転させるように構成された電気機械的ドライバをさらに含む、項目2に記載の装置。
(項目11)
上記第二の回転自在な駆動シャフトの回転軸が上記第一および第二ジョーの上記平面に垂直である、項目2に記載の装置。
(項目12)
上記第二の回転自在な駆動シャフトが第一方向に回転すると上記外科用部材が延長し、上記第一方向とは反対の第二方向に回転すると上記外科用部材が後退する、項目11に記載の装置。
(項目13)
上記第二ドライバが相互におよび一対の追加的ウォーム歯車と回転歯車結合関係にある二つの平歯車およびウォームを含み、上記一対の追加的ウォーム歯車の各々が、上記外科用部材に固定的に接続された一対の雄ねじの一つと係合する中央に配置された雌ねじ穴を持ち、よって上記歯車の回転が上記外科用部材の相対移動を引き起こす、項目2に記載の装置。
(項目14)
上記第一ドライバを駆動するように適応された第一の回転自在な駆動シャフトと、上記第二ドライバを駆動するように適応された第二の回転自在な駆動シャフトとを含む電気機械的ドライバをさらに含む、項目2に記載の装置。
(項目15)
上記電気機械的ドライバが、上記第一および第二の回転自在な駆動シャフトの各々を駆動するように適応された少なくとも一つのモータ装置を含む、項目14に記載の装置。
(項目16)
上記電気機械的ドライバが、上記第一の回転自在な駆動シャフトを駆動するように適応された第一モータ装置と、上記第二の回転自在な駆動シャフトを駆動するように適応された第二モータ装置とを含む、項目15に記載の装置。
(項目17)
回転軸を中心に回転自在の第一駆動シャフトと、
第一ジョーと、
上記第一ジョーと対向する関係にある第二ジョーと、
上記第一の回転自在な駆動シャフトの回転に従って、上記回転軸とは非平行な関係に配設される平面内で、上記第一ジョーおよび上記第二ジョーの平面内での相対移動を引き起こすように構成された第一ドライバと、
を含む手術装置。
(項目18)
上記第一ジョー内に配置された外科用部材と、
上記平面に平行な方向の上記外科用部材の相対移動を引き起こすように構成された第二ドライバであって、上記平面に対して非平行な関係に配設された回転軸を中心に回転自在な駆動シャフトを係合するように構成された第二ドライバと、
をさらに含む、項目17に記載の装置。
(項目19)
上記外科用部材が切断要素を含む、項目18に記載の装置。
(項目20)
上記外科用部材がステープリング要素を含む、項目18に記載の装置。
(項目21)
上記外科用部材がスラスト板を含み、そこに切断要素およびステープリング要素が装着される、項目18に記載の装置。
(項目22)
上記第一の回転自在な駆動シャフトを回転させるように構成された電気機械的ドライバをさらに含む、項目17に記載の装置。
(項目23)
上記第一の回転自在な駆動シャフトの回転軸が上記第一および第二ジョーの上記平面に垂直である、項目17に記載の装置。
(項目24)
上記第一の回転自在な駆動シャフトが第一方向に回転するとジョーの延長がもたらされ、上記第一方向とは反対の第二方向に回転すると上記ジョーの閉鎖がもたらされる、項目23に記載の装置。
(項目25)
上記第一ドライバが相互に回転歯車結合関係にある少なくとも二つの平歯車、ウォーム、およびウォーム歯車と、上記ウォーム歯車の一端に固定的に接続されかつ第二ジョーの雌ねじ穴と係合する雄ねじとを含み、それによって歯車の回転が第一ジョーおよび第二ジョーの相対移動を引き起こす、項目17に記載の装置。
(項目26)
上記第二の回転自在の駆動シャフトを回転させるように構成された電気機械的ドライバをさらに含む、項目18に記載の装置。
(項目27)
上記第二の回転自在な駆動シャフトの回転軸が上記第一および第二ジョーの上記平面に垂直である、項目26に記載の装置。
(項目28)
上記第二の回転自在な駆動シャフトが第一方向に回転すると上記外科用部材が延長し、上記第一方向とは反対の第二方向に回転すると上記外科用部材が後退する、項目27に記載の装置。
(項目29)
上記第二ドライバが相互におよび一対の追加的ウォーム歯車と回転歯車結合関係にある二つの平歯車およびウォームを含み、上記一対の追加的ウォーム歯車の各々が、上記外科用部材に固定的に接続された一対の雄ねじの一つと係合する中央に配置された雌ねじ穴を持ち、それによって上記歯車の回転が上記外科用部材の相対移動を引き起こす、項目18に記載の装置。
(項目30)
上記第一ドライバを駆動するように適応された第一の回転自在な駆動シャフトと、上記第二ドライバを駆動するように適応された第二の回転自在な駆動シャフトとを含む電気機械的ドライバをさらに含む、項目18に記載の装置。
(項目31)
上記電気機械的ドライバが、上記第一および第二の回転自在な駆動シャフトの各々を駆動するように適応された少なくとも一つのモータ装置を含む、項目30に記載の装置。
(項目32)
上記電気機械的ドライバが、上記第一の回転自在な駆動シャフトを駆動するように適応された第一モータ装置と、上記第二の回転自在な駆動シャフトを駆動するように適応された第二モータ装置とを含む、項目31に記載の装置。
(項目33)
上記モータシステムを制御するように構成された制御システムをさらに含む、項目31に記載の装置。
(項目34)
上記制御システムがハウジング内に配置された、項目33に記載の装置。
(項目35)
上記制御システムと通信して上記制御システムを介して上記モータシステムを制御するように構成された遠隔制御装置をさらに含む、項目34に記載の装置。
(項目36)
上記遠隔制御装置がワイヤード遠隔制御装置およびワイヤレス遠隔制御装置の少なくとも一つを含む、項目35に記載の装置。
(項目37)
上記第一の回転自在な駆動シャフトに対応するセンサをさらに含み、上記センサが上記第一の回転自在な駆動シャフトの回転に応答してそれに対応する信号を出力する、項目33に記載の装置。
(項目38)
上記制御システムが、上記センサの出力信号に基づいて、上記第一の回転自在な駆動シャフトの回転位置および回転方向の少なくとも一つを決定するように構成される、項目37に記載の装置。
(項目39)
上記制御システムが第一メモリユニットを含む、項目33に記載の装置。
(項目40)
上記第一メモリユニットが複数の動作プログラムを格納するように構成され、上記動作プログラムの少なくとも一つが細長いシャフトの遠端に取り付けられた切断およびステープリング装置に対応する、項目39に記載の装置。
(項目41)
上記制御システムが、細長いシャフトの遠端に取り付けられた外科用器具を切断およびステープリング装置と認識するように構成され、上記切断およびステープリング装置が、上記細長いシャフトの遠端に取り付け可能な複数の型の外科用器具の一つであり、上記第一制御システムが上記メモリユニットからの上記切断およびステープリング装置に対応する動作プログラムの読出しおよび選択の少なくとも一つを行なうように構成された、項目40に記載の装置。
(項目42)
上記制御システムが、上記切断およびステープリング装置内に配置された第二メモリユニットから読み出されたデータに従って、上記細長いシャフトに取り付けられた外科用器具の型として切断およびステープリング装置を認識するように構成された、項目41に記載の装置。
(項目43)
上記細長いシャフト内に配置されたデータケーブルをさらに含み、上記データケーブルが論理的かつ電気的に上記制御システムと結合され、かつ上記第二メモリユニットと論理的かつ電気的に結合可能である、項目42に記載の装置。
(項目44)
モータと、
上記モータによって回転軸を中心に回転自在な第一駆動シャフトと、
第一ジョーと、
上記第一ジョーと対向する関係にある第二ジョーと、
上記第一の回転自在な駆動シャフトの回転に従って、上記第一ジョーおよび上記第二ジョーの平面内での相対移動を引き起こすように構成された第一ドライバであって、上記平面と上記回転軸が非平行な関係に構成された第一ドライバと、
を含む手術装置。
(項目45)
回転軸を中心に第一駆動シャフトを回転させるステップと、
上記第一の回転自在な駆動シャフトの回転に従って、上記回転軸とは非平行な関係に配設される平面内で第一ジョーと第二ジョーを相互に相対的に移動させるステップと、
を含む手術装置の作動方法。
(項目46)
回転軸を中心に第二駆動シャフトを回転させるステップと、
上記第二の回転自在な駆動シャフトの回転に従って、上記第一ジョー内に配置された外科用部材を上記平面と平行な方向に移動させるステップと、
をさらに含む、項目45に記載の方法。
(項目47)
回転軸を中心に第二駆動シャフトを回転させるステップと、
上記第二の回転自在な駆動シャフトの回転に従って、上記第一ジョー内に配置された外科用部材であって、切断要素がそこに取り付けられた外科用部材を、上記平面と平行な方向に移動させるステップと、
をさらに含む、項目45に記載の方法。
(項目48)
回転軸を中心に第二駆動シャフトを回転させるステップと、
上記第二の回転自在な駆動シャフトの回転に従って、上記第一ジョー内に配置された外科用部材であって、ステープリング要素がそこに取り付けられた外科用部材を、上記平面と平行な方向に移動させるステップと、
をさらに含む、項目45に記載の方法。
(項目49)
上記第一ジョーおよび第二ジョーが平面内で相互に対して移動し、上記平面が上記回転軸に対して垂直な関係に配設される、項目45に記載の方法。
(項目50)
上記外科用部材が上記平面に平行な方向に移動し、上記平面が上記回転軸に対して垂直な関係に配設される、項目46に記載の方法。
(項目51)
上記第一の回転自在な駆動シャフトが電気機械的ドライバによって回転される、項目45に記載の方法。
(項目52)
上記第二の回転自在な駆動シャフトが電気機械的ドライバによって回転される、項目46に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1(a)】従来の手術装置の側面図。
【図1(b)】従来の直線状クランプ、切断、およびステープリング装置の斜視図。
【図2】本発明の一実施形態例に係る電気機械的手術システムの斜視図。
【図3】延長位置にある本発明の一実施形態例に係る切断およびステープリングアタッチメントの側面図。
【図4】後退位置にある図3に示した切断およびステープリングアタッチメントの側面図。
【図5】後退位置にある図3および4に示した切断およびステープリングアタッチメントの側面図。
【図6】後退位置にある図3から5に示した切断およびステープリングアタッチメントの側面図。
【図7】図3および4に示した切断およびステープリングアタッチメントの平面図。
【図8(a)】本発明の一実施形態例に係る切断およびステープリングアタッチメントの分解組立図。
【図8(b)】本発明の別の実施形態例に係る切断およびステープリングアタッチメントの分解組立図。
【図9(a)】図8(a)に示した切断およびステープリングアタッチメントの斜視図。
【図9(b)】図8(b)に示した切断およびステープリングアタッチメントの斜視図。
【図10】図2に示した電気機械的手術装置の可撓性シャフトの部分断面側面図。
【図11】図10に示した線11−11に沿って切った可撓性シャフトの断面図。
【図12】図10に示した可撓性シャフトの第一継手の後端面図。
【図13】図10に示した可撓性シャフトの第二継手の前端面図。
【図14】図2に示した電気機械的手術システムのモータ装置の略図。
【図15】図2に示した電気機械的手術システムの略図。
【図16】図10に示した可撓性シャフトの符号器の略図。
【図17】本発明の一実施形態例に係る直線状クランプ、切断、およびステープリング装置の記憶装置の略図。
【図18】図2に示した電気機械的手術システムのワイヤレス遠隔制御装置の略図。
【図19】図2に示した電気機械的手術システムのワイヤード遠隔制御装置の略図。
【図20(a)】本発明の一実施形態例に係る手術装置の操作中に実行されるステップの主動作プログラムのフローチャート。
【図20(b)】本発明の一実施形態例に係る手術装置の操作中に実行されるステップの主動作プログラムのフローチャート。
【図20(c)】本発明の一実施形態例に係る手術装置の操作中に実行されるステップの主動作プログラムのフローチャート。
【図21(a)】本発明の一実施形態例に係る図20(a)から20(c)に示した主動作プログラムのジョー閉ルーチンのフローチャート。
【図21(b)1】本発明の一実施形態例に係る図20(a)から20(c)に示した主動作プログラムのジョー閉ルーチンのフローチャート。
【図21(b)2】本発明の一実施形態例に係る図20(a)から20(c)に示した主動作プログラムのジョー閉ルーチンのフローチャート。
【図21(c)】本発明の一実施形態例に係る図20(a)から20(c)に示した主動作プログラムのジョー閉ルーチンのフローチャート。
【図22(a)】本発明の一実施形態例に係る図20(a)から20(c)に示した主動作プログラムの較正ルーチンのフローチャート。
【図22(b)】本発明の一実施形態例に係る図20(a)から20(c)に示した主動作プログラムの較正ルーチンのフローチャート。
【図22(c)】本発明の一実施形態例に係る図20(a)から20(c)に示した主動作プログラムの較正ルーチンのフローチャート。
【図23】本発明の一実施形態例に係る図20(a)から20(c)に示した主動作プログラムのジョー開ルーチンのフローチャート。
【図24(a)】本発明の一実施形態例に係る図20(a)から20(c)に示した主動作プログラムのクランプ、切断、およびステープリングルーチンのフローチャート。
【図24(b)】本発明の一実施形態例に係る図20(a)から20(c)に示した主動作プログラムのクランプ、切断、およびステープリングルーチンのフローチャート。
【図24(c)】本発明の一実施形態例に係る図20(a)から20(c)に示した主動作プログラムのクランプ、切断、およびステープリングルーチンのフローチャート。
【図25(a)】本発明の一実施形態例に係る図20(a)から20(c)に示した主動作プログラムの試験ルーチンのフローチャート。
【図25(b)】本発明の一実施形態例に係る図20(a)から20(c)に示した主動作プログラムの試験ルーチンのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る手術装置11の一実施形態例を図3から7に示す。図3および4を参照すると、手術装置11の実施形態例、例えばクランプ、切断、およびステープリング装置が示されている。この実施形態例では、手術装置11は、第一ジョー80と対向関係にある第二ジョー50を有する平行な分離ジョーシステムを含む。第二ジョー50の第一端50aは、第一ジョー80の第一端80aに機械的に連結される。対向するジョー50および80は、相互に平行に維持することができる。代替的に、対向するジョー50および80ははさみのような方式で開閉することができ、その場合、第二ジョー50および第一ジョー80の第一端50aおよび80aは、第一ジョー80が第二ジョー50に回転自在に連結されるように、ヒンジまたは他の回転要素によって機械的に接続される。
【0016】
図3は、第二ジョー50および第一ジョー80がそれらの第一端50aおよび80aで相互に接触している、開位置にある手術装置11を示す。第一ジョー80および第二ジョー50は、図3に示すxおよびy軸によって画定される長手方向平面内に維持されその中で移動する。第一ジョー80aの側面にはギヤハウジング255が装着される。ギヤハウジング255は、分かり易くするために概略的に図示されている第一ドライバ150に連結された第一駆動ソケット180を含む。第一ドライバは、第二ジョー50の第一端50aに連結されて、第一ジョー80および第二ジョー50を開閉させる。加えて、ギヤハウジング255は第二駆動ソケット310をも含む。
【0017】
図4は、閉位置にある手術装置11を示す。閉位置では、第二ジョー50および第一ジョー80はそれらの第一端50aおよび80a、およびそれらの第二端50aおよび50bでも相互に接触する。閉位置では、組織の一部分が第二ジョー50と第一ジョー80との間でクランプされる。
【0018】
図5および6もまた、閉位置にある手術装置11を示す。図5および6は、概略的に図示する第二ドライバ261に連結されたギヤハウジング255の第二駆動ソケット310を示す。第二ドライバ261は外科用部材262に連結される。外科用部材262は切断およびステープリングアセンブリ262を含むことができるが、他の型の外科用部材を設けることができる。
【0019】
第二ドライバ261は、切断およびステープリングアセンブリ262に連結されて、切断およびステープリングアセンブリ262を図5に示す第一後退位置から図6に示す第二延長位置に移動させる。二つの駆動ソケット、例えば第一駆動ソケット180および第二駆動ソケット310、ならびに二つの対応する駆動シャフト、例えば第一駆動シャフト630および第二駆動シャフト632が図示されているが、任意の適切な個数の駆動ソケットおよび駆動シャフトを設けることが可能である。例えば、単一の駆動シャフトを設けて手術装置を駆動することができる。
【0020】
図7は、図3から6に示した手術装置11の平面図である。図7は、電気機械的ドライバ構成部品610に例えば着脱自在または永久的に連結された手術装置11を示す。図7は、第一駆動ソケット180を介して第一駆動シャフト630によってシステム610の第一モータ680に連結された第一ドライバ150を含む手術装置11を示す。第一ドライバ150は、システム610によって係合されたときに、第一ジョー80を第二ジョー50に対して開閉するように動作する。加えて、図7は、第二駆動ソケット310を介して第二駆動シャフト632によってシステム610の第二モータ676に連結された第二ドライバ261を含む手術装置11を示す。第二ドライバ261は、システム610によって係合されたときに、切断およびステープリングアセンブリ262を駆動するように動作する。図7に示す通り、第一駆動ソケット180および第二駆動ソケット310は、第一駆動シャフト630および第二駆動シャフト632が、図3に示したx−y面に対してある角度で、例えば垂直に手術装置11に連結されるように、手術装置11に配置される。すなわち、第一駆動シャフト630および第二駆動シャフト632は、図7に示すz軸の方向に手術装置11に連結される。
【0021】
図8(a)は、本発明の一実施形態例に係る手術装置11の分解組立図であり、図9(a)は組み立てられた手術装置11の斜視図である。この実施形態例では、第二ジョー50は、固締具527、例えばリベットによって、アンビルフィラ509に連結されたアンビル505を含む。アンビル505は、その上端5052に縦方向に配置された雌ねじ穴5051を含む。加えて、アンビル505は、第一ジョー80に対向関係にあるアンビル505の領域5054に沿って平行に配置された構成内に複数のステープルガイド5053を含む。複数のステープルガイド5053の間にはナイフパッド520が配置される。
【0022】
第一ジョー80はハウジングフレーム506を含む。ハウジングフレーム506は一対の内部に配置されたガイド5061を含み、それに沿ってアンビル505の一対のリブ5055が移動することができるので、ハウジングフレーム506はアンビル505と平行に、かつそれと対向関係に移動することができる。ギヤハウジング255は、ハウジングフレーム506の一側面5062に、固締具533および534、例えばねじを介して装着される。
【0023】
速結継手511がギヤハウジング255に装着され、一組のばね538を介して偏倚される。ギヤハウジング255は第一駆動ソケット180および第二駆動ソケット310を含む。この実施形態例では、第一駆動ソケット180は第一ピニオン508aを含み、その一端5081はギヤハウジング255の開口2551を貫通し、その他端5082は平歯車歯5083を含む。第二駆動ソケット310は第二ピニオン508bを含み、その一端5084はギヤハウジング255の第二開口2552を貫通し、その他端5085は平歯車歯5086を含む。メモリモジュール501がギヤハウジング255内に配設され、ギヤハウジング255の開口2553を貫通するかまたはそこからアクセス可能なコネクタ2554を含む。メモリモジュール501は、内側シム530および外側シム531によってギヤハウジング255内の所定の位置に維持される。メモリモジュール501はまた、ばね539によってその位置に偏倚される。
【0024】
第一および第二ピニオン508aおよび508bの各々は、それぞれの平歯車529aおよび529bと係合する。第一平歯車529aは、第一ウォーム523aの一端5231と回転不能に係合する内穴5293を含む。第二平歯車529bは、第二ウォーム523bの一端5234と回転不能に係合する内穴5294を含む。図8(a)に示すように、穴5293および5294ならびに端5231、5234は例えば方形とすることができる。穴5293、5294および端5231、5234は、それらの間で回転不能な係合を達成する任意の形状または構成を持つことができることを理解されたい。
【0025】
この実施形態例では、第一ウォーム523aは、第一平歯車529aの内穴5293と回転不能に係合する一端5231、および周方向に配置されたねじ山5233を含む第二端5232を有する。第二ウォーム523bは、第二平歯車529bの内穴5294と回転不能に係合する一端5234、および周方向に配置されたねじ山5236を含む第二端5235を有する。第一ウォーム523aの第二端5232はフレームハウジング506内に配置され、ウォーム523aの端5231はフレームハウジング506の側面の穴5063を貫通して、ギヤハウジング255の第一平歯車529aと係合する。第二ウォーム523bの第二端5235はフレームハウジング506内に配置され、ウォーム523bの端5234はフレームハウジング506の側面の穴5064を貫通して、ギヤハウジング255の第二平歯車529bと係合する。
【0026】
フレームハウジング506内にはウォーム歯車522も配置される。ウォーム歯車522は、ウォーム523aの第二端5232のねじ山5233と係合する、周方向に配置された歯5221を有する。ウォーム歯車522は、ねじ521が貫通配置される内穴5222を含む。ねじ521は、ウォーム歯車522の内穴5222と回転不能に係合する部分5212を持つ頭5211を有する。内穴5222およびねじ521の部分5212は相補的な例えば方形とすることができる。ねじ521はまた、座金537および受板535の穴5351を貫通する頭5211の部分5213をも含む。ねじ521はまた、アンビル505の雌ねじ穴5051と係合する雄ねじ5214をも有する。
【0027】
ウォーム歯車516およびウォーム歯車517はフレームハウジング506内に配置される。ウォーム歯車516およびウォーム歯車517は、ウォーム523bの両側に配置される。特に、ウォーム歯車516はウォーム523bの第一側と係合する周方向に配置された歯車歯5161を含み、ウォーム歯車517はウォーム523bの第二側と係合する周方向に配置された歯車歯5171を含む。ウォーム歯車516は、受板535の穴5352を貫通する筒形突起5162を含む。保持リング536aは、ウォーム歯車516が受板535に対しその縦方向中心軸5165を中心に回転自在となるように、筒形突起5162の溝5163と係合する。ウォーム歯車517は、受板535の穴5353を貫通する筒形突起5172を含む。保持リング536bは、ウォーム歯車517が受板535に対しその縦方向中心軸5175を中心に回転自在となるように、筒形突起5172の溝5173と係合する。
【0028】
雄ねじ504は、ウォーム歯車516の雌ねじ穴5164内に配置される。雄ねじ503は、ウォーム歯車517の雌ねじ穴5174内に配置される。ウォーム歯車516および517はウォーム523bの両側に配置されて係合するので、ウォーム歯車516および517の雌ねじ穴5164および5174は、雄ねじ504および503と同様に、相互に対して反対にねじ切りすることができる。図示した実施形態例では、ウォーム歯車516の雌ねじ穴5164は、ねじ504の右雄ねじと係合する右ねじを持つことができ、ウォーム歯車517の雌ねじ穴5174は、ねじ503の左雄ねじと係合する左ねじを持つことができる。ねじ503および504は両方とも、スラスト板502の上面5021に固定的に結合される。スラスト板502は、ハウジングフレーム506の両側面の間に配置される。
【0029】
ステープルプッシャ514はスラスト板502の底面5022に取り付けられる。ステープルプッシャ514は、下向きに配置された歯5143の平行な列5141および5142を含み、その各々がアンビル505のステープルガイド5053と対応しかつそれと整列する。下向きの切刃5191を有するナイフ519が、ステープルプッシャ514の下向きに配置された歯5143の平行な列の間に配置される。
【0030】
ステープルホルダ513がステープルプッシャ514の下に配置される。ステープルホルダ513は、各々がステープルプッシャ514の下向きに配置された歯5143およびアンビル505のステープルガイド5053に対応しかつそれらと整列する、縦方向に配置されたスロット5132を有するカートリッジを含む。プロング5281を含むステープル228が各スロット5132に提供される。ステープルホルダ513はまた長手方向に配置されたスロット5131をも含み、それはステープルホルダ513を貫通し、そこにナイフ519を通過させることができる。ステープルホルダ513は一端5134に隣接する穴5133を含む。
【0031】
ステープルリテーナ540は、フレームハウジング506の平行な下縁5066、またはステープルホルダ513の底面に取り付けられる。ステープルリテーナ540は、ステープル528をステープルホルダ513内に維持し、かつ手術装置11の輸送中にステープルホルダ513のスロット5132に異物が侵入するのを防止するために、ステープルホルダ513の底面を覆うように構成される。ステープルリテーナ540は、テーパ付きのまたは面取りされた縁5402を持つ貫通穴5401を有する。ステープルリテーナ540はまた、使用者によって把持されるように構成されたグリップ領域5403をも有する。
【0032】
ステープルホルダ513の一端5134に隣接するステープルホルダ513の穴5133は、ピン518の端5181を受容するように構成される。ピン518の端5181は、ステープルリテーナ540の貫通穴5401のテーパ縁5402に当接するようにテーパを付けられる。実施形態例では、ピン518は、ステープルホルダ513に対して垂直になるように、実質的に垂直位置に維持される。ピン518は、その反対側の端5184に、ばね524を受容するように構成された、中心に位置する内穴5183を含む。また、ピン518の端5184には、ピン518に垂直に取り付けられたレバー5182も位置する。ステープルホルダ540が手術装置11から取り外されると、ばね524はピン518の端5181をアンビル505のオリフィス5057内に偏倚させる。
【0033】
カートリッジキャップ515が、例えば溶接によって、フレームハウジング506の端5067に取り付けられる。カートリッジキャップ515のラッチ5151および5152は、ハウジングフレーム506の切欠き5068と係合する。カートリッジキャップ515はまた、ピン518を受容するように構成された内部配置穴5154をも含む。カートリッジキャップ515の穴5154はそれと連通するスロット5153を含み、該スロット5153はピン518のレバー5182を案内するように構成される。実施形態例では、カートリッジキャップ515の内部配置穴5154は、カートリッジキャップ515の頂面5155を貫通しない。代わりに、それはばね524を内部配置穴5154内に維持する。ばね524の偏倚力はピン518の端5181をステープルホルダ513の穴5133内に押し込み、スロット5132がステープルプッシャ514の下向きに配置された歯5143およびアンビル505のステープルガイド5053と整列するようにステープルホルダ513が配置されることを確実にしやすい。カートリッジキャップ515はまた、固締具507によってハウジングフレーム506に枢動自在に取り付けられたラッチ526によっても所定の位置に維持される。ハウジング頂部510は、ハウジングフレーム506の対向側面5062および5065の間に配設され、ハウジングフレーム506内の構成部品を保護する。
【0034】
図8(a)に示した実施形態例は、薄い平坦なステープルリテーナ540を含む。ステープルリテーナ540のこの構成は、例えば手術装置11が最初に使用者に出荷されるときに、手術装置が最初に閉位置に維持されたときに、第一ジョー80および第二ジョー50がステープルリテーナ540の両面に接触するように、ステープルホルダ513にステープル528を維持するように適応される。ステープルリテーナ540のこの構成は、輸送中にステープル528がステープルホルダ513内に維持され、かつステープル528およびアンビル505のステープルガイド5053の損傷を防止することを確実にする。しかし、本発明の別の実施形態例では、手術装置11は最初に開位置に維持することができる。図8(b)は、本発明の一実施形態例に係る手術装置11の分解組立図であり、図9(b)は、組み立てられた状態の図8(b)に示した手術装置11の斜視図である。さらに詳しくは、図8(b)は、例えば手術装置11が最初に使用者に出荷されるときに、第一ジョー80および第二ジョー50が離れるように、手術装置11を最初に維持するように構成されたステープルリテーナ525を有する手術装置11を示す。
【0035】
図8(b)に示す通り、ステープルリテーナ525はタブ5251を介してフレームハウジング506の平行な下縁5066に取り付けられ、輸送中にステープル528をステープルホルダ513内に維持し、かつステープル528およびアンビル505のステープルガイド5053の損傷を防止するように構成される。ステープルリテーナ525は、側縁5253aおよび5253bに沿って配置され、下方に延在する一対のガイド5254を含む。ガイド5254は、輸送中および取扱いプロセス中に、アンビル505の外部側面5056に接触して、第一ジョー80、例えば手術装置11のハウジングフレーム506等を第二ジョー50と平行関係に維持するように構成される。したがって、ガイド5254は、手術装置11が第一ジョー80および第二ジョー50を開位置にして輸送されるときに発生することのある、第一ジョー80および第二ジョー50のミスアラインメントを防止することができる。
【0036】
図3から9(b)に示した本発明の実施形態例は、ギロチン型構成のステープリングおよび切断要素を含むが、別の実施形態では、ステープリングおよび切断要素は手術装置11の近端と遠端の間を移動する。例えば、手術装置11の代替的実施形態例は、手術装置11の近端と遠端との間を移動するステープリングおよび切断要素に連結された歯車を含むことができ、該歯車は、第一ジョー80および第二ジョー50の移動平面に対して非平行の、例えば垂直の関係に連結された駆動シャフトによって駆動される。
【0037】
本発明の一実施形態例では、手術装置11は、電気機械的手術装置のアタッチメントとして構成することができ、あるいは電気機械的ドライバ構成部品610のように、電気機械的手術装置と一体化することができる。別の実施形態例では、手術装置は機械的ドライバシステムのアタッチメントとすることができ、あるいはそれと一体化することができる。
【0038】
図2は、本発明に係る電気機械的ドライバ構成部品610の実施形態例の斜視図である。そのような電気機械的ドライバ構成部品の例は、例えば米国特許出願第09/723,715号、米国特許出願第09/836,781号、米国特許出願第09/887,789号に記載されており、それらの各々を参照によって明示的に全体に本書に組み込まれる。電気機械的ドライバ構成部品610は、例えば遠隔電源盤612を含むことができ、それは正面パネル615を有するハウジング614を含む。正面パネル615にはディスプレイ装置616およびインジケータ618a、618bが装着される。可撓性シャフト620がハウジング614から延長することができ、第一継手622を介して着脱自在にそれに取り付けることができる。可撓性シャフト620の遠端624は、例えば上述した手術装置11を可撓性シャフト620の遠端624に着脱自在に取り付けるように適応された第二継手626を含むことができる。第二継手626はまた、異なる外科用器具またはアタッチメントを着脱自在に取り付けるように適応させることができる。別の実施形態例では、可撓性シャフト620の遠端624は永久的に外科用器具に取り付けるか、あるいはそれと一体化することができる。
【0039】
図10を参照すると、可撓性シャフト620の部分断面側面図が示されている。一実施形態例では、可撓性シャフト620は管状シース628を含み、それはその内部チャネル640と環境との間に流体密シールを提供するように構成されたコーティングまたは他のシーリング装置を含むことができる。シース628は、組織適合性の滅菌可能な弾性材料から形成することができる。シース628はまた、オートクレーブ処理可能な材料から形成することもできる。第一の回転自在の駆動シャフト630、第二の回転自在の駆動シャフト632、第一ステアリングケーブル634、第二ステアリングケーブル635、第三ステアリングケーブル636、第四ステアリングケーブル637、およびデータ転送ケーブル638が可撓性シャフト620の内部チャネル640内に配置され、その全長に沿って延在することができる。図11は、図10に示す線11−11に沿って切った可撓性シャフト620の断面図であり、幾つかのケーブル630、632、634、635、636、637、638をさらに示す。ステアリングケーブル634、635、636、637の各遠端は、可撓性シャフト620の遠端624に固定される。幾つかのケーブル630、632、634、635、636、637、638の各々をそれぞれのシース内に収容することができる。
【0040】
第一の回転自在の駆動シャフト630および第二の回転自在の駆動シャフト632は、例えば編組または螺旋状駆動ケーブルのような可撓性の高い駆動シャフトとして構成することができる。そのような可撓性の高い駆動ケーブルは、限定されたトルク伝達特性および能力を持つことを理解すべきである。また、手術装置11、または可撓性シャフト620に接続された他のアタッチメントが、駆動シャフト630、632によって伝達可能なトルクより高いトルクを必要とするかもしれないことも理解すべきである。したがって、駆動シャフト630、632は低トルクであるが高速度を伝達するように構成することができ、高速度/低トルクは、例えば手術装置もしくはアタッチメントおよび/または遠隔電源盤612内の可撓性駆動シャフト620の遠端および/または近端に配置された歯車構成体によって、低速度/高トルクに変換される。そのような歯車構成体は、ハウジング614内に配置されたモータと、取り付けられた外科用器具または可撓性シャフト620に接続された他のアタッチメントとの間のパワートレインに沿ったいずれかの適切な位置に設けることができることを理解すべきである。そのような歯車構成体は、例えば平歯車構成体、遊星歯車構成体、調和歯車構成体、およびサイクロイド駆動構成体、周転円歯車構成体等を含むことができる。
【0041】
次に、図12を参照すると、第一継手の後端面図が示されている。第一継手622は、各々第一継手622に回転自在に固定された第一コネクタ644、第二コネクタ648、第三コネクタ652、および第四コネクタ656を含む。コネクタ644、648、652、656の各々は、それぞれの凹所646、650、654、658を含む。図12に示すように、各凹所646、650、654、658は六角形の形状にすることができる。しかし、凹所646、650、654、658は、コネクタ644、648、652、656をハウジング612内に含まれるモータ装置のそれぞれの駆動シャフトに回転不能に連結しかつ不動に取り付けるように適応されたどんな形状および構成でも取ることができる。モータ装置のそれぞれの駆動シャフトに相補形の突起を設け、それによって可撓性シャフト620の駆動要素を駆動することができることを理解すべきである。また、凹所を駆動シャフトに設け、相補形の突起をコネクタ644、648、652、656に設けることができることも理解すべきである。コネクタ644、648、652、656およびモータ装置の駆動シャフトを回転不能かつ釈放自在に連結するように構成された、任意の他の連結構成体を設けることができる。
【0042】
コネクタ644、648、652、656の一つは第一駆動シャフト630に回転不能に固定され、コネクタ644、648、652、656の別の一つは第二駆動シャフト632に回転不能に固定される。コネクタ644、648、652、656の残りの二つは、ステアリングケーブル634、635、636、637に引張り力を加え、それによって可撓性シャフト620の遠端624を操縦するように構成された伝動要素と係合する。データ転送ケーブル638は電気的かつ論理的にデータコネクタ660に接続される。データコネクタ660は、例えば、データケーブル638に含まれる個々のワイヤの数に対応しかつ等しい個数の電気接点662を含む。第一継手622は、第一継手622をハウジング612内に配置された相手側の相補形連結構成体に適切に配向させるように構成された鍵構造642を含む。そのような鍵構造642は、第一継手622およびハウジング612に配置された相手側の相補形連結構成体のいずれか一方または両方に設けることができる。第一継手622は、単純な押込み移動によって第一継手622をハウジング612に係合することができる速結型コネクタを含むことができる。第一継手622の内部と環境との間の流体密シールを達成するために、幾つかのコネクタ644、648、652、656、660のいずれかに関連してシールを設けることができる。
【0043】
次に、図13を参照すると、可撓性シャフト620の第二継手626の前端面図が示されている。実施形態例では、第二継手626は第一コネクタ666および第二コネクタ668を含み、各々回転自在に第二継手626に固定され、かつ各々第一および第二駆動シャフト630、632のそれぞれ一つに回転不能に固定される。第二継手626には、装置11をそれに着脱自在に固定するために、速結型接続部品664が設けられる。速結型接続部品664は例えば、回転速結型接続部品、バイヨネット型接続部品等とすることができる。鍵構造674が第二継手626に設けられ、装置11を第二継手626に適切に位置合わせさせるように構成される。装置11を可撓性シャフト620に適切に位置合わせさせるように構成された鍵構造または他の構成体は、第二継手626および装置のいずれか一方または両方に設けることができる。加えて、速結型接続部品を図8(a)に示すように装置11に速結継手511として設けることができる。電気接点672を有するデータコネクタ670も第二継手626に設けられる。第一継手622のデータコネクタ660と同様に、第二継手626のデータコネクタ670は、データ転送ケーブル638のそれぞれのワイヤおよびデータコネクタ660の接点662に電気的かつ論理的に接続される接点672を含む。第二継手626の内部と環境との間の流体密シールを達成するために、コネクタ666、668、670に関連してシールを設けることができる。
【0044】
遠隔電源盤612のハウジング614内には、駆動シャフト630、632およびステアリングケーブル634、635、636、637を駆動するように構成された電気機械的ドライバ要素が配置され、それによって電気機械的ドライバ構成部品610および第二継手626に取り付けられた手術装置11が操作される。図14に概略的に示された実施形態例では、各々電源を介して動作する五つの電気モータ676、680、684、690、696を遠隔電源盤612に配置することができる。しかし、任意の適切な数のモータを設けることができ、モータはバッテリ電源、ライン電流、DC電源、電子制御DC電源等を介して動作することができることを理解すべきである。また、モータは、ライン電流に接続してモータに動作電流を供給するDC電源に接続することができることも理解すべきである。
【0045】
図14は、モータの一つの可能な構成を概略的に示す。第一継手622およびしたがって可撓性シャフト620がハウジング614と係合し、それによって第一駆動シャフト630および第二継手626の第一コネクタ666が駆動するときに、第一モータ676の出力シャフト678は第一継手622の第一コネクタ644と係合する。同様に、第一継手622およびしたがって可撓性シャフト620がハウジング614と係合し、それによって第二駆動シャフト632および第二継手626の第二コネクタ668が駆動するときに、第二モータ680の出力シャフト682は第一継手622の第二コネクタ648と係合する。第一継手622およびしたがって可撓性シャフト620がハウジング614と係合し、それによって第一プーリ構成体688を介して第一および第二ステアリングケーブル634、635が駆動するときに、第三モータ684の出力シャフト686は第一継手622の第三コネクタ652と係合する。第一継手622およびしたがって可撓性シャフト620がハウジング614と係合し、それによって第二プーリ構成体694を介して第三および第四ステアリングケーブル636、637が駆動するときに、第四モータ690の出力シャフト692は第一継手622の第四コネクタ656と係合する。第三および第四モータ684、690は台車1100上に固定することができ、それは第五モータ696の出力シャフト698を介して第一位置と第二位置との間を選択的に移動可能であり、第三および第四モータ684、690をそれぞれのプーリ構成体688、694と選択的に係合および離脱させ、それによって可撓性シャフト620を必要に応じてピンと張りかつ操縦可能な状態あるいは柔弱な状態にすることを可能にする。ステアリング機構を選択的に係合および離脱するために、他の機械的、電気的、および/または電気機械的機構等を使用することができることを理解すべきである。モータは、例えば「ACarriage Assembly forControlling a Steering WireMechanism Within a Flexible Shaft」と称する米国特許出願第09/510,923号に記載されているように配置および構成することができる。それを参照によって明示的に全体にここに組み込まれる。
【0046】
モータ676、680、684、690、696のいずれか一つまたはそれ以上を、例えば高速/低トルクモータ、低速/高トルクモータ等とすることができることを理解すべきである。上述したとおり、第一の回転自在の駆動シャフト630および第二の回転自在の駆動シャフト632は、高速度および低トルクを伝達するように構成することができる。したがって、第一モータ676および第二モータ680は、高速/低トルクモータとして構成することができる。代替的に、第一モータ676および第二モータ680は低速/高トルクモータとして構成し、第一モータ676および第二モータ680と第一の回転自在の駆動シャフト630および第二の回転自在の駆動シャフト632のそれぞれとの間にトルク低減/増速歯車構成体を配置することができる。そのようなトルク低減/増速歯車構成体は、例えば平歯車構成体、遊星歯車構成体、調和歯車構成体、およびサイクロイド駆動構成体、周転円歯車構成体等を含むことができる。そのような歯車構成体はいずれも遠隔電源盤612内に、または例えば第一継手622のような可撓性シャフト620の近端に配置することができることを理解すべきである。歯車構成体は第一の回転自在の駆動シャフト630および/または第二の回転自在の駆動シャフト632の遠端および/または近端に設けて、そのワインドアップ(windup)および破損を防止することができることを理解すべきである。
【0047】
次に、図15を参照すると、電気機械的ドライバ構成部品610の略図が示されている。制御装置1122が遠隔電源盤612のハウジング614内に設けられ、電気機械的ドライバ構成部品610、および直線状クランプ、切断およびステープリング装置11または可撓性シャフト620に取り付けられた他の外科用器具またはアタッチメントの全ての機能および動作を制御するように構成される。メモリユニット1130が設けられ、ROM構成部品1132、RAM構成部品1134等のようなメモリデバイスを含むことができる。ROM構成部品1132は線1136を介して制御装置1122と電気的かつ論理的に接続され、RAM構成部品1134は線1138を介して制御装置1122と電気的かつ論理的に接続される。RAM構成部品1134は、例えば磁気メモリデバイス、光メモリデバイス、磁気光メモリデバイス、電子メモリデバイス等のような任意の型のランダムアクセスメモリを含むことができる。同様にROM構成部品1132は、例えば着脱自在のメモリデバイスのような任意の型の読出し専用メモリ、例えばPCカードまたはPCMCIA型デバイスを含むことができる。ROM構成部品1132およびRAM構成部品1134は単一の装置として構成することができ、あるいは別個の装置とすることができ、ROM構成部品1132および/またはRAM構成部品1134はPCカードまたはPCMCIA型デバイスの形で提供することができることを理解すべきである。
【0048】
制御装置1122はさらにハウジング614の正面パネル615に接続され、さらに詳しくは、線1154を介してディスプレイ装置616に、かつそれぞれの線1156、1158を介してインジケータ618a、618bに接続される。線1116、1118、1124、1126、1128は電気的かつ論理的に制御装置1122を第一、第二、第三、第四、および第五モータ676、680、684、690、696にそれぞれ接続する。ワイヤード遠隔制御装置(「RCU」)1150は電気的かつ論理的に線1152を介して制御装置1122に接続される。ワイヤレスRCU1148もまた設けられ、線1144を介してトランシーバ1140に接続された受信/送信装置1146とワイヤレスリンク1160を介して通信する。トランシーバ1140は電気的かつ論理的に線1142を介して制御装置1122に接続される。ワイヤレスリンク1160は、例えば赤外線リンクのような光学リンク、無線リンク、または任意の他の形態のワイヤレス通信リンクとすることができる。
【0049】
例えばDIPスイッチのアレイを含むことができるスイッチ装置1186は、線1188を介して制御装置1122に接続することができる。スイッチ装置1186は、例えばメッセージおよびプロンプトをディスプレイ装置616に表示するのに使用される複数の言語の一つを選択するように構成することができる。メッセージおよびプロンプトは、例えば電気幾何的ドライバ構成部品610および/またはそれに接続された手術装置11の動作および/または状態に関係することができる。
【0050】
本発明の実施形態例では、第一符号器1106が第二継手626内に設けられ、第一駆動シャフト630の回転に応答して、かつそれに従って信号を出力するように構成される。第二符号器1108も第二継手626内に設けられ、第二駆動シャフト632の回転に応答して、かつそれに従って信号を出力するように構成される。符号器1106、1108の各々によって出力される信号は、それぞれの駆動シャフト630、632の回転位置のみならずその回転方向をも表わすことができる。そのような符号器1106、1108は例えばホール効果デバイス、光学デバイス等を含むことができる。符号器1106、1108は第二継手626内に配置されると記述したが、符号器1106、1108はモータシステムと手術装置11との間の任意の位置に設けることができることを理解すべきである。符号器1106、1108を第二継手626内、または可撓性シャフト620の遠端に設けることにより駆動シャフトの回転を正確に決定できることを理解すべきである。符号器1106、1108が可撓性シャフト620の近端に配置される場合、第一および第二の回転自在の駆動シャフト630、632のワインドアップは測定誤差を生じることがある。
【0051】
図16は、ホール効果デバイスを含む符号器1106、1108の略図である。駆動シャフト630、632には、N極1242およびS極1244を有する磁石1240が回転不能に装着されている。符号器1106、1108は、駆動シャフト630、632の長手軸または回転軸に対して約90°離して配置された第一センサ1246および第二センサ1248をさらに含む。センサ1246、1248の出力は持続的であり、センサの検出範囲の磁界の極性の変化の関数としてその状態を変化する。したがって、符号器1106、1108からの出力信号に基づいて、四分の一回転内で駆動シャフト630、632の角位置を決定することができ、駆動シャフト630、632の回転の方向を決定することができる。各符号器1106、1108の出力は、データ転送ケーブル638のそれぞれの線1110、1112を介して、制御装置1122に伝送される。よって制御装置1122は、符号器1106、1108からの出力信号に基づいて駆動シャフト630、632の角位置および回転方向を追跡することにより、電気機械的ドライバ構成部品610に接続された手術装置の構成部品の位置および/または状態を決定することができる。すなわち、駆動シャフト630、632の回転数を計数することにより、制御装置1122は、電気機械的ドライバ構成部品610に接続された手術装置の構成部品の位置および/または状態を決定することができる。
【0052】
例えば、第一ジョー80と第二ジョー50およびスラスト板502との間の前進距離は、それぞれの駆動シャフト630、632の回転の関数であり、それに基づいて確定することができる。ある時点における第二ジョー50およびスラスト板502の絶対位置を確定することにより、符号器1106、1108からの出力信号と、ねじ521ならびにねじ503および504の既知の刻みに基づいて、第二ジョー50およびスラスト板502の相対変位を使用して、その後のあらゆる時点における第一ジョー80およびスラスト板502の絶対位置を確定することができる。第二ジョー50およびスラスト板502の絶対位置は、手術装置11が最初に可撓性シャフト620に連結されたときに、固定しかつ確定することができる。代替的に、例えば第一ジョー80に対する第二ジョー50およびスラスト板502の位置を、符号器1106、1108からの出力信号に基づいて決定することができる。
【0053】
手術装置11は、図8(a)に示すように、サイズおよび構成によって第二継手626のコネクタ670に電気的かつ論理的に接続するように適合されたデータコネクタ1272をさらに含むことができる。実施形態例では、データコネクタ1272は、コネクタ670のリード672の数に等しい数の接点を含む。メモリモジュール501は電気的かつ論理的にデータコネクタ1272に接続される。メモリモジュール501は例えばEEPROM、EPROM等の形とすることができ、例えば手術装置11の第二ジョー50内に含めることができる。
【0054】
図17は、メモリモジュール501を概略的に示す。図17に示すように、データコネクタ1272は、各々それぞれの線1278を介してメモリモジュール501に電気的かつ論理的に接続された接点1276を含む。メモリモジュール501は、例えば製造番号データ1180、アタッチメント型識別(ID)データ1182、および使用データ1184を格納するように構成することができる。メモリモジュール501は追加的に他のデータを格納することができる。製造番号データ1180およびIDデータ1182は両方とも読出し専用データとして構成することができる。製造番号データ1180および/またはIDデータ1182は、メモリモジュール501の読出し専用部に格納することができる。実施形態例では、製造番号データ1180は、特定の手術装置を一意に識別するデータとすることができ、IDデータ1182は、例えば他の型の外科用器具またはアタッチメントが取り付け可能なシステム610におけるようなアタッチメントの型を識別するデータとすることができる。使用データ1184は、例えば手術装置11の第一ジョー80が開閉された回数、または手術装置11のスラスト板502を前進させた回数のように、特定のアタッチメントの使用を表わす。使用データ1184は、メモリモジュール501の読出し/書込み部に格納することができる。
【0055】
可撓性シャフト620の遠端624に取付可能なアタッチメント、例えば手術装置11は、一回または複数回使用するように設計および構成することができることを理解すべきである。アタッチメントはまた、予め定められた回数使用するように設計および構成することもできる。したがって、使用データ1184は、手術装置11が使用されたかどうか、および使用回数が許可された最大使用回数を越えたかどうかを決定するために使用することができる。以下でさらに詳述する通り、許可された最大使用回数に達した後でアタッチメントを使用しようとすると、エラー状態が発生する。
【0056】
再び図15を参照すると、制御装置1122は、手術装置11が最初に可撓性シャフト620に接続されたときに、手術装置11のメモリモジュール501からIDデータ1182を読み出すように構成される。メモリモジュール501は、データ転送ケーブル638の線1120を介して電気的かつ論理的に制御装置1122に接続される。読み出されたIDデータ1182に基づいて、制御装置1122はメモリユニット1130から、可撓性シャフト620に接続された外科用器具またはアタッチメントの型に対応する動作プログラムまたはアルゴリズムを読み出すかまたは選択するように構成される。メモリユニット1130は、利用可能な各型の手術装置またはアタッチメントのための動作プログラムまたはアルゴリズムを格納するように構成され、制御装置1122は、取り付けられた外科用器具またはアタッチメントのメモリモジュール501から読み出されたIDデータ1182に従って、メモリユニット1130から動作プログラムまたはアルゴリズムを選択し、かつ/または読み出す。上述の通り、メモリユニット1130は、着脱可能なROM構成部品1132および/またはRAM構成部品1134を含むことができる。したがって、メモリユニット1130に格納された動作プログラムまたはアルゴリズムは、必要に応じて更新、追加、削除、改善、またはその他の方法で改訂することができる。メモリユニット1130に格納された動作プログラムまたはアルゴリズムは、例えば使用者の特別な要求に基づいてカスタマイズすることができる。動作プログラムまたはアルゴリズムのカスタマイズを促進するために、データ入力装置、例えばキーボード、マウス、ポインティング装置、タッチスクリーン等を、例えばデータコネクタポートを介して、メモリユニット1130に接続することができる。代替的に、または追加的に、動作プログラムまたはアルゴリズムは、電気機械的ドライバ構成部品610から遠隔的にカスタマイズして、メモリユニット1130内に事前にプログラムすることができる。製造番号データ1180および/または使用データ1184はまた、複数の動作プログラムまたはアルゴリズムのどれをメモリユニット1130から読み出しあるいは選択するかを決定するためにも使用することができることを理解すべきである。動作プログラムまたはアルゴリズムは代替的に、手術装置11のメモリモジュール501に格納し、データ転送ケーブル638を介して制御装置1122に転送することができる。ひとたび適切な動作プログラムまたはアルゴリズムが制御装置1122によって読み出され、または選択され、あるいはそれに伝送されると、制御装置1122は、ワイヤードRCU1150および/またはワイヤレスRCU1148を介して使用者によって実行される操作に従って動作プログラムまたはアルゴリズムが実行される。ここで上述した通り、制御装置1122はそれぞれの線1116、1118、1124、1126、1128を介して第一、第二、第三、第四、および第五モータ676、680、684、690、696と電気的かつ論理的に接続され、それぞれの線1116、1118、1124、1126、1128を介して読み出され、選択され、あるいは伝送された動作プログラムまたはアルゴリズムに従って、そのようなモータ676、680、684、690、696を制御するように構成される。
【0057】
次に、図18を参照すると、ワイヤレスRCU1148の略図が示されている。ワイヤレスRCU1148は、四方ロッカ1310の下に配設された複数のスイッチ1302、1304、1306、1308を有するステアリング制御装置1300を含む。ロッカ1310を介するスイッチ1302、1304の動作は、第三モータ684を介して、第一および第二ステアリングケーブル634、635の動作を制御する。同様に、ロッカ1310を介するスイッチ1306、1308の動作は、第四モータ692を介して、第三および第四ステアリングケーブル636、637の動作を制御する。ロッカ1310およびスイッチ1302、1304、1306、1308は、スイッチ1302、1304の動作が可撓性シャフト620を南北方向に操縦し、スイッチ1306、1308の動作は可撓性シャフト620を東西方向に操縦することを理解すべきである。ここで北、南、東および西の言及は、相対的座標系に対して行なわれる。代替的に、ロッカ1310およびスイッチ1302、1304、1306、1308の代わりに、デジタルジョイスティック、アナログジョイスティック等を設けることができる。スイッチ1302、1304、1306、1308の代わりに、電位差計または任意の他の型のアクチュエータを使用することもできる。
【0058】
ワイヤレスRCU1148はさらにステアリング係合/離脱スイッチ1312を含み、その動作は第五モータ696の動作を制御して、ステアリング機構を選択的に係合および離脱する。ワイヤレスRCU1148はまた、それによって動作可能な第一および第二スイッチ1316、1318を有する二方ロッカ1314をも含む。これらのスイッチ1316、1318の動作は、取り付けられた装置11に対応する動作プログラムまたはアルゴリズムに従って、電気機械的ドライバ構成部品610および可撓性シャフト620に取り付けられた手術装置11のような任意の外科的器具またはアタッチメントの特定の機能を制御する。例えば、二方ロッカ1314の動作は、手術装置11の第一ジョー80および第二ジョー50の開閉を制御することができる。ワイヤレスRCU1148はさらに別のスイッチ1320を備え、その動作は、取り付けられた装置に対応する動作プログラムまたはアルゴリズムに従って、電気機械的ドライバ構成部品610および可撓性シャフト620に取り付けられた装置の動作をさらに制御することができる。例えば、スイッチ1320の動作は、手術装置11のスラスト板502の前進を開始することができる。
【0059】
ワイヤレスRCU1148は、線1324を介してスイッチ1302、1304、1306、1308と、線1326を介してスイッチ1316、1318と、線1328を介してスイッチ1312と、かつ線1330を介してスイッチ1320と電気的かつ論理的に接続される制御装置1322を含む。ワイヤレスRCU1148は、正面パネル615のインジケータ618a、618bに対応するインジケータ618a’、618b’、および正面パネル615のディスプレイ装置616に対応するディスプレイ装置616’を含むことができる。設けられた場合、インジケータ618a’、618b’はそれぞれの線1332、1334を介して制御装置1322に電気的かつ論理的に接続され、ディスプレイ装置616’は線1336を介して制御装置1322に電気的かつ論理的に接続される。制御装置1322は線1340を介してトランシーバ1338に電気的かつ論理的に接続され、トランシーバ1338は線1344を介して受信機/送信機1342に電気的かつ論理的に接続される。ワイヤレスRCU1148に電源装置、例えばバッテリを設けて、そこに電力を供給することができる。したがってワイヤレスRCU1148はワイヤレスリンク1160を介して、電気機械的ドライバ構成部品610および可撓性シャフト620に取り付けられた装置11の動作を制御するために使用することができる。
【0060】
ワイヤレスRCU1148は、線1348を介して制御装置1322に接続されたスイッチ1346を含むことができる。スイッチ1346の動作は、ワイヤレスリンク1160を介して、データ信号を送信機/受信機1146に伝送する。データ信号は、ワイヤレスRCU1148を一意に識別する識別データを含む。この識別データは、制御装置1122が電気機械的ドライバ構成部品610の無許可操作を防止するため、および別のワイヤレスRCUによる電気機械的ドライバ構成部品610の動作との干渉を防止するために使用される。ワイヤレスRCU1148と電気機械的手術装置610との間のその後の各通信は、識別データを含むことができる。したがって、制御装置1122はワイヤレスRCU間の区別を付けることができ、それにより単一の識別可能なワイヤレスRCU1148だけが電気機械的ドライバ構成部品610および可撓性シャフト620に接続された装置11の動作を制御することが可能になる。
【0061】
符号器1106、1108からの出力信号に従って決定される、可撓性シャフト620に取り付けられた装置の構成部品の位置に基づいて、制御装置1122は、取り付けられた装置に対応する動作プログラムまたはアルゴリズムによって規定されるように、電気機械的ドライバ構成部品610の機能を選択的に使用可能または使用不能にすることができる。例えば、手術装置11の場合、スイッチ1320の動作によって制御される打込み機能は、第二ジョー50と第一ジョー80との間の空間または間隙が受入れ可能な範囲内であると判断されない限り、使用不能である。
【0062】
次に、図19を参照すると、ワイヤードRCU1150の略図が示されている。実施形態例では、ワイヤードRCU1150は実質的にワイヤレスRCU1148と同じ制御要素を含み、そのような要素のさらなる記載は省略する。同様の要素は図19ではダッシュ付きで示されている。電気機械的ドライバ構成部品610および可撓性シャフト620に取り付けられた装置、例えば手術装置11の機能は、ワイヤードRCU1150および/またはワイヤレスRCU1148によって制御することができる。例えばワイヤレスRCU1148のバッテリが故障した場合、ワイヤードRCU1150を使用して、電気機械的ドライバ構成部品610および可撓性シャフト620に取り付けられた装置の機能を制御することができる。
【0063】
上述した通り、ハウジング614の正面パネル615はディスプレイ装置616およびインジケータ618a、618bを含む。ディスプレイ装置616は、LCDディスプレイ装置のような英数字表示装置を含むことができる。ディスプレイ装置616はまた、スピーカ、ブザー等のような音声出力装置をも含むことができる。ディスプレイ装置616は、可撓性シャフト620に取り付けられた装置、例えば手術装置11に対応する動作プログラムまたはアルゴリズムに従って、制御装置1122によって操作され制御される。外科用器具またはアタッチメントがそのように取り付けられていない場合、デフォルト動作プログラムまたはアルゴリズムを制御装置1122によって読み出され、または選択され、あるいは制御装置1122に伝送され、それによってディスプレイ装置616の動作のみならず、電気機械的ドライバ構成部品610の他の側面および機能をも制御することができる。手術装置11が可撓性シャフト620に取り付けられている場合、ディスプレイ装置616は例えば、より詳細に上述した通り、符号器1106、1108の出力信号に従って決定された、第二ジョー50と第一ジョー80との間の間隙を示すデータを表示することができる。
【0064】
同様に、インジケータ618a、618bは、可撓性シャフト620に取り付けられた装置11、例えば手術装置11に対応する動作プログラムまたはアルゴリズムに従って、制御装置1122によって操作され、制御される。インジケータ618aおよび/またはインジケータ618bは、スピーカ、ブザー等のような音声出力装置、および/またはLED、ランプ、ライト等のような視覚的インジケータ装置を含むことができる。手術装置11が可撓性シャフト620に取り付けられている場合、インジケータ618aは例えば、電気機械的ドライバ構成部品610が電源ON状態であることを示すことができ、インジケータ618bは、第二ジョー50と第一ジョー80との間の間隙が受入れ可能な範囲内であると判定されたかどうかを示すことができる。二つのインジケータ618a、618bを記載したが、必要に応じて任意の数の追加インジケータを設けることができることを理解すべきである。追加的に、単一のディスプレイ装置616を記載したが、必要に応じて任意の数の追加ディスプレイ装置を設けることができることを理解すべきである。
【0065】
ワイヤードRCU1150のディスプレイ装置616’およびインジケータ618a’、618b’、ならびにワイヤレスRCU1148のディスプレイ装置616”およびインジケータ618a”、618b”は、可撓性シャフト620に取り付けられた装置の動作プログラムまたはアルゴリズムに従って、それぞれの制御装置1322、1322’によって同様に操作され、制御される。
【0066】
上述の通り、手術装置11は組織の一部分をクランプ、切断、およびステープリングするように構成することができる。ここで装置11の動作について、患者の腸の組織の癌または異常部分の切除に関連して説明する。それは、手術装置11を使用して実行することができる単なる一種類の組織および一種類の外科手術である。一般的に、手術中に、胃腸管の癌または異常組織の位置が突き止められた後、最初に患者の腹部が切開されて腸が露出される。電気機械的ドライバ構成部品610によってもたらされる遠隔操作に従って、手術装置11の第一および第二ジョー50、80は、第一ドライバによって駆動されて開位置に着く。上述の通り、手術装置11は最初に開位置に維持することができ、それにより最初に手術装置を駆動して開位置に着ける必要性が除去される。腸管の癌組織に隣接する片側が、開いた第一ジョー80と第二ジョー50との間に配置される。遠隔操作によって、第一ドライバが逆転して係合され、第一ジョー80が第二ジョー50に対して閉じ、それらの間にある腸管の部分がクランプされる。ひとたび腸管が充分にクランプされると、第二ドライバが係合され、それによりスラスト板(それにステープルプッシャおよびナイフが装着されている)は図5に示した第一位置と図6に示した第二位置の間で移動し、それによって腸管が切断されステープリングされる。次いで第二ドライバは逆転して係合され、それによりステープルプッシャおよびナイフが図5に示した第一位置に戻る。次いで第一ドライバが係合されて、手術装置11の第一ジョー80および第二ジョー50を駆動させて開位置に戻す。次いでこれらのステップが癌組織のもう一方の側で繰り返され、それによって癌組織を含む腸管の部分が切除され、それは両側をステープリングされて、腸管物質が開いた腹部に広がるのを防止する。
【0067】
さらに詳しくは、本発明の実施形態例では、手術装置11は、第一駆動ソケット180が電気機械的ドライバ構成部品610の第一駆動シャフト630と係合し、第二駆動ソケット310が電気機械的ドライバ構成部品610の第二駆動シャフト632と係合されるように、電気機械的ドライバ構成部品610のアタッチメント継手626に連結される。したがって、ピニオン508aの回転が第一駆動ソケット180の回転によってもたらされ、それは電気機械的ドライバ構成部品610の対応する駆動シャフト630の回転によってもたらされる。ピニオン508aの時計方向または反時計方向の回転は、モータ680の回転の方向に応じて達成される。ピニオン508bの回転は第二駆動ソケット310の回転によってもたらされ、それは電気機械的ドライバ構成部品610の対応する駆動シャフト632の回転によってもたらされる。ピニオン508bの時計方向または反時計方向の回転は、モータ676の回転の方向に応じて達成される。
【0068】
手術装置11が図4に示すように初期閉位置にあるときに、該手術装置を開位置に着けるために、第一モータ680が作動する。詳しくは、第一駆動シャフト630に対応する第一モータ680が起動され、それは第一駆動ソケット180を係合し、それによってピニオン508aを第一の例えば反時計回りの回転方向に回転させる。ピニオン508aの周方向に配置された歯車歯5083が平歯車529aの周方向に配置された歯車歯5291と係合するので、ピニオン508aの回転は平歯車を、ピニオン508aの回転の方向とは反対の第一の例えば時計回り方向に回転させる。第一平歯車529aの内穴5293は第一ウォーム523aの端5231と係合して、第一ウォーム523aを第一平歯車529aのそれと同じ方向、例えば時計回りに回転させる。ウォーム523aのねじ山5233はウォーム歯車522の歯車歯5221と係合して、第一の例えば上から見たときに反時計回りの方向のウォーム歯車522の回転を引き起こす。ウォーム歯車522の内穴5222はねじ521の頭5211の一部分5212と係合し、それによってねじ521を第一の例えば上から見たときに反時計回りの方向に回転させる。ねじ521の雄ねじ山5214は、アンビル505の雌ねじ穴5051のねじ山と噛合し、それによってアンビル505を下方に、例えばフレームハウジング506から遠ざけるように移動させる。したがって、第二ジョー50は連続的に開かれる。図示した実施形態では、第二ジョーは第一ジョー80と例えば平面内で平行に整列した状態で開き、第一ジョー80から離れ始める。モータのこのような連続動作により最終的に手術装置11は開状態になり、図3に示すように第一ジョー80と第二ジョー50との間に空間が得られる。
【0069】
次に、フレームハウジング506の平行な下縁5066またはステープルホルダ513の底面に取り付けられたステープルリテーナ540が取り外される。一実施形態例では、ステープルホルダは、ピン518のレバー5182を引き上げて、ピン518の端5181をステープルリテーナ540の貫通穴5401から持ち上げることによって、取り外されるように構成される。ステープルリテーナ540のグリップ領域5403は把持することができ、ステープルリテーナ540は手術装置11から引き外すことができる。次に、組織の一部が第一ジョー80と第二ジョー50との間に配置される。ステープルホルダ540が手術装置11から取り外され、組織の一部が第一ジョー80と第二ジョー50との間に配置された状態で、ピン518の端5181がアンビル505のオリフィス5057内に挿入され、ばね524の偏倚に従って挿入位置を維持して、組織の一部をジョーの間に維持する。
【0070】
第一モータ680は、手術装置を閉位置にするために反転動作する。詳しくは、第一駆動シャフト630に対応する第一モータ680が起動され、それは第一駆動ソケット180を係合し、それによってピニオン508aを第二の例えば時計回りの回転方向に回転させる。ピニオン508aの周方向に配置された歯車歯5083が平歯車529aの周方向に配置された歯車歯5291と噛合するので、ピニオン508aの回転は平歯車529aを、ピニオン508aの回転の方向とは反対の第二の例えば反時計回りの方向に回転させる。第一平歯車529aの内穴5293は第一ウォーム歯車523aの端5231と係合するので、第一平歯車529aの回転は第一ウォーム523aを第一平歯車529aと同じ方向、例えば反時計回りに回転させる。ウォーム歯車523aのねじ山5233はウォーム歯車522のウォーム歯車歯5221と噛合するので、第一ウォーム523aの回転は、第二の例えば上から見たときに時計回りの方向のウォーム歯車522の回転を引き起こす。ウォーム歯車522の内穴5222はねじ521の頭5211の一部分5212と係合するので、ウォーム歯車522の回転はねじ521を第二の例えば上から見たときに時計回りの方向に回転させる。ねじ521の雄ねじ山5214は、アンビル505の雌ねじ穴5051のねじ山と噛合するので、ねじ521の回転はアンビル505を上方に、例えばフレームハウジング506に向かって移動させる。したがって、第二ジョー50は連続的に閉じられ、第一ジョー80に近づき始める。モータのこのような連続動作により最終的に手術装置11は図4に示すような閉状態になり、組織は第一ジョー80と第二ジョー50との間にクランプされる。この閉状態で、ステープリングされ切断される組織の部分が、ステープルホルダ513の平行に配置された縁5253aおよび5253bの対とアンビル505の領域5054との間にクランプされる。
【0071】
ステープリングおよび切断手順を始めるには、スラスト板502を第一の上昇した、例えば後退した位置から第二の下降した例えば延長位置に移動させるために、第二モータ676が起動される。詳しくは、第二駆動シャフト632に対応する第二モータ676が起動される。第二駆動シャフト632は第二駆動ソケット310と係合するので、第二駆動シャフト632の第一方向、例えば反時計回りの回転は、ピニオン508bを第一の例えば反時計回りの回転方向に回転させる。ピニオン508bの周方向に配置された歯車歯5086は、平歯車529bの周方向に配置された歯車歯5292と噛合するので、ピニオン508bの回転は平歯車529bを、ピニオン508bの回転方向とは反対の、第一の例えば時計回りの方向に回転させる。平歯車529bの内穴5294は第二ウォーム歯車523bの端5234と係合するので、平歯車529bの回転は第二ウォーム523bを、第一平歯車529bのそれと同じ方向に、例えば時計回りに回転させる。ウォーム523bのねじ山5236はウォーム歯車516のウォーム歯車歯5161と噛合するので、第二ウォーム523bの回転は、ウォーム歯車516の第一の例えば上から見たときに反時計回りの方向の回転を引き起こす。ウォーム歯車516の雌ねじ穴5164のねじ山はねじ504のねじ山と噛合する。ねじ504は回転不能にスラスト板502に連結されるので、ねじ504およびスラスト板502は一緒に下方に移動する。同時に、ウォーム523bのねじ山5236はウォーム歯車517のウォーム歯車歯5171と噛合するので、ウォーム523bの回転はウォーム歯車517の第一の例えば上から見たときに時計回りの方向の回転を引き起こす。ウォーム歯車517の雌ねじ穴5174のねじ山はねじ503のねじ山と噛合する。ねじ503は回転不能にスラスト板502に連結されるので、ねじ503およびスラスト板502は一緒に下方に移動する。したがって、スラスト板502は連続的に下降し、スラスト板502の底面5022に装着されたステープルプッシャ514およびナイフ519もまた連続的に下降する。
ステープルプッシャ514が下降すると、ステープルプッシャ514の下向きに配置された歯5143がステープルホルダ513のスロット5132内に押し込まれる。最初にステープルホルダ513のスロット5132内に配置されたステープル528は、スロット5132の下方の開口から、クランプされた組織を通して、ステープル528のプロング5281がアンビル505の対応するステープルガイド5053と接触するまで押し下げられる。ステープルガイド5053はステープル528のプロング5281を屈曲閉止させ、それによって組織をステープリングする。同時にスラスト板502の底面5022に装着されたナイフ519が、アンビル505のナイフパッド520に接触するまでステープルホルダ513の長手方向に配置されたスロット5131を貫通し、それによってクランプされた組織を切断する。
ステープリングおよび切断手順を実行すると、第二モータ676が起動され、スラスト板502を第二下降位置から第一上昇位置に移動させる。詳しくは、第二駆動シャフト632に対応する第二モータ676が起動され、それは第二駆動ソケット310と係合する。第二駆動シャフト632の回転は、ピニオン508bを第二の例えば時計回りの方向に回転させる。ピニオン508bの歯車歯5086は平歯車529bの歯車歯5292と噛合するので、ピニオン508bのこの回転は平歯車529bを第二の例えば反時計回りの方向に回転させる。平歯車529bの内穴5294は第二ウォーム523bの端5234と係合するので、平歯車529bの回転は第二ウォーム523bを第二の例えば反時計回りの方向に回転させる。ウォーム523bのねじ山5236はウォーム歯車516のウォーム歯車歯5161と噛合するので、ウォーム523bの回転は、ウォーム歯車516の第二の例えば上から見たときに時計回りの方向の回転を引き起こす。ウォーム歯車516の雌ねじ穴5164のねじ山はねじ504のねじ山と噛合し、ねじ504は回転不能にスラスト板502に連結されるので、ねじ504およびスラスト板502は一緒に上方に移動する。同時に、ウォーム523bのねじ山5236はウォーム歯車517のウォーム歯車歯5171と噛合するので、ウォーム523bの回転はウォーム歯車517の第二の例えば上から見たときに反時計回りの方向の回転を引き起こす。ウォーム歯車517の雌ねじ穴5174のねじ山はねじ503のねじ山と噛合し、ねじ503は回転不能にスラスト板502に連結されるので、ねじ503およびスラスト板502は一緒に上方に移動する。したがって、スラスト板502は連続的に上昇し、スラスト板502の底面5022に装着されたステープルプッシャ514およびナイフ519もまた連続的にそれらの初期後退位置まで上昇する。
【0072】
組織の切断およびステープリングを実行し、ナイフ519をその後退位置に戻すと、第一モータ680が起動され、手術装置は開位置に配置される。詳しくは、第一駆動シャフト630に対応する第一モータ680が起動される。第一駆動シャフト630は第一駆動ソケット180と係合するので、第一駆動シャフト630の回転は、ピニオン508aを第一の例えば反時計回りの方向に回転させる。ピニオン508aの歯車歯5083は平歯車529aの歯車歯5291と噛合するので、ピニオン508aの回転は平歯車を第一の例えば時計回りの方向に回転させる。第一平歯車529aの内穴5293は第一ウォーム523aの端5231と係合するので、第一平歯車529aの回転は第一ウォーム523aを第一平歯車529aと同じ方向、例えば時計回りの方向に回転させる。ウォーム歯車523aのねじ山5233はウォーム歯車522のウォーム歯車歯5221と噛合するので、ウォーム歯車523aの回転は、ウォーム歯車522の第一の例えば上から見たときに反時計回りの方向の回転を引き起こす。ウォーム歯車522の内穴5222はねじ521の頭5211の一部分5212と係合するので、ウォーム歯車522の回転はねじ521を第一の例えば上から見たときに反時計回りの方向に回転させる。ねじ521の雄ねじ山5214はアンビル505の雌ねじ穴5051のねじ山と噛合するので、ねじ521の回転はアンビル505を下方に、例えばフレームハウジング506から遠ざけるように移動させる。したがって第二ジョー50は、手術装置11が再び開位置になるまで、第一ジョー80から分離され、図3に示すように第一ジョー80と第二ジョー50との間に空間が得られる。
【0073】
その後、手術装置11は電気機械的ドライバ構成部品から分離し、別の手術装置11と交換することができるので、同じクランプ、切断およびステープリング手順を組織の異なる部分、例えば異常または癌組織の反対側に対して実行することができる。腸管の第二端もクランプ、切断、およびステープリングされた後、手術装置11は電気機械的ドライバ構成部品610から分離することができる。必要ならば、オペレータはアタッチメントを廃棄するか、あるいは再使用のために滅菌することができる。
【0074】
手術装置11の起動前に、較正手順を実行することができることが注目される。そのような手順は、2001年12月4日に出願された「Calibration of aSurgical Instrument」と称する米国仮特許出願第60/337,544号に記載されており、それを参照によって明示的に全体にここに組み込まれる。
【0075】
図8(a)および8(b)に示した本発明の実施形態例では、手術装置11は再装填不能であり、例えばオペレータがステープルホルダ513をハウジング506から取り外して、手術装置11に次のステープル523の配列を再装填し、同一または他の患者のために、あるいは同一または他の手順のために手術装置11を再使用することができない。したがって、手術装置11が一度起動されてステープルホルダ513内のステープル528を使用して組織の一部をステープリングした後、手術装置11を再び起動して、新しいステープル528の組または新しいステープルホルダ513を使用して、組織の別の部分をステープリングすることはできない。手術装置11を再装填不能となるように構成することによって、手術装置11を意図的にも無意図的にも二人の異なる患者に使用することができず、単一の患者に再使用することができないので、汚染または感染の危険性が軽減される。しかし、本発明の一実施形態例では、手術装置11は再装填可能である。例えば、この実施形態例では、手術装置11は、特定の構成部品が手術装置11から取外し可能であり、かつ手術装置11に対して交換可能であるように構成することができる。例えば、一実施形態例では、カートリッジキャップ515、ピン518、ナイフ519を装着したステープルプッシャ514、およびステープルリテーナ540が取り付けられたステープルホルダ513は、ハウジング506に着脱自在に取り付けられ、使用後に別のカートリッジと交換するためにハウジング506から取り外すことのできる交換可能なカートリッジを形成する。交換可能なカートリッジは、上部ジョー80および下部ジョー50が切断およびステープリングされる組織の部分をクランプしているときにカートリッジが誤って取り外されるのを防止するために、上部ジョー80および下部ジョー50が全開位置にあるときに取り外し可能にすることができる。図8(a)および8(b)に示した実施形態例は、上部ジョー80と下部ジョー50が全開位置でないときにはステープルリテーナ513のレールスロット5135と係合するが、上部ジョー80と下部ジョー50が全開位置のときには離脱し、それによってステープルリテーナ513および交換可能なカートリッジの他の構成部品を交換のためにハウジング506から摺動自在に取り外すことを可能にする、アンビルフィラ509に位置するレール5091を含む。代替的実施形態例では、ステープルホルダ513はハウジング506から摺動自在に着脱されるので、最初の組のステープル528を使用した後、使用者は新しい組のステープル528を有する新しいステープルホルダ513をハウジング506内に摺動することができる。代替的に、ステープルホルダ513内の最初の組のステープル528が使用された後、オペレータは同一ステープルホルダ513のステープル528を交換して、同一ステープルホルダ513を再使用することができる。ピン518はステープルホルダ513の穴5133から後退可能であり、カートリッジキャップ515をハウジング506に着脱自在または可動に接続することができる。
【0076】
本発明の別の実施形態例では、手術装置11は限定された再装填性を備えることができる。例えば、手術装置11はステープルホルダ513を一回交換することができるように構成することができるので、クランプ、切断、およびステープリング操作を単一の患者に二回、例えば組織の癌部分の両側に実行することができるが、ステープルホルダ513を三回以上交換することはできない。
【0077】
本発明の別の実施形態例では、手術装置11は、ステープルホルダ513内に二組のステープル528を維持し、その第一組は組織の癌部分の片側で使用され、第二組は組織の癌部分の反対側で使用されるように構成することができる。手術装置11は任意の使用回数に構成することができ、その使用は使用データ1184に従って決定することができることを理解すべきである。すなわち、メモリモジュール501は、手術装置11が再装填された回数を表わすデータを格納するように構成することができる。したがって、動作プログラムに従って、電気機械的ドライバ構成部品610は、再装填された手術装置11がメモリモジュール501に格納された使用情報に従って打ち込むことができる回数を限定することができる。
【0078】
再装填可能に構成された手術装置11は、上述した再装填不能の手術装置11と同様の方法で動作することができる。しかし、手術装置11の再装填性は、オペレータが手術装置11の操作中に追加ステップを実行することを可能にする。例えば、手術装置11を最初に開位置にした後、オペレータがステープルホルダ513にアクセスすることができ、ステープル528が手順に利用できる状態であるかどうか、および/またはステープルホルダ513をより適切なステープルホルダ513と交換する必要があるかどうかを決定するために点検することができる。同様に、クランプ、切断、およびステープリング操作が実行され、ステープル518の組が使用された後で、ステープルホルダ513を別のステープルホルダ513と交換するため、または別の組のステープル518を同じステープルホルダ513に挿入するために、オペレータがステープルホルダ513に再びアクセスすることができる。
【0079】
図8(a)および8(b)に示した本発明の実施形態例では、手術装置11は、二つ以上の動作範囲で動作するように構成することができる。この特徴は、異なる厚さを持つ組織の部分に手術装置11でより適切に対応することができるという利点をもたらすことができる。例えば、本発明の一実施形態例では、手術装置11は、手術装置11が閉位置のときの上部ジョー80と下部ジョー50との間の距離を変化させるように、あるいはスラスト板535が完全延長位置のときの上部ジョー80に対するスラスト板535の位置を変化させるように構成することができる。一実施形態例では、手術装置11は、二つまたはそれ以上の異なるサイズのステープルホルダ513、例えば異なる厚さを有するステープルホルダ513、または異なる長さを有するステープル518を収容するステープルホルダ513を使用するように、再装填可能とすることができる。この実施形態例では、オペレータは、異なるサイズのステープル528がその中に配置された二つまたはそれ以上の異なるステープルホルダ513の一つを使用するように選択することができる。制御装置1122が、対応する厚さの組織をステープリングするように構成されたステープルを含むものとしてステープルホルダ513を認識することができるようにするために、ステープルホルダ513は制御装置1122によって読出し可能なメモリモジュールを含むことができる。そうすると、制御装置1122は手術中に、手術装置11が閉位置に移動したときの上部ジョー80と下部ジョー50との間の距離が、切断されステープル523によってステープリングされる組織の厚さに対応するように、第一駆動シャフト630を制御することができる。同様に、制御装置1122は、延長位置に移動したときのスラスト板535、ステープルプッシャ514、およびナイフ519の位置が、切断されステープル523によってステープリングされる組織の厚さに対応するように、第二駆動シャフト632を制御することができる。
【0080】
本発明の別の実施形態例では、異なるサイズの再装填不能な手術装置11を使用することができ、再装填不能な手術装置11の各サイズは、切断されステープリングされる組織の異なる厚さに対応する。この実施形態例では、手術装置11のメモリモジュール501は、手術装置11が切断されステープリングされる組織の特定の厚さに対応することを制御装置1122に示すために、制御装置1122によって読出し可能なデータを含むことができる。
【0081】
本発明のさらに別の実施形態例では、制御装置1122は、同じ組のステープル523に対して二つ以上の動作範囲を提供するように構成される。例えば、制御装置1122は、オペレータが切断またはステープリングされる組織の異なる厚さに対応する設定を選択することができるように構成することができる。例えば、一実施形態例では、制御装置1122は、間に配置された組織の部分をクランプするために、第一駆動シャフト630を起動させて上部ジョー80を下部ジョー50に対して第一位置まで閉じるように構成される。オペレータは次いで、組織を切断しステープリングするために第二駆動シャフト632を起動させるかどうか、あるいは上部ジョー80を下部ジョー50に対して第二位置まで閉じるために再び第一駆動シャフト630を起動させるかどうかを選択することができる。この実施形態例は、切断およびステープリングする組織の部分を露出し、その厚さを決定する前に、オペレータが特定のサイズの手術装置11を事前選択するか、または手術装置11に対し交換可能なカートリッジを事前選択する必要が無いという利点をもたらすことができる。この構成は、オペレータが誤ったサイズを事前選択したり、あるいは使用に利用可能な二つ以上のサイズの在庫を維持することを防止することができる。
【0082】
手術装置11はまた、電気機械的ドライバ構成部品610への取付け後に自動的に較正するように構成することもできる。例えば、制御装置1122は、手術前に、手術装置11の全開または全閉位置を決定するために、手術装置11を開閉するように構成することができる。一実施形態例では、手術装置11および電気機械的ドライバ構成部品610は、機械的ハードストップ較正機能を採用することによって、ステープルリテーナ540の有無または厚さとは関係なく、自動較正ルーチンを実行するように構成される。上述の通り、手術装置用の較正手順の一例が米国仮特許出願第60/337,544号に記載されており、それを参照によって明示的に全体にここに組み込まれる。
【0083】
図20(a)から20(c)は、手術装置11を操作するための本発明の一実施形態例に係る主動作プログラムのフローチャートを示す。本発明の一実施形態例では、主動作プログラムは制御装置1122によって実行されるが、他の、または追加の制御装置、電子装置等がフローチャートに示したステップの一部または全部を実行するように構成することができる。図20(a)を参照すると、ステップ2002で、主動作プログラムは開始される。このステップ2002は、上述の通り、例えばメモリユニット1130から、または手術装置11のメモリモジュール501から動作プログラムを得るステップを含むことができる。ステップ2004で、RAM1134内のそれぞれの記憶場所のDLU PRESENTフラッグ、DLU OLDフラッグ、DLU READYフラッグ、DLU
FIREDフラッグ、およびSHAFT TESTフラッグがクリアされる。用語「DLU」とは、電気機械的ドライバ構成部品610に取り付けられた手術装置11または他の器具またはアタッチメントを指す。ステップ2006で、モータ/ツール、例えば手術装置11を駆動するモータ676および680の端位置が初期化される。本発明の一実施形態例では、ナイフ519の端位置は0mmに初期化され、アンビル505の端位置は1.5mmに初期化される。ステップ2008で、手術装置11のメモリモジュール501に格納された手術装置11の製造番号、例えばIDデータ1182がメモリモジュール501から読み出され、保存される。本発明の実施形態例では、手術装置の製造番号の読出しおよび保存に失敗すると、ステップ2008を、予め定められた時間内で、または予め定められた時間間隔で、予め定められた回数繰り返すことができる。予め定められた回数は例えば三回とすることができ、予め定められた時間は例えば100mSとすることができる。初回または予め定められた試行回数後のどちらでも、手術装置の製造番号の読出しおよび保存の失敗はエラー状態と決定することができ、その場合、操作は後述する通り終了する。
【0084】
ステップ2010で、IDデータ1182が首尾よく読み出されたかどうか、かつ/またはIDデータ1182が有効であるかどうかが決定される。ステップ2010でIDデータ1182が首尾よく読み出され、かつ/またはIDデータ1182が有効であると決定された場合には、ステップ2012で、制御がカーネルに、例えば電気機械的ドライバ構成部品610の基本動作プログラムに戻る。ステップ2010で、IDデータ1182がステップ2008で首尾よく読み出され、かつ/または読み出されたIDが有効であることが決定されると、次いでステップ2014でRAM1134のDLU NEWフラッグが読み出される。ステップ2016で、DLU NEWフラッグが首尾よく読み出されたかどうか、かつ/またはDLU NEWフラッグが有効であるかどうかが決定される。ステップ2016でDLU NEWフラッグが首尾よく読み出されず、かつ/または有効でないと決定された場合には、制御はステップ2012に進み、そこで制御はカーネルに戻る。ステップ2010でDLU NEWフラッグが首尾よく読み出され、かつ/またはDLU NEWフラッグが有効であると決定されると、制御はステップ2018に進む。
【0085】
ステップ2018で、DLU NEWフラッグに基づいて手術装置11が新しいかどうかが決定される。ステップ2018で、手術装置11が新しいと決定された場合には、制御はステップ2026に進む。ステップ2026で、手術装置11に対してオートゼロ動作が実行され、制御はステップ2028に進む。ステップ2026のオートゼロ動作は、図22(a)から22(c)に示すフローチャートに関連してさらに詳しく説明する。ステップ2018で、手術装置11が新しくないと決定された場合には、制御はステップ2020に進み、そこで電気機械的ドライバ構成部品610のディスプレイ装置616は、手術装置11がステップ2018で新しくないと決定されたことを示す。例えば、ステップ2020で、ディスプレイ装置616は高速で点滅し、かつ/または自動チャイムを発行することができる。ステップ2022で、「新しいDLUを取り付けてください」のようなメッセージがディスプレイ装置616に表示される。ステップ2024で、メモリデバイス、例えばRAM1134のDLU OLDフラッグがセットされ、それによって開機能を除く全ての機能が抑制される。加えて、メモリデバイス、例えばRAM1134のDLU SHAFTフラッグおよびAUTO−ZEROフラッグがセットされて、打込みシャフト試験機能およびオートゼロ動作機能が抑制される。ステップ2028で、DLU
CHECKタイマ、FIRE BUTTONタイマ、およびFIRE BUTTONカウンタがリセットされる。
【0086】
ステップ2028が実行された後、制御は図20(b)のフローチャートに示されたステップに進む。ステップ2030で、電気機械的ドライバ構成部品610の主モータ電源が停止しているかどうかが決定される。ステップ2030で主モータ電源が停止していると決定されると、制御はステップ2032に進み、そこで「エラー010−操作マニュアルを参照してください」のようなメッセージが例えばディスプレイ装置616に表示される。ステップ2034で、電気機械的ドライバ構成部品610が停止されるまで、例えば指示が提示され、例えばチャイムが繰返し、例えば毎秒一回発行される。ステップ2030で、主モータ電源が停止していないと決定されると、ステップ2036で遠隔制御装置が読み出される。ステップ2040で、例えばRAM1134にDLU OLDフラッグがセットされているかどうかが決定される。DLU OLDフラッグがセットされている場合には、制御はステップ2054に進む。ステップ2040でDLU OLDフラッグがセットされていないと決定されると、制御はステップ2042に進み、そこでFIREキー、例えばワイヤレスRCU1148のスイッチ1320またはワイヤードRCU1150のスイッチ1320’が押されているかどうかが決定される。ステップ2042でFIREキーが押されていると決定されると、制御はステップ2044に進み、打込み動作が実行される。打込み動作については後述し、図24(a)から24(c)に図示する。ステップ2024でFIREキーが押されていないと決定されると、制御はステップ2046に進む。
【0087】
ステップ2046で、CLOSEキー、例えばワイヤレスRCU1148のスイッチ1320またはワイヤードRCU1150のスイッチ1320’が押されているかどうかが決定される。ステップ2046でCLOSEキーが押されていると決定されると、制御はステップ2048に進み、そこで、図21(a)から21(c)に示すように、閉動作が実行される。ステップ2046でCLOSEキーが押されていないと決定されると、制御はステップ2054に進み、そこでOPENキー、例えばワイヤレスRCU1148のスイッチ1320またはワイヤードRCU1150のスイッチ1320’が押されているかどうかが決定される。ステップ2054でOPENキーが押されていると決定されると、制御はステップ2056に進み、そこで図23に示すように開動作が実行される。ステップ2054でOPENキーが押されていないと決定されると、制御はステップ2058に進む。
【0088】
ステップ2058で、ワイヤレスRCU1148またはワイヤードRCU1150のいずれか他のキーが押されているかどうかが決定される。ステップ2058で別のキーが押されていると決定されると、制御はステップ2064に進む。ステップ2058で他のキーが押されていないと決定されると、制御はステップ2060に進む。ステップ2060で、打込みボタンタイマが予め定められた時間、例えば10秒を超えたかどうかが決定される。ステップ2060で打込みボタンタイマが予め定められた時間を超えていると決定されると、ステップ2062で打込みボタンタイマおよびカウンタがリセットされる。次いで制御はステップ2064に進み、そこで打込みボタンカウントが「1」の値を持つかどうかが決定される。ステップ2064で打込みボタンカウントが「1」の値を持つと決定されると、制御はステップ2066に進み、そこでディスプレイ装置616上のアンビル間隙の表示が復元される。ステップ2066が実行された後、制御はステップ2050に進み、そこで打込みボタンカウントがリセットされる。その後、ステップ2052で、ステアリングまたは離脱キーを確認するためにカーネルが呼び出され、それが処理される。
【0089】
ステップ2044の後、ステップ2052またはステップ2060が実行され、制御は図20(c)に示すステップに進む。ステップ2068で、DLU検査タイマが予め定められた値、例えば100ミリ秒より大きいか等しい値を持つかどうかが決定される。ステップ2068で、DLU検査タイマが予め定められた値より大きいか等しい値を持たないと決定されると、制御はステップ2082に進む。ステップ2068で、DLU検査タイマが予め定められた値より大きいか等しい値を持つと決定されると、ステップ2070で、DLU検査タイマがリセットされる。ステップ2072で、DLUの製造番号が読み出される。ステップ2074で、DLUの製造番号を読み出すことができたかどうかが決定される。ステップ2074でDLUの製造番号を読み出すことができなかったと決定されると、RAM1134のDLU存在フラッグがクリアされる。ステップ2074でDLUの製造番号を読み出すことができたと決定されると、ステップ2078でDLU存在フラッグがセットされる。
【0090】
ステップ2080で、手術装置11の製造番号が変化したかどうかが決定される。ステップ2080で製造番号が変化していないと決定されると、制御はステップ2082に進み、そこでIDLEルーチンが呼び出される。その後、制御はステップ2030に戻る。ステップ2080で製造番号が変化していると決定されると、ステップ2084で製造番号が一時的記憶場所に格納される。ステップ2086で手術装置11の製造番号が読み出される。ステップ2088で、DLU製造番号を読み出すことができたかどうかが決定される。ステップ2088でDLU製造番号を読み出すことができなかったと決定されると、制御はステップ2082に進み、そこでIDLEルーチンが呼び出される。ステップ2088でDLU製造番号を読み出すことができると決定されると、ステップ2090でDLU製造番号および一時的記憶場所に格納された製造番号に対し、比較ステップが実行される。ステップ2090でDLU製造番号と一時的記憶場所に格納された製造番号との間の比較が成功しなかったと決定されると、制御はステップ2082に進み、そこでIDLEルーチンが呼び出される。ステップ2090でDLU製造番号と一時的記憶場所に格納された製造番号との間の比較が成功したと決定されると、ステップ2092で、手術装置11の製造番号が読み出される。ステップ2094で、DLU製造番号を読み出すことができたかどうかが決定される。ステップ2094でDLU製造番号を読み出すことができなかったと決定されると、制御はステップ2082に進み、そこでIDLEルーチンが呼び出される。ステップ2094でDLU製造番号を読み出すことができたと決定されると、ステップ2096で、DLU製造番号および一時的記憶場所に格納された製造番号に対し、比較ステップが実行される。ステップ2096でDLU製造番号と一時的記憶場所に格納された製造番号との間の比較が成功しなかったと決定されると、制御はステップ2082に進み、そこでIDLEルーチンが呼び出される。ステップ2096でDLU製造番号と一時的記憶場所に格納された製造番号との間の比較が成功したと決定されると、ステップ2098で、制御はカーネルに戻る。
【0091】
図21(a)から21(c)は、電気機械的ドライバ構成部品610に取り付けられたときの手術装置11のジョーを閉じるためのジョー閉ルーチンの一例を示す。本発明の一実施形態例では、閉ルーチンは制御装置1122によって実行することができるが、上述の通り、図21(a)から21(c)に示すステップの一部または全部を他の制御装置、電子装置等が実行するように構成することができる。
【0092】
図21(a)を参照すると、ステップ2102で、ジョー閉ルーチンが初期化される。ステップ2104で、手術装置11がオートゼロ化されているかどうか、例えばそれに対してオートゼロ動作が実行されているか、あるいは実行されたかどうかが決定される。ステップ2104で手術装置11がオートゼロ化されていないと決定されると、ステップ2016でオートゼロ動作が実行される。オートゼロ動作の一例は図22(a)から22(c)のフローチャートに図示する。次いで、ステップ2108で、遠隔装置、例えばワイヤレスRCU1148またはワイヤードRCU1150の全てのキーの解除を待つ。ステップ2110で、制御は図20(a)から20(c)の主動作プログラムに戻る。ステップ2104で、手術装置11がオートゼロ化されていると決定されると、制御はステップ2112に進み、そこで可撓性シャフト620が試験されたかどうかが決定される。ステップ2112で可撓性シャフト620が試験されていないと決定されると、ステップ2114でシャフト試験ルーチンが実行される。シャフト試験ルーチンの一例は図25(a)および25(b)に示す。ステップ2114で実行されたシャフト試験が成功しなかったとステップ2116で決定されると、制御はステップ2108に進む。上述の通り、ステップ2108で、遠隔装置の全てのキーの解除を待ち、ステップ2110で制御は主動作プログラムに戻る。
【0093】
ステップ2112で可撓性シャフト620が試験されていないと決定されるか、あるいはステップ2116でシャフト試験が成功しなかったと決定されると、制御はステップ2118に進み、そこで手術装置11はもはや新しくないとマーク付けされる。例えば、ステップ2118で、手術装置11がもはや新しくないことを示すようにメモリモジュール501を書くことができる。ステップ2120で、マーク付けステップ2118が成功したかどうかが決定される。ステップ2120でマーク付けステップ2118が成功しなかったと決定されると、制御はステップ2122に進み、そこで「DLUを交換してください」などのメッセージが例えばディスプレイ装置616に表示される。ステップ2124で可聴チャイムが発行される。ステップ2126で、遠隔装置1148または1150の全てのキーの解除を待つ。次いで制御は、ステップ2128で、図20(a)から20(c)に示した主動作プログラムに戻る。
【0094】
ステップ2120で、ステップ2118で実行されたマーク付けステップが成功したと決定されると、制御はステップ2130に進む。ステップ2130でアンビル505の現在位置に対応する値が得られる。ステップ2132で、アンビル505の現在位置に対応する値が、ANVIL_GAP_GREEN_RANGEと呼ばれる値より大きいかどうかが決定される。ANVIL_GAP_GREEN_RANGEは例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することができる。ステップ2132で、アンビル505の現在位置に対応する値が、ANVIL_GAP_GREEN_RANGEと呼ばれる値より大きいと決定されると、ステップ2134で、「アンビルを閉じています」のようなメッセージが例えばディスプレイ装置616に表示され、メッセージフラッグが「0」の値にセットされる。ステップ2132で、アンビル505の現在位置に対応する値が、ANVIL_GAP_GREEN_RANGEと呼ばれる値より大きくないと決定されると、ステップ2136で、アンビル505の現在位置に対応する値が、ANVIL_GAP_BLUE_RANGEと呼ばれる値より大きいかどうかが決定される。ステップ2136で、アンビル505の現在位置に対応する値が、ANVIL_GAP_BLUE_RANGEと呼ばれる値より大きいと決定されると、ステップ2140で「緑OK」のようなメッセージが例えばディスプレイ装置616に表示され、メッセージフラッグが「1」の値にセットされる。ステップ2136で、アンビル505の現在位置に対応する値が、ANVIL_GAP_BLUE_RANGEと呼ばれる値より大きくないと決定されると、ステップ2138で「青OK」のようなメッセージが例えばディスプレイ装置616に表示され、メッセージフラッグが「2」の値にセットされる。このように、ディスプレイ装置616に表示されるメッセージは、第一ジョー80と第二ジョー50との間の間隙が、第一の予め定められた厚さ範囲内にある組織の部分に対して例えば「緑」範囲内で、第二の予め定められたより厚い範囲内にある組織の部分に対しては「青」範囲内であるかどうかの標識を使用者に提供する。本発明の一実施形態例では、「緑」範囲は約1.5mmから2.0mmの間の厚さ範囲内にある組織の部分に対応し、「青」範囲は約1.5mm未満の厚さ範囲内にある組織の部分に対応する。ステップ2138または2140のいずれかが実行された後、制御はステップ2142に進み、そこでディスプレイ装置616などの間隙グラフィック表示が更新される。ステップ2134または2142のいずれかが実行された後、制御は図21(b)に示すステップ2144に進む。
【0095】
図21(b)のフローチャートを参照すると、ステップ2144で、第一ジョー80と第二ジョー50との間の間隙が、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできるANVIL_GAP_MINと呼ばれる予め定められた値より大きいかどうかが決定される。ステップ2144で第一ジョー80と第二ジョー50との間の間隙がANVIL_GAP_MINと呼ばれる予め定められた値より大きくないと決定されると、制御は図21(c)に示す通りステップ2186に進む。ステップ2144で第一ジョー80と第二ジョー50との間の間隙がANVIL_GAP_MINの値より大きいと決定されると、制御はステップ2146に進む。ステップ2146で、値は、速度についてはCLOSE_SPEEDと呼ばれる値に設定され、トルクについてはCLOSE_TORQUEと呼ばれる値に設定され、位置についてはCLOSE POSITIONと呼ばれる値に設定され、それらの各々を例えばメモリユニット1130の記憶位置に格納することができる。ステップ2148で、手術装置11のジョーの移動が開始されストールタイマ(stall timer)がリセットされる。ステップ2150で、CLOSEキーが解除されたかどうかが決定される。ステップ2150でCLOSEキーが解除されたと決定されると、制御は図21(c)のフローチャートに示すようにステップ2186に進む。ステップ2150でCLOSEキーが解除されていないと決定されると、制御はステップ2152に進み、そこでストールタイマが、例えばメモリユニット1130の記憶位置に格納することのできるCLOSE_STALLと呼ばれる予め定められた値より大きい値を持つかどうかが決定される。ステップ2152でストールタイマがCLOSE_STALLと呼ばれる予め定められた値より大きい値を持つと決定されると、ステップ2154で、手術装置11の第一ジョー80と第二ジョー50との間の間隙に対応する値が、例えばメモリユニット1130の記憶位置に格納することのできるANVIL_GAP_MAXと呼ばれる値より小さいかまたは等しいかどうかが決定される。ステップ2154で手術装置11の第一ジョー80と第二ジョー50との間の間隙に対応する値が、ANVIL_GAP_MAXと呼ばれる値より小さいかまたは等しいと決定されると、制御は図21(c)のフローチャートに示すようにステップ2186に進む。ステップ2154で手術装置11の第一ジョー80と第二ジョー50との間の間隙に対応する値が、ANVIL_GAP_MAXと呼ばれる値より小さくも等しくもないと決定されると、ステップ2156で、「閉じるのに失敗しました」のようなメッセージが例えばディスプレイ装置616に表示される。ステップ2158で、可聴チャイムが発行され、制御は図21(c)に示すステップ2186に進む。
【0096】
再びステップ2152に関連して、ステップ2152でストールタイマがCLOSE_STALLと呼ばれる値より大きいと決定されると、制御はステップ2160に進み、そこで現在のアンビル位置が得られる。ステップ2162で、アンビル505の位置が変化したかどうかが決定される。ステップ2162でアンビル505の位置が変化したと決定されると、ステップ2164で、アンビル505の最後の既知の位置が更新され、ストールタイマはリセットされる。ステップ2164でアンビル505の位置が変化していないと決定されると、制御はステップ2166に進む。ステップ2166で、アンビル505の現在位置が、例えばメモリユニット1130の記憶位置に格納することのできるANVIL_GAP_GREEN_RANGEと呼ばれる値より小さいかまたは等しいかどうかが決定される。ステップ2166でアンビル505の現在位置が、ANVIL_GAP_GREEN_RANGEと呼ばれる値より小さくも等しくもないと決定されると、制御はステップ2168に進み、そこでアンビル505の現在位置が、例えばメモリユニット1130の記憶位置に格納することのできるANVIL_GAP_MINと呼ばれる予め定められた値より小さいかまたは等しいかどうかが決定される。ステップ2168で、アンビル505の現在位置がANVIL_GAP_MINと呼ばれる予め定められた値より小さいかまたは等しいと決定されると、制御は図21(c)のフローチャートに示すようにステップ2186に進む。ステップ2168で、アンビル505の現在位置がANVIL_GAP_MINと呼ばれる予め定められた値より小さくも等しくもないと決定されると、ステップ2170で、手術装置11のジョーが完全に移動したかどうかが決定される。ステップ2170で手術装置11の第一ジョー80および第二ジョー50がそれらの移動を完了したと決定されると、制御は図21(c)のフローチャートに示すようにステップ2186に進む。ステップ2170で手術装置11の第一ジョー80および第二ジョー50が移動を完了していないと決定されると、制御はステップ2150に戻る。
【0097】
再びステップ2166に関連して、アンビル505の現在位置が、ANVIL_GAP_GREEN_RANGEと呼ばれる値より大きいと決定されると、制御はステップ2172に進み、そこでアンビル505の現在位置が、例えばメモリユニット1130の記憶位置に格納することのできるANVIL_GAP_BLUE_RANGEと呼ばれる予め定められた値より大きいかどうかが決定される。ステップ2172で、アンビル505の現在位置がANVIL_GAP_BLUE_RANGEと呼ばれる予め定められた値より大きいと決定されると、制御はステップ2174に進み、そこでメッセージフラッグが「1」の値を持つかどうかが決定される。ステップ2174でメッセージフラッグが「1」の値を持たないと決定されると、ステップ2176で制御装置1122はメッセージフラッグの値を「1」の値にセットし、「緑OK」のようなメッセージが例えばディスプレイ装置616に表示され、ステープリングされる組織の特定の厚さに対応する「緑」のカートリッジを使用できることが使用者に示される。ステップ2176が完了した後、またはステップ2174でメッセージフラッグが「1」の値を持つと決定されると、制御はステップ2178に進む。
【0098】
ステップ2172で、アンビル505の現在位置が、例えばメモリユニット1130の記憶位置に格納することのできるANVIL_GAP_BLUE_RANGEと呼ばれる予め定められた値より大きくないと決定されると、ステップ2180で、メッセージフラッグが「2」の値を持つかどうかが決定される。ステップ2180で、メッセージフラッグが「2」の値を持たないと決定されると、ステップ2182で、メッセージフラッグの値は「2」の値にセットされ、「青OK」のようなメッセージが例えばディスプレイ装置616に表示され、ステープリングされる組織の特定の厚さに対応する「青」のカートリッジを使用できることが使用者に示される。ステップ2182が終了した後、またはステップ2180でメッセージフラグが「2」の値を持つと決定されると、制御はステップ2178に進む。ステップ2178で、例えばディスプレイ装置616上の間隙グラフィック表示が更新される。ステップ2184で、発光ダイオードなどの「範囲内」表示が点灯し、メモリユニット1130のRAM1134でDLU FIREDフラッグがセットされる。その後、制御がステップ2168に進む。
【0099】
ステップ2158、ステップ2168、またはステップ2170が実行された後、制御はステップ2186に進み、その時点で、アンビル505を駆動するモータ、例えばモータ680が停止する。ステップ2188で、間隙の現在位置に対応する値が、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできるANVIL_GAP_MAXと呼ばれる予め定められた値より低いかまたは等しいかどうかが決定される。ステップ2188で間隙に対応する値がANVIL_GAP_MAXと呼ばれる記憶場所に格納された予め定められた値より低いかまたは等しいと決定されると、制御はステップ2192に進み、そこで、例えばディスプレイ装置616上の間隙グラフィック表示が更新される。ステップ2188で間隙に対応する値がANVIL_GAP_MAXと呼ばれる予め定められた値より低くも等しくもないと決定されると、ステップ2190で、遠隔装置の全てのキーの解除を待ち、図20(a)から20(c)に示す通り、制御はステップ2194で主動作プログラムに戻る。
【0100】
図22(a)から22(c)は、電気機械的ドライバ構成部品610に取り付けられた場合の手術装置11に対し、オートゼロ機能を実行するためのオートゼロ化ルーチンの一例を示す。本発明の一実施形態例では、オートゼロ化ルーチンは制御装置1122によって実行されるが、上述の通り、他の制御装置、電子装置等が図22(a)から22(c)に示したステップの一部または全部を実行するように構成することができることを理解すべきである。図22(a)を参照すると、ステップ2202でオートゼロ化ルーチンが初期化される。ステップ2204で、遠隔装置の全てのキーの解除を待つ。ステップ2206で、例えばディスプレイ装置616上に「較正しています」のようなメッセージが表示される。ステップ2208で、READY TO FIREフラッグがAUTOZERO
OKフラッグと同様にリセットされる。ステップ2210で、アンビル505の現在位置が、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできるAUTOZERO_POSITIONと呼ばれる値に設定される。ステップ2212で、トルクが、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできるAUTOZERO_TORQUEと呼ばれる値に設定される。ステップ2214で、速度が、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできるAUTOZERO_SPEEDと呼ばれる値に設定される。ステップ2216で、行先位置が「0」の値に設定される。ステップ2218で、手術装置11のジョーを閉じるようにアンビル505が移動を始めさせるために、アンビル505に対応するモータ、例えばモータ680に信号が送られる。ステップ2220で、ストールタイマおよび最後の位置がリセットされる。次いで制御は、図22(b)のフローチャートに示したステップを実行するように進む。
【0101】
ステップ2222で、ストールタイマが、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできるAUTOZERO_STALLと呼ばれる値より大きいかどうかが決定される。ステップ2222でストールタイマがAUTOZERO_STALLと呼ばれる値より大きい値を持つと決定されると、制御はステップ2242に進み、その時点でアンビル505に対応するモータ、例えばモータ680が停止する。ステップ2222でストールタイマがAUTOZERO_STALLと呼ばれる予め定められた値より大きくない値を持つと決定された場合、制御はステップ2224に進み、そこでアンビル505の現在位置が最後の位置に等しいかどうかが決定される。ステップ2224でアンビル505の現在位置が最後の位置に等しくないと決定された場合、ステップ2226でストールタイマおよび最後の位置がリセットされる。ステップ2224でアンビル505の現在位置が最後の位置に等しいと決定された場合、制御はステップ2228に進み、そこで、遠隔装置、例えばワイヤレスRCU1148またはワイヤードRCU1150のキーのいずれかが押されているかどうかが決定される。ステップ2228で遠隔装置のキーのいずれかが押されていると決定されると、ステップ2230で、ストールタイマおよび最後の位置はリセットされる。ステップ2232で、アンビル505はANVIL_BACKUPと呼ばれる予め定められた距離だけ開き、その値は、ストールタイマの値がAUTOZERO_STALLと呼ばれる値、またはその倍数、例えばAUTOZERO_STALLの値の倍数を超えるまで、例えばメモリユニット1130の記憶場所または他の場所に保存することができる。ステップ2232で、アンビル505に対応するモータ、例えばモータ680が停止する。ステップ2234で、可聴チャイムが発行され、例えばディスプレイ装置616上に「CLOSEを押して再較正してください」のようなメッセージが表示される。ステップ2236で、遠隔装置の全てのキーの解除を待ち、ステップ2238で制御は、図20(a)から20(c)に示す主動作プログラムのような主動作プログラムに戻る。
【0102】
ステップ2228で、遠隔装置のキーのいずれも押されていないと決定された場合、制御はステップ2240に進み、そこでジョーの移動が完了したかどうかが決定される。ステップ2240でジョーの移動が完了していないと決定されると、制御はステップ2222に戻る。ステップ2240でジョーの移動が完了したと決定されると、制御はステップ2242に進み、そこでアンビル505を駆動するモータ、例えばモータ680が停止する。ステップ2244で遠端位置および近端位置の値が各々1.5mmの値に設定される。
【0103】
次いで制御は図22(c)に示すステップに進む。ステップ2246で、メモリのストールタイマおよび最後の位置がリセットされる。ステップ2248で、速度は、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできるOPEN_SPEEDと呼ばれる予め定められた値に設定される。ステップ2250で、行先位置が、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできるOPEN_POSITIONと呼ばれる予め定められた値に設定され、手術装置11のジョーが移動し始める。ステップ2252で、ストールタイマが、AUTOZERO_STALLと呼ばれる予め定められた値、またはその倍数、例えばAUTOZERO_STALLの値の倍数より大きい値を持つかどうかが決定される。ステップ2252で、ストールタイマがAUTOZERO_STALLと呼ばれる予め定められた値より大きい値を持たないと決定された場合、ステップ2254で、アンビル505の現在位置がその最後の位置に等しいかどうかが決定される。ステップ2254でアンビル505の現在位置がその最後に位置に等しくないと決定された場合、ステップ2256でストールタイマおよび最後の位置の値がリセットされる。ステップ2254でアンビル505の現在位置がその最後と同じであると決定された場合、制御はステップ2258に進み、そこで、遠隔装置、例えばワイヤレスRCU1148またはワイヤードRCU1150のキーのいずれかが押されているかどうかが決定される。遠隔装置のキーが押されていると決定された場合、ステップ2268でアンビル505を駆動するモータ、例えばモータ680が停止する。ステップ2270で、ビープ音などの可聴信号が使用者に発行され、「CLOSEを押して再較正してください」のようなメッセージが例えばディスプレイ装置616上に表示される。ステップ2272で、遠隔装置の全てのキーの解除を待ち、ステップ2274で制御は、図20(a)から20(c)に示すような主動作プログラムに戻る。
【0104】
ステップ2258で、遠隔装置、例えばワイヤレスRCU1148またはワイヤードRCU1150のキーが押されていないと決定された場合には、ステップ2260で、手術装置11のジョーの移動が完了したかどうかが決定される。ステップ2260でジョーがその移動を完了していないと決定された場合、制御はステップ2252に戻る。ステップ2260で、手術装置11のジョーの移動が完了したと決定された場合には、ステップ2262でアンビルモータ、例えばモータ680が停止し、可聴信号が発行され、あるいは「READY」のようなメッセージが例えばディスプレイ装置616上に表示される。ステップ2264で、AUTOZERO OKフラッグがセットされ、遠隔装置の全てのキーの解除を待つ。ステップ2266で制御は、図20(a)から20(c)に示すような主動作プログラムに戻る。
【0105】
図23は、電気機械的ドライバ構成部品610に接続された場合の手術装置11を開くためのジョー開ルーチンの一例を示す。本発明の一実施形態例では、この動作プログラムは制御装置1122によって実行されるが、上述の通り、他の制御装置、電子装置等がジョー開ルーチンのステップの一部または全部を実行することができることを理解すべきである。図23を参照すると、ステップ2300で、ジョー開ルーチンが初期化される。ステップ2302で、「範囲内」表示、例えば発光ダイオードが消灯し、メモリのDLU READYフラッグがクリアされる。ステップ2304で、メモリでオートゼロフラッグがセットされているかどうかが決定される。ステップ2304で、メモリでオートゼロフラッグがセットされていないと決定された場合、ステップ2306で「CLOSEを押して再較正してください」のようなメッセージが例えばディスプレイ装置616上に表示される。ステップ2308で可聴信号またはチャイムが使用者に発行される。ステップ2312で戻る前に、ステップ2310で遠隔装置の全てのキーの解除を待つ。その後、制御は、図20(a)から20(c)に示す主動作プログラムのような主動作プログラムに戻る。
【0106】
ステップ2304で、オートゼロフラッグがセットされていると決定された場合、ステップ2314でアンビルトルクが、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできるOPEN_TORQUEと呼ばれる値に設定される。ステップ2316で速度は、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできるOPEN_VELOCITYと呼ばれる予め定められた値に設定される。ステップ2318で、ジョーの行先は完全な非クランプ位置に設定される。ステップ2320で手術装置11のジョーは移動し始める。ステップ2322で、「アンビルを開いています」のようなメッセージが例えばディスプレイ装置616上に表示される。ステップ2324で、メモリのメッセージフラッグがクリアされる。ステップ2326で、遠隔装置のOPENキーが解除されているかどうかが決定される。ステップ2326でOPENキーが解除されていると決定されると、制御はステップ2328に進み、そこでアンビルモータ、例えばモータ680が停止し、遠隔装置の全てのキーの解除を待つ。ステップ2330で、制御は、図20(a)から20(c)に示した主動作プログラムのような主動作プログラムに戻る。
【0107】
ステップ2326でOPENキーが解除されていないと決定されると、ステップ2332で、アンビル間隙、例えば手術装置11の第一ジョー80と第二ジョー50との間の間隙の値が得られる。ステップ2334で、間隙が、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできるANVIL_FULL_OPEN_GAPと呼ばれる値より大きいかどうかが決定される。ステップ2334で間隙がANVIL_FULL_OPEN_GAPと呼ばれる値より大きいと決定された場合には、ステップ2336で、メッセージフラッグがセットされているかどうかが決定される。ステップ2336でメッセージフラッグがセットされていないと決定された場合には、ステップ2338でメッセージフラッグがセットされ、「アンビル全開」のようなメッセージが例えばディスプレイ装置616上に表示される。次いで制御はステップ2340に進む。同様に、ステップ2334で間隙がANVIL_FULL_OPEN_GAPと呼ばれる予め定められた値より大きくないと決定された場合、あるいはステップ2336でメッセージフラッグがセットされていないと決定された場合、制御はステップ2340に進む。ステップ2340で、手術装置11のジョーの移動が完了したかどうかが決定される。ステップ2340でジョーの移動が完了していないと決定されると、制御はステップ2326に戻る。ステップ2340で手術装置11のジョーの移動が完了したと決定された場合には、制御はステップ2328に進む。既に上述した通り、ステップ2328で、アンビルモータ、例えばモータ680が停止し、遠隔装置の全てのキーの解除を待つ。ステップ2330で、制御は図20(a)から20(c)に示す主動作プログラムに戻る。
【0108】
図24(a)は、電気機械的ドライバ構成部品610に接続された場合の手術装置11の上部ジョーと下部ジョーとの間にクランプされた組織の部分を切断しかつステープリングするためのステープル打込みルーチンを示す。本発明の一実施形態例では、この動作プログラムは制御装置1122によって実行することができるが、上述の通り、他の制御装置、電子装置等がステープル打込みルーチンのステップの一部または全部を実行するように構成することができることを理解すべきである。図24(a)を参照すると、ステップ2400でステープル打込みルーチンは初期化される。ステップ2402で、AUTOZERO OKフラッグがセットされているかどうかが決定される。ステップ2402でAUTOZERO OKフラッグがセットされていないと決定された場合には、ステップ2404で「CLOSEを押して再較正してください」のようなエラーメッセージが例えばディスプレイ装置616上に表示される。AUTOZERO OKフラッグがセットされていると決定された場合には、制御はステップ2406に進む。ステップ2406で、DLU READYフラッグがセットされているかどうかが決定される。ステップ2406でDLU READYフラッグがセットされていないと決定された場合には、ステップ2408で、「範囲外」のようなエラーメッセージが例えばディスプレイ装置616上に表示される。ステップ2406でDLU READYフラッグがセットされていると決定された場合には、制御はステップ2410に進む。ステップ2410で、DLU FIREDフラッグがセットされているかどうかが決定される。ステップ2410でDLU FIREDフラッグがセットされていると決定された場合には、ステップ2412で、エラー状態が発生したと決定され、「ステープルがありません」のようなエラーメッセージが例えばディスプレイ装置616上に表示される。ステップ2410でDLU FIREDフラッグがセットされていないと決定された場合には、制御はステップ2422に進む。ステップ2404、ステップ2408、またはステップ2412の完了後、制御はステップ2414に進み、そこで打込みボタンカウントがリセットされる。ステップ2416で、可聴チャイムが発行される。ステップ2418で全てのキーの解除を待ち、ステップ2420で、制御は、図20(a)から20(c)に示す主動作プログラムのような主動作プログラムに戻る。
【0109】
上述の通り、ステップ2410でDLU FIREDフラッグがセットされていないと決定された場合には、制御はステップ2422に進む。ステップ2422で打込みボタンカウントが増加する。ステップ2424で、打込みボタンが初めて押されたかどうかが決定される。ステップ2424で打込みボタンが初めて押されたと決定された場合には、ステップ2426で、「打込みキーREADY」のようなメッセージが例えばディスプレイ装置616上に表示される。ステップ2428で、打込みボタンタイマがリセットされる。ステップ2428が実行された後、制御は上述の通りステップ2418に戻る。ステップ2424で、打込みボタンが押されたのが初めてではないと決定された場合、ステップ2430で「打ち込んでいます」のようなメッセージが例えばディスプレイ装置616上に表示される。ステップ2432で、使用カウントが減少され、DLU FIREDフラッグがセットされる。本発明の一実施形態例では、制御は予め定められた時間間隔、例えば100ミリ秒の間隔で、予め定められた回数だけ使用カウントを減少しようと試みる。
【0110】
次いで制御は、図24(b)に示すようにステップ2434に進む。ステップ2434で、打込みモータ速度、例えばモータ676などのステープルを打ち込むモータの速度が設定される。加えて、ステップ2434では、トルク限度が設定される。ステップ2436で、打込みモータ位置が、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできるFIRE POSITIONと呼ばれる予め定められた値に設定され、手術装置11のジョーが移動を開始する。ステップ2438で、最後の既知の位置が「0」に設定される。加えて、ステップ2438で、打込みおよびストールタイマがリセットされ、エラーフラッグがクリアされる。ステップ2440で、打込みまたはストールタイマが満了したかどうかが決定される。ステップ2440で打込みまたはストールタイマが満了したと決定された場合には、ステップ2452で、打込みモータ、例えばモータ676が使用不能になる。ステップ2454で、「打込みシーケンスが完了していません」のようなエラーメッセージが例えばディスプレイ装置616上に表示される。ステップ2456で、チャイムまたは他の可聴信号が発行され、エラーフラッグがセットされる。その後、制御はステップ2458に進む。
【0111】
ステップ2440で、打込みまたはストールタイマが満了したと決定された場合には、制御はステップ2442に進む。ステップ2442で、打込みモータ、例えばモータ676がその移動を完了したかどうかが決定される。ステップ2442で、打込みモータ、例えばモータ676がその移動を完了したと決定された場合には、制御は上述の通りステップ2452に進む。ステップ2442で打込みモータ、例えばモータ676がその移動を完了していないと決定された場合には、制御はステップ2444に進む。ステップ2444で、アンビル505の現在位置がアンビル505の最後の位置と同じであるかどうかが決定される。ステップ2444でアンビル505の現在位置がアンビル505の最後の位置と同じでないと決定された場合には、ステップ2446で、アンビル505の最後の位置がアンビル505の現在位置に等しく設定され、ストールタイマがリセットされる。ステップ2446が実行された後、またはステップ2444でアンビル505の現在位置がアンビル505の最後の位置と同じであると決定された場合、制御はステップ2448に進む。ステップ2448で、ナイフ519のようなナイフがその行先、例えば完全延長位置に到達したかどうかが決定される。ステップ2448でナイフがその行先に到達していないと決定された場合には、制御はステップ2440に戻る。ステップ2448でナイフがその行先に到達したと決定された場合には、ステップ2450で、制御装置1122は打込みモータ、例えばモータ676を使用不能にする。
【0112】
ステップ2450または2456のいずれかの完了後に、制御はステップ2458に進む。ステップ2458で、「範囲内」表示、例えば発光ダイオードが消灯し、DLU READYフラッグがクリアされる。ステップ2460で、モータ電流限度が全尺に設定される。ステップ2462で、アンビル505はその初期位置に戻り始める。ステップ2464で、最後の既知の位置が零に設定され、サイクルおよびストールタイマがリセットされる。ステップ2466で、図24(c)に示す通り、サイクルタイマが、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできるTIME_FIREと呼ばれる予め定められた値より大きいかどうかが決定される。ステップ2466でサイクルタイマがTIME_FIREと呼ばれる予め定められた値より大きいと決定された場合、ステップ2468で、エラーフラッグがセットされているかどうかが決定される。ステップ2468でエラーフラッグがセットされていないと決定された場合には、ステップ2470で、「打込みシーケンスが完了していません」のようなエラーメッセージが例えばディスプレイ装置616上に表示される。ステップ2472で、可聴チャイムが発行され、エラーフラッグがセットされる。ステップ2472が実行された後、またはステップ2468でエラーフラッグがセットされていると決定された場合、制御はステップ2482に進む。
【0113】
ステップ2466で、サイクルタイマがTIME_FIREと呼ばれる値より大きくないと決定された場合には、ステップ2474で、ストールタイマが、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできるTIME_STALLと呼ばれる予め定められた値、またはその倍数、例えばTIME_FIREの値の倍数より大きいかどうかが決定される。ステップ2474でストールタイマがTIME_STALLと呼ばれる予め定められた値より大きいと決定された場合には、制御は前述の通りステップ2468に進む。ステップ2474でストールタイマがTIME_STALLと呼ばれる値より大きくないと決定された場合には、制御はステップ2476に進む。ステップ2476で、アンビル505の現在位置がアンビル505の最後の位置と同じであるかどうかが決定される。ステップ2476でアンビル505の現在位置がアンビル505の最後の位置と同じであると決定された場合には、ステップ2478で、アンビル505の最後の位置がアンビル505の現在位置に等しく設定され、ストールタイマはリセットされる。ステップ2478が実行された後、またはステップ2476でアンビル505の現在位置がアンビル505の最後の位置と同じであると決定された場合、制御はステップ2480に進む。ステップ2480で、ナイフ519のようなナイフが完全に後退しているかどうかが決定される。ステップ2480でナイフが完全には後退していないと決定されると、制御はステップ2466に戻る。ステップ2480でナイフが完全に後退していると決定された場合、または上述したステップ2468または2472の完了後、ステップ2482で打込みモータ、例えばモータ676が使用不能になる。ステップ2484で、エラーフラッグがメモリにセットされているかどうかが決定される。ステップ2484でエラーフラッグがメモリにセットされていると決定されると、制御はステップ2488に進み、主動作プログラムに戻る。ステップ2488でエラーフラッグがセットされていないと決定されると、「打込みは完了しました」のようなメッセージが例えばディスプレイ装置616上に表示される。その後、ステップ2488で制御は主動作プログラムに戻る。
【0114】
図25(a)は、電気機械的ドライバ構成部品610の可撓性シャフト620のシャフト試験に対応するシャフト試験ルーチンを示す。本発明の一実施形態例では、このシャフト試験ルーチンは制御装置1122によって実行されるが、前述のとおり、他の制御装置、電子装置等がシャフト試験ルーチンのステップの一部または全部を実行するように構成することができることを理解すべきである。図25(a)を参照すると、ステップ2500で、シャフト試験ルーチンが初期化される。ステップ2502で、対応する回転自在な駆動シャフト、例えば回転自在な駆動シャフト632を歩進させるように、ナイフモータ、例えばモータ676のトルク、速度、および位置が設定される。ステップ2504で、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできるFIRE_TEST_TIME_OUTと呼ばれる予め定められた時間間隔だけ待つか、またはナイフ519の移動の完了を待つ。ステップ2506で、FIRE_TEST_TIME_OUTと呼ばれる時間間隔が満了したかどうかが決定される。ステップ2506で、FIRE_TEST_TIME_OUTと呼ばれる時間間隔が満了したと決定された場合には、ステップ2508で、「エラー006−操作マニュアルを参照してください」のようなメッセージが例えばディスプレイ装置616上に表示される。ステップ2510で、電気機械的ドライバ構成部品610の電源が切られるまで、チャイムが定期的に、例えば毎秒一回発行される。
【0115】
ステップ2506でFIRE_TEST_TIME_OUTと呼ばれる時間間隔が満了していないと決定された場合には、ステップ2512で、ナイフ519の移動が完了するのを確実にするために、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできるFIRE_STOP_TIMEと呼ばれる予め定められた時間間隔だけ待つ。ステップ2514で、遠端位置が、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできる値であるFIRE_CHECK_POSITIONと呼ばれる予め定められた位置より小さいかどうかが決定さる。ステップ2514で遠端位置がFIRE_CHECK_POSITIONと呼ばれる予め定められた位置より小さくないと決定された場合には、ステップ2516で、エラー状態が発生したと決定され、「可撓性シャフトを交換してください」のようなエラーメッセージが例えばディスプレイ装置616上に表示される。ステップ2518で、可聴チャイムが発行され、エラーフラッグがセットされる。ステップ2518が実行された後、またはステップ2514で遠端位置がFIRE_CHECK_POSITIONより小さいと決定された場合、制御はステップ2520に進む。ステップ2520で、遠端位置は原位置またはホームポジションに設定される。ステップ2522で、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできるFIRE_TEST_TIME_OUTと呼ばれる予め定められた時間間隔だけ待つか、さもなければナイフ519の移動の完了を待つ。ステップ2524で、FIRE_TEST_TIME_OUTと呼ばれる時間間隔が満了したと決定された場合には、ステップ2526で、「エラー006−操作マニュアルを参照してください」のようなメッセージが例えばディスプレイ装置616上に表示される。ステップ2528で、電気機械的ドライバ構成部品610の電源が切られるまで、チャイムが発行される。ステップ2524で時間が満了していないと決定された場合、図25(b)のフローチャートに示すように、ステップ2530でエラーフラッグがセットされたかどうかが決定される。ステップ2530でエラーフラッグがセットされていると決定された場合には、ステップ2536で遠隔装置の全てのキーの解除を待つ。その後、制御はステップ2538で主動作プログラムに戻る。ステップ2530でエラーフラッグがセットされていないと決定された場合には、ステップ2532で、シャフト試験フラッグが「1」の値に設定される。その後、ステップ2534で、制御は図20(a)から20(c)に示すように主動作プログラムに戻る。
【0116】
従来の手術装置の一つの問題は、それらが装置を使用できる進入角が制限されるということである。前述のとおり、従来の手術装置は一般的に、切断またはステープリングする組織の部分に対して垂直の器具シャフトを使用している。従来の手術装置を身体的に、例えば患者の体内で使用する場合、装置は、組織の部分を切断およびステープリングするのに単一の進入角に制限される。
【0117】
対照的に、本発明の手術装置11は、装置が使用される進入角を制限しない。前述の通り、本発明の様々な実施形態例に係る手術装置11は、第二ジョー50に対する第一ジョー80の移動面に対してある角度で、例えば垂直に第一ジョー80に結合される駆動シャフト630および632を含む。したがって、手術装置11を身体内で、例えば患者の体内で使用する場合、手術装置11は単一の進入角に制限されない。それどころか、様々な進入角を使用することができ、それはオペレータが手術装置を組織の様々な部分により効果的に使用することを可能にする。
【0118】
従来の手術装置の別の問題は、それらを患者の体内で操作するのが難しいことである。例えば、容易に操作できない組織の部分をクランプまたはステープリングするために従来の手術装置を使用する場合、代わりに手術装置を操作しなければならない。例えば、肛門断端に隣接して位置する胃腸組織の部分の場合、手術の実行前または実行中に組織のその部分を操作することができない。従来の手術装置は、オペレータが使用しなければならない進入角が患者の骨盤と衝突するので、そのような場所に使用することができない。
【0119】
対照的に、本発明の様々な実施形態例に係る手術装置11は、患者の体内で操作するのがあまり難しくない。例えば、上述した肛門断端に隣接して位置する胃腸組織の部分の場合、手術装置11を肛門に最も近い胃腸組織の部分の端ぎりぎりに配置することができる。こうして、第二ジョー50に対する第一ジョー80の移動面に対して角を成す、例えば垂直の駆動シャフト630および632の構成は、患者の体内における手術装置11の操縦性を改善することができる。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2002年1月8日に出願した米国特許出願第60/346,656号の利益を主張し、それを参照によって明示的に全体に本書に組み込まれる。
【0002】
本願は、2000年2月22日に出願の米国特許出願第09/510,923号、2000年11月28日に出願の米国特許出願第09/723,715号、2001年4月17日に出願の米国特許出願第09/836,781号、2001年6月22日に出願の米国特許出願第09/887,789号、および2001年12月4日に出願の米国特許出願第60/337,544号に関係し、各々を参照によって明示的に全体に本書に組み込まれる。
【0003】
本発明は手術装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、組織をクランプし、切断し、ステープリングするためのクランプ、切断、およびステープリング装置に関する。
【背景技術】
【0004】
文献は手術装置の記述が溢れている。これらの手術装置の幾つかが、シェストレム(Sjostrom)らの米国特許第4,705,038号、アムス(Ams)らの米国特許第4,995,877号、マラビー(Mallaby)らの米国特許第5,249,583号、バーン(Byrne)らの米国特許第5,395,033号、ツルタ(Tsuruta)らの米国特許第5,467,911号、全てフーベン(Hooven)の米国特許第5,383,880号、第5,518,163号、第5,518,164号、および第5,667,517号、ヤング(Young)らの米国特許第5,653,374号、アレシ(Alesi)らの米国特許第5,779,130号、およびバイオラ(Viola)らの米国特許第5,954,259号に記載されている。
【0005】
一型の手術装置として直線状ステープル装置があり、それは組織の一部分を切断してステープルするために使用されるギロチン型装置である。図1(a)は、米国特許第3,494,533号に記載されたそのような装置の一例を示す。図1(a)に示された装置は、相互に平行関係に移動する対向ジョーを含む。第一ジョーはその中に配置されたステープルの配列を有する一方、第二ジョーはステープルを受容して閉止するためのアンビルを提供する。第一ジョー内にステープルプッシャが配置され、第一ジョーの近端から第一ジョーの遠端まで延在する。第一ジョーおよびステープルプッシャに連結された駆動シャフトは、第一ジョーおよびステープルプッシャの移動平面内に配置される。起動されたときに、駆動シャフトは、第二ジョーのアンビルのステープルガイドに全てのステープルを同時に押し付けるように、ステープルプッシャを駆動する。
【0006】
手術装置の他の例が米国特許第4,442,964号、米国特許第4,671,445号、および米国特許第5,413,267号に記載されている。そのような外科用ステープラは、相互に平行関係に移動する対向ジョーを含み、第一ジョーはその中に配置されたステープルの配列を有する一方、第二ジョーはステープルを受容して閉止するためのアンビルを提供する。第一ジョー内にステープルプッシャが配置され、第一ジョーの近端から第一ジョーの遠端まで延在する。第一ジョーおよびステープルプッシャに連結された駆動シャフトは、第一ジョーおよびステープルプッシャの移動平面内に配置され、起動されたときに、駆動シャフトは、第二ジョーのアンビルのステープルガイドに全てのステープルを同時に押し付けるように、ステープルプッシャを駆動する。
【0007】
別の型の手術装置として、米国特許第6,264,087号に記載されているような直線状クランプ、切断、およびステープリング装置がある。そのような装置は、胃腸管の癌または異常組織を切除する外科的処置に使用することができる。従来の直線状クランプ、切断、およびステープリング器具を図1(b)の斜視図に示す。装置は、細長いシャフトおよび遠端部分を有するピストルグリップ式構造を含む。遠端部分は一対のはさみ型把持要素を含み、それは結腸の開口端を閉じた状態にクランプする。二つのはさみ型把持要素の一つ、アンビル部分は、構造全体に対して移動または枢動し、もう一つの把持要素は構造全体に対して固定される。このシザリング装置(scissoring device)の起動、すなわちアンビル部分の枢動は、ハンドルに配設されたグリップトリガによって制御される。シザリング装置に加えて、遠端部分にはステープリング機構も含まれる。シザリング機構の固定把持要素は、ステープルカートリッジ受容領域、およびアンビル部分に当てて組織のクランプされた端にステープルを打ち込むための機構を含み、それによって前に開口した端を密閉する。シザリング要素はシャフトと一体的に形成することができ、あるいは様々なシザリング要素およびステープリング要素を相互に交換することができるように着脱自在にすることができる。
【0008】
一般的に、これらの手術装置は次のように使用される。胃腸管における癌または他の異常組織の識別後(および癌組織が結腸内の位置にあることが突き止められた後)、患者の腹部が最初に切開されて腸が露出される。次いで外科医は結腸の管を癌組織の両側で切断し、腸の二つの開口端(肛門の方に向けられた遠端、および腸管下部に最も近い近端)をステープルで閉止する。この一時的閉止は、露出した腹部の腸内容物による汚染を最小限に止めるために行なわれる。さらに詳しくは、腸の二つの開口端のこの一時的閉止は、結腸が手術装置のジョーの間に配置されたときに達成される。第一駆動機構を起動させることによって、外科医はジョーを閉じる。次いで第二駆動機構が起動され、一連のステープルおよび切刃が結腸のクランプされた端に押し込まれ、それによって端が閉止されかつ離断される。この手順は一般的に、癌または異常組織の反対側で再度繰り返される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の手術装置の一つの問題は、装置が操縦しにくいことである。これらの装置は身体で、例えば患者の体内で使用されるので、装置は患者の体内で操縦されるように構成する必要がある。図1(a)および1(b)に示したような従来の手術装置は、特に患者の体内では操縦するのが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、その一実施形態例では、手術装置に関する。手術装置は第一ジョーおよび第一ジョーと対向関係の第二ジョーを含む。第一ドライバは、第一ジョーおよび第二ジョーの平面内の相対移動を引き起こすように構成される。第一ドライバは、前記平面に対して非平行な関係に配設された回転軸を中心に回転自在に駆動シャフトを係合するように構成される。手術装置はまた、第一ジョー内に配置された外科用部材をも含む。第二ドライバは、平面に平行な方向の外科用部材の相対移動を引き起こすように構成される。第二ドライバは、平面に対して非平行な関係に配設された回転軸を中心に回転自在に駆動シャフトを係合するように構成される。
【0011】
本発明の一実施形態例では、第一駆動ソケットは、電気機械的ドライバの第一および第二ジョーの平面に対してある角度で、例えば垂直に配設された第一の回転自在な駆動シャフトの一端に連結するように構成される。電気機械的ドライバは、第一の回転自在な駆動シャフトを回転するように構成される。第一の回転自在な駆動シャフトは、第一方向に回転してジョーを開き、第一方向とは反対の第二方向に回転してジョーを閉じる。第一ドライバは例えば、相互に回転歯車結合関係にある一対の平歯車、ウォーム、およびウォーム歯車を含むことができる。第一ドライバはまた、一つのウォーム歯車の一端に固定的に接続され第二ジョーの雌ねじ穴と係合する雄ねじをも含むことができ、歯車の回転はそれにより第一ジョーおよび第二ジョーの相対移動を引き起こす。
【0012】
上に示した通り、手術装置はまた、切断要素、例えばナイフ、および第一ジョー内に配置されたスラスト板に装着されたステープリング要素のような外科用部材をも含むことができる。この実施形態例では、第二ドライバは第一ジョー内に配置される。第二ドライバは、外科用部材を第一および第二ジョーの移動の平面に平行な方向に移動させるように構成される。第二ドライバは第二駆動ソケットを含み、それは前記平面に対してある角度で、例えば垂直に配設される。
【0013】
本発明の一実施形態例では、第二ドライバの第二駆動ソケットは、電気機械的ドライバの第一および第二ジョーの平面に対してある角度で、例えば垂直に配設された第二の回転自在な駆動シャフトの一端に連結するように構成される。電気機械的ドライバは、第二の回転自在な駆動シャフトを回転するように構成される。第二の回転自在な駆動シャフトは、第一方向に回転して外科用部材を下降させ、第一方向とは反対の第二方向に回転して外科用部材を上昇させる。第二ドライバは例えば、相互に回転歯車結合関係にある一対の平歯車、ウォーム、および一対のウォーム歯車を含むことができる。この対のウォーム歯車の各々は、外科用部材に固定的に接続された一対の雄ねじのそれぞれ一つと係合する、中央に配置された雌ねじ穴を持つ。歯車の回転は、外科用部材の相対移動を引き起こす。
(項目1)
第一ジョーと、
上記第一ジョーと対向する関係にある第二ジョーと、
上記第一ジョーおよび上記第二ジョーの平面内での相対移動を引き起こすように構成された第一ドライバであって、上記平面に対して非平行な関係に配設された回転軸を中心に回転自在な駆動シャフトと係合するように構成された第一ドライバと、
を含む手術装置。
(項目2)
上記第一ジョー内に配置された外科用部材と、
上記平面に平行な方向の上記外科用部材の相対移動を引き起こすように構成された第二ドライバであって、上記平面に対して非平行な関係に配設された回転軸を中心に回転自在な駆動シャフトを係合するように構成された第二ドライバと、
をさらに含む、項目1に記載の装置。
(項目3)
上記外科用部材が切断要素を含む、項目2に記載の装置。
(項目4)
上記外科用部材がステープリング要素を含む、項目2に記載の装置。
(項目5)
上記外科用部材がスラスト板を含み、そこに切断要素およびステープリング要素が装着される、項目2に記載の装置。
(項目6)
上記第一の回転自在な駆動シャフトを回転させるように較正された電気機械的ドライバをさらに含む、項目1に記載の装置。
(項目7)
上記第一の回転自在な駆動シャフトの回転軸が上記第一および第二ジョーの平面に対して垂直である、項目1に記載の装置。
(項目8)
上記第一の回転自在な駆動シャフトが第一方向に回転するとジョーの延長がもたらされ、上記第一方向とは反対の第二方向に回転すると上記ジョーの閉鎖がもたらされる、項目1に記載の装置。
(項目9)
上記第一ドライバが相互に回転歯車結合関係にある少なくとも二つの平歯車、ウォーム、およびウォーム歯車と、上記ウォーム歯車の一端に固定的に接続されかつ第二ジョーの雌ねじ穴と係合する雄ねじとを含み、それによって歯車の回転が第一ジョーおよび第二ジョーの相対移動を引き起こす、項目1に記載の装置。
(項目10)
上記第二の回転自在な駆動シャフトを回転させるように構成された電気機械的ドライバをさらに含む、項目2に記載の装置。
(項目11)
上記第二の回転自在な駆動シャフトの回転軸が上記第一および第二ジョーの上記平面に垂直である、項目2に記載の装置。
(項目12)
上記第二の回転自在な駆動シャフトが第一方向に回転すると上記外科用部材が延長し、上記第一方向とは反対の第二方向に回転すると上記外科用部材が後退する、項目11に記載の装置。
(項目13)
上記第二ドライバが相互におよび一対の追加的ウォーム歯車と回転歯車結合関係にある二つの平歯車およびウォームを含み、上記一対の追加的ウォーム歯車の各々が、上記外科用部材に固定的に接続された一対の雄ねじの一つと係合する中央に配置された雌ねじ穴を持ち、よって上記歯車の回転が上記外科用部材の相対移動を引き起こす、項目2に記載の装置。
(項目14)
上記第一ドライバを駆動するように適応された第一の回転自在な駆動シャフトと、上記第二ドライバを駆動するように適応された第二の回転自在な駆動シャフトとを含む電気機械的ドライバをさらに含む、項目2に記載の装置。
(項目15)
上記電気機械的ドライバが、上記第一および第二の回転自在な駆動シャフトの各々を駆動するように適応された少なくとも一つのモータ装置を含む、項目14に記載の装置。
(項目16)
上記電気機械的ドライバが、上記第一の回転自在な駆動シャフトを駆動するように適応された第一モータ装置と、上記第二の回転自在な駆動シャフトを駆動するように適応された第二モータ装置とを含む、項目15に記載の装置。
(項目17)
回転軸を中心に回転自在の第一駆動シャフトと、
第一ジョーと、
上記第一ジョーと対向する関係にある第二ジョーと、
上記第一の回転自在な駆動シャフトの回転に従って、上記回転軸とは非平行な関係に配設される平面内で、上記第一ジョーおよび上記第二ジョーの平面内での相対移動を引き起こすように構成された第一ドライバと、
を含む手術装置。
(項目18)
上記第一ジョー内に配置された外科用部材と、
上記平面に平行な方向の上記外科用部材の相対移動を引き起こすように構成された第二ドライバであって、上記平面に対して非平行な関係に配設された回転軸を中心に回転自在な駆動シャフトを係合するように構成された第二ドライバと、
をさらに含む、項目17に記載の装置。
(項目19)
上記外科用部材が切断要素を含む、項目18に記載の装置。
(項目20)
上記外科用部材がステープリング要素を含む、項目18に記載の装置。
(項目21)
上記外科用部材がスラスト板を含み、そこに切断要素およびステープリング要素が装着される、項目18に記載の装置。
(項目22)
上記第一の回転自在な駆動シャフトを回転させるように構成された電気機械的ドライバをさらに含む、項目17に記載の装置。
(項目23)
上記第一の回転自在な駆動シャフトの回転軸が上記第一および第二ジョーの上記平面に垂直である、項目17に記載の装置。
(項目24)
上記第一の回転自在な駆動シャフトが第一方向に回転するとジョーの延長がもたらされ、上記第一方向とは反対の第二方向に回転すると上記ジョーの閉鎖がもたらされる、項目23に記載の装置。
(項目25)
上記第一ドライバが相互に回転歯車結合関係にある少なくとも二つの平歯車、ウォーム、およびウォーム歯車と、上記ウォーム歯車の一端に固定的に接続されかつ第二ジョーの雌ねじ穴と係合する雄ねじとを含み、それによって歯車の回転が第一ジョーおよび第二ジョーの相対移動を引き起こす、項目17に記載の装置。
(項目26)
上記第二の回転自在の駆動シャフトを回転させるように構成された電気機械的ドライバをさらに含む、項目18に記載の装置。
(項目27)
上記第二の回転自在な駆動シャフトの回転軸が上記第一および第二ジョーの上記平面に垂直である、項目26に記載の装置。
(項目28)
上記第二の回転自在な駆動シャフトが第一方向に回転すると上記外科用部材が延長し、上記第一方向とは反対の第二方向に回転すると上記外科用部材が後退する、項目27に記載の装置。
(項目29)
上記第二ドライバが相互におよび一対の追加的ウォーム歯車と回転歯車結合関係にある二つの平歯車およびウォームを含み、上記一対の追加的ウォーム歯車の各々が、上記外科用部材に固定的に接続された一対の雄ねじの一つと係合する中央に配置された雌ねじ穴を持ち、それによって上記歯車の回転が上記外科用部材の相対移動を引き起こす、項目18に記載の装置。
(項目30)
上記第一ドライバを駆動するように適応された第一の回転自在な駆動シャフトと、上記第二ドライバを駆動するように適応された第二の回転自在な駆動シャフトとを含む電気機械的ドライバをさらに含む、項目18に記載の装置。
(項目31)
上記電気機械的ドライバが、上記第一および第二の回転自在な駆動シャフトの各々を駆動するように適応された少なくとも一つのモータ装置を含む、項目30に記載の装置。
(項目32)
上記電気機械的ドライバが、上記第一の回転自在な駆動シャフトを駆動するように適応された第一モータ装置と、上記第二の回転自在な駆動シャフトを駆動するように適応された第二モータ装置とを含む、項目31に記載の装置。
(項目33)
上記モータシステムを制御するように構成された制御システムをさらに含む、項目31に記載の装置。
(項目34)
上記制御システムがハウジング内に配置された、項目33に記載の装置。
(項目35)
上記制御システムと通信して上記制御システムを介して上記モータシステムを制御するように構成された遠隔制御装置をさらに含む、項目34に記載の装置。
(項目36)
上記遠隔制御装置がワイヤード遠隔制御装置およびワイヤレス遠隔制御装置の少なくとも一つを含む、項目35に記載の装置。
(項目37)
上記第一の回転自在な駆動シャフトに対応するセンサをさらに含み、上記センサが上記第一の回転自在な駆動シャフトの回転に応答してそれに対応する信号を出力する、項目33に記載の装置。
(項目38)
上記制御システムが、上記センサの出力信号に基づいて、上記第一の回転自在な駆動シャフトの回転位置および回転方向の少なくとも一つを決定するように構成される、項目37に記載の装置。
(項目39)
上記制御システムが第一メモリユニットを含む、項目33に記載の装置。
(項目40)
上記第一メモリユニットが複数の動作プログラムを格納するように構成され、上記動作プログラムの少なくとも一つが細長いシャフトの遠端に取り付けられた切断およびステープリング装置に対応する、項目39に記載の装置。
(項目41)
上記制御システムが、細長いシャフトの遠端に取り付けられた外科用器具を切断およびステープリング装置と認識するように構成され、上記切断およびステープリング装置が、上記細長いシャフトの遠端に取り付け可能な複数の型の外科用器具の一つであり、上記第一制御システムが上記メモリユニットからの上記切断およびステープリング装置に対応する動作プログラムの読出しおよび選択の少なくとも一つを行なうように構成された、項目40に記載の装置。
(項目42)
上記制御システムが、上記切断およびステープリング装置内に配置された第二メモリユニットから読み出されたデータに従って、上記細長いシャフトに取り付けられた外科用器具の型として切断およびステープリング装置を認識するように構成された、項目41に記載の装置。
(項目43)
上記細長いシャフト内に配置されたデータケーブルをさらに含み、上記データケーブルが論理的かつ電気的に上記制御システムと結合され、かつ上記第二メモリユニットと論理的かつ電気的に結合可能である、項目42に記載の装置。
(項目44)
モータと、
上記モータによって回転軸を中心に回転自在な第一駆動シャフトと、
第一ジョーと、
上記第一ジョーと対向する関係にある第二ジョーと、
上記第一の回転自在な駆動シャフトの回転に従って、上記第一ジョーおよび上記第二ジョーの平面内での相対移動を引き起こすように構成された第一ドライバであって、上記平面と上記回転軸が非平行な関係に構成された第一ドライバと、
を含む手術装置。
(項目45)
回転軸を中心に第一駆動シャフトを回転させるステップと、
上記第一の回転自在な駆動シャフトの回転に従って、上記回転軸とは非平行な関係に配設される平面内で第一ジョーと第二ジョーを相互に相対的に移動させるステップと、
を含む手術装置の作動方法。
(項目46)
回転軸を中心に第二駆動シャフトを回転させるステップと、
上記第二の回転自在な駆動シャフトの回転に従って、上記第一ジョー内に配置された外科用部材を上記平面と平行な方向に移動させるステップと、
をさらに含む、項目45に記載の方法。
(項目47)
回転軸を中心に第二駆動シャフトを回転させるステップと、
上記第二の回転自在な駆動シャフトの回転に従って、上記第一ジョー内に配置された外科用部材であって、切断要素がそこに取り付けられた外科用部材を、上記平面と平行な方向に移動させるステップと、
をさらに含む、項目45に記載の方法。
(項目48)
回転軸を中心に第二駆動シャフトを回転させるステップと、
上記第二の回転自在な駆動シャフトの回転に従って、上記第一ジョー内に配置された外科用部材であって、ステープリング要素がそこに取り付けられた外科用部材を、上記平面と平行な方向に移動させるステップと、
をさらに含む、項目45に記載の方法。
(項目49)
上記第一ジョーおよび第二ジョーが平面内で相互に対して移動し、上記平面が上記回転軸に対して垂直な関係に配設される、項目45に記載の方法。
(項目50)
上記外科用部材が上記平面に平行な方向に移動し、上記平面が上記回転軸に対して垂直な関係に配設される、項目46に記載の方法。
(項目51)
上記第一の回転自在な駆動シャフトが電気機械的ドライバによって回転される、項目45に記載の方法。
(項目52)
上記第二の回転自在な駆動シャフトが電気機械的ドライバによって回転される、項目46に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1(a)】従来の手術装置の側面図。
【図1(b)】従来の直線状クランプ、切断、およびステープリング装置の斜視図。
【図2】本発明の一実施形態例に係る電気機械的手術システムの斜視図。
【図3】延長位置にある本発明の一実施形態例に係る切断およびステープリングアタッチメントの側面図。
【図4】後退位置にある図3に示した切断およびステープリングアタッチメントの側面図。
【図5】後退位置にある図3および4に示した切断およびステープリングアタッチメントの側面図。
【図6】後退位置にある図3から5に示した切断およびステープリングアタッチメントの側面図。
【図7】図3および4に示した切断およびステープリングアタッチメントの平面図。
【図8(a)】本発明の一実施形態例に係る切断およびステープリングアタッチメントの分解組立図。
【図8(b)】本発明の別の実施形態例に係る切断およびステープリングアタッチメントの分解組立図。
【図9(a)】図8(a)に示した切断およびステープリングアタッチメントの斜視図。
【図9(b)】図8(b)に示した切断およびステープリングアタッチメントの斜視図。
【図10】図2に示した電気機械的手術装置の可撓性シャフトの部分断面側面図。
【図11】図10に示した線11−11に沿って切った可撓性シャフトの断面図。
【図12】図10に示した可撓性シャフトの第一継手の後端面図。
【図13】図10に示した可撓性シャフトの第二継手の前端面図。
【図14】図2に示した電気機械的手術システムのモータ装置の略図。
【図15】図2に示した電気機械的手術システムの略図。
【図16】図10に示した可撓性シャフトの符号器の略図。
【図17】本発明の一実施形態例に係る直線状クランプ、切断、およびステープリング装置の記憶装置の略図。
【図18】図2に示した電気機械的手術システムのワイヤレス遠隔制御装置の略図。
【図19】図2に示した電気機械的手術システムのワイヤード遠隔制御装置の略図。
【図20(a)】本発明の一実施形態例に係る手術装置の操作中に実行されるステップの主動作プログラムのフローチャート。
【図20(b)】本発明の一実施形態例に係る手術装置の操作中に実行されるステップの主動作プログラムのフローチャート。
【図20(c)】本発明の一実施形態例に係る手術装置の操作中に実行されるステップの主動作プログラムのフローチャート。
【図21(a)】本発明の一実施形態例に係る図20(a)から20(c)に示した主動作プログラムのジョー閉ルーチンのフローチャート。
【図21(b)1】本発明の一実施形態例に係る図20(a)から20(c)に示した主動作プログラムのジョー閉ルーチンのフローチャート。
【図21(b)2】本発明の一実施形態例に係る図20(a)から20(c)に示した主動作プログラムのジョー閉ルーチンのフローチャート。
【図21(c)】本発明の一実施形態例に係る図20(a)から20(c)に示した主動作プログラムのジョー閉ルーチンのフローチャート。
【図22(a)】本発明の一実施形態例に係る図20(a)から20(c)に示した主動作プログラムの較正ルーチンのフローチャート。
【図22(b)】本発明の一実施形態例に係る図20(a)から20(c)に示した主動作プログラムの較正ルーチンのフローチャート。
【図22(c)】本発明の一実施形態例に係る図20(a)から20(c)に示した主動作プログラムの較正ルーチンのフローチャート。
【図23】本発明の一実施形態例に係る図20(a)から20(c)に示した主動作プログラムのジョー開ルーチンのフローチャート。
【図24(a)】本発明の一実施形態例に係る図20(a)から20(c)に示した主動作プログラムのクランプ、切断、およびステープリングルーチンのフローチャート。
【図24(b)】本発明の一実施形態例に係る図20(a)から20(c)に示した主動作プログラムのクランプ、切断、およびステープリングルーチンのフローチャート。
【図24(c)】本発明の一実施形態例に係る図20(a)から20(c)に示した主動作プログラムのクランプ、切断、およびステープリングルーチンのフローチャート。
【図25(a)】本発明の一実施形態例に係る図20(a)から20(c)に示した主動作プログラムの試験ルーチンのフローチャート。
【図25(b)】本発明の一実施形態例に係る図20(a)から20(c)に示した主動作プログラムの試験ルーチンのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る手術装置11の一実施形態例を図3から7に示す。図3および4を参照すると、手術装置11の実施形態例、例えばクランプ、切断、およびステープリング装置が示されている。この実施形態例では、手術装置11は、第一ジョー80と対向関係にある第二ジョー50を有する平行な分離ジョーシステムを含む。第二ジョー50の第一端50aは、第一ジョー80の第一端80aに機械的に連結される。対向するジョー50および80は、相互に平行に維持することができる。代替的に、対向するジョー50および80ははさみのような方式で開閉することができ、その場合、第二ジョー50および第一ジョー80の第一端50aおよび80aは、第一ジョー80が第二ジョー50に回転自在に連結されるように、ヒンジまたは他の回転要素によって機械的に接続される。
【0016】
図3は、第二ジョー50および第一ジョー80がそれらの第一端50aおよび80aで相互に接触している、開位置にある手術装置11を示す。第一ジョー80および第二ジョー50は、図3に示すxおよびy軸によって画定される長手方向平面内に維持されその中で移動する。第一ジョー80aの側面にはギヤハウジング255が装着される。ギヤハウジング255は、分かり易くするために概略的に図示されている第一ドライバ150に連結された第一駆動ソケット180を含む。第一ドライバは、第二ジョー50の第一端50aに連結されて、第一ジョー80および第二ジョー50を開閉させる。加えて、ギヤハウジング255は第二駆動ソケット310をも含む。
【0017】
図4は、閉位置にある手術装置11を示す。閉位置では、第二ジョー50および第一ジョー80はそれらの第一端50aおよび80a、およびそれらの第二端50aおよび50bでも相互に接触する。閉位置では、組織の一部分が第二ジョー50と第一ジョー80との間でクランプされる。
【0018】
図5および6もまた、閉位置にある手術装置11を示す。図5および6は、概略的に図示する第二ドライバ261に連結されたギヤハウジング255の第二駆動ソケット310を示す。第二ドライバ261は外科用部材262に連結される。外科用部材262は切断およびステープリングアセンブリ262を含むことができるが、他の型の外科用部材を設けることができる。
【0019】
第二ドライバ261は、切断およびステープリングアセンブリ262に連結されて、切断およびステープリングアセンブリ262を図5に示す第一後退位置から図6に示す第二延長位置に移動させる。二つの駆動ソケット、例えば第一駆動ソケット180および第二駆動ソケット310、ならびに二つの対応する駆動シャフト、例えば第一駆動シャフト630および第二駆動シャフト632が図示されているが、任意の適切な個数の駆動ソケットおよび駆動シャフトを設けることが可能である。例えば、単一の駆動シャフトを設けて手術装置を駆動することができる。
【0020】
図7は、図3から6に示した手術装置11の平面図である。図7は、電気機械的ドライバ構成部品610に例えば着脱自在または永久的に連結された手術装置11を示す。図7は、第一駆動ソケット180を介して第一駆動シャフト630によってシステム610の第一モータ680に連結された第一ドライバ150を含む手術装置11を示す。第一ドライバ150は、システム610によって係合されたときに、第一ジョー80を第二ジョー50に対して開閉するように動作する。加えて、図7は、第二駆動ソケット310を介して第二駆動シャフト632によってシステム610の第二モータ676に連結された第二ドライバ261を含む手術装置11を示す。第二ドライバ261は、システム610によって係合されたときに、切断およびステープリングアセンブリ262を駆動するように動作する。図7に示す通り、第一駆動ソケット180および第二駆動ソケット310は、第一駆動シャフト630および第二駆動シャフト632が、図3に示したx−y面に対してある角度で、例えば垂直に手術装置11に連結されるように、手術装置11に配置される。すなわち、第一駆動シャフト630および第二駆動シャフト632は、図7に示すz軸の方向に手術装置11に連結される。
【0021】
図8(a)は、本発明の一実施形態例に係る手術装置11の分解組立図であり、図9(a)は組み立てられた手術装置11の斜視図である。この実施形態例では、第二ジョー50は、固締具527、例えばリベットによって、アンビルフィラ509に連結されたアンビル505を含む。アンビル505は、その上端5052に縦方向に配置された雌ねじ穴5051を含む。加えて、アンビル505は、第一ジョー80に対向関係にあるアンビル505の領域5054に沿って平行に配置された構成内に複数のステープルガイド5053を含む。複数のステープルガイド5053の間にはナイフパッド520が配置される。
【0022】
第一ジョー80はハウジングフレーム506を含む。ハウジングフレーム506は一対の内部に配置されたガイド5061を含み、それに沿ってアンビル505の一対のリブ5055が移動することができるので、ハウジングフレーム506はアンビル505と平行に、かつそれと対向関係に移動することができる。ギヤハウジング255は、ハウジングフレーム506の一側面5062に、固締具533および534、例えばねじを介して装着される。
【0023】
速結継手511がギヤハウジング255に装着され、一組のばね538を介して偏倚される。ギヤハウジング255は第一駆動ソケット180および第二駆動ソケット310を含む。この実施形態例では、第一駆動ソケット180は第一ピニオン508aを含み、その一端5081はギヤハウジング255の開口2551を貫通し、その他端5082は平歯車歯5083を含む。第二駆動ソケット310は第二ピニオン508bを含み、その一端5084はギヤハウジング255の第二開口2552を貫通し、その他端5085は平歯車歯5086を含む。メモリモジュール501がギヤハウジング255内に配設され、ギヤハウジング255の開口2553を貫通するかまたはそこからアクセス可能なコネクタ2554を含む。メモリモジュール501は、内側シム530および外側シム531によってギヤハウジング255内の所定の位置に維持される。メモリモジュール501はまた、ばね539によってその位置に偏倚される。
【0024】
第一および第二ピニオン508aおよび508bの各々は、それぞれの平歯車529aおよび529bと係合する。第一平歯車529aは、第一ウォーム523aの一端5231と回転不能に係合する内穴5293を含む。第二平歯車529bは、第二ウォーム523bの一端5234と回転不能に係合する内穴5294を含む。図8(a)に示すように、穴5293および5294ならびに端5231、5234は例えば方形とすることができる。穴5293、5294および端5231、5234は、それらの間で回転不能な係合を達成する任意の形状または構成を持つことができることを理解されたい。
【0025】
この実施形態例では、第一ウォーム523aは、第一平歯車529aの内穴5293と回転不能に係合する一端5231、および周方向に配置されたねじ山5233を含む第二端5232を有する。第二ウォーム523bは、第二平歯車529bの内穴5294と回転不能に係合する一端5234、および周方向に配置されたねじ山5236を含む第二端5235を有する。第一ウォーム523aの第二端5232はフレームハウジング506内に配置され、ウォーム523aの端5231はフレームハウジング506の側面の穴5063を貫通して、ギヤハウジング255の第一平歯車529aと係合する。第二ウォーム523bの第二端5235はフレームハウジング506内に配置され、ウォーム523bの端5234はフレームハウジング506の側面の穴5064を貫通して、ギヤハウジング255の第二平歯車529bと係合する。
【0026】
フレームハウジング506内にはウォーム歯車522も配置される。ウォーム歯車522は、ウォーム523aの第二端5232のねじ山5233と係合する、周方向に配置された歯5221を有する。ウォーム歯車522は、ねじ521が貫通配置される内穴5222を含む。ねじ521は、ウォーム歯車522の内穴5222と回転不能に係合する部分5212を持つ頭5211を有する。内穴5222およびねじ521の部分5212は相補的な例えば方形とすることができる。ねじ521はまた、座金537および受板535の穴5351を貫通する頭5211の部分5213をも含む。ねじ521はまた、アンビル505の雌ねじ穴5051と係合する雄ねじ5214をも有する。
【0027】
ウォーム歯車516およびウォーム歯車517はフレームハウジング506内に配置される。ウォーム歯車516およびウォーム歯車517は、ウォーム523bの両側に配置される。特に、ウォーム歯車516はウォーム523bの第一側と係合する周方向に配置された歯車歯5161を含み、ウォーム歯車517はウォーム523bの第二側と係合する周方向に配置された歯車歯5171を含む。ウォーム歯車516は、受板535の穴5352を貫通する筒形突起5162を含む。保持リング536aは、ウォーム歯車516が受板535に対しその縦方向中心軸5165を中心に回転自在となるように、筒形突起5162の溝5163と係合する。ウォーム歯車517は、受板535の穴5353を貫通する筒形突起5172を含む。保持リング536bは、ウォーム歯車517が受板535に対しその縦方向中心軸5175を中心に回転自在となるように、筒形突起5172の溝5173と係合する。
【0028】
雄ねじ504は、ウォーム歯車516の雌ねじ穴5164内に配置される。雄ねじ503は、ウォーム歯車517の雌ねじ穴5174内に配置される。ウォーム歯車516および517はウォーム523bの両側に配置されて係合するので、ウォーム歯車516および517の雌ねじ穴5164および5174は、雄ねじ504および503と同様に、相互に対して反対にねじ切りすることができる。図示した実施形態例では、ウォーム歯車516の雌ねじ穴5164は、ねじ504の右雄ねじと係合する右ねじを持つことができ、ウォーム歯車517の雌ねじ穴5174は、ねじ503の左雄ねじと係合する左ねじを持つことができる。ねじ503および504は両方とも、スラスト板502の上面5021に固定的に結合される。スラスト板502は、ハウジングフレーム506の両側面の間に配置される。
【0029】
ステープルプッシャ514はスラスト板502の底面5022に取り付けられる。ステープルプッシャ514は、下向きに配置された歯5143の平行な列5141および5142を含み、その各々がアンビル505のステープルガイド5053と対応しかつそれと整列する。下向きの切刃5191を有するナイフ519が、ステープルプッシャ514の下向きに配置された歯5143の平行な列の間に配置される。
【0030】
ステープルホルダ513がステープルプッシャ514の下に配置される。ステープルホルダ513は、各々がステープルプッシャ514の下向きに配置された歯5143およびアンビル505のステープルガイド5053に対応しかつそれらと整列する、縦方向に配置されたスロット5132を有するカートリッジを含む。プロング5281を含むステープル228が各スロット5132に提供される。ステープルホルダ513はまた長手方向に配置されたスロット5131をも含み、それはステープルホルダ513を貫通し、そこにナイフ519を通過させることができる。ステープルホルダ513は一端5134に隣接する穴5133を含む。
【0031】
ステープルリテーナ540は、フレームハウジング506の平行な下縁5066、またはステープルホルダ513の底面に取り付けられる。ステープルリテーナ540は、ステープル528をステープルホルダ513内に維持し、かつ手術装置11の輸送中にステープルホルダ513のスロット5132に異物が侵入するのを防止するために、ステープルホルダ513の底面を覆うように構成される。ステープルリテーナ540は、テーパ付きのまたは面取りされた縁5402を持つ貫通穴5401を有する。ステープルリテーナ540はまた、使用者によって把持されるように構成されたグリップ領域5403をも有する。
【0032】
ステープルホルダ513の一端5134に隣接するステープルホルダ513の穴5133は、ピン518の端5181を受容するように構成される。ピン518の端5181は、ステープルリテーナ540の貫通穴5401のテーパ縁5402に当接するようにテーパを付けられる。実施形態例では、ピン518は、ステープルホルダ513に対して垂直になるように、実質的に垂直位置に維持される。ピン518は、その反対側の端5184に、ばね524を受容するように構成された、中心に位置する内穴5183を含む。また、ピン518の端5184には、ピン518に垂直に取り付けられたレバー5182も位置する。ステープルホルダ540が手術装置11から取り外されると、ばね524はピン518の端5181をアンビル505のオリフィス5057内に偏倚させる。
【0033】
カートリッジキャップ515が、例えば溶接によって、フレームハウジング506の端5067に取り付けられる。カートリッジキャップ515のラッチ5151および5152は、ハウジングフレーム506の切欠き5068と係合する。カートリッジキャップ515はまた、ピン518を受容するように構成された内部配置穴5154をも含む。カートリッジキャップ515の穴5154はそれと連通するスロット5153を含み、該スロット5153はピン518のレバー5182を案内するように構成される。実施形態例では、カートリッジキャップ515の内部配置穴5154は、カートリッジキャップ515の頂面5155を貫通しない。代わりに、それはばね524を内部配置穴5154内に維持する。ばね524の偏倚力はピン518の端5181をステープルホルダ513の穴5133内に押し込み、スロット5132がステープルプッシャ514の下向きに配置された歯5143およびアンビル505のステープルガイド5053と整列するようにステープルホルダ513が配置されることを確実にしやすい。カートリッジキャップ515はまた、固締具507によってハウジングフレーム506に枢動自在に取り付けられたラッチ526によっても所定の位置に維持される。ハウジング頂部510は、ハウジングフレーム506の対向側面5062および5065の間に配設され、ハウジングフレーム506内の構成部品を保護する。
【0034】
図8(a)に示した実施形態例は、薄い平坦なステープルリテーナ540を含む。ステープルリテーナ540のこの構成は、例えば手術装置11が最初に使用者に出荷されるときに、手術装置が最初に閉位置に維持されたときに、第一ジョー80および第二ジョー50がステープルリテーナ540の両面に接触するように、ステープルホルダ513にステープル528を維持するように適応される。ステープルリテーナ540のこの構成は、輸送中にステープル528がステープルホルダ513内に維持され、かつステープル528およびアンビル505のステープルガイド5053の損傷を防止することを確実にする。しかし、本発明の別の実施形態例では、手術装置11は最初に開位置に維持することができる。図8(b)は、本発明の一実施形態例に係る手術装置11の分解組立図であり、図9(b)は、組み立てられた状態の図8(b)に示した手術装置11の斜視図である。さらに詳しくは、図8(b)は、例えば手術装置11が最初に使用者に出荷されるときに、第一ジョー80および第二ジョー50が離れるように、手術装置11を最初に維持するように構成されたステープルリテーナ525を有する手術装置11を示す。
【0035】
図8(b)に示す通り、ステープルリテーナ525はタブ5251を介してフレームハウジング506の平行な下縁5066に取り付けられ、輸送中にステープル528をステープルホルダ513内に維持し、かつステープル528およびアンビル505のステープルガイド5053の損傷を防止するように構成される。ステープルリテーナ525は、側縁5253aおよび5253bに沿って配置され、下方に延在する一対のガイド5254を含む。ガイド5254は、輸送中および取扱いプロセス中に、アンビル505の外部側面5056に接触して、第一ジョー80、例えば手術装置11のハウジングフレーム506等を第二ジョー50と平行関係に維持するように構成される。したがって、ガイド5254は、手術装置11が第一ジョー80および第二ジョー50を開位置にして輸送されるときに発生することのある、第一ジョー80および第二ジョー50のミスアラインメントを防止することができる。
【0036】
図3から9(b)に示した本発明の実施形態例は、ギロチン型構成のステープリングおよび切断要素を含むが、別の実施形態では、ステープリングおよび切断要素は手術装置11の近端と遠端の間を移動する。例えば、手術装置11の代替的実施形態例は、手術装置11の近端と遠端との間を移動するステープリングおよび切断要素に連結された歯車を含むことができ、該歯車は、第一ジョー80および第二ジョー50の移動平面に対して非平行の、例えば垂直の関係に連結された駆動シャフトによって駆動される。
【0037】
本発明の一実施形態例では、手術装置11は、電気機械的手術装置のアタッチメントとして構成することができ、あるいは電気機械的ドライバ構成部品610のように、電気機械的手術装置と一体化することができる。別の実施形態例では、手術装置は機械的ドライバシステムのアタッチメントとすることができ、あるいはそれと一体化することができる。
【0038】
図2は、本発明に係る電気機械的ドライバ構成部品610の実施形態例の斜視図である。そのような電気機械的ドライバ構成部品の例は、例えば米国特許出願第09/723,715号、米国特許出願第09/836,781号、米国特許出願第09/887,789号に記載されており、それらの各々を参照によって明示的に全体に本書に組み込まれる。電気機械的ドライバ構成部品610は、例えば遠隔電源盤612を含むことができ、それは正面パネル615を有するハウジング614を含む。正面パネル615にはディスプレイ装置616およびインジケータ618a、618bが装着される。可撓性シャフト620がハウジング614から延長することができ、第一継手622を介して着脱自在にそれに取り付けることができる。可撓性シャフト620の遠端624は、例えば上述した手術装置11を可撓性シャフト620の遠端624に着脱自在に取り付けるように適応された第二継手626を含むことができる。第二継手626はまた、異なる外科用器具またはアタッチメントを着脱自在に取り付けるように適応させることができる。別の実施形態例では、可撓性シャフト620の遠端624は永久的に外科用器具に取り付けるか、あるいはそれと一体化することができる。
【0039】
図10を参照すると、可撓性シャフト620の部分断面側面図が示されている。一実施形態例では、可撓性シャフト620は管状シース628を含み、それはその内部チャネル640と環境との間に流体密シールを提供するように構成されたコーティングまたは他のシーリング装置を含むことができる。シース628は、組織適合性の滅菌可能な弾性材料から形成することができる。シース628はまた、オートクレーブ処理可能な材料から形成することもできる。第一の回転自在の駆動シャフト630、第二の回転自在の駆動シャフト632、第一ステアリングケーブル634、第二ステアリングケーブル635、第三ステアリングケーブル636、第四ステアリングケーブル637、およびデータ転送ケーブル638が可撓性シャフト620の内部チャネル640内に配置され、その全長に沿って延在することができる。図11は、図10に示す線11−11に沿って切った可撓性シャフト620の断面図であり、幾つかのケーブル630、632、634、635、636、637、638をさらに示す。ステアリングケーブル634、635、636、637の各遠端は、可撓性シャフト620の遠端624に固定される。幾つかのケーブル630、632、634、635、636、637、638の各々をそれぞれのシース内に収容することができる。
【0040】
第一の回転自在の駆動シャフト630および第二の回転自在の駆動シャフト632は、例えば編組または螺旋状駆動ケーブルのような可撓性の高い駆動シャフトとして構成することができる。そのような可撓性の高い駆動ケーブルは、限定されたトルク伝達特性および能力を持つことを理解すべきである。また、手術装置11、または可撓性シャフト620に接続された他のアタッチメントが、駆動シャフト630、632によって伝達可能なトルクより高いトルクを必要とするかもしれないことも理解すべきである。したがって、駆動シャフト630、632は低トルクであるが高速度を伝達するように構成することができ、高速度/低トルクは、例えば手術装置もしくはアタッチメントおよび/または遠隔電源盤612内の可撓性駆動シャフト620の遠端および/または近端に配置された歯車構成体によって、低速度/高トルクに変換される。そのような歯車構成体は、ハウジング614内に配置されたモータと、取り付けられた外科用器具または可撓性シャフト620に接続された他のアタッチメントとの間のパワートレインに沿ったいずれかの適切な位置に設けることができることを理解すべきである。そのような歯車構成体は、例えば平歯車構成体、遊星歯車構成体、調和歯車構成体、およびサイクロイド駆動構成体、周転円歯車構成体等を含むことができる。
【0041】
次に、図12を参照すると、第一継手の後端面図が示されている。第一継手622は、各々第一継手622に回転自在に固定された第一コネクタ644、第二コネクタ648、第三コネクタ652、および第四コネクタ656を含む。コネクタ644、648、652、656の各々は、それぞれの凹所646、650、654、658を含む。図12に示すように、各凹所646、650、654、658は六角形の形状にすることができる。しかし、凹所646、650、654、658は、コネクタ644、648、652、656をハウジング612内に含まれるモータ装置のそれぞれの駆動シャフトに回転不能に連結しかつ不動に取り付けるように適応されたどんな形状および構成でも取ることができる。モータ装置のそれぞれの駆動シャフトに相補形の突起を設け、それによって可撓性シャフト620の駆動要素を駆動することができることを理解すべきである。また、凹所を駆動シャフトに設け、相補形の突起をコネクタ644、648、652、656に設けることができることも理解すべきである。コネクタ644、648、652、656およびモータ装置の駆動シャフトを回転不能かつ釈放自在に連結するように構成された、任意の他の連結構成体を設けることができる。
【0042】
コネクタ644、648、652、656の一つは第一駆動シャフト630に回転不能に固定され、コネクタ644、648、652、656の別の一つは第二駆動シャフト632に回転不能に固定される。コネクタ644、648、652、656の残りの二つは、ステアリングケーブル634、635、636、637に引張り力を加え、それによって可撓性シャフト620の遠端624を操縦するように構成された伝動要素と係合する。データ転送ケーブル638は電気的かつ論理的にデータコネクタ660に接続される。データコネクタ660は、例えば、データケーブル638に含まれる個々のワイヤの数に対応しかつ等しい個数の電気接点662を含む。第一継手622は、第一継手622をハウジング612内に配置された相手側の相補形連結構成体に適切に配向させるように構成された鍵構造642を含む。そのような鍵構造642は、第一継手622およびハウジング612に配置された相手側の相補形連結構成体のいずれか一方または両方に設けることができる。第一継手622は、単純な押込み移動によって第一継手622をハウジング612に係合することができる速結型コネクタを含むことができる。第一継手622の内部と環境との間の流体密シールを達成するために、幾つかのコネクタ644、648、652、656、660のいずれかに関連してシールを設けることができる。
【0043】
次に、図13を参照すると、可撓性シャフト620の第二継手626の前端面図が示されている。実施形態例では、第二継手626は第一コネクタ666および第二コネクタ668を含み、各々回転自在に第二継手626に固定され、かつ各々第一および第二駆動シャフト630、632のそれぞれ一つに回転不能に固定される。第二継手626には、装置11をそれに着脱自在に固定するために、速結型接続部品664が設けられる。速結型接続部品664は例えば、回転速結型接続部品、バイヨネット型接続部品等とすることができる。鍵構造674が第二継手626に設けられ、装置11を第二継手626に適切に位置合わせさせるように構成される。装置11を可撓性シャフト620に適切に位置合わせさせるように構成された鍵構造または他の構成体は、第二継手626および装置のいずれか一方または両方に設けることができる。加えて、速結型接続部品を図8(a)に示すように装置11に速結継手511として設けることができる。電気接点672を有するデータコネクタ670も第二継手626に設けられる。第一継手622のデータコネクタ660と同様に、第二継手626のデータコネクタ670は、データ転送ケーブル638のそれぞれのワイヤおよびデータコネクタ660の接点662に電気的かつ論理的に接続される接点672を含む。第二継手626の内部と環境との間の流体密シールを達成するために、コネクタ666、668、670に関連してシールを設けることができる。
【0044】
遠隔電源盤612のハウジング614内には、駆動シャフト630、632およびステアリングケーブル634、635、636、637を駆動するように構成された電気機械的ドライバ要素が配置され、それによって電気機械的ドライバ構成部品610および第二継手626に取り付けられた手術装置11が操作される。図14に概略的に示された実施形態例では、各々電源を介して動作する五つの電気モータ676、680、684、690、696を遠隔電源盤612に配置することができる。しかし、任意の適切な数のモータを設けることができ、モータはバッテリ電源、ライン電流、DC電源、電子制御DC電源等を介して動作することができることを理解すべきである。また、モータは、ライン電流に接続してモータに動作電流を供給するDC電源に接続することができることも理解すべきである。
【0045】
図14は、モータの一つの可能な構成を概略的に示す。第一継手622およびしたがって可撓性シャフト620がハウジング614と係合し、それによって第一駆動シャフト630および第二継手626の第一コネクタ666が駆動するときに、第一モータ676の出力シャフト678は第一継手622の第一コネクタ644と係合する。同様に、第一継手622およびしたがって可撓性シャフト620がハウジング614と係合し、それによって第二駆動シャフト632および第二継手626の第二コネクタ668が駆動するときに、第二モータ680の出力シャフト682は第一継手622の第二コネクタ648と係合する。第一継手622およびしたがって可撓性シャフト620がハウジング614と係合し、それによって第一プーリ構成体688を介して第一および第二ステアリングケーブル634、635が駆動するときに、第三モータ684の出力シャフト686は第一継手622の第三コネクタ652と係合する。第一継手622およびしたがって可撓性シャフト620がハウジング614と係合し、それによって第二プーリ構成体694を介して第三および第四ステアリングケーブル636、637が駆動するときに、第四モータ690の出力シャフト692は第一継手622の第四コネクタ656と係合する。第三および第四モータ684、690は台車1100上に固定することができ、それは第五モータ696の出力シャフト698を介して第一位置と第二位置との間を選択的に移動可能であり、第三および第四モータ684、690をそれぞれのプーリ構成体688、694と選択的に係合および離脱させ、それによって可撓性シャフト620を必要に応じてピンと張りかつ操縦可能な状態あるいは柔弱な状態にすることを可能にする。ステアリング機構を選択的に係合および離脱するために、他の機械的、電気的、および/または電気機械的機構等を使用することができることを理解すべきである。モータは、例えば「ACarriage Assembly forControlling a Steering WireMechanism Within a Flexible Shaft」と称する米国特許出願第09/510,923号に記載されているように配置および構成することができる。それを参照によって明示的に全体にここに組み込まれる。
【0046】
モータ676、680、684、690、696のいずれか一つまたはそれ以上を、例えば高速/低トルクモータ、低速/高トルクモータ等とすることができることを理解すべきである。上述したとおり、第一の回転自在の駆動シャフト630および第二の回転自在の駆動シャフト632は、高速度および低トルクを伝達するように構成することができる。したがって、第一モータ676および第二モータ680は、高速/低トルクモータとして構成することができる。代替的に、第一モータ676および第二モータ680は低速/高トルクモータとして構成し、第一モータ676および第二モータ680と第一の回転自在の駆動シャフト630および第二の回転自在の駆動シャフト632のそれぞれとの間にトルク低減/増速歯車構成体を配置することができる。そのようなトルク低減/増速歯車構成体は、例えば平歯車構成体、遊星歯車構成体、調和歯車構成体、およびサイクロイド駆動構成体、周転円歯車構成体等を含むことができる。そのような歯車構成体はいずれも遠隔電源盤612内に、または例えば第一継手622のような可撓性シャフト620の近端に配置することができることを理解すべきである。歯車構成体は第一の回転自在の駆動シャフト630および/または第二の回転自在の駆動シャフト632の遠端および/または近端に設けて、そのワインドアップ(windup)および破損を防止することができることを理解すべきである。
【0047】
次に、図15を参照すると、電気機械的ドライバ構成部品610の略図が示されている。制御装置1122が遠隔電源盤612のハウジング614内に設けられ、電気機械的ドライバ構成部品610、および直線状クランプ、切断およびステープリング装置11または可撓性シャフト620に取り付けられた他の外科用器具またはアタッチメントの全ての機能および動作を制御するように構成される。メモリユニット1130が設けられ、ROM構成部品1132、RAM構成部品1134等のようなメモリデバイスを含むことができる。ROM構成部品1132は線1136を介して制御装置1122と電気的かつ論理的に接続され、RAM構成部品1134は線1138を介して制御装置1122と電気的かつ論理的に接続される。RAM構成部品1134は、例えば磁気メモリデバイス、光メモリデバイス、磁気光メモリデバイス、電子メモリデバイス等のような任意の型のランダムアクセスメモリを含むことができる。同様にROM構成部品1132は、例えば着脱自在のメモリデバイスのような任意の型の読出し専用メモリ、例えばPCカードまたはPCMCIA型デバイスを含むことができる。ROM構成部品1132およびRAM構成部品1134は単一の装置として構成することができ、あるいは別個の装置とすることができ、ROM構成部品1132および/またはRAM構成部品1134はPCカードまたはPCMCIA型デバイスの形で提供することができることを理解すべきである。
【0048】
制御装置1122はさらにハウジング614の正面パネル615に接続され、さらに詳しくは、線1154を介してディスプレイ装置616に、かつそれぞれの線1156、1158を介してインジケータ618a、618bに接続される。線1116、1118、1124、1126、1128は電気的かつ論理的に制御装置1122を第一、第二、第三、第四、および第五モータ676、680、684、690、696にそれぞれ接続する。ワイヤード遠隔制御装置(「RCU」)1150は電気的かつ論理的に線1152を介して制御装置1122に接続される。ワイヤレスRCU1148もまた設けられ、線1144を介してトランシーバ1140に接続された受信/送信装置1146とワイヤレスリンク1160を介して通信する。トランシーバ1140は電気的かつ論理的に線1142を介して制御装置1122に接続される。ワイヤレスリンク1160は、例えば赤外線リンクのような光学リンク、無線リンク、または任意の他の形態のワイヤレス通信リンクとすることができる。
【0049】
例えばDIPスイッチのアレイを含むことができるスイッチ装置1186は、線1188を介して制御装置1122に接続することができる。スイッチ装置1186は、例えばメッセージおよびプロンプトをディスプレイ装置616に表示するのに使用される複数の言語の一つを選択するように構成することができる。メッセージおよびプロンプトは、例えば電気幾何的ドライバ構成部品610および/またはそれに接続された手術装置11の動作および/または状態に関係することができる。
【0050】
本発明の実施形態例では、第一符号器1106が第二継手626内に設けられ、第一駆動シャフト630の回転に応答して、かつそれに従って信号を出力するように構成される。第二符号器1108も第二継手626内に設けられ、第二駆動シャフト632の回転に応答して、かつそれに従って信号を出力するように構成される。符号器1106、1108の各々によって出力される信号は、それぞれの駆動シャフト630、632の回転位置のみならずその回転方向をも表わすことができる。そのような符号器1106、1108は例えばホール効果デバイス、光学デバイス等を含むことができる。符号器1106、1108は第二継手626内に配置されると記述したが、符号器1106、1108はモータシステムと手術装置11との間の任意の位置に設けることができることを理解すべきである。符号器1106、1108を第二継手626内、または可撓性シャフト620の遠端に設けることにより駆動シャフトの回転を正確に決定できることを理解すべきである。符号器1106、1108が可撓性シャフト620の近端に配置される場合、第一および第二の回転自在の駆動シャフト630、632のワインドアップは測定誤差を生じることがある。
【0051】
図16は、ホール効果デバイスを含む符号器1106、1108の略図である。駆動シャフト630、632には、N極1242およびS極1244を有する磁石1240が回転不能に装着されている。符号器1106、1108は、駆動シャフト630、632の長手軸または回転軸に対して約90°離して配置された第一センサ1246および第二センサ1248をさらに含む。センサ1246、1248の出力は持続的であり、センサの検出範囲の磁界の極性の変化の関数としてその状態を変化する。したがって、符号器1106、1108からの出力信号に基づいて、四分の一回転内で駆動シャフト630、632の角位置を決定することができ、駆動シャフト630、632の回転の方向を決定することができる。各符号器1106、1108の出力は、データ転送ケーブル638のそれぞれの線1110、1112を介して、制御装置1122に伝送される。よって制御装置1122は、符号器1106、1108からの出力信号に基づいて駆動シャフト630、632の角位置および回転方向を追跡することにより、電気機械的ドライバ構成部品610に接続された手術装置の構成部品の位置および/または状態を決定することができる。すなわち、駆動シャフト630、632の回転数を計数することにより、制御装置1122は、電気機械的ドライバ構成部品610に接続された手術装置の構成部品の位置および/または状態を決定することができる。
【0052】
例えば、第一ジョー80と第二ジョー50およびスラスト板502との間の前進距離は、それぞれの駆動シャフト630、632の回転の関数であり、それに基づいて確定することができる。ある時点における第二ジョー50およびスラスト板502の絶対位置を確定することにより、符号器1106、1108からの出力信号と、ねじ521ならびにねじ503および504の既知の刻みに基づいて、第二ジョー50およびスラスト板502の相対変位を使用して、その後のあらゆる時点における第一ジョー80およびスラスト板502の絶対位置を確定することができる。第二ジョー50およびスラスト板502の絶対位置は、手術装置11が最初に可撓性シャフト620に連結されたときに、固定しかつ確定することができる。代替的に、例えば第一ジョー80に対する第二ジョー50およびスラスト板502の位置を、符号器1106、1108からの出力信号に基づいて決定することができる。
【0053】
手術装置11は、図8(a)に示すように、サイズおよび構成によって第二継手626のコネクタ670に電気的かつ論理的に接続するように適合されたデータコネクタ1272をさらに含むことができる。実施形態例では、データコネクタ1272は、コネクタ670のリード672の数に等しい数の接点を含む。メモリモジュール501は電気的かつ論理的にデータコネクタ1272に接続される。メモリモジュール501は例えばEEPROM、EPROM等の形とすることができ、例えば手術装置11の第二ジョー50内に含めることができる。
【0054】
図17は、メモリモジュール501を概略的に示す。図17に示すように、データコネクタ1272は、各々それぞれの線1278を介してメモリモジュール501に電気的かつ論理的に接続された接点1276を含む。メモリモジュール501は、例えば製造番号データ1180、アタッチメント型識別(ID)データ1182、および使用データ1184を格納するように構成することができる。メモリモジュール501は追加的に他のデータを格納することができる。製造番号データ1180およびIDデータ1182は両方とも読出し専用データとして構成することができる。製造番号データ1180および/またはIDデータ1182は、メモリモジュール501の読出し専用部に格納することができる。実施形態例では、製造番号データ1180は、特定の手術装置を一意に識別するデータとすることができ、IDデータ1182は、例えば他の型の外科用器具またはアタッチメントが取り付け可能なシステム610におけるようなアタッチメントの型を識別するデータとすることができる。使用データ1184は、例えば手術装置11の第一ジョー80が開閉された回数、または手術装置11のスラスト板502を前進させた回数のように、特定のアタッチメントの使用を表わす。使用データ1184は、メモリモジュール501の読出し/書込み部に格納することができる。
【0055】
可撓性シャフト620の遠端624に取付可能なアタッチメント、例えば手術装置11は、一回または複数回使用するように設計および構成することができることを理解すべきである。アタッチメントはまた、予め定められた回数使用するように設計および構成することもできる。したがって、使用データ1184は、手術装置11が使用されたかどうか、および使用回数が許可された最大使用回数を越えたかどうかを決定するために使用することができる。以下でさらに詳述する通り、許可された最大使用回数に達した後でアタッチメントを使用しようとすると、エラー状態が発生する。
【0056】
再び図15を参照すると、制御装置1122は、手術装置11が最初に可撓性シャフト620に接続されたときに、手術装置11のメモリモジュール501からIDデータ1182を読み出すように構成される。メモリモジュール501は、データ転送ケーブル638の線1120を介して電気的かつ論理的に制御装置1122に接続される。読み出されたIDデータ1182に基づいて、制御装置1122はメモリユニット1130から、可撓性シャフト620に接続された外科用器具またはアタッチメントの型に対応する動作プログラムまたはアルゴリズムを読み出すかまたは選択するように構成される。メモリユニット1130は、利用可能な各型の手術装置またはアタッチメントのための動作プログラムまたはアルゴリズムを格納するように構成され、制御装置1122は、取り付けられた外科用器具またはアタッチメントのメモリモジュール501から読み出されたIDデータ1182に従って、メモリユニット1130から動作プログラムまたはアルゴリズムを選択し、かつ/または読み出す。上述の通り、メモリユニット1130は、着脱可能なROM構成部品1132および/またはRAM構成部品1134を含むことができる。したがって、メモリユニット1130に格納された動作プログラムまたはアルゴリズムは、必要に応じて更新、追加、削除、改善、またはその他の方法で改訂することができる。メモリユニット1130に格納された動作プログラムまたはアルゴリズムは、例えば使用者の特別な要求に基づいてカスタマイズすることができる。動作プログラムまたはアルゴリズムのカスタマイズを促進するために、データ入力装置、例えばキーボード、マウス、ポインティング装置、タッチスクリーン等を、例えばデータコネクタポートを介して、メモリユニット1130に接続することができる。代替的に、または追加的に、動作プログラムまたはアルゴリズムは、電気機械的ドライバ構成部品610から遠隔的にカスタマイズして、メモリユニット1130内に事前にプログラムすることができる。製造番号データ1180および/または使用データ1184はまた、複数の動作プログラムまたはアルゴリズムのどれをメモリユニット1130から読み出しあるいは選択するかを決定するためにも使用することができることを理解すべきである。動作プログラムまたはアルゴリズムは代替的に、手術装置11のメモリモジュール501に格納し、データ転送ケーブル638を介して制御装置1122に転送することができる。ひとたび適切な動作プログラムまたはアルゴリズムが制御装置1122によって読み出され、または選択され、あるいはそれに伝送されると、制御装置1122は、ワイヤードRCU1150および/またはワイヤレスRCU1148を介して使用者によって実行される操作に従って動作プログラムまたはアルゴリズムが実行される。ここで上述した通り、制御装置1122はそれぞれの線1116、1118、1124、1126、1128を介して第一、第二、第三、第四、および第五モータ676、680、684、690、696と電気的かつ論理的に接続され、それぞれの線1116、1118、1124、1126、1128を介して読み出され、選択され、あるいは伝送された動作プログラムまたはアルゴリズムに従って、そのようなモータ676、680、684、690、696を制御するように構成される。
【0057】
次に、図18を参照すると、ワイヤレスRCU1148の略図が示されている。ワイヤレスRCU1148は、四方ロッカ1310の下に配設された複数のスイッチ1302、1304、1306、1308を有するステアリング制御装置1300を含む。ロッカ1310を介するスイッチ1302、1304の動作は、第三モータ684を介して、第一および第二ステアリングケーブル634、635の動作を制御する。同様に、ロッカ1310を介するスイッチ1306、1308の動作は、第四モータ692を介して、第三および第四ステアリングケーブル636、637の動作を制御する。ロッカ1310およびスイッチ1302、1304、1306、1308は、スイッチ1302、1304の動作が可撓性シャフト620を南北方向に操縦し、スイッチ1306、1308の動作は可撓性シャフト620を東西方向に操縦することを理解すべきである。ここで北、南、東および西の言及は、相対的座標系に対して行なわれる。代替的に、ロッカ1310およびスイッチ1302、1304、1306、1308の代わりに、デジタルジョイスティック、アナログジョイスティック等を設けることができる。スイッチ1302、1304、1306、1308の代わりに、電位差計または任意の他の型のアクチュエータを使用することもできる。
【0058】
ワイヤレスRCU1148はさらにステアリング係合/離脱スイッチ1312を含み、その動作は第五モータ696の動作を制御して、ステアリング機構を選択的に係合および離脱する。ワイヤレスRCU1148はまた、それによって動作可能な第一および第二スイッチ1316、1318を有する二方ロッカ1314をも含む。これらのスイッチ1316、1318の動作は、取り付けられた装置11に対応する動作プログラムまたはアルゴリズムに従って、電気機械的ドライバ構成部品610および可撓性シャフト620に取り付けられた手術装置11のような任意の外科的器具またはアタッチメントの特定の機能を制御する。例えば、二方ロッカ1314の動作は、手術装置11の第一ジョー80および第二ジョー50の開閉を制御することができる。ワイヤレスRCU1148はさらに別のスイッチ1320を備え、その動作は、取り付けられた装置に対応する動作プログラムまたはアルゴリズムに従って、電気機械的ドライバ構成部品610および可撓性シャフト620に取り付けられた装置の動作をさらに制御することができる。例えば、スイッチ1320の動作は、手術装置11のスラスト板502の前進を開始することができる。
【0059】
ワイヤレスRCU1148は、線1324を介してスイッチ1302、1304、1306、1308と、線1326を介してスイッチ1316、1318と、線1328を介してスイッチ1312と、かつ線1330を介してスイッチ1320と電気的かつ論理的に接続される制御装置1322を含む。ワイヤレスRCU1148は、正面パネル615のインジケータ618a、618bに対応するインジケータ618a’、618b’、および正面パネル615のディスプレイ装置616に対応するディスプレイ装置616’を含むことができる。設けられた場合、インジケータ618a’、618b’はそれぞれの線1332、1334を介して制御装置1322に電気的かつ論理的に接続され、ディスプレイ装置616’は線1336を介して制御装置1322に電気的かつ論理的に接続される。制御装置1322は線1340を介してトランシーバ1338に電気的かつ論理的に接続され、トランシーバ1338は線1344を介して受信機/送信機1342に電気的かつ論理的に接続される。ワイヤレスRCU1148に電源装置、例えばバッテリを設けて、そこに電力を供給することができる。したがってワイヤレスRCU1148はワイヤレスリンク1160を介して、電気機械的ドライバ構成部品610および可撓性シャフト620に取り付けられた装置11の動作を制御するために使用することができる。
【0060】
ワイヤレスRCU1148は、線1348を介して制御装置1322に接続されたスイッチ1346を含むことができる。スイッチ1346の動作は、ワイヤレスリンク1160を介して、データ信号を送信機/受信機1146に伝送する。データ信号は、ワイヤレスRCU1148を一意に識別する識別データを含む。この識別データは、制御装置1122が電気機械的ドライバ構成部品610の無許可操作を防止するため、および別のワイヤレスRCUによる電気機械的ドライバ構成部品610の動作との干渉を防止するために使用される。ワイヤレスRCU1148と電気機械的手術装置610との間のその後の各通信は、識別データを含むことができる。したがって、制御装置1122はワイヤレスRCU間の区別を付けることができ、それにより単一の識別可能なワイヤレスRCU1148だけが電気機械的ドライバ構成部品610および可撓性シャフト620に接続された装置11の動作を制御することが可能になる。
【0061】
符号器1106、1108からの出力信号に従って決定される、可撓性シャフト620に取り付けられた装置の構成部品の位置に基づいて、制御装置1122は、取り付けられた装置に対応する動作プログラムまたはアルゴリズムによって規定されるように、電気機械的ドライバ構成部品610の機能を選択的に使用可能または使用不能にすることができる。例えば、手術装置11の場合、スイッチ1320の動作によって制御される打込み機能は、第二ジョー50と第一ジョー80との間の空間または間隙が受入れ可能な範囲内であると判断されない限り、使用不能である。
【0062】
次に、図19を参照すると、ワイヤードRCU1150の略図が示されている。実施形態例では、ワイヤードRCU1150は実質的にワイヤレスRCU1148と同じ制御要素を含み、そのような要素のさらなる記載は省略する。同様の要素は図19ではダッシュ付きで示されている。電気機械的ドライバ構成部品610および可撓性シャフト620に取り付けられた装置、例えば手術装置11の機能は、ワイヤードRCU1150および/またはワイヤレスRCU1148によって制御することができる。例えばワイヤレスRCU1148のバッテリが故障した場合、ワイヤードRCU1150を使用して、電気機械的ドライバ構成部品610および可撓性シャフト620に取り付けられた装置の機能を制御することができる。
【0063】
上述した通り、ハウジング614の正面パネル615はディスプレイ装置616およびインジケータ618a、618bを含む。ディスプレイ装置616は、LCDディスプレイ装置のような英数字表示装置を含むことができる。ディスプレイ装置616はまた、スピーカ、ブザー等のような音声出力装置をも含むことができる。ディスプレイ装置616は、可撓性シャフト620に取り付けられた装置、例えば手術装置11に対応する動作プログラムまたはアルゴリズムに従って、制御装置1122によって操作され制御される。外科用器具またはアタッチメントがそのように取り付けられていない場合、デフォルト動作プログラムまたはアルゴリズムを制御装置1122によって読み出され、または選択され、あるいは制御装置1122に伝送され、それによってディスプレイ装置616の動作のみならず、電気機械的ドライバ構成部品610の他の側面および機能をも制御することができる。手術装置11が可撓性シャフト620に取り付けられている場合、ディスプレイ装置616は例えば、より詳細に上述した通り、符号器1106、1108の出力信号に従って決定された、第二ジョー50と第一ジョー80との間の間隙を示すデータを表示することができる。
【0064】
同様に、インジケータ618a、618bは、可撓性シャフト620に取り付けられた装置11、例えば手術装置11に対応する動作プログラムまたはアルゴリズムに従って、制御装置1122によって操作され、制御される。インジケータ618aおよび/またはインジケータ618bは、スピーカ、ブザー等のような音声出力装置、および/またはLED、ランプ、ライト等のような視覚的インジケータ装置を含むことができる。手術装置11が可撓性シャフト620に取り付けられている場合、インジケータ618aは例えば、電気機械的ドライバ構成部品610が電源ON状態であることを示すことができ、インジケータ618bは、第二ジョー50と第一ジョー80との間の間隙が受入れ可能な範囲内であると判定されたかどうかを示すことができる。二つのインジケータ618a、618bを記載したが、必要に応じて任意の数の追加インジケータを設けることができることを理解すべきである。追加的に、単一のディスプレイ装置616を記載したが、必要に応じて任意の数の追加ディスプレイ装置を設けることができることを理解すべきである。
【0065】
ワイヤードRCU1150のディスプレイ装置616’およびインジケータ618a’、618b’、ならびにワイヤレスRCU1148のディスプレイ装置616”およびインジケータ618a”、618b”は、可撓性シャフト620に取り付けられた装置の動作プログラムまたはアルゴリズムに従って、それぞれの制御装置1322、1322’によって同様に操作され、制御される。
【0066】
上述の通り、手術装置11は組織の一部分をクランプ、切断、およびステープリングするように構成することができる。ここで装置11の動作について、患者の腸の組織の癌または異常部分の切除に関連して説明する。それは、手術装置11を使用して実行することができる単なる一種類の組織および一種類の外科手術である。一般的に、手術中に、胃腸管の癌または異常組織の位置が突き止められた後、最初に患者の腹部が切開されて腸が露出される。電気機械的ドライバ構成部品610によってもたらされる遠隔操作に従って、手術装置11の第一および第二ジョー50、80は、第一ドライバによって駆動されて開位置に着く。上述の通り、手術装置11は最初に開位置に維持することができ、それにより最初に手術装置を駆動して開位置に着ける必要性が除去される。腸管の癌組織に隣接する片側が、開いた第一ジョー80と第二ジョー50との間に配置される。遠隔操作によって、第一ドライバが逆転して係合され、第一ジョー80が第二ジョー50に対して閉じ、それらの間にある腸管の部分がクランプされる。ひとたび腸管が充分にクランプされると、第二ドライバが係合され、それによりスラスト板(それにステープルプッシャおよびナイフが装着されている)は図5に示した第一位置と図6に示した第二位置の間で移動し、それによって腸管が切断されステープリングされる。次いで第二ドライバは逆転して係合され、それによりステープルプッシャおよびナイフが図5に示した第一位置に戻る。次いで第一ドライバが係合されて、手術装置11の第一ジョー80および第二ジョー50を駆動させて開位置に戻す。次いでこれらのステップが癌組織のもう一方の側で繰り返され、それによって癌組織を含む腸管の部分が切除され、それは両側をステープリングされて、腸管物質が開いた腹部に広がるのを防止する。
【0067】
さらに詳しくは、本発明の実施形態例では、手術装置11は、第一駆動ソケット180が電気機械的ドライバ構成部品610の第一駆動シャフト630と係合し、第二駆動ソケット310が電気機械的ドライバ構成部品610の第二駆動シャフト632と係合されるように、電気機械的ドライバ構成部品610のアタッチメント継手626に連結される。したがって、ピニオン508aの回転が第一駆動ソケット180の回転によってもたらされ、それは電気機械的ドライバ構成部品610の対応する駆動シャフト630の回転によってもたらされる。ピニオン508aの時計方向または反時計方向の回転は、モータ680の回転の方向に応じて達成される。ピニオン508bの回転は第二駆動ソケット310の回転によってもたらされ、それは電気機械的ドライバ構成部品610の対応する駆動シャフト632の回転によってもたらされる。ピニオン508bの時計方向または反時計方向の回転は、モータ676の回転の方向に応じて達成される。
【0068】
手術装置11が図4に示すように初期閉位置にあるときに、該手術装置を開位置に着けるために、第一モータ680が作動する。詳しくは、第一駆動シャフト630に対応する第一モータ680が起動され、それは第一駆動ソケット180を係合し、それによってピニオン508aを第一の例えば反時計回りの回転方向に回転させる。ピニオン508aの周方向に配置された歯車歯5083が平歯車529aの周方向に配置された歯車歯5291と係合するので、ピニオン508aの回転は平歯車を、ピニオン508aの回転の方向とは反対の第一の例えば時計回り方向に回転させる。第一平歯車529aの内穴5293は第一ウォーム523aの端5231と係合して、第一ウォーム523aを第一平歯車529aのそれと同じ方向、例えば時計回りに回転させる。ウォーム523aのねじ山5233はウォーム歯車522の歯車歯5221と係合して、第一の例えば上から見たときに反時計回りの方向のウォーム歯車522の回転を引き起こす。ウォーム歯車522の内穴5222はねじ521の頭5211の一部分5212と係合し、それによってねじ521を第一の例えば上から見たときに反時計回りの方向に回転させる。ねじ521の雄ねじ山5214は、アンビル505の雌ねじ穴5051のねじ山と噛合し、それによってアンビル505を下方に、例えばフレームハウジング506から遠ざけるように移動させる。したがって、第二ジョー50は連続的に開かれる。図示した実施形態では、第二ジョーは第一ジョー80と例えば平面内で平行に整列した状態で開き、第一ジョー80から離れ始める。モータのこのような連続動作により最終的に手術装置11は開状態になり、図3に示すように第一ジョー80と第二ジョー50との間に空間が得られる。
【0069】
次に、フレームハウジング506の平行な下縁5066またはステープルホルダ513の底面に取り付けられたステープルリテーナ540が取り外される。一実施形態例では、ステープルホルダは、ピン518のレバー5182を引き上げて、ピン518の端5181をステープルリテーナ540の貫通穴5401から持ち上げることによって、取り外されるように構成される。ステープルリテーナ540のグリップ領域5403は把持することができ、ステープルリテーナ540は手術装置11から引き外すことができる。次に、組織の一部が第一ジョー80と第二ジョー50との間に配置される。ステープルホルダ540が手術装置11から取り外され、組織の一部が第一ジョー80と第二ジョー50との間に配置された状態で、ピン518の端5181がアンビル505のオリフィス5057内に挿入され、ばね524の偏倚に従って挿入位置を維持して、組織の一部をジョーの間に維持する。
【0070】
第一モータ680は、手術装置を閉位置にするために反転動作する。詳しくは、第一駆動シャフト630に対応する第一モータ680が起動され、それは第一駆動ソケット180を係合し、それによってピニオン508aを第二の例えば時計回りの回転方向に回転させる。ピニオン508aの周方向に配置された歯車歯5083が平歯車529aの周方向に配置された歯車歯5291と噛合するので、ピニオン508aの回転は平歯車529aを、ピニオン508aの回転の方向とは反対の第二の例えば反時計回りの方向に回転させる。第一平歯車529aの内穴5293は第一ウォーム歯車523aの端5231と係合するので、第一平歯車529aの回転は第一ウォーム523aを第一平歯車529aと同じ方向、例えば反時計回りに回転させる。ウォーム歯車523aのねじ山5233はウォーム歯車522のウォーム歯車歯5221と噛合するので、第一ウォーム523aの回転は、第二の例えば上から見たときに時計回りの方向のウォーム歯車522の回転を引き起こす。ウォーム歯車522の内穴5222はねじ521の頭5211の一部分5212と係合するので、ウォーム歯車522の回転はねじ521を第二の例えば上から見たときに時計回りの方向に回転させる。ねじ521の雄ねじ山5214は、アンビル505の雌ねじ穴5051のねじ山と噛合するので、ねじ521の回転はアンビル505を上方に、例えばフレームハウジング506に向かって移動させる。したがって、第二ジョー50は連続的に閉じられ、第一ジョー80に近づき始める。モータのこのような連続動作により最終的に手術装置11は図4に示すような閉状態になり、組織は第一ジョー80と第二ジョー50との間にクランプされる。この閉状態で、ステープリングされ切断される組織の部分が、ステープルホルダ513の平行に配置された縁5253aおよび5253bの対とアンビル505の領域5054との間にクランプされる。
【0071】
ステープリングおよび切断手順を始めるには、スラスト板502を第一の上昇した、例えば後退した位置から第二の下降した例えば延長位置に移動させるために、第二モータ676が起動される。詳しくは、第二駆動シャフト632に対応する第二モータ676が起動される。第二駆動シャフト632は第二駆動ソケット310と係合するので、第二駆動シャフト632の第一方向、例えば反時計回りの回転は、ピニオン508bを第一の例えば反時計回りの回転方向に回転させる。ピニオン508bの周方向に配置された歯車歯5086は、平歯車529bの周方向に配置された歯車歯5292と噛合するので、ピニオン508bの回転は平歯車529bを、ピニオン508bの回転方向とは反対の、第一の例えば時計回りの方向に回転させる。平歯車529bの内穴5294は第二ウォーム歯車523bの端5234と係合するので、平歯車529bの回転は第二ウォーム523bを、第一平歯車529bのそれと同じ方向に、例えば時計回りに回転させる。ウォーム523bのねじ山5236はウォーム歯車516のウォーム歯車歯5161と噛合するので、第二ウォーム523bの回転は、ウォーム歯車516の第一の例えば上から見たときに反時計回りの方向の回転を引き起こす。ウォーム歯車516の雌ねじ穴5164のねじ山はねじ504のねじ山と噛合する。ねじ504は回転不能にスラスト板502に連結されるので、ねじ504およびスラスト板502は一緒に下方に移動する。同時に、ウォーム523bのねじ山5236はウォーム歯車517のウォーム歯車歯5171と噛合するので、ウォーム523bの回転はウォーム歯車517の第一の例えば上から見たときに時計回りの方向の回転を引き起こす。ウォーム歯車517の雌ねじ穴5174のねじ山はねじ503のねじ山と噛合する。ねじ503は回転不能にスラスト板502に連結されるので、ねじ503およびスラスト板502は一緒に下方に移動する。したがって、スラスト板502は連続的に下降し、スラスト板502の底面5022に装着されたステープルプッシャ514およびナイフ519もまた連続的に下降する。
ステープルプッシャ514が下降すると、ステープルプッシャ514の下向きに配置された歯5143がステープルホルダ513のスロット5132内に押し込まれる。最初にステープルホルダ513のスロット5132内に配置されたステープル528は、スロット5132の下方の開口から、クランプされた組織を通して、ステープル528のプロング5281がアンビル505の対応するステープルガイド5053と接触するまで押し下げられる。ステープルガイド5053はステープル528のプロング5281を屈曲閉止させ、それによって組織をステープリングする。同時にスラスト板502の底面5022に装着されたナイフ519が、アンビル505のナイフパッド520に接触するまでステープルホルダ513の長手方向に配置されたスロット5131を貫通し、それによってクランプされた組織を切断する。
ステープリングおよび切断手順を実行すると、第二モータ676が起動され、スラスト板502を第二下降位置から第一上昇位置に移動させる。詳しくは、第二駆動シャフト632に対応する第二モータ676が起動され、それは第二駆動ソケット310と係合する。第二駆動シャフト632の回転は、ピニオン508bを第二の例えば時計回りの方向に回転させる。ピニオン508bの歯車歯5086は平歯車529bの歯車歯5292と噛合するので、ピニオン508bのこの回転は平歯車529bを第二の例えば反時計回りの方向に回転させる。平歯車529bの内穴5294は第二ウォーム523bの端5234と係合するので、平歯車529bの回転は第二ウォーム523bを第二の例えば反時計回りの方向に回転させる。ウォーム523bのねじ山5236はウォーム歯車516のウォーム歯車歯5161と噛合するので、ウォーム523bの回転は、ウォーム歯車516の第二の例えば上から見たときに時計回りの方向の回転を引き起こす。ウォーム歯車516の雌ねじ穴5164のねじ山はねじ504のねじ山と噛合し、ねじ504は回転不能にスラスト板502に連結されるので、ねじ504およびスラスト板502は一緒に上方に移動する。同時に、ウォーム523bのねじ山5236はウォーム歯車517のウォーム歯車歯5171と噛合するので、ウォーム523bの回転はウォーム歯車517の第二の例えば上から見たときに反時計回りの方向の回転を引き起こす。ウォーム歯車517の雌ねじ穴5174のねじ山はねじ503のねじ山と噛合し、ねじ503は回転不能にスラスト板502に連結されるので、ねじ503およびスラスト板502は一緒に上方に移動する。したがって、スラスト板502は連続的に上昇し、スラスト板502の底面5022に装着されたステープルプッシャ514およびナイフ519もまた連続的にそれらの初期後退位置まで上昇する。
【0072】
組織の切断およびステープリングを実行し、ナイフ519をその後退位置に戻すと、第一モータ680が起動され、手術装置は開位置に配置される。詳しくは、第一駆動シャフト630に対応する第一モータ680が起動される。第一駆動シャフト630は第一駆動ソケット180と係合するので、第一駆動シャフト630の回転は、ピニオン508aを第一の例えば反時計回りの方向に回転させる。ピニオン508aの歯車歯5083は平歯車529aの歯車歯5291と噛合するので、ピニオン508aの回転は平歯車を第一の例えば時計回りの方向に回転させる。第一平歯車529aの内穴5293は第一ウォーム523aの端5231と係合するので、第一平歯車529aの回転は第一ウォーム523aを第一平歯車529aと同じ方向、例えば時計回りの方向に回転させる。ウォーム歯車523aのねじ山5233はウォーム歯車522のウォーム歯車歯5221と噛合するので、ウォーム歯車523aの回転は、ウォーム歯車522の第一の例えば上から見たときに反時計回りの方向の回転を引き起こす。ウォーム歯車522の内穴5222はねじ521の頭5211の一部分5212と係合するので、ウォーム歯車522の回転はねじ521を第一の例えば上から見たときに反時計回りの方向に回転させる。ねじ521の雄ねじ山5214はアンビル505の雌ねじ穴5051のねじ山と噛合するので、ねじ521の回転はアンビル505を下方に、例えばフレームハウジング506から遠ざけるように移動させる。したがって第二ジョー50は、手術装置11が再び開位置になるまで、第一ジョー80から分離され、図3に示すように第一ジョー80と第二ジョー50との間に空間が得られる。
【0073】
その後、手術装置11は電気機械的ドライバ構成部品から分離し、別の手術装置11と交換することができるので、同じクランプ、切断およびステープリング手順を組織の異なる部分、例えば異常または癌組織の反対側に対して実行することができる。腸管の第二端もクランプ、切断、およびステープリングされた後、手術装置11は電気機械的ドライバ構成部品610から分離することができる。必要ならば、オペレータはアタッチメントを廃棄するか、あるいは再使用のために滅菌することができる。
【0074】
手術装置11の起動前に、較正手順を実行することができることが注目される。そのような手順は、2001年12月4日に出願された「Calibration of aSurgical Instrument」と称する米国仮特許出願第60/337,544号に記載されており、それを参照によって明示的に全体にここに組み込まれる。
【0075】
図8(a)および8(b)に示した本発明の実施形態例では、手術装置11は再装填不能であり、例えばオペレータがステープルホルダ513をハウジング506から取り外して、手術装置11に次のステープル523の配列を再装填し、同一または他の患者のために、あるいは同一または他の手順のために手術装置11を再使用することができない。したがって、手術装置11が一度起動されてステープルホルダ513内のステープル528を使用して組織の一部をステープリングした後、手術装置11を再び起動して、新しいステープル528の組または新しいステープルホルダ513を使用して、組織の別の部分をステープリングすることはできない。手術装置11を再装填不能となるように構成することによって、手術装置11を意図的にも無意図的にも二人の異なる患者に使用することができず、単一の患者に再使用することができないので、汚染または感染の危険性が軽減される。しかし、本発明の一実施形態例では、手術装置11は再装填可能である。例えば、この実施形態例では、手術装置11は、特定の構成部品が手術装置11から取外し可能であり、かつ手術装置11に対して交換可能であるように構成することができる。例えば、一実施形態例では、カートリッジキャップ515、ピン518、ナイフ519を装着したステープルプッシャ514、およびステープルリテーナ540が取り付けられたステープルホルダ513は、ハウジング506に着脱自在に取り付けられ、使用後に別のカートリッジと交換するためにハウジング506から取り外すことのできる交換可能なカートリッジを形成する。交換可能なカートリッジは、上部ジョー80および下部ジョー50が切断およびステープリングされる組織の部分をクランプしているときにカートリッジが誤って取り外されるのを防止するために、上部ジョー80および下部ジョー50が全開位置にあるときに取り外し可能にすることができる。図8(a)および8(b)に示した実施形態例は、上部ジョー80と下部ジョー50が全開位置でないときにはステープルリテーナ513のレールスロット5135と係合するが、上部ジョー80と下部ジョー50が全開位置のときには離脱し、それによってステープルリテーナ513および交換可能なカートリッジの他の構成部品を交換のためにハウジング506から摺動自在に取り外すことを可能にする、アンビルフィラ509に位置するレール5091を含む。代替的実施形態例では、ステープルホルダ513はハウジング506から摺動自在に着脱されるので、最初の組のステープル528を使用した後、使用者は新しい組のステープル528を有する新しいステープルホルダ513をハウジング506内に摺動することができる。代替的に、ステープルホルダ513内の最初の組のステープル528が使用された後、オペレータは同一ステープルホルダ513のステープル528を交換して、同一ステープルホルダ513を再使用することができる。ピン518はステープルホルダ513の穴5133から後退可能であり、カートリッジキャップ515をハウジング506に着脱自在または可動に接続することができる。
【0076】
本発明の別の実施形態例では、手術装置11は限定された再装填性を備えることができる。例えば、手術装置11はステープルホルダ513を一回交換することができるように構成することができるので、クランプ、切断、およびステープリング操作を単一の患者に二回、例えば組織の癌部分の両側に実行することができるが、ステープルホルダ513を三回以上交換することはできない。
【0077】
本発明の別の実施形態例では、手術装置11は、ステープルホルダ513内に二組のステープル528を維持し、その第一組は組織の癌部分の片側で使用され、第二組は組織の癌部分の反対側で使用されるように構成することができる。手術装置11は任意の使用回数に構成することができ、その使用は使用データ1184に従って決定することができることを理解すべきである。すなわち、メモリモジュール501は、手術装置11が再装填された回数を表わすデータを格納するように構成することができる。したがって、動作プログラムに従って、電気機械的ドライバ構成部品610は、再装填された手術装置11がメモリモジュール501に格納された使用情報に従って打ち込むことができる回数を限定することができる。
【0078】
再装填可能に構成された手術装置11は、上述した再装填不能の手術装置11と同様の方法で動作することができる。しかし、手術装置11の再装填性は、オペレータが手術装置11の操作中に追加ステップを実行することを可能にする。例えば、手術装置11を最初に開位置にした後、オペレータがステープルホルダ513にアクセスすることができ、ステープル528が手順に利用できる状態であるかどうか、および/またはステープルホルダ513をより適切なステープルホルダ513と交換する必要があるかどうかを決定するために点検することができる。同様に、クランプ、切断、およびステープリング操作が実行され、ステープル518の組が使用された後で、ステープルホルダ513を別のステープルホルダ513と交換するため、または別の組のステープル518を同じステープルホルダ513に挿入するために、オペレータがステープルホルダ513に再びアクセスすることができる。
【0079】
図8(a)および8(b)に示した本発明の実施形態例では、手術装置11は、二つ以上の動作範囲で動作するように構成することができる。この特徴は、異なる厚さを持つ組織の部分に手術装置11でより適切に対応することができるという利点をもたらすことができる。例えば、本発明の一実施形態例では、手術装置11は、手術装置11が閉位置のときの上部ジョー80と下部ジョー50との間の距離を変化させるように、あるいはスラスト板535が完全延長位置のときの上部ジョー80に対するスラスト板535の位置を変化させるように構成することができる。一実施形態例では、手術装置11は、二つまたはそれ以上の異なるサイズのステープルホルダ513、例えば異なる厚さを有するステープルホルダ513、または異なる長さを有するステープル518を収容するステープルホルダ513を使用するように、再装填可能とすることができる。この実施形態例では、オペレータは、異なるサイズのステープル528がその中に配置された二つまたはそれ以上の異なるステープルホルダ513の一つを使用するように選択することができる。制御装置1122が、対応する厚さの組織をステープリングするように構成されたステープルを含むものとしてステープルホルダ513を認識することができるようにするために、ステープルホルダ513は制御装置1122によって読出し可能なメモリモジュールを含むことができる。そうすると、制御装置1122は手術中に、手術装置11が閉位置に移動したときの上部ジョー80と下部ジョー50との間の距離が、切断されステープル523によってステープリングされる組織の厚さに対応するように、第一駆動シャフト630を制御することができる。同様に、制御装置1122は、延長位置に移動したときのスラスト板535、ステープルプッシャ514、およびナイフ519の位置が、切断されステープル523によってステープリングされる組織の厚さに対応するように、第二駆動シャフト632を制御することができる。
【0080】
本発明の別の実施形態例では、異なるサイズの再装填不能な手術装置11を使用することができ、再装填不能な手術装置11の各サイズは、切断されステープリングされる組織の異なる厚さに対応する。この実施形態例では、手術装置11のメモリモジュール501は、手術装置11が切断されステープリングされる組織の特定の厚さに対応することを制御装置1122に示すために、制御装置1122によって読出し可能なデータを含むことができる。
【0081】
本発明のさらに別の実施形態例では、制御装置1122は、同じ組のステープル523に対して二つ以上の動作範囲を提供するように構成される。例えば、制御装置1122は、オペレータが切断またはステープリングされる組織の異なる厚さに対応する設定を選択することができるように構成することができる。例えば、一実施形態例では、制御装置1122は、間に配置された組織の部分をクランプするために、第一駆動シャフト630を起動させて上部ジョー80を下部ジョー50に対して第一位置まで閉じるように構成される。オペレータは次いで、組織を切断しステープリングするために第二駆動シャフト632を起動させるかどうか、あるいは上部ジョー80を下部ジョー50に対して第二位置まで閉じるために再び第一駆動シャフト630を起動させるかどうかを選択することができる。この実施形態例は、切断およびステープリングする組織の部分を露出し、その厚さを決定する前に、オペレータが特定のサイズの手術装置11を事前選択するか、または手術装置11に対し交換可能なカートリッジを事前選択する必要が無いという利点をもたらすことができる。この構成は、オペレータが誤ったサイズを事前選択したり、あるいは使用に利用可能な二つ以上のサイズの在庫を維持することを防止することができる。
【0082】
手術装置11はまた、電気機械的ドライバ構成部品610への取付け後に自動的に較正するように構成することもできる。例えば、制御装置1122は、手術前に、手術装置11の全開または全閉位置を決定するために、手術装置11を開閉するように構成することができる。一実施形態例では、手術装置11および電気機械的ドライバ構成部品610は、機械的ハードストップ較正機能を採用することによって、ステープルリテーナ540の有無または厚さとは関係なく、自動較正ルーチンを実行するように構成される。上述の通り、手術装置用の較正手順の一例が米国仮特許出願第60/337,544号に記載されており、それを参照によって明示的に全体にここに組み込まれる。
【0083】
図20(a)から20(c)は、手術装置11を操作するための本発明の一実施形態例に係る主動作プログラムのフローチャートを示す。本発明の一実施形態例では、主動作プログラムは制御装置1122によって実行されるが、他の、または追加の制御装置、電子装置等がフローチャートに示したステップの一部または全部を実行するように構成することができる。図20(a)を参照すると、ステップ2002で、主動作プログラムは開始される。このステップ2002は、上述の通り、例えばメモリユニット1130から、または手術装置11のメモリモジュール501から動作プログラムを得るステップを含むことができる。ステップ2004で、RAM1134内のそれぞれの記憶場所のDLU PRESENTフラッグ、DLU OLDフラッグ、DLU READYフラッグ、DLU
FIREDフラッグ、およびSHAFT TESTフラッグがクリアされる。用語「DLU」とは、電気機械的ドライバ構成部品610に取り付けられた手術装置11または他の器具またはアタッチメントを指す。ステップ2006で、モータ/ツール、例えば手術装置11を駆動するモータ676および680の端位置が初期化される。本発明の一実施形態例では、ナイフ519の端位置は0mmに初期化され、アンビル505の端位置は1.5mmに初期化される。ステップ2008で、手術装置11のメモリモジュール501に格納された手術装置11の製造番号、例えばIDデータ1182がメモリモジュール501から読み出され、保存される。本発明の実施形態例では、手術装置の製造番号の読出しおよび保存に失敗すると、ステップ2008を、予め定められた時間内で、または予め定められた時間間隔で、予め定められた回数繰り返すことができる。予め定められた回数は例えば三回とすることができ、予め定められた時間は例えば100mSとすることができる。初回または予め定められた試行回数後のどちらでも、手術装置の製造番号の読出しおよび保存の失敗はエラー状態と決定することができ、その場合、操作は後述する通り終了する。
【0084】
ステップ2010で、IDデータ1182が首尾よく読み出されたかどうか、かつ/またはIDデータ1182が有効であるかどうかが決定される。ステップ2010でIDデータ1182が首尾よく読み出され、かつ/またはIDデータ1182が有効であると決定された場合には、ステップ2012で、制御がカーネルに、例えば電気機械的ドライバ構成部品610の基本動作プログラムに戻る。ステップ2010で、IDデータ1182がステップ2008で首尾よく読み出され、かつ/または読み出されたIDが有効であることが決定されると、次いでステップ2014でRAM1134のDLU NEWフラッグが読み出される。ステップ2016で、DLU NEWフラッグが首尾よく読み出されたかどうか、かつ/またはDLU NEWフラッグが有効であるかどうかが決定される。ステップ2016でDLU NEWフラッグが首尾よく読み出されず、かつ/または有効でないと決定された場合には、制御はステップ2012に進み、そこで制御はカーネルに戻る。ステップ2010でDLU NEWフラッグが首尾よく読み出され、かつ/またはDLU NEWフラッグが有効であると決定されると、制御はステップ2018に進む。
【0085】
ステップ2018で、DLU NEWフラッグに基づいて手術装置11が新しいかどうかが決定される。ステップ2018で、手術装置11が新しいと決定された場合には、制御はステップ2026に進む。ステップ2026で、手術装置11に対してオートゼロ動作が実行され、制御はステップ2028に進む。ステップ2026のオートゼロ動作は、図22(a)から22(c)に示すフローチャートに関連してさらに詳しく説明する。ステップ2018で、手術装置11が新しくないと決定された場合には、制御はステップ2020に進み、そこで電気機械的ドライバ構成部品610のディスプレイ装置616は、手術装置11がステップ2018で新しくないと決定されたことを示す。例えば、ステップ2020で、ディスプレイ装置616は高速で点滅し、かつ/または自動チャイムを発行することができる。ステップ2022で、「新しいDLUを取り付けてください」のようなメッセージがディスプレイ装置616に表示される。ステップ2024で、メモリデバイス、例えばRAM1134のDLU OLDフラッグがセットされ、それによって開機能を除く全ての機能が抑制される。加えて、メモリデバイス、例えばRAM1134のDLU SHAFTフラッグおよびAUTO−ZEROフラッグがセットされて、打込みシャフト試験機能およびオートゼロ動作機能が抑制される。ステップ2028で、DLU
CHECKタイマ、FIRE BUTTONタイマ、およびFIRE BUTTONカウンタがリセットされる。
【0086】
ステップ2028が実行された後、制御は図20(b)のフローチャートに示されたステップに進む。ステップ2030で、電気機械的ドライバ構成部品610の主モータ電源が停止しているかどうかが決定される。ステップ2030で主モータ電源が停止していると決定されると、制御はステップ2032に進み、そこで「エラー010−操作マニュアルを参照してください」のようなメッセージが例えばディスプレイ装置616に表示される。ステップ2034で、電気機械的ドライバ構成部品610が停止されるまで、例えば指示が提示され、例えばチャイムが繰返し、例えば毎秒一回発行される。ステップ2030で、主モータ電源が停止していないと決定されると、ステップ2036で遠隔制御装置が読み出される。ステップ2040で、例えばRAM1134にDLU OLDフラッグがセットされているかどうかが決定される。DLU OLDフラッグがセットされている場合には、制御はステップ2054に進む。ステップ2040でDLU OLDフラッグがセットされていないと決定されると、制御はステップ2042に進み、そこでFIREキー、例えばワイヤレスRCU1148のスイッチ1320またはワイヤードRCU1150のスイッチ1320’が押されているかどうかが決定される。ステップ2042でFIREキーが押されていると決定されると、制御はステップ2044に進み、打込み動作が実行される。打込み動作については後述し、図24(a)から24(c)に図示する。ステップ2024でFIREキーが押されていないと決定されると、制御はステップ2046に進む。
【0087】
ステップ2046で、CLOSEキー、例えばワイヤレスRCU1148のスイッチ1320またはワイヤードRCU1150のスイッチ1320’が押されているかどうかが決定される。ステップ2046でCLOSEキーが押されていると決定されると、制御はステップ2048に進み、そこで、図21(a)から21(c)に示すように、閉動作が実行される。ステップ2046でCLOSEキーが押されていないと決定されると、制御はステップ2054に進み、そこでOPENキー、例えばワイヤレスRCU1148のスイッチ1320またはワイヤードRCU1150のスイッチ1320’が押されているかどうかが決定される。ステップ2054でOPENキーが押されていると決定されると、制御はステップ2056に進み、そこで図23に示すように開動作が実行される。ステップ2054でOPENキーが押されていないと決定されると、制御はステップ2058に進む。
【0088】
ステップ2058で、ワイヤレスRCU1148またはワイヤードRCU1150のいずれか他のキーが押されているかどうかが決定される。ステップ2058で別のキーが押されていると決定されると、制御はステップ2064に進む。ステップ2058で他のキーが押されていないと決定されると、制御はステップ2060に進む。ステップ2060で、打込みボタンタイマが予め定められた時間、例えば10秒を超えたかどうかが決定される。ステップ2060で打込みボタンタイマが予め定められた時間を超えていると決定されると、ステップ2062で打込みボタンタイマおよびカウンタがリセットされる。次いで制御はステップ2064に進み、そこで打込みボタンカウントが「1」の値を持つかどうかが決定される。ステップ2064で打込みボタンカウントが「1」の値を持つと決定されると、制御はステップ2066に進み、そこでディスプレイ装置616上のアンビル間隙の表示が復元される。ステップ2066が実行された後、制御はステップ2050に進み、そこで打込みボタンカウントがリセットされる。その後、ステップ2052で、ステアリングまたは離脱キーを確認するためにカーネルが呼び出され、それが処理される。
【0089】
ステップ2044の後、ステップ2052またはステップ2060が実行され、制御は図20(c)に示すステップに進む。ステップ2068で、DLU検査タイマが予め定められた値、例えば100ミリ秒より大きいか等しい値を持つかどうかが決定される。ステップ2068で、DLU検査タイマが予め定められた値より大きいか等しい値を持たないと決定されると、制御はステップ2082に進む。ステップ2068で、DLU検査タイマが予め定められた値より大きいか等しい値を持つと決定されると、ステップ2070で、DLU検査タイマがリセットされる。ステップ2072で、DLUの製造番号が読み出される。ステップ2074で、DLUの製造番号を読み出すことができたかどうかが決定される。ステップ2074でDLUの製造番号を読み出すことができなかったと決定されると、RAM1134のDLU存在フラッグがクリアされる。ステップ2074でDLUの製造番号を読み出すことができたと決定されると、ステップ2078でDLU存在フラッグがセットされる。
【0090】
ステップ2080で、手術装置11の製造番号が変化したかどうかが決定される。ステップ2080で製造番号が変化していないと決定されると、制御はステップ2082に進み、そこでIDLEルーチンが呼び出される。その後、制御はステップ2030に戻る。ステップ2080で製造番号が変化していると決定されると、ステップ2084で製造番号が一時的記憶場所に格納される。ステップ2086で手術装置11の製造番号が読み出される。ステップ2088で、DLU製造番号を読み出すことができたかどうかが決定される。ステップ2088でDLU製造番号を読み出すことができなかったと決定されると、制御はステップ2082に進み、そこでIDLEルーチンが呼び出される。ステップ2088でDLU製造番号を読み出すことができると決定されると、ステップ2090でDLU製造番号および一時的記憶場所に格納された製造番号に対し、比較ステップが実行される。ステップ2090でDLU製造番号と一時的記憶場所に格納された製造番号との間の比較が成功しなかったと決定されると、制御はステップ2082に進み、そこでIDLEルーチンが呼び出される。ステップ2090でDLU製造番号と一時的記憶場所に格納された製造番号との間の比較が成功したと決定されると、ステップ2092で、手術装置11の製造番号が読み出される。ステップ2094で、DLU製造番号を読み出すことができたかどうかが決定される。ステップ2094でDLU製造番号を読み出すことができなかったと決定されると、制御はステップ2082に進み、そこでIDLEルーチンが呼び出される。ステップ2094でDLU製造番号を読み出すことができたと決定されると、ステップ2096で、DLU製造番号および一時的記憶場所に格納された製造番号に対し、比較ステップが実行される。ステップ2096でDLU製造番号と一時的記憶場所に格納された製造番号との間の比較が成功しなかったと決定されると、制御はステップ2082に進み、そこでIDLEルーチンが呼び出される。ステップ2096でDLU製造番号と一時的記憶場所に格納された製造番号との間の比較が成功したと決定されると、ステップ2098で、制御はカーネルに戻る。
【0091】
図21(a)から21(c)は、電気機械的ドライバ構成部品610に取り付けられたときの手術装置11のジョーを閉じるためのジョー閉ルーチンの一例を示す。本発明の一実施形態例では、閉ルーチンは制御装置1122によって実行することができるが、上述の通り、図21(a)から21(c)に示すステップの一部または全部を他の制御装置、電子装置等が実行するように構成することができる。
【0092】
図21(a)を参照すると、ステップ2102で、ジョー閉ルーチンが初期化される。ステップ2104で、手術装置11がオートゼロ化されているかどうか、例えばそれに対してオートゼロ動作が実行されているか、あるいは実行されたかどうかが決定される。ステップ2104で手術装置11がオートゼロ化されていないと決定されると、ステップ2016でオートゼロ動作が実行される。オートゼロ動作の一例は図22(a)から22(c)のフローチャートに図示する。次いで、ステップ2108で、遠隔装置、例えばワイヤレスRCU1148またはワイヤードRCU1150の全てのキーの解除を待つ。ステップ2110で、制御は図20(a)から20(c)の主動作プログラムに戻る。ステップ2104で、手術装置11がオートゼロ化されていると決定されると、制御はステップ2112に進み、そこで可撓性シャフト620が試験されたかどうかが決定される。ステップ2112で可撓性シャフト620が試験されていないと決定されると、ステップ2114でシャフト試験ルーチンが実行される。シャフト試験ルーチンの一例は図25(a)および25(b)に示す。ステップ2114で実行されたシャフト試験が成功しなかったとステップ2116で決定されると、制御はステップ2108に進む。上述の通り、ステップ2108で、遠隔装置の全てのキーの解除を待ち、ステップ2110で制御は主動作プログラムに戻る。
【0093】
ステップ2112で可撓性シャフト620が試験されていないと決定されるか、あるいはステップ2116でシャフト試験が成功しなかったと決定されると、制御はステップ2118に進み、そこで手術装置11はもはや新しくないとマーク付けされる。例えば、ステップ2118で、手術装置11がもはや新しくないことを示すようにメモリモジュール501を書くことができる。ステップ2120で、マーク付けステップ2118が成功したかどうかが決定される。ステップ2120でマーク付けステップ2118が成功しなかったと決定されると、制御はステップ2122に進み、そこで「DLUを交換してください」などのメッセージが例えばディスプレイ装置616に表示される。ステップ2124で可聴チャイムが発行される。ステップ2126で、遠隔装置1148または1150の全てのキーの解除を待つ。次いで制御は、ステップ2128で、図20(a)から20(c)に示した主動作プログラムに戻る。
【0094】
ステップ2120で、ステップ2118で実行されたマーク付けステップが成功したと決定されると、制御はステップ2130に進む。ステップ2130でアンビル505の現在位置に対応する値が得られる。ステップ2132で、アンビル505の現在位置に対応する値が、ANVIL_GAP_GREEN_RANGEと呼ばれる値より大きいかどうかが決定される。ANVIL_GAP_GREEN_RANGEは例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することができる。ステップ2132で、アンビル505の現在位置に対応する値が、ANVIL_GAP_GREEN_RANGEと呼ばれる値より大きいと決定されると、ステップ2134で、「アンビルを閉じています」のようなメッセージが例えばディスプレイ装置616に表示され、メッセージフラッグが「0」の値にセットされる。ステップ2132で、アンビル505の現在位置に対応する値が、ANVIL_GAP_GREEN_RANGEと呼ばれる値より大きくないと決定されると、ステップ2136で、アンビル505の現在位置に対応する値が、ANVIL_GAP_BLUE_RANGEと呼ばれる値より大きいかどうかが決定される。ステップ2136で、アンビル505の現在位置に対応する値が、ANVIL_GAP_BLUE_RANGEと呼ばれる値より大きいと決定されると、ステップ2140で「緑OK」のようなメッセージが例えばディスプレイ装置616に表示され、メッセージフラッグが「1」の値にセットされる。ステップ2136で、アンビル505の現在位置に対応する値が、ANVIL_GAP_BLUE_RANGEと呼ばれる値より大きくないと決定されると、ステップ2138で「青OK」のようなメッセージが例えばディスプレイ装置616に表示され、メッセージフラッグが「2」の値にセットされる。このように、ディスプレイ装置616に表示されるメッセージは、第一ジョー80と第二ジョー50との間の間隙が、第一の予め定められた厚さ範囲内にある組織の部分に対して例えば「緑」範囲内で、第二の予め定められたより厚い範囲内にある組織の部分に対しては「青」範囲内であるかどうかの標識を使用者に提供する。本発明の一実施形態例では、「緑」範囲は約1.5mmから2.0mmの間の厚さ範囲内にある組織の部分に対応し、「青」範囲は約1.5mm未満の厚さ範囲内にある組織の部分に対応する。ステップ2138または2140のいずれかが実行された後、制御はステップ2142に進み、そこでディスプレイ装置616などの間隙グラフィック表示が更新される。ステップ2134または2142のいずれかが実行された後、制御は図21(b)に示すステップ2144に進む。
【0095】
図21(b)のフローチャートを参照すると、ステップ2144で、第一ジョー80と第二ジョー50との間の間隙が、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできるANVIL_GAP_MINと呼ばれる予め定められた値より大きいかどうかが決定される。ステップ2144で第一ジョー80と第二ジョー50との間の間隙がANVIL_GAP_MINと呼ばれる予め定められた値より大きくないと決定されると、制御は図21(c)に示す通りステップ2186に進む。ステップ2144で第一ジョー80と第二ジョー50との間の間隙がANVIL_GAP_MINの値より大きいと決定されると、制御はステップ2146に進む。ステップ2146で、値は、速度についてはCLOSE_SPEEDと呼ばれる値に設定され、トルクについてはCLOSE_TORQUEと呼ばれる値に設定され、位置についてはCLOSE POSITIONと呼ばれる値に設定され、それらの各々を例えばメモリユニット1130の記憶位置に格納することができる。ステップ2148で、手術装置11のジョーの移動が開始されストールタイマ(stall timer)がリセットされる。ステップ2150で、CLOSEキーが解除されたかどうかが決定される。ステップ2150でCLOSEキーが解除されたと決定されると、制御は図21(c)のフローチャートに示すようにステップ2186に進む。ステップ2150でCLOSEキーが解除されていないと決定されると、制御はステップ2152に進み、そこでストールタイマが、例えばメモリユニット1130の記憶位置に格納することのできるCLOSE_STALLと呼ばれる予め定められた値より大きい値を持つかどうかが決定される。ステップ2152でストールタイマがCLOSE_STALLと呼ばれる予め定められた値より大きい値を持つと決定されると、ステップ2154で、手術装置11の第一ジョー80と第二ジョー50との間の間隙に対応する値が、例えばメモリユニット1130の記憶位置に格納することのできるANVIL_GAP_MAXと呼ばれる値より小さいかまたは等しいかどうかが決定される。ステップ2154で手術装置11の第一ジョー80と第二ジョー50との間の間隙に対応する値が、ANVIL_GAP_MAXと呼ばれる値より小さいかまたは等しいと決定されると、制御は図21(c)のフローチャートに示すようにステップ2186に進む。ステップ2154で手術装置11の第一ジョー80と第二ジョー50との間の間隙に対応する値が、ANVIL_GAP_MAXと呼ばれる値より小さくも等しくもないと決定されると、ステップ2156で、「閉じるのに失敗しました」のようなメッセージが例えばディスプレイ装置616に表示される。ステップ2158で、可聴チャイムが発行され、制御は図21(c)に示すステップ2186に進む。
【0096】
再びステップ2152に関連して、ステップ2152でストールタイマがCLOSE_STALLと呼ばれる値より大きいと決定されると、制御はステップ2160に進み、そこで現在のアンビル位置が得られる。ステップ2162で、アンビル505の位置が変化したかどうかが決定される。ステップ2162でアンビル505の位置が変化したと決定されると、ステップ2164で、アンビル505の最後の既知の位置が更新され、ストールタイマはリセットされる。ステップ2164でアンビル505の位置が変化していないと決定されると、制御はステップ2166に進む。ステップ2166で、アンビル505の現在位置が、例えばメモリユニット1130の記憶位置に格納することのできるANVIL_GAP_GREEN_RANGEと呼ばれる値より小さいかまたは等しいかどうかが決定される。ステップ2166でアンビル505の現在位置が、ANVIL_GAP_GREEN_RANGEと呼ばれる値より小さくも等しくもないと決定されると、制御はステップ2168に進み、そこでアンビル505の現在位置が、例えばメモリユニット1130の記憶位置に格納することのできるANVIL_GAP_MINと呼ばれる予め定められた値より小さいかまたは等しいかどうかが決定される。ステップ2168で、アンビル505の現在位置がANVIL_GAP_MINと呼ばれる予め定められた値より小さいかまたは等しいと決定されると、制御は図21(c)のフローチャートに示すようにステップ2186に進む。ステップ2168で、アンビル505の現在位置がANVIL_GAP_MINと呼ばれる予め定められた値より小さくも等しくもないと決定されると、ステップ2170で、手術装置11のジョーが完全に移動したかどうかが決定される。ステップ2170で手術装置11の第一ジョー80および第二ジョー50がそれらの移動を完了したと決定されると、制御は図21(c)のフローチャートに示すようにステップ2186に進む。ステップ2170で手術装置11の第一ジョー80および第二ジョー50が移動を完了していないと決定されると、制御はステップ2150に戻る。
【0097】
再びステップ2166に関連して、アンビル505の現在位置が、ANVIL_GAP_GREEN_RANGEと呼ばれる値より大きいと決定されると、制御はステップ2172に進み、そこでアンビル505の現在位置が、例えばメモリユニット1130の記憶位置に格納することのできるANVIL_GAP_BLUE_RANGEと呼ばれる予め定められた値より大きいかどうかが決定される。ステップ2172で、アンビル505の現在位置がANVIL_GAP_BLUE_RANGEと呼ばれる予め定められた値より大きいと決定されると、制御はステップ2174に進み、そこでメッセージフラッグが「1」の値を持つかどうかが決定される。ステップ2174でメッセージフラッグが「1」の値を持たないと決定されると、ステップ2176で制御装置1122はメッセージフラッグの値を「1」の値にセットし、「緑OK」のようなメッセージが例えばディスプレイ装置616に表示され、ステープリングされる組織の特定の厚さに対応する「緑」のカートリッジを使用できることが使用者に示される。ステップ2176が完了した後、またはステップ2174でメッセージフラッグが「1」の値を持つと決定されると、制御はステップ2178に進む。
【0098】
ステップ2172で、アンビル505の現在位置が、例えばメモリユニット1130の記憶位置に格納することのできるANVIL_GAP_BLUE_RANGEと呼ばれる予め定められた値より大きくないと決定されると、ステップ2180で、メッセージフラッグが「2」の値を持つかどうかが決定される。ステップ2180で、メッセージフラッグが「2」の値を持たないと決定されると、ステップ2182で、メッセージフラッグの値は「2」の値にセットされ、「青OK」のようなメッセージが例えばディスプレイ装置616に表示され、ステープリングされる組織の特定の厚さに対応する「青」のカートリッジを使用できることが使用者に示される。ステップ2182が終了した後、またはステップ2180でメッセージフラグが「2」の値を持つと決定されると、制御はステップ2178に進む。ステップ2178で、例えばディスプレイ装置616上の間隙グラフィック表示が更新される。ステップ2184で、発光ダイオードなどの「範囲内」表示が点灯し、メモリユニット1130のRAM1134でDLU FIREDフラッグがセットされる。その後、制御がステップ2168に進む。
【0099】
ステップ2158、ステップ2168、またはステップ2170が実行された後、制御はステップ2186に進み、その時点で、アンビル505を駆動するモータ、例えばモータ680が停止する。ステップ2188で、間隙の現在位置に対応する値が、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできるANVIL_GAP_MAXと呼ばれる予め定められた値より低いかまたは等しいかどうかが決定される。ステップ2188で間隙に対応する値がANVIL_GAP_MAXと呼ばれる記憶場所に格納された予め定められた値より低いかまたは等しいと決定されると、制御はステップ2192に進み、そこで、例えばディスプレイ装置616上の間隙グラフィック表示が更新される。ステップ2188で間隙に対応する値がANVIL_GAP_MAXと呼ばれる予め定められた値より低くも等しくもないと決定されると、ステップ2190で、遠隔装置の全てのキーの解除を待ち、図20(a)から20(c)に示す通り、制御はステップ2194で主動作プログラムに戻る。
【0100】
図22(a)から22(c)は、電気機械的ドライバ構成部品610に取り付けられた場合の手術装置11に対し、オートゼロ機能を実行するためのオートゼロ化ルーチンの一例を示す。本発明の一実施形態例では、オートゼロ化ルーチンは制御装置1122によって実行されるが、上述の通り、他の制御装置、電子装置等が図22(a)から22(c)に示したステップの一部または全部を実行するように構成することができることを理解すべきである。図22(a)を参照すると、ステップ2202でオートゼロ化ルーチンが初期化される。ステップ2204で、遠隔装置の全てのキーの解除を待つ。ステップ2206で、例えばディスプレイ装置616上に「較正しています」のようなメッセージが表示される。ステップ2208で、READY TO FIREフラッグがAUTOZERO
OKフラッグと同様にリセットされる。ステップ2210で、アンビル505の現在位置が、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできるAUTOZERO_POSITIONと呼ばれる値に設定される。ステップ2212で、トルクが、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできるAUTOZERO_TORQUEと呼ばれる値に設定される。ステップ2214で、速度が、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできるAUTOZERO_SPEEDと呼ばれる値に設定される。ステップ2216で、行先位置が「0」の値に設定される。ステップ2218で、手術装置11のジョーを閉じるようにアンビル505が移動を始めさせるために、アンビル505に対応するモータ、例えばモータ680に信号が送られる。ステップ2220で、ストールタイマおよび最後の位置がリセットされる。次いで制御は、図22(b)のフローチャートに示したステップを実行するように進む。
【0101】
ステップ2222で、ストールタイマが、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできるAUTOZERO_STALLと呼ばれる値より大きいかどうかが決定される。ステップ2222でストールタイマがAUTOZERO_STALLと呼ばれる値より大きい値を持つと決定されると、制御はステップ2242に進み、その時点でアンビル505に対応するモータ、例えばモータ680が停止する。ステップ2222でストールタイマがAUTOZERO_STALLと呼ばれる予め定められた値より大きくない値を持つと決定された場合、制御はステップ2224に進み、そこでアンビル505の現在位置が最後の位置に等しいかどうかが決定される。ステップ2224でアンビル505の現在位置が最後の位置に等しくないと決定された場合、ステップ2226でストールタイマおよび最後の位置がリセットされる。ステップ2224でアンビル505の現在位置が最後の位置に等しいと決定された場合、制御はステップ2228に進み、そこで、遠隔装置、例えばワイヤレスRCU1148またはワイヤードRCU1150のキーのいずれかが押されているかどうかが決定される。ステップ2228で遠隔装置のキーのいずれかが押されていると決定されると、ステップ2230で、ストールタイマおよび最後の位置はリセットされる。ステップ2232で、アンビル505はANVIL_BACKUPと呼ばれる予め定められた距離だけ開き、その値は、ストールタイマの値がAUTOZERO_STALLと呼ばれる値、またはその倍数、例えばAUTOZERO_STALLの値の倍数を超えるまで、例えばメモリユニット1130の記憶場所または他の場所に保存することができる。ステップ2232で、アンビル505に対応するモータ、例えばモータ680が停止する。ステップ2234で、可聴チャイムが発行され、例えばディスプレイ装置616上に「CLOSEを押して再較正してください」のようなメッセージが表示される。ステップ2236で、遠隔装置の全てのキーの解除を待ち、ステップ2238で制御は、図20(a)から20(c)に示す主動作プログラムのような主動作プログラムに戻る。
【0102】
ステップ2228で、遠隔装置のキーのいずれも押されていないと決定された場合、制御はステップ2240に進み、そこでジョーの移動が完了したかどうかが決定される。ステップ2240でジョーの移動が完了していないと決定されると、制御はステップ2222に戻る。ステップ2240でジョーの移動が完了したと決定されると、制御はステップ2242に進み、そこでアンビル505を駆動するモータ、例えばモータ680が停止する。ステップ2244で遠端位置および近端位置の値が各々1.5mmの値に設定される。
【0103】
次いで制御は図22(c)に示すステップに進む。ステップ2246で、メモリのストールタイマおよび最後の位置がリセットされる。ステップ2248で、速度は、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできるOPEN_SPEEDと呼ばれる予め定められた値に設定される。ステップ2250で、行先位置が、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできるOPEN_POSITIONと呼ばれる予め定められた値に設定され、手術装置11のジョーが移動し始める。ステップ2252で、ストールタイマが、AUTOZERO_STALLと呼ばれる予め定められた値、またはその倍数、例えばAUTOZERO_STALLの値の倍数より大きい値を持つかどうかが決定される。ステップ2252で、ストールタイマがAUTOZERO_STALLと呼ばれる予め定められた値より大きい値を持たないと決定された場合、ステップ2254で、アンビル505の現在位置がその最後の位置に等しいかどうかが決定される。ステップ2254でアンビル505の現在位置がその最後に位置に等しくないと決定された場合、ステップ2256でストールタイマおよび最後の位置の値がリセットされる。ステップ2254でアンビル505の現在位置がその最後と同じであると決定された場合、制御はステップ2258に進み、そこで、遠隔装置、例えばワイヤレスRCU1148またはワイヤードRCU1150のキーのいずれかが押されているかどうかが決定される。遠隔装置のキーが押されていると決定された場合、ステップ2268でアンビル505を駆動するモータ、例えばモータ680が停止する。ステップ2270で、ビープ音などの可聴信号が使用者に発行され、「CLOSEを押して再較正してください」のようなメッセージが例えばディスプレイ装置616上に表示される。ステップ2272で、遠隔装置の全てのキーの解除を待ち、ステップ2274で制御は、図20(a)から20(c)に示すような主動作プログラムに戻る。
【0104】
ステップ2258で、遠隔装置、例えばワイヤレスRCU1148またはワイヤードRCU1150のキーが押されていないと決定された場合には、ステップ2260で、手術装置11のジョーの移動が完了したかどうかが決定される。ステップ2260でジョーがその移動を完了していないと決定された場合、制御はステップ2252に戻る。ステップ2260で、手術装置11のジョーの移動が完了したと決定された場合には、ステップ2262でアンビルモータ、例えばモータ680が停止し、可聴信号が発行され、あるいは「READY」のようなメッセージが例えばディスプレイ装置616上に表示される。ステップ2264で、AUTOZERO OKフラッグがセットされ、遠隔装置の全てのキーの解除を待つ。ステップ2266で制御は、図20(a)から20(c)に示すような主動作プログラムに戻る。
【0105】
図23は、電気機械的ドライバ構成部品610に接続された場合の手術装置11を開くためのジョー開ルーチンの一例を示す。本発明の一実施形態例では、この動作プログラムは制御装置1122によって実行されるが、上述の通り、他の制御装置、電子装置等がジョー開ルーチンのステップの一部または全部を実行することができることを理解すべきである。図23を参照すると、ステップ2300で、ジョー開ルーチンが初期化される。ステップ2302で、「範囲内」表示、例えば発光ダイオードが消灯し、メモリのDLU READYフラッグがクリアされる。ステップ2304で、メモリでオートゼロフラッグがセットされているかどうかが決定される。ステップ2304で、メモリでオートゼロフラッグがセットされていないと決定された場合、ステップ2306で「CLOSEを押して再較正してください」のようなメッセージが例えばディスプレイ装置616上に表示される。ステップ2308で可聴信号またはチャイムが使用者に発行される。ステップ2312で戻る前に、ステップ2310で遠隔装置の全てのキーの解除を待つ。その後、制御は、図20(a)から20(c)に示す主動作プログラムのような主動作プログラムに戻る。
【0106】
ステップ2304で、オートゼロフラッグがセットされていると決定された場合、ステップ2314でアンビルトルクが、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできるOPEN_TORQUEと呼ばれる値に設定される。ステップ2316で速度は、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできるOPEN_VELOCITYと呼ばれる予め定められた値に設定される。ステップ2318で、ジョーの行先は完全な非クランプ位置に設定される。ステップ2320で手術装置11のジョーは移動し始める。ステップ2322で、「アンビルを開いています」のようなメッセージが例えばディスプレイ装置616上に表示される。ステップ2324で、メモリのメッセージフラッグがクリアされる。ステップ2326で、遠隔装置のOPENキーが解除されているかどうかが決定される。ステップ2326でOPENキーが解除されていると決定されると、制御はステップ2328に進み、そこでアンビルモータ、例えばモータ680が停止し、遠隔装置の全てのキーの解除を待つ。ステップ2330で、制御は、図20(a)から20(c)に示した主動作プログラムのような主動作プログラムに戻る。
【0107】
ステップ2326でOPENキーが解除されていないと決定されると、ステップ2332で、アンビル間隙、例えば手術装置11の第一ジョー80と第二ジョー50との間の間隙の値が得られる。ステップ2334で、間隙が、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできるANVIL_FULL_OPEN_GAPと呼ばれる値より大きいかどうかが決定される。ステップ2334で間隙がANVIL_FULL_OPEN_GAPと呼ばれる値より大きいと決定された場合には、ステップ2336で、メッセージフラッグがセットされているかどうかが決定される。ステップ2336でメッセージフラッグがセットされていないと決定された場合には、ステップ2338でメッセージフラッグがセットされ、「アンビル全開」のようなメッセージが例えばディスプレイ装置616上に表示される。次いで制御はステップ2340に進む。同様に、ステップ2334で間隙がANVIL_FULL_OPEN_GAPと呼ばれる予め定められた値より大きくないと決定された場合、あるいはステップ2336でメッセージフラッグがセットされていないと決定された場合、制御はステップ2340に進む。ステップ2340で、手術装置11のジョーの移動が完了したかどうかが決定される。ステップ2340でジョーの移動が完了していないと決定されると、制御はステップ2326に戻る。ステップ2340で手術装置11のジョーの移動が完了したと決定された場合には、制御はステップ2328に進む。既に上述した通り、ステップ2328で、アンビルモータ、例えばモータ680が停止し、遠隔装置の全てのキーの解除を待つ。ステップ2330で、制御は図20(a)から20(c)に示す主動作プログラムに戻る。
【0108】
図24(a)は、電気機械的ドライバ構成部品610に接続された場合の手術装置11の上部ジョーと下部ジョーとの間にクランプされた組織の部分を切断しかつステープリングするためのステープル打込みルーチンを示す。本発明の一実施形態例では、この動作プログラムは制御装置1122によって実行することができるが、上述の通り、他の制御装置、電子装置等がステープル打込みルーチンのステップの一部または全部を実行するように構成することができることを理解すべきである。図24(a)を参照すると、ステップ2400でステープル打込みルーチンは初期化される。ステップ2402で、AUTOZERO OKフラッグがセットされているかどうかが決定される。ステップ2402でAUTOZERO OKフラッグがセットされていないと決定された場合には、ステップ2404で「CLOSEを押して再較正してください」のようなエラーメッセージが例えばディスプレイ装置616上に表示される。AUTOZERO OKフラッグがセットされていると決定された場合には、制御はステップ2406に進む。ステップ2406で、DLU READYフラッグがセットされているかどうかが決定される。ステップ2406でDLU READYフラッグがセットされていないと決定された場合には、ステップ2408で、「範囲外」のようなエラーメッセージが例えばディスプレイ装置616上に表示される。ステップ2406でDLU READYフラッグがセットされていると決定された場合には、制御はステップ2410に進む。ステップ2410で、DLU FIREDフラッグがセットされているかどうかが決定される。ステップ2410でDLU FIREDフラッグがセットされていると決定された場合には、ステップ2412で、エラー状態が発生したと決定され、「ステープルがありません」のようなエラーメッセージが例えばディスプレイ装置616上に表示される。ステップ2410でDLU FIREDフラッグがセットされていないと決定された場合には、制御はステップ2422に進む。ステップ2404、ステップ2408、またはステップ2412の完了後、制御はステップ2414に進み、そこで打込みボタンカウントがリセットされる。ステップ2416で、可聴チャイムが発行される。ステップ2418で全てのキーの解除を待ち、ステップ2420で、制御は、図20(a)から20(c)に示す主動作プログラムのような主動作プログラムに戻る。
【0109】
上述の通り、ステップ2410でDLU FIREDフラッグがセットされていないと決定された場合には、制御はステップ2422に進む。ステップ2422で打込みボタンカウントが増加する。ステップ2424で、打込みボタンが初めて押されたかどうかが決定される。ステップ2424で打込みボタンが初めて押されたと決定された場合には、ステップ2426で、「打込みキーREADY」のようなメッセージが例えばディスプレイ装置616上に表示される。ステップ2428で、打込みボタンタイマがリセットされる。ステップ2428が実行された後、制御は上述の通りステップ2418に戻る。ステップ2424で、打込みボタンが押されたのが初めてではないと決定された場合、ステップ2430で「打ち込んでいます」のようなメッセージが例えばディスプレイ装置616上に表示される。ステップ2432で、使用カウントが減少され、DLU FIREDフラッグがセットされる。本発明の一実施形態例では、制御は予め定められた時間間隔、例えば100ミリ秒の間隔で、予め定められた回数だけ使用カウントを減少しようと試みる。
【0110】
次いで制御は、図24(b)に示すようにステップ2434に進む。ステップ2434で、打込みモータ速度、例えばモータ676などのステープルを打ち込むモータの速度が設定される。加えて、ステップ2434では、トルク限度が設定される。ステップ2436で、打込みモータ位置が、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできるFIRE POSITIONと呼ばれる予め定められた値に設定され、手術装置11のジョーが移動を開始する。ステップ2438で、最後の既知の位置が「0」に設定される。加えて、ステップ2438で、打込みおよびストールタイマがリセットされ、エラーフラッグがクリアされる。ステップ2440で、打込みまたはストールタイマが満了したかどうかが決定される。ステップ2440で打込みまたはストールタイマが満了したと決定された場合には、ステップ2452で、打込みモータ、例えばモータ676が使用不能になる。ステップ2454で、「打込みシーケンスが完了していません」のようなエラーメッセージが例えばディスプレイ装置616上に表示される。ステップ2456で、チャイムまたは他の可聴信号が発行され、エラーフラッグがセットされる。その後、制御はステップ2458に進む。
【0111】
ステップ2440で、打込みまたはストールタイマが満了したと決定された場合には、制御はステップ2442に進む。ステップ2442で、打込みモータ、例えばモータ676がその移動を完了したかどうかが決定される。ステップ2442で、打込みモータ、例えばモータ676がその移動を完了したと決定された場合には、制御は上述の通りステップ2452に進む。ステップ2442で打込みモータ、例えばモータ676がその移動を完了していないと決定された場合には、制御はステップ2444に進む。ステップ2444で、アンビル505の現在位置がアンビル505の最後の位置と同じであるかどうかが決定される。ステップ2444でアンビル505の現在位置がアンビル505の最後の位置と同じでないと決定された場合には、ステップ2446で、アンビル505の最後の位置がアンビル505の現在位置に等しく設定され、ストールタイマがリセットされる。ステップ2446が実行された後、またはステップ2444でアンビル505の現在位置がアンビル505の最後の位置と同じであると決定された場合、制御はステップ2448に進む。ステップ2448で、ナイフ519のようなナイフがその行先、例えば完全延長位置に到達したかどうかが決定される。ステップ2448でナイフがその行先に到達していないと決定された場合には、制御はステップ2440に戻る。ステップ2448でナイフがその行先に到達したと決定された場合には、ステップ2450で、制御装置1122は打込みモータ、例えばモータ676を使用不能にする。
【0112】
ステップ2450または2456のいずれかの完了後に、制御はステップ2458に進む。ステップ2458で、「範囲内」表示、例えば発光ダイオードが消灯し、DLU READYフラッグがクリアされる。ステップ2460で、モータ電流限度が全尺に設定される。ステップ2462で、アンビル505はその初期位置に戻り始める。ステップ2464で、最後の既知の位置が零に設定され、サイクルおよびストールタイマがリセットされる。ステップ2466で、図24(c)に示す通り、サイクルタイマが、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできるTIME_FIREと呼ばれる予め定められた値より大きいかどうかが決定される。ステップ2466でサイクルタイマがTIME_FIREと呼ばれる予め定められた値より大きいと決定された場合、ステップ2468で、エラーフラッグがセットされているかどうかが決定される。ステップ2468でエラーフラッグがセットされていないと決定された場合には、ステップ2470で、「打込みシーケンスが完了していません」のようなエラーメッセージが例えばディスプレイ装置616上に表示される。ステップ2472で、可聴チャイムが発行され、エラーフラッグがセットされる。ステップ2472が実行された後、またはステップ2468でエラーフラッグがセットされていると決定された場合、制御はステップ2482に進む。
【0113】
ステップ2466で、サイクルタイマがTIME_FIREと呼ばれる値より大きくないと決定された場合には、ステップ2474で、ストールタイマが、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできるTIME_STALLと呼ばれる予め定められた値、またはその倍数、例えばTIME_FIREの値の倍数より大きいかどうかが決定される。ステップ2474でストールタイマがTIME_STALLと呼ばれる予め定められた値より大きいと決定された場合には、制御は前述の通りステップ2468に進む。ステップ2474でストールタイマがTIME_STALLと呼ばれる値より大きくないと決定された場合には、制御はステップ2476に進む。ステップ2476で、アンビル505の現在位置がアンビル505の最後の位置と同じであるかどうかが決定される。ステップ2476でアンビル505の現在位置がアンビル505の最後の位置と同じであると決定された場合には、ステップ2478で、アンビル505の最後の位置がアンビル505の現在位置に等しく設定され、ストールタイマはリセットされる。ステップ2478が実行された後、またはステップ2476でアンビル505の現在位置がアンビル505の最後の位置と同じであると決定された場合、制御はステップ2480に進む。ステップ2480で、ナイフ519のようなナイフが完全に後退しているかどうかが決定される。ステップ2480でナイフが完全には後退していないと決定されると、制御はステップ2466に戻る。ステップ2480でナイフが完全に後退していると決定された場合、または上述したステップ2468または2472の完了後、ステップ2482で打込みモータ、例えばモータ676が使用不能になる。ステップ2484で、エラーフラッグがメモリにセットされているかどうかが決定される。ステップ2484でエラーフラッグがメモリにセットされていると決定されると、制御はステップ2488に進み、主動作プログラムに戻る。ステップ2488でエラーフラッグがセットされていないと決定されると、「打込みは完了しました」のようなメッセージが例えばディスプレイ装置616上に表示される。その後、ステップ2488で制御は主動作プログラムに戻る。
【0114】
図25(a)は、電気機械的ドライバ構成部品610の可撓性シャフト620のシャフト試験に対応するシャフト試験ルーチンを示す。本発明の一実施形態例では、このシャフト試験ルーチンは制御装置1122によって実行されるが、前述のとおり、他の制御装置、電子装置等がシャフト試験ルーチンのステップの一部または全部を実行するように構成することができることを理解すべきである。図25(a)を参照すると、ステップ2500で、シャフト試験ルーチンが初期化される。ステップ2502で、対応する回転自在な駆動シャフト、例えば回転自在な駆動シャフト632を歩進させるように、ナイフモータ、例えばモータ676のトルク、速度、および位置が設定される。ステップ2504で、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできるFIRE_TEST_TIME_OUTと呼ばれる予め定められた時間間隔だけ待つか、またはナイフ519の移動の完了を待つ。ステップ2506で、FIRE_TEST_TIME_OUTと呼ばれる時間間隔が満了したかどうかが決定される。ステップ2506で、FIRE_TEST_TIME_OUTと呼ばれる時間間隔が満了したと決定された場合には、ステップ2508で、「エラー006−操作マニュアルを参照してください」のようなメッセージが例えばディスプレイ装置616上に表示される。ステップ2510で、電気機械的ドライバ構成部品610の電源が切られるまで、チャイムが定期的に、例えば毎秒一回発行される。
【0115】
ステップ2506でFIRE_TEST_TIME_OUTと呼ばれる時間間隔が満了していないと決定された場合には、ステップ2512で、ナイフ519の移動が完了するのを確実にするために、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできるFIRE_STOP_TIMEと呼ばれる予め定められた時間間隔だけ待つ。ステップ2514で、遠端位置が、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできる値であるFIRE_CHECK_POSITIONと呼ばれる予め定められた位置より小さいかどうかが決定さる。ステップ2514で遠端位置がFIRE_CHECK_POSITIONと呼ばれる予め定められた位置より小さくないと決定された場合には、ステップ2516で、エラー状態が発生したと決定され、「可撓性シャフトを交換してください」のようなエラーメッセージが例えばディスプレイ装置616上に表示される。ステップ2518で、可聴チャイムが発行され、エラーフラッグがセットされる。ステップ2518が実行された後、またはステップ2514で遠端位置がFIRE_CHECK_POSITIONより小さいと決定された場合、制御はステップ2520に進む。ステップ2520で、遠端位置は原位置またはホームポジションに設定される。ステップ2522で、例えばメモリユニット1130の記憶場所に格納することのできるFIRE_TEST_TIME_OUTと呼ばれる予め定められた時間間隔だけ待つか、さもなければナイフ519の移動の完了を待つ。ステップ2524で、FIRE_TEST_TIME_OUTと呼ばれる時間間隔が満了したと決定された場合には、ステップ2526で、「エラー006−操作マニュアルを参照してください」のようなメッセージが例えばディスプレイ装置616上に表示される。ステップ2528で、電気機械的ドライバ構成部品610の電源が切られるまで、チャイムが発行される。ステップ2524で時間が満了していないと決定された場合、図25(b)のフローチャートに示すように、ステップ2530でエラーフラッグがセットされたかどうかが決定される。ステップ2530でエラーフラッグがセットされていると決定された場合には、ステップ2536で遠隔装置の全てのキーの解除を待つ。その後、制御はステップ2538で主動作プログラムに戻る。ステップ2530でエラーフラッグがセットされていないと決定された場合には、ステップ2532で、シャフト試験フラッグが「1」の値に設定される。その後、ステップ2534で、制御は図20(a)から20(c)に示すように主動作プログラムに戻る。
【0116】
従来の手術装置の一つの問題は、それらが装置を使用できる進入角が制限されるということである。前述のとおり、従来の手術装置は一般的に、切断またはステープリングする組織の部分に対して垂直の器具シャフトを使用している。従来の手術装置を身体的に、例えば患者の体内で使用する場合、装置は、組織の部分を切断およびステープリングするのに単一の進入角に制限される。
【0117】
対照的に、本発明の手術装置11は、装置が使用される進入角を制限しない。前述の通り、本発明の様々な実施形態例に係る手術装置11は、第二ジョー50に対する第一ジョー80の移動面に対してある角度で、例えば垂直に第一ジョー80に結合される駆動シャフト630および632を含む。したがって、手術装置11を身体内で、例えば患者の体内で使用する場合、手術装置11は単一の進入角に制限されない。それどころか、様々な進入角を使用することができ、それはオペレータが手術装置を組織の様々な部分により効果的に使用することを可能にする。
【0118】
従来の手術装置の別の問題は、それらを患者の体内で操作するのが難しいことである。例えば、容易に操作できない組織の部分をクランプまたはステープリングするために従来の手術装置を使用する場合、代わりに手術装置を操作しなければならない。例えば、肛門断端に隣接して位置する胃腸組織の部分の場合、手術の実行前または実行中に組織のその部分を操作することができない。従来の手術装置は、オペレータが使用しなければならない進入角が患者の骨盤と衝突するので、そのような場所に使用することができない。
【0119】
対照的に、本発明の様々な実施形態例に係る手術装置11は、患者の体内で操作するのがあまり難しくない。例えば、上述した肛門断端に隣接して位置する胃腸組織の部分の場合、手術装置11を肛門に最も近い胃腸組織の部分の端ぎりぎりに配置することができる。こうして、第二ジョー50に対する第一ジョー80の移動面に対して角を成す、例えば垂直の駆動シャフト630および632の構成は、患者の体内における手術装置11の操縦性を改善することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載された発明。
【請求項1】
本願明細書に記載された発明。
【図1(a)】
【図1(b)】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8(a)】
【図8(b)】
【図9(a)】
【図9(b)】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20(a)】
【図20(b)】
【図20(c)】
【図21(a)】
【図21(b)1】
【図21(b)2】
【図21(c)】
【図22(a)】
【図22(b)】
【図22(c)】
【図23】
【図24(a)】
【図24(b)】
【図24(c)】
【図25(a)】
【図25(b)】
【図1(b)】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8(a)】
【図8(b)】
【図9(a)】
【図9(b)】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20(a)】
【図20(b)】
【図20(c)】
【図21(a)】
【図21(b)1】
【図21(b)2】
【図21(c)】
【図22(a)】
【図22(b)】
【図22(c)】
【図23】
【図24(a)】
【図24(b)】
【図24(c)】
【図25(a)】
【図25(b)】
【公開番号】特開2012−176288(P2012−176288A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−136995(P2012−136995)
【出願日】平成24年6月18日(2012.6.18)
【分割の表示】特願2010−112636(P2010−112636)の分割
【原出願日】平成15年1月2日(2003.1.2)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年6月18日(2012.6.18)
【分割の表示】特願2010−112636(P2010−112636)の分割
【原出願日】平成15年1月2日(2003.1.2)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】
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