説明

打撃工具

【課題】 工具ビットの打撃動作により被加工材に対し所定のハンマ作業を遂行させる打撃工具において、工具ビットを駆動する駆動モータの給電に関する電装品の組み付け性向上に資する技術を提供する。
【解決手段】 本発明の打撃工具としての電動ハンマでは、ブラシホルダユニットの被接続端子に対しプラグイン型の差込み形態によって端子接続が可能とされた接続端子と、ACコード150が接続される電源端子144と、駆動モータの通電状態及び通電解除状態を切り換え可能な電源スイッチ131と、駆動モータの給電に関する制御を行なう制御部147と、回転数調節ダイヤル148及びモータ回転数センサ149の各電装品がハウジングに一体状に組み付けられる電装品アッセンブリ体として構成され、この電装品アッセンブリ体は、接続端子が前記被接続端子に対しプラグイン型の差込み形態によって接続されることで、工具本体側に組み付けられる構成とされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンマやハンマドリル等のように工具ビットを直線状に駆動する打撃工具の構築技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2004−174710号公報(特許文献1)には、モータで駆動される電動工具が開示されている。特許文献1に記載のこの電動工具では、コントローラ(電子回路ユニット)が複数の導線によって駆動モータに電気接続されており、電源からコントローラに給電された電力がこれら複数の導線を介して駆動モータに供給される構成とされるが、この種の作業工具の設計に際しては、コントローラ等の電装品の組み付け性向上を図るべく更なる技術が要請される。
【特許文献1】特開2004−174710号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、工具ビットの打撃動作により被加工材に対し所定のハンマ作業を遂行させる打撃工具において、工具ビットを駆動する駆動モータの給電に関する電装品の組み付け性向上に資する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を達成するため、本発明に係る打撃工具は、工具ビットの打撃動作により被加工材に対し所定のハンマ作業を遂行させる打撃工具であって、駆動モータと、工具本体と、ブラシホルダユニットと、接続端子と、電源端子と、電源スイッチと、制御部を少なくとも備える。ここでいう「所定のハンマ作業」には、工具ビットが直線状の打撃動作のみを行うハンマ作業のみならず、直線状の打撃動作と周方向の回転動作とを行う電動ハンマ作業が好適に包含される。駆動モータは、工具ビットを駆動するモータとして構成される。この場合、駆動モータの駆動によって回転するモータ軸の配置に関しては、モータ軸が工具ビットの長軸線に対して当該長軸線を横切るように交差状に配設される形態であってもよいし、或いはモータ軸の延長線が工具ビットの長軸線を横切るものの当該モータ軸自体は工具ビットの長軸線から外れた位置に配設される形態であってもよい。また、この駆動モータによって駆動される工具ビットは、本発明にかかる打撃工具の一構成要素とされてもよいし、或いは打撃工具とは別の構成部材とされてもよい。工具本体は、駆動モータを収容する収容部分として構成される。ブラシホルダユニットは、駆動モータの給電用の複数のモータブラシを保持する保持部分として構成される。接続端子は、ブラシホルダユニットの被接続端子に対しプラグイン型の差込み形態によって接続可能とされた構成とされる。ここでいう「プラグイン型」の差込み形態に関しては、雌側の端子に対し雄側の端子が差込まれることによって互いに端子接続がなされる形態であって、雄側の端子として構成された接続端子が、雌側の端子として構成された被接続端子に差し込まれる構成や、雄側の端子として構成された被接続端子が、雌側の端子として構成された接続端子に差し込まれる構成が包含される。電源端子は、電源コードが接続される端子として構成される。電源スイッチは、駆動モータの通電状態及び通電解除状態を切り換え可能なスイッチとして構成される。制御部は、駆動モータの給電に関する制御を行なう機能を有する。
【0005】
特に、本発明に係る打撃工具では、前記の接続端子、電源端子、電源スイッチ及び制御部の各電装品がハウジングに一体状に組み付けられる電装品アッセンブリ体(組み立て部材)として構成される。これにより、この電装品アッセンブリ体は、接続端子が被接続端子に対しプラグイン型の差込み形態によって端子接続されることで、工具本体側に組み付けられる。従って、このような構成によれば、ハウジングに組み込まれた各種の電装品を、一部品の電装品アッセンブリ体として取り扱うことが可能となり、また接続端子及び被接続端子の端子同士のプラグイン端子接続によって一括して容易に工具本体側に組み付けることが可能となり、以って電装品の組み付け性向上が図られる。また、電装品アッセンブリ体を一部品として取り外すことが可能なため、電装品の修理性も向上する。
【0006】
本発明に係る打撃工具の更なる形態では、前記の電装品アッセンブリ体は、駆動モータの回転数に関する情報を検知するモータ回転数センサがハウジングに一体状に組み付けられる構成であり、また前記の制御部は、モータ回転数センサによる検知情報に基づいて駆動モータに対し回転数制御に関する制御信号を出力する構成であるのが好ましい。ここでいう「駆動モータの回転数に関する情報」に関しては、回転数自体や、当該回転数に対応する各種の情報が包含される。また、ここでいう「回転数制御」に関しては、典型的には作業者によって任意に設定された設定回転数に対し、実際の回転数が合致するように制御する形態が挙げられる。また、制御部において、駆動モータに対し回転数制御に関する制御信号を出力する出力部分は、回転数制御以外の制御信号を出力する出力部分と共通化されてもよいし、或いは独立して別個に設けられてもよい。このような構成によれば、接続端子、電源端子、電源スイッチ及び制御部の各電装品に加えて、更に駆動モータの回転数を制御する機構がハウジングに一体状に組み付けられた電装品アッセンブリ体が提供される。
【0007】
本発明に係る打撃工具の更なる形態では、前記の電装品アッセンブリ体は、工具本体の後方であって、当該工具本体と作業者によって把持されるハンドル部との間に配設されるとともに、工具本体の後方に配設された被接続端子に対し、接続端子を駆動モータの駆動によって回転するモータ軸と交差する方向に装着することで被接続端子及び接続端子が端子接続される構成であるのが好ましい。典型的には、被接続端子を雌側の端子として構成する一方、接続端子を被接続端子に差し込み可能な雄側の端子として構成することができる。なお、ここでいう工具本体の後方とは、工具本体の各部位のうち工具ビット側を前方とした場合の工具ビットとは反対側をいう。このような構成によれば、電装品アッセンブリ体に設けられた接続端子を、工具本体の後方に設けられた被接続端子に対し、駆動モータのモータ軸と交差する方向に装着することによって、電装品アッセンブリ体の組み付け及び端子接続が可能な構造が提供される。
【0008】
本発明に係る更なる形態の打撃工具は、駆動モータの駆動によって回転するモータ軸が工具ビットの長軸線に対して当該長軸線を横切るように交差状に配置された構成であるのが好ましい。このような構成によれば、駆動モータのモータ軸が工具ビットの長軸線に対して当該長軸線を横切るように交差状に配置された打撃工具において、電装品の組み付け性向上を図ることが可能となる。
【0009】
本発明に係る打撃工具の更なる形態では、前記の電装品アッセンブリ体は、電源端子に接続された電源コード自体がハウジングに保持される構成であるのが好ましい。この電源コード自体の保持に関しては、電源コードが直接的にハウジングに保持される形態であってもよいし、或いは電源コードとハウジングとの間に設けられたコードガード等の介在部材を介して間接的にハウジングに保持される形態であってもよい。このような構成によれば、接続端子、電源端子、電源スイッチ及び制御部の各電装品に加えて、更に電源コード自体がハウジングに一体状に組み付けられた電装品アッセンブリ体が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、工具ビットの打撃動作により被加工材に対し所定のハンマ作業を遂行させる打撃工具において、工具ビットを駆動する駆動モータの給電に関する電装品の組み付け性向上を図ることが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照しつつ説明する。本実施の形態は、本発明における「打撃工具」の一例として電動ハンマを用いて説明する。図1には本実施の形態の電動ハンマ101の全体構成が断面図にて示される。また、図2には図1中の電動ハンマ101の主要部の構成の部分拡大図が示され、図3には図2の部分拡大図が示され、図4には図3の部分拡大図が示される。また、図5には図1中の駆動モータ111の全体構成がA−A線断面図として示される。
【0012】
本実施の形態に係る電動式の電動ハンマ101は、図1に示すように、概括的に見て、電動ハンマ101の外郭を形成する本体部103、当該本体部103の長軸方向における先端領域(図示左側)に接続されたツールホルダ137、当該ツールホルダ137に着脱自在に取付けられたハンマビット119、本体部103の長軸方向における他端部(図示右側)に連接された作業者が手で把持可能なハンドグリップ109を主体として構成される。ここでいう本体部103が本発明における「工具本体」に対応し、またここでいうハンマビット119が本発明における「工具ビット」に対応する。ハンマビット119は、ツールホルダ137に対し、その長軸方向(本体部103の長軸方向)への相対的な往復動が可能に、かつその周方向への相対的な回動が規制された状態で保持される。このハンマビット119は、電動ハンマ101の一構成要素とされてもよいし、或いは電動ハンマ101とは別の構成部材とされてもよい。なお説明の便宜上、ハンマビット119側を前或いは前方、ハンドグリップ109側を後或いは後方という。
【0013】
本体部103は、駆動モータ111を収容するモータハウジング105と、当該モータハウジング105に接合されて運動変換機構113及び歯車減速機構161を収容するギアハウジング107と、当該ギアハウジング107に接合されて打撃要素115を収容するバレル部108を主体として構成される。ギアハウジング107は、モータハウジング105の前側及び上方領域に配置される。バレル部108は、ギアハウジング107の前端部に配置されてハンマビット119の長軸線上を前方に延在される。また、ハンドグリップ109は前方が開口されたコ字形に形成され、モータハウジング105の後部に連接されている。ハンドグリップ109の上部領域には、駆動モータ111を通電駆動する電源スイッチ131及び当該電源スイッチ131をオン位置とオフ位置間で動作させる操作部材133が配置されている。操作部材133は、ハンドグリップ109をハンマビット長軸方向と交差する水平方向(左右方向)に摺動自在に組み付けられ、作業者の手指によりスライド操作され、電源スイッチ131をオン位置へ動作することで駆動モータ111を通電駆動する。
【0014】
駆動モータ111の回転出力は、運動変換機構113によって直線運動に適宜変換された上で打撃要素115に伝達され、当該打撃要素115を介してハンマビット119の長軸方向(図1における左右方向)への衝撃力を発生する。駆動モータ111は、モータ軸112の軸線がハンマビット119の長軸線を横切るように交差状に配置されている。ギアハウジング107の内部空間の上部領域には、駆動モータ111の回転出力を直線運動に変換して打撃要素115に伝達する運動変換機構113が収容されている。
【0015】
運動変換機構113、歯車減速機構161及び打撃要素115の詳細に関しては、図2が参照される。図2に示すように、運動変換機構113は、駆動モータ111の回転運動を直線運動に変換して打撃要素115に伝達するものであり、駆動モータ111によって回転駆動されるクランク軸121、当該クランク軸121と共に回転するクランク板124、当該クランク板124の回転中心からシフトした位置に設けられた偏心ピン122、当該偏心ピン122を介して連接されるクランクアーム123、及びクランクアーム123によって直線往復動されるピストン125等からなるクランク機構によって構成される。駆動子としてのピストン125は、打撃要素115を駆動するものであり、シリンダ141内をハンマビット119の長軸方向と同方向に摺動可能とされる。
【0016】
クランク機構は、駆動モータ111の前方に配置され、駆動モータ111によって歯車減速機構161を介して減速して駆動される。歯車減速機構161は、モータ軸112に形成された小歯車112a、小歯車112aに噛み合い係合する第1中間歯車163A、当該第1中間歯車163Aと一体に回転する第2中間歯車163B、第2中間歯車163Bを回転自在に支持する中間軸165、第2中間歯車163Bと噛み合い係合する被動歯車167を主体として構成される。被動歯車167は、クランク軸121に一体回転するように止着されている。クランク軸121は、その軸線がハンマビット長軸線を横切るように交差状に配置されるとともに、モータ軸112に対しては中間軸165と共に平行に配置される。クランク機構は、ギアハウジング107における密閉された内部空間であるクランク室116に収容され、歯車減速機構161は、ギアハウジング107におけるクランク室116よりも上方の密閉された内部空間であるギア室117に収容される。
【0017】
打撃要素115は、シリンダ141のボア内壁に摺動自在に配置された打撃子としてのストライカ143と、ツールホルダ137に摺動自在に配置されるとともに、ストライカ143の運動エネルギをハンマビット119に伝達する中間子としてのインパクトボルト145とを主体として構成される。シリンダ141内には、ピストン125とストライカ143との間に空気室141aが形成される。ストライカ143は、ピストン125の摺動動作に伴うシリンダ141の空気室141aの空気バネを介して駆動され、ツールホルダ137に摺動自在に配置された中間子としてのインパクトボルト145に衝突(打撃)し、当該インパクトボルト145を介してハンマビット119に打撃力を伝達する構成とされる。
【0018】
電動ハンマ101の加工作業時(ハンマビット119の駆動時)において、本体部103にはハンマビット長軸方向の衝撃的かつ周期的な振動が発生する。なお、本体部103に生ずる制振対象としての主たる振動は、ピストン125とストライカ143が空気室141aの空気を圧縮したときの圧縮反力、及びストライカ143がインパクトボルト145を介してハンマビット119を打撃したときの、圧縮反力よりも僅かに遅れて発生する打撃反力である。
【0019】
図2に示すように、電動ハンマ101は、本体部103に生ずる上記振動を制振する制振機構としての動吸振器151及び当該動吸振器151を強制的(積極的)に駆動する加振機構171を備えている。
【0020】
動吸振器151は、シリンダ141に組み付けられるとともに、バレル部108によって収容される構成とされる。動吸振器151は、円環状の制振用のウェイト153と、当該ウェイト153のハンマビット長軸方向の前側と後側にそれぞれ配置された前後のコイルバネ155,157とを主体として構成される。
【0021】
ウェイト153は、シリンダ141の外側に配置される。前側のコイルバネ155は、シリンダ141の前端外周にハンマビット長軸方向に摺動自在に嵌合された前バネ受スリーブ158とウェイト153の前端面間に介在される。後側のコイルバネ157は、シリンダ141の後端外周にハンマビット長軸方向に摺動自在に嵌合された後バネ受スリーブ159とウェイト153の後端面間に介在される。前後のコイルバネ155,157は、ウェイト153にハンマビット長軸方向への付勢力を対向状に作用する。換言すれば、ウェイト153は、前後のコイルバネ155,157による付勢力が対向状に作用した状態でハンマビット軸方向に移動可能とされる。
【0022】
本体部103に搭載された動吸振器151は、電動ハンマ101の加工作業時において、制振対象である本体部103に対して、動吸振器151における制振要素であるウェイト153及び前後のコイルバネ155,157が協働して受動的な制振を行なう。これにより電動ハンマ101の本体部103に生ずる上記の振動が抑制されることとなる。
【0023】
次に動吸振器151を積極的に駆動する加振機構171につき説明する。加振機構171は、図2に示すように、クランク軸121の直下であって、かつ動吸振器151の後方に配置される。加振機構171は、図3及び図4、特に図4に詳細に示される。加振機構171は、カム軸172、カム軸172と共に回転する円形状の偏心カム173、偏心カム173の回転運動に基づきハンマビット長軸方向に直線状に動作して動吸振器151を駆動する動力伝達ピン174、カム軸172を回転自在に支持する軸受175,176、当該軸受175,176を収容する軸受ハウジング177を主体として構成される。
【0024】
加振機構171のカム軸172は、偏心カム173を挟んで下部に小径部172aを有し、上部に大径部172bを有し、当該大径部172bの上方に更にクランク板172cを有する。カム軸172は、小径部172aと大径部172bが軸受175,176を介して軸受収容部177a,177bに回転自在に支持される。これにより、カム軸172は、軸受175,176を介して軸受ハウジング177に一体化される。なお、偏心カム173の外側には、ニードルベアリング178が取り付けられており、これにより動力伝達ピン174との摺動による摩耗の防止が図られている。軸受ハウジング177は、ギアハウジング107の下面側、すなわち、クランク機構と対向する側に形成された取付用としての円形の開口部107cに下方から差し込まれてギアハウジング107のクランク室116内に配置されるとともに、ネジ189によってギアハウジング107に止着される。
なお、カム軸172のクランク板172cには、中心からシフトした位置にU字状の凹部(溝または長孔でもよい)からなる係合部172dが形成されている。この係合部172dは、軸受ハウジング177をギアハウジング107に組み付けた際に、前述したクランク機構における偏心ピン122の下端に設けた小径の突出端部122aに係合する。これによりカム軸172はクランク軸121と共に回転することが可能となる。
【0025】
動力伝達ピン174は、ハンマビット長軸方向に直列状に配置される前後2本のピン174a,174bによって構成され、そして2本のピン174a,174bのうち、偏心カム173(実質的にはニードルベアリング178の外輪、以下同様)に当接する一方(後側)のピン174aが軸受ハウジング177に取り付けられ、他方(前側)のピン174bがギアハウジング107の円筒部107aに取り付けられる。一方のピン174a、すなわち、偏心カム173に近い方のピン174aは、図2及び図3に示すように、軸受ハウジング177に設けたカム軸172の軸線と交差する方向(ハンマビット長軸方向)のピンガイド孔177cに摺動自在に挿入されるとともに、その挿入方向端部である後端面が偏心カム173に当接される。
なお、一方のピン174aは、偏心カム173が回転される際、当該ピン174aの後端面が偏心カム173の中心を通るハンマビット長軸線方向の直線上から外れることがないように、少なくとも偏心カム173の偏心量(偏心カム173に関する中心と回転中心間の距離)の2倍以上の直径を有する太さに設定されている。
【0026】
他方のピン174b、すなわち、偏心カム173から遠い方のピン174bは、ギアハウジング107の円筒部107aに形成されたハンマビット長軸方向のピンガイド孔107bに前方から挿入することで貫通状態に取り付けられる。他方のピン174bの長軸方向前端面は、動吸振器151の後バネ受スリーブ159の後端面に当接され(図2参照)、長軸方向後端面は、一方のピン174aの前端面に当接される。また、他方のピン174bは、強度が保障される範囲で極力細く設定される。すなわち、一方のピン174aよりも小径に形成されており、これによりバレル部108が取り付けられる円筒部107aの小径化を可能とし、ひいてはバレル部108の小径化が図られている。
仮に、動力伝達ピン174を1本で構成したときは、全体として一方のピン174aの太さが必要になり、その結果として円筒部107aが大径化し、それに伴いバレル部108も大径化することになる。しかるに、本実施の形態によれば、動力伝達ピン174を2本のピン174a,174bで構成することにより、動力伝達ピン174の動作の安定性を維持しつつバレル部108の小径化が達成される。
【0027】
また、軸受ハウジング177の下部の軸受収容部177bは、下方が開口177dされており、当該開口177dにクランク室116内の圧力を調整するためのエア抜き機構181が下方から組み付けられる。エア抜き機構181は、クランク室116の内部と外部を連通するエア通路182を有するフィルターケース184を主体として構成される。フィルターケース184は、フィルター収容室を有し、当該フィルター収容室には、エア通路182を通じてクランク室116内の潤滑油が外部に漏出することを防止する潤滑油を吸着するフィルター183が収容されている。フィルターケース184は、下部の軸受収容部177bの開口177dに対し下方からの嵌入によって取り外し可能に取り付けられ、嵌合面間に介在されたシール用のOリング185の摩擦によって嵌入位置に保持される。本実施の形態では、エア抜き用のフィルターケース184がカム軸172の直下に取り付けられるとともに、エア通路182の少なくとも内側開口部がカム軸172の軸線上に形成されている。このため、カム軸172の回転による遠心力でクランク室116内の潤滑油がエア通路182に進入し難くなり、潤滑油の漏れを低減できる。
【0028】
更に軸受ハウジング177には、クランク室116に潤滑油(グリス)を給油するための給油口186が形成されている。給油口186には当該給油口186を塞ぐ給油口キャップ187が下方からの嵌入によって取り外し可能に取り付けられる。給油口キャップ187は、嵌合面間に介在されたシール用のOリング188の摩擦によって嵌入位置に保持される。
【0029】
上述のように構成される電動ハンマ101においては、駆動モータ111の通電駆動によりクランク機構が駆動されると、当該クランク機構のクランク軸121と共に加振機構171のカム軸172が回転駆動される。カム軸172の回転動作は、偏心カム173及び動力伝達ピン174を介して直線動作に変換されて動吸振器151に入力される。すなわち、後バネ受スリーブ159及び後側コイルバネを介してウェイト153をハンマビット長軸方向に強制的に駆動し、これにより動吸振器151に制振作用を行わせる。すなわち、動吸振器151は、前述した受動的な制振作用に加え、ウェイト153を強制的に駆動する強制加振による能動的な制振機構としても作用し、ハンマ作業時に本体部103に生ずる振動を更に効果的に抑制する。
【0030】
図5には駆動モータ111の詳細が示される。図示のように、駆動モータ111は、駆動モータ111の駆動によって回転するモータ軸112、モータ軸112の上端側において一体に回転する遠心式の冷却ファン132、モータ軸112と一体に回転する電機子134、モータハウジング105に固定される固定子135、モータ軸112の下端側(冷却ファン132の反対側)に設けられた整流子136、整流子136の外周面に摺接して電流を供給する複数(2個)のカーボンブラシ(便宜上図示を省略する)を収容保持するブラシホルダユニット138を主体として構成される。ここでいう駆動モータ111及びモータ軸112がそれぞれ、本発明における「駆動モータ」に及び「モータ軸」相当する。モータ軸112は長軸方向の各端部が上下の軸受139a,139bを介してモータハウジング105に回転自在に支持される。なお、モータ軸112、電機子134、整流子136によって回転子が構成される。
【0031】
ブラシホルダユニット138は、図5にも示されるように、略筒状体からなるホルダベース138aに、少なくともモータブラシ(「カーボンブラシ」ともいう)を保持するブラシホルダ部138b、駆動モータ111制御用のコントローラ140の雄側の端子140aと接続される雌側の端子138c、回転子側と接続される端子(便宜上図示を省略する)等の複数の部品が予め組み込まれたアッセンブリ体であり、整流子136の外周領域に対応するモータハウジング105の外側に配置される。すなわち、ブラシホルダユニット138は、モータハウジング105における、電機子134及び固定子135を収容する大径の本体領域部105cと、下部の軸受139bを収容する下部の軸受収容部105a間の連接領域105bの外側に配置される。ブラシホルダユニット138は、ホルダベース138aをモータハウジング105の下方から連接領域105bの外側に被せるように嵌め込むとともに、ネジ(便宜上図示を省略する)によって連接領域105bに止着することで組み付けられる。ここでいうブラシホルダユニット138が、本発明における「ブラシホルダユニット」に相当する。なお、連接領域105bには、当該連接領域105bを径方向に貫通して整流子136の外周面と対向状に配置されるブラシホルダ部138bとの干渉を回避するべく、下端から上方に所定長さで延在する切欠き105dが形成されている。
【0032】
また、軸受収容部105a内には、軸受139bの長軸方後端面との間に当該軸受139bに対し長軸方向に弾発力を作用するウェーブワッシャー126が介在される。このウェーブワッシャー126は、軸受収容部105aの軸受収容空間に単に嵌め入れる構造にすると、例えば、駆動モータ111のモータハウジング105に対する組み付け作業時において、モータハウジング105を上向き(軸受収容部105aを上側)にすると、当該軸受収容部105aから脱落することになり、取り扱い上不便である。
【0033】
このことに鑑み、本実施の形態では、ウェーブワッシャー126を軸受収容空間から脱落しないように保持する部材としてのワッシャー保持リング127を備えている。ワッシャー保持リング127は、上端に鍔部127aを有し、下端に係止爪127bを有する筒状部材によって構成され、係止爪127bが軸受収容部105aの底面に形成された開口縁に係止することによって、当該軸受収容部105aに対し長軸方向の相対移動が許容された状態で取り付けられる。なお、相対移動量は、少なくともウェーブワッシャー126の弾性変形量よりも大きく設定される。ワッシャー保持リング127は、上端の鍔部127aによってウェーブワッシャー126を軸受収容部105aの底面との間に挟んで保持する。かくして、ウェーブワッシャー126は、軸受収容部105aに保持されて脱落が防止される。このため、駆動モータ111をモータハウジング105に組み付ける際の組み付け性が向上される。
【0034】
次に、本実施の形態のコントローラ140及びその周辺構造に関し、図6及び図7を参照しつつ説明する。図6には、図1中のコントローラ140をハンドグリップ109側からみた図が示され、図7には、図6中のコントローラ140のコントローラハウジング140cを本体部103側からみた様子が模式的に示される。
【0035】
本実施の形態のコントローラ140は、本体部103の後方であって、当該本体部103と作業者によって把持されるハンドグリップ109との間に配設される。ここでいうハンドグリップ109が、本発明における「ハンドル部」を構成する。図6に示すように、このコントローラ140は、コントローラハウジング140cに各種の電装品(電装材)が収容或いは組み付けられた構成を有する。換言すれば、このコントローラ140は、各種の電装品がコントローラハウジング140cに予め一体状に組み付けられる電装品アッセンブリ体とも称呼される。コントローラハウジング140cは、1または複数の部材によって適宜構成され得る。このコントローラハウジング140cは、有底箱状の収容部材或いは収容ケースとして構成されるのが好ましい。このような構成によれば、収容部材或いは収容ケースの収容空間に電装品を収容しつつ組み付けるができるため、当該電装品の保護徹底を図ることが可能となる。ここでいうコントローラ140及びコントローラハウジング140cがそれぞれ、本発明における「電装品アッセンブリ体」及び「ハウジング」に相当する。
【0036】
本実施の形態では、コントローラ140のコントローラハウジング140cに予め一体状に組み付けられる電装品として、具体的には交流電源給電用としてのACコード150、AC端子144、電源スイッチ131、制御部147、駆動モータ111制御用のコントローラ140の雄側の端子140a,140b、回転数調節ダイヤル148及びモータ回転数センサ149を備える。なお、本実施の形態の電装品アッセンブリ体では、駆動モータ111の制御部147を収容したコントローラを主体とし、このコントローラにその他の電装品を加えて一体状にアッセンブリ化していることから、このコントローラを主体とした当該電装品アッセンブリ体を、本実施の形態ではコントローラ140と称呼している。
【0037】
ACコード150は、交流電源をコントローラ140に導入する電源コードとされ、本発明における「電源コード」に相当する。このACコード150は、ACコード150自体がコントローラハウジング140cに組み付けられて保持される。具体的には、図6中に示すように、ACコード150は、コントローラハウジング140cとコードクランプ152との間に挟み込まれることによって固定され保持される。このACコード150自体の保持に関しては、ACコード150が直接的にコントローラハウジング140cに保持される形態であってもよいし、或いはACコード150とコントローラハウジング140cとの間に設けられたコードガード等の介在部材を介して間接的にコントローラハウジング140cに保持される形態であってもよい。AC端子144は、一端が交流電源に接続されるACコード150の他端が接続される端子として構成される。ここでいうAC端子144が、本発明における「電源コードが接続される電源端子」に相当する。
【0038】
電源スイッチ131は、ACコード150を通じて入力された電力を、駆動モータ111のモータ回路に通電するオン状態と、当該通電が解除されたオフ状態に切り換える切り換えスイッチとして構成される。ここでいう電源スイッチ131が、本発明における「電源スイッチ」を構成している。制御部147は、駆動モータ111の給電に関する制御を行なう制御部分であり、具体的には駆動モータ111の回転数設定が可能とされる回転数調節ダイヤル148の設定に基づいて、駆動モータ111のモータ回路に通電する電流を制御する機能を含む。この制御部147において、駆動モータ111に対し回転数制御に関する制御信号を出力する出力部分は、回転数制御以外の制御信号を出力する出力部分と共通化されてもよいし、或いは独立して別個に設けられてもよい。ここでいう制御部147が、本発明における「制御部」に相当する。
【0039】
図7に示すように、モータ回転数センサ149は、コントローラハウジング140cのうちの本体部103の後方に対向する対向面140dから駆動モータ111の回転子に向けて突出状に設けられた検出センサであり、駆動モータ111(回転子)の回転数に関する情報を検出可能な構成とされる。ここでいうモータ回転数センサ149が、本発明における「モータ回転数センサ」に相当する。また、コントローラハウジング140cの対向面140dには、制御部147によって制御された電流をブラシホルダ部138bに給電するための一対の雄側の端子140a,140aと、カーボン寿命検知用の雄側の端子140bが設けられている。
【0040】
一対の端子140a,140a及び端子140bは、これら雄側の端子(凸部)がそれぞれブラシホルダ部138b側に設けられた雌側の端子138c(凹部)に差し込まれることによって、互いに端子接続がなされる構造の端子、いわゆる「プラグイン型」の差込み端子として構成される。雄側の端子140a,140bの端子接続に際しては、本体部103の後方に配設された雌側の端子138cに対し、雄側の端子140a,140bを駆動モータ111のモータ軸112と交差する方向に装着することで当該端子接続が可能とされる。ここでいうコントローラ140側の雄側の端子140a,140bが、本発明における「接続端子」に相当し、またここでいう本体部103側の雌側の端子138cが、本発明における「被接続端子」に相当する。なお、必要に応じてはカーボン寿命検知用の端子140bを省略することもできる。また、コントローラ140側に雌側の端子を設ける一方、ブラシホルダ部138b側に雄側の端子を設ける構成を採用することもできる。
【0041】
上記構成のコントローラ140によれば、コントローラハウジング140cに組み込まれた各種の電装品(電装材)を、一部品の電装品アッセンブリ体として取り扱うことが可能となり、また接続端子及び被接続端子の端子同士のプラグイン端子接続によって一括して容易に本体部103側に組み付けることが可能となり、以ってコントローラ140の電装品の組み付け性向上が図られる。
【0042】
本実施の形態では、本体部103に上記構成のコントローラ140を組み付けた後、更にコントローラ140側からハンドグリップ109が組み付けられる。ハンドグリップ109のこの組み付けに関する具体的な構成及び動作については、図8及び図9が参照される。図8には、図1中のコントローラ140及びハンドグリップ109を工具上方からみた図であって、本体部103に対しハンドグリップ109が組み付けられる前の状態が模式的に示される。また、図9には、図1中のコントローラ140及びハンドグリップ109を工具上方からみた図であって、本体部103に対しコントローラ側からハンドグリップ109が組み付けられた後の状態が模式的に示される。
【0043】
図8に示すように、本実施の形態の電源スイッチ131は、スイッチレバー131aが図中の実線で示すオン位置と、図中の二点鎖線で示すオフ位置との間で動作可能とされている。スイッチレバー131aのオン位置では、駆動モータ111のモータ回路に対する通電がなされる一方、スイッチレバー131aのオフ位置では、駆動モータ111のモータ回路に対する通電が解除される。
【0044】
一方で、ハンドグリップ109には、作業者の手動操作によって図8中の矢印10方向或いは20方向にスライド動作可能な操作部材133が設けられている。この操作部材133は、スイッチレバー131aをオフ位置に設定するべく押圧操作される第1の操作領域133aと、スイッチレバー131aをオン位置に設定するべく押圧操作される第2の操作領域133bを有する。すなわち、この操作部材133は、第1の操作領域133aが押圧操作されることでオフ位置(図8中の実線で示す位置)へとスライド動作され、また第2の操作領域133bが押圧操作されることでオン位置(図8中の二点鎖線で示す位置)へとスライド動作される。また、この操作部材133は、先端部分に傾斜面を有する一対のガイド部133c,133cを備え、これら一対のガイド部133c,133cの間にスリット133dが形成されている。このスリット133dにスイッチレバー131aが配設された状態では、操作部材133のスライド動作に伴ってスイッチレバー131aがオン位置とオフ位置とに切り換えられる。
【0045】
このような構成では、操作部材133は、一対のガイド部133c,133c及びスリット133dの協働によって、当該操作部材133の設定位置とスイッチレバー131aの設定位置とを整合させる機能を果たす。具体的には、スイッチレバー131aが図8中に実線で示すオン位置に設定され、また操作部材133が図8中の実線で示すオフ位置に設定された状態において、図9に示すように本体部103に対しコントローラ側からハンドグリップ109を組み付ける場合を考える。この場合、操作部材133のオン位置とオフ位置との間の切り換えに要する荷重が、スイッチレバー131aのオン位置とオフ位置との間の切り換えに要する荷重よりも大きいときには、スイッチレバー131aは一方のガイド部133cの傾斜面を摺動しつつスリット133dへと誘導される。これにより、スイッチレバー131aはオン位置からオフ位置へと切り換えられるため、操作部材133の設定位置に対しスイッチレバー131aの設定位置が整合する。なお、ハンドグリップ109の組み付け時において、スイッチレバー131aが既にオフ位置に設定されている場合には、スイッチレバー131aはガイド部133cの傾斜面を摺動することなくそのままスリット133dへと配設される。必要に応じては、操作部材133のオン位置とオフ位置との間の切り換えに要する荷重が、スイッチレバー131aのオン位置とオフ位置との間の切り換えに要する荷重よりも小さく、スイッチレバー131aの設定位置に対し操作部材133の設定位置が整合するように構成してもよい。上記構成によれば、本体部103に対しハンドグリップ109を組み付ける際に、スイッチレバー131a及び操作部材133の両方の位置設定の整合性を作業者があえて確認する必要がないため合理的である。
【0046】
なお、上記実施の形態では、コントローラ140のコントローラハウジング140cに予め一体状に組み付けられる電装品として、ACコード150、AC端子144、電源スイッチ131、制御部147、雄側の端子140a,140b、回転数調節ダイヤル148及びモータ回転数センサ149を用いる場合について記載したが、本発明では、AC端子、電源スイッチ、制御部、接続端子が少なくともハウジングにアッセンブリ化される構成であればよく、これらに加えてその他の電装品をアッセンブリ化する場合、当該その他の電装品の種類や数に関しては必要に応じて適宜選択が可能である。
【0047】
また、上記実施の形態では、駆動モータ111を、モータ軸112の軸線がハンマビット長軸線を横切るように配置する形式の電動ハンマで説明したが、モータ軸112の軸線がハンマビット長軸線を横切らない、すなわちハンマビット長軸線から外れるように駆動モータ111を配置する形式の電動ハンマに適用してもよい。また、本実施の形態は、打撃工具として電動ハンマを例にとって説明したが、ハンマビット119が打撃動作と回転動作を行うハンマドリルに適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本実施の形態の電動ハンマ101の全体構成を示す断面図である。
【図2】図1中の電動ハンマ101の主要部の構成の部分拡大図である。
【図3】図2の部分拡大図である。
【図4】図3の部分拡大図である。
【図5】図1中の駆動モータ111の全体構成を示すA−A線断面図である。
【図6】図1中のコントローラ140をハンドグリップ109側からみた図である。
【図7】図6中のコントローラ140のコントローラハウジング140cを本体部103側からみた様子を模式的に示す図である。
【図8】図1中のコントローラ140及びハンドグリップ109を工具上方からみた図であって、本体部103に対しハンドグリップ109が組み付けられる前の状態を模式的に示すものである。
【図9】図1中のコントローラ140及びハンドグリップ109を工具上方からみた図であって、本体部103に対しコントローラ側からハンドグリップ109が組み付けられた後の状態を模式的に示すものである。
【符号の説明】
【0049】
101 電動ハンマ(打撃工具)
103 本体部(工具本体)
105 モータハウジング
105a 軸受収容部
105b 連接領域部
105c 本体領域部
105d 切欠き
107 ギアハウジング
107a 円筒部
107b ピンガイド孔
107c 開口部
108 バレル部
109 ハンドグリップ
111 駆動モータ
112 モータ軸
112a 小歯車
113 運動変換機構(駆動機構)
115 打撃要素(駆動機構)
116 クランク室
117 ギア室
119 ハンマビット(工具ビット)
121 クランク軸(駆動軸)
122 偏心ピン
122a 突出端部
123 クランクアーム
124 クランク板
125 ピストン
126 ウェーブワッシャー
127 ワッシャー保持リング
127a 鍔部
127b 係止爪
131 電源スイッチ
131a スイッチレバー
132 冷却ファン
133 操作部材
133a 第1の操作領域
133b 第2の操作領域
133c ガイド部
133d スリット
134 電機子
135 固定子
136 整流子
137 ツールホルダ
138 ブラシホルダユニット
138a ホルダベース
138b ブラシホルダ部
138c 雌側の端子
139a 上の軸受
139b 下の軸受
140 コントローラ
140a 雄側の端子
140b 雄側の端子
140c コントローラハウジング
140d 対向面
141 シリンダ
141a 空気室
143 ストライカ
144 AC端子
145 インパクトボルト
147 制御部
148 回転数調節ダイヤル
149 モータ回転数センサ
150 ACコード
151 動吸振器
152 コードクランプ
153 ウェイト
155 前側のコイルバネ
157 後側のコイルバネ
158 前バネ受スリーブ
159 後バネ受スリーブ
161 歯車減速機構(駆動機構)
163A 第1中間歯車
163B 第2中間歯車
165 中間軸
167 被動歯車
171 加振機構
172 カム軸
172a 小径部
172b 大径部
172c クランク板
172d 係合部
173 偏心カム
174 動力伝達ピン
174a 一方(後側)のピン
174b 他方(前側)のピン
175,176 軸受
177 軸受ハウジング
177a 上の軸受収容部
177b 下の軸受収容部
177c ピンガイド孔
177d 開口
181 エア抜き機構
182 エア通路
183 フィルター
184 フィルターケース
185 Oリング
186 給油口
187 給油口キャップ
188 Oリング
189 ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具ビットの打撃動作により被加工材に対し所定のハンマ作業を遂行させる打撃工具であって、
前記工具ビットを駆動する駆動モータと、
前記駆動モータを収容する工具本体と、
前記駆動モータの給電用の複数のモータブラシを保持するブラシホルダユニットと、
前記ブラシホルダユニットの被接続端子に対しプラグイン型の差込み形態によって端子接続が可能とされた接続端子と、
電源コードが接続される電源端子と、
前記駆動モータの通電状態及び通電解除状態を切り換え可能な電源スイッチと、
前記駆動モータの給電に関する制御を行なう制御部と、
を備え、
前記接続端子、前記電源端子、前記電源スイッチ及び前記制御部の各電装品がハウジングに一体状に組み付けられる電装品アッセンブリ体として構成され、この電装品アッセンブリ体は、前記接続端子が前記被接続端子に対しプラグイン型の差込み形態によって接続されることで、前記工具本体側に組み付けられる構成であることを特徴とする打撃工具。
【請求項2】
請求項1に記載の打撃工具であって、
前記電装品アッセンブリ体は、前記駆動モータの回転数に関する情報を検知するモータ回転数センサが前記ハウジングに一体状に組み付けられる構成であり、前記制御部は、前記モータ回転数センサによる検知情報に基づいて前記駆動モータに対し回転数制御に関する制御信号を出力する構成であることを特徴とする打撃工具。
【請求項3】
請求項1または2に記載の打撃工具であって、
前記電装品アッセンブリ体は、前記工具本体の後方であって、当該工具本体と作業者によって把持されるハンドル部との間に配設されるとともに、前記工具本体の後方に配設された前記被接続端子に対し、前記接続端子を前記駆動モータの駆動によって回転するモータ軸と交差する方向に装着することで前記被接続端子及び接続端子が端子接続される構成であることを特徴とする打撃工具。
【請求項4】
請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の打撃工具であって、
前記駆動モータの駆動によって回転するモータ軸が前記工具ビットの長軸線に対して当該長軸線を横切るように交差状に配置された構成であることを特徴とする打撃工具。
【請求項5】
請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の打撃工具であって、
前記電装品アッセンブリ体は、前記電源端子に接続された前記電源コード自体が前記ハウジングに保持される構成であることを特徴とする打撃工具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−226537(P2009−226537A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−74649(P2008−74649)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(000137292)株式会社マキタ (1,210)
【Fターム(参考)】